説明

診断用パルス信号を備える制御システム、及びその制御装置

【課題】診断用パルス信号を正確に検出し、信号線のインピーダンスに影響されずに伝送線路の短絡、断線を検出できる制御システムを提供することを目的とする。
【解決手段】制御装置1は、制御データを生成するとともに、操作端部を診断する診断用パルスデータを生成し、診断用パルス信号の帰還信号の波形から前記信号線及び前記操作端部の機能を診断する内部回路13と、制御信号に診断用パルス信号を重畳させ、予め設定された信号レベルで前記操作端部に送る可変増幅回路12と、帰還信号を受信し、前記内部回路に送る受信回路16と、を備える診断用パルス信号生成部10を備え、内部回路は、診断用パルス信号の立ち上がり時間を補正する診断用パルスデータを補正する補正パルスデータ生成部を備え、信号線の長さが長い場合でも診断用パルス信号のパルス幅の拡張をしないで診断用パルス信号の受信が可能となるようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断用パルス信号を備える制御システム、及びその制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年国際標準として、装置の製造者・供給者に対して、機能安全規格が国際電気標準化会議の規格IEC61508「電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全」として纏められ、更に、システムの設計者・インテグレータ・ユーザに対しては、プロセス用アプリケーション規格として、IEC61508が発行されている。
【0003】
これらの規格では、システムの設計、保守、廃棄に至るライフサイクルにおける安全を評価し、リスク軽減の要求レベルである安全度水準(SIL; Safety Integrity Level)を定量的な評価尺度として定めている。
【0004】
このような背景において、プラントなどの安全停止システム全体の安全度水準を高める為には、センサ、制御装置(Logic Solver:LSとも言う)、及び最終エレメント(Final Elementsとも言う。以後、ここでは操作端部と言う)の各装置の内部の故障診断だけでなく制御装置と各装置間を接続する信号線を含む故障診断を行う要求がある。
【0005】
一般に、センサ、操作端部は高度な診断機能を有さないため、この制御装置とセンサや操作端部との信号線の故障診断機能は、制御装置に備えられるべきものである。
【0006】
ところで、制御装置による操作端部の診断機能としては、操作端部からの信号を制御装置内で受信し、操作端部が正常に出力信号を送っているか否かを検出する技術が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0007】
また、制御装置と操作端部間の診断機能としては、操作端部に接続された制御装置からの信号線を制御装置に再度フィードバックし、制御装置からの出力信号が正しく操作端部に送られたか否かを検出する技術が知られている(例えば特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4131134号公報
【特許文献2】特許第3695234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
石油化学などのプラントのシステムでは、制御装置から操作端部までの距離が数百メートル離れる場合がある。この様な長距離の伝送線路の場合、上述した特許文献1および特許文献2においては、診断用パルス信号の波形が伝送線路の遅延成分により歪み、制御装置に戻ってきた診断用パルス信号が正常に検出なくなる問題がある。
【0010】
また、上述した特許文献1においては、制御装置の入力回路の検査は可能だが、制御装置と操作端部間の信号線の短絡や断線を検出出来ない問題がある。
【0011】
また、上述した特許文献2においては、装置間の信号線の断線は検出可能だが、操作端部及び装置間の信号線のインピーダンスが電流検出用の抵抗値に比べ小さい場合、信号線の短絡を検出出来ない問題がある。
【0012】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、制御装置から診断用パルス信号を操作端部に送信して、その信号線及び操作端部を診断する制御装置とその制御システムにおいて、診断用パルス信号を正確に検出し、長距離を伝送する信号線のインピーダンスに影響されずに伝送線路の短絡及び断線を検出できる診断用パルス信号を備える制御システム、及びその制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本実施例の診断用パルス信号を備える制御システムは、制御装置から操作端部に信号線を介して診断用パルス信号を送信して、当該操作端部までの接続状態の異常と当該操作端部の機能とを診断する制御システムであって、前記制御装置は、前記操作端部を制御する前記