説明

試料カップの栓の穿孔アセンブリを備える自動化学分析器

【課題】容器のキャップを穿孔するための装置を提供すること。
【解決手段】この装置は、1またはそれ以上の垂直なポストに滑動可能に取り付けられたブレード支持アームと、ブレード支持アームの垂直下方に取り付けられたブレードと、キャップ保持器アームであってキャップ接触面が容器のキャップの高さ位置の上方に配置される上方位置とキャップ接触面が容器のキャップの高さ位置に配置される下方位置との間でポストに沿って移動可能であるキャップ保持器アームとを含む。キャップ保持器アームは、ブレードが通過可能である開口を有する。偏倚部材がキャップ保持器アームをその下方位置に向けて偏倚する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
試料カップの栓の穿孔アセンブリを備える自動化学分析器発明の分野 本発明は、一般的には自動臨床化学分析器に関し、特には、自動試料容器装填アセンブリを備える高スループットの自動化学分析器に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景 この分野では様々な数多くの自動臨床化学分析器が知られている。これらの分析器は、簡単で大型の手動型装置から、非常に複雑でほとんど完全に自動化された装置にまでわたっている。各分析器は、該分析器が実行し得る、これ自体に特有の様々なテストの数(「メニュー」)および所与時間内で処理可能である試料数(「スループット(throughput)」)に関する性能特性を有する。
【0003】
大病院および臨床検査室における有用な規模の大きい、非常に複雑な分析器であってこの装置が実行可能である多数のテストメニューおよび高スループットの双方を有する分析器が開発されてきた。このような分析器が、ここに参照のためにそのまま取り込んだリリー等(Lilli et al)に付与された米国特許第4,965,049号に記載されている。
【0004】
このような大規模で、非常に複雑な分析器の多くは自動試料装填機構を備え、該機構は、試料容器を、適当な装填場所から分析器内の受け取り場所であって液体試料が適当な液体抽出装置によって前記試料容器から抽出される受け取り場所へ機械的に運ぶように設計されている。この自動装填機構は、このような分析器を操作し、したがってこのような分析器の操作効率を増大させるように要求されるオペレータ時間を最小にする。
【0005】
従来の自動装填機構に関する重大な問題は、この自動装填装置が、液体抽出装置が容器内の試料に達し得るように試料容器上の密閉キャップを効率よく開けることができないことである。したがって、前記試料容器上の密閉キャップは手動で開けなければならない。これは、過度のオペレータ時間を必要とし、また、分析器の操作効率を著しく低減する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、このような自動装填機構が完全に自動化されるように、大規模で非常に複雑な分析器の自動装填機構に効率的に適用することができる試料容器キャップの穿孔装置が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要 本発明はこれらの必要を満たすものである。本発明は、容器の頂部に配置された容器キャップを穿孔するための組み合わせに係り、前記容器の頂部はある場所Lに配列されている。この組み合わせは、(a)ベースと、(b)ブレード支持アームに取り付けられたブレードであって、前記ブレード支持アームは、該アームが、前記ブレードが場所Lから間隔をおかれた第1のブレード支持アーム位置と、前記ブレードが場所Lの直下に位置する第2のブレード支持アーム位置との間で移動可能である、ブレードと、(c)容器キャップに接触可能でありかつ該容器キャップを保持可能であるキャップ接触面を有するキャップ保持器アームであって、該アームが、前記キャップ接触面が場所Lから間隔をおかれた第1のキャップ保持器アーム位置と、前記キャップ保持面が実質的に場所Lに配置される第2のキャップ保持器アーム位置との間で移動可能である、キャップ保持器アームと、(d)(i)前記第1のキャップ保持器アーム位置から前記第2のキャップ保持器アーム位置までの前記キャップ保持器アーム、(ii)前記第1のブレード支持アーム位置から前記第2のブレード支持アーム位置までの前記ブレード支持アーム、(iii)前記第2のブレード支持アーム位置から前記第1のブレード支持アーム位置までの前記ブレード支持アーム、および(iv)前記第2のキャップ保持器アーム位置から前記第1のキャップ保持器アーム位置までの前記キャップ保持器アームの連続した移動を生じさせるためのモータとを含み、これにより、前記容器キャップが前記キャップ保持器場所Lに配置されているとき、前記容器キャップが連続的に(i)前記キャップ保持器アームに保持され、(ii)前記ブレードにより穿孔され、(iii)前記ブレードとの接触を解除され、また(iv)前記キャップ保持器アームとの接触を解除される。
【0008】
好ましい実施例では、前記組み合わせは、(a)実質的に垂直なポストに滑動可能に取り付けられたブレード支持アームであって該ブレード支持アームが、上方のブレード支持アーム位置と、中間のブレード支持アーム位置と、下方のブレード支持アーム位置との間で前記垂直なポストに沿って移動可能であり、前記ブレード支持アームが上方接触面と下方接触面とを有する、ブレード支持アームと、(b)前記ブレード支持アームに取り付けられかつ該ブレード支持アームの下方に実質的に垂直に配置されたブレードであって該ブレードの下方向移動によって前記容器キャップを穿孔可能であるブレードと、(c)前記容器キャップに接触可能でありかつ前記容器キャップを保持可能であるキャップ接触面を有するキャップ保持器アームであって、該キャップ保持器アームが前記ブレード支持アームの上方接触面と前記ブレード支持アームの下方接触面との間で前記垂直なポストに沿って移動可能であるように前記垂直なポストに滑動可能に取り付けられている、キャップ保持器アームと、(d)前記キャップ保持器アームを前記ブレード支持アームの下方接触面に向けて偏倚するための偏倚部材と、(e)前記上方ブレード支持アーム位置と、前記中間ブレード支持アーム位置と、前記下方ブレード支持アーム位置との間で前記垂直なポストに沿って前記ブレード支持アームを上下に滑動させるためのモータとを含み、(i)前記上方ブレード支持アーム位置において、前記キャップ接触面が場所Lの上方にあるように前記ブレード支持アームの下方接触面が前記キャップ保持器アームを保持し、(ii)前記中間ブレード支持アーム位置において、前記キャップ接触面が場所Lに配置された容器キャップと接触可能であるが、前記ブレードは場所Lより高位に配置され、また(iii)前記下方ブレード支持アーム位置において、前記キャップ接触面が場所Lに配置された容器キャップと接触可能であり、また、前記ブレードが場所Lの直下に配置される。
【0009】
典型的な実施例では、前記ブレード支持アームと前記キャップ保持器アームとが、前記ベースに固定された一対の垂直なポストに滑動可能に取り付けられ、また、前記偏倚部材が一対のばねを含む。
【0010】
好ましくは、前記キャップ保持器アームのキャップ接触面が前記試料容器のキャップを容易に受け入れかつ保持するように窪みが付けられる。
【0011】
本発明は、装填場所内に配置された1またはそれ以上のキャップをされた試料容器内に配置された液体の少なくとも1つのパラメータを決定することができる自動診断機械に都合良く包含される。このような機械は、典型的には、さらに、(a)本体と、(b)前記本体内に配置された試料ステーションであって複数の試料容器を保持するように寸法および大きさが定められている試料ステーションと、(c)前記本体内に配置された試薬ステーションであって複数の試薬容器を保持するように寸法および大きさが定められた試薬ステーションと、(d)前記本体内に配置された分析ステーションであって(i)反応容器および(ii)前記反応容器内に配置された液体を分析するための分析器を含む分析ステーションと、(e)前記試料ステーションから液体試料を、また前記試薬ステーションから試薬を前記反応容器へ運ぶための試料運搬装置と、(f)複数の試料容器を試料容器装填領域から前記試料ステーションに運ぶための試料容器装填機構とを含む。
【0012】
このような機械では、複数の試料容器が前記組み合わせ内の場所に運ばれるときに前記組み合わせのモータが自動的に作動するように、適当なスイッチ装置が前記試料運搬装置に沿って設けられることが望ましい。
