説明

識別システム

【目的】1つのインタロゲータと、複数のトランスポンダとを含む識別システムを提供する。
【構成】インタロゲータは、少なくとも2つの独立的な問合せ信号をトランスポンダへ送信するトランスミッタと、トランスポンダから応答信号を受信するレシーバとを含む。インタロゲータはまた、受信した応答信号におけるデータからトランスポンダを識別する処理手段を含む。各トランスポンダは、受信手段と、コード発生器と、このコード発生器に接続された送信手段とを含む。少なくとも1つの送信された問合せ信号の受信と同時に、トランスポンダはこれを識別するデータを含む応答信号を送出する。問合せ信号は、連続的にあるいは間欠的に送出することができる。望ましい実施態様においては、問合せ信号は異なる周波数における比較的狭い帯域幅の信号である。各トランスポンダの受信手段は、比較的広い受信帯域幅を持ち、トランスポンダが1つ以上の問合せ信号に応答するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つのインタロゲータと複数のトランスポンダとを含む識別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
南アフリカ国特許出願第92/0039号は、1つのインタロゲータと、識別される物体に取付けられあるいはこれと関連する、複数の個々のトランスポンダとからなる識別システムについて記載している。識別される物体は、例えば、スーパーマーケットあるいは倉庫における在庫の品目である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記の種類のシステムにおけるトランスポンダ識別の可能性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、識別システムは、1つのインタロゲータと、複数のトランスポンダとからなっており、インタロゲータは少なくとも2つの独立的な問合せ信号をトランスポンダに対して送信するトランスミッタ(送信)装置と、トランスポンダから応答信号を受取るレシーバ(受信)装置と、応答信号におけるデータからトランスポンダを識別する処理装置とを含み、各トランスポンダは受信装置と、コード発生器と、このコード発生器と接続された送信装置とを含み、少なくとも1つの送信された問合せ信号の受取りと同時に、トランスポンダがトランスポンダを識別するデータを含む応答信号を送出する。
【0005】
インタロゲータの送信装置は、少なくとも2つの問合せ信号を連続的に送出するようになっている。
【0006】
あるいはまた、インタロゲータの送信装置は、問合せ信号における不能化命令により不能状態にされたトランスポンダがそれ自体を自動的にリセットする最小期間より短い連続的な問合せ信号間の間隔を以て、少なくとも2つの問合せ信号を間欠的に送出するようになっている。
【0007】
この少なくとも2つの問合せ信号は、トランスポンダの受信装置の受信帯域幅内に該当するように選択される異なる各周波数を有する。
【0008】
前記の少なくとも2つの問合せ信号は比較的狭い帯域幅の信号であることが望ましく、各トランスポンダの受信装置は、少なくとも2つの問合せ信号の異なる各周波数が含まれる比較的広い受信帯域幅を有し、トランスポンダが1つ以上の問合せ信号に応答するようにする。
【0009】
各問合せ信号はデータで変調されることが望ましく、各問合せ信号のこのデータ変調帯域幅は、問合せ信号の異なる各周波数間の間隔より小さい。
【0010】
トランスポンダの送信装置は、アンテナと、このアンテナの反射率を変調する装置とを含み、その結果トランスポンダの応答信号が、トランスポンダを識別するデータで変調された1つ以上の問合せ信号キャリヤを含むようにする。
【0011】
インタロゲータの送信装置は、少なくとも2つの隔てられた送信アンテナを含み、受信装置は少なくとも2つの隔てられた受信アンテナを含むことが望ましい。
【0012】
送信装置および受信装置は、少なくとも2つの隔てられたアンテナ装置を含むことが望ましく、各アンテナ装置は送信アンテナおよび隣接する受信アンテナを含む。
【0013】
各アンテナは、800MHzと1GHz間の周波数で動作するよう設計されたパッチ・アレイを含む。
【0014】
少なくとも2つの各送受信アンテナが、相互に異なるように偏波されることが望ましい。
【0015】
本発明の別の実施態様においては、インタロゲータの送信装置は、1つの送信アンテナと、異なる各周波数で問合せ信号を生成するための少なくとも第1および第2のトランスミッタと、トランスミッタの出力を交互に送信アンテナへ切換えるスイッチ装置とを含んでいる。
【0016】
この実施態様においては、インタロゲータの受信装置および処理装置は、少なくとも第1および第2のトランスミッタの異なる各周波数で送信される問合せ信号に応答して、トランスポンダからの応答信号を弁別するようになっていることが望ましい。
【0017】
処理装置は、2つ以上の異なる各周波数で送られる重複したトランスポンダ応答信号を検出して、これらを無視するようになっていることが望ましい。
【0018】
インタロゲータの送信装置および受信装置は、識別されるトランスポンダが通過する問合せ区間を規定する構造部にあるいはそれに隣接して取付けられる。
【0019】
望ましい実施態様においては、インタロゲータの送信装置および受信装置は、各トランスポンダが取付けられる物品を含む搬送装置が通過し得る通路を規定するフレームにより支持される。
【0020】
