説明

調波信号の抑制方法ならびにアンテナ

【課題】手荷物取扱いシステムに応用できるトランシーバの提供。
【解決手段】モジュレーション処理される直列抵抗であるR(modulator)と並列スイッチSW1を、アンテナとDC保存キャパシタCdcとの間の回路のAC部分に設置する。またはモジュレーション処理される直列抵抗であるR(modulator)と並列スイッチSW1を、アンテナとDC保存キャパシタCdcとの間の回路のDC部分に設置する。両回路とも同一の送信された信号を提供し、DC操作バイアスのために実際には後者のほうが利用が簡単である。さらにまた、モジュレーション処理された直列抵抗をアンテナとアンテナのチューニングキャパシタとの間に設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はトランシーバに関する。本発明は主として電波識別(RFID:Radio Frequency Identification)分野のために開発されたものであり、本発明はそのような適用を通じて解説されている。しかしながら、本発明は他の分野での利用も可能である。本発明は特に、単アンテナを使用したトランスポンダとのデータ通信における利用が想定されている。この通信はいかなる数の相互に異なる周波数においても可能である。本発明は受動トランスポンダ(passive transponder)に対して適用されるときに特に有効である。すなわち、受信励起信号(excitation signal)またはインテロゲーション(尋問)信号(interrogation signal)から作動パワーを引き出すトランスポンダに対する適用に好適である。
【背景技術】
【0002】
従来技術システムおいては、抵抗がアンテナと並列に提供されており、そのアンテナによって発生された電流を変化させるようにモジュレーション処理されている。図1は従来技術を例示している。アンテナコイルLはキャパシタCによってチューニングされており、抵抗R(modulator)はそのコイルと並列にスイッチ操作される。整流器(rectifier)(半波または全波整流器)は電圧をDC電圧に変換し、DC保存キャパシタCdcに保存する。トランスポンダ回路負荷(circuit load)は負荷抵抗R(chip)で表されている。
【0003】
図2は従来技術のチューニングされたコイルのAC電気モデルを表している。そのコイルの過渡応答は全QファクタQtで決定される。
【0004】
1/Qt=1/Qc+1/Qi (1)
このQcはチューニングキャパシタQファクタQc=wRCであり、QiはコイルQファクタでwL/racで与えられる。抵抗Rは、R(modulator)とR(chip)の等価並列AC抵抗であり、racはコイルの直列AC抵抗であり、wはラジアンで表された角周波数(angular frequency)である。正弦励起(sinusoidal excitation)またはコンポーネント(component)のパラメータ変化(parametric change)に対するこの回路の正弦曲線過渡応答(sinusoidal transient response)の時定数Tsは次の式で与えられる。
【0005】
Ts=2Qt/w (2)
同調回路のバンド幅(BW)は次の式で与えられる。
【0006】
BW=1/Ts.PI=w/Qt.2.PI. (3)
このような同調回路はそのバンド幅内でのみ信号を送ることができる。
【0007】
図3は、図1の従来技術回路の電気モデルである。そのアンテナ回路の信号処理回路の有効負荷(effective load)はR(chip)で概略的に表されており、モジュレーション抵抗はR(modulator)である。そのアンテナコイル電流Iaは次の式で与えられる。
【0008】
Ia=2.Vo.(wC).Rt (4)
Voはアンテナ端末電圧であり、Rtは、R(modulator)と、R(chip)で表される有効AC負荷のと全並列抵抗である。DC負荷R(chip)は、有効AC負荷R(chip)/2で表される。
【0009】
アンテナの電流変化速度は2つのファクタで規制される。まず、アンテナのQファクタは過渡応答時定数Tsを規制する。次に、トランスポンダのDCパワー保存手段(DC保存キャパシタ)のサイズである。アンテナ電流のいかなる変化もアンテナ電圧の対応する変化にマッチするであろう。これで最終的にはDC保存キャパシタのDC電圧の変化に導かれる。これはDCシステムに保存されたエネルギーの変動を表すため、アンテナ回路がエネルギー変化を供給するには有限である時間が必要とされるであろう。
【0010】
図4(a)から図4(d)は前述の2つの規制メカニズムを概略グラフで図示している。特に、図4(a)と図4(b)は抵抗負荷を備えたアンテナ回路と関連波形をそれぞれ図示している。この形態で、アンテナのQファクタは過渡応答を規制する。図4(c)と図4(d)は大キャパシティブ負荷(capacitive load)を有したアンテナ回路と、その関連波形とをそれぞれ図示している。後者の形態で、アンテナ回路は整流器を介してDC保存キャパシタCdcと並列抵抗負荷(parallel resistiveload)とに接続されており、その過渡応答はDC保存キャパシタのサイズと、そのアンテナから得られるチャージ電流とで規制される。負荷に供給されるDC電流Iiは次の式で与えられる。
【0011】
Ii=Vdc/R(chip) (5)
従って、キャパシタ電圧のd(Vdc)の変化は次の式のもの以上の時間をとる。
【0012】
Tdc=d(Vdc).R(chip).Cdc/Vdc (6)
このVdcはDC出力電圧である。図4(d)は値Tdcを図示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来システムにおいては、受動RFIDトランスポンダは受信アンテナと送信アンテナとを含んでいた。別々のアンテナの必要性はトランスポンダのコストと構造の複雑性とを高めていた。この問題に対処するため、いくつもの単アンテナ式トランスポンダが開発されてきた。すなわち、トランスポンダのアンテナは信号の送受信に使用される。一般的に、これらアンテナは受信または尋問周波数(interrogating frequency)にチューニングされており、送信周波数は受信周波数と大きく異なることはできない。さもないと、アンテナは効率良く送信信号を送信することができないであろう。高速でデータを送信するためには低効率低Qアンテナ(low efficiency low Q antenna)が必要であり、高効率で信号を受信するには高Qアンテナが必要である。この矛盾により、高速データ通信に高効率アンテナは使用できない。これら全てのシステムの通信効率はこのチューニングアレンジによって低下する。さもなければ、アンテナコイルのストレーキャパシタンス(stray capacitance)によって悪影響を受ける。加えて、受動トランスポンダにおいては、パワー保存システム(power storage system)の電気慣性(electrical inertia)がデータ速度(data rate)を制限する。そのようなシステムの例は、AU55902/86、US4546241、US4517563、US4075632、US4038653、US3832530、US3299424で提供されている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明の1目的は、少なくなくとも好適実施例においては、従来技術の欠点を解消または実質的に軽減させ、あるいは少なくとも有用な代替物を提供することである。
【0015】
本発明の1つの特徴によれば、以下の構成要素を含んだトランシーバが提供される。そのトランシーバは、
第1信号を受信し、第2信号を送信するアンテナと、
第1信号を表す第3信号をそのアンテナから受信する信号処理手段と、
それらアンテナと信号処理手段との間に設置され、第2信号を形成させるためにそのアンテナに第4信号を提供するモジュレータ手段と、
