説明

警報装置

【課題】シフト位置が走行可能位置にある状態下で機関を始動させる操作が入力されなくなるように報知を行う警報装置の提供。
【解決手段】イグニッションスイッチ53への入力に基づいてガソリンエンジンが始動及び停止される車両に搭載され、変速機のシフト位置が「D」又は「R」にあることを報知する警報装置の機能を含むコンビネーションメータ100であって、ガソリンエンジンが停止状態にあるか否かを判定する機能と、シフト位置が走行可能位置にあるか否かを判定する機能と、車両の車室内において運転者を検知する機能と、を有するメータ制御回路20を備える。メータ制御回路20は、ガソリンエンジンが停止状態にあり且つシフト位置が「D」又は「R」である状態において、運転者が検知されたことに基づいて、ディスプレイ30による警報画像31の表示等によりシフト位置についての報知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機関の動力を伝達する変速機のシフト位置が車両を走行可能な状態とする走行可能位置にあることを報知する警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に係わる種々の情報を車両の操作者に報知する報知手段を備える装置が知られている。このような装置の一種として、例えば特許文献1には、操作者による入力に基づいて走行用の機関の始動及び停止を行うエンジン始動・停止用スイッチにおいて、報知手段を備えるものが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載のエンジン始動・停止用スイッチは、当該スイッチへの操作者による入力が禁止されている状態下において当該入力が行われた場合に、当該入力が禁止されている旨を報知する報知手段を備えている。この報知手段は、具体的には、エンジンが停止状態にあり、且つ変速機のシフト位置が「P(パーキング)」及び「N(ニュートラル)」に位置していない場合において、操作者による入力が行われることにより、当該入力が禁止されている旨の報知を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−278629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、機関の動力を伝達する変速機のシフト位置が「D(ドライブ)」及び「R(リバース)」等の車両を走行可能な状態とする走行可能位置にある場合、機関を始動させる入力がなされる事態は、回避されることが望ましい。しかし、特許文献1に記載のエンジン始動・停止用スイッチでは、当該スイッチへの入力が操作者によって行われた後にしか、シフト位置についての報知はなされない。故に、特許文献1に記載のエンジン始動・停止用スイッチは、変速機のシフト位置が走行可能位置にある状態下で、当該スイッチに入力が行われる事態を防ぐことができなかった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、シフト位置が走行可能位置にある状態下で、機関を始動させる操作が入力されなくなるように報知を行う警報装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、操作者による入力手段への入力に基づいて走行用の機関が始動及び停止される車両に搭載され、当該機関による動力を伝達する変速機のシフト位置が車両を走行可能な状態とする走行可能位置にあることを報知する警報装置であって、機関が稼動状態にあるのか停止状態にあるのかを判定する稼動状態判定手段と、シフト位置が走行可能位置にあるか否かを判定するシフト位置判定手段と、車両の車室内において操作者を検知する操作者検知手段と、稼動状態判定手段によって判定される機関の状態が停止状態にあり、且つシフト位置判定手段によって判定されるシフト位置が走行可能位置である状態において、操作者検知手段によって操作者が検知されたことに基づいて、シフト位置が走行可能位置にあることを報知する報知手段と、を備える警報装置とする。
【0008】
この発明によれば、車両の車室内に操作者が搭乗しているとき、操作者検知手段は、当該操作者を検知する。機関の状態が停止状態にあり且つシフト位置が走行可能位置である状態において操作者が検知された場合、報知手段は、シフト位置が走行可能位置にあることを報知する。これにより、走行用の機関を始動させるための入力手段への入力が操作者によって行われるよりも前に、シフト位置が走行可能位置にあることが、操作者に報知され得る。したがって、警報装置は、シフト位置が走行可能位置にある状態下で、機関を始動させる操作が入力手段に入力されなくなるような報知を行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、操作者によって携帯可能な携帯機との間で通信を行う車載された通信機が、当該携帯機との間で通信可能な状態にあるか否かを判定する通信状態判定手段、をさらに備え、報知手段は、携帯機と通信機とが通信可能でない状態から通信可能な状態に推移したことに基づいて、操作者検知手段による操作者の検知結果の取得を開始し、操作者が検知されたことを示す検知結果に基づいて、シフト位置が走行可能位置にあることを報知することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、操作者によって携帯可能な携帯機を携帯した状態で当該操作者が車両に接近することにより、通信状態判定手段による判定は、携帯機と通信機とが通信可能でない状態から通信可能な状態に推移する。故に、携帯機と受信機とが通信可能な状態に推移したことに基づくことにより、報知手段は、操作者が車両に搭乗するよりも前に当該操作者の検知結果の取得を開始することができる。以上により、操作者の車両への搭乗にあわせるように、報知手段は、シフト位置が走行可能位置にあることの報知を実施することができる。故にこの形態では、報知手段による報知は、操作者が入力手段を操作するよりも前に、確実に実施され得る。したがって、警報装置は、シフト位置が走行可能位置にある状態下で、機関を始動させる操作が入力手段に入力されなくなるような報知を確実に行うことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、車両に設けられたドアの開閉状態を検知するドア開閉検知手段、をさらに備え、報知手段は、ドア開閉検知手段によって検知されるドアの開閉状態が、開状態から閉状態に推移した場合に、操作者が検知されたことに基づいて、シフト位置が走行可能位置にあることを報知することを特徴とする。