制御データを予め設定された制御周期で生成するとともに、予め設定された診断周期で前記操作端部を診断する診断用パルスデータを生成し、当該操作端部の入力端から帰還した、前記診断用パルス信号の帰還信号の波形から前記制御装置から前記操作端部までの接続状態と前記操作端部の機能とを診断する内部回路と、前記制御データに基づく前記制御信号を生成する非反転増幅回路と、前記診断用パルスデータに基づく診断用パルス信号を生成するDA変換器と、前記制御信号に前記診断用パルス信号を重畳させ、予め設定された信号レベルで前記操作端部に送る加算器と、を備える可変増幅回路と、前記帰還信号を受信し、前記内部回路に送る受信回路と、を備える診断用パルス信号生成部を備え、前記内部回路は、更に、送信する前記診断用パルス信号の立ち上がり時間を補正する補正パルスデータを生成して診断用パルスデータを補正する補正パルスデータ生成部を備え、前記診断用パルス信号の立ち上がり時間を補正し、前記信号線の長さが長い場合でも前記診断用パルス信号のパルス幅の拡張をしないで前記操作端部で前記診断用パルス信号の受信が可能となるようにしたことを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために、本実施例による診断用パルス信号を備える制御システムの制御装置は、制御装置から操作端部に信号線を介して診断用パルス信号を送信して、当該操作端部までの接続状態の異常と当該操作端部の機能とを診断する制御システムの制御装置であって、前記制御装置は、前記操作端部を制御する前記制御データを予め設定された制御周期で生成するとともに、予め設定された診断周期で前記操作端部を診断する診断用パルスデータを生成し、当該操作端部の入力端から帰還した、前記診断用パルス信号の帰還信号の波形から前記制御装置から前記操作端部までの接続状態と前記操作端部の機能とを診断する内部回路と、前記制御データに基づく前記制御信号を生成する非反転増幅回路と、前記診断用パルスデータに基づく診断用パルス信号を生成するDA変換器と、前記制御信号に前記診断用パルス信号を重畳させ、予め設定された信号レベルで前記操作端部に送る加算器と、を備える可変増幅回路と、前記帰還信号を受信し、前記内部回路に送る受信回路と、を備える診断用パルス信号生成部を備え、前記内部回路は、更に、送信する前記診断用パルス信号の立ち上がり時間を補正する補正パルスデータを生成して診断用パルスデータを補正する補正パルスデータ生成部を備え、前記診断用パルス信号の立ち上がり時間を補正し、前記信号線の長さが長い場合でも前記診断用パルス信号のパルス幅の拡張をしないで前記操作端部で前記診断用パルス信号の受信が可能となるようにしたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1の構成図。
【図2】実施例1の詳細構成図。
【図3】実施例1の診断用パルス信号の動作を説明するタイムチャート。
【図4】実施例1の診断用パルス信号の問題点の説明図。
【図5】実施例1の動作原理を説明する図。
【図6】実施例2の構成図。
【図7】実施例2の変形例。
【図8】実施例3の構成と動作説明図。
【図9】実施例4の構成と動作説明図。
【図10】実施例5の構成と動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0017】
図1乃至図5を参照して、実施例1について説明する。先ず、図1を参照して構成を説明する。
【0018】
本実施例の制御システムは、操作端部2を制御する制御装置1と、制御装置1からの制御信号で制御される操作端部2と、制御装置1から操作端部2に制御信号に診断用パルス信号を重畳させて送る信号線3と、で構成される。
【0019】
制御装置1は、操作端部2の機能を診断する診断用パルス信号生成部10を備え、診断用パルス信号生成部10は、操作端部2を制御する制御信号の制御データと診断用パルスデータとを生成する内部回路13と、内部回路13で生成した制御データに診断用パルスデータを重畳させ、操作端部2の受信信号レベルに適合させた出力信号を生成する可変増幅部12と、この可変増幅器12から送信した出力信号を操作端部2の入力端から帰還した帰還信号を受信する受信回路16とを備える。
【0020】
操作端部2は、例えば、バルブのような装置であって、制御装置1からの制御信号を、信号線3を介して受信する入力回路21と、操作端部2自身を制御し、入力回路21で受信した信号に応答する内部回路23と、を備える。
【0021】
一般に、診断用パルス信号は、信号線3とその入力回路21までの機能を診断する場合には、入力回路21の入力端からの帰還信号で処理されるが、内部回路23の機能を診断する場合には、破線で示したように操作端部2に診断応答データ送信回路24と制御装置1に診断応答データの受信回路134とを備え、内部回路23から送られた診断応答データを制御装置1でその良否を診断する。
【0022】
