説明

調査孔兼固化材注入用装置及び調査孔兼固化材注入用装置が設置されている構造物への地盤調査兼固化材注入方法

【課題】地下水等の噴出を検知することで安全に固化材注入を行うことができる調査孔兼固化材注入用装置を提供する。
【解決手段】調査孔兼固化材注入用装置1Aは、地盤3と空間4とを連通させる筒状体10と、筒状体10に設置され、筒状体10の内部を塞ぐ、雌型部材28が備えられた止水装置11とを有している。雌型部材28は地盤3と空間4とを連通させる連通孔28aを有すると共に、連通孔28aを遮断する止水弁を具備している。止水装置11の雌型部材28に対になる雄型部材38が連結されると、止水弁による連通孔28aの遮断が解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物に当接する地盤の状況を調査し、地盤と構造物の境界から形成された空洞等の弱点部分に固化材を注入するための地盤調査兼固化材注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樋門やトンネル等の地下構造物の他、多くの構造物は地盤に当接して築造されている。地盤には構造物との境界から空洞が形成される場合があり、この空洞は構造物又は地盤の沈下の要因となるので、空洞を発見すると共に空洞にグラウト等の固化材を注入して構造物等の沈下を未然に防ぐことが必要とされている。
【0003】
空洞を発見すると共に空洞に固化材を注入するための装置として、下部縦管と下部縦管に収容された閉止ユニットからなる地中構造物の調査兼グラウト用開閉装置がある(特許文献1参照)。閉止ユニットの縦筒に上部から嵌入されたシールリングが締付用ボルトの緊締によってシールリングの下部に配置された閉止板に押圧されることで外径が拡大するように変形され、下部縦管の内周面に強力に圧接される。
【0004】
この場合、シールリングは締付用ボルトの弛緩によって復元変形され、その時シールリングと縦管の圧接が解かれる。したがって、締付用ボルトを弛緩して閉止ユニットを抜き取り、構造物の底板下の状況を下部縦管を通して調査することができる。地盤の状況を調査して空洞が確認されたら、例えば下部縦管にグラウトホースを挿入して固化材を空洞に注入する。
【0005】
また、その他の空洞を発見すると共に空洞に固化材を注入するための装置として、例えば外筒と外筒の内壁に沿って移動可能となる内筒とからなり、外筒と内筒はその間隙で伸縮性筒状体が張設されることで連結されている底板下の地盤沈下の測定兼グラウト注入装置がある(特許文献2参照)。
【0006】
内筒には沈下検知棒が設けられており、構造物の底板下に空洞が形成されると沈下検知棒が内筒と共に下降する。したがって、構造物の内部で内筒の下降が確認されることによって構造物の底板下に空洞が形成されていることが把握されるので、内筒の下降の確認後に内筒のグラウトキャップを外してその口から注入用ホースを挿入し、空洞にグラウトを注入する。
【0007】
【特許文献1】実公平6−26613号公報
【特許文献2】特開2001−295261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の通り、特許文献1の装置では、縦管と縦筒との間隙はシールリングで遮断されているので、締付用ボルトが弛緩されるまで縦筒への土砂の浸入が阻止される。したがって、構造物の底板下の状況を確認する際に土砂等の除去作業を行う必要がないので、迅速に確認作業を行うことができる。
【0009】
特許文献2の装置についても、伸縮性筒状体によって外筒と内筒との間隙が遮断されているので、沈下の測定中は外筒から土砂や地下水等の噴出が発生しない。さらに、外筒と内筒との間隙に土砂等が浸入しないので、その除去作業等が省かれて手間を要さない。
【0010】
しかしながら、特許文献1の装置及び特許文献2の装置では、仮に構造物の底板以上の位置まで地下水位が達している場合、固化材注入時に(特許文献1については確認作業時も)地下水や土砂の噴出を阻止することができないので、固化材注入作業に危険を伴う。具体的には、特許文献1では締付用ボルトが弛緩されて縦管とシールリングとの接触が解かれる際に地下水等が噴出し、特許文献2では内筒のグラウトキャップが外される際に地下水等が噴出する。
【0011】
本発明の目的は斯かる課題に鑑みてなされたもので、地下水等の噴出を検知することで安全に固化材注入を行うことができる調査孔兼固化材注入用装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、構造物の、地盤と空間とを仕切る部分に設置される調査孔兼固化材注入用装置であって、前記地盤と前記空間とを連通させる筒状体と、該筒状体に設置され、前記筒状体の内部を塞ぐ、雌型部材が備えられた止水装置とを有し、前記雌型部材は前記地盤と前記空間とを連通させる連通孔を有すると共に、該連通孔を遮断する止水弁を具備し、前記雌型部材にこの雌型部材と対になる雄型部材が連結されることによって前記止水弁による前記連通孔の遮断が解除されることを特徴とする。