【0013】
本発明は、規模の大きい、複雑な診断分析器のオペレータがこのような分析器を、分析用試料を収容する容器の準備に費やされる実質的なオペレータ時間なしでほぼ完全な自動モードで操作することができる装置を提供することにより、先行技術を超える有意な改良を提供する。
【0014】
したがって、本発明は、以下を提供する。
1. 場所Lにおける容器の頂部に配置された容器キャップを穿孔するための組み合わせであって、 (a)ベースと、 (b)ブレード支持アームに取り付けられたブレードであって、前記ブレード支持アームが、前記ブレードが前記場所Lから間隔をおいて配置される第1のブレード支持アーム位置と前記ブレードが前記場所Lの直下に配置される第2のブレード支持アーム位置との間で前記ブレード支持アームが移動可能であるように、前記ベースに取り付けられている、ブレードと、(c)容器のキャップに接触可能でありかつこれを保持可能であるキャップ接触面を有するキャップ保持器アームであって、前記キャップ接触面が前記場所Lから間隔をおかれた第1のキャップ保持器アーム位置と前記キャップ保持面が実質的に前記場所Lに配置される第2のキャップ保持器アーム位置との間で前記キャップ保持器アームが移動可能であるように前記ベースに取り付けられている、キャップ保持器アームと、(d)(i)前記第1のキャップ保持器アーム位置から前記第2のキャップ保持器アームへの前記キャップ保持器アーム、(ii)前記第1のブレード支持アーム位置から前記第2のブレード支持アーム位置への前記ブレード支持アーム、(iii)前記第2のブレード支持アーム位置から前記第1のブレード支持アーム位置への前記ブレード支持アーム、および(iv)前記第2のキャップ保持器アーム位置から前記第1のキャップ保持器アーム位置への前記キャップ保持器アームの連続的な移動を生じさせるためのモータとを含み、これにより、容器キャップがキャップ保持器場所Lに配置されるとき、前記容器キャップが、連続的に、(i)前記キャップ保持器アームにより保持され、(ii)前記ブレードにより穿孔され、(iii)前記ブレードとの接触から解放され、また、(iv)前記キャップ保持器アームとの接触から解放される、組み合わせ。
2. 高さ位置Eで容器の頂部に配置された容器キャップを穿孔するための組み合わせであって、 (a)ブレード支持アームであって上方ブレード支持アーム位置と、中間ブレード支持アーム位置と、下方ブレード支持アーム位置との間で前記ブレード支持アームが実質的に垂直なポストに沿って移動可能であるように前記実質的に垂直なポストに取り付けられ、また、上方接触面と下方接触面とを有する、ブレード支持アームと、(b)前記ブレード支持アームに取り付けられかつ前記ブレード支持アームの実質的に垂直下方に配置されたブレードであって、該ブレードの下方向への移動により前記容器キャップを穿孔可能である、ブレードと、(c)前記容器キャップに接触可能でありかつこれを保持可能であるキャップ接触面を有するキャップ保持器アームであって前記ブレード支持アームの上方接触面と前記ブレード支持アームの下方接触面との間で前記キャップ保持器アームが前記垂直なポストに沿って移動可能であるように前記垂直なポストに滑動可能に取り付けられた、キャップ保持器アームと、(d)前記キャップ保持器アームを前記ブレード支持アームの下方接触面に向けて偏倚するための偏倚部材と、 (e)前記ブレード支持アームを前記上方ブレード支持アーム位置と、前記中間ブレード支持アーム位置と、前記下方ブレード支持アーム位置との間で前記垂直なポストに沿って上下に滑動させるためのモータとを含み、(i)前記上方ブレード支持アーム位置において、前記ブレード支持アームの下方接触面が、前記キャップ接触面がEより高位であるように前記キャップ保持器アームを保持し、(ii)前記中間ブレード支持アームにおいて、前記キャップ接触面はEに配置された容器キャップと接触可能であるが、前記ブレードはEより高位に配置され、(iii)前記下方ブレード支持アーム位置において、前記キャップ接触面はEに配置された容器キャップと接触可能でありかつ前記ブレードがEより下方に配置される、組み合わせ。
3. 前記ブレード支持アームと前記キャップ保持器アームとが、平行に配置された一対の実質的に垂直なポストに滑動可能に取り付けられている、項目2に記載の組み合わせ。
4. 前記偏倚部材が少なくとも1つのばねを含む、項目2に記載の組み合わせ。
5. 前記キャップ保持アームのキャップ接触面に窪みが設けられている、項目2に記載の組み合わせ。
6. 前記ブレードが3またはそれ以上の穿孔部を含み、各穿孔部が垂直面内に配置されまた全ての垂直面が、各面が隣接する面から等角度で間隔をおかれているように前記垂直面が単一の垂直軸線に沿って交差するように配置されている、項目2に記載の組み合わせ。
7. 各穿孔部が直角三角形の形状を有する点を含み、各穿孔部の前記点が、前記穿孔部の他のいかなる部分よりも前記単一の垂直軸線から離れて配置されている、項目6に記載の組み合わせ。
8. 前記ブレードは4つの穿孔部を含み、それぞれが、隣接する穿孔部から約90度の間隔をおかれている、項目6に記載の組み合わせ。
9. 装填領域に配置された、キャップが取り付けられた1またはそれ以上の試料容器内の液体の少なくとも1つのパラメータを決定するための装置であって、(a)本体と、 (b)前記本体内に配置された試料ステーションであって複数の試料容器を保持するように寸法および大きさが定められている試料ステーションと、(c)前記本体内に配置された試薬ステーションであって複数の試薬容器を保持するように寸法および大きさが定められている試薬ステーションと、 (d)前記本体内に配置された分析ステーションであって(1)反応容器と、(2)前記反応容器内に配置された分析液を分析するための分析器とを含む分析ステーションと、(e)前記試料ステーションから液体試料をまた前記試薬ステーションから試薬を前記反応容器に移動するための試料移動機構と、 (f)(1)1またはそれ以上の垂直に配置された、キャップがされた試料容器を前記装填領域から前記試料ステーションに装填機構通路に沿って移動するための装填機構であって前記試料容器のキャップの位置がLにある、装填機構と、(2)前記装填機構通路に沿って配置された前記試料容器のキャップを穿孔するための組み合わせとを含む試料容器装填および準備アセンブリとを含み、前記組み合わせが、(i)ベースと、ブレード支持アームに取り付けられたブレードであって前記ブレード支持アームが、前記ブレードが場所Lから間隔をおいて配置される第1のブレード支持アーム位置と前記ブレードが場所Lの直下に配置される第2のブレード支持アーム位置との間で前記ブレード支持アームが移動可能であるように、前記ベースに取り付けられているブレードと、(ii)容器のキャップに接触可能でありかつこれを保持可能であるキャップ接触面を有するキャップ保持器アームであって、前記キャップ接触面が場所Lから間隔をおかれている第1のキャップ保持器アーム位置と前記キャップ保持表面が場所Lに実質的に配置される第2のキャップ保持アーム位置との間で前記キャップ保持器アームが移動可能であるように前記ベースに取り付けられている、キャップ保持器アームと、(iii)(I)前記第1のキャップ保持器アーム位置から前記第2のキャップ保持器アーム位置までの前記キャップ保持器アーム、(II)前記第1のブレード支持アーム位置から前記第2のブレード支持アーム位置までの前記ブレード支持アーム、(III)前記第2のブレード支持アーム位置から前記第1のブレード支持アーム位置までの前記ブレード支持アーム、および(IV)前記第2のキャップ保持器アーム位置から前記第1のキャップ保持器アーム位置までの前記キャップ保持器アームの連続した移動を生じさせるためのモータとを含み、これにより、容器のキャップが前記キャップ保持器場所Lに配置されているとき、前記容器のキャップが、連続的に、(1)前記キャップ保持器アームにより保持され、(2)前記ブレードにより穿孔され、(3)前記ブレードとの接触から解放され、また(4)前記キャップ保持器アームとの接触から解放され得る、装置。
10. 前記ブレード支持アームと前記キャップ保持器アームとが、平行に配置された一対の実質的に垂直なポストに滑動可能に取り付けられている、項目9に記載の組み合わせ。
11. 前記ブレードが3またはそれ以上の穿孔部を含み、該穿孔部が、各穿孔部が垂直面内に配置されかつ全ての垂直面が、各面が隣接する面から等角度の間隔をおかれるように単一の垂直軸線に沿って交差するように配置されている、項目9に記載の組み合わせ。
