説明

試験液輸送装置

液体サンプル(4)で作業するシステム(3)において液体を輸送または試験する装置(1)であって、このシステムは、X方向とこれに直交するY方向に存在する水平の作業場(5)を備え、前記装置(1)は、少なくとも1つの機能的端部(22)を備える少なくとも1つの機能的素子(2)を備え、前記機能的素子(2)は前記作業場(5)に対してZ方向に直角に配置される。前記装置(1)は、前記の少なくとも1つの機能的素子(2)の傾動可能な固定保持のための少なくとも1つの傾動ユニットを備える。前記傾動ユニット(8)は、前記作業場(5)に直交するZ軸(11)に相対的に、前記機能的素子(2)の機能的端部(22)の個々のアライメントのための複数のアクチュエータ(10)と、これらのアクチュエータ(10)を電気的に駆動する制御ユニット(17)とを備える。前記機能的素子(2)の各々は、作業場(5)のX方向とY方向に個々にかつ互いに独立に傾動可能である。好ましくは、作業場(5)の少なくとも1つの区分で、少なくともZ方向に前記機能的素子を移動するために組み込まれるロボットアーム(6)に結合され、前記制御ユニット(17)は、ロボットアーム(6)の動きの制御と、前記作業場(5)に垂直なZ軸(11)に相対的に前記機能的素子の機能的端部(22)の位置における変化とを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、請求項1のプリアンブルに記載されているように、液体サンプルで作業するシステムにおいて液体を輸送または検査する装置である。そのようなシステムは、たとえば、X方向とこれに直交するY方向にあるほぼ水平の作業場を備える。この装置は、少なくとも1つの機能的端部を備える少なくとも1つの機能的素子を備え、この機能的素子は作業場に対してZ方向に直角に配置される。この装置は、少なくとも1つの前記機能的素子の傾動可能な固定保持のための少なくとも1つの傾動ユニットを備える。好ましくは、そのシステムは、少なくとも1つのロボットアームを備え、少なくとも1つの本発明による装置がロボットアームに取り付けられる。次いで、このロボットアームは、作業場の少なくとも1区分において、機能的素子を少なくともZ軸に移動するために用いられる。
【背景技術】
【0002】
液体処理の技術分野において、液体サンプルを吸引し分配する装置は、ピペットまたはピペッターとして知られている。液体サンプルを分配するためにのみ使用できる装置は通常はディスペンサという。10μlより小さい量のピペット処理を自動化するため、2つの操作(すなわち、液体サンプルの定義された取り出し(吸引)と、それにつづく流出(分配))が区別されねばならない。これらの間で、ピペットの先端は、通常は実験者または自動化装置により、液体サンプルが吸引される場所から、それとは異なる、液体サンプルが分配される場所へ移動される。ポンプ(たとえば、手動ポンプの形状の希釈器)、液体ラインおよび端部部品(ピペットの先端)からなる液体システムのみが、吸引および/または分配の正確さと再現性のために欠くことができない。
【0003】
ピペットの先端を用いた液体の配達は、「空中から」すなわち、表面を触ることにより行える。この表面は、容器に液体サンプルが分配されるときの容器の固体表面(「先端の接触」)であってもよい。また、この容器の中の液体面であってもよい(「液体表面上」)。分配につづく混合操作は、反応溶液中の試料の均一な分散を保証するために、特にナノリットルやピコリットルの範囲での非常に小さな試料体積の場合に、望ましい。
【0004】
使い捨て可能な先端すなわち捨てられるピペット先端は、意図しない量の試料の容器への移送の危険(汚染)を非常に減少する。単純な投げ捨てチップ(いわゆる空気置換式先端)がよく知られているが、その形状と素材は、再現性のよい非常に少量の引き出しおよび/または引き渡しのために最適化される。内部にポンプ/プランジャーを備えるいわゆる容積置換式先端の使用も、同様に知られている。
【0005】
容器からの液体のピペット操作などの、液体を取り扱うための作業プラットホームまたはシステムは、たとえば、米国特許第5,084,242号明細書から知られている。たとえばドイツ特許第DE−10116642号や欧州特許第EP−0206945号から知られている装置では、液体は、そのような容器からマイクロプレートの井戸状穴の中に分配されまたはピペット操作がされる。特に米国特許第5,084,242号明細書から知られる一般的な装置を備えたシステムでは、容器と、その装置を備えたロボットアームが、相互に関連されて配置されるので、液体の取り扱いは、自動的に再現性よく進む。従来技術のすべての装置とシステムに共通であることは、ピペットの先端またはディスペンサーの先端が、使用されるシステムまたはロボットの幾何学的軸の関数として動かされることである。
【特許文献1】米国特許第5,084,242号明細書
【特許文献2】ドイツ特許第DE−10116642号