ここでの空間とは構造物を介して地盤と反対側に位置する場所であり、例えば構造物の内部や地上等の開放された場所のことを云う。
筒状体の内部は地盤と空間とを連通させるが、止水装置によって塞がれるので、止水装置が筒状体に設置されている状態では、地盤と空間は連通しない。したがって、調査孔兼固化材注入用装置より高い位置まで水位が達していても、構造物は調査孔兼固化材注入用装置によって止水される。
また、止水装置に具備された雌型部材の連通孔も地盤と空間とを連通させるが、止水弁によって遮断されているので、地盤と空間は連通していない。しかし、雌型部材にこれと対になる雄型部材が連結されると、止水弁による連通孔の遮断が解除されるので、地盤と空間とは連通する。つまり、雌型部材が雄型部材に連結されて、雄型部材と一体化することによって、地下水圧の計測、地下水の排出及び地盤への固化材注入が可能となる。ここで、雌型部材と雄型部材には、例えば市販である、プラグ・ソケット形式のカプラー等の一対の接合部材が適用される。
したがって、雌型部材に雄型部材が装着された圧力計を空間側から雌型部材に設置することで、雌型部材に作用する水圧を計測することが可能である。
また、雄型部材が装着された例えばホース等の排出管を空間側から雌型部材に設置することで、地下水を排出させて圧抜きを行うことも可能である。
さらに、同様に雄型部材が装着された、固化材を注入するための供給管空間側から雌型部材に設置することで、固化材を地盤に注入することが可能である。
このように、調査孔兼固化材注入用装置は、圧力計、排水管及び固化材の供給管を設置し得る状態にある。
雄型部材が装着されるものは、圧力計、排水管及び固化材の供給管に限られるものではなく、要望される目的・機能に応じて適宜に選定される。
前記止水装置は着脱可能であることもある(請求項2)。この場合、上述した圧抜き後に止水装置を外して、筒状体を通して安全に地盤の状況を調べることができる。また、上述したように雄型部材には圧力計、排水管及び固化材の供給管を装着させることができるものの、一般的には圧力計の雄型部材との接続部の径と、供給管の雄型部材との接続部の径は異なるので、同一の雄型部材をそれぞれに装着させることは困難である。そこで、止水装置を外すことによって適切な固化材の供給管を用いて固化材を地盤に注入することが可能となる。
前記筒状体に設置され、前記筒状体の内部を塞ぐ固化材注入器具を有し、前記固化材注入器具は該固化材注入器具と固化材の供給管とを接続するための接続部材を具備し、この接続部材に前記地盤と前記空間とを連通させる注入口が形成されていることもある(請求項3)。
止水装置を脱着することができるので、止水装置及び固化材注入器具を工程毎に分けて設置することが可能である。雌型部材は止水装置に設けられ、接続部材は固化材注入器具に設けられているので、雌型部材の規格を適切な圧力計の規格に適合させ、接続部材の規格を適切な供給管の規格に適合させることができる。また、固化材注入器具は筒状体の内部を塞ぐので、固化材を圧入することができる。
前記止水装置は前記筒状体の内部に設置されていることもある(請求項4)。したがって、筒状体を構造物に埋設させた状態で、止水装置を筒状体の内部に完全に挿入して設置することができるので、止水装置は構造物に支障を来す(例えば筒状体の周囲のコンクリートを斫る)ことなく着脱可能となる。また、止水装置が筒状体の内部に完全に収容されると、止水装置は構造物の空間側の面から突出しないので、施工時に支障物とならない。
前記筒状体の内部に地盤の土砂の浸入を防ぐ透水性の土砂浸入防止部材が前記筒状体の内部を塞いだ状態で前記止水装置より前記地盤側に設置されていることもある(請求項5)。したがって、地盤から筒状体内部への土砂や泥水の流入が防止されるので、雌型部材の連通孔の閉塞も防止される。また、土砂浸入部材がなければ止水装置によって筒状体への土砂等の流入を防止する必要があるので、止水装置は筒状体と略同一の長さに形成されて大きくなる。しかし、土砂浸入部材によって土砂等の流入が防止されているので、止水装置は筒状体と略同一の長さに形成される必要がなく、小型化できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の調査孔兼固化材注入用装置が設置されていることを特徴とする構造物である。この場合、請求項1乃至5と同一の作用・効果を有する。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の調査孔兼固化材注入用装置を構造物に設置する設置工程と、前記雌型部材に前記雄型部材が備えられた圧力計を設置して圧力を測定する圧力測定工程と、前記地盤に固化材を注入する固化材注入工程と