12. 各穿孔部が直角三角形の形状を有する点を含み、各穿孔部の点が前記穿孔部の他のいかなる部分よりも前記単一の垂直軸線から遠くに配置されている、項目9に記載の組み合わせ。
13. 装填領域に配置された、キャップが取り付けられた1またはそれ以上の試料容器内の液体の少なくとも1つのパラメータを決定するための装置であって、 (a)本体と、 (b)前記本体内に配置された、動力化された試料ステーションであって複数の試料容器を保持するように寸法および大きさが定められかつ試料抽出場所を有し、また、前記試料ステーションが複数の試料容器を保持するとき、個々の試料容器が前記試料抽出場所へおよび該場所から選択的に移動され得るように前記本体内で移動可能である、試料ステーションと、(c)前記本体内に配置された、動力化された試薬ステーションであって複数の試薬容器を保持するように寸法および大きさが定められかつ試薬抽出場所を有し、また、前記試薬ステーションが複数の試薬容器を保持するとき、個々の試薬容器が前記試薬抽出場所へおよび該場所から選択的に移動され得るように前記本体内で移動可能である、試薬ステーションと、(d)前記本体内に配置された、動力化されたランダム・アクセス分析ステーションであって複数のキュベットを保持するように寸法および大きさが定められかつキュベット試料保管場所、キュベット試薬保管場所、キュベット混合場所、キュベット洗浄場所、ランダム・アクセス分析ステーション分析場所、および前記キュベット内に配置された試料の少なくとも1つのパラメータを決定するための前記ランダム・アクセス分析ステーション分析場所に近接して配置された分析器を有し、また、前記ランダム・アクセス分析ステーションが複数のキュベットを保持するとき、個々のキュベットが選択的に(1)前記キュベット混合場所、(2)前記キュベット洗浄場所、および(3)前記ランダム・アクセス分析ステーション分析場所へおよびこれらの場所から選択的に移動され得るように前記本体内で移動可能である、ランダム・アクセス分析ステーションと、(e)前記本体内に配置された反応カップ分析ステーションであって、(1)反応カップ、(2)前記反応カップ内に配置された液体を分析するための分析器、および(3)反応カップ分析ステーション試薬源から前記反応カップに反応カップ分析ステーション試薬を汲み上げかつ前記反応カップの内容物を適当な廃棄場所へ汲み上げるための反応カップ分析ステーションポンプ機構を含む、反応カップ分析ステーションと、(f)前記本体内に配置されたイオン選択電極分析ステーションであって、(1)液体試料中の少なくとも1つの電解物を測定するためのフローセル分析器と液密に連通する試料注入カップ、および(2)イオン選択電極分析ステーション分析ステーション試薬源から前記試料注入カップにイオン選択電極分析ステーション試薬を汲み上げかつ前記試料反応カップの内容物を前記フローセル分析器を通して適当な廃棄場所へ汲み上げるためのイオン選択電極分析ステーションポンプ機構を含むイオン選択電極分析ステーションと、(g)前記本体に取り付けられた、動力化された試料プローブ・アーム・アセンブリであって、(1)試料プローブ・アーム、および、(2)内部チャンバ、開放下端部および開放上端部を有する中空の試料プローブであって全体に垂直に配置され、下方試料プローブ位置と上方試料プローブ位置との間で垂直に移動可能であり、前記試料プローブ・アームが、前記試料プローブが前記試料抽出場所の直上にある第1の試料プローブ・アーム位置と前記試料プローブが前記キュベット試料保管場所の直上にある第2の試料プローブ・アーム位置との間で移動可能である、試料プローブを含む、試料プローブ・アーム・アセンブリと、(h)前記試料プローブの内部チャンバに正圧および負圧を選択的に適用するための試料プローブ圧力変更機構と、 (i)前記本体に取り付けられた、動力化された試薬プローブ・アーム・アセンブリであって、(1)試薬プローブアーム、および、(2)内部チャンバ、開放下端部および開放上端部を有する中空の試薬プローブであって全体に垂直に配置され、下方試薬プローブ位置と上方試薬プローブ位置との間で垂直に移動可能であり、前記試薬プローブ・アームが、前記試薬プローブが前記試薬抽出場所の直上にある第1の試薬プローブ・アーム位置と、前記試薬プローブが前記キュベット試薬保管場所の直上にある第2の試薬プローブ・アーム位置との間で移動可能である、試薬プローブを含む、試薬プローブ・アーム・アセンブリと、(j)前記試薬プローブの前記内部チャンバに正圧および負圧を選択的に適用するための試薬プローブ圧力変更機構と、 (k)前記本体に取り付けられた、動力化されたキュベットかき混ぜロッド・アーム・アセンブリであって、下端部および上端部を有する細長い回転可能のキュベットかき混ぜロッドを含み、前記キュベットかき混ぜロッドの下端部がこれに取り付けられたキュベットかき混ぜロッド・パドルを含み、前記キュベットかき混ぜロッドが全体に垂直に配置され、下方キュベットかき混ぜロッド位置と上方キュベットかき混ぜロッド位置との間で移動可能であり、前記キュベットかき混ぜロッド・アームが前記キュベット混合場所の上方に配置可能である、キュベットかき混ぜロッド・アーム・アセンブリと、(1)前記本体に取り付けられたカップ分析プローブ・アーム・アセンブリであって、(1)動力化されたカップ分析プローブ・アーム、および、(2)内部チャンバ、開放下端部および開放上端部を有する中空の、動力化されたカップ分析プローブであって下方カップ分析プローブ位置と上方カップ分析プローブ位置との間で垂直に移動可能であり、前記カップ分析プローブ・アームが、前記カップ分析プローブが試料容器の直上にある第1のカップ分析プローブ・アーム位置と、前記カップ分析プローブが前記反応カップの直上にある第2のカップ分析プローブ・アーム位置と、前記カップ分析プローブが前記注入試料カップの直上にある第3のカップ分析プローブ・アーム位置との間で移動可能である、カップ分析プローブを含む、カップ分析プローブ・アーム・アセンブリと、(m)前記カップ分析プローブの内部チャンバに正圧および負圧を選択的に適用するためのカップ分析プローブ圧力変更機構と、 (n)前記本体に取り付けられたキュベット洗浄ステーションであって、内部チャンバ、開放下端部および開放上端部を有する中空の動力化されたキュベット洗浄ステーション・プローブを含み、また、前記キュベット洗浄ステーション・プローブが前記キュベット洗浄場所の直上にあるように配置されている、キュベット洗浄ステーションと、(o)(1)1またはそれ以上の垂直に配置されたキャップ付きの試料容器を、前記試料容器のキャップの高さがEにある、前記装填場所から前記試料ステーションへ装填機構通路に沿って移動するための装填機構と、(2)前記装填機構通路に沿って配置された前記試料容器のキャップを穿孔するための組み合わせとを含む試料容器の装填および準備アセンブリであって、前記組み合わせが、(i)ブレード支持アームであって該ブレード支持アームが上方ブレード支持アーム位置、中間ブレード支持アーム位置および下方ブレード支持アーム位置間で実質的に垂直なポストに沿って移動可能であるように該ポストに滑動可能に取り付けられた、上方接触面と下方接触面とを有するブレード支持アームと、(ii)前記ブレード支持アームに取り付けられかつ前記ブレード支持アームの実質的に垂直下方に配置されたブレードであって、該ブレードの下方向への移動によって前記容器のキャップを穿孔可能であるブレードと、(iii)前記容器のキャップに接触可能でありかつ前記キャップを保持可能であるキャップ接触面を有するキャップ保持器アームであって、該キャップ保持器アームが前記ブレード支持アームの上方接触面と前記ブレード支持アームの下方接触面との間で前記垂直なポストに沿って移動可能であるように前記垂直なポストに滑動可能に取り付けられているキャップ保持器アームと、(iv)前記キャップ保持器アームを前記ブレード支持アームの下方接触面に向けて偏倚するための偏倚手段と、 (v)前記上方ブレード支持アーム位置、前記中間ブレード支持アーム位置および前記下方ブレード支持アーム位置の間で前記垂直なポストに沿って前記ブレード支持アームを上下に滑動させるためのモータとを含み、また、(i)前記上方ブレード支持アーム位置において、前記キャップ接触面がEより高位にあるように前記ブレード支持アームの下方接触面が前記キャップ保持器アームを保持し、(ii)前記中間ブレード支持アーム位置において、前記キャップ接触面がEに配置された容器のキャップに接触可能であるが前記ブレードはEより上方に配置され、また、(iii)前記下方ブレード支持アーム位置において、前記キャップ接触面がEに配置された容器のキャップに接触可能でありかつ前記ブレードがEの下方に配置される、試料容器装填および準備アセンブリと、(p)前記試料ステーション・モータ、試薬ステーション・モータ、ランダム・アクセス分析ステーション・モータ、反応カップ分析ステーションポンプ、イオン選択電極分析ステーション・ポンプ機構、試料プローブ・アーム・モータ、試料プローブ配置機構、試料かき混ぜロッド回転モータ、試料プローブ圧力機構、試薬ステーション・アーム・モータ、試薬プローブ配置機構、試薬かき混ぜロッド配置モータ、試薬かき混ぜロッド回転モータ、ランダム・アクセス分析ステーション・モータ、キュベット洗浄ステーション・プローブ配置モータ、カップ分析プローブ・アーム・モータ、カップ分析プローブ配置機構、カップ分析かき混ぜロッド回転モータおよびカップ分析プローブ圧力機構、カップ穿孔モータおよび装填機構の操作を制御するためのモータ制御装置とを含む、装置。
