説明

診断システム、医療映像システム、及び診断映像を表示する方法、並びに記録媒体

【課題】リアルタイム高解像度診断映像を提供する被写体を診断する診断システム、被写体の診断映像を提供する医療映像システム、及び被写体についての診断映像を表示する方法の提供。
【解決手段】被写体を診断する診断システムにおいて、被写体と信号を送受信する少なくとも1行以上のアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する複数のサブアレイを有するプローブと、複数のサブアレイが配列された方向にアナログ・ビームフォーミングを遂行し、前記複数のサブアレイが配列された方向に対して垂直方向に、デジタル・ビームフォーミングを遂行するハイブリッド・ビームフォーマと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を診断する診断システム、被写体に係る診断映像を提供する医療映像システム、及び被写体に係る診断映像を表示する方法、並びにコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用超音波映像装置は、人体に無害であり、リアルタイムで人体内部の解剖学的情報及び機能的情報を提供する。これにより、超音波映像装置の世界市場は、毎年約6%ほど続けて成長し、2010年基準で57億ドルに至った。超音波医療映像装置は、一次元アレイ変換子を使用し、人体内部の断面に関する二次元映像を提供する。また、超音波医療映像装置は、一次元アレイ変換子を機械的に移動させつつ、人体内部のボリューム(volume)情報を獲得し、人体内部の三次元映像を提供することもできる。このような技術は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国登録特許公報US7,338,450号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、リアルタイム高解像度診断映像を提供する被写体を診断する診断システム、被写体に係る診断映像を提供する医療映像システム、及び被写体に係る診断映像を表示する方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、前記方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
また、本発明の目的は、前述の技術的課題に限定されるものではなく、他の技術的課題も存在しうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による被写体を診断(diagnosis)する診断システムは、前記被写体と信号を送受信する少なくとも1行以上のアレイ(array)変換子(transducer)を1つのサブアレイ(sub−array)に構成する複数のサブアレイを含むプローブ(probe)と、前記サブアレイが配列された方向にアナログ・ビームフォーミングを遂行し、前記サブアレイが配列された方向に対し垂直方向に、デジタル・ビームフォーミングを遂行するハイブリッド・ビームフォーマ(hybrid beamformer)と、を有することを特徴とする。
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による被写体に関する診断映像を提供する医療映像システムは、前記被写体と信号を送受信する少なくとも1行以上のアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する複数のサブアレイを有するプローブと、前記サブアレイが配列された方向にアナログ・ビームフォーミングを遂行し、前記サブアレイが配列された方向に対し垂直方向に、デジタル・ビームフォーミングを遂行して受信ビームを形成するハイブリッド・ビームフォーマと、前記形成された受信ビームを利用して診断映像を生成する診断映像生成部と、を有することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による被写体に関する診断映像を表示する方法は、プローブが有する複数のサブアレイそれぞれに関わるデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値と、前記複数のサブアレイのうちいずれか1つのサブアレイに含まれた変換子それぞれに関わるアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値と、を算出する段階と、前記算出された時間遅延値によって、前記サブアレイに含まれた変換子が、前記被写体に信号を送信する段階と、前記サブアレイに含まれた変換子が受信した信号を、前記アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成し、前記複数のサブアレイに関わる複数のアナログ信号を生成する段階と、前記複数のアナログ信号それぞれをデジタル信号に変換する段階と、前記変換された複数のデジタル信号を、前記デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成する段階と、前記合成結果を利用して生成された診断映像を表示する段階と、を有し、前記サブアレイは、少なくとも1行以上のアレイ変換子から構成されることを特徴とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、前記診断映像を表示する方法を、コンピュータで実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る被写体を診断する診断システム、被写体の診断映像を提供する医療映像システム、及び被写体の診断映像を表示する方法によれば、ハードウェアの複雑度及び演算量を減少させるハイブリッド・ビームフォーマを使用し、被写体に関する三次元診断映像の生成及び表示が可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による診断システム使用環境の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による診断システムを示す構成図である。
【図3】本発明の一実施形態によるサブアレイの例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による制御部において、サブアレイ別にデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出する方法を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態による高さ方向(elevation direction)及び側面方向(lateral direction)の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による診断システムの送信ビームフォーミング動作の一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による診断システムの受信ビームフォーミング動作の一例を示した図である。
【図8】本発明の一実施形態による医療映像システムを示した構成図である。
【図9】本発明の一実施形態による診断映像を表示する方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の診断システム、医療映像システム、診断映像の表示方法、及び記録媒体を実施するための形態の具体例を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による診断システム10の使用環境の一例を示す構成図である。
図1を参照すれば、本実施形態による診断システム10は、プローブ(probe)100及びハイブリッド・ビームフォーマ(hybrid beamformer)200から構成されるが、これに限定されるものではない。
【0012】
また、図1は、プローブ100及びハイブリッド・ビームフォーマ200を別個の装置として図示しているが、これに限定されるものではなく、ハイブリッド・ビームフォーマ200は、プローブ100と結合可能である。
【0013】
本実施形態によるプローブ100は、被写体と信号を送受信し、ハイブリッド・ビームフォーマ200は、送信ビームを形成し、プローブ100で変換されて被写体に送信される信号を生成し、プローブ100によって受信された信号を合成して受信ビームを形成する。
【0014】
例えば、本実施形態によるプローブ100は、被写体と信号を送受信する少なくとも1行以上のアレイ(array)変換子(transducer)を1つのサブアレイ(sub−array)に構成する複数のサブアレイを有し、ハイブリッド・ビームフォーマ200は、サブアレイが配列された方向にアナログ・ビームフォーミングを遂行し、サブアレイが配列された方向に対し垂直方向に、デジタル・ビームフォーミングを遂行する。このとき、サブアレイが配列された方向は、高さ方向(elevation direction)または側面方向(lateral direction)になり、サブアレイが配列された方向に対する垂直方向とは、側面方向または高さ方向になる。
【0015】