を有することを特徴とする地盤調査兼固化材注入方法である。この場合、請求項1乃至5と同一の作用・効果を有する。
前記圧力測定工程の後に、前記雌型部材に前記雄型部材が装着された排水管を設置して排水する圧抜き工程を有することもある(請求項8)。したがって、地盤の地下水が排出され、圧抜きされる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記の通り、地盤と空間とを連通させる筒状体と、筒状体の内部を塞ぐ止水装置とを有し、止水装置に設けられた雌型部材に地盤と空間とを連通させる連通孔が形成され、連通孔を遮断する止水弁が具備され、雌型部材にこの雌型部材と対になる雄型部材が連結されることによって止水弁による連通孔の遮断が解除されるので、地下水等の噴出を検知することで安全に固化材注入を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(実施の形態1)
最初に構造物の背面に当接する地盤の状況を調査する際に用いられる本発明の調査孔兼固化材注入装置1A、次に地盤と構造物の境界から形成された空洞等の弱点部分に固化材を注入する際に用いられる本発明の調査孔兼固化材注入装置1Aの変化した形態1Bについて説明する。
【0016】
図1(a)〜(c)に構造物2の背面2aに当接する地盤3の状況を調査する際に用いられる本発明の調査孔兼固化材注入装置1Aの例を示す。構造物2の背面2aとは構造物2の地盤3に当接する上方、下方及び側方等のあらゆる方向の面のことをいう。ここでは、背面2aは地盤3に対向し、表面2bは構造物2の内部等の開放された場所等の空間4に対向している。
【0017】
図2に示すように、例えば構造物2は構造物2の本体2Aと均しコンクリート2Bで構成されている。構造物2の本体2Aである樋門の底版2Aa及び側壁2Abに複数個の調査孔兼固化材注入装置1Aが設置されている。本実施の形態においては、構造物2の本体2Aとして樋門を例に挙げて説明するが、本発明の調査孔兼固化材注入装置1Aが設置される構造物2の本体2Aは樋門に限定されず、他の構造物、例えばトンネルや共同溝等の地下構造物であってもよい。
【0018】
調査孔兼固化材注入装置1Aが設置される構造物2の本体2Aは地下に埋設される必要もなく、地盤3に接すればよく、調査孔兼固化材注入装置1Aは構造物2の地盤3に接する部位又は部材、すなわち地盤3と空間4とを仕切る部分に設置される。また、構造物2は必ず均しコンクリート2Bを備える必要もない。
【0019】
図1(b)に示すように、調査孔兼固化材注入装置1Aの一端面は地盤3に面し、他端面は空間4に面している。調査孔兼固化材注入装置1Aが構造物2の底板2Aaに設置されている場合、施工上、調査孔兼固化材注入装置1Aの両端面は底版2Aaの両端面と一致することが望ましいので、調査孔兼固化材注入装置1Aの長さL1は配置場所に応じて変更される。したがって、調査孔兼固化材注入装置1Aの長さL1はそれが設置される、構造物2の部位又は部材(本実施の形態において樋門(構造物2)の底版2Aa)の厚さt1と一致することが好適である。
【0020】
図1(a)〜(c)に示すように、調査孔兼固化材注入装置1Aは例えば鋼製の筒状体10と、筒状体10の内部に装着される止水装置11及び土砂浸入防止部材12と、筒状体10の外面に固着される水膨張性部材13と、筒状体10の空間側の端部に嵌入される蓋体14と、構造物2と地盤3の境界から形成される空洞等の弱点部分を検知するための沈下測定体15とを有する。
【0021】
図3(a)、(b)に示すように、筒状体10は上部筒状体16と下部筒状体17によって構成され、上部筒状体16と下部筒状体17は螺合または溶接によって一体化している。下部筒状体17は例えば一端部の外面に雄ネジ溝18aが成型された下部円筒部材18の他端面に、中央部に通水口19aが形成された自立助長部材19が溶接によって固着されて構成されている。
【0022】
自立助長部材19は例えば円形の平板からなり、例えば底版2Aaを構築するのにコンクリートを打設する際に調査孔兼固化材注入装置1Aを埋設させる場合、自立助長部材19によって筒状体10が容易に直立する。また、自立助長部材19の底面は後述する沈下測定体15の上面と重合されるので、沈下測定体15は安定する。
【0023】
図1(a)〜(c)に示すように、水膨張性部材13は例えばリング状に形成され、下部円筒部材18の外面に全周に亘って例えば接着によって固着されている。例えば、施工上の不具合により構造物2と筒状体10との間に空隙が形成されると構造物2から漏水することがあるものの、水膨張性部材13がその空隙へ浸入する地下水等の水に反応して膨張するので、空隙が遮断され、漏水が防止される。
【0024】