14. 前記ブレード支持アームと前記キャップ保持器アームとが、平行に配置された一対の実質的に垂直なポストに滑動可能に取り付けられている、項目13に記載の組み合わせ。
15. 前記ブレードが3またはそれ以上の穿孔部を含み、各穿孔部が垂直面内に配置されかつ全ての垂直面が、各面が隣接する面から等角度の間隔をおいて単一の垂直軸線に沿って交差するように配置されている、項目13に記載の組み合わせ。
16. 各ブレード部が、直角三角形の形状を有する点を含み、各穿孔部の前記点が、前記穿孔部の他のいずれの部分よりも単一の垂直軸線から遠くに配置されている、項目13に記載の組み合わせ。
17. 凹凸レンズを有しかつ密閉キャップを有する、ある量の液体試料を含む試料容器から液体試料を抽出する方法であって、 (a)前記試料容器を、装填機構通路に沿って、可動のブレードを含むキャップ穿孔機構に近接する場所に運ぶこと、 (b)前記密閉キャップに前記ブレードを機械的に突き通して前記試料容器の内部に至らせることにより、前記密閉キャップを穿孔すること、(c)前記ブレードを前記試料容器から機械的に移動させ、前記試料容器を前記装填機構通路に沿って試料ステーションに機械的に運ぶこと、 (d)穿孔された密閉キャップを通して中空のプローブを前記試料液体凹凸レンズ下まで差し通し、前記プローブ内に前記試料の一部を汲み上げることにより前記試料容器から液体容器を抽出すること、および(e)前記試料容器から前記プローブを機械的に取り去ることを含む、方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
詳細な説明 次の議論で本発明の1実施例とそのいくつかの変形例とを詳細に述べる。この議論は、しかし、本発明をこれらの特定の実施例に限定するように解釈されるべきでない。この分野の熟練の開業者は、多くの他の実施例を同様に理解するであろう。本発明の完全な範囲の定義について、読者は添付の請求の範囲に指示される。
【0016】
図1−図3は、本発明の特徴を有する自動分析機械10を示す。この機械10は、本体12と、試料ステーション14と、試薬ステーション16と、ランダム・アクセス分析ステーション18と、反応カップ分析ステーション20と、イオン選択電極分析ステーション22とを備える。
【0017】
本体12は、典型的には、種々の動く要素のためのハウジングを提供するキャビネットである。本体12は、典型的には、軽量の薄鋼板のような軽量金属で形成されている。図2および図3に示す実施例は、ヒンジ結合された主要な天蓋24を含む。図2は、閉じられた主要天蓋24を有する分析機械10を示す。図3は、開かれた主要天蓋を有する前記機械を示す。
【0018】
図2および図3は、また、本発明の典型的な分析機械が、負荷時トレイカバー26と、除荷時トレイカバー28と、試料ステーション14、試薬ステーション16、ランダム・アクセス分析ステーション18、反応カップ分析ステーション20およびイオン選択電極分析ステーション22を覆う1またはそれ以上のオペレータ領域カバー30とをどのように有し得るかを示す。
【0019】
試料ステーション14は複数の試料容器32を保持するように寸法を及び大きさを定められている。図1−図3に示す実施例では、試料ステーション14は、10個の試料容器ラック34に配置された40個の試料容器32を保持することができる、回転する円形のカルーセルからなる。典型的な実施例では、各試料容器32は、薄いゴムまたはこれと類似の材料からなる容器キャップ36を有する全体に直立した容器である。本発明において有用な4つの試料容器32を収容する試料容器ラック34が図4Aに示されている。試料ステーション14は、各試料容器32が下方に選択的に配置可能でありかつ少なくとも1つの試料抽出場所38から移動されるように回転モータ(図示せず)により移動可能である。
【0020】
試薬ステーション16は複数の試薬容器40を保持するように寸法および大きさが定められている。各試薬容器40は、分析機械10によって実行される分析化学に有用な1またはそれ以上の異なる試薬を保持するための1またはそれ以上の区画を有する。また、試薬の使用および希釈ステップの遅れを最小限にするため、前記試薬を予め希釈することが望ましい。好ましい試薬容器40のデザインは3つの独立した区画を有し、また、ここに参照のために完全に取り込まれている米国特許第4,970,053号明細書および第5,075,082号明細書に詳細に記載されている。
【0021】
好ましくは、試薬ステーション16は、試薬の有効期間を維持しかつ蒸発を最小限にすべく、例えば約4℃の温度まで冷却される。
【0022】
図1−図3に示す実施例では、試薬ステーション16は回転する円形のカルーセルからなる。試薬ステーション16は、各試薬容器40が下方に選択的に配置されかつ少なくとも1つの試薬抽出サイト42から移動され得るように回転モータ(図示せず)により動かされる。
【0023】
好ましくは、試薬ステーション16は、また、試薬容器40上に印刷されおよび/または前記試薬カルーセル上に配置されたバーコード情報を読み取るバーコード読取装置(図示せず)を含む。この情報は、分析機械10の操作における支援のために電算化された制御装置に送信することができる。
【0024】
図4Bおよび図4Cに示すように、ランダム・アクセス分析ステーション18は、複数の反応キュベット44を保持するように寸法および大きさが定められている。図1−図3に示す実施例では、ランダム・アクセス分析ステーション18は、100個を超えるキュベット44を保持することができる回転する円形のカルーセルからなる。各キュベット44は、光束を向けることができる少なくとも2つの相対する透明な側部を有する、小さい開放頂部の反応容器からなる。
【0025】
ランダム・アクセス分析ステーション18は、さらに、キュベット44内に配置された試料の少なくとも1つのパラメータを決定するためにランダム・アクセス分析ステーション分析場所48に近接して配置された比濁計および/または光度計のようなランダム・アクセス分析ステーション分析器46を含む。
【0026】
ランダム・アクセス分析ステーション18は、各キュベット44が下方に選択的に配置されかつ少なくとも1つのキュベット試料保管場所50、少なくとも1つのキュベット試薬保管場所52、少なくとも1つのキュベット混合場所54、少なくとも1つのキュベット洗浄場所56および一つのランダム・アクセス分析ステーション分析場所48から移動され得るように回転モータ(図示せず)により動かされる。
【0027】
反応カップ分析ステーション20は、少なくとも1つの反応カップ・モジュール58を有する。図1に示す実施例では、反応カップ分析ステーション20は、6つの反応カップモジュール58を含む。各反応カップモジュール58は、ナトリウム、カリウム、ぶどう糖、クレアチニンおよび血液尿素窒素のための分析のようなハイボリューム分析を評価するために用いることができる。
【0028】
図6は典型的な反応カップ・モジュールのフロー・スキームを示す。試薬が、反応カップ・モジュール58の一側部上の入口導管330を経て反応カップ332に供給される(図6において右側)。試薬は、遠隔制御可能の試薬バルブ384を介して、試薬ポンプ59により試薬源380から入口導管330に汲み上げられる。反応カップ・モジュール58内に部分的に配置されている入口導管330のその部分内で、試薬が反応カップ332への流入前に加熱エレメント326によって加熱される。イオンが除去された洗浄水が、加圧された脱イオン水源348から、遠隔制御可能の脱イオン水バルブ386を経て供給され、試薬が反応カップ332に流入する入口導管330と反対側の反応カップモジュール58の側部上の入口導管330に流れ込む。反応カップモジュール58内に配置されている入口導管330の前記場所において、脱イオン洗浄水が、反応カップ332へのその流入の直前に第2の加熱エレメント326により加熱される。
