説明

課金管理装置および課金管理プログラム

【課題】携帯電話におけるコンテンツ利用料の料金回収を短期間で確実に行うことができる課金管理装置等を提供する。
【解決手段】携帯電話利用者が指定するクレジットカード情報と、当該利用者によって決定されたパスワードを、当該携帯電話に付された各携帯電話を一意に特定する端末IDに対応付けてデータベースに登録する。携帯電話から当該携帯電話の端末IDを受信してコンテンツ利用の登録要求を受け付け、前記データベースを参照して前記利用登録要求受付手段が受信した端末IDの認証を行ない、認証が可とされた場合に、前記携帯電話からパスワードを受信する第1パスワード受信手段と、前記データベースを参照して前記第1パスワード受信手段が受信したパスワードの認証を行うパスワード認証手段と、前記パスワード認証手段により認証が可とされた場合に、登録要求先のコンテンツ提供業者の装置に対し登録通知を行う登録通知手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話の課金管理装置に関し、特に、携帯電話にて利用した有料コンテンツの料金回収に好適な課金管理システムにおける課金管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンテンツ提供事業者(コンテンツプロバイダ)により、携帯電話向けの様々なコンテンツが提供されている。このようなコンテンツには情報提供料が課金される類のものがあり、ユーザが携帯電話でコンテンツを利用すると、コンテンツ提供サービスに関わるコンテンツ利用料や月額会費等の課金が、携帯電話のキャリア会社(通信事業者)によって代行回収されている。
【0003】
そして、代行回収されたコンテンツ利用料は、携帯電話のキャリア会社が、後日、コンテンツを提供する各プロバイダに支払う仕組みとなっている。このような代行回収によれば、コンテンツを提供するプロバイダが独自で課金システムを構築する必要がないという利点がある。
【0004】
また、特許文献1には、移動体通信端末等で利用した情報の利用料金の回収方法に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−123016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯電話のキャリア会社は、コンテンツ利用料を、毎月必ず発生する携帯電話利用料に付随した方法で回収する場合が多い。そのため、ユーザがコンテンツを利用し、携帯電話のキャリア会社がコンテンツ利用料を回収し、各コンテンツプロバイダに支払うまでには時間がかかり、コンテンツプロバイダ側からすると、コンテンツをユーザに提供してから費用回収がされるまで数か月もの期間を要するという点が問題となっている。さらに、キャリア会社が有するコンテンツ利用料の債権にも有効期限が設定されている場合があり、ユーザによる支払い遅延等様々な理由で有効期限を渡過すると、キャリア会社の代行回収が停止してしまい、コンテンツプロバイダは費用回収ができなくなってしまうという問題もある。
【0007】
また、最近、契約しているキャリアを変更しても、携帯電話番号を変更せずに利用継続できるナンバーポータビリティシステムが構築され、これ以降、キャリアを変更するユーザも増加傾向にある。しかし、コンテンツ利用料の回収がキャリアによる代行回収に依存していることから、キャリアを変更後も、有料コンテンツを引き続き利用したい場合には、ユーザは、新しいキャリアの携帯電話から再度有料コンテンツの会員登録をしなければならないという手間がある。しかも、例えばコンテンツ利用料が月極めで、同月内でキャリアを変更した場合、旧キャリアと新キャリアの双方から月額コンテンツ利用料が課金されるといった不都合が生じるケースもある。
【0008】
本発明の目的は、このような問題等に鑑みて、携帯電話におけるコンテンツ利用料の料金回収を容易かつ確実に行うことができる課金管理装置および課金管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課金管理装置は、携帯電話利用者が指定するクレジットカード情報と、当該利用者によって決定されたパスワードを、当該携帯電話に付された各携帯電話を一意に特定する端末IDに対応付けてデータベースに登録する登録手段と、前記携帯電話から当該携帯電話の端末IDを受信してコンテンツ利用の登録要求を受け付ける利用登録要求受付手段と、前記データベースを参照して前記利用登録要求受付手段が受信した端末IDの認証を行なう端末ID認証手段と、前記端末ID認証手段により認証が可とされた場合に、前記携帯電話からパスワードを受信する第1パスワード受信手段と、前記データベースを参照して前記第1パスワード受信手段が受信したパスワードの認証を行うパスワード認証手段と、前記パスワード認証手段により認証が可とされた場合に、登録要求先のコンテンツ提供業者の装置に対し登録通知を行う登録通知手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