少なくとも2つの問合せ信号の異なる各周波数は、インタロゲータの送信装置の予め定めた距離内で問合せ信号の電界に重なる無信号状態が存在しないように選択されることが望ましい。
【0021】
本システムは、識別された各トランスポンダから受取るデータを記録し、受取ったデータを、受取りデータと対応する記憶データと関連付ける処理装置を含む。
【0022】
処理装置は、異なるトランスポンダが取付けられる物品の値段または識別データを記憶して、識別されたトランスポンダの識別コードをこれに関連付けるようになっている。
【0023】
本システムは、各トランスポンダが取付けられる物品が値段データと関連させられる表示を生成する表示装置を含む。
【0024】
本システムは更に、表示のプリントアウトを生成するプリンタ装置を含む。
【0025】
本発明の別の特質によれば、識別システムは、1つのインタロゲータと、複数のトランスポンダとを含み、インタロゲータは、それぞれ異なる周波数を有する問合せ信号と禁止信号とをトランスポンダへ送る送信装置と、トランスポンダから各信号を受取る受信装置と、応答信号におけるデータからトランスポンダを識別する処理装置とを含み、各トランスポンダは、送信された問合せ信号と禁止信号を受取る受信装置と、コード発生器と、このコード発生器と接続される送信装置とを含み、問合せ信号と禁止信号のそれぞれ異なる周波数はトランスポンダの受信装置の受信帯域幅内に該当するように選択され、トランスポンダは、問合せ信号の受取りと同時に、トランスポンダの連続的な識別における問合せ信号の遮断命令により不能状態にされ、また禁止信号を受信し続ける間不能状態のままであるトランスポンダを識別するデータを含む応答信号を送出するようになっている。
【0026】
問合せ信号は、比較的指向性を有する信号であり、禁止信号は比較的広く分散される信号である。
【0027】
禁止信号は、望ましくは問合せ信号のビーム幅の少なくとも5倍であることが望ましいビーム幅を有する。
【0028】
問合せ信号は、比較的高い出力の信号であり、禁止信号は比較的低い出力の信号であることが望ましい。
【0029】
トランスポンダに対する遮断命令は、問合せ信号と禁止信号の双方において送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1は、インタロゲータ10に近い反射面、および(または)トランスポンダを検出することが要求される問合せ区間がある場合に問題となる種類の識別システムにおいて生じる問題を示している。一次問合せ信号12はインタロゲータ10のアンテナ14から問合せ区間へ直接送られるが、二次問合せ信号16は反射面から反射される。インタロゲータからある距離では、直接信号12と反射信号16が波長の半分だけ位相がずれており、問合せ信号の電界に無信号状態を生じる。この結果、トランスポンダをパワーアップするには不充分なRFエネルギを持つ弱い問合せ信号を有する問合せ区間の領域20が生じる。その結果、一部のトランスポンダはインタロゲータにより検出できないことがある。
【0031】
図2は、この問題に対する第1の解決法を略図的に示す。図2では、インタロゲータ10に第1および第2のアンテナ22、24が設けられ、これらは半波長だけ隔てられており、またスイッチ装置26により選択することができる。アンテナの異なる間隔により、無信号状態即ち、低出力領域20が異なる場所に生じる。使用において、インタロゲータ10は最初にアンテナ22に接続され、問合せ区間における物品を走査して物品に取付けられる種々のトランスポンダから受取られる識別コードを記録する。次にスイッチ装置26は、インタロゲータ10をアンテナ24へ接続し、この処理が反復される。両方の問合せ手順の間に記録された識別コードが比較され、重複したコードが捨てられる。このように、問合せ区間における物品の一部がアンテナ22または24の一方のRF無信号状態にある問合せ区間の各部に位置するにも拘わらず、全ての物品を識別することができる。
【0032】
上記システムは、各々が一義的な識別コードを持つトランスポンダを有する物品を識別するために充分である。しかし、多数の物品が全て同じ識別コードを持つトランスポンダを付けられる場合は、重複した読みを捨てるような方法で第1および第2の問合せ手順の結果を比較することができないため、図2のシステムを用いて物品数を正確に勘定することはできない。
【0033】
内容が参考のため本文に援用される南アフリカ国特許出願第92/0039号に記載されたシステムは、自動的な在庫調べを可能にするため、同じ種類の物品に取付けられる多数の同じトランスポンダを含んでいる。各トランスポンダは、これがその存在をインタロゲータへ成功裏に通信した後に不能状態にされ、問合せ信号により生じるRF電界が完全に除去されるまでは不能状態のままである。明らかに、問合せ区間において深いDF無信号状態を有するシステムは、個々のタグが無信号状態のRF出力の欠落をインタロゲータの遮断と解釈するおそれがあるため、この種のタグでの使用には適さない。その結果、連続的な識別の後不能状態にされたトランスポンダは、無信号状態の位置が移動すると再びオンにされることがあり、余分な信号を生じることにより正しくないカウントを生じる。
【0034】
