調節型眼内レンズ(AIOL)アセンブリおよびそのための個別の構成要素
【課題】遠方視の目的に対する最小のジオプタ強度と近方視の目的に対する最大のジオプタ強度との間の連続的に可変のジオプタ強度を有するアセンブリを提供する。
【解決手段】固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿ってAIOL33の移植後のその場の手動の選択的な移動を可能にする調節型眼内AIOLアセンブリ31である。軸方向の移動は、連続した範囲にわたるもの、あるいは一般に約100μmから約300μm離れた、個別の軸方向の制止位置でのものであることができる。発明のAIOLは、比較的小さな切開部を通して人間の目に挿入するのを促進するために少なくとも部分的に折りたたまれるように設計される。
【解決手段】固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿ってAIOL33の移植後のその場の手動の選択的な移動を可能にする調節型眼内AIOLアセンブリ31である。軸方向の移動は、連続した範囲にわたるもの、あるいは一般に約100μmから約300μm離れた、個別の軸方向の制止位置でのものであることができる。発明のAIOLは、比較的小さな切開部を通して人間の目に挿入するのを促進するために少なくとも部分的に折りたたまれるように設計される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調節型眼内レンズアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
「Accommodating Lens Assembly」という名称のPCT国際公開番号第WO03/015669号の下に2003年2月27日に公開された、本願の権利者が保有するPCT国際出願第PCT/IL02/00693号は、調節(遠近調節)型眼内レンズ(以下AIOL)アセンブリを例示および記載し、その内容は本明細書に参照によって組み込まれる。AIOLアセンブリはそれぞれ、ハプティック(haptics)システムの括約筋様の毛様体の操作の下にあり、後方からそれに対して働く人間の目のカプスラー・ダイアフラム(capsular diaphragm)によって影響される連続的に可変のジオプタ強度のAIOLに関する参照平面としての働きをすることができるように、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点で人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムを備える。ハプティックシステムは、滑動拡張用の伸縮ハプティック部材を備える強固な平面状ハプティックプレートを備える。ハプティックプレートおよびハプティック部材は、PCT国際公開番号第WO02/065951号の下で「Intraocular Lens」という名称で2002年8月29日に公開され、その内容が本明細書に参照によって組み込まれる、本願の権利者が保有するPCT国際出願番号第PCT/IL02/00128号に例示および記載されるような自己取付け式のものであることが好ましい。
【0003】
PCT国際公開第WO2005/104994号の下で「Accommodating
Intraocular Lens Assemblies and Accommodation Measurement Implant」という名称の2005年11月10に公開された、本願の権利者が保有するPCT国際出願第PCT/IL2005/000456号は、人間の目の毛様体の収縮状態でAIOLが非圧縮状態になるのを確実にするために、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して所望の位置に人間の目の視軸に沿って移植後にAIOLがその場で手動により、選択的に移動できるようにするAIOLアセンブリを例示および記載している。そのようなその場の手動の選択的な移動は、一般に人間の目の自然の水晶体の内容物を摘出した後の数ヶ月の間に進行する自然の反応であり、最小限の臨床的介入によって主体が次第に視野を変える嚢収縮に対して補正するために移植後に行われる。そのような手動の選択的な移動は、以下のように達成できる。第1のそれに対して手動で移動可能な個別のAIOLを保持するための個別のハプティックシステム。そして第2に、一体に形成されたAIOLのその場の手動の移動に関する塑性変形を受けることができる放射感応(radiation sensitive)領域を有する少なくとも2つのハプティックを備えるハプティックシステム。
【0004】
「Accommodating Intraocular Lens (AIOL),and AIOL Assemblies Including Same」という名称の、本願の権利者が保有するPCT国際出願第PCT/IL2005/001069号は、近方視に対してAIOLに自然な正のジオプタ強度をもたらすための弾性変形可能な形状記憶の円板様の光学素子を弾力的に弾性変形するためのバイアス機構を備えるAIOLを例示および記載している。AIOLは、人間の目の毛様体の弛緩により、人間の目のカプスラー・ダイアフラムにバイアス機構に打ち勝つための外部の力が加わるようにして、遠方視に対するAIOLの自然の正のジオプタ強度を低減するように人間の目に移植されることが意図される。
【0005】
その他のAIOLは、Tennantの米国特許第4,254,509号、Levyの米国特許第4,409,691号、Horn等の等の米国特許第4,888,012号、Turleyの米国特許第4,892,543号、Christie等の米国特許第4,932,966号、Cummingの米国特許第5,476,514号、Skottun
の米国特許第5,489,302号、Cummingの米国特許第5,496,366号、Klaasの米国特許第5,522,891号、Cummingの米国特許第5,674,282号、Skottunの米国特許第6,117,171号、Cummingの米国特許第6,197,059号、Woodsの米国特許第6,299,641号、Cumming等の米国特許第6,342,073号、Cummingの米国特許第6,387,126号、Laguette等の米国特許第6,406,494号、Sarfaraziの米国特許第6,423,094号、Woodsの米国特許第6,443,985号、Skottonの米国特許第6,464,725号、Cummingの米国特許第6,494,911号、Lang等の米国特許第6,503,276号、Cummingの米国特許第6,638,306号、Preussnerの米国特許第6,645,245号、Eschの米国特許出願公開第2004/0169816号、およびEP1321112に例示および記載されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様は、遠方視の目的に対する最小のジオプタ強度と近方視の目的に対する最大のジオプタ強度との間の連続的に可変のジオプタ強度を有するように、それぞれが第1のジオプタ強度での非圧縮形状と第1のジオプタ強度とは異なる第2のジオプタ強度での圧縮された形状との間で弾力的に弾性変形可能な少なくとも1つの形状記憶の光学素子を備える調節型眼内(AIOL)アセンブリを指向している。AIOLアセンブリは、人間の目のカプスラー・ダイアフラムが、毛様体が収縮した位置と毛様体が弛緩した位置との間で往復運動する利点を最大限に生かすための正確なAIOLの装備を可能にするための移植後の固定的な取付け点に対して、人間の目の視軸に沿ってAIOLがその場で手動により選択的に移動することを意図するものである。軸方向の移動は、前述のPCT国際公開第WO2005/104994号と同様に連続した範囲にわたるもの、あるいは一般に約100μmから約300μm離れた、個別の軸方向の制止位置でのものであることができる。段階的な軸方向への移動は、単一の制止位置を有する従来の白熱電球の取付け部品と同様のいわゆる「押してねじる」バイオネット装置によって可能になることが好ましい。AIOLアセンブリは、それぞれ、可変のジオプタ強度を有するAIOLとは異なり人間の目の中に固定的なジオプタ強度のIOLを自己取付け式に移植するのにも適したハプティックシステムを備える。
【0007】
本発明の別の態様は、比較的小さな切開部を通して人間の目に挿入するのを容易にするための、たとえば鉗子等の従来の眼科の手術器具を使用して加えることができるような適度の力の下で少なくとも部分的に折りたたむことに適しているAIOLを指向している。AIOLは、前述の現場での軸方向の移動を可能にするための個別のハプティックシステムと共に使用するための個別の構成要素として提供することができる。個別のAIOLは、その場の操作を可能にする手持ち操作器具の先端を受けるための前面側からアクセス可能な一般に2つ以上の操作孔を設けられる。操作孔は、周面に配置された操作リング、めくら操作ノッチ等の様式であることができる。あるいは、AIOLは、前述のその場の軸方向の移動を可能にするための塑性変形を受けることができる放射感応領域を有する少なくとも2つの細長いハプティックを備えるハプティックシステムと共に一体に形成できる。
【0008】
次に、本発明を理解し、実際にどのように実施できるかを理解するために、好ましい実施形態を同様の部品が同様に番号を付けられた添付の図面を参照して限定されない例によってのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】人体の軸方向平面においての人間の目の自然な近方視状態での前方部分の断面図である。
【図2】人体の軸方向平面においての人間の目の自然な遠方視状態での前方部分の断面図である。
【図3】形状記憶の光学素子を収容する平坦にされた球面形状を有する個別のハプティックシステムおよび個別のAIOLを備える分解された「押してねじる」AIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図4】図3のハプティックシステムの分岐した取付けプレートの接近正面図である。
【図5】図3のハプティックシステムの段を付けたトラックの絵画的表現図である。
【図6】図3のAIOLが小さな切開部を通して人間の目への挿入のために鉗子によって折りたたまれた絵画的表現図である。
【図7】図3のAIOLと一体に形成されたハプティックシステムを備えるユニット式のAIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図8】図3のAIOLの図3の線B−Bに沿った非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図9】図3のAIOLの図3の線B−Bに沿った圧縮状態での長手方向断面図である。
【図10】組立て前の図3のAIOLアセンブリの側面図である。
【図11】最も後方の軸方向制止位置での図3のAIOLアセンブリの側面図である。
【図12】中間の軸方向制止位置での図3のAIOLアセンブリの側面図である。
【図13】最も前方の軸方向制止位置での図3のAIOLアセンブリの側面図である。
【図14】人間の目の視軸に沿った最初の位置での図3のAIOLアセンブリを移植された人体の軸方向平面においての人間の目の前方図の断面図である。
【図15】嚢収縮を補償するための、人間の目の視軸に沿ったその後の位置での図3のAIOLアセンブリを移植された人体の軸方向平面においての人間の目の前方図の断面図である。
【図16】個別のハプティックシステムおよび個別の複式の蛇腹様のAIOLを備える、分解された「押してねじる」AIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図17】図16の複式の蛇腹様のAIOLと一体に形成されたハプティックシステムを備えるユニット式のAIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図18】図16の複式の蛇腹様のAIOLの非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図19】図16の複式の蛇腹様のAIOLの圧縮状態での長手方向断面図である。
【図20】図16のAIOLアセンブリを移植された人体の軸方向平面においての人間の目の収縮した毛様体の状態での前方図の断面図である。
【図21】図16のAIOLアセンブリを移植された人体の軸方向平面においての人間の目の弛緩した毛様体の状態での前方図の断面図である。
【図22】人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムに使用するための別の個別のAIOLの分解図である。
【図23】図22のAIOLの非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図24】図22のAIOLの圧縮状態での長手方向断面図である。
【図25】人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムに使用するための別の個別のAIOLの非圧縮状態での側面図である。
【図26】図25のAIOLの圧縮状態での側面図である。
【図27】図25のAIOLの非圧縮状態での断面図である。
【図28】図25のAIOLの圧縮状態での断面図である。
【図29】人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムに使用するための別の個別のAIOLの非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図30】図29のAIOLの圧縮状態での長手方向断面図である。
【図31】人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムに使用するための別の個別のAIOLの非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図32】人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムに使用するための別の個別のAIOLの非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図33】別の「押してねじる」バイオネット装置による、分解された「押してねじる」AIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図34】別の「押してねじる」バイオネット装置による、分解された「押してねじる」AIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図35】人間の目の視軸に沿ってAIOLのその場の手動の選択的な軸方向移動を可能にするねじ装置を備える分解されたAIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1および2は、人体の軸方向平面において、それぞれ自然な近方および遠方視状態の視軸VAを有する人間の目10の前方部分の断面図である。人間の目10は、環状の強膜角膜接合部(sclero−corneal juncture)13で強膜12として知られる強靭な結合組織からできた球面状の外側の体部(exterior body)に周囲が連結している角膜11を有する。虹彩14がその付け根16から強膜角膜接合部13で内側に人間の目10の中に延出し、人間の目の前方部分を前眼房17と後眼房18に分割する。毛様体19として知られる括約筋様の周囲の構造は、副交感神経によって動かされる毛様体筋21を収容する毛様体突起を備える。毛様体筋21は、小帯線維22に連結し、それは自然の水晶体27をエンローブする(enrobing)前嚢24および後嚢26を有する水晶体嚢23として知られる膜の赤道の縁部に周囲が連結する。虹彩の付け根16および毛様体19は、毛様溝28として知られる強膜角膜接合部13で強膜12の内側表面の部分の境界を定める。自然の水晶体27の摘出後に残る前嚢24の残りの部分および損なわれていない後嚢26は、以降カプスラー・ダイアフラム29と呼ばれる。毛様体19の収縮によって、近方視のためのより大きな正の屈折力(optical power)を得るために視軸VAに沿ってレンズ27がその自然の厚さT1に厚さを増やすことができるようにする(図1を参照されたい)。毛様体19の弛緩によって、小帯線維22が伸張し、それによって遠方視のためのより低い正の屈折力を得るために、レンズ27を圧縮してその厚さを視軸VAに沿ってT2<T1に減らすために矢印Aによって示されるように水晶体嚢23を径方向外側に引く(図2を参照されたい)。
【0011】
図3は、好ましくは、人間の視力の名目上の範囲にわたって眼鏡を使用しない視力を可能にするために、人間の目の毛様溝28に自己取付けするための「押してねじる」AIOLアセンブリ31を示す。AIOLアセンブリ31は、個別のAIOL33を選択的に保持するための個別のハプティックシステム32、およびハプティックシステム32に対して、すなわち人間の視軸に沿ってAIOL33の段階的な軸方向移動を行うための「押してねじる」バイオネット装置34を備える。細長いシャフト37を備える手持ち操作器具36および先端38Aを備える傾斜した端部片38は、その場でAIOLアセンブリ31を組み立て、ハプティックシステム32に対して段階的に軸方向に移動するためのAIOL33を操作するために使用される。
【0012】