【0012】
この発明において、車両に乗り込む場合、操作者は、車両に設けられたドアを一旦開閉する動作を行うはずである。故に、ドアの開閉状態が開状態から閉状態に推移した場合において操作者が検知されたときは、車両の車室内に操作者が乗り込んだ蓋然性が高い。このように、ドア開閉検知手段によるドアの開閉状態の検知と組み合わされることにより、操作者検知手段による操作者の検知の正確性は、向上する。故に、操作者の検知に基づいて行われる報知は、操作者の車両への搭乗に正確にあわされる。よって、報知手段による報知は、入力手段への操作がなされるよりも前に確実に実施されるようになる。したがって、警報装置は、シフト位置が走行可能位置にある状態下で、機関を始動させる操作が入力手段に入力されなくなるような報知を、さらに確実に行うことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、報知手段は、入力手段への入力により機関が稼動状態から停止状態に推移したことに基づいて、操作者検知手段による操作者の検知結果の取得を開始し、操作者が検知されたことを示す検知結果に基づいて、シフト位置が走行可能位置にあることを報知することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、機関が稼動状態から停止状態に推移したことに基づいて操作者検知手段による検知結果の取得を開始する報知手段は、機関が停止状態にされる度に、シフト位置が走行可能位置であることの報知を実施し得る。故に、シフト位置を走行可能位置に残したままの状態で操作者が機関を停止させ、さらに当該操作者が車両から離れてしまう事態は、未然に防がれ得る。これにより、操作者が再び搭乗した際には、シフト位置は、走行可能位置以外にある蓋然性が高くなる。したがって、シフト位置が走行可能位置にある状態で、機関を始動させる操作が入力手段に入力される事態は、確実に低減される。
【0015】
請求項5に記載の発明では、車両に設けられたドアの開閉状態を検知するドア開閉検知手段、をさらに備え、報知手段は、ドア開閉検知手段によって検知されるドアの開閉状態が、閉状態から開状態に推移するまで、シフト位置が走行可能位置にあることの報知を停止することを特徴とする。
【0016】
一部の操作者は、シフト位置を走行可能位置に残したままの状態で機関を停止させた後、当該シフト位置を走行可能位置以外に変更することがある。このような操作者は、機関を停止状態にした直後に開始される報知を煩わしく感じてしまう可能性がある。
【0017】
そこでこの発明では、ドアの開閉状態が閉状態から開状態に推移するまで、報知手段によるシフト位置についての報知は、停止される。車両から降りる場合には、操作者は、ドアを開状態にするはずである。故に、開状態に推移するまでの停止であれば、シフト位置が走行可能位置にあることの報知は、操作者が車室内に居る状態にて確実に開始され得る。以上により、警報装置は、操作者による操作手順の違いを許容しつつ、シフト位置が走行可能位置にある状態下で、機関を始動させる操作が入力手段に入力されなくなるような報知を行うことができる。
【0018】
請求項6に記載の発明では、操作者によって携帯可能な携帯機との間で通信を行う車載された通信機が、当該携帯機との間で通信可能な状態にあるか否かを判定する通信状態判定手段、をさらに備え、報知手段は、シフト位置が走行可能位置にあることの報知を一旦開始した場合において、携帯機と通信機とが通信可能な状態から通信可能でない状態に推移したことに基づいて、当該報知を終えることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、携帯可能な携帯機を携帯した状態で操作者が車両から離れることにより、通信状態判定手段による判定は、携帯機と通信機とが通信可能な状態から通信可能でない状態に推移する。故に、携帯機と受信機とが通信可能でない状態に推移したことに基づくことにより、報知手段は、報知の対象である操作者が車両近傍から居なくなったことにあわせて、当該報知を終えることができる。このように、報知手段による報知を適切な時機に終わらせることにより、警報装置は、不要な電力の消費を低減しつつ、シフト位置が走行可能位置にある状態下で、機関を始動させる操作が入力手段に入力されなくなるような報知を行うことができる。
【0020】
請求項7に記載の発明では、操作者検知手段は、車室内の運転席に着座している操作者を検知する着座検知部を有し、報知手段は、運転席に着座する操作者が着座検知部によって検知されたことに基づいて、シフト位置が走行可能位置にあることを報知することを特徴とする。
【0021】
一般に、シフト位置を変更するための装置は、運転席に着座している操作者によって操作され易いよう、当該運転席の近傍に配置されている。故に、着座検知部によって運転席に着座する操作者を検知し、当該検知結果に基づいて報知を行う報知手段とすることにより、報知を受けた操作者は、直ちにシフト位置を走行可能位置以外に変更する操作を行うことができる。以上のように、報知に対して的確に対処できる状態の操作者を検知する構成とすることにより、警報装置は、シフト位置を走行可能位置に残したままの状態で機関を始動させる操作が入力される事態の発生を、確実に低減できる。
