説明

警報器

【課題】 連動型の警報器において効率よく連動警報を行う。
【解決手段】 検出手段と、判別手段と、報知手段と、連動信号の送信手段と、連動信号の受信手段と、連動要否設定手段とを備える警報器であって、前記判別手段は、前記受信手段が他の警報器からの連動信号を受信するときに、前記連動要否設定手段の設定を参照して連動オンの場合に前記報知手段に連動警報を報知させ、また、連動オフの場合に前記報知手段に連動警報を報知させない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅用火災警報器等の警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
警報器は、無線信号による連動型のものがある。いわゆる住宅用火災警報器においては、一つの火災警報器で火災の検出から警報動作まで行い、自己で完結する単独型もあるが、この単独型では、火災発生場所でしか、火災警報しないのに比べて、連動型では、複数の火災警報器が連動して警報するので、火災発生場所から離れた場所にも、火災警報を行えるという利点がある。そのため、戸建て住宅などで、各部屋に火災警報器を設置する場合に、どこで火災が発生しても住宅のどこにいても火災警報が行われることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−4033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、住宅などにおいて全ての部屋に警報器を設けると、短い距離に複数の警報器が設置されることもあり警報の効率が悪い場合もある。また、火災警報に音声を用いる場合、声が被って言葉を聞き辛くなってしまうことがある。このような現象に該当するのは、例えば、押入れやウォークインクローゼットに火災警報器を設置した場合、それらに隣接する部屋で警報できれば、押入れ等の中で連動警報を行う必要性は低く、また、リビング兼ダイニング、さらに、キッチンが連続している18畳等の広い部屋で、対向する位置に2個以上の火災警報器を設けた場合にも、どれか1個が火災の連動警報を行えば、他の火災警報器は連動警報を行う必要はない。
【0005】
これらに限らず、2個の火災警報器の間の距離が短い場合や警報音の通り易さの関係で、一部の火災警報器の連動警報を停止させても、住宅全体に十分な警報を行える場合もある。
【0006】
この発明は、連動型の警報器において効率よく連動警報を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、検出手段と、判別手段と、報知手段と、連動制御信号の送信手段と、連動制御信号の受信手段と、連動要否設定手段とを備える警報器であって、前記判別手段は、前記受信手段が他の警報器からの連動制御信号を受信するときに、前記連動要否設定手段の設定を参照して連動オンの場合に前記報知手段に連動警報を報知させ、また、連動オフの場合に前記報知手段に連動警報を報知させないことを特徴とするものである。
【0008】
この発明は、検出手段と、判別手段と、報知手段と、連動信号の送信手段と、連動信号の受信手段とを備える警報器であって、通常時と比較して間引き鳴動する間引き鳴動の要否を設定し、かつ、間引き鳴動を設定された警報器がそれぞれ異なる鳴動期間のタイミングで鳴動するように設定する間引き鳴動設定手段を備え、前記判別手段は、前記受信手段が他の警報器からの連動信号を受信するときに、前記間引き鳴動設定手段の設定を参照して、前記報知手段に連動警報を報知させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明では、連動警報の要否を設定するので、配置により近くに警報器がある場合に一方の連動警報を禁止することができ、音声警報が輪唱状態で聞き辛くなることを防止することができる。また、ブザーの場合でも、無闇に警報音の音量が大きくなることを防止できる。
【0010】
例えば、台所に隣接したリビングルームがあるときに、警報器は台所とリビングルームの双方に付けても、連動警報する警報器は一方の警報器だけとすることができる。
【0011】
この発明では、間引き鳴動の要否を設定するので、配置により近くに警報器がある場合に、互いに間引き鳴動する設定とすれば、音声警報が輪唱状態で聞き辛くなることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の一実施の形態に係る警報システムの説明図である。
【図2】図1に用いられる警報器のブロック構成図である。
