説明

試薬ビーズを保存および分注するシステムおよび方法

本発明の実施態様は、試薬ビーズを保存および分注する、効率的かつ効果的な技術を提供する。一実施態様では、複数のウェルを含むビーズ担体と、ウェルに配置される複数の試薬ビーズと、ウェルを覆い、試薬ビーズをウェルに保持するために、ビーズ担体に取り外し可能に取り付けられているカバーテープとを含む、ビーズ保存デバイス内に収容される試薬ビーズを分注するための装置が提供されている。装置は、ビーズ担体がチャネルの支持壁と面し、カバーテープがチャネルの細長壁と面した状態で、ビーズ保存デバイスを設置するチャネルを備える。細長壁は、細長端と反対端との間に配置される細長間隙、および細長端から反対の、細長壁の側面の反対端に隣接して備えられている分注開口を含む。ビーズ担体からカバーテープをはがすために細長端の反対方向に引っ張られるカバーテープは、細長間隙を通して挿入可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は一般に、サンプルを分析する際に用いる試薬ビーズを保存および分注するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核酸増幅反応などの多くの化学反応の種類は、研究上、医学上、および産業上の適用にとって重要である。例えば、非特許文献1や非特許文献2など、かかる反応は、臨床的および生物学的研究、感染症の検出および監視、突然変異体の検出、癌マーカーの検出、環境モニタリング、遺伝子による本人性識別、生物兵器防衛を適用する際の病原体の検出などで使用される。例えば、非特許文献3や非特許文献4など、とりわけ、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、ウイルスおよび細菌検出、ウイルス量監視、希なおよび/または培養しにくい病原体の検出、バイオテロ脅威の速やかな検出、癌患者の微小残存病変の検出、食物病原体検査、輸血用血液審査、および同等物の適用を含み、これらの領域すべてにおける適用を発見した。非特許文献5など、PCRに関しては、広範なかかる使用の主な理由は、その速度および使いやすさ(通常、標準キットや比較的簡単で低費用の道具を使用して数時間内で行われる)、検出感度(しばしばサンプル内の数十コピーの標的配列を検出することができる)、およびロバスト性(法医学サンプルまたは固定性組織サンプルなどの低質なサンプルまたは保存サンプルを容易に分析する)である。
【0003】
試薬を運ぶ試薬ビーズは一般に、例えば、PCRなどの核酸増幅反応による分析を含み、サンプル分析用の試薬を供給するのに使用される。核酸増幅反応に加えて、試薬ビーズは、当技術分野で知られている多種多様の他の化学反応/検出方法に使用してもよい。試薬ビーズは壊れやすく、静電気処理に関する問題を呈する静電荷を含む。
【非特許文献1】Schweitzer et al.,Current Opinion in Biotechnology,12:21−27(2001)
【非特許文献2】Koch,Nature Reviews Drug Discovery,3:749−761(2004)
【非特許文献3】Mackay,Clin.Microbiol,Infect,10:190−212(2004)
【非特許文献4】Bernard et al.,Clinical Chemistry,48:1178−1185(2002)
【非特許文献5】Strachan and Read,Human Molecular Genetics2(John Wiley&Sons,New York,1999)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施態様は、試薬ビーズを保存および分注するための効率的かつ効果的な技術を提供する。
【0005】
本発明の側面によると、試薬ビーズを保存および分注するデバイスは、複数のウェルを含むビーズ担体と、前記複数のウェルに配置される複数の試薬ビーズと、前記複数のウェルを覆い、前記複数の試薬ビーズを前記ビーズ担体内の前記複数のウェルに保持するために、前記ビーズ担体に取り外し可能に取り付けられているカバーテープとを備える。前記ビーズ担体および前記カバーテープはそれぞれ、帯電防止材料を備える。前記カバーテープは、前記複数のウェルを個別に露出させ前記複数のウェルから前記複数の試薬ビーズを分注するために、前記ビーズ担体からはがすことができる。
【0006】
いくつかの実施態様では、前記帯電防止材料は、炭素が添着したスチレンを含む。特定の実施態様では、前記カバーテープは、粘着剤によって前記ビーズ担体に取り外し可能に取り付けられている。あるいは、前記カバーテープは、前記ビーズ担体に熱融着させてもよい。前記ビーズ担体は好ましくは、略均一な距離だけ間隔をあけた直線配列のウェルを含む。前記カバーテープは、前記複数のウェルを1つずつ個別に露出させるために、前記ビーズ担体からはがすことができる。好ましくは、それぞれのウェルの少なくとも一部は透明である。
【0007】
