誤操作防止装置および誤操作防止方法
【課題】ユーザの誤操作によって端末装置がユーザの意図しない処理を実行するのを効果的に防止する技術を提供する。
【解決手段】誤操作防止装置は入力手段と制御手段とを有している。入力手段は、ユーザによる操作を受け付ける。制御手段は、ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンを予め規定しておき、入力手段で受け付けられた要求操作が誤操作パターンに該当したら、ユーザに確認を促し、入力手段で確認操作が受け付けられた後に要求操作に対応する処理を実行する。
【解決手段】誤操作防止装置は入力手段と制御手段とを有している。入力手段は、ユーザによる操作を受け付ける。制御手段は、ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンを予め規定しておき、入力手段で受け付けられた要求操作が誤操作パターンに該当したら、ユーザに確認を促し、入力手段で確認操作が受け付けられた後に要求操作に対応する処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの誤操作によって端末装置が意図しない処理を行うのを防止する装置および方法関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理を行う端末装置はユーザの操作に応じて様々な処理を実行する。例えば、携帯電話機などの通信機能を備えた端末装置では、ユーザは端末装置を操作することで電子メールを編集したり、送信したりすることができる。
【0003】
しかし、ユーザが操作を誤ると端末装置はユーザの意図しない処理を実行してしまうことがある。特に携帯電話機のような小型の端末装置では配置できるキーボタンの数が限られるため、手が触れる筐体側面にボタンを配置したり、画面上にタッチパネルを配置してボタンを表示したり、画面上に意味を表示するソフトウェアキーを配置したりし、複雑な機能を少ない操作で使えるようにしている。その弊害として、例えば同じタッチパネル上のボタン位置で画面毎に異なる機能のボタン、例えばメールの返信と送信を配置せざるを得ない場合がある。人間の習慣的な動作として、タッチ1回でいいところをダブルクリック的に2回タッチしてしまったり、連続したデータ入力中に画面遷移を伴う誤操作により続く画面で誤った入力と処理決定をしてしまったりすることがあった。また、入力に対するシステムからのフィードバックが遅延したり、表示の更新が遅延したりすることによる誤操作も生じていた。
【0004】
これらはソフトウェアキーでも同様である。またタッチパネルの場合は物理的なボタンと異なり凹凸形状やボタン操作時の沈み込み(ストローク)がないため、操作を急ぐあまり隣接するキーを誤ってタッチしてしまうといった誤操作も生じていた。
【0005】
以下、幾つかの具体例について説明する。
【0006】
携帯電話機で受信した電子メールに対して返信をするとき、あるいは電子メールを新規に作成して送信するとき、電子メールの本文にデータが無い状態で送信の操作が行われ、誤って空の電子メールが送信されてしまうことがあった。
【0007】
一般に携帯電話機は、受信メール表示画面を表示した状態では、表示している受信メールへの返信を容易に行えるように、ソフトウェアキーに「返信」の機能が割り当てられる。その場合、ユーザが「返信」のソフトウェアキーを押下すると、携帯電話機は返信メール編集画面を表示した状態に移行する。そして、その返信メール編集画面を表示した状態では、同じソフトウェアキーに「送信」の機能が割り当てられている場合がある。ユーザが返信メールを編集した後に「送信」のソフトウェアキーを押下すると、携帯電話機は返信メールを送信する。
【0008】
しかし、そのような構成の携帯電話機では、受信メール表示画面を表示した状態で、「返信」が割り当てられたソフトウェアキーを誤って2回連続で押下すると、携帯電話機に「返信」の次に即座に「送信」が指示されることになる。その場合、返信メールが何の編集もされない状態で送信されてしまう。
【0009】
ユーザが無意識にソフトウェアキーを2回押下してしまう場合の他、携帯電話機の処理遅延があり、ソフトウェアキーが正しく押下されたかどうか確認できない場合にも、ユーザが同じソフトウェアキーを再度押し、結果的に連続して2回以上押下してしまうことがある。
【0010】
また、携帯電話機の操作確認音の鳴動を禁止する設定がされていると、ユーザは携帯電話機の振る舞いによってソフトウェアキーが正しく押下されたかどうか確認できず、同じソフトウェアキーを再度押下してしまうことがある。
【0011】
一方、端末装置が好ましくない動作をするのを防止するために、ユーザが行った操作に対する処理を実行する前に、ユーザに再確認を促す機能を備えた端末装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0012】
特許文献1に開示された端末装置は、電子メールを送信する前に電子メールの題名、本文、または添付ファイルに規制語句が含まれていないか調査し、規制語句が含まれていた場合にはユーザに再確認を促す。規制語句としては、企業の内部機密や誹謗中傷文で使われる語句を設定することが想定される。
【0013】
また、一般の情報処理装置において、ユーザの操作によって、影響の大きな処理を行う前に、ユーザに再確認を促すことが広く行われている。例えば、データを削除する処理を実行する前にユーザに再確認が促される場合がある。
【0014】
また、一般の情報処理装置において、ユーザが入力したデータやテキストが形式的に適切かどうか確認し、適切でなければユーザに再入力を促すことが広く行われている。例えば、半角文字で入力すべきデータを全角文字が入力されると、ユーザに再入力が促されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2004−227056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述の特許文献1に記載された技術は、誤操作とは関係なく特定の語句が電子メールに含まれていないか確認するものである。そのため、特定語句の設定によって企業の内部機密がネットワーク上で漏えいすることや誹謗中傷文がネットワークへ送信されることを防止することはできる。しかしながら、誤操作によって空メールを送ってしまうというような、ユーザの誤操作で意図しない処理が実行されるのを効果的に防止することはできない。
【0017】
また、誤操作で生じるユーザの意図しない処理が影響の大きい処理であるとは限らないので、影響の大きい処理を行う前にユーザに再確認を促すという方法でも、ユーザの誤操作で意図しない処理が実行されるのを効果的に防止することはできない。
【0018】
また、誤操作があっても、入力されている文字等が形式的には適切であることもあるので、データやテキストを形式的に確認しても、ユーザの誤操作で意図しない処理が実行されるのを効果的に防止することはできない。
【0019】
本発明の目的は、ユーザの誤操作によって端末装置がユーザの意図しない処理を実行するのを効果的に防止する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明の誤操作防止装置は、
ユーザによる操作を受け付ける入力手段と、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンを予め規定しておき、前記入力手段で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、前記入力手段で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行する制御手段と、を有している。
【0021】
本発明の誤操作防止方法は、ユーザの操作に応じて動作する端末装置における誤操作防止方法であって、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンの情報が予め規定されており、
前記端末装置で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、
前記端末装置で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ユーザの誤操作によって端末装置がユーザの意図しない処理を実行するのを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態による誤操作防止装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例による携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図3】メール機能が起動された状態においてキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【図4】メール機能が起動された状態においてキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【図5】メール機能が起動された状態においてキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【図6】メール機能が起動された状態において、受信したメールを閲覧するキー操作がされたときの処理の流れを表すフローチャートである。
【図7】メール機能が起動された状態において、メール編集状態を終了するか否かを判定し、判定結果に応じて実行する処理の流れを表すフローチャートである。
【図8】メール機能が起動された状態において、送信する電子メールのデータを編集していない状態で送信してよいか否かを判定し、判定結果に応じて実行する処理の流れを表すフローチャートである。
【図9】第二の実施例において、メール機能が起動された状態でキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【図10】第三の実施例による端末装置の構成を示すブロック図である。
【図11】端末装置にて受信メールを閲覧し、送信メールを編集し、それを送信する課程における表示画面の例を示す図である。
【図12】第三の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】第三の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】第三の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】第四の実施例による端末装置の構成を示すブロック図である。
【図16】PIN(Personal identification number)入力画面でユーザが誤操作し、緊急電話を発信してしまうまでの表示画面の例を示す図である。
【図17】第四の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】第四の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】第四の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
まずは本発明の概略の実施形態について説明する。
【0026】
図1は、本実施形態による誤操作防止装置の構成を示すブロック図である。誤操作防止装置11は、携帯電話機などの端末装置10内部に組み込まれ、端末装置10への誤操作によってユーザの意図しない処理が実行されるのを防止する装置である。
【0027】
誤操作防止装置11は入力部12および制御部13を有している。
【0028】
入力部12は、ユーザによる操作を受け付ける操作部、または端末装置10の外部から接続された入力装置からの入力を通知するインターフェイスであり、例えば、ハードウェアキーあるいはソフトウェアキーによるキー操作部、タッチパッド、ディスプレイと一体化したタッチパネル等である。
【0029】
制御部13は、端末装置10にて誤操作によりユーザの意図しない処理が実行されるのを防止するための制御を行う。具体的には、制御部13は、ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンの情報を予め保持しておき、入力部12で受け付けられた要求操作が誤操作パターンに該当したら、ユーザに確認を促し、更に、入力部12で確認操作が受け付けられた後にその要求操作に対応する処理を実行する。
【0030】
ユーザの確認は、例えば、処理内容とそれを実施してよいかどうかの確認を求める文と確認時に行う確認操作の方法とを画面に表示し、ユーザが確認操作を行ったら処理をするという方法が考えられる。
【0031】
本実施形態によれば、ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンの情報を予め規定しておき、要求操作が誤操作パターンに該当したらユーザに確認を促すので、ユーザの誤操作によって端末装置がユーザの意図しない処理を実行するのを効果的に防止することができる。
【0032】
また、ここでいう誤操作パターンに該当する要求操作の典型的な例として電子メールを送信する操作がある。携帯電話機には電子メールを送信するときの操作性を向上させる工夫が施されている。例えば、電子メールを表示する画面や編集する画面を表示した状態では、次に行われる可能性が高い操作がソフトウェアキーに割り当てられる。そのため、ユーザが電子メールの操作に習熟してくると操作スピードが上がる。しかし、それに伴って誤操作の可能性も高まってしまう。そして、誤操作によってユーザの意図しない電子メールが送信されてしまうと、後でそれを修正するのは困難である。本実施形態では、誤操作によってユーザの意図しない電子メールが送信されるのを効果的に防止することができる。
【0033】
誤操作パターンの具体例としては、本文にデータが含まれていない電子メールの送信を要求する操作パターン、ユーザが本文を編集していない電子メールの送信を要求する操作パターン、本文をユーザが編集していない電子メールを、アドレス帳に登録されているアドレス、あるいは過去に電子メールを送信あるいは受信したことのあるアドレスへ送信することを要求する操作パターン、編集がイベントによって強制終了した電子メールの送信を要求する操作パターン等が考えられる。
【0034】
これらはいずれも誤操作による電子メールの送信である可能性の高い操作パターンなので、これらが生じたときにユーザに確認を促すことで、誤操作によってユーザの意図しない電子メールが送信されるのを効果的に防止することができる。
【0035】