を含んでいる。そのモジュレータ手段は、アンテナと信号処理手段との間のインピーダンスを変化させ、アンテナにデュアル式Qファクタ(dual Q factor)を提供する。そのQファクタは第1信号に対しては高く、第2信号に対しては低いものである。
【0016】
ここで使用する“高”及び“低”とは、Qファクタに関しては相対的なものであり、可能なQファクタの絶対範囲を意味するものではない。
【0017】
本発明の第2の特徴によれば、以下のステップを含んだトランシーバ動作方法が提供される。その方法は、
第1信号を受信し、第2信号を送信するアンテナを提供するステップと、
第1信号を表す第3信号をそのアンテナから受信する信号処理手段を提供するステップと、
第2信号を形成させるためにそのアンテナに第4信号を提供するステップと、
それらアンテナと信号処理手段との間のインピーダンスを変化させ、アンテナにデュアル式Qファクタを提供するステップと、
を含んでいる。そのQファクタは第1信号に対しては高く、第2信号に対しては低いものである。
【0018】
好適には、そのトランシーバはトランスポンダであり、それら第1信号と第2信号はそれぞれ第1周波数と第2周波数でモジュレーション処理される。それら第1周波数と第2周波数とは異なるものである。さらに好適には、そのトランスポンダは受動的であり、信号処理手段は処理回路とパワー保存手段とを含んでいる。第3信号によって提供されるパワーの一部はそのパワー保存手段に保存され、以降のトランスポンダへのパワー供給に利用される。
【0019】
また好適には、そのモジュレータ手段は、アンテナと信号処理手段との間のインピーダンスを高低値間で変動させ、アンテナによって受信され、アンテナから送信されるそれぞれの信号に対して、高Qファクタ、低Qファクタをもたらす。さらに好適には、そのインピーダンスを、第3信号のDC変動速度(slew rate)よりも大きな速度で高低値間で変動させる。さらに好適には、そのインピーダンスは抵抗である。
【0020】
1好適実施態様においては、そのアンテナはコイル式であり、キャパシタによってチューニングされている。さらに好適には、第2信号を発生させるため、アンテナの電圧はモジュレーション処理され、あるいは所定の方法で変動される。アンテナ電圧のこの変動は、アンテナコイル電流の比例変動に対応する。すなわち、d(I)=d(V) wLである。さらに好適には、そのモジュレーション手段は、アンテナと信号処理手段との間に直列式に配置された低インピーダンスを変動させ、アンテナの電圧を変動させる。さらに好適には、その低インピーダンスは、アンテナから見た全負荷インピーダンス(load impedance)の10%以内である。
【0021】
好適実施態様によっては、その直列抵抗(series resistance)はRFサブキャリア(sub-carrier)でモジュレーション処理され、データは送信のためにそのサブキャリア上にモジュレーション処理される。これらの実施態様において、この直列抵抗の変動またはモジュレーション処理は、アンテナ電圧及びアンテナ電流の急速な変動を引き起こす。それら変動はアンテナのQファクタや保存手段によっては制限されない。また、アンテナは同時に、パワーを受信するための高Qファクタと、データを送信するための低Qファクタとを有している。
【0022】
1好適形態においては、トランシーバは、データの送信速度(transmission rate)を、アンテナのQファクタ並びにDC保存手段のキャパシティとの両方から脱カップリング(decoupled)させることができる。
【0023】
本発明の第3の特徴によれば、以下の構成要素を含んだ受動トランスポンダが提供される。このトランスポンダは、
第1信号と第2信号とをそれぞれ受信して送信するためのアンテナと、
第1信号から導かれた第3信号をそのアンテナから受信し、その第3信号から導かれた第4信号を提供する信号処理手段と、
その信号処理手段と並列であり、トランスポンダのために後で利用するように第3信号のパワーの一部を吸収するパワー保存手段と、
それらアンテナとパワー保存手段との間に配置され、それらの間のインピーダンスを選択的に変動させて第2信号を発生させるモジュレーション手段と、
第4信号とサブキャリアとを組み合わせ、モジュレーション手段に提供される第5信号を創出させるミキサーと、
を含んで構成されている。
【0024】
好適には、そのモジュレーション手段は第5信号に基づいてインピーダンスを変動させる。さらに好適には、そのインピーダンスは抵抗である。
【0025】
1好適形態においては、そのパワー保存手段はキャパシタを含んでいる。
【0026】
本発明の第4の特徴によれば、第1信号と第2信号をそれぞれ受信及び送信するためのアンテナが提供される。そのアンテナは、
第1信号が第1電流を発生させ、第2信号を発生させるための第2電流をサポートするチューニングされたコイルと、
それら第1電流と第2電流とを通流させ、そのコイルにデュアル式Qファクタを提供するためのモジュレータ手段と、
を含んで構成されている。このQファクタは第1電流に対しては高く、第2電流に対しては低いものである。
【0027】
好適には、第1電流またはその第1電流から導かれた信号は信号処理手段に提供される。さらに好適には、そのモジュレータ手段はコイルと信号処理手段との間のインピーダンスを変動させる。さらに好適には、そのインピーダンスは抵抗であり、所定値とゼロ抵抗との間で切り替えられる。
【0028】
本発明の第5の特徴によれば、以下の構成要素を含んだトランシーバが提供される。そのトランシーバは、
第1信号を受信し、第2信号を送信するアンテナと、
そのアンテナから第1信号を表す第3信号を受信する信号処理手段と、
それらアンテナと信号処理手段との間に配置され、そのアンテナに第4信号を提供して第2信号を形成させるモジュレータ手段と、
を含んでいる。そのモジュレータ手段は、アンテナの電圧を実質的に段階的に変動させ、低値と高値との間でアンテナに流れる電流の変動に影響を及ぼし、アンテナの受信効率に実質的な影響を及ぼすことなく第2信号を送信させるものである。
【0029】
本発明の第6の特徴によれば、次のステップを含んで成るトランシーバ動作方法が提供される。その動作方法は、
第1信号を受信し、第2信号を送信するアンテナを提供するステップと、
そのアンテナから第1信号を表す第3信号を受信するための信号処理手段を提供するステップと、
そのアンテナに第4信号を提供し、第2信号を形成させるステップと、
アンテナの電圧を実質的に段階的に変動させ、低値と高値との間でアンテナに流れる電流の変動に影響を及ぼし、そのアンテナの受信効率に実質的な影響を及ぼすことなく第2信号の送信を行わせるステップと、
を含んで成る。
【0030】
好適には、第1信号はキャリア信号を含んでおり、低値と高値との間での電流の変動はそのキャリア信号の1周期(period)以下または同程度で発生する。
【0031】
本発明の第7の特徴によれば、次の構成要素を含んで成るトランシーバが提供される。そのトランシーバは、
第1所定周波数を有した第1信号を受信し、対応して第2信号を発生させるアンテナと、
その第2信号に対応する受信回路と、
第1所定周波数程度の共鳴周波数(resonant frequency)をアンテナに提供するためのチューニング回路と、
アンテナとチューニング回路との間に配置され、それらの間のインピーダンスを変動させ、第2信号によって第2所定周波数でアンテナに第3信号を発生させ、アンテナに第3信号から導かれた第4信号を送信させるモジュレータと、
を含んでいる。
【0032】
好適には、第1及び第2所定周波数は実質的に異なっている。
【0033】
好適には、アンテナはコイルを含んでおり、チューニング回路はそのコイルと並列に接続されたキャパシタを含んでいる。さらに好適には、そのアンテナはコイルで成り、チューニング回路はキャパシタで成る。さらに好適には、モジュレータはキャパシタと直列状態で接続されている。
【0034】