ハプティックシステム32は、PMMA等の適切な強固な生体適合性の透明なポリマー材料から作製される。ハプティックシステム32は、人間の目の視軸と同方向となるように意図される長手方向軸39を有する。ハプティックシステム32は、人間の目の瞳に対応する4mm〜5mmの領域の直径D1、および長手方向軸39に沿った1mm±0.5mmの軸方向長さL1を備える管状の主要本体41を備える(図10を参照されたい)。ハプティックシステム32は、長手方向軸39に垂直な平面で反対方向に主要本体41から延出する一対の正反対に延出するC字型のハプティック42を有する。ハプティック42は、それらが比較的小さな切開部を通して人間の目にハプティックシステム32を挿入することを容易にするための矢印Cによって示される主要本体41の周りを取り囲むための従来の眼科の手術器具を使用して加えられるような適度な力の下で十分に可撓性を有するように長手方向軸39に垂直な平面に薄い輪郭を有する。図3は、ハプティック42が主要本体41の周りを取り囲むことを示すために点線でハプティック42を示す。ハプティック42は、それらがそれに沿った圧縮力に対して強固であるように長手方向軸39に沿って広い輪郭を有する。ハプティックの広い輪郭は、主要本体41に隣接する近位端4
2Aから、それから離れた分岐した取付けプレート43で終端する遠位端42Bまでテーパーが付いていることが好ましい。
【0013】
図4は、長手方向軸39に垂直な平面の正面図で正方形に近い形状を有する取付けプレート43を示し、人間の目の強膜12の強靭な結合組織内に力を伴う穿通を行うために十分な強度の一対の離隔した、とがった穴あけ部材44を備えて形成される。取付けプレート43は、ハプティック42に向かってとがっている二等辺の形状の切抜き46を有し、それが人間の目の強膜12に当接するとき、強膜12に取付けプレート43が最大に穿通することを決定するための中央の狭い接合部47を残す。穴あけ部材44は、長手方向軸39に垂直な平面で少なくとも1mm、好ましくは約2mmと3mmの間の最小の先端の離隔TSを有する先端44Aを有する。穴あけ部材44は、それらが約1mmの強膜の厚さの半分よりわずかに多く穿通できるように、先端44Aと接合部47との間で測定されるような少なくとも0.5mmの最小の先端の高さTHを有する。先端の高さTHは、好ましくは約0.8mmと1.3mmの間である。取付けプレート43は、その場の操作の目的で手持ち操作器具の先端38Aを選択的に受けるための、切抜き46とハプティック42の間の中央部分にある操作孔48と共に形成される。操作孔48は、好ましくは約0.4mm径の貫通ボアによって形成される。
【0014】
主要本体41は、2つ以上の等距離で段を付けられたトラック52を備えて形成される内部表面51を有し、そのトラック52のうちの1つだけを図3で見ることができる。図5は、AIOL33がハプティックシステム32に対して軸方向に移動できるようにする3つの軸方向に向けられたチャネル53A、53B、および53C、およびAIOL33がハプティックシステム32に対して回転的に移動できるようにし、AIOL33が人間の目の視軸に対して軸方向に不慮のすべりを起こすのを防止する3つの周囲の溝54A,54B、および54Cを有する段を付けられたトラック52を示す。軸方向に向けられたチャネルは周囲の幅Wを有する。人間の目の視軸に沿って、それぞれ、周囲の溝54AはAIOLの最後方の制止位置に対応し、周囲の溝54BはAIOLの中間の位置に対応し、周囲の溝54CはAIOLの最前方の位置に対応する。
【0015】
図3、8、9は人間の目の視軸と同方向になるように意図された長手方向軸56、ならびに中空の平坦な球面形状のハウジング57、前面58Aを有する環状の前方部材58、および後面59Aを有する後方部材59を有するAIOL33を示す。前面58Aは、主要本体41の直径よりもわずかに小さい直径を有する、前方に面する孔62を画成する内側のリム61を有する。ハウジング57は、孔62によって露出する中央部分66Aを有する前面66を有する形状記憶の光学素子64を収容するキャビティ63を画成する。後方部材59は、全く屈折力を伴わずに、あるいは好ましくは図示されるように正のジオプタ強度を有する平凸の光学部材として形成できる。ハウジング57は、人間の目のカプスラー・ダイアフラム29の大部分を受けるように、成人用寸法のAIOL33に対して少なくとも6mm、好ましくは約7mm±1mmの直径D2を有する。
【0016】
AIOL33は、軸方向長さL2、ならびに人間の目の前方向に面するための前端部67A、および人間の目において後ろ方向に面するための後端部67Bを有する強固な管状のケーシング67を備える(図10を参照されたい)。後端部67Bは、内部リム61を受けるための溝68と共に形成され、それによって、ケーシング67は、光学素子64を選択的に圧縮するために、それに対して往復することができる。ケーシング67は、段を付けられたトラック52に沿って移動するためのラグ71を備える周囲の円筒形の面69を有する。ラグ71は、周囲の長さL3を有する。ただしW=L3+Δである。ハウジング57は、人間の目にAIOL33を移植する際に後ろ方向からAIOL33のその場の操作を可能にする手持ち操作器具の先端38Aを選択的に受けるための、周囲のリム57Aの操作リング72、および/または前面58Aのめくら操作ノッチ73と共に形成される。
【0017】
ハウジング57、光学素子64、およびケーシング67は、異なる密度(consistencies)の適切な生体適合性の透明のポリマー材料から形成されることが好ましく、その材料は、たとえば比較的小さな切開部を通して人間の目にAIOL33を挿入す
るのを容易にするための鉗子74等の従来の眼科の手術器具を使用して加えることができるような適度な力の下で弾性変形できる(図6を参照されたい)。ケーシング67は、一般にたとえばPMMA等の比較的強固なポリマー材料から形成され、一方でハウジング57はより固さの少ないシリコーンまたはアクリルベースのポリマー材料から形成され、光学素子64は、より柔軟なシリコーンゲルまたはより柔軟なアクリルベースのポリマー材料から形成される。たとえば、ハウジング57はMED6400ポリマー材料から形成でき、光学素子64は、MED3−6300ポリマー材料から形成でき、両方のポリマー材料は、米国カリフォルニア州のNuSil Silicon Technology社から市販されている(www.nusil.com)。
【0018】
図7は、人間の目の視軸と同方向になることが意図される長手方向軸81、およびAIOL33と共に一体に形成され、それによってハプティックシステムの主要本体として効果的に機能するハプティックシステム82を有するユニット式のAIOLアセンブリ80を示す。ハプティックシステム82は、ハプティックシステム32と同様に長手方向軸81に垂直な平面で反対方向にAIOL33から延出する一対の正反対に延出するC型のハプティック83を備える。この場合、ハプティック83は、IR感応性のインドシアニングリーン(ICG)等の放射感応性の生体適合性材料を含浸された領域84を有し、それによって材料がいわゆるガラス転移温度に加熱されると塑性変形できるようになり、前述のPCT国際公開第2005/104994号に例示および説明されるように移植後にその場で軸方向に移動できるようになる。
【0019】
図8は、AIOLの非圧縮状態で露出した中央部分66Aを含む連続的なわずかに曲線をなす前面66を有する光学素子64の非圧縮形状を示す。図9は、AIOL33を圧縮状態に圧縮するために、長手方向軸39に沿って圧縮力Fを加えるとき、ケーシング67内に前方に膨張する光学素子64の圧縮形状を示す。膨張する形状は圧縮力に依存し、圧縮した形状で非圧縮形状よりも膨張し、AIOL33は、遠方視に適した最小のジオプタ強度から近方視に適した最大のジオプタ強度に連続的に可変のジオプタ強度を有する。光学素子64は一般に、自然の水晶体27の屈折率と同様のまたはそれより大きな屈折率を有し、それによって、非圧縮状態では、遠方視に適し、圧縮状態では近方視に適している。光学素子64が人間の目の眼房水よりも少ない屈折率を有する場合には、光学素子64は、非圧縮状態では近方視に適し、圧縮状態では遠方視に適しているように凹レンズとして機能する。
【0020】
図10〜図13は、人間の目の視軸に沿ってAIOL33をその場で調整するための「押してねじる」バイオネット装置34の使用を示す。AIOL33は、ハプティックシステム32の後方に装備され、ラグ71がチャネル53Aと位置が合うように回転される。AIOL33は、ラグ71をチャネル53Aに挿入するために前方向に配置され、最も後方の位置をとるために、後ろ方向から溝54Aに沿った中ほどにAIOL33を向けるときに時計周りの方向に回転される(図11を参照されたい)。AIOL33をS2<S1によって示される人間の目の視軸に沿って中間の制止位置に位置決めすることは、チャネル53Bに到達するためにハプティックシステム32に対してAIOL33をさらに時計方向に回転させ、溝54Bに到達するためにチャネル53Bに沿って前方向にAIOL33を移動し、ハプティックシステム32に対してAIOL33を時計方向に回転させることを伴う(図12を参照されたい)。AIOL33をS3<S2によって示される人間の目の視軸に沿って最も前方の位置に位置決めすることは、チャネル53Cに到達するためにハプティックシステム32に対してAIOL33をさらに時計回りに回転させ、溝54Cに到達するためにチャネル53Cに沿って前方向にAIOL33を移動し、ハプティックシステム32に対してAIOL33をさらに時計回りに回転させることを伴う(図13を参照されたい)。
【0021】
次に、自然の水晶体27を除去し、損なわれていないままの後嚢26に重なる前嚢24の残部を含む二層のカプスラー・ダイアフラム29を残すようにした後に人間の目10にAIOLアセンブリ31を移植することが、図14および図15を参照して説明される。AIOLアセンブリ31は、AIOLの長手方向軸56がハプティックシステムの長手方
向軸39と一致するように設定される。AIOLアセンブリ31は一般に、虹彩の筋を弛緩させるために毛様体筋麻痺薬の液滴を局部に投与した後、人間の目10内に移植され、それによって虹彩14のすぐ後ろの後眼房18にアクセスするのを容易にするために瞳を拡張させる。そのような投与により、人間の目10を毛様体が弛緩した状態にすることを含み、それによって調節の目的のためにカプスラー・ダイアフラム29を残したまま自然の水晶体27を除去することによりいくらか緩みのあるカプスラー・ダイアフラム29に張りを与えることも誘発される。図14は、ハプティックシステムの穴あけ部材44が、環状の毛様溝28にAIOLアセンブリ31を保持するための固定的な取付け点APで強膜12に強制的に挿入されたことを示す。図14は、AIOLアセンブリ31の長手方向軸41および56が人間の目の視軸VAと同方向、好ましくは同軸であるようにAIOLアセンブリ31が装備され、後面59Aがカプスラー・ダイアフラム29に後ろ方向に押し付けられ、図9に示されるようにAIOL33をその圧縮した状態に押しやるのに十分に張った状態になるために、カプスラー・ダイアフラム29に張りを与えることも示す。AIOL33は、それが図8に示すように非圧縮状態になることができるように毛様体19の収縮が意図されるように装備され、それによって人間の目のカプスラー・ダイアフラム29の往復運動の最大限の範囲にわたる調節をもたらす。しかし、嚢収縮の場合には、人間の目の毛様体が収縮した状態でAIOL33はそれが最大限に非圧縮状態になることができず、それによって嚢収縮の度合いに応じてAIOL33が少なくとも部分的に圧縮したままになり、それによって調整能力が低下する。AIOL33の調節能力は、AIOL33を前方向に中間の制止位置または最も後方の制止位置へ移動することによって回復される(図15を参照されたい)。
【0022】
図16は、個別のハプティックシステム32および個別の複式の蛇腹様のAIOL91を備えるAIOLアセンブリ90を示す。AIOL91は、人間の目の視軸と同方向になるように意図された長手方向軸92、ならびに段を付けられたトラック52に沿って移動するためのラグ96を備えるリング94を有するハウジング93、前面98を有する前方部材97、および後面101を有する後方部材99を有する。ハウジング93は、リング94と前方部材97の間の前部の形状記憶の弾力的に弾性変形可能な蛇腹様の光学素子102、およびリング94と後方部材99の間の後部の形状記憶の弾力的に弾性変形可能な蛇腹様の光学素子103を備える。前方部材97は、AIOL33のその場の操作を可能にするための手持ち操作器具の先端38Aを選択的に受けるためのめくら操作ノッチ104と共に形成される。
【0023】
リング94、前方部材97、後方部材99、および光学素子102および103は、異なる密度の適切なポリマーベースの生体適合性の透明な材料から形成されることが好ましい。リング94は、一般にたとえばPMMA等の比較的強固なポリマー材料から形成され、一方で前方部材97および後方部材99はより固さの少ないシリコーンまたはアクリルベースのポリマー材料から形成され、光学的要素102および103は、より柔軟なシリコーンゲルまたはより柔軟なアクリルベースのポリマー材料から形成される。たとえば、前方部材97および後方部材99は、前述のMED6400ポリマー材料から形成でき、光学素子102および103は、前述のMED3−6300ポリマー材料から形成できる。あるいは、リング94は、AIOL91を適切なシリコーンまたは水ベースのゲルを注入できる2つの区画に分割する膜によって形成できる。前方部材97および後方部材99は、屈折力を全く伴わない平坦な光学部材として、または好ましくは図示されるような平凸の光学部材として形成できる。
【0024】
図17は、人間の目の視軸と同方向になることが意図される長手方向軸111、およびAIOL91と共に一体に形成され、それによってハプティックシステムの主要本体として効果的に機能するハプティックシステム112を有するユニット式のAIOLアセンブリ110を示す。ハプティックシステム112は、ハプティックシステム32と同様に長手方向軸111に垂直な平面で反対方向にAIOL91から延出する一対の正反対にC字型の細長いハプティック113を備える。この場合、ハプティック113は、IR感応性のインドシアニングリーン(ICG)等の放射感応性の生体適合性材料を含浸された領域
14を有し、それによって材料がいわゆるガラス転移温度に加熱されると塑性変形できるようになり、前述のPCT国際公開第2005/104994号に例示および説明されるように移植後にその場で軸方向に移動できるようになる。
【0025】
図18は、AIOL91の非圧縮状態の平坦面104Aを有する光学素子102および103の非圧縮形状を示す。図19は、リング94を固定位置に保持する際に前方部材97の方向に後面101に対して圧縮力Fを加えると、光学素子102の中に膨張して湾曲面104Bを形成し、それによって前方部材97をリング94から離すために光学素子102を前方に拡張させる光学素子103を示す。光学素子103は、より大きな圧縮力によって光学素子102内により多く膨張し、AIOL91は、遠方視に適した最小のジオプタ強度から近方視に適した最大のジオプタ強度に連続的に可変であるジオプタ強度を有する。
【0026】
光学素子102は、屈折率n2を有することが好ましく、それは光学素子の屈折率n1より大きく、湾曲面104Bは、AIOL91が非圧縮状態で近方視に適し(図18および図20を参照されたい)、圧縮状態で遠方視に適している(図19および図21を参照されたい)ように、負の屈折力を有する凹レンズとして機能する。AIOL91は、主体の目が圧縮力Fを加えると全体に負の屈折力を有するように、圧縮した状態で非常に大きな負の屈折力を生成するように設計できる。この場合、主体は、正のレンズを備える眼鏡をかけることができ、それによって主体の目および眼鏡がガリレイ望遠鏡を構成し、遠くの対象物を拡大して見ることができるようになる。
【0027】
図22〜図24は、人間の目の環状の毛様溝に自己取付け式に移植するためのハプティックシステム32に使用するのに適した個別のAIOL120を示す。AIOL120は、人間の目の視軸と同方向になるように意図された長手方向軸120A、前方部材122を備える前端部121Aを有する円筒形ハウジング121、およびハウジング121に対して往復するピストン123を備える後端部121Bを有する。ハウジング121は、たとえばPMMA等の適切な強固な生体適合性の透明な材料から形成される。前方部材122は、ハウジング121内に形成された一対の孔126にスナップ嵌めで挿入するために一対のクランプ部材124と共に形成される。ピストン123は、ハウジング121の後面129に形成される一対のキー溝128に挿入するための一対の鍵127と共に形成される。ハウジング121内でピストン123を四分の一回転することにより、ピストン123がハウジング121から係脱するのが防止され、それに対して往復できるようになる。ハウジング121は、長手方向軸120Aに対する周囲の孔131および後面129と孔131の間に装備された環状のフランジ132(図23および図24を参照されたい)が設けられている。好ましくは、後方部材122およびピストン123の両方が正の屈折力を有し、またはその代わりに平凸前方部材122および平坦なピストン123の場合と同様にそれらのうちの1つのみが正の屈折力を有する。
【0028】
ハウジング121は、光学素子133および134が、AIOL120が圧縮状態で平坦面136Aを有し(図23を参照されたい)、AIOL120が圧縮状態で湾曲面136B(図24を参照されたい)を有する限り、AIOL91と同様に一対の形状記憶の円板様の光学素子133および134を収容する。図24は、光学素子133内に膨張する光学素子134を示し、それによって、光学素子133を、孔131を通って径方向に膨張させる。光学素子133が光学素子134よりも大きな屈折率を有する場合、AIOL120が非圧縮状態での近方視(図23を参照されたい)、および圧縮状態での遠方視(図24を参照されたい)に適するように湾曲面136Bは、凹レンズとして機能する。前端部121Aは、段を付けられたトラック52に沿って移動するためにラグ137と共に形成される。前方部材122は、AIOL120のその場の操作を可能にするための手持ち操作器具の先端38Aを選択的に受けるためのめくら操作ノッチ138(図示されない)と共に形成される。
