説明

試験装置、試験ストリップのためのホルダ、サンプル中の分析物の存在を検出するためのキット、及びサンプル中の分析物を検出する方法

【課題】試験ストリップ、特にラテラルフローイムノアッセイ試験ストリップのための支持体、並びに、使用、構築、衛生的な取り扱い及び廃棄の容易さの向上を可能にする、試験ストリップを使用してアッセイを行う装置を提供する。
【解決手段】サンプル中の1つ又は複数の分析物を検出するのに使用することができる診断試験装置が開示される。装置は、収容部と、試験ストリップ用のホルダとを備える。試験ストリップは、たとえば、ラテラルフロー試験ストリップとすることができる。装置及びホルダによってサンプルの分析が可能となり、装置は、試験及び結果の検出中は実質的に封止される。使用するために、試験ストリップを含むホルダは、分析されるサンプルを含む収容部内に挿入される。サンプルが試験ストリップの遠位端と接触することによって、試験ストリップに沿った毛細管流が開始される。収容部は、アッセイの結果を、視覚的に、又は光の吸収若しくは反射の測定による標準的な計測器を使用して検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ラテラルフローアッセイを使用してサンプル中の分析物を検出するための新規の装置が開示される。本発明の装置及び方法は容易に且つ安価に構築することができ、専門的な訓練をほとんど受けていない作業メンバによる使用に適している。本装置はさらに、生体サンプルの衛生的な取り扱い及び廃棄を可能にする。本明細書において開示される装置及び方法は、コロイド金属のような、ラテラルフローアッセイと共に従来使用されている標識と共に使用することができ、又は検出のための器具を必要とする比色標識若しくは蛍光標識と共に使用することもできる。
【0002】
イムノアッセイ
本発明は、試験ストリップを利用するアッセイ、特にラテラルフローイムノアッセイに関する。イムノアッセイは、一般的に、1つ又は複数の抗体の、その抗原に対する反応を使用して物質のレベルを測定するのに使用される高感度の技法である。イムノアッセイは一般的に抗体の抗原に対する結合に依存する。特に単クローン抗体は、一般的に特定の分子の1つの部位にしか結合しないため頻繁に使用される。この特異結合によって、特定の分析物に対する結合の特異性及び精度が向上する。イムノアッセイに使用される抗体は、通常、抗原に対する高い親和性を有し、それによって高い割合の抗原が抗体に結合する。
【0003】
イムノアッセイは、たとえば、体液中の薬物レベル及びホルモンレベルを監視し、感染性疾患及び自己免疫疾患を診断し、且つ癌を診断しその治療を監視するために使用することができる強力且つ多用途の生物医学的診断ツールである。
【0004】
特にイムノアッセイ技法を使用して検出するのに理想的に適している1つの分析物はインフルエンザである。インフルエンザは、オルトミクソ・ウイルス科のいくつかの属によって引き起こされる、汎発性の急性ウイルス性呼吸器疾患に至る接触感染性の高い伝染病である。インフルエンザウイルスA及びインフルエンザウイルスBは、ヒトにおける疾患に最も一般的に関連する2つの属である。インフルエンザの感染率は小児集団において最も高くなる傾向にあり、一方でインフルエンザ疾患からの深刻な合併症は高齢者においてより頻繁に起こっている。臨床的徴候及び症状は1〜4日間の潜伏期間の後に始まり、咳、熱、筋肉痛及び倦怠感を含む。インフルエンザの臨床所見は、症候性感染から致死的肺炎にまで及ぶ可能性がある。インフルエンザは他の呼吸器病原体と共に広まるため、インフルエンザを他の呼吸器疾患から区別することが重要である。迅速なインフルエンザ検出試験によって、一般的に症状が現れてから48時間以内に投与される場合に臨床的に有益である抗ウイルス薬をより適時に投与することが容易になる。全ての抗ウイルス薬がインフルエンザA及びインフルエンザBの両方に対して有効であるわけではないので、これらの2つを区別することが重要である。
【0005】
インフルエンザA及びインフルエンザBは、組織培養、蛍光イムノアッセイ及び酵素イムノアッセイを含む種々の方法によって、ヒト呼吸器サンプルにおいて検出することができる。組織培養分離(tissue culture isolation)は依然としてインフルエンザの検出のための標準的なものであるが、手順が完了するのに最長で7日かかることがある。免疫蛍光抗体ベースの試験は適度な感度があるが、試料の品質及び調製に大きく依存する。酵素及び微粒子ベースのイムノアッセイを使用したインフルエンザの迅速な検出は、インフルエンザによる急性呼吸器疾患を有する全年齢層の患者における患者管理の重要な態様になってきている。試験結果は、患者の臨床評価から利用可能なデータをサポートするのに、また医師が治療方針を決定するのを助けるのに使用することができる。
【0006】
イムノアッセイ技法は通常、ユーザが、分析物がサンプル中に存在するか否かを判定することを可能にする検出可能な標識を利用する。標識は分析物と結合する抗体のような粒子(本明細書において第1の「結合試薬」と称する)と共役することができる。使用される標識のタイプはさまざまである場合があり、視覚的に検出可能な標識及び検出のための器具を必要とする標識を含むことができる。イムノアッセイ技法と共に使用することができる標識の非限定的な例は、酵素、放射性同位体、蛍光タグ、炭素粒子、ビーズ、又はコロイド金のような金属ゾルタグを含む。
【0007】
ラテラルフローイムノアッセイ
ラテラルフローアッセイ(又は「フロースルー」アッセイ)は当該技術分野において既知であり、Ching他に対する米国特許第6,534,320号、May他に対する米国特許第6,228,660号、Charlton他に対する米国特許第5,989,921号、Charltonに対する米国特許第6,485,982号、Charltonに対する米国特許第5,714,389号、Rosensteinに対する米国再発行特許第38,430号に記載されている。これらの特許文献は全て参照により本明細書に援用される。
【0008】
ラテラルフローアッセイは、検出されるべき分析物を含む溶液が毛細管現象によって膜ストリップに沿って横方向に輸送されることを特徴とする。膜ストリップは通常、当該膜中に含浸される試薬を有する。サンプルがストリップの一方の端部に(通常、第1の吸収パッドにおいて)、時として水のような溶媒の助けによって付着される。サンプルはストリップと接触する前に第1の結合試薬を有する標識化試薬と混合されてもよく、又は、ストリップは内部に標識化試薬を含んでいてもよい。液体が「検出ゾーン」を通過すると、ストリップ上に固定化されている第2の結合試薬がアッセイ結果の視覚化を可能にする。ラテラルフローアッセイは通常迅速であり、使用する結合試薬の選択に部分的に依存するが、分析物の高感度且つ正確な検出を提供する。
【0009】
ラテラルフローアッセイは「競合的」技法又は「非競合的」技法を使用することができ、その両方が当該技術分野において既知である。競合型イムノアッセイでは、サンプル中の分析物は検出可能な標識と共役する分析物と混合される。次いで、混合物はラテラルフロー試験ストリップと接触する。次いで、混合物は膜によって画定される流路に沿って移動する。(サンプルからの)標識化されていない分析物及び標識化された分析物は、試験ストリップ上に固定化されている結合剤の限られた数の結合部位を求めて競合する。競合アッセイにおいて検出領域で検出される標識化された分析物の量は、サンプル中の分析物の濃度に反比例する(すなわち、蓄積された標識の量が増えるほど、試験ストリップ中の分析物を示すレベルは低くなる)。
【0010】
対照的に、「非競合」型イムノアッセイ又は「サンドイッチ」型イムノアッセイでは、サンプル中の抗原は標識(「標識化試薬」)と共役する第1の結合試薬(抗体等)と結合する。標識化試薬と結合している抗原を含むサンプルは、次いでラテラルフローアッセイ試験ストリップと接触する。混合物が毛細管現象によって膜に沿って移動すると、分析物−標識化試薬複合物は膜内に固定化されている第2の結合試薬と接触及び結合する。標識−分析物複合物は膜上に蓄積し、その結果、視認可能な指示線が生じる。蓄積される標識の量は、サンプル中の抗原の濃度に正比例する。競合型アッセイ及び非競合型アッセイは両方とも、参照により本明細書に援用されるChing他に対する米国特許第6,534,320号に記載されている。
【0011】
ラテラルフローイムノアッセイは通常、同じ基本成分を使用する。これらはたとえば、Ching他に対する米国特許第6,534,320号及びMay他に対する米国特許第6,228,660号に記載されている。これらの成分は、第1の吸収材料、膜(ニトロセルロース等)、及び第2の吸収材料であり、試験ストリップは分析物を検出するために内部に含浸される試薬を有する。
【0012】
ラテラルフロー装置は、一段階法又は二段階法のいずれかを用いるものとして分類することもできる。二段階法(「注入」法とも称する)は、1987年12月12日に公開された「Colloidal Gold Immunoassay」と題する欧州公開特許第0 250 137号(「Mochnal」特許)に記載されている。この方法では、サンプルと標識化試薬とが、サンプルがラテラルフロー試験ストリップと接触する前に混合される。サンプルを標識化試薬と混合した後、混合物は第1の吸収材料と接触して、ラテラルフローアッセイが開始される。次いで、サンプルは膜に沿って流れ、1つ又は複数の固定化されている第2の結合試薬と接触する。サンプル中の分析物が第2の結合試薬と結合し、標識が蓄積されて、その結果視認可能な反応が生じる。二段階法は、混合物を試験ストリップと接触させる前に、液体サンプルを予め標識化試薬と混合する初期段階を特徴とする。
【0013】
対照的に、「乾燥(dried-on)」法又は「一段階」法では、サンプルは試験ストリップと接触する前に標識化試薬と混合されない。一段階法では、標識化試薬は予め乾燥されて試験ストリップ内に、通常は第1の吸収パッド内に埋め込まれる。第1の吸収パッドに直接塗布される液体サンプルは乾燥した標識化試薬を可溶化する。液体サンプルが試験ストリップに沿って試験部位に向かって横方向に流れると、分析物は標識化試薬と結合して、分析物と結合した標識化試薬を固定化されている第2の結合剤へ輸送する。上述した二段階法と同様に、分析物はマトリックス上に固定化されている第2の結合試薬と反応して、視覚的な結果を生じる。一段階法は主に、アッセイに必要な試薬の全てが乾燥形態で試験ストリップ上に存在しており、別個の混合工程が必要ない点において二段階法と異なる。
【0014】
さらに、ラテラルフローアッセイの使用において交差汚染及び衛生がしばしば問題となる。尿、唾液又は糞便のような生体サンプル中の分析物の検出に使用される試験ストリップは、試験ストリップがサンプルと接触して、その後異なる場所に輸送されるときに起こりうる汚染の危険性をもたらす。汚染は試験ストリップが使用中であるか、又はストリップを廃棄するときに起こる可能性がある。したがって、衛生的な取り扱い及び廃棄を提供する装置を有して、試験ストリップ又は作業メンバの交差汚染を最小化することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本明細書に記載される本発明は、試験ストリップ、特にラテラルフローイムノアッセイ試験ストリップのための支持体、並びに、使用、構築、衛生的な取り扱い及び廃棄の容易さの向上を可能にする、試験ストリップを使用してアッセイを行う装置を提供する。本発明はさらに、光を出射するもの又は分光計のような器具の使用を必要とするものを含む複数の標識化試薬を検出するのに使用することができる装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本明細書において、サンプル中の分析物の存否を判定する装置であって、収容部と、ホルダと、試験ストリップとを備える装置が開示される。一実施の形態では、ホルダは試験ストリップを固定するための細長い領域と、ストッパ機構と、収容部のための囲みと、把持部材と、位置合わせ機構と、保持機構とを備える。ホルダは、試験ストリップを固定するための補助ピンをさらに備えることができる。
