説明

警報システム、音響警報試験方法及び警報器

【課題】住宅内に設置した住警器からの警報音がどのように聞こえるかを様々な観点から適切に確認可能とする。
【解決手段】警報器10−1は火災検知した場合に、連動元を示す火災警報音を出力すると共に他の住警器10−2〜10−6に火災連動信号を送信して連動先を示す火災警報音を出力させる。住警器10−1は、操作部による試験指示操作に応じて自己及び/又は他の住警器10−2〜10−6を対象とする、異なった態様の音響警報試験を行う。音響警報試験は、住警器10−1自身から異状警報音を試験音として出力させる第1モード試験、他の警報器10−2〜10−6から異状警報音を試験音として順次出力させる第2モード試験、又は他の全ての住警器10−1〜10−6から異状警報音を一斉に出力させる第3モード試験等の少なくともいずれかを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報器により火災等の異状を検知した場合に、警報器自身で警報音を出力すると共に他の警報器に異状を示す信号を送信して警報音を出力させる警報システム、音響警報試験方法及び警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異状を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
【0003】
このような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、センサ部の検知信号から火災を検知すると警報部から所定パターンの火災警報音を出力するようにしており、専用の受信設備等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0004】
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報音が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報音を出力させる連動型の警報システムも提案されている。
【0005】
このような連動型の警報システムでは、住警器で火災を検知した場合、火災を検知した連動元の住警器は、メッセージと警報音を含む所定パターンの火災警報音、例えば「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」を出力し、一方、連動先の警報器では例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力するようにしている。ここで、火災警報音の内の「ウーウー」の部分は例えば2Hzから3KHzまでのスイープ音としている。
【0006】
このような連動型の警報システムにあっては、住宅に対する施工時及び定期点検時などに設置している住警器のスピーカから所要の音量がでることを確認するため、音圧測定試験を行っている。この音圧測定試験は、試験対象とする住警器から所定距離を隔てた位置に騒音計(音圧計、音量計)を設置し、火例えば災警報音の内の音圧が一定で周波数を変化させている音圧測定に適した火災警報音の部分であるスイープ警報音「ウーウー」の出力について騒音計のピーク値を読取るようにしている。
【0007】
しかしながら、火災警報音の中のスイープ警報音を試験音とした音圧測定試験にあっては、繰り返し出力される火災警報音の中のスイープ音の出力時に、測定者は騒音計の指針が安定しない状況で、そのピーク値を読み取る必要があり、その読み取りに失敗した場合は、再度スイープ警報音の試験音が出力されるまでの間待つ必要があり、音圧測定試験に手間と時間がかかる問題があった。
【0008】
そこで従来の音圧測定試験では、音声警報信号の中の音圧測定試験に適したスイープ音を試験音として連続して出力し、スイープ警報音が出力される測定タイミングを待つことなく音圧測定試験が容易にできるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−016971号公報
【特許文献2】特開平5−282566号公報
【特許文献3】特開2000−003486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、このような従来の連動型の警報システムにあっては、警報器のスピーカから所要の音量(或いは音圧。以下、特に区別しない。)が出ることを確認するための音圧試験も重要であるが、住宅内の部屋に設置した各住警器からの警報音が他の場所でどのように聞こえるかを設置時や点検時に試験して確認することも重要である。
【0011】
しかしながら、従来の連動型の警報システムにあっては、住警器に設けた警報停止スイッチに点検スイッチの機能を持たせ、警報が出力されていない通常状態で警報停止スイッチを操作すると、火災を検知した場合と同じ「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」といった点検報知音を、音量を下げて例えば1回出力させているだけであり、音響出力機能についてはこのような報知音が出力されることでそれが働いているということを確認する点検が可能となっているに過ぎない。即ち、住宅内の部屋に設置している複数の住警器からの警報音が他の場所でどのように聞こえるかを確認するような試験には対応できないという問題がある。
【0012】
本発明は、住宅内に設置した住警器からの警報音がどのように聞こえるかを適切に確認可能とする警報システム、音響警報試験方法及び警報器を提供することを目時とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(警報システム)
本発明は、異状を検知して異状発生を示す異状警報音を出力すると共に異状連動信号を他の警報器に送信して警報させる複数の警報器を設けた警報システムに於いて、
警報器は、自己の試験指示操作に応じて他の警報器を対象とする音響警報試験を行うことを特徴とする。
【0014】
ここで、試験指示操作を行った警報器は、音響警報試験として、
警報器自身を試験鳴動させる第1モード試験、
警報器以外の他の警報器を順次試験鳴動させる第2モード試験、