好適な形態においては、受信回路は第2信号に対応してモジュレータを始動させ、第3信号を提供する。さらに好適には、その第3信号はそのトランシーバ特有のデータ信号に従ってモジュレーション処理される。さらに好適には、そのデータ信号は受信回路に保存され、モジュレータに対して選択的に提供される。
【0035】
好適には、第2信号は第1信号によってアンテナに発生される電流である。別実施例においては、第2信号は第1信号によってチューニング回路に誘導された電圧である。
【0036】
本発明の第8の特徴によれば、次の構成要素を含んで成るチューニングされたアンテナが提供される。そのアンテナは、
第1所定周波数を有した第1信号を受信するコイルと、
そのコイルと並列に接続され、その第1所定周波数近辺でアンテナに共鳴周波数を提供するキャパシタと、
そのキャパシタと直列に設置され、多様なインピーダンスを提供し、そのコイルにて第2所定周波数で第2信号に第3信号を発生させるモジュレータと、
を含んでいる。そのコイルは第3信号から導かれた第4信号を送信する。
【0037】
本発明の第9の特徴によれば、次のステップを含んで成る、第1信号と第4信号をそれぞれトランシーバとの間で通信させる方法が提供される。その方法は、
アンテナで第1所定周波数を有した第1信号を受信し、対応して第2信号を発生させるステップと、
その第2信号を受信回路に提供するステップと、
そのアンテナを、第1所定周波数近辺での共鳴周波数を有するようにチューニング回路でチューニングするステップと、
それらアンテナとチューニング回路との間のインピーダンスを変動させ、第2所定周波数にて第2信号に第3信号を発生させ、そのアンテナに第3信号から導かれた第4信号を送信させるステップと、
を含んで成る。
【0038】
本発明の別な特徴によれば、第1信号と第4信号をそれぞれ受信及び送信する方法が提供される。その方法は、
コイルで第1所定周波数を有した第1信号を受信するステップと、
そのコイルと並列にキャパシタを接続し、アンテナにその第1所定周波数近辺で共鳴周波数を提供するステップと、
第1信号から第2信号を発生させるステップと、
キャパシタと直列にモジュレータを設置し、変動インピーダンスを提供させ、第2所定周波数にてコイル内で第2信号に第3信号を発生させ、そのコイルに第3信号から導かれた第4信号を送信させるステップと、
を含んでいる。
【0039】
好適には、そのアンテナはキャパシタでチューニングされたコイルである。当業技術者であれば理解しようが、このタイプの単アンテナトランシーバ(トランスポンダ)からの信号を送信するには、コイル内に流れる電流は所定の方法でモジュレーション処理あるいは変動される。最適には、このことは、アンテナとチューニングキャパシタとの間で直列に配置された小型可変抵抗を利用し、コイルで発生される電流を変動させることで達成される。好適実施態様によっては、その小型直列抵抗はRFキャリアでモジュレーション処理され、データはアンテナでの送信のためにキャリアにモジュレーション処理される。この小型抵抗の抵抗値の変動またはモジュレーションは、アンテナのチューニングでは制限されないコイル内の電流の急速な変化を引き起こす。従って、本発明はこれら実施態様において、第1所定周波数での受信と、第1所定周波数とは異なる第2所定周波数での送信とを同時に行わせる。
【0040】
本発明の他の実施態様では、1体のチューニングされたアンテナを使用して2以上の異なる周波数にてトランシーバまたはトランスポンダからデータを送信させる。これら実施態様は、空港、バスターミナル、列車駅等での手荷物取扱いシステムや小包の取扱いシステムのごとき受動RFIDトランスポンダに利用されるときに特にメリットが大きい。
【0041】
本発明の好適実施態様は、従来技術における受信周波数に近似していなければならない送信周波数の規制を克服するものであり、送信周波数をアンテナのチューニングされた受信周波数から完全に脱カップリングさせている。このことによって、送信周波数よりそれぞれ低く、あるいは高くチューニングされたアンテナによって、トランスポンダからの高い、あるいは低い周波数信号の送信が可能となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
本発明の好適実施態様を添付図面を利用して例示的に解説する。以下の本発明の説明において、時間と周波数の領域の方法を利用して本発明は説明されている。当業技術者であれば、時間領域方法は本発明の過渡特性に関する情報を提供し、周波数領域の方法はAC電気特性の説明に利用されることを理解しよう。本明細書においては用語“トランスポンダ”と“トランシーバ”とは互換性をもって使用されている。
【0043】
単アンテナを採用したRFIDトランスポンダは、インテロゲーションまたは励起フィールド(interrogating or exciting field)で尋問(interrogate)される。このフィールドはトランスポンダのアンテナで受領され、そのアンテナに誘導された電圧は整流(rectify)が可能であり、トランスポンダへのパワー供給に使用が可能である。トランスポンダがインテロゲータに対してメッセージを送り戻せることが必要である。単アンテナトランスポンダにおいては、送信された信号は、インテロゲーション信号の受信に使用されるものと同じアンテナから放信されなければならない。
【0044】
次に解説する本発明の好適実施例は前述の規制及び制限を克服するために開発されたものである。図5(a)と図5(b)、図15(a)と図15(b)は本発明の4種の好適実施例であり、対応する特徴は同様な文字と数字とで表されている。図5(a)において、抵抗R(modulator)と並列スイッチSW1の形態のモジュレーション処理される直列抵抗は、アンテナと保存キャパシタ(コンデンサ)との間であって、回路のAC部分に配置されている。図5(b)において、抵抗R(modulator)と並列スイッチSW1の形態のモジュレーション処理される直列抵抗は、アンテナと保存キャパシタとの間であって、回路のDC部分に配置されている。両方の回路とも同じ送信信号を発生させる。実際には、図5(b)に示す回路は、そのDC作動バイアス(operating bias)によって実施がさらに簡単である。図15(a)と図15(b)において、モジュレーション処理される直列抵抗はアンテナとアンテナのチューニングキャパシタとの間に配置される。
【0045】
スイッチSW1は、直列抵抗R(modulator)のインピーダンスを変動させるモジュレーション手段を概略的に表している。単純化するためにスイッチが例示されているが、制御下で可変インピーダンスを提供する他の手段であっても他の実施例で使用できる。
そのスイッチは、ベースバンド信号であるか、送信のためにデータがモジュレーション処理されている高周波サブキャリア等のデータ信号でモジュレーション処理されている。図5(a)と図5(b)に示される実施例において典型的には、そのサブキャリア周波数は励起周波数の1%から50%の範囲であり、図15(a)と図15(b)の実施例においては、サブキャリア周波数範囲は数ヘルツから励起周波数の数千倍までである。さらに、そのサブキャリアの好適なモジュレーション処理方法はフェーズリバースキー処理(PRK:Phase ReverseKeying)である。
【0046】
本発明のこの好適実施例で、アンテナの電圧のエンベロープ(envelope)はスイッチSW1の開閉に即したものである。図5(a)と図5(b)に示される実施例においては、スイッチが閉じられるとアンテナ電圧は整流器の低インピーダンスを通じてDC保存キャパシタ電圧にクランプ(clamped)される。
【0047】
図6(a)と図6(b)は本発明の電気モデルを図示しており、モジュレータスイッチSW1は閉鎖されている。この場合、スイッチの直列インピーダンスは最低(名目ゼロ)にまで低減される。図6(a)は整流器とDC回路とを備えたアンテナ回路を図示している。アンテナと保存キャパシタとの間の残留直列インピーダンスは整流器の動作抵抗(dynamic impedance)のものである。
