説明

試薬調製装置

【課題】従来より簡素な構成の試薬調製装置を提供する。
【解決手段】この試薬調製装置4は、測定部2にRO水と高濃度試薬とを含む混合液を試薬として供給可能に構成され、RO水と高濃度試薬とを混合する第1希釈チャンバ43、第2希釈チャンバ44および攪拌チャンバ46と、混合液の電気伝導度Zを取得する電気伝導度測定ユニット410と、混合液の温度Tを取得するサーミスタ417と、電気伝導度測定ユニット410およびサーミスタ417より上流に設けられており、RO水の温度を調節する熱交換器400と、電気伝導度測定ユニット410により取得された電気伝導度Zとサーミスタ417により取得された液温Tとに基づいて混合液の流れを制御する制御部48とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を混合して試薬を調製することが可能な試薬調製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体を混合して試薬を調製することが可能な試薬調製装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、高濃度試薬とRO水とを混合して試薬を調製する試薬調製装置が開示されている。この試薬調製装置は、RO水と高濃度試薬とを混合するための試薬調製タンクを備えている。試薬調製タンク内には、RO水と高濃度試薬とが混合された混合液を攪拌するためのプロペラと、混合液の電気伝導度を測定するための導電率センサとが設けられている。導電率センサにより測定された電気伝導度は、混合液が所望の濃度に希釈されているか否かを判断するために用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2009/031461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように試薬調製タンク内に導電率センサを設けた構成においては、試薬調製タンク内の液面に気泡が発生していると、水位の上昇または下降に伴って導電率センサに気泡が付着してしまう。上記特許文献1の試薬調製装置では、気泡の発生を抑えるために、試薬調製タンクに高濃度試薬とRO水を小さい流速で供給し、試薬調製タンク内に設けられたプロペラによってそれらの混合液を攪拌していた。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、従来より簡素な構成の試薬調製装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における試薬調製装置は、試薬を用いて検体を測定する測定部に、第1の液体と第2の液体とを含む混合液を試薬として供給可能に構成された試薬調製装置であって、第1の液体と第2の液体とを混合する混合容器と、混合容器より下流に設けられており、混合容器から供給される混合液を内部に通過させ、通過する混合液の電気伝導度を取得する電気伝導度取得部と、混合容器より下流に設けられており、混合液の液温を取得する液温取得部と、電気伝導度取得部および液温取得部より上流に設けられており、供給される液体の温度を調節する温度調節部と、電気伝導度取得部により取得された電気伝導度と、液温取得部により取得された液温とに基づいて混合液の流れを制御する制御部とを備える。
【0008】
この発明の一の局面による試薬調製装置では、上記のように、混合容器から供給される混合液を内部に通過させ、通過する混合液の電気伝導度を取得する電気伝導度取得部を備える。これにより、混合容器内の液体の液面と電気伝導度取得部とが接触することがないので、混合容器内の液面に気泡が発生した場合の電気伝導度取得部への影響を抑制することができる。したがって、たとえばタンク内にプロペラを設けずに、第1の液体と第2の液体とを混合容器に供給するときの流速を大きくし、これにより混合液を攪拌してもよく、試薬調製装置の構成を簡素化することができる。さらに、この一の局面による試薬調製装置では、混合液の液温を取得する液温取得部を備え、この液温取得部および電気伝導度取得部の上流に、液体の温度を調節する温度調節部を備える。これにより、温度調節された混合液を電気伝導度取得部および液温取得部に供給することができる。これにより、電気伝導度取得部によって電気伝導度が測定されたときの混合液の液温と、液温取得部によって取得された液温との温度差を小さくすることができ、正確な電気伝導度に基づいて、混合液の流れを制御することができる。
【0009】
上記一の局面による試薬調製装置において、好ましくは、温度調節部は、熱伝導性を有する管部材を含み、管部材の内部に液体を通過させて液体と外部との熱交換を行うことが可能なように構成されている。このように構成すれば、供給される液体を熱伝導性を有する管部材の内部に通過させることによって液体と外部(雰囲気)との熱交換を行うことができるので、温度センサやヒータなどの構成を用いることなく、簡単な構成で容易に液温を調節することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、管部材は、液体が方向を変えながら通過するように構成されている。このような構成によれば、液体が管部材を通過する距離を長くしつつ、管部材が占める領域を小さくすることができる。これにより、装置を大型化することなく、効率的に液体の温度を調節することができる。
【0011】
上記温度調節部が熱伝導性を有する管部材を含む構成において、好ましくは、熱伝導性を有する管部材は、金属からなる。このように熱伝導率が高く加工が容易な金属により管部材を構成することによって、液体と外部(雰囲気)との熱交換を効果的に行うことが可能な熱伝導性の高い管部材を、容易に得ることができる。
【0012】
上記一の局面による試薬調製装置において、温度調節部は、混合容器より上流に設けられ、第1の液体の温度を調節するように構成されていてもよい。
【0013】
この場合において、好ましくは、第1の液体が純水である。このような構成によれば、温度調節部に液体を供給した後で温度調節部を洗浄する必要がない。
【0014】
上記温度調節部が第1の液体の温度を調節する構成において、好ましくは、第1の液体および第2の液体を定量して混合容器に供給する定量供給部をさらに備え、定量供給部は、第2の液体より多量の第1の液体を混合容器に供給するように構成されている。このように構成すれば、第1の液体の温度を調節するのみで混合液の温度を調節することができるから、第2の液体の温度を調節するための温度調節部を設ける必要がなく、構成が簡素化できる。
【0015】
上記一の局面による試薬調製装置において、好ましくは、混合液を廃棄するための廃棄ポートをさらに備え、制御部は、電気伝導度取得部により取得された電気伝導度と、液温取得部により取得された液温とに基づいて、混合液が所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たさないとき、混合液が廃棄ポートに流れるように混合液の流れを制御するように構成されている。このように構成すれば、試薬として用いる混合液の品質(濃度)を混合液の電気伝導度に基づいて判断し、所定の条件を満たさない低品質の混合液を廃棄ポートから廃棄することができるので、品質に問題のない適正濃度の試薬(混合液)のみを測定部に供給することができる。
【0016】
上記一の局面による試薬調製装置において、好ましくは、液温取得部は、電気伝導度取得部の内部に設けられている。このように構成すれば、電気伝導度取得部により電気伝導度が取得されたときの液温と、液温取得部により得られた液温との乖離がより小さくなる。