警報器以外の他の全ての警報器を一斉に試験鳴動させる第3モード試験、
警報器自身及び他の全ての警報器を一斉に試験鳴動させる第4モード試験、
前記第1モード試験乃至第4モード試験の少なくともいずれか2つを順次行う第5モード試験、
の少なくともいずれかを2つのモードを順次行うことを特徴とする。
【0015】
試験指示操作を行った前記警報器は、第2モード試験に代えて、警報器自身及び他の全ての警報器を順次試験鳴動する第6試験モードを行っても良い。
【0016】
警報器は、自己の操作部による通常試験指示操作とは異なる所定の特殊試験指示操作を検知した場合に、音響警報試験に移行すると共に、当該移行から所定時間以内に前記操作部による通常試験指示操作を検知する毎に、前記第2モード試験乃至第5モード試験へ順次選択し、前記第1モード試験乃至第5モード試験を選択してから前記所定時間以内に前記通常試験指示操作を検知しない場合は、当該選択しているモード試験を行う。
【0017】
試験指示操作を行った警報器は、試験鳴動として、連動元を示す異状警報音を所定時間出力させ、一方、他の警報器は、試験鳴動として、連動先を示す異状警報音を所定時間出力させる。
【0018】
異状警報音はメッセージ及び警報音を含む所定パターンの警報音であり、警報器は、試験鳴動として、異状警報音の内の音圧測定の対象となる所定箇所を連続して或いは繰返して出力させる。
【0019】
(音響警報試験方法)
本発明は、異状を検知して異状発生を示す異状警報音を出力すると共に異状連動信号を他の警報器に送信して警報させる複数の警報器を設けた警報システムの音響警報試験方法に於いて、
警報器は、自己の試験指示操作に応じて他の警報器を対象とする音響警報試験を行うことを特徴とする。
【0020】
本発明の音響警報試験方法の他の特徴は前述した警報システムと基本的に同様となる。
【0021】
(警報器)
本発明は、異状を検知して異状発生を示す異状警報音を出力すると共に異状連動信号を他の警報器に送信して警報させる警報器に於いて、
自己の試験指示操作に応じて他の警報器を対象とする音響警報試験を行う警報試験部を設けたことを特徴とする。
【0022】
本発明の警報器の他の特徴は前述した警報システムと基本的に同様となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、住宅に設置している複数の警報器を試験元としてその操作部により試験指示操作を行うと、試験指示操作に応じて自己及び他の警報器を対象とする異なった態様の音響警報試験、例えば、警報器自身から異状警報音を試験音として出力させる第1モード試験、他の警報器から異状警報音を試験音として順次出力させる第2モード試験、又は他の全ての警報器から異状警報音を一斉に出力させる第3モード試験を必要に応じて行うことができ、住宅内に設置している複数の住警器からの警報音がどのように聞こえるかを複数の観点から確認することができる。
【0024】
例えば台所に設置している警報器を試験元としてその操作部を操作することで、第1モード試験では台所の警報器(操作した警報器)から例えば火災警報音を試験音として出力して確認でき、第2モード試験では台所以外の場所、例えば居間、寝室、子供部屋などに設置している他の警報器から例えば火災警報音を試験音として順番に出力して一台一台の試験音の聞こえ方を台所で確認でき、更に第3モード試験では台所(操作した警報器)以外の他の全ての警報器から例えば火災警報音を試験音として一斉に出力させて聞こえ方を確認できる。また更に、第4モードで試験では、台所(操作した警報器)を含めた全ての警報器から例えば火災警報音を試験音として一斉に出力させて聞こえ方を確認できる。
【0025】
連動型の警報器を複数台設置した警報システムでは、火災を検知した警報器からの連動元を示す火災警報音に続いて他の警報器から連動先を示す警報音が出力される一斉鳴動状態となり、警報器を設置していない場所での聞こえ方は住宅の間取りや構造により様々であり、このような状況を含め、上記のように試験音を出力させる試験鳴動により把握することで、例えば警報音が聞き取りづらい場所に対応して警報器を移設或いは増設するといった適切な対応ができる。
【0026】
また連動型の警報システムを設置したユーザは、試験元となる警報器自身及び又は他の警報器を対象とする異なった態様の試験鳴動に基づく確認を通じて、実際に火災が検知された場合の火災警報音の聞こえ方が予めわかっているという訓練効果も期待でき、万一、火災が発生した場合にも状況を冷静に把握して対処することが可能となる。以下では、試験鳴動に係る一連の警報器動作を音響警報試験という。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の連動型の住警器による警報システムを設置した住宅を示した説明図
【図2】本発明による住警器の外観を示した説明図
【図3】本発明による住警器の実施形態を示したブロック図
【図4】図3の実施形態で使用する連動信号および試験信号のフォーマットを示した説明図
【図5】図3の住警器による監視処理の概略を例示したフローチャート
【図6】図5のステップS14における音響警報試験処理の概略を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は住宅に本発明の住警器(警報器)を用いた警報システムを適用した場合の設置状態例を示した説明図である。図1の例にあっては、住宅24に設けられている台所、居間、子供部屋、主寝室、階段室のそれぞれの警戒エリア(監視領域)に、異状として火災を検知して連動警報する無線連動型の住警器(住宅用火災警報器)10−1〜10−6が設置されている。以下、住警器10−1〜10−6をそれぞれ区別せず総称する場合は住警器10という場合がある。
【0029】
住警器10は、連動信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について火災発生の有無を監視している。いま住宅24の台所で万一、火災が発生したとすると、住警器10−1が火災を検知して、警報動作として警報(火災報知出力)を開始する。この火災を検知して警報を開始することを、住警器における「発報」という。
【0030】