【0022】
請求項8に記載の発明では、報知手段は、運転席に向けて画像を表示する表示手段に、シフト位置が走行可能位置にあることを報知するための警報画像を表示させることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、シフト位置が走行可能位置にあることを報知するための警報画像が運転席に向けられた表示手段に表示されることにより、報知の内容は、操作者に的確に伝わるようになる。故に、シフト位置を走行可能位置に残したままの状態で機関を始動させる操作が入力される事態の発生は、確実に低減される。
【0024】
加えて、運転席に着座している操作者を検知する請求項7に記載の構成が請求項8に記載の発明と組み合わされることにより、運転席に向けられた表示手段によって表示される警報画像は、運転席に着座する操作者にとって視認し易いものとなる。これにより、報知の内容が操作者にさらに的確に伝わるようになる。したがって、シフト位置を走行可能位置に残したままの状態で機関を始動させる操作が入力される事態の発生は、さらに確実に低減される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態によるコンビネーションメータのシステム構成が示されたブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるコンビネーションメータの正面図である。
【図3】電波キーを携帯した運転者が駐車された車両に接近し、当該車両に乗り込む際に、メータ制御回路によって実施される処理が示されたフローチャートである。
【図4】車両のアクセサリー電源がON状態に推移することにより、メータ制御回路によって実施される処理が示されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明による警報装置の機能を備えたコンビネーションメータ100のシステム構成を示すブロック図である。図2は、コンビネーションメータ100の正面図である。コンビネーションメータ100は、車両の車室内に設けられたインスツルメントパネル内に収容され、図2に示される正面側を運転席側に向けて配置されている。
【0027】
コンビネーションメータ100は、ディスプレイ30及びメータ制御回路20を備えている。ディスプレイ30は、マトリクス状に配列された複数の画素を有するドットマトリクス型の透過型液晶パネルである。ディスプレイ30は、メータ制御回路20からの駆動信号に従って各画素が駆動されることにより、車両情報に関する種々の情報を画像によって表示する。
【0028】
メータ制御回路20は、各種の演算処理を行うプロセッサ、当該演算処理に用いられるプログラム及び車両に関する情報が格納されたフラッシュメモリ、及び演算の作業領域として機能するRAM等によって構成されている。加えてメータ制御回路20は、ディスプレイ30の各画素を制御するための駆動信号を当該ディスプレイ30に出力する駆動回路(図示しない)を有している。メータ制御回路20は、プロセッサによってプログラムを実行することにより、後述する報知を実施するために必要な情報の取得、判定、及び接続された機器への信号の出力等を行う。
【0029】
メータ制御回路20は、車載されている種々の装置と電気的に接続されている。メータ制御回路20は、車両制御装置57、エンジン制御装置51、イグニッションスイッチ53、着座センサ55、ドア制御装置59、シフトレバーポジションセンサ61等と接続されており、これらの構成から情報を取得する。加えてメータ制御回路20は、オーディオ装置40及び警報音発生装置43等と接続されており、これらに制御信号を出力する。
【0030】
車両制御装置57は、コンピュータ等を主体として構成されており、車両を統合的に制御するための種々の演算処理を行う。車両制御装置57は、車載された電波キーコンピュータ58bと接続されている。電波キーコンピュータ58bは、運転者等の車両の操作者によって携帯可能な電波キー58aとの間で通信を行う。電波キーコンピュータ58bは、電波キー58aから発信される暗号化された固有の鍵データを受信するためのアンテナ(図示しない)を複数有している。電波キーコンピュータ58bは、電波キー58aから発信された鍵データと、予め格納されている鍵データとを照合する。そして、電波キー58aとの間で鍵データの照合が成立した場合、電波キーコンピュータ58bは、照合が成立していることを示す照合成立信号を車両制御装置57に出力する。車両制御装置57を通じて照合成立信号を取得することにより、メータ制御回路20は、電波キーコンピュータ58bが電波キー58aとの間で通信可能な状態にあるか否かを判定する。
【0031】
エンジン制御装置51は、コンピュータ等を主体として構成されており、走行用のガソリンエンジンを制御するための種々の演算を行う。エンジン制御装置51は、運転者によるイグニッションスイッチ53への入力に基づいて、ガソリンエンジンを始動及び停止させる。エンジン制御装置51は、ガソリンエンジンの制御のために、車両の走行速度を示す車速信号を取得している。エンジン制御装置51を通じて車速信号を取得することにより、メータ制御回路20は、車両が停止状態にあるのか走行状態にあるのかを判定する。
【0032】
イグニッションスイッチ53は、車室内において運転席の近傍に設置され、運転者による押圧操作が入力される押圧式のスイッチである。イグニッションスイッチ53に運転者によって押圧操作が入力されることにより、ガソリンエンジンは、始動及び停止する。イグニッションスイッチ53は、運転者等の入力に基づいてイグニッション信号を出力する。このイグニッション信号を取得することにより、メータ制御回路20は、エンジンが稼動状態にあるのか停止状態にあるのかを判定する。