本発明のその他の側面は、複数のウェルを有するビーズ担体と、前記複数のウェルに配置される複数の試薬ビーズと、前記複数のウェルを覆い、前記複数の試薬ビーズを前記ビーズ担体の前記複数のウェルに保持するために、前記ビーズ担体に取り外し可能に取り付けられているカバーテープとを含む、ビーズ保存デバイス内に収容される試薬ビーズを分注するための装置に向けられる。前記装置は、前記ビーズ担体がチャネルの支持壁と面し、前記カバーテープが前記チャネルの細長壁と面した状態で、前記ビーズ保存デバイスを設置するチャネルを備える。前記細長壁は、細長端と反対端との間に配置される細長間隙、および前記細長端から反対の、前記細長壁の側面の前記反対端に隣接して備えられている分注開口を含む。前記カバーテープは、前記細長間隙を通して挿入可能であり、前記ビーズ担体から前記カバーテープをはがすために前記細長端の反対方向に引っ張られ、前記チャネル内の前記ビーズ担体の前記複数のウェルを前記分注開口の方へ移動させ、また前記複数のウェルから前記分注開口を通して前記複数の試薬ビーズを分注するために前記複数のウェルを個別に露出させる。
【0008】
いくつかの実施態様では、前記細長壁は、前記分注開口に連結していて、重力によって前記試薬ビーズを分注するために、略下向きにされている注ぎ口を含む。計数器は、前記細長端に対して前記カバーテープが移動した量に基づき、前記試薬ビーズを分注するために露出されるウェルの数を数えるための、前記ビーズ担体からはがされた前記カバーテープの一部に連結している。
【0009】
本発明のその他の側面は、複数のウェルを有するビーズ担体と、前記複数のウェルに配置される複数の試薬ビーズと、前記複数のウェルを覆い、前記複数の試薬ビーズを前記ビーズ担体の前記複数のウェルに保持するために、前記ビーズ担体に取り外し可能に取り付けられているカバーテープとを含む、ビーズ保存デバイス内に収容される試薬ビーズを分注するための装置に向けられる。前記装置は、内側に、前記ビーズ担体がチャネルの支持壁と面し、前記カバーテープが前記チャネルの細長壁と面した状態で、前記ビーズ保存デバイスを設置するチャネルを有する筐体であって、前記細長壁は、細長端と反対端との間に配置される細長間隙、および前記細長端から反対の、前記細長壁の側面の前記反対端に隣接して備えられている分注開口を含む筐体と、前記細長端の反対方向に前記カバーテープを引っ張るために、前記細長間隙を通して挿入される前記カバーテープの先端を引っ張るように構成されるクラッチと、前記カバーテープを引っ張るように前記クラッチを回転させるために、前記クラッチに連結している輪とを備える。
【0010】
いくつかの実施態様では、前記クラッチは、前記カバーテープを一方向に引っ張ることができるラチェット機構を含む。前記輪は、前記筺体の前記内部から露出し、ユーザーの指または親指によって回転可能な大きさである。前記細長壁は、前記分注開口に連結していて、重力によって前記試薬ビーズを分注するために、略下向きにされている注ぎ口を含む。前記細長端は、前記カバーテープを導くために、前記チャネルから外側へ、また前記反対端から離れて後方へ屈曲する屈曲部を含む。前記チャネルは略円形である。前記クラッチは、前記ビーズ担体から前記カバーテープをはがすために前記細長端の反対方向に、前記細長間隙を通して挿入された前記カバーテープの前記先端を引っ張り、前記チャネル内の前記ビーズ担体の前記複数のウェルを前記分注開口の方へ移動させ、また前記複数のウェルから前記分注開口を通して前記試薬ビーズを分注するために前記複数のウェルを1つずつ個別に露出させるように構成される。前記輪は、1つのウェルから次のウェルへ前記分注開口の方へ移動させ、また前記分注開口を通して分注するために前記次のウェルを露出させるために、少なくとも約60度回転するよう構成される。計数器は、前記カバーテープが移動した量に基づき、前記試薬ビーズを分注するために露出されるウェルの数を数えるために前記クラッチは連結している。
【0011】
本発明のその他の側面は、複数のウェルを有するビーズ担体と、前記複数のウェルに配置される複数の試薬ビーズと、前記複数のウェルを覆い、前記複数の試薬ビーズを前記ビーズ担体の前記複数のウェルに保持するために、前記ビーズ担体に取り外し可能に取り付けられているカバーテープとを含む、ビーズ保存デバイス内に収容される試薬ビーズを分注する方法に向けられる。前記方法は、前記ビーズ担体がチャネルの支持壁と面し、前記カバーテープが前記チャネルの細長壁と面した状態で、前記ビーズ保存デバイスをチャネルに設置するステップであって、前記細長壁は、細長端と反対端との間に配置される細長間隙、および前記細長端から反対の、前記細長壁の側面の前記反対端に隣接して備えられている分注開口を含むステップを含む。前記方法は、前記細長間隙を通して前記カバーテープを挿入するステップと、前記ビーズ担体から前記カバーテープをはがすために前記細長端の反対方向に前記カバーテープを引っ張り、前記チャネル内の前記ビーズ担体の前記複数のウェルを前記分注開口の方へ移動させ、また前記複数のウェルから前記分注開口を通して前記複数の試薬ビーズを分注するために前記複数のウェルを個別に露出させるステップとをさらに含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、分注される試薬ビーズを保存するための試薬ビーズ保存デバイスの分解図である。