なお、上述は携帯電話機による電子メールの送信について説明したが、本発明がそれに限定されるものではなく、端末装置の処理一般に広く適用することができる。例えば、ユーザの誤操作で誤った情報を携帯情報端末に登録してしまうのを防止する場合にも本発明は適用することができる。
【0036】
また、入力部は、同一の操作に対応する処理を切り替えることが可能な可変入力部であってもよい。可変入力部の例としては、ソフトウェアキー、タッチパッド、タッチパネル等がある。
【0037】
入力部がソフトウェアキー等の可変入力部である場合、誤操作防止装置11は、同一の操作に対応する処理の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンを誤操作パターンとして予め登録しておくのが有効である。
【0038】
例えば、割り当てる機能を切り替えることが可能なソフトウェアキーへの機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンを誤操作パターンとして登録しておけばよい。
【0039】
そして、ソフトウェアキーに、電子メールを送信する機能が割り当てられた後に他の操作を介さずに、そのソフトウェアキーによって電子メールの送信を要求する操作パターンを誤操作パターンとすればよい。
【0040】
あるいは、ソフトウェアキーに電子メールを送信する機能が割り当てられてから所定時間内に、そのソフトウェアキーによって電子メールの送信を要求する操作パターンを誤操作パターンとしてもよい。所定時間は、例えば、ソフトウェアキーに電子メールの送信が割り当てられたことをユーザが認識せずにソフトウェアキーを押下したと想定される程度の時間に設定すればよい。
【0041】
また、入力部が、画像を表示するディスプレイと一体的に構成され、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチパネルであり、タッチパネルの所定位置へのタッチ操作に割り当てられる機能が、ディスプレイによる所定位置への表示の切り替わりと共に切り替わる場合にも本発明は有効である。その場合、所定位置へのタッチ操作に対する機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンを誤操作パターンとして登録すればよい。
【0042】
例えば、所定位置へのタッチ操作に、電子メールを送信する機能が割り当てられた後に他の操作を介さずに、そのタッチ操作によって電子メールの送信を要求する操作パターンを誤操作パターンとすればよい。
【0043】
あるいは、所定位置へのタッチ操作に、電子メールを送信する機能が割り当てられてから所定時間内に、そのタッチ操作によって電子メールの送信を要求する操作パターンを誤操作パターンとしてもよい。
【0044】
以下、本実施形態のより具体的な実施例について説明する。
【0045】
(第一の実施例)
図2は、本実施例による携帯電話機の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、携帯電話機は、制御部1−1、アンテナ1−2、無線部1−3、操作部1−4、表示部1−5、およびメモリ部1−6を備える。
【0046】
制御部1−1は、CPU(Central Processing Unit)1−1−1を有し、制御プログラム1−1−2に基づいて、接続された各ブロックを制御する。
【0047】
無線部1−3は、アンテナ1−2を介して移動通信システムの基地局(不図示)と制御信号やユーザデータの信号を送受信する。無線部1−3は、制御部1−1からの送信信号を変調して基地局に送信する。また、無線部1−3は基地局から受信した信号を復調して制御部1−1に送る。受信信号は制御部1−1にて解析される。
【0048】
制御部1−1は、無線部1−3からの信号が音声データであれば復号化して音声として出力し、音声データ以外であれば受信データに応じた処理を行う。
【0049】
操作部1−4は、複数のキーを具備しており、それらのキーには、電子メールを作成するときの文字入力ボタン、メール送信ボタン、メール返信ボタン、メール転送ボタンが含まれている。
【0050】
表示部1−5は、液晶やEL(Electro−Luminescence)などのデバイスが使用されており、制御部1−1からの指示で各種画像等を表示する。
【0051】
メモリ部1−6は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備え、各種データを保持する。メモリ部1−6には、受信したメールを保存するエリア1−6−1、送信メールの本文を編集するエリア1−6−2、メールの送受信した日時、あて先、件名、本文を保存したメール送受信履歴エリア1−6−3、電話番号、メールアドレス、名前等のデータを保存する電話帳エリア1−6−4、携帯電話の状態やデータ編集時の一時的な保存エリア1−6−5が構成される。
【0052】
図3〜5は、メール機能が起動された状態においてキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。図6は、メール機能が起動された状態において、受信したメールを閲覧するキー操作がされたときの処理の流れを表すフローチャートである。この状態からメールの返信や転送が起動される。図7は、メール機能が起動された状態において、メール編集状態を終了するか否かを判定し、判定結果に応じて実行する処理の流れを表すフローチャートである。図8は、メール機能が起動された状態において、送信する電子メールのデータを編集していない状態で送信してよいか否かを判定し、判定結果に応じて実行する処理の流れを表すフローチャートである。
【0053】
図3を参照すると、操作部1−4で押下されたキーのキーデータを制御部1−1が解析する(ステップ101)。次に、制御部1−1は、現在の携帯電話機の状態がメール作成中か否か判断する(ステップ102)。
【0054】
メール作成中であった場合、制御部1−1は、押下されたキーのキーデータがメールの送信を要求するキーであったか否か判断する(ステップ103)。メールの送信を要求するキーであった場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2に送信メールのデータがあるか否か判断する(ステップ104)。
【0055】
送信メール本文編集エリア1−6−2に送信メールのデータがあった場合、制御部1−1は、現在作成している送信メールが受信メールのデータを引用して編集しているものか否か判断する(ステップ105)。編集中の送信メールが受信メールのデータを引用したものである場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2の送信メールのデータに、受信メールからの引用データ以外のデータが含まれているか否か判断する(ステップ106)。
【0056】
編集中の送信メールに引用データ以外のデータが含まれている場合、または編集中の送信メールが受信メールを引用したものでない場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2に保存されている送信メールを無線部1−3およびアンテナ1−2を介して送信する(ステップ107)。
【0057】
送信メール本文編集エリア1−6−2の送信メールに引用データ以外のデータが無い場合または送信メールの本文に全くデータが無い場合、制御部1−1は、ユーザが本文を書かずにメールを送信しようとしていると判断し、空メール送信確認画面を表示部1−5に表示する(ステップ108)。その後、制御部1−1は、空メール送信確認処理(図8参照)に移行し、送信可否の判断結果が入力されるのを待つ。
【0058】
ステップ103の判定にて、メール送信を要求するキーではないキーが押下されたのであれば、制御部1−1は、そのキーがメール編集の終了を要求するためのキーであるか否か判断する(図4のステップ201)。
【0059】
メール編集の終了を要求するキー操作であった場合、制御部1−1は、メール編集を終了して良いかをユーザに確認させる画面を表示する(ステップ202)。その後、制御部1−1は、メール編集終了確認処理(図7参照)へ移行し、ユーザによって編集終了の可否判断が入力されるのを待つ。
【0060】
メール編集の終了を要求するキー操作でなかった場合、制御部1−1は、文字データを入力するキー操作であったか否か判断する(ステップ203)。文字データを入力するためのキー操作であった場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2に、その文字データを保存する(ステップ204)。文字データの入力以外のキー操作であった場合、制御部1−1は処理を終了して操作部1−4からの次の入力を待つ。
【0061】
図3のステップ102の判定において、メール作成中でない状態でのキー操作であった場合、制御部1−1は、入力されたキーデータが新規メールの作成を要求するキー操作であるか否か判断する(ステップ301)。新規メールの作成を要求するキー操作であった場合、制御部1−1は、送信メールを作成するためのメール作成画面を表示部1−5に表示し、メール作成状態に移行する(ステップ302)。一方、新規メールの作成を要求するキー操作でなかった場合、制御部1−1は、受信メールの閲覧を要求するキー操作か否か判断する(ステップ303)。
【0062】
受信メールの閲覧を要求するキー操作であった場合、制御部1−1は、受信メールデータ保存エリア1−6−1に保存されている受信メールを表示する(ステップ304)。その後、制御部1−1は、受信メール閲覧処理(図6参照)へ移行し、ユーザが受信メールの閲覧、メール返信、あるいはメール転送を選択するのを待つ。ステップ303において、受信メールの閲覧を要求するキー操作でなかった場合、制御部1−1は入力されたキーデータに従った処理を行う。
【0063】
次に、図6を参照して受信メール閲覧状態での動作を説明する。
【0064】
操作部1−4からのキーデータを制御部1−1が解析する(ステップ401)。そして、制御部1−1は、入力されたキーデータがメールの返信または転送を要求するキー操作を示すものであるか否か判断する(ステップ402)。ここでの返信または転送の要求は、受信メールに対する返信のメール、または受信メールを転送するメールを作成する画面へ遷移することを要求するものである。メールの返信または転送の要求を示すキー操作であれば、制御部1−1は、ユーザが受信メールを引用するか否か判断する(ステップ403)。
【0065】
受信メールを引用する場合、制御部1−1は、引用する受信メールのデータを送信メール本文編集エリア1−6−2に保存する(ステップ404)。受信メールのデータを送信メール本文編集エリア1−6−2に保存した後、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2に保存したデータと併せてメール作成画面を表示部1−5に表示し、メール作成状態に移行する(ステップ405)。
【0066】
受信メールを引用しない場合、制御部1−1は、空のメール作成画面を表示部1−5に表示する(ステップ406)。その後、制御部1−1は、メール機能が起動された状態の処理(メール機能処理(図3参照))へ移行してメール作成状態となる。
【0067】
ステップ402の判定でメールの返信または転送を要求するキー操作でなかった場合、制御部1−1は、受信メールの閲覧の終了を要求するキー操作であるか否か判断する(ステップ407)。受信メールの閲覧の終了を要求するキー操作であった場合、制御部1−1は受信メール閲覧状態を終了する。受信メールの閲覧の終了を要求するキー操作でなかった場合、制御部1−1は受信メール閲覧状態を継続する。
【0068】
次に、図7を参照してメール編集終了状態での動作について説明する。
【0069】
操作部1−4からのキーデータを制御部1−1が解析する(ステップ501)。入力されたキーデータがメール編集の終了を要求するキー操作であるか否か判断する(ステップ502)。メール編集の終了を要求するキー操作であった場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2のデータを初期化し(ステップ503)、表示部1−5にメール編集前の画面を表示させ、メール編集状態を終了する(ステップ504)。
【0070】
ステップ502の判定でメール編集の終了の要求をキャンセルするキー操作であった場合、制御部1−1は、メール編集画面を表示部1−5に表示する(ステップ505)。その後、制御部1−1はメール機能処理(図3参照)へ移行し、メール作成状態となる。
【0071】
次に、図8を参照し、空メールの送信を行うか否かを確認する状態での動作を説明する。
【0072】
まず操作部1−4からのキーデータを制御部1−1が解析する(ステップ601)。続いて、制御部1−1は、入力されたキーデータが空メールの送信を要求するキー操作か否か判断する(ステップ602)。空メールの送信を要求(確認)するキー操作であった場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2のデータで送信メールを作成し、無線部1−3およびアンテナ1−2を介して送信する(ステップ603)。その後、制御部1−1は、表示部1−5にメール編集前の画面を表示させる(ステップ604)。
【0073】
ステップ602の判定で、入力されたキーデータが空メールの送信をキャンセルするキー操作であった場合、制御部1−1は、空メールの送信をキャンセルして、メール編集画面を表示部1−5に表示させる(ステップ605)。その後、メール機能処理(図3参照)へ移行し、メール作成状態となる。
【0074】
以上説明したように本実施例によれば、メールの返信時や新規作成時のようにメール本文のデータが無い場合であったり、あるいはメール本文を引用して返信時やメールの転送時に、送信メールの本文に編集したデータが無い状態でユーザがキー操作を誤り、空メールを誤って送信してしまうのを防止することができる。
【0075】
(第二の実施例)
第一の実施例では、電子メール送信時に電子メールの本文にデータが無ければ、制御部1−1は無条件で空メールを送信して良いかをユーザに確認するものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。企業などが提供するWebサイトにおける会員登録のために、携帯電話機から企業宛に空メールを送信することがある。その場合の空メールは誤操作によるものではない。そこで、第二の実施例では、会員登録などに伴う正常な空メールの送信時には、空メールを送信してよいか否かをユーザに確認することなく空メールを送信できるようにする。
【0076】
