説明

証券取引専用端末装置

【課題】 重要情報の発生をユーザに迅速に知らせる証券取引専用端末装置を提供する。
【解決手段】 株式データを取得する通信部と、証券取引に用いられるキーボードのキートップ上に点灯可能なアラームランプ15を備えたキーボード14と、通信部が取得した株式データに緊急情報または登録した銘柄の騰落情報を含んでいる場合にキーボードのキートップ上のアラームランプを点滅させ、アラームランプを備えたキートップの押下を検知すると、キートップに対応する緊急情報または登録した銘柄の騰落情報を表示するための映像を生成して出力する制御部をもつ証券取引専用端末装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、証券取引専用端末装置に関し、特に、専用キーボードのキートップに点灯可能なアラームランプを備えた証券取引専用端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の証券取引専用端末装置においては、端末利用者が必要な情報を得るために、利用者自身が数回のキー操作を行い必要な情報を画面表示する。この場合、増大していく情報の中より利用者自身がデータの取捨選択をしなければならないため、緊急情報や画面表示以外の情報を見落とす、また、数回のキー操作が必要なためキー操作分の時間が必要となり、売買のタイミングを損なう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−332732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の証券取引専用端末装置は、登録した銘柄が高騰・暴落した情報や、緊急情報があった場合でも、これを画面表示するためには、複数回のキー操作のための時間が必要であったり、見落としたりするということがある。この結果、売買のタイミングを損ない、利益を得ることができなかったり、損害をこうむったりすることがある。
【0005】
本発明の一実施形態は、重要情報の発生を確実に知らせることができる証券取引専用端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための一実施形態は、
株式データを取得する通信部と、
証券取引に用いられるキーボードのキートップ上に点灯可能なアラームランプを備えたキーボードと、
前記通信部が取得した株式データに、緊急情報または登録した銘柄の騰落情報を含んでいる場合、前記キーボードのキートップ上のアラームランプを点滅させ、
前記アラームランプを備えたキートップの押下を検知すると、前記キートップに対応する緊急情報または登録した銘柄の騰落情報を表示するための映像を生成して出力する制御部と、
を具備することを特徴とする証券取引専用端末装置である。
【発明の効果】
【0007】
すなわちこの発明によれば、キーボード上に設けたアラームランプにより、登録した銘柄の高騰・暴落や、緊急情報などが発生したことが直ぐにわかるため、ユーザは、このアラームランプのキートップを押下することで、この情報を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態である証券取引専用端末装置の構造の一例を示す説明図。
【図2】同じく証券取引専用端末装置の画面表示の一例を示す説明図。
【図3】同じく証券取引専用端末装置におけるLEDの点滅条件の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る証券取引専用端末装置の構造について、詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である証券取引専用端末装置の構造の一例を示す説明図である。証券取引専用端末装置1は、図1に示すように、インターネット等の通信網等を経由して株式情報データを送受信する通信部9と、全体の動作を制御する制御部10と、株式情報データを表示する液晶画面等の表示部12と、送受信した株式情報データや動作プログラム、管理情報を記憶する記憶部11と、少なくとも後述するアラームを点灯させるためのCPU13を内蔵し、証券取引処理に特有のキー(優先市場、東証、大証、名証、JASDAQ、コード一覧、日中足、チャート、指数、信用残高、決済財務、複数形発明、先物、オプション、株式、CB等)を含む証券取引専用キーボード14と、この証券取引専用キーボード14のキートップ上に設けられた複数のアラームランプ15を有している。
【0010】
このような構成をもった証券取引専用端末装置1は、制御部10の働きにより、ネットワーク上の証券取引専用サイト等と通信を行い、ユーザが証券取引等を行うことができる装置である。すなわち、ユーザの銀行口座等の残高に基づいて、例えば、特定の銘柄の株を購入したり売却したりすることができる。
【0011】
また、表示部12は、一例として、図2に示すように、『複数気配データ』、『チャート日中足』、『チャート週足』、『決算財務情報』、『あゆみ』、『年初来高安』、『関連銘柄のニュース情報』等を表示画面に表示する。