【図3】図2の警報器の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施する一実施の形態として、電池で駆動されて無線通信を行う火災警報器からなる火災警報システムに適用した場合を例に説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る警報システム100の構成を示す図である。警報システム100は、複数の火災警報器10により構成される。図1では建物内に部屋R1〜部屋R3の3部屋が設けられており、部屋R1と部屋R2には1台ずつの火災警報器10が設置され、部屋R3には2台の火災警報器10が設置されている。各火災警報器10には、固有のアドレスとして、それぞれ、AD1、AD2、AD3、AD4というアドレスが割り振られており、以下の説明において、各火災警報器10を「火災警報器AD1」のように称する場合がある。
【0015】
火災警報器AD1〜火災警報器AD4は、それぞれ火災を検出する機能を有するとともに、独自に警報する機能を有している。また、警報システム100を構成する火災警報器AD1〜火災警報器AD4は、無線通信により互いに通信可能である。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る火災警報器の主要構成を示す機能ブロック図である。火災警報器10は、制御回路1、電池2、電源回路3、電池電圧検出回路4、送受信回路5、アンテナ6、火災検出回路7、警報音制御回路8、表示灯回路9、確認スイッチ12、及び連動要否設定部13を備える。
【0017】
電池2は、電源回路3に直流電源を供給する。電源回路3は、電池2の電圧を所定電圧に制御し、制御回路1、送受信回路5、火災検出回路7、警報音制御回路8、表示灯回路9に供給する。
【0018】
電池電圧検出回路4は、電源回路3に印加される電池2の電圧を検出し、検出した電圧に応じた電池電圧検出信号を制御回路1に出力する。電池電圧検出回路4による電池電圧検出信号の値が、電池残量が低下したこと、又は、電池切れの閾値を超えたこと、を示すと、制御回路1によって警報音制御回路8と表示灯回路9を駆動させるとともに、電池切れの状態情報を含む状態信号を送受信回路5により出力させる。
【0019】
火災検出回路7は、火災現象に基づく煙や熱等の物理的変化を検出して検出内容に応じた信号を制御回路1に出力する。例えば、火災検出回路7がいわゆる熱式の火災検出回路であるとすると、火災検出回路7は、固定抵抗(図示せず)とサーミスタ(図示せず)が直列に接続された温度センサで構成されている。固定抵抗とサーミスタとの間の中間電位が、火災検出回路7の出力端子であり、この出力端子を介して温度検出信号を制御回路1に出力する。サーミスタは、環境温度に応じてその抵抗値が変動する温度特性を有している。補償用の固定抵抗によりサーミスタの温度特性がリニア化されるため、火災検出回路7の出力端子には環境温度に応じた検出電圧(温度情報)が入力されることとなる。この火災検出回路7は、この発明の検出手段の一例である。
【0020】
警報音制御回路8は、ブザー・スピーカ等による音声等の鳴動の動作を制御する回路である。警報音制御回路8は、制御回路1により制御されて、所定の警報音を鳴動させる。この実施の形態では、警報音制御回路8が、この発明の報知手段の一例である。
【0021】
表示灯回路9は、発光ダイオード等の表示灯の点灯動作を制御する回路である。表示灯回路9は、制御回路1により制御されて、表示灯を点灯あるいは点滅させる。
【0022】
送受信回路5は、無線信号を送受信するためのアンテナ6に接続されている。送受信回路5は、アンテナ6から入力された無線信号を処理し、自己宛の信号の場合には受信処理を行う。それ以外の信号の場合には受信処理を行わない。受信処理した信号は、制御回路1へ出力する。また、送受信回路5は、制御回路1に制御されて、各種信号の送信処理を行う。この送受信回路5は、この発明の送信手段および受信手段の一例である。
【0023】
ここで、送受信回路5により送信される信号を説明する。送受信回路5により送信される主要な信号としては、状態信号、連動制御信号、復旧信号がある。
【0024】
これらの信号のうち、状態信号は、火災監視(定常状態)中に、火災警報器間、例えば親機と子機との間で定期的(例えば15時間〜20時間周期)に送受信される信号であり、各機器が正常に動作しているかどうかを確認するための信号である。状態信号は、送信元である自己のアドレス、相手先のアドレス、及び、例えば火災検出回路7のセンサ状態(劣化、汚損等)や、機能異常などの機器の状態を示す任意の情報を含んでいる。
