説明

調節計

【課題】ユーザの利便性を大幅に向上することができる調節計を提供する。
【解決手段】調節計は、監視対象の複数種の情報を選択的に表示する表示器(20)と、複数種の情報から構成される表示画面を表示器に選択的に切り換えて表示する表示画面切換手段(9)を備え、外部及び/又は内部からの指示を受けて表示画面の表示項目を設定登録する表示設定手段(8)を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象の複数種の情報を選択的に表示する表示器を備えた調節計に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の調節計としては、例えば温度センサにて測定された温度の測定値(PV値)に基づいて加熱・冷却装置等の制御対象の作動を制御する温度調節計がある。この温度調節計にはPV値の他、予め設定された制御目標としての設定値(SP値)や、SP値に対するPV値の偏差に応じ、例えばPID制御の下で求められた制御対象に対する制御出力値(MV値)等の監視対象の複数種の運転情報を選択的に表示する為の表示器が設けられ、表示器にはこれら複数種の運転情報から構成される複数の運転表示画面を選択的に切り換えて表示し得るように構成されている。
【0003】
そして、表示器に予め登録された複数のSP値を切り換えて表示させる切換スイッチを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−175101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術は、SP値の切り換えは可能であるものの、各運転表示画面の表示項目は予め規定されている為、調節計のユーザは監視対象の種別に合わせて表示器の画面構成を自由にカスタマイズすることができない。
また、上記従来技術は、監視対象が異常状態になったときの表示器における画面の画面構成、及び画面遷移については格別な配慮がなされておらず、これらにより、ユーザの利便性向上には依然として課題が残されている。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、ユーザの利便性を大幅に向上することができる調節計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の調節計は、表示器と、監視対象の複数種の情報から構成される表示画面を表示器に選択的に切り換えて表示する表示画面切換手段を備えた調節計であって、外部及び/又は内部からの指示を受けて表示画面の表示項目を設定登録する表示設定手段を具備することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、請求項1において、表示設定手段は、表示画面のうちの表示器に監視対象の運転情報を表示する為の運転表示画面の表示項目を設定するものであって、表示画面切換手段は、外部及び/又は内部からの指示を受けて、複数の運転表示画面の中から表示器に表示する運転表示画面を予め定められた順序で巡回的に切り換えることを特徴としている。
【0007】
更に、請求項3記載の発明では、請求項2において、監視対象の異常を検出して異常情報を出力する異常検出手段を具備し、表示設定手段は、表示画面のうちの表示器に異常情報を表示する為の特殊表示画面の表示項目を設定するものであって、表示画面切換手段は、異常情報を受けて、表示器に表示された運転表示画面をこの運転表示画面に対応する予め定められた特殊表示画面に一義的に切り換えることを特徴としている。
【0008】
更にまた、請求項4記載の発明では、請求項3において、特殊表示画面から運転表示画面への復帰を指示する復帰指示手段を具備し、表示画面切換手段は、復帰指示手段からの指示を受けて、表示器に表示された特殊表示画面をこの特殊表示画面に対応する予め定められた運転表示画面に一義的に切り換えることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、請求項4において、復帰指示手段は、所定の復帰指定時間の経過後に特殊表示画面から運転表示画面への復帰を指示することを特徴としている。
【0009】
更に、請求項6記載の発明では、請求項4または5において、一旦発生した異常情報を保持して出力するラッチ手段と、このラッチ手段による保持状態を解除するラッチ解除手段とを具備し、復帰指示手段は、ラッチ手段による保持状態がラッチ解除手段により解除された後に特殊表示画面から運転表示画面への復帰を指示することを特徴としている。