【0017】
この場合において、電気伝導度取得部は、混合液を通過させるための所定長さを有する流路を備え、液温取得部は、電気伝導度取得部の流路の中央の位置から外れた位置に設けられていてもよい。
【0018】
上記一の局面による試薬調製装置は、好ましくは、混合液を容器に流入させることにより攪拌する攪拌部をさらに備える。このように構成すれば、混合液を容器に流入させることにより容易に混合液を攪拌することができるため、たとえばプロペラを設けることなく混合液を攪拌することができ、構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による試薬調製装置を備えた血液分析装置を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による試薬調製装置の構成を示した模式図である。
【図3】図2に示した一実施形態による試薬調製装置の熱交換器を示した断面図である。
【図4】図2に示した一実施形態による試薬調製装置の試薬の電気伝導度を測定するための電気伝導度測定ユニットを示した断面図である。
【図5】図4に示した電気伝導度測定ユニットによる試薬の電気伝導度の測定を説明するための模式図である。
【図6】本発明の一実施形態による試薬調製装置の制御部を説明するためのブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態による試薬調製装置の試薬調製処理動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
まず、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による血液分析装置1の構成について説明する。また、本実施形態では、血液検査を行うための血液分析装置1の一部として、本発明の一実施形態による試薬調製装置4を使用する場合について説明する。
【0022】
血液分析装置1は、図1に示すように、血液の測定を行う機能を有する測定部2と、測定部2から出力された測定データを分析して分析結果を得るデータ処理部3と、検体の処理に用いられる試薬を調製する試薬調製装置4とにより構成されている。測定部2は、フローサイトメトリー法により、血液中の白血球、網状赤血球および血小板の測定を行うように構成されている。また、測定部2は、試薬調製装置4によって調製され、供給される試薬を用いて血液を希釈し、白血球、網状赤血球および血小板の測定を行うように構成されている。なお、フローサイトメトリー法とは、測定試料を含む試料流を形成するとともに、その試料流にレーザ光を照射することによって、測定試料中の粒子(血球)が発する前方散乱光、側方散乱光および側方蛍光を検出する粒子(血球)の測定方法である。
【0023】
また、測定部2には、筐体外に設置された空圧部8が接続されており、空圧部8から供給される陰圧力および陽圧力を用いて、装置内における各種液体の移送を行うように構成されている。空圧部8は、測定部2に対して陰圧力を供給するための陰圧源81、および、陽圧力を供給するための陽圧源82を有している。この陰圧源81の陰圧力を用いることにより、測定に用いられる試薬が試薬調製装置4から測定部2に吸引される(試薬調製装置4から試薬が供給される)ように構成されている。
【0024】
データ処理部3は、パーソナルコンピュータ(PC)などからなり、測定部2の測定データを分析するとともに、その分析結果を表示する機能を有する。また、データ処理部3は、制御部(PC本体)31と、表示部32と、入力デバイス33とを含んでいる。
【0025】
制御部31は、図示しない通信インターフェースを介して測定部2および試薬調製装置4と通信可能に接続されており、測定部2の測定データを受信する他、測定開始信号およびシャットダウン信号を測定部2および試薬調製装置4に送信する機能を有する。ユーザは、入力デバイス33を用いて、測定モードの選択、測定部2および試薬調製装置4の起動およびシャットダウンなどを行うことが可能である。
【0026】
表示部32は、制御部31より入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する機能を有する。
【0027】
ここで、本実施形態では、試薬調製装置4は、測定部2で用いられる試薬を調製するために設けられている。具体的には、試薬調製装置4は、後述するRO水作製部(RO水供給ユニット)7によって水道水から作製されるRO水を用いて高濃度試薬(試薬原液)を所望の濃度に希釈することにより、血液分析に用いられる試薬を調製するように構成されている。なお、RO水とは、純水の一種であり、RO(Reverse Osmosis)膜(逆浸透膜)を透過することによって、不純物を取り除かれた水である。また、純水とは、RO水の他に、精製水、脱イオン水、および蒸留水などを含み、不純物を取り除く処理が実施された水であるが、その純度(水質)は特に限定されない。
【0028】
試薬調製装置4は、図2に示すように、筐体内に設けられた高濃度試薬チャンバ41と、RO水チャンバ42と、第1希釈チャンバ43および第2希釈チャンバ44と、2つのダイアフラムポンプ45aおよび45bと、攪拌チャンバ46と、供給チャンバ47と、試薬調製装置4の各部の動作を制御する制御部48とを含んでいる。さらに、図1に示すように、試薬調製装置4は、筐体外に設置された高濃度試薬タンク5と、空圧部6と、RO水作製部(RO水供給ユニット)7とにそれぞれ接続されている。試薬調製装置4は、高濃度試薬タンク5およびRO水作製部7からそれぞれ高濃度試薬およびRO水を取得するとともに、空圧部6から供給される陰圧力および陽圧力を用いて、装置内における各液体の移送を行うように構成されている。空圧部6は、試薬調製装置4に対して陰圧力を供給するための陰圧源61、および、陽圧力を供給するための陽圧源62を有している。なお、以下では、液体が測定部2に向かう方向を下流側、試薬調製装置4に液体(RO水など)が流入するRO水作製部7(または高濃度試薬タンク5)側を上流側として説明する。
【0029】
図2に示すように、高濃度試薬チャンバ41は、高濃度試薬タンク5から高濃度試薬が供給されるように構成されている。高濃度試薬チャンバ41には、チャンバ内に所定量の高濃度試薬が収容されていることを検知するためのフロートスイッチ100が設けられている。フロートスイッチ100は、高濃度試薬チャンバ41内の液量(液面)に応じてフロート部が上下動するように構成され、フロートスイッチ100のフロート部が下限に到達すると、フロート部が上限に達するまで高濃度試薬タンク5から高濃度試薬チャンバ41に高濃度試薬が供給されるように、制御部48により各部が制御されるように構成されている。これにより、高濃度試薬チャンバ41には、常時、約300mL貯留されるように高濃度試薬が供給される。
【0030】
また、高濃度試薬チャンバ41は、電磁バルブ200を介して高濃度試薬タンク5に接続され、電磁バルブ201を介して空圧部6の陰圧源61に接続されている。また、高濃度試薬チャンバ41は、電磁バルブ202の開閉により、大気に開放され、または、閉塞されるように構成されている。また、高濃度試薬チャンバ41は、流路300により、ダイアフラムポンプ45a(45b)から第1希釈チャンバ43(第2希釈チャンバ44)に液体を移送するための流路301に接続されている。また、流路300上には、電磁バルブ203が設けられており、電磁バルブ203の開閉により高濃度試薬の流路301への流入が制御される。
【0031】