【特許文献3】欧州特許第EP−0206945号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ロボットアームが取り付けられているか否かを問わず、また、液体サンプルで作業するシステムの幾何学的軸に依存せずに、また、そのようなシステムに使用されるロボットの動きの軸に依存せずに、液体を輸送または試験するためのピペットの先端または他の細長い対象物の位置を並べるための別の装置および/または方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、独立形式の請求項1の特徴部分により達成される。すなわち、前記傾動ユニット(8)は、前記作業場(5)に直交するZ軸(11)に相対的に、前記機能的素子(2)の機能的端部(22)の個々の配置調整(アライメント)のための複数のアクチュエータ(10)と、これらのアクチュエータ(10)を電気的に駆動する制御ユニット(17)とを備える。ここで、前記機能的素子(2)の各々は、作業場(5)のX方向とY方向に個々にかつ互いに独立に傾けられる。さらに、発明の好ましい特徴は、従属形式の請求項から得られる。
【発明の効果】
【0008】
発明の効果は、以下に記載される事項や状況からなる。すなわち、たとえばピペットの先端を通常の作業プラットホームのある1つの位置に自動的に位置できる精度は、1536の井戸状穴を備えるマイクロプレートの複数の井戸状穴にルーチン的にかつ正確に近づくには不十分であることがわかっている。特に、複数のマイクロプレートが作業場の少なくとも1区画に位置できるが、1列に並んだ多数のピペットを用いるとき、ロボットアームの座標系からのマイクロプレートの微小な変位は目立つようになる。最悪の場合、理想的な位置からのそのような変位またはずれは、X軸、Y軸およびZ軸での値に影響する。誤差許容度があまりにも大きければ、井戸状穴に位置されるべき1以上のピペットの先端、温度センサ、pHプローブなどの細長い対象物がマイクロプレートの井戸状穴の壁または表面との衝撃により損傷を受ける危険を生じる。さらに、そのような対象物のマイクロプレートの表面との緩やかでない衝突が起きると、試料を失う危険や、隣の試料や作業位置を汚染する危険がある。したがって、マイクロプレートの部分に偶発的に接触する危険なしに、井戸状穴に正確に接近することは、たとえば血液試料の検査の自動化のために使用できる液体処理システムを用いたルーチンの作業のための基本的な要請である。本発明の装置は、ピペットロボットの動きの軸に依存せずに、複数のピペットの先端のそれぞれの位置を正確にするので、ロボットの動きシステムと、本発明のピペット先端の動きシステムは、相互に補足できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は、複数の液体サンプル4で作業するためのシステム3において、液体を輸送または検査するための装置1を示す。このシステム3は、ロボットのサンプルプロセッサ(RSP)であり、ほぼ水平の作業場5と少なくとも1つのロボットアーム6とその制御器とからなる。基本的に、作業場5は、任意の形状をとれるが、好ましくは円形であり、より好ましくは長方形である。
【0011】
ロボットアーム6は、Z方向に作業場5にほぼ直交して位置された少なくとも1つの機能的素子2を備える。本発明では、機能的素子2は、ピペットまたはディスペンサの先端20またはpHプローブ、温度センサなどのセンサ21などの試料分析または輸送のための細長いものをいう。たとえば、多重のピペットの先端やくし状部材も機能的素子2という。
【0012】
ロボットアーム6は、作業場5の少なくとも1区画に少なくともZ方向に機能的素子2を移動することを意図されている。1つの試験管または96、385または1536の井戸状穴を備えたマイクロプレートは、作業場5の1区画という。作業場5の1区画は、好ましくは、複数のそのような試料搬送体または使い捨て型のピペット先端のための取出点と滴下点からなる。校正ステーション(たとえばpHプローブのための)、洗浄ステーション、廃棄物収集点及び同様な輸送に必要なサービス点もまた、作業場5のアクセス可能な区分の部分である。
【0013】
本発明の装置1は、少なくとも1つの傾動ユニット8を備える。傾動ユニット8は、少なくとも1つの機能的素子2の傾動可能な固定保持のためロボットアーム6の上で動く。機能的素子2の複数の機能的端部22(多重ピペットの1以上の先端、または、プローブのセンサの先端など)は、本質的な役割を果たす。これは、本発明の装置1が、作業場5に垂直にZ軸に対して、機能的素子の機能的端部22を向けるためのアクチュエータを備えるからである(図3B参照)。
【0014】
本発明の文脈では、種々の寸法または拡がりの能動的素子がアクチュエータとして設計される。そのようなアクチュエータ10は、好ましくは印加電圧によって膨張または収縮するピエゾ素子である。ここで、いわゆる圧電スタックが、多重の膨張が可能なので、特に好ましい。また、アクチュエータ10は、温度の関数として収縮及び膨張をするバイメタルなどの素子であってもよい。もっとも単純な形態では、アクチュエータ10は、たとえば、手動操作のためのねじである。
【0015】
本発明の装置1の第1の実施形態によれば(図1、図3Aおよび図4A参照)、傾動ユニット8のアクチュエータ10は、機能的素子2のシャフト12に、直接的に作用するように形成される。
【0016】
本発明の装置1の第2の実施形態によれば(図2、図3Bおよび図4B参照)、傾動ユニット8のアクチュエータ10は、機能的素子2のシャフト12に、その機能的素子2の羽根13,13’により間接的に作用するように形成される。
【0017】
