説明

調整可能なスプレーの向きを有するボディースプレー

スプレー面(24)に連結されたカップリング組立体(66)を含むボディースプレー組立体が提供される。スプレー面は、全方向性に調整可能な放出角度を有する方向付けされたスプレーを放出するように作動可能である。従って、配列された出口を有するタイルの形のスプレー面は、様々な方向にスプレーを方向付けし、または、装飾の目的のための取付壁と平行であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの身体に水を放出するシャワー設備に据え付けられるボディースプレーに関し、特に、バルブ出口において、角度調整可能な放出方向を有するボディースプレー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の入浴空間の設計は、「カスタムシャワー(custom shower)」として当業界で既知のカテゴリを発展させてきた。このカスタムシャワーでは、装飾的な様式から数多くの蛇口やその設置位置に至るまで、バルブの構成材料や構造に伴って、様々なバルブオプションが利用可能である。この様々なオプションの多様性によって、各カスタムシャワーは、外観及び機能について比類のないものにされている。
【0003】
これらの組立体に使用される蛇口は、通常、選択された水制御バルブに応じて、1つ又は複数のシャワーヘッド装置、ハンドシャワー装置、及びボディースプレー装置の組合せを含む。ボディースプレーバルブは、垂直のシャワー設備壁に取り付けられ、身体に実質的に水平に水を放出することができる。
【0004】
ユーザに対して望ましい水の適用範囲及びスプレー感覚を提供するように設計された様々な従来のボディースプレー装置が商業的に入手できる。そのうちの幾つかのものは、スプレーヘッドが所定の範囲内で回転させることもができる。
【0005】
手動により容易に調節可能な放出角度方向にスプレーを方向付けする、平坦なスプレー面を有する小型の壁取付け型のボディースプレー組立体に対する要求が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、全方向に亘って調節可能な放出角度を有するスプレー面に連結されたカップリング組立体を含み、これに応じて、スプレー面から方向付けされたスプレーの放出角度を調節することが可能なボディースプレー組立体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
詳細には1つの形態において、本発明は、供給源からの供給水を受け入れ、そして、方向付けされたスプレーとして供給水を放出するように構成されたボディースプレー組立体を提供する。双方向性のカップリング組立体は、第1の軸の周りに回転可能なハウジング及び第2の軸の周りに回転可能な本体を含む。このカップリング組立体は、供給水を受け入れる。スプレー出口組立体は、スプレー面を通って伸びる配列されたノズルを含む。このノズルは、カップリング組立体から供給水を受け入れ、そして、方向付けされたスプレーとして供給水を放出する。スプレー出口組立体は、ノズルが第1の軸及び第2の軸の両方の周りに回転できるように、双方向性のカップリング組立体に連結される。飾り板は、壁に取り付けられるように構成されており、スプレー面が壁に対して実質的に同一平面であるようにスプレー面を取り巻く。
【0008】
供給水は、ハウジングから本体を通過して流れてもよい。スプレー出口組立体は、本体から供給水を受け入れてもよい。
【0009】
第1のハウジングは、水路部材によって支持された水流ハウジングである。この水流ハウジングは、水路部材に対して第1の軸の周りに回転可能である。水路部材は、水流ハウジングを支持する一対のアームを有し、このアームのうちの少なくとも1つは水流ハウジングに供給水を供給する出口を形成する。
【0010】
上述した本体は、水流ハウジングによって支持されたエルボ水路体である。エルボ水路体は、水流ハウジングに対して第2の軸の周りに回転可能である。また、第2のエルボ水路体が、水流ハウジングによって支持されてもよい。第2のエルボ水路体は、水流ハウジングに対して第2の軸の周りに回転可能である。水流ハウジングは、入口と、第1の半径方向出口及び第2の半径方向出口とを有していてもよく、これにより第1のエルボ水路体及び第2のエルボ水路体はそれぞれ、第1の半径方向出口及び第2の半径方向出口に回転可能に受け入れられる。
【0011】