RO水チャンバ42は、高濃度試薬を希釈するためのRO水がRO水作製部7から供給されるように構成されている。RO水チャンバ42には、チャンバ内に収容されるRO水が上限量に達したこと、および、下限量に達したことをそれぞれ検知するためのフロートスイッチ101および102が設けられている。フロートスイッチ101(102)は、RO水チャンバ42内の液量(液面)に応じてフロート部が上下動するように構成されている。フロートスイッチ101のフロート部がRO水チャンバ42の上限量(約600mL)に対応する位置に到達すると、RO水作製部7からRO水チャンバ42へのRO水の供給が停止され、フロートスイッチ102のフロート部がRO水チャンバ42の下限量(約300mL)に対応する位置に到達すると、RO水作製部7からRO水チャンバ42にRO水が供給されるように、制御部48により各部が制御されるように構成されている。これにより、試薬調製装置4が動作している間、RO水チャンバ42には、約300mL以上約600mL以下のRO水が貯留されることとなる。
【0032】
ここで、RO水作製部7と試薬調製装置4とは、取込ポート500を介して接続されている。RO水作製部7から供給されるRO水(純水)は、取込ポート500から試薬調製装置4内部に取り込まれ、流路501を通過してRO水チャンバ42に供給されるように構成されている。また、流路501には電磁バルブ207が設けられており、電磁バルブ207の開閉により試薬調製装置4内の流路501へのRO水の流入(供給)が制御されるように構成されている。
【0033】
また、RO水チャンバ42は、チャンバ内のRO水を廃棄可能に構成されている。具体的には、RO水チャンバ42は、電磁バルブ204を介して陽圧源62に接続されているとともに、電磁バルブ205を介して廃棄流路に接続されており、電磁バルブ204および205の両方を開放することによって、陽圧力で内部のRO水が廃棄流路に押し出されるように構成されている。また、RO水チャンバ42は、電磁バルブ206の開閉により、大気に開放され、または、閉塞されるように構成されている。また、RO水チャンバ42は、電磁バルブ208を介して、流路302によりダイアフラムポンプ45aおよび45bに接続されている。
【0034】
ここで、本実施形態では、取込ポート500よりも下流側の、RO水チャンバ42からダイアフラムポンプ45aおよび45bに至る流路302には、供給される液体の温度を雰囲気温度(筐体の内部であって熱交換器400の周辺温度)に近づけるように調節するための熱交換器400が設けられている。上記のようにRO水は水道水を用いて作製されるため、RO水作製部7から供給されるRO水の温度と、室内に設置され略室温に近い状態で使用される血液分析装置1(試薬調製装置4)および高濃度試薬の温度とが大きく乖離している場合がある。熱交換器400は、供給されたRO水を熱交換器400の外気と熱交換させることにより、RO水の温度を雰囲気温度に近づけるように調節する機能を有する。
【0035】
図3に示すように、熱交換器400は、熱伝導性を有する3本の管部材401、402および403と、管部材401〜403のそれぞれを接続するための接続部材404、405、406および407とを含み、管部材401〜403のそれぞれの内部に液体(RO水)を通過させてRO水と外部との熱交換を行うことが可能なように構成されている。
【0036】
管部材401、402および403は、金属(たとえば、SUS316L)からなり、それぞれ同一形状を有している。具体的には、管部材401、402および403は、それぞれ長さL(たとえば、約300mm)を有する円筒形状を有し、両端に連結部401a、402aおよび403aがそれぞれ設けられている。また、管部材401、402および403は、それぞれ外径d1(たとえば、約8mm)および内径d2(たとえば、約3mm)を有する。この内径d2の流路をRO水が通過する際にRO水と外部との熱交換が行われることによって、RO水の水温が雰囲気温度に近づくように調節される。より詳しくは、供給されたRO水が雰囲気温度よりも低い場合には、熱交換器400は、供給されたRO水を熱交換器400の外気と熱交換させることにより、RO水の温度を上昇させる。また、供給されたRO水が雰囲気温度よりも高い場合には、熱交換器400は、供給されたRO水を熱交換器400の外気と熱交換させることにより、RO水の温度を下降させる。
【0037】
また、接続部材404〜407は、それぞれウレタンチューブなどの湾曲可能な管状部材からなる。接続部材404は、管部材401の一方側(上流側)の連結部401aに設けられ、RO水チャンバ42側に接続されている。接続部材405は、管部材401の他方側(下流側)の連結部401aと、管部材402の一方側(上流側)の連結部402aとを接続している。また、接続部材406は、管部材402の他方側(下流側)の連結部402aと、管部材403の一方側(上流側)の連結部403aとを接続している。そして、接続部材407は、管部材403の他方側(下流側)の連結部403aに設けられ、ダイアフラムポンプ45aおよび45b側に接続されている。これにより、RO水チャンバ42から供給され接続部材404から流入するRO水が、外部との熱交換を行いながら3本の管部材401、402および403を方向を変えながら通過して、接続部材407からダイアフラムポンプ45aおよび45b側に流出するように構成されている。このように本実施形態では、RO水が3本の管部材401、402および403を方向を変えながら通過するように構成したことにより、熱交換器400が試薬調製装置4内に占めるスペースを小さくしつつ、RO水が管部材401〜403を通過する距離を長くすることができる。したがって、試薬調製装置4を大型化することなく、RO水を効率よく熱交換させることができる。
【0038】
また、図2に示すように、第1希釈チャンバ43および第2希釈チャンバ44は、それぞれ、RO水により高濃度試薬を希釈するために設けられている。また、第1希釈チャンバ43(第2希釈チャンバ44)は、後述するように、ダイアフラムポンプ45aおよび45bによって送り込まれる約300mLの液体(高濃度試薬およびRO水の混合液)を収容可能に構成されている。第1希釈チャンバ43(第2希釈チャンバ44)には、チャンバ内に収容された液体(高濃度試薬およびRO水の混合液)の残量が所定量に到達したことを検知するための上下動可能なフロートスイッチ103(104)が設けられている。第1希釈チャンバ43(第2希釈チャンバ44)は、常時大気開放された状態となるように構成されている。また、第1希釈チャンバ43(第2希釈チャンバ44)は、電磁バルブ209(210)を介して、流路303(304)により流路301に接続されている。電磁バルブ209および210の開閉を制御することによって、流路301を介して移送される液体(RO水および高濃度試薬)を流路303から第1希釈チャンバ43に供給するか、または、流路304から第2希釈チャンバ44に供給するかを選択することが可能である。第1希釈チャンバ43(第2希釈チャンバ44)は、電磁バルブ211(212)を介して、攪拌チャンバ46に接続されている。
【0039】
ダイアフラムポンプ45aおよび45bは、互いに同様の構成を有しており、同時に同じ動作を行うように構成されている。ダイアフラムポンプ45a(45b)は、1回の定量動作で高濃度試薬およびRO水をそれぞれ約6.0mL(一定量)分定量する機能を有し、1回の定量によって合計約12mL(約6.0mL×2)の液体を供給するように構成されている。また、ダイアフラムポンプ45a(45b)は、電磁バルブ213(215)を介して陰圧源61に接続されているとともに、電磁バルブ214(216)を介して陽圧源62に接続されている。