また、診断用パルス信号は、信号線3の制御信号を出力する各ビットに重畳させて出力するが、出力信号の形態は、パラレル出力、シリアル出力の何れでも良いし、その回路も操作端部2までの伝送距離や絶縁方式により種々の形式が採用できる。本実施例では、出力の1ビットについて図示したものである。
【0023】
次に、各部の詳細について説明する。先ず、内部回路13は、操作端部2を制御する制御データを予め設定された制御周期Tcで生成する制御データ生成部131と、予め設定された制御周期と異なり、制御周期よりも長い診断周期Tdで操作端部2を診断する診断用パルスデータを生成する診断用パルスデータ生成部132と、操作端部2の入力端から帰還した帰還信号の波形から、診断用パルスデータを補正し、診断用パルス信号の立ち上がり時間を補正するための補正パルスデータを生成する補正パルスデータ生成部133と、を備える。
【0024】
また、内部回路13は、図示しない、演算プロセッサを備え、帰還された診断用パルス信号(帰還信号)から、制御装置1と操作端部2との接続状態の異常や操作端部2の動作状態の良否を診断する診断機能も備える。
【0025】
さらに、詳細には、補正パルスデータ生成部133は、送信する診断用パルス信号の立ち上がり及び立ち下がり時間を補正する補正パルスデータを生成し、内部回路13は、この補正パルスデータを用いて、診断用パルスデータを補正し、診断用パルス信号の立ち上がり時間を補正し、信号線3が長距離の伝送路の場合でも診断用パルス信号のパルス幅を拡張しないで操作端部2で診断用パルス信号の受信が可能とする。
【0026】
また、可変増幅回路12は、図2に示すように、制御データに基づく制御信号を生成する非反転増幅回路121と、診断用パルスデータに基づく診断用パルス信号を生成するDA変換器122と、制御信号に診断用パルス信号を重畳させ、外部の絶縁電源から電源VDCを供給して、操作端部2に適合した信号レベルとして出力する加算器123と、を備える。
【0027】
また、受信回路16は、制御装置1の内部と絶縁するためホトカプラ161を使用し、1次側のホトダイオードのアノードは、操作端部2からの帰還信号の帰還ルートとなる信号線32に接続され、ホトダイオードのカソードは、電流制限抵抗162を経由して外部のグランド電位GNDに接続され、帰還信号の電位レベルを検出する。
【0028】
また、操作端部2の入力回路21は、操作端部2の内部と絶縁するためのホトカプラ211と、予め設定される電流制限抵抗212と、を備え、ホトカプラ211のアノードは一方の信号線31に接続され、他方は負荷抵抗212を介して他方の信号線32に接続される。
【0029】
本実施例では、制御装置1と操作端部2とをホトカプラで絶縁する場合のインタフェースを示したが、電流制限抵抗212は、信号線31と32間で入力回路211に並列に挿入したり、信号線31とホトカプラ211のアノードと直列に接続したり、操作端部2の入力回路と信号船の伝送距離とにより種々のインタフェース形態とすることが可能である。
【0030】
次に、このように構成された診断用パルス生成部10の動作について、図2及び図3(a)を参照して説明する。
【0031】
内部回路3は、図3(a)に示すように、制御システム1の制御性能の要求から、予め設定される制御周期Tc、例えば,1msecで制御データを更新し、また、診断用パルスデータは、予め設定される比較的遅い診断周期Td、例えば、1secで更新し、制御データに基づく制御信号s1が非反転増幅回路121から、また、診断用パルスデータに基づく診断用パルス信号s2がDA変換機122から、夫々、加算器123に入力される。
【0032】
非反転増幅回路121は、制御データ生成部131から出力される制御データに対応する制御信号を生成するもので、出力に自由度を持たせるには、DA変換器で構成することも出来る。
【0033】
加算器123では、これらの信号を合成し、例えば、制御信号s1と診断用パルス信号s2との論理積を求め、操作端部2の受信電位レベルに適合する信号レベルとして、可変増幅回路12に供給される外部の電位VDCと受信回路16を介して接地されるグランド電位GNDとを基準として出力する。
【0034】
可変増幅回路12で生成された診断用パルス信号s3の1つのパルスは、理想的には、図3(b)に示すような波形となる。
【0035】
ところで、ISA(米国計測機器工業会)による規格に拠れば、化学プロセスの産業の安全計装システムの安全規格が発行されているが、これによると安全停止システム(Safety Shutdown System)の出力信号は、通常制御時はHiレベル(危険側動作信号は、操作端部2がバルブの場合、バルブ開を意味する)、停止時はLoレベル(安全側動作信号は、操作端2がバルブの場合、バルブ閉)となる。
【0036】
操作端部2のテストは、制御システム1が、通常制御されている状態で行われるため、出力信号は通常、Hiレベルとなる。
【0037】
ここで、制御装置1が必要時にLoレベルが出力出来るかを確認するため、周期的に診断用パルス信号が出力される。Loレベル出力の機能を確認するための診断用パルス信号は、図3(b)に示すようにLoレベルのパルス信号となる。