この問題を克服するためには、少なくとも2つの異なる周波数で問合せ信号を同時あるいは間欠的に送信するインタロゲータが提供される。図3では、インタロゲータ10に第1のトランスミッタ25、第2のトランスミッタ27、切替え手段29及びアンテナ22が設けられる。例えば、750MHzおよび915MHzの周波数を用いることができる。これら周波数は、図3に示される如く、問合せ区間内に両方の周波数におけるRF無信号状態が生じる場所がないように選択される。トランスポンダが問合せ信号から受取ったRFエネルギを整流することにより供給されるため、またRFエネルギが問合せ信号の少なくとも1つからの問合せ区間における各場所に存在することになるため、トランスポンダは連続的に給電状態を維持し、成功した識別後にインタロゲータから受取った「不能化命令」を覚えていることができる。
【0035】
異なる問合せ信号が全て連続的かつ同時に送信されない場合は、連続的な送信間の間隔は、不能化されたトランスポンダがそれ自体を自動的にリセットする最小期間より短くなければならない。
【0036】
トランスポンダがそれらの受信アンテナの反射率を変化させることにより、あるいは識別コードにより変調される受信した問合せ信号エネルギのある比率を再放射することによってそれらの識別コードを変調するため、このデータは、両方の問合せ信号により同時に照射される前記タグに対する両周波数で転送されることになり、一方または他方の問合せ信号の無信号状態に置かれるトランスポンダの場合は1つの周波数のみで転送されることになる。このことから、インタロゲータは一方または両方の周波数において応答するトランスポンダを認識することができる。
【0037】
本発明の本実施例を実現するためのシステムは、図4に略図的に示されている。このシステムにおいては、インタロゲータは、インタロゲータ/コントローラ装置28と、関連するアンテナ32を持つ第1のトランスミッタ30と、関連するアンテナ36を持つ第2のトランスミッタ34とを含む。タグ即ちトランスポンダ38は、反射面40に隣接する略々問合せ区間内で距離を隔てて示される。相互に隔てて置かれて重なることのない無信号状態あるいは低いRF電界強さの領域42、44が、略図的に示されている。
【0038】
本発明の多くの実際の用途は、自明である。1つの用途においては、本システムは、勘定手順を自動化するためスーパーマーケットにおいて用いられ、金銭レジスタを用いて物品の手による走査または入力を不要にする。別の用途においては、例えば蔵置室、倉庫またはトラックの内容物を積卸しまたは開凾をすることなく決定することができる。別の用途においては、書店または図書館における書籍の如き物品、あるいは楽器店におけるコンパクト・ディスクの如き物品を、自動化された在庫調べプロセスにおいて識別し勘定することができる。
【0039】
これらの事例は単なる例示であり、本発明の他の多くの用途があり得ることが判るであろう。
【0040】
本発明の上記スーパーマーケットの勘定台の実施態様について、次に更に詳細に記述する。
【0041】
図5は、スーパーマーケットの勘定台に取付けられ、インタロゲータのアンテナ装置48を通過するスーパーマーケットのワゴン46の内容物を走査するよう設計された本発明によるインタロゲータを示している。インタロゲータは、キーボードまたはキーパッド52を有する勘定窓口(till)または制御装置50と、ディスプレイ54と、送り状プリンタ56とを含む。インタロゲータ/制御装置50は、従来のスーパーマーケットにおける如くレジ係または勘定助手により操作される。
【0042】
インタロゲータのアンテナ組立体48が、図6に略図的に示され、3個の個々のアンテナ装置58、60、62を支持する溶接管部のフレームを含むように示される。
【0043】
アンテナ装置を支持するフレームは、ワゴン46がアンテナ装置を押されて通過する時ワゴンの内容を充分に網羅する大きさである問合せ区間を画成するための、ワゴンが上部アンテナ装置60の下方および左右のアンテナ装置58、62間を通過するような寸法となっている。異なるアンテナ装置のアンテナは、問合せ区間内の物品が無秩序な方向を向いているという事実に対処するように相互に異なるように偏波され、従ってそれらのトランスポンダ・アンテナもまた無秩序に偏波されることになる。
【0044】
ワゴン内部には、ビン、箱および他の容器を含む食品である種々の物品64、ならびに箱その他の容器に収容されないが例えばタグ、レッテルまたはラベルにより識別される比較的大きな商品がある。
【0045】
ワゴン46内の各物品64は、これに埋設されあるいはこれに取付けられたトランスポンダを有し、取付けられる物品の種類を一義的に識別する識別コードを有する。同じ種類の物品には、同じコードを持つトランスポンダが取付けられる。ワゴン内の物品数は同じであり、従って同じコードを持つトランスポンダを有することになる。
【0046】
3個のアンテナ装置58、60、62は、異なる周波数で動作する。左側のアンテナ装置58は915MHzで働き、右側のアンテナ装置62は910MHzで働き、上方のアンテナ装置60は920MHzで働く。
【0047】
アンテナ装置58、60、62の各々は、1つの送信アンテナと、1つの受信アンテナとを含む。送信および受信アンテナは同じものである。各アンテナは、相互に接続される4個の四角のパッチ66を含むマイクロストリップ・パッチ・アレイ(図7参照)である。送信および受信アンテナは、E−偏波され、原型の装置では3.2mmの厚さの銅被覆と、2.33の誘電係数と0.0012の散逸係数とを持つ基板とを有する、Diclad社のGY870印刷回路板材上に形成された。アンテナ・パッチ66は、104mm平方であり、各パッチ・アレイは406mm平方であった。図8は、915MHzにおけるマイクロストリップ・パッチ・アレイに対するE−面偏波パターンであり、その比較的指向性のある特性を示している。
【0048】