住警器10−1が発報するとき、住警器10−1は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−2〜10−6に対し、火災連動信号を無線送信する。他の住警器10−2〜10−6は、連動元の住警器10−1からの火災連動信号を有効受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
【0031】
ここで、住警器10は、受信した連動信号に含まれるグループ符号がメモリに登録しているグループ符号に一致し、つまり受信した連動信号が自己の属する連動グループ内の連動信号であり、且つ信号内容を正常認識したときに、この連動信号を有効受信したことを検知するようにしている。また住警器10から送信する連動信号には、送信元の住警器を示す識別情報として例えばシリアル番号等の識別符号を利用した送信元符号が含まれている。さらに、連動信号を有効受信した住警器10は必要に応じて当該連動信号の中継送信を行う。
【0032】
連動元となった住警器10−1の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる火災警報音を出力する。一方、連動先の住警器10−2〜10−6にあっては、例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる火災警報音を出力する。
【0033】
また連動元となった住警器10−1の火災警報に伴う警報表示として、例えばLEDを点灯する。一方、連動先の住警器10−2〜10−6にあっては、LEDを点滅する。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLEDによる警報表示を区別できるようにしている。
【0034】
また住警器10は、操作部による音響警報試験の実施指示である試験指示操作に応じて自己及び/又は他の住警器を対象とする異なった態様の試験鳴動を行う機能を備える。本実施形態における音響警報試験に伴う試験鳴動は次の5モードを必要に応じて選択操作により、又は自動選択により実行する。
(1) 住警器自身を試験鳴動させる第1モード試験
(2) 警報器自身を除く他の住警器を順次試験鳴動させる第2モード試験
(3) 警報器自身を除く他の全ての警報器を一斉に試験鳴動させる第3モード試験
(4) 住警器自身及び他の全ての警報器を一斉に試験鳴動させる第4モード試験
(5) 第1モード試験乃至第4モードのうち、少なくとも2つの異なるモード試験の試験鳴動を順次行う第5モード試験
【0035】
図2は本発明による無線連動型の煙式住警器の外観を示した説明図であり、図2(A)に正面図を、図2(B)に側面図を示している。なお、取付フック15を設けているほうを上側とする。
【0036】
図2において、本実施形態の住警器10の筐体はカバー12と本体14で構成されている。カバー12の中央には突出部を設け、突出部の周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部16が配置され、火災に伴う煙が検煙部16に流入して所定濃度に達したときに火災を検知するようにしている。検煙部16としては、散乱光式の煙検知器等で公知の検煙機構が適用できる。
【0037】
カバー12の左下側には音響孔18が複数設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。カバー12の下側には警報停止スイッチ20が設けられている。
【0038】
警報停止スイッチ20は、透光性部材で形成されたスイッチカバーを押圧操作すると、これに連携してプッシュスイッチ(図示せず)が押圧されるようになっている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、警報等の表示を行うLED22が配置されている。
【0039】
警報停止スイッチ20は住警器10の機能の自己点検を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。例えば、火災警報出力中に警報停止スイッチ20が操作されると火災警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ20が操作されると所定の機能点検を実施して結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報出力中または障害警報出力中でない状態を指す。
【0040】
更に、警報停止スイッチ20は試験スイッチとして機能し、通常状態で所定の試験指示操作を行うことで音響警報試験を行うことができる。
【0041】
また本体14の裏側上部にはその略中央部に挿通孔を有する取付フック15が設けられており、設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、この取付フック15の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器10を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【0042】
図3は本発明による住警器の要部構成を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。また図3では、台所に設置した住警器10−1について示しているが、他の住警器10−2〜10−6についても同様の構成となる。
【0043】
住警器10−1はワンチップCPUとして知られたプロセッサ28を備え、プロセッサ28に対してはアンテナ31を備えた無線通信部30、メモリ32、センサ部34、報知部36、操作部38及び電池電源40を設けている。
【0044】
無線通信部30には送信回路42と受信回路44が設けられ、他の住警器10−2〜10−6との間で無線により通信できるようにしている。これにより連動信号の送受信が可能になる。無線通信部30としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
【0045】
もちろん無線通信部30としては、日本国内以外で使用する場合は、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
【0046】
