説明

調整剤及び分散剤を有する石膏スラリーの製造方法

石膏スラリーの製造方法において、スラリー用にポリカルボキシレート分散剤、調整剤及びスタッコを含む水硬性材料が選択される。その後、水、スタッコ及び分散剤によってスラリー層を形成する前に調整剤がスラリーに加えられ、これらの成分は水の中で混合されてスラリーを形成する。調整剤は、分散剤及びスタッコが水性スラリーに含まれた後に加えられると効果がない。好ましい実施形態において、スタッコが取得され、調整剤及び分散剤は選択される。スタッコが加えられる前に溶液を形成するために、分散剤及び調整剤が予め水に溶解された溶液が調製される。その後、溶液を混合し、スラリーを形成するためにスタッコが加えられる。その後、スラリーは製品に形造られ、凝結されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、「Method of Making a Gypsum Slurry with Modifiers and Dispersants」という名称の、2005年6月14日付けで出願された米国特許出願公開第11/152323号明細書の一部継続出願であり、この米国明細書は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、2005年6月14日付けで出願された、同時係属出願である米国特許出願公開第11/152661号明細書(「Fast Drying Wallboard」という名称)、米国特許出願公開第11/152418号明細書(「Gypsum Products Utilizing a Two-Repeating Unit Dispersant andProcess for Making Them」という名称)、米国特許出願公開第11/152317号明細書(「Modifiersfor Gypsum Products and Methods of Using Them」という名称)及び米国特許出願公開第11/152404号明細書(「Effective Use of Dispersants in Wallboard Containing Foam」という名称)に関連し、これの米国明細書は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本願は、全てが同時に出願された、同時係属出願である米国特許出願公開第11/XXXXXX号明細書(米国代理人側管理番号203375332)(「Gypsum ProductsUtilizing a Two-Repeating Unit Dispersant and Process for Making Them」という名称)、米国特許出願公開第11/XXXXXX号明細書(米国代理人側管理番号203375338)(「Modifiers for Gypsum Products and Methodsof Using Them」という名称)及び米国特許出願公開第11/XXXXXX号明細書(米国代理人側管理番号203375341)(「Effective Use of Dispersants in WallboardContaining Foam」という名称)に関連し、これの米国明細書は参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の分野】
【0004】
本発明は、調整剤及びポリカルボキシレート分散剤を用いた石膏製品の製造方法に関する。より具体的には、特定の順番で分散剤及び調整剤を加える石膏スラリーの製造及び石膏パネルの製造に関する。
【発明の背景】
【0005】
石膏系建材は建設に一般的に用いられる。石膏で作られる石膏パネルは難燃性であり、あらゆる形状の壁構造に用いることができる。これは主に、内壁及び天井の製品として使用される。石膏は消音性を有する。石膏パネルは損傷を受けた場合、比較的容易に修繕されたり取り替えられたりする。石膏パネルには、塗装及び壁紙を含む種々の修飾的な仕上げを適用することができる。これらの全ての利点を伴っても、これは、尚、比較的に安価な建材である。
【0006】
石膏パネルが手ごろな価格である一つの理由は、これらが速くて効率的な方法で製造されるからである。硫酸カルシウム半水和物及び水を含むスラリーは、コアを形成するために用いられ、混合器の下で移動する紙のカバーシート上に連続的に堆積される。第2の紙のカバーシートはその全体に張りつけられ、得られる組立品はパネルの形状になる。硫酸カルシウム半水和物は十分な量の水と反応すると、硫酸カルシウム半水和物は硫酸カルシウム二水和物結晶のインターロッキングマトリックスに変換され、凝結されて固まる。このように形成された連続的なストリップは、焼石膏が凝結されるまでベルトの上で搬送され、その後、ストリップは所望の長さのボードに切断され、過剰水分を除去するために乾燥窯を通って搬送される。各々のステップは数分しかかからないため、いずれかの工程段階における小さい変更は、製造工程における全体的な非効率化をもたらす。
【0007】
スラリーを形成するために加えられる水の量は、水和反応を完成するために必要な水の量を上回る。硫酸カルシウム二水和物結晶のインターロッキングマトリックスを形成するために、石膏スラリーに加えられる一部の水は、硫酸カルシウム半水和物として知られている焼石膏を水和するために用いられる。過剰の水はスラリーに十分な流動性を与え、スラリーが、混合器から流出して、適当な幅及び厚さに成形されるようフェーシング材の中に流れるようにする。製品が濡れていると、移動させるには非常に重く、比較的に壊れやすい。過剰の水は蒸発によってボードから除去される。過剰の水が室温で蒸発される場合、空気乾燥させる間に石膏パネルを堆積又は保管するための相当なスペース又は適当な乾燥時間が提供されるよう十分に長いコンベヤーを備えるための相当なスペースを必要とする。ボードが硬化し、比較的に乾燥するまでには多少壊れやすいため、破砕又はダメージから保護すべきである。