【0017】
別の実施の形態では、ホルダは、把持部材と、ストッパ機構と、囲みと、位置合わせ機構と、ヒンジとを備え、把持部材及び囲みは、把持部材の上側部分を、ヒンジにおいて当該把持部材の下側部分の上に折り畳むことによって形成される。
【0018】
本発明の別の実施の形態はさらに、サンプル中の分析物の存否を判定する装置であって、分析物と結合する標識化試薬を含む収容部と、ホルダとを備える装置に関する。一実施の形態では、ホルダは液体サンプルを輸送するための流路を画定する第1の吸収パッドと、膜ストリップと、第2の吸収パッドとを備える試験ストリップを含む。当該試験ストリップは少なくとも1つの検出領域を有する。試験ストリップはホルダ内の凹部内に保持され、ホルダは、凹部を含み、位置合わせ機構と、囲みと、ストッパ機構と、把持部材とを有する細長い支持体をさらに備える。一実施の形態では、ホルダは、組み立てられていない(折り畳まれていない)ホルダの上部を、把持部材の上側部分が当該把持部材の下側部分の上に折り畳まれるように、ヒンジにおいて折り畳むことによって形成され、それによって試験ストリップの第2の吸収パッドがホルダの把持部材の2つの表面の間に取り込まれる。ホルダはまた、ホルダが収容部内に挿入されるときに収容部を実質的に封入する囲みも備える。
【0019】
本装置は、1)乾燥及び計量分配された金接合体を含む収容部と、2)ホルダ及びストリップのアセンブリと、3)綿棒又は注入器と、(4部品の実施の形態の場合)4)試験中装置を直立位置に保持するラック又は他のアセンブリとを含むキットの形態で提供することができる。
【0020】
本明細書において、本発明の種々の実施形態が記載され、それらのうちの1つ又は複数の実施例が以下で説明される。各実施例は本発明の説明のために提供されるが、本発明を限定するものではない。本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明に変更を加えることができることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明が、特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入るような、このような変更及び変形を包含することが意図される。
【0021】
ここで、本発明の実施形態を例示する添付の図面を参照しながら本発明を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
定義
単数形「1つの("a", "an")」及び「その(the)」は、文脈において別途指示がない限り複数形への言及を含む。
【0023】
本明細書において使用される場合、用語「分析物」は概して検出される物質を指す。たとえば、分析物は、抗原性物質、ハプテン、抗体、及びそれらの組み合わせを含むことができる。分析物は当該技術分野において述べられる任意の分析物であることができる。
【0024】
「分析物検出領域」又は「検出領域」は、分析物又は標識を検出及び/又は測定してサンプル中の分析物の存否を判定することができる、アッセイ装置の任意の領域である。分析物検出領域は、実際には定性的であっても定量的であってもよい。したがって、ラテラルフロー装置では、たとえば、分析物検出領域は、検出可能な標識を固定化する結合試薬を含む多孔質マトリックスの一部とすることができる。1つ又は複数の検出領域が存在することができる。アッセイの形式しだいで、分析物検出領域における固定化されている標識の量を、分析物の存在下で増減させることができる。たとえば、サンドイッチアッセイの形式では固定化されている標識の量は増加し、一方で競合アッセイの形式では固定化されている標識の量は減少する。
【0025】
用語「放射信号」は、高エネルギーに励起された状態の原子が低エネルギー状態に減衰するときに放射される電磁放射を指す。
【0026】
用語「励起信号」は、たとえば、原子中の電子を低エネルギー状態から「励起された」高エネルギー状態に移行させる電磁放射を形成するエネルギーを指す。
【0027】
用語「標識」は、本明細書において使用される場合、可視的に又は適切な器具を使用することによって検出可能な信号を生成することが可能な任意の物質を指す。本発明において使用するのに適している種々の標識は、色素源(chromatogens)と、蛍光化合物及び化学発光化合物と、触媒と、酵素と、酵素基質と、色素と、コロイド金属粒子及びコロイド非金属粒子と、有機ポリマーラテックス粒子とを含むが、これらには限定されない。
【0028】
用語「発光」は、エネルギー源(たとえば、電磁放射源、化学反応源、機械エネルギー源)の温度からエネルギーを得ない任意の光の放射を指す。一般的に、このエネルギー源は原子中の電子を低エネルギー状態から「励起された」高エネルギー状態に移行させ、次いで電子は低エネルギー状態に戻るときに、放射される光の形態でエネルギーを解放する。このような光の放射は通常、電磁スペクトルの可視領域又は近可視領域において起こる。用語「発光」は、このような光放射現象、すなわち、リン光、蛍光、生体発光、放射性発光、電界発光、及び熱発光等を含むが、これらには限定されない。
【0029】
用語「発光標識」は、発光信号、たとえば、放射源の温度からエネルギーを得ない光の放射を生成する標識を指す。発光標識は、たとえば、蛍光分子、リン光分子、放射性発光分子、発光キレート、リン光体若しくはリン光体含有化合物、又は量子ドットとすることができる。
【0030】
本明細書において使用される場合、用語「多孔質材料」は、毛細管現象を生じることが可能な任意の材料を指す。これは、たとえば、ニトロセルロース、ポリエステル若しくはセルロースとニトロセルロースとの混合物、未処理紙、多孔質紙、レーヨン、ガラス繊維、アクリロニトリル共重合体、又はナイロンのような材料を含む。当業者であればラテラルフローを可能にする他の多孔質材料について知識を有するであろう。
【0031】
本明細書において使用される場合、用語「試験サンプル」は、概して分析物を含むと思われる生体材料を指す。試験サンプルは、たとえば、供給源から直接得られる材料、及び、濾過、析出、希釈、蒸留、混合、濃縮、干渉成分の不活性化、試薬の添加、溶解(但しこれらに限定されない)等のような技法により事前処理される材料を含むことができる。試験サンプルは、血液、間質液、唾液、房水、脳脊髄液、汗、尿、乳汁、腹水、粘膜、滑液、腹腔液、膣液、羊水等を含む生理液のような任意の生物源から得るか又は導出することができる。生理液に加えて、環境アッセイ又は食品アッセイを行うために水、食品のような他の液体サンプルを使用することもできる。加えて、分析物を含むと思われる固体材料を試験サンプルとして使用することができる。試験サンプルは生物源から得られたものを直接に、又はサンプルの特性を改質する事前処理の後に使用することができる。たとえば、このような事前処理は、血液から血漿を調製すること、粘液を希釈すること等を含むことができる。事前処理方法は、濾過、析出、希釈、蒸留、混合、濃縮、干渉成分の不活性化、試薬の添加等も含むことができる。さらに、固体試験サンプルを改質して液体培地を形成するか、又は分析物を遊離することも有益であり得る。
【0032】
本明細書において使用される場合、用語「検出ゾーン」は試験ストリップを指して使用されるとき、陽性対照若しくは陰性対照を示す分子と結合するか、又は分析物の存否を示す分子と結合する結合試薬を含む膜上の領域を指す。結合試薬は、分析物、標識化試薬、標識、又は視覚的な信号が得られるような任意の他の分子と結合するものを含むことができる。
【0033】
試験装置
図1は本発明の一実施形態を示す。この実施形態では、試験装置1は、収容部3と、ホルダ2と、試験ストリップ4とを備え、試験ストリップ4は液体がその長さ方向に沿って横方向に流れることを可能にする。試験ストリップは当該技術分野において既知の任意の試験ストリップとすることができる。収容部3は、サンプル、希釈剤及び/又は標識化試薬を収容するために使用される。ホルダ2は、図1、図2及び図8に示されるようなラテラルフローイムノアッセイ試験ストリップのような、当該技術分野において既知の任意の適切な試験ストリップ4を保持するのに使用される。
【0034】
収容部
図1に示されるように、装置1の収容部3は概して細長い形状を有し、底部が丸みを帯びている(図示するように、試験管状の形状を有する)か、又は平坦になっている(図示せず)。収容部3の底部が平坦になっている場合、収容部3は自立することができる。
【0035】
収容部3はまた、キュベットの形状にするか、又は当該収容部3が分光光度計測器等との併用に適合するようなキュベットの特性を有することもできる。しかしながら、収容部3は、サンプル及びホルダ2の両方を収容するのに適したいずれの形状であってもよい。
【0036】
収容部3がキュベットの特性を有する実施形態では、収容部3は、たとえば、Ocean Optics社製のキュベットのようなキュベット状の形状を有することができる。Ocean Optics社によって製造及び販売されているCVD−UVディスポーザブルキュベット及びCVD−VISディスポーザブルキュベットは、紫外線領域で機能し、220nm〜900nmの光を透過するプラスチックキュベットである。CVD−VISキュベットは、350nm〜900nmの光を透過し、可視光アプリケーションにおける使用に適している。キュベットは正方形又は三角形の形状とすることができる。当該技術分野において既知のあらゆるキュベットを本発明と共に使用することができる。
【0037】
キュベット状の特性を有する収容部3を使用する実施形態では、収容部3は、蛍光標識又は他の発光標識を使用する標識化試薬と共に用いることができ、たとえば、サンプルを第2の容器に移す必要なしに蛍光分光計と併せて使用することができる。この実施形態では、たとえば、光の吸収又は屈折を判定するためにサンプルを収容部3から取り出す必要がない。ホルダ2は評価又は検出の前に取り外してもよいし、又は取り外さなくてもよい。ホルダ2を評価又は検出の前に取り外す場合、収容部3は、キュベット又は試験管(図示せず)を封止する既知の蓋を用いて閉じることができる。
【0038】
試験管形状の収容部3を使用する実施形態では、収容部3は、試験管形状のカップを有する渦創流機と共に使用することを可能にする形状にすることができ、装置を使用中直立位置に維持することができる標準的な試験管ラックに適合することができる。
【0039】
形状に関係なく、装置1の収容部3は、ガラス、プラスチック、又は分析物若しくは任意の希釈剤等と共に使用するのに適した任意の他の材料から製造することができる。収容部3は、有機溶媒並びに酸及び塩基と共に使用することを可能にする耐化学性を示す材料から成ることができる。
【0040】
収容部3は、全体的に若しくは部分的に可視光を通すことができるか、又は全体的に若しくは部分的に不透明であることができる。実施形態によっては、収容部3は、当該収容部3上の覗き窓を除いて不透明であってもよい。覗き窓は種々の異なる形状をとることができ、装置の所望の用途及び標識の性質に応じて、収容部3の多様な場所に存在することができる。
【0041】
たとえば、視覚的に検出可能な標識が装置と共に使用される場合、収容部3の覗き窓は、試験ストリップの検出領域が、ホルダ2が収容部3内に配置されているときに窓を通じて見えるように位置決めすることができる。あるいは、窓はサンプルの光の反射又は吸収が適切な計測器を使用して測定することができるように配置することができる。
【0042】
さらなる実施形態では、収容部3はその中の内容物又は試験ストリップ4の拡大させるような形状にすることができる。たとえば、収容部3の一部を湾曲させるか又は適切に成形して、蓄積された標識がよく見えるように封入されている試験ストリップ4の領域を拡大することができる。
【0043】
