説明

記録装置

【課題】被記録媒体先端のカールを抑える手段を、構造簡単にして低コストに得る。
【解決手段】プリンター1Aは、用紙Pに記録を行う記録ヘッド22と、記録の行われた用紙Pを排出する排出手段25、28とを備えている。排出従動ローラー27、30は、フレーム材33により支持されており、このフレーム材33の上流側直近には、用紙Pの記録面に対し反対側の面と接する、外周面に粘着性を備えた粘着ローラー33が設けられている。この粘着ローラー33が設けられていることで、用紙先端がフレーム材31の上方に乗り上がり、紙ジャムとなることを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体に記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリやプリンター等に代表される、被記録媒体に記録を行う記録装置は、例えば記録ヘッドと対向する位置に被記録媒体を支持する支持部材を備え、記録ヘッドの上流側に設けられた搬送手段によって記録ヘッドと支持部材との間に被記録媒体が搬送され、記録が行われる様になっている。そして、記録の行われた被記録媒体は、記録ヘッドの下流側に設けられた排出手段によって、装置外部へと排出される。
【0003】
しかしながら、例えば記録ヘッドの下流側に設けられた排出手段が、記録面側に設けられる従動ローラーと、その反対側に設けられる駆動ローラーとで構成された場合において、被記録媒体の先端が記録ヘッド側にカールしていると、この被記録媒体先端が、従動ローラーを支持するフレーム部材の下側を通過せずに、その上側に乗り上がり、紙ジャムが発生する虞がある。
【0004】
この様な被記録媒体先端のカールは、給紙前から生じている場合もあり、或いは被記録媒体がインクを吸収して撓むことによって生じる場合もあり、或いは両面記録の為に反転経路を搬送された際の曲がり癖によって生じる場合もあり、種々の原因が考えられる。
【0005】
そこで上記の様な被記録媒体先端のカールに伴う紙ジャムを防止する為に、従来、特許文献1−3に示されるように記録ヘッドを搭載するキャリッジに帯状体(フィルム或いはベルト)を取り付け、この帯状体によって被記録媒体先端のカールを押さえ、上記の様な紙ジャムを防止する構成が採用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−6603号公報
【特許文献2】特開2002−240380号公報
【特許文献3】実開平5−41816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記特許文献1−3記載の従来構成においては、構成が複雑化し易く、コストアップや装置の大型化を招き易い。
そこで本発明はこの様な状況に鑑み成されたものであり、その目的は、被記録媒体先端のカールを抑える手段を、構造簡単にして低コストに得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、被記録媒体の搬送方向において前記記録ヘッドより下流側に設けられ、記録の行われた被記録媒体を排出する排出手段と、を備え、前記排出手段において被記録媒体の記録面側と接するローラーは、フレーム材により支持されており、前記搬送経路において前記フレーム材の上流側端部位置より上流側には、被記録媒体の記録面に対し反対側の面と接する、外周面に粘着性を備えた粘着ローラーが設けられていることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、排出手段を構成するローラーを支持するフレーム材の上流側端部位置より上流側には、被記録媒体の記録面に対し反対側の面と接する、外周面に粘着性を備えた粘着ローラーが設けられているので、被記録媒体の先端に上方向に向かうカールが形成されていても、被記録媒体が粘着ローラーに付着しながら搬送されることで、被記録媒体先端がフレーム材に乗り上がり、紙ジャムとなることを防止できる。また、粘着ローラーにより、被記録媒体先端が下方向に癖付けされるので、これにより被記録媒体先端のカールの程度を軽減させることができる。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記粘着ローラーは、被記録媒体と接触可能な進出位置と、被記録媒体と接触しない退避位置と、の間を変位可能に設けられ、前記粘着ローラーの進退動作を制御する制御手段は、被記録媒体へ試験的に記録を行うテスト記録モードによる記録時にのみ、前記粘着ローラーを前記進出位置に進出させることを特徴とする。