図9は、システムのインタロゲータの全体ブロック図であり、アンテナ装置58、60、62およびそれらの関連する電子回路を示す。アンテナ装置58、60、62の各々の送信アンテナは、910MHz、915MHzおよび920MHz(即ち、5MHz間隔)の中心周波数で動作するトランスミッタ68、70、72により駆動される。トランスミッタ68、70、72は、中央コンピュータ・システム、即ち本例では勘定窓口50にリンクされるマイクロプロセッサに基く制御装置74により生成されるトランスミッタ制御信号により制御される。各トランスミッタにより送信される問合せ信号は、特定のトランスポンダ、トランスポンダの特定のグループ即ち種類、あるいは全てのトランスポンダをアドレス指定する信号により変調されるキャリヤ信号(トランスミッタの各動作周波数)を含む。
【0049】
アンテナ装置58、60、62の各々の受信アンテナは、各トランスミッタと同じ周波数(即ち、910MHz、915MHzまたは920MHz)に同調される各空洞同調フィルタ76、78、80と接続されている。フィルタ76、78、80の出力は、トランスミッタの局部発振器から得る各トランスミッタからの信号、および局部発振器信号の90°移相バージョンと共に、各直角位相レシーバおよび増幅器82、84、86へ送られる。各直角位相レシーバ/増幅器は、結合回路88へ送られるデータ出力信号を生成し、この回路がデータ信号を同期するように組合わせて複合データ信号を位相同期ループおよびコード抽出回路90へ送り、この回路が受信したトランスポンダ信号に含まれるコードを抽出してこれらをマイクロプロセッサ74へ送る。
【0050】
直角位相レシーバ/増幅器82、84、86の動作については、以下において単一直角位相レシーバ/増幅器のブロック図である図10、および図10の回路における種々の点に存在する波形を示す波形図である図11に関して更に詳細に述べる。
【0051】
トランスミッタ68、70、72、空洞同調フィルタ76、78、80、直角位相レシーバ/増幅器82、84、86、および他の関連するRF構成要素は、アンテナ装置58、60、62の各々のハウジング内に収容される。アンテナ装置は、ケーブル64により勘定窓口50のハウジング内の結合回路88およびマイクロプロセッサ74と接続されている。ケーブルは、アンテナ装置とインタロゲータの制御および処理回路との間にデータを送り、また電力をアンテナ装置へ供給する。
【0052】
受信された問合せ信号によりパワーアップされた後、ワゴン46内の物品64に取付けられたトランスポンダが応答を開始して、南アフリカ国特許出願第92/0039号に記載される如く受信したインタロゲータのキャリヤ周波数を変調することによってそれら自体の識別コードを再びインタロゲータへ戻す。各トランスポンダが比較的広い帯域のデバイスであり、また典型的に800MHz乃至1GHzの信号を受信するように設計されるアンテナを有する故に、トランスポンダは、各アンテナ装置によりそれらの異なる周波数で送信された1つ以上の信号に応答することができる。インタロゲータのトランスミッタは、無論、トランスポンダの受信帯域幅内の周波数(この場合、800MHz乃至1GHz間の周波数)で送信しなければならない。
【0053】
トランスポンダの回路は、トランスポンダがその識別コードをそのオンボード発振器のクロック・レート(典型的には、10KHz)で送信する時、トランスポンダ回路の有効入力インピーダンスを変化させるように設計されており、これによりトランスポンダのアンテナの成端および反射率を然るべく変化させる。このため、受信した問合せ信号の一部はインタロゲータ・アンテナへ再び反射されて、トランスポンダ自体の出力信号で変調される。この動作モードでは、インタロゲータからの問合せ信号がアンテナ装置58、60、62の各々により用いられる1つ、2つあるいは3つ全ての異なる周波数でトランスポンダにより受信することができ、トランスポンダは変調された信号を再び各アンテナ装置へ異なる各周波数で反射することが可能である。これは、1つ以上の異なる周波数で照射されようとも、トランスポンダの動作にとっては相違がなく、異なる各周波数における反射信号は、アンテナ装置58、60、62およびそれらの関連回路の比較的狭い帯域幅により、また問合せ信号のデータの変調帯域幅が典型的に、異なる問合せ周波数間の間隔より実質的に小さい10KHz乃至100KHz間になるように選択される故に、相互に干渉することがない。
【0054】
どれかのアンテナ装置により受信されるトランスポンダ応答信号は、各々の受信アンテナとその関連する空洞同調フィルタを介してミクサ/フィルタ回路92へ送られ、ここで受信された信号が関連するトランスミッタから得た局部発振器信号と混合されてベースバンド・トランスポンダ応答信号を抽出する。このミクサ/フィルタ回路92は、隣接するインタロゲータのトランスミッタの異なる周波数から結果として生じる比較的高い周波数生成物を除去する低域通過フィルタを含む。ミクサ/フィルタ回路92の出力は高域通過フィルタ94へ送られる信号Aであり(図11参照)、このフィルタでトランスポンダの応答信号におけるコード遷移が疑似微分により抽出される。応答信号は、図11にBで示される。
【0055】