上記ボディースプレー組立体は、双方向性のカップリング組立体に供給源を連結する水入口組立体を有していてもよい。ケーシングが、水入口組立体、双方向性のカップリング組立体、及び、スプレー出口組立体を支持する。
【0012】
スプレー面は、ノズルを受け入れるようにタイル状をなして平坦であってもよい。
【0013】
1つの態様においては、複数の回転軸は同一平面上にある。他の態様においては、複数の回転軸は直交している。更に他の態様においては、複数の回転軸は、ノズルの全方向に亘る角度調整をもたらすように、相互に独立している。
【0014】
他の態様において、ボディースプレー組立体は、中央の縦軸に沿って伸び、そして、供給源からの供給水を受け入れて方向付けされたスプレーとして供給水を放出するように構成される。カップリング組立体は、少なくとも第1の軸及び前記第2の軸の周りに回転するように構成されたハウジングを含む。スプレー出口組立体は、配列された開口を形成する平坦なスプレー面を有する。スプレー出口組立体は、ハウジングに連結され、これにより中央の縦軸から偏位した位置において、スプレー面に加えられる縦方向の押圧力により、ノズルを、中央の縦軸と上述した位置との間に形成された軸に直角の軸の周りに回転させる。
【0015】
ある態様において、双方向性のカップリング組立体は、第1のハウジングを回転可能に支持する本体を更に有する。
【0016】
別の態様において、カップリング組立体は、外方球状軌道を提供するハブを含む全方向性のカップリング組立体であってもよく、これにより、ハウジングは上記軌道に沿って運動する。
【0017】
ある態様において、供給水はカップリング組立体を通って流れる。
【0018】
本発明の利点は詳細な説明及び図面から明らかである。本発明の好ましい実施形態を以下に述べる。本発明の全範囲を評価するために、特許請求の範囲は好ましい実施形態として見られるべきであり、この実施形態は本発明の範囲内にある実施形態のすべてとして意図されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1及び図2を参照すると、ボディースプレー組立体20は、シャワー設備の周囲の垂直に伸びる取付壁22の中に取り付けられる。壁22は、通常の方法でタイル張りしたものでもよく、従って、ボディースプレー組立体20は、タイル張りされた壁22の中に混和するタイルの形の、実質的に平坦で、実質的に長方形(例えば正方形)のスプレー面24を含む。スプレー面24は、シャワー設備壁22の表面上に取り付けられる装飾的な飾り板26によって取り囲まれている。スプレー面24は、このように、飾り板26に対して実質的に同一平面であり、又は同一平面上にあってもよい(又は、少し凹所が設けられていてもよい)。「実質的に同一平面の」という用語は、2つの部材が互いに対して1/2インチ(inch)、又はより好ましくは1/4インチ(inch)の範囲内にある配置関係を説明するために使用されている。配列された複数のノズル136は、スプレー面24に、対応して配列形成されたノズル出口28を通って伸びている。この配列された出口28は装飾的に配置されいるが、スプレー面24は、非常に多くの他の配列構成を有していてもよい。水は、シャワー室の内側に位置するユーザに向かって、方向付けされたスプレー30としてノズル出口28を通って流れる。
【0020】
スプレー面24は、垂直軸V(両端矢印Aによって示される方向の軸)及び水平軸H(両端矢印Bによって示される方向の軸)の両方の周りに手動で回転可能である。従って、スプレー面24は、スプレー30を様々な方向に方向付けすることができ、また、装飾の目的のために取付壁22と平行にすることも可能である。軸V−V及び軸H−Hは、それぞれ、ボディースプレー組立体20が垂直に伸びる壁22の上に取り付けられるので、垂直であり、水平である。しかしながら、本発明はそのように限定されるように意図されるものではなく、例えば、ボディースプレー組立体20を、水平壁(例えば、天井)に取り付けることもでき、この場合には、直交する軸V及び軸Hは水平に伸びることになる。以下に詳細に説明するように、スプレー面を2つの軸の周りに回転可能にすることにより、方向付けされたスプレー30の放出角度を全方向に亘って調整することが可能になる。
【0021】