【0038】
また、診断用パルス信号のLoレベルは、受信回路16での誤検出を避けるために、受信回路16のLoレベル検出可能最高電位V以下となる。また診断用パルス信号のHiレベルもまた、受信回路16での誤検出を避けるために、受信回路16のHiレベル検出可能最低電位V以上となる。
【0039】
また、診断用パルス信号のパルス幅TOは、操作端部2の誤動作を避けるために、操作端部2の最長不感時間幅TFEより短く設定される。
【0040】
このように、制御装置1の可変増幅回路12は、内部回路13から出力される診断用パルス信号は、制御信号に重畳して、上述するようなパルス波形の信号を出力する。
【0041】
しかしながら、実際の安全停止システムの適用においては、制御装置1から操作端部2までの距離が数百メートル離れる場合がある。このような場合、図4(a)に示すように、制御装置1から単なるパルス信号を出力した場合、パルス信号のパルス波形が長距離の信号線3の(RC)遅延成分により変化し、制御装置1の受信回路16に帰還されたパルス波形が、図4(b)に示すような波形になる場合がある。
【0042】
図4に示すように、診断用パルス信号の出力パルス幅TO制御装置1の受信回路16では信号線3の遅延成分により歪み、実効パルス幅T(制御装置1がLoレベルと検出するパルス時間幅)が、制御装置1の最短検出時間幅TFを下回る事がある。
【0043】
この場合、制御装置1は、信号線31に出力したパルスを、受信回路16において検出する事が出来ない。
【0044】
この問題に対しては、出力パルス幅TOの時間幅を拡大する方法があるが、あまりパルス幅を長くすると、出力パルス幅が操作端部2の最長不感時間幅TFEを上回ってしまい、診断用パルス信号が操作端部2の誤操作(例えば、バルブ閉)を招く可能性がある。
【0045】
この問題を解決するために、図5(a)に示すように、本実施例1の制御装置1の診断用パルス生成部10は、診断用パルス信号のパルス波形の立ち上がり電圧を高めたパルスを出力する機能を備える。(以下、パルス波形の立ち上がり、立ち下がりの2種類の波形を、共に「立ち上がり」と呼ぶ。)。
【0046】
図5(a)は、制御装置1の出力端Poにおけるパルス波形を示し、図5(b)は制御装置1の入力端Piにおける診断用パルス信号のパルス波形を示す。
【0047】
即ち、制御装置1の可変増幅回路12から出力されるパルス波形について、パルスの立ち上がりにおける電位差を図5(a)に示すように一定時間の間拡大する事により、従来は破線で示したような応答波形であったものが、図5(b)に示すように立ち上がり時間が早まる。
【0048】
これにより、実効パルス幅Tが制御装置1の最長検出時間幅TFEを下回り、パルス幅を拡大することなく、制御装置1が受信したパルス信号を検出可能となる。
【0049】
この理由は、パルス波形の電圧変化時の電位差を拡大する補正により、補正後のパルス信号が受信可能電位に達する時間を短縮した事による。
【0050】
次に、このような診断用パルス信号のパルス波形の生成原理について説明する。制御装置1の受信回路16で受信したパルス信号を検出可能とする為に、図5(a)に示すパルス波形の拡大電位差Voおよび、拡大時間幅tについて、下記式(1)および(2)を満たすような補正パルスデータを内部回路133で生成し、診断用パルスデータ生成部132でこの補正を行い、補正された診断用パルス信号を可変増幅回路12から出力する。
【0051】
即ち、診断用パルス信号の拡大電位差VO(V)および、拡大時間幅t(s)は、下記式で定義された範囲の値で与えられる。
VF≦(VO+VDC)(1−e−t/CR) (1)
TO−TF≧t (2)
ここで、
VDC:パルス電位差(V)、
VF:(制御装置の)検出可能最低電位差(V)、
e:自然対数の底(2.71828…)、
C:信号線の容量成分(F)、R:信号線の抵抗成分(Ω)、
T:(制御装置の出力端POでの)出力パルス幅(s)、
TF:(制御装置の入力端PI)最短検出時間幅(s))とする。
【0052】
以下、式(1)、(2)の導出理由を説明する。上記(1)式、(2)式は、信号線3の等価回路を図4に示すような一次遅れ(RC)回路とすると、RC回路の入力電位差Vinと、容量成分Cの出力電圧Voutとの関係は、一般に、
Vout≦Vin・(1−e−t/CR) (3)
となる関係がある。
ここで、Voutは、検出可能最低電位差VFを上回る必要がある。 (4)
【0053】
また、
Vin=VO(拡大電位差)+VDC(パルス電位差)となる。 (5)
したがって、式(3)、条件(4)、式(5)から、式(1)が求まる。
【0054】
また、診断用パルス信号による操作端部2の誤操作(例えば、バルブ閉)を防ぐ為には、制御装置1の入力端PIでの実効パルス幅Tが、最長検出時間幅TFEより短くなる必要がある。
【0055】
また、拡大時間幅tの値は、式(2)で定義される。