本実施形態による診断システム10は、被写体についての情報を示す信号を出力し、出力された信号は、診断映像に生成されてユーザに表示される。このとき、本実施形態による診断映像は、三次元映像になるが、これに限定されるものではない。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態による診断システム10を示す構成図である。
図2を参照すれば、本実施形態による診断システム10は、プローブ100及びハイブリッド・ビームフォーマ200から構成され、ハイブリッド・ビームフォーマ200は、制御部210、信号生成部212、送受信スイッチ部214、受信信号処理部216、アナログ・ビームフォーマ(analog beamformer)220、アナログ・デジタル変換器(ADC:analog−digital converter)230及びデジタル・ビームフォーマ(digital beamformer)240から構成され、デジタル・ビームフォーマ240は、送信デジタル・ビームフォーマ241及び受信デジタル・ビームフォーマ242から構成される。
【0017】
図2に示した診断システム10には、本実施形態と関連した構成要素だけが図示されている。従って、診断システム10には、図2に示した構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれることは、本実施形態に関連した技術分野の当業者であれば、理解することができるであろう。
【0018】
また、図2に示した診断システム10の制御部210、受信信号処理部216、アナログ・ビームフォーマ220、アナログ・デジタル変換器230及びデジタル・ビームフォーマ240は、一つまたは複数個のプロセッサに該当しうる。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによって具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによって具現することができる。また、他の形態のハードウェアによって具現することもできることは、本実施形態が属する技術分野の当業者であれば、理解することができるであろう。
【0019】
本実施形態による診断システム10は、被写体に係る診断映像を示す信号を出力し、このとき、診断映像は、三次元診断映像になるが、これに限定されるものではない。
【0020】
プローブ100は、被写体と信号を送受信する。このとき、送受信される信号は、超音波信号になりうるが、これに限定されるものではない。これにより、本実施形態によるプローブ100は、被写体と超音波信号を送受信する少なくとも1行以上のアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する複数のサブアレイを有する。
【0021】
このとき、変換子は、ハイブリッド・ビームフォーマ200で生成された電気信号を超音波信号に変換し、被写体から反射された超音波信号を電気信号に変換し、ハイブリッド・ビームフォーマ200に伝送する。
【0022】
本実施形態によるプローブ100は、このような変換子を二次元アレイの形態で有しているので、診断システム10は、三次元診断映像を示すための信号を出力することができる。このとき、診断映像は、超音波映像になるが、これに限定されるものではない。前述の二次元アレイの形態は、変換子がM×N個配列された場合を意味し、M及びNは、1以上の整数であり、MとNは、同数になることもある。
【0023】
また、本実施形態によるプローブ100は、少なくとも1行以上のアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する複数のサブアレイを有する。
【0024】
プローブ100が、高さ方向及び側面方向に、M×N個配列された変換子を含む場合を例に挙げて説明すれば、サブアレイは、高さ方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子、または側面方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子のいずれかであるが、これに限定されるものではなく、サブアレイは、2行以上のアレイ変換子になりうる。
【0025】
これにより、ハイブリッド・ビームフォーマ200は、プローブ100に含まれた複数の変換子をサブアレイ毎に区別して制御するので、変換子を制御するケーブルの数及び演算量を減少させることができる。
サブアレイについては、後述する図3(A)〜(D)で詳細に説明する。
【0026】
ハイブリッド・ビームフォーマ200は、送信ビームを形成し、プローブ100で変換して、被写体に送信する信号を生成し、プローブ100によって受信した信号を合成して受信ビームを形成する。さらに詳細に説明すれば、ハイブリッド・ビームフォーマ200は、送信ビームを形成して電気信号を生成し、プローブ100は、ハイブリッド・ビームフォーマ200で生成した電気信号を超音波信号に変換して被写体に送信し、プローブ100は、被写体から反射された超音波信号を電気信号に変換し、ハイブリッド・ビームフォーマ200は、プローブ100で変換された電気信号を合成し、被写体についての情報を示す受信ビームを形成する。これにより、ハイブリッド・ビームフォーマ200で形成された受信ビームは、DSP(digital signal processing)などの所定の処理手順によって、被写体の診断映像になる。
【0027】
制御部210は、ハイブリッド・ビームフォーマ200の全般的な動作を制御するために、信号生成部212、送受信スイッチ部214、受信信号処理部216、アナログ・ビームフォーマ220、アナログ・デジタル変換器230及びデジタル・ビームフォーマ240を制御する。さらに詳細に説明すれば、制御部210は、プローブ100に含まれた変換子と、被写体の集束点との距離差による時間遅延値を算出し、算出された時間遅延値によって送受信ビームが形成され、これによる送受信信号が生成されるように制御する。
【0028】
本実施形態による制御部210は、複数のサブアレイそれぞれについて、サブアレイ毎にデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出し、サブアレイ毎に算出された時間遅延値によって、変換子が被写体と信号を送受信するように制御する。また、本実施形態による制御部210は、複数のサブアレイのうちいずれか1つのサブアレイに含まれた変換子それぞれについて、アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出し、算出された時間遅延値によって、被写体と信号を送受信するように制御する。このとき、複数のサブアレイに含まれた変換子のうち、サブアレイが配列された方向に対して垂直方向の同じ位置にある変換子は、同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を有するので、制御部210は、複数のサブアレイのうちいずれか1つのサブアレイに含まれた変換子それぞれについてのみ、アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出する。また、本実施形態によるアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値は、変換子と集束点との間の距離によって算出されるが、これに限定されるものではない。
【0029】
本実施形態に関連した技術分野の当業者であれば、デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出する方法、及びアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出する方法について理解可能であるので、詳細な説明は省略する。
【0030】
制御部210は、アナログ・ビームフォーマ220によって、サブアレイが配列された方向にアナログ・ビームフォーミングが遂行され、デジタル・ビームフォーマ240によって、サブアレイが配列された方向に対し垂直方向に、デジタル・ビームフォーミングが遂行されるように制御する。
【0031】
プローブ100が第1〜第3サブアレイの3個のサブアレイを含み、各サブアレイは、5個の変換子(例えば、サブアレイが配列された方向順に、変換子a、変換子b、変換子c、変換子d、変換子eとする)を含む場合を例に挙げて説明すれば、制御部210は、3個のサブアレイそれぞれについて、デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出する。算出された時間遅延値をそれぞれd1、d2及びd3とすれば、制御部210は、第1サブアレイに含まれた変換子が、時間遅延値d1によって、被写体と信号を送受信し、第2サブアレイに含まれた変換子が、時間遅延値d2によって、被写体と信号を送受信し、第3サブアレイに含まれた変換子が、時間遅延値d3によって、被写体と信号を送受信するように、プローブ100の変換子を制御する。
【0032】
また、制御部210は、3個のサブアレイのうちいずれか1つのサブアレイに含まれた変換子について、アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出する。このとき、制御部210は、3個のサブアレイに含まれた変換子のうち、サブアレイが配列された方向に対し垂直方向で同じ位置にある変換子が、同じ時間遅延値によって、被写体と信号を送受信するように制御する。