【0033】
着座センサ55は、シート状に形成されており、車室内の運転席の座面部分に埋設されている。着座センサ55は、運転者の運転席への着座によって生じる座面部分の撓みに基づいて、当該運転席に運転者が着座しているか否かを示す着座信号を出力する。この着座センサ55から出力される着座信号を受信することにより、メータ制御回路20は、車室内の運転席に着座している運転者を検知する。
【0034】
ドア制御装置59は、車両に設けられた各ドアの開閉によって、ONとOFFとが切り替わるスイッチを有している。ドア制御装置59の有するスイッチは、閉状態のドアによって押圧されるよう、車体側の開口部周縁に設置されている。ドア制御装置59は、スイッチのON及びOFFの状態を判定することにより、ドアが開状態であるのか閉状態であるのかを示すドア開閉信号を出力する。ドア制御装置59から出力される複数のドアのドア開閉信号のうち、例えば運転席の近傍に設けられたドアの開閉信号を取得することにより、メータ制御回路20は、運転席近傍のドアの開閉状態を検知する。
【0035】
シフトレバーポジションセンサ61は、シフトレバー(図示しない)のシフト位置を検出するための位置センサである。シフトレバーは、運転席に着座している運転者によって操作がされ易いように、例えば運転席と助手席との間に設けられたセンターコンソールに設けられている。シフトレバーは、ガソリンエンジンによる動力を駆動系に伝達する変速機を操作するための入力装置である。シフトレバーには、「P(パーキング)」、「R(リバース)」、「N(ニュートラル)」、「D(ドライブ)」等の、複数のシフト位置が設けられている。シフト位置が「D」及び「R」のいずれか一方である場合、変速機を通じて駆動系に伝達された動力は、車輪を回転させることにより、車両を走行させる。シフトレバーポジションセンサ61は、シフトレバーによって選択されているシフト位置を示すシフト位置信号を出力する。シフトレバーポジションセンサ61によって出力されるシフト位置信号を取得することにより、メータ制御回路20は、シフト位置が「D」及び「R」のいずれか一方に位置しているか否かを判定する。尚、本実施形態では、複数のシフト位置のうち、「D」及び「R」が特許請求の範囲に記載の「走行可能位置」に相当する。
【0036】
オーディオ装置40及び警報音発生装置43は、共にスピーカ42と接続されている。オーディオ装置40は、スピーカ42を駆動することによって、音楽及び音声等を当該スピーカ42から出力させる。また、警報音発生装置43は、スピーカ42を駆動することによって、所定の周波数の警報音を当該スピーカ42から出力させる。
【0037】
以上の構成によるコンビネーションメータ100は、ガソリンエンジンが停止状態にあり且つシフトレバーのシフト位置が「D」及び「R」のいずれか一方にある状態において、運転者が検知されたことに基づいて、シフト位置についての報知を行う。以下、コンビネーションメータ100が、車載された各装置から情報を取得し、シフト位置についての報知を実施する処理を、図3及び図4に基づいて、図1を参照しつつ説明する。
【0038】
ここで、コンビネーションメータ100による報知は、本実施形態では、警報画像31のディスプレイ30への表示(図2参照)と、スピーカ42から出力される音声又は警報音とによって行われる。警報画像31は、例えば、運転者に注意喚起を促すアイコン31a、及び報知されている内容を文字にて示す文字部31b等によって構成されている。またスピーカ42からは、例えば、『シフトレバーがドライブレンジのままです』という具体的な報知の内容を示す音声が出力される。
【0039】
まず図3に示される処理について説明する。図3に示される処理は、電波キー58aを携帯した運転者が駐車された車両に接近し、当該車両に乗り込む際に、メータ制御回路20によって実施される。詳しく説明すると、運転者が電波キー58aを携帯した状態で駐車された車両に接近することにより、電波キーコンピュータ58bと電波キー58aとは、互いに通信可能でない状態から、通信可能な状態に推移する。これにより、メータ制御回路20は、車両制御装置57を通じて、通信可能な状態に推移したことを示す照合成立信号を取得する。メータ制御回路20は、取得した照合成立信号によって電波キーコンピュータ58b及び電波キー58a間における通信及び照合の成立を検知し、通信成立を検知したことに基づいて図3に示される処理を開始する。
【0040】
S101では、エンジン制御装置51を通じて取得した車速信号に基づいて、車両が停止状態にあるか否かを判定する。S101において、車両が停止状態にあると判定した場合、S102に進む。一方、S101において、車両が走行状態にあると判定した場合、処理を終了する。
【0041】
S102では、イグニッションスイッチ53から取得したイグニッション信号に基づいて、ガソリンエンジンの状態が稼動状態にあるのか停止状態にあるのかを判定する。S102において、ガソリンエンジンの状態が停止状態にあると判定した場合、S103に進む。一方、S102において、ガソリンエンジンの状態が稼動状態にあると判定した場合、処理を終了する。
【0042】
S103では、ドア制御装置59から取得したドアの開閉状態を示すドア開閉信号に基づいて、当該ドアが開状態から閉状態に推移したか否か、即ち、車両に乗り込む運転者によってドアの開閉動作がなされたか否かを判定する。S103において、運転者によるドアの開閉動作により、当該ドアが開状態から閉状態に推移したと判定した場合、S104に進む。一方、運転者によるドアの開閉動作が完了しておらず、当該ドアが開状態から閉状態に推移していないと判定した場合、S103の判定を繰り返す。これにより、ドアの開閉状態が開状態から閉状態に推移した場合にのみ、シフト位置についての報知は、実施されるようになる。