【0056】
尚、図5において、補正パルスデータは、拡大電位差×拡大時間(VO×t)、または、(拡大電位差+パルス電位差)×拡大時間((VO+VDC)×t)の何れでも良い。
【0057】
以上、本実施の形態によれば、診断用パルス信号のパルス波形が歪むような遅れ回路特性を持つ長距離の伝送線路においても、診断用パルス信号のパルスの時間幅を拡大することなく、パルス波形の立ち上がり時間を補正することができるので、帰還信号から制御信号の異常の有無を正確に診断することができる。
【実施例2】
【0058】
図6を参照して、実施例2について説明する。実施例2の各部について、実施例1の制御システムと同一部分は同一の符号で示し、その説明を省略する。
【0059】
実施例2の制御システムが、実施例1と異なる点は、実施例1においては、補正パルスデータを自動生成する機能を備えていなかったが、実施例2においては、補正パルスデータ生成部133に補正テーブル133aを備え、帰還信号からパルス波形の立ち上がり時間とそのパルス幅とを検出して、予めこの立ち上がり波形の特性に対応する補正パルスデータ(拡大電位差×拡大時間)を求めておき、操作端部2までの伝送線路長が変っても補正テーブル133aを参照して、自動的に補正パルスデータが生成されるようにしたことにある。
【0060】
このような構成の実施例2に拠れば、操作端部2の入力回路や伝送線路の特性が変化しても、自動的に補正された診断用パルスデータを生成することができる。
【0061】
また、図7に示すように、入力回路16を変形して、帰還信号の信号レベルを多段階にレベル分解できる多段レベル受信回路16aとし、この多段レベル受信回路16aの出力と補正パルスデータとを予め対応付けした補正テーブル133aを備え、帰還信号のレベル状態を判定して対応する補正テーブル133aを参照して自動補正するように構成することも可能である。
【実施例3】
【0062】
図8を参照して、実施例2について説明する。実施例3の各部について、実施例1の制御システムと同一部分は同一の符号で示し、その説明を省略する。
【0063】
実施例3の制御システムが、実施例1と異なる点は、実施例1においては、診断用パルス信号は、伝送線路の状態の良否を判定する機能を備えていなかったが、実施例3においては、診断用パルス信号により、信号線3の短絡を検出するようにしたことにある。
【0064】
実施例3の制御装置1は、実施例1の構成に加えて、図8に示す負電源回路15と、受信回路16に代えて、ホトカプラの入力側のホトダイオードと並列に逆極性でダイオードとを更に備えた受信回路16bとし、帰還信号が双方向に流れるリターン回路を形成する。
【0065】
図8(a)において、負電源回路15は、電源VDCとGNDから、グランド電位GNDを0Vとした際の、負の電位となる負電圧−VDCXを生成する回路であり、生成された負電圧−VDCXは可変増幅回路12に入力される。
【0066】
受信回路16bは、信号線32とブランド電位GNDの電圧が負電圧−VDCXとなっても、電流を通過させることが可能となる回路である。
【0067】
実施例3の可変増幅回路12は、電源VDC及び負電源回路15から供給される負電圧−VDCXから、図8(b1)に示すパルス波形を生成する。
【0068】
このように構成された実施例3の制御装置1は、信号線31と信号線32の短絡故障を検出する事が出来る。以下、この短絡検出の動作について説明する。
【0069】
信号線3間に短絡故障が発生した場合、可変増幅回路12の生成する診断用パルス信号は入力回路21をパスする事により、可変増幅回路12→信号線31→信号線32→受信回路16の経路順にパルス信号が流れる。この時、可変増幅器12の出力端s3から負電圧となる出力波形は図8(b1)を印加すると、パルス電流は逆方向に流れ、受信回路16bの2次側の出力s5は、夫々、図8(b2)、(b3)に示す半波整流出力となる。
【0070】
一方、もし短絡故障が起きていない、正常時の場合、負電圧パルスに対しては、操作端部2の受信回路21に逆方向の逆電圧がかかるため、ホトカプラ211のホトダイオードの整流機能により、信号線31、信号線32には信号電流が流れない。
【0071】
この時、可変増幅器12の出力端s3、受信回路2次側の出力s5は、夫々、ハイインピーダンスとなり、夫々の端部の電位に固定される。
【0072】
したがって、負電圧パルスに対しては、正常時は、検出出来ないはずの診断用パルス信号が受信回路16で検出されたならば、即ち、信号線短絡、もしくは何らかの故障により、操作端2の受信回路21がパスされたと制御装置1は判断することが可能である。
【0073】
以上、本実施例によれば、制御装置と操作端部を結ぶ信号線の短絡故障を、信号線の経路のインピーダンスとは無関係に制御装置が検出することが可能となり、安全停止システムの故障検出機能を向上させることができる。
【実施例4】
【0074】
図8を参照して、実施例4について説明する。実施例4の各部について、実施例1の制御システムと同一部分は同一の符号で示し、その説明を省略する。