【0048】
従って、次の式が得られる。
【0049】
R(diode)=d(Vdiode)/d(Idiode) (7)
この状態で、DC保存キャパシタは、DC電圧のVdcを提供する低インピーダンス電圧源で表すことができる。チップ負荷(chip load)はR(chip)で表される。DC保存キャパシタからの平均電流は定常状態の動作においてゼロでなければならない。よって、表された電圧源の平均電流はゼロである。図6(b)は等価(equivalent)AC回路モデルを図示しており、DC保存インピーダンスは、AC短絡回路として動作し、アンテナから見た負荷インピーダンスは整流器の動作抵抗のみである。DC保存キャパシタのACインピーダンスは非常に小さいので、それはAC回路では短絡回路として、並びにDC回路のための低インピーダンス電圧源として作用する。
【0050】
スイッチSW1が開いているとき、電流は整流器からパルス(pulse)し、DCキャパシタをR(modulator)を通じてチャージする。従って、瞬間電圧(instantaneous voltage)V(modulator,t)が発生する。
【0051】
V(modulator,t)=R(modulator).I(diode,t) (8)
I(diode,t)は瞬間整流電流(rectifier current)である。
【0052】
最大アンテナ電圧は、整流器を通じた、DCキャパシタ電圧とV(modulator,t)の合計になる。
【0053】
図7(a)と図7(b)は本発明の電気モデルを示しており、図7(a)はモジュレータスイッチSW1が開いている。この形態で、アンテナから見た直列モジュレータインピーダンスは最大名目R(modulator)にまで増加される。図7(a)は、整流器を備えたアンテナ回路とDC回路を示している。アンテナと保存キャパシタとの間の直列インピーダンスは、整流器R(diode)とモジュレーション抵抗R(modulator)の動作抵抗である。
【0054】
R(diode)=d(Vdiode)/d(Idiode)(9)
DC保存キャパシタは、両端の電圧がDC電圧Vdcである低インピーダンス電圧源で表すことができる。チップ負荷はR(chip)で表される。DC保存キャパシタからの平均電流は定常状態の動作のためにはゼロでなければならず、表された電圧源の平均電流はゼロである。図7(b)は等価AC回路モデルを示しており、チップで見られた負荷インピーダンスは整流器の動作抵抗とモジュレーション抵抗R(modulator)の合算である。DC保存キャパシタのACインピーダンスは非常に小さいので、それはAC短絡回路としてモデル化されている。
【0055】
トランスポンダの動作周波数にて、DC保存キャパシタはDCレール(rail)を効果的に脱カップリングさせるために低インピーダンスを提供する。すなわち、キャパシタはAC信号に対して短絡回路を提供する。アンテナとDC保存キャパシタとの間にR(modulator)を配置させると、アンテナはこの小型抵抗を通じてキャパシタ短絡回路を“覗く”ことになる。その結果、アンテナ上の有効AC負荷はR(modulator)とR(diode)との合算のみになる。よって、アンテナの全Qファクタ(Qt)は非常に小さくなる。この実施例においては、典型的な値はR(diode)=120Ω、L=5uH及びC=27pFである。これで全QファクタQt=0.28となる。よって、アンテナの過渡応答はそのQファクタで規制されなくなる。
【0056】
直列インピーダンスR(modulator)の変化で、その回路の定常状態の動作条件はDCキャパシタ電圧に対応する変化で変動すると考えられる。動作DC電圧の変化はこのキャパシタに保存されるエネルギーの変化を表している。キャパシタ値が大きければそれだけその電圧の変化に要するエネルギー量が増加する。従来技術システムにおいては、そのアンテナ電圧はDC電圧をトラッキング(track)しなければならず、DC保存システムの慣性は最大データ速度(maximum data rate)を厳しく規制する。DC電圧の最大変動速度(maximum slew rate)d(Vdc)/dtは次の式で与えられる。
【0057】
d(Vdc)/dt=Cdc/Idc=Cdc.R(chip)/Vdc (10)
この変化は何十マイクロ秒以上のものとなるであろう。このことが理解されると、従来技術のアレンジがどうして本質的に低データ速度の規制を受けるかが明瞭になる。特に、効率的に動作するには、従来技術のモジュレーションスイッチ速度はDC変動速度制限よりも小さいものでなければならなかった。一方、本発明のこの好適実施例は、この同じ制限値よりも大きなモジュレーションスイッチ速度を可能にしている。
【0058】
モジュレータスイッチSW1は高周波数で動作され、その時間の一部のみ(典型的には50%)を開いた状態にし、残りを閉じた状態にする。従って、モジュレータ抵抗はその回路に対するその実際値の平均抵抗値(典型的には50%)を提供する。スイッチSW1が開閉すると、キャパシタCdcのDC電圧は、前述の脱カップリング作用のために本質的には変化しない。時間の経過とともに、その回路は、この平均抵抗値に見合った新しい安定動作ポイントに移動する。従って、これら実施例においては、直列インピーダンスの変化に対するDCキャパシタ電圧の反応時間よりも速くなくてはならないスイッチ速度に対してさらに低い制限が存在する。典型的なコンポーネント値の例は、Cdc=10nF、R(modulator)=120Ω、Vdc=3.3V、Idc=1mAである。これらは10usの変動速度(slew rate)を提供する。これは100KHzよりも大きな最小スイッチ速度を暗示している。
【0059】
この定常状態条件から、スイッチの閉鎖はDC保存キャパシタに最大アンテナ電圧をVdcにクランプさせるであろう。逆に、スイッチの開放は最大アンテナ電圧をV(modulator,t)=R(modulator).I(diode,t)だけ増加させるであろう。最大整流電流(rectifier current)、すなわち、MAX I(diode,t)は平均DC負荷電流の約8倍から10倍である。従って、最大モジュレータ電圧MAX V(modulator,t)は次の式で与えられる。
【0060】
MAX V(modulator,t)=8×R(modulator)×Vdc/R(load)(11)
典型的な回路値Vdc=3.3V、R(load)=3K3Ω(=3.3kΩ)及びR(modulator)=120Ωとなり、MAX V(modulator)=0.96Vである。
【0061】
同調回路から見える動的負荷は直列抵抗R(modulator)と整流器の動作抵抗(典型的にはR(diode)=1V/8mA=120Ω)である。従って、R(modulator)+1V/8mA=240Ωとなる。DC保存キャパシタは有効AC短絡回路である。典型値L=5uH、C=27pF、R(modulator)+1V/8mA=240Ωとなり、Qt=0.55である。すなわち、アンテナの過渡応答はそのQファクタでは規制されない。実際に、アンテナの最大電圧は瞬間的に新最大値に移動する。
【0062】
図8(a)と図8(b)は本発明の実施例を図示している。そこでは直列抵抗はRFサブキャリアでモジュレーション処理される。このRFサブキャリアは振幅変調されてアンテナに供給される。図9(a)と図9(b)は本発明の実施例であり、データはそのサブキャリア上にモジュレーション処理されている。そのサブキャリアにインポーズされたデータ(サブキャリアモジュレーションとして)は続いてアンテナに送信される。サブキャリアモジュレーションの好適方法はPRKである。なぜなら、それは回路のDC動作ポイントに変化を発生させないからである。サブキャリア周波数はいかなるソースからでも導かれる。この好適実施例においては、励起フィールド周波数の分周によって導き出される。しかし、最適には、そのサブキャリア周波数はDC保存システムの最大変動速度よりも速い。そこではこの実施例の変動速度は次の式で与えられる。