傾動装置8の複数のアクチュエータ10は、好ましくは、少なくとも1つのほぼ水平の面14,14’の上に、相互に直角に配置されて、機能的素子2のシャフト12に作用する(たとえば図1,図3A、図4A)。このように位置された複数のアクチュエータ10は、ロボットアーム6の動きの軸に完全に依存しない個々の座標系を定義する。好ましくは、複数のアクチュエータ10は、同じ水平面14,14’の上にあり、相互に直角をなし、デカルト座標系を形成する。
【0018】
最も単純な実施の形態では、傾動ユニット8は、ジョイントのない保持部を備え、保持部に機能的素子が固定される(図4参照)。好ましい実施の形態では、傾動ユニット8は、面14,14’の間に、好ましくは対称的に、配置されるジョイントを備える(図1、図3参照)。
【0019】
また、傾動ユニット8のアクチュエータ10は、ほぼ垂直に配置され、機能的素子2に結合された羽根13,13'の上に、ほぼZ方向に作用する(図2、図3B参照)。図4Bに示されるアクチュエータ10の配置は、羽根13”,13'''の上での作用においてほぼ垂直であるとみられる。「ほぼ垂直」とは、アクチュエータ10の実際の方向に無関係に、羽根13,13',13”,13'''の表面の上でのアクチュエータの作用の方向を意味する。
【0020】
また、傾動ユニット8のすべてのまたは一部のアクチュエータ10は、機能的素子2または羽根13に固定でき、傾動ユニット8のほぼ対となる面(図示しない)に反対方向に作用する。
【0021】
好ましくは、傾動ユニット8の複数のアクチュエータ10は、2つのほぼ垂直な面15,15’に互いに直角をなして配置される(図2、図5〜図8参照)。特に好ましい配置では、これらの面15,15’は、長方形の作業場5のX方向に平行であり、Y方向に平行である。
【0022】
図1と図2により説明すると、システム3は、好ましくは、水平の作業場5を備え、この作業場5は、X方向の拡がりと、それに直交するY方向の拡がりを備える。ロボットアーム6は、特に、X方向とY方向に移動をするように意図される。特に好ましい配置では、傾動ユニット8の複数のアクチュエータ10は、作業場5のX方向に平行に、Y方向に平行に配置され、それらのデカルト座標系は、水平の作業場5のX方向とY方向に一致する。
【0023】
好ましくは、すべてのアクチュエータ10はピエゾ素子であり、2つのアクチュエータ10が、一方が他方に対して作用する機能的な1対を形成する(図1、図2、図3B、図4B参照)。その代わりに、1つのアクチュエータ10と1つの受動的バネ素子16が、そのような機能的な1対を形成してもよい(図3A,図4A参照)。また、機能的素子2またはそのシャフト12の弾性を利用してアクチュエータ10に対して作用することも可能である(図示しない)。最も単純な場合、2つのアクチュエータ10(たとえばX方向の1つのアクチュエータとY方向の1つのアクチュエータ)のみが、一方の側に固定された機能的素子2に作用する。
【0024】
液体サンプルで作業する本発明のシステム3は、ほぼ水平の作業場5と、少なくとも1つのロボットアームとその制御器を備える。ロボットアーム6は、作業場5にほぼ垂直にZ方向にある機能的素子2を備える。ロボットアーム6は、作業場5の少なくとも1区画7において、少なくともZ方向に機能的素子を動かすことを意図される。そのようなシステムの特徴は、少なくとも1つの上述の素子1と制御ユニット17を備え、作業場5に垂直にZ軸11に相対的に機能的素子2の機能的端部22を向けることである。
【0025】
好ましくは、上述のシステム3は、偶数の装置1または傾動ユニット8をそなえる。これらは、好ましくは4つのグループをなし(図5B、図5C、図6B、図6C、図7、図8参照)、ロボットアーム6の上で動くように配置される。4つの素子1または傾動ユニット8のそれらのグループの各々は、好ましくは、ロボットアーム6の上で共同して動かされる4つ組ユニット18を形成する。好ましくは、各4つ組ユニット18の複数の機能的素子2は、それらの中心19のまわりで対称的に、大きい間隔で(図5Bと図6B参照)、中間の間隔で(図5A参照)または小さい間隔で(図5C、図6C参照)配置される。液体サンプル4で作業する特に好ましい本発明のシステム3は、2つのロボットアーム6、6’(図8参照)を備え、各ロボットアーム6、6’は、2つの素子1と傾動ユニット8を備え、4つ組ユニット18に配置される。
【0026】
図1は、第1の実施形態による、液体取り扱いシステム3に組み込まれた装置1の3次元の図式的な図である。ここで、液体取り扱いシステム3は、水平の長方形の作業場5を備え、作業場5は、X方向の拡がりと、それに直交するY方向の拡がりを備える。これらの拡がりの名称は任意であり、作業プラットホームの共通の名称に対応する。X方向とY方向の名称も、もちろん交換できる。ここに示されるように、傾動ユニット8は、作業場5に垂直なY方向とZ方向に動くようにロボットアーム6に配置される。傾動ユニット8のZ軸での可動性は、ロボットアーム6自体またはロボットアーム6の上の傾動ユニット8の摺動により(図示されるように)影響される。傾動ユニット8のY運動と、ロボットアーム6のX方向の可動性の組み合わせは、全体の作業場5または少なくともその1区画が、ピペットの先端20である機能的素子2の機能的端部22で作業できることを意味する。発明の第1の実施の形態では、複数のアクチュエータ10は、機能的素子2のシャフト12に直接に作用する。2つの水平の面14,14’の上にアクチュエータ10が配置されているが、それらの面はジョイント9から等間隔である。これにより、機能的素子2の傾動作用を改善する。
