説明

識別手段

1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストの形をとる第1識別部分を含む識別手段が提供される。第2識別部分は、上記第2識別部分が除去されるまで少なくとも部分的に上記第1識別部分を隠すために、上記第1識別部分とともに除去自在に位置する。上記第2識別部分も、1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストの形をとる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は識別手段に関し、特にセキュリティに関係するデータと併せて使用するための識別手段に関するが、必ずしもそれに限らない。
【0002】
以下の説明はほぼテレフォンカード上に設けられる、あるいはテレフォンカードの形で設けられる識別手段のみに関するが、上記識別手段が、スクラッチカード、販売促進用のゲーム、福引き券、またはブランド保護プロセスなどの、所定の期間秘密にされるまたは非表示のままとするために数字、画像、またはテキストが必要とされる種々の用途の任意の製品に関して使用できることが当業者により理解されるであろう。
【背景技術】
【0003】
多くの従来のテレフォンカードにはその上に、ユーザがテレフォンカードを使用し、上記カードに関連する電話クレジット(phone credits)を取得するために第三者に電話をかけることによりアクティブにされる必要があるピン番号またはリチャージ(recharge)番号などの識別部分が備えられている。電話クレジットは、通常、ユーザによって前払いされる。万一テレフォンカードの支払いを行うことなく悪徳な第三者がこのピン番号を使用できるようになった場合に、テレフォンカードは電話ネットワーク供給者が収益を得ることなく、及び/または電話クレジットがすでに使われているテレフォンカードにユーザが支払いを行うことなく使用できるであろう。したがって、カードのピン番号が、テレフォンカードが合法的にユーザによって購入されるまで安全に保管され、通常、第三者から隠されていることは重要である。
【0004】
ピン番号または識別部分を隠すために使用される従来のセキュリティ手段は、厚いラテックスコーティングなどのアブレイダブルコーティング、通常リチャージ番号上にじかに塗布されるホログラフィック材を提供することを含む、あるいは上記アブレイダブルコーティングが硬貨、指の爪等を使用して上記カードからピン番号または識別部分をかき消す、または擦り取ることによって取り返しがつかないまでに除去されるまで、ピン番号または識別部分を見えないように隠すために上記ピン番号の上に上記の内の1つを含むスクラッチラベルを付けることによる。アブレイダブルコーティングが購入前にカードから除去されると、おそらく不正行為の結果からカードに手が加えられたことはユーザに即座に明らかとなる。他のセキュリティ手段はテレフォンカードに不透明のコアを提供すること、及び/またはピン番号の下の領域に不透明な層またはブロック層を提供することを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のセキュリティ手段にまつわる問題は、ピン番号または識別部分が製造中長い期間露呈され、それによりアブレイダブルコーティングがカードに塗布される前に第三者がピン番号へアクセスできるようになることであり、これはセキュリティの面で危険である。上記番号のマスキングを強化するために多くのプロセスステップがピン番号またはカードに適用されてよいが、これらのプロセスは通常テレフォンカードを製造するのに要する時間、ひいてはカードのコストを増やす。
【0006】
したがって、本発明の目的は迅速に且つ容易に製造することが可能であり、その上の情報つまり識別データの1つまたは複数の部分の不正な解読のリスクを低減できる識別手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に従って識別手段が提供され、上記識別手段は1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストの形をした第1識別部分を含み、少なくとも1つの第2識別部分が、ゼンキ第2識別部分がそこから除去されるまで上記第1識別部分を隠すために上記第1識別部分の少なくとも一部とともに除去自在に位置し、上記第2識別部分も1つまたは複数の画像、文字及び/またはテキストの形を取る。
【0008】
好ましくは、上記第1識別部分は、通常安全な、つまり秘密の性質であり、識別手段の表面に提供される。
【0009】
用語「画像、文字、及び/またはテキスト」は、像、図形、記号、形状、数字、文書、書状、ロゴ、及び/または所定の情報またはデータを伝達するために使用できる同類を指す。
【0010】
好ましくは、第2識別部分は、通常、硬貨または指の爪で同をかき消すまたは擦り取ることによって第1識別部分から取り返しが付かないまでに除去可能なアブレイダブルな材料から形成されている。