図9は、第二の実施例において、メール機能が起動された状態でキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。第二の実施例では、第一の実施例の図3のフローチャートの代わりに図9のフローチャートの処理が行われる。
【0077】
図9を参照すると、図3と同様にステップ101〜106の処理を行った後、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2に、引用データ以外のデータ(編集されたデータ)が無かった場合、編集している送信メールの送信先メールアドレスが電話帳保存エリア1−6−4に登録されているか否か確認する(ステップ707)。
【0078】
送信先メールアドレスが電話帳保存エリア1−6−4に格納されていなかった場合、制御部1−1は、送信先が過去に電子メールを送信あるいは受信したことのあるアドレスか否かを、メール送受信履歴エリア1−6−3を検索することで確認する(ステップ708)。電話帳保存エリア1−6−4または送受信履歴エリア1−6−3に送信先メールアドレスが有った場合、制御部1−1は、空メール送信確認画面を表示部1−5に表示する(ステップ709)。その後、制御部1−1は、空メール送信確認処理(図8)へ移行し、ユーザが電子メールを送信してよいか否かの判断を入力するのを待つ。
【0079】
電話帳保存エリア1−6−4にも送受信履歴エリア1−6−3にも送信先メールアドレスが無かった場合、制御部1−1は、初めて送信先メールアドレスへのメール送信なので、会員登録などのためにユーザが意図的に空メールを送信するものと判断し、ユーザの確認を経ずに、空メールを無線部1−3およびアンテナ1−2を介して送信する(ステップ710)。
【0080】
本実施例によれば、ユーザが意図的に空メールを送信しようとしていると想定されるときには、制御部1−1は、ユーザに確認させることなく空メールを送信するので、ユーザの無駄な確認作業を削減することができる。
【0081】
(第三の実施例)
第一および第二の実施例は、空の電子メール、あるいは受信メールを引用して全く編集していない電子メールが送信されようとしたとき、送信してよいかどうかをユーザに確認するものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0082】
第三の実施例は、送信メールの編集が正常に完了せず、イベントの発生によって強制的に編集が終了した電子メールを送信しようとするときにも、その電子メールを送信してよいかどうかをユーザに確認させるものである。
【0083】
図10は、第三の実施例による端末装置の構成を示すブロック図である。図10を参照すると、端末装置は、アンテナ1−2、無線部1−3、操作部1−4、表示部1−5、および制御部2−1を有している。
【0084】
操作部1−4は、ユーザによる操作や指示を受け付ける。ここでは操作部1−4は、機能の割り当てが適宜変更されるソフトウェアキーと、ディスプレイと一体化したタッチパネルとを含むものとする。
【0085】
表示部104は、制御部2−1からの制御で画面を表示するディスプレイであり、操作部1−4から入力された情報や制御部2−1による処理結果を表示する。
【0086】
無線部1−3は、端末装置による無線通信を可能にする回路であり、制御部2−1は無線通信を行うときに無線部1−3を利用する。
【0087】
制御部2−1は、ハードウェア的には一般的なコンピュータシステムと同様にCPU、RAM、ROM、およびタイマーを備え、制御プログラムを実行することで各ブロックを制御する。機能的には、制御部2−1が制御プログラムを実行することにより、状態遷移管理部2−1−1、編集状態管理部2−1−2、および処理部2−1−3が形成される。
【0088】
編集状態管理部2−1−2は、ユーザによるテキストの編集に関する処理の状態(編集状態)を記憶している。編集状態としては、例えば、ユーザによる編集が可能な状態(編集可能状態)、ユーザによるテキストの編集が開始された状態(編集開始状態)、編集が正常に終了し編集したテキストに従った処理を実行できる状態(編集完了状態)がある。編集状態管理部2−1−2に記憶されている編集状態は処理部2−1−3から読み書き可能である。
【0089】
状態遷移管理部2−1−1は、操作部1−4から受けたユーザの操作による入力信号を、操作部1−4のキーマトリクスON/OFF情報あるいはタッチパネルON/OFF座標として予め定義された入力データあるいは命令に変換し、処理部2−1−3へ出力する。
【0090】
状態遷移管理部2−1−1は、予め定義された画面情報を保持しており、また装置の状態を管理しており、処理部2−1−3からの画面表示命令を受けると、その命令に応じた画面を表示部104に表示させる。また状態遷移管理部2−1−1は、入力データ、命令、画面情報に関する定義を処理部2−1−3から適宜受け、それら受けた情報に基づき状態遷移等の各種処理を実行する。
【0091】
更に、状態遷移管理部2−1−1は、編集状態管理部2−1−2に記憶されている編集状態を適宜更新する。操作部1−4から入力があると、状態遷移管理部2−2−1は、その入力に対応して編集状態管理部2−1−2の状態を予め定められたように遷移させる。
【0092】
また、状態遷移管理部2−1−1は、処理部2−1−3からの画面表示命令を受けて、その命令に応じた画面を表示部104に表示させるとき、編集状態管理部2−1−2に記憶されている編集状態を適宜遷移させる。
【0093】
処理部2−1−3は、文字編集操作の際に呼び出され、その直後に、編集状態管理部2−1−2に記憶されている編集状態を編集開始状態にし、更に編集操作完了後には編集状態を編集完了状態にする。
【0094】
また、処理部2−1−3は、編集状態管理部2−1−2に記憶されている編集状態が編集完了状態でないとき、つまり編集が正常に完了していない状態のときに、編集したテキストに関する処理の開始指示があったら、表示部104への表示を通して、指示された処理を開始してよいかどうかユーザに確認する。
【0095】
次に、本実施例の端末装置の動作について説明する。
【0096】
図11は、端末装置にて受信メールを閲覧し、送信メールを編集し、それを送信する課程における表示画面の例を示す図である。図12〜14は、第三の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【0097】
図11(a)には、ユーザが受信メールを閲覧するときの表示画面の例が示されている。ソフトウェアキーの1つに「返信」の機能が割り当てられている。図11(a)の状態でユーザが「返信」のソフトウェアキーを押下すると、受信メールを引用した送信メールをユーザが編集できる状態となる。図11(b)には、ユーザが送信メールを編集できる状態の表示画面が示されている。ソフトウェアキーには「送信」の機能が割り当てられている。図11(b)の状態で、ユーザが「送信」のソフトウェアキーを押下すると、端末装置は送信メールを送信する。図11(c)には、メール送信中の表示画面が示されている。
【0098】
図11に示した過程を例として図12、図13、図14の動作を説明する。
【0099】
ここでは図11(a)のように受信メール表示した状態から動作が開始されるものとする。処理部2−1−3から状態遷移管理部2−1−1へ、表示する画面と、その画面でのキーボタンおよびタッチパネル座標に対する操作内容の定義情報とが通知され、表示部1−5には指示された表示画面が表示されている。
【0100】
図12を参照すると、操作部1−4にて、受信メールの内容の閲覧、返信、削除などのユーザによる操作を受けると(ステップ801)、操作情報が操作部1−4から状態遷移管理部2−1−1へ通知される(ステップ802)。ここでは、一例として、ユーザは、向かって右(端末装置からは左)のソフトウェアキー「返信」を押したものとする。
【0101】
状態遷移管理部2−1−1は、操作情報を、その操作内容を示す命令やデータに変換し、処理部2−1−3に通知する。処理部2−1−3は、次に移行すべき編集状態を命令に基づいて決定し、次の編集状態が編集可能状態かどうか判定する(ステップ803)。ここではソフトウェアキー「返信」が押下されたので、処理部2−1−3は、送信メールを編集する画面を、状態遷移管理部2−1−1を介して表示部1−5に表示すると共に、編集状態管理部2−1−2に編集可能状態を通知する。
【0102】
図13を参照すると、編集状態管理部2−1−2は編集可能状態である通知を受け、その状態を記憶する(ステップ901)。続いてユーザが送信メールの本文を修正する場合(ステップ902のYES)、処理部2−1−3が編集状態管理部2−1−2の編集状態を編集開始状態に移行させる(ステップ903)。
【0103】
処理部2−1−3によってテキストの編集が行われ(ステップ904−905)、テキストの編集が正常に終了すると、処理部2−1−3は編集状態管理2−1−2に編集完了状態を記憶させる。
【0104】
また、ステップ902の判定においてユーザが続いて送信メールの本文を編集しない場合、あるいは、後述するステップ1002におけるユーザによるメール送信の可否の確認において、メールを送信しないこととされた場合(図13中のE)はステップ907に進む。
【0105】
ここでユーザは編集したテキストに関する処理の開始を要求してもよく、また編集を再開してもよい。編集を再開する場合にはステップ902に戻る(ステップ907のNO)。
【0106】
ここでは、図11(b)の画面が表示された状態からユーザが向かって右のソフトウェアスイッチ「送信」を押下したとする。このソフトウェアスイッチ「送信」は、電子メールを送信する処理の開始を要求するものなので、処理部2−1−3は、その処理を開始する(ステップ907のYES)。
【0107】
図14を参照すると、メール送信の処理開始の指示を受けた編集状態管理部2−1−2は、記憶している編集状態が編集完了状態であるか否か判定する(ステップ1001)。編集完了状態でない場合(ステップ1001のでNo)は、編集状態管理部2−1−2は、その旨を処理部2−1−3へ通知する。処理部2−1−3は、通知を受けて、表示部1−5への表示を介して、メールを送信してよいかどうかユーザに確認する。
【0108】
メール送信の処理を行わない場合、図13のステップ907に移行し、図11(b)の画面を再び表示する。メール送信の処理を実行してよい場合(ステップ1002のYES)、あるいは、ステップ1001の判定で編集完了状態であった場合、処理部2−1−3メール送信処理を実行する(ステップ1003)。その後、処理部2−1−3は、図11(c)の送信中の画面を表示部1−5に表示し、更には送信が完了したら送信完了画面を表示し、編集状態管理部2−1−2の編集状態をクリアする。
【0109】
本実施例によれば、ユーザが全く編集を行っていない電子メールを誤操作で送信してしまうこと、またイベントにより編集が強制的に終了した電子メールを誤操作によって送信してしまうことを防止することができる。
【0110】
なお、図10に示したように、本実施例では、処理部2−1−3と状態遷移管理部2−1−1と編集状態管理部2−1−2を個々の機能毎に別個に配置しているが、CPUが制御プログラムを実行する制御部2−1が処理部2−1−3と状態遷移管理部2−1−1と編集状態管理部2−1−2の全体機能の処理を実行するものであってもよい。
【0111】
また、編集状態管理部2−1−2が1つの編集状態を保持する例を示したが、1つの画面に複数の入力項目があり、それぞれの項目に対して編集状態を管理するものであってもよい。その場合、例えば、編集完了状態を“1”とし、それ以外の状態を“0”とし、全ての項目の状態の論理積が“1”とならない場合に処理を開始してよいかどうかをユーザに確認することにすればよい。
【0112】
また、第三の実施例では、ソフトウェアキーへの誤操作を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。他の例として、ディスプレイと一体化したタッチパネルへの誤操作にも本実施例と同様の構成および動作を適用できる。
(第四の実施例)
第三の実施例では、編集開始状態を経て編集完了状態となったかどうかに応じて、処理開始に際してユーザに確認を促すかどうかを選択するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。第四の実施例では、命令が入力されたとき前回の命令と今回の命令の時間間隔を測定し、その時間間隔が短い場合に誤操作による命令である可能性があると判断し、ユーザに処理を開始してよいかどうか確認する。
【0113】
図15は、第四の実施例による端末装置の構成を示すブロック図である。図15を参照すると、第四の実施例の端末装置は、図10に示した第三の実施例の端末装置とは制御部3−1の機能的な構成および動作が異なる。
【0114】
制御部3−1は、状態遷移管理部3−1−1と計時部3−1−2と処理部3−1−3を有している。
【0115】
状態遷移管理部3−1−1は、操作部1−4から受けたユーザの操作による入力信号を、操作部1−4のキーマトリクスON/OFF情報あるいはタッチパネルON/OFF座標として予め定義された入力データあるいは命令に変換し、処理部3−1−3へ出力する。また状態遷移管理部3−1−1は、予め定義された画面情報を保持しており、処理部3−1−3からの命令を受けると、命令に応じた画面を表示部104に表示する。また、状態遷移管理部3−1−1は、入力データ、命令、画面情報に関する定義を処理部3−1−3から適宜受け、それら受けた情報に基づき各種処理を実行する。
【0116】
更に、状態遷移管理部3−1−1は、各種編集状態が予め定義されており、操作部1−4からの入力があると編集状態を定義に従って遷移させると共に、編集状態が遷移した時刻を計時部3−1−2に記録させる。計時部3−1−2は、例えば、テキストの編集が完了して処理開始の指示を待っている状態(処理指示待ち状態)となった時刻と、処理開始の指示を受けた状態(処理開始状態)となった時刻を記録する。
【0117】
処理部3−1−3は、状態遷移管理部3−1−1からの命令で処理開示の指示を受けると、処理開始の指示を待っている状態となった時刻と処理開始の指示を受けた時刻とを計時部3−1−2から取得し、それらの時間間隔が所定の時間以下であったら、表示部1−5への表示を通じて、処理を開始してよいかどうかをユーザに確認する。ここで用いる所定の時間は、ユーザが意識的に入力した指示なのか、前回の入力から連続的に勢いで入力した指示なのかを区別する程度の時間として任意の時間に設定すればよい。
【0118】
次に、本実施例による端末装置の動作について説明する。
【0119】