前記登録手段は、前記利用者によって決定されたユーザIDを前記端末IDに対応付けて前記データベースに登録し、前記課金管理装置は、前記端末ID認証手段により認証が否とされた場合に、前記携帯電話からユーザIDとパスワードを受信する第2パスワード受信手段と、前記データベースを参照して、前記第2パスワード受信手段が受信したユーザIDとパスワードの認証を行なう再認証手段と、を有し、前記登録通知手段は、前記再認証手段により認証が可とされた場合に、登録要求先のコンテンツ提供業者の装置に対し登録通知を行ってもよい。
【0011】
前記パスワード認証手段又は前記再認証手段により認証が可とされた場合に、前記データベースに登録された当該携帯電話利用者に係る前記クレジットカード情報の有効性を確認する確認手段を有し、前記登録通知手段は、前記確認手段によりクレジットカード情報の有効性が可とされた場合に、前記登録通知を行ってもよい。
【0012】
本発明の課金管理プログラムは、コンピュータを、携帯電話利用者が指定するクレジットカード情報と、当該利用者によって決定されたパスワードを、当該携帯電話に付された各携帯電話を一意に特定する端末IDに対応付けてデータベースに登録する登録手段、前記携帯電話から当該携帯電話の端末IDを受信してコンテンツ利用の登録要求を受け付ける利用登録要求受付手段、前記データベースを参照して前記利用登録要求受付手段が受信した端末IDの認証を行なう端末ID認証手段、前記端末ID認証手段により認証が可とされた場合に、前記携帯電話からパスワードを受信する第1パスワード受信手段、前記データベースを参照して前記第1パスワード受信手段が受信したパスワードの認証を行うパスワード認証手段、および前記パスワード認証手段により認証が可とされた場合に、登録要求先のコンテンツ提供業者の装置に対し登録通知を行う登録通知手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、携帯電話利用者が指定するクレジットカード情報と、当該利用者によって決定されたパスワードを、当該携帯電話2に付された端末IDに対応付けた。これにより、端末IDによって利用者を特定し、パスワード認証によってセキュリティ性を担保しつつ、クレジットカード決済により決済を行うことができる。また、携帯電話利用者にとっても、コンテンツを利用する際に、煩雑な情報入力を強いられることなく、端末IDを通知するのみでコンテンツ利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の課金管理装置を備える課金管理システムSの構成例を示すブロック図である。
【図2】(A)は、システム会員DB121の一例であり、(B)は、CP別DB122の一例であり、(C)は、仮登録DB123の一例である。
【図3】会員登録処理を示すフローチャートである。
【図4】携帯電話2の表示画面例である。
【図5】認証処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、ここでは課金管理システムに備えた課金管理装置に本発明の課金管理装置を適用する場合について説明する。
【0016】
図1は、本発明の課金管理装置を備える課金管理システムSの構成例を示すブロック図である。課金管理システムSは、課金管理装置1と、携帯電話2と、CP(Contents Provider)サーバ3と、により構成される。
【0017】
課金管理装置1は、課金管理事業者が備える装置である。課金管理装置1は、演算機能を有するCPU、作業用RAM、各種データ及びプログラム(本発明の課金管理プログラムを含む)を記憶するROM等から構成された本発明のコンピュータとしての制御部11、ハードディスクドライブ等を備える記憶部12、モニタ等の表示画面を備える表示部13、課金管理事業者からの指示を受け付け当該指示に応じた指示信号を制御部11に対して与える入力部(例えば、キーボード、マウス、或いは、操作パネル等)14、各種ネットワーク(LAN(Local Area Network)を含む)を介して携帯電話2やコンテンツプロバイダが備えるCPサーバ3などと通信を行なうための通信部15を備えて構成されている。各構成部材はバスを介して相互に接続されている。