収容部3は、市販の試験管ラック若しくはキュベットラックと共に使用することができるように成形されるか、又は、装置を使用中直立位置に維持する特製のラックと共に使用することができる。このような特製のラックは、以下に記載するように、キットの一部としてエンドユーザに提供することができる。
【0044】
本明細書において開示される、装置1において使用される収容部3は使い捨てであってもよいし、又は再使用可能であってもよい。
【0045】
収容部3は、ユーザが、サンプルを分析するためのラテラルフローアッセイ試験ストリップと、サンプルを分析するための他の方法との両方を使用することができるものであることは理解されたい。たとえば、試験ストリップ4を使用して取り出すことができ、次いで残ったサンプルを当該技術分野において既知の他の方法を使用して検査することができる。
【0046】
ホルダ
図1、図2及び図8に示されるように、装置1のホルダ2がラテラルフロー試験ストリップ4を保持するのに使用される。ホルダ2は以下の機能の中の1つ又は複数を実施するように成形される。すなわち:1)収容部3を実質的に封止すること;2)試験ストリップ4のための支持構造を提供すること;3)試験ストリップ4を収容部3及びサンプルに対して位置決めする手段を提供すること;4)サンプル及び作業メンバの汚染を最小限にすること;5)ホルダ2を操作するか又は収容部3内に挿入するときに試験ストリップ4の汚染を最小限にすること、並びに6)試験ストリップ4に関する結果を検出するための1つ又は複数の検出ガイド13(「読み取りガイド」)を提供すること。
【0047】
ホルダ2は、好ましくは、標準的な技法を使用して一体成形のものとして製造される。たとえば、ホルダ2は、射出成形、圧縮成形又は圧縮加工することができる。ホルダ2は、図2において開いた位置又は組み立てられていない位置で示されている。ホルダ2は、サンプル、希釈剤、標識化試薬、及び収容部3に添加することができる任意の追加の試薬から成る環境に耐える任意の適切な材料から形成することができる。ホルダ2は、好ましくはプラスチック等から、より好ましくはポリプロピレン、ポリスチレン等から作成される。
【0048】
図1〜図8に示されるように、ホルダ2は細長い部分6を有する。細長い部分6は、位置合わせ機構5と、1つ又は複数の保持機構8と、保護領域12とをさらに備えることができる。ホルダ2は、補助ピン19(図6に示す)をさらに備えることができる。組み立てられていないホルダが図2に示すヒンジ7において折り畳まれると、組み立てられたホルダ2が(試験ストリップ4と共に図1及び図8に示される)形成される。一実施形態では、把持部材の上側部分をヒンジ領域において把持部材の下側部分の上に折り畳むことによって、把持部材11及び囲み10が形成される。
【0049】
ホルダの把持部材11は、ヒンジ7において分離される上側部分と下側部分とを備える。ヒンジ7はリビングヒンジとすることができる。リビングヒンジは、可動部品(一般的には、部品の2つの部分を接続して共に保持し動くようにするためのプラスチック又は他の材料から成る薄い部分)を有しない、ヒンジ又は屈曲ベアリングである。把持部材11は上側部分と底部とを備える。上側部分はヒンジにおいて下側部分の上に折り畳まれるか、又は下側部分の上の所定位置に折り込まれて試験ストリップの上側端部を捕捉する。把持部材11の上側部分及び下側部分が位置合わせされると、試験ストリップは所定位置に固定される。ヒンジ7は不可欠ではなく、したがってホルダ2は2つの別個の部品から製造することができ、1つの部品はヒンジ7の下の部分と同一であり、もう一方の部品はヒンジ7の上の部分と同一であることも、当業者には理解されよう。
【0050】
折り畳まれると、ホルダ2は図1及び図8に示す全体的な形状を有する。ホルダ2を図1及び図8に示すように組み立てるために、まずラテラルフローアッセイ試験ストリップ4等を位置合わせ機構5内に配置する。好ましい一実施形態では、位置合わせ機構5は、ホルダ2の細長い部分6内に形成される、一枚壁(両側に)又は断続的な壁(たとえば、ガイド柱又は一連のガイド)を有する凹部とすることができる。上側の保持機構8及び下側の保持機構8(図3及び図4、及び図7の拡大図に示す)は、それぞれ第2の吸収パッド及び第1の吸収パッドを固定するために存在し得る。ホルダ2はヒンジ7において折り畳まれ、それによって試験ストリップ4の上側端部を捕捉する。図6(試験ストリップがない状態のホルダの底面図)に示すような補助ピン19も設けることができる。補助ピン19は、試験ストリップ4を、第2の吸収パッド17内にロックすることによって、所定位置にさらに固定するために存在し得る。一実施形態では、補助ピン19は、試験ストリップを、第2の吸収パッド内に約1/2mm貫入させることによって固定する。
【0051】
図8に示すような組み立てられたホルダ2は、ストッパ機構9をさらに備えることができる。ストッパ機構9は、ホルダ2の上側部分及び下側部分がヒンジ7において共に組み立てられることにより形成される。一実施形態では、図8において最もよく分かるように、ストッパ機構9は囲み10から外側に延在する出っ張り状の領域から成る。ストッパ機構9は、ホルダ2が固定点を越えて収容部3内に挿入されるのを防ぐ。ストッパ機構9は、ホルダ2及び試験ストリップ4の遠位端を、サンプルに対して、反応を開始するために必要な距離を置いて、しかし試験ストリップ4の下側端部がサンプルと接触するがホルダ2の下側端部は試験サンプルとは接触しないような、収容部3内の適切な位置に位置決めする。ストッパ機構9及び位置合わせ機構5は互いに、ホルダが収容部3内に配置されるときに試験ストリップ4のサンプルに対する適切な位置決めが達成されるような関係にある。
【0052】
組み立てられたホルダは、収容部3のための(図1及び図8に示すような)囲み10をさらに備える。囲み10は、一実施形態では、概してプラグ状の形状であるが、本発明においては収容部3を実質的に封止する任意の適切な形状が意図される。囲み10は、収容部3内に挿入されるときに装置1を実質的に封入するように成形される。図8に示される囲み10は、装置の製造を容易にするくり抜き部分を有するが、本発明はこの実施形態には限定されず、囲み10は種々の異なる形態をとることができることは容易に理解されよう。
【0053】
組み立てられたホルダ2は把持部材11をさらに備える。図1及び図8に示す実施形態では、把持部材11は概して矩形の形状を有する。しかしながら、把持部材11はこの特定の形状を有する必要はなく、ホルダ2の容易な取り扱いを可能にする任意の他の形状を有することができる。たとえば、把持部材11は丸みを帯びた端部を有することができるか、又はホルダ2の取り外し及び挿入を容易にする盛り上がったリブ(rib)、リッジ若しくは他の外観を有することもできる。把持部材11は、ユーザがホルダ2を操作及び使用することができるようなサイズにされる。
【0054】
図2に見られるように、ホルダ2は、ホルダ2を収容部3内に挿入するときに、試験ストリップ4の汚染を防ぐのを助ける保護領域12も有することができる。この実施形態では、保護領域12は、試験ストリップ4の両側を保護する、細長い部分6上の盛り上がった端部とすることができる。これらの盛り上がった端部は、一枚壁又は図示するような断続的な壁とすることができる。使用に際して、ユーザは反応を開始するためにホルダ2を収容部3の内部に挿入する必要がある。液体又は他の汚染物質が収容部3の縁で漏れ出る恐れがある。保護領域12は、試験ストリップ4を、収容部3内に挿入するときに、縁の汚染から保護する。
【0055】
図1及び図8に示されるように、細長い部分6は、標識化試薬が生じる場所をユーザに示す1つ又は複数の「検出ガイド」13も有することができる。たとえば、1つ又は複数の視認可能なマークを試験ストリップの保護領域12の上又は試験ストリップ4上の分析物のための結合試薬を含む領域に対応する細長い部分6の上に作成することができる。検出ガイド13は線又は他の境界とすることができ、ホルダ2の色又は凸部によって示すことができる。一実施形態では、インフルエンザAの検出領域、インフルエンザBの検出領域、及び対照線に対応する少なくとも3つの読み取り線が存在する。しかしながら、検出ガイド13は、種々の異なる形態をとることができ、1つ又は複数の異なる分析物領域及び対照領域に対応することができることは当業者には容易に理解されよう。
【0056】
試験ストリップ
本発明のホルダ2を使用して当該技術分野において使用されている任意の試験ストリップを保持することができる。一実施形態では、当該技術分野において既知の(また、図1、図2及び図8に示される)ようなラテラルフローアッセイ試験ストリップがホルダ2内に配置される。試験ストリップ4は一段階法又は二段階法を使用することができる。一段階法では、試験ストリップ4は、第1の吸収パッド14内に拡散して固定化されている第1の標識化試薬を有する。二段階法では、上述のように、第1の標識化試薬が試験ストリップ4から分離される。二段階の実施形態では、乾燥された接合体のような標識化試薬が、試験ストリップ4とは別個に収容部3内に設けられる。標識化試薬もエンドユーザが添加することができる。
【0057】
ラテラルフロー試験ストリップを使用する実施形態では、試験ストリップ4は当該技術分野において既知の任意のラテラルフロー試験ストリップとすることができる。たとえば、試験ストリップ4は、好ましくは、図1、図2及び図8に示すような第1の吸収パッド14と、膜15と、第2の吸収パッド17とから成る。図1は装置内に配置されている試験ストリップ4を示しており、図2は装置1のホルダ2内に配置される前の試験ストリップを示している。図2を参照すると、第1の結合試薬と標識とを含む適切な標識化試薬は第1の吸収パッド14内に含浸されることができ、適切な第2の結合試薬が膜15内に含浸される。結合試薬は検出されるべき分析物に基づいて選択され、結合試薬の適切な選択は当業者には容易に理解されよう。膜15内に含浸された第2の結合試薬は、分析物のための第2の結合試薬を含む領域及び/又は「対照領域」をさらに含む1つ又は複数の「検出領域」16を形成する。対象領域に適切な試薬は当業者には容易に理解されよう。試験ストリップ4は、所望に応じて、分析物のための1つ又は複数の検出領域と、1つ又は複数の対照領域とを有する。
【0058】
装置1と共に使用される試験ストリップ4はまた、当該技術分野において既知であるとともに上述のようなホルダ2に適合し、ラテラルフローイムノアッセイのための試験ストリップには限定されない任意の他のストリップとすることもできる。たとえば、本発明は薄層クロマトグラフィに使用される膜を利用することができる。このような一実施形態では、薄層クロマトグラフィの膜はホルダ2の細長い部分6に固定される適切な膜又は他の材料を含む。サンプル(揮発性溶剤に溶解される液体又は固体のいずれか)は、装置1の収容部3内に、又は直接試験ストリップ4上に蓄積される。サンプルの構成成分は、同時に実行している、この未知の構成成分を有する基準によって同定することができる。サンプルを含む溶剤は、毛細管現象によってホルダ2の細長い部分6又はそれに含まれる試験ストリップ4を上る。溶剤の最前部がホルダ2の上側端部に達すると、紫外光、又はプレートのヨウ素蒸気内への配置のような適切な検出方法を使用して別個のスポットを可視化することができる。混合物中の種々の成分が、液体移動相と固定相との間で分配特性が異なることにより異なる速度でプレートを上る。
【0059】
装置1がラテラルフローアッセイ試験ストリップ4と組み合わせて使用される場合、試験ストリップ4は当該技術分野において理解されるように組み立てられる。図2は、使用することができるラテラルフローアッセイ試験ストリップ4の一例を示す。一実施形態では、イムノアッセイ試験ストリップは、ニトロセルロースのような吸収性の膜15と、第1の吸収パッド14と、第2の吸収パッド17とを備える。「吸収性」材料は、通過する液体に含まれる成分のクロマトグラフ分離を行う未処理形態の紙、ニトロセルロース等を含む。対照的に、「非吸収性の」液体流では、永久に捕捉又は「濾過」されない、液体の溶解又は分散した成分の全てがほぼ等しい速度で、且つ膜又は支持体を通る流れが比較的弱められずに運搬される。吸収剤の流れによって、1つ又は複数の成分が優先的に保持されるようになる。参照により本明細書に援用される、Charlton他に対して1999年11月23日に発行された「Test Device and Method for Colored Particle Immunoassay」と題する米国特許第5,989,921号に開示されている試験ストリップを使用することができる。