土砂浸入防止部材12は例えば円柱状に形成され、下部筒状体17の自立助長部材19が設置されている側の端部に嵌入され、筒状体10の内部を塞いでいる。土砂浸入防止部材12の素材はフィルターや濾紙等の土砂等の不要物を除去すると共に、透水性を有するものであればよく、構造物2が構築される地盤3の粒径等の諸条件に応じて適宜に選定されればよい。土砂浸入防止部材12によって、地盤3の地下水等の水が調査孔兼固化材注入装置1Aに浸入される際に土砂等の不要物が除去されるので、土砂等の不要物等による、後述するロッド27や雌型部材28の閉塞が防止される。
【0025】
図3(a)、(b)に示すように、上部筒状体16は例えば下部筒状体17の下部円筒部材18に接合される第1上部円筒部材20と、第1上部円筒部材20の一端面に溶接によって第1上部円筒部材20と同心状に固着された、例えば円板からなる止水装置支持部材21と、止水装置支持部材21の第1上部円筒部材20に接する面と反対側の面に溶接によって第1上部円筒部材20と同心状に固着された第2上部円筒部材22とを有する。
【0026】
第1上部円筒部材20は例えば下部円筒部材18と螺合しており、第1上部円筒部材20の内面には下部円筒部材18の雄ネジ溝18aと螺合する雌ネジ溝20aが全長に亘って成型されている。止水装置支持部材21には例えば第1上部円筒部材20の内径と同一径の挿入孔21aが第1上部円筒部材20と同心状に形成されている。止水装置支持部材21の内径は後述する係止部材29の外径より小さく、止水装置支持部材21の外径は係止部材29の外径より大きい。ここでは、止水装置支持部材21の内周と外周の中間が係止部材29の外周に一致することが好ましい。
【0027】
第2上部円筒部材22の外径及び内径は共に第1上部円筒部材20の外径及び内径より大きい。また、第2上部円筒部材22には周方向に単数又は複数の挿通孔22aが形成され(図において2つ)、挿通孔22aには例えば挿通孔22aの孔壁と略同一の断面形状を外輪郭とする抜け出し防止部材23が挿通して第2上部円筒部材22の外面及び内面から突出した状態で、第2上部円筒部材22の外面に溶接によって固定されている。
【0028】
挿通孔22aは挿通孔22aの下端と止水装置支持部材21の上面との距離が、後述する止水装置11の係止部材29の厚さと同一となるように形成されている。抜け出し防止部材23に係止部材29が係止することによって、止水装置11の空間4側(図において上側)への抜け出しが防止される。
【0029】
図1(a)〜(c)に示すように、止水装置11は筒状体10の下部円筒部材18に挿入している。図4に示すように、止水装置11は、例えば鋼製の円管部材24と、円管部材24の下部円筒部材18に挿入されている側の端面(図において下端面)に当接して配置されているシール部材25と、シール部材25の円管部材24に当接していない側の端面(図において下端面)に当接して配置されている閉止部材26と、シール部材25に挿入されて閉止部材26に配置されている拘束リング25aと、閉止部材26から円管部材24の内部に立設されているロッド27と、ロッド27の先端部に連結している雌型部材28と、円管部材24のシール部材25に嵌入する端面と別の端面に当接している係止部材29と、閉止部材26及び円管部材24、係止部材29に挿通している締付部材30とを有する。
【0030】
円管部材24のシール部材25に対向する側の端部(図において下端部)には、押え板24aが例えば溶接によって固定されている。押え板24aの中央部には、ロッド挿通孔24bが形成されている。ロッド挿通孔24bは、その断面形状がロッド27の外部の断面よりやや大きく形成されている。また、押え板24aには例えば接続孔24bを囲むように複数個(図において3つ)の締付部材孔24cが等間隔で形成されている。
【0031】
シール部材25は例えばゴム等の弾性材料からなり、図5(a)、(b)に示すように略リング状を呈しており、シール部材25を下部円筒部材18に挿入する際に、シール部材25の外面と下部円筒部材18の内面との間に間隙が形成されるように、下部円筒部材18の内径より小さい最大外径を有している。間隙の水平方向間隔は、具体的には2mm程度であるのが好適である。
【0032】
拘束リング25aは例えば鋼製であり、図6(a)、(b)に示すようにシール部材25の内径よりやや小さな外径を有する略リング状を呈しており、後述するようにシール部材25を変形させる閉止部材26の移動を阻害しない程度のシール部材25よりも低い高さを有している。
【0033】
図4に示すように、閉止部材26はその上面がシール部材25と対向するように、シール部材25の下面に当接した状態で配置されている。図7(a)、(b)に示すように、閉止部材26は例えば鋼製の円板からなる。
【0034】