【0008】
比較的に短期間でボードを乾かすために、石膏パネル製品は一般に高温において(例えば、オーブン又は窯で)余分な水を蒸発させることによって乾燥される。窯を建設し、高温で稼働させることは、(特に、化石燃料の価格が上昇するとき)比較的に高価である。製品コストの引き下げは、硬化石膏ボードに存在する、蒸発によって後ほど除去される過剰な水量を減らすことによって実現できる。
【0009】
水を減らす他の理由は、石膏製品の強度が、真密度製品の製造に用いられる水の量に反比例するからである。過剰の水が蒸発するにつれて、水によって占有されていた空間はマトリックス中に残る。石膏スラリーを流動させるためにより多くの水が使用されると、完全に乾いた際、製品の中により多くて大きい空間が残される。これらの空間は、塗り床等のような完成製品における製品密度及び強度を低下させる。
【0010】
石膏と共に使用されることで知られている分散剤は、流動性スラリーを作るためにより少ない水が必要とされるように、水と硫酸カルシウム半水和物の混合物の流動性に役立つ。ナフタレンスルホネート分散剤がよく知られているが、効果が限られている。ポリカルボキシレートはセメントと共に一般に用いられており、それほど重要ではないが、石膏とも一緒に用いられる。用語「ポリカルボキシレート分散剤」として表される化合物の種類(class)は多く、個々の化合物が異なる媒体中においてどのように反応するかを推測することは非常に困難である。
【0011】
分散剤の効果を増加させるために、調整剤を石膏スラリーに加えることができる。シリケート及びカーボネートを含む塩は特に効果的な調整剤である。より具体的には、生石灰、石灰及びソーダ灰は、ポリカルボン酸エーテル分散剤に特に有効である。調整剤は、同時係属出願である「Modifiersfor Gypsum Products and Methods of Using Them」という名称の米国特許出願公開第11/152317号明細書(米国代理人側管理番号203372739)に具体的に開示されており、この内容は、参照により予め本明細書に組み込まれている。
【0012】
しかしながら、石膏、分散剤及び調整剤の混合物を作るのに用いられる方法は、常に高流動性のスラリーを作り出すのではないことが分かった。いくつかの事例において、スラリー流動性における分散剤の効果は劇的に増加するが、他の事例においては、成分を同じく組み合わせても効果がない。スラリー流動性を予測することが不可能であるため、最小限の流動性に達することを確保するために用いられる分散剤が増加する。分散剤が最も高価な成分の一つである工程において、分散剤の過量添加は、製品コストを急激に無駄に増加させる。
【0013】
ポリカルボン酸分散剤の他の性質は、石膏スラリーの凝結を遅延させる傾向がある。不明確な分散剤効果に対して高添加量の分散剤が用いられる場合、石膏パネル等のような特定の製品が現在の高速装置では製造されないほど凝結が遅れる可能性がある。
【0014】
したがって、分散剤の過剰添加なしに高流動性の混合物を連続的に作り出す、石膏スラリーの製造方法及びその製品が必要である。このような方法を使用することにより、使用される高価な分散剤の適当なコストを保持し、スラリーの凝結遅延を最小にすることができる。
【発明の概要】
【0015】
この問題点及び他の問題点の解決策は、石膏、分散剤及び調整剤から高流動性スラリーを連続的に生成する本発明の方法による。
【0016】
より具体的には、石膏スラリーの製造方法において、スラリー用にポリカルボキシレート分散剤、調整剤及びスタッコを含む水硬性材料が選ばれる。次に、これらの成分は水と混合されてスラリーを形成し、調整剤は、水、スタッコ、分散剤によってスラリー層が形成される前にスラリーに加えられる。水性スラリーに分散剤及びスタッコが触れた後に調整剤が加えられると、調整剤は弱い効果を示す。
【0017】
好ましい実施形態において、一定量のスタッコが取得され、調整剤及び分散剤が選択される。水にスタッコを加える前に、分散剤及び調整剤を予め溶解させた溶液を調製し、溶液を形成する。溶液を混合した後、スラリーを形成するためにスタッコを加える。その後スラリーは、製品に成形されてもよく、凝結されてもよい。
【0018】
調整剤、分散剤、スタッコ及び水を混合するこの方法は、調整剤を最も有利に使用するための整合性をもたらす。スラリー流動性が一貫していると、注ぎやすいように混合物の十分な流動性を保証するために、高添加量の分散剤を使用する必要はない。規格に達しないより少数の製品は失われる。分散剤の添加量を減らすと、分散剤のコストが減少し、製品凝結時間が改善される。
【発明の詳細な説明】
【0019】
上記問題点及び他の問題点は、本発明が、水、ポリカルボキシレート分散剤、調整剤及び硫酸カルシウム半水和物のスラリーを製造する方法を含むことによって、特定の順番でその成分を混合することによって改善される。以下により詳しく説明されるように、調整剤は分散剤の効果を高める添加物である。
【0020】
調整剤が分散剤に触れる前に、硫酸カルシウム半水和物又はスタッコが分散剤に触れると、調整剤は弱い効果を示すことを見出した。好ましくは、調整剤及び分散剤の両方が予め計量水に溶解されて、溶液を調製する。この際、調整剤及び分散剤は任意順番で連続的に又は基本的に同時に加えられる。溶液が調製されると、スタッコをこの溶液に混合し、スタッコは分散剤及び調整剤の両方に同時に触れる。
【0021】
他の実施形態において、調整剤が一部の計量水に混合されて、調整剤のスラリーを形成する。その後、この調整剤のスラリーが残りの計量水及び分散剤に同時に又は連続的に混合され、3成分溶液を形成する。いずれにせよ、調整剤及び分散剤の両方は、乾燥成分を導入する前に計量水に混合される。