図16は、PIN(Personal identification number)入力画面でユーザが誤操作し、緊急電話を発信してしまうまでの表示画面の例を示す図である。ここでは、ユーザはPIN入力画面で「71100」という電話番号を入力しようとして、「7」の代わりに誤って「緊急電話」を押し、2回目の「0」の代わりに誤って「電話」を押してしまっている。
【0120】
図17〜19は、第四の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。図16の課程を例として図17、図18、図19の動作を説明する。
【0121】
端末装置の電源をONした直後や、セキュリティロックがかかった状態から操作を開始するとき、端末装置はPIN入力を要求する状態で動作を開始する。画面表示にあたって、処理部3−1−3から状態遷移管理3−1−1へ、表示部1−5に表示する画面と、その画面でのキーボタンやタッチパネル座標に対応する操作内容の定義情報とが通知され、表示部1−5には指示された表示画面が表示されている。
【0122】
図17を参照すると、処理部3−1−3は状態遷移管理部3−1−1を介して表示部1−5に図16(a)の画面を表示させてユーザにPIN入力を要求し(ステップ1101)、入力の有無を監視する(ステップ1102)。ユーザによる情報の入力があると、操作部1−4から状態遷移管理部3−1−1へ入力情報が通知される。入力情報は状態遷移管理部3−1−1で命令に変換され、処理部3−1−3へ通知される。
【0123】
ここで、ユーザは「71100」と入力するつもりで、「7」の代わりにすぐ下に配置された「緊急電話」のタッチボタンをタッチしてしまっている。「緊急電話」のタッチボタンがタッチされたので、処理部3−1−3は、状態遷移管理部3−1−1を介して表示部1−5に図16(b)の画面を表示させ、緊急電話の電話番号と発信指示の入力を待つ状態となる。そのため、状態遷移管理部3−1−1が管理している編集状態は処理指示待ち状態となる(ステップ1103のYES)。
【0124】
図18を参照すると、タッチパネルボタン「緊急電話」がタッチされたので、その操作情報が状態遷移管理部3−1−1で命令に変換され、処理部3−1−3に通知される。また、状態遷移管理部3−1−1は、編集状態を処理指示待ち状態にしたので、そのときの時刻(第一の時刻)を計時部3−1−2に記録させる。
【0125】
引き続いてユーザは「110」と入力していく。電話番号の入力なので、処理部3−1−3は1文字ずつその入力を完了させる(ステップ1203−1204)。「110」が入力されると、この実施例では3桁の入力がされると編集完了と見なし、編集が完了し(ステップ1205のYES)、表示画面には、この実施例ではそれまで「0」のタッチボタンが表示されていた位置に「電話」のタッチボタンが表示される。「電話」のタッチボタンは、電話の発信を指示するボタンである。ユーザは、その状態で「0」の代わりに誤って「電話」のタッチボタンをタッチしてしまっている。
【0126】
「電話」というタッチボタンへのタッチは処理開始の指示なので、状態遷移管理部3−1−1は処理開始が要求されたと判断し(ステップ1205)、処理開始の指示が行われた時刻(第二の時刻)を計時部3−1−2に記録させる(ステップ1206)。
【0127】
図19を参照すると、次に、処理部3−1−3は、第一の時刻と第二の時刻の時間差が所定の時間より大きいか否か判定する(ステップ1301)。第一の時刻と第二の時刻の時間差が所定の時間以下であれば、処理部3−1−3は、ユーザが誤って入力した指示である可能性があると判断し、開始しようとしている処理の内容を表示部1−5に表示すると共に、処理を開始してよいかどうかをユーザに確認する(ステップ1302)。ユーザが処理を開始しない旨の入力を行った場合、処理部3−1−3は、ステップ1201の処理に移行する(ステップ1302のNO)。
【0128】
ユーザが処理を開始する旨の入力を行った場合(ステップ1302のNO)、あるいはステップ1301の判定で第一の時刻と第二の時刻の時間差が所定の時間を超えていた場合(ステップ1301のYES)、処理部3−1−3はユーザへの確認を経ずに処理を実行する(ステップ1303)。処理部3−1−3は処理を開始すると共に、計時部3−1−2に記録されている第二の時刻をクリアする。
【0129】
以上説明したように本実施例によれば、ユーザがPIN入力やメニュー操作などで勢い余って誤操作をしてしまった場合に、ユーザの意図しない処理が実行されるのを防止することができる。
【0130】
なお、図15に示したように、本実施例では、処理部3−1−3と状態遷移管理部3−1−1と計時部3−1−2を個々の機能毎に別個に配置しているが、CPUが制御プログラムを実行する制御部3−1が処理部3−1−3と状態遷移管理部3−1−1と計時部3−1−2の全体機能の処理を実行するものであってもよい。また、制御部3−1が計時部3−1−2の機能を行うために内部のタイマーを利用してもよい。
【0131】
また、計時部3−1−2が第一および第二の時刻という1対の時刻を計測する例を示したが、複数組の時刻を計測し、いずれかの組の時間差が所定の時間以下であったならば、ユーザに処理を開始してよいかどうか確認することにしてもよい。また、3つ以上の時刻を計測し、それらを適宜組み合わせて時間差を算出し、その時間差が所定の時間以下であったならば、ユーザに処理を開始してよいかどうか確認することにしてもよい。
【0132】
また、本実施例では、第一の時刻を記録してから第二の時刻を記録するという処理フローにおいて処理を実行したら第二の時刻のみをクリアすることとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。処理内容や条件によっては第一および第二の時刻を共にクリアすることにしてもよい。
【0133】
また、本実施例では、処理指示待ち状態となってから処理開始状態となるまでの時間が所定の時間以下のときに、ユーザに処理を開始してよいかどうか確認するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。他の例として、処理指示待ち状態となってから他に何の操作も経ずに処理開始状態に移行した場合に、ユーザに処理を開始してよいかどうか確認することにしてもよい。
【0134】
また、本実施例では、タッチパネルへの誤操作を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。他の例として、ソフトウェアキーへの誤操作にも本実施例と同様の構成および動作を適用できる。
【0135】
上記の実施形態の一部又は全部は以下の付記のように記載することもできる。ただし、本発明が以下の付記に限定されるものではない。
【0136】
(付記1)
ユーザによる操作を受け付ける入力手段と、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンを予め規定しておき、前記入力手段で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、前記入力手段で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行する制御手段と、を有する誤操作防止装置。
【0137】
(付記2)
前記入力手段は、同一の操作に対応する処理を切り替えることが可能な可変入力部を含み、
同一の操作に対応する処理の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンは前記誤操作パターンである、付記1に記載の誤操作防止装置。
【0138】
(付記3)
前記可変入力部は、割り当てる機能を切り替えることが可能なソフトウェアキーであり、
該ソフトウェアキーへの機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンは前記誤操作パターンである、付記2に記載の誤操作防止装置。
【0139】
(付記4)
前記ソフトウェアキーに、所定の処理を開始する機能が割り当てられてから所定時間内に該ソフトウェアキーによって該処理の開始を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、付記3に記載の誤操作防止装置。
【0140】
(付記5)
前記可変入力部は、画像を表示する表示部と一体的に構成され、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチ操作入力部であり、該タッチ操作入力部の所定位置へのタッチ操作に割り当てられる機能が、前記表示部による前記所定位置への表示の切り替わりと共に切り替わり、
前記所定位置へのタッチ操作に対する機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンが前記誤操作パターンである、付記2に記載の誤操作防止装置。
【0141】
(付記6)
前記所定位置へのタッチ操作に、所定の処理を開始する機能が割り当てられてから所定時間内に該タッチ操作によって該処理の開始を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、付記5に記載の誤操作防止装置。
【0142】
(付記7)
前記誤操作パターンに該当する要求操作は電子メールの送信に伴う特定の操作である、付記1に記載の誤操作防止装置。
【0143】
(付記8)
本文にデータの無い電子メールの送信を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、付記7に記載の誤操作防止装置。
【0144】
(付記9)
本文を前記ユーザが編集していない電子メールの送信を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、付記7に記載の誤操作防止装置。
【0145】
(付記10)
本文を前記ユーザが編集していない電子メールを、アドレス帳に登録されているアドレス、あるいは過去に電子メールを送信あるいは受信したことのあるアドレスへ送信することを要求する操作パターンは、前記誤操作パターンである、付記7に記載の誤操作防止装置。
【0146】
(付記11)
編集がイベントによって強制終了した電子メールの送信を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、付記7に記載の誤操作防止装置。
【0147】
(付記12)
ユーザの操作に応じて動作する端末装置における誤操作防止方法であって、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンの情報が予め規定されており、
前記端末装置で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、
前記端末装置で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行する、誤操作防止方法。
【0148】
以上、本発明の実施形態および実施例について述べてきたが、本発明は、これらの実施形態および実施例だけに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、これらの実施形態または実施例を組み合わせて使用したり、一部の構成を変更したりしてもよい。
【符号の説明】
【0149】
1−1、13、2−1、3−1 制御部
1−2 アンテナ
1−3 無線部
1−4 操作部
1−5 表示部
1−6 メモリ部
1−1−1 CPU
1−1−2 制御プログラム
10 端末装置
11 誤操作防止装置
12 入力部
2−1−1、3−1−1 状態遷移管理部
2−1−2 編集状態管理部
2−1−3、3−1−3 処理部
3−1−2 計時部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの誤操作によって端末装置が意図しない処理を行うのを防止する装置および方法関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理を行う端末装置はユーザの操作に応じて様々な処理を実行する。例えば、携帯電話機などの通信機能を備えた端末装置では、ユーザは端末装置を操作することで電子メールを編集したり、送信したりすることができる。
【0003】
しかし、ユーザが操作を誤ると端末装置はユーザの意図しない処理を実行してしまうことがある。特に携帯電話機のような小型の端末装置では配置できるキーボタンの数が限られるため、手が触れる筐体側面にボタンを配置したり、画面上にタッチパネルを配置してボタンを表示したり、画面上に意味を表示するソフトウェアキーを配置したりし、複雑な機能を少ない操作で使えるようにしている。その弊害として、例えば同じタッチパネル上のボタン位置で画面毎に異なる機能のボタン、例えばメールの返信と送信を配置せざるを得ない場合がある。人間の習慣的な動作として、タッチ1回でいいところをダブルクリック的に2回タッチしてしまったり、連続したデータ入力中に画面遷移を伴う誤操作により続く画面で誤った入力と処理決定をしてしまったりすることがあった。また、入力に対するシステムからのフィードバックが遅延したり、表示の更新が遅延したりすることによる誤操作も生じていた。
【0004】
これらはソフトウェアキーでも同様である。またタッチパネルの場合は物理的なボタンと異なり凹凸形状やボタン操作時の沈み込み(ストローク)がないため、操作を急ぐあまり隣接するキーを誤ってタッチしてしまうといった誤操作も生じていた。
【0005】
以下、幾つかの具体例について説明する。
【0006】
携帯電話機で受信した電子メールに対して返信をするとき、あるいは電子メールを新規に作成して送信するとき、電子メールの本文にデータが無い状態で送信の操作が行われ、誤って空の電子メールが送信されてしまうことがあった。
【0007】
一般に携帯電話機は、受信メール表示画面を表示した状態では、表示している受信メールへの返信を容易に行えるように、ソフトウェアキーに「返信」の機能が割り当てられる。その場合、ユーザが「返信」のソフトウェアキーを押下すると、携帯電話機は返信メール編集画面を表示した状態に移行する。そして、その返信メール編集画面を表示した状態では、同じソフトウェアキーに「送信」の機能が割り当てられている場合がある。ユーザが返信メールを編集した後に「送信」のソフトウェアキーを押下すると、携帯電話機は返信メールを送信する。
【0008】
しかし、そのような構成の携帯電話機では、受信メール表示画面を表示した状態で、「返信」が割り当てられたソフトウェアキーを誤って2回連続で押下すると、携帯電話機に「返信」の次に即座に「送信」が指示されることになる。その場合、返信メールが何の編集もされない状態で送信されてしまう。
【0009】
ユーザが無意識にソフトウェアキーを2回押下してしまう場合の他、携帯電話機の処理遅延があり、ソフトウェアキーが正しく押下されたかどうか確認できない場合にも、ユーザが同じソフトウェアキーを再度押し、結果的に連続して2回以上押下してしまうことがある。
