説明

試験試料の多重化分析

本開示は、試験試料中に存在しうる1以上のターゲット分子の検出のための方法、デバイス、試薬、およびキットを記載する。記載する方法、デバイス、キット、および試薬は、核酸(すなわちアプタマー)を検出し、そして定量化することによって、試験試料中の非核酸ターゲット(例えばタンパク質ターゲット)の検出および定量化を容易にする。記載する方法は、非核酸ターゲットに対する核酸代理を生成し、こうして増幅を含めて非常に多様な核酸技術を、より広範囲の所望のターゲット、特にタンパク質ターゲットに適用することを可能にする。該開示は、多様な分析的検出適用中のアプタマーの使用を容易にするアプタマー構築物をさらに記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001]本出願は、2007年7月17日出願の米国仮出願第60/950,281号、2007年7月17日出願の米国仮出願第60/950,293号、2007年7月17日出願の米国仮出願第60/950,283号、2008年2月26日出願の米国仮出願第61/031,420号、および2008年5月8日出願の米国仮出願第61/051,594号の優先権を請求する。本出願はまた、各々、2007年1月16日出願の米国出願第11/623,580号および米国出願第11/623,535号の一部継続出願でもある。これらの参考文献は各々、その全体が本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
[0002]本発明は、一般的に、試料中のターゲット分子の検出のための方法、デバイス、試薬、およびキットに、そしてより具体的には、試験試料中に含有されうる1以上のターゲット分子の検出および/または定量化に関する。こうした方法は、診断適用において、ならびにバイオマーカー発見、ならびに療法剤の設計および開発において、広い有用性を有する。
【背景技術】
【0003】
[0003]以下の説明は、本開示に関連する情報の要約を提供し、そして本明細書に提供する情報または引用する刊行物のいずれかが、ここに請求する発明に対する先行技術であることの容認ではない。
【0004】
[0004]生物学的試料および他の試料中の生理学的に重要な分子の検出および定量化に向けられるアッセイは、科学的研究において、そして健康管理分野において重要なツールである。こうしたアッセイの1つのクラスは、固体支持体上に固定された1以上のアプタマーを含むマイクロアレイの使用を伴う。アプタマーは、各々、非常に特異的な方式でそして非常に高いアフィニティで、ターゲット分子に結合可能である。例えば、米国特許第5,475,096号、表題「Nucleic Acid Ligands」を参照されたい;また、例えば、米国特許第6,242,246号、米国特許第6,458,543号、および米国特許第6,503,715号、各々、表題「Nucleic Acid Ligand Diagnostic Biochip」を参照されたい。マイクロアレイを試料と接触させると、アプタマーが、試料中に存在するそれぞれのターゲット分子に結合し、そしてそれによって、試料中のターゲット分子の非存在、存在、量、および/または濃度の決定が可能になる。
【0005】
[0005]このアッセイの変形は、アプタマーが、そのターゲット分子と共有結合するか、または「光架橋する」のを可能にする光反応性官能基を含むアプタマーを使用する。例えば、米国特許第6,544,776号、表題「Nucleic Acid Ligand Diagnostic Biochip」を参照されたい。これらの光反応性アプタマーはまた、光アプタマー(photoaptamer)とも称される。例えば、米国特許第5,763,177号、米国特許第6,001,577号、および米国特許第6,291,184号、各々、表題「Systematic Evolution of Nucleic Acid Ligands by Exponential Enrichment: Photoselection of Nucleic Acid Ligands and Solution SELEX」を参照されたい;また、例えば、米国特許第6,458,539号、表題「Photoselection of Nucleic Acid Ligands」も参照されたい。マイクロアレイを試料と接触させ、そして光アプタマーがそのターゲット分子と結合する機会を得た後、光アプタマーを光活性化し、そして固体支持体を洗浄して、いかなる非特異的結合分子も除去する。光アプタマーに結合したターゲット分子は、光アプタマー上の光活性化された官能基(単数または複数)によって生成される共有結合のために、一般的に、除去されないため、激しい洗浄条件を用いてもよい。この方式で、該アッセイは、試験試料中のターゲット分子の非存在、存在、量、および/または濃度の決定を可能にする。
【0006】
[0006]これらのアッセイ形式のどちらでも、試料と接触させる前に、アプタマーを固体支持体上に固定する。しかし、特定の状況下では、試料と接触させる前のアプタマーの固定は、最適なアッセイを提供しない可能性もある。例えば、アプタマーをあらかじめ固定した結果、固体支持体表面上で、ターゲット分子とアプタマーが不十分にしか混合されず、これがおそらく長時間の反応時間につながり、そしてしたがって、ターゲット分子に対するアプタマーの十分な結合を可能にするためには、長時間のインキュベーション期間を要することになる可能性もある。さらに、光アプタマーをアッセイ中に使用すると、そして固体支持体として利用する物質に応じて、固体支持体は、光アプタマーおよびそのターゲット分子間の共有結合の形成を達成するのに用いられる光を散乱させるかまたは吸収する傾向がありうる。さらに、固体支持体表面もまた、用いるいかなる標識化剤にも曝露され、そしてこれらに影響を受ける可能性もあるため、使用する方法に応じて、アプタマーに結合したターゲット分子の検出は、不正確になりやすい可能性もある。最後に、固体支持体上のアプタマーの固定は、一般的に、試料へのアプタマーの曝露前に、アプタマー調製工程(すなわち固定)を伴い、そしてこの調製工程は、アプタマーの活性または官能性に影響を及ぼしうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,475,096号
【特許文献2】米国特許第6,242,246号
【特許文献3】米国特許第6,458,543号
【特許文献4】米国特許第6,503,715号
【特許文献5】米国特許第6,544,776号
【特許文献6】米国特許第5,763,177号
【特許文献7】米国特許第6,001,577号
【特許文献8】米国特許第6,291,184号
【特許文献9】米国特許第6,458,539号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0007]したがって、以下の1以上:(1)アプタマーの活性、(2)アプタマー−ターゲット分子複合体に関する結合平衡を達成する効率、(3)アプタマーおよびそのターゲット分子間の共有結合(単数または複数)の形成、(4)無関係な試料構成要素および過剰なアプタマーの除去、(5)遅い解離速度のアプタマーの使用を通じて形成されるアフィニティ複合体の解離、ならびに(6)アプタマー−ターゲット分子複合体の検出に影響を及ぼす条件を最適化することによって、試験試料中のターゲット分子の検出および/または定量化のための高感度アッセイを提供する方法、デバイス、試薬、およびキットに関する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0008]本開示には、試験試料中に存在しうる1以上のターゲット分子の検出および/または定量化のための方法、デバイス、試薬、およびキットが含まれる。より具体的には、本開示は、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)から、未結合ターゲットおよび未結合アプタマー両方を除去し、それによってアッセイにおいて、ノイズの潜在的な供給源を除去することによる、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)の精製法を開示する。本開示はまた、ターゲット分子の定量化のためのアプタマーおよび光アプタマーに基づくアッセイであって、任意の適切な核酸検出法を用いた最終検出のため、アプタマー(または光アプタマー)がアプタマー・アフィニティ複合体(または光アプタマー共有複合体)から分離可能である、前記アッセイも提供する。本開示はまた、アプタマー・アフィニティ複合体(または光アプタマー共有複合体)からのアッセイ構成要素の分離を促進し、そして検出および/または定量化のため、アプタマーの単離を可能にする、アプタマー構築物も記載する。本開示はまた、ターゲットからの解離速度(off−rate)が遅く、そして結合効率が改善されたアプタマーを使用することによって、感度および特異性の改善を提供する、方法、デバイス、キット、および試薬も記載する。本開示はまた、試験試料中の多数のターゲットを同時に検出し、そして/または定量化することも可能な、試験試料の多重化分析のための方法、デバイス、キット、および試薬も提供する。最終的に、これらの方法および試薬は、ターゲット濃度(例えば試験試料中のタンパク質ターゲット濃度)を、非常に多様な核酸検出および定量化法のいずれかによって検出しそして定量化することも可能な核酸濃度に変換することを可能にする。さらに、ターゲット濃度が、対応する核酸濃度に有効に変換されたならば、次いで、標準的な核酸増幅および検出工程を使用してシグナルを増加させることも可能である。最後に、本開示は、試験試料の多重化分析法を提供する。本開示にしたがった方法をin vitroで実行可能である。
【0010】
[0009]単回捕獲アフィニティアッセイ。1つの態様において、ターゲット分子に対する特異的アフィニティを有するアプタマーと試験試料を接触させる。試験試料がターゲット分子を含有するならば、試験試料中でアプタマー・アフィニティ複合体が形成されるであろう。1つの態様において、アプタマー・アフィニティ複合体のターゲット分子にタグを付着させる。(タグがアプタマー・アフィニティ複合体を破壊しない方式でターゲットに付着可能であるように、タグを設計することに注目されたい。)別の態様において、アプタマー・アフィニティ複合体の形成前に、タグをターゲットに付着させる。次に、タグ化アプタマー・アフィニティ複合体を固体支持体上に捕捉する。アプタマー・アフィニティ複合体と固体支持体を接触させ、そしてタグが、直接または間接的にのいずれかで、固体支持体に付着している適切な捕捉剤と会合するのを可能にすることによって、付着が達成される。固体支持体上の捕捉剤と会合しているアプタマー・アフィニティ複合体を試験試料混合物の残りから分配し、それによって未結合アプタマーをすべて除去する。アプタマー・アフィニティ複合体の解離によって、アプタマー・アフィニティ複合体中のターゲットと複合体化しているアプタマーを固体支持体から遊離させてもよい。最後に、限定されるわけではないが、質量分析、Invaderアッセイ法、核酸チップ、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)等を含む、多様な適切な核酸検出法のいずれかを用いて、遊離したアプタマーを検出し、そして/または定量化してもよい。いくつかの態様において、用いる特定の核酸検出法に応じて、なおアプタマー・アフィニティ複合体の一部のままで、アプタマーを検出してもよい。
【0011】
[0010]二重捕獲アフィニティアッセイ。別の態様において、遊離可能な第一のタグを含み、そしてターゲット分子に対する特異的アフィニティを有するアプタマーと、試験試料を接触させる。試験試料がターゲット分子を含有するならば、試験試料中でアプタマー・アフィニティ複合体が形成されるであろう。アプタマー・アフィニティ複合体が第一の固体支持体上に捕捉される。アプタマー・アフィニティ複合体と第一の固体支持体を接触させ、そしてアプタマー上に含まれる遊離可能な第一のタグが、直接または間接的にのいずれかで、第一の固体支持体に付着している適切な第一の捕捉剤と会合するのを可能にすることによって、付着が達成される。アプタマー・アフィニティ複合体に加えて、複合体化されていないアプタマーもまた、第一の固体支持体に付着するであろうことに注目されたい。次いで、固体支持体上のプローブと会合したアプタマー・アフィニティ複合体および複合体化されていないアプタマーを混合物の残りから分配し、それによって未結合ターゲットおよび試験試料中のすべての他の複合体化されていない物質を除去する。分配後、使用されている特定の遊離可能な第一のタグに適した方法を用いて、アプタマー・アフィニティ複合体(複合体化されていないアプタマーすべてとともに)を第一の固体支持体から遊離させる。第二のタグ(遊離可能な第一のタグと同じであってもまたは異なっていてもよい)をアプタマー・アフィニティ複合体のターゲット分子に付着させる。(第二のタグがアプタマー・アフィニティ複合体を破壊しない方式でターゲットに付着可能であるように、第二のタグを設計することに注目されたい。)第二のタグが、直接または間接的にのいずれかで、第二の固体支持体に付着している適切な第二の捕捉剤と会合するのを可能にすることによって、第二の固体支持体上にアプタマー・アフィニティ複合体が捕捉される。固体支持体上のプローブと会合しているアプタマー・アフィニティ複合体を混合物の残りから分配し、それによって未結合アプタマーをすべて除去する。アプタマー・アフィニティ複合体の解離によって、アプタマー・アフィニティ複合体中のターゲットと複合体化しているアプタマーを固体支持体から遊離させてもよい。最後に、限定されるわけではないが、質量分析、Invaderアッセイ法、DNAチップ、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)等を含む、多様な適切な核酸法のいずれかを用いて、アプタマー・アフィニティ複合体から遊離したアプタマーを検出し、そして/または定量化してもよい。いくつかの態様において、アプタマー・アフィニティ複合体がなお第一の固体支持体に固定されているままで、ターゲットを第二のタグと反応させてもよい。分配工程後に第二のタグを添加すると、アプタマー・アフィニティ複合体の一部でないターゲット分子の標識化が排除される。いくつかの態様において、核酸検出法を用いる場合、なおアプタマー・アフィニティ複合体の一部のままで、アプタマーを検出してもよい。
【0012】
[0011]単回捕獲光架橋アッセイ。別の態様において(「基本単回捕獲光架橋アッセイ」)、ターゲット分子に対する特異的アフィニティを有する光アプタマーと試験試料を接触させる。試験試料がターゲット分子を含有するならば、試験試料中で光アプタマー・アフィニティ複合体が形成されるであろう。光架橋基の適切な励起によって、アプタマー・アフィニティ複合体をアプタマー共有複合体に変換する。アプタマー共有複合体のターゲット分子にタグを付着させる。(タグがアプタマー共有複合体を破壊しない方式でターゲットに付着可能であるように、タグを設計することに注目されたい。)アプタマー共有複合体を固体支持体上に捕捉する。アプタマー共有複合体と固体支持体を接触させ、そしてタグが、直接または間接的にのいずれかで、固体支持体に付着している適切な捕捉剤と会合するのを可能にすることによって、付着が達成される。固体支持体上の捕捉剤と会合しているアプタマー共有複合体を試験試料混合物の残りから分配し、それによって未結合光アプタマーをすべて除去する。限定されるわけではないが、Invaderアッセイ法、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)等を含む、多様な方法のいずれかを用いて、アプタマー共有複合体の一部である光アプタマーを、検出し、そして/または定量化してもよい(なお固体支持体に付着したままで)。
【0013】
[0012]別の態様において、光アプタマーの検出前に、例えばポリメラーゼ連鎖反応などの核酸増幅工程を用いて、固体支持体に結合しているアプタマー共有複合体の一部である1以上のコピーの光アプタマーを生成するように、上述の単回捕獲光架橋アッセイを修飾する。次いで、光アプタマーのこれらのコピーを遊離させて、そして続いて、限定されるわけではないが、質量分析、Invaderアッセイ法、DNAチップ、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)等を含む、多様な適切な方法のいずれかを用いて、検出し、そして/または定量化してもよい。
【0014】
[0013]単回捕獲光架橋アッセイの別の態様において、切断可能リンカーを介して、光アプタマーの光架橋基をアプタマーに付着させる。1つの態様において、この切断可能リンカーは光切断可能リンカーであるが、アッセイにおける任意の所望の時点で切断されて、タグからターゲット分子を遊離させることが可能な、化学的切断可能リンカーまたは任意の他の切断可能リンカーであってもよい。この態様において、光アプタマーの検出前に、切断可能リンカーを用いて、固体支持体に結合している光アプタマー共有複合体から光アプタマーを遊離させるように、上述の基本単回捕獲光架橋アッセイを修飾する。限定されるわけではないが、質量分析、Invaderアッセイ法、DNAチップ、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)等を含む、多様な適切な方法のいずれかを用いて、遊離したアプタマーを、検出し、そして/または定量化してもよい。
【0015】
[0014]単回捕獲光架橋アッセイのさらに別の態様において、切断可能リンカーを介して、ターゲット分子に付着するタグを付着させる。1つの態様において、この切断可能リンカーは光切断可能リンカーである。このアッセイの他の態様において、アッセイにおける任意の所望の時点で切断されて、タグからターゲット分子を遊離させることが可能な、化学的切断可能リンカーまたは任意の他の適切な切断可能リンカーを介して、タグが付着する。この態様において、光アプタマーの検出前に、切断可能リンカーを用いて、固体支持体からアプタマー共有複合体を遊離させるように、上述の単回捕獲光架橋アッセイを修飾する。限定されるわけではないが、質量分析、Invaderアッセイ法、DNAチップ、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)等を含む、多様な適切な方法のいずれかを用いて、遊離したアプタマー共有複合体を、検出し、そして/または定量化してもよい。
【0016】
[0015]二重捕獲光架橋アッセイ。別の態様において(「基本二重捕獲光架橋アッセイ」)、第一の遊離可能タグを含有し、そしてターゲット分子に対する特異的アフィニティを有する光アプタマーと、試験試料を接触させる。試験試料がターゲット分子を含有するならば、試験試料中で光アプタマー・アフィニティ複合体が形成されるであろう。光架橋基の適切な励起によって、光アプタマー・アフィニティ複合体をアプタマー共有複合体に変換する。アプタマー共有複合体が第一の固体支持体上に捕捉される。アプタマー共有複合体と第一の固体支持体を接触させ、そして光アプタマー上に含まれる遊離可能な第一のタグが、直接または間接的にのいずれかで、第一の固体支持体に付着している適切な第一の捕捉剤と会合するのを可能にすることによって、付着が達成される。光アプタマー共有複合体に加えて、複合体化されていない光アプタマーもまた、固体支持体に付着してもよいことに注目されたい。固体支持体上のプローブと会合したアプタマー共有複合体および複合体化されていないアプタマーを混合物の残りから分配し、それによって未結合ターゲットおよび試験試料中のすべての他の複合体化されていない物質を除去する。分配後、使用されている特定の遊離可能な第一のタグに適した方法を用いて、光アプタマー共有複合体(複合体化されていない光アプタマーすべてとともに)を固体支持体から遊離させる。第二のタグをアプタマー共有複合体のターゲット分子に付着させる。(第二のタグがアプタマー共有複合体を破壊しない方式でターゲットに付着可能であるように、第二のタグを設計することに注目されたい。)第二の固体支持体上にアプタマー共有複合体が捕捉される。アプタマー共有複合体と第二の固体支持体を接触させ、そして第二のタグが、直接または間接的にのいずれかで、第二の固体支持体に付着している適切な第二の捕捉剤と会合するのを可能にすることによって、付着が達成される。固体支持体上の第二の捕捉剤と会合しているアプタマー共有複合体を混合物の残りから分配し、それによって未結合光アプタマーをすべて除去する。限定されるわけではないが、Invaderアッセイ法、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)等を含む、多様な適切な方法のいずれかを用いて、アプタマー共有複合体の一部である光アプタマーを検出し、そして/または定量化してもよい(なお固体支持体に付着したままで)。
【0017】
[0016]別の態様において、検出前に、例えばポリメラーゼ連鎖反応などの核酸増幅工程を用いて、固体支持体に結合しているアプタマー共有複合体の一部である1以上のコピーの光アプタマーを生成するように、上述の二重捕獲光架橋アッセイを修飾する。光アプタマーのこれらのコピーを遊離させて、そして続いて、限定されるわけではないが、質量分析、Invaderアッセイ法、DNAチップ、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)等を含む、多様な適切な方法のいずれかを用いて、検出し、そして/または定量化してもよい。
【0018】
[0017]別の態様において、切断可能リンカーを介して、光アプタマーの光架橋基をアプタマーに付着させるように、上述の二重捕獲光架橋アッセイを修飾する。1つの態様において、この切断可能リンカーは光切断可能リンカーである。このアッセイの他の態様において、光アプタマーの光架橋基は、アッセイにおける任意の所望の時点で切断されて、光アプタマー共有複合体から光架橋基を遊離させることが可能な、化学的切断可能リンカーまたは任意の他の適切な切断可能リンカーを介して、アプタマーに付着する。この態様において、光アプタマーの検出前に、切断可能リンカーを用いて、固体支持体に結合している光アプタマー共有複合体から光アプタマーを遊離させるように、上述の二重捕獲光架橋アッセイを修飾する。限定されるわけではないが、質量分析、Invaderアッセイ法、DNAチップ、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)等を含む、多様な適切な方法のいずれかを用いて、遊離した光アプタマーを、検出し、そして/または定量化してもよい。
【0019】
[0018]二重捕獲光架橋アッセイのさらに別の態様において、切断可能リンカーを介して、ターゲット分子に付着するタグを付着させる。1つの態様において、この切断可能リンカーは光切断可能リンカーである。このアッセイの他の態様において、アッセイにおける任意の所望の時点で切断されて、タグからターゲット分子を遊離させることが可能な、化学的切断可能リンカーまたは任意の他の適切な切断可能リンカーを介して、タグが付着する。この態様において、光アプタマーの検出前に、切断可能リンカーを用いて、固体支持体から光アプタマー共有複合体を遊離させるように、上述の二重捕獲光架橋アッセイを修飾する。限定されるわけではないが、質量分析、Invaderアッセイ法、DNAチップ、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)等を含む、多様な適切な方法のいずれかを用いて、遊離した光アプタマー共有複合体を、検出し、そして/または定量化してもよい。
【0020】
[0019]動力学的負荷。別の態様において、動力学的負荷を用いて、本明細書に開示するアッセイの特異性および感度を増加させてもよい。各々、2007年1月16日に出願され、そしてどちらの内容もその全体が本明細書に援用される、米国出願第11/623,580号および米国出願第11/623,535号に最初に記載された、動力学的負荷は、非特異的複合体に比較して比較的長い、特異的アプタマーターゲット複合体の解離速度を用いて、特定のアッセイの特異性の増加を提供する。さらに、本明細書にその全体が援用される、2008年7月17日出願の米国出願第12/175,434号、表題「Method for Generating Aptamers with Improved Off−Rates」は、SELEXプロセス中に遅い解離速度の濃縮プロセスを使用することによって、そして/または特定の修飾ヌクレオチドを用いることによって、遅い解離速度のアプタマーが同定可能であることを開示する(本明細書にその全体が援用される、2008年7月17日出願の米国出願第12/175,388号、表題「Improved SELEX and PhotoSELEX」を参照されたい)。
【0021】
[0020]動力学的負荷の取り込みによって、上述のアッセイ(単回捕獲アフィニティアッセイ、二重捕獲アフィニティアッセイ、単回捕獲光架橋アッセイ、および二重捕獲光架橋アッセイ)を各々、改善してもよい。例示のみの目的のため、以下は、二重捕獲アフィニティアッセイおよび二重捕獲光架橋アッセイの選択された態様に、どのように動力学的負荷を付加することが可能であるかを記載する。類似の方式で、本明細書記載の任意の他のアッセイおよび方法に、動力学的負荷を付加してもよいことを理解すべきである。本明細書記載の多様な態様に示される箇所(工程)に加えて、記載する任意のアッセイおよび方法の任意の適切な時点で、動力学的負荷を付加してもよいことをさらに理解すべきである。
【0022】
[0021]1つの態様において、二重捕捉アフィニティアッセイ内で、第一の固体支持体上のプローブと会合しているアプタマー・アフィニティ複合体および複合体化されていないアプタマーを混合物の残りから分配する工程の後、ならびにアプタマー・アフィニティ複合体中のアプタマーを遊離させるかあるいは直接検出するかまたは定量化する工程の前に、動力学的負荷を挿入する。1つの態様において、アプタマー・アフィニティ複合体を第一の固体支持体から遊離させた後、動力学的負荷を実行する。この態様において、アプタマー・アフィニティ複合体を、高濃度の競合剤を含有する緩衝液内に遊離させ、そして続いて、アプタマー・アフィニティ複合体の解離半減期以下の時間に渡って、競合剤溶液中でアプタマー・アフィニティ複合体をインキュベーションすることによって、動力学的負荷を実行する。
【0023】
[0022]別の態様において、二重捕捉光架橋アッセイ内で、アプタマー・アフィニティ複合体形成後および架橋工程前に、動力学的負荷を挿入する。1つの態様において、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして続いて、アプタマー・アフィニティ複合体の解離半減期以下の時間に渡って、競合剤溶液中でアプタマー・アフィニティ複合体をインキュベーションすることによって、動力学的負荷を実行する。
【0024】
[0023]検出および定量化法。上述のように、質量分析、Invaderアッセイ、DNAチップ、定量的PCR法等を含む、いくつかの異なる核酸検出技術を使用することによって、アプタマー・アフィニティ複合体(または光架橋アッセイの場合、アプタマー共有複合体)を検出することが可能である。
【0025】
[0024]1つの態様において、DNAチップを用いて、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を検出し、そして/または定量化する。本態様において、固体支持体に会合したアプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を溶出させ、そしてDNAチップ上にプリントされている相補的プローブ配列にハイブリダイズさせる。1つの態様において、相補的プローブ配列は、アプタマー全体に相補的である。別の態様において、相補的プローブ配列は、アプタマーの部分にのみ相補的である。別の態様において、プローブは、ハイブリダイゼーションの目的のためにアプタマーに付加された配列に相補的である。DNAチップ上のハイブリダイズしたアプタマー(または光アプタマー)を検出するため、標識を導入してもよい。1つの態様において、アプタマー(または光アプタマー)を合成する時点で、標識がアプタマー内に取り込まれる。例えば、化学的に(または酵素的に)合成されたアプタマー内に、蛍光色素を取り込んでもよい。1つの態様において、アプタマーの合成中に、標識をアプタマーに添加する。他の態様において、アッセイ前、アッセイ中またはアッセイ後の任意の時点で、標識をアプタマーに添加する。別の態様において、PCRなどの核酸増幅技術を用いて、アプタマー(または光アプタマー)集団を増幅してもよい。この場合、また、増幅工程の一部として標識を取り込んでもよい。
【0026】
[0025]別の態様において、質量分析を用いて、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を検出し、そして/または定量化する。この態様において、固体支持体と会合しているアプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を溶出させ、そしてターゲット分子を同定し、そしてしたがって検出するのに使用可能なピークのスペクトルを生じる質量分析を用いて分析する。ターゲット分子が検出されたならば、場合によって、これをまた、任意の適切な技術によって定量化してもよい。1つの態様において、ターゲット分子がタンパク質またはポリペプチドである場合、質量分析を用いてアプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を分析する前に、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を、例えばプロテイナーゼKまたはトリプシンなどのプロテアーゼ酵素で消化して、結合したターゲット分子の断片を産生して、これを用いてターゲット分子を同定し、そしてそれによってターゲット分子の検出および場合による定量化を可能にしてもよい。