【0029】
図25〜図28は、人間の目の環状の毛様溝に自己取付け式に移植するためのハプティックシステム32に使用するのに適した個別のAIOL140を示す。AIOL140は、AIOL120と操作において同様であるが、AIOL140が比較的小さな切開部を
通して主体の目に挿入するのを促進するための単一のモノリシック構造として構築される限りそれとは異なる。AIOL140は、前方部材142を有するハウジング141、非圧縮状態と圧縮状態の間で往復するのを可能にする可撓性の膜144によってハウジング141に接合されたピストン部材143、周囲の孔146、および環状のフランジ147を備える。ハウジング141は、その中に注入できる光学素子148および149を収容し、それは非圧縮状態のAIOL140で平坦面151A(図27を参照されたい)およびAIOL140の圧縮状態で湾曲面151B(図28を参照されたい)を有する。光学素子148が光学素子149よりも大きな屈折率を有する場合、AIOL140が非圧縮状態での近方視(図27を参照されたい)、および圧縮状態での遠方視(図28を参照されたい)に適するように湾曲面151Bは、凹レンズとして機能する。ハウジング141は、段を付けられたトラック52に沿って移動するためのラグ152と共に形成される。前方部材142は、AIOL140のその場の操作を可能にするための手持ち操作器具の先端38Aを選択的に受けるためのめくら操作ノッチ153と共に形成される。
【0030】
図29および図30は、人間の目の環状の毛様溝に自己取付け式に移植するためのハプティックシステム32に使用するのに適した個別のAIOL170を示す。AIOL170は、前方部材172を備えるカップ形状のハウジング171、および最も拡張した位置(図29を参照されたい)と最も圧縮した位置(図30を参照されたい)との間で往復する後部管状ピストン173を備える。ハウジング171は、非圧縮の円板様形状(図29を参照されたい)と圧縮力Fを加えるとき後ろ方向にピストン173内に膨張する圧縮形状(図30を参照されたい)との間で弾力的に弾性変形可能な形状記憶の光学素子174を収容する。ハウジング171は、たとえばPMMA等の適切な強固な生体適合性の材料から形成される。光学素子174は一般的に、人間の目の眼房水の屈折率よりも大きな屈折率を有する適切なシリコーンまたは水ベースのゲルによって構成され、それによってAIOL170が非圧縮状態(図29を参照されたい)で遠方視に適し、圧縮状態(図30を参照されたい)で近方視に適するようになる。
【0031】
図31は、人間の目の環状の毛様溝に自己取付け式に移植するためのハプティックシステム32に使用するのに適した個別のAIOL180を示す。AIOL180は、中央の孔183を有する前方部材182を備えるカップ形状のハウジング181、形状記憶の円板様の光学素子184、および半球状の後方部材186を備える。光学素子184は、本来の円板様の形状と圧縮力Fを加えたときの孔183を通る膨張との間で弾力的に弾性変形可能である。ハウジング181は、たとえばPMMA等の適切な強固な生体適合性の材料から形成される。光学素子184は一般的に、人間の目の眼房水の屈折率よりも大きな屈折率を有する適切なシリコーンまたは水ベースのゲルによって構成され、それによってAIOL180が本来の状態で遠方視に適し、圧縮状態で近方視に適するようになる。
【0032】
図32は、人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定するようになされたハプティックシステムに使用するのに適した個別のAIOL190を示す。AIOL190は、前方部材192を備えるカップ形状のハウジング191、本来の球面形状と前方部材192の方向にそれに対して圧縮力Fを加えたときに平坦な形状との間で弾力的に弾性変形可能な形状記憶の球面状光学素子193を備える。光学素子193は一般的に、人間の目の眼房水の屈折率よりも大きな屈折率を有する適切なシリコーンまたは水ベースのゲルによって構成され、それによってAIOL190が本来の状態で近方視に適し、圧縮状態で遠方視に適するようになる。
【0033】
図33は、「押してねじる」AIOLアセンブリ31と構成および操作が同様であるが個別のAIOL201が後方ではなく前方から個別のハプティックシステム202に挿入される限りAIOLアセンブリ31とは異なる「押してねじる」AIOLアセンブリ200を示す。この場合、AIOL201は、手持ち操作器具36によってその場の操作を可能にするための一対のめくら操作ノッチ203を設けられる。
【0034】
図34は、「押してねじる」AIOLアセンブリ31と構成および操作が同様であるが、「押してねじる」バイオネット装置34に対して逆の「押してねじる」バイオネット装置を有する限りAIOLアセンブリ31とは異なる「押してねじる」AIOLアセンブリ
210を示す。言い換えれば、AIOLアセンブリ210は、ハプティックシステム211およびAIOL212を備え、前者はラグ213を設けられ後者は2つ以上の等間隔に段を付けられたトラック214と共に形成される。逆の「押してねじる」バイオネット装置は、主要本体の軸方向長さL1より長い調整ストロークに沿ってその場の手動の選択的な軸移動を可能にするために、個別のAIOLが主要本体の軸方向長さL1より大きな軸方向長さL2と共に形成できる限り、「押してねじる」バイオネット装置34より有利である。AIOL212は、手持ち操作器具36によってその場の操作を可能にするためのめくら操作ノッチ216と共に形成される。逆の「押してねじる」バイオネット装置は、図示のようなまたは前方向または「押してねじる」バイオネット装置34と同様の後ろ方向からハプティックシステム211に挿入されるAIOL212と共に実施できる。
【0035】
図35は、AIOLアセンブリ31と同様のAIOLアセンブリ220を示すが、個別のハプティックシステム223に対する個別のAIOL222の相対移動を可能にするために、「押してねじる」バイオネット装置34の代わりにねじ装置(screw thread arrangement)221を使用する。AIOLアセンブリ220は、主要本体の軸方向長さL1よりも長い人間の目の視軸に沿った調整ストロークを可能にするために直ちに実施することもできる。AIOL222は、手持ち操作器具36によってその場の操作を可能にするための一対のめくら操作ノッチ224を設けられる。
【0036】
本発明は限定された数の実施形態に対して説明されてきたが、添付の特許請求の範囲内で本発明に多くの変形、修正、およびその他の適用を行うことができることが理解されるであろう。個別のAIOL120、140、170、および180は、ユニット式のAIOLアセンブリ80および110と同様にユニット式のAIOLアセンブリとして直ちに形成できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、調節型眼内レンズアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
「Accommodating Lens Assembly」という名称のPCT国際公開番号第WO03/015669号の下に2003年2月27日に公開された、本願の権利者が保有するPCT国際出願第PCT/IL02/00693号は、調節(遠近調節)型眼内レンズ(以下AIOL)アセンブリを例示および記載し、その内容は本明細書に参照によって組み込まれる。AIOLアセンブリはそれぞれ、ハプティック(haptics)システムの括約筋様の毛様体の操作の下にあり、後方からそれに対して働く人間の目のカプスラー・ダイアフラム(capsular diaphragm)によって影響される連続的に可変のジオプタ強度のAIOLに関する参照平面としての働きをすることができるように、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点で人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムを備える。ハプティックシステムは、滑動拡張用の伸縮ハプティック部材を備える強固な平面状ハプティックプレートを備える。ハプティックプレートおよびハプティック部材は、PCT国際公開番号第WO02/065951号の下で「Intraocular Lens」という名称で2002年8月29日に公開され、その内容が本明細書に参照によって組み込まれる、本願の権利者が保有するPCT国際出願番号第PCT/IL02/00128号に例示および記載されるような自己取付け式のものであることが好ましい。
【0003】
PCT国際公開第WO2005/104994号の下で「Accommodating
Intraocular Lens Assemblies and Accommodation Measurement Implant」という名称の2005年11月10に公開された、本願の権利者が保有するPCT国際出願第PCT/IL2005/000456号は、人間の目の毛様体の収縮状態でAIOLが非圧縮状態になるのを確実にするために、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して所望の位置に人間の目の視軸に沿って移植後にAIOLがその場で手動により、選択的に移動できるようにするAIOLアセンブリを例示および記載している。そのようなその場の手動の選択的な移動は、一般に人間の目の自然の水晶体の内容物を摘出した後の数ヶ月の間に進行する自然の反応であり、最小限の臨床的介入によって主体が次第に視野を変える嚢収縮に対して補正するために移植後に行われる。そのような手動の選択的な移動は、以下のように達成できる。第1のそれに対して手動で移動可能な個別のAIOLを保持するための個別のハプティックシステム。そして第2に、一体に形成されたAIOLのその場の手動の移動に関する塑性変形を受けることができる放射感応(radiation sensitive)領域を有する少なくとも2つのハプティックを備えるハプティックシステム。
【0004】
「Accommodating Intraocular Lens (AIOL),and AIOL Assemblies Including Same」という名称の、本願の権利者が保有するPCT国際出願第PCT/IL2005/001069号は、近方視に対してAIOLに自然な正のジオプタ強度をもたらすための弾性変形可能な形状記憶の円板様の光学素子を弾力的に弾性変形するためのバイアス機構を備えるAIOLを例示および記載している。AIOLは、人間の目の毛様体の弛緩により、人間の目のカプスラー・ダイアフラムにバイアス機構に打ち勝つための外部の力が加わるようにして、遠方視に対するAIOLの自然の正のジオプタ強度を低減するように人間の目に移植されることが意図される。
【0005】
その他のAIOLは、Tennantの米国特許第4,254,509号、Levyの米国特許第4,409,691号、Horn等の等の米国特許第4,888,012号、Turleyの米国特許第4,892,543号、Christie等の米国特許第4,932,966号、Cummingの米国特許第5,476,514号、Skottun
の米国特許第5,489,302号、Cummingの米国特許第5,496,366号、Klaasの米国特許第5,522,891号、Cummingの米国特許第5,674,282号、Skottunの米国特許第6,117,171号、Cummingの米国特許第6,197,059号、Woodsの米国特許第6,299,641号、Cumming等の米国特許第6,342,073号、Cummingの米国特許第6,387,126号、Laguette等の米国特許第6,406,494号、Sarfaraziの米国特許第6,423,094号、Woodsの米国特許第6,443,985号、Skottonの米国特許第6,464,725号、Cummingの米国特許第6,494,911号、Lang等の米国特許第6,503,276号、Cummingの米国特許第6,638,306号、Preussnerの米国特許第6,645,245号、Eschの米国特許出願公開第2004/0169816号、およびEP1321112に例示および記載されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様は、遠方視の目的に対する最小のジオプタ強度と近方視の目的に対する最大のジオプタ強度との間の連続的に可変のジオプタ強度を有するように、それぞれが第1のジオプタ強度での非圧縮形状と第1のジオプタ強度とは異なる第2のジオプタ強度での圧縮された形状との間で弾力的に弾性変形可能な少なくとも1つの形状記憶の光学素子を備える調節型眼内(AIOL)アセンブリを指向している。AIOLアセンブリは、人間の目のカプスラー・ダイアフラムが、毛様体が収縮した位置と毛様体が弛緩した位置との間で往復運動する利点を最大限に生かすための正確なAIOLの装備を可能にするための移植後の固定的な取付け点に対して、人間の目の視軸に沿ってAIOLがその場で手動により選択的に移動することを意図するものである。軸方向の移動は、前述のPCT国際公開第WO2005/104994号と同様に連続した範囲にわたるもの、あるいは一般に約100μmから約300μm離れた、個別の軸方向の制止位置でのものであることができる。段階的な軸方向への移動は、単一の制止位置を有する従来の白熱電球の取付け部品と同様のいわゆる「押してねじる」バイオネット装置によって可能になることが好ましい。AIOLアセンブリは、それぞれ、可変のジオプタ強度を有するAIOLとは異なり人間の目の中に固定的なジオプタ強度のIOLを自己取付け式に移植するのにも適したハプティックシステムを備える。
【0007】
本発明の別の態様は、比較的小さな切開部を通して人間の目に挿入するのを容易にするための、たとえば鉗子等の従来の眼科の手術器具を使用して加えることができるような適度の力の下で少なくとも部分的に折りたたむことに適しているAIOLを指向している。AIOLは、前述の現場での軸方向の移動を可能にするための個別のハプティックシステムと共に使用するための個別の構成要素として提供することができる。個別のAIOLは、その場の操作を可能にする手持ち操作器具の先端を受けるための前面側からアクセス可能な一般に2つ以上の操作孔を設けられる。操作孔は、周面に配置された操作リング、めくら操作ノッチ等の様式であることができる。あるいは、AIOLは、前述のその場の軸方向の移動を可能にするための塑性変形を受けることができる放射感応領域を有する少なくとも2つの細長いハプティックを備えるハプティックシステムと共に一体に形成できる。
【0008】
次に、本発明を理解し、実際にどのように実施できるかを理解するために、好ましい実施形態を同様の部品が同様に番号を付けられた添付の図面を参照して限定されない例によってのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】人体の軸方向平面においての人間の目の自然な近方視状態での前方部分の断面図である。
【図2】人体の軸方向平面においての人間の目の自然な遠方視状態での前方部分の断面図である。
【図3】形状記憶の光学素子を収容する平坦にされた球面形状を有する個別のハプティックシステムおよび個別のAIOLを備える分解された「押してねじる」AIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図4】図3のハプティックシステムの分岐した取付けプレートの接近正面図である。
【図5】図3のハプティックシステムの段を付けたトラックの絵画的表現図である。
【図6】図3のAIOLが小さな切開部を通して人間の目への挿入のために鉗子によって折りたたまれた絵画的表現図である。
【図7】図3のAIOLと一体に形成されたハプティックシステムを備えるユニット式のAIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図8】図3のAIOLの図3の線B−Bに沿った非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図9】図3のAIOLの図3の線B−Bに沿った圧縮状態での長手方向断面図である。
【図10】組立て前の図3のAIOLアセンブリの側面図である。
【図11】最も後方の軸方向制止位置での図3のAIOLアセンブリの側面図である。
【図12】中間の軸方向制止位置での図3のAIOLアセンブリの側面図である。
【図13】最も前方の軸方向制止位置での図3のAIOLアセンブリの側面図である。
【図14】人間の目の視軸に沿った最初の位置での図3のAIOLアセンブリを移植された人体の軸方向平面においての人間の目の前方図の断面図である。
【図15】嚢収縮を補償するための、人間の目の視軸に沿ったその後の位置での図3のAIOLアセンブリを移植された人体の軸方向平面においての人間の目の前方図の断面図である。
【図16】個別のハプティックシステムおよび個別の複式の蛇腹様のAIOLを備える、分解された「押してねじる」AIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図17】図16の複式の蛇腹様のAIOLと一体に形成されたハプティックシステムを備えるユニット式のAIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図18】図16の複式の蛇腹様のAIOLの非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図19】図16の複式の蛇腹様のAIOLの圧縮状態での長手方向断面図である。