【0060】
ラテラルフロー試験ストリップを使用する実施形態では、膜は一般的にニトロセルロースのような多孔質担体である。試験ストリップ4は、マイラーのような裏当て層をさらに備えることができるか、又はホルダ2の細長い部分6に直接付着させることができる。試験ストリップ4は1つの連続したピースの積層体又は別個のピースの裏当てを有することができる。裏当てはまた、ビニルのような積層とすることができるが、試験ストリップに対する支持を提供するために多数の材料を使用することができることが当業者には理解されよう。装置がラテラルフローイムノアッセイ以外の方法と共に使用される実施形態では、ストリップは、クロマトグラフ紙又は所望のアッセイのタイプに適した他の材料を含むことができる。
【0061】
第1の吸収パッド
本発明のラテラルフローアッセイ試験ストリップを使用する実施形態では、好ましくは第1の吸収パッドが使用される。図2を参照すると、第1の吸収パッド14は、サンプルが通常ホルダから最も遠い遠位端でストリップと接触することになる膜15の端部に配置される。ホルダ2が収容部3内に挿入されると第1の吸収パッド14はサンプルと接触する。第1の吸収パッド14はホルダ2の下側端部を越えて延在することができ、それによってサンプルが、ホルダ2の下側端部と接触することなく試験ストリップ4と接触する。この第1の吸収パッド14は、ホルダ2が収容部3内に固定されるとサンプル容量内に延在する。第1の吸収パッド14のサンプル及び収容部3に対する位置決めはホルダ2の位置合わせ機構5及びストッパ機構9によって固定される。パッド14のサンプル又はサンプル希釈剤との接触は、パッド14がサンプルを吸収するのを可能にすること、及び膜15に沿った流れを導くことによってアッセイを開始する。膜15に沿った流れは、サンプル中の分析物が膜上に固定化されている第2の結合試薬と接触することを可能にする。第1の吸収パッド14はさらに、液体サンプルを、毛細管流を妨げ得る特定の物質から分離するフィルタの役割を果たすことができ、偽陽性の可能性がさらに低減する。
【0062】
ラテラルフローイムノアッセイと共に使用される吸収パッドは当該技術分野において既知である。本発明と共に使用することができるパッドの非限定的な例は、Ahlstrom社(122 West Butler Street, Mount Holly Springs, PA 17065)又はWhatman社(200 Park Ave., Florham Park, NJ 07932)から市販されているWhatman D28、Whatman 1.5WF、Whatman 3MM CHRを含む。
【0063】
マトリックスストリップ
再び図2を参照すると、マトリックスストリップは当該技術分野において既知の任意の適切な膜とすることができる多孔質の膜15である。一般的に、多孔質の膜15は検出プローブが通過することが可能な種々の材料のいずれかから作成することができる。たとえば、多孔質の膜15を形成するために使用される材料は、多糖類(たとえば、紙のようなセルロース材料並びに酢酸セルロース及びニトロセルロースのようなセルロース誘導体);ポリエーテルスルホン;ポリエチレン;ナイロン;ポリフッ化ビニリデン(PVDF);ポリエステル;ポリプロピレン;シリカ;不活性化アルミナ、珪藻土、MgSOのような無機材料、若しくは塩化ビニル、塩化ビニル−プロピレン共重合体、及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のようなポリマーを有する多孔質ポリマー材料中に均一に分散している、他の微粉化した無機材料;天然(たとえば、綿)及び合成(たとえば、ナイロン若しくはレーヨン)の両方の生地;シリカゲル、アガロース、デキストラン、及びゼラチンのような多孔質ゲル;ポリアクリルアミドのような高分子フィルム等のような天然材料、合成材料、又は合成して改質された天然材料を含むことができるが、これらには限定されない。
【0064】
膜15の細孔の大きさは、好ましくは約0.05μm〜約20μmとすることができる。
【0065】
ラテラルフローイムノアッセイを使用する実施形態では、試験ストリップ4は、上述した、且つ図1、図2、及び図8に示すような1つ又は複数の検出領域16をさらに含む。試験ストリップ4は、ユーザの所望に応じて1つ又は複数の対照ゾーンをさらに含むことができる。1つ又は複数の検出領域16は、所定の点でマトリックスストリップに含浸される結合試薬を含む。
【0066】
検出領域16は、分析物−標識化試薬複合物と結合する、膜15内に固定化されている標識化されていない結合試薬を含む。結合した分析物の蓄積の結果、視認可能な信号が生じる。対照領域は、通常、標識化試薬の或る領域(第1の標識化試薬のFc領域等、ここで第1の標識化試薬は抗体である)と結合する固定化された試薬から成り、対象領域において蓄積される標識化試薬は、アッセイの首尾よい完了を示す。
【0067】
1つ又は複数の検出領域16は、同じ結合試薬を含むか、又は複数の分析物を補足するために異なる結合試薬を含むことができる。たとえば、検出領域16は、1つ又は複数の分析物を検出するための2つ以上の異なる結合領域(たとえば、線、ドット等)、並びにアッセイの完了及び完全性を確認するための1つ又は複数の対照領域を含むことができる。好ましくは、結合領域及び対照領域は、装置1を通る試験サンプルの流れにほぼ垂直な方向の線の形態で配置されることができる。しかしながら、実施形態によっては、結合領域及び対照領域は、アッセイ装置を通る試験サンプルの流れにほぼ平行な方向の線の形態で配置されてもよい。
【0068】
対照領域は概して、膜15の、所定の分析物に特異的な結合試薬を含む検出領域の下流の部位に配置される。試薬は、複合化した共役粒子及び複合化していない共役粒子の両方に結合することができ、したがって概して第1の結合試薬とは異なる。一実施形態では、試薬は、第1の結合試薬とは異なる生物学的な結合試薬(たとえば、抗原、ハプテン、蛋白質A又は蛋白質G、ニュートラアビジン、アビジン、ストレプトアビジン、一次抗体又は二次抗体(たとえば、多クローン性、単クローン性等)、及びそれらの複合物)である。たとえば、第1の結合試薬は単クローン抗体とすることができ、一方で第2の結合試薬は、アビジン(陽イオン性の強い66000ダルトンの糖蛋白質)、ストレプトアビジン(グリコシル化していない52800ダルトンの蛋白質)、ニュートラアビジン(脱グリコシル化したアビジン誘導体)、及び/又はカプトアビジン(ニトロ化したアビジン誘導体)とすることができる。この実施形態では、第2の結合試薬は、ビオチニル化するか又は第1の結合試薬の単クローン抗体とは異なる単クローン抗体と共役する検出プローブ上に含まれるビオチンと結合することができる。
【0069】
加えて、当業者に既知のような種々の非生体材料を対照領域の第2の結合試薬に使用することができる。
【0070】
第2の吸収パッド17
図1、図2、及び図8に示されるようなラテラルフローイムノアッセイ試験ストリップが利用される場合、試験ストリップ4はまた、第2の吸収パッド17も含む。第1の吸収パッド14、膜15、及び第2の吸収パッド17は、上述のように、検出されるべき分析物を含む液体のための流路を備える。第2の吸収パッド17は、毛細管現象によって膜15を通過したサンプル液体を採集するための容器の役割を果たす。適切な吸収剤は、たとえば、Alstrom社又はWhatman社から入手可能な市販のタイプものを含む。
【0071】
一実施形態では、試験ストリップ4は、上述のような、定性的で迅速なラテラルフローイムノアッセイを利用し、検出されるべき分析物は、ヒトの鼻腔洗浄液サンプル、鼻咽喉吸引物サンプル、咽頭スワブサンプル、又は鼻腔スワブサンプル及び鼻咽喉スワブサンプル内のインフルエンザAウイルス性蛋白質抗原及びインフルエンザBウイルス性蛋白質抗原である。この実施形態では、膜15はニトロセルロースから成り、インフルエンザA及びインフルエンザBに対する乾燥した単クローン抗体又は多クローン抗体(第2の結合試薬)をさらに含む2つの別個の検出領域をさらに備える。第1の検出領域はインフルエンザAに対する抗体を含み、第2の検出領域はインフルエンザBに対する抗体を含む。抗体は膜内に固定化される。第1の標識化試薬と共役する分析物が試験ストリップ4内に固定化されている抗体と結合すると、視覚的に検出可能な反応が起こる。標識としてコロイド金が使用される場合、検出領域はピンク色から赤色になる。この実施形態では、任意の適切な抗体を対照領域において使用することができる。一実施形態では、使用される抗体はヤギ抗マウス抗体であり、これは後に試験ストリップ4の対照領域に固定化される。
【0072】
標識化試薬(接合体)
ラテラルフローイムノアッセイ試験ストリップが利用される場合、適切な標識化試薬が選択される。選択される方法に応じて、所定量の少なくとも1つのタイプの標識化試薬が収容部3内に蓄積されるか、第1の吸収パッド14内に含浸されるか、又はエンドユーザに別個に提供される。
【0073】
使用される標識化試薬は、検出可能な標識に付着しているか、当該標識と共役しているか、又は当該標識と他の様式で結合している対象の分析物を認識するか又は当該分析物と結合する任意の粒子、蛋白質又は分子とすることができる。標識化試薬の正確な性質は、アッセイが競合型アッセイを使用するか又はサンドイッチ型アッセイを使用するかによって決まる。
【0074】
一実施形態では、粒子、蛋白質又は分子は、天然の単クローン抗体若しくは天然の多クローン抗体又は非天然の単クローン抗体若しくは非天然の多クローン抗体である。実質的にあらゆる抗原物質に対して特異的な結合特性及び高い親和性を有する多クローン抗体及び単クローン抗体又はそれらの画分は、既知であり且つ市販されているか、又は既知の細胞融合及びスクリーニング技法を使用して安定した細胞株から生成することができる。
【0075】
本発明の標識化試薬は凍結乾燥、フリーズドライ等を受けることができ、収容部3内に配置される。一実施形態では、標識化試薬はガラス繊維又は他の適切なパッド上に凍結乾燥することができる。標識化試薬は、追加の凍結保護剤、又はChing他に対する米国特許第6,534,320号に記載されているようなメタ溶解性蛋白質を含むことができる。試薬が液体形態で安定している場合、試薬を凍結乾燥する必要はない。所望のアッセイ感度を達成するために、標識化試薬の品質が計算されるか又は経験的に最適化される。
【0076】
一実施形態では、標識化試薬は、1つ又は複数の抗体、たとえば、金と共役するインフルエンザA抗体又はインフルエンザB抗体を含む。別の実施形態では、標識化試薬は、Biolyph有限会社(LLC)(1317 Fifth Street South, Hopkins, MN 55343-7807 USA)によるLyoSphere(商標)として製造される。この実施形態では、1つ又は複数の抗体(たとえば、インフルエンザAに対する抗体、抗体−1)は金と共役し、金接合体ドライバッファ内において液体状態で提供される。金接合体ドライバッファは、トリス、クエン酸ナトリウム、スクロース、EDTA、アジ化ナトリウム、及びトリトンX−405を含む。そして、マイクロリットル単位の分割量(aliquot)の液体が球体の形態で正確且つ耐久性のある単位として凍結乾燥される。LyoSphere(商標)は、13μL〜250μLの範囲の分割量に必要な正確な体積で計量分配される。1つの装置当たりにより大きな体積が必要な場合、複数のLyoSphere(商標)を単一の装置内に容易にパッケージすることができる。一実施形態では、LyoSphere(商標)球体はおおよそ、それぞれ約15マイクロリットル〜50マイクロリットル又は約25マイクロリットル〜30マイクロリットルを含む。