【0027】
[0026]別の態様において、Q−PCRを用いて、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を検出し、そして/または定量化する。上述のように、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を固体支持体に付着させたまま、または固体支持体から遊離させた後のいずれかで、これを行ってもよい。PCRを行い、そして試験試料中のターゲット分子に結合しているアプタマーの量または濃度を直接または間接的にのいずれかで決定することによって、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を定量化する。試験試料中のターゲット分子の量または濃度は、一般的に、Q−PCRを用いることによって定量化されるアプタマーの量または濃度に正比例する。この方式でアプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を定量化するために使用可能な例示的な方法は、TaqMan(登録商標)アッセイ(PE Biosystems, カリフォルニア州フォスターシティ;米国特許第5,210,015号も参照されたい)である。
【0028】
[0027]別の態様において、場合によって、検出および/または定量化の前に、対応するターゲット分子からアプタマーを解離させる。核酸の検出および/または定量化に適した任意の既知の方法を用いて、未結合アプタマーを検出しそして測定してもよい。
【0029】
[0028]多重化アッセイ。別の態様において、上述のアッセイおよび方法を用いて、2以上のターゲットを検出し、そして/または定量化する。1つの態様において、二重捕捉アフィニティアッセイにおいて、多数のアプタマーを用いて、多数のターゲットを定量化し、そして/または検出する。アプタマー・アフィニティ複合体からのアプタマーの最終的な遊離後、次いで、核酸の多重化検出に適した方法を用いて、各アプタマーを検出してもよい。1つの方法において、多重化DNAチップを用いて、アプタマーを検出し、そして/または定量化する。本明細書に開示するアッセイのいずれかを多重化方式で実行して、多数のターゲットを検出してもよい。多重化のスケールに本質的な制限はないため、これらの多重化アッセイを用いて、例えば2以上のターゲット、10以上のターゲット、25以上のターゲット、50以上のターゲット、100以上のターゲット、250以上のターゲット、500以上のターゲット、または1000以上のターゲットを検出してもよい。
【0030】
[0029]試薬およびキット。1つの態様において、本明細書開示の方法に基づいて、限定なしに、診断キット、バイオマーカー発見キット、環境試験キット、バイオハザードまたは生物兵器検出キット、ならびに生命科学および分析化学適用におけるターゲットを検出するためのキットを含む、多様な検出適用のためのキットを調製してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1A】[0030]図1Aおよび1Bは、試験試料中に存在しうる1以上のターゲット分子の検出および/または定量化のための例示的な方法を例示する。
【図1B】[0030]図1Aおよび1Bは、試験試料中に存在しうる1以上のターゲット分子の検出および/または定量化のための例示的な方法を例示する。
【図2A】[0031]図2Aおよび2Bは、試験試料中に存在しうる1以上のターゲット分子の検出および/または定量化のための例示的な方法を例示する。
【図2B】[0031]図2Aおよび2Bは、試験試料中に存在しうる1以上のターゲット分子の検出および/または定量化のための例示的な方法を例示する。
【図3−1】[0032]図3A〜Lは、本明細書記載のアッセイで使用するための例示的なアプタマー構築物を例示する。
【図3−2】[0032]図3A〜Lは、本明細書記載のアッセイで使用するための例示的なアプタマー構築物を例示する。
【図3−3】[0032]図3A〜Lは、本明細書記載のアッセイで使用するための例示的なアプタマー構築物を例示する。
【図4−1】[0033]図4は、アプタマーが産生されている500を超えるターゲットのリストを提示する。これらのアプタマーの多くは、それぞれのターゲットからの遅い解離速度を有するように設計されてきている。
【図4−2】[0033]図4は、アプタマーが産生されている500を超えるターゲットのリストを提示する。これらのアプタマーの多くは、それぞれのターゲットからの遅い解離速度を有するように設計されてきている。
【図5A】[0034]図5Aは、ハイブリダイゼーションタグの例を例示する。図5B〜5Dは、切断可能または遊離可能要素、タグ(例えばビオチン)、スペーサー、および標識(例えばCy3)を含むアプタマー構築物の例を例示する。
【図5B】[0034]図5Aは、ハイブリダイゼーションタグの例を例示する。図5B〜5Dは、切断可能または遊離可能要素、タグ(例えばビオチン)、スペーサー、および標識(例えばCy3)を含むアプタマー構築物の例を例示する。
【図5C】[0034]図5Aは、ハイブリダイゼーションタグの例を例示する。図5B〜5Dは、切断可能または遊離可能要素、タグ(例えばビオチン)、スペーサー、および標識(例えばCy3)を含むアプタマー構築物の例を例示する。
【図5D】[0034]図5Aは、ハイブリダイゼーションタグの例を例示する。図5B〜5Dは、切断可能または遊離可能要素、タグ(例えばビオチン)、スペーサー、および標識(例えばCy3)を含むアプタマー構築物の例を例示する。
【図6】[0035]図6は、本開示に記載するアッセイ法で使用するアプタマーおよびプライマー構築物を例示する。Cy3はシアニン3色素、Bはビオチン、PCは光切断可能リンカー、ANAは光反応性架橋基、(AB)はdA残基によって分離されたビオチン残基対、そして(T)はポリdTリンカーを表す。プライマー構築物は、アプタマー構築物の完全3’固定領域に相補的である。図6A。単回捕獲アフィニティアッセイプロトコルで用いるアプタマー構築物。図6B。二重捕獲アフィニティアッセイプロトコルで用いるアプタマー構築物。図6C。単回捕獲架橋アッセイプロトコルで用いるアプタマー構築物。図6D。二重捕獲架橋アッセイプロトコルで用いるアプタマー構築物。
【図7A】[0036]図7A、7Bおよび7Cは、マイクロアレイ検出を伴うアフィニティアッセイプロトコルを用いた、緩衝液中のターゲットタンパク質の検出に関する用量反応曲線(対数投入ターゲットタンパク質濃度に対するRFU)を例示する。複製タンパク質不含対照値をy軸フレーム上にプロットする。実線は、データポイントに沿ったシグモイド適合を表す。点線は、複製タンパク質不含値の2つの標準偏差を表す。図7A。bFGFターゲットタンパク質。図7B。FGF7ターゲットタンパク質。図7C。リンホタクチン・ターゲットタンパク質。
【図7B】[0036]図7A、7Bおよび7Cは、マイクロアレイ検出を伴うアフィニティアッセイプロトコルを用いた、緩衝液中のターゲットタンパク質の検出に関する用量反応曲線(対数投入ターゲットタンパク質濃度に対するRFU)を例示する。複製タンパク質不含対照値をy軸フレーム上にプロットする。実線は、データポイントに沿ったシグモイド適合を表す。点線は、複製タンパク質不含値の2つの標準偏差を表す。図7A。bFGFターゲットタンパク質。図7B。FGF7ターゲットタンパク質。図7C。リンホタクチン・ターゲットタンパク質。
【図7C】[0036]図7A、7Bおよび7Cは、マイクロアレイ検出を伴うアフィニティアッセイプロトコルを用いた、緩衝液中のターゲットタンパク質の検出に関する用量反応曲線(対数投入ターゲットタンパク質濃度に対するRFU)を例示する。複製タンパク質不含対照値をy軸フレーム上にプロットする。実線は、データポイントに沿ったシグモイド適合を表す。点線は、複製タンパク質不含値の2つの標準偏差を表す。図7A。bFGFターゲットタンパク質。図7B。FGF7ターゲットタンパク質。図7C。リンホタクチン・ターゲットタンパク質。
【図8】[0037]図8は、マイクロアレイ検出を伴うアフィニティアッセイプロトコルを用いた、緩衝液中のターゲットタンパク質リンホタクチンの3回の反復測定に関する用量反応曲線を例示する。複製タンパク質不含対照値をy軸フレーム上にプロットする。実線は、3つの反復各々に関するデータポイントに沿ったシグモイド適合を表す。
【図9】[0038]図9は、アフィニティアッセイプロトコルおよびマイクロアレイ検出を用いた、10%ヒト血漿中のターゲットタンパク質リンホタクチンの検出に関する用量反応曲線(対数投入ターゲットタンパク質濃度に対するRFU)を例示する。複製タンパク質不含対照値をy軸フレーム上にプロットし、そして円で囲む。実線は、データポイントに沿ったシグモイド適合を表す。
【図10】[0039]図10は、アフィニティアッセイプロトコルおよびマイクロアレイ検出を用いた、10%ヒト全血中のターゲットタンパク質リンホタクチンの検出に関する用量反応曲線(対数投入ターゲットタンパク質濃度に対するRFU)を例示する。複製タンパク質不含対照値をy軸フレーム上にプロットし、そして円で囲む。実線は、データポイントに沿ったシグモイド適合を表す。
【図11】[0040]図11は、マイクロアレイ検出とともに光架橋アッセイプロトコルを用いた、緩衝液中のターゲットタンパク質アンジオゲニンの検出に関する用量反応曲線(対数投入ターゲットタンパク質濃度に対するRFU)を例示する。実線は、データポイントに沿ったシグモイド適合を表す。4つの複製タンパク質不含データを円で囲む。
【図12】[0041]図12は、QPCR検出とともにアフィニティアッセイプロトコルを用いた、緩衝液中のアンジオゲニンの検出に関する用量反応曲線(投入ターゲットタンパク質濃度に対する検出アプタマー濃度)を例示する。4つの複製タンパク質不含測定値を白抜きの円としてy軸上に示す。
【図13A】[0042]図13A〜13Cは、3つの異なるターゲットに対する伝統的なアプタマーに対する遅い解離速度のアプタマーに関する用量反応曲線を例示する。
【図13B】[0042]図13A〜13Cは、3つの異なるターゲットに対する伝統的なアプタマーに対する遅い解離速度のアプタマーに関する用量反応曲線を例示する。
【図13C】[0042]図13A〜13Cは、3つの異なるターゲットに対する伝統的なアプタマーに対する遅い解離速度のアプタマーに関する用量反応曲線を例示する。
【図14】[0043]図14は、アッセイ再現性研究用の試料レイアウトを例示する。
【図15】[0044]図15は、プールしたおよびプールしない試料研究のCVを例示する。
【図16−1】[0045]図16は、本開示に論じるヌクレオチドの塩基修飾を示す。ヌクレオチド付着点およびR基の間で使用可能なリンカー(X)に加えて、使用可能なR基を記載する。ヌクレオチドの修飾のための位もまた示す。
【図16−2】[0045]図16は、本開示に論じるヌクレオチドの塩基修飾を示す。ヌクレオチド付着点およびR基の間で使用可能なリンカー(X)に加えて、使用可能なR基を記載する。ヌクレオチドの修飾のための位もまた示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[0046]本発明の実施は、別に示さない限り、当該技術分野の技術レベル内の化学、微生物学、分子生物学、および組換えDNA技術の慣用法を使用する。こうした技術は文献に完全に説明される。例えば、Sambrookら Molecular Cloning: A Laboratory Manual(現行版); DNA Cloning: A Practical Approach, vol. IおよびII(D. Glover監修); Oligonucleotide Synthesis(N. Gait監修、現行版); Nucleic Acid Hybridization(B. HamesおよびS. Higgins監修、現行版); Transcription and Translation(B. HamesおよびS. Higgins監修、現行版)を参照されたい。
【0033】
[0047]本明細書に引用するすべての刊行物、公開特許文書、および特許出願は、本発明が属する当該技術分野(単数または複数)の技術のレベルを示す。本明細書に引用するすべての刊行物、公開特許文書、および特許出願は、各々の個々の刊行物、公開特許文書、または特許出願が、具体的に、そして個々に、本明細書に援用されると示されるのと同じ度合いまで、本明細書に援用される。
【0034】
[0048]本開示には、試験試料中に存在しうる1以上のターゲット分子の検出および/または定量化のための改善された方法、デバイス、試薬、およびキットが含まれる。開示する方法、デバイス、試薬、およびキットは、(1)アプタマーの活性、(2)アプタマー−ターゲット分子複合体に関する結合平衡を達成する効率、(3)アプタマーおよびそのターゲット分子間の共有結合(単数または複数)の形成、(4)過剰な試薬および試料構成要素の除去、(5)遅い解離速度のアプタマーの使用、(6)望ましいアプタマー構築物、ならびに(7)アプタマー−ターゲット分子複合体の検出の1以上に影響を及ぼす条件を最適化することによって、試験試料中のターゲット分子の検出および/または定量化のための高感度アッセイを提供する。
【0035】
[0049]特定の態様に別に明記しない限り、本明細書記載のターゲット分子の検出法および/または定量化法が、工程が記載される特定の順序からは独立であることは注目に値する。例示の目的のため、工程の特定の順序として方法を記載する;が、記載される特定のアッセイの目的が達成される限り、工程の特定の順序のいかなる数の置換も可能であることが理解されるものとする。言い換えれば、開示する方法のいずれかに列挙する工程を任意の適切な順序で実行してもよく、そして本発明の方法は、記載する態様、実施例、または付随する請求項のいずれかに提示される特定の順序いずれにも限定されない。さらに、提示を好適にそして容易にするため、単一ターゲット分子および単一アプタマーに関連して、多様な方法を記載する。しかし、記載する方法はいずれも、例えば、各々、特定のターゲット分子に対する特異的アフィニティを有する多数のアプタマーと試験試料を接触させることによって、試験試料中の多数のターゲット分子を検出しそして/または定量化することが可能である(すなわち多重化形式)ように、多数のアプタマーを用いて、多数のターゲットを同時に検出および/または定量化可能な多重化形式で、記載する方法のいずれも実行可能であることが理解されるものとする。
【0036】
[0050]図1Aおよび1Bと関連して、ターゲット分子に対する特異的アフィニティを有するアプタマーと試験試料をまず接触させることによって、試験試料中のターゲット分子の存在を検出し、そして/または定量化する。対応する数の特異的アプタマーを使用する、すなわち多重化形式によって、いくつかの特異的ターゲットの検出および/または定量化に、方法を適用してもよい。単一ターゲットの議論は、提示を簡単にするためのみに提示される。試験試料がターゲット分子を含有するならば、ターゲット分子にアプタマーが結合することによって、アプタマー・アフィニティ複合体が形成される。使用しているアプタマーに適した方法を用いて、アプタマー・アフィニティ複合体を、アプタマーがターゲット分子に共有結合している、アプタマー共有複合体に、場合によって変換する。次いで、分配工程を使用して、未結合アプタマーを除去する。アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を検出し、そして/または定量化する。いくつかの異なる検出法、例えば、ハイブリダイゼーションアッセイ、質量分析、またはQPCRを用いて、アプタマー・アフィニティ複合体を検出してもよい。
【0037】
[0051]上に論じるように、本明細書記載のアッセイは、例示の目的のため、4つのカテゴリーに分類されてきている:単回捕獲アフィニティアッセイ;二重捕獲アフィニティアッセイ;単回捕獲光架橋アッセイ;および二重捕獲光架橋アッセイ。しかし、他の分類、組み合わせ、および工程の順序が意図され、そしてすべて本発明の開示の範囲内に属することを理解しなければならない。4つのアッセイカテゴリーは、タンパク質(ターゲット)を捕捉する分配工程によって、アプタマー−ターゲット複合体を未結合アプタマー(または未結合光アプタマー)から分離する共通の工程を共有する。この分配工程を、本明細書において、「捕獲2」分配と称する。2つの「二重捕獲」アッセイは、アプタマーを捕捉する分配工程によって、アプタマー−ターゲット複合体を未結合ターゲットから分離する、さらなる共通点を共有する。この後者の分配工程を、本明細書において、「捕獲1」分配と称する。これらの工程各々を実行するための方法を以下に詳述する。
【0038】
[0052]これらのアッセイカテゴリー各々における動力学的負荷の使用をさらに開示する。伝統的には、2つの捕捉試薬を用いるサンドイッチアッセイの使用を通じて、所望のターゲットの検出における特異性が改善されてきた。驚くべきことに、アプタマーを使用する検出法に動力学的負荷を適用すると、第二の捕捉試薬を導入することによって特異性を増進する必要性が排除されることが観察されてきている。動力学的負荷が導入されたならば、アプタマーおよびいかなる非ターゲット分子間の非特異的複合体も、解離後に再形成される可能性は低い。非特異的複合体は、一般的に、アプタマー・アフィニティ複合体より迅速に解離するため、動力学的負荷は、アプタマーが非ターゲットとの非特異的複合体中に含まれる可能性を減少させる。有効な動力学的負荷は、最初のアプタマー結合事象および続く共有相互作用のいずれよりも、アッセイにさらなる特異性を提供しうる。したがって、動力学的負荷は、これらの検出法において、特異性の第二の決定要因を提供する。動力学的負荷を実行するための方法を以下に詳述する。
【0039】
[0053]図2A(二重工程アフィニティアッセイ)および2B(二重工程架橋アッセイ)と関連して、試験試料中に存在しうるターゲット分子の検出および/または定量化のための例示的な方法において、第一のタグを含み、そしてターゲット分子に対する特異的アフィニティを有するアプタマー(または光アプタマー)と試験試料を接触させる。試験試料がターゲット分子を含有する場合、ターゲット分子に結合したアプタマー(または光アプタマー)を含むアプタマー・アフィニティ複合体の形成を可能にする。光架橋例(2B)において、使用しているアプタマーに適した方法を用いて、アプタマー・アフィニティ複合体を、光アプタマーがターゲット分子に共有結合しているアプタマー共有複合体に変換する。第一の捕捉要素を介して、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を第一の固体支持体に付着させる。第一の固体支持体をアプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)と接触させ、そしてアプタマー上に含まれているタグが、直接または間接的にのいずれかで、第一の固体支持体に付着している第一の捕捉要素と会合するのを可能にすることによって、付着が達成される。第一の固体支持体上の第一の捕捉要素と会合しているアプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を混合物の残りから分配する。分配後、使用している特定のタグに適した方法を用いて、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を第一の固体支持体から遊離させる。あるいは、切断可能部分を介してタグをアプタマーに付着させてもよく、この場合、こうした切断可能部分をここで切断して、第一の固体支持体からアプタマー・アフィニティ(またはアプタマー共有複合体)を遊離させる。第二のタグ(第一のタグと同じであってもまたは異なってもよい)をアプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)のターゲット分子に付着させる。場合によって、動力学的負荷を実行して、アッセイ特異性を増加させ、そしてバックグラウンドシグナルを減少させてもよい。アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を第二の固体支持体に付着させる。第二の固体支持体をアプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)と接触させ、そしてターゲット上に含まれている第二のタグが、直接または間接的にのいずれかで、第二の固体支持体に付着している第二の捕捉要素と会合するのを可能にすることによって、付着が達成される。第二の固体支持体上の第二の捕捉要素と会合しているアプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を混合物の残りから分配する。アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を検出し、そして場合によって定量化する。
【0040】
[0054]別の態様において、アプタマー(または光アプタマー)をまずそれぞれのターゲット分子から解離させて、そして未結合アプタマー(または光アプタマー)を検出し、そして場合によって定量化する。
【0041】
[0055]ハイブリダイゼーション、QPCR、MS等の任意の適切な核酸検出技術を利用することによって、アプタマー・アフィニティ複合体を検出してもよい。どの技術を使用するかに応じて、アプタマーを設計し、そして標識を含むように修飾してもよい。合成時(酵素的または化学的のいずれかで)に、あるいはアッセイ中の任意の時点で(すなわち検出前の任意の時点で)、これを達成してもよい。
【0042】
[0056]本明細書に開示する方法は、アッセイから溶出した未結合アプタマーを検出することによって、ターゲット分子の存在および量の検出を可能にする。これは、核酸の検出、定量化、および増幅が比較的単純であることから、ターゲット分子の好適な検出および定量化を可能にし、そして非常に好ましいシグナル対ノイズ比を有するターゲット検出アッセイを提供する。
【0043】
[0057]アフィニティアッセイ
[0058]単回捕獲(捕獲2のみ)アフィニティアッセイ
[0059]1つの態様において、捕獲2分配を用いて、単回捕獲アフィニティアッセイを実行する。この方法は、試料マトリックスがそれほど複雑でなく、試料中の他の構成要素がタグに関して競合しない場合によく働く。これはまた、ターゲットが高いコピー数または濃度で存在する試料に関してよく働く。
【0044】
[0060]ターゲット分子に対する高いアフィニティおよび特異性を有するアプタマーを提供する。1つの態様において、図6Aに例示するアプタマー構築物を用いる。この態様において、ターゲット分子を含有しうる試料とアプタマーを接触させて、アプタマー、ターゲット分子、および場合によって非ターゲット分子を含有する混合物を形成する。ターゲット分子が試料中に存在する場合、アプタマー・アフィニティ複合体が形成される。場合によって、ターゲット分子へのアプタマーの平衡結合を達成するのに十分な期間(例えば、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間)、混合物をインキュベーションしてもよい。
【0045】
[0061]1つの態様において、場合によって、混合物を動力学的負荷に供してもよい。動力学的負荷は、アプタマーおよび試料中に存在する非ターゲット分子いずれの間のいかなる非特異的結合も減少させるのを補助する。1つの態様において、10mM硫酸デキストランを添加して、そして混合物を約15分間インキュベーションする。動力学的負荷のこの態様および他の態様を以下にさらに詳細に記載する。
【0046】
[0062]1つの態様において、捕獲2分配を実行して、未結合アプタマーを除去する。1つの態様において、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を、アプタマー・アフィニティ複合体のターゲット分子構成要素に捕捉タグを導入する剤で処理する。他の態様において、試験混合物とアプタマーを接触させる前、平衡結合前または動力学的負荷前のいずれかに、タグを導入する。1つの態様において、ターゲットはタンパク質またはペプチドであり、そしてNHS−PEO4−ビオチンで処理することによって、ビオチンタグをターゲット分子に付着させる。(このタグ化法および他のタグ化法を以下に詳細に記載する。)次いで、ターゲット捕捉タグに結合可能である捕捉要素が表面に付着した固体支持体と混合物を接触させる。この態様において、典型的には、高いアフィニティおよび特異性でターゲット捕捉タグに結合するように、固体支持体上の捕捉要素を選択する。1つの態様において、固体支持体は、マイクロタイタープレートのウェル内に含有される磁気ビーズ(DynaBeads MyOneストレプトアビジンC1など)であり、そして捕捉要素はストレプトアビジンである。磁気ビーズは、混合物の分配された構成要素の分離のための好適な方法を提供する。(これらのおよび他の固体支持体および捕捉要素を以下に詳細に記載する。)それによって、ターゲット捕捉タグおよび捕捉要素の結合相互作用を通じて、混合物中に含有されるアプタマー・アフィニティ複合体を固体支持体に結合させる。次いで、例えば支持体を洗浄して複合体化されていないアプタマーを除去することによって、アプタマー・アフィニティ複合体を混合物の残りから分配する。1つの態様において、次いで、1以上の以下の処理:高塩、高pH、低pHまたは上昇した温度によって、さらなるプロセシングのため、アプタマー・アフィニティ複合体からアプタマーを遊離させてもよい。この捕獲2分配および他の捕獲2分配を以下にさらに詳細に記載する。
【0047】
[0063]別の態様において、例えばDNAチップハイブリダイゼーション、QPRC、質量分析等の任意の適切な核酸検出法によって、捕獲2分配から遊離したアプタマーを検出し、そして場合によって定量化する。これらの検出法を以下にさらに詳細に記載する。別の態様において、なお固体支持体と接触させながら、アプタマー・アフィニティ複合体中のアプタマーを検出し、そして場合によって定量化する。1つの態様において、アプタマーは、この検出工程を容易にする検出可能部分を含む。使用しようとする検出法に基づいて、検出可能部分を選択する。1つの態様において、合成中またはアッセイ前に、検出可能部分または標識をアプタマーに添加する。別の態様において、アッセイ中または検出中のいずれかに、検出可能部分をアプタマーに添加する。次いで、検出されたアプタマーを、元来の試験試料中のターゲットの量または濃度と相関させてもよい。
【0048】
[0064]二重捕獲(捕獲1および2)アフィニティアッセイ
[0065]二重捕獲アフィニティアッセイは、単回捕獲アフィニティアッセイと類似であり、さらなる分配工程が付加されている。このさらなる分配工程は、一般的に、さらなる感度および特異性を提供する。
【0049】
[0066]1つの態様において、ターゲット分子に対する高いアフィニティおよび特異性を有し、そして第一の遊離可能タグを有するアプタマーを提供する。別の態様において、捕獲1分配前のアッセイ中の任意の時点で、第一の遊離可能タグを添加する。1つの態様において、第一の遊離可能タグは光切断可能ビオチンである。1つの態様において、図6Bに例示するアプタマー構築物を用いる。これらのおよび他のタグおよび切断可能部分、ならびにこうしたタグおよび切断可能部分を含有するアプタマーを以下にさらに詳細に記載する。ターゲット分子を含有しうる試料とアプタマーを接触させて、アプタマー、ターゲット分子、および場合によって非ターゲット分子を含有する混合物を形成する。ターゲット分子が試料中に存在する場合、アプタマー−ターゲット分子複合体(アプタマー・アフィニティ複合体)が形成される。場合によって、ターゲット分子へのアプタマーの平衡結合を達成するのに十分な期間(例えば、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間)、混合物をインキュベーションしてもよい。
【0050】
[0067]1つの態様において、捕獲1分配を実行して、いかなる未結合ターゲットも除去する。好ましくは高いアフィニティおよび特異性でアプタマー捕捉タグに結合可能である捕捉要素が表面に付着した第一の固体支持体と混合物を接触させる。1つの態様において、第一の遊離可能タグは光切断可能ビオチンであり、第一の固体支持体は、カラム中のアガロースビーズであり、そして捕捉要素はストレプトアビジンである。例えば、Pierce固定ストレプトアビジンビーズを用いてもよい。これらのおよび他の固体支持体および捕捉要素を以下に詳細に記載する。それによって、第一の遊離可能タグおよび第一の捕捉要素の結合相互作用を通じて、混合物中に含有されるアプタマー・アフィニティ複合体を第一の固体支持体に結合させる。例えば第一の固体支持体を洗浄して非結合分子を除去することによって、アプタマー・アフィニティ複合体を混合物の残りから分配する。
【0051】
