説明

誘導灯装置

【課題】本発明によれば、点検システムに対応する機種であっても各部品を効率的に配置することが可能であるとともに伝送信号がノイズの影響を受け難くなる誘導灯装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態によれば、伝送端子Dを基板用端子台T及びトランスTrやトランジスタQ等の強電系部品が配設される領域である一方側71Aと異なる領域である他方側71Bに設けているので、電源線に重畳される電源ノイズや点灯回路におけるスイッチングノイズの影響を伝送信号が受け難くなっており、制御装置91との点検信号の送受信の信頼性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点検を要する誘導灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、誘導灯装置は、常時は、商用電源からの電力によりバッテリの充電が行われ、そして、商用電源からの電源の給電が遮断された非常時には、バッテリからの給電により光源が点灯するようになっている。
【0003】
このような誘導灯装置は、非常時において人を誘導できるよう確実に光源が点灯することが最も重要であるので、定期的に諸事項を点検することが義務付けられているものである。
【0004】
この定期的に点検を行う事項の一つにバッテリからの電力供給によって所定時間(例えば20分間)光源が点灯するかという点検(以下、「点検モード」という。)を誘導灯の点検スイッチを操作することで行うことが知られている。
【0005】
また、同じく点検モードを実施する形態として、複数の誘導灯装置を制御装置と通信可能とし、制御装置から各誘導灯装置に点検命令を送信し、各誘導灯装置が自動的に一定時間非常用電源で点灯させる点検動作を行い、制御装置が各誘導灯装置の状態を監視して各照明器具毎に個別の履歴として記録する点検システムも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−182661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のような誘導灯装置は、外部の制御装置からの点検命令の信号や点検結果を送信するために伝送線を接続する伝送端子を有することになる。
【0008】
一方、誘導灯装置の器具内スペースは、点灯回路、バッテリ、外部からの電源が供給される電源ケーブルを接続するための端子台及び充電状態を報知するためのモニターランプ等を収納することが必要であるため、省スペースであるが多くの部品をできるように部品のレイアウトを工夫することが重要である。
【0009】
また、誘導灯装置には背景技術の欄の前段に記載したような点検スイッチによって点検モードを実施する機種と、前記点検モードの機能に加えて特許文献1に記載のような制御装置との伝送接続による点検システムを可能とする機種が存在する。そこで、例えば、部品のレイアウトの検討において、一般的に数量が多く出る自己の装置のみで点検モードが実施できる点検モード専用機種の部品配置をベースに点検システム対応機種の部品配置を検討することが考えられる。このようにすると部品の共通化等が図れるため製造上有益となるためである。
【0010】
しかしながら、点検システム対応機種において、点検モード専用機種の部品レイアウトをそのまま用いて伝送端子だけを追加しようとすると、伝送端子を実装できる空きスペースが限られているので、装置本体内に設けられている端子台や点灯ユニットの電源端子の近傍に配置することになる場合があった。特に、一般にC級と称されるタイプの大きさの誘導灯装置においては部品を配置できるスペースが非常に限られているので上記現象が生じることがある。
【0011】
そして、このように伝送端子を端子台や電源端子の近傍に配置してしまうと、外部電源の影響による電源ノイズや点灯回路のスイッチング素子等の影響による内部ノイズが伝送端子に接続されている伝送線に重畳されやすくなり、制御装置との信号のやり取りに支障をきたす虞があった。