【0025】
また、連動制御信号は、火災検出回路7により火災を検知した場合に、警報システム100内の他の火災警報器10に対して送信する信号である。この連動制御信号は、他の機器に火災の検知を伝え、他の機器に所定の連動警報を出力させるための信号である。連動制御信号は、送信元である自己のアドレス、相手先のアドレス、及び火災を検知した旨の情報を含んでいる。
【0026】
さらに、復旧信号は、火災検出回路7により火災を検知した後、火災を検知しなくなったときに、警報システム100内の他の機器に対して送信する信号である。この復旧信号は、他の機器に火災からの復旧を知らせ、連動警報を停止させるための信号である。復旧信号は、送信元である自己のアドレス、相手先のアドレス、及び復旧した旨の情報を含んでいる。
【0027】
制御回路1は、火災検出回路7によって出力された信号に基づいて、火災発生の有無を判断する。そして、火災が発生していると判断した場合に警報音制御回路8及び表示灯回路9を制御して音声及び表示灯によって火元警報を行うほか、警報の出力/停止に関する制御を行う。この制御回路1は、この発明の判別手段の一例である。
【0028】
ここで、制御回路1に制御されて警報音制御回路8が出力する警報の種類について説明する。警報音制御回路8が出力する警報音として、火元警報音と連動警報音がある。
【0029】
その警報音のうち、火元警報音とは、自身が火災を検知したときに鳴動させる警報音であり、当該火災警報器10の監視領域において火災が検知されたことをユーザに知らせるための音である。火災警報音としては、例えば、「ピー、ヒュー、ヒュー、火事です、火事です」という音声とすることができる。
【0030】
また、連動警報音とは、連動制御信号を受信したときに鳴動させる警報音であり、他の火災警報器10の監視領域において火災が検知されたことをユーザに知らせるための音である。連動警報音としては、例えば、「ピー、ヒュー、ヒュー、他の場所で、火事です」という音声とすることができる。
【0031】
また、制御回路1は、送受信回路5が受信した信号に基づいて必要な処理を行うとともに、必要に応じて送受信回路5を制御して他の火災警報器への状態信号や連動制御信号などの信号の送信を行う。また、制御回路1は、所定のタイミングで、例えば電池2の残量点検や無線通信の機能点検などの各種点検を行う。
【0032】
確認スイッチ12は、火災警報器10の筐体に設けられた確認ボタンへの押下操作を受けてオンするスイッチである。警報音制御回路8により連動警報音が鳴動されているときに、ユーザの操作により確認スイッチ12がオンすると、後述する連動警報停止モードでの動作に切り替わる。
【0033】
連動要否設定部13は、火災警報器10の筐体に設けられ、外部から操作できる例えばスライドスイッチやロータリスイッチ等への入力を受けて、各火災警報器10のうち連動警報が不要な場合に連動オフの情報が設定されるものであり、制御回路1により読み出されて制御回路1内の記憶素子11に記憶される。この連動要否設定部13は、この発明の連動要否設定手段の一例である。なお、連動要否の設定は、スイッチ設定により行うほか、設定器などの任意の通信手段によって行ってもよく、また、火災警報器10の工場出荷時等に、記憶素子11に予め格納してもよい。
【0034】
ここで、連動要否設定部13は、初期状態において連動オンの状態であることが好ましい。これは、原則として連動警報を行う方が安全であり、使用者によって、設置状態などから連動不要との判断があってから、連動オフが設定されればよい。
【0035】
記憶素子11は、EEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリであり、各火災警報器10に個別に設定されたアドレス、及び各火災警報器10が属するグループに関する情報などの各種情報を格納する。この記憶素子11は、この発明の連動要否設定手段とすることができる。
【0036】
次に、火災警報器10の動作を説明する。図3は、本実施の形態に係る火災警報器10の動作例を説明するフローチャートである。
【0037】
火災警報器10の制御回路1は、火災検出回路7により火災を検知したか否か判断し(S101)、火災を検知した場合は(S101:Yes)、火元警報を出力する(S102)。この火元警報においては、警報音制御回路8により火元警報音を鳴動させるとともに、表示灯回路9により表示灯を、火元警報を示す所定の様態で点灯あるいは点滅させる。続けて、自己アドレスを付与した連動制御信号を、他の火災警報器10に対して送信する(S103)。火災を検知しなかった場合は(S101:No)、ステップS104へ進む。