【0029】
反応カップ332からの排出は、排出路388および遠隔制御可能のマスター排出バルブ390を通して行われる。排出される液体が潜在的に危険な種類のものであるとき、前記液体は、遠隔制御可能の有害廃棄物容器バルブ394を介して適当な有害廃棄物容器392に排出される。排出される液体が危険のない種類のものであるとき、前記液体は、遠隔制御可能の非有害廃棄物容器バルブ398を介して適当な非有害廃棄物容器396に排出される。有害廃棄物容器392および非有害廃棄物396の双方は、典型的には、反応カップ332からの急速かつ完全な液体排出を促進すべく真空下に維持される。反応カップ332には独立した脱イオン洗浄水源348が与えられているため、このような脱イオン洗浄水が洗浄工程において容易かつ安価に使用される。さらに、前記洗浄工程で水が使用されるため、前記洗浄工程中に前記反応カップから排出される前記液体の多くは、非有害廃棄物処分領域で処分することができる。さらに、2つの分離した加熱エレメント326が用いられるため、加熱に必要な時間の遅れが非常に低減される。これは、多数の洗浄サイクルを必要とする分析操作において特に当てはまる。
【0030】
前記洗浄水システムは、また、先行技術を超える他の実質的な利点を提供する。本発明のカップ分析モジュール58を使用する分析機械10は、反応カップ332を純粋な洗浄水で簡単に満たしかつ比濁計を予め定められた設定点に校正することにより、分析器334として用いられる前記比濁計を定期的にかつ自動的に再校正するようにプログラムすることができる。これは、機械10を定期的に停止しなければならないこと、および様々な反応カップモジュール58に使用される各比濁計を手動で校正することを不要にする。
【0031】
特に有用な反応カップモジュール58が同時出願の米国特許出願に詳細に開示され、また、ここに参照のために組み入れられている。
【0032】
イオン選択電極分析ステーション22は、液体試料中の少なくとも1つの電解物を決定することができるフローセル分析器62と液密に連なるように配置された試料注入カップ60を含む。イオン選択電極分析ステーション22は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩素および二酸化炭素のような試料電解物(および電解物として分析され得る試料成分)について同時に分析するために用いることができる。
【0033】
図7は単純化された典型的なイオン選択分析ステーション22のためのフロー・スキームを示す。試料注入カップ60はイオン選択電極分析ステーションポンプ64と液密に連なるように配置されており、該ポンプは、試薬源(図示せず)
から試料注入カップ60、バルブV1、フローセル分析器62を通して適当な廃棄物投棄場所へ、少なくとも1つのイオン選択電極分析試薬を汲み上げることができる。試料はカップ分析プローブ138(後述する)を通して試料注入カップ60内に入れられる。前記試料注入カップにおいて、前記試薬は、該試薬がポンプ64により試料注入カップ60を通して汲み上げられまたバルブV1を通して運ばれ、前記フローセル分析器に至るとき、前記試薬と混合される。
【0034】
CO2酸試薬をフローセル分析器62に直接に汲み上げることができるCO2酸試薬ポンプ63がCO2酸試薬源(図示せず)と液密に連なるように配置されている。
【0035】
また、イオン選択分析ステーション基準溶液ポンプ65が基準溶液源と液密に連なるように配置されている。イオン選択電極分析ステーション基準溶液ポンプ65は、基準溶液を、バルブV2を通してフローセル分析器62に直接に汲み上げることができる。
【0036】
好ましい実施例では、イオン選択電極分析ステーションポンプ64、CO2酸試薬ポンプ63およびイオン選択電極分析ステーション基準溶液ポンプ65は単一のモータで駆動される。
【0037】
特に有用なイオン選択分析ステーション22が同時出願の米国特許出願に詳細に開示され、また、ここに参照のために組み入れられている。
【0038】
分析機械10は、さらに、図5Aに示すような機械化または動力化された試料プローブ・アーム・アセンブリを含む。試料プローブ・アーム・アセンブリ90は試料プローブ・アーム92と、中空の試料プローブ94とを含む。試料プローブ94は内部チャンバ96と、開放下端部98と、開放上端部100とを有する。
【0039】
試料プローブ94は試料プローブ・アーム92内に全体に垂直に配置され、また、試料プローブ・モータ102により下方試料プローブ位置と上方試料プローブ位置との間で移動可能である。
【0040】
試料プローブ94には、米国特許第5,408,891号明細書に記載されまた参照のためにここに組み入れられているように、試料プローブ先端洗浄アセンブリ104を装置することができる。この洗浄アセンブリ104は、洗浄液源108と廃棄場所110とに液密に連なるように接続された洗浄アセンブリ・チャンバ106を含む。
【0041】
試料プローブ・アーム92は、試料プローブ・アーム・モータ(図示せず)により、前記試料プローブが試料抽出場所38の直上にある第1の試料プローブ・アーム位置と、前記試料プローブがキュベット試料保管場所50の直上にある第2の試料プローブ・アーム位置との間で移動可能である。
【0042】
試料プローブ94は、試料プローブ94の内部チャンバ96に正圧と負圧とを選択的に加えることができる試料プローブ圧力変更機構に接続されている。この圧力変更機構は、この分野において公知の様々な圧力変更機構のいずれかとすることができる。典型的には、このような圧力変更機構はシリンジ・ポンプ112により与えられる。
【0043】
試料プローブ・アーム・アセンブリ90は、試料抽出場所38の試料ステーション14内に配置された試料容器32から予め定められた量の試料を抽出し、この量の試料を、キュベット試料保管場所50のランダムアクセス分析ステーション18内に配置されたキュベット44まで運ぶ。
【0044】
分析機械10は、さらに、図5Bに示すような動力化された試薬プローブ・アーム・アセンブリ114を含む。試薬プローブ・アーム・アセンブリ114は、試薬プローブ・アーム116と、中空の試薬プローブ118とを含む。試薬プローブ118は内部チャンバ120と、開放下端部122と、開放上端部124とを有する。試薬プローブ118は試薬プローブ・アーム116内に全体に垂直に配置され、また、試薬プローブモータ126により下方試薬プローブ位置と上方試薬プローブ位置との間で移動可能である。
【0045】
試薬プローブ・アーム116は、試薬プローブ・アーム・モータ(図示せず)
により、試薬プローブ118が試薬抽出場所42の直上にある第1の試薬プローブ・アーム位置と、前記試薬プローブがキュベット試薬保管場所52の直上にある第2の試薬プローブ・アーム位置との間で移動可能である。
【0046】
試薬プローブ118は、該試薬プローブの内部チャンバ120に正圧と負圧とを選択的に供給することができる試薬プローブ圧力変更機構に接続されている。
【0047】
この圧力変更機構は、この分野で公知の様々な圧力変更機構のいずれでもよい。
【0048】
典型的には、このような圧力変更機構はシリンジ・ポンプ128により与えられる。
【0049】
試薬プローブ・アーム116は、試薬抽出場所42の試薬ステーション16内に配置された試薬容器40から予め定められた量の試薬を抽出し、この量の試薬を、キュベット試薬保管場所52のランダム・アクセス分析ステーション18内に配置されたキュベット44まで運ぶ。
【0050】
試料プローブ・アーム92および試薬プローブ・アーム116は、両方とも、多数の独立した可動プローブを含む。図示の例では、試料プローブ・アーム92および試薬プローブ・アーム116は、両方とも、第1の回転軸130の周りに独立に移動可能である一対のプローブを有する。両プローブ・アームは、また、第2の回転軸132の周りに全体として回転可能である。
【0051】