更にまた、請求項7記載の発明では、請求項4乃至6の何れかにおいて、表示画面切換手段は、異常情報を受けて、複数の特殊表示画面の中から表示器に表示する特殊表示画面を予め定められた順序で巡回的に切り換えるものであって、復帰指示手段は、特殊表示画面を予め定められた順序で巡回的に切り換えた後に運転表示画面への復帰を指示することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
従って、本発明の調節計によれば、調節計が外部及び/又は内部からの指示を受けて表示画面の表示項目を設定する表示設定手段を具備することにより、調節計を使用するユーザは、監視対象の種別に合わせて表示器の画面構成を自由にカスタマイズすることができる為、ユーザの利便性を大幅に向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る調節計について説明する。
図1は本実施形態に係る調節計の概略構成を示しており、この種の調節計としては、例えば温度センサにて測定された温度の測定値(PV値)に基づいて加熱・冷却装置等の制御対象の作動を制御する温度調節計がある。この温度調節計にはPV値の他、予め設定された制御目標としての設定値(SP値)や、SP値に対するPV値の偏差に応じ、例えばPID制御の下で求められた制御対象に対する制御出力値(MV値)等の監視対象の複数種の情報に基づいて所定の処理を実行する温度調節計本体10と、温度調節計本体10にて取り扱われる監視対象の複数種の情報を選択的に表示する表示器20とを備えている。
【0012】
温度調節計本体10にはマイクロプロセッサ等を主体として構成された制御演算部1が設けられ、制御演算部1はデータ入力部2を介して監視対象の情報を受け、制御対象の動作を制御する為の情報をデータ出力部3を介して出力する。また、制御演算部1には温度センサを介して監視対象の異常を検出して異常情報を出力する異常検出手段4と、一旦発生した異常情報を保持して出力するラッチ手段5と、このラッチ手段5による保持状態を解除するラッチ解除手段6とを備えている。
【0013】
また、温度調節計本体10には温度調節計本体10にて取り扱われる複数種の情報を表示器20を用いて選択的に表示する表示制御部7が設けられている。更に、温度調節計本体10には外部からの指示を受けて複数種の情報から構成される表示画面の表示項目を設定登録する表示設定部(表示設定手段)8と、表示器20にて表示する表示画面を選択的に切り換えて表示する表示画面切換部(表示画面切換手段)9とが設けられ、これら表示設定部8及び表示画面切換部9が表示制御部7の動作を制御している。
【0014】
また、表示制御部7には、表示画面切換部9により表示器20に表示する表示画面を変更設定した後、予め設定された所定の復帰指定時間の経過後に他の表示画面への復帰を指示する復帰指示手段としてのタイマ管理部11が設けられている。また、他の復帰指示手段としては、上述したラッチ手段5による保持状態がラッチ解除手段6により解除された後に表示画面の復帰を指示するものがある。
【0015】
一方、表示器20は、温度調節計本体10を内蔵したケース(図示せず)の前面パネルに組み込まれた複数桁の数字・文字表示部や、状態表示用の発光器等からなる。
具体的には、図2の表示器20の前面パネルの構成例に示されるように、前面パネルの上段部には複数桁(例えば5桁)の数字・文字を表示する為の第1表示部21が設けられ、中段部には上記第1の表示部21より若干小型の5桁の数字・文字を表示する為の第2表示部22、及び3桁の文字・数字を表示する為の補助表示部23が設けられている。
【0016】
また、前面パネルにおける第1表示部21の両側部には、予め定められた情報を略語(略記)表示する複数個のモード表示灯24及びループ番号表示灯25が設けられており、第2表示部22の側部には、予め定められた情報を略語(略記)表示するユーザファンクション表示灯26が設けられている。更に、前面パネルにおける第2表示部22の下側には、データ出力に関する複数種のモード表示灯27が設けられると共に、各種の状態情報を棒状にグラフィック表示する為のマルチステータス表示灯28が設けられている。なお、前面パネルの下段部にはカーソルキーや、各種の動作モードを設定する為の動作設定キーを含む複数の操作キーと、温度調節計をパーソナルコンピュータ等の外部機器に接続する為のローダジャックが設けられている。