【0018】
記憶部12は、システム会員データベース121、CP別データベース122、仮登録データベース123等を記憶する。以下、システム会員データベース121をシステム会員DB121、CP別データベース122をCP別DB122、仮登録データベース123を仮登録DB122と言う。
【0019】
システム会員DB121には、課金管理システムSの会員登録情報が登録されている。図2(A)は、システム会員DB121の一例であり、図2(A)に示す例の場合、携帯電話の「ユーザメールアドレス」(ユーザメールアドレス情報)と、携帯電話利用者を特定する「ユーザID」と、携帯電話利用者が決定した「パスワード」と、携帯電話利用者が指定する「クレジットカード情報」と、情報登録の際に生成・付与されるユニークな「識別ID」が、「端末ID」に対応付けて登録されている。「端末ID」とは、携帯電話を一意に特定するための識別情報であり、携帯電話が契約する携帯通信事業者(以下、キャリアと言う)によって付与される。全ての携帯電話2にそれぞれ異なる端末IDが付与されている。携帯電話2から通信を行うごとに端末IDが通信先に自動で通知される。ここでいう“自動で”とは、携帯電話利用者によって入力操作を行うことなく、携帯電話2から通信先に端末IDが透過的に送信される意である。
【0020】
CP別DB122は、図1において破線で示すコンテンツプロバイダごとに利用者を登録・管理するためのものである。図2(B)は、CP別DB122の一例であり、図2(B)に示す例の場合、コンテンツプロバイダを特定する「CP名」ごとに、上記「識別ID」が登録されている。例えば、“CP1”には3台の携帯電話2の識別ID“ID1”,識別ID“ID2”,識別ID“ID5”が登録されている。
【0021】
仮登録DB123は、会員登録処理(後に詳述する)の際、システム会員登録DB121への本登録前に携帯電話2の情報を仮登録するためのものである。会員登録処理の際、携帯電話2から送信されるメールアドレス情報と仮登録用IDを対応付けて記憶する。図2(C)は、仮登録DB123の一例であり、図2(C)に示す例の場合、仮登録用ID“仮ID1”と仮登録用ID“仮ID2”の2台の携帯電話2の端末IDが登録されている。
【0022】
制御部11は、他の部材と協動して本発明の登録手段、利用登録要求受付手段、端末ID認証手段、第1パスワード受信手段、パスワード認証手段、登録通知手段、確認手段、第2パスワード受信手段、再認証手段、更新手段として機能する。
【0023】
CPサーバ3は、有料コンテンツを提供する事業者であるコンテンツプロバイダが備える装置である。コンテンツプロバイダが提供するサイトには、キャリアが提供する公式なサービスに登録されたサイトと、いわゆる勝手サイトと呼ばれる、キャリアによる公式登録を受けていないサイトがある。なお、CPサーバ3は課金管理システムS内に複数存在するが、ここでは図示および説明を簡単にするため省略した。
【0024】
図3は、会員登録処理を示すフローチャートである。会員登録処理は、課金管理システムSへの会員登録処理であり、携帯電話2から会員登録要求を受信したときに制御部11が実行する処理である。図4は、携帯電話2の表示画面例である。
【0025】
携帯電話2は、図4(A)に示す携帯電話2の表示画面から「無料会員登録」を選択し、会員登録要求を課金管理装置1に送信する。なお、「無料」とは、課金管理システムSの会員登録が無料であるという意である。課金管理装置1は、会員登録要求を受けると、携帯電話2に対して会員登録のための空メール送信要求メッセージを送信する。すると、携帯電話2では、空メール送信要求メッセージに係る表示画面(図4(B))が表示され、携帯電話利用者が、携帯電話2を操作して課金管理装置1に対して空メールを送信する。課金管理装置1がこの空メールを受信したときに当該処理の実行が開始される。
【0026】
まず、課金管理装置1の制御部11は、仮登録用IDを生成する(ステップS1)。そして、制御部11は、空メールの送信元のメールアドレスをユーザメールアドレス情報として、生成した仮登録用IDに対応付けて記憶部12に一時保存する。(ステップS2)。
【0027】