[0068]1つの態様において、次いで、固体支持体に結合したままであるアプタマー・アフィニティ複合体を、アプタマー・アフィニティ複合体のターゲット分子構成要素に第二のタグを導入する剤で処理する。1つの態様において、ターゲットはタンパク質またはペプチドであり、そしてNHS−PEO4−ビオチンで処理することによって、ターゲットをビオチン化する。ターゲット分子に導入される第二のタグは、アプタマー捕捉タグと同じであってもまたは異なってもよい。第二のタグが第一のタグ、またはアプタマー捕捉タグと同じである場合、このタグ化工程の開始前に、第一の固体支持体上の未結合捕捉部位をブロッキングしてもよい。この例示的な態様において、ターゲットタグ化の開始前に、未結合ビオチンで第一の固体支持体を洗浄する。タグ化法、そして特にペプチドおよびタンパク質などのターゲットのタグ化を以下に詳細に記載する。他の態様において、捕獲2分配開始前のアッセイにおける任意の他の時点で、ターゲットのタグ化を実行する(同じタグ化部分を用いる場合、捕獲1分配の捕捉工程が実行された後に、ターゲットをタグ化する。)
[0069]次いで、第一の固体支持体からアプタマー・アフィニティ複合体を遊離させることによって、捕獲1分配を完了する。1つの態様において、第一の遊離可能タグは、第一の遊離可能タグの約90%以上を切断する条件下で、UVランプの照射によって切断される光切断可能部分である。他の態様において、第一の遊離可能タグ中の選択される遊離可能部分に適した方法によって、遊離を達成する。アッセイ中でさらに使用するため、アプタマー・アフィニティ複合体を溶出させ、そして収集してもよいし、または別の固体支持体と接触させて、以下に記載するアッセイの残りの工程を実行してもよい。
【0052】
[0070]1つの態様において、場合によって、混合物を動力学的負荷に曝露してもよい。動力学的負荷は、アプタマーおよび非ターゲット分子間のいかなる非特異的結合も減少させるのを補助する。1つの態様において、10mM硫酸デキストランをアプタマー・アフィニティ複合体に添加し、そして混合物を約15分間インキュベーションする。別の態様において、10mM硫酸デキストランの存在下で、捕獲1溶出を実行することによって、動力学的負荷を開始する。他の態様において、平衡結合工程後および捕獲2分配前に、動力学的負荷を実行する。動力学的負荷のこれらの態様および他の態様を以下にさらに詳細に記載する。
【0053】
[0071]1つの態様において、捕獲2分配を実行して、未結合アプタマーを除去する。上述のように、1つの態様において、アプタマー・アフィニティ複合体をなお捕獲1分配で用いた固体支持体と接触させたままで、捕獲2分配で用いる第二のタグをターゲットに添加してもよい。他の態様において、捕獲2分配開始前のアッセイ中の別の時点で、第二のタグをターゲットに添加してもよい。次いで、好ましくは高いアフィニティおよび特異性でターゲット捕捉タグに結合可能である捕捉要素が表面に付着した固体支持体と混合物を接触させる。1つの態様において、固体支持体は、マイクロタイタープレートのウェル内に含有される磁気ビーズ(DynaBeads MyOneストレプトアビジンC1など)であり、そして捕捉要素はストレプトアビジンである。磁気ビーズは、混合物の分配された構成要素の分離のための好適な方法を提供する。(これらのおよび他の固体支持体および捕捉要素を以下に詳細に記載する。)それによって、ターゲット捕捉タグおよび固体支持体上の捕捉要素の結合相互作用を通じて、混合物中に含有されるアプタマー・アフィニティ複合体を固体支持体に結合させる。次いで、例えば支持体を洗浄して複合体化されていないアプタマーを除去することによって、アプタマー・アフィニティ複合体を混合物の残りから分配する。1つの態様において、次いで、1以上の以下の処理:高塩、高pH、低pHまたは上昇した温度によって、さらなるプロセシングのため、アプタマー・アフィニティ複合体からアプタマーを遊離させてもよい。この捕獲2分配および他の捕獲2分配を以下にさらに詳細に記載する。
【0054】
[0072]別の態様において、例えばDNAチップハイブリダイゼーション、QPRC、質量分析等の任意の適切な核酸検出法によって、捕獲2分配から遊離したアプタマーを検出し、そして場合によって定量化する。これらの検出法を以下にさらに詳細に記載する。別の態様において、なお固体支持体と接触させながら、アプタマー・アフィニティ複合体中のアプタマーを検出し、そして場合によって定量化する。1つの態様において、アプタマーは、この検出工程を容易にする検出可能部分を含む。使用しようとする検出法に基づいて、検出可能部分を選択する。1つの態様において、合成中またはアッセイ前に、検出可能部分(標識)をアプタマーに添加する。別の態様において、アッセイ中または検出中のいずれかに、検出可能部分をアプタマーに添加する。検出されたアプタマーを、試験試料中のターゲットの量または濃度と相関させてもよい。
【0055】
[0073]架橋アッセイ
[0074]単回捕獲(捕獲2のみ)架橋アッセイ
[0075]1つの態様において、捕獲2分配を用いて、単回捕獲架橋アッセイを実行する。この方法は、試料マトリックスがそれほど複雑でなく、試料中の他の構成要素がタグに関して競合しない場合によく働く。これはまた、ターゲットが高いコピー数または濃度で存在する試料に関してよく働く。いくつかの場合、架橋が実行された後の工程において、よりストリンジェントな洗浄が可能になりうるため、光アプタマーおよびターゲット間の共有結合によって、さらなる利益が提供される。
【0056】
[0076]ターゲット分子に対する高いアフィニティおよび特異性を有する光アプタマーを提供する。1つの態様において、切断可能リンカーを介して、光アプタマーの架橋部分をアプタマーに連結させる。1つの態様において、架橋基はANA(4−アジド−2−ニトロ−アニリン)であり、そして光切断可能基はPCリンカーである。1つの態様において、図6Cに例示するアプタマー構築物を用いる。ターゲット分子を含有しうる試料と光アプタマーを接触させて、アプタマー、ターゲット分子、および場合によって非ターゲット分子を含有する混合物を形成する。ターゲット分子が試料中に存在する場合、(光)アプタマー・アフィニティ複合体が形成される。場合によって、アプタマーおよびターゲット分子の平衡結合を達成するのに十分な期間(例えば、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、または少なくとも約30分間)、混合物をインキュベーションしてもよい。
【0057】
[0077]1つの態様において、場合によって、混合物を動力学的負荷に供してもよい。動力学的負荷は、光アプタマーおよび非ターゲット分子間のいかなる非特異的結合も減少させるのを補助する。1つの態様において、10mM硫酸デキストランを添加して、そして混合物を約15分間インキュベーションする。動力学的負荷のこの態様および他の態様を以下にさらに詳細に記載する。
【0058】
[0078]適切な波長の光を照射することによって、(光)アプタマー・アフィニティ複合体をアプタマー共有複合体に変換する。例えば、約470nMの照射を用いて、ANA含有光アプタマーをタンパク質またはペプチドターゲットに架橋してもよい。
【0059】
[0079]1つの態様において、捕獲2分配を実行して、未結合光アプタマーを除去する。1つの態様において、アプタマー共有複合体を含有する混合物を、アプタマー共有複合体のターゲット分子構成要素に捕捉タグを導入する剤で処理する。他の態様において、試験試料とアプタマーを接触させる前、平衡結合前または動力学的負荷前に、タグを導入する。1つの態様において、ターゲットはタンパク質またはペプチドであり、そしてNHS−PEO4−ビオチンで処理することによって、ビオチンタグをターゲット分子に付着させる。(このタグ化法および他のタグ化法を以下に詳細に記載する。)次いで、好ましくは高いアフィニティおよび特異性でターゲット捕捉タグに結合可能である捕捉要素が表面に付着した固体支持体と混合物を接触させる。1つの態様において、固体支持体は、マイクロタイタープレートのウェル内に含有される磁気ビーズ(DynaBeads MyOneストレプトアビジンC1など)であり、そして捕捉要素はストレプトアビジンである。磁気ビーズは、混合物の分配された構成要素の分離のための好適な方法を提供する。(これらのおよび他の固体支持体および捕捉要素を以下に詳細に記載する。)それによって、ターゲット捕捉タグおよび捕捉要素の結合相互作用を通じて、混合物中に含有されるアプタマー共有複合体を固体支持体に結合させる。次いで、例えば支持体を洗浄して複合体化されていないアプタマーを除去することによって、アプタマー共有複合体を混合物の残りから分配する。1つの態様において、次いで、切断可能部分に適した方法によって、さらなるプロセシングのため、アプタマー共有複合体から光アプタマーを遊離させてもよい。例えば、PCリンカーを切断するため、混合物にUVランプを約20分間照射する。この捕獲2分配および他の捕獲2分配を以下にさらに詳細に記載する。
【0060】
[0080]別の態様において、例えばDNAチップハイブリダイゼーション、QPRC、質量分析等の任意の適切な核酸検出法によって、捕獲2分配から遊離した光アプタマーを検出し、そして場合によって定量化する。これらの検出法を以下にさらに詳細に記載する。別の態様において、なお固体支持体と接触させながら、アプタマー共有複合体中の光アプタマーを検出し、そして場合によって定量化する。検出された光アプタマーを、元来の試験試料中のターゲットの量または濃度と相関させてもよい。
【0061】
[0081]二重捕獲(捕獲1および2)光架橋アッセイ
[0082]二重捕獲光架橋アッセイは、単回捕獲光架橋アッセイと類似であり、さらなる分配工程が付加されている。このさらなる分配工程は、一般的に、さらなる感度および特異性を提供する。
【0062】
[0083]ターゲット分子に対する高いアフィニティおよび特異性を有する光アプタマーを提供する。1つの態様において、切断可能リンカーを介して、光アプタマーの架橋部分をアプタマーに連結させる。1つの態様において、架橋基はANA(4−アジド−2−ニトロ−アニリン)であり、そして光切断可能基はPCリンカーである。1つの態様において、光アプタマーはまた、第一の遊離可能タグも含む。別の態様において、捕獲1分配前のアッセイ中の任意の時点で、第一の遊離可能タグを添加する。1つの態様において、第一の遊離可能タグ部分はビオチンであり、そして遊離可能要素はハイブリダイゼーションリンカーである。1つの態様において、図6Dに例示する光アプタマー構築物を用いる。ターゲット分子を含有しうる試料と光アプタマーを接触させて、アプタマー、ターゲット分子、および場合によって非ターゲット分子を含有する混合物を形成する。ターゲット分子が試料中に存在する場合、(光)アプタマー・アフィニティ複合体が形成される。場合によって、アプタマーおよびターゲット分子の平衡結合を達成するのに十分な期間(例えば、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、または少なくとも約30分間)、混合物をインキュベーションしてもよい。
【0063】
[0084]1つの態様において、場合によって、混合物を動力学的負荷に供してもよい。動力学的負荷は、光アプタマーおよび非ターゲット分子間のいかなる非特異的結合も減少させるのを補助する。1つの特定の態様において、10mM硫酸デキストランを添加して、そして混合物を約15分間インキュベーションする。動力学的負荷のこの態様および他の態様を以下にさらに詳細に記載する。
【0064】
[0085]適切な波長の光を照射することによって、(光)アプタマー・アフィニティ複合体をアプタマー共有複合体に変換する。例えば、約470nMの照射を用いて、ANA含有光アプタマーをタンパク質ターゲットに架橋してもよい。
【0065】
[0086]1つの態様において、捕獲1分配を実行して、未結合ターゲットを除去する。好ましくは高いアフィニティおよび特異性でアプタマー捕捉タグに結合可能である捕捉要素が表面に付着した第一の固体支持体と混合物を接触させる。1つの態様において、第一の遊離可能タグはビオチンであるタグ部分を含み、第一の固体支持体は、カラム中のアガロースビーズであり、そして捕捉要素はストレプトアビジンである。例えば、Pierce固定ストレプトアビジンビーズを用いてもよい。これらのおよび他の固体支持体および捕捉要素を以下に詳細に記載する。それによって、第一の遊離可能タグおよび第一の捕捉要素の結合相互作用を通じて、混合物中に含有されるアプタマー共有複合体を第一の固体支持体に結合させる。例えば第一の固体支持体を洗浄して非結合分子を除去することによって、アプタマー共有複合体を混合物の残りから分配する。
【0066】
[0087]1つの態様において、次いで、固体支持体に結合したままであるアプタマー共有複合体を、アプタマー・アフィニティ複合体のターゲット分子構成要素に第二のタグを導入する剤で処理する。例えばNHS−PEO4−ビオチンで処理することによる、タンパク質またはペプチドのビオチン化。ターゲット分子に導入される第二のタグは、第一のタグと同じであってもまたは異なってもよい。第二のタグが第一のタグと同じである場合、このタグ化工程の開始前に、第一の固体支持体上の未結合捕捉部位をブロッキングしてもよい。この1つの態様において、ターゲットタグ化の開始前に、未結合ビオチンで第一の固体支持体を洗浄する。タグ化法、そして特にペプチドおよびタンパク質などのターゲットのタグ化を以下に詳細に記載する。他の態様において、捕獲2分配開始前のアッセイにおける任意の他の時点で、ターゲットのタグ化を実行する(同じタグ化部分を用いる場合、捕獲1分配の捕捉工程が実行された後に、ターゲットをタグ化する。)
[0088]次いで、第一の固体支持体からアプタマー共有複合体を遊離させることによって、捕獲1分配を完了する。1つの態様において、第一の遊離可能タグは、高いpHなどの、ハイブリダイゼーションリンカーを破壊する条件で混合物を処理することによって切断される。1つの態様において、20mM NaOHを混合物に添加する。他の態様において、第一の遊離可能タグ中の遊離可能部分に適した任意の方法によって、アプタマー共有複合体の遊離を達成する。アッセイ中でさらに使用するため、アプタマー共有複合体を溶出させ、そして収集してもよいし、またはアッセイの残りの工程を実行するため、さらなる固体支持体と接触させてもよい。
【0067】
[0089]1つの態様において、捕獲2分配を実行して、未結合光アプタマーを除去する。好ましくは高いアフィニティおよび特異性で第二の捕捉タグに結合可能である捕捉要素が表面に付着した固体支持体と混合物を接触させる。1つの態様において、固体支持体は、マイクロタイタープレートのウェル内に含有される磁気ビーズ(DynaBeads MyOneストレプトアビジンC1など)であり、そして捕捉要素はストレプトアビジンである。磁気ビーズは、混合物の分配された構成要素の分離のための好適な方法を提供する。(これらのおよび他の固体支持体および捕捉要素を以下に詳細に記載する。)それによって、ターゲット捕捉タグおよび捕捉要素の結合相互作用を通じて、混合物中に含有されるアプタマー共有複合体を固体支持体に結合させる。次いで、例えば支持体を洗浄して複合体化されていないアプタマーを除去することによって、アプタマー共有複合体を混合物の残りから分配する。1つの態様において、次いで、切断可能部分に適した方法によって、さらなるプロセシングのため、アプタマー共有複合体から光アプタマーを遊離させてもよい。例えば、PCリンカーを切断するため、混合物にUVランプを約20分間照射する。この捕獲2分配および他の捕獲2分配を以下にさらに詳細に記載する。
【0068】
[0090]別の態様において、例えばDNAチップハイブリダイゼーション、QPRC、質量分析等の任意の適切な核酸検出法によって、捕獲2分配から遊離した光アプタマーを検出し、そして場合によって定量化する。これらの検出法を以下にさらに詳細に記載する。別の態様において、なお固体支持体と接触させながら、アプタマー共有複合体中の光アプタマーを検出し、そして場合によって定量化する。検出された光アプタマーを、元来の試験試料中のターゲットの量または濃度と相関させてもよい。
【0069】
[0091]変形
[0092]変形:希釈セット
[0093]本明細書に開示する任意の方法において、試験試料を試験試料の2以上の希釈として調製してもよく、これは本明細書に開示する方法によるターゲット検出のダイナミックレンジを増加させうる。個々の希釈試験試料を、アプタマー(または共有)複合体形成までそしてそれを含めて別個にアッセイし、その後、希釈試験試料を残りのアッセイのためにプールし、そして同時に単一の固体支持体上で検出してもよい。1つの態様において、各希釈試験試料には、ユニークなアプタマーが含まれ、それによって、対応するターゲットの単回測定が可能になる。別の態様において、各々、特定のターゲットに関する別個のタグ化アプタマーを接触させる2以上の希釈に、アプタマーを添加して、単一の固体支持体上で、各々、異なる希釈試料に関して特異的なアプタマーシグナルの検出を可能にしてもよい。この方式で希釈した試料をともにつなぐと、多くの桁に渡って、単一のターゲット分子に関するダイナミックレンジが拡張可能となり、そして定量化領域が重複して単一のターゲット濃度の多数の測定が導かれる場合は、正確さが加算される。
【0070】
[0094]別の態様において、複合体化されていないターゲットおよび試験試料を含有する上清を廃棄した後に、ビーズを懸濁する工程までそしてそれを含めて、上に概略したようにアッセイを行う。未結合アプタマーおよびアプタマー(または共有)複合体をビーズから溶出させる前に、アプタマー(または共有)複合体を標識化剤と接触させ、その後、ターゲット分子の検出および/または定量化のために、アプタマー(または共有)複合体と固体支持体を接触させる前に、ペレット化および洗浄を反復して、非反応性標識化剤を除去してもよい。
【0071】
[0095]1つの態様において、連続希釈として試験試料セットを調製して、そこにターゲット分子に対する特異的アフィニティを持つタグ化アプタマー(またはタグ化光アプタマー)を導入する。各試験試料希釈に、異なるタグを持つ同じアプタマーを添加してもよい。本明細書にさらに記載するように、アプタマー・アフィニティ複合体の形成(またはアプタマー共有複合体への場合による変換)後、個々の試験試料をプールし、そしてアプタマー(または共有)複合体を固体支持体に付着させる前または後のいずれかで、標識化剤と接触させてもよい。ターゲット分子が試験試料中に存在する場合、アプタマー(または共有)複合体上の標識化剤を検出することによって、ターゲット分子を検出しそして/または定量化する。異なるタグを有する各アプタマーに関して検出された、生じたシグナルを合わせて、元来の試験試料中のターゲット分子の量または濃度を正確に定量化してもよい。例えば、第一の希釈は、ターゲットに関する最大シグナルを生じ、半定量的な情報のみを生じる一方、第二の希釈は、飽和未満のシグナルを生じ、元来の試験試料中のターゲットの正確な定量化を可能にしてもよい。
【0072】
[0096]別の態様において、連続希釈として試験試料セットを調製して、そこにターゲット分子に対する特異的アフィニティを持つタグ化アプタマー(またはタグ化光アプタマー)を導入する。各試料希釈に、ユニークなタグを有する異なるアプタマーを添加してもよい。本明細書にさらに記載するように、アプタマー・アフィニティ複合体の形成(またはアプタマー共有複合体への場合による変換)後、個々の試験試料をプールし、そしてアプタマー(または共有)複合体を固体支持体に付着させる前または後のいずれかで、標識化剤と接触させてもよい。アプタマー(または共有)複合体上の標識化剤を検出することによって、試験試料中に存在するターゲット分子を検出しそして/または定量化する。元来の試料の異なる連続希釈に応じて、多くの桁数に渡って、ターゲット範囲に関して生じたシグナルを定量化してもよい。
【0073】
[0097]変形:参照試料
[0098]本明細書に開示する任意の方法において、試験試料を参照試料に比較してもよい。「参照試料」は、本明細書において、複数の分子を含有し、そして少なくとも1つのターゲット分子を含むことが知られる、任意の物質、溶液、または混合物を指す。参照試料中に存在する任意のターゲット分子の正確な量または濃度を知ることもまた可能である。用語、参照試料には、本明細書に定義するような、生物学的試料、ならびに、例えば汚染されたかまたは潜在的に汚染されている水および産業廃水などの、環境または毒性試験に使用可能な試料が含まれる。参照試料はまた、準備プロセス、例えば製造プロセスの最終産物、中間産物、または副産物であってもよい。参照試料には、生物から、またはいくつかの他の供給源(例えば環境または産業供給源)から得られた、物質、溶液、または混合物に添加されている、任意の適切なアッセイ培地、緩衝液、または希釈剤が含まれてもよい。
【0074】
[0099]1つの態様において、2つの異なるプローブを持つアプタマーを調製する。例えば、一方のアプタマーはCY3色素を有し、そして他方はCY5色素を有してもよい。例として二重捕捉架橋アッセイを用いて、参照試料を一方のアプタマーに曝露し、そして試験試料を他方に曝露する。架橋工程までそしてそれを含めて、各試料を同一の方式で別個に処理する。架橋後、試料を等しく混合し、そしてアッセイの残りの工程を実行してもよい。各標識化剤からのシグナルを別個に測定することによって、参照試料および試験試料間のいかなる示差発現(すなわち試料中のターゲットの示差量または示差濃度)の直接比較も可能である。この方法が、本明細書記載の他のいかなるアッセイ内に取り込まれてもよいことを理解すべきである。さらに、蛍光色素の使用を含めて、異なる色素を用いることに加えて、他のタグまたは標識を使用して、異なるアプタマー各々からのシグナルを差別化してもよい。例えば、別の態様において、試料各々で用いるアプタマーは、異なる配列タグを有してもよい。この方法は、例えば、読み取りがQPCRまたはDNAハイブリダイゼーションアレイである場合に有用である。
【0075】
[00100]1つの態様において、参照試料は、対照群に相当するプールした生物学的試料であってもよい。別の態様において、参照試料は、個体から最初に収集して得た生物学的試料であってもよく、そして試験試料を同じ個体から、しかし2回目に収集して得てもよく、それによって長期に渡って個体によって提供される多数の生物学的試料における1以上のターゲット分子の量または濃度のいかなる変化も測定し、そして評価することによって、個体の長期研究を容易にしてもよい。
【0076】
[00101]変形:多重化
[00102]本明細書記載の任意の方法を用いて、試験試料の多重化分析を行ってもよい。こうした多重化分析には、例えば生物学的試料などの試験試料中の同数のターゲット分子を同時にアッセイするための、少なくとも2つ、少なくとも数十、少なくとも数百または少なくとも数千のアプタマーの使用も含まれてもよい。これらの態様において、各々、異なる分析物を認識しそして場合によってこれに架橋する、複数のアプタマー(またはタグ化光アプタマー)を、試験試料に導入し、そして上述の任意のアッセイを実行してもよい。アプタマーの遊離後、任意の適切な多重化核酸検出法を使用して、遊離している異なるアプタマーを測定してもよい。1つの態様において、固体表面上に別個に配置されている相補的プローブへのハイブリダイゼーションによって、これを達成してもよい。別の態様において、質量分析を用いて、分子量に基づいて、異なるアプタマー各々を検出してもよい。さらに別の態様において、例えばキャピラリー電気泳動における、ゲルにおける、または液体クロマトグラフィーによるなどの電気泳動移動度に基づいて、異なるアプタマー各々を検出してもよい。別の態様において、ユニークなPCRプローブを用い、QPCRを用いて、異なるアプタマー各々を定量化してもよい。別の態様において、質量分析を用いて、分子量に基づいて、異なるアプタマー各々を検出してもよい。
【0077】
[00103]変形:競合剤とのプレインキュベーション
[00104]本明細書に開示するアッセイ各々において、動力学的負荷を用いて、アッセイの特異性を増加させ、そして非特異的結合を減少させる。本明細書記載のアッセイ各々において、場合によって使用してもよい1つの態様において、試験試料と競合剤のプレインキュベーションによるか、または平衡結合中の混合物への競合剤の添加によるかのいずれかで、非特異的結合のさらなる減少を達成してもよい。1つの態様において、4μMのZ−ブロック競合剤オリゴヌクレオチド(5’−(ACZZ)28AC−3’、式中、Z=5−ベンジル−dUTP)を試験混合物と約5分間プレインキュベーションする。
【0078】
[00105]キット
[00106]本開示の別の側面は、試験試料を分析するために、本明細書に開示する任意の方法を好適に実行するのに有用なキットに関する。開示する方法の多用途性を増進するため、試薬の比が、方法およびアッセイの実質的な最適化を提供するように、同じまたは別個の容器中、パッケージングされた組み合わせで、試薬を提供してもよい。試薬の交差反応性および安定性に応じて、試薬は各々、別個の容器中にあってもよいし、または多様な試薬が1以上の容器中で組み合わされてもよい。
【0079】
[00107]キットは、パッケージングされた組み合わせ中、少なくとも1つのタグ化アプタマー、および各々、少なくとも1つの捕捉剤を含む1以上の固体支持体を含む。キットにはまた、試料希釈のための緩衝水性媒体などの洗浄溶液、ならびにアレイ洗浄液、試料調製試薬等も含まれてもよい。キットはさらに、一般的にはターゲットの修飾を通じて、第二のタグを導入する際に有用な試薬をさらに含有してもよい。さらに、キットは、分析法中に所望の動力学的負荷を実行するのに適した試薬を含有してもよい。キット中の多様な試薬の相対量を広く変化させて、アッセイ中に起こる必要がある反応を実質的に最適化し、そしてさらにアッセイ感度を実質的に最適化する、試薬濃度を提供してもよい。適切な状況下で、キット中の1以上の試薬を、賦形剤を含む、通常は凍結乾燥された乾燥粉末として提供してもよく、このキットは、溶解に際して、本開示にしたがった方法またはアッセイを実行するのに適した濃度を有する試薬溶液を提供するであろう。キットにはさらに、本明細書に記載するような、任意の方法にしたがった方法の書面の説明が含まれてもよい。
【0080】
[00108]1つの態様において、試験試料中に存在しうる1以上のターゲット分子の検出および/または定量化のためのキットには、ターゲット分子に対する特異的アフィニティを有し、そしてタグを含む、少なくとも1つのアプタマー;および固体支持体であって、該固体支持体上に配置された少なくとも1つの捕捉剤が含まれ、そして捕捉要素が、アプタマー上のタグと会合可能である、前記固体支持体が含まれる。
【0081】
[00109]別の態様において、試験試料中に存在しうる1以上のターゲット分子の検出および/または定量化のためのキットには、ターゲット分子に対する特異的アフィニティを有し、そしてタグおよび標識を含む、少なくとも1つのアプタマー;および固体支持体であって、該固体支持体上に配置された少なくとも1つの捕捉剤が含まれ、そして捕捉要素が、アプタマー上のタグと会合可能である、前記固体支持体が含まれる。
【0082】
[00110]別の態様において、試験試料中に存在しうる1以上のターゲット分子の検出および/または定量化のためのキットには、ターゲット分子に対する特異的アフィニティを有し、そして遊離可能タグおよび標識を含む、少なくとも1つのアプタマー;および固体支持体であって、該固体支持体上に配置された少なくとも1つの捕捉剤が含まれ、そして捕捉要素は、アプタマー上のタグと会合可能である、前記固体支持体が含まれる。
【0083】
[00111]さらに、上述の任意のキットは、キットの検出法中の動力学的負荷の実行のための試薬および材料を含有してもよい。
[00112]方法
[00113]I.オリゴヌクレオチド
[00114]オリゴヌクレオチド:修飾塩基
[00115]本明細書において、「核酸」、「オリゴヌクレオチド」、および「ポリヌクレオチド」は、交換可能に用いられ、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、そしてこうしたヌクレオチドには、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、および/または類似体、あるいは化学的に修飾されたデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドが含まれてもよい。用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、および「核酸」には、二本鎖または一本鎖分子、ならびに三重らせん分子が含まれる。
【0084】