【0017】
このように構成された温度調節計は、表示画面切換部9を介して表示器20の各表示部21,22,23たる表示枠に、監視対象の複数種の情報としての上述したPV値、SP値、MV値等の監視対象の運転情報を表示する為の運転表示画面や、異常検出手段4により検出された異常情報を表示する為の特殊表示画面といった複数の表示画面を選択的に表示する。
【0018】
具体的には、図3の表示画面の変更形態の例に示されるように、複数の運転表示画面1〜Nは、それぞれ運転情報を識別する為の運転表示識別枠1〜nと、それに対応する表示値を表示する為の運転表示値枠1’〜n’とから構成され、前面パネルに設けられた操作キーの1つであるディスプレイキーが操作される都度、或いは、デジタル入力(DI信号)の通信等の外部指示により表示画面切換部9の制御の下で表示器20に予め定められた順序で巡回的に切り換えて表示される。
【0019】
一方、複数の特殊表示画面1〜Mは、それぞれ異常情報を識別する為の特殊表示識別枠1〜mと、それに対応する表示値を表示する為の特殊表示値枠1’〜m’とから構成され、運転表示画面1〜Nと特殊表示画面1〜Mとの間の画面遷移は、異常情報を受けての遷移要因や、異常情報の消滅などを受けての復帰要因を含む外部指示によって、表示画面切換部9の制御の下で予め定められた運転表示画面とこれに対応する特殊表示画面との間で一義的に切り換えることにより行われる。
【0020】
こうして構成される運転表示画面及び特殊表示画面の表示パターンのデータテーブルは、表示登録バンクたるメモリバンクに一括して登録され、この表示登録バンクは表示設定部8に格納されている。
以下の表1の表示登録バンクの概略構成に示されるように、表示登録バンクは、表示画面の表示パターンを表示パターンごとに表示登録番号1〜L(N、M≦L)を付して管理しており、各表示部21,22,23たる表示識別枠や表示値枠といった表示枠ごとに主設定、副設定、点灯状態の項目を設定することができる。
【0021】
【表1】

【0022】
主設定の項目は、置数により例えば0〜3の番号を選択することにより設定され、0:PV値、1:SP値、2:MV値、3:第1表示部の副設定項目にて指定された文字列、から選択可能である。
また、副設定の項目にて指定される文字列は、例えばカーソルキーのうちのアップ(∧)キーやダウン(∨)キーを押すことにより文字を変え、順送り(>)キーや逆送り(<)キーを押すことにより変更する表示位置が左右にスライドするように構成され、更に、点灯状態の項目は、置数により例えば0:点灯、1:点滅から選択可能である。
【0023】
以下、図4に示されるフローチャートを参照して、表示設定部8の制御の下で表示登録バンクにおいて表示画面の表示パターンを設定登録するための表示登録手順について説明する。
先ず、表示登録を開始するために、温度調節計の電源を投入し、ディスプレイキーを押すことにより運転表示画面に遷移してS1に移行する(以下、Sはステップを表す)。
【0024】
S1では、運転表示画面において前面パネルに設けられた操作キーの1つであるparaキーを長押しすることによりバンク切替画面に遷移してS2に移行する。
S2では、バンク切替画面においてカーソルキーのうちのアップ(∧)キーやダウン(∨)キーを押すことにより表示登録バンク画面を選択してS3に移行する。
S3では、表示登録バンク画面において前面パネルに設けられた操作キーの1つであるエンターキーを押すことにより表示登録バンク内に入ってS4に移行する。
【0025】
S4では、表示登録バンク内においてカーソルキーのうちのアップ(∧)キーやダウン(∨)キーの他、順送り(>)キーや逆送り(<)キーを押すことにより表示パターンを遷移し、エンターキーを押すことにより表示枠に対する置数を開始してS5に移行する。
S5では、表示登録バンク内において特定の表示パターンの詳細項目を設定した後、エンターキーを押してS6に移行する。
【0026】
S6では、表示登録が完了したか否かを判定し、判定結果が真(Yes)で表示登録が完了したと判定された場合には本手順を終了し、判定結果が偽(No)で表示登録が完了していないと判定された場合には再びS4に戻って表示登録を継続する。
次に、以下の表2は各運転表示画面1〜Nがこれに対応する運転表示番号1〜Nを付して管理された運転表示設定バンクの概略構成を示しており、この運転表示設定バンクは表示設定部8に格納されている。
【0027】
