説明

診断システム

【課題】小規模施設においても電子化されているレセプト関連情報と患者情報との対応付けを利用して、既に保存されている患者情報と当該患者の確定撮影画像とに、更にレセプト関連情報を対応付けることで、以後再診時等にこの情報を利用可能とし、既存のワークフローを変更することなく、データを有効活用できる診断システムを提供する。
【解決手段】検査対象の撮影画像を生成する画像生成手段2と、検査対象を受付け登録するとともに、受付け登録時に当該検査対象に対応する患者情報を生成する受付装置11aと、少なくとも撮影部位情報を含み画像生成手段2によって撮影された検査対象に対応するレセプト関連情報を生成するレセプト情報生成処理と、患者情報とレセプト関連情報とを対応付ける情報対応付け処理とを行うCPU111と、情報対応付け処理により対応付けられた患者情報及びレセプト関連情報を保存するサーバ4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断システムに係り、特に、主として小規模施設で用いられる診断システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、来院した患者を、CR装置やFPD装置等の画像生成装置を用いて、技師が検査対象である患者を撮影し、得られた画像が診断に提供可能となるよう階調処理等の画像処理を加え、画像処理済の画像を出力し、医師による読影に提供する診断システムが知られている。
【0003】
このような大規模診断システムは、来院した患者を受け付け、検査オーダを発行する担当(受付)、実際に患者を撮影室で撮影しデジタル画像を生成する担当(技師)、階調性等の得られた画像の診断提供の可否を判断し、場合によってはコントラストや濃度を修正する担当(一般の技師の中かから任命された技師等)、画像に基づき疾病の有無を判断(診断)する読影担当(医師)等、複数の担当者が役割分担を行い、診断が進められる。
【0004】
そして、従来想定されていたような大規模な施設では、画像生成装置もこれを操作する技師等も複数存在し、画像生成装置を操作するコンソールや医師等が画像データを確認するビューワ等もそれぞれ役割を分担して別個に設けられている。このため、患者と画像データとの取り違え等が生じるおそれがある。そこで、これを防止するために、各装置をネットワークを介して連携させ、各装置においてIDを発行し、各装置で行われた作業工程の結果をそれぞれ関連付けるシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このようなシステムにおいては、上記の各役割を担当する場所は、受付は1F、放射線科は地下等、広い病院内で離れた場所にあることが多く、かつ、放射線科内で、複数の患者を、複数の技師が、複数の撮影装置を使用して、同時に撮影を実行する場面が定常的であり、複数の患者が常時各工程に滞留しており、生成された画像と個々の患者との対応付けを間違うことが無きよう、各工程での作業毎にIDを付し、HIS(Hospital Information System;病院情報システム)やRIS(Radiology Information System;放射線情報科情報システム)のネットワークを介して対応付けることが行われる(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0006】
例えば、1F受付窓口では、患者の主訴に基づき検査内容(撮影内容)を決定し、患者名前とともに登録する。これにより、図10(a)のような患者リストが作成される。上記の患者リストは随時追加され、1Fの受付用のワークステーション(以下「WS」という。)に表示される。同時に、上記患者リストは、RIS/HIS等のネットワークを介して、B1の放射線科にあるコンソール(ここで「コンソール」とは、放射線科内にあり、撮影条件の設定やRIS/HISの撮影オーダ情報や患者を撮影した画像を表示するワークステーションをいう)に表示される。なお、コンソールの台数は、分散処理効率を上げる為、複数設けられていることが常であるが、これらもネットワーク介して相互に接続されていおり、任意のコンソールで、所定の検査IDが選択された時、複数の技師間での重複撮影を予防する為、当該患者リストに処理中である旨を告知する方法(フラッシング表示や色を変える、又は、同一検査を指定するとビープ警告する等)が用いられる。
【0007】
放射線科の技師は、自分の身近にあるコンソールを用い、表示された患者リスト上からこれから撮影する検査IDを選択し、使用するCRプレートのID(カセッテID)を登録する。これにより、図10(b)に示すように、患者リストの「カセッテID」の欄に登録したカセッテIDが表示される。技師は例えば3枚のカセッテを持って、撮影室へ移動し、患者の撮影を行う。その後、撮影済みカセッテを読取り装置で読取る。読取り装置は、挿入されたカセッテに貼付されたカセッテIDを読取り、画像データに付帯させて当該カセッテIDを送信し、最終的に検査ID(患者ID)と生成される画像データの対応が付けられる。生成された画像データは、技師が前記検査IDを選択したコンソールに送信され、コンソールに表示される。この段階で、撮影ポジショニングの確認を行い、ポジショニング不良の場合は再撮影を行い、濃度やコントラストの修正や周波数強調処理を適用するか否か等も判断する。その後、当該画像を読影待ち(診断待ち)サーバに保存する。読影医は、読影室のワークステーション(ビューワ機能用に高精細モニタを備えるものである場合が多い)、前記読影待ちサーバに保存された画像から所定の患者に係る画像を抽出表示させ、読影(診断)を行う。
【0008】
そして、このような大規模な施設で利用されるシステムでは、例えば患者に対して行った撮影が単純撮影なのか造影剤撮影なのか等、保険点数計算に影響する情報についても、患者の検査IDやカセッテID等を登録して患者と撮影画像との対応付けを行うことにより、すべての情報が連携し、RIS/HISサーバ等に集約されて管理し得るようになっている。
【特許文献1】米国特許第5,334,851号明細書
【特許文献2】特開2002−159476号公報
【特許文献3】特開2002−311524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、本願発明者等の調査によれば、開業医やクリニックのような比較的小規模な施設の場合は、画像生成装置の設置台数も少なく、助手が患者のポジショニングを行い、助手からポジショニング完了の連絡を受け医師がX線曝射スイッチを制御する場合や、患者のポジショニングを含め全ての操作を医師自身が行う場合も多い。
【0010】
また、例えば大規模施設の場合には、撮影を行ってから医師の診断を受けるまでの間に患者は施設内の複数の階を行き来しなければならないことも想定されるが、小規模施設の場合には、施設も狭いため撮影を行ってから医師の診断を受けるまでの間の患者の移動距離も短い。
【0011】
このような状況のもとでは撮影画像と患者とを取り違えることは考えづらく、大規模施設と同様なシステムを用いたのでは、患者氏名の入力にはじまる検査オーダ情報の生成作業等が必要となり、かえって手続きが煩雑となり、診療効率が悪い。
【0012】
また、予め患者の患者情報や検査情報等の検査オーダ情報を生成し、当該検査オーダ情報を撮影した撮影画像と対応付けるためには、HIS/RISのような基幹システムに対応したネットワークで各装置を接続するようなシステムが必要となるが、このようなシステムを構築するためにはコストもかかり、小規模施設にとって負担となるとの問題もある。
【0013】
さらに、小規模施設用のレセプト用コンピュータ(レセコン)や電子カルテとの連携で、前述する対応付けも考えられるが、電子カルテ自体の普及率はわずか数パーセント程度しか無く、その上、電子カルテを含む各メーカの仕様の相違等により統一的な運用が困難な状況であり、そもそも、前述する大規模施設での構成コンセプトのまま各装置の数を少なくしても、小規模施設に最適とは言えない。
【0014】
他方で、紙カルテを用いて運用されることが多い小規模施設の診断システムにおいても、任意の患者のX線撮影等に基づくレセプト関連情報(保険点数請求の基となる撮影部位や撮影数等)と当該患者の患者情報(患者氏名や年齢や生年月日等)とは、電子化され、両情報を対応付けて管理(保存)されている。
