負圧式集液タンク
【課題】腐食性を有する液体を収集する場合に、作業者が液体タンク内の液体の量を正確にかつ容易に得ることができるようにする。
【解決手段】液体貯留部2に、負圧発生ポンプが接続される主マンホール3を設置する。主マンホール3内に、上下方向に延びるシャフト6を配置し、このシャフト6を上下一対のガイド部材30、40で上下方向に移動可能に支持する。シャフト6の下方にフロート14を配置する。シャフト6には、主マンホール3内の負圧通路Rを開閉する開閉弁10を取り付ける。シャフト6の上端部には、ポリプロピレン製のケース70に収容されたマグネット11を取り付ける。主マンホール3の外面には、2つのマグネット位置検出器12、13を上下方向に離した状態で取り付ける。マグネット位置検出器12、13をレベル検出装置に接続する。レベル検出装置を、マグネット11の位置に基づいて作業者に廃液のレベルを報知するように構成する。
【解決手段】液体貯留部2に、負圧発生ポンプが接続される主マンホール3を設置する。主マンホール3内に、上下方向に延びるシャフト6を配置し、このシャフト6を上下一対のガイド部材30、40で上下方向に移動可能に支持する。シャフト6の下方にフロート14を配置する。シャフト6には、主マンホール3内の負圧通路Rを開閉する開閉弁10を取り付ける。シャフト6の上端部には、ポリプロピレン製のケース70に収容されたマグネット11を取り付ける。主マンホール3の外面には、2つのマグネット位置検出器12、13を上下方向に離した状態で取り付ける。マグネット位置検出器12、13をレベル検出装置に接続する。レベル検出装置を、マグネット11の位置に基づいて作業者に廃液のレベルを報知するように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負圧による吸引力を利用して液体を吸入し収集するように構成された負圧式集液タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、負圧式集液タンクとして、例えば、特許文献1に開示されているように、浄化槽の汚泥を収集する際に使用されるものが知られている。この特許文献1の集液タンクは、浄化槽清掃車に搭載されている。集液タンクの液体貯留部内は、負圧通路を介して負圧発生ポンプの吸引口と接続されている。上記集液タンクには、液体貯留部内の液体の量によって上方位置と下方位置との間で上下動するフロートと、該フロートに連動して上記負圧通路を開閉する開閉弁とが設けられている。
【0003】
上記集液タンクでは、液体貯留部内の液体の量が少なくフロートが下方位置にあるときには、開閉弁が負圧通路を開く開位置となり、負圧発生ポンプの負圧が負圧通路を介して液体貯留部内に導入され、このときに発生する吸引力により液体貯留部内に液体が吸入されて収集される。液体貯留部内に収集された液体が満量に達すると、フロートが上方位置まで移動して開閉弁が負圧通路を閉じる閉位置に切り替わり、液体貯留部内に負圧が作用しなくなって液体の吸入が停止する。これにより、液体貯留部内の液体が負圧通路から負圧発生ポンプの吸入口に流れ込むのが回避される。
【0004】
また、特許文献1の液体貯留部の周壁部には、物量計及び覗き窓が設けられている。液体を収集する作業者は、これら物量計及び覗き窓により貯留部内の液体の量を知ることができるようになっている。
【特許文献1】特開2004−100221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1の集液タンクを使用して液体を収集する際に、作業者が液体貯留部内の液体の量がどのくらいであるか確認したい場合、集液タンクの物量計や覗き窓をその都度見なければならないので、収集作業中において液体の量を確認するのは煩雑である。
【0006】
また、集液タンクは、上記特許文献1に開示されている浄化槽の汚泥の収集以外にも、例えば、化学工場や薬品工場等から排出される廃液のように、腐食性を有する液体を収集する際に用いられることもある。このような腐食性を有する液体を収集する場合には、特に安全性を確保する観点から、液体貯留部内の液体の量を正確に得たいという要求がある。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、腐食性を有する液体を収集する場合であっても、作業者が液体タンク内の液体の量を正確にかつ容易に得ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、フロートの上下動に連動する被検出部材を耐腐食性を有する被覆材で覆い、この被検出部材を検出する検出手段を、非接触型のものとして、液体貯留部及び負圧通路の外部に配置するようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明では、負圧発生手段で発生した負圧を導入することにより液体を吸入し収集するように構成された負圧式集液タンクであって、上記負圧発生手段に負圧通路を介して接続される液体貯留部と、上記液体貯留部内の液体の量によって上方位置と下方位置との間で上下動するフロートと、上記フロートの上下動に連動して、該フロートが上方位置にあるときに上記負圧通路を閉じる閉位置とされ、上記フロートが下方位置にあるときに上記負圧通路を開く開位置とされる開閉弁と、上記フロートの上下動に連動する被検出部材と、上記被検出部材の位置を該被検出部材に非接触な状態で検出し、該被検出部材の位置に基づいて上記液体貯留部内の液体の量を得るように構成された検出手段とを備え、上記被検出部材は、耐腐食性を有する被覆材で覆われているとともに、上記検出手段は、上記液体貯留部及び負圧通路の外部に配置されている構成とする。