メモリ32には、連動信号の生成順或いは送信順を示す連続番号である連番48、各住警器を特定する例えばシリアル番号等を利用した送信元符号50、図1のように住宅に設置した各住警器10で連動警報を行う連動グループを構成するためのグループ符号52が格納されている。
【0047】
またメモリ32には試験テーブル58が格納されている。試験テーブル58には例えば第2モード試験で試験信号の送信先となる住警器10−2〜10−6の送信元符号が配置されており、試験信号に含まれる試験先アドレスを指定するために使用される。
【0048】
センサ部34には、散乱光式の煙検知原理によって煙を検出して煙濃度に応じた煙検出信号を出力する検煙部16を設けている。
【0049】
報知部36には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ56と警報表示等を行うLED22が設けられている。スピーカ56は、自己がメモリ32等に保持している各種のデータ等に基づいて音声メッセージや警報音等を出力する。LED22は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異状その他を表示する。
【0050】
操作部38には警報停止スイッチ20が設けられ、警報停止スイッチ20は前述したように点検スイッチおよび試験スイッチとしての機能を兼ねている。
【0051】
警報停止スイッチ20を試験スイッチとして機能させる場合には、例えば通常状態で警報停止スイッチ20を長押操作すると音響警報試験モードとなり、この状態で例えば警報停止スイッチ20について所定の試験指示操作を行うと前述した第1モード試験ないし第5モード試験を適宜の組合せにより選択実行させることができる。
【0052】
なお、試験スイッチは警報停止スイッチ20と兼用せずに、専用の試験スイッチを設けるようにしても良い。このとき試験スイッチは所定ビットのディップスイッチ等を採用し、モード選択と開始、終了指示が行えるようにしても良い。また、ディップスイッチのモード選択とプッシュスイッチの開始指示を組み合わせるようにしても良い。その他適宜のスイッチと方法を採用することができる。
【0053】
必要各部へ電源を供給する電池電源40は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10−1における無線通信部30を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の電池寿命を保証している。
【0054】
プロセッサ28にはプログラムの実行により実現される機能として、監視制御部60と警報試験部62の機能が設けられる。
【0055】
監視制御部60は、センサ部34に設けた検煙部16からの出力される煙検出信号に基づく火災発生の有無、操作部38による警報停止指示入力の有無や点検指示入力の有無、センサ部34に設けた検煙部16からの検知信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧の有無、障害検知部66からの検知信号によるセンサ故障障害やローバッテリー障害有無等の事象を検知する。また監視制御部60は受信回路44を介して他の住警器10−2〜10−6からの連動信号の解読結果として得られた連動信号有効受信の有無(その連動内容解読可否を含む)を検知し、連動内容を認識する。
【0056】
また監視制御部60は、センサ部34に設けた検煙部16の煙検出信号に基づき火災を検知した場合に、報知部36に対しスピーカ56から連動元を示す火災警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です 確認して下さい」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共に、LED22を点灯させて連動元を示す火災警報表示を行わせる制御を行い、更に、送信回路42を介して火災連動信号をアンテナ31から他の住警器10−2〜10−6に向けて送信させる制御を行う。
【0057】
また監視制御部60は、無線通信部30の受信回路44を介して他の住警器10−2〜10−6の何れかから火災連動信号を有効受信したことを検知した場合に、報知部36のスピーカ56から連動先を示す警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる音声メッセージを繰り返し出力させ、同時にLED22を例えば点滅させて連動先を示す警報表示を行わせる。
【0058】
ここで、監視制御部60による送信制御は、所定時間T1、例えばT1=3秒に亘り連動信号を送信する動作を、所定時間T2、例えばT2=2秒の休止時間を空けて例えば4回繰り返している。このT1=3秒送信、T=2秒休止は特定小電力無線局の標準規格に準拠したものである。またT1=3秒の送信動作は、その内の最初から例えば2.8秒はダミー信号の送信であり、残り0.2秒の時間に連動信号の反復送信を行う。
【0059】
また、監視制御部60による受信制御は、他の住警器10−2〜10−6からの連動信号を間欠受信して解読する。間欠受信は、所定周期T3毎に、例えばT3=7秒毎に受信可能時間T4、例えばT4=100ミリ秒のあいだ受信動作を繰り返しており、受信可能時間T4の間に送信ダミー信号をキャリアセンスにより検知すると所定時間のあいだ連続受信に切替えてダミー信号に続く連動信号を受信して解読する。
【0060】
また監視制御部60は、必要に応じ所定の中継送信制御を行って、有効受信した連動信号を中継して送信する。
【0061】
また監視制御部60は、連動元を示す火災警報音の出力中(一連の警報音出力処理中。完結的な出力の場合にはその休止時間も含む。以下同じ。)に警報停止スイッチ20の操作を検知した場合、報知部36を制御してスピーカ56からの音声メッセージとLED22の警報表示による火災警報の出力を停止させる。なお、連動元を示す火災警報音の出力中に他の住警器10−2〜10−6の何れかからの警報停止連動信号の有効受信を検知した場合、火災警報は停止せずに連動元が分かるようにする。
【0062】