保存デバイス10は、複数のウェル14を有するビーズ担体12およびウェル14に配置される複数の試薬ビーズ16を含む。ビーズ担体12は、そこに形成されるウェル14を有する柔軟なテープであってもよく、またはビーズ担体は、硬質または柔軟な成形品であってもよい。図1は、それぞれのウェル14で1つのビーズ16を示すが、その他の実施態様ではビーズの数は異なってもよい。カバーテープ20は、ウェル14を覆い、試薬ビーズ16をビーズ担体12のウェル14に保持するために、ビーズ担体12に取り外し可能に取り付けられている。ビーズ担体12およびカバーテープ20は、帯電防止材料から造作される。より詳細に後述するように、カバーテープ20は、ウェル14を個別に露出させウェル14から試薬ビーズ16を分注するためにビーズ担体12からはがすことができる。
【0013】
適した帯電防止材料の例は、炭素が添着したスチレンである。当然ながら、その他の帯電防止材料も使用してもよい。その他の帯電防止材料は、金属および処理プラスチック(すなわち、導電性金属が添着したプラスチックまたは表面処理が施されたプラスチック)を含むが、それらに限定されない。カバーテープ20は、粘着剤によってビーズ担体12に取り外し可能に取り付ける、またはビーズ担体12に熱融着させてもよい。カバーテープは好ましくは、ユーザーの1本以上の指によって加えられる手動力を用いてビーズ担体からはがすことができる。図1では、ビーズ担体は、略均一な距離だけ間隔をあけた直線配列のウェル14を含む。カバーテープ20は、複数のウェル14を1つずつ個別に露出するために、ビーズ担体12からはがすことができる。ウェル間の非直線配置およびウェル間の不均一な距離を含み、その他の配置または構成も可能である。それぞれのウェル14の少なくとも一部は、人が中身を見ることができるよう透明であることが好ましい。
【0014】
図2および図3は、本発明の実施態様によるビーズ分注装置を示す。分注装置30は、図1のビーズ保存デバイス10に収容される試薬ビーズ16を分注するのに使用することができる。分注装置30は、ビーズ担体12がチャネル32の支持壁34と面し、カバーテープ20がチャネル32の細長壁36と面した状態で、ビーズ保存デバイス10を設置するチャネル32を含む。細長壁36は、細長端42と反対端44との間に配置される細長間隙40を含む。分注開口48は、細長端42から反対の、細長壁36の側面の反対端44に隣接して備えられている。カバーテープ20は、細長間隙40を通して挿入可能であり、ビーズ担体12からカバーテープ20をはがすために細長端42の反対方向に引っ張られ、その結果チャネル32内のビーズ担体12のウェル14を分注開口48の方へ移動させ、またウェル14から分注開口48を通して試薬ビーズ16を分注するためにウェル14を個別に露出させる。細長壁36は望ましくは、分注開口48に連結していて、重力によって試薬ビーズ16を分注するために略下向きにされている注ぎ口50を含む。
【0015】
図3に見られるように、カバーテープ20は、分注開口48の方へビーズ担体12が進む方向から略反対方向に、細長端42と反対方向に引っ張られる。略反対方向に引っ張ることは便利ではあるが、ビーズ担体12からカバーテープ20を分離するのに必要ではない。その他の方向も有効である。カバーテープ20を引っ張ると、ビーズ担体12からカバーテープ20を分離させ、ウェル14から分注開口48を通して試薬ビーズ16を分注するためにビーズ担体12を分注開口48の方へ移動させるための駆動力が生じる。計数器60は、細長端42に対してカバーテープ20が移動した量に基づき、試薬ビーズ16を分注するために露出されるウェル14の数を数えるために、ビーズ担体12からはがされたカバーテープ20の一部に連結していてもよい。ウェル14間の距離が均一であれば、これを行うことはより容易となる。代替の実施態様では、計数器は、露出されたウェル14の数を数えるために、カバーテープ20から分離されたビーズ担体12の一部に連結していてもよい。
【0016】
図4は、本発明のその他の実施態様によるビーズ分注装置の分解斜視図である。分注装置100は、内部を有する筺体を形成するように接続されるベース102およびカバー104を含む。ベース102は、ビーズ担体12がチャネル110の支持壁112と面し、カバーテープ20がチャネル110の細長壁114と面した状態で、ビーズ保存デバイス10を設置するチャネル110をその内部に含む。細長壁114は、細長端122と反対端124との間に配置される細長間隙120、および細長端122から反対の、細長壁114の側面の反対端124と隣接して備えられている分注開口128を含む。示している実施態様では、細長端122は、カバーテープ20を導くために、チャネル110から外側へ、また反対端124から離れて後方へ屈曲する屈曲部を含む。チャネル110は略円形である。注ぎ口130は分注開口128に連結していて、重力によって試薬ビーズ16を分注するために略下向きにされている。装置は任意に、ビーズ分注器を使用していないときに注ぎ口130を覆うための、注ぎ口キャップ131を含む。図4は、筺体内に設置してもよい乾燥剤136を示す。
【0017】