【0038】
次に、連動制御信号を受信したか否か判断し(S104)、連動制御信号を受信した場合には(S104:Yes)、連動要否設定部13の状態に基づく記憶素子11から連動要否設定の連動オンか連動オフかを参照する(S105)。
【0039】
ここで、連動要否設定が連動オフであれば(S105:オフ)、連動警報停止モードに移行し(S106)、連動警報を出力しない。このモードにおいて、表示灯回路9により、連動警報を示す所定の様態で表示灯を点灯あるいは点滅させてもよい。このようにすれば、連動先として連動警報を受信しているのかをユーザが認識できる。
【0040】
また、連動要否設定が連動オンであれば(S105:オン)、連動警報を出力する(S108)。この連動警報においては、警報音制御回路8により連動警報音を鳴動させるとともに、表示灯回路9により、連動警報を示す所定の様態で表示灯を点灯あるいは点滅させる。
【0041】
なお、連動制御信号を受信しなかった場合は(S104:No)、ステップS109へ進む。
【0042】
次に、確認スイッチ12がオンしているかを確認し(S109)、オンしていれば(S109:Yes)、連動警報停止モードで動作中か否か確認する(S110)。連動警報停止モードで動作中であれば(S110:Yes)、連動警報を出力する(S111)。このように、確認スイッチの操作(オン)によって、警報音制御回路8により連動警報音を鳴動させるとともに、表示灯回路9により、連動警報を示す所定の様態で表示灯を点灯あるいは点滅させる。
【0043】
また、確認スイッチ12がオンしていない場合(S109:No)、あるいは連動警報停止モードではない場合(S110:No)、リターンする。
【0044】
このように、火災警報器10は、連動要否設定が連動オフであれば、連動警報音を鳴動することがない(S105、S106)。また、火災警報器10は、確認スイッチ12がオンしたとき、連動警報停止モードで動作中であれば、連動警報音を鳴動する(S109、S110、S111)。
【0045】
なお、上記動作で記憶素子11の設定を参照しているが、記憶素子11には、電源投入時等のタイミングで、制御回路1の制御によって、連動要否設定部13の設定が書き込まれている。
【0046】
次に、本実施の形態の警報システム100における運用例を説明する。
【0047】
図1の警報システム100において、火災警報器AD3およびAD4が同じ部屋R3に設置されている。火災警報器AD3には、連動要否設定として初期状態の連動オンが設定されていて、火災警報器AD4には、連動要否設定として連動要否設定部13に連動オフが設定されているものとする。なお、火災警報器AD1、火災警報器AD2には、火災警報器AD3と同様に、連動要否設定として初期状態の連動オンが設定されている。
【0048】
このような状態で、部屋R3において火災警報器AD3の監視領域で火災が発生したとすると、火災警報器AD3は火災を検知し、火元警報音を鳴動させる。そして、自己アドレスを付与した連動制御信号を火災警報器AD1、AD2、AD4に送信する。
【0049】
連動制御信号を受信した火災警報器AD1、AD2は、連動要否設定が連動オンのままで設定されているので、それぞれの部屋R1、R2において、連動警報音を鳴動させる。
【0050】
一方、連動制御信号を受信した火災警報器AD4は、連動要否設定が初期の連動オンから連動オフに設定されているので、連動警報音を鳴動させない。このようにすることで、同じ部屋R3に設置されている火災警報器AD3、AD4のうち火災警報器AD3が警報音を鳴動させることとなる。このため、2台の火災警報器AD3、AD4が共に警報音を鳴動させ、その結果、大音量となったり、2つの音声が干渉することでユーザが警報音を認識しにくくなったりしない。
【0051】
なお、この状態で、ユーザからの操作により火災警報器AD4の確認スイッチ12がオンすると、火災警報器AD4は連動警報音を鳴動させる。このため、ユーザは、火災警報器AD4が連動先であることを確認できる。
【0052】
以上のように、本実施の形態に係る火災警報器10によれば、火災検出回路7と、制御回路1と、警報音制御回路8と、送受信回路5と、連動要否設定部13とを備え、制御回路1は、送受信回路5が他の警報器からの連動制御信号を受信するときに、連動要否設定部13に基づく記憶素子11の設定を参照して連動オンの場合に警報制御回路8に連動警報を報知させ、また、連動オフの場合に警報制御回路8に連動警報を報知させないものであって、配置により近くに警報器がある場合に一方の連動警報を禁止することができ、警報音が音声の場合、音声警報が輪唱状態で聞き辛くなることを防止することができる。また、警報音がブザーの場合でも、無闇に警報音の音量が大きくなることを防止できる。