【0010】
また、携帯電話機の操作確認音の鳴動を禁止する設定がされていると、ユーザは携帯電話機の振る舞いによってソフトウェアキーが正しく押下されたかどうか確認できず、同じソフトウェアキーを再度押下してしまうことがある。
【0011】
一方、端末装置が好ましくない動作をするのを防止するために、ユーザが行った操作に対する処理を実行する前に、ユーザに再確認を促す機能を備えた端末装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0012】
特許文献1に開示された端末装置は、電子メールを送信する前に電子メールの題名、本文、または添付ファイルに規制語句が含まれていないか調査し、規制語句が含まれていた場合にはユーザに再確認を促す。規制語句としては、企業の内部機密や誹謗中傷文で使われる語句を設定することが想定される。
【0013】
また、一般の情報処理装置において、ユーザの操作によって、影響の大きな処理を行う前に、ユーザに再確認を促すことが広く行われている。例えば、データを削除する処理を実行する前にユーザに再確認が促される場合がある。
【0014】
また、一般の情報処理装置において、ユーザが入力したデータやテキストが形式的に適切かどうか確認し、適切でなければユーザに再入力を促すことが広く行われている。例えば、半角文字で入力すべきデータを全角文字が入力されると、ユーザに再入力が促されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2004−227056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述の特許文献1に記載された技術は、誤操作とは関係なく特定の語句が電子メールに含まれていないか確認するものである。そのため、特定語句の設定によって企業の内部機密がネットワーク上で漏えいすることや誹謗中傷文がネットワークへ送信されることを防止することはできる。しかしながら、誤操作によって空メールを送ってしまうというような、ユーザの誤操作で意図しない処理が実行されるのを効果的に防止することはできない。
【0017】
また、誤操作で生じるユーザの意図しない処理が影響の大きい処理であるとは限らないので、影響の大きい処理を行う前にユーザに再確認を促すという方法でも、ユーザの誤操作で意図しない処理が実行されるのを効果的に防止することはできない。
【0018】
また、誤操作があっても、入力されている文字等が形式的には適切であることもあるので、データやテキストを形式的に確認しても、ユーザの誤操作で意図しない処理が実行されるのを効果的に防止することはできない。
【0019】
本発明の目的は、ユーザの誤操作によって端末装置がユーザの意図しない処理を実行するのを効果的に防止する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明の誤操作防止装置は、
ユーザによる操作を受け付ける入力手段と、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンを予め規定しておき、前記入力手段で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、前記入力手段で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行する制御手段と、を有している。
【0021】
本発明の誤操作防止方法は、ユーザの操作に応じて動作する端末装置における誤操作防止方法であって、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンの情報が予め規定されており、
前記端末装置で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、
前記端末装置で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ユーザの誤操作によって端末装置がユーザの意図しない処理を実行するのを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態による誤操作防止装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例による携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図3】メール機能が起動された状態においてキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【図4】メール機能が起動された状態においてキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【図5】メール機能が起動された状態においてキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【図6】メール機能が起動された状態において、受信したメールを閲覧するキー操作がされたときの処理の流れを表すフローチャートである。
【図7】メール機能が起動された状態において、メール編集状態を終了するか否かを判定し、判定結果に応じて実行する処理の流れを表すフローチャートである。
【図8】メール機能が起動された状態において、送信する電子メールのデータを編集していない状態で送信してよいか否かを判定し、判定結果に応じて実行する処理の流れを表すフローチャートである。
【図9】第二の実施例において、メール機能が起動された状態でキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【図10】第三の実施例による端末装置の構成を示すブロック図である。
【図11】端末装置にて受信メールを閲覧し、送信メールを編集し、それを送信する課程における表示画面の例を示す図である。
【図12】第三の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】第三の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】第三の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】第四の実施例による端末装置の構成を示すブロック図である。
【図16】PIN(Personal identification number)入力画面でユーザが誤操作し、緊急電話を発信してしまうまでの表示画面の例を示す図である。
【図17】第四の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】第四の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】第四の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
まずは本発明の概略の実施形態について説明する。
【0026】
図1は、本実施形態による誤操作防止装置の構成を示すブロック図である。誤操作防止装置11は、携帯電話機などの端末装置10内部に組み込まれ、端末装置10への誤操作によってユーザの意図しない処理が実行されるのを防止する装置である。
【0027】
誤操作防止装置11は入力部12および制御部13を有している。
【0028】
入力部12は、ユーザによる操作を受け付ける操作部、または端末装置10の外部から接続された入力装置からの入力を通知するインターフェイスであり、例えば、ハードウェアキーあるいはソフトウェアキーによるキー操作部、タッチパッド、ディスプレイと一体化したタッチパネル等である。
【0029】
制御部13は、端末装置10にて誤操作によりユーザの意図しない処理が実行されるのを防止するための制御を行う。具体的には、制御部13は、ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンの情報を予め保持しておき、入力部12で受け付けられた要求操作が誤操作パターンに該当したら、ユーザに確認を促し、更に、入力部12で確認操作が受け付けられた後にその要求操作に対応する処理を実行する。
【0030】
ユーザの確認は、例えば、処理内容とそれを実施してよいかどうかの確認を求める文と確認時に行う確認操作の方法とを画面に表示し、ユーザが確認操作を行ったら処理をするという方法が考えられる。
【0031】
本実施形態によれば、ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンの情報を予め規定しておき、要求操作が誤操作パターンに該当したらユーザに確認を促すので、ユーザの誤操作によって端末装置がユーザの意図しない処理を実行するのを効果的に防止することができる。
【0032】
また、ここでいう誤操作パターンに該当する要求操作の典型的な例として電子メールを送信する操作がある。携帯電話機には電子メールを送信するときの操作性を向上させる工夫が施されている。例えば、電子メールを表示する画面や編集する画面を表示した状態では、次に行われる可能性が高い操作がソフトウェアキーに割り当てられる。そのため、ユーザが電子メールの操作に習熟してくると操作スピードが上がる。しかし、それに伴って誤操作の可能性も高まってしまう。そして、誤操作によってユーザの意図しない電子メールが送信されてしまうと、後でそれを修正するのは困難である。本実施形態では、誤操作によってユーザの意図しない電子メールが送信されるのを効果的に防止することができる。
【0033】
誤操作パターンの具体例としては、本文にデータが含まれていない電子メールの送信を要求する操作パターン、ユーザが本文を編集していない電子メールの送信を要求する操作パターン、本文をユーザが編集していない電子メールを、アドレス帳に登録されているアドレス、あるいは過去に電子メールを送信あるいは受信したことのあるアドレスへ送信することを要求する操作パターン、編集がイベントによって強制終了した電子メールの送信を要求する操作パターン等が考えられる。
【0034】
これらはいずれも誤操作による電子メールの送信である可能性の高い操作パターンなので、これらが生じたときにユーザに確認を促すことで、誤操作によってユーザの意図しない電子メールが送信されるのを効果的に防止することができる。
【0035】
なお、上述は携帯電話機による電子メールの送信について説明したが、本発明がそれに限定されるものではなく、端末装置の処理一般に広く適用することができる。例えば、ユーザの誤操作で誤った情報を携帯情報端末に登録してしまうのを防止する場合にも本発明は適用することができる。
【0036】
また、入力部は、同一の操作に対応する処理を切り替えることが可能な可変入力部であってもよい。可変入力部の例としては、ソフトウェアキー、タッチパッド、タッチパネル等がある。
【0037】
入力部がソフトウェアキー等の可変入力部である場合、誤操作防止装置11は、同一の操作に対応する処理の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンを誤操作パターンとして予め登録しておくのが有効である。
【0038】
例えば、割り当てる機能を切り替えることが可能なソフトウェアキーへの機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンを誤操作パターンとして登録しておけばよい。
【0039】
そして、ソフトウェアキーに、電子メールを送信する機能が割り当てられた後に他の操作を介さずに、そのソフトウェアキーによって電子メールの送信を要求する操作パターンを誤操作パターンとすればよい。
【0040】
あるいは、ソフトウェアキーに電子メールを送信する機能が割り当てられてから所定時間内に、そのソフトウェアキーによって電子メールの送信を要求する操作パターンを誤操作パターンとしてもよい。所定時間は、例えば、ソフトウェアキーに電子メールの送信が割り当てられたことをユーザが認識せずにソフトウェアキーを押下したと想定される程度の時間に設定すればよい。
【0041】
また、入力部が、画像を表示するディスプレイと一体的に構成され、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチパネルであり、タッチパネルの所定位置へのタッチ操作に割り当てられる機能が、ディスプレイによる所定位置への表示の切り替わりと共に切り替わる場合にも本発明は有効である。その場合、所定位置へのタッチ操作に対する機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンを誤操作パターンとして登録すればよい。
【0042】
例えば、所定位置へのタッチ操作に、電子メールを送信する機能が割り当てられた後に他の操作を介さずに、そのタッチ操作によって電子メールの送信を要求する操作パターンを誤操作パターンとすればよい。
【0043】
あるいは、所定位置へのタッチ操作に、電子メールを送信する機能が割り当てられてから所定時間内に、そのタッチ操作によって電子メールの送信を要求する操作パターンを誤操作パターンとしてもよい。
【0044】
以下、本実施形態のより具体的な実施例について説明する。
【0045】
(第一の実施例)
図2は、本実施例による携帯電話機の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、携帯電話機は、制御部1−1、アンテナ1−2、無線部1−3、操作部1−4、表示部1−5、およびメモリ部1−6を備える。
【0046】
制御部1−1は、CPU(Central Processing Unit)1−1−1を有し、制御プログラム1−1−2に基づいて、接続された各ブロックを制御する。
【0047】
無線部1−3は、アンテナ1−2を介して移動通信システムの基地局(不図示)と制御信号やユーザデータの信号を送受信する。無線部1−3は、制御部1−1からの送信信号を変調して基地局に送信する。また、無線部1−3は基地局から受信した信号を復調して制御部1−1に送る。受信信号は制御部1−1にて解析される。
【0048】
制御部1−1は、無線部1−3からの信号が音声データであれば復号化して音声として出力し、音声データ以外であれば受信データに応じた処理を行う。
【0049】
操作部1−4は、複数のキーを具備しており、それらのキーには、電子メールを作成するときの文字入力ボタン、メール送信ボタン、メール返信ボタン、メール転送ボタンが含まれている。
【0050】
表示部1−5は、液晶やEL(Electro−Luminescence)などのデバイスが使用されており、制御部1−1からの指示で各種画像等を表示する。