【0033】
例えば、制御部210は、第1サブアレイに含まれた変換子a〜eのそれぞれのアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値(例えば、t1〜t5)を算出し、算出された時間遅延値に基づいて、第1サブアレイに含まれた変換子a、第2サブアレイに含まれた変換子a、及び第3サブアレイに含まれた変換子aが同じ時間遅延値t1によって、被写体と信号を送受信するように制御する。ここで、本実施形態における同じ位置とは、サブアレイが配列された方向に対し垂直方向の同じラインに配列された場合を指す。
【0034】
これまで、複数のサブアレイのうち、第1サブアレイを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、他のサブアレイを基準にアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出することもできる。
【0035】
本実施形態による制御部210は、プローブ100に含まれた変換子が、サブアレイ毎に所定のデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値(例えば、d1〜d3)を有し、また、サブアレイそれぞれに含まれた変換子のうち、サブアレイが配列された方向に対し垂直方向で同じ位置の変換子は、所定の同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値(例えば、t1〜t5)を有するように制御する。これについては、後述の図6及び図7で詳細に説明する。
【0036】
ただし、これらに限定されるものではなく、制御部210は、第1サブアレイに含まれた5個の変換子のうち、一つまたはそれ以上の変換子で、時間遅延値d1によって、被写体と信号を送受信し、第2サブアレイに含まれた5個の変換子のうち、一つまたはそれ以上の変換子で、時間遅延値d2によって、被写体と信号を送受信し、第3サブアレイに含まれた5個の変換子のうち、一つまたはそれ以上の変換子で、時間遅延値d3によって、被写体と信号を送受信するようにプローブ100の変換子を制御することができることは、本実施形態に関連した技術分野の当業者であれば、理解できるであろう。
【0037】
また、サブアレイ毎に、デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値d1〜d3を算出する方法について、例えば、制御部210は、サブアレイに含まれた複数の変換子のうち、集束点と最も近くに位置した変換子を基準に、時間遅延値を算出したり、集束点と最も遠くに位置した変換子を基準に、時間遅延値を算出したり、真ん中に位置した変換子を基準に、時間遅延値を算出したり、または集束点と複数の変換子との間の距離の平均を利用して時間遅延値を算出することができるが、これらに限定されるものではない。これについて、後述の図4で詳細に説明する。
【0038】
本実施形態による制御部210は、複数のサブアレイそれぞれについて、同じ基準を使用し、デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出する。それにより、複数のサブアレイそれぞれは、互いに異なる時間遅延値を有する。
【0039】
これにより、制御部210は、複数のサブアレイに含まれた変換子が、適切な時間遅延値をもって、被写体と信号を送受信するように制御することによって、ハイブリッド・ビームフォーマ200で形成される受信ビームによって生成される診断映像の鮮明度を向上させることができる。
【0040】
また、プローブ100が有する変換子に、アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値による信号を被写体と送受信させるために、変換子に制御ラインを連結する場合、本実施形態によるハイブリッド・ビームフォーマ200は、複数のサブアレイに含まれた変換子のうち、サブアレイが配列された方向に対し垂直方向で同じ位置にある変換子に対して同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を使用することができるので、各サブアレイにだけ制御ラインを連結することができる。従って、あらゆる変換子に制御ラインを連結する場合に比べて、演算量を顕著に減少させつつも、生成される診断映像の解像度を向上させることができる。
【0041】
また、従来のアナログビーム集束時に必要な制御ラインは、三次元映像を構成する二次元断面映像の個数によって決定されていた。例えば、二次元断面映像が256個必要な場合、このための時間遅延素子の選択のための制御信号は、256個が必要であった。しかし、本実施形態によるハイブリッド・ビームフォーマ200では、複数のサブアレイに含まれた変換子のうち、サブアレイが配列された方向に対し垂直方向で同じ位置にある変換子に対して、同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を使用することができるので、各サブアレイにだけ制御ラインを連結することによって、制御ラインの数を減少させることができる。8個のサブアレイから構成された場合、例えば、前述の256個の二次元断面映像を生成する場合、8個の制御信号を使用するだけでよい。
【0042】
信号生成部212は、アナログ・ビームフォーマ220で形成された送信ビームを利用して送信信号を生成する。さらに詳細に説明すれば、信号生成部212は、プローブ100を介して被写体に送信される送信パルスを生成する。例えば、本実施形態による信号生成部212は、超音波送信パルスを生成する超音波送信パルサ(pulser)になるが、これに限定されるものではない。
【0043】
送受信スイッチ部214は、信号生成部(超音波送信パルサ)212で生成された信号と、プローブ100で受信した信号とのうち少なくともいずれか一つに対して、サブアレイ毎に各変換子で信号を送受信するようにスイッチング作業を行う。例えば、サブアレイ別に信号を送受信するのは、各チャンネルによる信号の送受信作業になる。
【0044】
受信信号処理部216は、プローブ100で受信した信号に対して、所定の処理作業を行う。例えば、受信信号処理部216は、プローブ100で受信したアナログ信号に対して、ノイズを減少させる低ノイズ増幅器(LNA:low noise amplifier)(図示せず)、及び入力信号によって利得(gain)値を制御する可変利得増幅器(VGA:variable gain amplifier)(図示せず)を含むことができる。このとき、可変利得増幅器は、集束点との距離による利得を補償するTGC(time gain compensation)になるが、これに限定されるものではない。
【0045】
本実施形態に関連した技術分野の当業者であれば、信号生成部212、送受信スイッチ部214及び受信信号処理部216について理解可能であるので、詳細な説明は省略する。
【0046】
アナログ・ビームフォーマ220は、制御部210の制御によって送信ビームを形成して信号生成部212に出力し、サブアレイに含まれた変換子が受信した信号を、アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成し、複数のサブアレイそれぞれに関わる複数のアナログ信号を生成する。すなわち、本実施形態によるアナログ・ビームフォーマ220は、固定集束を遂行し、アナログ・ビームフォーミングを遂行する。
【0047】
例えば、アナログ・ビームフォーマ220は、複数のサブアレイのうちいずれか1つのサブアレイに含まれた変換子それぞれに関わる集束点との距離によるアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって、アナログ・ビームフォーミングを遂行する。このとき、複数のサブアレイそれぞれに含まれた変換子において、サブアレイが配列された方向に対して垂直方向で同じ位置にある変換子は、同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を有する。
【0048】
このとき、いずれか1つのサブアレイは、集束点と最も近いサブアレイになるが、これに限定されるものではなく、集束点と最も遠いサブアレイ、またはサブアレイのうち中間に位置したサブアレイなど多様な場合が存在しうる。
【0049】
また、本実施形態によるアナログ・ビームフォーマ220は、プローブ100から被写体に送信される信号を、サブアレイの配列方向にのみ操向(steering)させることができる。
【0050】
例えば、サブアレイが高さ方向に配列された1行の変換子をいずれも含む場合、アナログ・ビームフォーマ220は、プローブ100の変換子から被写体に送信される信号を高さ方向にのみ操向させる。
【0051】
他の例として、サブアレイが側面方向に配列された1行の変換子をいずれも含む場合、アナログ・ビームフォーマ220は、プローブ100の変換子から被写体に送信される信号を側面方向にのみ操向させる。
【0052】