【0063】
d(Vdc)/dt=Cdc.R(chip)/Vdc (12)
広い範囲のサブキャリア周波数がこの実施例で達成される。例えば、1形態において、サブキャリア周波数は励起周波数の50%にもなる。別形態では、サブキャリア周波数は励起周波数の数パーセント程度である。理解されようが、この低周波数制限はDC保存キャパシタ変動速度によって効果的にインポーズ(impose)される。
【0064】
図10(a)から図10(g)は、図8と図9において図示されている本発明の実施例の動作方法をさらに詳細に理解させるように多様な電圧波形とスペクトルを図示している。図示のごとく、モジュレータスイッチの開閉で、アンテナ電圧はスイッチアクションに有効で瞬間的に反応する。スイッチの閉鎖とアンテナ電圧との間の関係は図10(a)と図10(b)とに示されている。アンテナ電圧は、サブキャリア周波数Fsで直列インピーダンスモジュレータによって振幅変調処理される。アンテナ電流のスペクトルは図10(c)と図10(d)で示すように、励起周波数FcとFc+FsとFc‐Fsでのサイドバンドとで成るであろう。このサブキャリアは励磁周波数にまで振幅変調によって周波数変換されている。このサブキャリアはデータ、好適にはPRKでモジュレーション処理が可能である。なぜなら、それは回路のDC動作ポイントを妨害しないからである。図10(e)と図10(g)はサブキャリアにモジュレーション処理されたデータスペクトルを示している。それは次にアンテナの励起周波数に振幅変調される。
【0065】
モジュレーション処理されたサブキャリアサイドバンド電流はアンテナから放出されるフィールドを発生させる。このサブキャリア周波数は、安定した操作ポイントを妨害しないようにその回路のDC定着時間(settling time)よりも長くあるべきである。好適には、図5(a)と図5(b)の実施例においてはサブキャリア周波数は励起周波数よりも小さい。この好適実施例においては、サブキャリアは励起周波数を分周することで発生される。多数のサブキャリア周波数が分割値の選択で利用可能である。よって、利用可能な分割値セットから分割値をランダムに選択することで、トランスポンダはデータの送信のためにチャンネルを選択することができ、その結果、多数の類似したトランスポンダから自身を同時的に特定することができる。このようなアレンジはオーストラリア特許出願第00469/88に開示されている。その開示内容を本明細書に援用する。
【0066】
高速でデータを送信するのに適した高周波キャリアを発生させることができることの利点に加えて、これらサブキャリアは励起信号のキャリアフェーズノイズへの近接部からは充分に離れている。従って、従来技術システムと比較して、本発明の実施例に従ったレシーバはずっと弱いトランスポンダ信号を検出することができる。なぜなら、励起信号のフェーズノイズはトランスポンダ信号を妨害しないからである。
【0067】
図11(a)と図11(b)は本発明の実施例を図示している。そのアンテナはチューニングされていないコイルである。図11(a)において、モジュレーション処理される直列抵抗は、アンテナと保存キャパシタ(コンデンサ)との間であって、回路のAC部分に設置されている。図11(b)において、モジュレーション処理される直列抵抗は、アンテナと保存キャパシタとの間であって、回路のDC部分に設置されている。両方の回路は同じ送信信号を発生させるが、図11(b)の回路は利用が単純である。なぜなら、DC動作バイアスが存在するからである。スイッチSW1は直列抵抗Rsのインピーダンスを変化させるモジュレーション手段を表している。単純化するためにスイッチが図示されているが、他の実施態様においては、制御された可変インピーダンスを提供する代替方法が使用可能である。
【0068】
チューニングされていないアンテナが使用されている実施態様においては、反応速度はDC保存システムによってのみ規制される。にも拘わらず、チューニングされたアンテナに適用される直列インピーダンスモジュレータの利点は維持される。モジュレーション抵抗V(modulator)の電圧は次の式で与えられる。
【0069】
V(modulator)=R(modulator).I(diode) (13)
その電圧は整流電流で発生される。この電圧はDC保存キャパシタの電圧に加えられ、瞬間最大コイル電圧はスイッチの開閉に影響される。スイッチ速度がDC変動速度よりもずっと速いと想定すると、回路のDC動作ポイントに変化は発生せず、DC保存キャパシタに保存されたエネルギーに変化は生じない。
【0070】
図12(a)から図12(d)は直列抵抗のモジュレーション処理のための多彩なアレンジを示す。図12(a)に示すスイッチは、図12(b)で示すようなFETまたはBJTスイッチで実施が可能である。あるいは、FETのチャンネル抵抗を特定のスイッチング可能な直列抵抗の創出に利用することが可能であり、図12(c)に図示されている。図12(d)は、直列抵抗の値が2(または3以上)の値間で変動させることができるアレンジを示している。
【0071】
本発明の好適実施例を、“補償定理(Compensation Theorem)”を利用してさらに一般的に解説する。補償定理とは次のものである。
【0072】
“電流Iを運搬するブランチのインピーダンスがΔZだけ増加したと仮定すると、ネットワークの各ブランチの電流と電圧の増分は、同一ブランチのΔZと直列に導入された対抗電圧ΔV=IΔZによって提供されるものと同じである。”
この理論の参考書は「電気技術回路」誌(第2刷、H.H.スキリング、373ページ)である。
【0073】
整流器とキャパシタ等のDC保存手段とを備えたアンテナにおいて、最大アンテナ電圧は整流器を介してDC保存電圧にクランプされる。従来技術においては、アンテナの端末最大電圧の変化はアンテナ電流に対応した変化を引き起こした。しかし、前述したように、DC電圧が変動(slew)する速度を超えることはできない。
【0074】
モデル化を目的として、このDC保存キャパシタを電圧源Vdcと置換し、整流器をV(diode)に等しい固定順方向電圧降下(forward volt drop)と置換する。最大アンテナ電圧はVdc+V(diode)でクランプされる。もし電圧源Vdcが小さな段階変化dVdcを起すなら、その最大アンテナ電圧が瞬時に続くであろう。なぜなら、それは整流器を介してそれにクランプされるからである。すなわち、VdcはVdc+dVdcとなる。図13(a)は電圧源dVdcがVdcと直列であるアレンジを示している。
【0075】
もし、2つの別々の電圧源が使用されると同一の現象が起こる。図13(b)は、Va=VdcでVb=Vdc+dVdcであるアレンジを示している。このことは、従来技術システムにおいては、DC保存電圧への瞬間的な変化を引き起こすのと同じことである。しかし、これは実際には不可能である。なぜなら、無限のパワーインパルスを必要とするからである。
【0076】
本発明は、図13(a)で示すように、電圧源をVdcと直列に配置させることで同一の結果を達成させる代替アレンジを提供する。このモジュレーションの有効性は補償定理によって理解されよう。並列スイッチが閉鎖された状態で、モジュレータ抵抗R(modulator)は短絡回路で表される。スイッチが開くと、補償定理はそれを、電圧源V(modulator)=I(diode).R(modulator)と直列であるR(modulator)として表す。その過渡応答は、R(modulator)及びその整流器インピーダンスと直列であるステップ電圧変化V(modulator)を考察することで充分に解説が可能である。DC電圧源Vdcは無視される。そのアンテナは低インピーダンスを介してステップ状に印加された電圧源(step applied voltage source)によって駆動されるので、アンテナは、図13(a)と図13(b)に示すように新最大電圧にまで瞬時に駆動されるであろう。図14は等価補償定理による誘導ソースがアンテナに接続されている回路を図示している。