復調されたベースバンド・トランスポンダ応答信号Aは、問合せ区間において対象物が移動するに伴い、問合せ信号のキャリヤ周波数のドップラ偏移により含まれる固有の低周波ノイズと共に、強さが変化する。高域通過フィルタ94は、この低周波ノイズを濾波して、コードの比較的高い周波数遷移分のみを通し、結果として生じる「スパイク」を有効に増幅する。これらの遷移「スパイク」は、増幅回路96により更に増幅されて、図11の増幅信号Cを結果として生じる。この信号Cは次に全波整流器98へ通される。結果として生じる全波整流信号はD1で示される。受信されたトランスポンダの応答信号は同じレシーバ回路へ送られるが、そのミクサ/フィルタ回路92は、ミクサ/フィルタ回路92へ送られる局部発振器信号による90°位相がずれた局部発振器信号の移相バージョンが与えられる。重複したレシーバ回路の出力は、全波整流信号D2である。
【0056】
全波整流器98および98′の出力は、加算回路100において一つに加算されて複合波形Eを生じる。遷移即ち「スパイク」が一緒に生じる場合、加算出力が比較的大きくなるが、一方の弱い信号のみが生じる場合は、加算出力は比較的小さい。2重のレシーバ構成の目的は、受信信号がトランスミッタからの局部発振器基準信号と正確に同位相である受信信号により検出されない状況に対処することである。重複したレシーバ・チャンネルにおいて別の移相局部発振器信号を用いることにより、少なくとも1つの信号D1またはD2が受信信号から強い出力を生じることになる。
【0057】
加算回路100の出力は増幅器102へ送られ、この増幅器が増幅された組合わせ信号をノイズ・リミッタ回路104へ送り、この回路は基準閾値より高い入力パルスを受取る時出力クロック・パルスを生じるようにセットされている。これらのクロック・パルスは、トランスポンダから受取る受信マンチェスター・コード・フォーマット信号である出力Fを生じるD−タイプ・フリップフロップ106へ送られる。トランスポンダの応答信号のコードは、トランスポンダ・メッセージの最初のビットが常に、フリップフロップ106により再生されるコードのフォーマットと対応するマンチェスター・コード「1」であるように構成される。
【0058】
図11の波形図において、波形D1およびD2が、振幅が僅かに異なるトランスポンダから受信した信号と対応している。信号Eを生じるように一つに加算された時、信号D1およびD2の「スパイク」は加算されて比較的強い信号となる。この信号が振幅において充分に大きくノイズ・リミッタ回路104の閾値108を越えるならば、マンチェスター・コード出力の遷移分Fが生成される。
【0059】
アンテナ装置およびそのトランスミッタおよびレシーバ回路の各々が同様に動作して、直角位相レシーバ/増幅器82、84、86の各々が、それ自体の問合せ周波数とそれ自体のアンテナ偏波を用いてトランスポンダからの応答信号を拾上げることができる。
【0060】
このため、ワゴン46に入れられる物品がこのワゴン内で無秩序に転動されるため異なる状態でアンテナが偏波されるトランスポンダを有する状態が生じ得る。トラックあるいはステレオルーム内で包装された物品の場合は、物品は一貫した状態で包装されても物品上のトランスポンダのアンテナは水平方向に偏波されるが、単一のインタロゲータ・アンテナは垂直方向に偏波され、従ってトランスポンダを「直視する(see)」ことがない。しかし、図示された構成においては、3つの異なる動作周波数の使用が、様々に偏波されるアンテナと共に、ワゴン内のトランスポンダが3つ全てではなくとも少なくとも2つの異なる問合せ周波数によって同時に全体的に照射される。
【0061】
ワゴン内の錫の缶の如き金属性の対象物は、アンテナ装置の1つからワゴン内容物を部分的に見透す(screen)ことができる。しかし、ほとんどの場合、他の2つのアンテナ装置が問題のトランスポンダを正常に照射する。これらアンテナ装置の1つの偏波が問題のトランスポンダに対して正しくなければ、残りのアンテナ装置がトランスポンダを検出するはずである。明らかに、トランスポンダが3つのアンテナ装置の全てから完全に遮蔽されたような状況が生じ得ることが判る。しかし、このような状況は実際には稀である。問合せ区間における全ての物品を識別することが重要である場合には、更に多くのアンテナ装置を設けることもできる。
【0062】
先に述べた事例においては、例えば、上方のアンテナ装置に加えて、あるいはその代わりに別のアンテナ装置をワゴンの下方に設けることもできる。アンテナ組立体は、ワゴンが入れられる「トンネル」ではなくワゴンが一時的に「止められる」窪みを画成することもできる。これは、別の更にアンテナ装置を窪みの内側端部に配置することを容易にすることになろう。
【0063】
直角位相レシーバ/増幅器82、84、86の各々により生成されるマンチェスター・コード・データは、ある類似したスタイルの3つの入力波形を加えて1つの組合わせ応答信号を形成する回路を含む結合回路88へ送られる。この回路の後には、コンパレータと、先に述べた如き1つのマンチェスター・コードを生成する単一のフリップフロップとが続く。従って、結合回路88の出力は、64ビットの情報を含み、常に「1」で始まるマンチェスター・コードである。
【0064】
結合回路の出力は、位相同期ループ回路90とマイクロプロセッサ74へ送られ、このマイクロプロセッサは南アフリカ国特許出願第93/6267号に記載される如き受信コードから情報を得る。このマイクロプロセッサは、受信信号からトランスポンダの識別コードを取出して、このコードがパリティ検査またはCRC(周期冗長検査コード)検査により有効数であることを検証し、この数を関連する用途に従って処理する。
【0065】