このように、アナログ・ビームフォーマ220は、サブアレイの配列方向にのみプローブ100から被写体に送信される信号を操向させるので、ハイブリッド・ビームフォーマ200で形成される受信ビームによって生成される診断映像の解像度が向上しうる。
【0053】
さらに詳細に説明すれば、サブアレイが高さ方向に配列された1行の変換子をいずれも含む場合、制御部210でサブアレイ別に算出されたデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値は、サブアレイに含まれた変換子それぞれに関わる集束点との距離が考慮されていないので、アナログ・ビームフォーマ220は、変換子から被写体に送信される信号をサブアレイの配列方向に操向させる。
【0054】
これにより、アナログ・ビームフォーマ220は、演算量を向上させずに生成される診断映像の解像度を向上させることができる。
【0055】
ただし、アナログ・ビームフォーマ220は、診断映像の解像度を向上させるために、変換子をサブアレイの配列方向に限定するものではなく、他の方向にも操向させることが可能であるということを、本実施形態に関連した技術分野の当業者であれば、理解できるであろう。
【0056】
本実施形態に関連した技術分野の当業者であれば、アナログ・ビームフォーマ220で、アナログ・ビームフォーミングを遂行する方法について理解可能であるので、詳細な説明は省略する。
【0057】
前述のように、本実施形態によるアナログ・ビームフォーマ220は、複数のサブアレイに関わる複数のアナログ信号を生成することができ、また、プローブ100から送信される信号が操向される場合、操向された信号が被写体に反射され、変換子が受信した信号を合成し、複数のサブアレイそれぞれに関わる複数のアナログ信号を生成する。
【0058】
アナログ・デジタル変換器230は、アナログ・ビームフォーマ220で生成された複数のアナログ信号それぞれをデジタル信号に変換する。これにより、アナログ・デジタル変換器230は、複数のデジタル信号を生成し、生成された複数のデジタル信号は、デジタル・ビームフォーマ240に出力される。
【0059】
デジタル・ビームフォーマ240は、制御部210の制御によって送信ビームを形成し、アナログ・ビームフォーマ220に出力し、アナログ・デジタル変換器230で変換された複数のデジタル信号を、サブアレイ毎に算出されたデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成する。すなわち、デジタル・ビームフォーマ240は、デジタル・ビームフォーミングを遂行する。
【0060】
例えば、送信デジタル・ビームフォーマ241は、制御部210の制御によって、送信ビームを形成してアナログ・ビームフォーマ220に出力し、受信デジタル・ビームフォーマ242は、アナログ・デジタル変換器230で変換された複数のデジタル信号を、サブアレイ別に算出されたデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成して受信ビームを形成する。
【0061】
例えば、アナログ・ビームフォーマ220は、サブアレイに含まれた変換子が受信した信号を、アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成し、複数のサブアレイに関わる複数のアナログ信号を生成し、アナログ・デジタル変換器230は、アナログ・ビームフォーマ220で生成された複数のアナログ信号をデジタル信号に変換し、受信デジタル・ビームフォーマ242は、アナログ・デジタル変換器230で変換された複数のデジタル信号を、制御部210で算出されたデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成する。
【0062】
このように、デジタル・ビームフォーマ240は、サブアレイ毎に算出されたデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値を考慮し、送受信ビームを形成する動的集束を遂行する。例えば、本実施形態による受信デジタル・ビームフォーマ242は、アナログ・ビームフォーマ220で生成された複数のアナログ信号に対して動的集束を遂行するので、デジタル・ビームフォーマ240に連結されたケーブルの数を顕著に減少させることができる。
【0063】
本実施形態に関連した技術分野の当業者であれば、デジタル・ビームフォーマ240で、デジタル・ビームフォーミングを遂行する方法について理解可能であるので、詳細な説明は省略する。
【0064】
従って、本実施形態によるハイブリッド・ビームフォーマ200は、ケーブル数、制御ライン及び演算量を減少させつつも、高鮮明の診断映像を生成することができる受信ビームを形成する。
【0065】
図3の(A)〜(D)は、本実施形態によるサブアレイの例を示す図である。以下、説明の便宜のために、図3(A)及び(B)では、高さ方向及び側面方向に5×6個配列された変換子を例に挙げて説明し、図3(C)及び(D)では、高さ方向及び側面方向にM×N個配列された変換子を例に挙げて説明するが、これらに限定されるものではない。
【0066】
図2及び図3(A)を参照すれば、プローブ100は、高さ方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子を、1つのサブアレイ31として構成することができ、これにより、プローブ100は、6個のサブアレイを含む。
【0067】
図2及び図3(B)を参照すれば、プローブ100は、側面方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子を、1つのサブアレイ32として構成することができ、これにより、プローブ100は、5個のサブアレイを含む。
【0068】
図2及び図3(C)を参照すれば、プローブ100は、高さ方向に配列された3行の変換子をいずれも含むアレイ変換子を、1つのサブアレイ33として構成することができる。このとき、3行の変換子は、1つの実施形態であり、サブアレイ33は、これに限定されるものではなく、2行の変換子、4行の変換子などをいずれも含む。
【0069】
図2及び図3(D)を参照すれば、プローブ100は、側面方向に配列された3行の変換子をいずれも含むアレイ変換子を、1つのサブアレイ34として構成する。このとき、3行の変換子は、1つの実施形態であり、サブアレイ34は、これに限定されるものではなく、2行の変換子、4行の変換子などをいずれも含む。
【0070】
これにより、ハイブリッド・ビームフォーマ200は、プローブ100に含まれた複数の変換子をサブアレイ毎に区別して制御するので、変換子を制御するケーブルの数及び演算量を減少させることができる。
【0071】
また、本実施形態によるプローブ100は、サブアレイに含まれるアレイ変換子の数を適応的に調整し、高解像度の三次元診断映像を得ようとする場合には、1行のアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成し、低解像度の三次元診断映像を得ようとする場合には、2行以上のアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する。これにより、使用環境によって、適切にサブアレイを構成できるので、ユーザの便宜によって、演算量と診断映像解像度とのトレードオフ(trade−off)を調整することができる。
【0072】
図4は、本実施形態による、制御部210で、サブアレイ毎にデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出する方法を示す図である。図2及び図4を参照すれば、1行のアレイ変換子から構成された1つのサブアレイ41、及び被写体の集束点42が図示されている。
【0073】
例えば、制御部210は、サブアレイ41に含まれた複数の変換子のうち、集束点42と最も近くに位置した変換子413を基準に、サブアレイ41に係る時間遅延値を算出する。
【0074】
他の例として、制御部210は、サブアレイ41に含まれた複数の変換子のうち、集束点42と最も遠くに位置した変換子417を基準に、サブアレイ41に係る時間遅延値を算出する。
【0075】
さらに他の例として、制御部210は、サブアレイ41に含まれた複数の変換子のうち、真ん中に位置した変換子414を基準に、サブアレイ41に係る時間遅延値を算出する。
【0076】
さらに他の例として、制御部210は、集束点42とサブアレイ41に含まれた複数の変換子間の距離の平均を利用し、サブアレイ41に係る時間遅延値を算出する。さらに詳細に説明すれば、制御部210は、集束点42と、サブアレイ41に含まれた複数の変換子との間の距離であるr1、r2、r3、r4、r5、r6及びr7の平均距離を利用し、サブアレイ41に係る時間遅延値を算出することもできる。
【0077】
このとき、制御部210は、複数のサブアレイそれぞれについて、同じ基準を使用して時間遅延値を算出する。これにより、制御部210は、複数のサブアレイそれぞれに関わる時間遅延値を算出する。
【0078】
図5(A)及び(B)は、本実施形態による高さ方向(elevation direction)及び側面方向(lateral direction)の一例を示す図である。以下、説明の便宜のために、高さ方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