【図20】図16のAIOLアセンブリを移植された人体の軸方向平面においての人間の目の収縮した毛様体の状態での前方図の断面図である。
【図21】図16のAIOLアセンブリを移植された人体の軸方向平面においての人間の目の弛緩した毛様体の状態での前方図の断面図である。
【図22】人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムに使用するための別の個別のAIOLの分解図である。
【図23】図22のAIOLの非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図24】図22のAIOLの圧縮状態での長手方向断面図である。
【図25】人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムに使用するための別の個別のAIOLの非圧縮状態での側面図である。
【図26】図25のAIOLの圧縮状態での側面図である。
【図27】図25のAIOLの非圧縮状態での断面図である。
【図28】図25のAIOLの圧縮状態での断面図である。
【図29】人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムに使用するための別の個別のAIOLの非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図30】図29のAIOLの圧縮状態での長手方向断面図である。
【図31】人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムに使用するための別の個別のAIOLの非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図32】人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定されるようになされたハプティックシステムに使用するための別の個別のAIOLの非圧縮状態での長手方向断面図である。
【図33】別の「押してねじる」バイオネット装置による、分解された「押してねじる」AIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図34】別の「押してねじる」バイオネット装置による、分解された「押してねじる」AIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【図35】人間の目の視軸に沿ってAIOLのその場の手動の選択的な軸方向移動を可能にするねじ装置を備える分解されたAIOLアセンブリの絵画的表現図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1および2は、人体の軸方向平面において、それぞれ自然な近方および遠方視状態の視軸VAを有する人間の目10の前方部分の断面図である。人間の目10は、環状の強膜角膜接合部(sclero−corneal juncture)13で強膜12として知られる強靭な結合組織からできた球面状の外側の体部(exterior body)に周囲が連結している角膜11を有する。虹彩14がその付け根16から強膜角膜接合部13で内側に人間の目10の中に延出し、人間の目の前方部分を前眼房17と後眼房18に分割する。毛様体19として知られる括約筋様の周囲の構造は、副交感神経によって動かされる毛様体筋21を収容する毛様体突起を備える。毛様体筋21は、小帯線維22に連結し、それは自然の水晶体27をエンローブする(enrobing)前嚢24および後嚢26を有する水晶体嚢23として知られる膜の赤道の縁部に周囲が連結する。虹彩の付け根16および毛様体19は、毛様溝28として知られる強膜角膜接合部13で強膜12の内側表面の部分の境界を定める。自然の水晶体27の摘出後に残る前嚢24の残りの部分および損なわれていない後嚢26は、以降カプスラー・ダイアフラム29と呼ばれる。毛様体19の収縮によって、近方視のためのより大きな正の屈折力(optical power)を得るために視軸VAに沿ってレンズ27がその自然の厚さT1に厚さを増やすことができるようにする(図1を参照されたい)。毛様体19の弛緩によって、小帯線維22が伸張し、それによって遠方視のためのより低い正の屈折力を得るために、レンズ27を圧縮してその厚さを視軸VAに沿ってT2<T1に減らすために矢印Aによって示されるように水晶体嚢23を径方向外側に引く(図2を参照されたい)。
【0011】
図3は、好ましくは、人間の視力の名目上の範囲にわたって眼鏡を使用しない視力を可能にするために、人間の目の毛様溝28に自己取付けするための「押してねじる」AIOLアセンブリ31を示す。AIOLアセンブリ31は、個別のAIOL33を選択的に保持するための個別のハプティックシステム32、およびハプティックシステム32に対して、すなわち人間の視軸に沿ってAIOL33の段階的な軸方向移動を行うための「押してねじる」バイオネット装置34を備える。細長いシャフト37を備える手持ち操作器具36および先端38Aを備える傾斜した端部片38は、その場でAIOLアセンブリ31を組み立て、ハプティックシステム32に対して段階的に軸方向に移動するためのAIOL33を操作するために使用される。
【0012】
ハプティックシステム32は、PMMA等の適切な強固な生体適合性の透明なポリマー材料から作製される。ハプティックシステム32は、人間の目の視軸と同方向となるように意図される長手方向軸39を有する。ハプティックシステム32は、人間の目の瞳に対応する4mm〜5mmの領域の直径D1、および長手方向軸39に沿った1mm±0.5mmの軸方向長さL1を備える管状の主要本体41を備える(図10を参照されたい)。ハプティックシステム32は、長手方向軸39に垂直な平面で反対方向に主要本体41から延出する一対の正反対に延出するC字型のハプティック42を有する。ハプティック42は、それらが比較的小さな切開部を通して人間の目にハプティックシステム32を挿入することを容易にするための矢印Cによって示される主要本体41の周りを取り囲むための従来の眼科の手術器具を使用して加えられるような適度な力の下で十分に可撓性を有するように長手方向軸39に垂直な平面に薄い輪郭を有する。図3は、ハプティック42が主要本体41の周りを取り囲むことを示すために点線でハプティック42を示す。ハプティック42は、それらがそれに沿った圧縮力に対して強固であるように長手方向軸39に沿って広い輪郭を有する。ハプティックの広い輪郭は、主要本体41に隣接する近位端4
2Aから、それから離れた分岐した取付けプレート43で終端する遠位端42Bまでテーパーが付いていることが好ましい。
【0013】
図4は、長手方向軸39に垂直な平面の正面図で正方形に近い形状を有する取付けプレート43を示し、人間の目の強膜12の強靭な結合組織内に力を伴う穿通を行うために十分な強度の一対の離隔した、とがった穴あけ部材44を備えて形成される。取付けプレート43は、ハプティック42に向かってとがっている二等辺の形状の切抜き46を有し、それが人間の目の強膜12に当接するとき、強膜12に取付けプレート43が最大に穿通することを決定するための中央の狭い接合部47を残す。穴あけ部材44は、長手方向軸39に垂直な平面で少なくとも1mm、好ましくは約2mmと3mmの間の最小の先端の離隔TSを有する先端44Aを有する。穴あけ部材44は、それらが約1mmの強膜の厚さの半分よりわずかに多く穿通できるように、先端44Aと接合部47との間で測定されるような少なくとも0.5mmの最小の先端の高さTHを有する。先端の高さTHは、好ましくは約0.8mmと1.3mmの間である。取付けプレート43は、その場の操作の目的で手持ち操作器具の先端38Aを選択的に受けるための、切抜き46とハプティック42の間の中央部分にある操作孔48と共に形成される。操作孔48は、好ましくは約0.4mm径の貫通ボアによって形成される。
【0014】
主要本体41は、2つ以上の等距離で段を付けられたトラック52を備えて形成される内部表面51を有し、そのトラック52のうちの1つだけを図3で見ることができる。図5は、AIOL33がハプティックシステム32に対して軸方向に移動できるようにする3つの軸方向に向けられたチャネル53A、53B、および53C、およびAIOL33がハプティックシステム32に対して回転的に移動できるようにし、AIOL33が人間の目の視軸に対して軸方向に不慮のすべりを起こすのを防止する3つの周囲の溝54A,54B、および54Cを有する段を付けられたトラック52を示す。軸方向に向けられたチャネルは周囲の幅Wを有する。人間の目の視軸に沿って、それぞれ、周囲の溝54AはAIOLの最後方の制止位置に対応し、周囲の溝54BはAIOLの中間の位置に対応し、周囲の溝54CはAIOLの最前方の位置に対応する。
【0015】
図3、8、9は人間の目の視軸と同方向になるように意図された長手方向軸56、ならびに中空の平坦な球面形状のハウジング57、前面58Aを有する環状の前方部材58、および後面59Aを有する後方部材59を有するAIOL33を示す。前面58Aは、主要本体41の直径よりもわずかに小さい直径を有する、前方に面する孔62を画成する内側のリム61を有する。ハウジング57は、孔62によって露出する中央部分66Aを有する前面66を有する形状記憶の光学素子64を収容するキャビティ63を画成する。後方部材59は、全く屈折力を伴わずに、あるいは好ましくは図示されるように正のジオプタ強度を有する平凸の光学部材として形成できる。ハウジング57は、人間の目のカプスラー・ダイアフラム29の大部分を受けるように、成人用寸法のAIOL33に対して少なくとも6mm、好ましくは約7mm±1mmの直径D2を有する。
【0016】
AIOL33は、軸方向長さL2、ならびに人間の目の前方向に面するための前端部67A、および人間の目において後ろ方向に面するための後端部67Bを有する強固な管状のケーシング67を備える(図10を参照されたい)。後端部67Bは、内部リム61を受けるための溝68と共に形成され、それによって、ケーシング67は、光学素子64を選択的に圧縮するために、それに対して往復することができる。ケーシング67は、段を付けられたトラック52に沿って移動するためのラグ71を備える周囲の円筒形の面69を有する。ラグ71は、周囲の長さL3を有する。ただしW=L3+Δである。ハウジング57は、人間の目にAIOL33を移植する際に後ろ方向からAIOL33のその場の操作を可能にする手持ち操作器具の先端38Aを選択的に受けるための、周囲のリム57Aの操作リング72、および/または前面58Aのめくら操作ノッチ73と共に形成される。
【0017】
ハウジング57、光学素子64、およびケーシング67は、異なる密度(consistencies)の適切な生体適合性の透明のポリマー材料から形成されることが好ましく、その材料は、たとえば比較的小さな切開部を通して人間の目にAIOL33を挿入す
るのを容易にするための鉗子74等の従来の眼科の手術器具を使用して加えることができるような適度な力の下で弾性変形できる(図6を参照されたい)。ケーシング67は、一般にたとえばPMMA等の比較的強固なポリマー材料から形成され、一方でハウジング57はより固さの少ないシリコーンまたはアクリルベースのポリマー材料から形成され、光学素子64は、より柔軟なシリコーンゲルまたはより柔軟なアクリルベースのポリマー材料から形成される。たとえば、ハウジング57はMED6400ポリマー材料から形成でき、光学素子64は、MED3−6300ポリマー材料から形成でき、両方のポリマー材料は、米国カリフォルニア州のNuSil Silicon Technology社から市販されている(www.nusil.com)。
【0018】
図7は、人間の目の視軸と同方向になることが意図される長手方向軸81、およびAIOL33と共に一体に形成され、それによってハプティックシステムの主要本体として効果的に機能するハプティックシステム82を有するユニット式のAIOLアセンブリ80を示す。ハプティックシステム82は、ハプティックシステム32と同様に長手方向軸81に垂直な平面で反対方向にAIOL33から延出する一対の正反対に延出するC型のハプティック83を備える。この場合、ハプティック83は、IR感応性のインドシアニングリーン(ICG)等の放射感応性の生体適合性材料を含浸された領域84を有し、それによって材料がいわゆるガラス転移温度に加熱されると塑性変形できるようになり、前述のPCT国際公開第2005/104994号に例示および説明されるように移植後にその場で軸方向に移動できるようになる。
【0019】
図8は、AIOLの非圧縮状態で露出した中央部分66Aを含む連続的なわずかに曲線をなす前面66を有する光学素子64の非圧縮形状を示す。図9は、AIOL33を圧縮状態に圧縮するために、長手方向軸39に沿って圧縮力Fを加えるとき、ケーシング67内に前方に膨張する光学素子64の圧縮形状を示す。膨張する形状は圧縮力に依存し、圧縮した形状で非圧縮形状よりも膨張し、AIOL33は、遠方視に適した最小のジオプタ強度から近方視に適した最大のジオプタ強度に連続的に可変のジオプタ強度を有する。光学素子64は一般に、自然の水晶体27の屈折率と同様のまたはそれより大きな屈折率を有し、それによって、非圧縮状態では、遠方視に適し、圧縮状態では近方視に適している。光学素子64が人間の目の眼房水よりも少ない屈折率を有する場合には、光学素子64は、非圧縮状態では近方視に適し、圧縮状態では遠方視に適しているように凹レンズとして機能する。
【0020】
図10〜図13は、人間の目の視軸に沿ってAIOL33をその場で調整するための「押してねじる」バイオネット装置34の使用を示す。AIOL33は、ハプティックシステム32の後方に装備され、ラグ71がチャネル53Aと位置が合うように回転される。AIOL33は、ラグ71をチャネル53Aに挿入するために前方向に配置され、最も後方の位置をとるために、後ろ方向から溝54Aに沿った中ほどにAIOL33を向けるときに時計周りの方向に回転される(図11を参照されたい)。AIOL33をS2<S1によって示される人間の目の視軸に沿って中間の制止位置に位置決めすることは、チャネル53Bに到達するためにハプティックシステム32に対してAIOL33をさらに時計方向に回転させ、溝54Bに到達するためにチャネル53Bに沿って前方向にAIOL33を移動し、ハプティックシステム32に対してAIOL33を時計方向に回転させることを伴う(図12を参照されたい)。AIOL33をS3<S2によって示される人間の目の視軸に沿って最も前方の位置に位置決めすることは、チャネル53Cに到達するためにハプティックシステム32に対してAIOL33をさらに時計回りに回転させ、溝54Cに到達するためにチャネル53Cに沿って前方向にAIOL33を移動し、ハプティックシステム32に対してAIOL33をさらに時計回りに回転させることを伴う(図13を参照されたい)。
【0021】
次に、自然の水晶体27を除去し、損なわれていないままの後嚢26に重なる前嚢24の残部を含む二層のカプスラー・ダイアフラム29を残すようにした後に人間の目10にAIOLアセンブリ31を移植することが、図14および図15を参照して説明される。AIOLアセンブリ31は、AIOLの長手方向軸56がハプティックシステムの長手方
向軸39と一致するように設定される。AIOLアセンブリ31は一般に、虹彩の筋を弛緩させるために毛様体筋麻痺薬の液滴を局部に投与した後、人間の目10内に移植され、それによって虹彩14のすぐ後ろの後眼房18にアクセスするのを容易にするために瞳を拡張させる。そのような投与により、人間の目10を毛様体が弛緩した状態にすることを含み、それによって調節の目的のためにカプスラー・ダイアフラム29を残したまま自然の水晶体27を除去することによりいくらか緩みのあるカプスラー・ダイアフラム29に張りを与えることも誘発される。図14は、ハプティックシステムの穴あけ部材44が、環状の毛様溝28にAIOLアセンブリ31を保持するための固定的な取付け点APで強膜12に強制的に挿入されたことを示す。図14は、AIOLアセンブリ31の長手方向軸41および56が人間の目の視軸VAと同方向、好ましくは同軸であるようにAIOLアセンブリ31が装備され、後面59Aがカプスラー・ダイアフラム29に後ろ方向に押し付けられ、図9に示されるようにAIOL33をその圧縮した状態に押しやるのに十分に張った状態になるために、カプスラー・ダイアフラム29に張りを与えることも示す。AIOL33は、それが図8に示すように非圧縮状態になることができるように毛様体19の収縮が意図されるように装備され、それによって人間の目のカプスラー・ダイアフラム29の往復運動の最大限の範囲にわたる調節をもたらす。しかし、嚢収縮の場合には、人間の目の毛様体が収縮した状態でAIOL33はそれが最大限に非圧縮状態になることができず、それによって嚢収縮の度合いに応じてAIOL33が少なくとも部分的に圧縮したままになり、それによって調整能力が低下する。AIOL33の調節能力は、AIOL33を前方向に中間の制止位置または最も後方の制止位置へ移動することによって回復される(図15を参照されたい)。
【0022】