図3及び図4を参照すると、ボディースプレー組立体20は、内部ハウジング部材32及び飾り板26から構成されるケーシング21を含む。ケーシング21は、水入口組立体23、双方向性のカップリング組立体66、及び、スプレー出口組立体110を保持し、各組立体は縦軸L−Lに沿って伸びる。様々な構成部品が例示した様々な材料から形成されるものとして以下に説明しているが、本発明は記載された材料に限定されると解釈されるべきでなく、様々な構成部品が当業界の通常の技術を有する者により理解される非常に多くの他の材料から形成され得ることを理解すべきである。
【0022】
内部ハウジング32は、組立体20からの水漏れを最小限に抑制するのに適した任意のポリマー(アセタールとしても公知のポリオキシメチレン(POM)など)から形成される。ハウジング32は、実質的に長方形(又は正方形)の形状を有して前方に突出したフランジ36と連結された、実質的に円筒形の部分34を有しており、このフランジは、以下に詳述するように、飾り板26と合致する。一対の切欠き38がフランジ36の対向する外方端部に形成されている。
【0023】
水入口組立体23は、流量調整器40及びフィルタスクリーン39を収容する米国管用テーパ(National Pipe Taper)(NPT)管継手31を有している。管継手31は、給水管33(図4)に連結されており、この給水管は、円筒形の部分34から長手方向に伸びて、加圧された供給水を運ぶ。管継手31は、給水管33を受け入れる入口37と、長さ方向においてこの入口37と対向する位置に配置された出口41とを有している。従って、供給水は、(供給水から不純物を除去する)フィルタスクリーン39及び(ボディースプレー組立体20を介して水流を計量して供給する)調整器40を通過して、矢印Cの方向(図4)に沿って長手方向前方に移動する。この濾過され計量供給された水は、出口41を経由して管継手から出て行く。管継手31は、縦軸L−Lに対して半径方向で外側に伸びる、半径方向に等間隔の3つのねじ孔付き取付けフランジ42を有している。
【0024】
この濾過され調整された供給水は、管継手31を出て、双方向性のカップリング組立体66に入る。この双方向性のカップリング組立体は、実質的にU字形の水路部材46、実質的に長方形の水流ハウジング68、及び一対のエルボ水路体84を有しており、そのそれぞれは真鍮などの任意の適切な材料から構成される。双方向性のカップリング組立体66は、スプレー面24の全方向に亘る回転を可能にするが、同時に、供水管33とノズル出口28との間に供給水を輸送する。
【0025】
水路部材46は、密封0−リング48を介して管継手31の出口39を受け入れる入口44を有している。水路部材46は、ねじ54(1つが示される)を受け入れる開口52(1つが示される)を有するほぼ円形のベース50を備えている。従って、水路部材46は、開口52を貫通して、フランジ42に螺合されるねじ54を介して管継手に連結される。半径方向に伸びる切欠き53がベース50に形成されており、内部ハウジング面153(図4)とインターロックするキーを形成して、縦軸L−Lの周りにボディースプレー組立体20が回転することを防止する。
【0026】
水平方向に対向して配置された一対の上方アーム56及び下方アーム58が、それぞれ、ベース50から長手方向前方に伸びている。実質的に円筒形のベアリング開口60が、上方アーム56を貫通して伸びており、この上方アーム56は、下方アーム58を貫いて垂直方向に伸びる実質的に円筒形の供給水の出口62と垂直方向に位置合わせされる。下方アーム58は、水路部材46を介して内部流路(矢印D(図4)で示す)を形成するように実質的に中空であり、この水路部材46は、入口44及び出口62を流体連通により連結する。
【0027】
次いで、また図5を参照すると、水流ハウジング68は、第1の半径方向に向けられた垂直軸71に沿ってハウジング68の下方壁を通って伸びる実質的に円筒形の入口70を有している。入口70は、第2の半径方向に向けられた水平軸73に沿ってハウジング68を通って水平方向に伸びる実質的に円筒形の水路72と流体連通している。実質的に円筒形の開口74は、垂直軸71に沿ってハウジング68の上方壁69を通って部分的に下方に伸び、通路72よりも前の位置で終端している。
【0028】
