誘導的に加熱されるフロントガラス用ワイパセンブリ
ワイパアセンブリは、誘導加熱部を有するワイパと、ワイパの誘導加熱部を誘導的に加熱するために、ワイパ近くに位置するように構成される誘導ワークコイルを備える誘導加熱装置と有する。ワイパの誘導加熱部は、ワイパブレードの内部、ブレードを支持するワイパアームの内部、または両方にあってもよい。誘導ワークコイルは、フロントガラスまたはワイパにより払拭される他の表面の近くまたはその上に設置されてもよいし、ワイパの位置に関係なくまたはワイパがその退避“レスト”位置などの特定の位置にある時のみにワイパを加熱するようにしてもよい。また、ワイパアセンブリは、ワイパの現在の温度を感知するための温度センサと、ワークコイルの稼働を制御するための誘導加熱装置に対応した制御回路を具備していてもよい。誘導加熱装置の制御回路は、温度センサからワイパの現在の温度を遠隔的に読み取り、ワイパの温度が特定の温度設定ポイントを下回った時はいつでも自動的にワークコイルを作動させ、またワイパの温度が他の温度設定ポイントを上回った時はいつでも自動的に誘導ワークコイルを停止させる、閉ループ温度フィードバック制御システムを有していてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年08月09日付けの仮特許出願 60/836,451の利益を請求し、この仮特許出願は、参照番号によって本明細書に組み込まれている。また、本出願は、2007年01月02日付け出願の正規特許出願 11/619,066に対応し、参照番号によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、フロントガラス用ワイパおよびその他のワイパアセンブリに関する。特に、本発明は、誘導に加熱されるワイパアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
フロントガラス用ワイパアセンブリは、ワイパアセンブリ及びフロントガラスに堆積する氷雪によってしばしばその動きが妨害される。低温も、しばしば、ウォッシャ液ラインを凍結させて障害となり、また、ワイパブレードを硬化させたわみにくくする。これら状態の全ては、ワイパアセンブリの効果を大幅に低減し、危険な車両操作を招く可能性がある。
【0004】
上記問題を回避するために、フロントガラス用ワイパアセンブリおよび/またはフロントガラスを加熱する多くの試みが成されてきたが、このような試みは、部分的な効果があるにすぎなかった。例えば、ある先行技術では、車両のエンジン室または他の熱源から、車両のフロントガラスまたはワイパアセンブリに向けて、加熱された空気を送る試みがなされた。残念ながら、この試みでは、フロントガラス及びワイパアセンブリに空気が送られる前に空気を十分に加熱するために、車両のエンジンを長時間稼働させ、余分な熱を発生させる必要がある。それゆえこの試みは、最初に車を始動させる時には効果的でなく、無駄なエンジンの空吹かしを必要とし、また、加熱された空気をフロントガラスおよび/またはワイパアセンブリに送るためにうるさいファンの使用を必要とする。さらに、この試みは、加熱された空気の送出をワイパアセンブリの実際の温度に基づいて自動的に制御する手段が無く、結果的にしばしばワイパアセンブリの加熱不足または加熱過剰を招く。
【0005】
他の先行技術では、車両のバッテリまたは太陽電池などの他の電力源によって作動される電気作動型の抵抗発熱体によりワイパアセンブリを放射的に加熱する試みがなされてきた。残念ながら、この試みは、ダメージを受けやすい不格好に露出した配線を必要とする。
【0006】
このように、フロントガラス用ワイパアセンブリおよび他のワイパアセンブリを加熱するための、改良された手段が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記記載の問題点を解消し、並びに、フロントガラス用ワイパおよびワイパ加熱方法の技術分野において著しい改善を提供するものである。より具体的には、本発明は、露出した配線およびうるさいファンを用いること無しで、ワイパアセンブリの効果的かつほぼ即時の加熱を提供する。また、本発明の実施形態は、ワイパアセンブリの温度を所望の範囲に自動的に維持する効果的な手段を提供する。最も重要なことには、本発明の実施形態は、氷がすでにフロントガラスの可視性を損なわせ始めた後に、単に除氷するのではなく、ワイパの氷結自動防止を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの形態に従って構築されるワイパアセンブリは、誘導加熱部を有するワイパ、および、誘導ワークコイルがワイパ近くに位置するように構成され、ワイパの誘導加熱部を誘導的に加熱する磁気誘導加熱装置を有する。ワイパの誘導加熱部は、ワイパスキージブレードの内部、ワイパブレードに取り付けられたフレームの内部、ワイパスキージブレードが取り付けられたスプラインの内部または上、ブレードを支持するワイパアームの上または内部、または上記全てにあってもよい。誘導ワークコイルは、フロントガラスまたはワイパにより払拭される他の面の近くまたは上に位置させることが可能であり、ワイパの位置に関係なくまたはワイパが退避した“レスト”位置などの特定の位置にある時のみにワイパを加熱することができる。
【0009】
ワイパアセンブリは、また、ワイパの現在の温度を検出するための温度センサ、およびワークコイルの稼働を制御するための誘導加熱装置内の制御回路を具備してもよい。制御回路は、誘導コイルを作動させるために操作されなければならない単純な手動スイッチでもよいし、また、温度センサからワイパの現在の温度を読み出し、ワイパの温度が特定の温度設定ポイント(35°Fなど)を下回った時はいつでも自動的にワークコイルを作動させ、また、ワイパの温度が他の温度設定ポイント(50°Fなど)を上回った時はいつでも自動的に誘導ワークコイルを停止させるコントローラ、を有する閉ループ温度フィードバック制御システムを具備していてもよい。さらに、稼働は、湿度および/または車両スピードなどの他の氷形成変数を検出することで自動的に開始されてもよい。閉ループ温度フィードバックシステムは、ワイパの温度に応じて誘導ワークコイルからの出力を制御するための、RFIDタグ技術、マイクロワイヤ技術、インピーダンス検出フィードバック技術、または他のワイヤレス技術、を活用することが可能である。
【0010】
本発明の他の形態は、ワイパ、ワイパの一部に接触するよう位置するサセプタコイル、および誘導ワークコイルがワイパの近くに位置するよう構成され、サセプタコイル内に電流を誘導する磁気誘導加熱装置を有することを特徴とする誘導加熱ワイパアセンブリである。サセプタコイル自体が、誘導電流を熱に変換する抵抗素子であってもよく、または誘導電流を熱に変換するための抵抗加熱素子と結合されてもよい。サセプタコイルは、ワークコイル場に近接する時にはエネルギを蓄積し、サセプタコイルがワークコイルに近接しない時には加熱させる、エネルギ蓄積装置(コンデンサやバッテリなどのような)を付加的に含んでいてもよい。前述の実施形態と同様に、ワイパアセンブリは、ワイパの現在の温度を検出する温度センサ、および誘導加熱装置またそのワークコイルの稼働を制御するための制御回路を有してもよい。制御回路は、上述のような、単純なスイッチまたは閉ループ温度フィードバック制御システムであってもよい。
【0011】
本発明のこれらのおよび他の重要な態様は、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の好適実施形態を、添付の図面に関連して以下に詳細に説明する。
【図1】発明の実施形態により構築され、車両フロントガラスまたは他の面に取り付けられている様子を示す誘導加熱ワイパアセンブリの概略図である。
【図2】誘導加熱可能材料の存在を示す陰影部を有する誘導加熱ワイパアセンブリのワイパ部分の概略図である。
【図3】誘導加熱可能材料の存在を示す陰影部を有する誘導加熱ワイパアセンブリのワイパ部分の別の概略図である。
【図4】誘導加熱可能材料の存在を示す陰影部を有する誘導加熱ワイパアセンブリのワイパ部分の別の概略図である。
【図5】誘導加熱可能材料の存在を示す陰影部を有する誘導加熱ワイパアセンブリのワイパ部分の別の概略図である。
【図6】誘導ワークコイルの可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図7】誘導ワークコイルの別の可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図8】誘導ワークコイルの別の可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図9】誘導ワークコイルの別の可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図10】温度センサの可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図11】温度センサの可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図12】温度センサのいくつかの可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図13】閉ループ温度フィードバック制御システムを有する誘導加熱ワイパアセンブリの一実施形態の概略図である。
【図14】本発明の別の実施形態により構築され、車両フロントガラスまたは他の表面に取り付けられた誘導加熱ワイパアセンブリの概略図である。
【図15】図13に示される誘導加熱ワイパアセンブリの別の実施形態の概略図である。