図16は、個別のハプティックシステム32および個別の複式の蛇腹様のAIOL91を備えるAIOLアセンブリ90を示す。AIOL91は、人間の目の視軸と同方向になるように意図された長手方向軸92、ならびに段を付けられたトラック52に沿って移動するためのラグ96を備えるリング94を有するハウジング93、前面98を有する前方部材97、および後面101を有する後方部材99を有する。ハウジング93は、リング94と前方部材97の間の前部の形状記憶の弾力的に弾性変形可能な蛇腹様の光学素子102、およびリング94と後方部材99の間の後部の形状記憶の弾力的に弾性変形可能な蛇腹様の光学素子103を備える。前方部材97は、AIOL33のその場の操作を可能にするための手持ち操作器具の先端38Aを選択的に受けるためのめくら操作ノッチ104と共に形成される。
【0023】
リング94、前方部材97、後方部材99、および光学素子102および103は、異なる密度の適切なポリマーベースの生体適合性の透明な材料から形成されることが好ましい。リング94は、一般にたとえばPMMA等の比較的強固なポリマー材料から形成され、一方で前方部材97および後方部材99はより固さの少ないシリコーンまたはアクリルベースのポリマー材料から形成され、光学的要素102および103は、より柔軟なシリコーンゲルまたはより柔軟なアクリルベースのポリマー材料から形成される。たとえば、前方部材97および後方部材99は、前述のMED6400ポリマー材料から形成でき、光学素子102および103は、前述のMED3−6300ポリマー材料から形成できる。あるいは、リング94は、AIOL91を適切なシリコーンまたは水ベースのゲルを注入できる2つの区画に分割する膜によって形成できる。前方部材97および後方部材99は、屈折力を全く伴わない平坦な光学部材として、または好ましくは図示されるような平凸の光学部材として形成できる。
【0024】
図17は、人間の目の視軸と同方向になることが意図される長手方向軸111、およびAIOL91と共に一体に形成され、それによってハプティックシステムの主要本体として効果的に機能するハプティックシステム112を有するユニット式のAIOLアセンブリ110を示す。ハプティックシステム112は、ハプティックシステム32と同様に長手方向軸111に垂直な平面で反対方向にAIOL91から延出する一対の正反対にC字型の細長いハプティック113を備える。この場合、ハプティック113は、IR感応性のインドシアニングリーン(ICG)等の放射感応性の生体適合性材料を含浸された領域
14を有し、それによって材料がいわゆるガラス転移温度に加熱されると塑性変形できるようになり、前述のPCT国際公開第2005/104994号に例示および説明されるように移植後にその場で軸方向に移動できるようになる。
【0025】
図18は、AIOL91の非圧縮状態の平坦面104Aを有する光学素子102および103の非圧縮形状を示す。図19は、リング94を固定位置に保持する際に前方部材97の方向に後面101に対して圧縮力Fを加えると、光学素子102の中に膨張して湾曲面104Bを形成し、それによって前方部材97をリング94から離すために光学素子102を前方に拡張させる光学素子103を示す。光学素子103は、より大きな圧縮力によって光学素子102内により多く膨張し、AIOL91は、遠方視に適した最小のジオプタ強度から近方視に適した最大のジオプタ強度に連続的に可変であるジオプタ強度を有する。
【0026】
光学素子102は、屈折率n2を有することが好ましく、それは光学素子の屈折率n1より大きく、湾曲面104Bは、AIOL91が非圧縮状態で近方視に適し(図18および図20を参照されたい)、圧縮状態で遠方視に適している(図19および図21を参照されたい)ように、負の屈折力を有する凹レンズとして機能する。AIOL91は、主体の目が圧縮力Fを加えると全体に負の屈折力を有するように、圧縮した状態で非常に大きな負の屈折力を生成するように設計できる。この場合、主体は、正のレンズを備える眼鏡をかけることができ、それによって主体の目および眼鏡がガリレイ望遠鏡を構成し、遠くの対象物を拡大して見ることができるようになる。
【0027】
図22〜図24は、人間の目の環状の毛様溝に自己取付け式に移植するためのハプティックシステム32に使用するのに適した個別のAIOL120を示す。AIOL120は、人間の目の視軸と同方向になるように意図された長手方向軸120A、前方部材122を備える前端部121Aを有する円筒形ハウジング121、およびハウジング121に対して往復するピストン123を備える後端部121Bを有する。ハウジング121は、たとえばPMMA等の適切な強固な生体適合性の透明な材料から形成される。前方部材122は、ハウジング121内に形成された一対の孔126にスナップ嵌めで挿入するために一対のクランプ部材124と共に形成される。ピストン123は、ハウジング121の後面129に形成される一対のキー溝128に挿入するための一対の鍵127と共に形成される。ハウジング121内でピストン123を四分の一回転することにより、ピストン123がハウジング121から係脱するのが防止され、それに対して往復できるようになる。ハウジング121は、長手方向軸120Aに対する周囲の孔131および後面129と孔131の間に装備された環状のフランジ132(図23および図24を参照されたい)が設けられている。好ましくは、後方部材122およびピストン123の両方が正の屈折力を有し、またはその代わりに平凸前方部材122および平坦なピストン123の場合と同様にそれらのうちの1つのみが正の屈折力を有する。
【0028】
ハウジング121は、光学素子133および134が、AIOL120が圧縮状態で平坦面136Aを有し(図23を参照されたい)、AIOL120が圧縮状態で湾曲面136B(図24を参照されたい)を有する限り、AIOL91と同様に一対の形状記憶の円板様の光学素子133および134を収容する。図24は、光学素子133内に膨張する光学素子134を示し、それによって、光学素子133を、孔131を通って径方向に膨張させる。光学素子133が光学素子134よりも大きな屈折率を有する場合、AIOL120が非圧縮状態での近方視(図23を参照されたい)、および圧縮状態での遠方視(図24を参照されたい)に適するように湾曲面136Bは、凹レンズとして機能する。前端部121Aは、段を付けられたトラック52に沿って移動するためにラグ137と共に形成される。前方部材122は、AIOL120のその場の操作を可能にするための手持ち操作器具の先端38Aを選択的に受けるためのめくら操作ノッチ138(図示されない)と共に形成される。
【0029】
図25〜図28は、人間の目の環状の毛様溝に自己取付け式に移植するためのハプティックシステム32に使用するのに適した個別のAIOL140を示す。AIOL140は、AIOL120と操作において同様であるが、AIOL140が比較的小さな切開部を
通して主体の目に挿入するのを促進するための単一のモノリシック構造として構築される限りそれとは異なる。AIOL140は、前方部材142を有するハウジング141、非圧縮状態と圧縮状態の間で往復するのを可能にする可撓性の膜144によってハウジング141に接合されたピストン部材143、周囲の孔146、および環状のフランジ147を備える。ハウジング141は、その中に注入できる光学素子148および149を収容し、それは非圧縮状態のAIOL140で平坦面151A(図27を参照されたい)およびAIOL140の圧縮状態で湾曲面151B(図28を参照されたい)を有する。光学素子148が光学素子149よりも大きな屈折率を有する場合、AIOL140が非圧縮状態での近方視(図27を参照されたい)、および圧縮状態での遠方視(図28を参照されたい)に適するように湾曲面151Bは、凹レンズとして機能する。ハウジング141は、段を付けられたトラック52に沿って移動するためのラグ152と共に形成される。前方部材142は、AIOL140のその場の操作を可能にするための手持ち操作器具の先端38Aを選択的に受けるためのめくら操作ノッチ153と共に形成される。
【0030】
図29および図30は、人間の目の環状の毛様溝に自己取付け式に移植するためのハプティックシステム32に使用するのに適した個別のAIOL170を示す。AIOL170は、前方部材172を備えるカップ形状のハウジング171、および最も拡張した位置(図29を参照されたい)と最も圧縮した位置(図30を参照されたい)との間で往復する後部管状ピストン173を備える。ハウジング171は、非圧縮の円板様形状(図29を参照されたい)と圧縮力Fを加えるとき後ろ方向にピストン173内に膨張する圧縮形状(図30を参照されたい)との間で弾力的に弾性変形可能な形状記憶の光学素子174を収容する。ハウジング171は、たとえばPMMA等の適切な強固な生体適合性の材料から形成される。光学素子174は一般的に、人間の目の眼房水の屈折率よりも大きな屈折率を有する適切なシリコーンまたは水ベースのゲルによって構成され、それによってAIOL170が非圧縮状態(図29を参照されたい)で遠方視に適し、圧縮状態(図30を参照されたい)で近方視に適するようになる。
【0031】
図31は、人間の目の環状の毛様溝に自己取付け式に移植するためのハプティックシステム32に使用するのに適した個別のAIOL180を示す。AIOL180は、中央の孔183を有する前方部材182を備えるカップ形状のハウジング181、形状記憶の円板様の光学素子184、および半球状の後方部材186を備える。光学素子184は、本来の円板様の形状と圧縮力Fを加えたときの孔183を通る膨張との間で弾力的に弾性変形可能である。ハウジング181は、たとえばPMMA等の適切な強固な生体適合性の材料から形成される。光学素子184は一般的に、人間の目の眼房水の屈折率よりも大きな屈折率を有する適切なシリコーンまたは水ベースのゲルによって構成され、それによってAIOL180が本来の状態で遠方視に適し、圧縮状態で近方視に適するようになる。
【0032】
図32は、人間の目の環状の毛様溝に堅固に固定するようになされたハプティックシステムに使用するのに適した個別のAIOL190を示す。AIOL190は、前方部材192を備えるカップ形状のハウジング191、本来の球面形状と前方部材192の方向にそれに対して圧縮力Fを加えたときに平坦な形状との間で弾力的に弾性変形可能な形状記憶の球面状光学素子193を備える。光学素子193は一般的に、人間の目の眼房水の屈折率よりも大きな屈折率を有する適切なシリコーンまたは水ベースのゲルによって構成され、それによってAIOL190が本来の状態で近方視に適し、圧縮状態で遠方視に適するようになる。
【0033】
図33は、「押してねじる」AIOLアセンブリ31と構成および操作が同様であるが個別のAIOL201が後方ではなく前方から個別のハプティックシステム202に挿入される限りAIOLアセンブリ31とは異なる「押してねじる」AIOLアセンブリ200を示す。この場合、AIOL201は、手持ち操作器具36によってその場の操作を可能にするための一対のめくら操作ノッチ203を設けられる。
【0034】
図34は、「押してねじる」AIOLアセンブリ31と構成および操作が同様であるが、「押してねじる」バイオネット装置34に対して逆の「押してねじる」バイオネット装置を有する限りAIOLアセンブリ31とは異なる「押してねじる」AIOLアセンブリ
210を示す。言い換えれば、AIOLアセンブリ210は、ハプティックシステム211およびAIOL212を備え、前者はラグ213を設けられ後者は2つ以上の等間隔に段を付けられたトラック214と共に形成される。逆の「押してねじる」バイオネット装置は、主要本体の軸方向長さL1より長い調整ストロークに沿ってその場の手動の選択的な軸移動を可能にするために、個別のAIOLが主要本体の軸方向長さL1より大きな軸方向長さL2と共に形成できる限り、「押してねじる」バイオネット装置34より有利である。AIOL212は、手持ち操作器具36によってその場の操作を可能にするためのめくら操作ノッチ216と共に形成される。逆の「押してねじる」バイオネット装置は、図示のようなまたは前方向または「押してねじる」バイオネット装置34と同様の後ろ方向からハプティックシステム211に挿入されるAIOL212と共に実施できる。
【0035】
図35は、AIOLアセンブリ31と同様のAIOLアセンブリ220を示すが、個別のハプティックシステム223に対する個別のAIOL222の相対移動を可能にするために、「押してねじる」バイオネット装置34の代わりにねじ装置(screw thread arrangement)221を使用する。AIOLアセンブリ220は、主要本体の軸方向長さL1よりも長い人間の目の視軸に沿った調整ストロークを可能にするために直ちに実施することもできる。AIOL222は、手持ち操作器具36によってその場の操作を可能にするための一対のめくら操作ノッチ224を設けられる。
【0036】
本発明は限定された数の実施形態に対して説明されてきたが、添付の特許請求の範囲内で本発明に多くの変形、修正、およびその他の適用を行うことができることが理解されるであろう。個別のAIOL120、140、170、および180は、ユニット式のAIOLアセンブリ80および110と同様にユニット式のAIOLアセンブリとして直ちに形成できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視軸、強靭な結合組織の強膜、環状の毛様溝、および毛様体が収縮した状態から毛様体が弛緩した状態に弛緩するとき、視軸に沿って前方向にカプスラー・ダイアフラムに張りを与えるための括約筋様の毛様体を有する人間の目の中に自己取付け式に移植するための調節型眼内レンズ(AIOL)アセンブリであって、前記AIOLアセンブリが、
(a)調節型眼内レンズ(AIOL)であって、人間の目の視軸と同方向になることが意図される長手方向軸、前面、後面、および前記AIOLの非圧縮状態で第1のジオプタ強度を有する非圧縮形状と前記AIOLの圧縮状態で前記第1のジオプタ強度とは異なる第2のジオプタ強度を有する圧縮形状との間で弾力的に弾性変形可能な少なくとも1つの形状記憶の光学素子、を有し、それによって遠方視のための最小のジオプタ強度と近方視のための最大のジオプタ強度との間を連続的に可変のジオプタ強度を有する調節型眼内レンズ(AIOL)と、
(b)人間の目の視軸と同方向になるように意図された長手方向軸、および主要本体を備え、長手方向軸に垂直な平面で反対方向に少なくとも2つの細長いハプティックが前記主要本体から延びている、ハプティックシステムであって、前記ハプティックは、それぞれ、前記ハプティックシステムを人間の目の環状の毛様溝内の少なくとも2つの離隔された固定取付け点で自己取付け式に移植するための、人間の目の強膜の強靭な結合組織を穿通する少なくとも1つのとがった穴あけ部材を備えていて、前記ハプティックは、前記AIOLを、人間の目の視軸に沿って、上記少なくとも2つの固定取付け点に対してインサイチュで手動で選択的に移動可能な前記視軸に沿う所望の位置に保持し、前記後面を人間の目のカプスラー・ダイアフラムに向かって前方向から押して、前記所望の位置で前記AIOLのジオプタ強度を決定し、人間の目の毛様体が弛緩すると、人間の目のカプスラー・ダイアフラムに後方向から前記後面に対して張りを与えて前記AIOLのジオプタ強度に影響を及ぼす、ハプティックシステムと、
を備える、調節型眼内レンズアッセンブリ。
【請求項2】
前記ハプティックシステムが、個別のAIOLをその中に選択的に保持するための個別の構成要素である、請求項1に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項3】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLが、前記少なくとも離隔した2つの固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って少なくとも2つの個別の軸方向の制止位置で前記個別のAIOLの段階式の軸方向移動を可能にする、押してねじるバイオネット装置を有する、請求項2に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項4】
前記主要本体が、少なくとも2つの等距離に段を付けられたトラックを備える内面を有し、前記個別のAIOLがラグに関連付けられた段を付けられたトラックに沿って押してねじる移動をするための対応する数のラグを有する、請求項3に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項5】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLが、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って前記個別のAIOLの連続的な軸方向移動を可能にするねじ装置を有する、請求項2に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項6】
前記個別のハプティックシステムの軸方向長さL1よりも長い調整ストロークに沿って前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して、人間の目の視軸に沿って前記個別のAIOLのその場の手動での選択的な軸方向移動を可能にするために、前記主要本体が長手方向軸に沿って軸方向長さL1を有し、前記個別のAIOLが長手方向軸に沿って軸方向長さL2を有し、L2>L1である、請求項1から5のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項7】
前記個別のAIOLが後ろ方向から前記個別のハプティックシステムに挿入される、請求項1から6のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項8】