【0012】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、点検システムに対応する機種であっても各部品を効率的に配置することが可能であるとともに伝送信号がノイズの影響を受け難くなる誘導灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載の誘導灯装置は、光源と;光源を点灯する点灯回路と;停電時または点検時に点灯回路に電源を供給するバッテリと;外部からの信号入力によってバッテリからの給電で光源を点灯させる点検モードとなるように制御する点検制御部と;外部電源からの電源供給のための電源端子、点灯回路の一部を構成する強電系部品と弱電系部品、バッテリと点灯回路とを電気的に接続するためのバッテリ端子、光源と点灯回路とを電気的に接続するための光源端子及び外部からの信号を点検制御部に入力するための伝送端子を備える基板を有し、弱電系部品、バッテリ端子、光源端子及び伝送端子は、電源端子及び強電系部品が配設される領域と異なる基板領域に設けられるとともに、弱電系部品、バッテリ端子、光源端子及び伝送端子が設けられる側の基板領域は、バッテリを対向して配設することが可能となるバッテリ収納領域が形成されている基板ユニットと;を具備することを特徴とする。
【0014】
光源は、例えば、蛍光ランプ、白熱電球、半導体発光素子である発光ダイオードや有機ELなどのいずれでもよい。バッテリは、例えば、充電可能な電池が用いられる。常時とは商用電源などの通常電源が供給されているときであり、非常時とは通常電源の停電時などである。点灯制御部は、常用電源とバッテリとのいずれの電力でも光源を点灯でき、非常時および点検指令時に通常電源からバッテリに切り換えて光源を点灯させる。
【0015】
点検制御部は、誘導灯装置に対して予め設定されたスケジュールに基づいた点検指令などを含む指令を与える制御装置と有線又は無線によって通信可能となるように設けられるものである。また、点検制御部は、前記制御装置からの点検信号開始の信号を受信するだけではなく、点検結果や自己の点灯回路の状態、光源の状態等の情報を制御装置側に送信することもできるものであってもよい。なお、誘導灯装置自体に設けられた点検を開始するためのスイッチ等による指令によって、点検モードを実施することができる機能を有するものであってもよい。
【0016】
基板ユニットの基板は、片面実装方式、両面実装方式又は多層方式等のいずれの方式でもよいが、配置スペースを有効的に活用するためには両面実装や多層方式であるものを用いると好適である。また、基板には各部品や端子等を接続する回路パターンが適宜設けられているものである。
【0017】
なお、基板ユニットに設けられる伝送端子は、誘導灯装置に設けられる外部電源を供給するための電源ケーブルが接続される端子台からも離間する位置に配設されることが好適である。
【0018】
本発明によれば、誘導灯装置において、外部の制御装置からの信号を受信すると点検制御がバッテリの点検モードを実施し、その結果を制御装置に送信したり自己の点検結果報知用のモニターランプ等に出力する。
【0019】
請求項2記載の誘導灯装置は、請求項1記載の誘導灯装置において、電源端子、バッテリ端子、光源端子及び伝送端子は、基板ユニットの一方側の外縁部に設けられているとともに、電源端子と伝送端子とが最も離間するように設けられていることを特徴とする。
【0020】
本発明において、より好適であるのは、誘導灯装置内の端子台と電源端子とが近接して設けられ、伝送端子は端子台からも離間するように配設されることである。このように配置することができれば、商用電源側から端子台に接続される電源ケーブルや端子台と電源端子とを接続する配線と伝送用の配線とを離間して器具内に配設することができるため、伝送信号の信頼性を向上することが容易となる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の誘導灯装置によれば、伝送端子を電源端子及び強電系部品が配設される領域と異なる基板領域に設け、また、弱電系部品、バッテリ端子、光源端子及び伝送端子が設けられる側の基板領域にバッテリを対向して配設することができるため、誘導灯装置内が省スペースであっても各部品を好適に配置することができるとともに、伝送信号が電源ノイズや点灯回路からのノイズの影響を受け難く、点検信号の送受信を効率的に実施することができる。