[00116]存在する場合、ヌクレオチドの化学的修飾には、単独でまたは任意の組み合わせで、2’位糖修飾、5位ピリミジン修飾(例えば、5−(N−ベンジルカルボキサミド)−2’−デオキシウリジン、5−(N−イソブチルカルボキサミド)−2’−デオキシウリジン、5−(N−[2−(1H−インドール−3イル)エチル]カルボキサミド)−2’−デオキシウリジン、5−(N−[1−(3−トリメチルアンモニウム)プロピル]カルボキサミド)−2’−デオキシウリジンクロリド、5−(N−ナフチルカルボキサミド)−2’−デオキシウリジン、5−(イミダゾリルエチル)−2’−デオキシウリジン、および5−(N−[1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)]カルボキサミド)−2’−デオキシウリジン)、8位プリン修飾、環外アミンでの修飾、4−チオウリジンの置換、5−ブロモまたは5−ヨードウラシルの置換、主鎖修飾、メチル化、イソ塩基、イソシチジンおよびイソグアニジンなどの異常な塩基対形成の組み合わせ等が含まれてもよい。修飾には、キャッピングなどの3’および5’修飾もまた含まれてもよい。他の修飾には、類似体での1以上の天然存在ヌクレオチドの置換、ヌクレオチド間修飾、例えば非荷電連結での修飾(例えばメチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)、および荷電連結での修飾(例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)、挿入剤(例えばアクリジン、ソラレンなど)での修飾、キレート剤(例えば金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属等)を含有する修飾、アルキル化剤を含有する修飾、および修飾連結での修飾(例えばアルファ・アノマー核酸など)が含まれてもよい。さらに、糖に通常存在する任意のヒドロキシル基を、ホスホン酸基またはリン酸基によって置換するか;任意の適切な保護基によって保護するか;あるいはさらなるヌクレオチドまたは固体支持体へのさらなる連結に備えて活性化してもよい。5’および3’末端OH基をリン酸化するか、あるいは、アミン、約1〜約20炭素原子の有機キャッピング基部分、または約1〜約20のポリエチレングリコール(PEG)ポリマーまたは他の親水性もしくは疎水性生物学的もしくは合成ポリマーの有機キャッピング基部分で置換してもよい。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾を、ポリマーの組み立て前または後に行ってもよい。非ヌクレオチド構成要素によって、ヌクレオチド配列を中断してもよい。標識化構成要素とのコンジュゲート化によるなどで、重合後にポリヌクレオチドをさらに修飾してもよい。
【0085】
[00117]ポリヌクレオチドはまた、当該技術分野に一般的に知られるリボースまたはデオキシリボース糖の類似体型も含有してもよく、これらには、2’−O−メチル−、2’−O−アリル、2’−フルオロ−または2’−アジド−リボース、炭素環糖類似体、α−アノマー糖、エピマー糖、例えばアラビノース、キシロースまたはリキソース、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、無環類似体および脱塩基性ヌクレオシド類似体、例えばメチルリボシドが含まれる。上に記載するように、1以上のホスホジエステル連結を、別の連結基によって置換してもよい。これらの別の連結基には、ホスフェートがP(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH(「ホルムアセタール」)によって置換されている態様が含まれ、式中、各RまたはR’は、独立に、H、あるいはエーテル(−O−)連結、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアラルジル(araldyl)を場合によって含有する、置換または非置換アルキル(1〜20C)である。ポリヌクレオチド中のすべての連結が同一である必要はない。糖、プリン、およびピリミジンの類似型の置換は、最終産物の設計に好都合である可能性もあり、例えばポリアミド主鎖のような別の主鎖構造も好都合でありうる。
【0086】
[00118]1つの態様において、アプタマー構築物には、アプタマーの多様な領域中に、ターゲットからのアプタマーの解離速度を有効に遅延させる、1以上のC5修飾ヌクレオチドが含まれてもよい。アプタマーの可変領域の産生において用いるヌクレオチドの塩基修飾は、それぞれのターゲットから非常に遅い解離速度を有するアプタマーを生じることが示されてきている。例えば、図16に例示するもののいずれかなどの5位修飾ピリミジンを含有するアプタマーは、そのターゲットからの遅い解離速度を有するという証拠がある。いくつかの態様において、この方式で修飾されているヌクレオチドを含むアプタマーを、動力学的負荷を含むアッセイ法で使用すると、ターゲットの検出において増進した感度および特異性が生じる。図5に示すように、今日までに、500を超えるターゲットに対するアプタマーが産生されてきている。これらのアプタマーの多くは、遅い解離速度特性を有する。
【0087】
[00119]1つの態様において、アプタマーの可変領域には、修飾塩基を有するヌクレオチドが含まれる。これらのアプタマーを、本明細書に記載する任意の方法、デバイス、およびキットで用いてもよい。これらの修飾ヌクレオチドが、ターゲットに対する高いアフィニティを維持しつつ、それぞれのターゲットからの非常に遅い解離速度を有するアプタマーの同定につながりうる証拠がある。1つの態様において、ピリミジン塩基のC5位を修飾してもよい。他の態様において、アプタマー中のプリンまたはピリミジンのいくつかまたはすべてが、塩基修飾ヌクレオチドであってもよい。さらに他の態様において、修飾プリンおよび修飾ピリミジンの両方の組み合わせもまた用いてもよい。修飾塩基を含むヌクレオチドを含有するアプタマーは、非修飾ヌクレオチド(すなわち天然存在ヌクレオチド)のみを含有するアプタマーとは異なる、いくつかの特性を有する。1つの態様において、ヌクレオチドの修飾法は、カルボキサミド連結を通じる。しかし、他の修飾法が適切でありうる。驚くべきことに、同定される、遅い解離速度のアプタマーの構造が、塩基対形成モデルによって予測される構造と一致しないようであることが観察された。これは、アプタマーの測定融解温度が、モデルが予測しうるものではないという事実によって裏付けられる。本明細書に示すように、測定および予測融解温度間には、ほとんどまたはまったく相関はないようである。さらに、平均して、計算Tmは測定Tmより6℃低い。測定融解温度は、これらの修飾ヌクレオチドを含むアプタマーが、予測されうるよりも安定であり、そして潜在的に、新規二次構造を所持することを示す。遅い解離速度のアプタマーの同定はまた、最初のライブラリーまたは候補混合物の産生中に修飾ヌクレオチドを用いた場合に、より可能性が高い。
【0088】
[00120]特定の5位ピリミジン修飾には、米国特許第5,719,273号および第5,945,527号に記載するもの、特に図19に示すものが含まれる。本明細書において、「修飾核酸」は、SELEX法に適合する1以上の修飾ヌクレオチドを含有する核酸配列を指す。
【0089】
[00121]本開示の別の態様において、アプタマーがターゲットに対して約100nM以下のKを有し、ターゲットからのアプタマーの解離速度(t1/2)が約30分間より長く、そしてアプタマーの核酸配列中の1つ、いくつかまたはすべてのピリミジンが、塩基の5位で修飾されている、アプタマーおよびターゲットの非共有複合体を提供する。図19に示す化合物群より修飾を選択してもよい。所望の塩基修飾ヌクレオチドの任意の組み合わせを用いて、アプタマーを設計してもよい。
【0090】
[00122]II.SELEXおよびアプタマー
[00123]本明細書において、「アプタマー」および「核酸リガンド」は、交換可能に用いられ、ターゲット分子に対する特異的結合アフィニティを有する核酸を指す。アフィニティ相互作用は、程度の問題であることが認識される;が、この文脈では、ターゲットに対するアプタマーの「特異的結合アフィニティ」は、一般的に、試験試料中の他の構成要素に結合するよりも、はるかにより高い度合いのアフィニティで、アプタマーがそのターゲットに結合することを意味する。(単数の)「アプタマー」は、特定のヌクレオチド配列を有する核酸分子の1つのタイプまたは種のコピーセットである。アプタマーには、いかなる適切な数のヌクレオチドが含まれてもよい。「(複数の)アプタマー」はこうした分子セットの1より多くを指す。異なるアプタマーは、同数かまたは異なる数か、いずれのヌクレオチドを有してもよい。本明細書に開示するいかなる方法にも、1以上のアプタマーの使用が含まれてもよい。本明細書に開示するいかなる方法にも、また、同じターゲット分子に特異的に結合する2以上のアプタマーの使用も含まれてもよい。以下にさらに記載するように、アプタマーにはタグが含まれてもよい。アプタマーにタグが含まれる場合、アプタマーのすべてのコピーが同じタグを有する必要はない。さらに、異なるアプタマーに、各々、タグが含まれる場合、これらの異なるアプタマーは、同じタグまたは異なるタグのいずれを有してもよい。
【0091】
[00124]SELEX法を含む、いかなる既知の方法を用いて、アプタマーを同定してもよい。例えば、米国特許第5,475,096号、表題「Nucleic Acid Ligands」を参照されたい。同定されたならば、化学的合成法および酵素的合成法を含めて、いかなる既知の方法にしたがって、アプタマーを調製するかまたは合成してもよい。
【0092】
[00125]用語「SELEX」および「SELEX法」は、本明細書において交換可能に用いられ、一般的に、(1)望ましい方式でターゲット分子と相互作用する、例えばタンパク質に高いアフィニティで結合する、核酸の選択と、(2)これらの選択された核酸の増幅の組み合わせを指す。例えば、米国特許第5,475,096号、表題「Nucleic Acid Ligands」を参照されたい。SELEX法を用いて、ターゲットと共有結合するアプタマー、ならびにターゲットに非共有的に結合するアプタマーを生成してもよい。例えば、米国特許第5,705,337号、表題「Systematic Evolution of Nucleic Acid Ligands by Exponential Enrichment: Chemi−SELEX」を参照されたい。SELEX法はまた、本出願と同時に出願され、そしてその全体が本明細書に援用される、米国出願第12/175,434号、表題「Method for Generating Aptamers with Improved Off−Rates」に記載されるような、改善された解離速度を持つアプタマーを生成するためにも使用可能である。
【0093】
[00126]本明細書において、用語「アプタマー・アフィニティ複合体」または「アプタマー複合体」は、アプタマーとそのターゲット分子との相互作用によって形成される非共有複合体を指す。(単数の)「アプタマー・アフィニティ複合体」または「アプタマー複合体」は、対応するターゲット分子に結合したアプタマーによって形成される1つのタイプまたは種の複合体のコピーセットである。「(複数の)アプタマー・アフィニティ複合体」または「(複数の)アプタマー複合体」は、1より多いこうした複合体セットを指す。アプタマー・アフィニティ複合体またはアプタマー複合体は、一般的に、環境条件の変化、例えば温度増加、塩濃度増加、または変性剤添加によって逆転するかまたは解離することも可能である。
【0094】
[00127]本明細書において、「非特異的複合体」は、アプタマーおよびそのターゲット分子以外の2以上の分子間の非共有結合を指す。非特異的複合体は、構成要素分子間のアフィニティ相互作用に基づいては選択されずに、分子クラス間の相互作用に相当するため、非特異的複合体において会合する分子は、平均して、互いに対してはるかに低いアフィニティを示し、そしてアプタマーおよびそのターゲット分子よりもそれに対応して高い解離速度を有するであろう。非特異的複合体には、アプタマーおよび非ターゲット分子、競合剤および非ターゲット分子、競合剤およびターゲット分子、ならびにターゲット分子および非ターゲット分子間で形成される複合体が含まれる。
【0095】
[00128]SELEX法は、一般的に、異なる配列の核酸の候補混合物の調製とともに始まる。候補混合物には、一般的に、2つの固定領域(すなわち候補混合物メンバー各々が、同じ位置に同じ配列を含有する)および可変領域を含む核酸配列が含まれる。典型的には、これらが以下に記載する増幅工程を補助するか、または候補混合物中の核酸の所定の構造配置の潜在能力を増進するような、固定配列領域を選択する。可変領域は、典型的には、候補混合物中の各核酸のターゲット結合領域を提供し、そしてこの可変領域は、完全にランダム化(すなわちいかなる位でも塩基が4つのうち1つであることを見出すことが可能)されていてもまたは部分的にのみランダム化(例えば、塩基を見出す可能性が、いかなる部位でも0〜100パーセントの間の任意のレベルで選択可能である)されていてもよい。ターゲットおよび候補混合物メンバー間で結合が生じるのを支持する条件下で、調製された候補混合物を、選択されたターゲットと接触させる。これらの条件下で、ターゲットおよび候補混合物の核酸間の相互作用は、一般的に、対のメンバー間の最強の相対的アフィニティを有する核酸−ターゲット対を形成する。ターゲットに対する最高のアフィニティを持つ核酸を、ターゲットに対するより低いアフィニティを持つ核酸から分配する。高アフィニティ候補を最大数で保持する方式で、分配プロセスを実行する。ターゲットに対して比較的高いアフィニティを有するとして、分配中に選択された核酸を増幅して、ターゲットに対して比較的高いアフィニティを有する核酸が濃縮された、新規候補混合物を生成する。上記の分配および増幅工程を反復することによって、新規に形成される候補混合物は、より少ないユニークな配列を含有し、そしてターゲットに対する核酸混合物のアフィニティの平均の度合いは、一般的に増加する。極端に言えば、SELEX法は、ターゲット分子に対する最高のアフィニティを有する元来の候補混合物由来の核酸に相当するユニークな核酸を1つまたは非常に少数含有する、候補混合物を生じるであろう。
【0096】
[00129]III.光SELEX
[00130]光アプタマー定義
[00131]架橋法
[00132]本明細書において、「光アプタマー」、「光反応性核酸リガンド」、および「光反応性アプタマー」は交換可能に用いられ、ターゲット分子に共有結合するかまたは該分子と「架橋する」ことも可能な、1以上の光反応性官能基を含有するアプタマーを指す。例えば、天然存在核酸残基を修飾して、適切な波長の照射供給源に対する曝露に際して核酸残基に光反応性を与える、化学的官能基を含ませてもよい。いかなる既知の方法を用いて、光アプタマーを同定し、そして/または調製してもよい。いくつかの態様において、光SELEX法を用いて、光反応性アプタマーを同定する。例えば、米国特許第5,763,177号、米国特許第6,001,577号、および米国特許第6,291,184号、各々、表題「Systematic Evolution of Nucleic Acid Ligands by Exponential Enrichment: Photoselection of Nucleic Acid Ligands and Solution SELEX」を参照されたい;また、例えば、米国特許第6,458,539号、表題「Photoselection of Nucleic Acid Ligands」、および本出願と同時に出願され、そしてその全体が本明細書に援用される、米国出願第12/175,388号、表題「Improved SELEX and PHOTOSELEX」も参照されたい。
【0097】
[00133]光アプタマー内に取り込んでもよい例示的な光反応性官能基には、5−ブロモウラシル、5−ヨードウラシル、5−ブロモビニルウラシル、5−ヨードビニルウラシル、5−アジドウラシル、4−チオウラシル、5−チオウラシル、4−チオシトシン、5−ブロモシトシン、5−ヨードシトシン、5−ブロモビニルシトシン、5−ヨードビニルシトシン、5−アジドシトシン、8−アジドアデニン、8−ブロモアデニン、8−ヨードアデニン、8−アジドグアニン、8−ブロモグアニン、8−ヨードグアニン、8−アジドヒポキサンチン、8−ブロモヒポキサンチン、8−ヨードヒポキサンチン、8−アジドキサンチン、8−ブロモキサンチン、8−ヨードキサンチン、5−[(4−アジドフェナシル)チオ]シトシン、5−[(4−アジドフェナシル)チオ]ウラシル、7−デアザ−7−ヨードアデニン、7−デアザ−7−ヨードグアニン、7−デアザ−7−ブロモアデニン、および7−デアザ−7−ブロモグアニンが含まれる。
【0098】
[00134]これらのヌクレオシドに基づく例示的な光反応性官能基に加えて、適切なリンカー分子を通じてアプタマーの末端に添加可能な他の光反応性官能基を用いてもよい。こうした光反応性官能基には、ベンゾフェノン、アントラキノン、4−アジド−2−ニトロ−アニリン、ソラレン、これらのいずれかの誘導体等が含まれる。
【0099】
[00135]いかなる適切な方法によって、光アプタマー内に取り込まれる光反応性官能基を活性化してもよい。1つの態様において、光アプタマー・アフィニティ複合体を、電磁放射線の線源に曝露することによって、光反応性官能基を含有する光アプタマーをそのターゲットに架橋する。適切なタイプの電磁放射線には、紫外光、可視光、X線、およびガンマ線が含まれる。適切な放射線源には、単色光またはフィルター処理した多色光のいずれかを利用する供給源が含まれる。
【0100】
[00136]本明細書において、用語「アプタマー共有複合体」は、アプタマーがそのターゲット分子と共有結合を形成するように誘導されているかまたは別の方式でターゲット分子との共有結合を形成しているアプタマー・アフィニティ複合体を指す。(単数の)「アプタマー共有複合体」は、対応するターゲット分子に共有結合しているアプタマーによって形成される複合体の1つのタイプまたは種のコピーセットである。「(複数の)アプタマー共有複合体」は、1より多いこうした複合体セットを指す。光アプタマーに関して上述する部分を含めて、アプタマー上の化学的部分の光活性化によって、アプタマーおよびそのターゲット分子間の共有結合または連結を誘導してもよい。アプタマーおよびそのターゲット分子間の共有結合または連結を化学的に誘導してもよい。アプタマー中に含まれてもよく、そしてターゲットとの共有連結を誘導するのに使用可能な化学基には、限定されるわけではないが、アルデヒド、マレイミド、アクリリル誘導体、ジアゾニウム誘導体、チオール等が含まれる。いくつかの態様において、例えばマレイミドまたはジアゾニウム塩などの化学的架橋基は、単に、特異的でそして十分に増進された化学的反応性が生じるために必要な、適切な環境および反応基の並置を提供することによって、アプタマー・アフィニティ複合体をアプタマー共有複合体に変換可能である。他の態様において、化学的架橋剤、例えばアルデヒド基は、アプタマー・アフィニティ複合体を、安定な不可逆的アプタマー共有複合体に変換するために、別の構成要素、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムの添加を必要としうる。さらに他の態様において、こうした化学的架橋剤はアプタマー中にまったく含まれず;第三の試薬を用いて、アプタマーおよびそのターゲット間の共有結合を促進することによって、アプタマー・アフィニティ複合体をアプタマー共有複合体に変換する。例えば、アミン反応性部分(例えばN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル、アルデヒド、またはイミデート)およびヌクレオシド反応基(例えばヨードアセトアミドまたは活性化アルデヒド)の両方を含有するホモまたはヘテロ二重官能性試薬は、アプタマー・アフィニティ複合体、例えばアプタマーおよびターゲットタンパク質によって形成されるアフィニティ複合体の共有複合体化を誘導可能である。
【0101】
[00137]アフィニティ・アプタマーをまず同定し、そして1以上の光反応性ヌクレオチド残基において置換することによって、光アプタマーを同定してもよい。あるいは、以下の工程を含むSELEX法によって光アプタマーを同定してもよい:(a)各々、(i)少なくとも1つの非光反応性位置維持(placeholding)ピリミジンおよび(ii)少なくとも1つの修飾ピリミジンを含む核酸の候補混合物を調製し;(b)ターゲットと候補混合物を接触させ、ここで候補混合物に比較して、ターゲットに対する増加したアフィニティを有する核酸を、候補混合物の残りから分配してもよく;(c)候補混合物の残りからアフィニティが増加した核酸を分配し;(d)アフィニティが増加した核酸を増幅して、核酸の核酸リガンド濃縮混合物を生じ、それによってターゲット化合物に対するアプタマーを同定してもよく;(e)望ましいように、(b)〜(d)を反復し;(f)(d)の核酸リガンド濃縮混合物の各核酸において、1以上の非光反応性位置維持ピリミジンを光反応性ピリミジンで置換することによって、候補光アプタマーを産生し;(g)候補光アプタマーをターゲットと接触させ、ここで候補光アプタマー−ターゲット複合体を形成し;(h)前記候補光アプタマー−ターゲット複合体に照射し;(i)前記候補光アプタマー−ターゲット複合体が光架橋されているかどうかを決定し;(j)望ましいように、(f)〜(i)を反復し;そして(k)ターゲットに対する少なくとも1つの光アプタマーを同定する。
【0102】
[00138]IV.試験試料およびターゲット分子
[00139]用語「試験試料」は、本明細書において、複数の分子を含有し、そして少なくとも1つのターゲット分子を含みうる、任意の物質、溶液、または混合物を指す。用語、試験試料には、以下に定義するような生物学的試料、ならびに例えば汚染されたかまたは潜在的に汚染された水および産業廃水などの、環境または毒性試験に使用可能な試料が含まれる。試験試料はまた、準備プロセス、例えば製造プロセスの最終産物、中間産物、または副産物であってもよい。試験試料には、生物から、またはいくつかの他の供給源(例えば環境または産業供給源)から得られた、物質、溶液、または混合物に添加されている、任意の適切なアッセイ培地、緩衝液、または希釈剤が含まれてもよい。
【0103】
[00140]用語「生物学的試料」は、生物から得られた任意の物質、溶液、または混合物を指す。これには、血液(全血、白血球、末梢血単核細胞、血漿、および血清を含む)、痰、息、尿、精液、唾液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、滑液、関節吸引液、細胞、細胞抽出物、および脳脊髄液が含まれる。これにはまた、前述のすべての実験的に分離された分画も含まれる。用語「生物学的試料」にはまた、例えば糞便試料、組織試料、または組織生検由来のものなどの、ホモジナイズした固形物質を含有する、物質、溶液、または混合物も含まれる。用語「生物学的試料」にはまた、組織培養、細胞培養、細菌培養、またはウイルス培養由来の物質、溶液、または混合物も含まれる。
【0104】
[00141]本明細書において、「ターゲット分子」および「ターゲット」は交換可能に用いられ、アプタマーが高いアフィニティおよび特異性で結合可能であり、そして試験試料中に存在しうる、関心対象のいかなる分子も指す。「関心対象の分子」には、特定の分子のいかなる重要でない変動も含まれ、例えば、タンパク質の場合、例えばアミノ酸配列の重要でない変動、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、あるいは他の操作または修飾のいずれか、例えば分子の同一性を実質的に改変しない標識化構成要素とのコンジュゲート化が含まれる。(単数の)「ターゲット分子」または「ターゲット」は、アプタマーに結合可能な分子または多分子構造の1つのタイプまたは種のコピーセットである。「(複数の)ターゲット分子」または「(複数の)ターゲット」は、分子のこうしたセットの1より多くを指す。例示的なターゲット分子には、タンパク質、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、アフィボディ、抗体模倣体、ウイルス、病原体、毒性物質、基質、代謝物、遷移状態類似体、補因子、阻害剤、薬剤、色素、栄養物、増殖因子、細胞、組織、および前述の任意のものの任意の断片または部分が含まれる。任意のサイズの実質的に任意の化学的または生物学的分子に関してアプタマーを同定してもよく、そしてしたがって、任意のサイズの実質的に任意の化学的または生物学的分子も適切なターゲットでありうる。また、ターゲットを修飾して、ターゲットおよびアプタマー間の相互作用の可能性または強度を増進してもよい。また、上に定義するように、タグを含むようにターゲットを修飾してもよい。例示的な態様において、ターゲット分子はタンパク質である。SELEXターゲットがペプチドである方法に関しては、米国特許第6,376,190号、表題「Modified SELEX Processes Without Purified Protein」を参照されたい。
【0105】
[00142]「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、本明細書において交換可能に用いられ、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは直鎖でもまたは分枝鎖でもよく、修飾アミノ酸を含んでもよく、そして非アミノ酸によって中断されてもよい。該用語はまた、天然にまたは介入によって;例えばジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、あるいは他の操作または修飾のいずれか、例えば標識化構成要素とのコンジュゲート化によって修飾されているアミノ酸ポリマーも含む。定義内にやはり含まれるのは、例えば、アミノ酸の1以上の類似体(例えば非天然アミノ酸等を含む)、ならびに当該技術分野に知られる他の修飾を含有するポリペプチドである。ポリペプチドは一本鎖または会合鎖であってもよい。
【0106】
[00143]本明細書において、「非ターゲット分子」および「非ターゲット」は、交換可能に用いられ、アプタマーと非特異的複合体を形成しうる、試験試料中に含有される分子を指す。(単数の)「非ターゲット分子」または「非ターゲット」は、アプタマーに結合可能な分子または多分子構造の1つのタイプまたは種のコピーセットである。「(複数の)非ターゲット分子」または「(複数の)非ターゲット」は、分子のこうしたセットの1より多くを指す。第一のアプタマーに関して非ターゲットである分子が、第二のアプタマーに関してターゲットであってもよいことが認識されるであろう。同様に、第一のアプタマーに関してターゲットである分子は、第二のアプタマーに関して非ターゲットであってもよい。
【0107】
[00144]V:捕獲1−アプタマーに基づく分配
[00145]本明細書において、用語「分配」は、試験試料からの1以上の分子種の分離または除去を指す。分配を用いて、感度を増加させそして/またはバックグラウンドを減少させることも可能である。分配は、アプタマー(または共有)複合体形成後、またはアプタマー・アフィニティ複合体が架橋中に導入された共有結合のために不可逆的となった際に、最も有効である。アプタマー・アフィニティ複合体が固定されている任意の工程後、またはすべての工程後に、分配工程を導入してもよい。分配はまた、サイズ示差またはアプタマー・アフィニティ複合体および試験試料の他の構成要素間に示差的に存在する他の特異的特性に頼ってもよい。分配はまた、アプタマーまたはターゲットとの特異的相互作用を通じても達成可能である。分配はまた、アプタマー、ターゲット、アプタマー・アフィニティ複合体またはアプタマー共有複合体の物理的または生化学的特性に基づいても達成可能である。
【0108】
[00146]本明細書において、「捕獲1」は、アプタマーの捕捉に基づく、アプタマー・アフィニティ複合体またはアプタマー共有複合体の分配を指す。捕獲1工程の目的は、アプタマーと会合していない試験試料中の実質的にすべての構成要素を除去することである。一般的に、こうした構成要素を大部分除去すると、捕獲2捕捉に用いたターゲットタグ化工程から非ターゲット分子を除去することによって、ターゲットタグ化効率が改善され、そしてより低いアッセイバックグラウンドが導かれうる。1つの態様において、アッセイ前、アッセイ調製中、またはアッセイ中のいずれかに、アプタマーにタグを付け加えることによって、タグをアプタマーに付着させる。1つの態様において、タグは遊離可能タグである。1つの態様において、遊離可能タグは、切断可能リンカーおよびタグを含む。上述のように、タグ化アプタマーを固体支持体上に捕捉してもよく、この場合、固体支持体はタグに適した捕捉要素を含む。次いで、固体支持体を洗浄して、アプタマーと会合していない、試験混合物中のいかなる物質も除去してもよい。
【0109】
[00147]多様な態様において、アプタマー内に取り込まれた捕捉タグ(アプタマータグ)を用いて、アプタマー・アフィニティ(または共有)複合体を固体支持体上に捕捉するかまたは固定する。例えば、上述のように、アプタマー上の捕捉タグがビオチンである場合、表面上にアビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、Extravidin等を有するビーズを用いて、アプタマー・アフィニティ(または共有)複合体を捕捉してもよい。ビーズを洗浄して、いかなる未結合(非複合体化)ターゲットおよび他の試料マトリックス構成要素も除去する。
【0110】
[00148]別の態様において、タグは、第一の固体支持体上に固定されたプローブに相補的なハイブリダイゼーションタグである。この場合の固体支持体には、マイクロビーズ(例えば常磁性ビーズ)、本明細書に記載する任意の他の適切な固体支持体等が含まれてもよい。ハイブリダイゼーションタグは、アプタマーに付加されるユニークな配列タグであってもよいし、またはアプタマー配列の部分であってもよいし、または全アプタマー配列であってもよい。ハイブリダイゼーションによって、アプタマーを固体支持体と会合させた後、試験試料を洗浄して、アプタマーと会合していないいかなる物質も除去してもよい。1つの態様において、ハイブリダイゼーションを逆転させる任意の適切な方法、例えば高塩、低または高pH、高温またはこれらのいずれかの組み合わせを用いて、アプタマー共有複合体および未結合アプタマーを固体支持体から遊離させてもよい。捕獲1中のハイブリダイゼーションタグの遊離は、一般的に、アプタマー・アフィニティ複合体を保持することと適合しないが、これはタグ−プローブ・ハイブリダイゼーションの破壊を導く条件が、一般的に、アプタマー構造の変性を導き、アプタマー・アフィニティ複合体の解離を生じるためである。