【0022】
分散剤及び調整剤の両方が乾燥タイプ又は粉末タイプである場合、他の好ましい実施形態において、調整剤及び分散剤はスタッコと混合された後、全ての乾燥成分が同時に水に加えられる。代替的に、調整剤は予め水に溶解される一方、分散剤はスタッコに加えられて分散剤―スタッコ混合物を作る。その後、分散剤―スタッコ混合物は、調整剤が予め溶解されている水の中に加えられる。これらの実施形態は、粉末タイプの分散剤が望ましいときに特に有利である。
【0023】
他の実施形態などの場合、調整剤及び分散剤が同時に加えられるため、調整剤を加える前に分散剤が水中でスタッコと相互作用する機会がない。
【0024】
スタッコ(また、硫酸カルシウム半水和物又は焼石膏として知られている)は、乾燥材料の少なくとも50%の量で存在する。好ましくは、スタッコの量が少なくとも80%である。多くの石膏組成物において、乾燥成分は90%以上又は95%も硫酸カルシウム半水和物である。焼成方法は重要ではなく、α型焼成スタッコ又はβ型焼成スタッコのいずれかが適する。硫酸カルシウム無水物及び/又は硫酸カルシウム二水和物の使用も考えられるが、20%未満の少量であることが好ましい。
【0025】
異なる供給源からのスタッコは、異なる量及びタイプの塩及び不純物を含む。本発明のスラリーは、硫酸カルシウム半水和物が少量の天然由来塩(naturally occurring salts)を有すると最も効果的である。低塩スタッコは、300PPM(partsper million)未満の溶解性塩を有するものとして定義される。少なくとも600PPMの溶解性塩を含む高塩量スタッコは、調整剤の作用を妨げる可能性が最も高い。オクラホマ州のサザード、リトルナロウズ、ノバスコシア、アイオワ州のフォートダッジ、テキサス州のスウィートウォーター、カリフォルニア州のプラスターシティ(Southard, OK, Little Narrows, NovaScotia, Fort Dodge, IA, Sweetwater, TX, Plaster City, CA)又は他の場所で発見される鉱床にあるようなスタッコが、本発明のスラリーに適する。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、最終製品の一つ以上の性質を変えるために、添加剤が石膏スラリーに含まれる。添加剤は、当技術分野で知られている方法及び量で使用される。しばしばこれらの添加剤及び他の添加剤は、固体、粉末又は粒状のものであり、スラリーが混合される前に乾燥成分に加えられる。濃度は、仕上がったボードパネルの1000平方フィート(「MSF」)ごとの量で記録される。
【0027】
付加的な添加剤は、石膏スラリーが加えられる特別な応用のために典型的なものとしてスラリーに加えられる。行われている水和反応の速度を変更するために、凝結遅延剤(最大約2lb./MSF(9.8g/m2))又は乾燥促進剤(最大約35lb./MSF(170g/m2))が加えられる。「CSA」は5%のシュガーと混合粉砕された95%の硫酸カルシウム二水和物を含む凝結促進剤であり、シュガーをキャラメルにするために250°F(121℃)まで加熱される。CSAはオクラホマシティ州サザードのUSG株式会社(USG Corporation, Southard, OK)の工場から入手可能であり、米国特許第3573947号明細書に従って製造されており、この米国明細書は参照により本明細書に組み込まれる。硫酸カリウムはその他の望ましい促進剤である。HRAは、硫酸カルシウム二水和物100ポンド当たりに約5〜25ポンドの比でシュガーと新しく粉砕された硫酸カルシウム二水和物である。これは米国特許第2078199号明細書に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。これらの両方は望ましい促進剤である。
【0028】
石膏用湿式凝結促進剤(wet gypsum accelerator)として知られている他の促進剤も、望ましい促進剤である。石膏用湿式凝結促進剤の使用及び製造方法の説明は、米国特許第6409825号明細書に記載されており、この米国明細書は参照により本明細書に組み込まれる。この促進剤は、有機リン化合物、リン酸塩含有化合物又はその混合物からなる群から選ばれる少なくとも一つの添加剤を含む。この特別な促進剤は、十分な寿命を示し、使用される前の、製造、保存、長距離に亘る運送までの長時間に亘ってその有効性を維持する。石膏用湿式凝結促進剤は、ボード製品1000平方フィートにつき約5〜約80ポンド(24.3g/m〜390g/m)の量で使用される。
【0029】
結合強度を増加させ、製品を増強させるために、澱粉が約3〜約20lbs./MSF(15.6〜97.6g/m)の量で使用される。随意に、ガラス繊維が11lb./MSF(54g/m)までの量でスラリーに加えられる。また、最大11lb./MSF(53.7g/m)の紙繊維もスラリーに加えられる。仕上がった石膏ボードパネルの耐水性を改善するために、ワックス乳化剤(wax emulsion)が最大90lb./MSF(439g/m)の量で石膏スラリーに加えられる。
【0030】