前記ハプティックシステムは前記主要本体として機能する前記AIOLと一体に形成され、また、前記少なくとも2つの細長いハプティックは、それぞれが、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って、前記AIOLのその場の手動の選択的な軸方向移動を可能にする塑性変形可能な放射感応領域を有する、請求項1に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項9】
前記放射感応領域は、前記AIOLに隣接し、そのそれぞれのとがった穴あけ部材から離れている、請求項8に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項10】
前記ハプティックの各々が、長手方向軸に垂直な前記平面で前記主要本体の周りを取り囲むのに十分に可撓性を有するように、前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な平面で薄い輪郭を有し、また、前記ハプティックの各々が、それに沿った圧縮力に対して強固であるように長手方向軸に沿って広い輪郭を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項11】
前記広い輪郭は、前記主要本体に隣接するハプティックの近位端部から、そこから離れた遠位端部に向かってテーパーを付けられている、請求項10に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項12】
前記AIOLは、孔を画成する内部のリムを有する前記前面を備える環状の前方部材と、前記後面を備える後方部材とを有する中空の平坦な球面形状のハウジングと、前記孔によって露出する中央部分を備える前面を有する前記少なくとも1つの形状記憶の光学素子と、管状のケーシングとを備え、前記管状のケーシングは、非圧縮形状から、前記非圧縮形状に対して前記ケーシング内に膨張する圧縮形状に前記少なくとも1つの形状記憶の光学素子を選択的に圧縮するために、前記後方部材に対して往復するように、前記ハウジングに装着され、それによって、前記AIOLが遠位視力に対する最小のジオプタ強度から近位視力に対する最大のジオプタ強度に連続的に可変のジオプタ強度を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項13】
前記AIOLが、前記AIOLの前記非圧縮状態で前記前方の形状記憶の光学素子の前記形状を非圧縮形状に対して修正するために後方から前記後面に対して前記長手方向軸に沿って圧縮力を加えるとき前記前方の形状記憶の光学素子内に選択的に膨張するために、前面を備える前方部材、後面を備える後方部材、前記AIOLの非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの圧縮状態での圧縮形状との間で弾力的に弾性変形可能な前方の形状記憶の光学素子、および前記AIOLの前記非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの前記圧縮状態での圧縮形状との間で弾性変形可能な後方の形状記憶の光学素子を備えるハウジングを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項14】
前記ハウジングが、前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子との間にリングを備え、前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子がそれぞれ、蛇腹様の形状を有し、それによって、前記AIOLの圧縮状態で前記前方部材を前記リングから離すために、前記前方の形状記憶の蛇腹様の光学素子が前方に拡張する、請求項13に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項15】
前記AIOLが、前記AIOLの長手方向軸に対して少なくとも1つの周囲の孔を備える円筒形のハウジングを備え、それによって、前記AIOLの圧縮状態で、前記前方の形
状記憶の光学素子が前記少なくとも1つの周囲の孔を通って径方向に膨張する、請求項13に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項16】
視軸、強靭な結合組織の強膜、環状の毛様溝、および毛様体が収縮した状態から弛緩して毛様体が弛緩した状態になるときに、前記視軸に沿って前方向にカプスラー・ダイアフラムに張りを与えるための括約筋様の毛様体を有する人間の目に移植するための調節型眼内レンズ(AIOL)であって、前記AIOLが前記人間の目の視軸と同方向に装備されることを意図された長手方向軸を有し、前記AIOLが、
(a)孔を画成する内部のリムを有する前面を備える環状の前方部材と、後面を備える後方部材と、前記AIOLの非圧縮状態で第1のジオプタ強度を有する非圧縮形状と前記AIOLの圧縮状態で前記第1のジオプタ強度と異なる第2のジオプタ強度を有する圧縮形状との間で弾力的に弾性変形可能な形状記憶の光学素子とを有する、中空の平坦な球面形状のハウジングであって、前記少なくとも1つの形状記憶の光学素子が前記孔を介して露出する中央部分を備える前面を有する、ハウジングと、
(b)環状のケーシングであって、前記非圧縮形状に対して前記ケーシング内に膨張するために、非圧縮形状から圧縮形状に前記形状記憶の光学素子を選択的に圧縮するために前記後方部材に対して往復するように前記ハウジングに装着され、前記AIOLが、遠方視に対する最小のジオプタ強度から近方視に対する最大のジオプタ強度に連続的に可変のジオプタ強度を有する、環状のケーシングとを備える、調節型眼内レンズ。
【請求項17】
前記ケーシングが、前端部および前記内部のリムを受けるための溝を備えて形成される後端部を有し、それによって前記ケーシングが前記後方部材に対して往復する、請求項16に記載のAIOL。
【請求項18】
前記ハウジングが少なくとも6mmの直径を有し、前記ケーシングが前記長手方向軸に垂直な平面で少なくとも4mmの直径を有する、請求項16または17に記載のAIOL。
【請求項19】
調節型眼内レンズ(AIOL)アセンブリであって、
(a)請求項16から18のいずれか一項に記載のAIOLと、
(b)ハプティックシステムであって、人間の目の視軸と同方向に装備されるように意図された長手方向軸、および前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な平面でそこから延出する少なくとも2つの細長いハプティックを備える主要本体を有しており、前記ハプティックの各々が、人間の目の視軸に沿った手動で選択された軸方向位置で前記AIOLを保持するために、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点で人間の目の環状の毛様溝に前記ハプティックシステムを自己取付け式に移植するために、人間の目の強膜の強靭な連結組織を穿通する少なくとも1つのとがった穴あけ部材を有し、それによって、前記AIOLを非圧縮状態から圧縮状態に圧縮するために、後ろ方向から人の目の視軸の方向に沿って前記後面に対して圧縮力を加えるために、毛様体の収縮した状態から毛様体の弛緩した状態への人間の目の毛様体の弛緩により、カプスラー・ダイアフラムに張りを与える、ハプティックシステムと、
を備える、調節型眼内レンズアセンブリ。
【請求項20】
前記ハプティックシステムが、個別のAIOLをその中に選択的に保持するための個別の構成要素である、請求項19に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項21】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLが、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って少なくとも2つの個別の軸方向の制止位置で前記個別のAIOLの段階式の軸方向移動を可能にする、押してねじるバイオネット装置を有する、請求項20に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項22】
前記主要本体が、少なくとも2つの等距離に段を付けられたトラックを備える内面を有し、前記個別のAIOLがラグに関連付けられた段を付けられたトラックに沿って押してねじる移動をするための対応する数のラグを有する、請求項21に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項23】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLが、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿った前記個別のAIOLの連続的な軸方向移動を可能にするねじ装置を有する、請求項20に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項24】
前記個別のハプティックシステムの軸方向長さL1よりも長い調整ストロークに沿って前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して、人間の目の視軸に沿った前記個別のAIOLのその場の手動での選択的な軸方向移動を可能にするために、前記主要本体が長手方向軸に沿って軸方向長さL1を有し、前記個別のAIOLが長手方向軸に沿って軸方向長さL2を有し、L2>L1である、請求項20から23のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項25】
前記個別のAIOLが後ろ方向から前記個別のハプティックシステムに挿入される、請求項20から24のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項26】
前記ハプティックシステムは、前記主要本体として機能する前記AIOLと一体に形成され、前記少なくとも細長い2つのハプティックの各々は、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対する人間の目の視軸に沿って前記AIOLのその場の手動の選択的な軸方向移動を可能にする塑性変形可能な放射感応領域を有する、請求項19に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項27】
前記放射感応領域が前記AIOLに隣接し、そのそれぞれのとがった穴あけ部材から離れている、請求項26に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項28】
前記ハプティックの各々は、該ハプティックの各々が前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な平面で前記主要本体の周りを取り囲むのに十分に可撓性であるように、前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な前記平面で薄い輪郭を有し、また、前記ハプティックの各々がそれに沿った圧縮力に対して強固であるように前記ハプティックシステムの長手方向軸に沿って広い輪郭を有する、請求項19から26のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項29】
前記広い輪郭は、前記主要本体に隣接するハプティックの近位端部から、そこから離れた遠位端部に向かってテーパーを付けられている、請求項28に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項30】
視軸、強靭な結合組織の強膜、環状の毛様溝、および毛様体が収縮した状態から毛様体が弛緩した状態に弛緩するときに、前記視軸に沿って前方向にカプスラー・ダイアフラムに張りを与えるための括約筋様の毛様体を有する人間の目に移植するための調節型眼内レンズ(AIOL)であって、前記AIOLが、前記人の目の視軸と同方向に装備されることを意図された長手方向軸を有し、
前記AIOLはハウジングを有し、該ハウジングは、前面を備える前方部材、後面を備える後方部材、前記前方部材に隣接し前記AIOLの非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの圧縮状態での圧縮形状との間で弾力的に弾性変形可能な前方の形状記憶の光学素子、および、前記AIOLの前記非圧縮状態で前記前方の形状記憶の光学素子の前記形状を非圧縮形状に対して修正するために後方から前記後面に対して前記長手方向軸に沿って
圧縮力を加えるとき前記前方の形状記憶の光学素子内に選択的に膨張するように、前記後方部材に隣接し前記AIOLの前記非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの前記圧縮状態での圧縮形状との間で弾性変形可能な後方の形状記憶の光学素子を含む、調節型眼内レンズ。
【請求項31】
前記ハウジングが、前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子との間にリングを備え、前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子がそれぞれ、蛇腹様の形状を有し、それによって前記AIOLの圧縮状態で前記前方部材を前記リングから離すために、前記前方の形状記憶の蛇腹様の光学素子が前方に拡張する、請求項30に記載のAIOL。
【請求項32】
前記ハウジングが、前記AIOLの長手方向軸に対して少なくとも1つの周囲の孔を備え、それによって前記AIOLの圧縮状態で、前記前方の形状記憶の光学素子が前記少なくとも1つの周囲の孔を通って径方向に膨張する、請求項30に記載のAIOL。
【請求項33】
調節型眼内レンズ(AIOL)アセンブリであって、
(a)請求項30から32のいずれか一項に記載のAIOLと、
(b)ハプティックシステムであって、人間の目の視軸と同方向に装備されるように意図された長手方向軸および前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な平面でそこから延出する少なくとも2つの細長いハプティックを備える主要本体を有し、前記ハプティックの各々は、人間の目の視軸に沿って手動で選択された軸方向位置で前記AIOLを保持するために、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点で人間の目の環状の毛様溝に前記ハプティックシステムを自己取付け式に移植するために、人間の目の強膜の強靭な連結組織を穿通するための少なくとも1つのとがった穴あけ部材を有し、それによって、前記AIOLを非圧縮状態から圧縮状態に圧縮するために、後ろ方向から人間の目の視軸の方向に沿って前記後面に対して圧縮力を加えるために、毛様体の収縮した状態から毛様体の弛緩した状態への人間の目の毛様体の弛緩によりカプスラー・ダイアフラムに張りを与えるハプティックシステムと、
を備える調節型眼内レンズアセンブリ。
【請求項34】
前記ハプティックシステムは、個別のAIOLをその中に選択的に保持するための個別の構成要素である、請求項33に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項35】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLは、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って少なくとも2つの個別の軸方向の制止位置で前記個別のAIOLの段階式の軸方向移動を可能にする、押してねじるバイオネット装置を有する、請求項34に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項36】
前記主要本体は、少なくとも2つの等距離に段を付けられたトラックを備える内面を有し、前記個別のAIOLは、ラグに関連付けられた段を付けられたトラックに沿って押してねじる移動をするための対応する数のラグを有する、請求項35に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項37】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLが、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿った前記個別のAIOLの連続的な軸方向移動を可能にするねじ装置を有する、請求項34に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項38】
前記主要本体の軸方向長さL1よりも長い調整ストロークに沿って前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って前記個別のAIOLのその場の手動の選択的な軸方向移動を可能にするために、前記主要本体は長手方向軸に沿って
軸方向長さL1を有し、前記個別のAIOLは長手方向軸に沿って軸方向長さL2を有し、L2>L1である、請求項34から37のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項39】
前記個別のAIOLが後ろ方向から前記個別のハプティックシステムに挿入される、請求項34から38のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項40】
前記ハプティックシステムが前記主要本体として機能する前記AIOLと共に一体に形成され、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って前記AIOLのその場の手動の選択的な軸方向移動を可能にするために、前記少なくとも2つのハプティックがそれぞれ、塑性変形可能な放射感応領域を有する、請求項33に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項41】