【0043】
S104では、着座センサ55からの着座信号に基づいて、運転席に運転者が着座しているか否か、即ち、報知の対象となる運転者が車室内において検知されているか否かを判定する。S104において、運転席に運転者が着座していると判定した場合、S105に進む。一方、S104において、運転席に運転者が着座していないと判定した場合、S104の判定を繰り返す。
【0044】
S105では、シフトレバーポジションセンサ61から取得したシフト位置を示すシフト位置信号に基づいて、現在のシフト位置が、「D」及び「R」等の走行可能位置にあるか否かを判定する。S105において、シフト位置が走行可能位置にあると判定した場合、S106に進む。一方、S105において、シフト位置が走行可能位置以外の「P」及び「N」等のいずれかにあると判定した場合、S108に進む。
【0045】
S106では、シフト位置が走行可能位置にあることを報知するために、ディスプレイ30、オーディオ装置40、及び警報音発生装置43に、報知を実施させるための駆動信号及び制御信号を出力する。このメータ制御回路20からの駆動信号に基づいて、ディスプレイ30は、警報画像31の表示を開始する。また、オーディオ装置40は、メータ制御回路20からの制御信号に基づいて、現在再生している音楽等の音量を一時的に絞る。そして、オーディオ装置40は、スピーカ42を通じて、報知のための音声を出力する。さらに、警報音発生装置43は、オーディオ装置40による音声の出力と共に、所定の警報音を、スピーカ42を通じて出力する。
【0046】
S107では、車両制御装置57を通じて取得した照合成立信号に基づいて、電波キー58a及び電波キーコンピュータ58b間における通信及び照合が成立しているか否かを再度判定する。S107において、通信が成立していると判定した場合、S105に戻り、S105〜S107の処理を繰り返す。一方、S107において、通信が成立していないと判定した場合、S108に進む。
【0047】
S108では、シフト位置が走行可能位置にあることの報知を一旦開始していた場合に、当該報知を終わらせるための処理を行い、処理を終了する。具体的には、ディスプレイ30に出力していた駆動信号を停止すると共に、報知を終了させるための制御信号をオーディオ装置40及び警報音発生装置43に出力する。これにより、ディスプレイ30は、警報画像31の表示を終了する。また、オーディオ装置40及び警報音発生装置43は、音声及び警報音による報知を終了する。
【0048】
以上の処理により、車両が停止状態にあり且つシフト位置が走行可能位置である状態において、コンビネーションメータ100は、運転者の車両への乗り込みにより、車室内で運転者が検知されたことに基づいて、シフト位置が走行可能位置にあることを報知する。これにより、運転者は、シフト位置が走行可能位置に残されたまま駐車されていた車両に乗り込んだ場合に、当該シフト位置についての報知を受けることができる。
【0049】
次に、図4に示される処理について説明する。図4に示される処理は、車両のアクセサリー(ACC)電源が運転者等の操作に基づいてOFF状態からON状態に推移することにより、メータ制御回路20によって実施される。
【0050】
S201では、エンジン制御装置51を通じて取得した車速信号に基づいて、車両が停止状態にあるか否かを判定する。S201において、車両が停止状態にあると判定した場合、S202に進む。一方、S201において、車両が走行状態にあると判定した場合、S201の判定を繰り返す。
【0051】
S202では、イグニッションスイッチ53から取得したイグニッション信号に基づいて、ガソリンエンジンの状態が稼動状態にあるのか停止状態にあるのかを判定する。S202において、ガソリンエンジンの状態が停止状態にあると判定した場合、S203に進む。一方、S202において、ガソリンエンジンの状態が稼動状態にあると判定した場合、S201に戻り、S201及びS202の判定を繰り返す。
【0052】
S203では、イグニッションスイッチ53への入力によりガソリンエンジンが稼動状態から停止状態に推移したことに基づいて、運転者の検知結果の取得を開始する。そしてS203では、着座センサ55からの着座信号に基づいて、運転席に運転者が着座しているか否か、即ち、報知の対象となる運転者が車室内において検知されているか否かを判定する。S203において、運転席に運転者が着座していると判定した場合、S204に進む。一方、S203において、運転席に運転者が着座していないと判定した場合、報知対象である運転者が既に車両から離れてしまった蓋然性が高いので、処理を終了する。
【0053】
S204では、車両制御装置57を通じて取得した照合成立信号に基づいて、電波キー58a及び電波キーコンピュータ58b間における通信及び照合が成立しているか否かを
判定する。S204において、通信が成立していると判定した場合、S205に進む。一方、S204において、通信が成立していないと判定した場合、S208に進む。
【0054】
S205では、ドア制御装置59から取得したドアの開閉状態を示すドア開閉信号に基づいて、当該ドアが閉状態から開状態に推移したか否か、即ち、運転者が降車するためにドアの開動作を行ったか否かを判定する。S205において、運転者によるドアの開動作により、当該ドアが閉状態から開状態に推移したと判定した場合、S206に進む。一方、運転者によるドアの開動作が完了しておらず、当該ドアが閉状態のままであると判定した場合、S205の判定を繰り返す。これにより、ガソリンエンジンが停止状態にされた後においては、ドアの開閉状態が閉状態から開状態に推移するまで、シフト位置についての報知は、一時的に停止されることとなる。
【0055】