本発明の実施形態において、より軽い重量となるよう凝結石膏含有製品に空隙をもたらすために、発泡剤を使用する。ここで、発泡凝結石膏製品を製造するために有用であると知られている従来の発泡剤のいずれも使用できる。このような発泡剤の多くは広く知られており、商業的に容易に入手可能であり、例えば、石鹸製品のHYONICラインはペンシルベニア州のアンブラー(Ambler, PA.)にあるGEO Specialty Chemicalsから入手できる。発泡凝結石膏製品を製造するためのフォーム及び好ましい製造方法は、米国特許第5683635号明細書に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。フォームが製品に加えられると、硫酸カルシウム半水和物が加えられる前に、ポリカルボキシレート分散剤が、プロセス水とフォーム水の間で随意に分けられる。スタッコ、調整剤及び分散剤を混合するために好ましい方法は、「Method of Controlling CoreProperties in Wallboard」という名称の、米国特許出願公開第11/152404号明細書に開示されており、この米国明細書は既に参照により本明細書に組み込まれている。
【0031】
製品の強度を高めるために、また、凝結石膏のたわみ抵抗性を減らすために、いくつかの実施形態において、トリメタホスフェート化合物が石膏スラリーに加えられる。好ましくは、トリメタホスフェート化合物の濃度は、焼石膏の重量に基づいて約0.07%〜約2.0%である。トリメタホスフェート化合物を含む石膏組成物は、米国特許第6342284号明細書及び米国特許第6632550号明細書に開示されており、この二つの米国明細書は参照により本明細書に組み込まれる。体表的なトリメタホスフェートとして、トリメタホスフェートのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩を含み、このような塩はミズーリ州セントルイス(St. Louis, MO)のAstaris, LLC.から入手可能である。スラリーのpH値を上昇させる石灰又は他の調整剤と共にトリメタホスフェートを使用するときには注意すべきである。約9.5のpH値を上回ると、トリメタホスフェートは製品を強化する能力を失い、また、スラリーの生成が大幅に遅れる。
【0032】
石膏パネルに加える他の可能な添加物は、カビ(mold),白カビ(mildew),糸状菌(fungi)の成長を減らす殺生物剤である。石膏パネル用に選択された、また意図された殺生物剤に応じて、殺生物剤は、フェーシング、石膏コア又はその両方に加えられる。殺生物剤の例として、ホウ酸、ピリチオン塩及び銅塩を含む。殺生物剤はフェーシング又は石膏コアのいずれかに加えられる。用いられるとき、殺生物剤は約500ppm未満の量でフェーシングに用いられる。
【0033】
さらに、石膏組成物は、糊化した澱粉又は酸修飾澱粉のような澱粉を随意に含むことができる。糊化した澱粉を含むことによって、凝結及び乾燥した石膏キャストの強度が増加し、また、湿気の高い(例えば、水と焼石膏の比率の上昇に関する)条件下にある壁板における紙剥離のリスクが最小限になったり、避けられたりする。キャスト石膏製品において、澱粉は製品表面の硬度を改善する。当業者は、例えば、生澱粉を水の中で少なくとも約185°F(85℃)の温度で加熱する等の生澱粉を糊化する方法又は他の方法が理解されるであろう。糊化した澱粉の適切な例として、これらに限られないが、Lauhoff Grain Companyから商業的に入手可能なPCF 1000澱粉、Archer Daniels Midland Companyから商業的に入手可能なAMERIKOR 818澱粉及びHQM PREGEL澱粉を含む。糊化した澱粉は含まれる場合は、任意適当な量で含まれる。例えば、糊化した澱粉が含まれる場合、凝結石膏組成物の約0.5重量%〜約10重量%の量で含まれるように、凝結石膏組成物を形成するために用いられる混合物に加えることができる。USG95(イリノイ州シカゴ(Chicago, IL)のUnited States Gypsum Company)のような澱粉も、コア強度のために随意に加えられる。
【0034】
多くの分散剤が本発明に有用である。ポリカルボキシレート分散剤は分散剤の好ましいタイプである。ポリカルボン酸エステル分散剤がより好ましい。石膏パネル及び他に用いられるスラリーのスタッコ含有量が高いと、単独でスラリーを流動させる効果が最も少ないポリカルボン酸エステル分散剤は、多くの場合、調整剤に最も敏感である。
【0035】
スラリーに用いられる分散剤の好ましい種類の一つは、二つの繰返し単位を含む分散剤である。これは、同時係属出願である、米国特許出願公開第11/152418号明細書(弁理士番号203372740)(2005年6月14日付けで提出された、「Gypsum Products Utilizing aTwo-Repeating Unit Dispersant and Process for Making Them」という名称の出願)及び米国特許出願公開第11/xxxxxx号明細書(弁理士番号203375332)(同時に提出され、「Gypsum Products Utilizing aTwo-Repeating Unit Dispersant and Process for Making Them」という名称の出願)に開示されており、この二つの米国明細書は参照により既に本明細書に組み込まれている。これらの分散剤はDegussa Construction Polymers, GmbH(TrostbergGermany)の製品であり、Degussa Corp.(Kennesaw,GA)(以下、「Degussa」と呼ぶ)によって提供されており、以下、「PCE211−タイプ分散剤」として参照される。
【0036】
第1繰返し単位は、オレフィン不飽和モノカルボン酸繰返し単位、そのエステル若しくは塩又はオレフィン不飽和硫酸繰返し単位若しくはその塩である。好ましい繰返し単位は、アクリル酸又はメタクリル酸を含む。一価塩又は二価塩は、酸性基の水素の位置に適する。また、上記水素は炭化水素基に置換されて、エステルを形成することができる。
【0037】
第2繰返し単位は、式Iを満足し、
【化1】