【0015】
また、画像処理を行うに際しては、開業医等の負担(画像処理の為の処理パラメータ設定、例えば部位キーの選択等)を軽減する為、例えばCR装置等で読取られた画像データを、特開平11−85950や特開2001−76141等に開示され自動部位認識し、認識された部位に対応して予め定められたパラメータを使用して画像処理を行うことが想定される。しかし、当該自動部位認識に基づく画像処理は、平均的な画像処理、言い換えれば、失敗の無い画像処理を提供するが、例えば、胸部正面の撮影画像に複数の臓器、部位が撮影されている場合、自動部位認識ではどの部位が診断対象であるかの判断はできないため、いずれの部位にも兼用可能なコントラストに設定して画像処理を行う等の処理が行われる。そこで、より精緻な診断を行うに相応しい画像を得られるような画像処理(コントラストや濃度の設定)を行うには、撮影されている複数の臓器、部分のうち、診断の対象(撮影の主対象)がどの部分であるかの部位情報が必要である。
【0016】
また、患者と撮影画像との対応付けが行われなければ、例えば同一の患者について再検査を行った場合に、過去に撮影した当該患者の撮影画像を探し出すことができず、治癒状況を判断する際の比較用画像として使用できない等、撮影画像を有効活用することができないとの問題もある。
【0017】
そこで、本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、小規模施設においても電子化されている、撮影部位情報等を含むレセプト関連情報と患者情報との対応付けを利用し、既に対応付けられ、保存されている患者情報と当該患者の確定撮影画像とに、更に前記撮影部位情報等を含むレセプト関連情報を対応付け、以後再診時等に利用可能とし、医師の既存のワークフロー(紙カルテ運用等)を変更することなく、既存のデータを有効活用可能とする診断システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の診断システムは、検査対象である患者を撮影して得られる画像データに基づいて、前記検査対象の撮影画像を生成する画像生成手段と、
前記検査対象を受付け登録するとともに、受付け登録時に当該検査対象に対応し当該検査対象を特定可能な患者情報を生成する受付登録手段と、
前記撮影画像から確定撮影画像を生成し、当該確定撮影画像と当該確定撮影画像に対応する前記患者情報とを対応付ける制御手段と、
少なくとも撮影部位情報を含み前記画像生成手段によって撮影された検査対象に対応する会計又はレセプトに関するレセプト関連情報を生成するレセプト情報生成手段と、
前記患者情報と前記レセプト関連情報とを対応付ける情報対応付け手段と、
前記情報対応付け手段で対応付けられた前記患者情報及び前記レセプト関連情報を保存する保存手段と、
を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項1に記載された発明によれば、画像生成手段により検査対象である患者の撮影画像を生成するとともに、受付登録手段で検査対象を受付け登録するとともに、受付け登録時に当該検査対象に対応する患者情報を生成し、レセプト情報生成手段で少なくとも撮影部位情報を含むレセプト関連情報を生成し、患者情報とレセプト関連情報とを対応付け手段によって対応付け、対応付けられた患者情報及びレセプト関連情報を保存手段に保存するようになっている。
【0020】
また請求項2に記載の診断システムは、検査対象である患者を撮影して得られる画像データに基づいて、前記検査対象の撮影画像を生成する画像生成手段と、
前記検査対象を受付け登録するとともに、当該検査対象を特定可能な患者情報と前記患者情報に対応付けられ前記検査対象を識別する検索用IDとから構成されるリストを生成する受付登録手段と、
前記検索用IDに基づいて、前記撮影画像の中から所望の撮影画像を抽出するとともに、抽出された撮影画像から確定撮影画像を生成し、当該確定撮影画像と前記検索用IDに対応する患者情報とを対応付ける制御手段と、
少なくとも撮影部位情報を含み前記画像生成手段によって撮影された検査対象に対応する会計又はレセプトに関するレセプト関連情報を生成するレセプト情報生成手段と、
前記検索用IDに基づいて、前記レセプト情報生成手段により生成されたレセプト関連情報を前記患者情報と対応付ける情報対応付け手段と、
前記制御手段及び情報対応付け手段で対応付けられた前記撮影画像、前記患者情報、前記レセプト関連情報を相互に対応付けて保存する保存手段と、
を備えることを特徴とする。
【0021】
請求項2に記載された発明によれば、画像生成手段により検査対象である患者の撮影画像を生成するとともに、受付登録手段で検査対象を受付け登録した上で、検査対象を特定可能な患者情報とこれに対応付けられた検索用IDとから構成されるリストを生成し、制御手段により検索用IDに基づいて所望の撮影画像を抽出して抽出された撮影画像と患者情報とを対応付ける。また、レセプト情報生成手段によって少なくとも撮影部位情報を含む会計又はレセプトに関するレセプト関連情報を生成し、情報対応付け手段により検索用IDに基づいて、レセプト情報生成手段により生成されたレセプト関連情報を患者情報と対応付ける。そして、制御手段及び情報対応付け手段で対応付けられた撮影画像、患者情報、レセプト関連情報を相互に対応付けて保存手段に保存するようになっている。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の診断システムにおいて、前記画像生成手段で生成された前記撮影画像から確定撮影画像を生成する画像処理手段を備え、
前記画像処理手段は、撮影部位を自動識別する自動識別手段を有し、前記保存手段に当該患者の撮影部位情報を含むレセプト関連情報が保存されていないときは、前記自動識別手段により撮影部位を自動識別した結果に基づき、前記保存手段に当該患者の撮影部位情報を含むレセプト関連情報が保存されているときは、当該撮影部位情報に基づき画像処理を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項3に記載された発明によれば、保存手段に当該患者の撮影部位情報を含むレセプト関連情報が保存されていないときは自動識別手段により撮影部位を自動識別した結果に基づいて、また、保存手段に当該患者の撮影部位情報を含むレセプト関連情報が保存されているときは当該撮影部位情報に基づいて、画像処理手段が画像処理を行い、撮影画像から確定撮影画像を生成するようになっている。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、通常、医師が作成する紙カルテ、或いは、電子カルテであっても他とのリンク(通信連携)が行えないようなものに記載された患者氏名・撮影部位・撮影方向・造影剤使用の有無等の情報の中から、保険点数請求処理に必要な、少なくとも部位情報を含むレセプト関連情報を抽出して、キーボード等で入力作業を行い電子化する際に、当該レセプト関連情報を患者情報と対応付けて保存する。これにより、既存のワークフローに対して新たなキーボード入力作業等を行うことなく、患者情報と電子化されたレセプト関連情報とを相互にリンクさせ、これらの情報を有効に活用することができる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、開業医やクリニック等の小規模施設においても必ず存在する患者受付(窓口)にて、システム内に進入した患者を登録して患者情報とこれに対応付けられた検索用IDとから構成されるリストを生成するとともに、検索用IDに基づいて抽出した撮影画像と患者情報と当該患者に関するレセプト関連情報とを対応付けて保存する。このため、HIS/RISのような基幹システムに対応したネットワークで各装置を相互に連携可能に接続するようなシステムが構築されておらず、通常医師が作成する紙カルテ、或いは、電子カルテであっても他とのリンク(通信連携)が行えないようなものに記載された患者氏名・撮影部位・撮影方向・造影剤使用の有無等の情報の中から、保険点数請求処理に必要な、少なくとも部位情報を含むレセプト関連情報を抽出して、キーボード等で入力作業を行い電子化する際に、当該レセプト関連情報を患者情報と撮影画像とに対応付けて保存する。