【0022】
請求項2記載の誘導灯装置によれば、電源端子、バッテリ端子、光源端子及び伝送端子は、基板ユニットの一方側の外縁部に設けられているとともに、電源端子と伝送端子とが最も離間するように設けられているため、器具内の配線処理が複雑にならず作業性が向上し、かつ、伝送を用いる点検システムにおけるノイズによる不具合をより生じ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態の誘導灯と制御装置との関係を示す説明図
【図2】本実施形態の誘導灯を示す斜視図
【図3】本実施形態の誘導灯本体と表示体とを分解して示す斜視図
【図4】本実施形態の表示体を分解して示す斜視図
【図5】本実施形態の点灯装置の点灯部品の状態を示す斜視図
【図6】本実施形態の点灯装置の点灯部品の状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る照明装置について図1ないし図6を参照して説明する。図1は本実施形態の誘導灯装置と制御装置との関係を示す説明図、図2は誘導灯装置を示す斜視図、図3は誘導灯本体と表示体とを分解して示す斜視図、図4は表示体を分解して示す斜視図、図5は点灯装置の点灯部品の状態を示す斜視図、図6は点灯装置の点灯部品の状態を示す側面図である。
【0025】
図1において、9は誘導灯点検システムで、この誘導灯点検システム9は、屋内施設内に設けられているものであって、制御装置91と、複数の誘導灯装置である誘導灯1とこれら制御装置91と誘導灯1とを接続する伝送線92とを備えている。
【0026】
図1、2において、誘導灯装置である誘導灯1は、天井面や垂直な壁面等の設置面に設置されて使用可能なように構成されている。そして、誘導灯1は、誘導灯本体2と、この誘導灯本体2に装着される表示体3とから構成されている。また、誘導灯本体2は、本体ケース4、光源ユニット5、端子台6、点灯回路である点灯装置7及びバッテリ8を備えている。
【0027】
図3に示すように、誘導灯本体2は、正面背面方向の寸法、つまり、厚さ寸法が小さく正面側を開口部41とした扁平な箱状の本体ケース4を備え、この本体ケース4の内側に光源ユニット5、端子台6、点灯装置7等が配設されている。そして、本体ケース4は絶縁性を有する白色の合成樹脂にて一体に形成され、四角形板状の背面部42、上面部43、下面部44及び両側の側面部45を有し、上面部43、下面部44及び両側の側面部45とで四角形枠状に形成されている。
【0028】
上面部43には、円孔状の電源線導入口46が略中央部に位置して形成されているまた、同様に、背面部42の略中央部上側にも図示しない円孔状の電源線導入口が形成されているとともに、この電源線導入口の両側に位置して、図示しない取付孔が形成されている。これら上面部43及び背面部42に形成した電源線導入口46、取付孔47は、誘導灯1を天井面や壁面等の設置面に選択的に設置するために用いられるものであり、容易に開口可能なノックアウト構造となっている。
【0029】
表示体3は、図4に示すように、誘導灯本体2に着脱可能に取り付けられるカバー体31、このカバー体31に取り付けられる表示板32および導光板33を備えている。
【0030】
カバー体31には、誘導灯本体12の上面部の図示しない表示体嵌合部に嵌り込むとともに光源部5を覆う上部の光源カバー部34、誘導灯本体2の底面部44に嵌り込んで誘導灯本体2の下面に重なり合う下部の略L字形の重なり部35および誘導灯本体2の両側面部45の図示しない表示体嵌合部に嵌り込む側面部36が一体に形成されている。さらに、カバー体31の光源カバー部34と重なり部35と側面部36との間に表示板32および導光板33が嵌め込まれる収納凹部37が形成され、この収納凹部37の奥側の面を覆って背面部である仕切板38が形成されている。
【0031】
表示板32は、透光性を有し、避難誘導の図柄などが表示されており、両側および下側に導光板33を嵌め込む縁部32Aが形成されている。また、縁部32Aにはカバー体31の図示しない各係止爪に係止可能とする複数の係合孔32Bが形成されている。
【0032】