【0079】
図5(A)は、高さ方向に送受信ビーム集束を遂行する場合の一例を示し、図5(B)は、側面方向に送受信ビーム集束を遂行する場合の一例を示している。
【0080】
図2及び図5(A)を参照し、送受信ビーム集束についてさらに詳細に説明すれば、プローブ100及びアナログ・ビームフォーマ220で、アナログ素子を利用し、高さ方向に送受信ビーム集束を遂行する動作の一例が図示されている。このとき、6個のサブアレイ511〜516それぞれが制御ラインで連結され、制御部210は、このような制御ラインを介して、アナログ・ビームフォーマ220の高さ方向に対するビーム集束位置を決定する。このとき、制御部210は、複数のサブアレイ511〜516に含まれた変換子それぞれについて、複数のサブアレイ511〜516に含まれた変換子のうち、サブアレイが配列された方向に垂直方向に同じ位置にある変換子が、同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって、被写体と信号を送受信するように制御する。
【0081】
すなわち、制御部210は、高さ方向への信号送受信方向と、ビーム集束位置とを決定し、アナログ・ビームフォーマ220は、制御された送受信方向及びビーム集束位置によって信号を調整する。
【0082】
本実施形態において、アナログ素子を利用して送受信ビーム集束を遂行することは、一次元アレイ変換子で、高さ方向に音響レンズを使用する場合と類似した動作を行う。しかし、一次元アレイ変換子の場合、高さ方向に信号の送受信方向を決定するときには、一次元アレイ変換子が機械的に動いて遂行する。すなわち、従来のように、一次元アレイ変換子を機械的に移動させつつ、三次元診断映像を獲得できるが、このような方法は、映像形成速度、すなわち、時間解像度(temporal resolution)または空間解像度(spatial resolution)の面で、性能が非常に制限的になる。
【0083】
すなわち、従来の一次元アレイ変換子は、高さ方向に音響レンズを使用して固定集束するので、映像の空間解像度が高さ方向の集束点近くで最も良好であり、その他の地点では、空間解像度が低下する。また、従来の一次元アレイ変換子は、一次元アレイ変換子を機械的に移動させて、三次元診断映像を獲得することができるが、機械的動きの速度が制限的なため、時間解像度が2秒当たり1フレームに低下する。
【0084】
一方、本実施形態によるアナログ・ビームフォーマ220は、二次元アレイ変換子を使用し、信号の送受信方向の決定を電気的に遂行することができるので、時間解像度及び空間解像度の性能が保証される。
【0085】
さらに詳細に説明すれば、本実施形態によるハイブリッド・ビームフォーマ200は、二次元アレイ変換子を使用して空間解像度及び時間解像度を向上させることによって、リアルタイム高解像度三次元映像(volumetric imaging)及び断面映像(multi−plane)を獲得することができる。また、本実施形態によるハイブリッド・ビームフォーマ200は、二次元アレイ変換子を使用しつつも、サブアレイを使用してケーブル数を減少させることができる。
【0086】
これにより、アナログ・ビームフォーマ220は、高さ方向に信号の送受信方向及びビーム集束位置を決定し、本実施形態によるデジタル・ビームフォーマ240は、側面方向に送受信ビーム集束動作を行う。
【0087】
このとき、デジタル・ビームフォーマ240には、信号伝送ケーブルが連結されており、このようなケーブルは、アナログ・デジタル変換器230に連結されうる。制御部210は、このような信号伝送ケーブルを介して、サブアレイ毎に算出されたデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値によって信号が送受信されるように、デジタル・ビームフォーマ240を制御する。
【0088】
本実施形態によるデジタル素子を利用して送受信ビーム集束を遂行するのは、一次元アレイ変換子を使用して、二次元断面映像を獲得する方法と類似した動作を行う。
【0089】
これにより、本実施形態による診断システム10は、サブアレイが配列された方向である高さ方向に、アナログ・ビームフォーミングを遂行し、側面方向に、デジタル・ビームフォーミングを遂行する。従って、本実施形態による診断システム10は、アナログ・ビームフォーマ220に連結された制御ラインの数、デジタル・ビームフォーマ240に連結されたケーブルの数及び演算量を減少させつつも、高鮮明の三次元診断映像を生成するための信号を生成することができる。
【0090】
前述のように、図5の(A)及び(B)は、高さ方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、側面方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する場合に適用されることは、本実施形態に関連した技術分野の当業者であれば、理解できるであろう。
【0091】
このような場合、本実施形態による診断システム10は、サブアレイが配列された方向の側面方向にアナログ・ビームフォーミングを遂行し、高さ方向にデジタル・ビームフォーミングを遂行する。
【0092】
図6は、本実施形態による診断システム10の送信ビームフォーミング動作の一例を示す図である。以下、説明の便宜のために、高さ方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
【0093】
図2及び図6を参照すれば、プローブ100は、3個のサブアレイ61,62,63を含み、各サブアレイに含まれた変換子611〜614,621〜624,631〜634が図示されている。
【0094】
制御部210は、複数のサブアレイそれぞれについて、サブアレイ毎にデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出し、また、複数のサブアレイのうちいずれか1つのサブアレイに含まれた変換子それぞれに関わるアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出し、算出された時間遅延値によって、変換子611〜614,621〜624,631〜634が被写体に信号を送信するように制御する。
【0095】
これにより、送信デジタル・ビームフォーマ241は、サブアレイ61〜63それぞれに含まれた変換子に、デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値d1、d2及びd3を適用させ、アナログ・ビームフォーマ220は、サブアレイ61〜63に含まれた変換子611〜614,621〜624,631〜634それぞれに、アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値t1,t2,t3及びt4を適用させる。
【0096】
最初のサブアレイ61に含まれた変換子611〜614について、さらに詳細に説明すれば、変換子611は、デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値d1、及びアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値t1がいずれも適用された時間遅延値によって、被写体に信号を送信し、変換子612は、デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値d1、及びアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値t2がいずれも適用された時間遅延値によって、被写体に信号を送信し、変換子613は、デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値d1、及びアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値t3がいずれも適用された時間遅延値によって、被写体に信号を送信し、変換子614は、デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値d1、及びアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値t4がいずれも適用された時間遅延値によって、被写体に信号を送信する。
【0097】
また、2番目のサブアレイ62に含まれた変換子621〜624について、さらに詳細に説明すれば、変換子621は、デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値d2、及びアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値t1がいずれも適用された時間遅延値によって、被写体に信号を送信する。このような方式で、2番目のサブアレイ62及び3番目のサブアレイ63に含まれた他の変換子に関わる時間遅延値を知ることができる。
【0098】
このように、サブアレイの配列方向に対して垂直方向である側面方向で同じ位置にある変換子611,621,631は同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値t1を有する。