【0027】
図2は、第2の実施形態による、液体取り扱いシステム3に組み込まれた装置1の3次元の図式的な図である。ここで、アクチュータ10は、羽根13の上で動作する。図1におけるアクチュエータ10の水平の方位と異なり、ここでは、アクチュエータ10は、縦に配置され、水平に突き出た羽根13,13’の上に垂直に作動する。
【0028】
図3Aは、図1の第1の実施形態による、液体取り扱いシステム3に組み込まれた装置1の複数の縦断面を示す。機能的素子2のシャフト12は、たとえば、ピペットの金属の先端すなわち中空の針であり、ジョイント9に、傾動可能に保持される。この種の中空の針は、ピペッターとしてもディスペンサとしても使用でき、このためピペットの先端またディスペンサの先端ともいう。ジョイント9は、ボールソケット型である。ソケットの上に配置される装置は、アクチュエータ10を支持し、または、対となる面(図示しない)としてアクチュエータ10に役立つ。複数のピエゾ素子10は、ジョイント9から間隔Aだけ離れていて、機能的素子2のシャフト2に直接に作用する。長い矢印は、ピエゾ素子10の、圧電作用を駆動する制御ユニット17への結合を示す。ジョイント9から間隔A’だけ離れている受動的バネ素子16は、同様に機能的素子2のシャフト12に直接に作用する。スリーブ(図示しない)は、バネ素子16とシャフト12の間に配置できて、シャフト12を保護する。そのスリーブは、また、バネ素子16またはシャフト12上のアクチュエータ10の作業面を広げ、または、ならすために使用できる。ここで、ジョイント9は、アクチュエータ10またはバネ素子16が配置されている面に対して対称的でない。間隔Aは間隔A’より大きい。
【0029】
図3Bは、図2の第2の実施形態による、液体取り扱いシステム3に組み込まれた装置1の複数の縦端面を示す。ここでもまた、機能的素子2のシャフト12は、ジョイント9に傾動可能に保持される。このジョイント9もボールソケット型である。ソケットは、少なくとも、羽根13、13’がボールから突き出ているジョイントにおいて中途で妨害される。ソケット上に配置されている装置は、アクチュエータ10を支持する。羽根13,13’の上で作動する複数のピエゾ素子10は、ジョイント9と縦のZ軸から間隔Bだけ離れて配置されている。長い矢印は、ピエゾ素子10の、圧電作用を駆動する制御ユニット17への結合を示す。
【0030】
図の左側で、機能的素子2とそのシャフト12は正確に垂直であり、アクチュエータ10はオフ状態にある。重要なことは、ジョイントのボールの摩擦が、機能的素子2の位置が自然に変わるのを防止することである。この位置の安定化または決定のためにアクチュエータが常に貢献することも可能である。
【0031】
図の右側で、機能的素子2とそのシャフト12は、Z軸に対して傾いていて、機能的素子2の軸11’と軸11は空間を生成し、この空間は、大きいほど、機能的素子2の機能的端部22をさらにジョイント9から離す。ピエゾ素子の同じ活性化について、この偏りが大きいほど、Z軸からの間隔Bが小さくなる。
【0032】
図4Aは、第3の実施形態による、液体取り扱いシステム3に組み込まれた装置1の縦断面を示す。この第3の実施形態の特徴は、各々の機能的素子2が1つの保持体に固定されることである。この保持体は、傾動ユニット8の一部である。保持体の上に配置されている装置は、アクチュエータを支持する。保持体から間隔Cで配置されているピエゾ素子は、機能的素子2のシャフト12に直接に作用する。長い矢印は、ピエゾ素子10の、圧電作用を駆動する制御ユニット17への結合を示す。ここに示される機能的な1対は、ピエゾ素子10と受動的バネ素子16とからなる。そのようなバネ素子16の効果は、クリアランスからフリーであることである。別の実施の形態では、機能的素子2自体またはそのシャフト12の弾性がピエゾ素子の印加圧力に受動的に対抗する。したがって、最も単純な場合では、保持体に固定された1つの弾性的機能的素子2が十分であって、1つの面14の上で2つのアクチュデータ10により、相互に直角に作動される(図1参照)。間隔Cが短いほど、機能的素子2の機能的先端22のZ軸からの起こりえる偏りが大きくなる。しかし、距離Cが減少すると、アクチュエータ10が膨張して機能的素子2を移動するのに用いる力が大きくなる。機能的素子2のシャフト12は、ここでは、温度センサまたは金属製ピペットの先端のキャピラリとして解釈される。このピペットの先端(またはディスペンサの先端)の開口または温度センサの端部は、この場合、機能的素子2の機能的端部22である。
【0033】
図4Bは、第4の実施形態による、液体取り扱いシステム3に組み込まれた装置1の縦断面を示す。この第4の実施形態の特徴は、複数のアクチュエータ10またはそれらの機能的パートナーが、同様にアクチュエータまたはバネ素子の形態であるが、水平でなく、垂直でもなく配置されることである。それらは、Z軸に対して角度βにある。この配置は、より細い構成の傾動ユニット8を可能にする。より細い構成は、また、機能的素子2がジョイントなしに傾動ユニットの保持体に保持されるという長所をもつ。もし弾性的な機能的素子2と2つのみのアクチュエータ10がY方向またはZ方向に傾けるために用いられれば、傾動ユニット8の構造は、さらに寸法を小さくできる。好ましくは、機能的素子2のシャフト12は、羽根13”,13'''の1つの面に羽根13”,13'''を支持し、その面にアクチュエータ10がほぼ垂直に当てられている。図4Aに関連して間隔Cについてなされた上述の説明は、ここでも適用できる。図4Bにおいて、機能的素子2は、使い捨て型のピペットの先端20のためのアダプタとして示される。これらの使い捨て型のピペットの開口は、機能的素子2の機能的先端22である。