【0051】
メモリ部1−6は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備え、各種データを保持する。メモリ部1−6には、受信したメールを保存するエリア1−6−1、送信メールの本文を編集するエリア1−6−2、メールの送受信した日時、あて先、件名、本文を保存したメール送受信履歴エリア1−6−3、電話番号、メールアドレス、名前等のデータを保存する電話帳エリア1−6−4、携帯電話の状態やデータ編集時の一時的な保存エリア1−6−5が構成される。
【0052】
図3〜5は、メール機能が起動された状態においてキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。図6は、メール機能が起動された状態において、受信したメールを閲覧するキー操作がされたときの処理の流れを表すフローチャートである。この状態からメールの返信や転送が起動される。図7は、メール機能が起動された状態において、メール編集状態を終了するか否かを判定し、判定結果に応じて実行する処理の流れを表すフローチャートである。図8は、メール機能が起動された状態において、送信する電子メールのデータを編集していない状態で送信してよいか否かを判定し、判定結果に応じて実行する処理の流れを表すフローチャートである。
【0053】
図3を参照すると、操作部1−4で押下されたキーのキーデータを制御部1−1が解析する(ステップ101)。次に、制御部1−1は、現在の携帯電話機の状態がメール作成中か否か判断する(ステップ102)。
【0054】
メール作成中であった場合、制御部1−1は、押下されたキーのキーデータがメールの送信を要求するキーであったか否か判断する(ステップ103)。メールの送信を要求するキーであった場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2に送信メールのデータがあるか否か判断する(ステップ104)。
【0055】
送信メール本文編集エリア1−6−2に送信メールのデータがあった場合、制御部1−1は、現在作成している送信メールが受信メールのデータを引用して編集しているものか否か判断する(ステップ105)。編集中の送信メールが受信メールのデータを引用したものである場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2の送信メールのデータに、受信メールからの引用データ以外のデータが含まれているか否か判断する(ステップ106)。
【0056】
編集中の送信メールに引用データ以外のデータが含まれている場合、または編集中の送信メールが受信メールを引用したものでない場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2に保存されている送信メールを無線部1−3およびアンテナ1−2を介して送信する(ステップ107)。
【0057】
送信メール本文編集エリア1−6−2の送信メールに引用データ以外のデータが無い場合または送信メールの本文に全くデータが無い場合、制御部1−1は、ユーザが本文を書かずにメールを送信しようとしていると判断し、空メール送信確認画面を表示部1−5に表示する(ステップ108)。その後、制御部1−1は、空メール送信確認処理(図8参照)に移行し、送信可否の判断結果が入力されるのを待つ。
【0058】
ステップ103の判定にて、メール送信を要求するキーではないキーが押下されたのであれば、制御部1−1は、そのキーがメール編集の終了を要求するためのキーであるか否か判断する(図4のステップ201)。
【0059】
メール編集の終了を要求するキー操作であった場合、制御部1−1は、メール編集を終了して良いかをユーザに確認させる画面を表示する(ステップ202)。その後、制御部1−1は、メール編集終了確認処理(図7参照)へ移行し、ユーザによって編集終了の可否判断が入力されるのを待つ。
【0060】
メール編集の終了を要求するキー操作でなかった場合、制御部1−1は、文字データを入力するキー操作であったか否か判断する(ステップ203)。文字データを入力するためのキー操作であった場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2に、その文字データを保存する(ステップ204)。文字データの入力以外のキー操作であった場合、制御部1−1は処理を終了して操作部1−4からの次の入力を待つ。
【0061】
図3のステップ102の判定において、メール作成中でない状態でのキー操作であった場合、制御部1−1は、入力されたキーデータが新規メールの作成を要求するキー操作であるか否か判断する(ステップ301)。新規メールの作成を要求するキー操作であった場合、制御部1−1は、送信メールを作成するためのメール作成画面を表示部1−5に表示し、メール作成状態に移行する(ステップ302)。一方、新規メールの作成を要求するキー操作でなかった場合、制御部1−1は、受信メールの閲覧を要求するキー操作か否か判断する(ステップ303)。
【0062】
受信メールの閲覧を要求するキー操作であった場合、制御部1−1は、受信メールデータ保存エリア1−6−1に保存されている受信メールを表示する(ステップ304)。その後、制御部1−1は、受信メール閲覧処理(図6参照)へ移行し、ユーザが受信メールの閲覧、メール返信、あるいはメール転送を選択するのを待つ。ステップ303において、受信メールの閲覧を要求するキー操作でなかった場合、制御部1−1は入力されたキーデータに従った処理を行う。
【0063】
次に、図6を参照して受信メール閲覧状態での動作を説明する。
【0064】
操作部1−4からのキーデータを制御部1−1が解析する(ステップ401)。そして、制御部1−1は、入力されたキーデータがメールの返信または転送を要求するキー操作を示すものであるか否か判断する(ステップ402)。ここでの返信または転送の要求は、受信メールに対する返信のメール、または受信メールを転送するメールを作成する画面へ遷移することを要求するものである。メールの返信または転送の要求を示すキー操作であれば、制御部1−1は、ユーザが受信メールを引用するか否か判断する(ステップ403)。
【0065】
受信メールを引用する場合、制御部1−1は、引用する受信メールのデータを送信メール本文編集エリア1−6−2に保存する(ステップ404)。受信メールのデータを送信メール本文編集エリア1−6−2に保存した後、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2に保存したデータと併せてメール作成画面を表示部1−5に表示し、メール作成状態に移行する(ステップ405)。
【0066】
受信メールを引用しない場合、制御部1−1は、空のメール作成画面を表示部1−5に表示する(ステップ406)。その後、制御部1−1は、メール機能が起動された状態の処理(メール機能処理(図3参照))へ移行してメール作成状態となる。
【0067】
ステップ402の判定でメールの返信または転送を要求するキー操作でなかった場合、制御部1−1は、受信メールの閲覧の終了を要求するキー操作であるか否か判断する(ステップ407)。受信メールの閲覧の終了を要求するキー操作であった場合、制御部1−1は受信メール閲覧状態を終了する。受信メールの閲覧の終了を要求するキー操作でなかった場合、制御部1−1は受信メール閲覧状態を継続する。
【0068】
次に、図7を参照してメール編集終了状態での動作について説明する。
【0069】
操作部1−4からのキーデータを制御部1−1が解析する(ステップ501)。入力されたキーデータがメール編集の終了を要求するキー操作であるか否か判断する(ステップ502)。メール編集の終了を要求するキー操作であった場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2のデータを初期化し(ステップ503)、表示部1−5にメール編集前の画面を表示させ、メール編集状態を終了する(ステップ504)。
【0070】
ステップ502の判定でメール編集の終了の要求をキャンセルするキー操作であった場合、制御部1−1は、メール編集画面を表示部1−5に表示する(ステップ505)。その後、制御部1−1はメール機能処理(図3参照)へ移行し、メール作成状態となる。
【0071】
次に、図8を参照し、空メールの送信を行うか否かを確認する状態での動作を説明する。
【0072】
まず操作部1−4からのキーデータを制御部1−1が解析する(ステップ601)。続いて、制御部1−1は、入力されたキーデータが空メールの送信を要求するキー操作か否か判断する(ステップ602)。空メールの送信を要求(確認)するキー操作であった場合、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2のデータで送信メールを作成し、無線部1−3およびアンテナ1−2を介して送信する(ステップ603)。その後、制御部1−1は、表示部1−5にメール編集前の画面を表示させる(ステップ604)。
【0073】
ステップ602の判定で、入力されたキーデータが空メールの送信をキャンセルするキー操作であった場合、制御部1−1は、空メールの送信をキャンセルして、メール編集画面を表示部1−5に表示させる(ステップ605)。その後、メール機能処理(図3参照)へ移行し、メール作成状態となる。
【0074】
以上説明したように本実施例によれば、メールの返信時や新規作成時のようにメール本文のデータが無い場合であったり、あるいはメール本文を引用して返信時やメールの転送時に、送信メールの本文に編集したデータが無い状態でユーザがキー操作を誤り、空メールを誤って送信してしまうのを防止することができる。
【0075】
(第二の実施例)
第一の実施例では、電子メール送信時に電子メールの本文にデータが無ければ、制御部1−1は無条件で空メールを送信して良いかをユーザに確認するものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。企業などが提供するWebサイトにおける会員登録のために、携帯電話機から企業宛に空メールを送信することがある。その場合の空メールは誤操作によるものではない。そこで、第二の実施例では、会員登録などに伴う正常な空メールの送信時には、空メールを送信してよいか否かをユーザに確認することなく空メールを送信できるようにする。
【0076】
図9は、第二の実施例において、メール機能が起動された状態でキー入力があった場合の処理の流れを表すフローチャートである。第二の実施例では、第一の実施例の図3のフローチャートの代わりに図9のフローチャートの処理が行われる。
【0077】
図9を参照すると、図3と同様にステップ101〜106の処理を行った後、制御部1−1は、送信メール本文編集エリア1−6−2に、引用データ以外のデータ(編集されたデータ)が無かった場合、編集している送信メールの送信先メールアドレスが電話帳保存エリア1−6−4に登録されているか否か確認する(ステップ707)。
【0078】
送信先メールアドレスが電話帳保存エリア1−6−4に格納されていなかった場合、制御部1−1は、送信先が過去に電子メールを送信あるいは受信したことのあるアドレスか否かを、メール送受信履歴エリア1−6−3を検索することで確認する(ステップ708)。電話帳保存エリア1−6−4または送受信履歴エリア1−6−3に送信先メールアドレスが有った場合、制御部1−1は、空メール送信確認画面を表示部1−5に表示する(ステップ709)。その後、制御部1−1は、空メール送信確認処理(図8)へ移行し、ユーザが電子メールを送信してよいか否かの判断を入力するのを待つ。
【0079】
電話帳保存エリア1−6−4にも送受信履歴エリア1−6−3にも送信先メールアドレスが無かった場合、制御部1−1は、初めて送信先メールアドレスへのメール送信なので、会員登録などのためにユーザが意図的に空メールを送信するものと判断し、ユーザの確認を経ずに、空メールを無線部1−3およびアンテナ1−2を介して送信する(ステップ710)。
【0080】
本実施例によれば、ユーザが意図的に空メールを送信しようとしていると想定されるときには、制御部1−1は、ユーザに確認させることなく空メールを送信するので、ユーザの無駄な確認作業を削減することができる。
【0081】
(第三の実施例)
第一および第二の実施例は、空の電子メール、あるいは受信メールを引用して全く編集していない電子メールが送信されようとしたとき、送信してよいかどうかをユーザに確認するものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0082】
第三の実施例は、送信メールの編集が正常に完了せず、イベントの発生によって強制的に編集が終了した電子メールを送信しようとするときにも、その電子メールを送信してよいかどうかをユーザに確認させるものである。
【0083】
図10は、第三の実施例による端末装置の構成を示すブロック図である。図10を参照すると、端末装置は、アンテナ1−2、無線部1−3、操作部1−4、表示部1−5、および制御部2−1を有している。
【0084】
操作部1−4は、ユーザによる操作や指示を受け付ける。ここでは操作部1−4は、機能の割り当てが適宜変更されるソフトウェアキーと、ディスプレイと一体化したタッチパネルとを含むものとする。
【0085】
表示部104は、制御部2−1からの制御で画面を表示するディスプレイであり、操作部1−4から入力された情報や制御部2−1による処理結果を表示する。
【0086】
無線部1−3は、端末装置による無線通信を可能にする回路であり、制御部2−1は無線通信を行うときに無線部1−3を利用する。
【0087】
制御部2−1は、ハードウェア的には一般的なコンピュータシステムと同様にCPU、RAM、ROM、およびタイマーを備え、制御プログラムを実行することで各ブロックを制御する。機能的には、制御部2−1が制御プログラムを実行することにより、状態遷移管理部2−1−1、編集状態管理部2−1−2、および処理部2−1−3が形成される。
【0088】
編集状態管理部2−1−2は、ユーザによるテキストの編集に関する処理の状態(編集状態)を記憶している。編集状態としては、例えば、ユーザによる編集が可能な状態(編集可能状態)、ユーザによるテキストの編集が開始された状態(編集開始状態)、編集が正常に終了し編集したテキストに従った処理を実行できる状態(編集完了状態)がある。編集状態管理部2−1−2に記憶されている編集状態は処理部2−1−3から読み書き可能である。
【0089】
状態遷移管理部2−1−1は、操作部1−4から受けたユーザの操作による入力信号を、操作部1−4のキーマトリクスON/OFF情報あるいはタッチパネルON/OFF座標として予め定義された入力データあるいは命令に変換し、処理部2−1−3へ出力する。