【0040】
ダイアフラムポンプ45aおよび45bによる液体(RO水および高濃度試薬)の供給動作は、電磁バルブ213(215)を介した陰圧源61による液体の流入と、電磁バルブ214(216)を介した陽圧源62による液体の流出との2つの過程を含む。そして、それぞれの過程において電磁バルブ203、208、209および210などの開閉制御に伴って流路300〜304から流路が選択されることにより、高濃度試薬チャンバ41またはRO水チャンバ42から高濃度試薬またはRO水が流入され、第1希釈チャンバ43または第2希釈チャンバ44へ供給されるように構成されている。本実施形態では、ダイアフラムポンプ45aおよび45bは、高濃度試薬よりも多量のRO水を供給するように構成されている。具体的には、ダイアフラムポンプ45aおよび45bにより、約12.0mL×24回=約288mLのRO水がRO水チャンバ42から吸引され、第1希釈チャンバ43または第2希釈チャンバ44に供給される。一方、約12.0mL×1回=約12mLの高濃度試薬が高濃度試薬チャンバ41から吸引され、第1希釈チャンバ43または第2希釈チャンバ44に供給される。したがって、約288mL(RO水)+約12mL(高濃度試薬)=約300mLの混合液が供給される。
【0041】
攪拌チャンバ46は、約300mLの液体を収容可能に構成されており、第1希釈チャンバ43(第2希釈チャンバ44)から供給される液体(高濃度試薬およびRO水の混合液)を攪拌するために設けられている。具体的には、攪拌チャンバ46は、屈曲されたパイプ461を有する。このパイプ461は、第1希釈チャンバ43(第2希釈チャンバ44)から供給される液体(高濃度試薬およびRO水の混合液)が攪拌チャンバ46の内壁面に沿って流動されることにより対流が発生して高濃度試薬とRO水とが攪拌されるように構成されている。ゆえに、本実施形態によれば、プロペラのように混合液を攪拌するための機構を設けることなく、簡素な構成で高濃度試薬とRO水とを攪拌することができる。
【0042】
攪拌チャンバ46には、チャンバ内に収容された液体(高濃度試薬およびRO水の混合液)の残量が所定量に到達したことを検知するための上下動可能なフロートスイッチ105が設けられている。フロートスイッチ105のフロート部が下限に到達してチャンバ内が空になると、電磁バルブ211(または212)と電磁バルブ217とを開放するとともに、電磁バルブ212(または211)と電磁バルブ218とを閉じることによって、第1希釈チャンバ43および第2希釈チャンバ44のいずれか一方から攪拌チャンバ46に約300mLの混合液(チャンバ内に収容されている混合液の全量)が供給されるように、制御部48により各部が制御されるように構成されている。
【0043】
供給チャンバ47は、測定部2への供給を待機する試薬を収容して、貯留しておくために設けられている。供給チャンバ47は、最大液量約600mLの試薬(攪拌された混合液)を収容可能である。供給チャンバ47には、チャンバ内に収容される試薬の残量が約300mLに到達したことを検知するためのフロートスイッチ106と、試薬の残量が略ゼロとなったことを検知するためのフロートスイッチ107とが設けられている。フロートスイッチ106(107)は、供給チャンバ47内の液量(液面)に応じてフロート部が上下動するように構成されている。フロートスイッチ106のフロート部が下限位置まで到達すると、攪拌チャンバ46から供給チャンバ47に約300mLの所望濃度の試薬が供給されるように、制御部48により各部が制御されるように構成されている。
【0044】
また、フロートスイッチ107により、チャンバ内に収容される試薬の残量が略ゼロとなったことを検知した場合には、測定部2への試薬の供給は停止される。これにより、何らかの理由で試薬が供給チャンバ47に供給されなかったとしても、極力測定部2への試薬の供給を継続させながら、測定部2に供給する試薬に気泡が混入することを防止することが可能である。
【0045】
また、供給チャンバ47は、電磁バルブ219を介して攪拌チャンバ46に接続されている。また、供給チャンバ47は、電磁バルブ220を開放することにより、メンテナンス時などにチャンバ内の試薬を廃棄可能に構成されている。また、供給チャンバ47は、常時大気開放された状態となるように構成されている。また、供給チャンバ47は、フィルタ471を介して測定部2に接続されている。フィルタ471は、測定部2に供給される試薬に不純物が混入するのを防止するために設けられている。
【0046】
また、本実施形態では、攪拌チャンバ46と供給チャンバ47との間の流路には、電気伝導度測定ユニット410が設けられている。電気伝導度測定ユニット410は電気伝導度計と温度センサ(サーミスタ)とを含み、試薬の電気伝導度および試薬の液温を測定する機能を有する。試薬の濃度と電気伝導度とは所定の関係を有するので、RO水と高濃度試薬とが混合された試薬(混合液)の電気伝導度を測定することにより、調製された試薬の濃度が適切な濃度であるか否かを判定することが可能である。また、電気伝導度測定ユニット410と電磁バルブ219との間には、電磁バルブ221を介して廃棄ポート502に至る廃棄流路が接続されている。測定された試薬の濃度が所望の濃度ではない場合には、その試薬が廃棄流路へ供給され、廃棄ポート502から廃棄されるように構成されている。
【0047】
図4に示すように、電気伝導度測定ユニット410は、第1本体部411および第2本体部412と、内部を通過した試薬が供給チャンバ47側に流出する流出口413aを有する第3本体部413と、攪拌チャンバ46側からの試薬の流入口414aを有する電極414と、第1本体部411および第2本体部412の間に設けられた電極415と、第2本体部412および第3本体部413の間に設けられた電極416と、試薬の温度を測定するためのサーミスタ417とを含んでいる。これらの第1本体部411、第2本体部412、第3本体部413、電極414、電極415および電極416は、いずれも内部に試薬流路418が形成されており、電極414の流入口414aから流入した試薬が内部を通過して第3本体部413の流出口413aから流出するように構成されている。電気伝導度測定ユニット410の内部に形成された試薬流路418は、内径d3が略等しくなるように設けられており、試薬の通過時に接合部分に生じ易い気泡の発生を抑制することが可能なように構成されている。このような構成により、電気伝導度測定ユニット410は、電極414、電極415および電極416の間を通過する試薬の電気伝導度を測定するように構成されている。
【0048】
具体的には、図5に示すように、両端の電極414および416を接地するとともに中央の電極415を交流電源と接続して、電極414および415の間と、電極415および416の間とに電圧を印加する。このとき、電極414および415の間の第1測定領域410aに存在する試薬の抵抗値R1と、電極415および416の間の第2測定領域410bに存在する試薬の抵抗値R2とがそれぞれ検出され、これらの抵抗値R1およびR2の合成抵抗Rに基づいて試薬(混合液)の電気伝導度Zが測定される。このように中央の電極415を交流電源と接続して、両端の電極414および416を接地することによって、電気伝導度測定ユニット410(電極414、415および416)の外部に電気が漏れることに起因して測定精度が低下するのを抑制することが可能なように構成されている。
【0049】
また、測定される電気伝導度Zは温度によって変化するので、サーミスタ417により測定された試薬の温度T(℃)を用いて温度補償を行い、制御部48により基準温度(25℃)に換算された試薬の電気伝導度Z(25℃換算値)が算出される。