また、図4に示すように、閉止部材26のシール部材25に対向する面の中央部にはロッド27が例えば溶接によって固定され、図7(a)、(b)に示すように閉止部材26にはロッド27の内部に連通する接続孔26bが形成されている。接続孔26bは、その断面形状がロッド27の内部の断面と一致するように形成されていることが望ましい。また、閉止部材26には例えば接続孔26bを囲むように複数個(図において3つ)の締付部材孔26cが等間隔で形成されている。
【0035】
図4に示すように、締付部材30は所定規格のボルト30aとナット30bで構成されている。閉止部材26のシール部材25に対向しない方(図において下方)からボルト30aが締付部材孔24cに挿通し、例えばボルト30aの端部に形成されている頭部30cが閉止部材26に溶接によって固定されている。ボルト30aは円管部材24より長く形成され、使用状態においてその頭部30cと反対側の端部が円管部材24の端面に載置される係止部材29の端面から突出している。このときナット30bの厚さ以上突出していることが好ましい。
【0036】
ロッド27はその一端部で閉止部材26に連結され、他端部で雌型部材28に連結されている。ロッド27の雌型部材28に連結される外面には例えば雄ねじ溝27aが形成されている。ロッド27と雌型部材28が一体化したものは円管部材24より長く、使用状態においてその一体化したものの先端部が円管部材24の端面、更には円管部材24の端面に載置されている係止部材29の端面から突出していることが好ましい。
【0037】
雌型部材28は中心部に全長に亘って形成される連通孔28aを有し、連通孔28aの孔壁の一端部には上記ロッド27の雄ねじ溝27aに螺合する雌ねじ溝28bが形成されている。連通孔28aの孔壁の雌ねじ溝28bが形成されている以外の何れかの場所には止水弁(図示せず)が具備されている。止水弁は連通孔28aを遮断して、例えば水等の流体を止める機能を有すると共に、後述する、雌型部材28に一対の雄型部材38が雌型部材28の雌ねじ溝28bが形成されている端部と反対側の端部に嵌入された際に雄型部材38によって連通孔28aの遮断が解除される機能を有する。このような雌型部材28として例えば市販のカプラーやクイックジョイントのシリンダ等が採用されることが好適である。
【0038】
図8(a)、(b)に示すように、係止部材29は例えば鋼製の円板からなり、その外径が止水装置支持部材21の挿入孔21aの口径より大きく、且つ第2上部円筒部材22の内径より数mm程度小さくなるように形成されている。係止部材29の外縁部には抜け出し防止部材23に対応する位置に抜け出し防止部材23が挿通可能な形状の切欠部29aが形成されている。
【0039】
また、係止部材29には使用状態において雌型部材28と締付部材30のボルト30aに対向する位置にそれぞれに対応する形状の雌型部材孔29bと締付部材孔29cが形成されている。係止部材29は使用状態において、図4に示すように、雌型部材孔29bに雌型部材28が、締付部材孔29cに締付部材30のボルト30aがそれぞれ挿通した状態で、円管部材24の端面に載置されている。このとき、係止部材29は締付部材30のナット30bと、締付部材30のボルト30aに固定された閉止部材26との締め付けによって円管部材24に締結され、止水装置11は円管部材24及びシール部材25、閉止部材26、係止部材29が一体化して形成されている。
【0040】
止水装置11は最初に係止部材29の切欠部29aと抜け出し防止部23が対向するように筒状体10の止水装置支持部材21に載置され、載置後に止水装置11の周方向に切欠部29aと抜け出し防止部23が対向しない位置まで回動される。このとき係止部材29は抜け出し防止部材23に筒状体10の軸線方向における空間4側に対して係止し、止水装置支持部材21に載置するので、筒状体10の軸線方向に拘束される。
【0041】
また、締付部材30のボルト30aとナット30bが締め付けられることによってシール部材25は筒状体10の軸線方向の双方から円管部材24と閉止部材26に押圧されるが、拘束リング25aにより内側への変形を規制されることから、外側へ拡径するように変形する。このため、シール部材25が外側へ拡大されて、シール部材25の最大外径が大きくなり、シール部材25が下部円筒部材18の内壁に当接し、シール部材25と下部円筒部材18との間隙Sが無くなる。さらにナット30bが締め付けられることによってシール部材25が下部円筒部材18の内壁に圧接されるので、シール部材25と下部筒状体17との間に摩擦力が発生し、シール部材25は筒状体10の軸線方向に受ける外力に対して抵抗できるようになる。
【0042】
また、図1(a)〜(c)に示すように、上部筒状体16の空間4側の端部に蓋体14が嵌入されている。図9(a)、(b)に示すように、蓋体14には外側に突出した突出部14aが周方向に複数個(図において4個)等間隔で対向するように形成されている。対向している突出部14a、14aの外端で形成される距離、すなわち、突出部14aが形成されている部分の外径D2は、蓋体14が嵌入する上部筒状体16の第2上部円筒部材22の内径より大きい。したがって、一度第2上部円筒部材22に嵌入した蓋体14は容易に抜け出せない。蓋体14の突出部14aが形成されている部分以外の外径D1は第2上部筒状体22の内径と略同一である。
