説明

詰め替え容器

【課題】詰め替え作業を簡便に行うことができるうえ、詰め替え時に内容物をこぼし難く、また、本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替え作業を行うこと。
【解決手段】本容器40に詰め替える内容物が収容される容器本体2と、該容器本体の口部2aに装着される装着筒11、及び注出孔15が形成された注出筒14を有する基筒部材10と、注出筒に容器軸O方向にスライド移動自在に装着され、注出孔を閉塞すると共に本容器の注入口部41に連結される蓋筒部材20と、を備え、蓋筒部材が注出筒に対して容器本体側にスライド移動させられたときに注出孔を開放し、注出筒には、側方に向けて開口する空気導入孔16が形成されると共に、注出筒の内部を、注出孔に直結する注出路R1と、空気導入孔に直結し且つ注出路よりも流路断面積が小さい空気導入路R2と、に区画する区画壁17が容器軸方向に延設されている詰め替え容器1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰め替え容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の詰め替え容器として、従来、例えば下記特許文献1に記載されているような、本容器に詰め替えるための内容物を収容する容器本体と、その容器本体の口部に装着されると共にその口部を閉塞する中栓と、が備えられ、その中栓を本容器の口部に螺着させて詰め替えを行う詰め替え容器が知られている。
上記した中栓には、内容物を注出するための注出口が形成されていると共に、この注出口を閉塞するシール部が設けられている。シール部は、例えばプルトップが付設された蓋体からなる。
【0003】
上記した構成の詰め替え容器では、例えば、まずプルトップを引き上げて、中栓の注出口を開封する。続いて、詰め替え容器を正立姿勢(口部が上向きの姿勢)に配置し、その詰め替え容器の中栓に倒立姿勢(口部が下向きの姿勢)の本容器の口部を螺着する。その後、詰め替え容器と本容器とを反転させて、本容器を正立姿勢にすると共に詰め替え容器を倒立姿勢にする。これにより、詰め替え容器内の内容物が、詰め替え容器及び本容器の各口部の内側を流通して本容器内に詰め替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−159249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の詰め替え容器では、中栓の注出口を開封した後、中栓に本容器の口部を螺着し、その後、詰め替え容器と本容器を上下反転させる必要があるので、詰め替え作業が煩雑になり易かった。
また、中栓の注出口を開封した後に本容器の口部を詰め替え容器の中栓に螺着するため、その螺合作業中に誤って詰め替え容器を倒すと、詰め替え容器内の内容物がこぼれ出るおそれがあった。
更に、中栓に本容器の口部を螺着する際に本容器を倒立姿勢にするため、本容器の内側に内容物が残留していると本容器内の内容物がこぼれ易かった。従って、本容器内の内容物を使い切った後でないと詰め替え作業を行い難かった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、詰め替え作業を簡便に行うことができるうえ、詰め替え時に内容物をこぼし難く、また、本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替え作業を行うことができる詰め替え容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
(1)本発明に係る詰め替え容器は、本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、該容器本体の口部に装着される装着筒、及び注出孔が形成された注出筒を有する基筒部材と、前記注出筒に容器軸方向にスライド移動自在に装着され、前記注出孔を閉塞すると共に前記本容器の注入口部に連結される蓋筒部材と、を備え、前記蓋筒部材が、前記注出筒に対して前記容器本体側に前記スライド移動させられたときに前記注出孔を開放し、前記注出筒には、側方に向けて開口する空気導入孔が形成されると共に、該注出筒の内部を、前記注出孔に直結する注出路と、前記空気導入孔に直結し且つ前記注出路よりも流路断面積が小さい空気導入路と、に区画する区画壁が前記容器軸方向に延設されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る詰め替え容器によれば、蓋筒部材を注入口部に連結させて、詰め替え容器と本容器とを組み合わせた後、詰め替え容器の容器本体と本容器とを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させることで、注入口部に連結されている蓋筒部材を注出筒に対して容器本体側にスライド移動させることができる。これにより、閉塞していた注出筒の注出孔を開放することができ、詰め替え容器の容器本体内と本容器内とを注出路を通じて連通させることができる。従って、この注出路を通じて容器本体内の内容物を本容器内に注出することができ、本容器内への詰め替えを行うことができる。