S206では、シフトレバーポジションセンサ61から取得したシフト位置を示すシフト位置信号に基づいて、現在のシフト位置が、「D」及び「R」等の走行可能位置にあるか否かを判定する。S206において、シフト位置が走行可能位置にあると判定した場合、S207に進む。一方、S206において、シフト位置が走行可能位置以外の「P」及び「N」等のいずれかにあると判定した場合、S208に進む。
【0056】
S207では、シフト位置が走行可能位置にあることの報知を開始させるために、上述したS106と同様の処理を行い、S204に戻る。これにより、S204〜S206の判定を繰り返す。
【0057】
S204にて、電波キー58aと電波キーコンピュータ58bとが通信可能ではない状態に推移したと判定した場合、又は、S206にて、シフト位置が走行可能位置以外に変更されたと判定した場合、S208に進む。S208では、上述したS108と同様に、報知を終わらせるための処理を行う。
【0058】
以上の処理により、運転者が、シフト位置を走行可能位置に残したままの状態でガソリンエンジンを停止させ、さらに車両から降車しようとドアを開けた場合に、コンビネーションメータ100は、シフト位置が走行可能位置にあることを報知する。これにより、シフト位置を走行可能位置に残したままの状態で、運転者が車両から離れてしまう事態は、未然に防がれる。
【0059】
ここまで説明した本実施形態によれば、ガソリンエンジンが停止状態にあり且つシフト位置が走行可能位置である状態において運転者が検知された場合、コンビネーションメータ100は、シフト位置が走行可能位置にあることを報知する。これにより、ガソリンエンジンを始動させるためのイグニッションスイッチ53への入力が操作者によって行われるよりも前に、シフト位置が走行可能位置にあることは、運転者に報知される。したがって、コンビネーションメータ100は、シフト位置が走行可能位置にある状態下で、ガソリンエンジンを始動させる操作がイグニッションスイッチ53に入力されなくなるような報知を行うことができる。
【0060】
加えて本実施形態によれば、電波キー58aを携帯した状態で運転者が車両に接近することにより、メータ制御回路20は、運転者の検知を含む図3に示される処理を開始する。このようにメータ制御回路20は、運転者が車両に搭乗するよりも前に当該運転者の検知結果の取得を開始することができる。以上により、メータ制御回路20は、運転者の車両への搭乗にあわせるように、シフト位置が走行可能位置にあることの報知を実施することができる。故に、シフト位置についての報知は、運転者がイグニッションスイッチ53を操作するよりも前に、確実に実施され得る。
【0061】
さらに、車両に乗り込む場合、運転者は、車両に設けられたドアを一旦開閉する動作を行うはずである。故に、ドアの開閉状態が開状態から閉状態に推移した場合において運転者が検知されたときは、車室内に運転者が乗り込んだ蓋然性が高い。このように、ドアの開閉状態の検知と組み合わされることにより、運転者の検知の正確性は、向上する。故に、運転者の検知に基づいて行われる報知は、運転者の車両への搭乗に正確にあわされる。よって、コンビネーションメータ100による報知は、イグニッションスイッチ53への操作がなされるよりも前に、確実に実施されるようになる。
【0062】
以上により、コンビネーションメータ100は、シフト位置が走行可能位置にある状態下で、機関を始動させる操作がイグニッションスイッチ53に入力されなくなるような報知を確実に行うことができる。
【0063】
また本実施形態によれば、図4に示される処理が実施されることにより、シフト位置を走行可能位置に残したままの状態で運転者がガソリンエンジンを停止させ、さらに車両から離れてしまう事態は、未然に防がれ得る。故に、運転者が再び車両に搭乗した際には、シフト位置は、走行可能位置以外にある蓋然性が高くなる。したがって、シフト位置が走行可能位置にある状態で、ガソリンエンジンを始動させる操作がイグニッションスイッチ53に入力される事態は、確実に低減される。
【0064】
また加えて本実施形態によれば、メータ制御回路20は、電波キー58aと電波キーコンピュータ58bとが通信可能でない状態に推移したことに基づいて、報知を終了させる。シフト位置が走行可能位置以外に変更された場合でなくても、コンビネーションメータ100は、報知の対象である運転者が車両近傍から居なくなったことにあわせて、当該報知を終えることができる。このように、シフト位置についての報知を適切な時機に終わらせることにより、コンビネーションメータ100は、不要な電力の消費を低減しつつ、シフト位置が走行可能位置にある状態下で、ガソリンエンジンを始動させる操作がイグニッションスイッチ53に入力されてしまう事態を低減できる。
【0065】
さらに加えて本実施形態によれば、メータ制御回路20は、運転席に着座する運転者を検知し、当該検知結果に基づいて報知を行う。故に、報知を受けた運転者は、直ちに運転席から操作し易い位置に設けられたシフトレバーを操作し、シフト位置を「P」に変更することができる。以上のように、報知に対して的確に対処できる状態の運転者を検知する構成とすることにより、シフト位置が走行可能位置に残されたままの状態でガソリンエンジンを始動させる操作が入力される事態は、確実に低減される。
【0066】
またさらに本実施形態によれば、ガソリンエンジンを停止状態にした後、ドアを開けるまでの間、シフト位置についての報知は、一時的に停止される。一部の運転者は、シフト位置を走行可能位置に残したままの状態でガソリンエンジンを停止させた後、当該シフト位置を「P」に変更することがある。故に、このような運転者に報知が煩わしく感じられてしまう事態は、未然に防がれる。加えて、車両から降りる場合には、運転者は、ドアを開けるはずである。故に、開状態に推移するまでの一時的な停止であれば、シフト位置が走行可能位置にあることの報知は、運転者が車室内に居る状態にて確実に開始され得る。以上により、コンビネーションメータ100は、運転者による操作手順の違いを許容しつつ、シフト位置が走行可能位置にある状態下でガソリンエンジンを始動させる操作が入力されなくなるような報知を行うことができる。