【図16】エネルギ蓄積装置を有するサセプタを描写する別の実施形態の概略図である。 図面は、本発明を、ここに図示および開示された特定の実施形態に限定するものではない。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、その代りに、本発明の原理を明確に図示することに重点を置く。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明は、本発明が実施される特定の実施形態を図示する添付の図面を参照する。本実施形態は、当業者が本発明を実施可能な程度に十分に詳細に、本発明の態様を説明することが意図される。他の実施形態が使用可能であり、本実施形態の意図する範囲から逸脱すること無しに、変更が可能である。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味でなされるものではない。本発明の範囲は、請求範囲が権利を与えられる均等のものの包括範囲と共に、添付の請求範囲によって規定される。
【0014】
ここで、図面、特に、図1に戻って、本発明の実施形態により構築され誘導的に加熱されるワイパアセンブリ10が図示され、フロントガラス12、または払拭されるべき、もしくはワイパアセンブリによって払拭される他の面と共に示される。ワイパアセンブリ10は、車両のフロントガラスでの使用に特に適しているが、雪や氷が堆積したり、または低温の中で稼働されたりする、いかなる面で使用されてもよい。
【0015】
図1に示すワイパアセンブリ10の実施形態は、誘導加熱部を有するワイパ14、および対応する誘導ワークコイル16を有する磁気誘導加熱装置18を広義には有する。以下でより詳細に述べるが、磁気誘導加熱装置18およびそれに対応する誘導ワークコイル16は、ワイパ14の誘導加熱部を誘導的に加熱し、ワイパ上または周辺への雪や氷の堆積を防ぎ、またワイパが硬化し、たわまなくなることを防ぐ。誘導加熱装置18内の制御回路は、誘導ワークコイル16への電流出力、そしてワイパへ転送される電力、を制御し、その結果、ワイパ14の温度を所望の温度範囲に保つ。
【0016】
全ての形態は、何らかの形態の無線温度フィードバックを使用する。使用される無線フィードバックの主要形態は、RFID温度フィードバック、マイクロワイヤ温度フィードバック、インピーダンス検出フィードバック、およびPacholokの特許出願「RFID 質問機/誘導加熱システム」(“RFID Interrogator/Induction heating system”)米国特許出願11/496,683により開示される方法である。RFID温度フィードバックシステムは、米国特許第6,320,169号 および 同6,953,919号に詳細に説明されている。マイクロワイヤ温度システムおよびフィードバック制御システムでのその使用は、米国特許出願11/619,066に詳細に説明されている。インピーダンス検出フィードバックシステムは、米国特許第6,232,585号に詳細に説明されている。これらの特許および特許出願は、本明細書に参照番号によって組み込まれている。
【0017】
より詳しくは、ワイパ14自体は、大部分が従来的であり、ワイパブレード20、および面12に接触してブレードを支持するための、また面上でブレードを動かすためのワイパアーム22を有する。ワイパブレード20は、ゴムまたは同様な柔軟な材料からの形成が可能であり、基本的にスキージとして働く。ワイパブレード20は、従来のワイパアセンブリのように金属またはプラスチックのブラケットまたはフレームによってワイパアーム22に支持されてもよく、またはブレードの骨格として機能する金属帯またはスプラインにブレードが取り付けられる新しい“ブラケット無し”のデザインのものでもよい。ブラケット無しワイパブレードの例は、Trico製のNeoform(商標)、Bosch製のIcon(商標)、Anco製のConto´ur(商標)がある。ワイパ14は、また、ワイパブレード20およびワイパアーム22を従来通りに面12上で動かすための、対応する支持構造、ギア、およびモータを有していてもよい。車両で使用される時、2つまたはそれ以上のワイパ14が設けられてもよく、また、ワイパは、1つの誘導ワークコイルまたは別々のワークコイルにより加熱されてもよい。
【0018】
ワイパ14の誘導加熱部は、ワイパブレード20、ワイパアーム22、ワイパブレードの金属帯またはスプライン、またはワイパ上の他の場所、の内部または上にあってもよい。例えば、図2の陰影部により描かれるように、ワイパブレード20全体またはその一部が、誘導加熱可能材料から形成されてもよい。これは、ワイパの、フロントガラスまたは他の面12に直に接触する部分を加熱することになる。また、ワイパアーム22全体またはその一部が、図3の陰影部により図示されるように誘導加熱可能材料で形成されてもよい。これは、アーム22を通るウォッシャー液ライン26が凍結しないようにする。別の実施形態では、ワイパブレード20およびワイパアーム22の両方、またはそれらの一部が、図4に図示されるように、誘導加熱可能材料で形成されてもよい。これは、ワイパの、フロントガラスに直接接触する部分とウォッシャー液ラインを担う部分との両方を加熱する。さらに、別の実施形態では、誘導加熱可能挿入物26が、図5に図示されるように、ワイパブレードに組み込まれてもいいし、他の方法で取り付けられてもよい。これは、ワイパブレード20の加熱を可能にする一方、ワイパブレードの大部分を従来のエラストマ材料で形成することを可能にする。
【0019】
これら全てまた他の形態において、誘導加熱部は、本明細書に参照番号によって組み入れられる、米国特許第6,657,170号に記載される材料などから作られることが可能である。この材料は、黒鉛、金属、また他の熱保持性の材料を含みうる。エラストマおよびフロントガラス用ワイパブレードに一般的に見られる他の材料など、他の材料が加えられてもよい。
【0020】
また、誘導加熱部は、“サセプタコイル”、基板材料(好ましくは、カプトン、マイラ、または他の高温ポリマ)上または加熱されるべき表面上に直接(つまり、スキージの表面または内部など)プリントされる、一般的には銅または黒鉛配線からなり、“サセプタコイル”は、導電材料で形成され、一対の端子コイルエンドを有する連続的なコイルおよび、回路を完成するために前記端子エンド間を動作可能につなぐ導電性アセンブリであり、前記導電性アセンブリはスイッチ部を有する。このサセプタコイルは、その誘導電流(隣接するワークコイルから伝達されたエネルギ)を熱エネルギに変換し、サセプタコイルおよびサセプタコイルと熱的接触する対象物を加熱する。このサセプタコイルは、誘導ワークコイルから最も効果的なエネルギ伝達を可能にするように、そのインピーダンスを調節するために、その連続するコイル回路内にコンデンサを有してもよい。さらに、サセプタコイル回路内に、連続するコイルを開放し、これによりいかなる誘導電流もサセプタコイルを貫流するのを防ぐことができる温度フューズ、または他の温度安全スイッチを有してもよい。この“サセプタコイル”は、米国特許第6,504,135号および米国特許出願11/603860「誘導加熱システム用共振型可制御サセプタ、これを組み込んだ誘導加熱システム、および方法」(“Resonant Controllable Susceptor for Induction Heating System, Induction Heating System Incorporating Same, and method”)に記載されており、両者とも本明細書に参照番号によって組み込まれている。
【0021】
サセプタコイルが、加熱されるワイパ表面に接着されるフレキシブル基板上に作られている場合、サセプタコイルは、フレキシブル回路基板が製造される標準的な方法、例えばエッチングなどにより製造可能である。サセプタコイルが、スキージ、スプライン、またはワイパアームの表面上に直にプリントされる場合、エッチング、電気めっき、フレーム溶射などの同様な先行技術の製造方法が使用可能である。
【0022】
誘導ワークコイル16は、ワイパの誘導加熱部を誘導的に加熱するために、ワイパ14の近くに配置される。さらに具体的には、誘導ワークコイル16は、図6に示すようにフロントガラスまたは他の面12の下方、または図7に示すように面内部に位置しても良く、図8に示すように面の下表面に取り付けられても良く、または図9に示すように面の上表面に取り付けられてもよい。誘導ワークコイルは、面12上でのワイパ14の位置に関係なくワイパ14を加熱するようなサイズであってもよいし、そのような位置に位置していてもよく、またはワイパ14がその退避した“レスト”位置など特定の位置にある時のみワイパ14を加熱するようなサイズであってもよいし、そのような位置に位置していてもよい。誘導加熱装置18およびそれに対応するワークコイル16は、車両のバッテリ、それ自身の専用バッテリ、または何か他の電源によって動力が供給されてもよい。誘導加熱装置18およびその付随ワークコイル16は、本明細書に参照番号によって組み込まれた米国特許第6,320,169号、または上記記載の米国特許第6,657,170号に開示されるものと類似するものであってもよい。
【0023】
ワークコイルは、銅リッツ(Litz)線または他の高導電性線から構成してもよいし、またはフレキシブルプリント回路基板として構成してもよい。フレキシブルプリント回路基板の実施形態は、閉回路のプリント配線がワークコイルおよび隣接するフロントガラスの表面上に交番磁界を作るのに十分である交流電流の低抵抗路を可能にするような、多層のものであるのが好ましい。コイルの巻き数、配線の幅、配線の厚さ、およびワークコイルの他のパラメータが、誘導コイルのインピーダンス、またワイパへのエネルギ伝達の効率に影響を与えることは、全て技術的に公知である。ワークコイルがフロントガラスに直に接着される実施形態の一つの利点は、ワークコルの必然的な加熱がフロントガラスに熱を提供し、フロントガラスの領域で氷雪の堆積を防ぐことである。
【0024】
磁気誘導加熱装置18内の制御回路は、誘導加熱装置18を車両のバッテリまたは他の電源に電気的に接続する単純な手動スイッチまたはボタンであってもよい。このようなスイッチは、フロントガラスのワイパのオン/オフスイッチの近く、または操作者が容易に手の届くどこか他の場所に配置してもよい。操作者は、彼または彼女が車両のフロントガラス上に雪や氷を観察した時はいつでも、またはワイパブレードが低温度のため氷結または硬化した時はいつでも、誘導加熱装置18を作動させるためにスイッチを入れることが可能である。温度センサおよびワイヤレス通信装置は、両方とも以下でより詳細に説明されるが、ワイパの温度が最高推奨稼働温度を上回った時はいつでも、誘導加熱装置18を自動的に停止させるために、手動スイッチと共に備えられてもよい。