【0009】
ところで上記詰め替え時、空気導入孔及び空気導入路を通じて、詰め替え容器の容器本体内と本容器内とも連通するが、この空気導入路の流路断面積は注出筒に設けられた区画壁によって上記注出路よりも小さい。そのため、空気導入路よりも注出路を優先させて内容物を流動させることができ、上記したようにこの注出路を利用して詰め替え作業を行うことができる。またこのことによって、空気導入路を空気置換用のルートとして利用でき、本容器内の空気を詰め替え容器側にスムーズに流動させて空気置換を良好に行うことができる。その結果、内容物の詰め替え作業を抵抗少なく容易に行うことができる。
【0010】
また、上述したように、蓋筒部材を注入口部に連結させた状態で詰め替え容器と本容器とを組み合わせた後、両容器を容器軸方向に沿って相対的に接近移動させるという簡便な作業によって内容物を詰め替えることができるので、詰め替え作業の容易化を図り易い。
しかも詰め替え時、蓋筒部材を注入口部に連結させているので、詰め替え容器を安定した状態で本容器に組み合わせることができ、内容物をこぼし難い。更に、詰め替え容器の開封と同時に内容物を本容器に詰め替えられるので、本容器を倒立姿勢にすることなく詰め替え作業を行うことが可能になり、例えば本容器内の内容物が残留している場合であっても、内容物の詰め替え作業を行うことができる。
【0011】
(2)上記本発明に係る詰め替え容器において、前記空気導入孔が、前記注出孔よりも開口面積が小さくても良い。
【0012】
この場合には、空気導入路の流路断面積が注出路の流路断面積よりも小さいことに加え、空気導入孔の開口面積が注出孔の開口面積よりも小さいので、詰め替え時に、内容物をより優先的に注出路を通じて本容器側に流動させ易いうえ、空気導入路を利用して空気置換をよりスムーズに行い易い。従って、内容物の詰め替え作業をより簡便に行うことができる。
【0013】
(3)上記本発明に係る詰め替え容器において、前記注出筒に離脱可能に装着され、前記容器本体側に向けた前記蓋筒部材の前記スライド移動を規制する規制部材を備えていても良い。
【0014】
この場合には、仮に流通段階等で詰め替え容器に不意に外力が加えられたとしても、蓋筒部材のスライド移動を規制して注出孔が開放されてしまうことを抑えることが可能となり、詰め替え容器が意図しないときに開封されるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る詰め替え容器によれば、詰め替え作業を簡便に行うことができるうえ、詰め替え時に内容物をこぼし難く、また、本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替え作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る詰め替え容器の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示すA−A断面図である。
【図3】図1に示す詰め替え容器を本容器に組み合わせた状態を示す縦断面図である。
【図4】図3に示す状態から、詰め替え容器と本容器とを容器軸方向に相対的に接近移動させて内容物を詰め替えている状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る詰め替え容器の実施形態について図面を参照して説明する。
(詰め替え容器の構成)
図1に示すように、本実施形態の詰め替え容器1は、本容器(図3参照)40に詰め替える図示しない内容物が収容される容器本体2と、該容器本体2の口部2aを塞ぐ有頂筒状の注出部材(基筒部材)10と、この注出部材10の注出筒14に容器軸O方向にスライド移動自在に装着されたスライド筒(蓋筒部材)20と、注出筒14に離脱可能に装着され、容器本体2側に向けたスライド筒20のスライド移動を規制するストッパ(規制部材)30と、を備えている。
【0018】
なお、上述した容器本体2、注出部材10及びスライド筒20は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態ではこの共通軸を容器軸Oといい、上記詰め替え容器1において、容器軸Oに沿ったスライド筒20側を上側、容器本体2側を下側という。また、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0019】