シャフト140はベース102に備えられ、細長端122の反対方向にカバーテープ20を引っ張るために、細長間隙120を通して挿入されるカバーテープ20の先端をしっかりつかんで引っ張るように構成されるクラッチ150を支持する。輪152は、カバーテープ20を引っ張るようにクラッチ150を回転させるために、クラッチ150に連結している。輪152は、ユーザーの指によって容易に回転できるように波状面を含む。クラッチ150は好ましくは、カバーテープ20を一方向に引っ張ることができるようにラチェット機構を含む。ラチェット機構は歯車および歯止めを含んでもよい。図5および図6に見られるように、輪152は好ましくは、筺体の内部から露出し、ユーザーの指または親指によって回転可能な大きさである。
【0018】
図5に見られるように、クラッチ150は、ビーズ担体12からカバーテープ20をはがすために細長端122の反対方向に、細長間隙120を通して挿入されたカバーテープ20の先端を引っ張り、チャネル110内のビーズ担体12のウェル14を注ぎ口130を有する分注開口128へ移動させ、またウェル14から分注開口128および注ぎ口130を通して試薬ビーズ16を分注するために1つずつ個別にウェル14を露出させるように構成される。ビーズを誤って分注することを回避するために、輪152は好ましくは、1つのウェルから次のウェルへ分注開口128の方へ移動させ、また分注開口128および注ぎ口130を通して分注するために次のウェルを露出させるのに、設定角度だけ回転するよう構成される。例えば、設定角度は好ましくは少なくとも60度であり、より好ましくは約90〜120度である。計数器は、カバーテープ20が移動した量に基づき、試薬ビーズ16を分注するために露出されるウェル14の数を数えるために、ビーズ担体12からはがされたカバーテープ20の一部に接続されるクラッチ150に任意に連結していてもよい(クラッチを回転させることによって引っ張るように)。いくつかの実施態様では、装置100の筺体は透明であり、数字1からXがその外周に印刷されていて、ここでXはウェル14の数であり、ユーザーは単なる視覚的検分によっていくつの充填ウェル14が残っているか知ることができる。
【0019】
図6は、ユーザーの指によって輪152を回転させ、カバーテープを引っ張ることによってビーズを分注している一例を示す。注ぎ口130は、重力によってビーズ16を分注するために略下向きにされている。その他の実施態様では、カバーテープを引っ張ることは、自動またはユーザーによる制御の下で機械により行うことができる。
【0020】
上記の説明は、例示的であり、限定的でないことを意図することが理解されるものとする。上記の説明を精査すると、多くの実施態様が当業者にとって明白となるであろう。従って、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、それよりむしろ、すべての同等物を含む添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0021】
添付の図面は、本発明を示している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施態様による試薬ビーズ保存デバイスの分解立面図である。
【図2】図2は、本発明の実施態様によるビーズ分注装置の斜視図である。
【図3】図3は、図1の試薬ビーズ保存デバイスから試薬ビーズを分注するための、図2のビーズ分注装置の立面図である。
【図4】図4は、本発明のその他の実施態様によるビーズ分注装置の分解斜視図である。
【図5】図5は、図4のビーズ分注装置の内部を示す斜視図である。
【図6】図6は、図4のビーズ分注装置の立面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬ビーズを保存および分注するデバイスであって、該デバイスは、
複数のウェルを含むビーズ担体と、
該複数のウェルに配置される複数の試薬ビーズと、
該複数のウェルを覆い、該複数の試薬ビーズを該ビーズ担体内の該複数のウェルに保持するために、該ビーズ担体に取り外し可能に取り付けられているカバーテープと
を備えており、
該ビーズ担体および該カバーテープは、それぞれ帯電防止材料を備え、
該カバーテープは、該複数のウェルを個別に露出させて該複数のウェルから該複数の試薬ビーズを分注するために、該ビーズ担体から剥がすことができる、デバイス。
【請求項2】
前記帯電防止材料は含浸された炭素を有するスチレンを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記カバーテープは、粘着剤によって前記ビーズ担体に取り外し可能に取り付けられている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ビーズ担体は、略均一な距離だけ間隔をあけた線状配列のウェルを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記カバーテープは、前記複数のウェルを1つずつ個別に露出させるために、前記ビーズ担体から剥がすことができる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