分析機械10は、さらに、図5Cに示すようなカップ分析プローブ・アーム・アセンブリ134を含む。カップ分析プローブ・アーム・アセンブリ134はカップ分析プローブ・アーム136と、中空のカップ分析プローブ138とを備える。カップ分析プローブ138は内部チャンバ140と、下端部142と、開放上端部144とを有する。カップ分析プローブ138は、カップ分析プローブ・アーム136内に全体に垂直に配置され、また、カップ分析プローブ・モータ(図示せず)により下方カップ分析プローブ位置と上方分析プローブ位置との間で移動可能である。
【0052】
カップ分析プローブ138は、従来公知のカップ分析プローブ先端洗浄アセンブリ146を装置するものとすることができる。この洗浄アセンブリは、洗浄液源150および廃棄場所152と液密に連なる洗浄アセンブリ・チャンバ148を含む。
【0053】
カップ分析プローブ・アーム136は、カップ分析プローブ・アーム・モータ(図示せず)により、前記カップ分析プローブが試料ステーション14の試料容器32の直上にある第1のカップ分析プローブ・アーム位置と、カップ分析プローブ136が反応カップモジュール58の一つの直上にある第2のカップ分析プローブ・アーム位置と、カップ分析プローブ136が試料注入カップ60の直上にある第3のカップ分析プローブ・アーム位置との間で移動可能である。
【0054】
カップ分析プローブ136は、カップ分析プローブ136の内部チャンバ140に正圧および負圧を選択的に付与可能であるカップ分析プローブ圧力変更機構に接続されている。この圧力変更機構は、この分野で公知である種々の圧力変更機構のうちの任意の一つとすることができる。典型的には、このような圧力変更機構はシリンジ・ポンプ154により与えられる。
【0055】
カップ分析プローブ・アーム・アセンブリ134は、試料ステーション14内に配置された試料容器32から予め定められた量の試料を抽出し、また、この量を反応カップモジュール58のそれぞれと試料注入カップ60とに移すために用いられる。
【0056】
分析機械10は、さらに、図5Dに示すようなキュベットかき混ぜロッド・アセンブリ156を含む。キュベットかき混ぜロッド・アーム・アセンブリ156は、下端部160および上端部162を有する細長い回転可能のキュベットかき混ぜロッド158を含む。前記キュベットかき混ぜロッドの下端部160は、これに取り付けられたキュベットかき混ぜロッド・パドル164を含む。前記キュベットかき混ぜロッドは全体に垂直に配置され、下方キュベットかき混ぜロッド位置と上方かき混ぜロッド位置との間で移動可能である。キュベットかき混ぜロッド・アーム・アセンブリ156は、キュベット混合場所54の上方に位置決めることができる。図面に示す実施例により示されているように、動力化されたキュベットかき混ぜロッド・アセンブリ156は独立したまたは個別のアセンブリとし、または、試料プローブ・アーム92および/または試薬プローブ・アーム116と一体のものとすることができる。
【0057】
分析機械10は、さらに、図5Eに示すように、キュベット洗浄ステーション166を含む。キュベット洗浄ステーション・プローブ168は、キュベット44から液体反応混合物を抽出し、この混合物を適当な廃棄場所に廃棄し、その後、他の量の試料を分析するために使用可能であるようにキュベット44を洗浄してきれいにするために用いられる。
【0058】
洗浄ステーション166は、1またはそれ以上の動力化されたキュベットステーション・プローブ168を含む。各洗浄ステーション・プローブ168は、内部チャンバ170と、開放下端部172と、開放上端部174とを含む。洗浄ステーション・プローブ168は、ランダム・アクセス分析ステーション18のキュベット洗浄場所56の上方に全体に垂直に配置され、洗浄ステーション・プローブ・モータ(図示せず)により下方洗浄ステーション・プローブ位置と上方洗浄ステーション・プローブ位置との間で移動可能である。
【0059】
図示の実施例では、対で操作される洗浄ステーション・プローブ168、各対の洗浄ステーション・プローブ168の1つが加圧された洗浄溶液源に接続されており、また、各対の他の洗浄ステーション・プローブ168はキュベットの内容物を十分に清掃しかつこのような内容物を適当な廃棄場所に移すように適合された廃棄システムに接続されている。
【0060】
選択的に、各洗浄ステーション・プローブ168は、洗浄ステーション・プローブ168の内部チャンバ170に正圧および負圧を選択的に及ぼすことができる洗浄ステーション・プローブ圧力変更機構に接続することができる。前記洗浄ステーション・プローブ圧力変更機構は、洗浄液源から、キュベット洗浄場所56に配置されたキュベットを洗浄するための洗浄ステーション・プローブ168に加圧された洗浄液を供給するための機構と、キュベット洗浄場所56に配置されたキュベットから廃液を除去しまたこの廃液を廃棄場所に移すための洗浄ステーション・プローブ168の内部チャンバ170に負圧を及ぼすための機構とを含む。内部チャンバ170に負圧を供給するためのこの機構は、典型的には負圧源を含む。
【0061】
前記分析機械において使用可能の前記圧力変更機構は、それぞれ、さらに、オペレータに警告しおよび/または妨害圧力降下が圧力変更機構内で検出されるときに前記機械を停止する、作動圧力伝達導管内に作動的に据えられた圧力変換器を含む妨害検出器176を含むものとすることができる。この妨害検出器176は同時出願された米国特許出願に詳細に記載され、また参照のためにここに組み入れられている。
【0062】
典型的には、自動分析機械10は、さらに、円滑で効果的で迅速な機械10の操作を提供するように様々なモータのそれぞれを制御するための制御装置178を含む。この制御は、典型的には、また、分析データを保持しかつ報告するように用いられる。好ましくは、制御装置178は、近い将来に分析される試料、実行される分析および試薬に応じた非常に多様な操作命令をもってプログラムされ得るデジタルコンピュータを含む。最も好ましくは、前記デジタルコンピュータは、分析される各試料および試薬ステーション16の試薬に関するバーコードが付された情報を受け取り、また、前記分析を最も効果的に処理するために前記情報を用いる。また、制御装置178は、任意の特殊な試薬容器40中の試薬が不足し始めるときはいつでもオペレータに警告するため、用いられる試薬の総量に絶えず注意していることが望ましい。
【0063】
また、制御装置178は、前記反応カップおよびイオン選択電極分析ステーションにおける特に重要な試料を全ての他の試料の前に分析するために機械10に対して要求するための能力をオペレータに与える「スター(star)」モードを有することが望ましい。
【0064】
図示の例では、分析機械10が、さらに、試料容器装填および準備アセンブリ68を備える。装填および準備アセンブリ68は、装填機構通路74に沿って装填場所72から試料ステーション14まで1またはそれ以上の試料容器を装填するための装填機構70を含む。装填機構70は負荷時トレイ76と除荷時トレイ78とを有する。図1に示す実施例では、負荷時トレイ76と除荷時トレイ78とは、複数の試料容器のラック34を保持するように寸法および大きさが定められている。負荷時トレイ76は、複数の試料容器ラック34を装填機構通路74に向けて押圧するための動力化された装填アーム80を有する。除荷時トレイ78は装填機構通路74から離れる方向へ試料容器ラック34を押圧するための動力化された非装填アーム(図示せず)を有する。
【0065】
装填機構通路74は、試料ステーション14へおよび試料ステーション14から装填機構通路に沿って単一の試料容器ラック34を移動させる動力化された装填通路アーム82を有する。バーコード読み取り装置84が代表的に装填機構通路74に沿って配置されている。バーコード読み取り装置84は、試料容器32が装填機構通路74に沿って移動するとき、個々の試料容器32に配置されたバーコード情報を読み取ることができる。
【0066】
図1に示す実施例では、試料容器装填および準備アセンブリ68は、さらに、試料プローブ94によるアクセスのためにキャップ36を開放状態とするために試料容器のキャップ36を穿孔することができる試料容器キャップ穿孔機構86を備える。図2および図3に示すように、試料容器キャップ穿孔機構86は試料カップ穿孔機構カバー88下に配置することができる。
【0067】
図8−図10に試料容器カップ穿孔機構86の好ましい実施例を詳細に示す。
【0068】