注出部材10は、容器本体2の口部2aの外面に螺着された外筒部(装着筒)11と、容器本体2の口部2a内に嵌合された内筒部12と、外筒部11の上端部と内筒部12の上端部とを連結すると共に口部2aの開口端に接する連結環13と、この連結環13に連設された有頂筒状の注出筒14と、を備えている。
【0020】
注出筒14は、下端部が連結環13の内縁部に連結され、上方に向かって延在した筒状の周壁部14aと、この周壁部14aの上方開口部を塞ぐ天壁部14bと、を備えている。なお、注出部材10の外筒部11は本容器40の注入口部41と略同径とされ、注出筒14は本容器40の注入口部41よりも縮径しており該注入口部41内に挿入可能なサイズとされている。
【0021】
注出筒14の周壁部14aにおける天壁部14b側には、図1及び図2に示すように、内容物を注出させる注出孔15及び空気置換用の空気導入孔16が形成され、それぞれ側方に向けて開口している。
図示の例では、注出孔15と空気導入孔16とが容器軸Oを挟んで径方向に向かい合うように形成されている。但し、注出孔15と空気導入孔16との位置関係はこの場合に限定されるものではなく、周方向にずれた位置に形成されていれば構わない。また、図示の例では、注出孔15及び空気導入孔16はそれぞれ側面視矩形状に開口(円形状等、他の形状を採用しても良い)した孔とされており、注出孔15の開口面積よりも空気導入孔16の開口面積の方が小さく形成されている。
【0022】
注出筒14の天壁部14bには、注出筒14の内部空間を2つに区画する板状の区画壁17が容器軸O方向に沿って下方に延設されている。具体的には、この区画壁17は注出筒14の内部を、注出孔15に直結する注出路R1と、空気導入孔16に直結する空気導入路R2と、の2つに区画している。
この際、区画壁17は空気導入孔16寄りに配置されており、注出路R1の流路断面積よりも空気導入路R2の流路断面積の方を小さくしている。
なお、上記流路断面積とは、図2に示すように、注出筒14を横断面視した際に、同一平面上における区画壁17と注出筒14の周壁部14aの内周面とで画成される空間の断面積であり、空気導入路R2の断面積S2の方が注出路R1の断面積S1よりも小さい。
【0023】
なお、図示の例では、区画壁17と注出筒14の周壁部14aの内周面との間には隙間が形成され、注出路R1と空気導入路R2とは周方向に完全に区画されていないが、区画壁17を注出筒14の周壁部14aの内周面に接触又は接続させて、注出路R1と空気導入路R2とを周方向に完全に区画しても構わない。
【0024】
スライド筒20は、注出筒14に形成された注出孔15及び空気導入孔16を閉塞していると共に、本容器40の注入口部41内に挿入させられて該注入口部41に連結可能とされた部材であり、注出筒14の周壁部14aを径方向の外側から囲繞し、該周壁部14aによってガイド(摺動)されながら容器軸O方向にスライド移動可能とされたスライド筒本体21と、スライド筒本体21の下端部から径方向の外側に突設された環状のフランジ部22と、を備えている。
【0025】
スライド筒本体21は、その上端縁が注出筒14の天壁部14bに対して略面一とされ、これにより注出孔15及び空気導入孔16を共に閉塞している。フランジ部22は、本容器40の注入口部41よりも大径とされた環状部材であり、該注入口部41の開口端縁に当接可能とされている。また、このフランジ部22には、本容器40の注入口部41内に挿入可能とされると共に、該注入口部41内に内接するガイドリブ23が立設されている。
【0026】
このガイドリブ23は、スライド筒本体21から径方向の外側に向けて突設された板片であり、周方向に間隔を開けて複数形成されている。図示の例では、周方向に90度毎に間隔を開けて4つ形成されている。なおこれらガイドリブ23は、その上端部が丸みを帯びて形成されており、本容器40の注入口部41内に抵抗少なく挿入可能とされている。
【0027】
図1に示すように、ストッパ30は横断面視C字状に形成され、注出筒14の周壁部14aを径方向の外側から囲繞して内部に該周壁部14aを嵌合させる弾性変形可能なCリング部31と、Cリング部31から径方向の外側に向けて突設された把持片32と、を備えている。
このストッパ30は、注出部材10の連結環13とスライド筒20のフランジ部22との間に配置されており、先に述べたように、容器本体2側に向けたスライド筒20のスライド移動を規制している。なお、把持片32は、Cリング部31の開口部分31aに対して容器軸Oを挟んだ反対側に位置するように形成されている。
【0028】
(詰め替え容器の使用)
次に、上述したように構成された詰め替え容器1から本容器40に内容物を詰め替える方法について説明する。