【0111】
[00149]別の態様において、明確なアプタマータグおよび第一の固体支持体よりむしろ、物理的技術を用いて、アプタマーと会合していない構成要素の除去を達成可能である。1つの態様において、未結合および複合体化両方のアプタマーを試験試料から沈殿させ、ターゲットタグ化剤と反応可能な他の分子を、廃棄される上清中に残すことによって、これを達成する。この方法は、光架橋アッセイで使用するために設計されることに注目されたい。セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(DTAB)、および例えばエタノールなどの有機溶媒を含む試薬で、こうした核酸沈殿を達成してもよい。
【0112】
[00150]VI:捕獲2−タンパク質に基づく分配
[00151]本明細書において、「捕獲2」は、ターゲット分子の捕捉に基づくアプタマー・アフィニティ複合体またはアプタマー共有複合体の分配を指す。捕獲2工程の目的は、検出および場合による定量化の前に、未結合または非複合体化アプタマーを試験試料から除去することである。未結合アプタマーを試料から除去すると、任意の適切な核酸検出技術によって、アプタマー・アフィニティまたはアプタマー共有複合体の検出が可能になる。検出および場合による定量化のためにQPCRを用いる場合、ターゲット分子の正確な検出および定量化のため、未結合アプタマーの除去が必要である。
【0113】
[00152]1つの態様において、ターゲット分子は、タンパク質またはペプチドであり、そして未結合アプタマーは、タンパク質(およびペプチド)およびタンパク質(またはペプチド)を含む複合体、例えばアプタマー・アフィニティ(または共有)複合体内に取り込まれうる試薬を用いて、アプタマー・アフィニティ(または共有)複合体(および試験試料の残り)から分配される。タグ化タンパク質(またはペプチド)およびアプタマー・アフィニティ(または共有)複合体を固体支持体上に固定し、未結合アプタマーからのタンパク質(またはペプチド)およびアプタマー・アフィニティ(または共有)複合体の分配を可能にしてもよい。こうしたタグ化には、例えば、タンパク質またはペプチド内に取り込まれうるビオチン部分が含まれてもよい。
【0114】
[00153]1つの態様において、アッセイ前、アッセイ調製中、またはアッセイ中のいずれかで、ターゲットにタグを化学的に付着させることによって、捕獲2タグをタンパク質(またはペプチド)に付着させる。1つの態様において、捕獲2タグは遊離可能タグである。1つの態様において、遊離可能タグは、切断可能リンカーおよびタグを含む。必ずしもではないが一般的に、捕獲2固体支持体からタンパク質(またはペプチド)が遊離する。上述のように、ターゲットタグに適した捕捉要素を含む第二の固体支持体上に、タグ化ターゲットを捕捉してもよい。次いで、固体支持体を洗浄して、溶液から未結合アプタマーを除去してもよい。
【0115】
[00154]1つの態様において、捕獲2のために導入されるターゲットタグは、捕獲1のために用いられるアプタマー上のものと同じタグである。この態様において、捕獲1工程後および捕獲2固体支持体の導入前に、ターゲットタグ化を実行する。1つの態様において、捕獲1支持体上にありつつターゲットタグ化が行われる場合、ターゲットタグ化前に、捕獲1支持体上のアプタマーで占められていない部位をブロッキングしてもよい。
【0116】
[00155]別の態様において、アプタマー・アフィニティ複合体またはアプタマー共有複合体を、第二の固体支持体上の捕捉試薬との会合を通じて、直接、第二の固体支持体上に捕捉してもよい。この態様において、明確なターゲットタグ化は必要ではない。1つの態様において、第二の固体支持体は、ターゲット分子に結合する抗体を含有する。別の態様において、支持体は、ターゲット分子に結合するFc断片を含有する。別の態様において、ターゲット分子がIgG、IgM、IgAまたはIgEである場合、支持体は、ターゲットタンパク質に結合するため、プロテインAを含有してもよい。捕獲2工程のため、アプタマー・アフィニティまたはアプタマー共有複合体中のターゲット分子に結合する任意の捕捉試薬を用いてもよい。
【0117】
[00156]別の態様において、明確なターゲットタグおよび第二の固体支持体よりむしろ、物理的技術を用いて、未結合アプタマーの除去を達成してもよい。1つの態様において、ターゲット分子がタンパク質またはペプチドである場合、アプタマー共有複合体を沈殿させ、そして未結合アプタマーを廃棄される上清中に残すことによって、これを達成する[これは共有複合体に関してのみ有効であることに注目されたい]。こうしたタンパク質またはペプチド沈殿は、例えば、SDSおよび高塩、通常Kで達成可能である。SDS−K沈殿後、定量化のために、アプタマー共有複合体を回収してもよい。
【0118】
[00157]第二の固体支持体を洗浄することによって未結合アプタマーを除去した後、次いで、複合体が破壊されて、未結合アプタマーを生じる一方、ターゲット分子は、一般的に、プローブおよびターゲット捕捉タグの結合相互作用を通じて、固体支持体に結合したままである解離工程に、アプタマー・アフィニティ複合体を供する。アプタマーまたはターゲットのいずれかの構造を破壊する任意の方法によって、アプタマー・アフィニティ複合体からアプタマーを遊離させてもよい。非共有結合アプタマー−ターゲット複合体を解離させる高塩緩衝液中で、支持体に結合したアプタマー・アフィニティ複合体を洗浄することを通じて、これを達成してもよい。溶出した未結合アプタマーを収集し、そして検出する。別の態様において、高または低pHを用いて、アプタマー・アフィニティ複合体を破壊する。別の態様において、高温を用いて、アプタマー・アフィニティ複合体を解離させる。別の態様において、上記方法の任意の組み合わせが使用可能である。
【0119】
[00158]アプタマー共有複合体の場合、アプタマー構築物中の切断可能リンカーを用いて、続く定量化のために、アプタマーの遊離を達成する。別の態様において、ターゲットタグ中の切断可能リンカーは、アプタマー共有複合体の遊離を生じるであろう。
【0120】
[00159]競合剤を用いた動力学的負荷
[00160]本明細書において、「競合剤分子」および「競合剤」は、交換可能に用いられ、非ターゲット分子と非特異的複合体を形成して、例えば非ターゲット分子がアプタマーに非特異的に再結合するのを防止しうる任意の分子を指す。(単数の)「競合剤分子」または「競合剤」は、分子の1つのタイプまたは種のコピーセットである。「(複数の)競合剤分子」または「(複数の)競合剤」は、分子のこうしたセットの1より多くを指す。競合剤分子には、オリゴヌクレオチド、ポリアニオン(例えば、ヘパリン、一本鎖サケ精子DNA、およびポリデキストラン(例えば硫酸デキストラン))、脱塩基性ホスホジエステルポリマー、dNTP、およびピロホスフェートが含まれる。競合剤を用いる動力学的負荷の場合、競合剤はまた、未結合アプタマーと非特異的複合体を形成して、例えばそのアプタマーが非ターゲット分子に非特異的に再結合するのを防止しうる任意の分子であってもよい。こうした競合剤分子には、ポリカチオン(例えば、スペルミン、スペルミジン、ポリリジン、およびポリアルギニン)およびアミノ酸(例えばアルギニンおよびリジン)が含まれる。動力学的負荷として競合剤を用いる場合、試料中に存在する総タンパク質または総アプタマーの予期される濃度に比較して、かなり高い濃度を利用する。1つの態様において、動力学的負荷において、競合剤として、10mM硫酸デキストランを用いる。
【0121】
[00161]希釈を用いた動力学的負荷
[00162]いくつかの態様において、結合緩衝液またはアプタマー・アフィニティ複合体の解離天然速度を有意に増加させない任意の他の溶液で、試験試料を希釈することによって、動力学的負荷を実行する。希釈は、約2X、約3X、約4X、約5X、または任意の適切なより大きい希釈であってもよい。より大きい希釈は、希釈後、総タンパク質およびアプタマーの濃度を減少させ、そしてしたがってその再会合速度を減少させることによって、より有効な動力学的負荷を提供する。動力学的負荷を導入するために希釈を用いる場合、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する続く試験試料混合物を、さらなるプロセシング前に濃縮してもよい。適用可能な場合、試験試料からのすべての未結合アプタマーの場合による分配および/またはタグ化剤と反応しうる試験試料の他の構成要素の場合による除去に関して、本明細書に記載する方法を用いて、この濃縮を達成してもよい。希釈を動力学的負荷として用いる場合、最初の試験試料体積、および複合体の有意な喪失を招くことなく、最終(希釈)体積からアプタマー・アフィニティ複合体を回収する望ましさの両方を考慮して、出来るだけ高いように希釈量を選択する。
【0122】
[00163]希釈および競合剤を用いた動力学的負荷
[00164]いくつかの態様において、試料希釈効果および競合剤導入効果が同時に達成される方式で、動力学的負荷を実行する。例えば、試験試料を大量の競合剤で希釈してもよい。これらの2つの動力学的負荷戦略を合わせると、1つの戦略を用いて達成されうるより有効な動力学的負荷が提供されうる。1つの態様において、希釈は、約2X、約3X、約4X、約5X、または任意の適切なより大きい希釈であってもよく、そして競合剤は、10mM硫酸デキストランである。
【0123】
[00165]VIII.捕捉要素、タグおよびプローブ
[00166]多様な態様において、アプタマー内に取り込まれたタグ(アプタマータグ)またはターゲットに付着したタグを用いて、固体支持体上にアプタマー・アフィニティ(または共有)複合体を捕捉するかまたは固定する。例えば、アプタマー上のタグがビオチンである場合、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、Extravidin等の捕捉要素を有するビーズを用いて、アプタマー・アフィニティ(または共有)複合体を捕捉してもよい。ビーズを洗浄して、いかなる未結合(非複合体化)ターゲットも除去する。
【0124】
[00167]タグ組成物
[00168]本明細書に開示するように、アプタマーは、「タグ」をさらに含んでもよく、タグは、固体支持体にアプタマーを(およびそれに結合したいかなるターゲット分子も)付着させるかまたは固定するための手段を提供する構成要素を指す。(単数の)「タグ」は、「捕捉要素」と会合可能な構成要素の1つのタイプまたは種のコピーセットである。「(複数の)タグ」または「(複数の)捕捉要素」は、構成要素のこうしたセットの1より多くを指す。任意の適切な方法によって、タグをアプタマーに付着させてもよいし、またはタグがアプタマーに含まれてもよい。一般的に、タグは、アプタマーが、固体支持体に付着した捕捉要素または受容体と、直接または間接的にのいずれかで会合することを可能にする。捕捉要素は、典型的には、タグと非常に特異的に相互作用し、そして続くプロセシング工程または方法中、その会合が保持されるように選択(または設計)される。タグは、固体支持体上の空間的に定義されたアドレスに、アプタマー・アフィニティ複合体(または共有アプタマー・アフィニティ複合体)を局在させることを可能にしうる。したがって、異なるタグは、固体支持体上の空間的に定義された異なるアドレスに、異なるアプタマー共有複合体を局在させることを可能にしうる。タグは、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ペプチド核酸、ロック核酸、オリゴ糖、多糖、抗体、アフィボディ、抗体模倣体、細胞受容体、リガンド、脂質、ビオチン、ポリヒスチジン、あるいはこれらの構造の任意の断片または誘導体、前述のものの任意の組み合わせ、あるいは捕捉要素(または以下に記載するようなリンカー分子)が、特異性を持って結合するかまたは別の方式で会合するように設計されるかまたは設定されうる任意の他の構造であってもよい。一般的に、タグは、分子内で、それ自体と、あるいはそのタグが付着しているかまたはそのタグが一部となっているアプタマーと相互作用しないように設定される。SELEXを用いてアプタマーを同定する場合、SELEX前またはSELEX後のいずれかで、タグをアプタマーに添加してもよい。1つの態様において、SELEX後、アプタマーの5’端上にタグが含まれる。別の態様において、SELEX後、アプタマーの3’端上にタグが含まれる。さらに別の態様において、タグは、SELEX後修飾プロセスにおいて、アプタマーの3’および5’端上の両方に含まれてもよい。別の態様において、タグは、アプタマーの内部であってもよい。
【0125】
[00169]1つの態様において、タグはビオチン基であり、そして捕捉要素はアビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、Extravidinなどのビオチン結合性タンパク質である。ビオチンは、合成中に容易にアプタマー内に取り込まれ、そしてストレプトアビジンビーズは容易に入手可能であるため、この組み合わせは、多様な態様において好適に使用可能である。
【0126】
[00170]1つの態様において、タグはポリヒスチジンであり、そして捕捉要素は、ニッケル、コバルト、鉄、またはNTAでキレートした際にポリヒスチジンと配位化合物を形成可能な任意の他の金属イオンでキレートしたニトロロ三酢酸(nitorolotriacetic acid)(NTA)である。
【0127】
[00171]1つの態様において、タグは、相補的ポリヌクレオチド配列を含有する捕捉要素と直接ハイブリダイズするように設計されたポリヌクレオチドである。この場合、タグはときに、「配列タグ」と呼ばれ、そして捕捉要素は、一般的に、「プローブ」と呼ばれる。この態様において、タグは一般的に設定され、そしてタグが完全な相補体であるプローブ以外のプローブとはタグがハイブリダイズしない条件下でハイブリダイゼーション反応を実行する。これによって、各タグ/プローブ組み合わせがユニークな配列を有しうるため、多重化アッセイ形式の設計が可能になる。
【0128】
[00172]いくつかの態様において、タグはアプタマー自体の一部であるヌクレオチドを含む。例えば、SELEXを用いてアプタマーを同定する場合、アプタマーには、一般的に、アプタマーに応じて多様であるヌクレオチド配列、すなわち可変領域によって、3’固定端から分離された5’固定端が含まれる。1つの態様において、タグは、アプタマーの固定端に含まれる任意の適切な数のヌクレオチド、例えば、固定端全体または固定端の任意の一部を含んでもよく、固定端より内部のヌクレオチドを含んでもよい。別の態様において、タグは、アプタマーの可変領域内に含まれる任意の適切な数のヌクレオチドを含んでもよいし、例えば、可変領域全体または可変領域の任意の一部を含んでもよい。さらなる態様において、タグは、可変領域および一方の固定端の両方に重なり合う任意の適切な数のヌクレオチドを含んでもよく、すなわち、タグは、可変領域の任意の部分(すべてを含む)および固定端の任意の部分(すべてを含む)を含んでもよい。
【0129】
[00173]別の態様において、タグは直接プローブと会合し、そしてプローブに共有結合して、それによって、固体支持体表面にアプタマーを共有結合させてもよい。この態様において、タグおよびプローブには、プローブとタグとの会合に際して、互いに十分に近接して、共有結合を生じる化学反応を経る、適切な反応基が含まれてもよい。反応は、自発的に起きてもよいし、あるいは活性化、例えば光活性化または化学的活性化を必要としてもよい。1つの態様において、タグにはジエン部分が含まれ、そしてプローブには求ジエン(dienophile)が含まれて、そして共有結合形成は、ジエンおよび求ジエンの自発的なディールス−アルダー・コンジュゲート化反応から生じる。例えば、N−マンニッヒ反応、ジスルフィド形成、カーティス反応、アルドール縮重、シッフ塩基形成、およびマイケル付加などの任意の適切な補完的化学反応を用いてもよい。
【0130】
[00174]別の態様において、以下にさらに記載するように、タグは、例えばリンカー分子を通じて、プローブと間接的に会合する。この態様において、タグには、リンカー分子の特定の領域または構成要素に相補的なポリヌクレオチド配列が含まれてもよい。タグは一般的に設定され、そしてリンカー分子中に含まれるポリヌクレオチド配列以外のポリヌクレオチド配列とタグがハイブリダイズしないように、ハイブリダイゼーション反応が行われる。
【0131】
[00175]タグにポリヌクレオチドが含まれる場合、ポリヌクレオチドには、任意の適切な数のヌクレオチドが含まれてもよい。1つの態様において、タグには、少なくとも約10ヌクレオチドが含まれる。別の態様において、タグには、約10〜約45ヌクレオチドが含まれる。さらに別の態様において、タグには、少なくとも約30ヌクレオチドが含まれる。ポリヌクレオチドが含まれる、異なるタグには、同じ数のヌクレオチドまたは異なる数のヌクレオチドのいずれかが含まれてもよい。
【0132】
[00176]いくつかの態様において、タグ構成要素は二重官能性であり、これには、固体支持体上の捕捉要素との特異的相互作用に関する官能性または以下に定義するような「プローブ」(プローブ会合構成要素)、および付着している分子をタグのプローブ会合構成要素から解離させるための官能性が含まれる。タグのプローブ会合構成要素を解離させるための手段には、化学的手段、光化学的手段または使用される特定のタグに応じる他の手段が含まれる。
【0133】
[00177]いくつかの態様において、タグをアプタマーに付着させる。他の態様において、タグをターゲット分子に付着させる。アプタマー結合工程の前に、ターゲット分子にタグを付着させてもよいし、あるいは結合平衡(または光架橋)が達成された後、ターゲット分子またはアプタマー・アフィニティ(または光)複合体に付着させてもよい。
【0134】
[00178]捕捉要素組成物
[00179]本明細書において、「捕捉要素」、「プローブ」または「受容体」は、タグと直接または間接的にのいずれかで会合するように設定された分子を指す。(単数の)「捕捉要素」、「プローブ」または「受容体」は、タグと直接または間接的にのいずれかで会合することによって、タグが付着する部分を固体支持体に固定することが可能な、分子の1つのタイプまたは多分子構造の1つのタイプのコピーセットである。「(複数の)捕捉要素」、「(複数の)プローブ」または「(複数の)受容体」は、分子のこうしたセットの1より多くを指す。捕捉要素、プローブまたは受容体は、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ペプチド核酸、ロック核酸、オリゴ糖、多糖、抗体、アフィボディ、抗体模倣体、細胞受容体、リガンド、脂質、ビオチン、ポリヒスチジン、あるいはこれらの構造の任意の断片または誘導体、前述のものの任意の組み合わせ、あるいはタグ(またはリンカー分子)が、特異性を持って結合するかまたは別の方式で会合するように設計されるかまたは設定されうる任意の他の構造であってもよい。任意の適切な方法によって、捕捉要素、プローブまたは受容体を共有的または非共有的のいずれかで、固体支持体に付着させてもよい。
【0135】
[00180]用語「捕捉要素」、「プローブ」および「受容体」は、交換可能に用いられるが、プローブは、一般的に、ポリヌクレオチド配列を指す。1つの態様において、プローブには、ポリヌクレオチドタグ配列に相補的な配列を有するポリヌクレオチドが含まれる。この態様において、プローブ配列は一般的に設定され、そしてプローブが相補配列を含むタグ以外のヌクレオチド配列にはプローブがハイブリダイズしないような条件下で、ハイブリダイゼーション反応が行われる(すなわち、プローブは一般的に設定され、そして異なるタグまたはアプタマーとプローブがハイブリダイズしないような条件下で、ハイブリダイゼーション反応が行われる)。
【0136】
[00181]別の態様において、プローブは、タグと間接的に、例えばリンカー分子を通じて会合する。この態様において、プローブには、リンカー分子の特定の領域または構成要素に相補的なポリヌクレオチド配列が含まれてもよい。プローブは一般的に設定され、そしてリンカー分子中に含まれるポリヌクレオチド配列以外のポリヌクレオチド配列とプローブがハイブリダイズしないように、ハイブリダイゼーション反応が行われる。
【0137】
[00182]プローブにポリヌクレオチドが含まれる場合、ポリヌクレオチドには、任意の適切な数のヌクレオチドが含まれてもよい。1つの態様において、プローブには、少なくとも約10ヌクレオチドが含まれる。別の態様において、プローブには、約10〜約45ヌクレオチドが含まれる。さらに別の態様において、プローブには、少なくとも約30ヌクレオチドが含まれる。ポリヌクレオチドが含まれる、異なるプローブには、同じ数のヌクレオチドまたは異なる数のヌクレオチドのいずれかが含まれてもよい。
【0138】
[00183]いくつかの態様において、捕捉プローブは二重官能性であり、これには、ポリヌクレオチドタグとの特異的相互作用のための官能性、ならびにプローブおよびアプタマーが同時に遊離するように、固体支持体からプローブを解離させるための官能性が含まれる。固体支持体からプローブを解離させるための手段には、化学的手段、光化学的手段または使用される特定の捕捉プローブに応じる他の手段が含まれる。
【0139】
[00184]特定のタグおよび捕捉要素対間の相互作用の相反性のため、1つの態様におけるタグを別の態様における捕捉要素として使用可能であり、そして1つの態様における捕捉要素を別の態様におけるタグとして使用可能である。例えば、1つの態様において、ビオチンタグを含むアプタマーを、固体支持体に付着したストレプトアビジンで捕捉してもよく、一方、別の態様において、ストレプトアビジンタグを含むアプタマーを、固体支持体に付着したビオチンで捕捉してもよい。
【0140】
[00185]ターゲットタグ化
[00186]いくつかの態様において、アプタマー・アフィニティ(または共有)複合体を固体支持体に固定して、アプタマー・アフィニティ(または共有)複合体の単離を可能にし、そして未結合アプタマーを除去することが望ましい。1つの態様において、ターゲット分子と非常に反応性であり、そしてアプタマーと弱く反応性である(または理想的には非反応性である)試薬を用いて、アフィニティ(または共有)複合体のターゲット分子にタグを付加する。この態様において、例えばアフィニティ相互作用と適合するpHおよびイオン強度で、アプタマー・アフィニティ複合体のターゲットタグ化がアフィニティ複合体をほとんどまたはまったく解離させずに達成され、そしてターゲットまたはアプタマーのコンホメーションを変化させず、そしてタグ化の度合いは、アプタマーとの相互作用に影響を及ぼすほど各ターゲット分子上に多数のタグを導入しないように、タグが設計される。アプタマー共有複合体のターゲットタグ化は、これらの制限を共有せず、そして効率的なタグ化に適した任意の条件下で達成可能である。
【0141】
[00187]いくつかの態様において、タグ化試薬が、試験試料中に存在するすべてでないとしても大部分のタンパク質をタグ化するが、核酸または固体支持体などのアッセイの他の構成要素をタグ化しないかまたは最小限にしかタグ化しない傾向があることを確実にすることが重要でありうる。タンパク質上に見られるいかなる反応性化学基も共有結合部位として働きうるが、核酸または支持体表面上に見られるものはこうした部位として働かない。例示的な反応性化学基には、一級アミン(例えばリジン残基上)、チオール(例えばシステイン上、ジスルフィド連結の還元によって生じうる)、アルコール(例えばセリン、スレオニン、チロシン、および糖タンパク質上の糖部分上(こうした糖の上のシス−ジオールの酸化産物を含む))、およびカルボキシレート(例えばグルタミン酸およびアスパラギン酸上)が含まれる。1つの態様において、タグ化試薬は、タンパク質およびペプチド上のリジン残基と優先的に反応する、N−ヒドロキシスクシンイミド活性化タグを含む。
【0142】
[0188]異なるアプタマー・アフィニティ(または光)複合体をタグ化するのに最適な条件は異なる可能性もあり、そして通常、方法の感度を最適化するために、経験的に決定される。1つの態様において、タグ化剤の濃度は、通常、ターゲット分子の少なくとも約1%を検出するのに十分である。別の態様において、標識化剤の濃度は、通常、ターゲット分子の少なくとも約10%を検出するのに十分である。さらなる態様において、タグ化剤の濃度は、通常、ターゲット分子の少なくとも約90%を検出するのに十分である。
【0143】
[00189]1つの態様において、ターゲットはタンパク質またはペプチドであり、そしてタグは、例えばNHS−PEO4−ビオチンなどのタンパク質ビオチン化のための標準的な試薬を用いてターゲットに付着したビオチンである。他の適切な試薬には、スルホ−NHS−LC−ビオチン、PFP−ビオチン、TFP−PEO−ビオチン、またはタンパク質にタグを付着させるのに使用可能な任意の他の適切な試薬が含まれる。
【0144】
[00190]IX.リンカーおよび切断可能リンカー
[00191]本明細書において、リンカーは、2つの官能基または分子構造を連結するのに用いられる分子構造である。本明細書において、「間隔リンカー」またはより簡潔に「スペーサー」は、アプタマー内の2つの異なる官能基間に分離または間隔を提供する、害がない(benign)原子群を指す。本明細書において、「遊離可能」または「切断可能」要素、部分、またはリンカーは、破壊されて、2つの別個の構成要素を産生することが可能な分子構造を指す。遊離可能(または切断可能)要素は、化学結合が破壊可能である単一分子を含む(本明細書において、「インライン切断可能リンカー」と称する)か、あるいは非共有相互作用が破壊または中断可能である2以上の分子を含んでもよい(本明細書において、「ハイブリダイゼーションリンカー」と称する)。
【0145】
[00192]間隔リンカー
[00193]いくつかの態様において、個々の官能性との干渉を防止するため、特定の官能基を他の官能基から空間的に分離することが必要である。例えば、特定の光の波長を吸収する標識が光切断可能基に近接して存在すると、光切断の効率に干渉しうる。したがって、例えば、こうした基を、光切断の完全な活性を回復するのに十分な空間的分離を提供する非干渉部分で分離することが望ましい。いくつかの態様において、「間隔リンカー」は、標識および光切断官能性の両方とともに、アプタマー内に導入されている。
【0146】
[00194]1つの態様において、間隔リンカーは、合成中にアプタマー内に導入され、そしてしたがって、いくつかのホスホロアミダイトスペーサーで構成されることも可能であり、これには、限定されるわけではないが、長さ3、6、9、12および18炭素原子の脂肪族炭素鎖、長さ1、3、および9エチレングリコール単位のポリエチレングリコール鎖、もしくはテトラヒドロフラン部分(dSpacerと名付けられている(Glenn Research))または前述のものの任意の組み合わせ、あるいはホスホジエステル主鎖に沿って長さを付け加えるように設計または設定可能である、任意の他の構造または化学的構成要素が含まれる。別の態様において、間隔リンカーには、ポリdT、dA、dG、もしくはdC、またはポリU、A、G、もしくはC、あるいは前述のものの任意の組み合わせなどのポリヌクレオチドが含まれる。別の態様において、スペーサーには、1以上の脱塩基性リボースまたはデオキシリボース部分が含まれる。こうした配列は、アプタマーの構造または機能に干渉しないように設計されることに注目されたい。
【0147】
[00195]インライン切断可能リンカー
[00196]本明細書において、「インライン切断可能リンカー」は、遊離可能または切断可能要素を含有する原子群を指す。いくつかの態様において、インライン切断可能リンカーを用いて、タグにアプタマーを連結し、それによって遊離可能タグを形成する。例えば、任意の記載するアッセイにおいて、インライン遊離可能リンカーを利用して、アプタマーおよびビオチン間の遊離可能連結を生成する(例えばアフィニティアッセイおよび架橋アッセイにおいて)か、またはアプタマーおよび光架橋基間の遊離可能連結を生成してもよい(例えば架橋アッセイにおいて)。
【0148】
[00197]1つの態様において、インライン切断可能リンカーは、適切な波長の光で遊離可能要素を照射することによって切断可能な結合を含む点で、光切断可能であってもよい。別の態様において、インライン切断可能リンカーは、適切な化学または酵素試薬で処理することによって切断可能な結合を含む点で、化学的に切断可能であってもよい。別の態様において、遊離可能要素には、結合を破壊する還元剤で処理することによって切断可能な、ジスルフィド結合が含まれる。
【0149】
[00198]ハイブリダイゼーションリンカー
[00199]本明細書において、「ハイブリダイゼーションリンカー」は、非共有相互作用が化学的または物理的方法を通じて破壊または中断されうる、2以上の分子を含むリンカーを指す。いくつかの態様において、ハイブリダイゼーションリンカーを用いて、アプタマーをタグに連結し、それによって遊離可能タグを形成する。例えば、任意の記載するアッセイにおいて、ハイブリダイゼーションリンカーを利用して、アプタマーおよびビオチン間の遊離可能連結を生成する(例えばアフィニティアッセイおよび架橋アッセイにおいて)か、またはアプタマーおよび光架橋基間の遊離可能連結を生成してもよい(例えば架橋アッセイにおいて)。
【0150】