また監視制御部60は、連動先を示す警報音の出力中に警報停止スイッチ20の操作又は他の住警器10−2〜10−6の何れかからの警報停止連動信号の有効受信を検知した場合、報知部36を制御してスピーカ56からの音声メッセージとLED22の警報表示による火災警報の出力を停止させる。
【0063】
また監視制御部60は、図示しない監視回路を介して電池電圧の低下やセンサ部の故障等の障害を検知して、必要に応じ対応する報知、連動信号送信等の制御を行う。
【0064】
また監視制御部60は、警報停止スイッチ20による点検指示操作(点検指示入力)を検知した場合、所定の点検処理を実行して結果を報知する制御を行う。
【0065】
警報試験部62は、通常状態における警報停止スイッチ20による所定の試験指示操作を検知した場合、自己及び/又は他の警報器を対象とする、異なった態様の音響警報試験として、住警器自身から例えば火災警報音を試験音として出力させる第1モード試験、他の住警器10−2〜10−6から例えば火災警報音を試験音として順次出力させる第2モード試験、自己を除く他の全ての警報器10−2〜10−6から例えば火災警報音を一斉に出力させる第3モード試験、自己及び他の全ての警報器から火災警報音を一斉に出力させる第4モード試験、及び第1モード試験乃至第4モードのうち、少なくとも2つの異なるモード試験を順次行う第5モード試験を、試験指示操作の内容に応じて行う。
【0066】
警報停止スイッチ20による試験指示操作は例えば、長押し操作で音響影響試験に移行してスタンバイ状態となり、その後は所定時間内の通常試験指示操作毎に(スイッチを押す度に)第1モード試験、第2モード試験、・・・第5モード試験、第1モード試験、第2モード試験・・・が選択され、所定時間経過しても次の通常試験指示操作が無い場合にモード選択が確定して選択されたモードの試験処理が実行される。そして、試験が完了すると通常状態に戻るようにする。
【0067】
警報試験部62は、第2モード試験として2つの方法を行うことが可能である。第2モード試験の第1の方法は、その試験開始から所定時間の経過を検知する毎に、他の住警器10−2〜10−6のアドレスとなる送信元符号を順次指定した試験信号を送信して火災警報音を順次出力させる(自動切替試験)。
【0068】
第2モード試験の第2の方法は、試験開始後の警報停止スイッチ20による試験指示操作を検知する毎に、他の住警器1−2〜10−6のアドレスとなる送信元符号を順次指定した試験信号を送信して火災警報音を順次出力させる(マニュアル切替試験)。
【0069】
ここで、第2モード試験では試験指示操作した住警器自身は試験鳴動しないが、住警器自身も含め順次試験鳴動するようにしても良く、これを第6モード試験としても良いし、第2モード試験に代えて第6試験モードを設けることもできる。
【0070】
このような第2モード試験、第6モード試験につき、上記の自動切替試験とするかマニュアル切替試験とするかは、例えば工場出荷時に予め設定しておくようにしても良い。
【0071】
また、警報試験部62は、第3モード試験として、他の住警器10−2〜10−6に一斉試験信号を送信して火災警報音を一斉に出力させる。第3モード試験では、自己は試験鳴動しない。
【0072】
また、警報試験部62は、第4モード試験として、住警器10−1自身及び他の全ての警報器10−2〜10−6から火災警報音を一斉に出力させる。
【0073】
また、警報試験部62は、第5モード試験として、第1モード試験乃至第4モードを順次行う。この場合、第1モード試験乃至第5モード試験のうちの少なくとも2つのモード試験を選択して順次行う場合を含む・
警報試験部62は、第1モード試験又は第4モード試験を行う場合、報知部36のスピーカ56から例えば連動元を示す火災警報音「ウーウー 火事です 火事です 確認して下さい」を試験音として所定時間にわたり繰り返し出力させ、一方、他の住警器10−2〜10−6からの第2モード試験ないし第5モード試験に基づく試験信号受信の何れかを検知した場合、例えば連動先を示す火災警報音「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」を試験音として所定時間にわたり繰り返し出力させる。
【0074】
第1モード試験により住警器10−1自身から連動元を示す火災警報音を試験音として出力した場合には、図1に示した住警器10−1を設置している台所で火災警報音の聞こえ方を確認でき、また必要があれば住警器を設置していてない廊下、トイレ、脱衣所など任意の場所に移動して聞こえ方を確認できる。
【0075】
また第2モード試験にあっては、試験元となる住警器10−1以外の住警器10−2〜10−6から、順番に連動先を示す火災警報音が出力され、例えば台所にいてどのように警報音が聞こえるかを確認したり、台所以外の住警器を設置していない場所等に移動して、どのように聞こえるかを確認したりすることができる。また住警器10−1〜10−6を設置している場所の扉を開けた状態と、扉を閉めた状態とに分けて火災警報音がどのよう聞こえるかを確認しても良い。もちろん、順次出力される住警器の試験音試験音出力タイミングおよび出力期間は、実用の範囲で重複を回避するよう管理されている。
【0076】
更に第3モード試験にあっては、試験元となる住警器10−1以外の住警器10−2〜10−6から一斉に(試験音の出力期間が重複するように)、試験音として例えば連動先を示す火災警報音が出力され、台所にいてどのよう警報音が聞こえるかを確認したり、台所以外の住警器を設置していない場所等に移動してどのように聞こえるかを確認したりすることができる。また例えば住警器10−1〜10−6を設置している部屋の扉を開けた状態と、扉を閉めた状態とに分けて火災警報音がどのよう聞こえるかを確認する等も可能である。
【0077】
なお、住警器10−1〜10−6のいずれかで火災が検知された場合、連動元の住警器および連動先の住警器の全てから火災警報音が出されることになるので、第4モード試験として、試験元を含む全ての住警器10−1〜10−6から一斉に例えば火災警報音を出力させ、実際の火災が検知された場合の連動警報状況を再現して、様々な場所での警報音の聞こえ方を確認するようにしても良い。
【0078】
住警器の音響警報試験は、試験元を住警器10−1〜10−6につき必要に応じて行うことで、場所を変えながら火災警報音の聞こえ方を確認することができる。