【表2】

【0028】
運転表示設定バンクでは、運転表示番号1〜Nごとに、運転表示画面の表示パターンを決定するための表示画面番号の項目を設定することができ、この項目は置数により例えば0〜Lの番号を選択することにより設定され、0:表示無し(当この運転表示画面はジャンプする、つまり使用しない)、1〜L:表示登録バンクに予め設定された表示パターンの表示登録番号の何れかを指定することにより、巡回的に切り換えられる運転表示画面の画面数や画面の順序等を温度調節計のユーザが自由に設定することができる。
【0029】
また、運転表示設定バンクでは、運転表示番号1〜Nごとに、運転表示画面から特殊表示画面への画面遷移の遷移要因の項目や、その画面遷移先である異常時特殊表示番号を設定することができる。
遷移要因(すなわち、外部及び/又は内部からの指示)の項目は、置数により例えば0〜10の番号を選択することにより設定され、0:無し(つまり遷移させない)、計器内部による遷移要因として、1:PV上限アラーム、2:PV下限アラーム、3:PV変化アラーム、4:イベントON、5:イベントOFF、計器外部からの遷移要因として、6:DI信号のアップエッジ、DI信号のダウンエッジ、8:RS485通信中、キー操作要因として、9:ディスプレイキー押下、10:エンターキー押下から選択可能である。
【0030】
また、異常時特殊表示番号は、置数により例えば0〜Mの番号を選択することにより設定され、0:無し(つまり遷移させない)、1〜M:特殊表示番号の何れかを指定することにより、異常時に運転表示画面から特殊表示画面へ遷移させるか否か、遷移させる場合はその遷移要因や遷移先をユーザが自由に設定可能である。
以下、図5に示されるフローチャートを参照して、表示設定部8の制御の下で運転表示画面の表示項目を設定するための運転表示設定手順について詳しく説明する。なお、図4の表示登録手順と重複する手順は表示登録手順のフローチャートのステップ番号を示して説明を省略する。
【0031】
先ず、運転表示設定を開始するために、温度調節計の電源を投入し、ディスプレイキーを押すことにより運転表示画面に遷移してS11に移行する。
S11では、S1と同様の操作によりS12に移行する。
S12では、S2と同様の操作によりS13に移行する。
S13では、運転表示設定バンク画面においてエンターキーを押すことにより運転表示設定バンク内に入ってS14に移行する。
【0032】
S14では、運転表示設定バンク内においてカーソルキーのうちのアップ(∧)キーやダウン(∨)キーの他、順送り(>)キーや逆送り(<)キーを押すことにより運転表示画面を遷移し、エンターキーを押すことにより表示枠に対する置数を開始してS15に移行する。
S15では、運転表示設定バンク内において特定の運転表示画面の詳細項目を設定した後、エンターキーを押してS16に移行する。
【0033】
S16では、表示設定が完了したか否かを判定し、判定結果が真(Yes)で表示設定が完了したと判定された場合には本手順を終了し、判定結果が偽(No)で表示設定が完了していないと判定された場合には再びS14に戻って表示設定を継続する。
次に、以下の表3は各特殊表示画面1〜Mがこれに対応する特殊表示番号1〜Mを付して管理された特殊表示設定バンクの概略構成を示しており、この特殊表示設定バンクは表示設定部8に格納されている。
【0034】
【表3】

【0035】
特殊表示設定バンクでは、特殊表示番号1〜Mごとに、特殊表示画面の表示パターンを決定するための表示画面番号の項目を設定することができ、この項目は置数により例えば0〜Lの番号を選択することにより設定され、0:表示無し(当この特殊表示画面は無視する、つまり使用しない)、1〜L:表示登録バンクに予め設定された表示パターンの表示登録番号の何れかを指定することにより、異常時の遷移先である特殊表示画面の表示パターンをユーザが自由に設定することができる。
【0036】
また、特殊表示設定バンクでは、特殊表示番号1〜Mごとに、特殊表示画面から運転表示画面への画面復帰の復帰要因の項目や、復帰要因がタイマ管理部11を利用した復帰指定時間を条件とする場合の復帰指定時間、復帰要因にラッチ手段5を利用する場合のラッチ解除手段6によるラッチ解除要因の項目、復帰要因が成立した場合の運転表示画面の復帰先である復帰時運転表示番号を設定することができる。
【0037】