【0043】
また、蓋体14には蓋体14を取り出すための取出孔14bが形成されている。取出孔14bは周方向に複数個(図において2個)等間隔で対向するように、且つ外周が開口するように形成されていることが望ましい。
【0044】
図1(a)〜(c)に示すように、構造物2と地盤3の境界から地盤3に形成された空洞を検知するための沈下測定体15は例えば軸部31と軸部31の一端部に連結されている頭部32とで構成されている。下部円筒部材18及びロッド27に挿入していることが望ましい。空洞が形成されて沈下測定体15が地盤3側に移動する際に、空洞の形状が不規則であっても、軸部31はロッド27に沿って移動するので沈下測定体15が傾斜して地盤3側への移動量が正確に計測できないことが免れる。
【0045】
図10(a)、(b)に示すように、軸部31は例えば鋼製の棒状体からなり、一方、頭部32は例えば鋼製の断面コ字状体からなり、底板32aと底板32aの両端部で垂直に連設される側板32bとで構成され、底板32aで例えば溶接によって軸部31に連結されている。また頭部32は調査孔兼固化材注入装置1の外側に、且つその側板32bが底板32aの軸部31が立設されている向きと反対向き(図において下向き)に立設されるように配設されている。沈下測定体15は頭部32の軸部31が連結されている面が自立助長部材19と当接するように配置されている。
【0046】
次に、構造物2と地盤3の境界から地盤3に形成された空洞に固化材を注入する際に用いられる本発明の調査孔兼固化材注入装置1Aの変化した形態1Bについて説明する。図11(a)、(b)に示すように、調査孔兼固化材注入装置1Aの変化した形態1Bは筒状体10と固化材注入用器具33とからなる。固化材注入器具33は例えば第1上部円筒部材20に連結され、固化材の逆流を防ぐ逆流防止部材34と固化材を供給するための輸送管に連通して接続される接続部材35とからなる。
【0047】
図12(a)、(b)に示すように逆流防止部材34は一面が開放された、外形が円柱形の第1箱体36と、一面が開放された、外形が直方体の第2箱体37とからなり、第1箱体36の底板36aの外面に第2箱体37の側板37bが立設されて、第1箱体36と第2箱体37とが一体化している。第1箱体36と第2箱体37は、第1箱体36の底板36aに第2箱体37の側板37bが収まるように形成されている。第1箱体36の側板36bの外面には第1上部円筒部材20の雌ネジ溝20aと螺合する雄ネジ溝36cが形成されている。
【0048】
第2箱体37はその外輪郭が所定の規格(例えばJIS規格)の形状となるように形成されており、市販のソケットレンチに嵌合される。したがって、ソケットレンチによって容易に固化材注入用器具33と第1上部円筒部材20の螺合を締め付け又は弛緩することが可能となる。
【0049】
接続部材35はその外面の高さ方向の中央部で第2箱体の底板37aの内面に接続し、例えば溶接によって固着されている。接続部材35には全長に亘って注入口35aが形成されており、注入口35aの孔壁には全長に亘って後述する固化材の輸送管41の先端部に形成されている雄螺子部41aと螺合する雌螺子部35bが形成されている。
【0050】
次に、調査孔兼固化材注入装置1A、調査孔兼固化材注入装置1Aの変化した形態1Bを用いて構造物2の背面に当接する地盤3を調査し、地盤3と構造物2の境界から形成された空洞等の弱点部分5に固化材を注入する方法について説明をする。最初に、地盤3の状況を調査する方法を説明する。まず、調査孔兼固化材注入装置1Aを図1に示すように設置する。設置する最良の方法は、構造物2のコンクリートを打設する際に調査孔兼固化材注入装置1Aを配置させて固定しておき、コンクリートを養生させる方法であるが、これに限られず、コンクリート打設後に孔を形成させて、そこに調査孔兼固化材注入装置1Aを嵌入する方法もある。
【0051】
次に、図13に示すように、調査孔兼固化材注入装置1Aの蓋体14と雌型部材28のキャップを順に取り外して、雌型部材28に雌型部材28と一対の雄型部材38が装着された圧力計39を設置する。ここで、圧力計39を確認して水圧が作用していることが検知されれば、圧力計39を取り外して、図14に示すように、雌型部材28と一対の雄型部材38が装着された、例えばホース等の排水管40を設置して、地下水を排出させて圧抜きを行う。
【0052】
完全に圧抜きされたことが確認できたら、排水管40及び止水装置11を取り外す。ここで、止水装置11は締付部材30を弛緩させることによってシール部材25と筒状体10の固着を減衰させてから撤去する。筒状体10に挿入している沈下計測体15の軸部31が目視できるので、沈下計測体15の位置を確認して空洞の有無を検知する。