ここで、Rは式IIのアルケニル基である。
【化2】

【0038】
式Iを参照すると、アルケニル繰返し単位は、随意に、ポリマー骨格とエーテル結合の間にC〜Cのアルキル基を含む。pの価は0〜3の整数を含む。好ましくは、pは0又は1のいずれかである。Rは水素原子又はC〜Cの脂肪族炭化水素基のいずれかであり、これらは直線状、分岐状、飽和又は不飽和であってもよい。
【0039】
複数のC〜Cのアルキル基を含む式IIのポリエーテル基は、酸素原子によって結合されている少なくとも二つの異なるアルキル基を含む。m及びnは2〜4の整数を含み、好ましくは、m及びnの少なくとも一つが2である。x及びyは55〜350の整数を含む。z値は0〜200を含む。Rは置換されてないアリール基又は置換アリール基であり、好ましくはフェニル基である。Rは水素又はC〜C20の脂肪族炭化水素基、C〜Cの脂環式炭化水素基、C〜C14の置換アリール基又は式III(a)、III(b)及びIII(c)の少なくとも一つの基である。
【化3】


【化4】


【化5】

【0040】
上記式において、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルキルアリール基を示す。Rは2価のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルキルアリール基である。
【0041】
PCE211タイプ分散剤の中で特に有用な分散剤は、PCE211(以下、「211」という)に指定される。石膏パネルに有用であると知られているこのシリーズ中の他のポリマーは、PCE111を含む。
【0042】
PCE211タイプ分散剤の分子量は約20000〜約60000ダルトンであることが好ましい。意外に、分散剤の分子量が小さいと、60000ダルトンを超える分子量を有する分散剤より、凝結時間の遅延が少ないことを見出した。一般に、総分子量の増加に起因して側鎖の長さが長いと、よりよい分散性を提供することができる。しかしながら、石膏のテスト結果は、分子量が60000ダルトンを上回ると、分散剤の効果が減少することを示している。
【0043】
本発明に有用なポリカルボキシレート化合物の他の種類は、米国特許第6777517号明細書に開示されており、この米国明細書は参照によって本明細書に組み込まれており、以下、「2641タイプ分散剤」として参照される。石膏スラリー及び壁板における2641タイプ分散剤の使用は、「Fast Drying Gypsum Products」という名称の米国特許出願公開第11/52661号明細書に更に開示されており、この米国明細書は参照により既に本明細書に組み込まれている。
【0044】
好ましくは、2641タイプ分散剤は、少なくとも三つの式IV(a)、IV(b)及びIV(c)に示した繰返し単位を含む。
【化6】


【化7】


【化8】

【0045】
この場合、アクリル酸繰返し単位及びマレイン酸繰返し単位の両方が存在し、より高い酸性基とビニルエーテル基の比をもたらす。Rは水素原子又は1〜20の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ラジカルを示す。XはOMを示し、ここで、Mは、水素原子、1価金属カチオン、アンモニウムイオン又は有機アミンラジカルである。Rは、水素、1〜20の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ラジカル、6〜14の炭素原子を有する脂環式炭化水素ラジカルであることができ、それらは飽和されていてもよい。Rは、水素又は1〜5の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ラジカルであり、随意に、直線状又は分岐状、飽和又は不飽和のものである。Rは、構造単位がアクリルか、メタクリルかによって、水素又はメチル基である。pは0〜3であることができる。mは2〜4の整数を含み、nは0〜200の整数を含む。いくつかの好ましい2641タイプ分散剤は、Degussaにより、MELFLUX2641F,MELFLUX2651F及びMELFLUX2500L分散剤として販売されている。(MELFLUXはDegussa Construction Polymers, GmbH, Trosberg, Germanyの登録商標である。)
【0046】
他の好ましい分散剤ファミリは、Degussaによって販売されており、「1641タイプ分散剤」として参照される。この分散剤は米国特許第5798425号明細書に開示されており、この米国明細書は参照により本明細書に組み込まれる。特に好ましい1641タイプ分散剤は、式Vに示されており、DegussaによりMELFLUX1641Fという商品名で販売されている。この分散剤は主として、一方がビニルエーテル型であって、他方がビニルエステル型である二種類の繰返し単位から作られる。1641タイプ分散剤の例は式Vに示されており、m及びnは繰返し単位成分のモル比であり、これらは、ポリマー鎖に沿ってランダムに存在することができる。
【化9】