【0077】
LyoSphere(商標)は製造された直後に収容部3内にパッケージされる。収容部3は、劣化を防ぐための乾燥剤と共に真空包装及びパッケージされることができる。凍結乾燥された試薬は2%を下回る相対湿度で機能するパッケージスーツ内で取り扱われる。
【0078】
標識
結果の検出に標識が必要とされる場合、概して視覚的に又は計器装置によって検出可能な信号を生成することが可能な任意の物質を使用することができる。適切な物質の非限定的な例は、色原体、触媒、発光化合物(たとえば、蛍光性、リン光性のもの等)、放射性化合物、コロイド金属(たとえば、金)粒子及びコロイド非金属粒子、染色した粒子、酵素若しくは基質、又は有機ポリマーラテックス粒子を含む視覚的な標識、リポソーム若しくは信号生成物質を含む他の小胞等を含む。たとえば、Song他による米国特許出願公開第2005/0112703号及びKaylorによる米国特許出願公開第2006/0127886号を参照されたい。
【0079】
イムノアッセイ手法において標識として有用な金属ゾル及び他のタイプの有色粒子が既知であり、当該技術分野においてラテラルフローイムノアッセイに一般的に使用されている。たとえば、標識として適切なコロイド粒子の記載については、参照により本明細書に援用されるChing他に対する米国特許第6,534,320号を参照されたい。また、米国特許第4,313,734号及び米国特許第6,485,982号も参照されたい。
【0080】
いくつかの実施形態では、標識として酵素を使用することができる。検出プローブとして使用するのに適した酵素の非限定的な例は、米国特許第4,275,149号に開示されている。酵素/基質システムの一例は、酵素としてアルカリンホスファターゼ、及び基質としてニトロブルーテトラゾリウム−5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−リン酸、又はそれらの誘導体若しくは類似体、或いは基質として4−メチルウンベリフェリル−リン酸である。他の適切な標識は米国特許第5,670,381号及び同第5,252,459号に記載されているものであり得る。いくつかの実施形態では、標識は検出可能な信号を生成する蛍光化合物を含むことができる。蛍光化合物は蛍光分子、蛍光ポリマー、蛍光デンドリマー、蛍光粒子等とすることができる。適切な蛍光分子のいくつかの例は、たとえば、フルオレセイン、ユーロピウムキレート、フィコビリ蛋白質、ローダミン並びにそれらの誘導体及び類似体を含むが、これらには限定されない。
【0081】
上述のような標識は単独で、又は微粒子(「ビーズ」又は「マイクロビーズ」と称されることもある)と組み合わせて使用することができる。たとえば、細菌、多糖類(たとえば、アガロース)等の天然の微粒子を使用することができる。さらに、合成微粒子も利用することができる。たとえば、蛍光色素又は有色色素で標識化されているラテックス微粒子を使用することができる。あらゆるラテックス微粒子を本発明において使用することができるが、ラテックス微粒子は通常、ポリスチレン、ブタジエンスチレン、スチレンアクリル−ビニルターポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、スチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ポリビニル、ポリビニルピリジン、ポリジビニルベンゼン、テレフタル酸エステルポリブチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル−アクリレート等、又はそれらのアルデヒド誘導体、カルボキシル誘導体、アミノ誘導体、ヒドロキシル誘導体、若しくはヒドラジド誘導体から形成される。他の適切な微粒子は、米国特許第5,670,381及び同第5,252,459に記載されているものであり得る。市販の適切な蛍光粒子の例は、Molecular Probes社(29851 Willow Creek Road, Eugene, OR 97402 USA)によって商標名「FluoSphere」(Red 580/605)及び「TransfluoSphere」(543/620)並びに「Texas Red」で市販されている蛍光カルボン酸マイクロスフィア、並びにこれらもまたMolecular Probes社によって市販されている5−カルボキシテトラメチルローダミン及び6−カルボキシテトラメチルローダミンを含む。加えて、市販の適切な有色のラテックス微粒子の非限定的な例は、Bang's Laboratory社(9025 Technology Drive, Fishers, IN 46038-2886)によって市販されているカルボン酸ラテックスビーズを含む。
【0082】
使用に際して、粒子の形状は概して変更することができる。特定の一実施形態では、たとえば、粒子は球形である。しかしながら、本発明によって、板、棒、円盤、バー、管、不規則な形状等のような他の形状も意図されることは理解されたい。加えて、粒子のサイズも変更することができる。たとえば粒子の平均サイズ(たとえば、直径)は約0.1ナノメートル〜約1000マイクロメートル、いくつかの実施形態では約1ナノメートル〜約100マイクロメートル、またいくつかの実施形態では約10ナノメートル〜約10マイクロメートルに及び得る。たとえば「ミクロンスケール」の粒子が望ましいことが多い。利用に際して、このような「ミクロンスケール」の粒子は約1マイクロメートル〜約1000マイクロメートル、いくつかの実施形態では約1マイクロメートル〜約100マイクロメートル、またいくつかの実施形態では約1マイクロメートル〜約10マイクロメートルの平均サイズを有することができる。同様に「ナノスケール」の粒子も利用することができる。このような「ナノスケール」の粒子は約0.1ナノメートル〜約80ナノメートル、いくつかの実施形態では約0.1ナノメートル〜約5ナノメートル、またいくつかの実施形態では約1ナノメートル〜約20ナノメートルの平均サイズを有することができる。
【0083】
いくつかの場合では、粒子を、より容易に分析物と結合することができるような或る様式で改質することが望ましい。このような場合では、粒子は、当該粒子に付着して共役粒子を形成するいくつかの特異的な結合メンバによって改質することができる。特異的な結合メンバは一般的に特異的な結合対、すなわち2つの異なる分子であって、当該分子のうちの一方がもう一方の粒子に化学的に且つ/又は物理的に結合する、2つの異なる分子のうちの1つのメンバを指す。たとえば、免疫反応性の特異的な結合メンバは、抗原、ハプテン、アプタマー、抗体(一次又は二次)、及びそれらの複合物を含むことができ、それらはDNA組み換え法又はペプチド合成によって形成されるものを含む。抗体は、単クローン抗体若しくは多クローン抗体、組み換え蛋白質又はそれらの混合物(複数可)若しくは断片(複数可)、及び抗体と他の特異的な結合メンバとの混合物とすることができる。このような抗体の調製及びそれらの特異的な結合メンバとしての使用についての適性の詳細は、当業者には既知である。他の一般的な特異的な結合対は、ビオチン及びアビジン(又はそれらの誘導体)、ビオチン及びストレプトアビジン、炭水化物及びレクチン、相補的なヌクレオチド配列(標的核酸配列を検出するためのDNAハイブリダイゼイーションアッセイにおいて使用されるプローブ及び結合核酸配列を含む)、組み換え法によって形成されるものを含む相補的なペプチド配列、エフェクタ分子及び受容体分子、ホルモン及びホルモン結合蛋白質、酵素補助因子及び酵素、酵素阻害物質及び酵素等を含むが、これらには限定されない。さらに、特異的な結合対は元の特異的な結合メンバの類似体であるメンバを含むことができる。たとえば、分析物の誘導体又は断片、すなわち、分析物類似体は、分析物と共通の少なくとも1つのエピトープを有する限り、使用することができる。
【0084】
特異的な結合メンバは一般的に、種々の既知の技法のいずれかを使用して粒子と結合することができる。たとえば、特異的な結合メンバの検出プローブ(たとえば、粒子)に対する共有結合は、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基、ブロモアセチル基、ヨードアセチル基、チオール基、エポキシ基及び他の反応性官能基又は結合官能基、並びに蛋白質結合反応を達成することができる、残留物のないラジカル及びラジカル陽イオンを使用して達成することができる。粒子の表面は比較的高い濃度の極性群を含む場合があるため、表面官能基もまた、官能化されたコモノマーとして取り入れることができる。加えて、接合体粒子は合成後に官能化されることが多いが、微粒子は、ポリ(チオフェノール)のようないくつかの場合に、さらに改質する必要なしに蛋白質と直接共有結合することが可能である。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1の結合試薬又は第2の結合試薬は生物学的な結合試薬とすることができる。このような生物学的な結合試薬は当該技術分野において既知であり、抗原、ハプテン、蛋白質A又は蛋白質G、ニュートラアビジン、アビジン、ストレプトアビジン、カプトアビジン、一次抗体又は二次抗体(たとえば、多クローン性、単クローン性等)、及びそれらの複合物を含むことができるが、これらには限定されない。多くの場合において、これらの生物学的な結合試薬は、接合体粒子上に存在する特異的な結合メンバ(たとえば、抗体)と結合することが可能であることが望ましい。
【0086】
第1の結合試薬又は第2の結合試薬に種々の非生体材料を使用することが望ましい場合もある。たとえば、いくつかの実施形態では、試薬は高分子電解質を含むことができる。高分子電解質は正味の正電荷又は負電荷又は概して中性である正味の電荷を有することができる。正味の正電荷を有する高分子電解質のいくつかの適切な例は、ポリリシン(Sigma-aldrich Chemical社(St. Louis, Mo.)から市販されている)、ポリエチレンイミン;ポリ(ジメチルアミン−co−エピクロルヒドリン)のようなエピクロルヒドリン官能基化ポリアミン及び/又はポリアミドアミン;ポリジアリルジメチル−塩化アンモニウム;セルロース共重合体又は四級アンモニウム水溶性モノマーとグラフト重合させたセルロース誘導体のようなカチオンセルロース誘導体等を含むが、これらには限定されない。一実施形態では、四級アンモニウム水溶性モノマーを含むセルロース誘導体である、CelQuat(登録商標)SC−230M又はH−100(National Starch & Chemical社(742 Grayson Street, Berkeley, CA 94710-2677から市販されている)を利用することができる。正味の負電荷を有する高分子電解質のいくつかの適切な例は、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸,ナトリウム塩)のようなポリアクリル酸等を含むが、これらには限定されない。他の高分子電解質も使用することができることも理解されたい。両親媒性の高分子電解質(すなわち、極性部分と非極性部分とを有する)のような、これらの高分子電解質のうちのいくつかは、概して中性である正味の電荷を有することができる。たとえば、適切な両親媒性の高分子電解質のいくつかの例は、ポリ(スチリル−b−N−メチル 2−ビニル ヨウ化ピリジニウム)及びポリ(スチリル−b−アクリル酸)を含むが、これらには限定されない。これらの両方はPolymer Source社(Dorval, Canada)から市販されている。
【0087】
希釈剤
希釈剤は、バイアルのような別個の容器内に、又は閉じたピペット内に設けることができる。
【0088】