次に、制御部11は、仮登録用IDに基づいてURLを生成する(ステップS3)。このとき、例えば、URLの末尾が仮登録用IDとなるようなURLを生成する。そして、制御部11は、空メール送信元の携帯電話2に、生成したURLを含む本登録誘導メッセージを送信する(ステップS4)。すると、携帯電話2では、課金管理装置1からのメールを受信し、携帯電話2の表示画面には本登録誘導メッセージに係る表示画面(図4(C))が表示される。携帯電話利用者が携帯電話2を操作して、URL選択がされると、携帯電話2から課金管理装置1に仮登録用IDと端末IDが送信される。
【0028】
そして、制御部11は、携帯電話2から仮登録用IDと端末IDを受信する(ステップS5)。
【0029】
続いて、制御部11は、記憶部12に一時保存されているユーザメールアドレス情報の中から、受信した仮登録用IDに対応づけられたユーザメールアドレス情報を抽出する(ステップS6)。次に、制御部11は、抽出したメールアドレス情報を受信した仮登録用IDに対応付けて、仮登録DB123(図2(C))に登録する(ステップS7)。なお、ステップS2にて一時保存したメールアドレス情報と仮登録用IDは、所定期間経過時に記憶部12から削除するよう構成することが好ましい。空メールのみを送信し、その後の処理を行わなかった携帯電話2の情報を整理(削除)して、記憶部12の負荷を軽減するためである。
【0030】
一方、携帯電話2では、URL選択後に、課金管理装置1が提供するユーザ情報登録画面(図4(D))が表示される。このユーザ情報登録画面は、URLに対応づけられた画面であり、言い換えれば、仮登録用IDに対応づけられた画面である。携帯電話利用者が携帯電話2を操作して、ユーザ情報(ユーザID、パスワード、クレジットカード情報)を入力し、登録ボタンを押すと、課金管理装置1に対してユーザ情報と、仮登録用IDと、携帯電話2の端末IDが送信される。制御部11は、携帯電話2からユーザ情報、端末ID、仮登録用IDを受信すると(ステップS8)、識別IDを生成する(ステップS9)。
【0031】
このように、携帯電話利用者が携帯電話2を操作して、URLを選択し、さらに、携帯電話利用者がユーザ情報を入力して送信し、制御部11がユーザ情報等を受け付けた後に、識別IDが生成される。
【0032】
そして、制御部11は、ステップS8で受信した仮登録用IDに基づいて、対応するユーザメールアドレス情報を仮登録DB123から抽出する。そして、制御部11は、仮登録DB123から抽出したユーザメールアドレス情報と、ステップS8で受信したユーザ情報と、ステップS9で生成した識別IDと、を、端末IDに対応付けてシステム会員登録DB121(図2(A))に登録し(ステップS10)、処理を終了する。
【0033】
このように、課金管理装置1は、携帯電話2のユーザ情報とメールアドレス情報を端末IDに対応付けてシステム会員DB121に登録し、会員登録処理を行う。
【0034】
なお、システム会員DB121に登録された携帯電話2の仮登録用IDとユーザメールアドレス情報は、仮登録DB123から削除するよう構成することが好ましい。仮登録DB123を低負荷で効率的に活用するためである。
【0035】
また、ステップS10にてユーザ情報をシステム会員DB121に登録する前に、ユーザ情報に含まれるクレジットカード情報の有効性を確認するよう構成してもよい。例えば、クレジットカード情報が示すクレジットカード会社に有効性を問い合わせる。そして、有効であると確認された場合にのみ、システム会員DB121に登録し、有効でない場合には、携帯電話2に対し「クレジットカードのご利用ができません」などのエラーメッセージを送信するよう構成する。
【0036】
また、上述した説明では、課金管理装置1は、携帯電話2からユーザ情報として、ユーザID、パスワード、クレジットカード情報を受信してシステム会員DB121に登録している。このとき、課金管理装置1は、携帯電話2に対し、さらに、携帯電話利用者の氏名、その他の属性情報(例えば、携帯電話利用者の住所、年齢、趣味、嗜好、職業、年収、資産、家族構成、出身地等)の情報の入力を促し、システム会員DB121に登録してもよい。
【0037】
図5は、認証処理を示すフローチャートである。認証処理は、携帯電話2からあるコンテンツプロバイダが提供するコンテンツの利用登録要求を受信したときに制御部11が実行する処理である。
【0038】
制御部11は、携帯電話2からコンテンツの利用登録要求とともに端末IDを受信すると、制御部11は、システム会員DB121を参照して、端末IDの認証を行う(ステップS11)。
【0039】