【0075】
実施例4の制御システムが、実施例1と異なる点は、実施例1においては、診断用パルス信号は、伝送線路の状態の良否を判定する機能を備えていなかったが、実施例4においては、更に、診断用パルス信号により、信号線3の短絡を検出するようにしたことにある。
【0076】
実施例4の制御装置1は、実施例1の可変増幅回路12のから操作端部2に印加する診断用パルス信号を信号線31または信号線32に接続し、受信回路16を信号線32または信号線31に接続する、信号線切替スイッチ14を備える。
【0077】
切り替えは、図示しない内部回路13の診断用パルスデータ生成部132から信号線切替スイッチ14に対して切替指令s6を出力するように構成することも出来る。
【0078】
信号線切替スイッチ14は、可変増幅器12の出力端と受信回路16の入力端との間に接続される当該出力端と当該入力端の信号線3への接続を入れ替えて、入力回路21に対する診断用パルス信号の印加方向を切り替えるものである。
【0079】
詳細には、可変増幅回路12の出力s3を第1の経路(信号線切替スイッチa1−bから信号線31、信号線32から信号線切替スイッチc−a2、実線に示す)に接続し、または、第2の経路(信号線切替スイッチa1−cから信号線32、信号線31から信号線切替スイッチd―a2、破線に示す)に接続し、可変増幅器12の出力の操作端部2に印加する方向を切り替える。
【0080】
このような構成の実施例4の制御装置1は、信号線31と信号線32の短絡故障を検出する事が出来る。以下、その検出動作について説明する。
【0081】
もし信号線切り替えスイッチ14が第1の経路で接続され、信号線31と信号線32が短絡故障を起こしている場合、制御装置1による診断用パルス信号を印加しても、短絡故障を検出する事が出来ない。
【0082】
なぜなら短絡故障が起きた場合の第1の経路は、正常時に対しては受信回路21をパスする程度の変化であり、診断用パルス信号には顕著な変化が起こらない為である。
【0083】
一方、信号線切り替えスイッチ14が第2の経路に接続された場合、制御装置1は短絡故障を検出可能である。
【0084】
短絡故障時、診断用パルス信号は、受信器入力回路21をパスし、可変増幅回路12→信号線32→信号線31→受信回路16の経路で流れる。ここで、短絡故障が起きていない場合には、信号線切り替えスイッチ14が第2の経路においては、操作端部2の入力回路21には逆電圧がかかり、ホトダイオードの整流機能により、信号線31、信号線32には信号電流が流れない。
【0085】
したがって、信号線切り替えスイッチ14が第2の経路で接続された場合、正常時は検出出来ないはずの診断用パルス信号が受信回路16で検出されたならば、即ち、信号線短絡、もしくは何らかの故障により、操作端部2の入力回路21がパスされたと制御装置1で判断することが出来る。
【0086】
以上、本実施の形態によれば、制御装置と操作端部を結ぶ信号線の短絡故障を、信号経路のインピーダンスとは無関係に制御装置が検出することが可能であり、安全停止システムの故障検出機能を向上させることができる。
【実施例5】
【0087】
図10を参照して、実施例5について説明する。実施例5の各部について、実施例1の制御システムと同一部分は同一の符号で示し、その説明を省略する。
【0088】
実施例5の制御システムが、実施例1と異なる点は、実施例1においては、診断用パルス信号は、伝送線路の状態の良否を判定する機能を備えていなかったが、実施例4においては、更に、診断用パルス信号により、信号線3の短絡及び断線を検出するようにしたことにある。
【0089】
実施例6の制御装置1は、実施例1の構成に加えて、可変増幅回路12から信号線31への出力を制御装置1内部で直接受信する出力フィードバック回路172と、可変増幅回路12と信号線31の間に直列に挿入された、インピーダンス調整回路(可変整合抵抗)171とを備える。
【0090】
出力フィードバック回路172は、インピーダンス調整回路171を経由した可変増幅器12の出力信号に対して、高い入力インピーダンスを備え、入力信号の電位レベルを検出し、内部回路13に検出結果を通知する機能を備える。
【0091】
インピーダンス調整回路171は、抵抗値が可変の直列抵抗とし、インピーダンス調整回路171は、信号線31と入力回路21と信号線32とを1本のケーブルと見立てた場合の特性インピーダンスと、インピーダンス調整回路171自身のインピーダンスとを調整する機能を備える。
【0092】
このように構成された実施例5の制御装置1は、信号線31と信号線32の短絡故障と、信号線31の断線故障を検出することが出来る。以下にその検出動作について説明する。
【0093】
信号線3を伝わる電気信号は波の性質を持ち、伝送線路端やケーブル接続箇所で反射が起きる可能性がある。しかし、異種のケーブルを接続しても、その特性インピーダンスが等しい時は反射が起こらない。しかし、異種ケーブルの特性インピーダンスが異なると、接続点で信号の一部は透過し、残りは反射する。