【0025】
しかし、好ましい実施形態では、誘導加熱装置18内の制御回路は、ワイパ14の現在の温度を決定し、温度が35°Fなど特定の温度設定ポイントを下回った時はいつでも誘導ワークコイル16に自動的に電力を供給し、ワイパ14の誘導加熱部の温度を50°Fなどの何らかの設定ポイントに調節するために誘導加熱装置の出力を制御する、閉ループ温度フィードバック制御システムの一部である。閉ループ温度フィードバック制御システムは、ワイパの温度、外気の温度、または両方の組み合わせに応じて誘導ワークコイル16の稼働を制御するために、RFIDタグ技術、マイクロワイヤ技術、インピーダンス検知フィードバック技術、または他のワイヤレス技術の使用が可能である。
【0026】
制御回路が閉ループ温度フィードバック制御システムの一部であるような誘導加熱装置18を使用するワイパアセンブリの一つの実施形態が図13に示され、少なくとも1つの温度センサ28、および温度センサからの読取温度に応じて誘導ワークコイル16の稼働を制御する数字30で広義に参照される制御回路を含む。
【0027】
さらに詳しくは、温度センサ28は、連続的にまたは周期的にワイパ14またはワイパの周辺領域の現在の温度を検出する。温度センサ28は、図10に例示されるように、ワイパブレード20上に配置され、またはその内部に埋め込まれ、図11に例示されるように、ワイパアーム22上に、またはワイパ14の一部と熱接触する以外のどこかの場所に設置可能である。複数の温度センサ28を、図12に例示するように、ワイパブレードおよび/またはワイパアームの様々な場所に配置および位置させてもよい。その代わりに、自動車の現存する外気温度センサまたは追加した先行技術のものを、ワイパの加熱動作を自動的に開始するためのトリガとして使用される低設定温度(例えば35°C)を設けるために、使用してもよい。ワイパアセンブリのある部分を表す温度を検出することが可能である限り、温度センサまたは複数の温度センサの特定な位置は重要ではない。
【0028】
誘導加熱装置18の制御回路30は、ソリッドステートインバータ44から誘導ワークコイル16への出力の制御するように動作可能なコントローラ、マイクロプロセッサ、または他の演算装置32、および温度センサ28で検出された現在の温度を読み取るためのワイヤレス通信システム34を有していてもよい。ワイヤレス通信システムは、米国特許第6,953,919号に記載されるような、マイクロプロセッサ32と連結されるRFIDタグ読取装置38およびアンテナ40であってもよい。読取装置38およびアンテナ40は、温度センサ28と連結されるRFIDタグ36から温度情報を読み取る。もう一つの他の形態では、RFID36および読取装置38は、係属中の米国特許出願11/619,066に記載されるような、温度センサと連結されるガラスコーティングされた非晶質磁気マイクロワイヤセンサ、およびマイクロプロセッサと連結される対応するマイクロワイヤ読取装置と置き換え可能である。さらに他の形態では、米国特許第6,504,135号に記載のものなどのインピーダンス検出フィードバック制御システムが用いられてもよい。同時係属中の出願「RFID 質問機/誘導加熱システム」(“RFID Interrogator/Induction Heating System”)11/496,683に記載のものなどのような、温度測定値を温度センサ28からマイクロプロセッサ32へ伝達するための他のワイヤレス通信方法も、使用可能である。
【0029】
閉ループ温度フィードバックの実施形態の作動において、温度センサ28または複数のセンサは、連続的にまたは周期的にワイパ14のある部分の現在の温度を計測する。それから、これらの温度測定値は、RFIDタグ36またはマイクロワイヤセンサ、および無線読取装置38によってマイクロプロセッサ32に提供される。マイクロプロセッサ32は、その後、インバータ44から、デューティ・サイクル、周波数変換、または他の先行技術のインバータ制御スキームを通して、順次ワイパ14の誘導加熱部を誘導的に加熱する誘導ワークコイル16への出力を制御し、その結果、ワイパアセンブリの温度を所望の温度範囲に保つ。例えば、マイクロプロセッサ32は、ワイパ14の温度(または先行技術の外気温度センサによって測定される外気温度)が35°Fを下回る時はいつでも誘導ワークコイル16を作動させ、そしてワイパ14の温度が50°Fを上回る時はいつでも誘導ワークコイル16を停止させてもよい。もう一つの他の例では、マイクロプロセッサ32は、ワイパの温度が35°Fを下回った時のみ誘導ワークコイルに電力を供給させ、必要に応じて(温度センサ28からの温度フィードバックに基づき)ワークコイルへ電力の供給を回帰させて、ワイパの温度を50°F付近の小範囲内に保つようにしてもよい。マイクロプロセッサ32は、代わりに、低減した電力レベルにて誘導ワークコイル16からの連続的な出力を許可し、ワイパアセンブリを40〜45°Fなどのより狭い温度範囲にまたはその付近に保つようにしてもよい。継電器(図示せず)を、電力が誘導ワークコイル16へ流れないように、誘導ワークコイル16と電源42の間に介在させてもよい。
【0030】
制御電気回路マイクロプロセッサ32のメモリは、ワイパセンブリのための操作パラメータを格納するのに使用されてもよい。例えば、メモリは、ワイパアームに取り付けられるフロントガラス用ワイパブレードのタイプ、ワイパブレードの最大動作温度、誘導ワークコイルの最大電力レベル、およびワイパアセンブリのための希望温度範囲に関する情報の格納が可能である。あるいは、このデータは、RFIDタグ36やマイクロワイヤセンサに格納され、誘導ワークコイル16の起動により読取装置38により読み取られるようにしてもよい。ワイパに取り付けられたRFIDタグやマイクロワイヤセンサにデータを格納することによって、ワイパは、異なる操作または取付特性を持つ他のワイパと交換されてもよく、それでも誘導加熱装置によりそれの正しい動作温度に自動的に加熱されてもよい。
【0031】
図14および図15は、誘導加熱部がサセプタコイルから成るワイパアセンブリの他の実施形態を例示する。さらに具体的には、ワイパアセンブリは、ワイパブレード48およびワイパアーム50を有するワイパ46、ワイパの一部と接触する位置にあるサセプタコイル52、サセプタコイル内に電流を誘導するためにワイパの近くに位置するよう構成される誘導ワークコイル54、およびそのワークコイル54からの電力出力を制御するための誘導加熱装置56、を広義に有する。
【0032】
図16は、誘導加熱部が、サセプタコイル52、エネルギ蓄積装置59、および加熱素子58から成るワイパアセンブリの他の実施形態を例示する。さらに具体的には、ワイパアセンブリは、ワイパブレード48およびワイパアーム50を有するワイパ46、ワイパの一部と接触する位置にあるサセプタコイル52、サセプタコイル内に電流を誘導するためワイパの近くに位置するよう構成される誘導ワークコイル54、およびそのワークコイル54からの電力出力を制御するための誘導加熱装置56、を広義に有する。サセプタコイル52で生成された電流は、エネルギ蓄積装置59で蓄積エネルギに変換される。そして、このエネルギは、ワイパがワークコイルに近接しない場合でも発熱素子58を作動させるのに使用される。このエネルギは、発熱素子を停止させるための温度スイッチを設けて、調節可能してもよい。または、エネルギ蓄積装置59へのエネルギの投入は、誘導加熱装置56に何らかの形態のワイヤレス温度フィードバックを使用し、ワークコイル54へのその出力の制御することで調節してもよい。
【0033】
サセプタコイル52は、図14に示すように、ワイパブレード48内部、図15に示すようなワイパアーム50内部、または両方に配置させてもよい。または、ワイパ46が前述のようなブラケット無しタイプのワイパブレードを有する場合、サセプタコイル52は、ワイパブレードの金属帯またはスプラインに取り付けまたは埋め込まれていてもよい。サセプタコイルは、Kapton(登録商標)(ポリイミド)、Mylar(登録商標)(ポリエステル)、TPU(熱可塑性ウレタン)の多層フレキシブルプリント回路基板、または他の一般的に使用されるフレキシブル回路基板を加工することにより、製造されるのが好ましい。この回路基板は、接着剤またはその他の方法により、ワイパブレードの金属帯またはスプラインへ接着してもよい。そして、ワイパブレードの金属帯が、強磁性材料から構成される場合、フレキシブルプリント回路基板の、強磁性金属帯に接着される側に、銅の固体層を保持することが好ましい。これにより、誘導ワークコイルからワイパブレードへ、より高い電力の転送が可能となる。強磁性金属帯を金属めっきしたり、または非強磁性鋼などの非強磁性金属から金属帯を製造することも可能である。抵抗ヒータなどの発熱素子58は、それから電流を受け、それを熱に変換するように、サセプタコイル52と連結されていてもよい
【0034】
図1〜図13に例示される実施形態と同様に、誘導加熱装置56は、手動で起動されるオン/オフスイッチのような単純な制御回路を有していてもよく、または、閉ループ温度フィードバック制御スキームを実施する制御回路を有していてもよい。前述のRFIDおよびマイクロワイヤの無線通信システムに加え、本実施形態は、本明細書に参照番号によって組み込まれる米国特許第6,504,135号、に開示される制御スキームなどの、温度スイッチを持つインピーダンス検出フィードバック制御スキームを用いてもよい。温度スイッチ(通常は高価でないバイメタル方式のもの)は、サセプタコイル52の回路に接続され、ワイパブレードの金属スプラインと熱接触する。この温度制御スキームは、自動的にワークコイル54を作動するタイミングを識別するための、複数の温度をリアルタイムで検出する機能が無いため、自動的な作動が望まれる時は、誘導加熱装置56は、車両の外気温度センサから温度測定値を取得しなければならない。
【0035】