ハウジング68は、水路部材46のアーム56とアーム58との間に挿入されて、水路部材46の出口62が、密封0−リング76を介して水流ハウジング68の入口70を受け入れている。スペーサ82は、水路部材46の中にハウジング68の組立てを容易にする。詳細には、ワッシャ80がばね圧による摩擦を発生させ、これにより、水流ハウジング68の位置を安定化させる。段付きねじ78が、ハウジング68に不動に取り付けられて、入口70と同軸の枢支軸を形成し、そして、ベアリング開口60及び固定用スペーサ82と嵌まり合い、それによりこの固定用スペーサ82は、水流ハウジング68と水路部材46との間の係合を確実にする。従って、供給水は、矢印E(図4)の方向に沿って出口62から入口70に垂直に移動する。段付きねじ78及び入口70は、水路部材46の開口60及び開口62内で回転可能であり、従って、水流ハウジング68を水路部材46に対して垂直軸71の周りに回転可能にする。
【0029】
また図6を参照すると、各エルボ水路体84は、水路72の外方端部に連結されている。即ち、各エルボ水路体84は、横軸73に沿って内側に伸びる実質的に円筒形の入口86を有しており、、この入口86は、密封0−リング88及びワッシャ90を介して水路72によって回転可能に受け入れられている。更に、各エルボ水路体84は、長手方向前方に伸びる実質的に円筒形の出口92を有している。従って、供給水は、水流ハウジング68の水路72からエルボ入口86の中に移動し、そして、エルボ出口92を通って流れる前に、横方向に伸び、次いで、長手方向に伸びる水路93に続く。水路72は、半径方向に伸びているが、それにもかかわらずスプレー面24に向かう方向に供給水を作動的に前進させることを理解すべきである。
【0030】
図3から図5を再び参照すると、エルボ水路体84は、クランプ94を介して水流ハウジング68に保持されている。即ち、各エルボ水路体84は、その横方向の外側壁98に形成された垂直溝96を有している。開口100が、溝96に沿ってほぼ中間の位置の側壁96の中に横方向に伸びており、そして、内部水路に達しないで終端している。クランプ94は、棒102から下方に伸びる垂直な可撓性アーム104にその外方端部で連結された、横方向に伸びる水平棒102を有している。各アーム104は、アーム104から横方向内側に伸びる水平コネクタフランジ106にその外方端部で連結されている。各アーム104は、コネクタフランジ106が開口100の中に伸びるように、溝96に嵌められている。アーム104は高いばね定数を有しており、従って、水流ハウジング68に対してエルボ水路体84を押圧する十分な圧縮力を付与する。
【0031】
入口86は、水路72によって回転可能に受け入れられており、従って、各エルボ水路体84は、水流ハウジング68に対して横軸73の周りに回転可能である。従って、水流ハウジング68が垂直軸71の周りに回転可能であるため、エルボ水路体84は、垂直軸71及び横軸73の両方に対して回転可能であることを理解すべきである。エルボ水路体84が回転可能であると、これに応じて、スプレー面24の方向付けの角度調整が可能になる。
【0032】
ハウジング68及びエルボ水路体84は、同一平面にあるものとして示されている(同じように軸71及び軸73も同一平面になる)が、本発明では、双方向性のカップリング組立体66を、ハウジング68及び本体84(及び対応する軸71及び軸73)が同一平面にないように設計することも可能であることが理解される。加えて、軸71及び軸73は直交しているが、本発明はそのように限定されるものとして意図されたものではなく、実際問題として、任意の2つの回転軸が(ここに1つの軸は、スプレー面24の角度調整に備えるように互いに対して傾斜される)本発明により包含されるように意図されている。更に、一対のエルボ水路体84が設けられているが、本発明は、その代りに、軸71及び軸73の周りでの回転を容易にする単一のエルボ水路体84を含んでもよいことは当業者であれば理解される。
【0033】
図3及び図4を再び参照すると、スプレー出口組立体110は、双方向性のカップリング組立体66の下流に配置され、スプレーヘッド112、ノズル膜114、及びスプレー面24を有している。
【0034】
スプレーヘッド112は、外側に伸びる周囲フランジ120、及びフランジ120から前方に配置された周囲窪み121を有する概ね長方形(又は正方形)の部材118を備えている。部材118は、アセタール共重合体(例えば、セルコン(Celcon)(登録商標)アセタール共重合体)などの任意の適切なポリマーから形成されている。複数のスペーサ部材122が、部材118から長手方向前方に伸びている。一対の横方向に間隔をあけて配置された実質的に円筒形の開口124が、対応するエルボ出口92と長手方向の整合状態において、部材118から前方に伸びている。
【0035】