[00200]1つの態様において、ハイブリダイゼーションリンカーは、ハイブリダイズして非共有結合を形成する2つの核酸を含む。1つの態様において、ハイブリダイゼーション連結を形成する核酸の一方は、アプタマー自体の領域であってもよいし、そして他方の核酸は、その領域に相補的な核酸であってもよい。核酸二重鎖を破壊する(一方、なおアッセイとの適合性を維持する)のに適した任意の機構によって、遊離を達成してもよい。1つの態様において、二重捕獲光架橋アッセイにおいて、20mM NaOHを用いて、ハイブリダイゼーションリンカーを破壊する。ハイブリダイゼーションリンカー分子は、任意の適切な立体配置を有してもよく、そして任意の適切な構成要素を含んでもよく、1以上のポリヌクレオチド、ポリペプチド、ペプチド核酸、ロック核酸、オリゴ糖、多糖、抗体、アフィボディ、抗体模倣体または断片、受容体、リガンド、脂質、これらの構造の任意の断片または誘導体、前述のものの任意の組み合わせ、あるいは遊離可能構造を形成するように設計または配置可能な任意の他の構造または化学的構成要素が含まれる。
【0151】
[00201]1つの態様において、遊離可能タグは、適切な数のヌクレオチドからなる少なくとも1つのポリヌクレオチドからなる。1つの態様において、リンカー分子のポリヌクレオチド構成要素には、少なくとも約10ヌクレオチドが含まれる。別の態様において、リンカー分子のポリヌクレオチド構成要素には、約10〜約45ヌクレオチドが含まれる。さらに別の態様において、リンカー分子のポリヌクレオチド構成要素には、少なくとも約30ヌクレオチドが含まれる。本明細書に開示する任意の方法で用いるリンカー分子には、同じ数のヌクレオチドまたは異なる数のヌクレオチドのいずれかを有するポリヌクレオチド構成要素が含まれてもよい。
【0152】
[00202]X.捕獲1および捕獲2で使用するための固体支持体
[00203]「固体支持体」は、共有または非共有結合いずれかを通じて、直接または間接的に分子が付着可能な表面を有する、任意の支持体を指す。固体支持体には、表面に付着する捕捉要素またはプローブのために物理的支持を提供可能ないかなる支持体物質も含まれてもよい。物質は、一般的に、表面への捕捉要素またはプローブの付着、およびアッセイの実行中に出会う、いかなる続く処理、取り扱い、またはプロセシングに関連する条件にも耐えることが可能である。物質は、天然存在、合成、または天然存在物質の修飾であってもよい。適切な固体支持体物質には、それのみで、または他の物質と組み合わせて用いられるかいずれかの、シリコン、グラファイト、鏡面、ラミネート、セラミックス、プラスチック(例えばポリ(塩化ビニル)、シクロ−オレフィン・コポリマー、アガロースゲル、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはテフロン(登録商標))、ナイロン、ポリ(酪酸ビニル))、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、金、銀等が含まれてもよい。シリカを含み、そしてさらに例えばBioglassとして入手可能なガラスを含む、ガラスなどの、さらなる堅い物質を考慮してもよい。使用してもよい他の物質には、例えば、調節孔ガラスビーズ、架橋ビーズ化セファロースまたはアガロース樹脂、あるいは架橋ビスアクリルアミドおよびアザラクトンのコポリマーなどの多孔物質が含まれる。表面上に取り込まれた、1以上の官能基、例えば任意のアミノ、カルボキシル、チオール、またはヒドロキシル官能基などを有することが可能な、当該技術分野に知られる任意の他の物質もまた、意図される。
【0153】
[00204]固体支持体に用いる物質は、単純から複雑の範囲に渡る、多様な立体配置のいずれをとってもよい。固体支持体は、ストリップ、プレート、ディスク、ロッド、ビーズを含む粒子、試験管、ウェル等を含む、いくつかの形状のいずれか1つであってもよい。固体支持体は、多孔または非多孔、磁性、常磁性、または非磁性、多分散または単分散、親水性または疎水性であってもよい。固体支持体はまた、緊密に充填された(カラムマトリックスにおけるように)または緩やかに充填された粒子のゲルまたはスラリーの形であってもよい。
【0154】
[00205]1つの態様において、捕捉要素が付着した固体支持体を用いて、タグ化アプタマー・アフィニティ複合体またはアプタマー共有複合体を試験混合物から捕捉する。1つの特定の例において、タグがビオチン部分である場合、固体支持体は、Dynabeads M−280ストレプトアビジン、Dynabeads MyOneストレプトアビジン、Dynabeads M−270ストレプトアビジン(Invitrogen)、ストレプトアビジン・アガロース樹脂(Pierce)、ストレプトアビジンUltralink樹脂、MagnaBindストレプトアビジンビーズ(Thermo Scientific)、BioMagストレプトアビジン、ProMagストレプトアビジン、シリカストレプトアビジン(Bangs Laboratories)、ストレプトアビジン・セファロース高性能(GE Healthcare)、ストレプトアビジン・ポリスチレン微小球体(Microspheres−Nanospheres)、ストレプトアビジン・コーティング・ポリスチレン粒子(Spherotech)、またはビオチンタグ化分子を捕捉するのに当業者に一般的に用いられる任意の他のストレプトアビジン・コーティング・ビーズまたは樹脂などの、ストレプトアビジン・コーティング・ビーズまたは樹脂であってもよい。
【0155】
[00206]XI.検出法
[00207]上記に記載してきたように、本発明の1つの目的は、タンパク質シグナルをアプタマーシグナルに変換することである。その結果、収集/検出されたアプタマーの量は、結合したターゲット分子の量および試料中のターゲット分子の量の指標となり、そしてこうした量に正比例しうる。捕獲2分配後、第二の固体支持体からアプタマー・アフィニティまたはアプタマー共有複合体を溶出させることなく、いくつかの検出スキームが使用可能である。検出法の以下の態様に加えて、他の検出法が当業者に知られる。
【0156】
[00208]検出:標識およびアプタマーの標識化
[00209]多くの検出法は、検出前にアプタマー内に取り込まれるべき明確な標識を必要とする。核酸合成のための標準的技術を用いて、合成中または合成後のいずれかで、蛍光または化学発光色素などのいくつかの標識をアプタマー内に取り込んでもよい。適切な試薬とともに、標準的酵素反応を用いて、合成中または合成後のいずれかで、放射性標識を取り込んでもよい。標識化はまた、当業者に知られる多様な酵素技術を用いることによって、捕獲2分配および溶出後に行ってもよい。例えば、上述の標識を含むプライマーを用いると、PCRは溶出したアプタマーの増幅産物内に標識を取り込むであろう。また、定量化のためにゲル技術を用いると、PCRを用いて異なるサイズの質量標識が取り込まれうる。これらの質量標識はまた、さらなる多重化能のために、異なる蛍光または化学発光色素も取り込み可能である。合成中または合成後のいずれかで、アプタマー内に取り込まれた特異的タグを用いて、そして次いで、タグと会合し、そして標識を所持するプローブを添加することによって、標識を間接的にアプタマーに添加してもよい。この標識には、上記のもの、ならびに例えば、比色読み取りのための標準的アッセイにおいて用いられる酵素が含まれる。
【0157】
[00210]検出:単一アプタマー検出
[00211]例えば試験試料と接触させる前に、32Pなどの放射性同位体で、アプタマーを上述のように標識してもよい。4つの基本的アッセイ、および上に論じるようなその変形の任意の1つを使用して、アッセイ終了時、第二の固体支持体上の放射能を定量化することによって、アプタマー検出を簡潔に達成しうる。放射能のカウントは、元来の試験試料中のターゲットの量に正比例するであろう。同様に、試験試料と接触させる前に、アプタマーを上述のように蛍光色素で標識すると、第二の固体支持体上で、直接、単純な蛍光読み取りが可能になる。同様に、アプタマー溶出を必要とせずに、第二の固体支持体からの直接読み取りのため、化学発光標識または量子ドットを使用してもよい。
【0158】
[00212]第二の固体支持体からアプタマーを溶出させるかまたは光アプタマー共有複合体を遊離させることによって、上述のものに加えて、さらなる検出スキームが使用可能である。例えば、遊離したアプタマー、光アプタマーまたは光アプタマー共有複合体をPAGEゲル上で泳動して、そしてSYBRゴールドなどの核酸染色剤で検出し、そして場合によって定量化してもよい。あるいは、上述のようにアプタマー中に取り込まれた蛍光標識を用いて、キャピラリーゲル電気泳動(CGE)を用いて、遊離したアプタマー、光アプタマーまたは光アプタマー共有複合体を検出し、そして定量化してもよい。別の検出スキームは定量的PCRを使用して、例えばSYBRグリーンを用いて、溶出したアプタマーを検出し、そして定量化する。あるいは、Invader(登録商標)DNAアッセイを使用して、溶出したアプタマーを検出し、そして定量化してもよい。
【0159】
[00213]別の態様において、複製プロセス中、「分子ビーコン」を用いて、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)の量または濃度を決定する(例えば、Tyagiら, Nat. Biotech. 16:49 53, 1998;米国特許第5,925,517号を参照されたい)。分子ビーコンは、フォールディングしてヘアピンループを形成し、そしてヘアピンが形成された際には、蛍光によってほとんどまたはまったくシグナルが生じないように、ヘアピン構造の一端に蛍光を、そしてもう一端に消光剤を含有する、特異的核酸プローブである。ループ配列は、ターゲットポリヌクレオチド配列に特異的であり、そしてアプタマー配列にハイブリダイズした際、ヘアピンがアンフォールディングし、そしてそれによって蛍光シグナルが生じる。
【0160】
[00214]検出:少数の分析物に関する多重化アプタマー検出
[00215]第二の固体支持体になお結合している少数のアプタマーの多重化検出のため、異なる励起/発光スペクトルを持つ蛍光色素を使用して、2つ、または3つ、または5つ、または10までの個々のアプタマーを検出し、そして定量化してもよい。同様に、多重化読み取りのため、異なるサイズの量子ドットを使用してもよい。第二の固体支持体から未結合アプタマーを分配した後、量子ドットを導入してもよい。ユニークな量子ドットに付着したアプタマー特異的ハイブリダイゼーション配列を用いることによって、2、3、5、および10までのアプタマーのための多重化読み取りを実行可能である。また、異なるアプタマーを、個々に検出可能な異なる放射性同位体、例えば32P、125I、H、13C、および35Sで標識すると、限定された多重化読み取りに使用可能である。
【0161】
[00216]検出:大規模多重化アプタマー検出
[00217]捕獲2の第二の固体支持体から遊離したアプタマーの多重化検出のため、上述のように、各アプタマー内に取り込まれた単一の蛍光色素を、アプタマーレベルの定量化を伴って、アプタマー配列の同定を可能にする定量化法とともに用いてもよい。方法には、限定されるわけではないが、DNAチップハイブリダイゼーション、マイクロビーズハイブリダイゼーション、およびCGE分析が含まれる。
【0162】
[00218]検出:DNAハイブリダイゼーションチップ
[00219]1つの態様において、標準的DNAハイブリダイゼーションアレイ、またはチップを用いて、Agilentアレイ、Illumina BeadChipアレイ、またはNimbleGenアレイなどのスライドまたはチップ上に固定された、ユニークなまたは一連のユニークなプローブに、各アプタマーまたは光アプタマーをハイブリダイズさせる。ユニークなプローブは各々、アプタマー上の配列に相補的である。相補的配列は、アプタマー中に取り込まれたユニークなハイブリダイゼーションタグ、またはアプタマー配列の部分、または全アプタマー配列であってもよい。捕獲2固体支持体から遊離したアプタマーを適切なハイブリダイゼーション緩衝液に添加し、そして標準的ハイブリダイゼーション法を用いてプロセシングする。例えば、アプタマー溶液をDNAハイブリダイゼーションアレイとともに、約60℃で12時間インキュベーションして、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを確実にする。アレイを洗浄し、そして次いで、蛍光スライドスキャナでスキャンし、アレイの各特徴上にアプタマーハイブリダイゼーション強度の画像を生じる。ArrayVisionなどの画像プロセシングソフトウェアを用いて、画像セグメント化および定量化を達成する。1つの態様において、最大25アプタマー、最大50アプタマー、最大100アプタマー、最大200アプタマー、最大500アプタマー、最大1000アプタマー、および最大10,000アプタマーを用いて、多重化アプタマーアッセイを検出しうる。
【0163】
[00220]検出:Luminex型ハイブリダイゼーション
[00221]1つの態様において、上述のようなアプタマーに相補的なユニークなDNAプローブを有するアドレス可能マイクロビーズをハイブリダイゼーションに用いる。マイクロビーズは、Luminexビーズ技術などのユニークな蛍光色素を用いてアドレス可能であるし、あるいはIllumina VeraCode技術におけるようにバーコード標識を、またはレーザー装備トランスポンダーを用いてもよい。1つの態様において、捕獲2固体支持体から遊離したアプタマーを適切なハイブリダイゼーション緩衝液に添加して、そして標準的マイクロビーズハイブリダイゼーション法を用いてプロセシングする。例えば、アプタマー溶液をマイクロビーズセットとともに約60℃で2時間インキュベーションして、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを確実にする。次いで、溶液をLuminex装置上でプロセシングし、該装置は、個々のビーズタイプをカウントし、そしてアプタマー蛍光シグナルを定量化する。別の態様において、VeraCodeビーズをアプタマー溶液と接触させ、そして約60℃で2時間ハイブリダイズさせ、そして次いで、グリッド入り表面上に沈着させ、そして同定および蛍光定量化のため、スライドスキャナを用いてスキャンする。別の態様において、トランスポンダー・マイクロビーズをアプタマー試料と約60℃でインキュベーションし、そして次いでトランスポンダー・マイクロビーズに適したデバイスを用いて定量化する。1つの態様において、最大25アプタマー、最大50アプタマー、最大100アプタマー、最大200アプタマー、および最大500アプタマーを用いたマイクロビーズへのハイブリダイゼーションによって、多重化アプタマーアッセイを検出してもよい。
【0164】
[00222]検出:キャピラリーゲル電気泳動(CGE)
[00223]溶出したアプタマーを含有する試料をプロセシングして、上述のような蛍光標識とともにユニークな質量タグを取り込んでもよい。次いで、質量標識アプタマーを、本質的にはDNA配列決定装置であるCGE装置内に注入して、そしてユニークな質量によって、アプタマーを同定し、そして標識化反応中に取り込まれる色素由来の蛍光を用いて定量化する。この技術の1つの例示的な例が、Althea Technologiesによって開発されてきている。
【0165】
[00224]検出:検出前の増幅
[00225]上述の方法の多くにおいて、アプタマー溶液を増幅し、そして場合によって定量化前にタグ化してもよい。捕獲2固体支持体から溶出したアプタマーの溶液とともに標準的PCR増幅を用いてもよい。DNAアレイハイブリダイゼーション、マイクロビーズハイブリダイゼーション、およびCGE読み取り前に、こうした増幅を用いてもよい。
【0166】
[00226]検出:PCRに基づく他の方法
[00227]別の態様において、Q−PCRを用いて、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を検出しそして/または定量化する。本明細書において、「Q−PCR」は、アッセイの結果が定量的である、すなわち、アッセイが、試験試料中に存在するアプタマーの量または濃度を定量化可能であるような方式で、そしてそのように調節された条件下で行う、PCR反応を指す。
【0167】
[00228]1つの態様において、TaqMan(登録商標)PCRを用いて、試験試料中のアプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)の量または濃度を決定する。この技術は、一般的に、オリゴヌクレオチド複製酵素の5’−3’エキソヌクレアーゼ活性に頼って、ターゲット配列からのシグナルを生じる。定量化しようとするアプタマーの配列に基づいて、TaqManプローブを選択し、そしてこれには、一般的には、例えば6−カルボキシフルオレセインなどの5’端蛍光、および例えば6−カルボキシテトラメチルフルオレセインなどの3’端消光剤が含まれ、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いてアプタマー配列が増幅されるにつれて、シグナルが生じる。ポリメラーゼがアプタマー配列をコピーするにつれ、PCRプライマーより下流にアニーリングするプローブから、エキソヌクレアーゼ活性が蛍光を遊離させ、それによってシグナルを生じる。複製産物が産生されるにつれて、シグナルが増加する。PCR産物の量は、行った複製周期の数ならびにアプタマーの出発濃度の両方に応じる。
【0168】
[00229]別の態様において、複製プロセス中に挿入蛍光色素を用いて、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)の量または濃度を決定する。例えばSYBR(登録商標)グリーンなどの挿入色素は、一本鎖DNAの存在下で生じる蛍光シグナルに比較した際、二本鎖DNAの存在下で、大きな蛍光シグナルを生じる。PCR中に二本鎖DNA産物が形成されるにつれて、色素によって生じるシグナルは増加する。生じるシグナルの度合いは、PCR周期数およびアプタマーの出発濃度の両方に依存する。
【0169】
[00230]検出:質量分析
[00231]別の態様において、質量分析を用いて、アプタマー・アフィニティ複合体(またはアプタマー共有複合体)を検出しそして/または定量化する。上述の酵素技術を用いて、ユニークな質量タグを導入してもよい。質量分析読み取りのため、検出標識はまったく必要なく、むしろ質量自体を用いて同定し、そして当業者に一般的に用いられる技術を用いて、質量分析中に生じる質量ピークの位置およびピーク下の面積に基づいて定量化を行う。質量分析を用いる例は、Sequinomによって開発されたMassARRAY(登録商標)系である。
【0170】
[00232]XII.アプタマー組成
[00233]異なる組込み官能性を含むアプタマー構築物を提供する。これらの官能性には、固定のためのタグ、検出のための標識、光反応性基、分離を促進するかまたは調節する手段等が含まれてもよい。1つの態様において、アプタマーには、アプタマー配列中に切断可能または遊離可能部分(要素または構成要素としても記載される)が含まれる。これらのさらなる構成要素または要素は、アプタマー内にさらなる官能性を導入する構造的要素または構成要素であり、そしてしたがって、官能性要素または構成要素である。他の態様において、アプタマーには、1以上の以下のさらなる構成要素が含まれる(官能性または構造的要素または構成要素または部分としても記載される):標識または検出可能構成要素、スペーサー構成要素、切断可能要素、および特異的結合タグまたは固定化要素または構成要素。例えば、光架橋アプタマーの1つの態様において、アプタマーには、図3Lに示すような、切断可能部分を介してアプタマーに連結されるタグ、標識、標識および切断可能部分を分離するスペーサー構成要素、ならびに光架橋部分が含まれる。
【0171】
[00234]標準的ホスホロアミダイト化学反応を用いて、すべてのアプタマー構築物を合成してもよい。代表的なアプタマー構築物を図3A〜図3Lに示す。官能性は5’端および3’端の間に分割されていてもよいし、またはいずれかの端に組み合わされていてもよい。光切断可能部分に加えて、化学的または酵素的切断可能部分を含めて、他の切断可能部分を用いてもよい。多様なスペーサー部分を用いてもよく、そして1以上のビオチン部分が含まれてもよい。ビオチン以外のタグ(また、固定化または特異的結合性要素または構成要素とも呼ばれる)もまた取り込み可能である。適切な構築物試薬には、ビオチン・ホスホロアミダイト、PCリンカー(Glen Research PN 10−4920−02); PCビオチン・ホスホロアミダイト(Glen Research PN 10−4950−02); dSpacer CEホスホロアミダイト(Glen Research PN 10−1914−02); Cy3ホスホロアミダイト(Glen Research PN 10−5913−02);およびArm26−Achスペーサーアミダイト(Fidelity Systems PN SP26Ach−05)が含まれる。図3Kに例示するように、蛍光色素(Cy3など)、スペーサー、光切断可能およびビオチン部分を、アプタマーの末端に付加してもよい。1つの態様において、光切断可能部分および色素間の潜在的相互作用のため、これらの2つの部分間にスペーサーが挿入される。
【0172】
[00235]1つの態様において、図3I〜3Kに例示するように、タグをアプタマーに共有結合させる。別の態様において、図3E〜3Hに例示するように、ハイブリダイズしたポリヌクレオチド配列の形で、タグをアプタマーに間接的に付着させ、該ポリヌクレオチド配列はアプタマー配列の部分に相補的であり、共有結合したタグを有する。
【0173】
[00236]1つの態様において、架橋基およびアプタマー内のユニークな配列の間に位置する第一の切断可能部分が含まれるように、アプタマーをさらに修飾してもよい。この第一の切断可能部分は、例えば、使用する切断可能部分に応じて、化学的、光化学的またはイオン的を含む、多様な異なる手段によって切断可能であってもよい。1つの態様において、アプタマーは図3Bに示す構造を有する。例えば、光架橋基は、4−アジド−2−ニトロ−アニリンであってもよく、そして光切断可能基、または遊離可能部分は、ホスホロアミダイト(−(4,4’−ジメトキシトリチル)−1−(2−ニトロフェニル)−プロパン−1−イル−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)としてGlen Researchから入手可能なPCリンカーであってもよい。
【0174】
[00237]他の態様において、アプタマーには、遊離可能基を通じてアプタマーに連結される捕捉タグが含まれる。例えば、図3Fに例示するように、アプタマーにハイブリダイズする第二のオリゴヌクレオチドを介して、ビオチン捕捉タグをアプタマーに付着させてもよい。他の態様において、他の捕捉タグまたは切断可能要素を同じアプタマーに付着させてもよい。例えば、第二の化学的または光切断可能部分を介して、ポリHisタグをアプタマーに付着させてもよい。このアプタマー構築物の利点は、2つの異なるプロセシング工程を適用して、アプタマー・アフィニティ(または共有)複合体を試験試料中の他の構成要素から分離可能であることである。これらの分離工程を所望の任意の配列で用いてもよい。
【0175】
[00238]別の態様において、図3Cに例示するように、検出標識もまた、アプタマー内に含まれてもよい。この検出標識は、上に詳述するように、アッセイの最終工程中の未結合アプタマーの検出および/または定量化を提供する。例えば、蛍光検出のため、Cy3またはCy5色素などの蛍光色素をアプタマー内に取り込んでもよい。Glen ResearchからのCy3ホスホロアミダイト([3−(4−モノメトキシトリチルオキシ)プロピル]−1’−[3−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミジチル]プロピル]−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンクロリド)を用いてCy3を導入してもよいが、任意の適切な標識がアプタマー中に含まれてもよい。
【0176】
[00239]XIII.一般的な定義
[00240]付随する請求項を含めて、本明細書で用いる際、単数形「a」、「an」、および「the」には、内容が明らかに別に指示しない限り、複数の言及も含まれ、そして「少なくとも1つ」および「1以上」と交換可能に用いられる。したがって、「単数のアプタマー(an aptamer)」への言及には、アプタマーの混合物が含まれ、「単数のプローブ(a probe)」への言及には、プローブの混合物が含まれるなどである。
【0177】
[00241]本明細書において、用語「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含まれる(includes)」、「含まれること(including)」、「含有する(contains)」、「含有すること(containing)」、およびそれらの任意の変形は、非包括的包含を含むと意図され、したがって、要素または要素のリストを含むか、該要素が含まれるか、または該要素を含有する、問題のプロセス、方法、プロセスによる産物、または組成物には、これらの要素のみが含まれるのでなく、問題のこうしたプロセス、方法、プロセスによる産物、または組成物に明確に列挙されていないかまたは本質的でない、他の要素もまた、含まれてもよい。
【0178】
[00242]本明細書において、用語「約」は、数値が関連する項目の基本的な機能が不変であるような、数値の重要でない修飾または変動を示す。
[00243]本明細書において、「会合する(associate、associates)」およびその任意の変形は、所定の複合体化または反応条件下で、タグ−プローブ複合体から、「非会合」または非結合物質、例えば試験試料の非結合構成要素を分離することを可能にするように、十分に安定な複合体を生じる、タグおよびプローブ間の相互作用または複合体化を指す。特異性を持って互いに相互作用して、そして結合することによって、タグおよびプローブは、互いに直接会合しうる。タグおよびプローブはまた、その複合体化がリンカー分子によって仲介される際などに、互いに間接的に会合しうる。
【0179】
[0244]コンピュータプログラムを利用して、本明細書に開示する方法のいずれかの1以上の工程を行ってもよい。本開示の別の側面は、コンピュータプログラムが記憶された、コンピュータ読み取り可能記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であり、これをコンピュータに読み込むと、このプログラムが、本明細書開示のいかなる方法の実行も行うかまたは補助する。
【0180】
[00245]本開示の1つの側面は、本明細書に開示する任意の方法の産物、すなわちアッセイ結果であり、これを試験場所で評価してもよいし、または望ましい場合、評価および通信のために、離れた場所の関係者に送ってもよい。本明細書において、「離れた場所」は、結果を得た場所と物理的に異なる場所を指す。したがって、結果を、異なる部屋、異なる建物、町の異なる場所、異なる町等に送ってもよい。例えばファクシミリ、郵便、翌日配達便、e−メール、ftp、ボイスメール等などの任意の適切な手段によって、データを送ってもよい。
【0181】
[00246]情報の「通信」は、適切な通信チャネル(例えば民間または公的ネットワーク)を通した、電子シグナルとしての、その情報を表すデータの伝達を指す。項目を「送る」は、その項目の物理的輸送であれ、または別の方式であれ(可能な場合)、その項目を1つの場所から次の場所に移動させる任意の手段を指し、そしてこれには、少なくともデータの場合、データを所持するかまたはデータを通信する媒体を物理的に輸送することが含まれる。
【実施例】
【0182】
[00247]以下の実施例は、例示目的のみのために提供され、そして付随する請求項中に定義するような本発明の範囲を限定することを意図しない。
[00248]前述の説明は、多様な態様および実施例に関して、本開示を説明する。特定の態様、実施例、あるいは特定の態様または実施例の要素は、いずれも、請求項のいずれかの決定的な、必要な、または本質的な要素または特徴とは見なされないものとする。
【0183】
[00249]以下の請求項に示すような本開示の範囲から逸脱することなく、開示する態様に多様な修飾および置換を行ってもよいことが認識されるであろう。図および実施例を含む明細書は、制限するのではなく、例示すると見なされるものとし、そしてすべてのこうした修飾および置換は、本開示の範囲内に含まれると意図される。したがって、本開示の範囲は、実施例によるのではなく、付随する請求項およびその法的な同等物によって決定されなければならない。例えば、方法またはプロセスの請求項いずれかに列挙する工程を、実行可能な任意の順で遂行してもよく、そしてこうした工程は、態様、実施例、または請求項のいずれに提示される順にも限定されない。
【0184】
[00250]実施例1 アプタマーおよびプライマー構築物
[00251]異なる5’末端官能基を持つアプタマーおよびビオチン化プライマー構築物を産生し、そして図6に相違を示す。アプタマーは、5’末端にCy3蛍光色素(Glen ResearchからのCy3ホスホロアミダイト(−[3−(4−モノメトキシトリチルオキシ)プロピル]−1’−[3−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミジチル]プロピル]−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンクロリド))を含有し、そしてプライマーは、2つのビオチン残基((AB))、(T)リンカー、および光切断可能部分(ホスホロアミダイト(−(4,4’−ジメトキシトリチル)−1−(2−ニトロフェニル)−プロパン−1−イル−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)としてGlen Researchから入手可能なPCリンカー)を含有した。図6に記載する方法では、アプタマーは、5’末端に、ANA(4−アジド−2−ニトロ−アニリン)として本明細書に言及される光反応性架橋基、光切断可能部分(PCリンカー)、およびCy3色素を含有し、そしてプライマーは、2つのビオチン残基および(T)リンカーを含有した。