【0079】
このような住警器10の音響警報試験を通じて火災警報音の聞こえ方を確認し、例えば聞こえ方が充分でないような場合には、住警器を設置している部屋の中で設置場所を移動したり、新たに住警器を増設したりするといった対応をとることができる。
【0080】
また、警報試験部62により出力させる試験音としては、火災警報音の中の音圧測定の対象となる所定箇所を試験音として出力させても良い。即ち音圧測定試験では、火災警報音の内、スピーカを駆動する信号の振幅が一定で周波数が例えば2〜3KHzで変化するスイープ音「ウーウー」の箇所を試験音として連続或いは繰り返し出力させており、この音圧測定の対象となる所定箇所を本実施形態における音響警報試験の試験音として出力させても良い。
【0081】
図4は本実施形態で連動警報に使用する連動信号と試験信号のフォーマットを概略的に示した説明図である。図4(A)は連動信号46であり、連番48、送信元符号50−1、グループ符号52及び事象符号54で構成されている。なお、中継送信する連動信号に対しては、送信元を示す送信元符号と中継を行う送信元符号の両方を付加する。
【0082】
ここで、事象符号54は、火災などの事象内容を表す符号であり、本実施形態にあっては4ビット符号を使用しており、例えば
0001=火災
0010=ACK
0011=警報停止
0100=復旧
0101=センサ障害
0110=ローバッテリー障害
としている。
【0083】
図4(B)は試験信号64であり、試験信号も連動信号であるため、基本的に連動信号46と同様の構成となる。即ち試験信号64は、連番48、送信元符号50−1、グループ符号52、試験符号66および試験先アドレスを指定する送信先符号50−2で構成されている。試験符号66が、連動信号46の事象符号に相当することとなる。例えば「0111」を試験符号としても良い。なお、第3モード試験、第4モード試験で送信する一斉試験信号としては、送信先符号50−2に代えて全アドレスを指定する所定の共通送信先符号を設定するか、試験符号66に代えて一斉試験符号を設定して送信先符号50−2は削除すれば良い。例えば「1111」を一斉試験符号としても良い。
【0084】
図5は本発明による住警器の監視処理の概略を例示したフローチャートである。図5において、住警器10−1の電池電源40による電源供給が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、送受信モードの設定を含む各種設定の読み込み等を実行し、異常がなければステップS2に進み、火災検知の有無を検知している。ステップS1で初期化異常があった場合には、再度ステップS1の処理を実行し、所定回数連続して初期化異常となった場合には以上を報知して処理を停止するが、図示を省略している。
【0085】
ステップS2において、センサ部34に設けた検煙部16から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えると監視制御部60で火災が検知されてステップS3に進み、火災連動信号を他の住警器に無線送信すると共に、報知部36のスピーカ56から音声メッセージ等による警報音とLED22の例えば点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
【0086】
続いて、ステップS4で検煙部16からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧の有無を検知しており、火災復旧を検知するとステップS5で火災復旧連動信号を他の住警器に送信すると共に、スピーカ56からの警報音とLED22の点灯による連動元を示す火災警報を停止する。なお、LED22による警報表示は警報音の停止から所定時間経過後に消灯しても良い。
【0087】
続いてステップS6で警報停止スイッチ20の警報停止指示操作の有無を検知し、スイッチ操作が検知されるとステップS7に進んで警報停止連動信号を他の住警器に送信し、スピーカ56からの連動元を示す警報音出力を停止し、LED22の点灯による警報表示を消灯する。なお、LED22による警報表示は警報音の停止からは所定時間経過後に消灯しても良い。
【0088】
続いてステップS8に進み、他の住警器から送信または中継送信された火災連動信号有効受信の有無を検知している。他の住警器からの火災連動信号の有効受信を検知すると、ステップS9に進んで連動先を示す火災警報として自己のスピーカ56から警報音を出力し、例えばLED22の点滅による警報表示を行う。
【0089】
次にステップS10で他の住警器から送信または中継送信された火災復旧連動信号有効受信の有無を検知しており、火災復旧連動信号の有効受信を検知すると、ステップS11に進んで連動先の警報として行っているスピーカ56からの警報音出力とLED22の点滅による警報表示を停止する。
【0090】
次にステップS12で他の住警器から送信または中継送信された警報停止連動信号有効受信の有無を検知しており、警報停止連動信号の有効受信を検知すると、ステップS13に進んで連動先としての警報音出力を停止し、警報表示も停止させる。
【0091】
続いてステップS14に進み、音響警報試験処理を実行する。
【0092】
ここで、図5のフローチャートでは、他の住警器からローバッテリーやセンサ故障等の障害を示す事象信号を受信した場合の処理は省略しているが、他の住警器から障害を示す事象信号の有効受信を検知した場合、連動先を示す障害警報を、警報音と警報表示で出力する。
【0093】
図6は図5のステップS14における音響警報試験処理の概略を例示したフローチャートである。図6において、ステップS21で警報停止スイッチ20による特殊試験指示操作として例えば長押し操作の有無を検知しており、長押し操作を検知すると音響警報試験に移行し、ステップS22に進んで第1モード試験を選択する。
【0094】
続いてステップS23で所定時間以内に警報停止スイッチ20の通常試験指示操作の有無を検知しており、所定時間以内の通常試験指示操作無しを検知した場合はステップS23に進み、選択した第1モード試験を実行し、住警器10−1自身から連動元を示す火災警報音を出力させる。
【0095】