これにより、既存のワークフローに対して新たなキーボード入力作業等を行うことなく、患者情報、撮影画像、及び電子化されたレセプト関連情報とを相互にリンクさせ、これらの情報を有効に活用することができる。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、保存手段に当該患者の撮影部位情報等が保存されている場合には、当該撮影部位情報に基づいて画像処理を行う。このため、当該患者が次に再診に訪れたときには、この患者を撮影した撮影画像に対する階調処理等の画像処理を、当該撮影部位情報等に基づいて、より診断に相応しい(自動部位認識に基づく画像処理よりも精緻な診断を可能とする)画像処理条件で仕上げることができる。これにより、医師の手を煩わすことなく(自動部位認識に基づく画像処理結果を修正することなく)、精確な診断を行うことのできる画像を得ることが可能となるとの効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図1から図9を参照しながら本発明に係る診断システムの一実施形態について説明する。ただし、本発明は図示例のものに限定されるものではない。
【0028】
図1は、本実施形態における診断システム1のシステム構成を示すものであり、図2は、診断システム1を適用した場合の各装置の医療施設における配置例を示すものである。
【0029】
診断システム1は、開業医やクリニック等の比較的小規模の医療施設に適用されるシステムであり、図1に示すように、画像生成手段としての画像生成装置2である超音波撮影装置2a、内視鏡撮影装置2b、CR(Computed Radiography)装置2cと、制御手段である制御装置3と、サーバ4と、受付装置11aとから構成されており、各装置は、例えば図示しないスイッチングハブ等を介してLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク(以下単に「ネットワーク」という)6に接続されている。なお、診断システム1における各装置の台数は特に限定されないが、システム全体の制御を一箇所に集約して操作者の移動の手間を省くとの観点から、制御装置3は診断システム1内に1つのみ設けられることが好ましい。
【0030】
病院内の通信方式としては、一般的に、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格が用いられており、LAN接続された各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。なお、本実施形態に適用可能な通信方式はこれに限定されない。
【0031】
例えば、開業医やクリニック等のような小規模の医療施設においては、各装置は図2に示すように配置される。
すなわち、入口10を入ると受付11と待合室12がある。受付11には患者(検査対象)の受付け登録を行う受付登録手段として機能する受付装置11aが設けられており、患者が受付装置11aで受付け登録を行うことにより、例えば受付順の受付番号が患者に付与される。このとき、例えば受付番号が印刷された受付番号札(受付票、又は診察券)等が発行されるようにしてもよい。
【0032】
待合室12の隣には、ドア等を隔てて医師が患者の診察、診断等を行う診察室13が設けられている。例えば診察室13内の診察用のデスク(図示せず)の上には、医師が患者の情報(患者氏名、生年月日等の患者情報)等の入力を行ったり、撮影した画像をビューワ表示させて確認することのできる制御装置3と、撮影画像等、各種の情報を蓄積する保存手段としてのサーバ4が配置されている。診察室13内にはまた、プライバシー等の観点から隔離された空間で行う必要性の低い超音波撮影装置2aが設置されている。
【0033】
また、廊下14を隔てて診察室13の向かい側にはX線撮影を行うX線撮影室15が設けられている。X線撮影室15内には、撮影装置22と読取装置23とから構成されるCR装置2cが配設されている。さらに、X線撮影室15の隣には検査室16が設けられており、検査室16内には内視鏡撮影装置2bが配設されている。
【0034】
また、X線撮影室15及び検査室16内には、後述する患者リスト等を表示する表示手段としての端末装置24がそれぞれ備えられている。
【0035】
各端末装置24は、少なくとも患者リストを表示可能な表示部と外部機器との間で通信可能な通信部(いずれも図示せず)とを備えた小型の電子機器であり、例えば、PDA(Personal Digital Assistance)や小型のPC(Personal Computer)等である。
端末装置24には制御装置3や受付装置11a等から通信部を介して患者リストが送信されるようになっており、送信された患者リストは端末装置24の表示部に表示される。なお、患者リストに新たな患者が追加された場合や診察処理を終えた患者が患者リストから削除された場合、患者情報が追加されたり書き換えられる等、患者リストの内容が更新されたときは、更新された患者リストが随時端末装置24に送信されるようになっており、端末装置24の表示部には最新の患者リストが表示されるようになっている。
なお、本実施形態において端末装置24は、患者リストを表示する表示手段として機能するものであればよく、ここに例示したもの以外でも患者リストを表示できる表示部と患者リストを外部機器から受信可能な通信手段を備えるものであれば端末装置24として適用可能である。
【0036】
このように、本実施形態において、受付11のある待合室12、診察室13、X線撮影室15、検査室16は、同じフロアに位置しており、診察や撮影、検査を受ける患者は、受付けをして、診察室に移動し、医師による問診を受け、撮影室や検査室に移動し、医師により指示された撮影・検査を行って、再度、診察室に戻り、生成された撮影画像に基づき、医師の診察、診断を受けるまでの一連の動作を各室内及び廊下14という比較的短い距離を移動するだけで行うことができるようになっている。なお、各部屋及び各装置の配置は、図2に示したものに限定されない。
【0037】
受付装置11aは、図3に示すように、例えば、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、記憶部113、入力部114、表示部115、通信部116等を備えて構成されたコンピュータである。CPU111、RAM112、記憶部113、入力部114、表示部115、通信部116等の各部はバス117により接続されている。
受付装置11aのCPU111は、前述のように、入力部114から入力された情報に基づいて患者(検査対象)の受付け登録を行うとともに、患者の受付け登録が行われると、登録順に患者をリスト化した患者リストを作成する受付登録手段として機能するものである。また、CPU111は、生成した患者リストを表示部115に表示させたり、通信部116からネットワーク6を介して制御装置3等、外部機器に患者リストを送信するようになっている。さらに、CPU111は、患者の会計又はレセプトの処理が終了すると、当該患者を患者リストから削除するようになっている。なお、診断システム1を適用する施設の使用環境により、1日の患者数がリスト化するほどの数ではない場合には、CPU111は、患者氏名等の患者情報を入力して患者(検査対象)の受付け登録を行うのみで、患者リストは生成しない構成としてもよい。
【0038】
ここで患者リストとは、図4に示すように、例えば受付装置11aで受付け登録された患者の患者情報と当該患者の検索用IDとが対応付けられたリストである。なお、患者リストには患者情報及び検索用ID以外の項目が設けられていてもよい。
【0039】
患者情報とは、検査対象である患者を特定可能な情報であり、例えば、患者の氏名等、各患者固有の情報である。
なお、患者情報はここに例示したものに限定されず、例えば患者の性別、生年月日等が患者情報として登録されてもよい。
【0040】
また検索用IDとは、撮影後に撮影画像を検索する際、検査対象を識別する識別標識となるものであり、例えば、受付けを行ったときに付与される受付番号である。