図14、図15、および図16の実施形態は、2006年07月31日出願の、係属中の特許出願11/496,683、発明の名称が「RFID 質問機/誘導加熱システム」(“RFID Interrogator/Induction Heating System”)である、に記載の温度フィードバック制御システムを使用してもよい。この出願は、本明細書に参照番号によって組み込まれている。
【0036】
本発明は、添付の図面に示す好適実施形態に関連して説明されたが、特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱すること無しに、均等なものを使用してもよいし、置換を行ってもよい。例えば、ワイパアセンブリの種々の部品の配置は変更してもよいし、部品を構成するのに用いられる材料は、他の材料と置換されてもよい。こうして、本発明の好適実施形態を述べたが、特許明細書によって保護されるために新規であり希望されるとして請求されるものは、以下の通りである。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年08月09日付けの仮特許出願 60/836,451の利益を請求し、この仮特許出願は、参照番号によって本明細書に組み込まれている。また、本出願は、2007年01月02日付け出願の正規特許出願 11/619,066に対応し、参照番号によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、フロントガラス用ワイパおよびその他のワイパアセンブリに関する。特に、本発明は、誘導に加熱されるワイパアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
フロントガラス用ワイパアセンブリは、ワイパアセンブリ及びフロントガラスに堆積する氷雪によってしばしばその動きが妨害される。低温も、しばしば、ウォッシャ液ラインを凍結させて障害となり、また、ワイパブレードを硬化させたわみにくくする。これら状態の全ては、ワイパアセンブリの効果を大幅に低減し、危険な車両操作を招く可能性がある。
【0004】
上記問題を回避するために、フロントガラス用ワイパアセンブリおよび/またはフロントガラスを加熱する多くの試みが成されてきたが、このような試みは、部分的な効果があるにすぎなかった。例えば、ある先行技術では、車両のエンジン室または他の熱源から、車両のフロントガラスまたはワイパアセンブリに向けて、加熱された空気を送る試みがなされた。残念ながら、この試みでは、フロントガラス及びワイパアセンブリに空気が送られる前に空気を十分に加熱するために、車両のエンジンを長時間稼働させ、余分な熱を発生させる必要がある。それゆえこの試みは、最初に車を始動させる時には効果的でなく、無駄なエンジンの空吹かしを必要とし、また、加熱された空気をフロントガラスおよび/またはワイパアセンブリに送るためにうるさいファンの使用を必要とする。さらに、この試みは、加熱された空気の送出をワイパアセンブリの実際の温度に基づいて自動的に制御する手段が無く、結果的にしばしばワイパアセンブリの加熱不足または加熱過剰を招く。
【0005】
他の先行技術では、車両のバッテリまたは太陽電池などの他の電力源によって作動される電気作動型の抵抗発熱体によりワイパアセンブリを放射的に加熱する試みがなされてきた。残念ながら、この試みは、ダメージを受けやすい不格好に露出した配線を必要とする。
【0006】
このように、フロントガラス用ワイパアセンブリおよび他のワイパアセンブリを加熱するための、改良された手段が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記記載の問題点を解消し、並びに、フロントガラス用ワイパおよびワイパ加熱方法の技術分野において著しい改善を提供するものである。より具体的には、本発明は、露出した配線およびうるさいファンを用いること無しで、ワイパアセンブリの効果的かつほぼ即時の加熱を提供する。また、本発明の実施形態は、ワイパアセンブリの温度を所望の範囲に自動的に維持する効果的な手段を提供する。最も重要なことには、本発明の実施形態は、氷がすでにフロントガラスの可視性を損なわせ始めた後に、単に除氷するのではなく、ワイパの氷結自動防止を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの形態に従って構築されるワイパアセンブリは、誘導加熱部を有するワイパ、および、誘導ワークコイルがワイパ近くに位置するように構成され、ワイパの誘導加熱部を誘導的に加熱する磁気誘導加熱装置を有する。ワイパの誘導加熱部は、ワイパスキージブレードの内部、ワイパブレードに取り付けられたフレームの内部、ワイパスキージブレードが取り付けられたスプラインの内部または上、ブレードを支持するワイパアームの上または内部、または上記全てにあってもよい。誘導ワークコイルは、フロントガラスまたはワイパにより払拭される他の面の近くまたは上に位置させることが可能であり、ワイパの位置に関係なくまたはワイパが退避した“レスト”位置などの特定の位置にある時のみにワイパを加熱することができる。
【0009】
ワイパアセンブリは、また、ワイパの現在の温度を検出するための温度センサ、およびワークコイルの稼働を制御するための誘導加熱装置内の制御回路を具備してもよい。制御回路は、誘導コイルを作動させるために操作されなければならない単純な手動スイッチでもよいし、また、温度センサからワイパの現在の温度を読み出し、ワイパの温度が特定の温度設定ポイント(35°Fなど)を下回った時はいつでも自動的にワークコイルを作動させ、また、ワイパの温度が他の温度設定ポイント(50°Fなど)を上回った時はいつでも自動的に誘導ワークコイルを停止させるコントローラ、を有する閉ループ温度フィードバック制御システムを具備していてもよい。さらに、稼働は、湿度および/または車両スピードなどの他の氷形成変数を検出することで自動的に開始されてもよい。閉ループ温度フィードバックシステムは、ワイパの温度に応じて誘導ワークコイルからの出力を制御するための、RFIDタグ技術、マイクロワイヤ技術、インピーダンス検出フィードバック技術、または他のワイヤレス技術、を活用することが可能である。
【0010】
本発明の他の形態は、ワイパ、ワイパの一部に接触するよう位置するサセプタコイル、および誘導ワークコイルがワイパの近くに位置するよう構成され、サセプタコイル内に電流を誘導する磁気誘導加熱装置を有することを特徴とする誘導加熱ワイパアセンブリである。サセプタコイル自体が、誘導電流を熱に変換する抵抗素子であってもよく、または誘導電流を熱に変換するための抵抗加熱素子と結合されてもよい。サセプタコイルは、ワークコイル場に近接する時にはエネルギを蓄積し、サセプタコイルがワークコイルに近接しない時には加熱させる、エネルギ蓄積装置(コンデンサやバッテリなどのような)を付加的に含んでいてもよい。前述の実施形態と同様に、ワイパアセンブリは、ワイパの現在の温度を検出する温度センサ、および誘導加熱装置またそのワークコイルの稼働を制御するための制御回路を有してもよい。制御回路は、上述のような、単純なスイッチまたは閉ループ温度フィードバック制御システムであってもよい。
【0011】
本発明のこれらのおよび他の重要な態様は、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の好適実施形態を、添付の図面に関連して以下に詳細に説明する。
【図1】発明の実施形態により構築され、車両フロントガラスまたは他の面に取り付けられている様子を示す誘導加熱ワイパアセンブリの概略図である。
【図2】誘導加熱可能材料の存在を示す陰影部を有する誘導加熱ワイパアセンブリのワイパ部分の概略図である。
【図3】誘導加熱可能材料の存在を示す陰影部を有する誘導加熱ワイパアセンブリのワイパ部分の別の概略図である。
【図4】誘導加熱可能材料の存在を示す陰影部を有する誘導加熱ワイパアセンブリのワイパ部分の別の概略図である。
【図5】誘導加熱可能材料の存在を示す陰影部を有する誘導加熱ワイパアセンブリのワイパ部分の別の概略図である。
【図6】誘導ワークコイルの可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図7】誘導ワークコイルの別の可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図8】誘導ワークコイルの別の可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図9】誘導ワークコイルの別の可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図10】温度センサの可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図11】温度センサの可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図12】温度センサのいくつかの可能位置を描写する誘導加熱ワイパアセンブリの部分の概略図である。
【図13】閉ループ温度フィードバック制御システムを有する誘導加熱ワイパアセンブリの一実施形態の概略図である。
【図14】本発明の別の実施形態により構築され、車両フロントガラスまたは他の表面に取り付けられた誘導加熱ワイパアセンブリの概略図である。
【図15】図13に示される誘導加熱ワイパアセンブリの別の実施形態の概略図である。
【図16】エネルギ蓄積装置を有するサセプタを描写する別の実施形態の概略図である。 図面は、本発明を、ここに図示および開示された特定の実施形態に限定するものではない。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、その代りに、本発明の原理を明確に図示することに重点を置く。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明は、本発明が実施される特定の実施形態を図示する添付の図面を参照する。本実施形態は、当業者が本発明を実施可能な程度に十分に詳細に、本発明の態様を説明することが意図される。他の実施形態が使用可能であり、本実施形態の意図する範囲から逸脱すること無しに、変更が可能である。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味でなされるものではない。本発明の範囲は、請求範囲が権利を与えられる均等のものの包括範囲と共に、添付の請求範囲によって規定される。