前記放射感応領域は、前記AIOLに隣接し、そのそれぞれのとがった穴あけ部材から離れている、請求項40に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項42】
前記ハプティックの各々は、該ハプティックの各々が前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な前記平面で前記主要本体の周りを取り囲むのに十分に可撓性を有するように、前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な平面で薄い輪郭を有し、また、それに沿った圧縮力に対して強固であるように前記ハプティックシステムの長手方向軸に沿って広い輪郭を有する、請求項33から41のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項43】
前記広い輪郭は、前記主要本体に隣接するハプティックの近位端部から、そこから離れた遠位端部に向かってテーパーを付けられている、請求項42に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項44】
視軸を有し、強靭な結合組織の強膜、および環状の毛様溝を備える人間の目の中に眼内レンズを保持するためのハプティックシステムであって、
前記ハプティックシステムは、人間の目の視軸と同方向になるように意図された長手方向軸を有し、
前記ハプティックシステムは、前記長手方向軸に垂直な平面で反対方向にそこから延出する少なくとも2つの細長いハプティックを備える主要本体を備え、
前記ハプティックの各々は取付けプレートを有し、該取り付けプレートは、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点で人間の目の環状の毛様溝に前記ハプティックシステムを自己取付け式に移植するために、人間の目の強膜の強靭な連結組織に穿通するための先端部でそれぞれが終端する少なくとも2つのとがった穴あけ部材を備え、
前記少なくとも2つのとがった穴あけ部材が、前記長手方向軸に垂直な前記平面で少なくとも1mmの先端部の間の最小限の先端の分離を有する、ハプティックシステム。
【請求項45】
前記先端の分離が約2mmと約3mmとの間である、請求項44に記載のハプティックシステム。
【請求項46】
前記取付け部材は、人間の目の環状の毛様体に前記ハプティックシステムを自己取付け式に移植する際に人間の目の強膜に対して隣接するとき、少なくとも0.5mmの最小の穿通を可能にするために、一対の離隔した、とがった穴あけ部材の間の中央の狭い接合部を備える分岐した形状を有する、請求項44または45に記載のハプティックシステム。
【請求項47】
先端を有する細長いハンドルを備える手持ち式操作器具と共に使用するための、請求項44から46のいずれか一項に記載のハプティックシステムであって、前記取付けプレートが前記取付けプレートのその場の操作を可能にするために前記操作器具の先端を選択的に受けるための前方からアクセス可能な操作孔を備える、ハプティックシステム。
【請求項48】
前記ハプティックシステムは、中空の平坦な球面形状のハウジングおよび管状のケーシングを有するAIOLと一体に形成され、
前記ハウジングは、孔を画成する内部のリムを有する前記前面を備える環状の前方部材、前記後面を有する後方部材、および前記孔を介して露出する中央部分を含む前面を有する前記少なくとも1つの形状記憶の光学素子を有し、
前記ケーシングは、前記ケーシング内に前記非圧縮形状に対して膨張するために、非圧縮形状から圧縮形状に前記少なくとも1つの形状記憶の光学素子を選択的に圧縮するために前記後方部材に対して往復するように、前記ハウジングに装着され、これによって、前記AIOLが遠方視のための最小のジオプタ強度から近方視のための最大のジオプタ強度に連続的に可変のジオプタ強度を有する、請求項44から47のいずれか一項に記載のハプティックシステム。
【請求項49】
前記ハプティックシステムは、前記AIOLの前記非圧縮状態で前記前方の形状記憶の光学素子の前記形状を非圧縮形状に対して修正するために、後方から前記後面に対して前記長手方向軸に沿って圧縮力を加えるとき前記前方の形状記憶の光学素子内に選択的に膨張するために、前面を備える前方部材、後面を備える後方部材、前記AIOLの非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの圧縮状態での圧縮形状との間で弾力的に弾性変形可能な前方の形状記憶の光学素子、および前記AIOLの前記非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの前記圧縮状態での圧縮形状との間で弾性変形可能な後方の形状記憶の光学素子を有するハウジングを有するAIOLと一体に形成される、請求項44から47のいずれか一項に記載のハプティックシステム。
【請求項50】
前記ハウジングは前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子との間にリングを備え、前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子がそれぞれ蛇腹様の形状を有し、それによって、前記AIOLの圧縮状態で前記前方部材を前記リングから離すために、前記前方の形状記憶の蛇腹様の光学素子が前方に拡張する、請求項49に記載のハプティックシステム。
【請求項51】
前記ハウジングは前記AIOLの長手方向軸に対して少なくとも1つの周囲の孔を備え、それによって、前記AIOLの圧縮状態で、前記前方の形状記憶の光学素子が前記少なくとも1つの周囲の孔を通って径方向に膨張する、請求項49に記載のハプティックシステム。
【請求項1】
視軸、強靭な結合組織の強膜、環状の毛様溝、および毛様体が収縮した状態から毛様体が弛緩した状態に弛緩するとき、視軸に沿って前方向にカプスラー・ダイアフラムに張りを与えるための括約筋様の毛様体を有する人間の目の中に自己取付け式に移植するための調節型眼内レンズ(AIOL)アセンブリであって、前記AIOLアセンブリが、
(a)調節型眼内レンズ(AIOL)であって、人間の目の視軸と同方向になることが意図される長手方向軸、前面、後面、および前記AIOLの非圧縮状態で第1のジオプタ強度を有する非圧縮形状と前記AIOLの圧縮状態で前記第1のジオプタ強度とは異なる第2のジオプタ強度を有する圧縮形状との間で弾力的に弾性変形可能な少なくとも1つの形状記憶の光学素子、を有し、それによって遠方視のための最小のジオプタ強度と近方視のための最大のジオプタ強度との間を連続的に可変のジオプタ強度を有する調節型眼内レンズ(AIOL)と、
(b)人間の目の視軸と同方向になるように意図された長手方向軸、および主要本体を備え、長手方向軸に垂直な平面で反対方向に少なくとも2つの細長いハプティックが前記主要本体から延びている、ハプティックシステムであって、前記ハプティックは、それぞれ、前記ハプティックシステムを人間の目の環状の毛様溝内の少なくとも2つの離隔された固定取付け点で自己取付け式に移植するための、人間の目の強膜の強靭な結合組織を穿通する少なくとも1つのとがった穴あけ部材を備えていて、前記ハプティックは、前記AIOLを、人間の目の視軸に沿って、上記少なくとも2つの固定取付け点に対してインサイチュで手動で選択的に移動可能な前記視軸に沿う所望の位置に保持し、前記後面を人間の目のカプスラー・ダイアフラムに向かって前方向から押して、前記所望の位置で前記AIOLのジオプタ強度を決定し、人間の目の毛様体が弛緩すると、人間の目のカプスラー・ダイアフラムに後方向から前記後面に対して張りを与えて前記AIOLのジオプタ強度に影響を及ぼす、ハプティックシステムと、
を備える、調節型眼内レンズアッセンブリ。
【請求項2】
前記ハプティックシステムが、個別のAIOLをその中に選択的に保持するための個別の構成要素である、請求項1に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項3】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLが、前記少なくとも離隔した2つの固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って少なくとも2つの個別の軸方向の制止位置で前記個別のAIOLの段階式の軸方向移動を可能にする、押してねじるバイオネット装置を有する、請求項2に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項4】
前記主要本体が、少なくとも2つの等距離に段を付けられたトラックを備える内面を有し、前記個別のAIOLがラグに関連付けられた段を付けられたトラックに沿って押してねじる移動をするための対応する数のラグを有する、請求項3に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項5】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLが、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って前記個別のAIOLの連続的な軸方向移動を可能にするねじ装置を有する、請求項2に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項6】
前記個別のハプティックシステムの軸方向長さL1よりも長い調整ストロークに沿って前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して、人間の目の視軸に沿って前記個別のAIOLのその場の手動での選択的な軸方向移動を可能にするために、前記主要本体が長手方向軸に沿って軸方向長さL1を有し、前記個別のAIOLが長手方向軸に沿って軸方向長さL2を有し、L2>L1である、請求項1から5のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項7】
前記個別のAIOLが後ろ方向から前記個別のハプティックシステムに挿入される、請求項1から6のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項8】
前記ハプティックシステムは前記主要本体として機能する前記AIOLと一体に形成され、また、前記少なくとも2つの細長いハプティックは、それぞれが、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って、前記AIOLのその場の手動の選択的な軸方向移動を可能にする塑性変形可能な放射感応領域を有する、請求項1に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項9】
前記放射感応領域は、前記AIOLに隣接し、そのそれぞれのとがった穴あけ部材から離れている、請求項8に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項10】
前記ハプティックの各々が、長手方向軸に垂直な前記平面で前記主要本体の周りを取り囲むのに十分に可撓性を有するように、前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な平面で薄い輪郭を有し、また、前記ハプティックの各々が、それに沿った圧縮力に対して強固であるように長手方向軸に沿って広い輪郭を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項11】
前記広い輪郭は、前記主要本体に隣接するハプティックの近位端部から、そこから離れた遠位端部に向かってテーパーを付けられている、請求項10に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項12】
前記AIOLは、孔を画成する内部のリムを有する前記前面を備える環状の前方部材と、前記後面を備える後方部材とを有する中空の平坦な球面形状のハウジングと、前記孔によって露出する中央部分を備える前面を有する前記少なくとも1つの形状記憶の光学素子と、管状のケーシングとを備え、前記管状のケーシングは、非圧縮形状から、前記非圧縮形状に対して前記ケーシング内に膨張する圧縮形状に前記少なくとも1つの形状記憶の光学素子を選択的に圧縮するために、前記後方部材に対して往復するように、前記ハウジングに装着され、それによって、前記AIOLが遠位視力に対する最小のジオプタ強度から近位視力に対する最大のジオプタ強度に連続的に可変のジオプタ強度を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項13】
前記AIOLが、前記AIOLの前記非圧縮状態で前記前方の形状記憶の光学素子の前記形状を非圧縮形状に対して修正するために後方から前記後面に対して前記長手方向軸に沿って圧縮力を加えるとき前記前方の形状記憶の光学素子内に選択的に膨張するために、前面を備える前方部材、後面を備える後方部材、前記AIOLの非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの圧縮状態での圧縮形状との間で弾力的に弾性変形可能な前方の形状記憶の光学素子、および前記AIOLの前記非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの前記圧縮状態での圧縮形状との間で弾性変形可能な後方の形状記憶の光学素子を備えるハウジングを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項14】
前記ハウジングが、前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子との間にリングを備え、前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子がそれぞれ、蛇腹様の形状を有し、それによって、前記AIOLの圧縮状態で前記前方部材を前記リングから離すために、前記前方の形状記憶の蛇腹様の光学素子が前方に拡張する、請求項13に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項15】
前記AIOLが、前記AIOLの長手方向軸に対して少なくとも1つの周囲の孔を備える円筒形のハウジングを備え、それによって、前記AIOLの圧縮状態で、前記前方の形
状記憶の光学素子が前記少なくとも1つの周囲の孔を通って径方向に膨張する、請求項13に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項16】
視軸、強靭な結合組織の強膜、環状の毛様溝、および毛様体が収縮した状態から弛緩して毛様体が弛緩した状態になるときに、前記視軸に沿って前方向にカプスラー・ダイアフラムに張りを与えるための括約筋様の毛様体を有する人間の目に移植するための調節型眼内レンズ(AIOL)であって、前記AIOLが前記人間の目の視軸と同方向に装備されることを意図された長手方向軸を有し、前記AIOLが、
(a)孔を画成する内部のリムを有する前面を備える環状の前方部材と、後面を備える後方部材と、前記AIOLの非圧縮状態で第1のジオプタ強度を有する非圧縮形状と前記AIOLの圧縮状態で前記第1のジオプタ強度と異なる第2のジオプタ強度を有する圧縮形状との間で弾力的に弾性変形可能な形状記憶の光学素子とを有する、中空の平坦な球面形状のハウジングであって、前記少なくとも1つの形状記憶の光学素子が前記孔を介して露出する中央部分を備える前面を有する、ハウジングと、
(b)環状のケーシングであって、前記非圧縮形状に対して前記ケーシング内に膨張するために、非圧縮形状から圧縮形状に前記形状記憶の光学素子を選択的に圧縮するために前記後方部材に対して往復するように前記ハウジングに装着され、前記AIOLが、遠方視に対する最小のジオプタ強度から近方視に対する最大のジオプタ強度に連続的に可変のジオプタ強度を有する、環状のケーシングとを備える、調節型眼内レンズ。
【請求項17】
前記ケーシングが、前端部および前記内部のリムを受けるための溝を備えて形成される後端部を有し、それによって前記ケーシングが前記後方部材に対して往復する、請求項16に記載のAIOL。
【請求項18】
前記ハウジングが少なくとも6mmの直径を有し、前記ケーシングが前記長手方向軸に垂直な平面で少なくとも4mmの直径を有する、請求項16または17に記載のAIOL。
【請求項19】
調節型眼内レンズ(AIOL)アセンブリであって、
(a)請求項16から18のいずれか一項に記載のAIOLと、
(b)ハプティックシステムであって、人間の目の視軸と同方向に装備されるように意図された長手方向軸、および前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な平面でそこから延出する少なくとも2つの細長いハプティックを備える主要本体を有しており、前記ハプティックの各々が、人間の目の視軸に沿った手動で選択された軸方向位置で前記AIOLを保持するために、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点で人間の目の環状の毛様溝に前記ハプティックシステムを自己取付け式に移植するために、人間の目の強膜の強靭な連結組織を穿通する少なくとも1つのとがった穴あけ部材を有し、それによって、前記AIOLを非圧縮状態から圧縮状態に圧縮するために、後ろ方向から人の目の視軸の方向に沿って前記後面に対して圧縮力を加えるために、毛様体の収縮した状態から毛様体の弛緩した状態への人間の目の毛様体の弛緩により、カプスラー・ダイアフラムに張りを与える、ハプティックシステムと、