マイクロプロセッサ74がトランスポンダが有効に識別されたと判定するならば、1つのみあるいは2つ以上の問合せ周波数の如何に拘わらず、トランスミッタ68、70、72は、例えば、トランスポンダの応答信号を連続的に受取ったある時間後に、それらの出力信号を完全に割込むことにより、あるいはそれらの出力電力を予め定めた量だけ減じることによって、それらの問合せ信号を修正するように同期的に指令される。このプロセスは、内容が参考のため本文に援用される南アフリカ国特許出願第93/6267号に記載されたシステムに従って実施される。
【0066】
レシーバ回路の1つが他の2つのアンテナにより「聞き取られ」ない1つのトランスポンダから応答信号を受取る状態においては、これらのアンテナが別のトランスポンダから信号を同時に受取るが、結合回路において一つに加えられた信号は正しいビット長さとならず、あるいは正しい有効コードを含まず、その結果無視されることになる。個々のトランスポンダからの送信は、他のトランスポンダからの重なった送信によりしばしば「ジャム」状態となり、その結果受信信号は検査/検証ステップのいずれも経由しない。しかし、他のトランスポンダが同時に送信していない「無信号」期間にトランスポンダの信号が受信される時は、この信号は検証されることになり、残りのデータは、トランスポンダが取付けられた物品の識別および計数のためマイクロプロセッサ74へ送られる。
【0067】
上記のシステムは、問題となる種類の低コストのトランスポンダが広い公差要素を用いるという事実を拓くものであり、これが製造における良好な歩留まりを可能にする。これらのトランスポンダは同調回路を含まず、従来の集積回路工場において製造される単一の集積回路を含む。トランスポンダのアンテナは、その周波数応答特性を決定し、比較的広い帯域幅となるように設計することができる。従ってこれらトランスポンダは、比較的狭い帯域幅のインタロゲータの送受信アンテナを用いて幾つかの異なる周波数について同時に問合せが可能であり、その結果トランスポンダは、応答を送る時に1つまたは幾つかの問合せ信号を同時に変調する。
【0068】
ワゴン46における全てのトランスポンダが成功裏に識別された時、これは典型的に1秒以下で済み、マイクロプロセッサ74はデータを勘定窓口50へ送り、勘定窓口は、受信したトランスポンダ・コードを値段索引テーブルにおける情報と関連付けることにより、図12に示される事例のプリントアウトの形態を取り得るプリントアウトを生成する。ワゴンにおける各物品の性質が、1個当たりの値段、物品の個数、小計およびワゴン内の全ての物品の合計値段と共に表示される。マイクロプロセッサ74または勘定窓口50自体は、値段の索引データを記憶することができ、このデータは周期的に、例えば毎日更新することができる。あるいはまた、マイクロプロセッサ74または勘定窓口50は、中央コンピュータとオンラインで接続することができ、中央コンピュータは更新された値段索引データを継続的に提供する。
【0069】
図12の事例のプリントアウトにおける情報は、勘定窓口50のスクリーン54上に表示することができ、また顧客の領収書として供されるプリンタ56により生成される紙のプリントアウト上に反映される。支払いは、通常の方法で顧客により行うことができる。しかし、上記システムによる領収書の自動生成は、それ自体が問題の小売商との勘定口座を持つ顧客の自動的な請求書発行に役立つ。
【0070】
本発明の更に他の用途が図13および図14R>4に示される。本発明のこの実施例は、例えば書店における在庫調べ、あるいは店頭販売のコンパクト・ディスクおよびカセットにおいて適用可能である。このような用途においては、書籍であれ、コンパクト・ディスクあるいはカセットであれ、店舗の在庫の各品目は、問題となる物品を識別するトランスポンダがこれに固着される。南アフリカ国特許出願第92/0039号および同第93/6267号に記載された識別システムを用いて、また手に持てるインタロゲータ装置またはスキャナを用いて物品を問合せることができ、また識別および勘定がなされる。各物品のトランスポンダがインタロゲータとうまく通信する時、インタロゲータは遮断命令を受取って停止する。しばらく後に、遮断されたトランスポンダは自らをリセットして、再び問合せ信号に応答する用意ができる。
【0071】
既に問合せされ遮断されたトランスポンダがこのようにリセットされ、次いでインタロゲータのビームによる照射が偶発的に行われ、そのためこれらのトランスポンダが再び勘定されて在庫調べの誤りを結果として生じるという点において問題が生じるおそれがある。このようなあり得る問題に対処するため、第1の狭いインタロゲータ・ビーム(ビーム1)と第2の広角度の禁止ビーム(ビーム2)とを同時に異なる周波数で送信する手に持つインタロゲータ108が提供される。問合せビーム(ビーム1)は、4mのその最大動作範囲で約15cmのビーム幅を典型的に有し、915MHzの周波数で6ワットの出力で送信される。禁止ビーム(ビーム2)ははるかに広く分散され、同じ動作距離において約4mのビーム幅を有する。禁止ビームと問合せビームの幅間の比は少なくとも5対1であり、望ましくは10対1より大きい。上記の事例では、この比は20対1より大きい。禁止ビームは、典型的に3ワットの比較的低い出力において異なる周波数(プロトタイプ・システムでは、900MHz)で送出される。
【0072】
図14は、簡素化された略図で、手に持つインタロゲータ108により使用される回路の一部を示す。この回路は、問合せビーム(ビーム1)を送信する指向性送信アンテナ112を持つ915MHzのトランスミッタ110を含む。このインタロゲータは、インタロゲータの復号および制御回路118へ送られる受信したトランスポンダの応答信号をレシーバ116に供給する(別個のものか、あるいはアンテナ112と同じアンテナでよい)指向性受信アンテナ114を含む。この回路はまた、アンテナ112より少ない指向性の関連するアンテナ122を持つ第2のトランスミッタ120を制御して禁止ビーム(ビーム2)を送信する。