【0047】
これらの分散剤は、石膏用に特に広く適する。理論に束縛されたくないが、第2繰返し単位の長いポリエーテル鎖が分散機能を果たす間に、酸性繰返し単位が石膏結晶に結合されると考えられる。他の分散剤より遅延が少ないため、石膏パネルなどの石膏製品の製造に与える混乱が少ない。分散剤は任意有効な量で使用される。多くの場合、選択された分散剤の量は、スラリーの所望の流動性に依存する。水量が減少するにつれて、スラリーの一定の流動性を保つためにより多くの分散剤が必要とされる。ポリカルボキシレート分散剤は比較的に高価な成分であるため、少ない添加量で使用することが好ましく、石膏の乾燥重量を基準に2重量%未満であることが好ましく、1重量%未満であることがより好ましい。好ましくは、分散剤は、スタッコの乾燥重量を基準に約0.05重量%〜約0.5重量%の量で使用される。より好ましくは、分散剤は、同じものを基準に約0.05重量%〜0.2重量%の量で使用される。液体分散剤の計量において、ポリマー固体のみ分散剤用量の計算に考慮されており、水/スタッコ比が計算されるときは、分散剤からの水も考慮される。
【0048】
多くのポリマーは、異なる分布を有する同じ繰返し単位を用いて作られる。酸含有繰返し単位とポリエーテル含有繰返し単位の比は電荷密度に直接関係する。好ましくは、共重合体の電荷密度は、約300〜約3000μ当量電荷(equiv. charges)/g共重合体である。この種類の分散剤の中で水低減試験を受けた最も効果的な分散剤(MELFLUX2651F)は、最も高い電荷密度を有することを見出した。
【0049】
しかしながら、電荷密度が増加すると、結果的に分散剤の遅延効果が増加することが見つかった。MELFLUX2500L等のような低い電子密度を有する分散剤は、高い電荷密度を有するMELFLUX2651F分散剤より凝結時間を少なく遅らせる。高い電荷密度の分散剤から得られる効果の増加と共に凝結時間の遅延が増加するため、少ない水、優れた流動性及び適当な凝結時間を有するスラリーを製造することは、電荷密度を中間範囲で保持することを必要とする。より好ましくは、共重合体の電荷密度が約600〜約2000μ当量電荷/g共重合体の範囲にある。
【0050】
石膏スラリーは、ポリカルボキシレート分散剤の活性を高める一つ以上の調整剤を含んでもよい。ここで用いられる二種類の繰返し単位を有する分散剤は特に調整剤の効果の影響を受けやすい。好ましい調整剤は、セメント、石灰(また、生石灰又は酸化カルシウムとも知られている)、消石灰(また、水素炭酸カルシウムとも知られている)、ソーダ灰(また炭酸ナトリウムとも知られている)、炭酸カリウム(また、カリとも知られている)及び他のカーボネート、シリケート、水酸化物、ホスホネート及びホスフェートを含む。調整剤が用いられると、新しいレベルの流動性に到達するよう分散剤の効果が高められるか、ポリカルボキシレートのコストが下がるようポリカルボキシレート分散剤の量が減らされるかすることができる。調整剤のさらなる情報及びこれらの使用は、同時に出願された「Modifiers For PolycarboxylateDispersants」という名称の米国特許出願公開第11/152317号明細書に含まれており、参照により予め本明細書に組み込まれている。
【0051】
調整剤は任意適当な量で石膏スラリーに用いられる。好ましくは、調整剤は、乾いたスタッコを基準に約0.01重量%〜約2重量%の量で用いられる。より好ましくは、調整剤は約0.03重量%〜約0.5重量%の量で用いられ、さらに好ましくは、約0.05重量%〜0.5重量%である。
【0052】
任意量の水をスラリーに加えて流動性スラリーを作る。用いられる水の量は、それが用いられる用途、用いられる正確な分散剤、用いられるスタッコ及び添加剤の性質によって大きく変化する。水とスタッコの比率(WSR)は、スタッコの乾燥重量を基準に約0.1〜約0.8であることが好ましい。普通、WSRは約0.2〜約0.6であることが好ましい。フローリング組成物は、約0.17〜約0.45のWSRを好ましく用い、より好ましくは約0.17〜約0.34である。キャスティング可能な又は成型可能な製品は、約0.1〜約0.3のWSRの水を好ましく用い、より好ましくは約0.16〜0.25のWSRの水を用いる。PCE211タイプ分散剤の適当な追加に基づく実験室試験において、WSRは、0.1以下に減らすことができる。
【0053】
スラリー及び凝結石膏の両方の特性をよく調整するために、スラリーの製造に用いられる水はできるだけ純水とすべきである。塩及び有機化合物はスラリーの凝結時間を改良するために広く知られており、促進剤から凝結抑制剤までに広く変化する。不純物は、二水和物結晶のインターロッキングマトリックスのような構造における不正をもたらし、凝結製品の強度を低減させる。したがって、製品の強度及び硬さは、できるだけ汚染物質を含有しない水を使用することによって増加される。
【0054】
好ましい壁板の扱いにおいて、石膏は混合器に向かってコンベヤー上で移動される。混合器に入る前に、乾燥添加剤(消泡剤等)又は凝結促進剤が粉末の石膏に加えられる。いくつかの添加剤は個別のラインを経て直接混合器に加えられる。下記の例において、トリメタホスフェートはこの方法で加えられる。また、他の添加剤が水に加えられてもよい。液状の添加剤が特に使いやすい。多くの添加剤の場合、添加剤をスラリーに入れる点は重要ではなく、従来のいかなる実施形態又は方法を用いて加えられてもよい。
【0055】
しかしながら、本発明の分散剤を用いる場合、スタッコを加える前に分散剤を水に加えることが重要である。他の源からの水を考慮に入れる場合、計量水又は補充水は、水とスタッコの目標比率に応じて必要な割合で混合器に加えられる。
【0056】
他の知られている添加剤は、壁板、フローリング又はキャスティング製品等の製品の特性を改良する必要性に応じて使用されてもよい。ブドウ糖等の砂糖は、ボードの末端における紙の結合を改善するために用いられる。ワックス乳化剤又はポリシロキサンは耐水性のために用いられる。剛性が必要な場合、一般にホウ酸が加えられる。難燃性は、バーミキュライト及び/又はガラス繊維の添加によって改善されてもよい。これらの添加剤及び他の知られている添加剤は、本発明のスラリー及び石膏パネル組成物に有用である。
【0057】
以下の実施例において特に断りのない限り、乾燥成分を基準に400gのサンプルが調製された。全ての乾燥成分(凝集体を含む)は秤量されて、乾燥混合された。所定量の脱イオン水は量られて、混合ボウルに注入された。乾燥混合材料は上記水に加えられ、その時間は、凝結時間を計算するための開始点として記録された。混合ボウルはホバート混合器上に配置し、約5秒間揺らした。浸ってから1分後、材料は低速で2分間混合された。全ての材料が均一に混合されることを確保するために、ボウルは混合器から移動されて、中身はウィスク(wisk)で約15秒間撹拌された。
【0058】
初期スランプサンプルは、プラスチックシートの上に置かれている濡れた2”×4”(5cm×10cm)のシリンジの中に注入され、シリンジは少し過剰充填された。過剰の材料は上部から敷きならし、次にシリンジは平穏に持ち上げられ、スラリーは底部を流出して、パティー(patty)を形成した。パティーは90°離れた二つの方向で測定されて(±1/8”)、平均値はパティーの直径として記録された。
【0059】
凝結時間への言及は、参照により本明細書に組み込まれるASTMC−472によるビカー凝結時間を参照する。ビカー凝結時間は、手で混合される場合には、プラスターが水に加えられる時間から開始され、機械混合される場合には、混合器からスラリーが流れ出す時間から開始された。望ましい応用において、サンプルは、50gの凝集体のない乾燥材料及び十分な水で作られ、標準軟度を形成した。サンプルはパティーを形成するためにアクリルシート上に注がれた。300gのビカー針は、パティーの中心及び外縁の間に持ち続けられ、パティー表面に垂直とされた。針はパティーの表面に保持されおり、それ自身の重量で自由に落下して釈放された。針がパティーの底に達しなかった場合には、凝結時間が決定される。進入程度が不明確である場合には、針が下にある表面に触れているかどうか確定するために、針は僅かに押される。
【0060】
実施例1
この実施例は、調整剤及び分散剤の添加順番の重要性を明示している。400gのスタッコ(Southard, OK,からのスタッコ)、220gの水、0.7gのHRA凝結促進剤及び0.89gのMELFLUX2500L分散剤(45%の固体を含む)がそれぞれの下記試験に用いられた。さらに、0.6gのソーダ灰が下記の二つのサンプルに加えられた。全ての実施例において、スタッコ及び調整剤(入れる場合)が添加される前に、水及び分散剤が水に加えられた。スタッコを添加した後、混合物を15秒間浸し、その後30秒間混合してスラリーを形成した。調整剤は下記のように加えられた。
【0061】
条件1は、ソーダ灰が加えられなかった比較サンプルである。条件2では、スタッコが水に加わる前にソーダ灰が混合水に加わられた。条件3では、浸した後混合器で混合する前に、スタッコが加われた後にソーダ灰が混合水に加われた。
【0062】
三つのプロセス条件における、パティーサイズ、凝結率及びビカー凝結時間は表1に示される。
【0063】
【表1】