【0011】
テスト記録モードは、本番記録モードとは異なり、低コストの被記録媒体、より具体的には厚みの薄い被記録媒体が用いられるが、この様な被記録媒体は、先端のカールが生じ易い性質を有している。そこで本態様は、この様な性質を利用し、テスト記録モードによる記録時のみ、粘着ローラーを進出位置に進出させるので、粘着ローラーの寿命を延ばすことができ、特に粘着性能を長期に渡って維持することができる。
【0012】
本発明の第3の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記粘着ローラーは、被記録媒体搬送方向において前記フレーム材の上流側端部位置に対し、その上流側直近に設けられていることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、前記粘着ローラーは、被記録媒体搬送方向において前記フレーム材の上流側端部位置に対し、その上流側直近に設けられているので、被記録媒体先端がフレーム材の上方に乗り上がり紙ジャムとなることをより確実に防止できる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記粘着ローラーの外周面に付着した異物を除去するクリーニング手段を備えていることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記粘着ローラーの外周面に付着した異物を除去するクリーニング手段を備えているので、粘着ローラーの寿命を延ばすことができ、特に粘着性能を長期に渡って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るプリンターの記録実行領域の側断面図。
【図2】本発明の他の実施形態に係るプリンターの記録実行領域の側断面図。
【図3】本発明の他の実施形態に係るプリンターの記録実行領域の側断面図。
【図4】本発明の他の実施形態に係るプリンターの記録実行領域の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、以下説明する実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることを前提として、以下本発明の一実施形態を説明するものとする。
【0018】
図1は本発明に係る記録装置の一実施形態としてのインクジェットプリンター(以下「プリンター」と略称する)1Aの要部(記録実行領域)の側断面図である。尚、図2乃至図4は他の実施形態に係るプリンターの要部(記録実行領域)の側断面図である。
【0019】
尚、各図において示すx−y−z座標系において、y方向は媒体搬送方向を示しており、x方向は媒体搬送方向と直交する方向を示しており、z方向は装置高さ方向(重力方向)を示している。以下、場合によりy方向を適宜「用紙搬送方向」と言い、x方向を「用紙幅方向」或いは「主走査方向」と言うこととする。また、図1乃至図4の左方向を用紙搬送経路の下流側と言い、同右方向を用紙搬送経路の上流側と言うこととする。
【0020】
以下、図1を参照しながらプリンター1Aの用紙搬送経路上の構成について概説する。図1において、最も上流側に位置する搬送手段15の更に上流側には、図示を省略する用紙給送装置が設けられており、この用紙給送装置から、被記録媒体の一例としての用紙Pが搬送手段15へと送られて来る。
【0021】
この搬送手段15は、搬送駆動ローラー16と、搬送従動ローラー17とを備えて構成されている。搬送駆動ローラー16は、図示しないモーターにより回転駆動されるローラーであり、搬送従動ローラー17は、搬送駆動ローラー15との間で媒体をニップして従動回転するローラーである。
【0022】
本実施形態において搬送駆動ローラー16は、媒体幅方向に長い金属軸の表面に摩擦係数を高める為の高摩擦材が付着されて成り、搬送従動ローラー17は、成形後のローラー表面の摩擦係数が低い樹脂材料により形成され、搬送駆動ローラー16の長さ方向に渡って適宜の間隔で複数配置される。
【0023】
搬送手段15の下流側近傍には補助ローラー18が設けられており、この補助ローラー18により、媒体の浮き上がりが規制されるようになっている。ここで搬送従動ローラー17と補助ローラー18は、上部案内部材19に回転自在に支持されており、例えば1つの上部案内部材19に対して、搬送従動ローラー17と補助ローラー18とがそれぞれ2つ軸支されている。