【0077】
図15(a)と図15(b)は、本発明のトランシーバのさらに2つの実施例を示す。モジュレーション処理される直列抵抗はアンテナチューニングキャパシタと直列に配置されている。図15(a)において、トランシーバはアンテナコイルにわたって、すなわちその両端に接続されているトランスポンダ回路を含んでいる。図15(b)において、そのトランスポンダ回路はチューニングキャパシタにわたって、すなわちその両端に接続されている。このように、共鳴電流Iacのみがモジュレータを通過する。トランスポンダの整流電流Irectの電流は、高レベル擬似調波(high level spurious harmonics)の発生を妨害するためにモジュレータを通過しない。
【0078】
図16は本発明のチューニングされたアンテナの好適実施例を概略的に図示している。そこでは、モジュレータはアンテナコイルとチューニングキャパシタとの間に配置されている。コイルLはキャパシタCでチューニングされている。モジュレーション処理される直列抵抗R(modulator)は、コイルとチューニングキャパシタとの間に設置される。そのコイルは、その共鳴周波数としてAC電圧Vacを有したインテロゲータ信号によって励起される。これで、共鳴電流Iacは、R(modulator)を通ってコイルとチューニングキャパシタとの間を流れる。電圧V(modulator)はR(modulator)に現われる。
【0079】
V(modulator)=Iac.R(modulator) (14)
もしR(modulator)がΔR(modulator)の深さにまでモジュレーション処理されていれば、V(modulator)の振幅変化ΔV(modulator)は、
ΔV(modulator)=Iac.ΔR(modulator) (15)
となる。
【0080】
図16のスイッチSW1は、直列抵抗R(modulator)のインピーダンスを変動させるモジュレータを表している。単純化するためにスイッチが図示されているが、当業技術者であれば理解するように、制御された可変インピーダンスを達成させるいかなる手段でも利用できる。この実施例においては、スイッチは、データが送信のためにキャリアにモジュレーション処理されている、ベースバンド信号あるいはキャリア周波数のいずれかでモジュレーション処理される。典型的には、キャリア周波数は、数ヘルツから、励起周波数の数千倍の範囲から選択される。キャリアへのデータモジュレーションの好適な方法はフェーズリバースキー操作PRKである。モジュレータSW1は、一部の時間(典型的には50%)で開放し、残りを閉鎖状態にするようにスイッチ操作される。従って、モジュレータは共鳴周波数でその回路にその値の平均抵抗(典型的には50%)を提供する。
【0081】
アンテナの電圧のエンベロープはスイッチの開閉に従う。スイッチが閉鎖されると、電圧はチューニングキャパシタの瞬間的電圧と等しくなり、スイッチが開放されると、アンテナ電圧はチューニングキャパシタの瞬間的電圧+V(modulator)となる。
【0082】
図17(a)と図17(b)は、本発明の電気モデルであり、チューニングされた周波数と、それより高い電波周波数とを図示している。
【0083】
本発明のこの実施例は、前述の“補償定理”を使用して一般的に解説することができる。補償定理を利用すると、モジュレータ抵抗が、等価な直列電圧源ΔV(modulator)とR(modulator)で置換できることが理解される。重複状態にて電圧源ΔV(modulator)は、電流Imodをチューニングされた回路に流させる。Imodの振幅はコイルとキャパシタの合成とR(modulator)の直列インピーダンスによって制限される。このコイルのモジュレーション電流Imodは磁界としてモジュレーションを送信するであろう。この送信された信号の強度は、コイル電流Imod、コイル面積及びコイル巻き数の積で与えられる磁力モーメントと比例する。
【0084】
図17(a)のチューニングされたモデルはコイルL、コイルのAC抵抗rac及びチューニングキャパシタCを図示している。モジュレーション抵抗は補償定理的に等価なΔV(modulator)とR(modulator)の直列合成で置換されている。このコイルを流れる電流Imodの振幅はコイルとキャパシタの合成であるracとR(modulator)の直列インピーダンスで制限されている。
【0085】
この実施例において、R(modulator)は高周波(RF:radio frequency)でモジュレーション処理されており、図17(b)に示す本発明のRFモデルは回路分析のために使用される。高周波(ラジオ周波数)で、チューニングキャパシタCはRF短絡回路で置換され、コイルの並列ストレーキャパシタンスCsが加えられる。従来技術の回路とは異なり、そのチューニングキャパシタは回路操作に影響を及ぼさない。さらに、典型的なCsの値に対して、Csの直列インピーダンスはR(modulator)よりもずっと大きい。従って、これはコイルの電流Imodの振幅にはほとんど影響を及ぼさない。ImodはコイルインピーダンスracとR(modulator)のみで規制される。
【0086】
3MHzあたりのRF周波数では、典型的な回路値は次のようになる。
【0087】
R(modulator)=10Ω;ΔR(modulator)=5Ω;Iac=25mA、L=250uH;rac=25Ω、Cs=100pF、C=5.6nF。よって、V(modulator)=125mVとImod=26.5uAである。50巻きで、80mmx50mmの面積のコイルでは、磁力モーメントは5.3uA.巻.m2である。
【0088】
共鳴周波数よりも低いキャリア周波数が使用される場合も補償定理は有効であり、コイル電圧のエンベロープはチューニングキャパシタ電圧+V(modulator)に従う。従って、コイルを通る電流は、キャリア周波数に無関係でR(modulator)によってモジュレーション処理される。
【0089】
図18(a)、図18(b)、図18(c)及び図18(d)は本発明の多様な例示的波形を示す。図18(a)はコイルLに流れるコイル共鳴電流Iacを示す。図18(b)は、共鳴周波数よりも高いキャリア周波数でモジュレーション処理されるR(modulator)の振幅を示す。R(modulator)の名目変化は0とR(modulator)との間である。図18(c)はモジュレータの抵抗とそこに流れる電流との積によって発生する電圧の大きさ、つまり、モジュレーション抵抗の電圧振幅を示す。キャリア周波数のフェーズはIacのゼロクロッシング(zero crossing)で180度変化し、Iacのサイン変化(sign change)を補整する。従って、電流Imodにはフェーズ変化が存在しない。ImodのエンベロープはIacによってモジュレーション処理され、全波整流正弦波(full wave rectified sine wave)に類似する。図18(d)はモジュレーション抵抗の電圧振幅を示し、その抵抗はIacの振幅の変動を補正するようにスケール処理(scale)されている。R(modulator)の振幅は不連続なステップで変動させることができる。あるいはIacの各半サイクルで連続的に変動させることができ、Imodを効率的に波形形成(waveshape)させる。キャリア周波数が共鳴周波数よりも低い場合には、Iacのエンベロープの補整のための波形形成は不要である。
【0090】