【0034】
図5Aは、本発明の複数の傾動ユニットの2つの図式的フロア配置を示す。上側の図は、傾動素子8に対する機能的素子2の偏心的な配置を示す。この配置は、特に、2つのみのアクチュエータ10を用いて、弾性的機能的素子2をX方向とY方向に傾けるのに適している。下側の図は、傾動素子8に対する機能的素子2の同心的な配置を示す。この配置は、面14または14’の上に配置された、アクチュエータの2または4の機能的な対の仕様に適している(図1参照)。固定された、弾性的な機能的素子2において、面14’は、もちろん、傾動ユニット8の下にある(図4A参照)。各々の機能的対の1つのパートナーは、バネ素子16であってもよい。
【0035】
図5Bは、本発明の複数の傾動ユニット8の4つ組配置18のフロア配置の第1変形例を示す。傾動ユニット8において偏心的に配置された複数の機能的素子2は、この4つ組ユニット18の中心19からできるだけ離れているように、分散される。これにより、傾けられていない機能的素子2の複数の軸の間の間隔Dが生じる。この間隔Dは、マイクロプレートの複数の井戸状穴の格子にちょうど対応するように選択できる。96の井戸状穴のマイクロプレートでは、Dは9mmであり、24の井戸状穴のマイクロプレートでは、Dはその2倍であり、384の井戸状穴のマイクロプレートでは、Dはその半分である。傾動ユニット8を相互に移動することがなければ、すなわち、4つ組ユニット18として傾動ユニット8の配置を維持することがなければ、その結果として、96の井戸状穴のマイクロプレートにおいて四角に配置された井戸状穴の隣接する4つ組グループや、ピペット先端の形状での機能的素子2の傾動により24の井戸状穴のマイクロプレートに達することができる。
【0036】
図5Cは、本発明の複数の傾動ユニット8の4つ組配置18のフロア配置の第2変形例を示す。傾動ユニット8において偏心的に配置された複数の機能的素子2は、この4つ組ユニット18の中心19にできるだけ近いように、配置される。これにより、傾けられていない機能的素子2の複数の軸の間の間隔Eが生じる。この間隔Eは、マイクロプレートの複数の井戸状穴の格子にちょうど対応するように選択できる。96の井戸状穴のマイクロプレートでは、Eは9mmであり、24の井戸状穴のマイクロプレートでは、Dはその2倍であり、384の井戸状穴のマイクロプレートでは、Dはその半分である。傾動ユニット8を相互に移動することがなければ、すなわち、4つ組ユニット18として傾動ユニット8の配置を維持することがなければ、結果的に、ピペット先端の形状での機能的素子2の傾動により、384の井戸状穴のマイクロプレート96や井戸状穴のマイクロプレートにおいて四角に配置された井戸状穴の隣接する4つ組グループに達することができる。
【0037】
図6Aは、傾けられていない複数の機能的素子2の間隔をEとしてY軸上を動く複数の傾動ユニット8の2つ組配置を備えX軸に動くロボットアーム6の図式的な上面図を示す。機能的素子2の機能的端部22の位置は、1つの可能な傾きの設定で示される(黒点)。これらの機能的素子2の複数の軸の距離は、(e)といい、384のマイクロプレートでは4.5mmであり、1536のマイクロプレートでは2.25mmである。寸法Eすなわち傾けられていない機能的素子2の軸の間隔は好ましくは寸法(e)の2倍である。
【0038】
図6Bは、図5Bによる複数の傾動ユニット8の4つ組配置18を備えたロボットアーム6の図式的な上面図を示す。機能的素子2の機能的端部22の位置は、2つの可能な傾きの設定で示される(黒点)。これらの機能的素子2の複数の軸の最短間隔は、(d)といい、384のマイクロプレートでは4.5mmである。これらの機能的素子2の複数の軸の最大間隔は、(DD)といい、24のマイクロプレートでは18mmである。この場合、傾けられていない機能的素子2の複数の軸の間隔は好ましくはD=9mmである。
【0039】
図6Cは、図5Cによる複数の傾動ユニット8の4つ組配置18を備えたロボットアームの図式的な上面図を示す。機能的素子2の機能的端部22の位置は、1つの可能な傾きの設定で示される(黒点)。これらの機能的素子2の複数の軸の間の最小間隔は、(e)といい、384のマイクロプレートでは4.5mmであり、1536のマイクロプレートでは2.25mmである。この場合、傾けられていない機能的素子2の複数の軸の間隔は好ましくはE=9mmまたは4.5mmである。
【0040】
図7は、図5Cによる複数の傾動ユニット8の2つの4つ組配置を備えたロボットアーム6の図式的な上面図と、384(16×24)の井戸状穴のマイクロプレートの上面図を示す。ロボットアーム6と4つ組ユニット18の可能な動きは、矢印XとYにより示される。このマイクロプレートは、一方では、試料容器すなわち井戸状穴の配列23であり、他方では、1つのマイクロプレートだけで作業するために、作業場5における1区画7としてみられる。すでに図6Cについてのべた機能的素子2の傾きに対応して、機能的素子2の複数の機能的端部22は、ロボットアーム6のY方向に配置される。