本発明と共に使用される希釈剤は、濃縮された形態で、又は、すぐに使える形態でエンドユーザによって供給されるか、又はキットの一部として供給される。希釈剤は、試験ストリップ4がラテラルフローイムノアッセイ試験ストリップである場合に、サンプルの添加の前又は後に添加することができ、一段階法又は二段階法のいずれが使用されるかにかかわらず添加することができる。希釈剤の1つの目的は、接合体粒子を再懸濁して運搬することである。希釈剤は、対象の分析物の結合及びその後の標識化が溶液中で起こるように、標識化試薬を十分に可溶化及び再懸濁する任意の液体とすることができる。希釈剤はまた、標識化試薬−分析物複合物を、毛細管現象によってウィッキングの膜15に沿って、検出領域16にわたって運搬することが可能でなければならない。希釈剤はまた、必要とされる体液の量を低減するという追加の利点を供することができる。
【0089】
アッセイの実施は収容部3内のサンプル及び希釈剤の総量を、液体がホルダ2の細長い部分6と接触することなく第1の吸収パッド14と接触するようなレベルに制限することによって最適化することができる。希釈剤−サンプル溶液が装置1の細長い部分6と接触すると、試験ストリップ4とホルダ2との間で溶液の望ましくないウィッキングが生じる。試験ストリップ4の背後のウィッキングは溶液の試験ストリップ4に沿った適切な流れを妨げる。このように、溶液のレベルは、好ましくは、装置1のホルダ2の位置合わせ機構5及びストッパ機構9のうちのいずれか又は両方によって達成することができる、ホルダ2の下側端部の下のレベルに制限される。
【0090】
適切な希釈剤の例は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液(7.2のpH)、トリス緩衝生理食塩水(TBS)溶液(8.2のpH)又は2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)(5.3のpH)を含む。これらは、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カゼイン及びウシ血清アルブミンのような蛋白質性材料、ドデシル硫酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、及びトリトンX−100(ポリエチレングリコール tert−オクチルフェニルエーテル)のような洗浄剤、水溶性ポリマー、並びに防腐剤のような、アッセイの性能を補助する他の添加剤を含むことができる。一実施形態では、希釈剤は、約7〜約9のpHに調整される、約10g/L〜約13g/L、又は約12.1g/Lのトリス塩基;約0.9g/L〜約2.0g/L、又は約1.86g/LのEDTA;約5g/L〜約15g/L、又は約10.00g/LのBSA;約1mL/L〜約3mL/L、又は約2.0mL/LのThesit;約0.94g/Lのアジ化ナトリウム;約8.5g/L〜約30g/L、又は約29.22g/Lの塩化ナトリウム;約8g/L〜約30g/L、又は約25g/LのCHAPS;約0.32mL/Lのゲンタマイシン(50μg/mL)を含むことができる。一実施形態では、pHは約9.0である。
【0091】
使用法
試験サンプル
上述のように、使用される試験サンプルを、種々の供給源から導出することができる。使用されるサンプルは、一部には、サンプル及び検出されるべき分析物の利用可能性によって決まる。サンプルは、本明細書に記載される装置と共に使用する前に処理することができる。本発明と共に使用することができる、意図されるサンプルは、口腔粘膜又は鼻腔粘膜のスワブ、尿サンプル、鼻腔洗浄液、鼻咽頭吸引物、咽頭スワブ等を含むが、これらには限定されない。
【0092】
分析物
本明細書に記載される装置は、適切な結合パートナーが利用可能であり、ラテラルフローによって液体サンプルと共にストリップに沿って移動することが可能な任意の分析物に適している。例示的な分析物は上述しており、当業者に理解される。
【0093】
装置は、上述のような一段階法又は二段階法のいずれかを利用するラテラルフローイムノアッセイ試験ストリップと共に使用することができる。たとえば、本発明の一実施形態では、使用される標識化試薬を試験ストリップ4の第1の吸収パッド14に含浸することができ、したがって「一段階」法を利用する。ユーザは、試験サンプルを第1の吸収パッド14に直接付着、接触又は蓄積することができる。希釈剤はサンプルが試験ストリップ4と接触する前又は後に添加することができる。希釈剤は、ピペット又は当業者に既知の任意の他の有効な手段のような別個のソースによって収容部3に添加することができる。希釈剤は、多孔質の膜15と液体連通している第1の吸収パッド14を通じて1つ又は複数の検出領域16へ移動する。この実施形態では、標識化試薬を収容部3内に予め計量分配しておく必要がない。さらに、この実施形態では、試験ストリップ4を含むホルダ2を、収容部3内に既に装着した状態で消費者に提供することができる。
【0094】
また、装置1を、二段階法又は「注入」法を利用するラテラルフローイムノアッセイ試験ストリップと共に使用することができる。この実施形態では、サンプルは最初に、試験ストリップ4と接触する前に標識化試薬と混合される。サンプル及び標識化試薬は収容部3内又は別個の容器内で混合されることができる。試験ストリップ4を含むホルダ2は次に、サンプル及び標識化試薬を含む混合物と接触する。
【0095】
二段階法を利用する一実施形態では、標識化試薬は収容部3内に予め計量分配された状態で提供される。収容部3は、標識化試薬を含み、且つカップ、プラグ又は類似の囲みで封止されている状態で消費者に提供することができる。この実施形態では、標識化試薬は、たとえば、収容部3に乾燥、乾燥させてペレット状に、乾燥させて粉末状に、真空乾燥、フリーズドライ、高温強制空気乾燥、標準的な技法を使用して凍結乾燥、又は後述のように凍結乾燥して球状にした形態を含む、種々の形態で提供することができる。標識化試薬はさらに、ガラス繊維若しくは他の適切なパッドに凍結乾燥されることができるか、又は収容部3の底部に乾燥されることができる。次いで、ユーザは収容部3を開き、標識化試薬を可溶化するために希釈剤を添加することができるか、又は標識試薬は、必要な場合には、サンプルの添加によって可溶化されてもよい。希釈剤は、サンプルが収容部3内に配置される前又は後に添加することができる。
【0096】
ユーザは、使用される試験ストリップ4のタイプに関係なく、適切な試験ストリップ4を含むホルダ2を挿入することによって試験ストリップ4に沿ったラテラルフローを開始する。ホルダ2及び試験ストリップ4は装置1を消費者に提供する前に組み立ててもよく、又はホルダ2及び試験ストリップ4は使用前に組み立てるために別個に提供してもよい。
【0097】
適切な試験ストリップ4を含むホルダ2がサンプルを含む収容部3内に挿入されると、ラテラルフローが開始される。ラテラルフローイムノアッセイタイプの試験ストリップを使用する実施形態では、サンプル及び/又は希釈剤は、1つ又は複数の検出領域16を有する多孔質の膜15と流体連通している第1の吸収パッド14を通じて移動する。液体サンプル及び/又は希釈剤は、次いで第2の吸収パッド17内に蓄積する。
【0098】
試験結果の検出
上述したように、種々の標識を本発明と共に使用することができる。使用される標識の種類は、その標識が検出される様式に従って決定される。装置と共に使用することができる標識検出の非限定的な例を以下に述べる。
【0099】
有色粒子
金属ゾル(たとえば、コロイド金)のような有色粒子を、特にラテラルフローイムノアッセイを利用する実施形態において使用することができる。これらのタイプの標識を使用する実施形態では、反応ゾーンにおける発色は付加的な計測器の補助なしに視覚的に観察することができる。対照領域が存在する場合、対照領域における色の存否が試験が首尾よく完了したか否かを示す。たとえば、対照領域において線が現れなかった場合、試薬が劣化したか、又はサンプルが足りなかった結果として、試験が結論に達するものではないと結論付けることができる。反応が事実上定量的である場合、発色を内部対照の1つ又は複数の基準の色と比較して、分析物濃度のおおよそのレベルを求めることができる。当該技術分野において既知の任意の適切な有色粒子を本発明と共に利用することができ、このような粒子は当業者には既知であろう。
【0100】
発光標識
標識としての有色粒子の代替物は、発光を使用する標識である。金ゾル又は青色ラテックス粒子のような有色標識を使用する、視覚的に読み取るアッセイシステムは限られた感度しか提供しない。
【0101】
「時間分解蛍光検出」として既知の技法もまた、本発明において使用することができる。時間分解蛍光検出は、ユーロピウム(Eu(III))及びテルビウム(Tb(III))のランタニドキレートのような特定の蛍光材料の蛍光特性を利用することによって、放射源又は(励起放射の散乱の結果生じる)散乱過程からの背景信号を低減するように設計される。キレートは、著しく短い波長で励起された後、強く赤方偏移した、狭帯域で、長寿命の放射を示す。通常、キレートは、分子内でランタニドに近接して位置している発色団に起因する強い紫外線吸収帯域を有している。発色団による光吸収に続いて、励起エネルギーが励起された発色団からランタニドに伝達されることができる。続いて、ランタニドに特徴的な蛍光が放射される。パルス励起及び時間ゲート検出を、狭帯域放射フィルタと組み合わせて使用することによって、通常短命であるか又は短波長の放射を有する、サンプル中に存在する他の種からの放射を排除しながら、ランタニドキレートのみからの蛍光を特異的に検出することが可能である。
【0102】
蛍光検出は検出ゾーン及び対照ゾーン内の分析物の存在を検出するために使用することができ、一般的に、放射光子を励起光子から分離するための波長フィルタリング、及び、放射光子を記録すると共に記録可能な出力を、通常電気信号又は写真画像として生成する検出器を利用する。検出器のタイプの例は、蛍光分光計及びマイクロプレートリーダー;蛍光顕微鏡;蛍光スキャナ;並びにフローサイトメータを含む。本発明と共に使用するための1つの適切な蛍光検出器は、SPEX Industries社(Edison, N.J.)によって市販されているFluoroLogIII蛍光分光計である。結合ゾーン内の標識は1つ又は複数の別個の結合領域に閉じ込めることができる。
【0103】
対象のアッセイリーダーのいずれかによって特定可能な発光標識は、Badley他による米国特許出願公開第2004/0151632号に記載されているような蛍光標識とすることができる。このような実施形態では、放射信号は蛍光発光信号であり得る。特定の実施形態では、光源は紫外光源とすることができる。励起信号は、特定の実施形態では、紫外光であり得る。
【0104】
放射性標識もまた使用することができ、検出は当該技術分野において既知のような標準的な方法を使用して達成される。ホルダ2は、放射性標識の検出のために取り外してもよく、又は取り外さなくてもよい。
【実施例】
【0105】
〔実施例1〕
以下の実施例は、装置1を使用する一実施形態に関連し、ここで試験ストリップ4は、ヒトの鼻腔洗浄液サンプル、鼻咽喉吸引物サンプル、咽頭スワブサンプル、及び鼻腔スワブサンプル又は鼻咽喉スワブサンプルのようなサンプル中のインフルエンザAウイルス性核蛋白質抗原及びインフルエンザBウイルス性核蛋白質抗原の両方を検出するための、迅速で、定性的なラテラルフローイムノアッセイ用の試験ストリップである。
【0106】
試験キット及びコンポーネント
試験管形状の収容部3と、ホルダ2と、サンプル希釈剤と、取扱説明書とを備える、インフルエンザA及びインフルエンザBを検出するための試験キットが用意される。収容部3は、インフルエンザA及びインフルエンザBに対する、コロイド金結合単クローン抗体(「検出抗体」)の凍結乾燥ビーズを含む。ホルダ2は、別個の線にインフルエンザA及びインフルエンザBに対する乾燥した捕捉抗体を有するニトロセルロースの膜15を保持する。ホルダ2は、試験中は収容部3と係合し、その後潜在的な病原体に対する露出を低減するために廃棄される。ホルダ2はまた、試験ストリップ4のための1つ又は複数の検出ガイド13も提供する。
【0107】