【0029】
まず、詰め替え容器1を倒立姿勢にすると共に本容器40を正立姿勢にした状態で、詰め替え容器1を本容器40の上方に配置させる。そして、詰め替え容器1と本容器40とを位置合わせしながら相対的に容器軸O方向に接近移動させ、図3に示すように、注出部材10の注出筒14の上端部分及びスライド筒20のスライド筒本体21を本容器40の注入口部41内に挿入すると共に、スライド筒20のフランジ部22を注入口部41の開口端縁に当接させる。
これにより、スライド筒20を注入口部41に連結させることができ、詰め替え容器1と本容器40とを組み合わせることができる。特に、スライド筒20のフランジ部22が注入口部41の開口端縁に当接すると共にガイドリブ23が注入口部41に内接するので、上記連結を安定させることができる。
【0030】
ここで本実施形態では、上述したように詰め替え容器1を倒立姿勢とすることで、詰め替え容器1における上下が反転することとなり、倒立姿勢の詰め替え容器1において、容器軸O方向に沿ったスライド筒20側が下側、容器本体2側が上側となる。
また、詰め替え容器1の注出孔15及び空気導入孔16は共にスライド筒20によって閉塞(例えば、液密、気密に密閉)されていることから、詰め替え容器1を倒立姿勢としても、容器本体2内の内容物がこれら注出孔15及び空気導入孔16を通して流出することはない。
【0031】
そして、詰め替え容器1と本容器40とを組み合わせた後、把持片32を利用してストッパ30を注出部材10の注出筒14から取り外して、スライド筒20のスライド移動の規制を解除する。そして、図4に示すように、詰め替え容器1の容器本体2と本容器40とを容器軸O方向に沿って相対的に接近移動させる。これにより、注入口部41に連結されているスライド筒20を注出筒14に対して容器本体2側にスライド移動させることができ、注出筒14の上端部分をスライド筒20よりも本容器40の内部に移動させることができる。そのため、スライド筒20によって閉塞されていた注出筒14の注出孔15及び空気導入孔16は共に開放される。
【0032】
従って、詰め替え容器1の容器本体2内と本容器40内とが、注出孔15及び注出路R1を通じて連通するので、詰め替え容器1の容器本体2内に収容されている内容物をこの注出路R1を通じて本容器40内に注出することができ(図4に示す矢印A)、内容物を詰め替え容器1から本容器40に詰め替えることができる。
【0033】
ところで上記詰め替え時、空気導入孔16及び空気導入路R2を通じて、詰め替え容器1の容器本体2内と本容器40内とも連通するが、この空気導入路R2の流路断面積は注出筒14に設けられた区画壁17によって上記した注出路R1よりも小さく設計されている。そのため、空気導入路R2よりも注出路R1を優先させて内容物を流動させることができ、上記したように注出路R1を利用して詰め替え作業を行うことができる。また、このことによって、空気導入路R2を利用して本容器40内の空気を詰め替え容器1側にスムーズに流動させて空気置換(図4に示す矢印B)を良好に行うことができる。
【0034】
その結果、内容物の詰め替え作業を抵抗少なく容易に行うことができる。特に内容物が高粘度のクリーム状である場合には、内容物が空気導入路R2よりも流路断面積の大きい注出路R1側に流動し易いと考えられるので、上記作用効果を顕著に奏効させることができる。
しかも本実施形態の場合には、空気導入路R2の流路断面積が注出路R1のそれよりも小さいことに加え、空気導入孔16の開口面積が注出孔15のそれよりも小さいので、詰め替え時に、内容物をより優先的に注出路R1を通じて本容器40側に流動させ易いうえ、空気導入路R2を利用して空気置換をよりスムーズに行い易い。
【0035】
なお、詰め替え容器1の容器本体2と本容器40とを相対的に接近移動させ続けると、注出部材10の連結環13とスライド筒20のフランジ部22とが当接するので、接近移動が規制される。
【0036】
上述したように、本実施形態の詰め替え容器1によれば、スライド筒20を注入口部41に連結させた状態で詰め替え容器1と本容器40とを組み合わせた後、容器本体2と本容器40とを容器軸O方向に沿って相対的に接近移動させるという簡便な作業によって内容物を詰め替えることができるので、詰め替え作業の容易化を図ることができる。
また、詰め替え時、スライド筒20のフランジ部22を注入口部41の開口端縁に当接させているので、倒立姿勢となった詰め替え容器1を安定状態で本容器40に組み合わせることができると共に、スライド筒20のガイドリブ23を注入口部41に内接させるので、詰め替え容器1と本容器40とを径方向に位置ずれさせることなく組み合わせることができる。従って、これらのことから内容物がこぼれるのを効果的に抑制することができる。
【0037】