試料カップ穿孔機構86は、一対の固定された縦型ポスト402を有するベース400を含む。2つの縦型ポスト402にブレード支持アーム404が滑動可能に取り付けられている。ブレード支持アーム404は下方のブレード支持アーム表面406と上方の支持アーム表面408とを有する。ブレード支持アーム404の中心内に、縦型ポスト402に沿ってブレード支持アーム404を上下に駆動するためのウォーム歯車のような駆動要素410が作動するように配置されている。ブレード支持アーム404内に少なくとも1つのブレード412が固定されている。ブレード412は、典型的には、基部413と複数の穿孔部414とを有する。好ましいブレード412は、単一の軸線416に沿って伸びかつこれと交差する複数の立面(垂直面)内に配置された3またはそれ以上の穿孔部414を有し、それぞれのこのような立面は、隣接する立面から等角度の間隔をおかれている。図10は、隣接する穿孔部414から90度の間隔角度をおいて配置された4つの穿孔部414を有する好ましいブレード412を示す。
【0069】
好ましくは、各穿孔部414は、点418が穿孔部414の任意の他の部分よりも単一軸線416から遠くに配置されている直角三角形の形状を有する。
【0070】
また、キャップ保持器アーム420が前記縦型ポストに沿って滑動可能に配置されている。キャップ保持器アーム420は上方のキャップ保持器アーム表面422と下方の保持器アーム表面424とを有する。下方保持器アーム表面424は、好ましくは試料容器32上のキャップ36を受け入れかつ保持する窪みが設けられているキャップ保持器表面426を規定する。キャップ保持器アーム420は、ブレード支持アーム404内に配置されたブレード412と整列された開口428を有する。各開口428は、ブレード412がキャップ保持器アーム420を通過するに十分な大きさである。
【0071】
図10A、図10Bおよび図10Cに示すように、キャップ36が高さEにある場所Lに配置されるときに試料容器32のキャップ36を穿孔するため、ブレード支持アーム404は(図10Aに示す)上方ブレード支持位置と、(図10Bに示す)中間支持アーム位置と、(図10Cに示す)下方ブレード支持位置との間で移動可能である。
【0072】
ブレード支持アーム404は、キャップ保持器アーム420の下部に接触させるための下方接触面430と、キャップ保持器アーム420の上部に接触させるための上方接触面432とを有する。キャップ保持器アーム420は、該キャップ保持器アームが前記ブレード支持アームの上方接触面432と前記ブレード支持アームの下方接触面430との間で縦型ポスト402に沿って移動可能であるように、縦型ポスト402に滑動可能に取り付けられている。少なくとも1つの偏倚部材434がキャップ保持器アーム420を前記ブレード支持アームの下方接触面430に向けて偏倚するために用いられている。
【0073】
前記上方ブレード支持アーム位置、前記中間ブレード支持アーム位置および前記下方ブレード支持アーム位置の間で縦型ポスト402に沿って上下にブレード支持アーム404を滑動させるための駆動要素410を作動させるためにモータ436が用いられている。
【0074】
図10Aに示すように、ブレード支持アーム404が前記上方ブレード支持アーム位置にあるとき、前記ブレード支持アームの下方接触面430がキャップ保持器アーム420と係合し、キャップ保持器アーム420を場所Lから間隔をおかれた、高さEより上方の高さに保持する。したがって、ブレード支持アーム404が前記上方ブレード支持アーム位置にあるとき、試料容器32はキャップ保持器アーム404によって妨害されることなしに装填機構通路74に沿って移動可能である。
【0075】
図10Bに示すように、ブレード支持アーム404が前記中間ブレード支持アーム位置まで下げられるとき、キャップ保持器アーム420の下側のキャップ接触面426が場所Lまで下方へ移動する。この場所において、キャップ接触面426は、装填機構通路74に沿って配置された試料容器32の頂部上のキャップ36と接触し、係合しまたこれを保持することができる。偏倚部材434によって付与される下向きの圧力のため、キャップ保持器アーム420は、試料容器のキャップ36がブレード412によって穿孔されるサイクルの残りの間に試料容器32を所定位置に堅く保持する。好ましくは、キャップ接触面426は、試料容器のキャップ36との係合およびその保持を容易にすべく窪みが設けられる。
【0076】
キャップ接触面426が試料容器のキャップ36に接触し、前記ブレード支持アームが前記中間のブレード支持アーム404位置に位置する瞬間、ブレード412が高さEの上方の位置Lから離れた位置に配置され、このため試料容器のキャップ36に(未だ)突き刺さらない。しかし、ブレード支持アーム404が前記中央のブレード支持アーム位置から前記下方のブレード支持アーム位置まで下方への移動を続けると、ブレード412はキャップ保持器アーム420の開口428を経て、場所L直下のE下の高さまで移動し、これにより、ブレード412の穿孔部44で試料容器のキャップ36を穿孔する。
【0077】
典型的には、前記ブレード支持アームの上方接触面432がキャップ保持器アーム420に接触するとき、ブレード支持アーム404の下方への移動が終了する。
【0078】
試料容器のキャップ36が穿孔された後、モータ436により、ブレード支持アーム404が前記上方のブレード支持アーム位置に至るまでポスト402に沿って上方に向けて滑動される。この動作は、ブレード支持アーム404の下方接触面430がキャップ保持器アーム420を高さEの上方の高さまで偏倚部材434の偏倚圧力に抗して上方に向けて押圧する。これにより、試料容器32…今や穿孔された試料容器キャップ36を有する…は、これが装填機構通路74に沿って試料ステーション14までさらに移動され得るように解放される。
【0079】
操作に際し、本発明の自動分析機械10のオペレータは、分析される試料を個々の試料容器32に配置し、また、各試料容器32を1またはそれ以上の容器ラック34に配置する。試料容器ラック34は負荷時トレイ76に配置される。
【0080】
動力化された装填アーム80は、装填機構通路74に向けて、負荷時トレイ76の試料容器ラック34を押圧する。各試料容器ラック34が装填機構通路74に入ると、動力化された装填通路アーム82が試料ステーション14に向けて装填機構通路74に沿って試料容器ラック34を押圧する。
【0081】
試料容器32がバーコード読み取り装置84のそばを通過するとき、各試料容器32に添えられたバーコード情報がバーコード読み取り装置84によって読み取られ、制御装置178に送信される。このバーコード情報は、典型的には、試料の同一性と、前記試料の個々の部分を用いて行われる分析とを含む。
【0082】
試料容器ラック34がさらに装填機構通路74に沿って押されるとき、キャップ穿孔機構86を経て場所Lに至る。キャップ穿孔機構86はそこで試料容器32のそれぞれのキャップを穿孔する。
【0083】
次に、試料容器ラック34は、さらに、装填機構通路74に沿って試料ステーション14まで押され、ここで、試料ステーション14内のクランプ機構が試料容器ラック34をしっかりと直立の状態に保持する。
【0084】
試料ステーション14は制御装置178の制御の下で回転される。個々の試料容器32が試料抽出場所38に配置されると、少量の試料が試料容器32から試料プローブ94により抽出される。これは、試料抽出場所38の上方に試料プローブ94を配置し、試料プローブ94の端部開放の下端部98が試料容器32内の前記試料の表面下に配置される下方試料プローブ位置まで試料プローブ94を下げることにより行われる。次いで、前記試料プローブ圧力変更機構を用いて試料プローブ内部チャンバ96に真空を及ぼすことにより、少量の試料が試料プローブ内部チャンバ96に抽出される。次に、試料プローブ94が前記上方試料プローブ位置に上昇され、試料プローブ・アーム92が試料プローブ94をこれがキュベット試料保管場所50の直上に位置する位置まで移動させる。
【0085】
キュベット試料保管場所50において、試料プローブ94が再び前記下方試料プローブ位置に下降され、試料プローブ94内の試料の所定量がキュベット試料保管場所50に配置されたキュベット44に配置される。これは、前記試料プローブ圧力変更機構を用いて、試料プローブ内部チャンバ96内にわずかに上昇された圧力を生じさせることにより行われる。次に、試料プローブ94の下端部が試料プローブ先端洗浄アセンブリ104に引き込められ、ここで、洗浄液源108からの洗浄液を用いて洗浄される。洗浄後、洗浄液が適当な廃棄場所110に一時に流される。試料プローブ94は、次に、他の試料容器32から別の試料を抽出するために準備される。