【0090】
状態遷移管理部2−1−1は、予め定義された画面情報を保持しており、また装置の状態を管理しており、処理部2−1−3からの画面表示命令を受けると、その命令に応じた画面を表示部104に表示させる。また状態遷移管理部2−1−1は、入力データ、命令、画面情報に関する定義を処理部2−1−3から適宜受け、それら受けた情報に基づき状態遷移等の各種処理を実行する。
【0091】
更に、状態遷移管理部2−1−1は、編集状態管理部2−1−2に記憶されている編集状態を適宜更新する。操作部1−4から入力があると、状態遷移管理部2−2−1は、その入力に対応して編集状態管理部2−1−2の状態を予め定められたように遷移させる。
【0092】
また、状態遷移管理部2−1−1は、処理部2−1−3からの画面表示命令を受けて、その命令に応じた画面を表示部104に表示させるとき、編集状態管理部2−1−2に記憶されている編集状態を適宜遷移させる。
【0093】
処理部2−1−3は、文字編集操作の際に呼び出され、その直後に、編集状態管理部2−1−2に記憶されている編集状態を編集開始状態にし、更に編集操作完了後には編集状態を編集完了状態にする。
【0094】
また、処理部2−1−3は、編集状態管理部2−1−2に記憶されている編集状態が編集完了状態でないとき、つまり編集が正常に完了していない状態のときに、編集したテキストに関する処理の開始指示があったら、表示部104への表示を通して、指示された処理を開始してよいかどうかユーザに確認する。
【0095】
次に、本実施例の端末装置の動作について説明する。
【0096】
図11は、端末装置にて受信メールを閲覧し、送信メールを編集し、それを送信する課程における表示画面の例を示す図である。図12〜14は、第三の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。
【0097】
図11(a)には、ユーザが受信メールを閲覧するときの表示画面の例が示されている。ソフトウェアキーの1つに「返信」の機能が割り当てられている。図11(a)の状態でユーザが「返信」のソフトウェアキーを押下すると、受信メールを引用した送信メールをユーザが編集できる状態となる。図11(b)には、ユーザが送信メールを編集できる状態の表示画面が示されている。ソフトウェアキーには「送信」の機能が割り当てられている。図11(b)の状態で、ユーザが「送信」のソフトウェアキーを押下すると、端末装置は送信メールを送信する。図11(c)には、メール送信中の表示画面が示されている。
【0098】
図11に示した過程を例として図12、図13、図14の動作を説明する。
【0099】
ここでは図11(a)のように受信メール表示した状態から動作が開始されるものとする。処理部2−1−3から状態遷移管理部2−1−1へ、表示する画面と、その画面でのキーボタンおよびタッチパネル座標に対する操作内容の定義情報とが通知され、表示部1−5には指示された表示画面が表示されている。
【0100】
図12を参照すると、操作部1−4にて、受信メールの内容の閲覧、返信、削除などのユーザによる操作を受けると(ステップ801)、操作情報が操作部1−4から状態遷移管理部2−1−1へ通知される(ステップ802)。ここでは、一例として、ユーザは、向かって右(端末装置からは左)のソフトウェアキー「返信」を押したものとする。
【0101】
状態遷移管理部2−1−1は、操作情報を、その操作内容を示す命令やデータに変換し、処理部2−1−3に通知する。処理部2−1−3は、次に移行すべき編集状態を命令に基づいて決定し、次の編集状態が編集可能状態かどうか判定する(ステップ803)。ここではソフトウェアキー「返信」が押下されたので、処理部2−1−3は、送信メールを編集する画面を、状態遷移管理部2−1−1を介して表示部1−5に表示すると共に、編集状態管理部2−1−2に編集可能状態を通知する。
【0102】
図13を参照すると、編集状態管理部2−1−2は編集可能状態である通知を受け、その状態を記憶する(ステップ901)。続いてユーザが送信メールの本文を修正する場合(ステップ902のYES)、処理部2−1−3が編集状態管理部2−1−2の編集状態を編集開始状態に移行させる(ステップ903)。
【0103】
処理部2−1−3によってテキストの編集が行われ(ステップ904−905)、テキストの編集が正常に終了すると、処理部2−1−3は編集状態管理2−1−2に編集完了状態を記憶させる。
【0104】
また、ステップ902の判定においてユーザが続いて送信メールの本文を編集しない場合、あるいは、後述するステップ1002におけるユーザによるメール送信の可否の確認において、メールを送信しないこととされた場合(図13中のE)はステップ907に進む。
【0105】
ここでユーザは編集したテキストに関する処理の開始を要求してもよく、また編集を再開してもよい。編集を再開する場合にはステップ902に戻る(ステップ907のNO)。
【0106】
ここでは、図11(b)の画面が表示された状態からユーザが向かって右のソフトウェアスイッチ「送信」を押下したとする。このソフトウェアスイッチ「送信」は、電子メールを送信する処理の開始を要求するものなので、処理部2−1−3は、その処理を開始する(ステップ907のYES)。
【0107】
図14を参照すると、メール送信の処理開始の指示を受けた編集状態管理部2−1−2は、記憶している編集状態が編集完了状態であるか否か判定する(ステップ1001)。編集完了状態でない場合(ステップ1001のでNo)は、編集状態管理部2−1−2は、その旨を処理部2−1−3へ通知する。処理部2−1−3は、通知を受けて、表示部1−5への表示を介して、メールを送信してよいかどうかユーザに確認する。
【0108】
メール送信の処理を行わない場合、図13のステップ907に移行し、図11(b)の画面を再び表示する。メール送信の処理を実行してよい場合(ステップ1002のYES)、あるいは、ステップ1001の判定で編集完了状態であった場合、処理部2−1−3メール送信処理を実行する(ステップ1003)。その後、処理部2−1−3は、図11(c)の送信中の画面を表示部1−5に表示し、更には送信が完了したら送信完了画面を表示し、編集状態管理部2−1−2の編集状態をクリアする。
【0109】
本実施例によれば、ユーザが全く編集を行っていない電子メールを誤操作で送信してしまうこと、またイベントにより編集が強制的に終了した電子メールを誤操作によって送信してしまうことを防止することができる。
【0110】
なお、図10に示したように、本実施例では、処理部2−1−3と状態遷移管理部2−1−1と編集状態管理部2−1−2を個々の機能毎に別個に配置しているが、CPUが制御プログラムを実行する制御部2−1が処理部2−1−3と状態遷移管理部2−1−1と編集状態管理部2−1−2の全体機能の処理を実行するものであってもよい。
【0111】
また、編集状態管理部2−1−2が1つの編集状態を保持する例を示したが、1つの画面に複数の入力項目があり、それぞれの項目に対して編集状態を管理するものであってもよい。その場合、例えば、編集完了状態を“1”とし、それ以外の状態を“0”とし、全ての項目の状態の論理積が“1”とならない場合に処理を開始してよいかどうかをユーザに確認することにすればよい。
【0112】
また、第三の実施例では、ソフトウェアキーへの誤操作を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。他の例として、ディスプレイと一体化したタッチパネルへの誤操作にも本実施例と同様の構成および動作を適用できる。
(第四の実施例)
第三の実施例では、編集開始状態を経て編集完了状態となったかどうかに応じて、処理開始に際してユーザに確認を促すかどうかを選択するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。第四の実施例では、命令が入力されたとき前回の命令と今回の命令の時間間隔を測定し、その時間間隔が短い場合に誤操作による命令である可能性があると判断し、ユーザに処理を開始してよいかどうか確認する。
【0113】
図15は、第四の実施例による端末装置の構成を示すブロック図である。図15を参照すると、第四の実施例の端末装置は、図10に示した第三の実施例の端末装置とは制御部3−1の機能的な構成および動作が異なる。
【0114】
制御部3−1は、状態遷移管理部3−1−1と計時部3−1−2と処理部3−1−3を有している。
【0115】
状態遷移管理部3−1−1は、操作部1−4から受けたユーザの操作による入力信号を、操作部1−4のキーマトリクスON/OFF情報あるいはタッチパネルON/OFF座標として予め定義された入力データあるいは命令に変換し、処理部3−1−3へ出力する。また状態遷移管理部3−1−1は、予め定義された画面情報を保持しており、処理部3−1−3からの命令を受けると、命令に応じた画面を表示部104に表示する。また、状態遷移管理部3−1−1は、入力データ、命令、画面情報に関する定義を処理部3−1−3から適宜受け、それら受けた情報に基づき各種処理を実行する。
【0116】
更に、状態遷移管理部3−1−1は、各種編集状態が予め定義されており、操作部1−4からの入力があると編集状態を定義に従って遷移させると共に、編集状態が遷移した時刻を計時部3−1−2に記録させる。計時部3−1−2は、例えば、テキストの編集が完了して処理開始の指示を待っている状態(処理指示待ち状態)となった時刻と、処理開始の指示を受けた状態(処理開始状態)となった時刻を記録する。
【0117】
処理部3−1−3は、状態遷移管理部3−1−1からの命令で処理開示の指示を受けると、処理開始の指示を待っている状態となった時刻と処理開始の指示を受けた時刻とを計時部3−1−2から取得し、それらの時間間隔が所定の時間以下であったら、表示部1−5への表示を通じて、処理を開始してよいかどうかをユーザに確認する。ここで用いる所定の時間は、ユーザが意識的に入力した指示なのか、前回の入力から連続的に勢いで入力した指示なのかを区別する程度の時間として任意の時間に設定すればよい。
【0118】
次に、本実施例による端末装置の動作について説明する。
【0119】
図16は、PIN(Personal identification number)入力画面でユーザが誤操作し、緊急電話を発信してしまうまでの表示画面の例を示す図である。ここでは、ユーザはPIN入力画面で「71100」という電話番号を入力しようとして、「7」の代わりに誤って「緊急電話」を押し、2回目の「0」の代わりに誤って「電話」を押してしまっている。
【0120】
図17〜19は、第四の実施例による端末装置の動作を示すフローチャートである。図16の課程を例として図17、図18、図19の動作を説明する。
【0121】
端末装置の電源をONした直後や、セキュリティロックがかかった状態から操作を開始するとき、端末装置はPIN入力を要求する状態で動作を開始する。画面表示にあたって、処理部3−1−3から状態遷移管理3−1−1へ、表示部1−5に表示する画面と、その画面でのキーボタンやタッチパネル座標に対応する操作内容の定義情報とが通知され、表示部1−5には指示された表示画面が表示されている。
【0122】
図17を参照すると、処理部3−1−3は状態遷移管理部3−1−1を介して表示部1−5に図16(a)の画面を表示させてユーザにPIN入力を要求し(ステップ1101)、入力の有無を監視する(ステップ1102)。ユーザによる情報の入力があると、操作部1−4から状態遷移管理部3−1−1へ入力情報が通知される。入力情報は状態遷移管理部3−1−1で命令に変換され、処理部3−1−3へ通知される。
【0123】
ここで、ユーザは「71100」と入力するつもりで、「7」の代わりにすぐ下に配置された「緊急電話」のタッチボタンをタッチしてしまっている。「緊急電話」のタッチボタンがタッチされたので、処理部3−1−3は、状態遷移管理部3−1−1を介して表示部1−5に図16(b)の画面を表示させ、緊急電話の電話番号と発信指示の入力を待つ状態となる。そのため、状態遷移管理部3−1−1が管理している編集状態は処理指示待ち状態となる(ステップ1103のYES)。
【0124】
図18を参照すると、タッチパネルボタン「緊急電話」がタッチされたので、その操作情報が状態遷移管理部3−1−1で命令に変換され、処理部3−1−3に通知される。また、状態遷移管理部3−1−1は、編集状態を処理指示待ち状態にしたので、そのときの時刻(第一の時刻)を計時部3−1−2に記録させる。
【0125】
引き続いてユーザは「110」と入力していく。電話番号の入力なので、処理部3−1−3は1文字ずつその入力を完了させる(ステップ1203−1204)。「110」が入力されると、この実施例では3桁の入力がされると編集完了と見なし、編集が完了し(ステップ1205のYES)、表示画面には、この実施例ではそれまで「0」のタッチボタンが表示されていた位置に「電話」のタッチボタンが表示される。「電話」のタッチボタンは、電話の発信を指示するボタンである。ユーザは、その状態で「0」の代わりに誤って「電話」のタッチボタンをタッチしてしまっている。
【0126】
「電話」というタッチボタンへのタッチは処理開始の指示なので、状態遷移管理部3−1−1は処理開始が要求されたと判断し(ステップ1205)、処理開始の指示が行われた時刻(第二の時刻)を計時部3−1−2に記録させる(ステップ1206)。
【0127】
図19を参照すると、次に、処理部3−1−3は、第一の時刻と第二の時刻の時間差が所定の時間より大きいか否か判定する(ステップ1301)。第一の時刻と第二の時刻の時間差が所定の時間以下であれば、処理部3−1−3は、ユーザが誤って入力した指示である可能性があると判断し、開始しようとしている処理の内容を表示部1−5に表示すると共に、処理を開始してよいかどうかをユーザに確認する(ステップ1302)。ユーザが処理を開始しない旨の入力を行った場合、処理部3−1−3は、ステップ1201の処理に移行する(ステップ1302のNO)。
【0128】
ユーザが処理を開始する旨の入力を行った場合(ステップ1302のNO)、あるいはステップ1301の判定で第一の時刻と第二の時刻の時間差が所定の時間を超えていた場合(ステップ1301のYES)、処理部3−1−3はユーザへの確認を経ずに処理を実行する(ステップ1303)。処理部3−1−3は処理を開始すると共に、計時部3−1−2に記録されている第二の時刻をクリアする。
【0129】
以上説明したように本実施例によれば、ユーザがPIN入力やメニュー操作などで勢い余って誤操作をしてしまった場合に、ユーザの意図しない処理が実行されるのを防止することができる。
【0130】