を備える、調節型眼内レンズアセンブリ。
【請求項20】
前記ハプティックシステムが、個別のAIOLをその中に選択的に保持するための個別の構成要素である、請求項19に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項21】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLが、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って少なくとも2つの個別の軸方向の制止位置で前記個別のAIOLの段階式の軸方向移動を可能にする、押してねじるバイオネット装置を有する、請求項20に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項22】
前記主要本体が、少なくとも2つの等距離に段を付けられたトラックを備える内面を有し、前記個別のAIOLがラグに関連付けられた段を付けられたトラックに沿って押してねじる移動をするための対応する数のラグを有する、請求項21に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項23】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLが、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿った前記個別のAIOLの連続的な軸方向移動を可能にするねじ装置を有する、請求項20に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項24】
前記個別のハプティックシステムの軸方向長さL1よりも長い調整ストロークに沿って前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して、人間の目の視軸に沿った前記個別のAIOLのその場の手動での選択的な軸方向移動を可能にするために、前記主要本体が長手方向軸に沿って軸方向長さL1を有し、前記個別のAIOLが長手方向軸に沿って軸方向長さL2を有し、L2>L1である、請求項20から23のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項25】
前記個別のAIOLが後ろ方向から前記個別のハプティックシステムに挿入される、請求項20から24のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項26】
前記ハプティックシステムは、前記主要本体として機能する前記AIOLと一体に形成され、前記少なくとも細長い2つのハプティックの各々は、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対する人間の目の視軸に沿って前記AIOLのその場の手動の選択的な軸方向移動を可能にする塑性変形可能な放射感応領域を有する、請求項19に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項27】
前記放射感応領域が前記AIOLに隣接し、そのそれぞれのとがった穴あけ部材から離れている、請求項26に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項28】
前記ハプティックの各々は、該ハプティックの各々が前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な平面で前記主要本体の周りを取り囲むのに十分に可撓性であるように、前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な前記平面で薄い輪郭を有し、また、前記ハプティックの各々がそれに沿った圧縮力に対して強固であるように前記ハプティックシステムの長手方向軸に沿って広い輪郭を有する、請求項19から26のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項29】
前記広い輪郭は、前記主要本体に隣接するハプティックの近位端部から、そこから離れた遠位端部に向かってテーパーを付けられている、請求項28に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項30】
視軸、強靭な結合組織の強膜、環状の毛様溝、および毛様体が収縮した状態から毛様体が弛緩した状態に弛緩するときに、前記視軸に沿って前方向にカプスラー・ダイアフラムに張りを与えるための括約筋様の毛様体を有する人間の目に移植するための調節型眼内レンズ(AIOL)であって、前記AIOLが、前記人の目の視軸と同方向に装備されることを意図された長手方向軸を有し、
前記AIOLはハウジングを有し、該ハウジングは、前面を備える前方部材、後面を備える後方部材、前記前方部材に隣接し前記AIOLの非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの圧縮状態での圧縮形状との間で弾力的に弾性変形可能な前方の形状記憶の光学素子、および、前記AIOLの前記非圧縮状態で前記前方の形状記憶の光学素子の前記形状を非圧縮形状に対して修正するために後方から前記後面に対して前記長手方向軸に沿って
圧縮力を加えるとき前記前方の形状記憶の光学素子内に選択的に膨張するように、前記後方部材に隣接し前記AIOLの前記非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの前記圧縮状態での圧縮形状との間で弾性変形可能な後方の形状記憶の光学素子を含む、調節型眼内レンズ。
【請求項31】
前記ハウジングが、前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子との間にリングを備え、前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子がそれぞれ、蛇腹様の形状を有し、それによって前記AIOLの圧縮状態で前記前方部材を前記リングから離すために、前記前方の形状記憶の蛇腹様の光学素子が前方に拡張する、請求項30に記載のAIOL。
【請求項32】
前記ハウジングが、前記AIOLの長手方向軸に対して少なくとも1つの周囲の孔を備え、それによって前記AIOLの圧縮状態で、前記前方の形状記憶の光学素子が前記少なくとも1つの周囲の孔を通って径方向に膨張する、請求項30に記載のAIOL。
【請求項33】
調節型眼内レンズ(AIOL)アセンブリであって、
(a)請求項30から32のいずれか一項に記載のAIOLと、
(b)ハプティックシステムであって、人間の目の視軸と同方向に装備されるように意図された長手方向軸および前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な平面でそこから延出する少なくとも2つの細長いハプティックを備える主要本体を有し、前記ハプティックの各々は、人間の目の視軸に沿って手動で選択された軸方向位置で前記AIOLを保持するために、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点で人間の目の環状の毛様溝に前記ハプティックシステムを自己取付け式に移植するために、人間の目の強膜の強靭な連結組織を穿通するための少なくとも1つのとがった穴あけ部材を有し、それによって、前記AIOLを非圧縮状態から圧縮状態に圧縮するために、後ろ方向から人間の目の視軸の方向に沿って前記後面に対して圧縮力を加えるために、毛様体の収縮した状態から毛様体の弛緩した状態への人間の目の毛様体の弛緩によりカプスラー・ダイアフラムに張りを与えるハプティックシステムと、
を備える調節型眼内レンズアセンブリ。
【請求項34】
前記ハプティックシステムは、個別のAIOLをその中に選択的に保持するための個別の構成要素である、請求項33に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項35】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLは、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って少なくとも2つの個別の軸方向の制止位置で前記個別のAIOLの段階式の軸方向移動を可能にする、押してねじるバイオネット装置を有する、請求項34に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項36】
前記主要本体は、少なくとも2つの等距離に段を付けられたトラックを備える内面を有し、前記個別のAIOLは、ラグに関連付けられた段を付けられたトラックに沿って押してねじる移動をするための対応する数のラグを有する、請求項35に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項37】
前記個別のハプティックシステムおよび前記個別のAIOLが、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿った前記個別のAIOLの連続的な軸方向移動を可能にするねじ装置を有する、請求項34に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項38】
前記主要本体の軸方向長さL1よりも長い調整ストロークに沿って前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って前記個別のAIOLのその場の手動の選択的な軸方向移動を可能にするために、前記主要本体は長手方向軸に沿って
軸方向長さL1を有し、前記個別のAIOLは長手方向軸に沿って軸方向長さL2を有し、L2>L1である、請求項34から37のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項39】
前記個別のAIOLが後ろ方向から前記個別のハプティックシステムに挿入される、請求項34から38のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項40】
前記ハプティックシステムが前記主要本体として機能する前記AIOLと共に一体に形成され、前記少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点に対して人間の目の視軸に沿って前記AIOLのその場の手動の選択的な軸方向移動を可能にするために、前記少なくとも2つのハプティックがそれぞれ、塑性変形可能な放射感応領域を有する、請求項33に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項41】
前記放射感応領域は、前記AIOLに隣接し、そのそれぞれのとがった穴あけ部材から離れている、請求項40に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項42】
前記ハプティックの各々は、該ハプティックの各々が前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な前記平面で前記主要本体の周りを取り囲むのに十分に可撓性を有するように、前記ハプティックシステムの長手方向軸に垂直な平面で薄い輪郭を有し、また、それに沿った圧縮力に対して強固であるように前記ハプティックシステムの長手方向軸に沿って広い輪郭を有する、請求項33から41のいずれか一項に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項43】
前記広い輪郭は、前記主要本体に隣接するハプティックの近位端部から、そこから離れた遠位端部に向かってテーパーを付けられている、請求項42に記載のAIOLアセンブリ。
【請求項44】
視軸を有し、強靭な結合組織の強膜、および環状の毛様溝を備える人間の目の中に眼内レンズを保持するためのハプティックシステムであって、
前記ハプティックシステムは、人間の目の視軸と同方向になるように意図された長手方向軸を有し、
前記ハプティックシステムは、前記長手方向軸に垂直な平面で反対方向にそこから延出する少なくとも2つの細長いハプティックを備える主要本体を備え、
前記ハプティックの各々は取付けプレートを有し、該取り付けプレートは、少なくとも2つの離隔した固定的な取付け点で人間の目の環状の毛様溝に前記ハプティックシステムを自己取付け式に移植するために、人間の目の強膜の強靭な連結組織に穿通するための先端部でそれぞれが終端する少なくとも2つのとがった穴あけ部材を備え、
前記少なくとも2つのとがった穴あけ部材が、前記長手方向軸に垂直な前記平面で少なくとも1mmの先端部の間の最小限の先端の分離を有する、ハプティックシステム。
【請求項45】
前記先端の分離が約2mmと約3mmとの間である、請求項44に記載のハプティックシステム。
【請求項46】
前記取付け部材は、人間の目の環状の毛様体に前記ハプティックシステムを自己取付け式に移植する際に人間の目の強膜に対して隣接するとき、少なくとも0.5mmの最小の穿通を可能にするために、一対の離隔した、とがった穴あけ部材の間の中央の狭い接合部を備える分岐した形状を有する、請求項44または45に記載のハプティックシステム。
【請求項47】
先端を有する細長いハンドルを備える手持ち式操作器具と共に使用するための、請求項44から46のいずれか一項に記載のハプティックシステムであって、前記取付けプレートが前記取付けプレートのその場の操作を可能にするために前記操作器具の先端を選択的に受けるための前方からアクセス可能な操作孔を備える、ハプティックシステム。
【請求項48】
前記ハプティックシステムは、中空の平坦な球面形状のハウジングおよび管状のケーシングを有するAIOLと一体に形成され、
前記ハウジングは、孔を画成する内部のリムを有する前記前面を備える環状の前方部材、前記後面を有する後方部材、および前記孔を介して露出する中央部分を含む前面を有する前記少なくとも1つの形状記憶の光学素子を有し、
前記ケーシングは、前記ケーシング内に前記非圧縮形状に対して膨張するために、非圧縮形状から圧縮形状に前記少なくとも1つの形状記憶の光学素子を選択的に圧縮するために前記後方部材に対して往復するように、前記ハウジングに装着され、これによって、前記AIOLが遠方視のための最小のジオプタ強度から近方視のための最大のジオプタ強度に連続的に可変のジオプタ強度を有する、請求項44から47のいずれか一項に記載のハプティックシステム。
【請求項49】
前記ハプティックシステムは、前記AIOLの前記非圧縮状態で前記前方の形状記憶の光学素子の前記形状を非圧縮形状に対して修正するために、後方から前記後面に対して前記長手方向軸に沿って圧縮力を加えるとき前記前方の形状記憶の光学素子内に選択的に膨張するために、前面を備える前方部材、後面を備える後方部材、前記AIOLの非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの圧縮状態での圧縮形状との間で弾力的に弾性変形可能な前方の形状記憶の光学素子、および前記AIOLの前記非圧縮状態での非圧縮形状と前記AIOLの前記圧縮状態での圧縮形状との間で弾性変形可能な後方の形状記憶の光学素子を有するハウジングを有するAIOLと一体に形成される、請求項44から47のいずれか一項に記載のハプティックシステム。
【請求項50】
前記ハウジングは前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子との間にリングを備え、前記前方の形状記憶の光学素子と前記後方の形状記憶の光学素子がそれぞれ蛇腹様の形状を有し、それによって、前記AIOLの圧縮状態で前記前方部材を前記リングから離すために、前記前方の形状記憶の蛇腹様の光学素子が前方に拡張する、請求項49に記載のハプティックシステム。
【請求項51】
前記ハウジングは前記AIOLの長手方向軸に対して少なくとも1つの周囲の孔を備え、それによって、前記AIOLの圧縮状態で、前記前方の形状記憶の光学素子が前記少なくとも1つの周囲の孔を通って径方向に膨張する、請求項49に記載のハプティックシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公開番号】特開2011−245321(P2011−245321A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−156334(P2011−156334)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【分割の表示】特願2008−503681(P2008−503681)の分割
【原出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(506237986)ニューレンズ・リミテッド (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156334(P2011−156334)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【分割の表示】特願2008−503681(P2008−503681)の分割
【原出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(506237986)ニューレンズ・リミテッド (10)
【Fターム(参考)】
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