【0094】
しかしながら、インピーダンス調整ずみのインピーダンス調整回路171の出口信号線の一端と信号線31との接続点とにおいて、両線の特性インピーダンスは一致するように調整されているので反射は起こらない。
【0095】
ここで、信号線31と信号線32の短絡故障時には、信号線31と入力回路21と信号線32を1本のケーブルと見立てた場合の特性インピーダンスが変化すると、短絡前に調整ずみのインピーダンス調整回路171の出口信号線の一端と信号線31の接続点において、両線の特性インピーダンスが異なることになり、ここで信号の反射が起こる。
【0096】
この反射波と診断用パルス信号の出力パルス波が重畳することにより、接続点における診断用パルス信号のパルス波形が歪む。正常時とは異なる診断用パルス信号の波形を出力フィードバック回路172で検出する。
【0097】
また、信号線31または信号線32の断線故障時には、断線部分で信号波形の全反射が起こり、短絡故障時同様に、全反射波と出力パルス波の重畳により、接続点における診断用パルス信号のパルス波形が、大きく歪む。
【0098】
この歪んだパルス波形は、出力フィードバック回路172に入力され、正常時とは異なる診断用パルス信号の波形が出力フィードバック回路172により検出される。これにより、制御装置1は信号線31から先の信号線路で、断線故障を含む何らかの異常が発生した事を検出する事が出来る。
【0099】
以上、本実施の形態によれば、制御装置と操作端部を結ぶ信号線の短絡故障または断線故障を、制御装置が検出することが可能であり、安全停止システムの故障検出機能を向上させることができる。
【0100】
尚、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明と均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1 制御装置
2 操作端部
10 診断用パルス信号生成部
12 可変増幅回路
13 内部回路
14 信号線切替スイッチ
15 負電源回路
16 受信回路
16a 多段レベル受信回路
16b 受信回路
21 入力回路
23 内部回路
24 診断応答データ送信回路
31、32 信号線
131 制御データ生成部
132 診断用パルスデータ生成部
133 補正パルスデータ生成部
134 診断応答データ受信回路
171 整合可変抵抗
172 出力フィードバック回路
161、211 ホトカプラ
162、212 電流制限抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置から操作端部に信号線を介して診断用パルス信号を送信して、当該操作端部までの接続状態の異常と当該操作端部の機能とを診断する制御システムであって、
前記制御装置は、前記操作端部を制御する前記制御データを予め設定された制御周期で生成するとともに、予め設定された診断周期で前記操作端部を診断する診断用パルスデータを生成し、当該操作端部の入力端から帰還した、前記診断用パルス信号の帰還信号の波形から前記制御装置から前記操作端部までの接続状態と前記操作端部の機能とを診断する内部回路と、
前記制御データに基づく前記制御信号を生成する非反転増幅回路と、前記診断用パルスデータに基づく診断用パルス信号を生成するDA変換器と、前記制御信号に前記診断用パルス信号を重畳させ、予め設定された信号レベルで前記操作端部に送る加算器と、を備える可変増幅回路と、
前記帰還信号を受信し、前記内部回路に送る受信回路と、
を備える診断用パルス信号生成部を備え、
前記内部回路は、更に、送信する前記診断用パルス信号の立ち上がり時間を補正する補正パルスデータを生成して診断用パルスデータを補正する補正パルスデータ生成部を備え、
前記診断用パルス信号の立ち上がり時間を補正し、前記信号線の長さが長い場合でも前記診断用パルス信号のパルス幅の拡張をしないで前記操作端部で前記診断用パルス信号の受信が可能となるようにしたことを特徴とする診断用パルス信号を備える制御システム。
【請求項2】
前記内部回路は、前記帰還信号を受信して、送信した前記診断用パルス信号の立ち上がり時間及びパルス幅を計測し、当該計測値と前記補正パルスデータのパルス幅、及びそのパルス波高値とを予め対応付けした補正テーブルを備え、
前記帰還信号の計測値により前記補正テーブルを参照して前記診断用パルスデータを自動的に補正するようにしたる請求項1に記載の診断用パルス信号を備える制御システム。
【請求項3】
前記受信回路は、多段階の電位レベルを検出できる受信回路とし、
前記内部回路は前記電位レベルを受信して、前記電位レベルと、前記補正パルスデータのパルス幅、及びそのパルス波高値とを予め対応付けした補正テーブルを備え、
前記帰還信号の計測値により前記補正テーブルを参照して前記診断用補正パルスデータを自動補正するようにしたる請求項1に記載の診断用パルス信号を備える制御システム。