【0014】
ここで、図面、特に、図1に戻って、本発明の実施形態により構築され誘導的に加熱されるワイパアセンブリ10が図示され、フロントガラス12、または払拭されるべき、もしくはワイパアセンブリによって払拭される他の面と共に示される。ワイパアセンブリ10は、車両のフロントガラスでの使用に特に適しているが、雪や氷が堆積したり、または低温の中で稼働されたりする、いかなる面で使用されてもよい。
【0015】
図1に示すワイパアセンブリ10の実施形態は、誘導加熱部を有するワイパ14、および対応する誘導ワークコイル16を有する磁気誘導加熱装置18を広義には有する。以下でより詳細に述べるが、磁気誘導加熱装置18およびそれに対応する誘導ワークコイル16は、ワイパ14の誘導加熱部を誘導的に加熱し、ワイパ上または周辺への雪や氷の堆積を防ぎ、またワイパが硬化し、たわまなくなることを防ぐ。誘導加熱装置18内の制御回路は、誘導ワークコイル16への電流出力、そしてワイパへ転送される電力、を制御し、その結果、ワイパ14の温度を所望の温度範囲に保つ。
【0016】
全ての形態は、何らかの形態の無線温度フィードバックを使用する。使用される無線フィードバックの主要形態は、RFID温度フィードバック、マイクロワイヤ温度フィードバック、インピーダンス検出フィードバック、およびPacholokの特許出願「RFID 質問機/誘導加熱システム」(“RFID Interrogator/Induction heating system”)米国特許出願11/496,683により開示される方法である。RFID温度フィードバックシステムは、米国特許第6,320,169号 および 同6,953,919号に詳細に説明されている。マイクロワイヤ温度システムおよびフィードバック制御システムでのその使用は、米国特許出願11/619,066に詳細に説明されている。インピーダンス検出フィードバックシステムは、米国特許第6,232,585号に詳細に説明されている。これらの特許および特許出願は、本明細書に参照番号によって組み込まれている。
【0017】
より詳しくは、ワイパ14自体は、大部分が従来的であり、ワイパブレード20、および面12に接触してブレードを支持するための、また面上でブレードを動かすためのワイパアーム22を有する。ワイパブレード20は、ゴムまたは同様な柔軟な材料からの形成が可能であり、基本的にスキージとして働く。ワイパブレード20は、従来のワイパアセンブリのように金属またはプラスチックのブラケットまたはフレームによってワイパアーム22に支持されてもよく、またはブレードの骨格として機能する金属帯またはスプラインにブレードが取り付けられる新しい“ブラケット無し”のデザインのものでもよい。ブラケット無しワイパブレードの例は、Trico製のNeoform(商標)、Bosch製のIcon(商標)、Anco製のConto´ur(商標)がある。ワイパ14は、また、ワイパブレード20およびワイパアーム22を従来通りに面12上で動かすための、対応する支持構造、ギア、およびモータを有していてもよい。車両で使用される時、2つまたはそれ以上のワイパ14が設けられてもよく、また、ワイパは、1つの誘導ワークコイルまたは別々のワークコイルにより加熱されてもよい。
【0018】
ワイパ14の誘導加熱部は、ワイパブレード20、ワイパアーム22、ワイパブレードの金属帯またはスプライン、またはワイパ上の他の場所、の内部または上にあってもよい。例えば、図2の陰影部により描かれるように、ワイパブレード20全体またはその一部が、誘導加熱可能材料から形成されてもよい。これは、ワイパの、フロントガラスまたは他の面12に直に接触する部分を加熱することになる。また、ワイパアーム22全体またはその一部が、図3の陰影部により図示されるように誘導加熱可能材料で形成されてもよい。これは、アーム22を通るウォッシャー液ライン26が凍結しないようにする。別の実施形態では、ワイパブレード20およびワイパアーム22の両方、またはそれらの一部が、図4に図示されるように、誘導加熱可能材料で形成されてもよい。これは、ワイパの、フロントガラスに直接接触する部分とウォッシャー液ラインを担う部分との両方を加熱する。さらに、別の実施形態では、誘導加熱可能挿入物26が、図5に図示されるように、ワイパブレードに組み込まれてもいいし、他の方法で取り付けられてもよい。これは、ワイパブレード20の加熱を可能にする一方、ワイパブレードの大部分を従来のエラストマ材料で形成することを可能にする。
【0019】
これら全てまた他の形態において、誘導加熱部は、本明細書に参照番号によって組み入れられる、米国特許第6,657,170号に記載される材料などから作られることが可能である。この材料は、黒鉛、金属、また他の熱保持性の材料を含みうる。エラストマおよびフロントガラス用ワイパブレードに一般的に見られる他の材料など、他の材料が加えられてもよい。
【0020】
また、誘導加熱部は、“サセプタコイル”、基板材料(好ましくは、カプトン、マイラ、または他の高温ポリマ)上または加熱されるべき表面上に直接(つまり、スキージの表面または内部など)プリントされる、一般的には銅または黒鉛配線からなり、“サセプタコイル”は、導電材料で形成され、一対の端子コイルエンドを有する連続的なコイルおよび、回路を完成するために前記端子エンド間を動作可能につなぐ導電性アセンブリであり、前記導電性アセンブリはスイッチ部を有する。このサセプタコイルは、その誘導電流(隣接するワークコイルから伝達されたエネルギ)を熱エネルギに変換し、サセプタコイルおよびサセプタコイルと熱的接触する対象物を加熱する。このサセプタコイルは、誘導ワークコイルから最も効果的なエネルギ伝達を可能にするように、そのインピーダンスを調節するために、その連続するコイル回路内にコンデンサを有してもよい。さらに、サセプタコイル回路内に、連続するコイルを開放し、これによりいかなる誘導電流もサセプタコイルを貫流するのを防ぐことができる温度フューズ、または他の温度安全スイッチを有してもよい。この“サセプタコイル”は、米国特許第6,504,135号および米国特許出願11/603860「誘導加熱システム用共振型可制御サセプタ、これを組み込んだ誘導加熱システム、および方法」(“Resonant Controllable Susceptor for Induction Heating System, Induction Heating System Incorporating Same, and method”)に記載されており、両者とも本明細書に参照番号によって組み込まれている。
【0021】
サセプタコイルが、加熱されるワイパ表面に接着されるフレキシブル基板上に作られている場合、サセプタコイルは、フレキシブル回路基板が製造される標準的な方法、例えばエッチングなどにより製造可能である。サセプタコイルが、スキージ、スプライン、またはワイパアームの表面上に直にプリントされる場合、エッチング、電気めっき、フレーム溶射などの同様な先行技術の製造方法が使用可能である。
【0022】
誘導ワークコイル16は、ワイパの誘導加熱部を誘導的に加熱するために、ワイパ14の近くに配置される。さらに具体的には、誘導ワークコイル16は、図6に示すようにフロントガラスまたは他の面12の下方、または図7に示すように面内部に位置しても良く、図8に示すように面の下表面に取り付けられても良く、または図9に示すように面の上表面に取り付けられてもよい。誘導ワークコイルは、面12上でのワイパ14の位置に関係なくワイパ14を加熱するようなサイズであってもよいし、そのような位置に位置していてもよく、またはワイパ14がその退避した“レスト”位置など特定の位置にある時のみワイパ14を加熱するようなサイズであってもよいし、そのような位置に位置していてもよい。誘導加熱装置18およびそれに対応するワークコイル16は、車両のバッテリ、それ自身の専用バッテリ、または何か他の電源によって動力が供給されてもよい。誘導加熱装置18およびその付随ワークコイル16は、本明細書に参照番号によって組み込まれた米国特許第6,320,169号、または上記記載の米国特許第6,657,170号に開示されるものと類似するものであってもよい。
【0023】
ワークコイルは、銅リッツ(Litz)線または他の高導電性線から構成してもよいし、またはフレキシブルプリント回路基板として構成してもよい。フレキシブルプリント回路基板の実施形態は、閉回路のプリント配線がワークコイルおよび隣接するフロントガラスの表面上に交番磁界を作るのに十分である交流電流の低抵抗路を可能にするような、多層のものであるのが好ましい。コイルの巻き数、配線の幅、配線の厚さ、およびワークコイルの他のパラメータが、誘導コイルのインピーダンス、またワイパへのエネルギ伝達の効率に影響を与えることは、全て技術的に公知である。ワークコイルがフロントガラスに直に接着される実施形態の一つの利点は、ワークコルの必然的な加熱がフロントガラスに熱を提供し、フロントガラスの領域で氷雪の堆積を防ぐことである。
【0024】
磁気誘導加熱装置18内の制御回路は、誘導加熱装置18を車両のバッテリまたは他の電源に電気的に接続する単純な手動スイッチまたはボタンであってもよい。このようなスイッチは、フロントガラスのワイパのオン/オフスイッチの近く、または操作者が容易に手の届くどこか他の場所に配置してもよい。操作者は、彼または彼女が車両のフロントガラス上に雪や氷を観察した時はいつでも、またはワイパブレードが低温度のため氷結または硬化した時はいつでも、誘導加熱装置18を作動させるためにスイッチを入れることが可能である。温度センサおよびワイヤレス通信装置は、両方とも以下でより詳細に説明されるが、ワイパの温度が最高推奨稼働温度を上回った時はいつでも、誘導加熱装置18を自動的に停止させるために、手動スイッチと共に備えられてもよい。
【0025】