電気伝導度Z(25℃換算値)は、試薬の電気伝導度に対する温度変化率Aを用いて、たとえば下記式に基づいて算出される。
=Z×{1+A×(T―25)}
温度変化率Aは、液体の種類や濃度によって異なるが、たとえば0.02が用いられる。
そして、Z(25℃換算値)と、実験により予め求められた基準温度(25℃)における試薬濃度の目標値(適正値)Zとを比較して、Zが目標値Zに対して所定範囲内にあるか否かが判断されることにより、試薬濃度が適正か否か(廃棄ポート502から試薬の廃棄を行うか否か)が制御部48により判定されるように構成されている。
【0050】
また、図4に示すように、本実施形態では、サーミスタ417は、第3本体部413に設けられ、試薬流路418内を電極416と略同じ位置まで延びるように設けられている。したがって、サーミスタ417は電気伝導度測定ユニット410の第2測定領域410b側に配置され、電極416の近傍における試薬の温度を測定するように構成されている。
【0051】
ここで、試薬の温度と雰囲気温度(電気伝導度測定ユニット410外部の雰囲気温度)とが乖離している場合には、試薬は、電気伝導度測定ユニット410によって雰囲気温度に近づくように熱交換されながら電気伝導度測定ユニット410を通過する。そのため、試薬の液温と雰囲気温度との温度差は、試薬流路418の入口において大きく、出口において小さくなり、電気伝導度測定ユニット410の内部(試薬流路418)において試薬の温度勾配が発生することになる。したがって、図5に示すように、電気伝導度測定ユニット410に流入した直後の電極414近傍における試薬の温度がT1(℃)、電極415近傍における温度がT2(℃)、電気伝導度測定ユニット410の出口付近である電極416近傍における温度がT3(℃)(T1<T2<T3、雰囲気温度が試薬温度よりも高い場合)となったと仮定する。この場合、第1測定領域410aで測定される試薬の抵抗値R1は、温度T1(℃)とT2(℃)との間の温度における試薬の抵抗値(電気伝導度)を反映した値となる。一方、第2測定領域410bで測定される試薬の抵抗値R2は、温度T2(℃)とT3(℃)との間の温度における試薬の抵抗値(電気伝導度)を反映した値となる。この結果、合成抵抗Rとしては概ね温度T2(℃)を反映した値が得られるため、温度T2(℃)における試薬の電気伝導度に相当する電気伝導度Z(T2℃相当)が測定される。しかしながら、このとき第2測定領域410b側のサーミスタ417で測定される温度は、T3(℃)となる。
【0052】
この場合には、測定された電気伝導度Z(T2相当)が、サーミスタ417により測定された試薬の温度T3(℃)を用いて、電気伝導度Z(25℃換算値)に換算されてしまう。この結果、正確な電気伝導度Z(25℃換算値)を取得することができなくなってしまう。
【0053】
さらに、測定対象である試薬は電気伝導度測定ユニット410の試薬流路418を通過していくため、電気伝導度Zおよび温度Tの測定を行っている間にもその試薬の位置は絶えず変化する。電気伝導度Zの測定は、電極414〜416間に電圧を印加することにより即時に取得することが可能な一方、サーミスタ417による温度Tの測定は、電気伝導度Zの測定時間よりも長い測定時間を要する。このため、たとえばサーミスタ417で電極415近傍の温度T2を測定しようとしても温度測定結果が得られるのは試薬がサーミスタ417を通過した後となるため、測定される電気伝導度Zは、温度T2が得られた試薬とは異なる位置を流れる試薬の電気伝導度である場合がある。このように試薬の温度と雰囲気温度との乖離に起因して試薬温度に温度勾配が発生する場合には、電気伝導度Z測定時点の試薬の温度Tを正確に測定することが困難となる。
【0054】
そこで、本実施形態では、供給されるRO水の温度を熱交換器400によって雰囲気温度に近づけるように調節することにより、RO水と高濃度試薬とが混合された試薬(混合液)を雰囲気温度に近い温度で電気伝導度測定ユニット410に供給することができるので、電気伝導度測定ユニット410内での試薬の温度変化を抑制して温度勾配が発生するのを抑制することが可能である。すなわち、電気伝導度測定ユニット410内(試薬流路418)の各位置における試薬の温度をT1(℃)≒T2(℃)≒T3(℃)(≒T℃)とすることが可能となる。この結果、測定された電気伝導度Zが反映する温度(T℃)と、サーミスタ417により測定された試薬の温度(T℃)とに温度差が発生するのが抑制されることから、測定された試薬の電気伝導度Zと温度(T℃)とに基づいて正確な電気伝導度Z(25℃換算値)を取得することが可能である。
【0055】
また、図2に示すように、試薬調製装置4に接続されたRO水作製部(RO水供給ユニット)7は、高濃度試薬を希釈するための希釈用液体としてのRO水を、水道水を用いて作製することが可能なように構成されている。また、RO水作製部7は、RO水貯留タンク7aと、RO膜7bと、水道水に含まれる不純物を取り除くことによって、RO膜7bを保護するためのフィルタ7cとを含んでいる。さらに、RO水作製部7は、水分子がRO膜7bを透過するようにフィルタ7cを通過した水に高圧をかける高圧ポンプ7dと、水道水の供給を制御する電磁バルブ7fとを含んでいる。
【0056】
RO水貯留タンク7aは、RO膜7bを透過したRO水を貯留するために設けられている。RO水貯留タンク7aには、所定量のRO水が貯留されていることを検知するためのフロートスイッチ7eと、RO水の水質を検知するための電気伝導度測定ユニット7gとが設けられている。なお、RO水がRO水作製部7からRO水貯留タンク7aに供給される速度、すなわち、RO水作製部7によるRO水の作製速度は、約20L/時間以上約50L/時間以下である。
【0057】
図6に示すように、制御部48は、CPU48aと、ROM48bと、RAM48cと、データ処理部3に接続される通信インターフェース48dと、各回路を介して、試薬調製装置4内の各部に接続されるI/O(Input/Output)部48eとを含んでいる。
【0058】
CPU48aは、ROM48bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM48cにロードされたコンピュータプログラムを実行するために設けられている。また、CPU48aは、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、RAM48cを作業領域として利用するように構成されている。
【0059】
通信インターフェース48dは、ユーザが試薬調製装置4内で発生したエラーなどを確認することができるように、各種の情報をデータ処理部3に伝達可能に構成されている。
【0060】
I/O部48eは、図6に示すように、各センサ回路を介して、フロートスイッチ100〜107、電気伝導度測定ユニット410から信号が入力されるように構成されている。また、I/O部48eは、各駆動回路を介して、電磁バルブ200〜221および空圧部6などの駆動を制御するために、各駆動回路に信号を出力するように構成されている。
【0061】
次に、図1、図2、図4および図7を参照して、本発明の一実施形態による試薬調製装置4の試薬調製処理動作について説明する。
【0062】
図2に示すように、試薬調製処理動作は、ユーザがデータ処理部3から装置起動を指示したとき、すなわち、試薬調製装置4がデータ処理部3から起動信号を受信したときに開始される。試薬調製処理動作が開始されると、まず、図7のステップS1において、CPU48aにより、ROM48bに記憶されているコンピュータプログラムの初期化が行われる。