【0011】
好ましくは、第2識別部分は上記第1識別部分の全体またはかなりの部分とともに位置する。
【0012】
一実施形態では、上記第2識別部分は上記第1識別部分と重なり合う関係で設けられる。
【0013】
上記第1の、及び第2識別部分を組み合わせることにより、上記第1、及び第2識別部分に外観が異なる、追加の1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストを形成できる。上記第1識別部分は上記第2識別部分が除去されたときにユーザにしか見えないようになる。
【0014】
第2識別部分は、第1識別部分の真下または下方に設けることができる。しかしながら、好ましい実施形態では、第2識別部分は第1識別部分の上部または上側に設けられる。
【0015】
第1識別部分は識別手段の表面または基部に設けることができる。この基部または表面は不透明または透明である場合がある。第2の識別手段は第1識別部分の上部に、第1識別部分の真下に、あるいは基部部材の対向面上に設けることができる。さらなる除去可能な層または識別部分は、次に必要に応じて第1の及び/または第2識別部分どちらかに設けることができる。
【0016】
第2識別部分は、好ましくは外観が第1識別部分と異なる。例えば、第1識別部分が複数の数字の形をしている場合、第2識別部分も複数の数字の形とすることができる。しかしながら、第1の、及び第2識別部分のそれぞれの重なり合う数字は通常異なっている。したがって、第1識別部分のテキスト、文字、及び/または画像は、通常、第2識別部分のテキスト、文字、及び/または画像を基準にしてずれており、上記第1識別部分と第2識別部分と外観が異なる追加の画像、文字及び/またはテキストを作成する。
【0017】
一実施形態では、少なくとも1つの除去可能な部分またはコーティングが上記第1及び/または第2識別部分の少なくとも一部の上に付けられる。好ましい実施形態では、除去可能なコーティングは上記第1及び第2識別部分の全体またはかなりの部分の上に付けられる。
【0018】
好ましくは、上記追加の除去可能なコーティングはアブレイダブル材の1つまたは複数の層を含む。除去可能なコーティングは第2のアブレイダブルな識別部分の材料と同じまたは異なる材料から形成することができ、同じまたは異なる方法で付けることができる。
【0019】
他の実施形態では、少なくとも第3の識別部分が上記除去可能なコーティングに設けられる。第3の識別部分は、通常、識別手段を見ているユーザに明確に見える。
【0020】
好ましくは、第3の識別部分は、識別手段上で提供される1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストに関する、または関連している。これらは、通常、第1の、及び/または第2識別部分に別個であり、及び/または第1の、及び/または第2識別部分と関係がない。第3の識別部分は、通常、各特定の商品または識別手段に一意の特徴またはコードを提供する。
【0021】
好ましくは、第3の識別部分はアブレイダブル材から形成され、除去可能なコーティングのアブレイダブル材料からユーザに明白に区別可能である。
【0022】
異なる識別部分、及び/または除去可能な層を形成する識別手段上のアブレイダブル材は異なっている、及び/または各層がさまざまなレベルの研磨力を使用して別々に除去されなければならないように形成することができる。代わりに、除去可能な層または部分は実質的に同時に除去できる。
【0023】
識別手段は、任意のキャリヤ、テレフォンカード、販売促進用ゲーム、チケット、ピンカード、ラベル、スクラッチカード、福引き券、ブランド保護プロセス、及び/または同等物であるか、あるいはそれらのどれかに設けられてよい。識別手段は単独で提供できる、あるいは1つまたは複数の他の商品に取り付ける、一体形成する、または関連付けることができる。例えば、飲料製造メーカが電話ネットワークとともに共同のマーケティングキャンペーンを行う場合、電話ネットワークは飲料製造メーカにそれらの飲料容器上で位置を突き止めるための識別手段を提供することができるであろう。飲料容器の消費者は、賞品、電話クレジット及び/または同等物を獲得したかどうかを確かめるために追加のアブレイダブルコーティングの第2識別部分と関連付けられたアブレイダブルコーティングをかき消すことによって第1識別部分を明らかにすることができるであろう。
【0024】
取り付け手段は識別手段を備え、同を1つまたは複数の賞品または表面に取り付けることができるようにする。例えば、取り付け手段は1つまたは複数のクリップ、接着剤及び/または同等物を含むことがある。接着剤のケースでは、接着剤の層は識別手段の前面または背面に設けることができる。
【0025】
好ましくは、第1識別部分は、適切な表面またはキャリヤに印刷プロセスによって付けられたインクなど、実質的に恒久的な形を取る。
【0026】