しかし、好ましい実施形態では、誘導加熱装置18内の制御回路は、ワイパ14の現在の温度を決定し、温度が35°Fなど特定の温度設定ポイントを下回った時はいつでも誘導ワークコイル16に自動的に電力を供給し、ワイパ14の誘導加熱部の温度を50°Fなどの何らかの設定ポイントに調節するために誘導加熱装置の出力を制御する、閉ループ温度フィードバック制御システムの一部である。閉ループ温度フィードバック制御システムは、ワイパの温度、外気の温度、または両方の組み合わせに応じて誘導ワークコイル16の稼働を制御するために、RFIDタグ技術、マイクロワイヤ技術、インピーダンス検知フィードバック技術、または他のワイヤレス技術の使用が可能である。
【0026】
制御回路が閉ループ温度フィードバック制御システムの一部であるような誘導加熱装置18を使用するワイパアセンブリの一つの実施形態が図13に示され、少なくとも1つの温度センサ28、および温度センサからの読取温度に応じて誘導ワークコイル16の稼働を制御する数字30で広義に参照される制御回路を含む。
【0027】
さらに詳しくは、温度センサ28は、連続的にまたは周期的にワイパ14またはワイパの周辺領域の現在の温度を検出する。温度センサ28は、図10に例示されるように、ワイパブレード20上に配置され、またはその内部に埋め込まれ、図11に例示されるように、ワイパアーム22上に、またはワイパ14の一部と熱接触する以外のどこかの場所に設置可能である。複数の温度センサ28を、図12に例示するように、ワイパブレードおよび/またはワイパアームの様々な場所に配置および位置させてもよい。その代わりに、自動車の現存する外気温度センサまたは追加した先行技術のものを、ワイパの加熱動作を自動的に開始するためのトリガとして使用される低設定温度(例えば35°C)を設けるために、使用してもよい。ワイパアセンブリのある部分を表す温度を検出することが可能である限り、温度センサまたは複数の温度センサの特定な位置は重要ではない。
【0028】
誘導加熱装置18の制御回路30は、ソリッドステートインバータ44から誘導ワークコイル16への出力の制御するように動作可能なコントローラ、マイクロプロセッサ、または他の演算装置32、および温度センサ28で検出された現在の温度を読み取るためのワイヤレス通信システム34を有していてもよい。ワイヤレス通信システムは、米国特許第6,953,919号に記載されるような、マイクロプロセッサ32と連結されるRFIDタグ読取装置38およびアンテナ40であってもよい。読取装置38およびアンテナ40は、温度センサ28と連結されるRFIDタグ36から温度情報を読み取る。もう一つの他の形態では、RFID36および読取装置38は、係属中の米国特許出願11/619,066に記載されるような、温度センサと連結されるガラスコーティングされた非晶質磁気マイクロワイヤセンサ、およびマイクロプロセッサと連結される対応するマイクロワイヤ読取装置と置き換え可能である。さらに他の形態では、米国特許第6,504,135号に記載のものなどのインピーダンス検出フィードバック制御システムが用いられてもよい。同時係属中の出願「RFID 質問機/誘導加熱システム」(“RFID Interrogator/Induction Heating System”)11/496,683に記載のものなどのような、温度測定値を温度センサ28からマイクロプロセッサ32へ伝達するための他のワイヤレス通信方法も、使用可能である。
【0029】
閉ループ温度フィードバックの実施形態の作動において、温度センサ28または複数のセンサは、連続的にまたは周期的にワイパ14のある部分の現在の温度を計測する。それから、これらの温度測定値は、RFIDタグ36またはマイクロワイヤセンサ、および無線読取装置38によってマイクロプロセッサ32に提供される。マイクロプロセッサ32は、その後、インバータ44から、デューティ・サイクル、周波数変換、または他の先行技術のインバータ制御スキームを通して、順次ワイパ14の誘導加熱部を誘導的に加熱する誘導ワークコイル16への出力を制御し、その結果、ワイパアセンブリの温度を所望の温度範囲に保つ。例えば、マイクロプロセッサ32は、ワイパ14の温度(または先行技術の外気温度センサによって測定される外気温度)が35°Fを下回る時はいつでも誘導ワークコイル16を作動させ、そしてワイパ14の温度が50°Fを上回る時はいつでも誘導ワークコイル16を停止させてもよい。もう一つの他の例では、マイクロプロセッサ32は、ワイパの温度が35°Fを下回った時のみ誘導ワークコイルに電力を供給させ、必要に応じて(温度センサ28からの温度フィードバックに基づき)ワークコイルへ電力の供給を回帰させて、ワイパの温度を50°F付近の小範囲内に保つようにしてもよい。マイクロプロセッサ32は、代わりに、低減した電力レベルにて誘導ワークコイル16からの連続的な出力を許可し、ワイパアセンブリを40〜45°Fなどのより狭い温度範囲にまたはその付近に保つようにしてもよい。継電器(図示せず)を、電力が誘導ワークコイル16へ流れないように、誘導ワークコイル16と電源42の間に介在させてもよい。
【0030】
制御電気回路マイクロプロセッサ32のメモリは、ワイパセンブリのための操作パラメータを格納するのに使用されてもよい。例えば、メモリは、ワイパアームに取り付けられるフロントガラス用ワイパブレードのタイプ、ワイパブレードの最大動作温度、誘導ワークコイルの最大電力レベル、およびワイパアセンブリのための希望温度範囲に関する情報の格納が可能である。あるいは、このデータは、RFIDタグ36やマイクロワイヤセンサに格納され、誘導ワークコイル16の起動により読取装置38により読み取られるようにしてもよい。ワイパに取り付けられたRFIDタグやマイクロワイヤセンサにデータを格納することによって、ワイパは、異なる操作または取付特性を持つ他のワイパと交換されてもよく、それでも誘導加熱装置によりそれの正しい動作温度に自動的に加熱されてもよい。
【0031】
図14および図15は、誘導加熱部がサセプタコイルから成るワイパアセンブリの他の実施形態を例示する。さらに具体的には、ワイパアセンブリは、ワイパブレード48およびワイパアーム50を有するワイパ46、ワイパの一部と接触する位置にあるサセプタコイル52、サセプタコイル内に電流を誘導するためにワイパの近くに位置するよう構成される誘導ワークコイル54、およびそのワークコイル54からの電力出力を制御するための誘導加熱装置56、を広義に有する。
【0032】
図16は、誘導加熱部が、サセプタコイル52、エネルギ蓄積装置59、および加熱素子58から成るワイパアセンブリの他の実施形態を例示する。さらに具体的には、ワイパアセンブリは、ワイパブレード48およびワイパアーム50を有するワイパ46、ワイパの一部と接触する位置にあるサセプタコイル52、サセプタコイル内に電流を誘導するためワイパの近くに位置するよう構成される誘導ワークコイル54、およびそのワークコイル54からの電力出力を制御するための誘導加熱装置56、を広義に有する。サセプタコイル52で生成された電流は、エネルギ蓄積装置59で蓄積エネルギに変換される。そして、このエネルギは、ワイパがワークコイルに近接しない場合でも発熱素子58を作動させるのに使用される。このエネルギは、発熱素子を停止させるための温度スイッチを設けて、調節可能してもよい。または、エネルギ蓄積装置59へのエネルギの投入は、誘導加熱装置56に何らかの形態のワイヤレス温度フィードバックを使用し、ワークコイル54へのその出力の制御することで調節してもよい。
【0033】
サセプタコイル52は、図14に示すように、ワイパブレード48内部、図15に示すようなワイパアーム50内部、または両方に配置させてもよい。または、ワイパ46が前述のようなブラケット無しタイプのワイパブレードを有する場合、サセプタコイル52は、ワイパブレードの金属帯またはスプラインに取り付けまたは埋め込まれていてもよい。サセプタコイルは、Kapton(登録商標)(ポリイミド)、Mylar(登録商標)(ポリエステル)、TPU(熱可塑性ウレタン)の多層フレキシブルプリント回路基板、または他の一般的に使用されるフレキシブル回路基板を加工することにより、製造されるのが好ましい。この回路基板は、接着剤またはその他の方法により、ワイパブレードの金属帯またはスプラインへ接着してもよい。そして、ワイパブレードの金属帯が、強磁性材料から構成される場合、フレキシブルプリント回路基板の、強磁性金属帯に接着される側に、銅の固体層を保持することが好ましい。これにより、誘導ワークコイルからワイパブレードへ、より高い電力の転送が可能となる。強磁性金属帯を金属めっきしたり、または非強磁性鋼などの非強磁性金属から金属帯を製造することも可能である。抵抗ヒータなどの発熱素子58は、それから電流を受け、それを熱に変換するように、サセプタコイル52と連結されていてもよい
【0034】
図1〜図13に例示される実施形態と同様に、誘導加熱装置56は、手動で起動されるオン/オフスイッチのような単純な制御回路を有していてもよく、または、閉ループ温度フィードバック制御スキームを実施する制御回路を有していてもよい。前述のRFIDおよびマイクロワイヤの無線通信システムに加え、本実施形態は、本明細書に参照番号によって組み込まれる米国特許第6,504,135号、に開示される制御スキームなどの、温度スイッチを持つインピーダンス検出フィードバック制御スキームを用いてもよい。温度スイッチ(通常は高価でないバイメタル方式のもの)は、サセプタコイル52の回路に接続され、ワイパブレードの金属スプラインと熱接触する。この温度制御スキームは、自動的にワークコイル54を作動するタイミングを識別するための、複数の温度をリアルタイムで検出する機能が無いため、自動的な作動が望まれる時は、誘導加熱装置56は、車両の外気温度センサから温度測定値を取得しなければならない。
【0035】
図14、図15、および図16の実施形態は、2006年07月31日出願の、係属中の特許出願11/496,683、発明の名称が「RFID 質問機/誘導加熱システム」(“RFID Interrogator/Induction Heating System”)である、に記載の温度フィードバック制御システムを使用してもよい。この出願は、本明細書に参照番号によって組み込まれている。
【0036】