【0053】
空洞の規模は沈下測定体15の軸部31の地盤3側への移動量によって判断されるので、調査孔兼固化材注入装置1Aを設置する際に予め沈下計測体15の軸部31の頂点の位置を把握又は筒状体10に明示しておくことが有効的である。ここで、弱点部分5が形成されている場合、土砂浸入防止部材12を取り出す。弱点部分5が形成されていない場合、再度止水装置11、キャップ及び蓋体14を取り付け、元の、地盤3の状況を調査する前の状態に戻す。
【0054】
このように、固化材を注入する前に圧力計39によって地下水の存在が確認でき、しかも圧抜きを行うことができるので、地盤3の状況の調査に際して危険を伴わない。また、止水装置11は、筒状体10に着脱可能に設置されているので、圧力測定後に固化材注入が必要と判断された場合には取り外して再利用できる。さらに、止水装置11は筒状体10の内部に収容されているので、構造物2の表面2bより空間4側に突出されず、施工時に障害物とならない。
【0055】
次に、固化材を注入する方法を説明する。止水装置11等が撤去された筒状体10の第1上部円筒部材20に、図15に示すように固化材注入用器具33を螺合させ、接続部材35に雌螺子部35bと螺合する雄螺子部41aを有する固化材の輸送管41を接続させて固化材42を圧入する。ここで、逆流防止部材34が下部円筒部材18に螺合によって固定されているので、固化材を弱点部分5に圧入させることが可能となり、固化材が弱点部分5に確実に充填される。
【0056】
上部筒状体16と下部筒状体17、ロッド27と雌型部材28、締付部材30のボルト30aとナット30bは長さ調整機構として機能する螺合によって接合されているので、設置される、構造物2の部位や部材の厚さの変更に柔軟に対応することができる。
【0057】
(その他の実施の形態)
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0058】
例えば、上記実施の形態では筒状体は鋼製であるが、これに限られるものではなく、例えば樹脂製であってもよい。
【0059】
また、調査孔兼固化材注入装置1Aの下部円筒部材18に付勢部材が設置され、沈下測定体15を地盤3側に付勢している場合もある。ここでは、付勢部材として弾性部材が適用され、弾性部材が引っ張られた状態で沈下測定体15に取り付けられ、沈下測定体15は付勢部材によって地盤3に押圧されている。
【0060】
したがって、沈下測定体15は、地盤3に弱点部分5が形成された際に、自重のみならず付勢部材から受ける付勢力によっても地盤3側へ移動し、弱点部分5を示すことが可能となる。この結果、調査孔兼固化材注入装置1Aは構造物2の側壁2Abに設置されても弱点部分5を察知することができる。なお、沈下測定体15を用いずに他の計測部材を用いて測定する場合は、沈下測定体15を設置する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】(a)は図1(a)のA−A断面図、(b)は構造物の背面に当接する地盤の状況を調査する際に用いられる調査孔兼固化材注入装置が構造物に設置された様子を表す拡大断面図、(c)は図1(b)のB−B断面図である。
【図2】図1の調査孔兼固化材注入装置が構造物に設置された様子を表す斜視図である。
【図3】(a)は図3(b)のC−C平面図、(b)は図1の筒状体の縦断面図、(c)は図3(b)のD−D断面図である。
【図4】図1に止水装置の拡大図である。
【図5】(a)は図1のシール部材の平面図、(b)は図5(a)のE−E断面図である。
【図6】(a)は図1の拘束リングの平面図、(b)は図6(a)のL−L断面図である。
【図7】(a)は図1の閉止部材の平面図、(b)は図7(a)のF−F断面図である。
【図8】(a)は図1の係止部材の平面図、(b)は図8(a)のG−G断面図である。
【図9】(a)は図1の蓋体の底面図、(b)は図9(a)のH−H断面図である。
【図10】(a)は図1の沈下測定体の縦断面図、(b)は図10(a)のI−I平面図である。
【図11】(a)は図11(b)のJ−J平面図、(b)は地盤に固化材を注入する際に用いられる調査孔兼固化材注入装置が構造物に設置された様子を表す拡大断面図である。
【図12】(a)は図11の固化材注入用器具の底面図、(b)は図12(a)のK−K断面図である。
【図13】図1の調査孔兼固化材注入装置に圧力計を設置する様子を表す断面図である。
【図14】図1の調査孔兼固化材注入装置に排水管を設置する様子を表す断面図である。
【図15】図1の調査孔兼固化材注入装置を用いて固化材を注入する様子を表す断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1A……調査孔兼固化材注入装置