【0099】
信号生成部212は、アナログ・ビームフォーマ220で形成された送信ビームによる電気信号を生成し、送受信スイッチ部214は、各サブアレイ61〜63に信号が送信されるようにスイッチングする。
【0100】
これにより、本実施形態による診断システム10は、制御ライン及びケーブルの数を減少させつつも、高鮮明の診断映像を獲得するための送信ビーム集束を遂行する。
【0101】
図7は、本実施形態による診断システム10の受信ビームフォーミング動作の一例を示す図である。以下、説明の便宜のために、高さ方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
【0102】
図2及び図7を参照すれば、プローブ100は、3個のサブアレイ71,72,73を含み、各サブアレイに含まれた変換子711〜714,721〜724,731〜734が図示されている。
送受信スイッチ部214は、各サブアレイ71〜73別に信号が受信されるようにスイッチングし、受信信号処理部216は、受信された信号に対して、ノイズ減少及び利得増幅などの所定の処理を行う。
【0103】
アナログ・ビームフォーマ220は、サブアレイ71に含まれた変換子711〜714が受信し、受信信号処理部216で所定の処理を行った信号において、送信ビームを形成するのに使われたアナログ・ビームフォーミングを遅延信号値t1,t2,t3及びt4によって合成し、アナログ信号a1を生成する。これにより、アナログ・ビームフォーマ220は、3個のサブアレイ71〜73それぞれに含まれた変換子が受信した信号を合成し、3個のアナログ信号a1,a2及びa3を生成する。
【0104】
アナログ・デジタル変換器230は、3個のアナログ信号a1,a2及びa3を、3個のデジタル信号b1,b2及びb3に変換する。
【0105】
受信デジタル・ビームフォーマ242は、3個のデジタル信号b1,b2及びb3を、サブアレイ別に算出されたデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値d1ないしd3によって合成し、1つまたは多数のデジタル信号c1を生成する。受信デジタル・ビームフォーマ242で生成された信号c1は、被写体の集束点、または映像を構成しようとする被写体についての情報を示し、これを利用して診断映像が生成される。
【0106】
プローブ100が、高さ方向及び側面方向に、4×3個配列された変換子である場合、従来は、アナログ・ビームフォーミングを遂行したり、あるいはデジタル・ビームフォーミングを遂行するために、12本の制御ラインまたはケーブル線が必要であった。
【0107】
本実施形態による診断システム10によれば、サブアレイが高さ方向に配列された場合、4本の制御ライン及び3個のケーブルだけを利用して、ビームフォーミングを遂行する。これにより、本実施形態による診断システム10は、制御ライン及びケーブルの数を減少させることによって、演算量も顕著に減少させつつも、高鮮明の三次元診断映像を生成するための信号を生成することができる。
【0108】
前述のように、図6及び図7は、高さ方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、側面方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する場合に適用することができるということは、本実施形態に関連した技術分野の当業者であるならば、理解できるであろう。このような場合、本実施形態による診断システム10は、3本の制御ライン及び4個のケーブルだけを利用して、ビームフォーミングを遂行する。
【0109】
図8は、本発明の他の実施形態による医療映像システム800を示した構成図である。本実施形態による医療映像システム800は、診断システム10、診断映像生成部810、保存部820、診断映像表示部830及び出力部840から構成され、診断システム10は、プローブ100及びハイブリッド・ビームフォーマ200から構成される。
【0110】
図8に示した医療映像システム800は、本実施形態と関連した構成要素だけを図示している。従って、図8に図示した構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれることは、本実施形態に関連した技術分野の当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0111】
また、図8に図示した診断システム10は、図1及び図2に図示した診断システム10の一実施形態に該当する。これにより、図1及び図2と関連して記載された内容は、図8に図示した医療映像システム800にも適用が可能であるので、重複する説明は省略する。
【0112】
本実施形態による医療映像システム800は、被写体の診断映像を提供する。例えば、被写体を示す診断映像を表示したり、あるいは被写体を示す診断映像を表示する外部装置に被写体の診断映像を示す信号を出力する。
【0113】
これにより、診断システム10は、プローブ100及びハイブリッド・ビームフォーマ200を利用し、被写体の診断映像を生成するための信号を出力する。
【0114】
プローブ100は、被写体と信号を送受信する少なくとも1行以上のアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する複数のサブアレイを含み、ハイブリッド・ビームフォーマ200は、サブアレイが配列された方向にアナログ・ビームフォーミングを遂行し、サブアレイが配列された方向に対し垂直方向に、デジタル・ビームフォーミングを遂行して受信ビームを形成する。
【0115】
このとき、プローブ100のサブアレイが配列された方向は、高さ方向または側面方向のうちいずれか一つになり、これにより、サブアレイが配列された方向に対して垂直の方向は、前記サブアレイの配列方向に対して垂直な側面方向または高さ方向になる。
【0116】
また、本実施形態によるハイブリッド・ビームフォーマ200は、アナログ・ビームフォーミングを遂行するアナログ・ビームフォーマを含み、アナログ・ビームフォーマは、プローブから被写体に送信される信号を、サブアレイの配列方向にのみ操向させる。
【0117】
また、本実施形態によるハイブリッド・ビームフォーマ200は、複数のサブアレイそれぞれについて、サブアレイ毎にデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出し、サブアレイ毎に算出されたデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値によって、変換子が被写体に信号を送信するように制御し、また、複数のサブアレイのうちいずれか1つのサブアレイに含まれた変換子それぞれについて、アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出し、複数のサブアレイに含まれた変換子のうち、サブアレイが配列された方向に対し垂直方向で同じ位置にある変換子が、同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって、被写体と信号を送受信するように制御する制御部を含む。
【0118】
これにより、本実施形態によるハイブリッド・ビームフォーマ200は、演算量を減少させつつも、高鮮明の三次元診断映像を生成するための受信ビームを形成することができる。
【0119】
診断映像生成部810は、ハイブリッド・ビームフォーマ200で形成された受信ビームを利用して、診断映像を生成する。さらに詳細に説明すれば、診断映像生成部810は、DSP(図示せず)及びDSC(digital scan converter)(図示せず)を含む。本実施形態によるDSPは、ハイブリッド・ビームフォーマ200から出力される信号、及び保存部820に保存された信号のうち少なくともいずれか一つを処理し、bモード,cモードまたはdモードなどを表現する映像データを形成し、DSCは、DSPで形成された映像データをディスプレイするために、スキャン変換された診断映像を生成する。
【0120】
本実施形態に関連した技術分野の当業者であるならば、DSP及びDSCについて理解可能であるので、詳細な説明は省略する。
【0121】
保存部820は、医療映像システム800の動作を行っている最中に発生するデータを保存する。例えば、保存部820は、ハイブリッド・ビームフォーマ200で形成される受信ビームを保存したり、bモード,cモードまたはdモードなどを表現する映像データ、またはスキャン変換された診断映像などを保存することができる。
【0122】
本実施形態による保存部820は、一般的な保存媒体であり、本実施形態に関連した技術分野の当業者であれば、保存部820は、ハードディスクドライブ(HDD:hard disk drive)、ROM(read−only memory)、RAM(random−access memory)、フラッシュメモリ(flash memory)及びメモリカード(memory card)をいずれも含むということが分かる。
【0123】