【0041】
複数の処理された井戸状穴の試料パターンは、マイクロプレートの配列23に入れられる。4つ組ユニットのグループの同じ色は、第1の四角配置(左、96のマイクロプレートの複数の軸の間隔Eに対応する)から、複数の軸の間隔(e)の384井戸状穴のマイクロプレートでの実際上任意の第2の配置(右)へ液体サンプル4の可能なピペット操作を示す。このピペット操作で、ロボットアームおよび/またはマイクロプレートは、相互に関連してX方向とY方向に動かされねばならないが、4つ組ユニット18は、Y軸でのそれらの位置を、ロボットアーム6に対してもマイクロプレートに対しても、変更しない。好ましくは、2つの4つ組ユニット18は、ロボットアーム6の上でY方向に相互に独立して移動できる。ロボットアーム6と4つ組ユニット18の移動のために必要な駆動は、ここでは示されないが、同様に制御器または制御ユニット17を用いて行う。
【0042】
図8は、図5Cによる複数の傾動ユニット8の2つの4つ組配置18をそれぞれ備えた2本のロボットアーム6,6’の図式的な上面図と、試料を幾何学的に配置した作業表面の上面図を示す。この作業表面は、遠心操作のための試験管の配置により、または、いわゆるLAB CD(出願人の登録商標)、すなわち、液体サンプルを処理するためのマイクロチャネルを備えた丸いディスクにより、定義できる。遠心試験管またはLAB CD(登録商標)の充填用開口の配置により機能的素子2の機能的端部22の配置は、円または他の任意の幾何学的分布の幾何学的形状を採用できる。
【0043】
これらの機能的素子2の機能的端部22の分散は、図6〜図8に例示されているが、決して十分に述べられているのではないが、ロボットアーム6,6’の動きの軸に依存しない、本発明の装置1または本発明の傾動素子8を用いてのみ行える。
【0044】
1つまたは2つのロボットアーム6により支持されるすべての機能的素子2の傾きは、好ましくは統合される。好ましくは、制御ユニット17がこの目的のために用いられ、ロボットアーム6,6’の動きと、作業場5に直交するZ軸に対する機能的素子2の機能的端部22の位置の変化とを統合する。
【0045】
この発明についてこれまで述べたこととは異なるが、特に好ましい具体化では、液体サンプルで作業するためのシステム3において、液体を輸送または検査するための実施形態を見越している。そのようなシステムは、X方向とこれに直交するY方向に広がっているほぼ水平な作業場5を備える。特に好ましい本発明の装置1は、少なくとも1つの機能的端部22を備えた少なくとも1つの機能的素子2を備える。これらの機能的素子2は、作業場5に対しほぼ直角にZ方向に並んでいて、装置1は、少なくとも1つの機能的素子2の傾動可能な固定保持のための少なくとも1つの傾動ユニット8を備える。この特に好ましい実施形態は、作業場5に垂直なZ軸に対し機能的素子2の機動的端部22の個々の方向づけのためのアクチュエータ10と、このアクチュエータ10を電気的に駆動するための制御ユニット17を備える。ここで、機能的素子2の各々は、個々に、作業場5のX方向とY方向に依存せずに、傾けられる。オプションでは、1以上のそれらの装置が、1以上のロボットアーム6,6’に付加できる。
【0046】
そのようなシステムにおいて、液体を輸送し試験するための、移動するためのロボットアームを備えない1以上の装置1を特徴として、好ましくは、液体容器は、X方向および/またはY方向にこの装置1のすぐ近くに動かされる。これは手動でも自動的にも行える。次に、機能的素子2の機能的端部22は、それぞれ傾けられて、液体容器(たとえばマイクロプレートの井戸状穴)の位置へ向けられる。液体をピペットで取り出すため、液体容器は、機能的素子2の機能的端部22が液体容器の中に浸されるまで、上げられる。液体を液体容器の中に分配するためには、液体容器は、機能的素子2の機能的端部22が液体容器において浸されない状態で、上げられる。
【0047】
参照番号は、すべての場合に明らかに記載されていないとしても、特定の技術的貢献を指している。異なる実施形態における複数の事項のランダムな組み合わせは本発明に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1の実施形態による、液体取り扱いシステムに組み込まれた装置の斜視図
【図2】第2の実施形態による、液体取り扱いシステムに組み込まれた装置の斜視図
【図3A】第1の実施形態による、液体取り扱いシステムに組み込まれた装置の縦断面図
【図3B】第2の実施形態による、液体取り扱いシステムに組み込まれた装置の縦端面図
【図4A】第3の実施形態による、液体取り扱いシステムに組み込まれた装置の縦断面図
【図4B】第4の実施形態による、液体取り扱いシステムに組み込まれた装置の縦断面図
【図5A】本発明の複数の傾動ユニットの2フロア配置の図式的な平面図
【図5B】本発明の複数の傾動ユニットの4つ組配置のフロア配置の第1変形例の図
【図5C】本発明の複数の傾動ユニットの4つ組配置のフロア配置の第2変形例の図
【図6A】本発明の複数の傾動ユニットの2つ組配置のロボットアームの図式的な上面図