【0185】
[00252]実施例2 アフィニティ結合法(2捕獲法)
[00253]a)緩衝液
[00254]30μLのCy3アプタマー混合物(2nMの各アプタマー)を、SB17T中、30μLの(AB)2−T8−PCプライマー混合物(各プライマーに関して6nM)と合わせて、そして95℃で4分間、37℃で13分間インキュベーションした。別個の反応において、60μLのターゲットタンパク質混合物を調製した(SB17T中、2X濃度)。55μLのターゲットタンパク質混合物を、96ウェルプレート(Omni−Tubeプレート、Abgene#AB0407)中で55μLのアプタマー/プライマー混合物と合わせ、そして37℃で15分間インキュベーションして、結合平衡を達成した。別に示さない限り、以下の工程すべてを、室温で行った。
【0186】
[00255]b)血漿、血清または全血
[00256]30μLのCy3−アプタマー混合物(2nMの各アプタマー)を、SB17T中、30μLの(AB)2−T8−PCプライマー混合物(各プライマーに関して6nM)と合わせて、そして95℃で4分間、37℃で13分間インキュベーションした。別個の反応において、30μLの1x〜2.5x希釈の複雑な生物学的タンパク質混合物(血漿、血清、全血)を、Z−ブロック競合剤オリゴヌクレオチド(5’−(ACZZ)AC−3’、式中、Z=5−ベンジル−dUTP、4μM)を含有する希釈剤中で調製し、そして5分間インキュベーションした。複雑な生物学的タンパク質混合物を、30μLのターゲットタンパク質混合物(SB17T中、4X濃度)と合わせた。55μLのターゲットタンパク質/生物学的マトリックス混合物を、55μLのアプタマー/プライマー混合物と合わせ、そして37℃で15分間インキュベーションして、結合平衡を達成した。別に示さない限り、以下の工程すべてを、室温で行った。
【0187】
[00257]c)ビオチン化アプタマー捕捉および未結合タンパク質除去
[00258]133μLのストレプトアビジン−アガロース樹脂(Pierce固定ストレプトアビジン、#20353、7.5%水性スラリー)を、Durapore膜(MultiScreen−HV45、Millipore #MAHVN4550)を通じた真空ろ過によって、200μL SB17Tで2回洗浄した。100μLのアプタマー:タンパク質混合物を、洗浄した樹脂に添加し、そして15分間混合する。真空ろ過によって、10μMビオチン(Sigma−Aldrich, Inc.#B4501−1G)を含有する200μL SB17Tで1回、そして200μL SB17Tで1回、樹脂を洗浄した。
【0188】
[00259]d)タンパク質タグ化およびアプタマー遊離
[00260]1.2mM NHS−PEO4−ビオチン(Pierce#21329)を含有する100μLのSB17Tを、洗浄した樹脂に添加し、そして20分間混合した。真空ろ過によって200μL SB17Tで5回、そして遠心分離によって200μL SB17Tで1回、樹脂を洗浄し、10mM硫酸デキストラン(Mr〜5000、Sigma−Aldrich #31404)を含有する75μl SB17T中に再懸濁し、そして混合しながら、UVランプ(2つのSylvania 350 Blacklight電球、15W、試料は電源から5cm)を5分間照射した。Durapore膜を通じて遠心分離によって樹脂を除去し、そして150μL SB17T+10mM硫酸デキストランを含有する1.1mL 96ウェルプレート(1.1mL深底プレート、Marsh Biomedical #DW9611)中に、遊離したアプタマー:タンパク質複合体を含む溶出物を収集した。
【0189】
[00261]e)タンパク質捕捉および未結合アプタマー除去
[00262]50μLのストレプトアビジン樹脂(DynaBeads MyOneストレプトアビジンC1、Invitrogen #650−03、SB17T中、10mg/mL)をDurapore膜に添加した。225μLのアプタマー:タンパク質混合物を樹脂に添加し、そして15分間混合した。10mM硫酸デキストランを含有する200μL SB17Tで2回、真空ろ過によって200μL SB17Tで1回、そして遠心分離によって200μL SB17Tで1回、樹脂を洗浄した。
【0190】
[00263]f)複合体化アプタマー遊離
[00264]樹脂を90μL溶出緩衝液(2mM NaOH、0.1%TWEEN−20)中に再懸濁し、そして5分間混合した。この間、アプタマーはタンパク質:アプタマー複合体から遊離する。遠心分離によって樹脂を除去し、そして遊離したアプタマーを含む溶出物を収集した。80μLの溶出物を中和し、そして20μL中和緩衝液(8mM HCl、0.5mM Tris−HCl(pH7.5)、0.1%TWEEN−20)で緩衝した。実施例4に記載するようにアプタマーを検出した。
【0191】
[00265]g)結果
[00266]11のタンパク質分析物(bFGF、エオタキシン−2、FGF7、FGF−16、GDNF、IL−7、IL−20、リンホタクチン、TARC、tPA、VEGF)に関して、各分析物の10nMまたは3nM(bFGF、FGF7、tPA、リンホタクチン)濃度から始めて、そして半対数希釈で(3.1623の希釈係数)33fMまで連続希釈して、緩衝液中の12点の希釈シリーズを生成した。2つのタンパク質不含対照を含めて、総数14試料を生じた。Cy3アプタマー混合物は、希釈シリーズ中に、ターゲットタンパク質に対する11のアプタマー、ならびにターゲットタンパク質が存在しない28の対照アプタマーを含有した。3つの複製希釈シリーズを調製した。結果を図7〜10に示す。
【0192】
[00267]図7A〜Cは、緩衝液中の11のターゲットタンパク質のうち3つに関する、濃度に対する相対的蛍光単位(RFU)プロット(対数−対数用量反応曲線)を示す。タンパク質不含値の平均に加えて2つの標準偏差に等しいシグナルを生じるタンパク質濃度として、各タンパク質に関して検出値限界(LOD)を計算した。3つのタンパク質に関するLODは、630fM(bFGF)、90fM(FGF7)および530fM(リンホタクチン)であった。アフィニティアッセイは、ピコモル未満のレベルで緩衝液中でタンパク質を検出可能である。
【0193】
[00268]図8は、緩衝液中のターゲットタンパク質リンホタクチンに関する3つの反復測定値に関する、濃度に対する相対的蛍光単位(RFU)プロットを示す。3つの線は、3つの複製物各々に関する用量反応曲線を示す。複製物曲線は、互いに非常によく一致し、アフィニティアッセイプロトコルが高レベルの再現性を持つことが示される。
【0194】
[00269]また、5つのタンパク質分析物(bFGF、エオタキシン−2、リンホタクチン、tPAおよびVEGF)に関して、各分析物の10nM(VEGFおよびエオタキシン−2)または3nM(bFGF、tPA、リンホタクチン)濃度から始めて、そして2.5倍希釈で、420fMまたは126fMまで連続希釈して、10%血漿中の12点の希釈シリーズも実行した。2つのタンパク質不含対照を含めて、総数14試料を生じ、これを続いて、マイクロアレイスライド上でハイブリダイズさせた。Cy3アプタマー混合物は、希釈シリーズ中に、ターゲットタンパク質に対する5つのアプタマー、ならびにターゲットタンパク質が存在しない5つの対照アプタマーを含有した。以下の例外を伴って、上述のようにアッセイを実行した。100% PPT−血漿(プールしたヒト血漿)を、0.5xSB18、0.05%TWEEN−20中、5μM Z−ブロックで1対2に希釈した。この50%血漿溶液40μLを、最終濃度3.33xで、60μLのタンパク質混合物と混合した。50μLの血漿/タンパク質混合物を、50μLのアプタマー/プライマー混合物(3nMアプタマー、9nMプライマー)と合わせた。平衡結合反応を37℃で15分間実行した。(100μLではなく)40μLの全血−タンパク質−アプタマー混合物をストレプトアビジン−アガロース樹脂に添加し、そして15分間混合した。
【0195】
[00270]図9は、10%ヒト血漿中のターゲットタンパク質リンホタクチンに関する、濃度に対する相対蛍光単位(RFU)プロットを示す。この曲線は、緩衝液中の用量反応曲線と形状および反応が類似である。これは、アフィニティアッセイプロトコルが10%血漿溶液で実行可能であるが、これに限定されないことを示す。
【0196】
[00271]図10は、10%ヒト全血中のターゲットタンパク質リンホタクチンに関する、濃度に対する相対蛍光単位(RFU)プロットを示す。この曲線は、10%ヒト血漿中の用量反応曲線(図9)と形状および反応が類似であり、そして複雑な生物学的マトリックス中のアフィニティアッセイプロトコルの実行が、いかなる明らかなマトリックス効果も伴わないことを示す。
【0197】
[00272]実施例3 光架橋アッセイプロトコル
[00273]このプロトコルのすべての工程を最小限の光曝露で実行して、光アプタマーの光活性化を防止した。
【0198】
[00274]a)タンパク質結合
[00275]30μLのANA−PC−Cy3−アプタマー混合物(2nMの各アプタマー)を、SB17T緩衝液(40mM HEPES、pH7.5、120mM NaCl、5mM KCl、5mM MgCl、1mM EDTA、0.05%TWEEN−20)中、30μLの(AB)2−T8−PCプライマー混合物(各プライマーに関して6nM)と合わせて、そして95℃で4分間、37℃で13分間インキュベーションした。別個の反応において、60μLのタンパク質混合物を2X濃度で調製した。55μLのターゲットタンパク質混合物を、96ウェルプレート(Omni−Tubeプレート、Abgene#AB0407)中で55μLのアプタマー/プライマー混合物と合わせ、そして37℃で15分間インキュベーションして、結合平衡を達成した。別に示さない限り、以下の工程すべてを、室温で行った。
【0199】
[00276]b)動力学的負荷および光架橋
[00277]100μLの平衡化試料を、10mM硫酸デキストラン(Mr〜5000、Sigma−Aldrich #31404)を含有する1400μL SB17Tに添加し、そして37℃で15分間インキュベーションした。1.5mL試料に470nm光(Custom LEDアレイ)を37℃で10分間照射して、結合したタンパク質を光アプタマーに共有的に架橋した。
【0200】
[00278]c)ビオチン化アプタマー捕捉および未結合タンパク質除去
[00279]40μLのストレプトアビジン樹脂(DynaBeads MyOneストレプトアビジンC1、Invitrogen #650−03、SB17T中、10mg/mL)を1.5mL試料に添加し、そして混合しながら25℃で30分間インキュベーションした。遠心分離によって樹脂をペレットにし、そして1.4mLの上清を除去した。樹脂および残った上清をDurapore膜(MultiScreen−HV45、Millipore #MAHVN4550)に移し、そして真空ろ過によって上清を除去した。真空ろ過によって、10μMビオチン(Sigma−Aldrich, Inc.#B4501−1G)を含有する200μL SB17Tで2回、そして200μL SB17Tで1回、樹脂を洗浄した。
【0201】
[00280]d)タンパク質タグ化およびアプタマー(未結合および複合体化)遊離
[00281]1.2mM NHS−PEO4−ビオチン(Pierce #21329)を含有する100μLのSB17Tを、洗浄した樹脂に添加し、そして20分間混合した。真空ろ過によって、200μLグアニジン洗浄緩衝液(3Mグアニジン、50mM NaCl、40mM HEPES pH7.5、2mM EDTA、0.05%TWEEN−20、1mM TROLOX)で3回、そして200μL HEPES洗浄緩衝液(50mM NaCl、40mM HEPES pH7.5、0.05%TWEEN−20、1mM TROLOX)で2回、樹脂を洗浄した。110μL 20mM NaOH中に樹脂を再懸濁し、そして5分間混合した。遠心分離によって樹脂を除去し、そして遊離したアプタマー:タンパク質複合体を含むNaOH溶出物を収集した。100μLの溶出物を25μL 80mM HClで中和し、そして2M NaClおよび1%TWEEN−20を含有する10μL 55mM HEPES(pH7.5)で緩衝した。
【0202】
[00282]e)タンパク質捕捉および未結合アプタマー除去
[00283]133μLのストレプトアビジン樹脂(Pierce固定ストレプトアビジン、#20347、10%水性スラリー)を、Durapore PVDF膜を通じた真空ろ過によって、200μL SB17Tで2回洗浄した。135μLのアプタマー:タンパク質混合物を、洗浄した樹脂に添加し、そして20分間混合した。混合しながら50℃で10分間、200μLグアニジン洗浄緩衝液で1回、混合しながら2分間、200μLの20mM NaOHで1回、真空ろ過によって200μL SB17Tで2回、そして遠心分離によって200μL SB17Tで1回、樹脂を洗浄した。
【0203】
[00284]f)光架橋アプタマー遊離
[00285]100μL SB17T中に樹脂を再懸濁し、そして混合しながら、UVランプ(2つのSylvania 350 Blacklight電球、15W、試料は電源から5cm)を20分間照射した。この間に、タンパク質に光架橋されたアプタマーは光切断によって遊離する。Durapore膜を通じた遠心分離によって樹脂を除去し、そして遊離したアプタマーを含む溶出物を収集した。
【0204】
[00286]実施例4 マイクロアレイ検出プロトコル
[00287]a)試料調製
[00288]30μLの4Xハイブリダイゼーション緩衝液(3.638M NaCl、200mM Na−リン酸、pH7.5、1nMコーナーマーカーオリゴ、4mM TROLOX、0.1%TWEEN−20)を90μLのアッセイ試料(実施例2の工程eまたは実施例3の工程fの産物)に添加した。
【0205】
[00289]b)マイクロアレイスライド
[00290]ProPlateスライドモジュール(CSW Gasket、FLC接着; Grace Bio−Labs、#204811)を、9mm間隔で14(7x2)アレイを含有するマイクロアレイスライドを含めて組み立てた。各アレイは、アプタマーのランダム領域に相補的な96アミン修飾オリゴヌクレオチドの3つの複製物からなった。社内で、私有の3’x1’ポリマースライド上、コンタクトプリンターを用いて、オリゴヌクレオチドをスポッティングした。
【0206】
[00291]c)マイクロアレイブロッキング
[00292]100μLのブロッキング緩衝液(PBS中のブロッカー・カゼイン、Pierce #37528、1mM TROLOX)をProPlateスライドモジュールのウェルに添加し、そして65℃で15〜30分間インキュベーションした。ブロッキング緩衝液を除去した。
【0207】
[00293]d)ハイブリダイゼーションおよび洗浄
[00294]110μLのアッセイ試料をマイクロアレイに添加して、そして3x1x0.125インチのアルミニウムブロックをProPlateスライドモジュールの最上部に置いた。アセンブリーをアルミホイルで巻いて、そして加湿チャンバー中、混合せずに65℃で16時間インキュベーションした。アルミホイルおよびアルミニウムブロックをアッセイ試料とともに除去し、そしてマイクロアレイを65℃にあらかじめ加熱した200μLの洗浄緩衝液1(50mM Na−リン酸、pH7.5、0.1%TWEEN−20)で1回リンスした。洗浄緩衝液1を除去し、そしてProPlateスライドモジュールを分解した。25mL洗浄緩衝液1(65℃にあらかじめ加熱)を含有するパップ瓶(pap jar)中にマイクロアレイスライドを入れ、そして混合しながら65℃で15分間インキュベーションした。25mL洗浄緩衝液2(50mM Na−リン酸、pH7.5、65℃にあらかじめ加熱)を含有する第二のパップ瓶にマイクロアレイスライドを移し、そして混合しながら65℃で5分間インキュベーションした。25mL洗浄緩衝液2を含有する第三のパップ瓶にマイクロアレイスライドを移し、そして混合しながら65℃で5分間インキュベーションした。洗浄緩衝液2からマイクロアレイスライドを除去し、そして乾燥窒素流中で直ちに乾燥させた。
【0208】
[00295]e)検出
[00296]マイクロアレイスライドをTECAN LS300 Reloaded蛍光レーザースキャナでスキャンし、そしてソフトウェアパッケージArrayVision(8.0 Rev 3.0、Imaging Research, Inc.)を用いて各特徴上の蛍光シグナルを定量化した。セグメント化および多様なスポット形状とともに、主な手段として密度を用いて、蛍光シグナルを定量化した。さらなるデータ分析のため、xmlエクスポートファイルをデータベース内にインポートした。
【0209】
[00297]f)定量的PCR検出プロトコル
[00298]プライマー設計
[00299]プライマーTm最小値=60℃、最適値=65℃、および最大値=70℃、ならびに産物サイズ範囲=50〜100bpを除いて、デフォルトパラメーター設定で、PrimerQuest(Integrated DNA Technologies)を用いて、各アプタマーに関する増幅プライマーを選択した。次いで、内部ヘアピン、ホモ二量体、およびヘテロ二量体3’端相補性に関して、オリゴ濃度=0.2μMを除いて、デフォルトパラメーター設定で、OligoAnalyzer 3.0(Integrated DNA Technologies)を用いて、候補プライマーを分析した。3’端相補性ΔG≦−3.5kcal/molの場合、候補を却下した。
【0210】
[00300]定量的PCR反応
[00301]5μLの中和アッセイ試料(アフィニティアッセイプロトコル(実施例2)の工程5または光架橋アッセイプロトコル(実施例3)の工程6を参照されたい)を、95μL dH2Oで20X希釈した。5μLの希釈アッセイ試料および1X KOD緩衝液(Novagen#)、0.2mM各dATP、dCTP、dGTP、およびdTTP、1X SYBRグリーンI(Invitrogen#)、0.2μM各5’および3’プライマー、および0.025U/μL KOD XL DNAポリメラーゼ(Novagen#)を用いて、20μL増幅反応を調製した。混入物不含試薬を用いて、バイオフード中で試料を調製した。1つのアプタマーの定量化に関して、各反応中、1対のプライマーを用いた。標準曲線を生成するため、既知の量のアプタマーを含む試料もまた調製した。95℃で2分間インキュベーションし、95℃15秒間、その後、72℃60秒間で40回サイクリングすることによって、Bio−Rad iCycler中で試料を増幅した。
【0211】
[00302]データ分析
[00303]各アプタマーに関して、増幅プロットから、各試料に関して閾値サイクル(Ct)値を決定し、そしてBio−Rad iCyclerとともに供給されるデータ分析ソフトウェアを用いて、各アプタマーに関する標準曲線を生成した。標準曲線を用いて、各アッセイ試料中の各アプタマーのコピー数を決定し、そして希釈係数および試料体積に関して調整した後、アプタマー濃度に変換した。投入タンパク質濃度の関数として、各アッセイ試料中のアプタマー濃度をプロットした。
【0212】
[00304]実施例5 光架橋アッセイプロトコルおよびアレイ検出を用いた、緩衝液中のタンパク質検出
[00305]13のタンパク質分析物(アンジオゲニン、BLC、C3a、凝固因子V、凝固因子XI、CTACK、エンドスタチン、FGF7、IGFBP−3、プレカリクレイン、PSA−ACT、TIMP−1、およびtPA)に関して、各分析物の10nM濃度から始めて、そして半対数希釈で(3.1623の希釈係数)330fMまで連続希釈して、緩衝液中の10点の希釈シリーズを生成した。4つのタンパク質不含対照を含めて、総数14試料を生じた。Cy3アプタマー混合物は、ターゲットタンパク質が存在しない14の対照アプタマーとともに、希釈シリーズ中に、ターゲットタンパク質に対する13のアプタマーを含有した。光架橋アッセイプロトコル(実施例3)を用いて試料をプロセシングし、そして実施例4に記載するようなマイクロアレイ検出で定量化した。結果を図11に示し、この図は、緩衝液中のターゲットタンパク質アンジオゲニンに関する、濃度に対する相対蛍光単位(RFU)プロットを示す。
【0213】
[00306]実施例6 アフィニティアッセイプロトコルおよびQPCRを用いた、緩衝液中のタンパク質検出
[00307]12のタンパク質分析物(アンジオゲニン、C1q、C5b,6複合体、CMP−SAS、EG−VEGF、IP−10、PAI−1、PDGF−BB、プロトロンビン、E−セレクチン、tPA、およびvWF)に関して、各分析物の10nM濃度から始めて、そして半対数希釈で(3.1623の希釈係数)330fMまで連続希釈して、緩衝液中の10点の希釈シリーズを生成した。4つのタンパク質不含対照を含めて、総数14試料を生じた。Cy3アプタマー混合物は、希釈シリーズ中に、ターゲットタンパク質に対する12のアプタマーを含有した。アフィニティアッセイプロトコル(実施例2)を用いて試料をプロセシングし、そしてQPCR(実施例4)によって定量化した。アッセイ試料中のアンジオゲニンアプタマー2175−47の定量化のため、プライマー2175−47−F3(5’−GAGTGTGTGACGAGTGTGGAG−3’)(配列番号___)および2175−47−R3(5’−TCGGTTGTGGTGACGCCCG−3’)(配列番号:___)を用いた。結果を図12に示し、この図は、アンジオゲニンの投入タンパク質濃度に対して検出されたアプタマー濃度の対数プロットを示す。
【0214】
[00308]実施例7 遅い解離速度のアプタマーによって、試験試料中のタンパク質測定が可能になる
[00309]アプタマー/プライマー混合物および試験試料の調製
[00310]ビオチンCy3検出標識(各4nM)を、1XSB17T中、3X過剰の捕捉プローブ(ビオチンタグおよび光切断可能要素を含有するアプタマーの3’固定領域に相補的なオリゴヌクレオチド)と混合し、そして95℃で4分間、次いで37℃で13分間加熱し、そして1xSB17T中、1:4に希釈する。55μLのアプタマー/プライマー混合物を、マイクロタイタープレート(Hybaid #AB−0407)に添加し、そしてホイルで密封する。SB17T中で既知の濃度のタンパク質分析物を混合し、そしてSB17Tで連続希釈することによって、マイクロタイタープレート中で試験試料を調製する。
【0215】
[00311]試料平衡化
[00312]55μLのアプタマー/プライマー混合物を、55μLの試験試料に添加し、そしてホイルで密封したマイクロタイタープレート中、37℃で15分間インキュベーションする。平衡混合物中の各アプタマーの最終濃度は0.5nMである。別に記載しない限り、平衡化後、この方法のすべての続く工程を室温で実行する。
【0216】
[00313]アプタマー捕捉および未結合タンパク質除去
[00314]DuraPoreろ過プレート(Millipore HVカタログ#MAHVN4550)を真空ろ過によって100μLの1XSB17Tで1回洗浄し、133.3μLの7.5%ストレプトアビジン−アガロース樹脂(Pierce)を各ウェルに添加し、そして200μLの1XSB17Tで2回洗浄する。100μLの平衡化試料を、ストレプトアビジン−アガロース樹脂を含有するDuraporeプレートに移し、そして熱ミキサー(Eppendorf)上、800rpmで5分間インキュベーションする。200μL 1XSB17T+100μMビオチンで1回、そして200μL 1XSB17Tで1回、樹脂を洗浄する。
【0217】
[00315]ビオチンでのタンパク質タグ化
[00316]使用直前に調製した、SB17T中の100μLの1.2mM NHS−PEO4−ビオチンを、捕捉アプタマーおよびアプタマー:タンパク質複合体とともに樹脂に添加し、そして熱ミキサー上、800rpmで20分間インキュベーションする。真空ろ過によって、200μL 1XSB17Tで樹脂を5回洗浄する。
【0218】
[00317]遅い解離速度の濃縮プロセスおよび光切断
[00318]DuraPoreプレートの底面から水滴誘導装置(drip director)を除去し、そしてプレートを1mLマイクロタイター収集プレート上に乗せる。1000xgで30秒間遠心分離することによって、200μL 1XSB17Tで1回、樹脂を洗浄する。80μLの1XSB17T+10mM DxSO4を樹脂に添加し、そして熱ミキサー上、800rpmで10分間、BlackRay水銀ランプを照射する。DuraPoreプレートを新しい1mL深底プレートに移し、そして1000xgで30秒間遠心分離して、光切断されたアプタマーおよびタンパク質:アプタマー複合体を収集する。
【0219】
[00319]タンパク質捕捉および未結合アプタマー除去
[00320]50μLのMyOneストレプトアビジンC1常磁性ビーズ(Invitrogen)(1XSB17T中、10mg/mL)をマイクロタイタープレートに添加する。磁石で60秒間ビーズを分離し、そして上清を除去する。225μLの光切断混合物をビーズに添加し、そして5分間混合する。磁気ビーズを分離し、そして洗浄緩衝液を交換することによって、200μL 1XSB17Tで4回、ビーズを洗浄する。最終洗浄緩衝液を除去する。
【0220】
[00321]アプタマー溶出
[00322]100μLのリン酸ナトリウム溶出緩衝液(10mM NaHPO、pH11)をビーズに添加し、そして5分間混合する。90μLの溶出物をマイクロタイタープレートに移し、そして10μLのリン酸ナトリウム中和緩衝液(10mM NaHPO、pH5)で中和する。
【0221】
[00323]マイクロアレイに対するアプタマーハイブリダイゼーション
[00324]カスタム顕微鏡スライド支持体上に固定された各アプタマーの可変領域の相補配列で構成されるオリゴヌクレオチドを用いて、DNAアレイを調製する。多数のアレイ(サブアレイ)が各スライド上に存在し、そしてサブアレイは、試料適用のため、ガスケット(Grace)を取り付けることによって、物理的に分離される。アレイを100μLブロッキング緩衝液で前処理し、そして熱ミキサー上、65℃で15分間インキュベーションする。30μLのハイブリダイゼーション緩衝液を、マイクロタイタープレート中、90μLの中和アプタマー溶出物に添加し、熱サイクラー中で95℃で5分間インキュベーションし、そして0.1℃/秒で65℃に冷却する。ブロッキング緩衝液をアレイから除去し、そして110μLのアプタマー試料をアレイに添加し、そして加湿チャンバー中、65℃で20時間インキュベーションする。
【0222】
[00325]アレイ洗浄
[00326]アプタマー試料をアレイから除去し、そしてアレイを200μLのリン酸ナトリウムTween−20洗浄緩衝液で、ガスケットを適所にして65℃で1回洗浄し、そしてガスケットを除去してパップ瓶中、65℃で、25mLリン酸ナトリウム、Tween−20洗浄緩衝液を用いて、3回洗浄する。アレイを窒素銃で乾燥させる。
【0223】
[00327]アレイ上のシグナルを定量化する
[00328]アレイスライドをTECAN LS300 Reloaded上、適切なチャネル中で、Cy3検出のためにスキャンし、そして各アレイ特徴上のCy3シグナルを定量化する。
【0224】
[00329]
[00330]結果:
[00331]伝統的なSELEX法および材料を用いて、3つの異なるターゲット(bFGF、VEGF、およびミエロペルオキシダーゼ)に特異的なアプタマーを産生した。5位修飾ヌクレオチドを用いて、ターゲットの同じセットに特異的なアプタマーの第二のセットを作製し、そしてそれぞれのターゲットに対する非常に遅い解離速度に関して選択した。伝統的なプロセスで作製されたアプタマーは、5分未満の解離速度と測定された。修飾ヌクレオチドを含んで、そして選択中に、遅い解離速度の濃縮プロセスを用いて作製されたアプタマーは、20分より長い解離速度を有した。2つの異なる方法によって、各ターゲットに関して2セットのアプタマーを作製して、各ターゲットに関して総数4の異なるアプタマー集団を得た。ターゲット濃度のある範囲に渡って、上述のように、これらのアプタマー集団が試験試料中で分析物濃度を測定する能力を評価した。DNAチップ検出からの相対的シグナルを、投入ターゲット濃度に対してプロットした。図13A〜13Cを参照されたい。伝統的なアプタマーの反応曲線は非常に平坦であり、そして検出感度はかなり低い。遅い解離速度のアプタマーとそれぞれのターゲットの検出感度は、非常に優れている。このデータは、分析性能を最大にするため、遅い解離速度のアプタマーを用いる必要性があることを裏付ける。
【0225】
[00332]実施例8 遅い解離速度のアプタマーを用いた再現性
[00333]実施例7の方法を用いて、1つの血漿試料を68の異なるアリコットに分けた。68試料各々に対して、実施例7のアッセイを実行した。試料のうち34を合わせ、そして再び分けた。残りの34の試料を単純に再試験した。この方式で、アッセイ内およびアッセイ間の一貫性に関して、アッセイの再現性を試験してもよい。試料レイアウトおよび検出スキームを図14に示す。図15は、図14に示すすべての試料の測定値における%CVを示す。プールしていないおよびプールした試料は同じCVを有する。