キットは、図8に示すように組み立てられているホルダ2と共に、乾燥剤、及びホイルパウチ内の湿度レベルを示すのに使用される乾燥剤指示器を有するホイルパウチ内に封入されている試験ストリップ4を備える。試験ストリップ4は、試験線のための単クローン抗インフルエンザA捕捉抗体及び単クローン抗インフルエンザB捕捉抗体、並びに、対照のためのヤギ抗マウス抗体を保持する。試験ストリップ4及び標識化試薬内に組み込まれる単クローン抗体を生成するのに使用されるインフルエンザ株は、A/Texas、A/H1N1、B/Singapore及びB/Beijing/184/93である。ホルダ2は収容部3を実質的に封止するのに使用される。ホルダ2の細長い部分6は、収容部3が蓋をされている間に試験ストリップ4が湾曲するのを防ぐ。試験ストリップ4は、供給されるとすぐに使用できる。試験ストリップ4及びホルダ2を含むパウチは、使用中でないときは2℃〜25℃で保存される。
【0108】
キットは、接合体ビーズの形態の標識化試薬を含む、蓋をされている収容部3をさらに備える。収容部3は、水分汚染を防ぐためにホイルパウチ内に封入されている。標識化試薬は、検出抗体としての役割を果たす、金と共役している抗インフルエンザA試薬及び抗エンフルエンザB試薬を含む。試験ストリップ4及び標識化試薬内に組み込まれる単クローン抗体を生成するのに使用されるインフルエンザ株は、A/Texas、A/H1N1、B/Singapore及びB/Beijing/184/93である。ホイルパウチは、使用中でないときは2℃〜25℃で保存される。収容部3を閉じる蓋は、使用前には取り外されない。
【0109】
サンプル希釈剤/陰性対照
キットは、陰性対照としての役割を果たす、ドロッパ瓶内に設けられる希釈剤をさらに備える。溶液は、使用中でないときは約2℃〜約25℃で保存される。
【0110】
50μL及び100μLの容量目盛りを有するプラスチックのトランスファピペットもまたキットと共に提供される。
【0111】
収容部3内に設けられる標識化試薬の形態は、凍結乾燥ビーズである。凍結乾燥ビーズはBiolyph社から入手可能なLyoSphere(商標)ビーズである。LyoSphereは、金と共役しているインフルエンザA抗体−1、インフルエンザA抗体−2、及びインフルエンザB抗体−1を含む3つの抗体の混合物を含む。これは、ミネソタ州ホプキンスを本拠地とし、生命科学及び診断試薬を専門としているBiolyph社(http://www.biolyph.com)から供給される液体「金接合体ドライバッファ」から調製される。金接合体ドライバッファは、トリス、PEG−20000、クエン酸ナトリウム、PVP−40、スクロース(0.5%)、BSA、EDTA、脱脂粉乳、アジ化ナトリウム、tween−20、トリトンX−405から成り、約9.0〜約9.5のpHに調整される。約25マイクロリットル〜30マイクロリットルが乾燥されて単一ビーズになる。
【0112】
試験ストリップ4のためのニトロセルロース膜15が以下の様式で調製される:最初に、本明細書に記載されるような適切な結合試薬を、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、及びアジ化ナトリウムを含む「試験/対照線緩衝液」の存在下でニトロセルロースに加える。次いでニトロセルロースはヒートタワー内で数分間空気乾燥される。リン酸ナトリウム、tween−20、塩化ナトリウム、トリトンX−405、BSA、アジ化ナトリウム、及び脱脂粉乳を含む「ブロック緩衝液」がニトロセルロースに加えられる。ニトロセルロースは再びヒートタワー内で数分間空気乾燥され、薄片にされて試験ストリップに切り分けられる。試験ストリップは、接着性の裏当て、ブロックされているニトロセルロース、上側ウィッキングパッド、及び下側サンプルパッドを含むように組み立てられる。試験ストリップ4は、湿度が制御されている環境で組み立てられる。
【0113】
試験ストリップ4は、湿度が制御されている環境内で、金接合体管及び乾燥剤と共にパウチ内に配置される。
【0114】
装置の使用方法
試料の採集
試料は標準的な容器内に採集及び輸送され、試験されるまで約2℃〜8℃で保存される。理想的には、試料は可能な限り早く試験されるが、試験する前に2℃〜8℃で最長72時間保持してもよい。試験をこの時間枠内で実施することができない場合、試料は受け取られた直後に冷凍され、試験されるまで最長2週間冷凍で(≦約−20℃)保存されてもよい。一回の冷凍/解凍サイクルは試験結果に影響しないであろう。
【0115】
分析されるべきサンプルに適切な輸送媒体を使用することができる。たとえば、口腔液の採集について、試料の採集のために以下の輸送媒体が許容可能である:Fisher Scientific社(4500 Turnberry Drive, Hanover Park Illinois 60133)から市販されているM4、M4−RT、M5、スチュアート(Stuart's)平衡塩、ハンクス平衡塩、エイミス(Amies)PBS、ダルベッコPBS、0.85%生理食塩水。
【0116】
以下のタイプのスワブが使用される(スワブ部分/ハンドル部分):綿/プラスチック、レーヨン/プラスチック、発泡体/プラスチック、ポリエステル/金属、ポリエステル/プラスチック、レーヨン/金属、綿/金属、フロックナイロン等。アルギン酸カルシウムスワブは、この化学物質が陽性反応を低減するため好ましくない。
【0117】
試料の調製
試料及び試薬は、試験される前に、最初に室温(20℃〜25℃)にされる。
【0118】
鼻腔洗浄液試料、鼻咽喉吸引物試料又は鼻咽喉スワブ試料が輸送媒体中で使用される場合、以下の工程が続く:
【0119】
1.標識化試薬を含む収容部3をホイルパウチから取り出す。収容部3に適切なラベルを付す(label)。
【0120】
2.収容部3から蓋を外す。
【0121】
3.3滴(約100μL)のサンプル希釈剤を、ドロッパ瓶を使用して収容部3に添加する。
【0122】
4.サンプルを一貫性に関係なく完全に混合する。キットによって供給されるホールピペットの1つを使用して、ピペットバルブをサンプル内で3回絞ることによってサンプルを穏やかに、しかし完全に混合することができる。代替的に、サンプルをボルテックスミキサーを使用して少なくとも10秒間混合してもよい。
【0123】
5.同じピペットを使用して、約100μLの試料を汲み出して収容部3に添加する。
【0124】
6.同じピペットを使用して、ピペットバルブを3回絞ることによってサンプル及び標識化試薬を完全に、しかし穏やかに混合する。代替的に、サンプル及び標識化試薬をボルテックスミキサーを使用して少なくとも10秒間混合してもよい。次いでピペットを廃棄する。
【0125】
鼻腔スワブ試料、咽頭スワブ試料、及び鼻咽喉スワブ試料を輸送媒体なしに直接採集する場合、以下の工程が続く:
【0126】
1.標識化試薬を含む1つの収容部3をホイルパウチから取り外す。収容部3に適切なラベルを付す。
【0127】
2.収容部3から蓋を外し廃棄する。
【0128】
3.ドロッパ瓶を使用して、8滴(約300μL)のサンプル希釈剤を直ちに収容部3に添加する。粘性の高いサンプルの場合、最大12滴(約500μL)のサンプル希釈剤を添加することができる。
【0129】
4.次いで、スワブを収容部3内に浸漬し、液体内で3回回転させる。スワブを、取り出すときに管の側面に押し付け、液体を可能な限り多く絞り出す。
【0130】
試験手順
装置を使用するために、接合体ビーズを標識化試薬を含む収容部3内で希釈剤によって再水和させる。次いでサンプルを上述のように添加する。試験ストリップ4を含むホルダ2を取り付ける前に、内容物を、収容部3を穏やかに回転させることによって混合する。次いで試験ストリップを約20℃〜約25℃(ほぼ室温)でインキュベートして、希釈サンプル中のインフルエンザA抗原及びインフルエンザB抗原が、サンプルが試験ストリップを上るときに、対応する単クローン抗体コロイド金接合体と結合することを可能にする。第2の結合試薬、インフルエンザAに対する単クローン抗体は、「test−FLU A」位置でニトロセルロースの膜と結合する。抗原−インフルエンザAと抗体−コロイド金との複合物が第2の結合試薬と結合すると、視認可能なピンク色〜赤色の線が作成される。同様に、インフルエンザBに対する単クローン抗体は、「test−FLU B」位置で膜と結合する。分析物のこの位置への結合の結果、抗原−インフルエンザBと抗体−コロイド金との複合物を捕捉すると、ピンク色〜赤色の線が生じる。抗原が存在しない場合、複合物は形成されず、試験ストリップのtest−FLU A位置にもtest−FLU B位置にもピンク色〜赤色の線は現れない。試験実行中に試験ストリップを通じて適切な流れが起こっているか否かを判定するための内部対照線が、FLU A位置及びFLU B位置の上流に配置される。対照線は、当業者によって理解されるような、任意の適切な抗体とすることができる。たとえば、対照線は、試験ストリップの対照位置で結合されるヤギ抗マウス抗体とすることができる。試験が適切に機能しているとすると、視認可能なピンク色〜赤色の線が、試料又は対照が試験される度に、試験ストリップの対照位置において現れる。ピンク色〜赤色の線が見られない場合、試験は無効であると考えられる。
【0131】
装置を使用して試験を行うために、以下の工程を実施する:
【0132】
1.ホイルパウチ内に設けられる、試験ストリップ4を含むホルダ2をパウチから取り出す。
【0133】
2.試験ストリップ4を含むホルダ2の細長い部分6を、サンプルを含む収容部3内に挿入し、インフルエンザA抗体及びインフルエンザB抗体と共役するコロイド金(標識化試薬)を再水和した。
【0134】
3.ホルダ2をしっかりと押し下げ、収容部3を実質的に封止する。
【0135】
4.次いで装置1を20℃〜25℃で15分間インキュベートする。
【0136】
5.そして結果を1分以内に読み取ることができる。試験結果を読み取るのが難しい場合には、ホルダ2を収容部3から取り外してもよい。収容部3はホルダ2又は他の蓋によって再び蓋をすることができ、試験が終了すると廃棄される。
【0137】
内部対照
内部対照は試験ストリップ4内に含まれ、したがって試験毎に評価することができる。「対照線」に現れるピンク色又は赤色の帯が内部陽性対照の役割を果たし、試験が正しく実施されていること、サンプルが添加されたこと、サンプルが適切に流れたこと、及び試験試薬が使用時に活性であったことを示す。対照線又は試験線の周囲の色のない背景は陰性対照の役割を果たす。結果の読み取りを不明瞭にする背景は試験を無効にし、試薬の劣化、サンプルが不適切であること、又は試験の実施が不適切であることを示す。
【0138】
外部対照試験
以下の工程を含む外部対照試験を実施することができる:
【0139】
1.全ての試験コンポーネント、試薬及びサンプルを、試験前に室温(20℃〜25℃)にする。
【0140】
2.1つの収容部3及び試験ストリップ4を陽性対照試験に使用し、1つの収容部3及び試験ストリップ4を陰性対照試験に使用する。
【0141】
3.収容部3をホイルパウチから取り出し、それに従って管にラベルを付す。パウチを廃棄する。
【0142】
4.収容部3から蓋を外す。
【0143】
5.3滴〜5滴(約90μL〜約210μL)の陽性対照試薬を、陽性対照用にマーキングした収容部3に添加する。
【0144】
6.正確に3滴〜7滴(約120μL〜約280μL)のサンプル希釈剤/陰性対照を、陽性対照用にマーキングした収容部3に添加する。
【0145】
7.収容部3の内容物を10秒間ボルテックス又は混合する。
【0146】
8.上述のようなラテラルフロー試験ストリップ4を含むホルダ2をホイルパウチから取り出す。
【0147】
9.試験ストリップ4を含むホルダ2を各収容部3に取り付ける。各収容部3を、ホルダ2の上端をしっかりと押すことによって閉じる。
【0148】
10.両方の収容部3を、20℃〜25℃で15分間インキュベートする。
【0149】
11.試験結果を1分以内に読み取る。
【0150】
読み取り結果
ピンク色〜赤色の帯が対照線位置のみに存在する場合、試験結果は陰性であると判定される。