【請求項4】
前記操作端部の入力回路及び前記受信回路は、夫々、ホトカプラ絶縁回路とし、
前記入力回路は、一次側をホトカプラのダイオードとその電流制限抵抗とを直列に接続して構成し、その一端を前記可変増幅回路の出力に前記信号線を介して接続し、他端を前記受信回路の入力端に前記信号線を介して接続し、
前記受信回路は、前記ホトカプラの第1のダイオードのアノードに接続された端部を前記入力回路からの前記帰還信号の一端とし、当該第1のダイオードのカソードは前記ホトカプラ絶縁回路の接地電位に接続された端部を他端とし、更に、前記第1のダイオードと逆極性で接続された第2のダイオードとで構成し、
前記診断用パルス信号生成部は、更に前記可変増幅器の前記診断用パルス信号の低電位側を負電位とする負電源回路を備え、
前記内部回路は、前記帰還信号のパルス波形に負電位が検出されない場合、前記信号線間に「短絡あり」と判定するようにした請求項1に記載の診断用パルス信号を備える制御システム。
【請求項5】
前記操作端部の入力回路及び前記受信回路は、夫々、ホトカプラ絶縁回路とし、前記入力回路は、一次側をホトカプラのダイオードとその電流制限抵抗とを直列に接続して構成し、その一端を前記可変増幅回路の出力に前記信号線を介して接続し、他端を前記受信回路の入力端に前記信号線を介して接続し、
前記受信回路は、一次側のホトカプラのダイオードのアノードに接続された端部を前記入力回路からの前記帰還信号の一端とし、当該ダイオードのカソードは前記ホトカプラ絶縁回路の接地電位に接続された端部を他端として構成し、
前記診断用パルス信号生成部は、前記可変増幅器の出力端と前記受信回路の入力端との間に接続される当該出力端と当該入力端の前記信号線への接続を入れ替えて、前記入力回路に対する前記診断用パルス信号の印加方向を切り替える信号線切り替えスイッチを備え、
前記内部回路は、前記信号線切り替えスイッチを切り替えて、いずれの場合も前記帰還信号に同じパルス波形が検出された場合には、前記信号線間に「短絡あり」と判定するようにした請求項1に記載の診断用パルス信号を備える制御システム。
【請求項6】
前記診断用パルス信号生成部は、前記可変増幅回路の出力端と前記信号線の一端との間に直列に接続された可変整合抵抗を備え、
更に、当該可変整合抵抗の前記信号線の一端を入力端として接続される前記診断パルス信号の出力フィードバック回路と、
を備え、
前記内部回路は、前記出力フィードバック回路から出力されたパルス波形を観測し、反射振動波が有る場合には「断線あり」、または、そうでない歪みがある場合には「短絡あり」と判定するようにした請求項1に記載の診断用パルス信号を備える制御システム。
【請求項7】
制御装置から操作端部に信号線を介して診断用パルス信号を送信して、当該操作端部までの接続状態の異常と当該操作端部の機能とを診断する制御システムの制御装置であって、
前記制御装置は、前記操作端部を制御する前記制御データを予め設定された制御周期で生成するとともに、予め設定された診断周期で前記操作端部を診断する診断用パルスデータを生成し、当該操作端部の入力端から帰還した、前記診断用パルス信号の帰還信号の波形から前記制御装置から前記操作端部までの接続状態と前記操作端部の機能とを診断する内部回路と、
前記制御データに基づく前記制御信号を生成する非反転増幅回路と、前記診断用パルスデータに基づく診断用パルス信号を生成するDA変換器と、前記制御信号に前記診断用パルス信号を重畳させ、予め設定された信号レベルで前記操作端部に送る加算器と、を備える可変増幅回路と、
前記帰還信号を受信し、前記内部回路に送る受信回路と、
を備える診断用パルス信号生成部を備え、
前記内部回路は、更に、送信する前記診断用パルス信号の立ち上がり時間を補正する補正パルスデータを生成して診断用パルスデータを補正する補正パルスデータ生成部を備え、
前記診断用パルス信号の立ち上がり時間を補正し、前記信号線の長さが長い場合でも前記診断用パルス信号のパルス幅の拡張をしないで前記操作端部で前記診断用パルス信号の受信が可能となるようにしたことを特徴とする診断用パルス信号を備える制御システムの制御装置。
【請求項8】
前記内部回路は、前記帰還信号を受信して、送信した前記診断用パルス信号の立ち上がり時間及びパルス幅を計測し、当該計測値と、前記補正パルスデータのパルス幅、及びそのパルス波高値とを予め対応付けした補正テーブルを備え、
前記帰還信号の計測値により前記補正テーブルを参照して前記診断用パルスデータを自動的に補正するようにしたる請求項7に診断用パルス信号を備える制御システムの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−242338(P2012−242338A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115237(P2011−115237)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】