【図6B】図5Bによる複数の傾動ユニットの4つ組配置のロボットアームの図式的な上面図
【図6C】図5Cによる複数の傾動ユニットの4つ組配置のロボットアームの図式的な上面図
【図7】図5Cによる複数の傾動ユニットの2つの4つ組配置のロボットアームの図式的な上面図と、384の井戸状穴のマイクロプレートの上面図
【図8】それぞれ図5Cによる複数の傾動ユニットの2つの4つ組配置の2本のロボットアームの図式的な上面図と、試料の幾何学的配置をもつ作業面の上面図
【符号の説明】
【0049】
1 装置、 2 機能的素子、 3 システム、 5 作業場、 9 ジョイント、 10 アクチュエータ、 12 シャフト、 17 制御ユニット、 22 機能的端部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体サンプル(4)で作業するシステム(3)であって、X方向とこれに直交するY方向に存在する水平の作業場(5)を備えるシステムにおいて、液体を輸送または試験する装置(1)であって、前記装置(1)は、少なくとも1つの機能的端部(22)を備える少なくとも1つの機能的素子(2)であって、前記作業場(5)に対してZ方向に直角に配置される機能的素子(2)と、前記少なくとも1つの機能的素子(2)の傾動可能な固定保持のため少なくとも1つの傾動ユニット(8)とを備え、
前記傾動ユニット(8)は、前記作業場(5)に直交するZ軸(11)に相対的に、前記機能的素子(2)の機能的端部(22)の個々の位置調節のための複数のアクチュエータ(10)と、前記機能的素子(2)の各々を、作業場(5)のX方向とY方向に個々にかつ互いに独立に傾動可能であるように、前記複数のアクチュエータ(10)を電気的に駆動する制御ユニット(17)とを備える、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載された装置において、
作業場(5)の少なくとも1つの区分で、少なくともZ方向に前記機能的素子を移動可能なロボットアーム(6)に結合され、
前記制御ユニット(17)は、ロボットアーム(6)の前記移動の制御と、前記作業場(5)に垂直なZ軸(11)に相対的な、前記機能的素子の機能的端部(22)の位置の変化とを調整する
ことを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載された装置において、
前記傾動ユニット(8)の複数の前記アクチュエータ(10)が、前記機能的素子(2)のシャフト(12)の上で、および/または、前記機能的素子(12)に結合される羽根(13,13')の上で動作するように設計されていることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3に記載された装置において、
前記傾動ユニット(8)の複数の前記アクチュエータ(10)が、少なくとも1つの水平の平面(14,14')に、相互に直角をなす位置に設けられて、前記機能的素子(2)のシャフト(12)の上で動作することを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4に記載された装置において、
前記傾動ユニット(8)は、複数の前記平面(14,14')の間に、好ましくは対称的に、配置されたジョイント(9)を備えることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項3に記載された装置において、
前記傾動ユニット(8)のアクチュエータ(10)は、前記機能的素子(2)に結合された羽根(vane)(13,13')の上に、Z方向に動作することを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載された装置において、
前記傾動ユニット(8)の前記アクチュエータ(10)は、相互に直角である2つの垂直な面(15,15')の上に配置されることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7に記載された装置において、
前記平面(15,15')は、前記作業場(5)のX方向に平行にまたは前記作業場(5)のY方向に平行に配置されることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれかに記載された装置において、
前記傾動ユニット(8)は、前記羽根(13,13')のレベルに、好ましくは対称的に、配置されたジョイント(9)を備えることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載された装置において、
全ての前記アクチュエータ(10)が、相互に対して作用する機能的な1対を形成する2つのアクチュエータ(10)を形成するピエゾ素子であることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれかに記載された装置において、
ピエゾ素子と受動的バネ素子(16)との形状であるアクチュエータ(10)が、相互に対して作用する機能的な1対を常に形成することを特徴とする装置。
【請求項12】
前記機能的素子(2)が、ピペットの先端、ディスペンサの先端(20)またはセンサ(21)であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載された装置。