それぞれのウェルの少なくとも一部は透明である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
複数のウェルを有するビーズ担体と、該複数のウェルに配置される複数の試薬ビーズと、
該複数のウェルを覆い、該複数の試薬ビーズを該ビーズ担体内の該複数のウェルに保持するために、該ビーズ担体に取り外し可能に取り付けられているカバーテープとを含む、ビーズ保存デバイス内に収容される試薬ビーズを分注する装置であって、該装置は、該ビーズ担体がチャネルの支持壁と面し、該カバーテープが該チャネルの細長壁と面した状態で、該ビーズ保存デバイスを設置する、チャネルを備えており、
該細長壁は、細長端と反対端との間に配置された細長間隙、および該細長端から反対の、該細長壁の側面の該反対端に隣接して備えられている分注開口を含み、該カバーテープは、該細長間隙を通って挿入可能であり、該ビーズ担体から該カバーテープを剥がすために該細長端の反対方向に引っ張られ、該チャネル内の該ビーズ担体の該複数のウェルを該分注開口の方へ移動させ、該複数のウェルから該分注開口を通って該複数の試薬ビーズを分注するために該複数のウェルを個別に露出させる、
装置。
【請求項8】
前記細長壁は、前記分注開口に連結され、重力によって前記試薬ビーズを分注するために略下向きにされている、注ぎ口を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記細長端は、前記カバーテープを導くために、前記チャネルから外側へおよび前記反対端から離れて後方へ屈曲する屈曲部を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記チャネルは略円形である、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記細長間隙を通って挿入された前記カバーテープの先端を引っ張るように構成されたクラッチをさらに備える、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記クラッチは、前記カバーテープを一方向に引っ張ることを可能にするラチェット機構を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記カバーテープを引っ張るように前記クラッチを回転させるために、該クラッチに連結している輪をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
内部に配置された前記チャネルを含む筺体をさらに備え、前記輪は該筺体の該内部から露出している、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記カバーテープは、前記ビーズ担体から該カバーテープを剥がすために前記細長端の反対方向に引っ張られ、該複数のウェルから前記分注開口を通って前記試薬ビーズを分注するために前記チャネル内の該ビーズ担体の前記複数のウェルを該分注開口の方へ移動させ、該複数のウェルを1つずつ個別に露出させるように、前記細長間隙を通って挿入可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項16】
前記細長端に対して前記カバーテープが移動した量に基づき、前記試薬ビーズを分注するために露出されたウェルの数を数えるための、前記ビーズ担体から剥がされた該カバーテープの一部に連結している計数器をさらに備える、請求項7に記載の装置。
【請求項17】
複数のウェルを有するビーズ担体と、該複数のウェルに配置される複数の試薬ビーズと、
該複数のウェルを覆い、該複数の試薬ビーズを該ビーズ担体の該複数のウェルに保持するために、該ビーズ担体に取り外し可能に取り付けられているカバーテープとを含む、ビーズ保存デバイス内に収容される試薬ビーズを分注する装置であって、該装置は、
該ビーズ担体がチャネルの支持壁と面し、該カバーテープが該チャネルの細長壁と面した状態で、該ビーズ保存デバイスを設置する該チャネルを内部に有する筐体であって、該細長壁は、細長端と反対端との間に配置された細長間隙、および該細長端から反対の、該細長壁の側面の該反対端に隣接して備えられている分注開口を含む、筐体と、
該細長端の反対方向に該カバーテープを引っ張るために、該細長間隙を通って挿入された該カバーテープの先端を引っ張るように構成されているクラッチと、
該カバーテープを引っ張るように該クラッチを回転させるために、該クラッチに連結している輪と
を備える、装置。
【請求項18】
前記クラッチは、前記カバーテープを一方向に引っ張ることができるラチェット機構を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記輪は、前記筺体の前記内部から露出し、ユーザーの指または親指によって回転可能な大きさである、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記細長壁は、前記分注開口に連結され、重力によって前記試薬ビーズを分注するために略下向きにされている注ぎ口を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記細長端は、前記カバーテープを導くために、前記チャネルから外側へおよび前記反対端から離れて後方へ屈曲する屈曲部を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項22】