一実施形態では、必要とされる場合蛍光インクを使用できる。
【0027】
さらに好ましくは、第1の識別手段は、ユーザが番号またはセキュリティコードを確かめるまたは明らかにすることを希望するときまで、第三者から見えないように隠す必要のあるピン番号、リチャージ番号またはセキュリティコードの形を取る。
【0028】
好ましくは、本発明の識別手段を形成する方法、または第1の、及び追加の識別部分/コーティングをその上に付ける方法は、実質的に同時に実施することができ、それによりその製造の速度と容易さを高め、製造に関連するコストを削減できる。例えば、本発明では、識別部分及び/またはコーティングのそれぞれは約0.12秒で製品の表面に固着できる。したがって、第1識別部分が製造中に視覚的に露出するリスクは防止される、あるいは少なくとも大幅に低減される。
【0029】
好ましくは、ホログラフィック画像または他のセキュリティ手段が識別手段と関連して提供される。透明なホログラフィック画像及び/または他のセキュリティ手段は、通常、アブレイダブルコーティング及び/または第3の識別部分上に設けられる。
【0030】
本発明の第2の態様に従って、識別手段を製造する方法が提供され、上記方法は、基部部材上に第1識別部分を提供するステップと、上記第1識別部分の少なくとも一部を覆うために上記基部部材上に第2識別部分を提供するステップとを含み、上記第1、及び第2識別部分は、1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストの形を取り、第1識別部分は、第2識別部分がそこから除去されるまで、少なくとも部分的に上記第2識別部分によって隠されている。
【0031】
本発明の追加の態様では、識別手段及び第2のアブレイダブル材の少なくとも一部の上に第1のアブレイダブル材料を提供するためのその製造の方法が提供される。第1のアブレイダブル材料は、通常、第2のアブレイダブル材料から視覚的に区別可能であり、例えば、第1のアブレイダブル材は画像、テキスト及び/または1つまたは複数の文字の形を取ることができ、第2のアブレイダブル材は実質的に均一なコーティング層の形を取ることができる。
【0032】
本発明のさらに追加の態様に従って識別手段が提供され、上記識別手段は1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストの形を取る第1識別部分を含み、第1のアブレイダブルコーティングは、第1識別部分を少なくとも部分的に隠すために第1の識別手段の少なくとも一部の上に提供され、第2のアブレイダブルコーティングは上記第1のアブレイダブルコーティングの少なくとも一部の上に提供される。
【0033】
好ましくは、第1のアブレイダブルコーティングは、第2のアブレイダブルコーティングから視覚的に区別できる。さらに好ましくは、第1のアブレイダブルコーティングは、識別手段上で提供される他のデータに関係する、または識別手段上で提供される他のデータと関連付けられており、データは通常、上記識別手段に一意である。
【0034】
本発明のさらに他の態様に従って、ユーザが識別手段の確実性を検証できるようにする方法が提供され、上記識別手段は1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストの形を取る第1識別部分と、第2識別部分がそこから除去されるまで上記第1識別部分を少なくとも部分的に隠すために上記第1識別部分の少なくとも一部と取り外し自在に位置する第2識別部分とを含み、上記第2識別部分も1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストの形を取り、上記方法は、ユーザが上記第1識別部分を明らかにするために上記第2識別部分を除去するステップと、ユーザがデータベース手段に連絡し、上記データベース部分に上記第1識別部分を提供するステップと、上記データベース手段が明らかになった第1識別部分データを既知のデータと突き合せ、ユーザに対し、明らかになった第1識別部分データが上記既知のデータと一致すると、識別手段が本物である旨の確認を提供するステップとを含む。
【0035】
本発明の優位点は、識別手段が第2の、またはそれ以上のアブレイダブルな層の形で第1識別部分上に提供され、カードによりセキュリティを強化し、それと関連する不正の、及び/または非合法的なコピーの危険を低減する多数のセキュリティ手段を含む点である。第1識別部分は、除去可能な層を除去することなく読み取ることはできない。したがって、ユーザは除去可能な層の不正な改竄を検出すると、第1識別部分が許可されていない第三者により見られた可能性があることを理解するであろう。本発明は、粘着テープ、剃刀の刃、凍結、層の引き剥がし、及び/または同等物などの第1識別部分の許可されていない視覚化のための低い技術の犯罪活動に耐性がある。
【0036】