【0086】
試料プローブ94の前記した動作と同時に、試薬プローブ118が試薬ステーション16からある量の適当な予め混合された試薬を抽出するために同様の方法で用いられ、当該量の試薬をキュベット44に配置する。通常、前記試薬は、キュベット44内の試料の配置直前に前記キュベットに加えられる。
【0087】
試料および試薬の双方がキュベット44に加えられた後、キュベット44がキュベット混合場所54まで回転される。キュベット混合場所54では、キュベットかき混ぜロッド158が下方キュベットかき混ぜロッド位置まで下降され、かき混ぜロッド・パドル164が、キュベット44内の試料および試薬をかき混ぜかつ完全に混合するため、回転される。
【0088】
昇温状態で分析が行われる典型的なランダム・アクセス分析操作において、キュベット44内の試料および試薬の混合物は、次に、前記混合物が例えばランダム・アクセス分析ステーション18を通して加熱空気を吹き付けることによって温められる間、ランダム・アクセス分析ステーション18内におくことができる。キュベット44内の前記混合物が適当な温度に達するとき、キュベット44の中身がランダム・アクセス分析ステーション分析器46を用いて分析される。好ましい操作において、キュベット44はランダム・アクセス分析ステーションの分析場所46に複数回配置され、これにより、複数回分析され、その結果、複数の分析の平均から報告可能の結果が得られる。したがって、報告可能の結果は非常に信頼性が高い。、キュベット44内の分析物に関する分析が完了した後、キュベット44はキュベット洗浄ステーション166のキュベット洗浄場所56に移動される。キュベット洗浄ステーション166において、洗浄ステーション・プローブ168がその上方プローブ位置からその下方プローブ位置へ移動され、反応混合物が前記洗浄ステーション圧力変更機構を用いて抽出される。キュベット44内で分析された混合物の種類に従って、次いで、キュベット44が加圧された洗浄液を用いて1または数回洗浄される。前記洗浄液がキュベット44から除去され、適当な廃棄場所に送られた後、キュベット44が分析用の他の試料を受け入れるように準備される。
【0089】
ランダム・アクセス分析ステーション18の操作と同時に、ハイボリューム分析が反応カップ分析ステーション20においておよび選択電極分析ステーション22において行われる。最初に、予め定められた量の適当な試薬が試薬ポンプ59を用いて各反応カップ332に汲み上げられまた注入試料カップ60に汲み上げられる。磁気式攪拌機(マグネチックスターラ)が使用される。次いで、カップ分析プローブ・アーム・アセンブリ134がカップ分析プローブ136を試料ステーション14内の試料容器32上に配置し、カップ分析プローブ136は前記下方プローブ位置に下降され、前記カップ分析プローブ圧力変更機構を用いて比較的多量の試料がカップ分析プローブ138内の内部チャンバに抽出される。
【0090】
次に、カップ分析プローブが前記上方プローブ位置に持ち上げられ、カップ分析プローブ・アーム136がカップ分析プローブ138を反応カップ・モジュール58の一つの直上に配置する。カップ分析プローブ138は前記下方カップ位置に下げられ、カップ分析プローブ138内の試料の一部が反応カップ332内に配置される。次に、カップ分析プローブ138は、再び、前記上方プローブ位置に持ち上げられ、カップ分析プローブ・アーム136がカップ分析プローブ138を他の反応カップ・モジュール58のそれぞれの直上に移動し、これらの反応カップ332のそれぞれの内部に前記試料の一部を配置する。
【0091】
全ての反応カップ332が満たされるとき、カップ分析プローブ・アーム136がカップ分析プローブ138を試料注入カップ60の直上に移動する。カップ分析プローブ138は、再び、前記下方プローブ位置に下げられ、前記試料の残りが注入試料カップ60内に配置される。
【0092】
試薬および試料の混合物が前記マグネチックスターラによって完全に混合された後、前記混合物が反応カップ分析ステーション分析器334を用いて各カップモジュールにおいて分析され、分析の結果が制御装置178に伝えられる。次に、反応カップ332が洗浄され、他の試料のために準備される。
【0093】
同時に、イオン特殊電極分析ステーションにおいて、注入試料カップ60内の所定量の試料は前記試薬と混合された完全な流れとなる。前記試料および試薬が適当に混合された後、その混合物は、フローセル62内の個々の電極が前記混合物に対する単一の分析を行うフローセル62を通過する。この分析の結果は制御装置178に伝えられる。次に、前記混合物は適当な廃棄場所66に排出され、前記システムは他の試料分析のための準備のために洗浄される。
【0094】
試料容器ラック34における各試料容器32内の試料が分析された後、試料容器ラック34が、動力化された装填通路アーム82を用いて、試料ステーション14から移動される。試料容器ラック34は装填機構通路74に沿って除荷時トレイ78に引っ込められる。一旦、除荷時トレイ78におかれると、前記動力化された除荷アームが試料容器ラック34を、それがオペレータによって取り除かれる除荷時トレイ78の端部に向けて押圧する。
【0095】
本発明は、スループット時間、メンテナンス・コストおよび操作費用を低減しかつ正確性および信頼性を増大させることにより先行技術を超える重要な改良を提供する。
【0096】
本発明についてその好ましい例に関して詳細に説明したが、他の例もあり得る。したがって、添付の請求の範囲の制振および範囲は、ここに含まれている好ましい例の説明に限定されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図面の説明 本発明のこれらのおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明、添付の請求の範囲および添付図面を参照してさらに良く理解されよう。
【図1】図1は、本発明の特徴を有する自動分析機械の概略的な平面図である。
【図2】図2は、天蓋を閉じた、本発明の特徴を有する自動分析機械の正面図である。
【図3】図3は、天蓋を開いた、図2の自動分析機械の他の正面図である。
【図4】図4Aは、本発明に有用な試料容器用ラックの斜視図である。図4Bは、本発明に有用な反応キュベットの斜視図である。図4Cは、図4Bに示す反応キュベットの側面断面図である。
【図5】図5Aは、本発明で有用な試料プローブ・アーム・アセンブリの斜視図である。図5Bは、試薬プローブ・アーム・アセンブリの斜視図である。図5Cは、カップ分析プローブ・アーム・アセンブリの斜視図である。
【図5D】図5Dは、キュベットかき混ぜ棒アセンブリの斜視図である。図5Eは、キュベット洗浄ステーションの斜視図である。
【図6】図6は、本発明に有用な反応カップの組み合わせを示す流れ図である。
【図7】図7は、本発明に有用なイオン選択反応カップ・アセンブリを示す流れ図である。
【図8】図8は、本発明の特徴を有する試料カップ穿孔アセンブリの分解斜視図である。
【図9】図9は、図8に示す試料カップ穿孔アセンブリに有用なブレードの側面図である。
【図10A】図10Aは、図8に示す試料カップ穿孔アセンブリの横断側面図であり、ブレード支持アームが上方ブレード支持アーム位置にある。
【図10B】図10Bは、図8に示す試料カップ穿孔アセンブリの横断側面図であり、ブレード支持アームが中間ブレード支持アーム位置にある。図10Cは、図8に示す試料カップ穿孔アセンブリの横断側面図であり、ブレード支持アームが下方ブレード支持アーム位置にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2008−216271(P2008−216271A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157296(P2008−157296)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【分割の表示】特願平10−522781の分割
【原出願日】平成9年11月13日(1997.11.13)
【出願人】(591028256)ベックマン コールター インコーポレイテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】BECKMAN COULTER,INCORPORATED
【Fターム(参考)】