【請求項13】
液体サンプルで作業するシステムであって、互いに直交するX方向とY方向に存在する水平の作業場(5)を備え、
請求項1〜12のいずれかに記載された少なくとも1つの装置を備えることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項13に記載されたシステムであって、前記作業場(5)と、X方向とY方向とでの移動を実行するために組み込まれた少なくとも1つのロボットアームとを備え、
前記傾動ユニット(8)の前記アクチュエータ(10)は、前記作業場(5)のX方向またはY方向に平行に配置される
ことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項14に記載されたシステムにおいて、
偶数(好ましくは4)の前記装置(1)が、前記ロボットアーム(6)の上で動くように配置されることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項14に記載されたシステムにおいて、
それぞれ4つの前記装置(1)からなるグループが、前記ロボットアーム(6)の上で共に動く4つ組ユニット(18)であることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項14に記載されたシステムにおいて、
各々の4つ組ユニット(18)の前記機能的素子(2)が、それらの中心(19)のまわりで広い間隔、中間の間隔または狭い間隔で対称的に配置されることを特徴とするシステム。
【請求項18】
液体サンプルで作業するシステムであって、X方向とこれに直交するY方向に存在する水平の作業場(5)を備えるシステムにおける、請求項1〜12のいずれかに記載された装置の用途であって、前記装置(1)は、少なくとも1つの機能的端部(22)を備える少なくとも1つの機能的素子(2)であって、前記作業場(5)に対してZ方向に直角をなして配置される機能的素子(2)と、前記少なくとも1つの機能的素子(2)の傾動可能な固定保持のため少なくとも1つの傾動ユニット(8)とを備え、
前記装置(1)の傾動ユニット(8)の少なくとも1つのアクチュエータ(10)は、制御ユニット(17)により電気的に駆動され、起動された前記アクチュエータ(10)は、機能的素子(2)の機能的端部(22)の位置が、前記作業場(5)に垂直なZ軸(11)に相対的に、作業場(5)のX方向とY方向に依存せずに変わるように、前記機能的素子(2)に作用する、用途。
【請求項19】
請求項13〜17のいずれかに記載された液体サンプルで作業するシステムの用途であって、前記システムは、水平の作業場(5)と、制御器を備える少なくとも1つのロボットアーム(6)と、請求項1〜12のいずれかに記載された少なくとも1つの装置(1)とを備え、前記装置(1)は、前記作業場(5)に垂直にZ方向に配置され、前記ロボットアーム(6)は、前記作業場(5)の少なくとも1区分において少なくともZ方向に前記機能的素子(2)を移動可能であり、
前記装置(1)の前記傾動装置(8)の少なくとも1つのアクチュエータ(10)は、制御ユニット(17)により電気的に駆動され、起動された前記アクチュエータ(10)は、機能的素子(2)の機能的端部(22)の位置が、前記作業場(5)に垂直なZ軸(11)に相対的に、作業場(5)のX方向とY方向に依存せずに変わるように、前記機能的素子(2)に作用する、用途。
【請求項20】
請求項18または19に記載されたシステムの用途であって、
1以上のロボットアーム(6)により支えられるすべての前記機能的素子の前記傾きが統合されていて、前記制御ユニット(17)は、ロボットアーム(6)の動きの制御と、作業場(5)に垂直なZ軸(11)に相対的に前記機能的素子(2)の前記機能的端部(22)の位置の変化とを統合する、用途。
【請求項21】
請求項18〜20のいずれかに記載されたシステムの用途であって、前記機能的素子(2)は、ピペットまたはディスペンサの先端(20)またはセンサ(21)であり、
前記機能的素子(2)の前記機能的端部(22)は、1列(23)または他の幾何学的形状(24)に配置されている、用途。
【請求項22】
請求項18〜20のいずれかに記載されたシステムの用途であって、前記機能的素子(2)は、ピペットまたはディスペンサの先端(20)またはセンサ(21)であり、
前記機能的素子(2)の前記機能的端部(22)は、液体容器または液体充填開口の配置に対応する幾何学的分布で配置される、用途。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−533981(P2007−533981A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508705(P2007−508705)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000214
【国際公開番号】WO2005/103725
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(501442699)テカン・トレーディング・アクチェンゲゼルシャフト (26)
【氏名又は名称原語表記】TECAN Trading AG
【Fターム(参考)】