復帰要因の項目は、置数により例えば0〜12の番号を選択することにより設定され、0〜10:運転表示設定バンクの遷移要因の項目と同じ、11:復帰要因に復帰指定時間をカウントするタイマ管理部11を利用、12:復帰要因にラッチ手段5を利用、から選択可能である。
また、ラッチ解除要因の項目は、置数により例えば0〜10の番号を選択することにより設定され、0:無し(つまりラッチ解除しない)、1〜10:運転表示設定バンクの遷移要因の項目と同じ、から選択可能である。更に、復帰時運転表示番号は、置数により例えば0〜Nの番号を選択することにより設定され、0:無し(つまり遷移させない)、1〜N:運転表示番号の何れかを指定することにより、復帰時に特殊表示画面から運転表示画面へ遷移させるか否か、遷移させる場合はその遷移要因や遷移先をユーザが自由に設定可能である。
【0038】
以下、図6に示されるフローチャートを参照して、表示設定部8の制御の下で特殊表示画面の表示項目を設定するための特殊表示設定の手順について説明する。なお、図4の表示登録手順と重複する手順は表示登録手順のフローチャートのステップ番号を示して説明を省略する。
先ず、特殊表示設定を開始するために、温度調節計の電源を投入し、ディスプレイキーを押すことにより運転表示画面に遷移してS21に移行する。
【0039】
S21では、S1と同様の操作によりS22に移行する。
S22では、S2と同様の操作によりS23に移行する。
S23では、特殊表示設定バンク画面においてエンターキーを押すことにより特殊表示設定バンク内に入ってS24に移行する。
S24では、特殊表示設定バンク内においてカーソルキーのうちのアップ(∧)キーやダウン(∨)キーの他、順送り(>)キーや逆送り(<)キーを押すことにより特殊表示画面を遷移し、エンターキーを押すことにより表示枠に対する置数を開始してS25に移行する。
【0040】
S25では、特殊表示バンク内において特定の特殊表示画面の詳細項目を設定した後、エンターキーを押してS26に移行する。
S26では、表示設定が完了したか否かを判定し、判定結果が真(Yes)で表示設定が完了したと判定された場合には本手順を終了し、判定結果が偽(No)で表示設定が完了していないと判定された場合には再びS24に戻って表示設定を継続する。
【0041】
以上のように、本実施形態では、温度調節計が外部及び/又は内部指示を受けて運転表示画面及び特殊表示画面の表示項目を設定登録する為の表示設定部8を具備することにより、ユーザは監視対象の種別に合わせて表示器20の画面構成を自由にカスタマイズすることができ、ユーザの利便性を大幅に向上することができる。
具体的には、ディスプレイキーによる操作を受けて、監視対象の運転情報の種別に合わせて表示器20の運転表示画面を自由に切り換え可能である。
【0042】
また、所定の遷移要因による指示を受けて、異常検出手段4にて検出された監視対象の異常情報の種別に合わせて表示器20の所定の運転表示画面を所定の特殊表示画面に自動で切り換え可能である。
更に、所定の復帰要因による指示を受けて、監視対象の異常情報の解消に合わせて表示器20の所定の特殊表示画面を所定の運転表示画面に自動で切り換え可能である。
【0043】
しかも、復帰要因となる復帰指示手段は、タイマ管理部11にて管理される所定の復帰指定時間の経過後や、または、ラッチ手段5による保持状態がラッチ解除手段6により解除された後に所定の特殊表示画面から所定の運転表示画面への復帰を指示するものであり、これにより、監視対象や異常情報の種別に合わせて表示器20の画面構成のみならず、その画面遷移をも自由にカスタマイズすることができる為、ユーザの利便性をより一層向上することができる。
【0044】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、復帰指示手段からの指示を受けて、表示器20に表示された特殊表示画面をこの特殊表示画面に対応する予め定められた運転表示画面に一義的に切り換えることとしているが、例えば異常情報の変化等に応じて、複数の特殊表示画面を予め定められた順序で巡回的に切り換えた後に運転表示画面に復帰させるようにしても良く、この場合にはユーザに対して複数の注意喚起をした後に運転表示画面に復帰させることも可能となるため、ユーザの利便性を更に向上することができるて好ましい。
【0045】
また、上記実施形態では、表示登録バンクでは表示画面の表示パターンごとに表示登録番号を付して管理しているが、例えば複数の表示パターンをグループ化してグループごとに管理しても良く、この場合には運転表示画面や特殊表示画面をグループ化して管理、登録することができるため、ユーザの利便性を更に向上することができて好適である。