図19(a)、図19(b)、図19(c)及び図19(d)は、図18(a)から図18(d)に関連する典型的な周波数スペクトルを図示している。図19(a)は、正弦波電流Iacの全波整流バージョンのスペクトルを図示している。この全波整流信号はそのスペクトル内にDCコンポーネントと偶数次の調波(even harmonics)とを有している。図19(b)は、データでモジュレーション処理されているさらに高い周波数のスペクトルを図示している。図19(c)はR(modulator)に生ずる電圧のスペクトルを図示している。そのデータスペクトルはIacの全波整流スペクトルのスペクトル線にモジュレーション処理されており、そのキャリア周波数にまで周波数変換されている。波形形成されると、余分な調波サイドバンドは図19(d)のごとくに抑制される。R(modulator)の単純な4段階形成は全てのサイドバンドを‐20dBc以下に抑制する。
【0091】
図20(a)から図20(d)はインピーダンスR(modulator)を変化させる多様なモジュレータを図示している。図20(a)に示される単純なスイッチは、異なる実施例においては、必要に応じて異なる形態で提供される。例示として、実施態様によっては、スイッチは図20(b)に概略的に図示するようにFETまたはBJTスイッチの形態となる。図20(c)は、FETのチャンネル抵抗がどのように使用されて特定のスイッチング可能な直列抵抗の創出に使用されるかを示している。図20(d)は、直列抵抗値が、いくつかの値間で変動され、V(modulator)の振幅の波形形成を行わせるアレンジを図示している。
【0092】
図21は、本発明のトランシーバの別実施例の回路の詳細を示している。この実施例においては、トランスポンダ回路はキャパシタにわたって、すなわちその両端に接続されており、擬似高調波レベル(spurious harmonic level)を最低限としている。コンパレータが検出抵抗にわたって、すなわちその両端に接続されており、Iacのゼロクロッシングを検出する。キャリアのフェーズはXOR1によってゼロクロッシングでリバースされている。このキャリアはキャリア発生器で発生される。もし高周波キャリアが必要であれば、PLLマルチプライアが使用され、共鳴周波数を逓倍処理(multiply up)する。あるいは、もし低周波キャリアが必要であれば、デバイダ回路を使用して共鳴周波数を分周することができる。プロセッサ回路は、トランスポンダデータメッセージを発生させる。それは、XOR2のキャリア周波数をPRKモジュレーション処理するのに使用される。必要であれば、送信された電流の波形形成を図20(d)に示すようにマルチレベルモジュレータ(multi-level modulator)で行う。
【0093】
図22から図25は、手荷物取扱いシステムに応用されている本発明の実施例を図示している。トランスポンダは手荷物に取りつけられた2つ折りラベルと共に収容されている。図示のごとく、このラベルの便利な搭載箇所は手荷物のハンドルである。
【0094】
ラベルの一方はボード搭載回路の形態でトランスポンダを含んでいる。すなわち、必要なコンポーネントは回路ボードに搭載されており、相互に接続されて操作を可能にしている。従って、トランスポンダは容易に手荷物に固定させることができ、必要であれば容易に取り外せる。手荷物がチェックポイントを通過すると、尋問信号(interrogation signal)をも通過し、トランスポンダによって応答信号を発生させる。その信号はチェッキングステーションで受信され、複数の所定場所の1つに手荷物の自動搬送を行わせる。
【0095】
前述したように、本発明のこの好適実施例は従来技術に優るいくつもの利点を提供する。その1つは、保存手段の慣性の排除であり、アンテナへの高速データの押し付けの排除である。
【0096】
本発明をいくつかの実施例に基づいて例示的に解説してきたが、当業技術者であれば他の形態の実施態様でも本発明の実施が可能であること理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は、従来技術のトランシーバあるいはトランスポンダ回路の概略回路図である。
【図2】図2は、チューニングされたコイルに対するAC電気モデルの概略図である。
【図3】図3は、図1の従来技術トランスポンダ回路に対する電気モデルの概略図である。
【図4】図4(a)から図4(d)は、関連波形と共に、従来技術の受動トランスポンダアンテナ回路の過渡応答(transient response)を規制する2つの機構を図示している。
【図5】図5(a)と図5(b)は、本発明の2つの実施例の概略図であり、モジュレータ手段は、アンテナ回路のAC及びDC部分にそれぞれモジュレーション処理される抵抗を含んでいる。
【図6】図6(a)と図6(b)は、モジュレータスイッチSW1が閉鎖されているときの本発明の電気モデルの概略図である。
【図7】図7(a)と図7(b)は、モジュレータスイッチSW1が開放されているときの本発明の電気モデルの概略図である。
【図8】図8(a)と図8(b)は、本発明の別な2つの実施例の概略図であり、直列抵抗はアンテナ回路のAC及びDC部分のRFサブキャリアでそれぞれモジュレーション処理されている。
【図9】図9(a)と図9(b)は、本発明のさらに別な2つの実施例の概略図であり、サブキャリアは回路のAC及びDC部分のデータでモジュレーション処理されている。
【図10】図10(a)は、本発明で利用されるスイッチ機能を図示するグラフである。図10(b)は、アンテナ電圧のグラフである。図10(c)は、サブキャリアの周波数スペクトルのグラフ図である。図10(d)は、サブキャリアサイドバンド(side band)の周波数スペクトルのグラフ図である。図10(e)、図10(f)及び図10(g)は、サブキャリアにモジュレーション処理されたデータと関連する周波数スペクトルのそれぞれのグラフ図である。
【図11】図11(a)と図11(b)は、本発明の別な2つの実施例の概略図であり、アンテナはチューニングされていないコイルであり、直列抵抗はアンテナ回路のAC及びDC部分のRFサブキャリアによってそれぞれモジュレーション処理されている。
【図12】図12(a)から図12(d)は、直列抵抗のモジュレーション処理のための4つの代替アレンジの概略図である。
【図13】図13(a)、図13(b)は、補償定理(Compensation Theorem)による本発明に従ったトランシーバの概略図である。
【図14】図14は、補償定理(Compensation Theorem)による本発明に従ったトランシーバの概略図である。
【図15】図15(a)と図15(b)は、本発明のトランシーバの別な2つの代替実施例のそれぞれの概略図である。
【図16】図16は、本発明の好適実施例のチューニングされたアンテナの概略回路図である。
【図17】図17(a)と図17(b)は、チューニングされた周波数と、それより高い電波周波数での図16のアンテナのそれぞれの電気モデルである。
【図18】図18(a)、図18(b)、図18(c)及び図18(d)は、図16の回路のための多様な例示的波形を図示している。
【図19】図19(a)、図19(b)、図19(c)及び図19(d)は、図18(a)から図18(d)の波形に関連する周波数スペクトルを図示している。
【図20】図20(a)、図20(b)、図20(c)及び図20(d)は、多様な代替インピーダンスモジュレーションアレンジを図示している。
【図21】図21は、本発明のトランシーバの別な好適実施例の概略回路図である。
【図22】図22は、本発明を実施するRFIDトランスポンダラベルを備えた手荷物の概略図である。
【図23】図23は、展開状態の図22のラベルの拡大概略図である。
【図24】図24は、図22のラベルのさらなる拡大概略図であり、コイル、チューニングキャパシタ及び受信回路の詳細を図示している。
【図25】図25は、図22のラベルのさらに拡大された概略図であり、受信回路とチューニングキャパシタのさらなる詳細を図示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランシーバであって、
第1RF電磁信号を受信し、第2RF電磁信号を送信するアンテナと、
該第1RF電磁信号に基いて該アンテナから第3電気信号を受信する信号処理手段と、