また図6を参照すると、スプレーヘッド112は、一対の真鍮ファスナ126を介してエルボ水路体84に連結され、このファスナ126の各々は、円筒形部材128及び環状ヘッド130を有している。各ファスナ126の円筒形部材128は、対応する開口124を通して挿入されており、これによりファスナヘッド130は、スプレーヘッド部材118上に載置されており、円筒形部材128は、対応するエルボ出口92に螺合されている。ゴムワッシャ130は、各エルボ出口92とスプレーヘッド112との間の界面を密封している。
【0036】
有利なことに、スプレーヘッド112をエルボ水路体84(及びスプレーヘッド112を水流ハウジング68に間接的に連結する)に連結すると、垂直軸71及び横軸73の両方の周りのスプレーヘッド112の回転が容易になる。
【0037】
図3及び図4を再び参照すると、ノズル膜114は、エチレンプロピレンゴム、例えばエチレンプロピレンジエン(EPDM)などの任意の適切な材料から形成された概ね長方形(又は正方形)の部材132を有している。部材132は、間隔をあけて配列されたノズル136を有しており、そして、内側に伸びる周囲フランジ137を有している。フランジ137は作動中に水をシールする。
【0038】
従って、ノズル膜114は、スプレーヘッド部材118の周囲窪み121のフランジ137をインターロックすることによってスプレーヘッド112に取り付けられている。スペーサ部材122は、スプレーヘッド112と膜114との間に隙間Gを形成しており(図4参照)、この隙間は、供給水がノズル136を通って移動することを可能にする。スペーサ部材122は、ノズル136が洗浄されるときに、膜114を支持する。
【0039】
また図7を参照すると、スプレー面24は、部材138から長手方向内側に伸びる外部周囲フランジ140を有する概ね長方形(又は正方形)の真鍮部材138を備えている。周囲垂直窪み141は、部分的にフランジ140の中に伸びており、そして、スプレーヘッド112のフランジ120を受け入れて、スプレー面24及びスプレーヘッド112をインターロックしている。一対の接続開口146が、下方縦フランジ140を通って十分に伸び、そして、スプレーヘッド部材118の下方表面を通して十分に伸びる垂直な開口143の対応する一対と位置合わせされている。一対のねじ148が、開口146を通して伸び、そして、開口143に螺合されて、スプレー面24及びスプレーヘッド112をロックしている。従って、ノズル膜114は、スプレー面24とスプレーヘッド112との間に挟まれ、そして、十分に圧縮されて、周囲フランジ137の周りにシール部を形成している。
【0040】
間隔をあけて配列されたノズル出口28は、スプレー面部材138全体に形成され、ノズル136を収容する。供給水は、ノズル136から出て行き、従って、方向付けされたスプレー30としてスプレー出口組立体110から出て行く。有利なことに、ノズル膜114は、取付けの前に(膜114の長手方向外側の表面が湾曲するように)内側に湾曲させられており、これにより、膜114が平坦なスプレー面24に当接するように扁平にされると、ノズル136は、放射状に広がり、これに対応して拡散するスプレー40を生成する。従って、本発明のある態様においては、湾曲されたノズル膜114と平坦なスプレー面24との間で直接協働することによって、ノズル136の方向制御が可能になることを理解すべきである。
【0041】
次いで図3及び図4を参照すると、ケーシング21は、内部ハウジング部材32に飾り板26を取り付けることによって固定される。即ち、飾り板26は、外方の長手方向内側に伸びるフランジ151に一体に連結された、外部フレーム150を有している。更に、フレーム150は、長手方向内側に伸びるフランジ152に一体に連結されている。フランジ152は、一対の横方向内側に伸びるリップ154にその外方端部で一体に連結されている。リップ154は、ボディースプレー組立体20の回転を防止するように内部ハウジングフランジ36に係合している。フランジ36の切欠き38は、ユーザが、飾り板を内部ハウジング部材32に連結することを容易にする。フレーム155(ゴム材料又は発泡材料から作られ得る)がフレーム150とフランジ151との間の界面に配置されており、シャワー設備壁22に対して飾り板26をシールしている。
【0042】