なお、以下においては、検索用IDとして受付番号を用いる場合を例として説明するが、後述するように、検索用IDは、受付番号に限定されず、個々の患者と対応付け可能な任意の数字、記号等でもよい。
【0041】
例えば、受付装置11aで患者を受付登録することによって登録順に受付番号が付与され、当該患者の患者情報として患者氏名が受付装置11aの入力部から入力されると、当該受付番号が当該患者の検索用IDとして患者情報(患者氏名)と対応付けられ、図4(a)に示すように受付番号順にリスト化される。そして、例えば、新たに受付番号05番の患者として「山本五郎」が受付け登録されると、図4(b)に示すように、当該患者の患者情報が患者リストの末尾に追加される。また、例えば、受付番号01番の患者である「田中一郎」が会計又はレセプトの処理を終えると、患者リストから受付番号「01」の「田中一郎」が削除され、図4(c)に示すように、受付番号02番以降の患者のリスト上の順番が順に繰り上がる。
【0042】
受付番号等の検索用IDと患者氏名等の患者情報との対応付けは、1日の診察処理が全て終了すると解除され、翌日の診療の際には、再び受付番号「01」から順に受付け登録された患者の患者情報との対応付けが行われるようになっていることが好ましい。なお、検索用IDと患者情報との対応付けが解除されるタイミングは1日の診察処理の終了後には限定されない。一旦登録された対応付けが解除されるまでの所定の期間が予め設定されていてもよいし、診断システム1が適用される施設の使用環境に応じて、任意の期間を事後的に設定できるようにしてもよい。
【0043】
また、本実施形態において、受付装置11aは保険点数計算、会計又はレセプトの計算を行うレセプト用コンピュータ(以下「レセコン」という。)の機能を果たすものであり、受付装置11aのCPU111は会計又はレセプトに関する情報であるレセプト関連情報を生成するレセプト情報生成手段として機能するものである。
後述するように、撮影画像の画像データには、当該撮影を行った患者に関する患者情報の他、例えば撮影がどの部位について行われたかの撮影部位情報、造影剤を使用した撮影か否か等が付帯情報として付帯することが可能であり、受付装置11aは、レセプト情報生成手段としてこれらの付帯情報に基づいてレセプト関連情報を生成する。しかし、画像データにこうした情報が付帯されていない場合には、例えば、受付に配置された窓口担当が、例えば、患者の診察終了後、会計又はレセプトの処理時にカルテに記載されている情報に基づき、レセプト関連の必要事項を入力する作業を行うようにし、これにより電子化されたレセプト関連情報を生成する。また、CPU111は、生成したレセプト関連情報を当該患者の患者情報と対応付ける情報対応付け手段としても機能するものであり、レセプト関連情報と患者情報とは対応付けられて後述するサーバ4(保存手段)に保存されるようになっている。
【0044】
また、診察を終えた患者の会計又はレセプトの処理時に受付装置11aによって会計又はレセプトに関連するレセプト関連情報の他、当該患者に対して行われた撮影に関する撮影実施情報が入力された場合には、この撮影実施情報が当該患者の患者情報及び当該患者について撮影された撮影画像の画像データに付帯情報として付帯させるようにしてもよい。ここで、撮影実施情報とは、例えば、図5に示すような撮影方向(AP)や、X線管電圧(kV)、X線管電流(mA)等の情報である。なお、撮影実施情報には、患者の生年月日、性別、血液型等の患者属性に関わる情報を含んでいてもよい。
【0045】
撮影実施情報が入力されたときには、例えば、上記の撮影装置22の撮影実施条件を、当該患者の再診時に同条件の撮影を行う際の撮影実施条件として使用する等が可能となる。
【0046】
また、受付装置11aの通信部116は、ネットワークインターフェース等により構成され、スイッチングハブを介してネットワーク6に接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。すなわち、受付装置11aで生成された患者リストは通信部116からネットワーク6を介して制御装置3に送信されるようになっている。なお、患者リストが制御装置3のみならず、後述する端末装置24や画像生成装置2の入力操作部21a等にも受付装置11aから直接送信されるようにしてもよい。なお、端末装置24が無線通信機能を有するものである場合には、通信部116は、図示しない無線基地局等を介して無線方式で情報を送信してもよい。
【0047】
超音波撮影装置2aは、超音波を出力する超音波プローブと、超音波プローブに接続され、超音波プローブで受信された音波(エコー信号)を内部組織の撮影画像の画像データに変換する電子装置とから構成されている(いずれも図示せず)。超音波撮影装置2aは、超音波プローブから体内に超音波を送り、体内組織に反射した音波(エコー信号)を再び超音波プローブで受信して、このエコー信号に応じた撮影画像を電子装置によって生成するようになっている。
【0048】
超音波撮影装置2aには、アナログ信号からデジタル信号への変換等を行う変換手段(コンバータ)である変換装置21が接続されており、超音波撮影装置2aは、変換装置21を介してネットワーク6に接続されている。このように変換装置21を介することにより、ネットワーク6に接続された他の外部機器の規格等に合わない形式のデータが超音波撮影装置2aから出力される場合でも適宜変換してネットワーク6に接続された外部機器との間でデータの送受信を行うことができる。
【0049】
変換装置21には、例えば、テンキー、キーボード、タッチパネル等で構成される入力部と、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタで構成される表示部(いずれも図示せず)とを備える入力操作部21aが設けられている。入力操作部21aは、撮影対象である検査対象(患者)と対応付けられて設定された検索用IDを入力し撮影された撮影画像の画像データに付帯させる情報付帯手段であるとともに、患者リストを表示させる表示手段として機能する。
【0050】
例えば、受付装置11aで付与された受付番号が「01」である患者を撮影する場合には、患者が持参した診察券と受付装置11で生成され、表示された患者リストとを見比べ患者氏名を確認後、入力操作部21aから、患者に対応する検索用IDとして「01」を入力する。
開業医等においては、通常、1日あたりの来院数は10〜40人程度であり、診察券の通し番号は2桁あれば充分で、入力操作部21aの入力部はこの2桁の数値が入力できればよく、安価なテンキーが好ましい。入力操作部21aの構成はここに示したものに限定されず、例えば、カードを差し込むことでカードに書き込まれた情報を読み取るカードリーダや、バーコードを読み取るバーコードリーダのような入力部を備えるものでもよい。
なお、他の画像生成装置2の場合も、同様に、前記端末装置24や後述する情報付帯手段等に表示される患者リストに基づいて患者確認を行い、検索用IDを入力することとなる。
【0051】
なお、入力操作部21aから入力され撮影画像に付帯される情報は、検索用IDに限定されない。患者の氏名等、患者を識別する各種情報を入力操作部21aから入力するようにしてもよい。当該撮影を行った画像生成装置2に付与されている識別番号や当該撮影が造影剤等を用いない単純撮影か、造影剤を用いた撮影か等の撮影の種類を特定する情報等を入力するようにしてもよい。入力された検索用IDその他の情報はヘッダ情報等の付帯情報として撮影画像の画像データに付帯され、画像データが外部機器に送信されるときにはこれらの情報も画像データと対応付けられて送信される。
また、入力操作部から検索用IDが入力された時、予め各画像生成装置2に付与されている識別番号(IPアドレス)や装置の種別に固有の撮影の種類を特定する情報等を自動的に付帯させる構成としてもよい。
【0052】