【0073】
問合せビーム(ビーム1)のより高い出力およびより狭いビーム幅のため、このビームはこれにより照射されるトランスポンダへ、パワーアップして応答信号を送信させるに充分な出力を提供する。禁止ビーム(ビーム2)は、より低い出力を持ち、はるかに大きな量にわたり送信され、その出力は通常その時不動作状態にあるトランスポンダを活動状態にするには不充分である。しかし、このビームは、うまく検出された不能状態のトランスポンダが完全にパワーダウン状態になることを阻止するに充分な出力を送り、これによりこれらトランスポンダが問合せビーム(ビーム1)が遠去かる時リセットすることを阻止する。
【0074】
インタロゲータ装置108に非常に近いトランスポンダは、パワーアップおよび結果としての応答信号の送出に充分な禁止ビームからの出力を受信することができる。しかし、これらの応答信号は、トランスポンダの応答コードにより変調された禁止ビームの900MHzキャリヤを含み、これは915MHzの狭帯域幅の受信アンテナ114では検出されない。
【0075】
トランスポンダが良好に検出されると、制御回路118は、トランスミッタ110と禁止するトランスミッタ120の双方へ与えられる「間隔」即ち遮断信号を生成し、そのため関連するトランスポンダを遮断するように両方のトランスミッタの出力が単に遮断される。この遮断信号は、トランスミッタ120にも与えられて、インタロゲータ108に対するトランスポンダの接近により、意図するようにトランスポンダの遮断を阻止するに充分な禁止ビーム(ビーム2)が強い可能性に対処する。
【0076】
上記のシステムは、トランスポンダが周波数に比較的感応しないことに対処して更に正確な読取り即ち問合せ動作を提供するものであることが判る。
【0077】
禁止ビームまたは信号が携帯し得るインタロゲータ108から送信されることは必須ではない。ある構成においては、完全に別個の禁止信号用の送信システムを提供することが好都合なこともある。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】反射信号の結果として識別区間における無信号状態の生成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示す概略図である。
【図3】問合せ信号に対して異なる周波数を用いる効果を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す概略図である。
【図5】スーパーマーケットの勘定台における本発明の実施例を示す概略図である。
【図6】図5のシステムのアンテナ組立体を示す斜視図である。
【図7】図6のアンテナ組立体のアンテナ装置を示す平面図である。
【図8】図7のアンテナ装置のアンテナ素子の放出パターンを示すグラフである。
【図9】図5および図6のシステムの全体的電子回路を示すブロック図である。
【図10】図9の直角位相レシーバ/増幅器を示す更に詳細なブロック図である。
【図11】図10における異なる点における波形を示す波形図である。
【図12】図5および図6のシステムにより印刷される顧客のレシート例を示す図である。
【図13】本発明の別の実施例を示す概略図である。
【図14】図13の実施例の動作を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0079】
10 インタロゲータ
12 一次問合せ信号
14 アンテナ
16 二次問合せ信号
20 低出力領域
22 アンテナ
24 アンテナ
26 スイッチ装置
28 インタロゲータ/コントローラ装置
30 第1のトランスミッタ
32 アンテナ
34 第2のトランスミッタ
36 アンテナ
38 トランスポンダ
40 反射面
46 ワゴン
48 アンテナ装置
50 インタロゲータ/制御装置(勘定窓口)
52 キーボードまたはキーパッド
54 ディスプレイ
56 送り状プリンタ
58 アンテナ装置
60 アンテナ装置
62 アンテナ装置
64 ケーブル
66 アンテナ・パッチ
68 トランスミッタ
70 トランスミッタ
72 トランスミッタ
74 マイクロプロセッサ
76 空洞同調フィルタ
78 空洞同調フィルタ
80 空洞同調フィルタ
82 直角位相レシーバ/増幅器
84 直角位相レシーバ/増幅器
86 直角位相レシーバ/増幅器
88 結合回路
90 位相同期ループ/コード抽出回路
92 ミクサ/フィルタ回路
94 高域通過フィルタ
96 増幅回路
98 全波整流器
100 加算回路
102 増幅器
104 ノイズ・リミッタ回路
106 フリップフロップ
108 インタロゲータ
110 トランスミッタ
112 指向性送信アンテナ
114 指向性受信アンテナ
116 レシーバ
118 復号/制御回路
120 トランスミッタ
122 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのインタロゲータと複数のトランスポンダとを設け、前記インタロゲータが問合せ信号を前記トランスポンダへ送信する送信手段と、前記トランスポンダからの応答信号を受信する受信手段と、該応答信号におけるデータから前記トランスポンダを識別する処理手段とを含み、各トランスポンダは、受信手段と、コード発生器と、該コード発生器と接続された送信手段とを含み、少なくとも1つの送信された問合せ信号の受信と同時に、前記トランスポンダが該トランスポンダを識別するデータを含む応答信号を送信する、識別システムであって、