【0063】
そして、ステップS2において、RO水作製部7ではRO水作製処理が開始される。すなわち、高圧ポンプ7dが駆動され、フィルタ7cを通過した水が高圧によりRO膜7bを透過する。そしてフロートスイッチ7eの検知結果に基づいて、所定量のRO水がRO水貯留タンク7aに収容されるまでRO水がRO水貯留タンク7aに供給される。
【0064】
次に、ステップS3において、CPU48aにより電磁バルブ207が開放され、取込ポート500を介してRO水チャンバ42へのRO水の供給が行われる。この際、フロートスイッチ101(102)の検知結果に基づいてRO水チャンバ42に所定量のRO水が供給される。なお、このステップS3の後もRO水供給処理は継続して実行され、フロートスイッチ101(102)の検知結果に基づいて、逐次RO水チャンバ42にRO水が供給される。
【0065】
ステップS4において、CPU48aにより、供給チャンバ47に所定量の試薬が貯留されているか否かが判断される。すなわち、フロートスイッチ106の検知結果に基づいて、供給チャンバ47に所定量(約300mL以上約600mL以下)の試薬が貯留されているか否かが判断される。所定量の試薬が貯留されている場合には、ステップS12に移行される。
【0066】
一方、所定量の試薬が貯留されていない場合には、ステップS5において、ダイアフラムポンプ45aおよび45bにより、第1希釈チャンバ43(または、第2希釈チャンバ44)への高濃度試薬およびRO水の供給が行われる。具体的には、バルブ208が開放されるとともに、バルブ213(215)が開放され、陰圧源61によって印加される陰圧により、RO水がRO水チャンバ42から流出してダイアフラムポンプ45a(45b)に供給される。RO水チャンバ42から流出したRO水は、流路302を通って熱交換器400に供給される。熱交換器400に供給されたRO水は、熱交換器400の管部材401〜403を通過しながら熱交換される。これにより、RO水の温度が雰囲気温度に近づくように温度調節される。温度調節されたRO水はダイアフラムポンプ45a(45b)に引き込まれる。ついでバルブ208および213が閉塞され、バルブ214および209(210)が開放され、陽圧源62によって印加される陽圧によりダイアフラムポンプ45a(45b)に引き込まれたRO水が第1希釈チャンバ43(第2希釈チャンバ44)に供給される。このようなRO水の供給がダイアフラムポンプ45aと45bとによって24回行われることにより、温度調節された288mLのRO水が第1希釈チャンバ43に供給される。また、同様にして高濃度試薬チャンバ41から第1希釈チャンバ43へ12mLの高濃度試薬が供給され、ダイアフラムポンプ45aおよび45bにより、合計約300mLのRO水および高濃度試薬が供給される。
【0067】
ステップS6において、第1希釈チャンバ43(または、第2希釈チャンバ44)内に収容された約300mLの混合液の全量が攪拌チャンバ46に供給される。この際、供給される混合液は、攪拌チャンバ46内に設けられたパイプ461により、攪拌チャンバ46の内壁に沿うように流されることによって、攪拌チャンバ46内で攪拌される。また、たとえば第1希釈チャンバ43から攪拌チャンバ46に混合液が供給される間に、上記ステップS5において第2希釈チャンバ44に約300mLの混合液が供給される。したがって、第1希釈チャンバ43と、第2希釈チャンバ44とは、試薬(混合液)の攪拌チャンバ46への供給動作と、合計約300mLのRO水と高濃度試薬とが供給される希釈動作とが、交互に行われる。
【0068】
ステップS7において、電磁バルブ218および219が開放されて試薬が攪拌チャンバ46から供給チャンバ47に向かって供給(移送)される。この際、ステップS8において、電気伝導度測定ユニット410により、試薬流路418(図4参照)を通過する試薬の電気伝導度Zが測定されるとともに、サーミスタ417により試薬の温度Tが測定される。
【0069】
次に、ステップS9において、CPU48aにより、測定された試薬温度Tおよび電気伝導度Z(T℃相当)に基づいて、基準温度(25℃)への温度補償が行われることによって、試薬の電気伝導度Z(25℃換算値)が算出される。そして、ステップS10において、CPU48aにより、試薬の電気伝導度Z(25℃換算値)が所定範囲内にあるか否かが判断される。すなわち、予め測定された希釈倍率25倍、基準温度(25℃)における試薬の電気伝導度の目標値Zに対して、測定された電気伝導度Zの25℃換算値Zが所定範囲内にあるか否かが判断される。
【0070】
電気伝導度Z(25℃換算値)が所定範囲内にない場合には、ステップS11において、電磁バルブ219(図2参照)が閉じられるとともに、電磁バルブ221(図2参照)が開放されて、攪拌チャンバ46内の試薬が廃棄ポート502から廃棄される。電気伝導度Z(25℃換算値)が所定範囲内にある場合には、電磁バルブ219(図2参照)が開放(電磁バルブ221が閉塞)されているので、攪拌チャンバ46内の試薬が供給チャンバ47に供給される。これにより、精度よく希釈された試薬のみを供給チャンバ47に貯留させることが可能となる。なお、試薬が攪拌チャンバ46から供給チャンバ47に供給され、または廃棄ポート502から廃棄されることにより、攪拌チャンバ46内の試薬が空になったことがフロートスイッチ105により検知されると、第2希釈チャンバ44(または、第1希釈チャンバ43)から試薬が攪拌チャンバ46に供給される。
【0071】
次に、ステップS12において、CPU48aにより、ユーザからのシャットダウン指示の有無が判断され、指示がない場合にはステップS4に移行される。したがって、ステップS12においてシャットダウン指示がない場合には、上記ステップS4〜S12までの処理が繰り返される。これらのステップS4〜S12までの処理の間にも測定部2では検体の測定動作(試薬の使用)が行われる。このため、ステップS4〜S12までの処理と並行して、供給チャンバ47内の試薬は、空圧部8(図1参照)の陰圧源81(図1参照)から供給される陰圧力によって測定部2に吸引(測定部2に供給)される。また、上記ステップS5〜S7において説明したように、高濃度試薬チャンバ41、RO水チャンバ42、第1希釈チャンバ43、第2希釈チャンバ44および攪拌チャンバ46のそれぞれへの高濃度試薬、RO水、混合液などの供給は、それぞれのフロートスイッチ100〜105の検知結果に基づいて行われる。したがって、各チャンバ内の液体が空の状態では上記ステップS4〜S7の順で動作するが、以降の動作においては、ステップS4における供給チャンバ47内の試薬量の判断結果に関わらず、フロートスイッチ100〜105の検知結果により各液体の供給が必要と判断されたタイミングでそれぞれのチャンバへの供給動作が行われる。
【0072】
また、シャットダウン指示がある場合には、ステップS13において、所定のシャットダウン処理が実行される。たとえば、調製途中の試薬がある場合には、最終的に供給チャンバ47に供給されるまで動作が継続される。また、RO水チャンバ42へのRO水の供給が終了して、RO水チャンバ42からRO水が排出される。これにより、試薬調製装置4が次回起動されるまでRO水がRO水チャンバ42に滞留してしまうのを防止することが可能である。シャットダウン処理が正常に行われると、試薬調製処理動作が終了する。
【0073】