制御部11は、端末ID認証の可否を判定し(ステップS12)、認証の結果、端末IDがシステム会員DB121に登録されている場合には(ステップS12:Yes)、制御部11は、携帯電話2に対しパスワードを要求するパスワード要求メッセージを送信する(ステップ13)。すると、携帯電話2では、パスワード要求メッセージに係る表示画面(図4(E))が表示され、携帯電話利用者が、携帯電話2を操作してパスワードを入力する。そして携帯電話2が課金管理装置1にパスワードを送信する。
【0040】
制御部11は、携帯電話2からパスワードを受信すると、システム会員DB121を参照して、受信したパスワードを、ステップS11で受信した端末IDに対応付けられたパスワードと照合して認証処理を行う(ステップS14)。
【0041】
制御部11は、パスワード認証の可否を判定し(ステップS15)、認証NGの場合には(ステップS15:No)、携帯電話2に対し再入力要求メッセージを送信する(ステップ16)。すると、携帯電話2では、再入力要求メッセージに係る表示画面(図4(F))が表示され、携帯電話利用者が、携帯電話2を操作してパスワードを再入力する。そして携帯電話2が課金管理装置1にパスワードを送信する。
【0042】
制御部11は、ステップS14に移行して再びパスワードを受信して認証を行う。なお、パスワードの再入力の限度回数を予め定めておき、限度回数を超えたとき(ステップS14〜ステップS16の処理を限度回数以上行ったとき)に、図示しないパスワード忘れ対応処理へ移行してもよい。パスワード忘れ対応処理は、例えばシステム会員DB121において、ステップS11で受信した端末IDに対応付けられたユーザメールアドレス宛に、パスワード再登録の手法やパスワードそのものの情報を送信して行えばよい。
【0043】
一方、認証OKの場合には(ステップS15:Yes)、クレジットカードの有効性を確認する(ステップS17)。システム会員DB121に対応付けられたクレジットカード情報が有効なものであるか否かを確認する。例えば、クレジットカード情報が示すクレジットカード会社に問い合わせを行なう。
【0044】
クレジットカードの有効性がOKである場合(ステップS17:Yes)には、制御部11は、CPサーバ3へ登録通知を送信する(ステップS18)。このとき、制御部11は、ステップS11で受信した端末IDをCPサーバ3に送信する。一方、クレジットカードの有効性がNGである場合(ステップS17:No)には、制御部11は、携帯電話2に対しエラーメッセージを送信し(ステップS23)、処理を終了する。ここでのエラーメッセージは、例えば、「クレジットカードのご利用ができません」などである。
【0045】
次に、制御部11はCPサーバ3への通知が成功したか否かを判定し(ステップS19)、通知が成功した場合には(ステップS19:Yes)、CPサーバ3から登録完了通知を受信する(ステップS20)。CPサーバ3は、課金管理装置1から受信した端末IDを自己のDBに登録する。そして登録後に、課金管理装置1に登録完了通知を送信する。
【0046】
一方、CPサーバ3への通知が失敗した場合(ステップS19:No)には、制御部11は、携帯電話2に対しエラーメッセージを送信し(ステップS23)、処理を終了する。ここでのエラーメッセージは、例えば、「サーバが混雑していて、ただ今、利用登録ができません。しばらく時間をおいてから再度利用登録をお願いいたします。」などである。
【0047】
続いて、制御部11は、ステップS11で受信した端末IDに対応する識別IDを、CPサーバ3を特定するCP名に対応付けてCP別DB122に登録する(ステップS21)、登録完了メッセージを携帯電話2に送信して(ステップS22)、処理を終了する。
【0048】
また、ステップS12の判定において、ステップS11で受信した端末IDがシステム会員DB121に登録されていないと判定された場合には(ステップS12:Yes)、制御部11は、携帯電話2に対し利用案内メッセージを送信する(ステップ24)。すると、携帯電話2では、利用案内メッセージに係る表示画面(図4(G))が表示され、携帯電話利用者が、携帯電話2を操作してログイン情報(ユーザID及びパスワード)を入力するか、あるいは、会員登録ボタンが選択される。ログイン情報が入力された場合には、携帯電話2が課金管理装置1にログイン情報を送信し、会員登録ボタンが選択された場合には、携帯電話2が課金管理装置1に登録要求情報を送信する。
【0049】