本発明の識別手段は、各ラベル、つまり識別手段を備える商品に大量生産できない一意の外観が与えられているために偽造することが困難である。第1の及び第2識別部分は、通常、無作為にコンピュータで作成され、それによって組み合わせを予測することを非常に難しくしている。
本発明の実施形態がここで添付図面に関して説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
最初に図1aを参照すると、テレフォンカード6の形をとる本発明の一実施例による識別手段2が描かれている。
【0038】
識別手段2は、テレフォンカード6の表面4に付けられる参照番号8によって識別される13桁のピン番号の形をとる第1識別部分を含んでいる。テレフォンカード6の表面4は、この例では$200であるテレフォンカードの価格10に関するデータ、バーコード12、カード番号14、ボックス番号16、バッチ番号18、及びユーザがテレフォンカードを使用できるようにするためのテキスト命令20も含んでいる。テレフォンカード上の他のデータは、さらに詳しく後述されるように、ユーザがカードの確実性を検証できるようにするために使用できる。この他の情報は、アブレイダブル材などの任意のセキュリティ手段をそこから除去する必要なしにユーザが直接読み取ることができる。代わりに、アブレイダブル材などのセキュリティ手段は、この他のデータ上に提供できる。
【0039】
ピン番号8は秘密であるため、ユーザがテレフォンカードを購入するまで第三者から見えないように隠し、それによりピン番号が第三者によって不正に使用されるのを防ぐ必要がある。
【0040】
本発明に従って、図1bに示されるように、異なる13桁の番号の形をとる第2識別部分21がピン番号8の上に位置する。数字/識別部分がこの重なり合った配置で提供され、第三者が第2識別部分21を構成する数字からピン番号8を解読することは、不可能でないとしても困難である。これは第1,及び第2の重なり合う数字が新しい第3の画像を提供し、その構成要素が解読できないためである。
【0041】
第2識別部分は、いったんユーザがテレフォンカード6を購入するとピン番号8を明らかにするためにユーザによってかき消すことのできるアブレイダブル材から形成されている。
【0042】
さらにピン番号8を隠すために、図1cに示されるように、除去可能なコーティング22がピン番号8と第2識別部分21の実質的に全体の上に提供される。コーティング22も、ユーザによって、ピン番号8を明らかにするために、通常は実質的に第2識別部分のかき消しと同時にかき消すことができるアブレイダブル材から形成されている。
【0043】
最終的、且つ通常任意であるステップでは、図1dに示されるように、一意の識別コード24が除去可能なコーティング22の上部に付けられ、ユーザの目に見える。この一意の識別コードは、通常、この例ではカード番号14である、テレフォンカード6上の他の目に見えるデータに一致している。したがって、ユーザは製造メーカまたは供給業者と連絡する必要なくテレフォンカードの確実性を確認するための容易な参照を有している。識別コード24はコーティング22及び第2識別部分の除去時にカードから除去できるアブレイダブル材から形成されている。
【0044】
識別コード24は、問題のテレフォンカード6ごとに個有である(つまり、それはカードごとに個有の指紋を提供する)。したがって、第三者は、この一意のコードがカードごとに異なるために単に不正なカードのバッチロードを製造することはできない。これは、同じ静的画像またはコードがカードのバッチつまりプロダクションラン全体に提供され、それによって第三者が単一の製造プロセスでカードのバッチ全体をコピーするのを比較的に容易にする従来の技術のカードとは異なっている。これは本発明には当てはまらない。
【0045】
本発明で使用されるアブレイダブル材は、通常、バーコードラベル製造などの、感熱印刷されたラベルの製造で使用される種類である。
【0046】
アブレイダブル材は、第1識別部分と追加のアブレイダブルコーティングの間に形成される/それに塗布され層化される接着ボンドがかき消し時にその除去を可能にするほど十分に弱くなるように形成される。スカッフィング試験は、本発明に使用されるアブレイダブル材で実行され、試験中、アブレイダブル材の劣化はほとんど発生しなかったことが判明し、それによりアブレイダブル材が、単に別の商品または表面に擦り合わせることによって誤って除去される可能性が低いことを示している。
【0047】
一実施形態では、第1識別部分とアブレイダブル材の層を商品またはテレフォンカードに適用する方法は、さまざまな種類のサーマルリボンの組み合わせを使用することを含む。サーマルリボンは樹脂、ワックス、または樹脂とワックスとして調整される。第1の樹脂層は商品の表面に付けられるとき実質的には恒久的であり、例えば第1の識別部に使用できる。ワックスと樹脂層の組み合わせは比較的恒久的ではなく、第1の樹脂層の表面から、それに適用されるとき除去することが可能であり、例えば第2識別部分に使用できる。ワックス層はまったく恒久的ではなく、容易に除去できるため、追加の除去可能な層及び/または第3の識別部分に使用できる。ワックス層は、ワックスと樹脂層の除去の前に、または同時に除去できる。