【0053】
例えば、台所に隣接したリビングルームがあるときに、火災警報器10は台所とリビングルームの双方に付けても、連動警報する警報器は一方の警報器だけとすることができる。また、火災警報器10が通常は居住者の存在しない押入れや物置等に設けられる、あるいは、火災警報器10の近傍に別途音響装置(または光による警報装置)を設けるなど、火災警報器10による警報が不要な場合にも用いることができる。
【0054】
なお、この実施の形態では、警報器を火災警報器10として説明したが、その他の警報器、ガス漏れ、防犯、侵入等の警報器であってもよく、これらの混在であってもよい(警報器の種別に応じて警報音の内容が選別されてもよいことは勿論である)。また、連動要否設定手段として、スイッチ素子による連動要否設定部13と記憶素子11とを用いる場合を示したが、制御回路1が必要に応じて連動要否設定部13を確認すれば、記憶素子11には連動要否設定機能は不要であり、逆に、記憶素子11に情報として連動要否の設定が行われていれば、連動要否設定部13は不要であり、部品点数として回路素子を低減することができる。
【0055】
また、連動警報として、「ウー ウー カンカン 他の部屋で火事です」などの連動警報音を間欠的に鳴動(警報)させる場合、つまり、連動警報音の鳴動期間Tx1、鳴動停止期間Ts1、鳴動期間Tx2、鳴動停止期間Ts2、…鳴動期間TxN、鳴動停止期間TsN…を繰り返すような仕様の場合、上記した輪唱状態で聞き辛くなることを防止するという課題を解決するためには、上記実施の形態を例に挙げれば、同じ部屋R3に設置されている火災警報器AD3およびAD4が、通常時と比較して間引き鳴動しつつ、かつ、それぞれ異なる鳴動期間Txのタイミングで鳴動するように設定するようにしてもよい。その場合、連動要否設定部13の代わりに、連動制御信号の受信後における警報(鳴動)として、間引き鳴動の要否を設定し、かつ、間引き鳴動を設定された火災警報器10がそれぞれ異なる鳴動期間Txのタイミングで鳴動するように設定する間引き鳴動設定部を設ければよい。一例として、間引き鳴動設定部としてロータリスイッチを用いて、デフォルト(例えば、0)のセット状態では、間引き鳴動しない設定とし、それ以外の例えば、1〜9のセット状態では、間引き鳴動する設定とし、かつ、セットされた数字の下一桁の数字と、鳴動期間TxのX値の下一桁の数字とが一致した場合の鳴動期間Txのタイミングで鳴動するようにすることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 制御回路、2 電池、3 電源回路、4 電池電圧検出回路、5 送受信回路、6 アンテナ、7 火災検出回路、8 警報音制御回路、9 表示灯回路、10 火災警報器、11 記憶素子、12 確認スイッチ、13 連動要否設定部、100 警報システム、200 警報システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出手段と、判別手段と、報知手段と、連動信号の送信手段と、連動信号の受信手段と、連動要否設定手段とを備える警報器であって、
前記判別手段は、前記受信手段が他の警報器からの連動信号を受信するときに、前記連動要否設定手段の設定を参照して連動オンの場合に前記報知手段に連動警報を報知させ、また、連動オフの場合に前記報知手段に連動警報を報知させないことを特徴とする警報器。
【請求項2】
検出手段と、判別手段と、報知手段と、連動信号の送信手段と、連動信号の受信手段とを備える警報器であって、
通常時と比較して間引き鳴動する間引き鳴動の要否を設定し、かつ、間引き鳴動を設定された警報器がそれぞれ異なる鳴動期間のタイミングで鳴動するように設定する間引き鳴動設定手段を備え、
前記判別手段は、前記受信手段が他の警報器からの連動信号を受信するときに、前記間引き鳴動設定手段の設定を参照して、前記報知手段に連動警報を報知させることを特徴とする警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−33311(P2013−33311A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167911(P2011−167911)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】