【0024】
上部案内部材19は、揺動軸19aを中心に揺動可能に設けられているとともに、図示を省略する付勢手段(例えば、コイルばね)によって、搬送従動ローラー17が搬送駆動ローラー16に圧接する方向に付勢された状態となっている。
【0025】
搬送手段15の下流側には、インクジェット式の記録ヘッド22と、媒体支持部材23とが対向配置されている。記録ヘッド22は、キャリッジ21の底部に設けられ、このキャリッジ21は図示しないモーターの動力により主走査方向に往復移動する。
【0026】
媒体支持部材23は、媒体を下方から支持することにより、用紙Pの記録面と記録ヘッド22のヘッド面との間の距離(ギャップ)を規定する。媒体支持部材23において記録ヘッド22と対向する面には、用紙搬送方向に延びるリブ23a、23bが、主走査方向に適宜の間隔を空けて複数形成され、これによって用紙Pに規則的なコックリングが形成される様になっている。
【0027】
尚、キャリッジ21は図示しないギャップ調整手段により上下方向、即ち上記ギャップが変化する方向に変位可能となっている。これにより、媒体の厚みに拘わらず、媒体の記録面と記録ヘッド22のヘッド面との間の距離(ギャップ)を一定に保つことが可能となっている。尚、本実施形態において上記ギャップは、例えばプリンタドライバー上で指定された媒体の情報に基づき、自動で調整される様になっている。
【0028】
次いで記録ヘッド22の下流側には、用紙Pを排出する排出手段として第1媒体排出手段25と、第2媒体排出手段28と、が設けられている。第1媒体排出手段25は、図示しないモーターにより回転駆動されるとしての排出駆動ローラー26と、当該排出駆動ローラー26との間で媒体をニップすることで従動回転する排出従動ローラー27と、を備えて構成されている。
【0029】
また同様に、第2媒体排出手段28は、図示しないモーターにより回転駆動される排出駆動ローラー29と、当該排出駆動ローラー29との間で媒体をニップすることで従動回転する排出従動ローラー30と、を備えて構成されている。そして第1媒体排出手段25と第2媒体排出手段28とにより、記録の行われた用紙Pが、図示を省略するスタッカーに向けて排出される。
【0030】
尚、排出駆動ローラー26、29は、本実施形態ではゴムローラーであり、排出従動ローラー27、30は、本実施形態では外周に沿って突起(歯)を複数有するギザローラーである。そして符号31は、排出従動ローラー27、30を支持するフレーム材を示している。
【0031】
続いて、用紙搬送経路に設けられた粘着ローラーについて説明する。図1において符号33は、外周面に粘着性を備えた粘着ローラーを示している。この粘着ローラー33は、フレーム材31の上流側端部位置に対し、その上流側直近に設けられ、搬送される用紙Pの記録面とは反対側の面と接触して従動回転可能となっている。
【0032】
粘着ローラー33は、以下の様な作用効果を奏する。即ち、用紙先端に上方向のカールが生じている状態で、当該用紙が第1媒体排出手段25に到達する際、用紙先端が図1において符号P’で示すようにフレーム材31の上方に乗り上がり、そして紙ジャムとなる虞がある。
【0033】
しかしながらフレーム材31の上流側端部直近に、粘着ローラー33が設けられていることで、用紙先端の粘着ローラー33への付着効果により用紙先端の過剰な上方向への浮き上がりが防止され、これにより用紙先端がフレーム材31の上方に乗り上がり、紙ジャムとなることを防止することができる。
【0034】
尚、粘着ローラー33外周の粘着層は、例えば樹脂製或いは金属製ローラーの外周面にアクリル粘着処理或いはシリコーン粘着処理などを施して形成することができ、或いはその他の公知の粘着材料、処理方法を用いて形成することができる。
【0035】
次にこの粘着ローラー33は、図示しないソレノイド等の駆動手段によって図1の実線で示す進出位置(用紙と接触可能な位置)と、図1の仮想線で示す退避位置(用紙と接触しない位置)と、の間を変位可能に設けられている。
【0036】
本実施形態に係るプリンター1Aは、用紙へ試験的に記録を行うテスト記録モードを実行可能に構成されており、このテスト記録モードの実行時には、本番記録時よりも厚みの薄い用紙が用いられる。この様な薄手の用紙は、先端のカールが生じ易い性質を有していることから、粘着ローラー33の進退動作を制御する制御部12は、テスト記録モードによる記録時のみ、粘着ローラー33を進出位置に進出させる。