【0048】
本発明の識別手段は、第1識別部分がそれに付けられる1つまたは複数のコーティング層を除去することなく解読できる、または見ることができるかどうかを判断するために厳しい試験を経てきた。この試験は、識別手段が不正に複製できる容易さに関する表示を提供し、識別手段がその上に設けられるカードの裏側で光るライトまたはレーザ、第1識別部分を提供するために使用されるインクまたは印刷の光学変化をしようと試みるx線、三次元的にカードまたは識別手段の表面での変化を測定しようとして使用される原子間力または電子顕微鏡検査、超音波学、紫外線、及び熱写真方の使用を含む。本発明の識別手段に対して実施された試験のどれも、1つまたは複数のアブレイダブルコーティングまたは層を除去することなく、第1識別部分を視覚化することを可能とせず、それにより本発明の識別手段が、それを製造するために要する時間とコストを削減する一方でセキュリティの強化を実現することを証明している。
【0049】
本発明のさらなる実施形態では、ユーザが、所有しているテレフォンカードまたは製品に取り付けられるラベルなどの識別手段が本物であるかどうか、またはそれが不正に複製されていないかどうかを検証できるようにする方法が提供される。この方法は、ユーザが、この例ではピン番号の形をとる第1識別部分を明らかにするためにアブレイダブル層の1つまたはすべてをかき消すことを含んでいる。ユーザは、次にテレフォンカードまたは製品に付けられているラベルの製造メーカによって提供されるすべての本物のピン番号のデータベースを有するサービスセンタに連絡し、サービスセンタに明らかになったピン番号を伝える。データベースが、明らかになったピン番号が製造メーカのピン番号に一致するかどうかを判断するために検索され、一致する場合には、これが、テレフォンカードまたは製品に付けられるラベルが本物であることを証明する。ユーザはこれを知らされるため、自分達が真のテレフォンカードを使用しており、製品が真の識別ラベルを付けており、したがって真の製品である可能性が高いことが分かる。この伝達は通常非常に高速であり、それによりユーザに対しほぼ即時である確認を可能にする。
【0050】
ユーザとサービスセンタは、電話、手紙、e−メール、テキストメッセージ及び/または同等物などの任意の既知の通信形式で互いと通信できる。
【0051】
データベースは、識別手段が製造された場所と日付け、識別手段の出荷先の販売人、出荷日、第1識別部分データ、第2識別部分、第3の識別部分データ、バーコードデータ、バッチ番号、ボックス番号、カード番号及び/または同等物などの情報を含む場合がある。
【0052】
本発明が前述された特徴のどれか、または任意の組み合わせを含むことができることは当業者によって理解されるであろう。加えて、必要に応じて複数のスクラッチパネル、第1の、及び第2識別部分、及び/または同等物が識別手段上で提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1a】本発明の一実施形態によるテレフォンカード製造におけるステップを描いた図。
【図1b】本発明の一実施形態によるテレフォンカード製造におけるステップを描いた図。
【図1c】本発明の一実施形態によるテレフォンカード製造におけるステップを描いた図。
【図1d】本発明の一実施形態によるテレフォンカード製造におけるステップを描いた図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別手段は1つまたは複数の画像、文字、及びまたはテキストの形を取る第1識別部分及び1つまたは複数の画像、文字及び/またはテキストの形を取る第2識別部分を含み、前記第2識別部分は、それが除去されるまで前記第1識別部分を少なくとも部分的に隠すために前記第1識別部分の少なくとも一部とともに除去自在に位置していることから成る識別手段。
【請求項2】
前記第1識別部分が安全又は秘密性のデータを含む請求項1に記載の識別手段。
【請求項3】
前記第2識別部分が前記第1識別部分と重なり合う関係で設けられている請求項1に記載の識別手段。
【請求項4】
前記第1識別部分と前記第2識別部分の組み合わせが、前記第1及び第2識別部分と異なる追加の1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストを形成する請求項1に記載の識別手段。
【請求項5】
前記第2識別部分が、前記第1識別部分から回復不能な程度に除去可能であるアブレイダブル材から形成される請求項1に記載の識別手段。
【請求項6】
前記第2識別部分が前記第1識別部分の全体または相当の部分とともに位置する請求項1に記載の識別手段。
【請求項7】
前記第2識別部分が前記第1識別部分の真下または下部に設けられている請求項1に記載の識別手段。