また、導光板33は、上面を光源からの光の入射面33Aとし、表示板32に対向する面を導光した光の出射面33Bとしている。また、導光板33は、入射部33Aから下側へ近づくほど上下方向と直交する方向の厚さ寸法が小さくなるように光出射面33Bと対向する背面側33Cが傾斜状で形成されている。
【0033】
そして、導光板33を組み込んだ表示板32の上端をカバー体31の差込溝39に斜め下方から差し込み、表示板32の上部の段部を光源カバー部34の下部に係合させ、表示板32の下側を回動させてカバー体31の収納凹部37に嵌め込まれている。表示板32が収納凹部37に嵌め込まれた状態では、表示板32の各係合孔32Bが収納凹部37の各係止爪に係着され、その嵌め込まれた状態に係止されている。
【0034】
光源部である光源ユニット5は、光源としてLEDチップが用いられ、複数のLEDチップが表面実装された基板と、この基板を保持する基板取付ホルダとを備えている。基板は、細長状に形成されており、LEDチップが実装された面を下方に向けた状態で本体ケース4の上部に取付けられている。したがって、LEDチップから出射された光は、導光板33の入射面33Aに入射するようになっている。
【0035】
端子台6は、略四角形の箱状に形成されて背面部42の取付孔の下側に位置して取付けられており、電源線導入口46から導入される外部の電源線や内部の配線コード等の芯線が挿入される挿入部61と、後術の点灯装置7の電源端子である基板用端子台Tと端子台6とを配線によって接続するための接続部62を有している。
【0036】
点灯装置7は、通常用、非常用兼用ユニットであり、電源線を介して通常電源としての例えば商用交流100Vに接続されているとともに、非常用電源としてのバッテリ8に接続され、これら通常電源あるいはバッテリ8の電力で光源ユニット5のLEDを点灯させる。すなわち、基本的には通常時に、電源線を介して供給される通常電源の電力で、光源ユニット5を常時点灯させるとともに、バッテリ8を充電し、通常電源の停電を検出すると、バッテリ8の電力で光源ユニット5を点灯させるように構成されている。また、点灯装置7は、制御装置92を構成する2芯の通信線に接続される後述の伝送端子Dを通じて制御装置91と通信可能としている。
【0037】
そして、点灯装置7は、詳細な図示をしていないが、通常電源またはバッテリ8の電力で光源ユニット5を点灯させる点灯回路、通常電源の停電を検出する停電検出部、点灯回路を制御するとともに制御装置91との通信処理も行う点検制御部であるマイコンIC、誘導灯1の固有のアドレスや誘導灯1の状態などを記憶する誘導灯側記憶部及び外部からのリモコン操作によるアドレスなどの設定や点検を可能とするリモコン受信部などを備えている。なお、マイコンICは、制御装置91から点検指令を受信して自動的に点検モードによる点検動作し、点検結果を含む誘導灯1の状態を送信する機能を有している。
【0038】
そして、このマイコンICは、通信手段12を介して接続された誘導灯1について、常時異常の監視を行うとともに、プログラムされたスケジュールに従い、あるいは手動操作により、各誘導灯1を自動的に順番に週間点検、定期点検などの点検を行い、履歴情報を記録するとともに、異常があれば図示しない表示部に表示する。すなわち、このマイコンICは、各誘導灯1について、光源ユニット5の寿命、不点灯、バッテリ8の異常、点灯回路の異常、及び通信手段の異常を監視する常時監視と、2〜6週間の間隔で設定される週間点検と、3〜12ヶ月の間隔で設定される法定の定期点検とを行い、光源ユニット5の異常、光源ユニット5の寿命、バッテリ8の異常、バッテリ8の寿命、その他の点灯回路などの器具の異常、及び通信異常などを監視し、各誘導灯1毎に履歴情報を記録する。また、監視装置93と接続されているので、監視装置93へ各点検結果や履歴情報を任意に又は定期的に配信可能となっている。
【0039】