このような証券取引専用端末装置1は、さらに、証券取引専用キーボード14上に設けられた点灯可能なアラームランプ15を用いた報知機能、および、報知内容の表示機能をもっている。すなわち、証券取引専用キーボード14は、通常のパーソナルコンピュータ用の標準キーボードではなく、証券取引に特有の機能をもたせた専用キーが設けられたものである。そして、この証券取引専用キーボード14は、この専用キーを利用することで、通常の汎用キーボードを用いる場合よりもさらに容易に証券取引に固有の操作を進めることができる。具体的には、『優先市場、東証、大証、名証、JASDAQ、コード一覧、日中足、チャート、指数、信用残高、決済財務、複数形発明、先物、オプション、株式、CB』等の専用キーを用いることで、直接、証券取引に必要な指示を与えることができる。
【0012】
このような証券取引専用キーボード14のキー配列に加え、一定の専用キー、例えば、『ニュース』、『指数』、『先物』、『オプション』、『株式』、『CB』について、アラームランプ15を設けたものである。このアラームランプ15により、緊急情報や、登録した銘柄の騰落情報が発生したことをユーザに知らせることができる。
【0013】
具体的には、図3に示すように、制御部10およびCPU13は、通信部9から取得した株式情報データを解析し、この株式情報データに基づき、各専用キーのアラームランプ15の登録要件を満たしたものと判断すると、その専用キーを点滅させる。
すなわち、専用キー『株式』のアラームランプ15は『登録銘柄のX%以上の騰落率がある場合』に点滅する(Xは任意に登録)。専用キー『先物』のアラームランプ15は『登録銘柄のX%以上の売買高がある場合』に点滅する(Xは任意に登録)。専用キー『指数』のアラームランプ15は『登録銘柄の売買成立時』に点滅する。専用キー『オプション』のアラームランプ15は『登録銘柄のX%以上の売買気配高がある場合』に点滅する(Xは任意に登録)。専用キー『CB』のアラームランプ15は『登録銘柄のX%以上の売買気配の騰落率がある場合』に点滅する(Xは任意に登録)。専用キー『ニュース』のアラームランプ15は『登録銘柄の関連ニュース受信がある場合』に点滅する。
【0014】
また、さらに、制御部10およびCPU13は、通信部9から取得した株式情報データを解析し、この株式情報データに基づき、各専用キーのアラームランプ15の登録要件を満たしたものと判断してその専用キーを点滅させている間に、現在、点滅中の専用キーが、オペレータにより押下されたことを認識すると、通信部9から取得した株式情報データに基づいて対応する画像情報を生成して表示部12に供給することで、この画像を表示部12に表示するものである。
【0015】
すなわち、制御部10およびCPU13は、専用キー『株式』のアラームランプ15が『登録銘柄のX%以上の騰落率がある場合』に点滅している場合、専用キー『株式』の押下を検出すると、『登録銘柄のX%以上の騰落率』について表示する。専用キー『先物』のアラームランプ15が『登録銘柄のX%以上の売買高がある場合』に点滅している場合、専用キー『先物』の押下を検出すると、『登録銘柄のX%以上の売買高』について表示する。専用キー『指数』のアラームランプ15が『登録銘柄の売買成立時』に点滅している場合、専用キー『指数』の押下を検出すると、『登録銘柄の売買成立』について表示する。専用キー『オプション』のアラームランプ15が『登録銘柄のX%以上の売買気配高がある場合』に点滅している場合、専用キー『オプション』の押下を検出すると、『登録銘柄のX%以上の売買気配高』について表示する。専用キー『CB』のアラームランプ15が『登録銘柄のX%以上の売買気配の騰落率がある場合』に点滅している場合、専用キー『CB』の押下を検出すると、『登録銘柄のX%以上の売買気配の騰落率』について表示する。専用キー『ニュース』のアラームランプ15が『登録銘柄の関連ニュース受信がある場合』に点滅している場合、専用キー『ニュース』の押下を検出すると、『登録銘柄の関連ニュース』について表示する。
このように本発明の実施形態によれば、キーボード上に設けたアラームランプにより、登録した銘柄の高騰・暴落や、緊急情報などが発生したことが直ぐにわかるため、ユーザは、このアラームランプのキートップを押下することで、この情報を容易に知ることができる。
【0016】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0017】
1…証券取引専用端末装置、9…通信部、10…制御部、11…記憶部、12…表示部、13…CPU、14…証券取引専用キーボード、15…アラームランプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
株式データを取得する通信部と、
証券取引に用いられるキーボードのキートップ上に点灯可能なアラームランプを備えたキーボードと、
前記通信部が取得した株式データに、緊急情報または登録した銘柄の騰落情報を含んでいる場合、前記キーボードのキートップ上のアラームランプを点滅させ、
前記アラームランプを備えたキートップの押下を検知すると、前記キートップに対応する緊急情報または登録した銘柄の騰落情報を表示するための映像を生成して出力する制御部と、
を具備することを特徴とする証券取引専用端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−83961(P2012−83961A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229933(P2010−229933)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000166650)株式会社日立国際電気エンジニアリング (100)
【Fターム(参考)】