有利なことに、スプレー出口組立体110(及び対応する方向付けされたスプレー)の放出角度は、ユーザによって手動で容易に調整可能である。即ち、図8を参照すると、ユーザは、垂直軸Vのいずれかの側に彼又は彼女の指156を用いてスプレー面24に単に押し付けて、第1の位置(隠れ線で示される)からこの第1の位置に対して回転された第2の位置まで、矢印Aの方向に垂直軸71(図3)の周りにスプレー出口組立体110(及び双方向性のカップリング組立体66)を回転させることができる。ノズル136はこれに応じて回転し、従って、スプレー30の左右への方向付けが可能になる。
【0043】
また、図9を参照すると、ユーザは、水平軸Hのいずれかの側に彼又は彼女の指156を用いてスプレー面24に単に押し付けて、第1の位置(隠れ線で示される)からこの第1の位置に対して回転された第2の位置まで、矢印Bの方向に水平軸73(図3)の周りにスプレー出口組立体110(及び双方向性のカップリング組立体66)を回転させることができる。ノズル136はこれに応じて回転し、従って、スプレー30の上下への方向付けが可能になる。有利なことに、ボディースプレー組立体20を、様々なユーザの身長を受け入れるのに適した高さで、シャワー設備壁22に取り付けることができる。
【0044】
有利なことに、垂直軸71及び水平軸73は相互に独立している。従って、調整は、他の方向についてスプレー面24の方向付けに関係なくいずれの方向にも行なうことが可能である。このように、ボディースプレー組立体20は、スプレー面24の方向付け及び対応する方向付けされたスプレーについて全方向に亘る調整を可能にする。更に、スプレー30の放出角度の手動による微調整を、シャワーを利用している間、ユーザによって容易に行うことができる。
【0045】
そのうえ、ボディースプレー組立体20は、平坦なスプレー面24が壁22に同一平面に設けられることを可能にする。この組立体は、U字形の水路部材46、水路ハウジング68、及びエルボ水路体84によって形成され、従来使用されていたものよりもよりコンパクトな水路から水を受け入れ、それによって、家庭用壁の従来のスタッドポケット(即ち、飾り鋲凹部)における限られた空間を有効に利用している。また、カップリング組立体66の位置(これはスプレー30の放出角度を決定する)は、同一平面に取り付けられたスプレー面で従来実施されていたものよりも、その範囲内により容易に連続的に調整可能である。
【0046】
次いで図10を参照すると、他の実施形態により構成されたボディースプレー組立体200は、飾り板202の形状を有するケーシング201を備え、このケーシング201は、水入口組立体204、全方向性のカップリング組立体206、及びスプレー出口組立体208を保持し、それぞれの組立体は中央の縦軸L−Lに沿って伸びている。
【0047】
水入口組立体204は、フィルタスクリーン210及び流量調整器211を収容するNPT管継手207を有している。管継手207は、給水管212から水を受け入れ、ボディースプレー組立体20に対して上述のように作動する。環状継手214はO−リング216を介して流量調整器211に対して密封され、水入口組立体204から計量供給された供給水を放出する。
【0048】
全方向性のカップリング組立体206は、ハブ218の長手方向の前方端部に配置された外部球状截頭形の表面220を有する、実質的に円筒形の中央ハブ218を備えている。一対のO−リング222は、管継手206に対してハブ218をシールしている。
【0049】
水路部材225は、管継手207とハブ218の前方端部との間に配置された環状アーム231を有し、半径方向の外壁233は、ハブ218の末端と実質的に半径方向に位置合わせされている。中央に配置された開口235は、外壁233を通して伸び、環状継手214から供給水を受け入れる。
【0050】
スプレー面支持壁224は、4つの実質的に長手方向に伸びる段部226−229を有しており、それぞれは前の段部から外方に、前方で半径方向に順次段が付けられている。ベアリング部材230が、段部226と球状截頭形の表面220との間に配置されており、支持壁224が表面220に沿って支えられて動くことを許容している。シール232が、壁224の第2の段部227に螺合して挿入されて、表面220と第2の段部227との間に配置されている。また、円筒形の壁234が、第2の段部227の中に螺合され、シール232のところで終端しており、これにより、壁234の前方端部は、ハブ218の前方端部と半径方向に位置合わせされている。板236が、第3の段部228から内側に伸びて、円筒形の壁234を収容する円筒形開口238を形成している。