【0037】
これにより、テスト記録モード時に用紙先端のカールに起因する紙ジャムを防止できるとともに、通常の記録時には粘着ローラー33は用紙Pと接しないので、粘着ローラー33の粘着性能の寿命を延ばすことができる。尚、用紙先端のカールに伴う紙ジャムは、用紙先端がフレーム材31の上流側端部を通過する際に生じるので、例えば用紙先端がフレーム材31の上流側端部を通過した後は、粘着ローラー33を進出位置から退避位置に変位させる様に構成すれば、より一層粘着ローラー33の粘着性能の寿命を延ばすことができる。
【0038】
特に、近年プリンターの家庭への普及に伴って、自分で年賀状等のデザインを作成して印刷するユーザーが増加している。そして、このようなユーザーの要望に特化した専用のプリンターも登場している。このようなものとして、例えば特開2005−178268に開示されているような、葉書サイズや葉書よりも小さい名刺サイズの記録媒体を専用に印刷できるプリンターが知られている。
【0039】
このプリンターは、専用紙である葉書等を用いて印刷する前に、葉書のサイズにカットした普通紙等を使用して、テスト印刷が行われることがある。ところがこの種のプリンターは葉書等に特化しているため、プリンターそのものが小型に作られている。そして、上述したような用紙先端のカールに起因する紙ジャムが生じても、紙ジャム処理のための作業スペースが小さかったり、紙ジャム処理がそもそも行なえなかったりするものもある。
【0040】
したがって紙ジャムの発生はできるだけ防がなければならないが、葉書等の専用紙に特化したプリンターでは、普通紙等を使用したテスト印刷の際に、専用紙と同じようにインクを吐出していたのではカールが発生しやすくなる。そこで、上記のようなプリンターでは、用紙の大きさは専用紙と同じで、厚みの薄い用紙を用いた上述のテスト記録モードを備えておくことで、テスト印刷の際のカールの発生を大幅に低減することが可能となる。
【0041】
尚、以上説明した実施形態では、粘着ローラー33が用紙搬送経路に対して進退可能に設けられているが、これに限られず、用紙搬送経路に常に進出した状態に設けられていても良い。また、粘着ローラー33は自由回転可能に設けられているが、モーターにより用紙Pの搬送と同期して回転する様に構成しても良い。
【0042】
また粘着ローラー33は、主走査方向に延びる1本の軸体によって形成しても良いし、主走査方向に適宜の間隔を空けて複数設ける様に構成しても良い。その場合、リブ23a、23bの位置と一致する様に粘着ローラー33を配置することで、リブ23a、23bと協働して用紙Pに規則的なコックリングを形成することができる。
【0043】
また、媒体支持部材23に形成されたリブ23bの上面に、粘着ローラー33と同様な粘着層を設けても良い。こうすることにより、記録領域内における用紙P先端の浮き上がりを防止し、良好な記録結果を得ることができる。
【0044】
次いで、図2を参照しながら他の実施形態について説明する。尚、図2乃至図4に示す他の実施形態において、既に説明した構成と同一の構成には同一符号を付してあり、以下ではその説明は省略する。
【0045】
図2に示すプリンター1Bでは、粘着ローラー33の下方に、クリーニング手段としての、自由回転可能な清掃ローラー36を備えた点に特徴がある。清掃ローラー36は、粘着ローラー36と同様に外周面に粘着性を備えており、粘着ローラー33と接して回転することにより、粘着ローラー33の外周面に付着した紙粉等の異物を除去する機能を果たす。従って清掃ローラー36外周面の粘着力は、粘着ローラー33のそれよりも強くなっている。また粘着ローラー33の径よりも、清掃ローラー36の径を大きくしている。
【0046】
尚、粘着ローラー33が図1を参照しつつ説明した様に用紙搬送経路に対して進退可能に構成されている場合、清掃ローラー36は、粘着ローラー33と同期して上下動する様に構成しても良いし、粘着ローラー33が退避位置にあるときにのみ粘着ローラー33と接触する様に、固定的に設けられていても良い。
【0047】
また清掃ローラー36は、容易に着脱可能に構成することも好適である。この様に構成することで、清掃ローラー36の清掃能力が落ちた際に、新しい清掃ローラー36に容易に交換することができる。また清掃ローラー36は、自由回転可能に設ける他、モーターにより回転駆動される様に設けても良い。