【0151】
ピンク色〜赤色の帯が対照位置及びFLU A位置に現れ、FLU B位置に帯が存在しない場合、インフルエンザAに対する試験は陽性であると判定される。FLU A試験線が現れることは、たとえ非常に弱いものでも、インフルエンザA抗原の存在を示す。試験線の強度は、対照線の強度よりも低いものであり得る。
【0152】
ピンク色〜赤色の帯が対照位置及びFLU B線位置に存在する場合、インフルエンザBに対する試験結果は陽性であると判定される。FLU A試験線に帯は存在しない。FLU B試験線に現れるということは、たとえ非常に弱いものでも、インフルエンザB抗原の存在を示す。試験線の強度は対照線の強度よりも低いものであり得る。
【0153】
対照線に対して指定されている位置において帯が観察されない場合、試験結果は無効であると判定される。対照の帯が存在しないことは試験手続きが不適切に実施されたこと、又は試薬の劣化が起こっていることを示すため、試験は無効である。試験結果はまた、ピンク色〜赤色の帯が、インキュベーションの16分後に装置のFLU A試験線位置及びFLU B試験線位置のいずれかに現れる場合、又はピンク色〜赤色以外のいずれかの色が現れる場合にも無効であると考えられる。試験のインキュベートが長すぎる場合、偽陽性の結果が生じる可能性がある。ピンク色〜赤色以外の色の帯は試薬の劣化を示し得る。
【0154】
〔実施例2〕
この実施例では、キット及び方法は、使用される標識化試薬を除いて、実施例1に記載したものとほぼ同じである。この実施例では、実施例1に記載した凍結乾燥された球体の代わりに、標識化試薬が、その後収容部3内に配置されるパッド上に用意される。
【0155】
標識化試薬を含むパッドを用意するために、各抗体は、抗体毎に決定される最適なpH及び蛋白質濃度で抗体をコロイド金溶液に添加することによって、別個に共役される。金接合体はBSA及びPEG−20000でブロックされ、その後遠心分離される。上澄みが廃棄され、金接合体ペレットが金接合体ドライバッファ内で再懸濁される。3つの接合体が適切な比で共に混合され、適切且つ一貫した反応性が確保される。液体金接合体は、次いでガラス繊維パッドに吹き付けられ、ヒートタワーを使用して空気乾燥される。乾燥された接合体は8×10mmの切片に切り分けられ、湿度が制御されている環境内で試験管形状の収容部内に配置される。接合体パッドを含む収容部は、その後実施例1において上述したものと同じプロトコルに従って使用される。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明の一実施形態の正面図である。
【図2】(a)は組み立てられていないホルダであり(b)は試験ストリップの分解図である。
【図3】ホルダの拡大等角図である。
【図4】ホルダの拡大図である。
【図5】ホルダの拡大図である。
【図6】図2のホルダの底面図である。
【図7】図2のホルダの拡大図である。
【図8】ホルダの斜視図である。
【符号の説明】
【0157】
1 試験装置
2 ホルダ
3 収容部
4 ラテラルフローアッセイ試験ストリップ
5 機構
6 細長い部分
7 ヒンジ
8 保持機構
9 ストッパ機構
11 把持部材
12 保護領域
13 検出ガイド
14 第1の吸収パッド
15 膜
16 検出領域
17 第2の吸収パッド
19 補助ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験装置であって、
a)開いた端部及び閉じた端部を有する収容部と、
b)ホルダと、
c)試験ストリップと
を備え、前記ホルダが、前記試験ストリップを該ホルダに固定するための細長い部分と、前記収容部の前記開いた端部を実質的に封止する囲みと、前記ホルダが前記収容部内に挿入されるときに該収容部の前記開いた端部から延在する把持部材とから成る、試験装置。
【請求項2】
前記ホルダがストッパ機構をさらに備える、請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記ホルダが少なくとも1つの位置合わせ機構をさらに備える、請求項1に記載の試験装置。
【請求項4】
前記ホルダは1つ又は複数の保持部材をさらに有する、請求項1に記載の試験装置。
【請求項5】
前記ホルダが、互いに結合して前記把持部材を形成する、2つの別個の相補的な、結合可能な部分から成る、請求項1に記載の試験装置。
【請求項6】
前記ホルダが、前記把持部材の上側部分と下側部分とを分離するヒンジをさらに備え、前記把持部材は、該把持部材の前記上側部分を、前記ヒンジにおいて該把持部材の前記下側部分の上に折り畳むことによって形成される、請求項1に記載の試験装置。
【請求項7】
前記ホルダが、その長さ方向に沿った少なくとも1つの保護領域をさらに備える、請求項1に記載の試験装置。
【請求項8】
前記ホルダが1つ又は複数の検出ガイドをさらに備える、請求項1に記載の試験装置。
【請求項9】
前記ホルダが1つ又は複数の補助ピンをさらに備える、請求項1に記載の試験装置。
【請求項10】
前記試験ストリップがラテラルフロー試験ストリップである、請求項1に記載の試験装置。
【請求項11】
前記試験ストリップが、拡散的に結集される標識化試薬をさらに備える、請求項10に記載の試験装置。
【請求項12】
前記収容部が少なくとも1つの結合試薬と共役する標識を含む、請求項1に記載の試験装置。
【請求項13】
前記標識が、酵素、放射性同位体、蛍光タグ、炭素粒子、ビーズ、及び金属ゾルから成る群から選択される、請求項12に記載の試験装置。
【請求項14】
前記標識化試薬が凍結乾燥された球体である、請求項12に記載の試験装置。
【請求項15】
前記標識化試薬がパッド上で凍結乾燥され、前記収容部内に配置される、請求項12に記載の試験装置。
【請求項16】
前記収容部が、試験管、正方形のキュベット、三角形のキュベット、透明な試験管、透明なキュベット、不透明な試験管、及び不透明なキュベットから成る群から選択される、請求項1に記載の試験装置。
【請求項17】
前記収容部が1つ又は複数の覗き窓を有する、請求項1に記載の試験装置。
【請求項18】
前記収容部が、その内容物を拡大することを可能とするように湾曲する、請求項1に記載の試験装置。
【請求項19】
前記試験ストリップが、インフルエンザAに特異的な固定化された第2の結合試薬と、インフルエンザBに特異的な固定化された第2の結合試薬と、制御領域とを備えるラテラルフロー試験ストリップである、請求項1に記載の試験装置。
【請求項20】
試験ストリップのためのホルダであって、細長い部分と把持部材とを備え、該ホルダはリビングヒンジにおいて折り畳むことによって形成され、前記試験ストリップは前記細長い部分に固定される、試験ストリップのためのホルダ。
【請求項21】
ストッパ機構をさらに備える、請求項20に記載の試験ストリップのためのホルダ。
【請求項22】
位置合わせ機構をさらに備える、請求項20に記載の試験ストリップのためのホルダ。
【請求項23】
ホルダは、その長さ方向に沿った少なくとも1つの保護領域をさらに備える、請求項20に記載の試験ストリップのためのホルダ。
【請求項24】
保持部材をさらに備える、請求項20に記載の試験ストリップのためのホルダ。
【請求項25】
1つ又は複数の検出ガイドをさらに備える、請求項20に記載の試験ストリップのためのホルダ。
【請求項26】
1つ又は複数の補助ピンをさらに備える、請求項20に記載の試験ストリップのためのホルダ。
【請求項27】
試験装置であって、
a)分析物と結合することが可能な標識化試薬を含む、開いた端部及び閉じた端部を有する試験管状の収容部と、
b)液体サンプルを輸送するための流路を画定する第1の吸収パッドと、膜ストリップと、第2の吸収パッドとを備える試験ストリップと、
c)前記試験ストリップが、固定化されている第2の結合試薬をさらに備える少なくとも1つの試験部位を備え、
d)前記試験ストリップがホルダ内の凹部に配置され、該ホルダはさらに、凹部を有する細長い支持体と、前記収容部の前記開いた端部を実質的に封止する囲みと、ストッパ機構と、該ホルダが前記収容部内に挿入されるときに該収容部の前記開いた端部から延在する把持部材とから成り、
e)前記ホルダが、前記把持部材の上側部分を、ヒンジにおいて該把持部材の下側部分の上に折り畳むことによって形成され、それによって前記折り畳まれた部分の一方の端部が前記第2の吸収パッドを取り込み、
f)前記ホルダが、折り畳まれた後、前記把持部材と、前記囲みと、前記ストッパ機構とを備える、試験装置。
【請求項28】
前記標識化試薬が、検出可能な標識と、インフルエンザAと結合する第1の結合試薬とを備える、請求項27に記載の試験装置。
【請求項29】
前記標識化試薬が、検出可能な標識と、インフルエンザBと結合する第1の結合試薬とを備える、請求項27に記載の試験装置。
【請求項30】
前記標識化試薬がパッドと共役する、請求項27に記載の試験装置。
【請求項31】
前記標識化試薬が凍結乾燥された球体である、請求項27に記載の試験装置。
【請求項32】
前記試験ストリップが対照領域をさらに備える、請求項27に記載の試験装置。
【請求項33】
前記試験ストリップが、第1の吸収パッドと、プラスチックの裏当てを有するニトロセルロース膜と、第2の吸収パッドであって、該第2の吸収パッド内に含浸される、固定化されている第2の結合試薬を有する、第2の吸収パッドとから成る、請求項27に記載の試験装置。
【請求項34】
サンプル中の分析物の存在を検出するためのキットであって、
a)収容部と、
b)細長い部分と、位置合わせ機構と、前記収容部を実質的に封止する囲みと、1つ又は複数の検出ガイドと、把持部材とを備える、試験ストリップのためのホルダと、
c)試験ストリップと
を備え、前記試験ストリップが前記細長い部分と結合し、前記ホルダが前記収容部内にフィットするように構成される、サンプル中の分析物の存在を検出するためのキット。
【請求項35】
前記収容部が予め計量分配されている標識化試薬を含む、請求項34に記載のサンプル中の分析物の存在を検出するためのキット。
【請求項36】
希釈剤をさらに備える、請求項34に記載のサンプル中の分析物の存在を検出するためのキット。
【請求項37】
サンプル中の分析物を検出する方法であって、
a)標識と少なくとも1つの結合試薬とから成る標識化試薬を含む、開いた端部及び閉じた端部を有する収容部を設ける工程と、
b)希釈剤を前記収容部内に計量分配する工程と、
c)前記収容部内に前記分析物を含むと思われるサンプルを導入する工程と、
d)標識化試薬と、サンプルと、希釈剤とを含む混合物を形成する工程と、
e)前記混合物を試験ストリップと接触させる工程と、
f)なお、前記試験ストリップが、細長い部分と、前記収容部を実質的に封止する囲みと、該ホルダが前記収容部内に挿入されるときに該収容部の前記開いた端部から延在する把持部材とを備えるホルダに固定され、
g)前記混合物が前記試験ストリップ上に固定化されている少なくとも1つの第2の結合試薬と接触するように、毛細管現象によって前記試験ストリップに沿った前記混合物のラテラルフローを可能にする工程と、
h)結果を検出する工程と
を含む、サンプル中の分析物を検出する方法。
【請求項38】
前記標識化試薬は凍結乾燥された球体である、請求項37に記載のサンプル中の分析物を検出する方法。
【請求項39】
検出されるべき前記分析物は、インフルエンザA及びインフルエンザBから成る群から選択される1つ又は複数の分析物である、請求項37に記載のサンプル中の分析物を検出する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−89597(P2008−89597A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259001(P2007−259001)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(507109376)メリディエン バイオサイエンス インク. (1)
【Fターム(参考)】