なお、図15に示したように、本実施例では、処理部3−1−3と状態遷移管理部3−1−1と計時部3−1−2を個々の機能毎に別個に配置しているが、CPUが制御プログラムを実行する制御部3−1が処理部3−1−3と状態遷移管理部3−1−1と計時部3−1−2の全体機能の処理を実行するものであってもよい。また、制御部3−1が計時部3−1−2の機能を行うために内部のタイマーを利用してもよい。
【0131】
また、計時部3−1−2が第一および第二の時刻という1対の時刻を計測する例を示したが、複数組の時刻を計測し、いずれかの組の時間差が所定の時間以下であったならば、ユーザに処理を開始してよいかどうか確認することにしてもよい。また、3つ以上の時刻を計測し、それらを適宜組み合わせて時間差を算出し、その時間差が所定の時間以下であったならば、ユーザに処理を開始してよいかどうか確認することにしてもよい。
【0132】
また、本実施例では、第一の時刻を記録してから第二の時刻を記録するという処理フローにおいて処理を実行したら第二の時刻のみをクリアすることとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。処理内容や条件によっては第一および第二の時刻を共にクリアすることにしてもよい。
【0133】
また、本実施例では、処理指示待ち状態となってから処理開始状態となるまでの時間が所定の時間以下のときに、ユーザに処理を開始してよいかどうか確認するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。他の例として、処理指示待ち状態となってから他に何の操作も経ずに処理開始状態に移行した場合に、ユーザに処理を開始してよいかどうか確認することにしてもよい。
【0134】
また、本実施例では、タッチパネルへの誤操作を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。他の例として、ソフトウェアキーへの誤操作にも本実施例と同様の構成および動作を適用できる。
【0135】
上記の実施形態の一部又は全部は以下の付記のように記載することもできる。ただし、本発明が以下の付記に限定されるものではない。
【0136】
(付記1)
ユーザによる操作を受け付ける入力手段と、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンを予め規定しておき、前記入力手段で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、前記入力手段で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行する制御手段と、を有する誤操作防止装置。
【0137】
(付記2)
前記入力手段は、同一の操作に対応する処理を切り替えることが可能な可変入力部を含み、
同一の操作に対応する処理の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンは前記誤操作パターンである、付記1に記載の誤操作防止装置。
【0138】
(付記3)
前記可変入力部は、割り当てる機能を切り替えることが可能なソフトウェアキーであり、
該ソフトウェアキーへの機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンは前記誤操作パターンである、付記2に記載の誤操作防止装置。
【0139】
(付記4)
前記ソフトウェアキーに、所定の処理を開始する機能が割り当てられてから所定時間内に該ソフトウェアキーによって該処理の開始を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、付記3に記載の誤操作防止装置。
【0140】
(付記5)
前記可変入力部は、画像を表示する表示部と一体的に構成され、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチ操作入力部であり、該タッチ操作入力部の所定位置へのタッチ操作に割り当てられる機能が、前記表示部による前記所定位置への表示の切り替わりと共に切り替わり、
前記所定位置へのタッチ操作に対する機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンが前記誤操作パターンである、付記2に記載の誤操作防止装置。
【0141】
(付記6)
前記所定位置へのタッチ操作に、所定の処理を開始する機能が割り当てられてから所定時間内に該タッチ操作によって該処理の開始を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、付記5に記載の誤操作防止装置。
【0142】
(付記7)
前記誤操作パターンに該当する要求操作は電子メールの送信に伴う特定の操作である、付記1に記載の誤操作防止装置。
【0143】
(付記8)
本文にデータの無い電子メールの送信を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、付記7に記載の誤操作防止装置。
【0144】
(付記9)
本文を前記ユーザが編集していない電子メールの送信を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、付記7に記載の誤操作防止装置。
【0145】
(付記10)
本文を前記ユーザが編集していない電子メールを、アドレス帳に登録されているアドレス、あるいは過去に電子メールを送信あるいは受信したことのあるアドレスへ送信することを要求する操作パターンは、前記誤操作パターンである、付記7に記載の誤操作防止装置。
【0146】
(付記11)
編集がイベントによって強制終了した電子メールの送信を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、付記7に記載の誤操作防止装置。
【0147】
(付記12)
ユーザの操作に応じて動作する端末装置における誤操作防止方法であって、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンの情報が予め規定されており、
前記端末装置で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、
前記端末装置で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行する、誤操作防止方法。
【0148】
以上、本発明の実施形態および実施例について述べてきたが、本発明は、これらの実施形態および実施例だけに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、これらの実施形態または実施例を組み合わせて使用したり、一部の構成を変更したりしてもよい。
【符号の説明】
【0149】
1−1、13、2−1、3−1 制御部
1−2 アンテナ
1−3 無線部
1−4 操作部
1−5 表示部
1−6 メモリ部
1−1−1 CPU
1−1−2 制御プログラム
10 端末装置
11 誤操作防止装置
12 入力部
2−1−1、3−1−1 状態遷移管理部
2−1−2 編集状態管理部
2−1−3、3−1−3 処理部
3−1−2 計時部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作を受け付ける入力手段と、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンを予め規定しておき、前記入力手段で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、前記入力手段で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行する制御手段と、を有する誤操作防止装置。
【請求項2】
前記入力手段は、同一の操作に対応する処理を切り替えることが可能な可変入力部を含み、
同一の操作に対応する処理の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンは前記誤操作パターンである、請求項1に記載の誤操作防止装置。
【請求項3】
前記可変入力部は、割り当てる機能を切り替えることが可能なソフトウェアキーであり、
該ソフトウェアキーへの機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンは前記誤操作パターンである、請求項2に記載の誤操作防止装置。
【請求項4】
前記ソフトウェアキーに、所定の処理を開始する機能が割り当てられてから所定時間内に該ソフトウェアキーによって該処理の開始を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、請求項3に記載の誤操作防止装置。
【請求項5】
前記可変入力部は、画像を表示する表示部と一体的に構成され、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチ操作入力部であり、該タッチ操作入力部の所定位置へのタッチ操作に割り当てられる機能が、前記表示部による前記所定位置への表示の切り替わりと共に切り替わり、
前記所定位置へのタッチ操作に対する機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンが前記誤操作パターンである、請求項2に記載の誤操作防止装置。
【請求項6】
前記所定位置へのタッチ操作に、所定の処理を開始する機能が割り当てられてから所定時間内に該タッチ操作によって該処理の開始を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、請求項5に記載の誤操作防止装置。
【請求項7】
前記誤操作パターンに該当する要求操作は電子メールの送信に伴う特定の操作である、請求項1に記載の誤操作防止装置。
【請求項8】
本文にデータの無い電子メールの送信を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、請求項7に記載の誤操作防止装置。
【請求項9】
本文を前記ユーザが編集していない電子メールの送信を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、請求項7に記載の誤操作防止装置。
【請求項10】
ユーザの操作に応じて動作する端末装置における誤操作防止方法であって、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンの情報が予め規定されており、
前記端末装置で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、
前記端末装置で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行する、誤操作防止方法。
【請求項1】
ユーザによる操作を受け付ける入力手段と、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンを予め規定しておき、前記入力手段で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、前記入力手段で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行する制御手段と、を有する誤操作防止装置。
【請求項2】
前記入力手段は、同一の操作に対応する処理を切り替えることが可能な可変入力部を含み、
同一の操作に対応する処理の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンは前記誤操作パターンである、請求項1に記載の誤操作防止装置。
【請求項3】
前記可変入力部は、割り当てる機能を切り替えることが可能なソフトウェアキーであり、
該ソフトウェアキーへの機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンは前記誤操作パターンである、請求項2に記載の誤操作防止装置。
【請求項4】
前記ソフトウェアキーに、所定の処理を開始する機能が割り当てられてから所定時間内に該ソフトウェアキーによって該処理の開始を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、請求項3に記載の誤操作防止装置。
【請求項5】
前記可変入力部は、画像を表示する表示部と一体的に構成され、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチ操作入力部であり、該タッチ操作入力部の所定位置へのタッチ操作に割り当てられる機能が、前記表示部による前記所定位置への表示の切り替わりと共に切り替わり、
前記所定位置へのタッチ操作に対する機能の割り当てが切り替わることに伴って生じる誤操作のパターンが前記誤操作パターンである、請求項2に記載の誤操作防止装置。
【請求項6】
前記所定位置へのタッチ操作に、所定の処理を開始する機能が割り当てられてから所定時間内に該タッチ操作によって該処理の開始を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、請求項5に記載の誤操作防止装置。
【請求項7】
前記誤操作パターンに該当する要求操作は電子メールの送信に伴う特定の操作である、請求項1に記載の誤操作防止装置。
【請求項8】
本文にデータの無い電子メールの送信を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、請求項7に記載の誤操作防止装置。
【請求項9】
本文を前記ユーザが編集していない電子メールの送信を要求する操作パターンは前記誤操作パターンである、請求項7に記載の誤操作防止装置。
【請求項10】
ユーザの操作に応じて動作する端末装置における誤操作防止方法であって、
前記ユーザの誤りで生じ得る操作のパターンである誤操作パターンの情報が予め規定されており、
前記端末装置で受け付けられた要求操作が前記誤操作パターンに該当したら、前記ユーザに確認を促し、
前記端末装置で確認操作が受け付けられた後に該要求操作に対応する処理を実行する、誤操作防止方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−38073(P2012−38073A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177480(P2010−177480)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
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