課金管理装置1では、制御部11が、情報を受信すると(ステップS25)、受信した情報がログイン情報であるか、登録要求情報であるかを判別する(ステップS25)。判別の結果、受信した情報がログイン情報である場合には(ステップS25:ログイン情報)、制御部11は、システム会員DB121を参照して、ログイン情報の認証を行う(ステップS26)。ここでは、ログイン情報であるユーザIDとパスワードの組がシステム会員DB121に登録されているか否かに基づいて認証する。
【0050】
認証の結果、ユーザIDとパスワードの組がシステム会員DB121に登録されている場合(ステップS26:Yes)には、システム会員DB121に登録されている端末IDを、ステップS11にて受信した端末IDに更新して(ステップS27)ステップS13の処理に移行する。
【0051】
一方、ステップS25で受信した情報が登録要求情報である場合(ステップS25:登録要求情報)、又は、ステップS26の認証の結果、ログイン情報に含まれるユーザIDとパスワードの組がシステム会員DB121に登録されていない場合(ステップS26:No)には、会員登録処理へ移行し、図3の処理を実行して(ステップS28)、処理を終了する。
【0052】
以上のように、本実施形態の課金管理システムSによれば、課金管理装置1が、携帯電話利用者が指定するクレジットカード情報と、当該利用者によって決定されたパスワードを、当該携帯電話2に付された端末IDに対応付けたシステム会員DB121を設けた。これにより、端末IDによって利用者を特定し、パスワード認証によってセキュリティ性を担保しつつ、クレジットカード決済により決済を行うことができる。また、コンテンツの利用登録の際には、各CPサーバ3に対し、課金管理装置1の認証処理が適式に行われた携帯電話2の端末IDを通知したので、携帯電話2では、コンテンツを利用する際の情報入力が不要となり、CPサーバ3へのアクセス(図1のA1)によって自動通知される端末IDのみでコンテンツを利用することができる。
【0053】
これにより、これまでキャリアからの通信料金に付随する料金回収体系で回収できていなかったコンテンツ利用料金および、勝手サイトなど料金回収システム自体が未成熟なサイトが提供するコンテンツ利用料金を、短期間で確実に回収することができる。どのようなキャリア公式サイトであっても、勝手サイトであっても、課金管理システムSを介して、一括して課金管理を行うことができる。また、決済システム自体は、クレジットカード会社が提供するシステムに依存するため、信頼性の高い決済手法を確保することができる。さらに、多くのクレジットカード会社は、年齢制限を設けている。そのため、クレジットカード決済を利用することで、アダルトサイトなどの有料有害サイトへのアクセスを制限できるという利点もある。
【0054】
また、システム会員DB121に、携帯電話利用者によって決定されたユーザIDを予め登録しておき、ステップS12にて端末IDの認証がNGとなった場合でも、ステップS26にてログイン情報(ユーザIDとパスワード)による認証を行なうよう構成した。図1中、キャリア変更の場合の携帯電話2と課金管理装置1、及び携帯電話2とCPサーバとの情報の授受を一点鎖線で示す。キャリア変更によって、端末IDが変更した場合にも、携帯電話利用者は、煩雑な手続きを経ることなく、ログイン情報の入力のみでキャリア変更前に利用していたコンテンツを引き続き利用することができる。携帯電話利用者は、キャリアを変更した場合でも、CPサーバ3へのアクセス(図1のA2)によって自動通知される端末IDのみでコンテンツを利用することができる。
【0055】
なお、携帯電話2が、端末IDの非通知設定を行っている場合には、課金管理装置1は携帯電話2から端末IDを取得できない。この場合には、制御部11が、端末IDを受信すべきタイミングで受信できなかったことを検知して、制御部11が、「お客様の端末IDが非通知設定となっております。携帯電話の端末IDを通知して登録をやり直してください」等の通知促進メッセージを生成し、携帯電話2に送信して、携帯電話2の利用者に設定変更を促すよう構成する。例えば、認証処理では、ステップS11において、端末IDを受信できなかったときに、課金管理装置1から携帯電話2に通知促進メッセージを送信する。また、会員登録処理では、例えば、ステップS5又はステップS8において、端末IDを受信できなかったときに、課金管理装置1から携帯電話2に通知促進メッセージを送信する。そのほか、端末IDを受信すべきタイミングで受信できなかった場合に通知促進メッセージを送信するよう構成すればよい。
【0056】