診断映像表示部830は、診断映像生成部810で生成された診断映像を表示する。例えば、診断映像表示部830は、医療映像システム800に設けられたディスプレイパネル、マウス、LCD(liquid crystal display)画面、モニターなどの出力装置をいずれも含む。
【0124】
ただし、本実施形態による医療映像システム800は、診断映像表示部830を具備せずに、診断映像生成部810で生成された診断映像を、外部の表示装置(図示せず)に出力するための出力部840を具備することができるということは、本実施形態に関連した技術分野の当業者であれば、理解できるであろう。
【0125】
このとき、出力部840は有線/無線ネットワークまたは有線直列通信などを介して、外部装置とデータを送受信可能である。このとき、ネットワークは、インターネット、LAN(local area network)、Wireless LAN、WAN(wide area network)、PAN(personal area network)などを含むが、それらに限定されるものではなく、情報を送受信することができる他種のネットワークであってもよい。
【0126】
これによって、本実施形態による保存部820及び出力部840は、映像判読及び検索機能をさらに含め、PACS(picture archiving communication system)のような形態に一体化が可能であるということは、本実施形態に関連した技術分野の当業者であれば、理解できるであろう。
従って、本実施形態による医療映像システム800は、演算量を減少させつつも、高鮮明の三次元診断映像をユーザに提供することができる。
【0127】
図9は、本実施形態による診断映像を表示する方法を説明するためのフローチャートである。図9に示す診断映像を表示する方法は、図1、図2及び図8に図示した診断システム10または医療映像システム800においての処理段階を、時系列的に構成している。従って、以下の説明で省略された内容があったとしても、図1、図2及び図8に図示した診断システム10または医療映像システム800について、これまで説明した内容は、図9の診断映像を表示する方法にも適用される。
【0128】
901段階で、制御部210は、プローブ100に含まれた複数のサブアレイそれぞれに関わるデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値及び複数のサブアレイのうちいずれか1つのサブアレイに含まれた変換子それぞれに関わるアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出する。このとき、サブアレイは、少なくとも1行以上のアレイ変換子から構成され、サブアレイが配列された方向に垂直方向に同じ位置にある変換子は、同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を有する。
【0129】
902段階でプローブ100は、901段階で算出された時間遅延値によって、被写体に信号を送信する。さらに詳細に説明すれば、プローブ100のサブアレイに含まれた変換子は、デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値、及びアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって、被写体に信号を送信する。また、ハイブリッド・ビームフォーマ200の制御によって、プローブ100から被写体に送信される信号は、サブアレイの配列方向にのみ操向される。
【0130】
903段階でアナログ・ビームフォーマ220は、サブアレイに含まれた変換子が受信した信号を、901段階で算出したアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成し、複数のサブアレイに関わる複数のアナログ信号を生成する。
【0131】
904段階でアナログ・デジタル変換器230は、複数のアナログ信号それぞれをデジタル信号に変換する。
【0132】
905段階でデジタル・ビームフォーマ240は、変換された複数のデジタル信号を、901段階で算出したデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成する。
【0133】
906段階で診断映像表示部830は、合成結果を利用して生成した診断映像を表示する。このとき、診断映像は、診断映像生成部810によって生成される。
【0134】
これにより、本実施形態による診断映像を表示する方法は、演算量を減少させつつも、高鮮明の三次元診断映像を表示できるのである。
【0135】
本実施形態による診断システム10及び医療映像システム800によれば、二次元アレイ変換子を利用して、あらゆる三次元映像点で最適の空間解像度を得ることができ、機械的移動方式でない電気的スイッチング方式を使用することによって、リアルタイム高解像度三次元診断映像を獲得することができる。このようなリアルタイム高解像度三次元診断映像は、人体内臓器の解剖学的情報を、ユーザが容易に認知することができる形態で提供するので、疾病の正確な診断及び診断便宜性を向上させることができる。さらに、心臓の三次元カラーフロー(color flow)映像のような新たな臨床情報を医療専門家に提供することもできる。
【0136】
また、医療用映像装置においてビーム集束は、ほとんどハードウェア的に具現されているが、具現が容易ではなく、映像の質に直接的な影響を与える。しかしながら、本実施形態による診断システム10及び医療映像システム800は、二次元アレイ変換子を使用しつつも、ケーブル数を減少させることができるので、ハードウェア複雑度を低下させることによって、システムの効用性を極大化させることができる。
【0137】
一方、前述の方法は、コンピュータで実行できるプログラムとして作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用し、プログラムを動作させる汎用デジタル・コンピュータで具現される。また、前述の方法で使われたデータの構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に複数の手段を介して記録される。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録(例えば、ROM(read−only memory)、RAM(random−access memory)、USB(universal serial bus)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的媒体(例えば、CD−ROM、DVD(digital versatile disc)など)、PC(personal computer)インターフェース(例えば、PCI(peripheral components interconnect)、PCI−express、Wifi)などの記録媒体を含む。
【0138】
本実施形態に関連した技術分野の当業者であるならば、前述の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態で具現されることを理解することができるであろう。従って、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されるものである。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内のあるあらゆる相違点は、本発明に含まれたものであると解釈されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、医療診断映像関連の技術分野で効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0140】
10 診断システム
31,32,33,34,41,61,62,63,71,72,73 サブアレイ
42 集束点
100 プローブ
200 ハイブリッド・ビームフォーマ
210 制御部
212 信号生成部
214 送受信スイッチ部
216 受信信号処理部
220 アナログ・ビームフォーマ
230 アナログ・デジタル変換器(ADC)
240 デジタル・ビームフォーマ
241 送信デジタル・ビームフォーマ
242 受信デジタル・ビームフォーマ
800 医療映像システム
810 診断映像生成部
820 保存部
830 診断映像表示部
840 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を診断する診断システムにおいて、
前記被写体と信号を送受信する少なくとも1行以上のアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する複数のサブアレイを有するプローブと、
前記複数のサブアレイが配列された方向にアナログ・ビームフォーミングを遂行し、前記複数のサブアレイが配列された方向に対して垂直方向に、デジタル・ビームフォーミングを遂行するハイブリッド・ビームフォーマと、を有する診断システム。
【請求項2】