【請求項8】
前記第2識別部分が前記第1識別部分の上部または上側に設けられている請求項1に記載の識別手段。
【請求項9】
前記第2識別部分が、前記第1識別部分と外観が異なる請求項1に記載の識別手段。
【請求項10】
少なくとも1つのさらなる除去可能部分またはコーティングが前記第1及び/または第2識別部分の少なくとも一部の上に付けられる請求項1に記載の識別手段。
【請求項11】
前記少なくとも1つのさらなる除去可能部分またはコーティングが、前記第1識別部分及び第2識別部分のかなりの部分の全体に付けられる請求項10に記載の識別手段。
【請求項12】
前記追加の除去可能な部分が摩食あるいは侵食可能な材料の1つまたは追加の層を含む請求項10に記載の識別手段。
【請求項13】
少なくとも第3の識別部分がさらなる除去可能な部分の上に設けられている請求項10に記載の識別手段。
【請求項14】
前記第3識別部分が前記識別手段を見るユーザの目に見える請求項13に記載の識別手段。
【請求項15】
前記第3の識別部分が、前記識別手段の上に提供される1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストに関係する、または関連付けられる請求項13に記載の識別手段。
【請求項16】
前記1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストが前記第1及び/または第2識別部分と別個である、及び/または無関係である請求項15に記載の識別手段。
【請求項17】
前記第3の識別部分が摩食あるいは侵食可能な材料から形成される請求項13に記載の識別手段。
【請求項18】
前記識別手段が、キャリヤ、テレフォンカード、販売促進用ゲーム、チケット、ピンカード、ラベル、スクラッチカード、ブランド保護プロセスまたは福引き券のいずれかである請求項1に記載の識別手段。
【請求項19】
前記識別手段が、これを商品に取り付けるための取り付け手段を備える請求項1に記載の識別手段。
【請求項20】
前記取り付け手段が接着剤を含む請求項19に記載の識別手段。
【請求項21】
前記第1識別部分が前記識別手段の上に印刷される請求項1に記載の識別手段。
【請求項22】
少なくとも前記第1識別及び第2識別部分が製造中実質的に同時に前記識別手段に付けられる請求項1に記載の識別手段。
【請求項23】
ホログラフィック画像が前記識別手段に設けられている請求項1に記載の識別手段。
【請求項24】
前記第1識別部分が樹脂を含有する材料を含む請求項1に記載の識別手段。
【請求項25】
前記第2部分が樹脂及びワックスを含有する材料を含む請求項1に記載の識別手段。
【請求項26】
前記追加の除去可能な部分がワックスを含有する材料を含む請求項10に記載の識別手段。
【請求項27】
基部部材上に第1識別部分を設けるステップと、前記第1識別部分の少なくとも一部を覆うために前記基部部材上に第2識別を提供するステップとを含み、前記第1、及び第2識別部分が1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストの形を取り、前記第1識別部分が、前記第2識別部分がそこから除去されるまで、前記第2識別部分によって少なくとも部分的に隠される方法。
【請求項28】
前記識別手段が1つまたは複数の画像、文字、及び/またはテキストの形を取る第1識別部分と、1つまたは複数の画像、文字及び/またはテキストの形を取る第2識別部分とを設け、前記第2識別部分は、そこから除去されるまで、前記第1識別部分を少なくとも部分的に隠すために前記第1識別部分の少なくとも一部とともに除去自在に位置しており、ユーザが前記第1識別部分の中のデータを明らかにするために前記第2識別部分を除去するステップと、ユーザがデータベース手段と連絡し、前記第1識別部分データを前記データベース手段に提供するステップと、前記データベース手段が前記明らかになった第1識別部分データを既知のデータと突き合せ、前記明らかになった第1識別部分データが前記既知のデータと一致する場合に前記識別手段が本物である旨の確認を前記ユーザに提供するステップとを含むユーザが識別手段の確実性を検証できるようにする方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【公表番号】特表2006−521943(P2006−521943A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506597(P2006−506597)
【出願日】平成16年4月6日(2004.4.6)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001465
【国際公開番号】WO2004/089649
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(505371324)
【Fターム(参考)】