更に、このような表示画面のグループ化を可能とすれば、表示画面の初期状態や基本状態となるグループを予め設定登録しておくことにより、運転表示画面や特殊表示画面をジェネライズして初期化することもできるため、これにより、ユーザの利便性をより一層向上することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る温度調節計の概略構成を示す図である。
【図2】図1の表示器の前面パネルの構成例を示す図である。
【図3】図1の表示画面切換部にて制御される表示画面の変更形態例を示す図である。
【図4】図1の表示設定部の制御下において表示登録バンクにて表示画面の表示パターンを設定登録するための表示登録手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の表示設定部の制御下において運転表示設定バンクにて運転表示画面の表示項目を設定するための運転表示設定手順を示すフローチャートである。
【図6】図1の表示設定部の制御下において特殊表示設定バンクにて特殊表示画面の表示項目を設定するための特殊表示設定手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
4 異常検出手段
5 ラッチ手段
6 ラッチ解除手段(復帰指示手段)
8 表示設定部(表示設定手段)
9 表示画面切換部(表示画面切換手段)
11 タイマ管理部(復帰指示手段)
20 表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示器と、監視対象の複数種の情報から構成される表示画面を前記表示器に選択的に切り換えて表示する表示画面切換手段を備えた調節計であって、
外部及び/又は内部からの指示を受けて前記表示画面の表示項目を設定登録する表示設定手段を具備することを特徴とする調節計。
【請求項2】
前記表示設定手段は、前記表示画面のうちの前記表示器に監視対象の運転情報を表示する為の運転表示画面の表示項目を設定するものであって、
前記表示画面切換手段は、外部及び/又は内部からの指示を受けて、複数の前記運転表示画面の中から前記表示器に表示する前記運転表示画面を予め定められた順序で巡回的に切り換えることを特徴とする請求項1に記載の調節計。
【請求項3】
前記監視対象の異常を検出して異常情報を出力する異常検出手段を具備し、
前記表示設定手段は、前記表示画面のうちの前記表示器に前記異常情報を表示する為の前記特殊表示画面の表示項目を設定するものであって、
前記表示画面切換手段は、前記異常情報を受けて、前記表示器に表示された前記運転表示画面を該運転表示画面に対応する予め定められた特殊表示画面に一義的に切り換えることを特徴とする請求項2に記載の調節計。
【請求項4】
前記特殊表示画面から前記運転表示画面への復帰を指示する復帰指示手段を具備し、
前記表示画面切換手段は、前記復帰指示手段からの指示を受けて、前記表示器に表示された前記特殊表示画面を該特殊表示画面に対応する予め定められた前記運転表示画面に一義的に切り換えることを特徴とする請求項3に記載の調節計。
【請求項5】
前記復帰指示手段は、所定の復帰指定時間の経過後に前記特殊表示画面から前記運転表示画面への復帰を指示することを特徴とする請求項4に記載の調節計。
【請求項6】
一旦発生した前記異常情報を保持して出力するラッチ手段と、該ラッチ手段による保持状態を解除するラッチ解除手段とを具備し、
前記復帰指示手段は、前記ラッチ手段による保持状態が前記ラッチ解除手段により解除された後に前記特殊表示画面から前記運転表示画面への復帰を指示することを特徴とする請求項4または5に記載の調節計。
【請求項7】
前記表示画面切換手段は、前記異常情報を受けて、複数の前記特殊表示画面の中から前記表示器に表示する前記特殊表示画面を予め定められた順序で巡回的に切り換えるものであって、
前記復帰指示手段は、前記特殊表示画面を予め定められた順序で巡回的に切り換えた後に前記運転表示画面への復帰を指示することを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の調節計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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