前記ハイブリッド・ビームフォーマは、前記複数のサブアレイそれぞれについて、サブアレイ毎にデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出し、前記サブアレイ毎に算出された時間遅延値によって、前記変換子が、前記被写体と信号を送受信するように制御する制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の診断システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数のサブアレイのうちいずれか1つのサブアレイに含まれた変換子それぞれについて、アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出し、前記複数のサブアレイに含まれた変換子のうち、サブアレイが配列された方向に対して垂直方向に同じ位置にある変換子が同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって、前記被写体と信号を送受信するように制御することを特徴とする請求項2に記載の診断システム。
【請求項4】
前記ハイブリッド・ビームフォーマは、前記サブアレイに含まれた変換子が受信した信号を、アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成し、前記複数のサブアレイそれぞれに関わる複数のアナログ信号を生成するアナログ・ビームフォーマを含むことを特徴とする請求項1に記載の診断システム。
【請求項5】
前記アナログ・ビームフォーマは、前記プローブから前記被写体に送信された信号を、前記サブアレイの配列方向にのみ操向させることを特徴とすることを特徴とする請求項4に記載の診断システム。
【請求項6】
前記ハイブリッド・ビームフォーマは、
前記サブアレイに含まれた変換子が受信した信号をアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成し、前記複数のサブアレイに関する複数のアナログ信号を生成するアナログ・ビームフォーマと、
前記アナログ・ビームフォーマで生成された複数のアナログ信号それぞれを、デジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換器と、
前記変換された複数のデジタル信号を、前記サブアレイ毎に算出したデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成するデジタル・ビームフォーマと、を有することを特徴とする請求項2に記載の診断システム。
【請求項7】
前記ハイブリッド・ビームフォーマは、前記サブアレイが高さ(elevation)方向に配列された1行の変換子をいずれも含む場合、前記変換子から前記被写体に送信される信号を、高さ(elevation)方向にのみ操向させるアナログ・ビームフォーマを含むことを特徴とする請求項1に記載の診断システム。
【請求項8】
前記ハイブリッド・ビームフォーマは、前記サブアレイが側面(lateral)方向に配列された1行の変換子をいずれも含む場合、前記変換子から前記被写体に送信される信号を側面(lateral)方向に操向させるアナログ・ビームフォーマを含むことを特徴とする請求項1に記載の診断システム。
【請求項9】
被写体に関する診断映像を提供する医療映像システムにおいて、
前記被写体と信号を送受信する少なくとも1行以上のアレイ変換子を、1つのサブアレイとして構成する複数のサブアレイを有するプローブと、
前記サブアレイが配列された方向にアナログ・ビームフォーミングを遂行し、前記サブアレイが配列された方向に対し垂直方向に、デジタル・ビームフォーミングを遂行し、受信ビームを形成するハイブリッド・ビームフォーマと、
前記形成された受信ビームを利用して、診断映像を生成する診断映像生成部と、を有する医療映像システム。
【請求項10】
前記ハイブリッド・ビームフォーマは、アナログ・ビームフォーミングを遂行するアナログ・ビームフォーマを有し、前記アナログ・ビームフォーマは、前記プローブから前記被写体に送信される信号を、前記サブアレイの配列方向に操向させることを特徴とする請求項9に記載の医療映像システム。
【請求項11】
前記ハイブリッド・ビームフォーマは、前記複数のサブアレイそれぞれについて、サブアレイ毎にデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出し、前記サブアレイ毎に算出された時間遅延値によって、前記変換子が、前記被写体と信号を送受信するように制御する制御部を有することを特徴とする請求項9に記載の医療映像システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記複数のサブアレイのうちいずれか1つのサブアレイに含まれた変換子それぞれに関わるアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を算出し、前記複数のサブアレイに含まれた変換子のうち、サブアレイが配列された方向に垂直方向に同じ位置にある変換子が同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって、被写体と信号を送受信するように制御することを特徴とする請求項11に記載の医療映像システム。
【請求項13】
前記生成された診断映像を表示する診断映像表示部をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の医療映像システム。
【請求項14】
被写体に係る診断映像を表示する方法において、
プローブが有する複数のサブアレイそれぞれに関わるデジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値と、前記複数のサブアレイのうちいずれか1つのサブアレイに含まれた変換子それぞれに関わるアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値と、を算出する段階と、
前記算出された時間遅延値によって、前記サブアレイに含まれた変換子が、前記被写体に信号を送信する段階と、
前記サブアレイに含まれた変換子が受信した信号を、前記アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成し、前記複数のサブアレイに関わる複数のアナログ信号を生成する段階と、
前記複数のアナログ信号それぞれをデジタル信号に変換する段階と、
前記変換された複数のデジタル信号を、前記デジタル・ビームフォーミングのための時間遅延値によって合成する段階と、
前記合成結果を利用して生成された診断映像を表示する段階と、を含み、
前記サブアレイは、少なくとも1行以上のアレイ変換子から構成されることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記被写体に信号を送信する段階は、前記送信される信号を、前記サブアレイの配列方向に操向することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記サブアレイは、高さ(elevation)方向または側面(lateral)方向のうちいずれか1つの方向に配列された1行の変換子をいずれも含むアレイ変換子であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記被写体に信号を送信する段階は、前記サブアレイが高さ(elevation)方向に配列された1行の変換子をいずれも含む場合、前記送信される信号を高さ(elevation)方向に操向させることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記被写体に信号を送信する段階は、前記サブアレイが側面(lateral)方向に配列された1行の変換子をいずれも含む場合、前記送信される信号を側面(lateral)方向に操向させることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記アナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値は、前記複数のサブアレイに含まれた変換子のうち、サブアレイが配列された方向に垂直方向に同じ位置にある変換子が、同じアナログ・ビームフォーミングのための時間遅延値を有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
請求項14ないし請求項19のうち、いずれか1項に記載の方法をコンピュータで実行させるためのコンピュータ・プログラムを保存したことを特徴とするコンピュータで読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−143559(P2012−143559A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1413(P2012−1413)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【出願人】(505162227)西江大学校 産学協力団 (11)
【氏名又は名称原語表記】Industry−University Cooperation Foundation Sogang University
【住所又は居所原語表記】1,Sinsu‐dong,Mapo‐gu,Seoul 121−742,Republic of Korea
【Fターム(参考)】