【0226】
[00334]実施例9 1捕獲アフィニティ結合法
[00335]a)血漿、血清、または全血とアプタマーの平衡化
[00336]30μlのCy3アプタマー混合物(20nMの各アプタマー)を、SB17T中、30μLの(AB)2−T8−PCプライマー混合物(各プライマーに関して60nM)と合わせて、そして95℃で4分間、そして37℃で13分間インキュベーションする。SB17T中で1:1000に希釈した55μLの複雑な生物学的タンパク質混合物(血漿、血清、または全血)を、55μLのアプタマー/プライマー混合物と合わせ、そして37℃で15分間インキュベーションして、結合平衡を達成する。別に示さない限り、以下の工程すべてを、室温で行う。
【0227】
[00337]b)タンパク質タグ化およびアプタマー遊離
[00338]100μLのアプタマー:タンパク質混合物を、500μM NHS−PEO4−ビオチン(Pierce#21329)を含有する10μLのSB17Tと合わせ、そして37℃で20分間インキュベーションする。反応混合物に10μLの200mM TRIS緩衝液(pH7.5)を添加し、そして37℃で10分間インキュベーションすることによって、過剰なNHS試薬を反応停止する。
【0228】
[00339]c)タンパク質捕捉および未結合アプタマー除去
[00340]100μLのストレプトアビジン樹脂(DynaBeads MyOneストレプトアビジンC1、Invitrogen #650−03、SB17T中、10mg/mL)をDurapore膜に添加して、アプタマー/タンパク質複合体を捕捉する。100μLのアプタマー:タンパク質混合物を樹脂に添加し、15分間混合し、そして真空ろ過して、未結合アプタマーを除去する。真空ろ過によって200μL SB17Tで3回、そして遠心分離によって200μL SB17Tで1回、樹脂を洗浄する。
【0229】
[00341]d)複合体化アプタマー遊離
[00342]樹脂を90μL溶出緩衝液(2mM NaOH、0.1%TWEEN−20)中に再懸濁し、そして5分間混合して、アプタマー/タンパク質複合体からアプタマーを遊離させる。遠心分離によって樹脂を除去し、そして遊離したアプタマーを含有する溶出物を収集する。80μLの溶出物を中和し、そして20μL中和緩衝液(8mM HCl、0.5mM Tris−HCl(pH7.5)、0.1%TWEEN−20)で緩衝する。実施例4に記載するようにアプタマーを検出する。
【0230】
[00343]いくつかの特許、特許出願刊行物、および科学的刊行物が、説明全体に引用され、そして/または最後に列挙される。これらの各々は、その全体が本明細書に援用される。同様に、援用される刊行物中に言及されるすべての刊行物は、その全体が本明細書に援用される。
【0231】
[00344]引用される刊行物およびこれに関連する制限の例は、例示であり、そして独占的ではないと意図される。引用される刊行物の他の制限は、明細書を読み、そして図を検討すると、当業者には明らかであろう。
【0232】
[00345]単語「含む」(「comprise」、「comprises」、および「comprising」)は、独占的ではなく、包括的と解釈されるものとする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験試料中に存在しうるターゲット分子を検出するための方法であって:
(a)第一のタグを含み、そしてターゲット分子に対する特異的アフィニティを有するアプタマーと、試験試料を接触させることによって、混合物を調製し、ここで、前記試験試料中に前記ターゲット分子が存在するならば、アプタマー・アフィニティ複合体が形成され;
(b)第一の捕捉要素を含む第一の固体支持体に混合物を曝露し、そして第一のタグが第一の捕捉要素と会合するのを可能にし;
(c)前記の第一の固体支持体と会合していない混合物の構成要素をすべて除去し;
(d)前記の第一の固体支持体からアプタマー・アフィニティ複合体を遊離させ;
(e)アプタマー・アフィニティ複合体中の前記ターゲット分子に第二のタグを付着させ;
(f)遊離したアプタマー・アフィニティ複合体を、第二の捕捉要素を含む第二の固体支持体に曝露し、そして第二のタグが前記の第二の捕捉要素と会合するのを可能にし;
(g)前記アプタマー・アフィニティ複合体から,複合体化されていないアプタマーを分配することによって、複合体化されていないアプタマーを前記混合物からすべて除去し;そして
(h)前記アプタマー・アフィニティ複合体のアプタマー部分を検出することによって、前記ターゲット分子を検出する
工程を含む、前記方法。
【請求項2】
(h)アプタマーを検出する前に、前記アプタマー・アフィニティ複合体からアプタマーを解離させる工程をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項3】
第一のタグが第二のタグと同じであり、そして第二のタグが(b)の後および(f)の前の任意の時点でターゲット分子に添加され、そして第二のタグの添加前に第一の捕捉剤をブロッキングする工程を含む、請求項1の方法。
【請求項4】
第一のタグが第二のタグと異なり、そして第二のタグが(f)の前の任意の時点でターゲット分子に添加される、請求項1の方法。
【請求項5】
(a)の後および(d)の前の任意の時点で動力学的負荷を導入する工程をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項6】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、そして約30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、10分間以上、30分間以上、および60分間以上からなる群より選択される時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項5の方法。
【請求項7】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、そして非特異的複合体の測定レベルに対するアプタマー・アフィニティ複合体の測定レベルの比が増加するような時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項5の方法。
【請求項8】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして約30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、10分間以上、30分間以上、および60分間以上からなる群より選択される時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項5の方法。
【請求項9】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして非特異的複合体の測定レベルに対するアプタマー・アフィニティ複合体の測定レベルの比が増加するような時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項5の方法。
【請求項10】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして約30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、10分間以上、30分間以上、および60分間以上からなる群より選択される時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項5の方法。
【請求項11】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして非特異的複合体の測定レベルに対するアプタマー・アフィニティ複合体の測定レベルの比が増加するような時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項5の方法。
【請求項12】
動力学的負荷が、競合剤分子の導入を含み、そして前記競合剤分子が、オリゴヌクレオチド、ヘパリン、ニシン精子DNA、サケ精子DNA、硫酸デキストラン、ポリアニオン、脱塩基ホスホジエステルポリマー、dNTP、およびピロホスフェートからなる群より選択される、請求項5の方法。
【請求項13】
前記アプタマー・アフィニティ複合体が緩慢な解離速度を有する、請求項1の方法。
【請求項14】
前記アプタマー・アフィニティ複合体の解離速度(t1/2)が約30分間以上である、請求項13の方法。
【請求項15】
前記アプタマー・アフィニティ複合体の解離速度(t1/2)が約30分間〜約240分間の間である、請求項13の方法。
【請求項16】
前記アプタマー・アフィニティ複合体の解離速度(t1/2)が、約30分間以上、約60分間以上、約90分間以上、約120分間以上、約150分間以上、約180分間以上、約210分間以上、および約240分間以上からなる群より選択される、請求項13の方法。
【請求項17】
Q−PCR、MS、およびハイブリダイゼーションからなる群より選択される方法を用いて、前記アプタマーを検出し、そして場合によって定量化する、請求項1の方法。
【請求項18】
TaqMan(登録商標)PCR、PCRプロセス中の挿入蛍光色素、またはPCRプロセス中の分子ビーコンを用いて前記Q−PCRを行う、請求項17の方法。
【請求項19】
アプタマーに検出可能部分を添加する工程をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項20】
前記検出可能部分が、色素、量子ドット、放射標識、電気化学官能基、酵素、および酵素基質からなる群より選択される、請求項19の方法。
【請求項21】
前記色素が蛍光色素である、請求項20の方法。
【請求項22】
前記酵素がアルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼである、請求項20の方法。
【請求項23】
前記アプタマーが一本鎖核酸または二本鎖核酸である、請求項1の方法。
【請求項24】
前記アプタマーがDNA、RNA、またはDNAおよびRNA両方を含む、請求項1の方法。
【請求項25】
前記アプタマーが、少なくとも1つの化学的修飾を含む、請求項1の方法。
【請求項26】
前記の少なくとも1つの化学的修飾が、リボース位、デオキシリボース位、リン酸位、および塩基位から独立に選択される1以上の位での化学的置換である、請求項25の方法。
【請求項27】
前記の少なくとも1つの化学的修飾が、図(19)に列挙される群より独立に選択される、請求項25の方法。
【請求項28】
前記ターゲット分子が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウイルス、基質、代謝物、遷移状態類似体、補因子、阻害剤、薬剤、色素、栄養物、増殖因子、組織、および規制物質からなる群より選択される、請求項1の方法。
【請求項29】
前記ターゲット分子がタンパク質またはペプチドである、請求項1の方法。
【請求項30】
前記試験試料が、生物学的試料、環境試料、化学試料、薬学的試料、食品試料、農業試料、および獣医学的試料からなる群より選択される、請求項1の方法。
【請求項31】
前記試験試料が、全血、白血球、末梢血単核細胞、血漿、血清、痰、息、尿、精液、唾液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、滑液、関節吸引液、細胞、細胞抽出物、糞便、組織、組織抽出物、組織生検、および脳脊髄液からなる群より選択される生物学的試料である、請求項1の方法。
【請求項32】
前記試験試料が血漿または血清である、請求項1の方法。
【請求項33】
前記の第一のタグおよび前記の第二のタグが各々、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ペプチド核酸、ロック核酸、オリゴ糖、多糖、抗体、アフィボディ、抗体模倣体、細胞受容体、リガンド、脂質、ビオチン、アビジン、ストレプアビジン(strepavidin)、Extravidin、ニュートラアビジン、金属、ヒスチジン、および任意のこれらの構造の任意の部分からなる群より独立に選択される、少なくとも1つの構成要素を含む、請求項1の方法。
【請求項34】
前記の第一の捕捉要素および前記の第二の捕捉要素が各々、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ペプチド核酸、ロック核酸、オリゴ糖、多糖、抗体、アフィボディ、抗体模倣体、細胞受容体、リガンド、脂質、ビオチン、アビジン、ストレプアビジン、Extravidin、ニュートラアビジン、金属、ヒスチジン、および任意のこれらの構造の任意の部分から独立に選択される、少なくとも1つの構成要素を含む、請求項1の方法。
【請求項35】
第一のタグが遊離可能部分を含む、請求項1の方法。
【請求項36】
遊離可能部分が光切断可能部分を含む、請求項35の方法。
【請求項37】
前記の第一の固体支持体および第二の固体支持体が各々、[ポリマービーズ、アガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、アクリルアミドビーズ、固体コアビーズ、多孔ビーズ、常磁性ビーズ、ガラスビーズ、制御孔ビーズ・・・]、マイクロタイターウェル、シクロオレフィン・コポリマー支持体、膜、プラスチック支持体、ナイロン、ラングミュア−ボジェット(Langmuir−Bodgett)膜、ガラス、ゲルマニウム支持体、シリコン支持体、シリコンウェハーチップ、フロースルーチップ、マイクロビーズ、ポリテトラフルオロエチレン支持体、ポリスチレン支持体、ガリウムヒ素支持体、金支持体、および銀支持体からなる群より独立に選択される、請求項1の方法。
【請求項38】
前記アプタマーを定量化することによって、前記ターゲットを定量化する工程をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項39】
アプタマーの検出が、第三の固体支持体にアプタマーをハイブリダイズさせる工程を含み、ここで第三の固体支持体が、複数のアドレス可能特徴を含み、そして前記特徴の少なくとも1つが、アプタマー内に含有される任意の配列に相補的である、該特徴上に配置された捕捉要素を少なくとも含む、請求項1の方法。
【請求項40】
試験試料中に存在しうるターゲット分子を検出するための方法であって:
(a)ターゲット分子に対する特異的アフィニティを有するアプタマーと試験試料を接触させることによって、混合物を調製し、ここで、前記試験試料中に前記ターゲット分子が存在するならば、アプタマー・アフィニティ複合体が形成され;
(b)(c)より前の任意の時点で、前記ターゲット分子にタグを添加し;
(c)捕捉要素を含む固体支持体に混合物を曝露し、そしてターゲット分子上のタグが捕捉要素と会合するのを可能にし;
(d)アプタマー・アフィニティ複合体から、複合体化されていないアプタマーを分配することによって、複合体化されていないアプタマーを前記混合物からすべて除去し;
(e)前記アプタマー・アフィニティ複合体のアプタマー部分を検出することによって、前記ターゲット分子を検出する
工程を含む、前記方法。
【請求項41】
(e)が、アプタマーを検出する前に、前記アプタマー・アフィニティ複合体からアプタマーを解離させる工程をさらに含む、請求項40の方法。
【請求項42】
(a)の後および(d)の前の任意の時点で動力学的負荷を導入する工程をさらに含む、請求項40の方法。
【請求項43】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、そして約30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、10分間以上、30分間以上、および60分間以上からなる群より選択される時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項42の方法。
【請求項44】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、そして非特異的複合体の測定レベルに対するアプタマー・アフィニティ複合体の測定レベルの比が増加するような時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項42の方法。
【請求項45】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして約30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、10分間以上、30分間以上、および60分間以上からなる群より選択される時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項42の方法。
【請求項46】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして非特異的複合体の測定レベルに対するアプタマー・アフィニティ複合体の測定レベルの比が増加するような時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項42の方法。
【請求項47】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして約30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、10分間以上、30分間以上、および60分間以上からなる群より選択される時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項42の方法。
【請求項48】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして非特異的複合体の測定レベルに対するアプタマー・アフィニティ複合体の測定レベルの比が増加するような時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項42の方法。
【請求項49】
動力学的負荷が、競合剤分子の導入を含み、そして前記競合剤分子が、オリゴヌクレオチド、ヘパリン、ニシン精子DNA、サケ精子DNA、硫酸デキストラン、ポリアニオン、脱塩基ホスホジエステルポリマー、dNTP、およびピロホスフェートからなる群より選択される、請求項42の方法。
【請求項50】
前記アプタマー・アフィニティ複合体が緩慢な解離速度を有する、請求項40の方法。
【請求項51】
前記アプタマー・アフィニティ複合体の解離速度(t1/2)が約30分間以上である、請求項50の方法。
【請求項52】
前記アプタマー・アフィニティ複合体の解離速度(t1/2)が約30分間〜約240分間の間である、請求項50の方法。
【請求項53】
前記アプタマー・アフィニティ複合体の解離速度(t1/2)が、約30分間以上、約60分間以上、約90分間以上、約120分間以上、約150分間以上、約180分間以上、約210分間以上、および約240分間以上からなる群より選択される、請求項50の方法。
【請求項54】
試験試料中に存在しうるターゲット分子を検出するための方法であって:
(a)第一のタグを含み、そしてターゲット分子に対する特異的アフィニティを有する光アプタマー(photoaptamer)と試験試料を接触させることによって、混合物を調製し、ここで、前記試験試料中に前記ターゲット分子が存在するならば、アプタマー・アフィニティ複合体が形成され;
(b)前記アプタマー・アフィニティ複合体をアプタマー共有複合体に変換し;
(c)第一の捕捉要素を含む第一の固体支持体に混合物を曝露し、そして第一のタグが第一の捕捉要素と会合するのを可能にし;
(d)前記の第一の固体支持体と会合していない混合物の構成要素をすべて除去し;
(e)前記の第一の固体支持体からアプタマー共有複合体を遊離させ;
(f)アプタマー共有複合体中の前記ターゲット分子に第二のタグを付着させ;
(g)遊離したアプタマー共有複合体を、第二の捕捉要素を含む第二の固体支持体に曝露し、そして第二のタグが前記の第二の捕捉要素と会合するのを可能にし;
(h)前記アプタマー共有複合体から、複合体化されていないアプタマーを分配することによって、複合体化されていない光アプタマーを前記混合物からすべて除去し;そして
(i)前記アプタマー共有複合体の光アプタマー部分を検出することによって、前記ターゲット分子を検出する
工程を含む、前記方法。
【請求項55】
(i)が、光アプタマーを検出する前に、前記アプタマー共有複合体から光アプタマーを遊離させる工程をさらに含む、請求項54の方法。
【請求項56】
(a)の後および(b)の前に、動力学的負荷を導入する工程をさらに含む、請求項54の方法。
【請求項57】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、そして約30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、10分間以上、30分間以上、および60分間以上からなる群より選択される時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項56の方法。
【請求項58】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、そして非特異的複合体の測定レベルに対するアプタマー・アフィニティ複合体の測定レベルの比が増加するような時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項56の方法。
【請求項59】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして約30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、10分間以上、30分間以上、および60分間以上からなる群より選択される時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項56の方法。
【請求項60】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして非特異的複合体の測定レベルに対するアプタマー・アフィニティ複合体の測定レベルの比が増加するような時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項56の方法。
【請求項61】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして約30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、10分間以上、30分間以上、および60分間以上からなる群より選択される時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項56の方法。
【請求項62】
前記動力学的負荷が、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物を希釈し、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物に競合剤を添加し、そして非特異的複合体の測定レベルに対するアプタマー・アフィニティ複合体の測定レベルの比が増加するような時間に渡って、アプタマー・アフィニティ複合体を含有する混合物をインキュベーションする工程を含む、請求項56の方法。
【請求項63】
動力学的負荷が、競合剤分子の導入を含み、そして前記競合剤分子が、オリゴヌクレオチド、ヘパリン、ニシン精子DNA、サケ精子DNA、硫酸デキストラン、ポリアニオン、脱塩基ホスホジエステルポリマー、dNTP、およびピロホスフェートからなる群より選択される、請求項56の方法。
【請求項64】
前記アプタマー・アフィニティ複合体が遅い解離速度を有する、請求項54の方法。
【請求項65】
前記アプタマー・アフィニティ複合体の解離速度(t1/2)が約30分間以上である、請求項64の方法。
【請求項66】
前記アプタマー・アフィニティ複合体の解離速度(t1/2)が約30分間〜約240分間の間である、請求項64の方法。
【請求項67】
前記アプタマー・アフィニティ複合体の解離速度(t1/2)が、約30分間以上、約60分間以上、約90分間以上、約120分間以上、約150分間以上、約180分間以上、約210分間以上、および約240分間以上からなる群より選択される、請求項64の方法。
【請求項68】
第一のタグが遊離可能部分を含む、請求項54の方法。
【請求項69】
遊離可能部分が、光アプタマー領域に相補的な核酸配列を含み、該相補配列が、核酸二重鎖を脱安定化させる化学的または熱的状態によって分離されうる、請求項68の方法。
【請求項70】
光アプタマーの光反応性架橋基が、切断可能部分を通じてアプタマーに付着している、請求項55の方法。
【請求項71】
切断可能部分が光切断可能部分である、請求項70の方法。
【請求項72】
試料中のターゲット分子の存在を検出するかまたは該分子の量を決定する方法であって:
(i)ターゲット分子に複数のアプタマーを提供し、ここでアプタマーは切断可能捕捉タグを含み;
(ii)ターゲット分子を含有する試料と、アプタマーを接触させて、アプタマー−ターゲット分子複合体を含有する混合物を形成し;
(iii)支持体表面に付着したプローブを有する固体支持体を提供し、ここでプローブは切断可能捕捉タグに結合可能であり;
(iv)アプタマー−ターゲット分子複合体が、切断可能捕捉タグおよびプローブの結合を通じて支持体に結合されるように、固体支持体と混合物を接触させ;
(v)固体支持体に結合したアプタマー−ターゲット分子複合体を、混合物の残りから分配し;
(vi)アプタマー−ターゲット分子複合体のターゲット分子構成要素に、第二の捕捉タグを導入し;
(vii)切断可能捕捉タグを切断することによって、固体支持体表面からアプタマー−ターゲット分子複合体を解離させ;
(viii)支持体表面に付着したプローブを有する固体支持体を提供し、ここでプローブはターゲット分子上の第二の捕捉タグに結合可能であり;
(ix)アプタマー−ターゲット分子複合体が、第二の捕捉タグおよびプローブの結合を通じて支持体に結合されるように、(viii)由来の固体支持体と、解離したアプタマー−ターゲット分子を接触させ;
(x)アプタマー−ターゲット分子複合体を解離させて、未結合(free)アプタマーおよび支持体に結合したターゲット分子を生じ;
(xi)未結合アプタマーを検出する
工程を含む、前記方法。
【請求項73】
固体支持体表面からのアプタマー−ターゲット分子複合体解離後(vii)、解離したアプタマー−ターゲット分子複合体を、過剰な競合剤分子と接触させる、請求項72の方法。
【請求項74】
固体支持体表面からのアプタマー−ターゲット分子複合体解離後(vii)、解離したアプタマー−ターゲット分子複合体を希釈する、請求項72の方法。
【請求項75】
固体支持体表面からのアプタマー−ターゲット分子複合体解離後(vii)、解離したアプタマー−ターゲット分子複合体を希釈する、請求項73の方法。
【請求項76】
検出される未結合アプタマーの量を測定する工程をさらに含む、請求項73のいずれか一項の方法。
【請求項77】
検出される未結合アプタマーの量を測定する工程をさらに含む、請求項74のいずれか一項の方法。
【請求項78】
検出される未結合アプタマーの量を測定する工程をさらに含む、請求項75のいずれか一項の方法。
【請求項79】
a)関心対象の1以上のターゲットに特異的な1以上のアプタマー;および
b)1以上の固体支持体;および
c)1以上の分配試薬;および
d)アフィニティ複合体からのアプタマーの遊離のための1以上の試薬
を含む、キット。
【請求項80】
関心対象の1以上のターゲットを誘導体化するための試薬をさらに含む、請求項79のキット。
【請求項81】
前記の1以上のアプタマーにおいて、切断可能部分を切断する試薬をさらに含む、請求項79のキット。
【請求項82】
動力学的負荷において使用するための試薬をさらに含む、請求項79のキット。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3−1】
image rotate

【図3−2】
image rotate

【図3−3】
image rotate

【図4−1】
image rotate

【図4−2】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図13C】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16−1】
image rotate

【図16−2】
image rotate


【公表番号】特表2010−533872(P2010−533872A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517171(P2010−517171)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/070386
【国際公開番号】WO2009/012420
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(510016254)ソマロジック・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】