本発明は、添付の図面に示す好適実施形態に関連して説明されたが、特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱すること無しに、均等なものを使用してもよいし、置換を行ってもよい。例えば、ワイパアセンブリの種々の部品の配置は変更してもよいし、部品を構成するのに用いられる材料は、他の材料と置換されてもよい。こうして、本発明の好適実施形態を述べたが、特許明細書によって保護されるために新規であり希望されるとして請求されるものは、以下の通りである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面から水または他の物質を除去するように構成され、誘導加熱部を含むワイパと、
前記ワイパの誘導加熱部を誘導的に加熱するために前記ワイパの近くに位置するよう構成された誘導ワークコイルとを有することを特徴とする誘導的に加熱されるワイパアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
前記ワイパの前記誘導加熱部に熱接触する位置になるように構成され、前記ワイパの現在の温度を検出するように動作可能な温度センサと、
前記ワイパの現在の温度を所望の温度範囲に保つために、前記温度センサから現在の温度を読み取るため、および前記ワークコイルの動作を制御するための、前記誘導ワークコイルに対応する制御回路とを有することを特徴とするワイパアセンンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
温度センサと連結されたRFIDタグと
前記RFIDタグから現在の温度を読み取るように動作可能なRFID読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項4】
請求項2に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
マイクロワイヤ温度センサと、
前記マイクロワイヤ温度センサから現在の温度を読み取るように動作可能なマイクロワイヤ読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項5】
前記ワイパが、前記表面から水または他の物質を除去するためのワイパブレードと、前記表面と接触して前記ブレードを支持するためのワイパアームとを有し、前記誘導加熱部が、前記ワイパブレード内にあることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項6】
前記ワイパが、前記表面から水または他の物質を除去するためのワイパブレードと、前記表面と接触して前記ブレードを支持するためのワイパアームとを有し、前記誘導加熱部が、前記ワイパアーム内にあることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項7】
前記ワイパが、前記表面から水または他の物質を除去するためのワイパブレードと、前記表面と接触して前記ブレードを支持するためのワイパアームとを有し、前記誘導加熱部が、前記ワイパブレード内および前記ワイパアーム内にあることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項8】
前記誘導ワークコイルが、前記表面の内側に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項9】
前記誘導ワークコイルが、前記表面の下面に配置されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項10】
前記誘導ワークコイルが、前記表面の上面に配置されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項11】
前記誘導ワークコイルが、前記表面の下面の下方に配置されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項12】
前記誘導ワークコイルが、前記表面の上面の上方に配置されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項13】
前記表面が、車両のフロントガラスであることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項14】
請求項1に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
前記誘導ワークコイルと連結され、環境条件に基づいて前記誘導ワークコイルを起動するように構成された制御回路を有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項15】
前記環境条件は、温度、湿度、降雨、雪、およびみぞれから成る群から選択されることを特徴とする請求項14に記載のワイパアセンブリ。
【請求項16】
フロントガラスから水または他の物質を除去するよう構成され、誘導加熱部を有する、ワイパと、
前記ワイパの前記誘導加熱部を誘導的に加熱するために前記フロントガラスの近くに設置されるように構成された誘導ワークコイルと、
前記ワイパの前記誘導加熱部に熱接触して設置されるように構成され、前記ワイパの現在の温度を検出するように作動可能な温度センサと、
現在の温度を所望の設定ポイントより上に保つために、前記温度センサから現在の温度を読み取り、前記ワークコイルの稼働を制御するように構成される制御回路を備える磁気誘導装置とを有することを特徴とする誘導的に加熱されるフロントガラス用ワイパアセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載のワイパアセンブリであって、さらに、前記温度センサと連結されるRFIDタグと、前記RFIDタグから現在の温度を読み取るように動作可能なRFID読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項18】
請求項16に記載のワイパアセンブリであって、さらに、マイクロワイヤ温度センサと、前記マイクロワイヤ温度センサから現在の温度を読み取るように動作可能なマイクロワイヤ読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項19】
表面から水または他の物質を除去するように構成されたワイパと、
前記ワイパの一部と接触して配置されるサセプタコイルと、
前記サセプタコイルまたは前記サセプタコイルと電気的接触をする発熱素子を加熱するために前記サセプタコイルに電流を誘導するために前記ワイパの近くに配置されるように構成される誘導ワークコイルとを有することを特徴とする誘導的に加熱されるワイパアセンブリ。
【請求項20】
請求項19に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
前記ワイパと熱接触して配置されるように構成され、前記ワイパの現在の温度を検出するように動作可能な温度センサと、
前記誘導ワークコイルと連結され、現在の温度を所望の設定ポイントより上に保つために、前記温度センサから現在の温度を読み取り、前記ワークコイルの稼働を制御するように構成された制御回路とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項21】
請求項20に記載のワイパアセンブリであって、さらに、前記温度センサと連結されるRFIDタグと、前記RFIDタグから現在の温度を読み取るように動作可能なRFID読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項22】
請求項20に記載のワイパアセンブリであって、さらに、マイクロワイヤ温度センサと、前記マイクロワイヤ温度センサから現在の温度を読み取るように動作可能なマイクロワイヤ読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項23】
請求項19に記載のワイパアセンブリであって、さらに、前記サセプタコイルと電気的に接続される温度スイッチと、前記誘導ワークコイルと連結され、前記温度スイッチに対応してワークコイルの稼働を制御するように構成される制御回路とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項24】
前記ワイパは、前記表面から水または他の物質を除去するためのワイパブレードと、前記表面と接触して前記ブレードを支持するためのワイパアームとを有し、前記サセプタコイルが、前記ワイパブレード内部にあることを特徴とする請求項19に記載のワイパアセンブリ。
【請求項25】
請求項19に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
前記誘導ワークコイルと連結され、環境条件に基づいて前記誘導ワークコイルを起動するように構成された制御回路を有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項26】
前記ワイパは、前記表面から水または他の物質を除去するためのワイパブレードと、前記表面と接触して前記ブレードを支持するためのワイパアームとを有し、前記サセプタコイルが、前記ワイパアーム内部にあることを特徴とする請求項20に記載のワイパアセンブリ。
【請求項27】
前記ワイパは、スプラインを持つワイパブレードを有し、前記サセプタコイルはスプラインに取り付けられていることを特徴とする請求項20に記載のワイパアセンブリ。
【請求項28】
前記表面が車両のフロントガラスであることを特徴とする請求項20に記載のワイパアセンブリ。
【請求項29】
表面から水または他の物質を除去するように構成されたワイパと、
前記ワイパの一部と接触するように位置する共振サセプタコイルと、
前記サセプタコイルまたは前記サセプタコイルと電気的接触をする発熱素子を加熱するために前記共振サセプタコイルに電流を誘導するように前記ワイパの近くに位置するように構成される誘導ワークコイルとを有することを特徴とする誘導的に加熱されるワイパアセンブリ。
【請求項1】
表面から水または他の物質を除去するように構成され、誘導加熱部を含むワイパと、