ステップS23で所定時間以内の通常試験指示操作有りを検知した場合はステップS24に進み、第2モード試験を選択する。続いてステップS25で所定時間以内に警報停止スイッチ20の通常試験指示操作の有無を検知しており、所定時間以内の通常試験指示操作無しを検知した場合はステップS32に進み、選択した第2モード試験を実行し、住警器10−1以外の他の住警器10−2〜10−6を順番に指定して連動先を示す火災警報音を出力させる。
【0096】
ステップS25で所定時間以内の通常試験指示操作有りを検知した場合はステップS26に進み、第3モード試験を選択する。続いてステップS27で所定時間以内に警報停止スイッチ20の通常試験指示操作の有無を検知しており、所定時間以内の通常試験指示操作無しを検知した場合はステップS32に進み、選択した第3モード試験を実行し、住警器10−1以外の他の住警器10−2〜10−6から一斉に連動先を示す火災警報音を出力させる。
【0097】
ステップS27で所定時間以内の通常試験指示操作有りを検知した場合はステップS28に進み、第4モード試験を選択する。続いてステップS29で所定時間以内に警報停止スイッチ20の通常試験指示操作の有無を検知しており、所定時間以内の通常試験指示操作無しを検知した場合はステップS32に進み、選択した第4モード試験を実行し、住警器10−1自身及び他の住警器10−2〜10−6から一斉に連動先を示す火災警報音を出力させる。
【0098】
ステップS29で所定時間以内の通常試験指示操作有りを検知した場合はステップS30に進み、第5モード試験を選択する。続いてステップS31で所定時間以内に警報停止スイッチ20の通常試験指示操作の有無を検知しており、所定時間以内の通常操作無しを検知した場合はステップS32に進み、選択した第5モード試験を実行し、例えば第1モード試験から第4モード試験を順次行う。なお、第5モード試験は、第1モード試験乃至第4モード試験のうちの少なくとも2つのモードを予め選択して順次実行させるものを含む。
【0099】
ステップS31で所定時間以内の通常操作有りを検知した場合はステップS22に戻り、再び第1モード試験へ切替える。
【0100】
ステップS33にあっては、他の住警器10−2〜10−6のいずれかからの試験信号受信の有無を検知しており、試験信号受信を検知するとステップS34に進んで連動先を示す火災警報音を試験音として所定時間出力させる。
【0101】
なお、上記の実施形態は火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムやそれら各種の警報器を混在させて配置した警報システムについても同様に適用できる。
【0102】
また図3の住警器10−1にあっては、検煙部16を備え、火災に伴い発生する煙を観測して監視領域の火災を検知する煙式住警器を例に取っているが、これ以外に火災に伴う熱を検知するサーミスタ等の温度検知素子を備えた熱式住警器や火災に伴うその他の環境変化を検知する住警器、火災以外にガス漏れを検知する警報器、侵入者や地震その他の異状を検知する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、本発明の対象に含まれる。
【0103】
また、警報器の各連携は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。
【0104】
また、上記の実施形態で警報停止スイッチ20として示した操作手段は、必ずしもスイッチである必要は無く、リモコン装置等を使用して外部からの通信によって警報履歴出力を指示するもの等、どのような手段や方法を適用しても良い。
【0105】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また例えば各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入したりする等ができる。
【0106】
また、上記実施の形態で示した住警器のプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることができる。プロセッサを含め他の電気的、機能的構成は適宜に統廃合することもできる。
【0107】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
【0108】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0109】
10−1〜10−6:住警器
12:カバー
14:本体
15:取付フック
16:検煙部
18:音響孔
20:警報停止スイッチ
22:LED
24:住宅
28:プロセッサ
31:アンテナ
30:無線通信部
32:メモリ
34:センサ部
36:報知部
38:操作部
40:電池電源
42:送信回路
44:受信回路
46:連動信号
48:連番
50:識別符号
50−1:送信元符号
50−1:送信先符号
52:グループ符号
54:事象符号
56:スピーカ
58:試験テーブル
60:監視制御部
62:警報試験部
64:試験信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異状を検知して異状発生を示す異状警報音を出力すると共に異状連動信号を他の警報器に送信して警報させる複数の警報器を設けた警報システムに於いて、
前記警報器は、自己の試験指示操作に応じて他の警報器を対象とする音響警報試験を行うことを特徴とする警報システム。
【請求項2】
請求項1記載の警報システムに於いて、試験指示操作を行った前記警報器は、前記音響警報試験として、
警報器自身を試験鳴動させる第1モード試験、
警報器以外の他の警報器を順次試験鳴動させる第2モード試験、
警報器以外の他の全ての警報器を一斉に試験鳴動させる第3モード試験、
警報器自身及び他の全ての警報器を一斉に試験鳴動させる第4モード試験、
前記第1モード試験乃至第4モード試験の少なくともいずれか2つを順次行う第5モード試験、
の少なくともいずれかを2つのモードを順次行うことを特徴とする警報システム。
【請求項3】
請求項2記載の警報システムに於いて、試験指示操作を行った前記警報器は、前記第2モード試験に代えて、警報器自身及び他の全ての警報器を順次試験鳴動する第6試験モードを行うことを特徴とする警報システム。