更に、詰め替え容器1の開封と同時に内容物を本容器40内に詰め替えることができるので、本容器40を倒立姿勢にすることなく詰め替え作業を行うことが可能になり、例えば本容器40内の内容物が残留している場合であっても内容物の詰め替え作業を行うことができる。
【0038】
また、図1に示すように、注出部材10の注出筒14にストッパ30が装着されてスライド筒20の下方移動を規制しているので、仮に流通段階等で詰め替え容器1に不意に外力が加えられたとしても、スライド筒20のスライド移動を規制して注出孔15及び空気導入孔16が開放されてしまうことを抑えることが可能になり、詰め替え容器1が不意に開封されるのを抑制することができる。
【0039】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【0040】
例えば、容器本体2や本容器40をスクイズ変形可能に薄肉に形成し、スクイズ変形させながら詰め替え作業を行っても構わない。
また、空気導入孔16の開口面積を注出孔15の開口面積よりも小さく形成した場合を例に挙げたが、この場合に限られるものではなく、同じ開口面積であっても構わないし、注出孔15の開口面積よりも大きく形成しても構わない。これらの場合であっても、区画壁17によって空気導入路R2の流路断面積の方が注出路R1の流路断面積よりも小さいので、空気導入路R2を利用して空気置換を確実に行いながら内容物を注出路R1に優先的に流動させることができ、詰め替え作業を簡便に行うことができる。但し、空気導入孔16の開口面積を注出孔15の開口面積よりも小さくすることが好ましい。
【0041】
また、区画壁17は板状に形成したが、例えば横断面視円弧状やS字状に形成しても構わない。いずれの形状であっても、注出筒14の内部空間を注出路R1と空気導入路R2とに区画し、空気導入路R2の流路断面積の方が注出路R1の流路断面積よりも小さくなれば構わない。
【0042】
また、上記実施形態では、外筒部11を介して注出部材10を容器本体2の口部2aに対して螺着させた構成としたが、螺着に限られるものではなく口部2aに対して装着できれば良い。例えば、アンダーカット嵌合やその他の方法等により装着させても構わない。
また、Cリング部31を利用してストッパ30を注出部材10の注出筒14に嵌合させた構成としたが、注出部材10やスライド筒20と一体成形されていても構わない。この場合には、例えば弱化部等の容易破断部を介してストッパを一体成形し、容易破断部を破断しながらストッパを切り離すことで、スライド筒20のスライド移動の規制を解除する等の構成を採用すれば良い。
【符号の説明】
【0043】
O…容器軸
R1…注出路
R2…空気導入路
1…詰め替え容器
2…容器本体
2a…容器本体の口部
10…注出部材(基筒部材)
11…外筒部(装着筒)
14…注出筒
15…注出孔
16…空気導入孔
17…区画壁
20…スライド筒(蓋筒部材)
30…ストッパ(規制部材)
40…本容器
41…本容器の注入口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、
該容器本体の口部に装着される装着筒、及び注出孔が形成された注出筒を有する基筒部材と、
前記注出筒に容器軸方向にスライド移動自在に装着され、前記注出孔を閉塞すると共に前記本容器の注入口部に連結される蓋筒部材と、を備え、
前記蓋筒部材は、前記注出筒に対して前記容器本体側に前記スライド移動させられたときに前記注出孔を開放し、
前記注出筒には、側方に向けて開口する空気導入孔が形成されると共に、該注出筒の内部を、前記注出孔に直結する注出路と、前記空気導入孔に直結し且つ前記注出路よりも流路断面積が小さい空気導入路と、に区画する区画壁が前記容器軸方向に延設されていることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項2】
請求項1に記載の詰め替え容器において、
前記空気導入孔は、前記注出孔よりも開口面積が小さいことを特徴とする詰め替え容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の詰め替え容器において、
前記注出筒に離脱可能に装着され、前記容器本体側に向けた前記蓋筒部材の前記スライド移動を規制する規制部材を備えていることを特徴とする詰め替え容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−210955(P2012−210955A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76970(P2011−76970)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】