本実施形態では、上記のように、攪拌チャンバ46から供給される試薬(混合液)を内部に通過させ、通過する試薬の電気伝導度Zを取得する電気伝導度測定ユニット410を設けることにより、攪拌チャンバ46内の液体(試薬)の液面と電気伝導度測定ユニット410とが接触することがないので、攪拌チャンバ46内の液面に気泡が発生した場合の電気伝導度測定ユニット410への影響を抑制することができる。したがって、たとえばタンク内にプロペラを設けずに混合液を攪拌してもよく、試薬調製装置4の構成を簡素化することができる。さらに、試薬の液温を取得するサーミスタ417を備え、このサーミスタ417および電気伝導度測定ユニット410の上流に、液体の温度を調節する熱交換器400を設けることによって、温度調節された試薬をサーミスタ417および電気伝導度測定ユニット410に供給することができる。これにより、電気伝導度測定ユニット410によって電気伝導度Zが測定されたときの混合液の液温と、サーミスタ417によって取得された液温T(℃)との温度差を小さくすることができ、正確な電気伝導度Zに基づいて、試薬の流れを制御することができる。
【0074】
また、本実施形態では、熱交換器400に熱伝導性を有する管部材401、402および403を設け、管部材401、402および403の内部にRO水を通過させてRO水と外部との熱交換を行うことが可能なように構成することによって、供給されるRO水を熱伝導性を有する管部材401、402および403の内部に通過させることによってRO水と外部(雰囲気)との熱交換を行うことができるので、温度センサやヒータなどの構成を用いることなく、簡単な構成で容易にRO水の液温を調節することができる。
【0075】
また、本実施形態では、熱伝導性を有する管部材401、402および403を、金属(SUS316L)から構成した。このように熱伝導率が高く加工が容易な金属(SUS316L)によって管部材401、402および403を構成することによって、RO水と外部(雰囲気)との熱交換を効果的に行うことが可能な熱伝導性の高い管部材401、402および403を、容易に得ることができる。
【0076】
また、本実施形態では、ダイアフラムポンプ45aおよび45bを、高濃度試薬(約12ml)より多量のRO水(約288ml)を第1希釈チャンバ43または第2希釈チャンバ44(攪拌チャンバ46)に供給するように構成することによって、RO水の温度を調節するのみで試薬(混合液)の温度を調節することができるから、高濃度試薬の温度を調節するための温度調節部を設ける必要がなく、構成が簡素化できる。
【0077】
また、本実施形態では、本発明の第1の液体を、RO水(純水)とするように構成することによって、熱交換器400にRO水を供給した後で熱交換器400を洗浄する必要がない。
【0078】
また、本実施形態では、制御部48(CPU48a)により、基準温度(25℃)における試薬の電気伝導度Zが目標値Zに対して所定範囲内にあるか否かを判断し、電気伝導度Zが目標値Zに対して所定範囲内にない場合には、試薬が廃棄ポート502から廃棄されるように試薬の流れを制御することによって、試薬の品質(濃度)を試薬の電気伝導度Zに基づいて判断し、所定範囲内にない低品質の試薬を廃棄ポート502から廃棄することができるので、品質に問題のない適正濃度の試薬(混合液)のみを測定部2に供給することができる。
【0079】
また、本実施形態では、サーミスタ417を、電気伝導度測定ユニット410の内部に配置することによって、電気伝導度測定ユニット410により電気伝導度Zが取得されたときの液温と、サーミスタ417により得られた液温T(℃)との乖離がより小さくなる。
【0080】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0081】
たとえば、上記一実施形態では、本発明の試薬調製装置の一例として、測定部2と別個に設置される試薬調製装置4を示したが、本発明はこれに限られない。本発明の試薬調製装置は、たとえば、測定部内に設けられ、試薬調製機構として機能する試薬調製装置であってもよい。試薬調製機構を備える測定部(装置)としては、たとえば、血球計数装置、免疫測定装置および塗抹標本作製装置などがあり、これらの試薬調製機構に本発明を適用してもよい。
【0082】
また、上記一実施形態では、RO水作製部7を試薬調製装置4の外部に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、RO水作製部を試薬調製装置の一部として、試薬調製装置の内部に設けてもよい。この場合にも、RO水作製部からRO水を取り込む取込ポートよりも下流に熱交換器を設ければよい。
【0083】
また、上記一実施形態では、第1希釈チャンバ43(第2希釈チャンバ44)に供給されるRO水を貯留するためのRO水チャンバ42を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、RO水チャンバを設けることなく、RO水作製部からダイアフラムポンプによって直接希釈チャンバにRO水を供給するように構成してもよい。
【0084】
また、上記一実施形態では、本発明の混合容器の一例として、2つの希釈チャンバ(第1希釈チャンバ43および第2希釈チャンバ44)を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、混合容器(希釈チャンバ)を1つだけ設けてもよいし、混合容器(希釈チャンバ)を3つ以上設けてもよい。
【0085】
また、上記一実施形態では、本発明の混合容器の一例として、攪拌チャンバ46を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、攪拌チャンバを設けなくてもよい。希釈チャンバ(第1希釈チャンバ43および第2希釈チャンバ44)でRO水と高濃度試薬とが確実に混合(攪拌)されるように構成すれば、攪拌チャンバを設ける必要はない。したがって、この場合には電気伝導度測定ユニット410を希釈チャンバの下流側に設けてもよい。
【0086】
また、上記一実施形態では、本発明の温度調節部の一例として、熱交換器400を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、温度調節部として熱交換器以外のヒータおよび冷却器などを用いてもよい。この場合、サーミスタにより液温と雰囲気温度とを取得して、両者が一致するようにヒータおよび冷却器により液温の温度調節を行うように構成してもよい。
【0087】
また、上記一実施形態では、熱交換器400をRO水チャンバ42と希釈チャンバ(第1希釈チャンバ43および第2希釈チャンバ44)との間(流路302)に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、取込ポート500とRO水チャンバ42との間(流路501)の位置、希釈チャンバ(第1希釈チャンバ43および第2希釈チャンバ44)と攪拌チャンバ46との間の位置、および、攪拌チャンバ46と電気伝導度測定ユニット410との間の位置などのいずれの位置に熱交換器を設けてもよい。熱交換器は、本発明の電気伝導度取得部としての電気伝導度測定ユニットおよび本発明の液温取得部としてのサーミスタよりも上流側に設けられていればよい。なお、希釈チャンバと攪拌チャンバとの間の位置、または、攪拌チャンバと電気伝導度測定ユニットとの間の位置に熱交換器を設ける場合には、RO水でなく希釈(混合)後の試薬(混合液)の温度を調節することになる。本発明は、このような構成であってもよい。
【0088】
また、上記一実施形態では、1つの熱交換器400をRO水チャンバ42と希釈チャンバ(第1希釈チャンバ43および第2希釈チャンバ44)との間(流路302)に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、熱交換器を2つ以上設けてもよい。