【請求項4】
請求項2記載の警報システムに於いて、前記警報器は、自己の操作部による通常試験指示操作とは異なる所定の特殊試験指示操作を検知した場合に、音響警報試験に移行すると共に、当該移行から所定時間以内に前記操作部による通常試験指示操作を検知する毎に、前記第2モード試験乃至第5モード試験を順次選択し、前記第1モード試験乃至第5モード試験を選択してから前記所定時間以内に前記通常試験指示操作を検知しない場合は、当該選択しているモード試験を行うことを特徴とする警報システム。
【請求項5】
請求項1記載の警報システムに於いて、試験指示操作を行った前記警報器は、前記試験鳴動として、連動元を示す異状警報音を所定時間出力させ、一方、他の警報器は、前記試験鳴動として、連動先を示す異状警報音を所定時間出力させることを特徴とする警報システム。
【請求項6】
請求項5記載の警報システムに於いて、前記異状警報音はメッセージ及び警報音を含む所定パターンの警報音であり、前記警報器は、前記試験鳴動として、前記異状警報音の内の音圧測定の対象となる所定箇所を連続して或いは繰返して出力させることを特徴とする警報システム。
【請求項7】
異状を検知して異状発生を示す異状警報音を出力すると共に異状連動信号を他の警報器に送信して警報させる複数の警報器を設けた警報システムの音響警報試験方法に於いて、
前記警報器は、自己の試験指示操作に応じて他の警報器を対象とする音響警報試験を行うことを特徴とする音響警報試験方法。
【請求項8】
請求項7記載の音響警報試験方法に於いて、試験指示操作を行った前記警報器は、前記音響警報試験として、
警報器自身を試験鳴動させる第1モード試験、
警報器以外の他の警報器を順次試験鳴動させる第2モード試験、
警報器以外の他の全ての警報器を一斉に試験鳴動させる第3モード試験、
警報器自身及び他の全ての警報器を一斉に試験鳴動させる第4モード試験、
前記第1モード試験乃至第4モード試験の少なくともいずれか2つを順次行う第5モード試験、
の少なくともいずれかを2つのモードを順次行うことを特徴とする音響警報試験方法。
【請求項9】
請求項8記載の音響警報試験方法に於いて、試験指示操作を行った前記警報器は、前記第2モード試験に代えて、警報器自身及び他の全ての警報器を順次試験鳴動する第6試験モードを行うことを特徴とする音響警報試験方法。
【請求項10】
請求項8記載の音響警報試験方法に於いて、前記警報器は、自己の操作部による通常試験指示操作とは異なる所定の特殊試験指示操作を検知した場合に、音響警報試験に移行すると共に、当該移行から所定時間以内に前記操作部による通常試験指示操作を検知する毎に、前記第2モード試験乃至第5モード試験へ順次選択し、前記第1モード試験乃至第5モード試験を選択してから前記所定時間以内に前記通常試験指示操作を検知しない場合は、当該選択しているモード試験を行うことを特徴とする音響警報試験方法。
【請求項11】
請求項7記載の音響警報試験方法に於いて、前記試験指示操作を行った前記警報器は、前記試験鳴動として、連動元を示す異状警報音を所定時間出力させ、一方、他の警報器は、前記試験鳴動として、連動先を示す異状警報音を所定時間出力させることを特徴とする音響警報試験方法。
【請求項12】
請求項11記載の音響警報試験方法に於いて、前記異状警報音はメッセージ及び警報音を含む所定パターンの警報音であり、前記警報器は、前記試験鳴動として、前記異状警報音の内の音圧測定の対象となる所定箇所を連続して或いは繰返して出力させることを特徴とする音響警報試験方法。
【請求項13】
異状を検知して異状発生を示す異状警報音を出力すると共に異状連動信号を他の警報器に送信して警報させる警報器に於いて、
自己の試験指示操作に応じて他の警報器を対象とする音響警報試験を行う警報試験部を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項14】
請求項13記載の警報器に於いて、前記警報試験部は、前記音響警報試験として、
警報器自身を試験鳴動させる第1モード試験、
警報器以外の他の警報器を順次試験鳴動させる第2モード試験、
警報器以外の他の全ての警報器を一斉に試験鳴動させる第3モード試験、
警報器自身及び他の全ての警報器を一斉に試験鳴動させる第4モード試験、
前記第1モード試験乃至第4モード試験の少なくともいずれか2つを順次行う第5モード試験、
の少なくともいずれかを2つのモードを順次行うことを特徴とする警報器。
【請求項15】
請求項14記載の警報器に於いて、前記警報試験部は、前記第2モード試験に代えて、警報器自身及び他の全ての警報器を順次試験鳴動する第6試験モードを行うことを特徴とする警報器。
【請求項16】
請求項13記載の警報器に於いて、前記警報試験部は、自己の操作部による通常試験指示操作とは異なる所定の特殊試験指示操作を検知した場合に、音響警報試験に移行すると共に、当該移行から所定時間以内に前記操作部による通常試験指示操作を検知する毎に、前記第2モード試験乃至第5モード試験を順次選択し、前記第1モード試験乃至第5モード試験を選択してから前記所定時間以内に前記通常試験指示操作を検知しない場合は、当該選択しているモード試験を行うことを特徴とする警報器。
【請求項17】
請求項13記載の警報器に於いて、前記警報試験部は、前記試験鳴動として、連動元を示す異状警報音を所定時間出力させ、一方、他の警報器は、前記試験鳴動として、連動先を示す異状警報音を所定時間出力させることを特徴とする警報器。
【請求項18】
請求項17記載の警報器に於いて、前記異状警報音はメッセージ及び警報音を含む所定パターンの警報音であり、前記警報試験部は、前記試験鳴動として、前記異状警報音の内の音圧測定の対象となる所定箇所を連続して或いは繰返して出力させることを特徴とする警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−50763(P2013−50763A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186958(P2011−186958)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】