【0051】
第4の段部229は、飾り板に隣接して長手方向に伸びており、そして、飾り板202に対して実質的に同一平面、又は同一平面上にある(又は、少し凹所が設けられている)平坦で長方形(例えば正方形)のスプレー面240を支持している。スプレー面240は、開口235から供給水を受け入れる配列された出口開口242を形成し、方向付けされたスプレー244(図11)として供給水を放出する。
【0052】
図11を参照すると、作動中、スプレー面240(及び対応する方向付けされたスプレー244)の放出角度は、ユーザによって容易に手動で調整可能である。即ち、ユーザは、中央の縦軸「L」からの軸(矢印F)に沿って形成される位置「P」において、スプレー面240の外面に縦方向の押圧力を加える。加えられた押圧力により、支持壁224(ベアリング部材230、シール232、及び円筒形の壁234に加えて)は、球状截頭形の表面220(これは支持壁224の軌跡となる)に沿って支えられて動き、旋回する。従って、スプレー面240の放出角度は、矢印Gの方向に軸「N」(矢印Fに垂直である)の周りに偏向させられる。
【0053】
特に、図11の概略図はまた、スプレー面24の放出角度が上述のように全方向性に調整可能であるのでボディースプレー組立体20にも該当する。しかも、本発明においては、球状截頭形の表面220が、スプレー面240の全方向に亘る角度調整に備えると同時に、ボディースプレー組立体20に対して上述のように垂直軸及び水平軸の周りのスプレー面240の角度調整をもたらすことが理解される。
【0054】
単に好ましい実施形態として、本発明を上述したことを理解すべきである。しかしながら、好ましい実施形態の多くの改造及び変更を行うことは当業者にとって明らかであり、それは本発明の精神及び範囲内にある。従って、本発明は説明された実施形態に限定されるべきではない。本発明の全範囲を確かめるために、特許請求の範囲が参照されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の原理に従って構成されたボディースプレー組立体の一部を構成する調整可能なスプレー面の斜視図である。
【図2】図1に示したスプレー面の正面図であり、垂直軸V及び水平軸Hに沿って伸びるスプレー面を示す図である。
【図3】ボディースプレー組立体の分解組立図である。
【図4】図2の線4−4に沿ったボディースプレー出口組立体の側面側における断面図である。
【図5】図3に示したボディースプレー組立体の一部を構成する双方向性のカップリング組立体の分解組立図である。
【図6】図2の線6−6に沿ったボディースプレー組立体の側面側における断面図である。
【図7】図2の線7−7に沿ったボディースプレー組立体の側面側における断面図である。
【図8】垂直軸の周りに回転されるスプレー面を示すボディースプレー組立体の平面図である。
【図9】水平軸の周りに回転されるスプレー面を示す、ボディースプレー組立体の部分側面図である。
【図10】スプレー面を自在に回転する本発明の他の実施形態により構成されたボディースプレー組立体の側面における断面図である。
【図11】スプレー面が、スプレー面の押圧力の位置によって決定されるように回転することを示す、図10に示した調整可能なスプレー面の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁に取り付けられ、供給源からの供給水を受け入れ、そして、方向付けされたスプレーとして前記供給水を放出するように構成されたボディースプレー組立体であって、
第1の軸の周りに回転可能なハウジング、及び、第2の軸の周りに回転可能な本体を有し、前記供給水を受け入れる双方向性のカップリング組立体と、
スプレー面を通って伸びる配列された複数のノズルを含むスプレー出口組立体であって、前記ノズルは前記カップリング組立体から前記供給水を受け入れ、そして、方向付けされたスプレーとして前記供給水を放出し、前記ノズル及び前記スプレー面が第1の軸及び第2の軸の両方の周りに回転できるように、前記双方向性のカップリング組立体に連結されているところのスプレー出口組立体と、
前記壁に取り付けるように構成され、前記スプレー面が前記壁に対して実質的に同一平面であるように前記スプレー面を取り巻く飾り板と
を備えることを特徴とするボディースプレー組立体。
【請求項2】
前記供給水が、前記ハウジングから前記本体を通過して流れる、請求項1に記載のボディースプレー組立体。
【請求項3】