内視鏡撮影装置2bは、可撓性を有する管の先端部に小型の撮影装置が設けられたものであり(いずれも図示せず)、撮影装置は例えば光学レンズ等で構成される対物光学系と、対物光学系の結像位置に配置された撮像部と、LED(Light Emitting Diode)等で構成され撮像を行うために必要な照明を行う照明部とを備えている(いずれも図示せず)。撮像部は、例えばCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を備え、光が入射すると光の入射光量に応じた量の電気的な信号へと光電変換する。対物光学系は、照明部により照明された領域を光学レンズで集光し、撮像部が有する固体撮像素子に結像するように構成されており、固体撮像素子に入射した光が光電変換されることにより、電気信号として撮影画像の画像データが出力されるようになっている。
【0053】
CR装置2cを構成する撮影装置22は、図示しない放射線源を有し、検査対象(図示せず)に放射線を照射して静止画像を撮影する。撮影時には前記放射線源から照射される放射線の照射領域内に、例えば放射線エネルギーを蓄積する輝尽性蛍光体シートを備える放射線画像変換プレートが内蔵された放射線画像変換媒体(いずれも図示せず)が配置されるようになっており、放射線源からの照射放射線量に対する検査対象の放射線透過率分布に従った放射線量が放射線画像変換媒体に内設された輝尽性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に蓄積し、この輝尽性蛍光体層に検査対象の放射線画像情報を記録する。
【0054】
読取装置23は、検査対象の放射線画像情報が記録された放射線画像変換媒体を装填し、放射線画像変換媒体から検査対象の放射線画像情報を読み取って撮影画像を生成する装置であり、前記制御装置3からの読取りサンプリングピッチ指示信号等の制御信号に基づいて、装置内に装填された放射線画像変換媒体の輝尽性蛍光体シートに励起光を照射し、これによりシートから発光される輝尽光を光電変換し、得られた画像信号をA/D変換して、撮影画像を生成するようになっている。
なお、CR装置2cは撮影装置22と読取装置23とが一体化した一体型の装置であってもよい。
【0055】
なお、図示はしないが、内視鏡撮影装置2b、CR装置2cの読取装置23にも超音波撮影装置2aにおける変換装置21の入力操作部21aと同様に撮影の際に画像データに検索用IDを付帯させる内蔵又は外部接続された情報付帯手段が設けられており、生成した撮影画像の画像データに当該患者の検索用IDを付帯させるようになっている。
【0056】
なお、情報付帯手段から入力される検索用IDとしては、前述の入力操作部21aと同様に、例えば、前記受付番号等が使用される。前述のように、開業医等においては、通常、1日あたりの来院数は10〜40人程度であり、診察券の通し番号は2桁あれば充分で、情報付帯手段はこの2桁の数値が入力できればよく、安価なテンキーが好ましい。
また、この情報付帯手段に表示部が設けられている場合には、これらの表示部が患者リストを表示させる表示手段として機能してもよい。
【0057】
次に、サーバ4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、記憶部、入力部、表示部、通信部(いずれも図示せず)等を備えて構成されたコンピュータである。サーバ4は、データベース5を備えており、通信部を介して制御装置3から送信された撮影画像等を保存する保存手段を構成している。
【0058】
制御装置3は、例えば診察室13に設置され、医師が画像等を表示させて読影診断等を行うためのワークステーション(PC:Personal Computer)であり、一般的なPCよりも高精細のモニタ(表示部)を備えるものであってもよい。制御装置3は、図6に示すように、CPU31、RAM32、記憶部33、入力部34、表示部35、通信部36等を備えて構成されており、各部はバス37により接続されている。
【0059】
CPU31は、記憶部33に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAM32に展開し、展開されたプログラムに従って後述する画像処理や対応付け処理をはじめとする各種処理を実行するようになっている。
【0060】
記憶部33は、HDD(Hard Disc)や半導体の不揮発性メモリ等により構成される。記憶部33には、前述のように各種プログラムが記憶されているほか、特開H11−85950や特開2001−76141の明細書中に開示されているような撮影部位を識別するための部位識別パラメータ(撮影画像に現われた撮影対象の輪郭、形状等と撮影部位とを対応付けるルックアップテーブル等)及び識別された撮影部位に応じた画像処理を行う画像処理パラメータ(階調処理に用いる階調曲線を定義したルックアップテーブル、周波数処理の強調度等)等が記憶されている。
【0061】
また、記憶部33には、前記各種の画像生成装置2によって生成された撮影画像の画像データが一時的に保存されるようになっている。なお、画像データに検索用IDや患者情報、撮影の種類に関する情報、撮影を行った画像生成装置2を識別する情報等が付帯しているときは、撮影画像の画像データとこれらの情報とを対応付けて記憶する。その他、記憶部33には、患者の受付順に作成された患者リスト等、制御装置3に送られた各種情報が記憶される。
【0062】
入力部34は、例えば図示しないカーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成されており、撮影対象である検査対象(患者)を特定可能な患者情報や前述の検索用ID等を入力する入力手段である。入力部34は、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU31に出力するようになっている。
【0063】
ここで、入力部34から入力される患者情報としては、例えば患者の氏名、生年月日、性別等が挙げられるが、患者情報はここに例示したものに限定されない。また、検索用IDとは、前述のように撮影後に撮影画像を検索する際、検査対象を識別する識別標識となるものであり、例えば、受付けを行ったときに付与される受付番号である。
【0064】
本実施形態において、入力部34は、患者情報に対応して検索用IDを入力するようになっている。例えば、患者氏名が「田中一郎」であり、受付装置11aで付与された受付番号が「01」である場合には、入力部34から、患者の患者情報として「田中一郎」を入力し、これに対応する検索用IDとして「01」を入力する。
【0065】
なお、本実施形態においては、患者情報として「患者氏名」を、検索用IDとして「受付番号」を、用いる場合を例として説明するが、検索用IDは、撮影画像と患者とが取り違えられないように撮影当日に仮に付与されるものであって、1人の患者に対して1つずつ割り当てられ、患者を識別できるものであれば足り、受付番号である場合に限定されない。例えば、医師以外にスタッフがおらず、受付11を設けていないような施設の場合には、患者は受付を通らず直接診察室13に入ることとなる。この場合には患者に受付番号が付与されていないため、医師は患者の患者情報として患者氏名等を入力した上で、これに対応する検索用IDとして任意の番号又は記号等を入力する。なお、後述する表示部35に受付番号等の検索用IDと患者氏名等の患者情報とが対応付けられた患者リストが表示される場合(図7参照)には、リストの中から患者を選択することにより、患者の患者情報と検索用IDとが対応付けられるようにしてもよい。
【0066】
表示部35は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、後述するように、各種の患者情報等を含む患者リスト、撮影画像、撮影画像から生成される確定撮影画像等を表示する表示手段である。表示部35は、CPU31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0067】
本実施形態においては、例えば、受付装置11aで患者を受け付けると、当該受付順に従って患者リストが生成され、ネットワーク6を介して制御装置3に送信されるようになっている。そして、医師等が入力部34から当該患者リストを表示するよう指示信号を入力すると、図7に示すような患者リスト表示画面35aが表示部35に表示されるようになっている。
【0068】
また、例えば、医師等が画像生成装置2である超音波撮影装置2a、内視鏡撮影装置2b、CR装置2cから取得した撮影画像を表示するように指示する指示信号を入力部34から入力すると、図8に示すような画像確認画面35bが表示される。