次に点灯装置7の構造(基板ユニット)について説明する。点灯装置7は、図5に示すように、基板71にトランスTr、IC、スイッチング素子としてトランジスタQ、電解コンデンサC、電源端子である基板用端子台T、光源端子Cn、バッテリ端子Bt及び伝送端子D等の点灯回路部品72が実装されて構成されている。この基板71には、その両面に点灯部品72が実装されており、表面側には、トランス等の背の高い部品が一方側71Aに集約されて配置されている。また、一方側71Aの基板面には、他の回路部品に比較して比較的背の高いコンデンサ73、74、75が下側に実装されている。一方、裏面には背の低い半導体素子や抵抗素子等が表面実装方式により実装されている。この一方側71Aにはトランス等の背の高い部品が設けられているがこれらは比較的電圧が高い状態で機能する強電系部品であって、かつ発熱部品であることが多い。すなわち、強電系部品が一方側71Aの領域に集約されて配置されている。
【0040】
また他方側71Bの表面側には、点灯回路の主たる回路部品は実装されておらず、回路パターンのみが配線されて構成されている。一方、この他方側71Bの裏面側には伝送機能として動作可能となるように伝送回路を構成する素子Eが実装されている。
【0041】
また、基板71の一方側71Aの上方であって左端側の外縁部71Cには基板用端子台Tが設けられているが、この基板用端子台Tは端子台6と近接するように設けられているものである。そして、他方側71Bの上方の外縁部71Cには、右端側から見て伝送端子D、光源端子Cn、バッテリ端子Btの順で配置されている。
【0042】
また、点灯装置7は、基板用端子台Tと端子台6とを接続することによって電源線に接続され、その出力を光源ユニット5のLEDチップに供給し、常用点灯としてLEDチップを点灯制御するとともにバッテリ8を充電し、電源からの電力が遮断された場合には、バッテリ8の電力に切替えて非常点灯としてLEDチップを点灯するようになっている。さらに、点灯装置7には、図示しない点検スイッチが接続され、点検スイッチの操作によりバッテリ8の充電状態等の点検動作を行うことが可能になっている。加えて、点灯装置7には、リモコン受信部が接続され、リモコンの操作により、点灯装置7を操作し設定作業等を行うことができるようになっている。
【0043】
点灯装置7を収納する合成樹脂製の点灯装置ケース73は、図3に示すように、全体形状が略直方体状に形成され、基板71の背の高い部品が実装された一方側71Aをカバーする第1のカバー部73aと、表面に回路パターンのみが配線された他方側71Bをカバーする図示しない第2のカバー部とを備えている。したがって、第1のカバー部73aは、背の高い部品をカバーするため奥行き寸法が深い箱状をなし、第2のカバー部は、奥行き寸法が浅く形成されて背面側が開口している。そして、正面視、点灯装置ケース73は、第1のカバー部73aと第2のカバー部とで段状を形成している。このような構成により、第2のカバー部の前面側にはスペースSが形成され、このスペースSにバッテリ8が配設されるようになっている。バッテリ8は、充電可能な二次電池が用いられ、バッテリケースに収納されて、前記スペースSに配設される。
【0044】
また、図1で示した監視装置93は、制御装置91とは異なる場所である屋内施設内の管理ルームに設置されているものである。また、監視装置93は、制御装置91に取得された情報に基づいて、複数の誘導灯1の現在状態をネットワーク94を介して取得可能となっている。そして、監視装置93では現在状態一覧、複数の誘導灯1の点検結果を一覧表示する点検結果一覧としての点検実施日一覧等の各種一覧表示機能を有するが、加えて、法定の定期点検等の各種点検において何かしらの異常があった誘導灯1の点検結果を一覧表示する機能を備えている。
【0045】
ここで点検システム9の動作を説明する。制御装置91の指令により、各誘導灯1の動作モードが通常モードと点検モードとに切り換えられる。誘導灯1が通常モードの場合、通常電源が正常な状態では、点灯装置7は通常電源の電力で光源ユニット5を点灯させるとともにバッテリ8を充電させ、また、通常電源が停電したときには、点灯装置7はバッテリ8の電力で光源ユニット5を点灯させる。
【0046】
制御装置91は予め設定されたスケジュールに従って点検指令を該当の誘導灯1に送信し、この点検指令を受信した誘導灯1が通常モードから点検モードに移行する。この点検モードに移行した誘導灯1は、上記のように点検動作を実施して確認した点検結果を誘導灯1から制御装置91に送信し、この制御装置91では誘導灯1毎に個別の履歴として記録する。そして、誘導灯1では、点検モードの完了後に通常モードに復帰する。
【0047】