前記スプレー出口組立体が、前記本体から前記供給水を受け入れる、請求項2に記載のボディースプレー組立体。
【請求項4】
前記ハウジングが、水路部材によって支持された水流ハウジングであり、前記水流ハウジングが、前記水路部材に対して前記第1の軸の周りに回転可能である、請求項1に記載のボディースプレー組立体。
【請求項5】
前記水路部材が、前記水流ハウジングを支持する一対のアームを備え、前記アームのうちの少なくとも1つが、前記水流ハウジングに前記供給水を供給する出口を形成する、請求項4に記載のボディースプレー組立体。
【請求項6】
前記本体が、前記水流ハウジングによって支持されたエルボ水路体を備え、前記エルボ水路体が、前記水流ハウジングに対して前記第2の軸の周りに回転可能である、請求項4に記載のボディースプレー組立体。
【請求項7】
前記水流ハウジングによって支持される第2のエルボ水路体を更に備え、前記第2のエルボ水路体が、前記水流ハウジングに対して前記第2の軸の周りに回転可能である、請求項6に記載のボディースプレー組立体。
【請求項8】
前記水流ハウジングが、入口と、第1の半径方向出口及び第2の半径方向出口とを備え、前記第1のエルボ水路体及び前記第2のエルボ水路体がそれぞれ、第1の半径方向出口及び第2の半径方向出口に回転可能に受け入れられる、請求項7に記載のボディースプレー組立体。
【請求項9】
前記供給源を前記双方向性のカップリング組立体に連結する水入口組立体を更に備える、請求項1に記載のボディースプレー組立体。
【請求項10】
前記水入口組立体、前記双方向性のカップリング組立体、及び、前記スプレー出口組立体を支持するケーシングを更に備える、請求項9に記載のボディースプレー組立体。
【請求項11】
前記スプレー面がタイル状をなして実質的に平坦である、請求項1に記載のボディースプレー組立体。
【請求項12】
回転のための複数の前記軸が同一平面上にある、請求項1に記載のボディースプレー組立体。
【請求項13】
回転のための複数の前記軸が直交する、請求項1に記載のボディースプレー組立体。
【請求項14】
回転のための複数の前記軸が、相互に独立して、前記ノズルの全方向に亘る角度調整をもたらす、請求項1に記載のボディースプレー組立体。
【請求項15】
前記ボディースプレー組立体が、縦軸に沿って伸び、前記本体が前記ハウジングから半径方向に伸びている、請求項1に記載のボディースプレー組立体。
【請求項16】
供給源からの供給水を受け入れ、そして、方向付けされたスプレーとして前記供給水を放出するように構成され、中央の縦軸に沿って伸びるボディースプレー組立体であって、
少なくとも第1の軸及び前記第2の軸の周りに回転するように構成されたハウジングを含むカップリング組立体と、
タイル状の平坦なスプレー面を含むスプレー出口組立体であって、前記スプレー面が配列された開口を形成し、前記スプレー出口組立体が、前記ハウジングに連結されて、前記中央の縦軸から偏位した位置において、前記スプレー面に加えられる縦方向の押圧力により、前記ノズルを、前記中央の縦軸と前記位置との間に形成された軸に直角の軸の周りに回転させるところのスプレー出口組立体と
を備えるボディースプレー組立体。
【請求項17】
前記双方向性のカップリング組立体が、前記ハウジングを回転可能に支持する本体を更に備える、請求項16に記載のボディースプレー組立体。
【請求項18】
前記カップリング組立体が、外方球状軌道を提供するハブを含む全方向性のカップリング組立体であり、前記ハウジングが、前記軌道に沿って運動する、請求項16に記載のボディースプレー組立体。
【請求項19】
前記供給水が、前記カップリング組立体を通って流れる、請求項16に記載のボディースプレー組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−531272(P2008−531272A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558131(P2007−558131)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/007063
【国際公開番号】WO2006/093954
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(591024889)コーラー、カンパニー (15)
【氏名又は名称原語表記】KOHLER COMPANY
【Fターム(参考)】