【0069】
図8に示すように、画像確認画面35bには、前記各種の画像生成装置2によって生成された撮影画像を表示するための画像表示欄351と、画像処理条件の調整指示を入力するための画像処理条件調整欄352とが設けられている。また、画像表示欄351には、画像表示欄351の各表示欄に対応して設けられ、各表示欄に表示された撮影画像を確定し、その撮影画像の画像データを確定撮影画像の画像データとして保存するためのOKボタン353と、各表示欄に表示された撮影画像の画像データの破棄及び再出力を指示するためのNGボタン354と、各撮影画像について患者のどの部位を撮影したものであるかを自動部位認識した結果、判断された撮影部位を表示する撮影部位表示欄355とが配置されている。なお、撮影画像の画像データを確定撮影画像の画像データとして保存した場合には、画像表示欄351の各表示欄に保存済みのマーク等が表示されるようにしてもよい。
【0070】
また、画像確認画面35bには、検索用IDである受付番号を入力、表示する受付番号欄356aと患者情報として患者氏名を入力、表示する患者氏名欄356bが設けられている。なお、本実施形態においては、検索用IDの入力、表示欄として受付番号欄356a、患者情報の入力、表示欄として患者氏名欄356bを設けた場合を例として以下説明するが、検索用IDの入力、表示欄、患者情報の入力、表示欄はここに例示したものに限定されない。
【0071】
その他、画像確認画面35bには、検査を終了するための検査終了ボタン357や前の表示画面に戻るための戻るボタン358等が設けられている。なお、画像確認画面35bの構成は図8に例示したものに限定されない。例えば、これら以外の表示欄やボタンが設けられていてもよい。
【0072】
通信部36は、ネットワークインターフェース等により構成され、スイッチングハブを介してネットワーク6に接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。即ち、通信部36は、画像生成装置2によって生成された撮影画像の画像データを受信し、また、必要に応じてサーバ4等の外部装置に画像処理の完了した確定撮影画像の画像データを送信する。
【0073】
また、通信部36は、患者リストを撮影室15や検査室16に備えられた端末装置24や入力操作部21aに送信可能となっている。なお、端末装置24が無線通信機能を有するものである場合には、通信部36は、図示しない無線基地局等を介して無線方式で情報を送信可能となっている。
【0074】
次に、CPU31によって行われる各種処理について説明する。
【0075】
本実施形態において、CPU31は、検索用IDに基づいて、記憶部33に記憶された撮影画像の中から特定の患者について撮影された撮影画像だけを抽出する画像抽出処理を行う。すなわち、前述のように、撮影の際には当該撮影の検査対象である患者の患者情報と対応付けられて設定された検索用IDが、入力操作部21a等から入力され、この検索用IDは、例えば撮影画像の画像データにヘッダ情報として画像データに付帯している。医師等の操作者がある検索用IDに対応する撮影画像を抽出するように指示する指示信号を入力部34等から入力すると、CPU31は、記憶部33に記憶された撮影画像のうち、当該検索用IDが付帯している撮影画像を検索し抽出して表示部35の画像確認画面35b等に表示する。
【0076】
また、CPU31は、画像生成装置2によって生成され、通信部36によって受信した撮影画像の画像データについて撮影部位に応じた画像処理を行い、診断に適した確定撮影画像を生成する画像処理手段として機能する。
具体的には、受付装置11aで入力された患者氏名(同姓同名区分けの生年月日等を含んでもよい)に基づき、サーバ4内が検索され、当該患者に関するレセプト関連情報が保存されているか否かを検索する。再診の患者であり、レセプト関連情報が保存されている場合、レセプト関連情報から撮影部位情報を抽出し、今回の検索用IDと対応付ける。つまり、今回入力された患者氏名及び検索用IDが前回の診察処理に伴い入力されていた撮影部位情報と対応つけられ、又、検索用IDと撮影画像も対応付けられるので、結果として、撮影画像と撮影部位情報が対応付けられることとなる。尚、今回の検索用IDと撮影部位情報との対応つけは、画像生成装置2から画像送信されるまでの間、一時的に記憶部33に保存され、所定のタイミング、例えば、今回のレセプト処理の終了後に消去される。
【0077】
他方、当該患者が初診であり撮影部位情報を含むレセプト関連情報がサーバ4に保存されていない場合には、CPU31は記憶部33から部位識別パラメータを読み出して画像生成装置2によって生成された撮影画像に現われた撮影対象の輪郭、形状等から撮影部位を識別する部位自動識別処理を行う自動識別手段として機能する。
【0078】
そして、撮影部位が判断されると、CPU31は、撮影部位に対応する画像処理パラメータを記憶部33から読み出して、読み出したパラメータに基づいて画像処理条件を決定し、決定した画像処理条件で画像データに画像のコントラストを調整する階調処理、濃度を調整する処理、鮮鋭度を調整する周波数処理等の画像処理を施し、診断用の確定撮影画像を生成する。
さらに、医師等の操作者が画像処理条件調整欄352から撮影画像の濃度やコントラスト等を調整する入力を行うと、CPU31は、これに応じて撮影画像の画像処理を行う。そして、画像処理が完了してOKボタン353が押下されると、CPU31は、画像処理後の撮影画像の画像データを確定撮影画像の画像データとして決定する。
【0079】
さらに、CPU31は、撮影された検査対象を特定可能な患者情報が入力されたときは、検索用IDを介して所定の画像処理後の確定撮影画像と患者とを対応付け、当該患者の患者情報と確定撮影画像とを対応付ける対応付け処理を行う制御手段として機能する。
具体的には、入力部34から検索用IDが入力されると、この検索用IDを検索キーとして当該検索用IDと同じ検索用IDの付された撮影画像の画像データを記憶部33に記憶されている画像データの中から検索、抽出する。そして、抽出された撮影画像から生成された確定撮影画像を当該検索用IDと対応付けられている患者の患者情報(患者氏名等)と対応付けるようになっている。また、撮影画像に撮影の種類を特定する情報等が付帯されているときは、これらの情報も患者情報とともに当該確定撮影画像と対応付ける。
【0080】
次に、本実施形態における診断システム1の動作について説明する。
【0081】
受付装置11aにおいて患者を受付け登録すると、患者に受付順の受付番号が付与されるとともに、当該患者の患者氏名等の患者情報が入力され、受付装置11aで前記受付番号と患者氏名とを対応付けた患者リストが生成される。患者リストはネットワーク6を介して診察室13の制御装置3、変換装置21の入力操作部21a、各室に備えられた端末装置24に送信され、制御装置3、入力操作部21a、端末装置24において表示可能となる。患者リストは新たな患者が受付け登録を行ったり、診察後患者が会計又はレセプトの処理を行い、当該患者が診断システム1から退出して患者リストから削除されたりすると随時更新される。制御装置3、入力操作部21a、端末装置24には、随時更新された患者リストが送信され、制御装置3、入力操作部21a、端末装置24の表示部には最新の患者リストが表示される。
【0082】
患者が診察室13に入ると医師は制御装置3の表示部35に患者リスト表示画面35a(図7参照)を開いて患者リストを表示させ、リストの中から(通常はリストの上から順に)患者を選択する。患者を選択した段階では、画像確認画面35b(図8参照)には図9(a)に示すように、受付番号欄356aに受付番号が表示され、患者氏名欄356bは空欄となった状態で画面表示される。
【0083】
医師は、選択された患者に対し問診を行い、実施する撮影、検査を決定し、患者は適宜指示された画像生成装置2の設置されている撮影室15又は検査室16に移動する。なお、予めその日に検査予約をしていた場合は、受付から直接撮影室15又は検査室16に移動してもよい。
【0084】