【0089】
また、上記一実施形態では、熱交換器400に、3本の熱伝導性を有する管部材401、402および403を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。熱伝導性を有する管部材は1本または2本でもよいし、4本以上でもよい。
【0090】
また、上記一実施形態では、熱伝導性を有する管部材401、402および403をそれぞれ金属(SUS316L)により構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、管部材は金属以外の材料を用いてもよいし、たとえばアルミニウムなどSUS316L以外の金属材料を用いてもよい。
【0091】
また、上記一実施形態では、熱交換器400に、熱伝導性を有する管部材401、402および403を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、熱交換器に管部材以外の部材を用いてもよい。
【0092】
なお、本発明において熱交換器の設置場所については特に限定されない。したがって、本発明では、熱交換器を試薬調製装置4の装置内部に収納してもよいし、装置外部に露出するように設けてもよい。
【0093】
また、上記一実施形態では、電気伝導度測定ユニット410を、攪拌チャンバ46と供給チャンバ47との間(攪拌チャンバ46から供給チャンバ47に至る流路)に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。電気伝導度測定ユニットは、攪拌チャンバと供給チャンバとの間に設けられている必要はない。たとえば、攪拌チャンバから供給チャンバに至る流路とは別の流路に設けられていてもよい。この場合、攪拌チャンバ内の試薬の一部を電気伝導度測定ユニットに供給し、電気伝導度が所定の範囲内であれば攪拌チャンバ内の残液を供給チャンバに供給するように構成してもよい。
【0094】
また、上記一実施形態では、電気伝導度測定ユニット410に電極414、電極415および電極416の3つの電極を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、2つ(一対)の電極を設けた電気伝導度測定ユニットを用いてもよい。また、電気伝導度測定ユニット410の両端の電極414および415を交流電源と接続して、中央の電極415を接地するように構成してもよい。また、電気伝導度測定ユニットに4つ以上の電極を設けてもよい。
【0095】
また、上記一実施形態では、本発明の液温取得部の一例として、サーミスタ417を電気伝導度測定ユニット410の内部に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、サーミスタを電気伝導度測定ユニットの外部に設けてもよい。
【0096】
また、上記一実施形態では、サーミスタ417を電気伝導度測定ユニット410内部の第2測定領域410b側に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、サーミスタ417を電気伝導度測定ユニット410の第1測定領域410a側に設けてもよいし、電気伝導度測定ユニット410内部の他の位置に設けてもよい。
【0097】
また、上記一実施形態では、本発明の液温取得部の一例として、サーミスタ417を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、液温取得部にサーミスタ以外の温度センサを用いてもよい。
【符号の説明】
【0098】
2 測定部
4 試薬調製装置
43 第1希釈チャンバ(混合容器)
44 第2希釈チャンバ(混合容器)
45a、45b ダイアフラムポンプ(定量供給部)
46 攪拌チャンバ(攪拌部)
48 制御部
400 熱交換器(温度調節部)
401、402、403 管部材
410 電気伝導度測定ユニット(電気伝導度取得部)
417 サーミスタ(液温取得部)
418 試薬流路
502 廃棄ポート
電気伝導度(混合液の電気伝導度)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬を用いて検体を測定する測定部に、第1の液体と第2の液体とを含む混合液を試薬として供給可能に構成された試薬調製装置であって、
前記第1の液体と前記第2の液体とを混合する混合容器と、
前記混合容器より下流に設けられており、前記混合容器から供給される混合液を内部に通過させ、通過する混合液の電気伝導度を取得する電気伝導度取得部と、
前記混合容器より下流に設けられており、混合液の液温を取得する液温取得部と、
前記電気伝導度取得部および前記液温取得部より上流に設けられており、供給される液体の温度を調節する温度調節部と、
前記電気伝導度取得部により取得された電気伝導度と、前記液温取得部により取得された液温とに基づいて混合液の流れを制御する制御部とを備える、試薬調製装置。
【請求項2】
前記温度調節部は、熱伝導性を有する管部材を含み、前記管部材の内部に液体を通過させて液体と外部との熱交換を行うことが可能なように構成されている、請求項1に記載の試薬調製装置。
【請求項3】
前記管部材は、液体が方向を変えながら内部を通過するように構成されている、請求項2に記載の試薬調製装置。
【請求項4】
前記熱伝導性を有する管部材は、金属からなる、請求項2または3に記載の試薬調製装置。
【請求項5】
前記温度調節部は、前記混合容器より上流に設けられ、前記第1の液体の温度を調節するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の試薬調製装置。
【請求項6】
前記第1の液体が、純水である、請求項5に記載の試薬調製装置。
【請求項7】
前記第1の液体および前記第2の液体を定量して前記混合容器に供給する定量供給部をさらに備え、
前記定量供給部は、前記第2の液体より多量の前記第1の液体を前記混合容器に供給するように構成されている、請求項5または6に記載の試薬調製装置。
【請求項8】
混合液を廃棄するための廃棄ポートをさらに備え、
前記制御部は、前記電気伝導度取得部により取得された電気伝導度と、前記液温取得部により取得された液温とに基づいて、混合液が所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たさないとき、混合液が前記廃棄ポートに流れるように混合液の流れを制御するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の試薬調製装置。
【請求項9】
前記液温取得部は、前記電気伝導度取得部の内部に設けられている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の試薬調製装置。
【請求項10】
前記電気伝導度取得部は、混合液を通過させるための所定長さを有する流路を備え、
前記液温取得部は、前記電気伝導度取得部の流路の中央の位置から外れた位置に設けられている、請求項9に記載の試薬調製装置。
【請求項11】
混合液を容器に流入させることにより攪拌する攪拌部をさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の試薬調製装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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