【0064】
条件2及び条件3では、調製剤が添加されていないときに比べて、調整剤及び分散剤の両方が加わったときによりよい流動性が得られることをはっきり示している。しかしながら、条件3では、調整剤が、スタッコを導入する前に互いに接触したスラリーに加えられる。
【0065】
実施例2
この比較例において、石膏パネルの製造に用いられる石膏スラリーに石灰が加えられた結果、流動性が僅かに改良された。全ての成分の量は、石膏パネル1000平方フィート(104m)ごとのポンドとして示される(「lbs/MSF」)。1285ポンドのスタッコが、3ポンドの澱粉、3ポンドのセレローズ(cerelose)及び0.32ポンド(145g)の凝結遅延剤を含む他の乾燥成分に混合された。アイボリー石灰は予め水に混合され、スタッコ注入口に隣接したいくつかの水注射器の開口部の一つを通って直接混合器に加えられた。分散剤(MELFLUX2500L)は計量水に直接加えられ、均一になるまで混合され、その後、混合物はスタッコ注入口に隣接した残り水注射器の開口部を経て混合器に加えられた。乾燥成分はスタッコと混合され、その後、スタッコの縦樋を通って混合器に加えられた。
【0066】
【表2】

【0067】
表2に示したように、この方法において0.18%石灰を使用することによって水を適当に減らすことができた。しかしながら、水減少は、実験室試験で示されたほど大きくはなく、調整剤がそのような方法で加えられたため、PCEが加えられる前にスタッコによく分散されず、調整剤と分散剤の間の相互作用が制御されたと考えられる。
【0068】
実施例3
工場試験が行われ、そこでは、分散剤及び調整剤が両方とも計量水に溶解された。調整剤(ソーダ灰)は水に溶解されて、10重量%の溶液を作った。32%固体に希釈された3.9lds/msfのMELFLUX2500Lが計量水に加えられ、次に11.3lb/msfのソーダ灰スラリーが計量水に加えられ、全ての成分は混合されて均一な溶液を形成した。1257ポンドのスタッコが混合器に加えられ、石膏スラリーを形成した。
【0069】
【表3】