前記ワイパの誘導加熱部を誘導的に加熱するために前記ワイパの近くに位置するよう構成された誘導ワークコイルとを有することを特徴とする誘導的に加熱されるワイパアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
前記ワイパの前記誘導加熱部に熱接触する位置になるように構成され、前記ワイパの現在の温度を検出するように動作可能な温度センサと、
前記ワイパの現在の温度を所望の温度範囲に保つために、前記温度センサから現在の温度を読み取るため、および前記ワークコイルの動作を制御するための、前記誘導ワークコイルに対応する制御回路とを有することを特徴とするワイパアセンンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
温度センサと連結されたRFIDタグと
前記RFIDタグから現在の温度を読み取るように動作可能なRFID読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項4】
請求項2に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
マイクロワイヤ温度センサと、
前記マイクロワイヤ温度センサから現在の温度を読み取るように動作可能なマイクロワイヤ読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項5】
前記ワイパが、前記表面から水または他の物質を除去するためのワイパブレードと、前記表面と接触して前記ブレードを支持するためのワイパアームとを有し、前記誘導加熱部が、前記ワイパブレード内にあることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項6】
前記ワイパが、前記表面から水または他の物質を除去するためのワイパブレードと、前記表面と接触して前記ブレードを支持するためのワイパアームとを有し、前記誘導加熱部が、前記ワイパアーム内にあることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項7】
前記ワイパが、前記表面から水または他の物質を除去するためのワイパブレードと、前記表面と接触して前記ブレードを支持するためのワイパアームとを有し、前記誘導加熱部が、前記ワイパブレード内および前記ワイパアーム内にあることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項8】
前記誘導ワークコイルが、前記表面の内側に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項9】
前記誘導ワークコイルが、前記表面の下面に配置されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項10】
前記誘導ワークコイルが、前記表面の上面に配置されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項11】
前記誘導ワークコイルが、前記表面の下面の下方に配置されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項12】
前記誘導ワークコイルが、前記表面の上面の上方に配置されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項13】
前記表面が、車両のフロントガラスであることを特徴とする請求項1に記載のワイパアセンブリ。
【請求項14】
請求項1に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
前記誘導ワークコイルと連結され、環境条件に基づいて前記誘導ワークコイルを起動するように構成された制御回路を有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項15】
前記環境条件は、温度、湿度、降雨、雪、およびみぞれから成る群から選択されることを特徴とする請求項14に記載のワイパアセンブリ。
【請求項16】
フロントガラスから水または他の物質を除去するよう構成され、誘導加熱部を有する、ワイパと、
前記ワイパの前記誘導加熱部を誘導的に加熱するために前記フロントガラスの近くに設置されるように構成された誘導ワークコイルと、
前記ワイパの前記誘導加熱部に熱接触して設置されるように構成され、前記ワイパの現在の温度を検出するように作動可能な温度センサと、
現在の温度を所望の設定ポイントより上に保つために、前記温度センサから現在の温度を読み取り、前記ワークコイルの稼働を制御するように構成される制御回路を備える磁気誘導装置とを有することを特徴とする誘導的に加熱されるフロントガラス用ワイパアセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載のワイパアセンブリであって、さらに、前記温度センサと連結されるRFIDタグと、前記RFIDタグから現在の温度を読み取るように動作可能なRFID読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項18】
請求項16に記載のワイパアセンブリであって、さらに、マイクロワイヤ温度センサと、前記マイクロワイヤ温度センサから現在の温度を読み取るように動作可能なマイクロワイヤ読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項19】
表面から水または他の物質を除去するように構成されたワイパと、
前記ワイパの一部と接触して配置されるサセプタコイルと、
前記サセプタコイルまたは前記サセプタコイルと電気的接触をする発熱素子を加熱するために前記サセプタコイルに電流を誘導するために前記ワイパの近くに配置されるように構成される誘導ワークコイルとを有することを特徴とする誘導的に加熱されるワイパアセンブリ。
【請求項20】
請求項19に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
前記ワイパと熱接触して配置されるように構成され、前記ワイパの現在の温度を検出するように動作可能な温度センサと、
前記誘導ワークコイルと連結され、現在の温度を所望の設定ポイントより上に保つために、前記温度センサから現在の温度を読み取り、前記ワークコイルの稼働を制御するように構成された制御回路とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項21】
請求項20に記載のワイパアセンブリであって、さらに、前記温度センサと連結されるRFIDタグと、前記RFIDタグから現在の温度を読み取るように動作可能なRFID読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項22】
請求項20に記載のワイパアセンブリであって、さらに、マイクロワイヤ温度センサと、前記マイクロワイヤ温度センサから現在の温度を読み取るように動作可能なマイクロワイヤ読取装置とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項23】
請求項19に記載のワイパアセンブリであって、さらに、前記サセプタコイルと電気的に接続される温度スイッチと、前記誘導ワークコイルと連結され、前記温度スイッチに対応してワークコイルの稼働を制御するように構成される制御回路とを有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項24】
前記ワイパは、前記表面から水または他の物質を除去するためのワイパブレードと、前記表面と接触して前記ブレードを支持するためのワイパアームとを有し、前記サセプタコイルが、前記ワイパブレード内部にあることを特徴とする請求項19に記載のワイパアセンブリ。
【請求項25】
請求項19に記載のワイパアセンブリであって、さらに、
前記誘導ワークコイルと連結され、環境条件に基づいて前記誘導ワークコイルを起動するように構成された制御回路を有することを特徴とするワイパアセンブリ。
【請求項26】
前記ワイパは、前記表面から水または他の物質を除去するためのワイパブレードと、前記表面と接触して前記ブレードを支持するためのワイパアームとを有し、前記サセプタコイルが、前記ワイパアーム内部にあることを特徴とする請求項20に記載のワイパアセンブリ。
【請求項27】
前記ワイパは、スプラインを持つワイパブレードを有し、前記サセプタコイルはスプラインに取り付けられていることを特徴とする請求項20に記載のワイパアセンブリ。
【請求項28】
前記表面が車両のフロントガラスであることを特徴とする請求項20に記載のワイパアセンブリ。
【請求項29】
表面から水または他の物質を除去するように構成されたワイパと、
前記ワイパの一部と接触するように位置する共振サセプタコイルと、
前記サセプタコイルまたは前記サセプタコイルと電気的接触をする発熱素子を加熱するために前記共振サセプタコイルに電流を誘導するように前記ワイパの近くに位置するように構成される誘導ワークコイルとを有することを特徴とする誘導的に加熱されるワイパアセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2010−500218(P2010−500218A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524007(P2009−524007)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/075635
【国際公開番号】WO2008/021991
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(502082890)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/075635
【国際公開番号】WO2008/021991
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(502082890)
【Fターム(参考)】
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