該アンテナと該信号処理手段との間に直列に設置され、該アンテナに第4電気信号を提供して前記第2RF電磁信号を発生させ、該アンテナと該信号処理手段との間の直列インピーダンスを変動させるモジュレータ手段と、
を含んで構成されていることを特徴とするトランシーバ。
【請求項2】
本トランシーバはトランスポンダであって、第1RF電磁信号と第2RF電磁信号はそれぞれ互いに異なる第1周波数と第2周波数で変調されることを特徴とする請求項1に記載のトランシーバ。
【請求項3】
トランシーバによる送受信方法であって、
第1RF電磁信号を受信し、第2RF電磁信号を送信するアンテナを提供するステップと、
該第1RF電磁信号に基いて該アンテナから第3電気信号を受信する信号処理手段を提供するステップと、
該アンテナと該信号処理手段との間に直列に設置されるインピーダンスを提供するステップと、
該アンテナに第4電気信号を提供して前記第2RF電磁信号を発生させるステップと、
該アンテナと該信号処理手段との間の直列インピーダンスを変動させるステップと、
を含んで構成されていることを特徴とする送受信方法。
【請求項4】
受動型トランスポンダであって、
第1RF電磁信号を受信し、第2RF電磁信号を送信するアンテナと、
該第1RF電磁信号から発生する第3電気信号を該アンテナから受信し、該第3電気信号から発生する第4電気信号を提供する信号処理手段と、
該信号処理手段と並列に提供され、該第3電気信号のパワーの一部を吸収して後に本トランスポンダに利用させるパワー保存手段と、
前記アンテナと該信号処理手段との間に直列に設置され、それらの間のインピーダンスを選択的に変動させて前記第2RF電磁信号を発生させるモジュレータ手段と、
前記第4電気信号をサブキャリアと組み合わせて第5信号を発生させ、該モジュレータ手段に提供するミキサーと、
を含んで構成されていることを特徴とするトランスポンダ。
【請求項5】
第1RF電磁信号と第2RF電磁信号を送受信するアンテナであって、
該第1RF電磁信号に第1電流を発生させ、該第2RF電磁信号を発生させる第2電流をサポートする同調コイルと、
本アンテナと並列に設置されたモジュレータ手段であって、該第1電流と該第2電流を通流させ、前記同調コイルに該第1電流に対しては高く、該第2電流に対しては低い同時的デュアルQファクタを提供するモジュレータ手段と、
を含んで構成されていることを特徴とするアンテナ。
【請求項6】
第1電流または該第1電流から発生する信号は信号処理手段に提供され、モジュレータ手段は同調コイルと信号処理手段との間のインピーダンスを変動させることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。
【請求項7】
トランシーバであって、
第1RF電磁信号を受信し、第2RF電磁信号を送信するアンテナと、
該アンテナから該第1RF電磁信号を示す第3電気信号を受信する信号処理手段と、
該アンテナと該信号処理手段との間に直列に設置され、該アンテナに第4電気信号を提供して前記第2RF電磁信号を発生させ、該アンテナの電圧を段階的に変動させて該アンテナを流れる電流を高低値間で変動させ、該アンテナの受信効率に影響を及ぼすことなく前記第2RF電磁信号を送信させるモジュレータ手段と、
を含んで構成されていることを特徴とするトランシーバ。
【請求項8】
トランシーバによる送受信方法であって、
第1RF電磁信号を受信し、第2RF電磁信号を送信するアンテナを提供するステップと、
該第1RF電磁信号に基いて該アンテナから第3電気信号を受信する信号処理手段を提供するステップと、
該アンテナと該信号処理手段との間に直列に設置されるモジュレータを提供するステップと、
該アンテナに第4電気信号を提供して前記第2RF電磁信号を発生させるステップと、
前記モジュレータのインピーダンスを変動させ、該アンテナの電圧を段階的に変動させて該アンテナを通流する電流を高低値間で変動させ、該アンテナの受信効率に影響を及ぼさずに前記第2RF電磁信号を送信させるステップと、
を含んで構成されていることを特徴とする送受信方法。
【請求項9】
トランシーバであって、
第1所定周波数を有した第1RF電磁信号を受信し、対応して第2電気信号を発生させるアンテナと、
該第2電気信号に対応する受信回路と、
前記アンテナに前記第1所定周波数周辺で共鳴周波数を提供する同調回路と、
該アンテナと該同調回路との間で直列に設置され、それらの間のインピーダンスを変動させて第2所定周波数にて該アンテナ内で前記第2電気信号に第3電気信号を発生させ、該アンテナに該第3電気信号から発生する第4RF電磁信号を送信させるモジュレータと、
を含んで構成されていることを特徴とするトランシーバ。
【請求項10】
第1所定周波数と第2所定周波数は実質的に異なることを特徴とする請求項9記載のトランシーバ。
【請求項11】
同調アンテナであって、
第1所定周波数を有した第1RF電磁信号を受信して第2電気信号を発生させるコイルと、
該コイルと並列に接続され、該第1所定周波数周辺で本同調アンテナに共鳴周波数を提供するキャパシタと、
該キャパシタと直列に設置され、変動インピーダンスを提供し、第2電気信号に第2所定周波数にて前記コイル内で第3電気信号を発生させ、該コイルに該第3電気信号から発生する第4RF電磁信号を送信させるモジュレータと、
を含んで構成されていることを特徴とする同調アンテナ。
【請求項12】
トランシーバとの間で第1RF電磁信号を送信して第4RF電磁信号を送信する方法であって、
アンテナで第1所定周波数を有した該第1RF電磁信号を受信し、対応して該アンテナ内で第2電気信号を発生させるステップと、
該第2電気信号を受信回路に提供するステップと、
同調回路で該アンテナを同調させて前記第1所定周波数周辺で共鳴周波数を持たせるステップと、
該アンテナと該同調回路との間のインピーダンスを変動させ、前記第2電気信号に第2所定周波数にて該アンテナ内で第3電気信号を発生させ、該第3電気信号から前記第4RF電磁信号を発生させて送信させるステップと、
を含んで構成されていることを特徴とする送受信方法。
【請求項13】
トランシーバとの間で第1RF電磁信号を送信して第4RF電磁信号を送信する方法であって、
第1所定周波数を有したコイルで該第1RF電磁信号を受信するステップと、
該コイルと並列にキャパシタを接続してアンテナに該第1所定周波数周辺で共鳴周波数を提供するステップと、
前記第1RF電磁信号から第2電気信号を発生させるステップと、
該キャパシタと直列に設置され、両方に変動インピーダンスを提供させて第2電気信号に第2所定周波数にて前記コイル内で第3電気信号を発生させ、該コイルに該第3電気信号から発生する前記第4RF電磁信号を送信させるステップと、
を含んで構成されていることを特徴とする送受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)−(c)】
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【図4(d)】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10(a)−(d)】
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【図10(e)−(g)】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−123910(P2011−123910A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15335(P2011−15335)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【分割の表示】特願2006−261521(P2006−261521)の分割
【原出願日】平成11年1月29日(1999.1.29)
【出願人】(500297111)マゼラン テクノロジー ピーティーワイ.エルティーディー. (8)
【Fターム(参考)】