なお、ある患者を選択した後、別の患者をさらに選択してもよい。この場合には、選択された患者を順次又は各画像生成装置2を用いて同時並行的に撮影する。この場合でも、画像生成装置2での撮影時に、検索用IDが入力されるので、画像データに付帯された検索用IDと照合することにより、撮影後に患者と画像データとの対応付けを行うことが可能である。
【0085】
医師等により撮影が行われると、画像生成装置2の入力操作部21aから検索用IDや撮影の種類に関する情報、撮影を行った画像生成装置を識別する情報等が入力され、これらの情報がヘッダ情報として付帯した状態で撮影画像の画像データがネットワーク6を介して制御装置3に送られる。
【0086】
画像生成装置2から撮影画像の画像データが制御装置3に送られると、CPU31は当該画像の検索用IDに対応する過去の診察時の撮影部位情報の有無を検索し、撮影部位情報が存在する場合には、当該撮影部位情報に基づいて、又、存在しない場合には自動部位認識に基づいて、撮影部位を識別する。
そして、撮影部位を識別すると、CPU31は当該撮影部位に応じた画像処理条件を決定し、撮影画像の画像データについて当該条件に応じた画像処理を行う。画像処理が行われると、撮影画像は画像データに付帯する各種の情報とともに一旦、記憶部33に保存される。
なお、撮影部位判明時の画像処理パラメータと、自動部位認識時の処理パラメータは前述したように、全く同一ではなく、後者は「失敗画像とせず診断に使用可能とする」ことを主目的とし、平均的な画像を得られる場合が多く、一方前者は後者より診断能の高い画像とすることができる。
【0087】
医師が患者を診察する際には、制御装置3で未確定フォルダから撮影によって得られた画像データを開き、医師が患者の受付番号を確認して当該患者の受付番号を入力部34から打ち込む、又は患者の氏名を聴取して患者リストから当該患者に対応する受付番号を選択する等により、検索用IDである受付番号を入力する。そして、この検索用IDに基づいて(当該受付番号を検索キーとして)、当該患者について撮影された撮影画像を記憶部33から抽出し、抽出された画像を制御装置3の表示部35の画像確認画面35b(図8参照)に一覧表示させる。
医師は、画像確認画面35bで撮影画像の画像データを確認し、問題がなければOKボタン353により当該撮影画像を診断用の確定撮影画像として確定させる。
【0088】
この撮影画像の確定後、医師は紙カルテ等に診断所見を記入するのと並行して、確定撮影画像の画像データを患者の患者情報と関連付けるべく、図9(b)に示すように、受付番号に対応する患者氏名等をキーボードから入力し、入力された当該患者情報と対応付けて(当該患者情報を付帯情報として)確定撮影画像の画像データをサーバ4のデータベース5等の保存手段に保存する。この保存以後は、患者の名前での画像検索が随時可能となる。また、患者氏名等の患者情報とこれに対応付けられた撮影部位情報等の付帯情報が受付け装置11aに送信される。
【0089】
医師は紙カルテへの所見記載後、当該紙カルテを受付担当に渡す。或いは、電子カルテであっても他との連携ができないものを用いている場合、入力終了を受付担当に連絡し、受付担当は、カルテに記載された情報から部位情報を含むレセプト関連情報を抽出し、受付装置11aから入力し、必要に応じてその他情報を追加し、患者リストの患者情報と対応付ける。これにより、当該患者についての保険点数請求のためのレセプト関連情報の生成が終了する。
【0090】
受付装置11aから当該患者について会計又はレセプトの処理が終了した旨が入力されると、当該患者が診断システム1から退出したものとして当該患者を患者リストから削除され、患者リストが更新される。これにより会計又はレセプト処理の終了した患者が制御装置3、入力操作部21a、端末装置24に表示された患者リスト表示から削除され、患者の患者リスト上の順番が順に繰り上がる。
【0091】
他方、撮影画像の画像処理に問題がある場合には、医師等の操作者は、画像処理条件調整欄352で撮影画像の濃度やコントラスト等の調整を行う。なお、撮影部位に応じた画像処理が適切に行われなかった場合には、画像処理条件調整欄352で行った撮影画像の濃度やコントラスト等の調整を画像処理パラメータに反映させてパラメータの補正を行うようにしてもよい。また、各表示欄に表示された撮影画像が不鮮明である等、濃度やコントラスト等の調整のみでは調整できない場合には、撮影画像の画像データの破棄及び再出力を指示するためのNGボタン354を操作して当該撮影画像の画像データを破棄し画像生成装置2から画像データを再出力させる。
【0092】
1日の診察処理が全て終了すると検索用IDである受付番号と患者情報である患者氏名との対応付けが解除され、翌日の診察開始時には、再び受付番号「01」から順に受付け登録が行われた患者の患者情報との対応付けが行われる。
【0093】
また、患者が同一部位に関する経過観察等のため再診で来院したときには、過去に行われた撮影の際の撮影部位情報等をサーバ4から読み出して、これに基づいて撮影及び撮影画像の画像処理が行われる。また、初診の際に撮影された撮影画像等、撮影部位を自動識別して画像処理が行われた撮影画像がサーバ4に保存されている場合には、サーバ4に保存されている撮影部位情報等に基づいて当該撮影部位に最も適した画像処理条件で再度画像処理を行い、もとの確定撮影画像とともにサーバ4に保存する。
【0094】
以上のように、本実施形態に係る診断システム1によれば、開業医やクリニック等の小規模施設においても必ず存在する受付11において、診断システム1内に進入した患者を受付け登録して患者情報と検索用IDとから構成されるリストを生成し、この検索用IDに基づいて抽出した撮影画像と患者情報と当該患者に関するレセプト関連情報とを対応付ける。このため、撮影画像と患者情報とレセプト関連情報とが相互にリンクして検索可能となり、これらの情報を有効に活用することができる。
【0095】
また、サーバ4に当該患者の撮影部位情報等が保存されている場合には、当該撮影部位情報に基づいて画像処理条件を決定し画像処理を行う。このため、当該患者が次に経過観察等のため再診で訪れたときには、当該撮影部位情報等に基づいて、各撮影部位に相応しい画像処理条件で仕上げることができる。これにより、医師等が改めて画像処理操作をすることなく、精確な診断を行うことのできる画像を得ることができる。
また、初診時の自動部位認識に基づく確定画像に、同一の画像処理条件を適用し初診時の画像再生を行うことで、経過観察(治癒動向観察)の為の比較読影等を精度よく行うことができる。
【0096】
さらに、レセプト関連情報に撮影実施情報を含まれる時には、当該患者の前回の撮影と同一条件で撮影を行うことができ、両画像の差分観察により、当該患者の治癒動向を精度よく判断することができる。
【0097】
なお、本実施形態においては、患者の患者情報を受付け装置11aの入力部114から入力し、撮影時に患者情報に対応する検索用IDを撮影画像の画像データに付帯させることにより患者と撮影画像とを対応付けるように構成したが、患者と撮影画像とを対応付ける構成はこれに限定されない。
【0098】
たとえば、撮影前には、患者リストの中から患者を選択することにより受付番号等、各患者に割り当てられた検索用IDを設定するに止め、患者氏名等の患者情報は、撮影後、制御装置3の表示部35で当該患者に対応する撮影画像を見ながら患者の診断を行う際に入力するようにしてもよい。
【0099】
さらに、施設内に医師と補助者が1名ずつしかおらず、患者を1人ずつ撮影、診断するような使用環境である場合には、患者リスト確認画面35aにおいて1人の患者を選択すると表示部35が自動的に画像確認画面35bに切り替わり、撮影が行われると、画像生成装置2で生成された撮影画像が当該選択された画像確認画面35b上に表示されるようにしてもよい。この場合には、複数の患者を同時並行的に撮影することがなく、患者リストの中から選択された患者と撮影された患者とが1対1で対応し患者と撮影画像とを取り違える危険がない。このため、撮影前に患者情報等を入力したり撮影後に患者の検索用IDを入力する必要がなく、入力操作を最小限に抑えて医師等の負担を軽減することができる。また、このようなシステムとした場合には、画像生成装置2に入力操作部21aを備えないシステム構成とすることも可能である。
【0100】