【0048】
次いで、図3を参照しながら更に他の実施形態について説明する。図3に示すプリンター1Cでは、媒体支持部材23に形成されたリブ23bに代えて、粘着ローラー34(外周面に粘着ローラー33と同様な粘着層を持つ)を配置した点に特徴がある。この様に構成することで、記録領域内における用紙P先端の浮き上がりを防止し、良好な記録結果を得ることができる。
【0049】
尚、この様な粘着ローラー34は、主走査方向に延びる1本の軸体によって形成しても良いし、主走査方向に適宜の間隔を空けて複数設ける様に構成しても良い。その場合、リブ23aの位置と一致する様に粘着ローラー34を配置することで、リブ23aと協働して用紙Pに規則的なコックリングを形成することができる。これは粘着ローラー33についても同様であり、粘着ローラー33についてもリブ23aの位置と一致する様に、主走査方向に適宜の間隔を空けて複数設ける様に構成することが好ましい。
【0050】
次いで、図4を参照しながら更に他の実施形態について説明する。図4に示すプリンター1Dでは、図3を参照しつつ説明したプリンター1Cの構成に加え、更に搬送手段15の上流側に粘着ローラー35(外周面に粘着ローラー33と同様な粘着層を持つ)を配置した点に特徴がある。
【0051】
この様に構成することにより、用紙Pが記録領域に進入する前に、用紙先端が粘着ローラー35に或る程度巻き付くことに伴う、カールの除去効果を或る程度得ることが可能となり、記録領域におけるカールの影響を軽減できるとともに、フレーム材31の上方に乗り上がって紙ジャムとなる不具合の発生をより確実に防止できる。尚、この様なカール軽減機能を期待した粘着ローラーの配置位置は、図4に示した位置に限られず、適宜その他の位置を選択することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 インクジェットプリンター、12 制御部、15 搬送手段、16 駆動ローラー、17 従動ローラー、18 補助ローラー、19 上部支持部材、21 キャリッジ、22 インクジェット記録ヘッド、23 媒体案内部材、25 第1媒体排出手段、26 排出駆動ローラー、27 排出従動ローラー、28 第2媒体排出手段、29 排出駆動ローラー、30 排出従動ローラー、31 フレーム材、33、34、35 粘着ローラー、36 清掃ローラー、P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
被記録媒体の搬送方向において前記記録ヘッドより下流側に設けられ、記録の行われた被記録媒体を排出する排出手段と、を備え、
前記排出手段において被記録媒体の記録面側と接するローラーは、フレーム材により支持されており、
前記搬送経路において前記フレーム材の上流側端部位置より上流側には、被記録媒体の記録面に対し反対側の面と接する、外周面に粘着性を備えた粘着ローラーが設けられている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、前記粘着ローラーは、被記録媒体と接触可能な進出位置と、被記録媒体と接触しない退避位置と、の間を変位可能に設けられ、
前記粘着ローラーの進退動作を制御する制御手段は、被記録媒体へ試験的に記録を行うテスト記録モードによる記録時にのみ、前記粘着ローラーを前記進出位置に進出させる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の記録装置において、前記粘着ローラーは、被記録媒体搬送方向において前記フレーム材の上流側端部位置に対し、その上流側直近に設けられている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置において、前記粘着ローラーの外周面に付着した異物を除去するクリーニング手段を備えている、
ことを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−166867(P2012−166867A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26873(P2011−26873)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】