そして、監視装置93では、制御装置91に記憶されている誘導灯1毎の個別の履歴データをネットワーク94を介して取得し、この履歴データを、自動点検統括表示、現在状態一覧、点検実施日一覧、点検予定日一覧、器具種別一覧、点検結果異常一覧などの各項目毎に振り分けて確認することができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、伝送端子Dを基板用端子台T及びトランスTrやトランジスタQ等の強電系部品が配設される領域である一方側71Aと異なる領域である他方側71Bに設けているので、電源線に重畳される電源ノイズや点灯回路におけるスイッチングノイズの影響を伝送信号が受け難くなっており、制御装置91との点検信号の送受信の信頼性を向上することができる。
【0049】
また、伝送回路やバッテリ端子Bt、光源端子Cn及び伝送端子Dが設けられる側の基板領域である他方側71Bにバッテリ8を対向して配設することができるため、誘導灯1が省スペースであってもバッテリ8や点灯装置7及び伝送端子D等の部品を各部品間の影響によって不具合を生じないように好適に配置することができる(上記の伝送におけるノイズ他、バッテリ8は強電系部品とは異なる領域に対向して配置されているので強電系部品からの熱影響を受けず短寿命化を招かない。)。
【0050】
また、基板用端子台T、バッテリ端子Bt、光源端子Cn及び伝送端子Dは、基板71の一方側の外縁部71Cに設けられているため端子台6と基板用端子台Tを接続する配線作業、光源ユニット5と光源端子Cnとの配線作業及び伝送端子Dと伝送線92との配線作業の各配線方向が同一となるため配線作業が複雑にならない。特に各端子を共通の外縁部71C設けたため、各種の配線が交差することがなく器具内の配線処理も容易となる。
【0051】
また、基板用端子台Tと伝送端子Dとが最も離間するように設けられているとともに、端子台6を点灯装置7の一方側71Aに寄るように本体ケース4内に設け、この端子台6の接続部62が基板用端子台Tと近接しかつ端子台6の挿入部61も前記一方側71Aに寄るように配設しているため電源線や点灯装置7からの各のノイズが伝送端子D及び伝送線に重畳することを効果的に抑制しており、点検システム9の信頼性をより向上することができる。
【符号の説明】
【0052】
1…誘導灯装置である誘導灯、5…光源である光源ユニット、7…点灯回路である点灯装置、8…バッテリ、71…基板、T…電源端子である基板用端子台、Bt…バッテリ端子、Cn…光源端子、D…伝送端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と;
光源を点灯する点灯回路と;
停電時または点検時に点灯回路に電源を供給するバッテリと;
外部からの信号入力によってバッテリからの給電で光源を点灯させる点検モードとなるように制御する点検制御部と;
外部電源からの電源供給のための電源端子、点灯回路の一部を構成する強電系部品と弱電系部品、バッテリと点灯回路とを電気的に接続するためのバッテリ端子、光源と点灯回路とを電気的に接続するための光源端子及び外部からの信号を点検制御部に入力するための伝送端子を備える基板を有し、
弱電系部品、バッテリ端子、光源端子及び伝送端子は、電源端子及び強電系部品が配設される領域と異なる基板領域に設けられるとともに、
弱電系部品、バッテリ端子、光源端子及び伝送端子が設けられる側の基板領域は、バッテリを対向して配設することが可能となるバッテリ収納領域が形成されている基板ユニットと;
を具備することを特徴とする誘導灯装置。
【請求項2】
電源端子、バッテリ端子、光源端子及び伝送端子は、基板ユニットの一方側の外縁部に設けられているとともに、電源端子と伝送端子とが最も離間するように設けられていることを特徴とする請求項1記載の誘導灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−204493(P2011−204493A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71164(P2010−71164)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】