【0067】
さらにまた本実施形態によれば、文字部31bを含む警報画像31がディスプレイ30に表示されることにより、報知の内容は、運転者に的確に伝わるようになる。故に、シフト位置が走行可能位置に残されたままの状態でガソリンエンジンを始動させる操作が入力されてしまう事態は、確実に低減される。加えて、運転席に向けられたディスプレイ30によって表示される警報画像31は、運転席に着座している運転者にとって、視認し易いものとなる。故に、報知の内容は、運転者にさらに的確に伝わるようになる。したがって、シフト位置が走行可能位置に残されたままの状態でガソリンエンジンを始動させる操作が入力されてしまう事態は、さらに確実に低減される。
【0068】
尚、本実施形態において、メータ制御回路20が特許請求の範囲に記載の「稼動状態判定手段」,「シフト位置判定手段」,「操作者検知手段」,「報知手段」,「通信状態判定手段」,「ドア開閉検知手段」,及び「着座検知部」に相当し、ディスプレイ30が特許請求の範囲に記載の「報知手段」及び「表示手段」に相当し、イグニッションスイッチ53が特許請求の範囲に記載の「入力手段」に相当し、電波キー58aが特許請求の範囲に記載の「携帯機」に相当し、電波キーコンピュータ58bが特許請求の範囲に記載の「通信機」に相当し、ガソリンエンジンが特許請求の範囲に記載の「機関」に相当し、コンビネーションメータ100が特許請求の範囲に記載の「警報装置」に相当する。
【0069】
(他の実施形態)
以上、本発明による一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0070】
上記実施形態では、電波キー58aと電波キーコンピュータ58bとの通信及び照合が成立することにより、メータ制御回路20は、図3に示される処理を開始していた。これにより、運転者が車両に乗り込んだ際に、シフト位置についての報知が可能になっていた。加えて上記実施形態では、車両のACC電源がON状態にされることにより、メータ制御回路20は、図4に示される処理を開始していた。これにより、運転者がガソリンエンジンを停止させた際に、シフト位置の報知が可能になっていた。しかし、メータ制御回路は、図3に示される処理及び図4に示される処理のいずれか一方のみを行う形態であってもよい。又は、メータ制御回路は、イグニッションスイッチ53からのイグニッション信号に基づいて、ガソリンエンジンが停止状態にされた場合に、S203〜S208に相当する処理を実施する形態であってもよい。
【0071】
上記実施形態では、シフトレバーの走行可能位置には、「D」及び「R」が該当していた。しかし、シフトレバーの構成によっては、動力の伝達が可能なシフト位置として、例えば「L(ロー)」及び「S(スポーツ)」等が設けられている場合がある。このような場合、「L」及び「S」も、走行可能位置に該当する。また、車両に搭載される変速機が、上記実施形態のようなオートマチックトランスミッションではなく、変速比を手動で変更するマニュアルトランスミッションである場合、「N」以外のシフト位置が、走行可能位置に該当する。
【0072】
上記実施形態では、運転者が車両に乗り込む際には、ドアが一旦開閉されなければ、シフト位置についての報知はなされなかった。また、ガソリンエンジンを停止させた際には、ドアを開けるまでは、シフト位置についての報知はなされなかった。しかし、これらのドアの開閉に係わる判定(図3のS103及び図4のS205)は、省略されてもよい。
【0073】
上記実施形態では、車両への運転者の接近及び車両からの運転者の離間を検知するための構成であって、特許請求の範囲に記載の「携帯機」として、電波キー58aが適用されていた。しかし、「携帯機」として用いられる機器は、電波キー58aに限定されない。例えば、運転者が携帯している携帯電話と車載された通信機との間で、例えばBluetooth(登録商標)規格による無線通信が行われることにより、運転者の接近及び離間は、検知されてもよい。
【0074】
上記実施形態では、一旦開始された報知は、シフト位置が走行可能位置から変更されるか、又は、電波キー58aと電波キーコンピュータ58bとの通信が途絶するまで継続されていた。しかし、メータ制御回路は、報知を開始してからの経過時間をカウントし、特定の時間を経過したら、報知を終了させる形態であってもよい。又は、メータ制御回路は、電波キー58a以外の、例えば、集中ドアロック等の作動をきっかけとして、報知を終了させてもよい。
【0075】
上記実施形態では、運転席の座面部分に設けられた着座センサ55からの着座信号に基づいて、メータ制御回路20は、運転者を検知していた。しかし、車室内の運転者を検知する構成は、上記実施形態のものに限定されない。例えば、車室内に向けられたカメラの画像を解析することにより、メータ制御回路は、運転者を検知してもよい。
【0076】
上記実施形態では、シフト位置が走行可能位置にあることの報知は、ディスプレイ30に表示される警報画像31と、スピーカ42によって出力される音声及び警報音とによって行われていた。しかし、シフト位置についての報知は、運転者への注意喚起が可能であれば、上記手段に限定されない。例えば、警報画像、音声、及び警報音のうちいずれか一つのみが出力される形態であってもよい。また、警報画像は、コンビネーションメータ100の一部であるディスプレイ30だけでなく、例えば、インスツルメントパネルの中央部分に設置されたナビゲーション表示のためのディスプレイに表示されてもよい。
【0077】