インタロゲータは各々が別々の周波数を持つ少なくとも二つの独立した問い合わせ信号を同時に送信し、各トランスポンダは少なくとも一つの問い合わせ信号の受信と同時に応答信号を送信し、インタロゲータはいくつか又は全ての周波数で送信された同じトランスポンダからの応答信号を識別することを特徴とする識別システム。
【請求項2】
前記少なくとも2つの問合せ信号が、前記トランスポンダの受信手段の受信帯域幅内に該当するように選択される、それぞれ異なる周波数を持つことを特徴とする請求項1に記載の識別システム。
【請求項3】
前記少なくとも2つの問合せ信号が比較的狭い帯域幅の信号であり、各トランスポンダの受信手段が、前記少なくとも2つの問合せ信号の各異なる周波数が含まれる比較的広い受信帯域幅を持ち、前記トランスポンダが1つ以上の問合せ信号のどれかに応答するようにすることを特徴とする請求項2記載の識別システム。
【請求項4】
各問合せ信号がデータで変調され、各問合せ信号のデータ変調帯域幅が、前記問合せ信号の各異なる周波数間の間隔より短いことを特徴とする請求項3記載の識別システム。
【請求項5】
前記トランスポンダの送信手段が、アンテナと該アンテナの反射率を変調する手段とを含み、前記トランスポンダの応答信号が、トランスポンダを識別するデータで変調された1つ以上の問合せ信号キャリヤを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の識別システム。
【請求項6】
前記インタロゲータの送信手段が、少なくとも2つの隔てられた送信アンテナを含み、前記受信手段が少なくとも2つの隔てられた受信アンテナを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の識別システム。
【請求項7】
前記送信手段と受信手段とが、少なくとも2つの隔てられたアンテナ装置を含み、各アンテナ装置が、送信アンテナ素子および隣接する受信アンテナ素子を含むことを特徴とする請求項6記載の識別システム。
【請求項8】
各アンテナ素子が、800MHz乃至1GHz間の周波数で動作するよう設計されたパッチ・アレイを含むことを特徴とする請求項7記載の識別システム。
【請求項9】
送信および受信アンテナの各々の少なくとも2つが相互に異なるように偏波されることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の識別システム。
【請求項10】
前記インタロゲータの送信手段が、送信アンテナと、それぞれ異なる周波数で問合せ信号を生成する少なくとも第1および第2のトランスミッタと、該トランスミッタの出力を前記送信アンテナへ交互に切換える切換え手段とを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の識別システム。
【請求項11】
前記トランスポンダの送信手段と受信手段とが、識別されるべきトランスポンダが通過する問合せ区間を画成する構造部にあるいはそれに隣接して取付けられることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の識別システム。
【請求項12】
前記インタロゲータの送信手段と受信手段とが、各トランスポンダが取付けられる物品を含む搬送手段が通過することができる通路を画成するフレームにより支持されることを特徴とする請求項11記載の識別システム。
【請求項13】
前記インタロゲータの送信手段の予め定めた距離内における問合せ信号の電界に重なる無信号状態が存在しないように選択されるそれぞれ異なる周波数を、前記少なくとも2つの問合せ信号が有することを特徴とする請求項2乃至10のいずれかに記載の識別システム。
【請求項14】
識別された各トランスポンダから受信するデータを記録して、受信したデータを該受信したデータと対応する記憶されたデータに関連付ける処理手段を設けることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の識別システム。
【請求項15】
前記処理手段が、異なるトランスポンダが取付けられる物品の値段または識別データを記憶して、これに識別されたトランスポンダの識別コードを関連付けるようになっていることを特徴とする請求項14記載の識別システム。
【請求項16】
各トランスポンダが取付けられる物品の記述が値段データと関連付けられる表示を生成する表示手段を設けることを特徴とする請求項15記載の識別システム。
【請求項17】
前記表示のプリントアウトを生成するプリンタ手段を設けることを特徴とする請求項16記載の識別システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2008−109684(P2008−109684A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298174(P2007−298174)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【分割の表示】特願2005−332645(P2005−332645)の分割
【原出願日】平成5年11月18日(1993.11.18)
【出願人】(506047938)ズィーアイエイチ・コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】