また、本実施形態においては、受付装置11aから当該患者について会計又はレセプト処理が終了した旨が入力されると、当該患者が患者リストから削除されるようにしたが、患者リストは、施設内の患者の滞留状況を把握し得るものであればよく、実施形態に示したものに限定されない。例えば、制御装置3、入力操作部21a、端末装置24の表示部に患者リスト確認画面35aとは別に会計済み患者リスト画面を表示可能とし、会計又はレセプト処理が終了した患者については患者リスト確認画面35aから会計済み患者リスト画面に移動するようにしてもよい。
【0101】
また、本実施形態においては、画像生成装置2として超音波撮影装置2a、内視鏡撮影装置2b、CR装置2cを備える場合を例として説明したが、画像生成装置2は、検査対象である患者を撮影し、撮影により得られた画像データに基づいて撮影画像を生成する画像生成手段を備える装置であればよく、ここに例示したものに限定されない。他の放射線画像変換媒体を使用するもの、放射線画像変換媒体を使用せずに画像データを取得しこれに基づいた撮影画像を生成するもの、放射線ディテクタを用いて放射線画像をデジタル信号として直接取り出すもの等、撮影画像を生成する任意の装置を適用することができる。具体的には、本実施形態に示した超音波撮影装置2a、内視鏡撮影装置2b、CR装置2cの他、例えば、CT(Computed Tomografhy)、MRT(Magnetic Resonance Imaging)、FPD(Flat Panel Detector)、乳房撮影装置(マンモグラフィ)等が挙げられるが、これに限定されない。
【0102】
また、本実施形態においては、受付装置11aが検索用ID及び患者情報を入力するものとしたが、検索用ID及び患者情報を入力する入力手段はこれに限定されず、例えば、患者の受付け登録を行う受付担当をも医師が兼ねる場合には、患者がはじめて診察システム内に進入するのは、診察室13となるので、診察室13に設置された制御装置3が患者リストの生成を行う。そして、上記実施形態における受付装置11aを会計及びレセプト処理のための装置として使用し、受付装置11aが会計完了情報を前記制御装置3に送信して、制御装置3が会計終了患者を患者リストから削除するリスト更新手段として機能するようにしてもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、受付装置11aでアップデートされる患者リストを制御装置3を介して、ネットワーク6経由で制御装置3の表示部35や、変換装置21aの表示部や、X線撮影室15や検査室16に備えられた端末装置24の表示部に表示したが、既存の院内の設備(診断装置や制御装置等)の改造(ネットワーク経由の連携の為のアプリケーションの変更)の足並み(改造時期)が揃わなかったり、場合によっては改造自体が不可の場合も予想される。このようなケースに於いては、受付装置11aと無線通信可能なPDA等の携帯端末を用い、医師と撮影補助者とが個々にPDA等を所有することで、診察待ちの患者総数を把握可能で、かつ、施設改造規模を最小限に抑えることができ、好ましい。なお、撮影補助者が複数の場合には、個々の撮影補助者にPDA等を所有させることが好ましい。
【0104】
また、本実施形態においては、確定撮影画像及びこれと対応付けられた患者情報をサーバ4に保存するものとしたが、確定撮影画像及びこれと対応付けられた患者情報を保存する保存手段はこれに限定されず、例えば、制御装置3の記憶部33を確定撮影画像及びこれと対応付けられた患者情報を保存する保存手段とする構成としてもよい。
【0105】
その他、本発明が本実施の形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明に係る診断システムの一実施形態のシステム構成を示す図である。
【図2】図1に示す診断システムを適用した場合の各装置の医療施設における配置例を示す図である。
【図3】図1に示す診断システムに適用される受付装置の概略構成を示す要部ブロック図である。
【図4】図4(a)は患者リストの一例であり、図4(b)は図4(a)の患者リストに患者が追加された場合、図4(c)は図4(a)の患者リストから患者が削除された場合の一例を示す図である。
【図5】図1に示す診断システムにおける撮影実施情報が付帯された患者リストの一例を示す図である。
【図6】図1に示す診断システムに適用される制御装置の概略構成を示す要部ブロック図である。
【図7】図1に示す診断システムにおける患者リスト確認画面の一例を示す図である。
【図8】図1に示す診断システムにおける画像確認画面の一例を示す図である。
【図9】図9(a)及び図9(b)は、図8に示す画像確認画面の受付番号欄及び患者氏名欄の一例を示す図である。
【図10】従来の大規模診断システムにおける患者登録画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
1 診断システム
2 画像生成装置
2a 超音波撮影装置
2b 内視鏡撮影装置
2c CR装置
3 制御装置
4 サーバ
6 ネットワーク
11a 受付装置
21 変換装置
31 CPU
32 RAM
33 記憶部
34 入力部
35 表示部
35a 患者リスト確認画面
35b 画像確認画面
36 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象である患者を撮影して得られる画像データに基づいて、前記検査対象の撮影画像を生成する画像生成手段と、
前記検査対象を受付け登録するとともに、受付け登録時に当該検査対象に対応し当該検査対象を特定可能な患者情報を生成する受付登録手段と、
前記撮影画像から確定撮影画像を生成し、当該確定撮影画像と当該確定撮影画像に対応する前記患者情報とを対応付ける制御手段と、
少なくとも撮影部位情報を含み前記画像生成手段によって撮影された検査対象に対応する会計又はレセプトに関するレセプト関連情報を生成するレセプト情報生成手段と、
前記患者情報と前記レセプト関連情報とを対応付ける情報対応付け手段と、
前記情報対応付け手段で対応付けられた前記患者情報及び前記レセプト関連情報を保存する保存手段と、
を備えることを特徴とする診断システム。
【請求項2】
検査対象である患者を撮影して得られる画像データに基づいて、前記検査対象の撮影画像を生成する画像生成手段と、
前記検査対象を受付け登録するとともに、当該検査対象を特定可能な患者情報と前記患者情報に対応付けられ前記検査対象を識別する検索用IDとから構成されるリストを生成する受付登録手段と、
前記検索用IDに基づいて、前記撮影画像の中から所望の撮影画像を抽出するとともに、抽出された撮影画像から確定撮影画像を生成し、当該確定撮影画像と前記検索用IDに対応する患者情報とを対応付ける制御手段と、
少なくとも撮影部位情報を含み前記画像生成手段によって撮影された検査対象に対応する会計又はレセプトに関するレセプト関連情報を生成するレセプト情報生成手段と、
前記検索用IDに基づいて、前記レセプト情報生成手段により生成されたレセプト関連情報を前記患者情報と対応付ける情報対応付け手段と、
前記制御手段及び情報対応付け手段で対応付けられた前記撮影画像、前記患者情報、前記レセプト関連情報を相互に対応付けて保存する保存手段と、
を備えることを特徴とする診断システム。
【請求項3】
前記制御手段は、撮影部位を自動識別する自動識別手段を有し、前記保存手段に当該患者の撮影部位情報を含むレセプト関連情報が保存されていないときは、前記自動識別手段により撮影部位を自動識別した結果に基づき、前記保存手段に当該患者の撮影部位情報を含むレセプト関連情報が保存されているときは、当該撮影部位情報に基づき画像処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の診断システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−140762(P2007−140762A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−331672(P2005−331672)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】