上記実施形態では、メータ制御回路20が、報知のために必要な情報の取得、判定、及び制御等を全て行っていた。しかし、報知のために要するこれらの処理は、複数の制御回路によって協働で行われてもよい。また制御回路の構成は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態では、メータ制御回路20のプロセッサがプログラムを実行することによって、種々の処理は行われていた。しかし、プログラムの実行によらないアナログ回路によって、報知のために必要な判定等の処理が行われる形態であってもよい。
【0078】
上記実施形態では、コンビネーションメータ100が、警報装置の機能を兼ね備えていた。しかし、シフト位置についての報知を行うための警報装置が、コンビネーションメータとは別に、車両に搭載されていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
20 メータ制御回路(稼動状態判定手段、シフト位置判定手段、操作者検知手段、報知手段、通信状態判定手段、ドア開閉検知手段、着座検知部)、 30 ディスプレイ(報知手段、表示手段)、 31 警報画像、 31a アイコン、 31b 文字部、 40 オーディオ装置、 42 スピーカ、 43 警報音発生装置、 51 エンジン制御装置、 53 イグニッションスイッチ(入力手段)、 55 着座センサ、 57 車両制御装置、 58a 電波キー(携帯機)、 58b 電波キーコンピュータ(通信機)、 59 ドア制御装置、 61 シフトレバーポジションセンサ、 100 コンビネーションメータ(警報装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者による入力手段への入力に基づいて走行用の機関が始動及び停止される車両に搭載され、当該機関による動力を伝達する変速機のシフト位置が前記車両を走行可能な状態とする走行可能位置にあることを報知する警報装置であって、
前記機関が稼動状態にあるのか停止状態にあるのかを判定する稼動状態判定手段と、
前記シフト位置が前記走行可能位置にあるか否かを判定するシフト位置判定手段と、
前記車両の車室内において前記操作者を検知する操作者検知手段と、
前記稼動状態判定手段によって判定される前記機関の状態が停止状態にあり、且つ前記シフト位置判定手段によって判定される前記シフト位置が前記走行可能位置である状態において、前記操作者検知手段によって前記操作者が検知されたことに基づいて、前記シフト位置が前記走行可能位置にあることを報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする警報装置。
【請求項2】
前記操作者によって携帯可能な携帯機との間で通信を行う車載された通信機が、当該携帯機との間で通信可能な状態にあるか否かを判定する通信状態判定手段、をさらに備え、
前記報知手段は、
前記携帯機と前記通信機とが通信可能でない状態から通信可能な状態に推移したことに基づいて、前記操作者検知手段による前記操作者の検知結果の取得を開始し、
前記操作者が検知されたことを示す前記検知結果に基づいて、前記シフト位置が前記走行可能位置にあることを報知することを特徴とする請求項1に記載の警報装置。
【請求項3】
前記車両に設けられたドアの開閉状態を検知するドア開閉検知手段、をさらに備え、
前記報知手段は、前記ドア開閉検知手段によって検知される前記ドアの開閉状態が、開状態から閉状態に推移した場合に、前記操作者が検知されたことに基づいて、前記シフト位置が前記走行可能位置にあることを報知することを特徴とする請求項2に記載の警報装置。
【請求項4】
前記報知手段は、
前記入力手段への入力により前記機関が稼動状態から停止状態に推移したことに基づいて、前記操作者検知手段による前記操作者の検知結果の取得を開始し、
前記操作者が検知されたことを示す前記検知結果に基づいて、前記シフト位置が前記走行可能位置にあることを報知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の警報装置。
【請求項5】
前記車両に設けられたドアの開閉状態を検知するドア開閉検知手段、をさらに備え、
前記報知手段は、前記ドア開閉検知手段によって検知される前記ドアの開閉状態が、閉状態から開状態に推移するまで、前記シフト位置が前記走行可能位置にあることの報知を停止することを特徴とする請求項4に記載の警報装置。
【請求項6】
前記操作者によって携帯可能な携帯機との間で通信を行う車載された通信機が、当該携帯機との間で通信可能な状態にあるか否かを判定する通信状態判定手段、をさらに備え、
前記報知手段は、前記シフト位置が前記走行可能位置にあることの報知を一旦開始した場合において、前記携帯機と前記通信機とが通信可能な状態から通信可能でない状態に推移したことに基づいて、当該報知を終えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の警報装置。
【請求項7】
前記操作者検知手段は、前記車室内の運転席に着座している前記操作者を検知する着座検知部を有し、
前記報知手段は、前記運転席に着座する前記操作者が前記着座検知部によって検知されたことに基づいて、前記シフト位置が前記走行可能位置にあることを報知することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の警報装置。
【請求項8】
前記報知手段は、運転席に向けて画像を表示する表示手段に、前記シフト位置が前記走行可能位置にあることを報知するための警報画像を表示させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の警報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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