1B……調査孔兼固化材注入装置
2………構造物
2A……本体
2B……均しコンクリート
2a……背面
2b……表面
2Aa…底版
2Ab…側壁
3………地盤
4………空間
5………弱点部分
10……筒状体
11……止水装置
12……土砂浸入防止部材
13……水膨張性部材
14……蓋体
14a…突出部
14b…取出孔
15……沈下測定体
16……上部筒状体
17……下部筒状体
18……下部円筒部材
18a…雄ネジ溝
19……自立助長部材
19a…通水口
20……第1上部円筒部材
20a…雌ネジ溝
21……止水装置支持部材
21a…挿入孔
22……第2上部円筒部材
22a…挿通孔
23……抜け出し防止部材
24……円管部材
25……シール部材
25a…拘束リング
26……閉止部材
26b…接続孔
26c…締付部材孔
27……ロッド
28……雌型部材
29……係止部材
29a…切欠部
29b…雌型部材孔
29c…締付部材孔
30……締付部材
30a…ボルト
30b…ナット
31……軸部
32……頭部
32a…底板
32b…側板
33……固化材注入用器具
34……逆流防止部材
35……接続部材
35a…注入口
35b…雌螺子部
36……第1箱体
36a…(第1箱体の)底板
36b…(第1箱体の)側板
36c…雄ネジ溝
37……第2箱体
37a…(第2箱体の)側板
37b…(第2箱体の)底板
38……雄型部材
39……圧力計
40……排水管
41……輸送管
41a…雄螺子部
42……固化材
L1……調査孔兼固化材注入装置1Aの長さ
t1……構造物の部位又は部材の厚さ
D1……突出部が形成されている部分以外の外径
D2……突出部が形成されている部分の外径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の、地盤と空間とを仕切る部分に設置される調査孔兼固化材注入用装置であって、
前記地盤と前記空間とを連通させる筒状体と、
該筒状体に設置され、前記筒状体の内部を塞ぐ、雌型部材が備えられた止水装置とを有し、
前記雌型部材は前記地盤と前記空間とを連通させる連通孔を有すると共に、該連通孔を遮断する止水弁を具備し、
前記雌型部材にこの雌型部材と対になる雄型部材が連結されることによって前記止水弁による前記連通孔の遮断が解除されることを特徴とする調査孔兼固化材注入用装置。
【請求項2】
前記止水装置は着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の調査孔兼固化材注入用装置。
【請求項3】
前記筒状体に設置され、前記筒状体の内部を塞ぐ固化材注入器具を有し、
前記固化材注入器具は該固化材注入器具と固化材の供給管とを接続するための接続部材を具備し、この接続部材に前記地盤と前記空間とを連通させる注入口が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の調査孔兼固化材注入用装置。
【請求項4】
前記止水装置は前記筒状体の内部に設置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の調査孔兼固化材注入用装置。
【請求項5】
前記筒状体の内部に地盤の土砂の浸入を防ぐ透水性の土砂浸入防止部材が前記筒状体の内部を塞いだ状態で前記止水装置より前記地盤側に設置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の調査孔兼固化材注入用装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の調査孔兼固化材注入用装置が設置されていることを特徴とする構造物。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れかに記載の調査孔兼固化材注入用装置を構造物に設置する設置工程と、
前記雌型部材に前記雄型部材が備えられた圧力計を設置して圧力を測定する圧力測定工程と、
前記地盤に固化材を注入する固化材注入工程と
を有することを特徴とする地盤調査兼固化材注入方法。
【請求項8】
前記圧力測定工程の後に、前記雌型部材に前記雄型部材が装着された排水管を設置して排水する圧抜き工程を有することを特徴とする請求項7に記載の地盤調査兼固化材注入方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−299377(P2009−299377A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156361(P2008−156361)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000220147)東京ファブリック工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】