また、変形例として、キャリアによって端末IDの桁数が異なる点に着目した。例えば、あるキャリアでは数桁の文字および数字によって端末IDを構成し、一方、別のキャリアでは、十数桁〜数十桁の文字および数字によって端末IDを構成する。つまり、端末IDの構成により、携帯電話2のキャリアが特定できる。したがって、課金管理装置1は、端末IDを受信したときに、キャリアを特定し、キャリアに応じた表示画面情報を携帯電話2に送信したり、キャリアに応じたコンテンツ利用料金を設定するよう構成してもよい。
【0057】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、携帯電話2によるコンテンツ利用料金の回収システム等に対し、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 課金管理装置
11 制御部
12 記憶部
121 システム会員DB
122 CP別DB
123 仮登録DB
13 表示部
14 入力部
15 通信部
2 携帯電話
3 CPサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話利用者が指定するクレジットカード情報と、当該利用者によって決定されたパスワードを、当該携帯電話に付された各携帯電話を一意に特定する端末IDに対応付けてデータベースに登録する登録手段と、
前記携帯電話から当該携帯電話の端末IDを受信してコンテンツ利用の登録要求を受け付ける利用登録要求受付手段と、
前記データベースを参照して前記利用登録要求受付手段が受信した端末IDの認証を行なう端末ID認証手段と、
前記端末ID認証手段により認証が可とされた場合に、前記携帯電話からパスワードを受信する第1パスワード受信手段と、
前記データベースを参照して前記第1パスワード受信手段が受信したパスワードの認証を行うパスワード認証手段と、
前記パスワード認証手段により認証が可とされた場合に、登録要求先のコンテンツ提供業者の装置に対し登録通知を行う登録通知手段と、
を有することを特徴とする課金管理装置。
【請求項2】
前記登録手段は、前記利用者によって決定されたユーザIDを前記端末IDに対応付けて前記データベースに登録し、
前記課金管理装置は、
前記端末ID認証手段により認証が否とされた場合に、前記携帯電話からユーザIDとパスワードを受信する第2パスワード受信手段と、
前記データベースを参照して、前記第2パスワード受信手段が受信したユーザIDとパスワードの認証を行なう再認証手段と、
を有し、
前記登録通知手段は、前記再認証手段により認証が可とされた場合に、登録要求先のコンテンツ提供業者の装置に対し登録通知を行うことを特徴とする請求項1に記載の課金管理装置。
【請求項3】
前記パスワード認証手段又は前記再認証手段により認証が可とされた場合に、前記データベースに登録された当該携帯電話利用者に係る前記クレジットカード情報の有効性を確認する確認手段を有し、
前記登録通知手段は、前記確認手段によりクレジットカード情報の有効性が可とされた場合に、前記登録通知を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の課金管理装置。
【請求項4】
コンピュータを、
携帯電話利用者が指定するクレジットカード情報と、当該利用者によって決定されたパスワードを、当該携帯電話に付された各携帯電話を一意に特定する端末IDに対応付けてデータベースに登録する登録手段、
前記携帯電話から当該携帯電話の端末IDを受信してコンテンツ利用の登録要求を受け付ける利用登録要求受付手段、
前記データベースを参照して前記利用登録要求受付手段が受信した端末IDの認証を行なう端末ID認証手段、
前記端末ID認証手段により認証が可とされた場合に、前記携帯電話からパスワードを受信する第1パスワード受信手段、
前記データベースを参照して前記第1パスワード受信手段が受信したパスワードの認証を行うパスワード認証手段、および
前記パスワード認証手段により認証が可とされた場合に、登録要求先のコンテンツ提供業者の装置に対し登録通知を行う登録通知手段として機能させることを特徴とする課金管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−221589(P2011−221589A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86580(P2010−86580)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(506225813)イクス株式会社 (12)
【Fターム(参考)】