【0070】
表3に示したように、この方法において0.1%ソーダ灰の使用によって水を著しく減らすことができた。
【0071】
石膏、調整剤、分散剤及び水からなるスラリーを製造する方法の特別な実施形態が示されており、開示されているが、当業者によって、上位実施形態及びクレームに記載の本発明から逸脱せず変更及び修正されることが考えられるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタッコを含む一定量の乾燥成分を取得するステップと、
溶液を形成するよう、調整剤及び分散剤を水に予め溶解させるステップと、
石膏スラリーを形成するよう、前記溶液及び前記乾燥成分を混合するステップと、
を含む石膏スラリーの製造方法。
【請求項2】
前記予め溶解させるステップにおける前記調整剤が、石灰、生石灰、シリケート、ホスフェート、ホスホネート及びカーボネートからなる群の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の石膏スラリーの製造方法。
【請求項3】
前記調整剤が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化カルシウム、ケイ酸ナトリウムからなる群の少なくとも一つを含む、請求項2に記載の石膏スラリーの製造方法。
【請求項4】
前記予め溶解させるステップが、前記調整剤及び前記分散剤を基本的に同時に前記水に加える工程を含む、請求項1に記載の石膏スラリーの製造方法。
【請求項5】
前記予め溶解させるステップにおいて、前記分散剤が加える前に前記調整剤が前記水に加えられる、請求項1に記載の石膏スラリーの製造方法。
【請求項6】
前記予め溶解させるステップにおける前記分散剤がポリカルボン酸エーテル分散剤である、請求項1に記載の石膏スラリーの製造方法。
【請求項7】
前記予め溶解させるステップにおける前記分散剤がビニルエーテル繰返し単位を含む、請求項6に記載の石膏スラリーの製造方法。
【請求項8】
前記予め溶解させるステップが、調整剤のスラリーを形成するために、前記調整剤を一部の前記水と混合する工程をさらに含み、この工程は、前記調整剤のスラリー及び前記分散剤を残り一部の前記水に予め溶解させる工程の前に行われる、請求項1に記載の石膏スラリーの製造方法。
【請求項9】
前記乾燥成分が少なくとも50重量%のスタッコを含む、請求項1に記載の石膏スラリーの製造方法。
【請求項10】
スタッコを含む一定量の乾燥成分を取得するステップと、
溶液を形成するよう、調整剤および分散剤を水に予め溶解させるステップと、
石膏スラリーを形成するよう、前記溶液及び前記乾燥成分を混合するステップと、
前記石膏スラリーを製品に成形するステップと、
前記スラリーを凝結するステップと、
を含む石膏製品の製造方法。
【請求項11】
窯の中で前記石膏製品を乾燥させるステップをさらに含む、請求項10に記載の石膏製品の製造方法。
【請求項12】
前記乾燥成分が少なくとも50重量%のスタッコを含む、請求項10に記載の石膏製品の製造方法。
【請求項13】
前記石膏製品が石膏パネルである、請求項10に記載の石膏製品の製造方法。
【請求項14】
前記成形するステップが、2枚の対向材料の間に前記スラリーをサンドイッチする工程をさらに含む、請求項13に記載の石膏製品の製造方法。
【請求項15】
前記分散剤がアクリル繰返し単位及びビニルエーテル繰返し単位を含む、請求項13に記載の石膏製品の製造方法。
【請求項16】
前記分散剤がポリカルボン酸エーテルを含む、請求項10に記載の石膏製品の製造方法。
【請求項17】
前記乾燥成分が、増強剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、澱粉、繊維及び殺生物剤からなる群から選ばれる少なくとも一つをさらに含む、請求項10に記載の石膏製品の製造方法。
【請求項18】
ポリカルボキシレート分散剤、調整剤及びスタッコを含む水硬性材料を選択するステップと、
スラリーを形成するよう、前記ポリカルボキシレート分散剤、前記調整剤、前記水硬性材料及び水を一緒に混合するステップと、
を含む石膏スラリーの製造方法であって、
前記水、前記スタッコ及び前記分散剤によってスラリー層が形成される前に、前記調整剤が前記水、前記スタッコ及び前記分散剤の少なくとも一つに加えられる、石膏スラリーの製造方法。
【請求項19】
前記分散剤が乾燥状態にあり、
前記混合するステップが、
スタッコ−分散剤混合物を作るように前記分散剤を前記スタッコに加える一方、前記調整剤を水に予め溶解させる工程と、
次に、前記スタッコ−分散剤混合物を予め調整剤が溶解されている前記水に加える工程と、をさらに含む、請求項18に記載の石膏スラリーの製造方法。
【請求項20】
請求項10に記載の石膏製品の製造方法によって作られる、製品。
【請求項21】
石膏パネルである、請求項20に記載の製品。
【請求項22】
床又は床下張りである、請求項20に記載の製品。
【請求項23】
キャスティング製品である、請求項20に記載の製品。

【公表番号】特表2008−543616(P2008−543616A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517004(P2008−517004)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/022932
【国際公開番号】WO2006/138273
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(596172325)ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー (100)
【Fターム(参考)】