前記チャネルは略円形である、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記ビーズ担体から前記カバーテープを剥がすために、前記細長端の反対方向に前記細長間隙を通って挿入された該カバーテープの前記先端を引っ張り、前記複数のウェルから前記分注開口を通って前記複数の試薬ビーズを分注するために、前記チャネル内の該ビーズ担体の該複数のウェルを該分注開口の方へ移動させ、該複数のウェルを1つずつ個別に露出させるように、前記クラッチが構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項24】
前記輪は、前記分注開口を通って分注する目的で、1つのウェルから次のウェルを該分注開口の方へと移動させ、該次のウェルを露出させるために、少なくとも約60度回転するように構成されている、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記カバーテープが移動した量に基づき、前記試薬ビーズを分注するために露出されたウェルの数を数えるための、前記クラッチに連結している計数器をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項26】
複数のウェルを有するビーズ担体と、該複数のウェルに配置される複数の試薬ビーズと、該複数のウェルを覆い、該複数の試薬ビーズを該ビーズ担体の該複数のウェルに保持するために、該ビーズ担体に取り外し可能に取り付けられているカバーテープとを含む、ビーズ保存デバイス内に収容される試薬ビーズを分注する方法あって、該方法は、
該ビーズ担体がチャネルの支持壁と面し、該カバーテープが該チャネルの細長壁と面した状態で、該ビーズ保存デバイスを該チャネルに設置することであって、該細長壁は、細長端と反対端との間に配置された細長間隙、および該細長端から反対の、該細長壁の側面の該反対端に隣接して備えられている分注開口を含むことと、
該細長間隙を通って該カバーテープを挿入することと、
該ビーズ担体から該カバーテープを剥がすために該細長端の反対方向に該カバーテープを引っ張り、該チャネル内の該ビーズ担体の該複数のウェルを該分注開口の方へ移動させ、該複数のウェルから該分注開口を通って該複数の試薬ビーズを分注するために該複数のウェルを個別に露出させることと
を含む、方法。
【請求項27】
前記カバーテープは、前記分注開口の方へ前記ビーズ担体が移動する方向から略反対方向に、前記細長端と反対方向に引っ張られる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記試薬ビーズを重力によって分注するために、前記分注開口を前記壁に対して略下向きにさせることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記ビーズ担体から前記カバーテープを剥がす目的で、該カバーテープを前記細長端の反対方向に引っ張るために、該カバーテープの先端を引っ張るためのクラッチをさらに備えることを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記クラッチは、前記カバーテープを一方向に引っ張ることを可能にするラチェット機構を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記カバーテープを引っ張ることは、前記クラッチに連結している輪を回転させることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記ビーズ担体から前記カバーテープを剥がすために、該カバーテープは前記細長端の反対方向に引っ張られ、前記チャネル内の該ビーズ担体の前記複数のウェルを前記分注開口の方へ移動させ、該複数のウェルから該分注開口を通って前記複数の試薬ビーズを分注するために、該複数のウェルを個別に1つずつ露出させる、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記細長端に対して前記カバーテープが移動した量に基づき、前記試薬ビーズを分注するために露出されたウェルの数を数えることをさらに含む、請求項32に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−542789(P2008−542789A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515760(P2008−515760)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/021147
【国際公開番号】WO2006/132886
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(504019928)
【Fターム(参考)】