【0010】
この構成によれば、液体貯留部内に液体を吸入していくと、該液体貯留部内の液体の液面が上昇することにより、フロートが下方位置から上方へ移動し始め、このフロートの移動に連動して被検出部材が移動する。そして、この移動した被検出部材の位置を検出手段が検出する。これにより、液体貯留部内の液体の量が得られるので、液体の量を作業者に知らせることが可能になる。この液体貯留部内の液体の量を得る際には、被検出部材の被覆材が耐腐食性を有する材質であることと、検出手段が液体貯留部内と負圧通路内とのいずれにも配置されていないこととにより、被検出部材及び検出手段が液体貯留部内の液体やその気体成分に触れることはない。これにより、収集した液体が腐食性を有する液体であっても被検出部材及び検出手段が腐食することはなく、液体貯留部内の液体の量が正確に得られる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、被検出部材が磁石で構成されているものとする。
【0012】
この構成によれば、検出手段を、被検出部の磁力を検出するように構成すればよいので、被検出部材の位置を非接触状態で検出する構造が容易に得られる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、液体貯留部に対し上下方向に移動可能に支持された可動部材を備え、開閉弁及び被検出部材が上記可動部材に取り付けられ、フロートが上記可動部材の下方に位置付けられている構成とする。
【0014】
この構成によれば、液体貯留部内の液体の液面が上昇して上方へ移動したフロートにより可動部材が押し上げられる。この可動部材の移動により、開閉弁及び被検出部材が移動する。
【0015】
請求項4の発明では、請求項1から3のいずれか1つの発明において、検出手段は、被検出部材の複数の位置を検出し、各位置に基づいて液体貯留部内の液体の量を得るように構成されているものとする。
【0016】
この構成によれば、液体貯留部に収集した液体の量を複数の段階に分けて、比較的少ないか、多いかを得ることが可能になる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項1から4のいずれか1つの発明において、被検出部材は、分離可能な複数の収容部構成部材からなる収容部内に配置されている構成とする。
【0018】
この構成によれば、複数の収容部構成部材を一体化するだけで、被検出部材を収容部に収容して保持することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、フロートの上下動に連動する被検出部材と、この被検出部材の位置を非接触状態で検出して液体貯留部内の液体の量を得る検出手段とを設け、上記被検出部材を耐腐食性を有する被覆材で覆い、検出手段を液体貯留部及び負圧通路の外部に配置したので、腐食性を有する液体を収集する場合においても、作業者が液体貯留部内の液体の量を正確にかつ容易に得ることができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、被検出部材を磁石で構成したので、被検出部材の位置を非接触状態で検出する構造を容易に得ることができ、液体貯留部内の液体の量を得るための構造を簡素化できる。
【0021】
請求項3の発明によれば、可動部材をフロートによって移動させるだけで、開閉弁及び被検出部材の両方を移動させることができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、検出手段が被検出部材の複数の位置を検出するので、収集した液体の量を複数の段階に分けて細かく得ることができる。
【0023】
請求項5の発明によれば、複数の収容部構成部材を一体化するだけで、被検出部材を収容部に収容して保持することができるので、被検出部材の組付作業性を良好にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る負圧式集液タンク1を搭載したタンクローリTを示す。このタンクローリTは、化学工場や薬品工場等から排出される廃液を収集する際に使用される車両であり、車両前後方向に延びるシャシフレームFを備えている。上記集液タン1は、上記シャシフレームFの上部に固定されている。シャシフレームF上部の集液タンク1よりも車両後側には、負圧発生手段としての負圧発生ポンプPが固定されている。この負圧発生ポンプPは、この種の集液タンク1に接続されるように構成された周知の構造のものである。
【0026】
上記集液タンク1は、収集した液体を貯留する容器である液体貯留部2と、該液体貯留部2の周壁部に設けられた主マンホール3と、吸引用ホース4とを備えている。主マンホール3と上記負圧発生ポンプPの吸入口とは負圧配管Hにより接続されており、該負圧発生ポンプPで発生した負圧が主マンホール3を介して液体貯留部2に導入されるようになっている。
【0027】
上記主マンホール3は、図3に示すように、上記負圧配管Hと連通する負圧通路Rを形成するケーシング5と、該ケーシング5内で上下方向に延びるシャフト6と、上記負圧通路Rを開閉する開閉弁10と、被検出部材としてのマグネット11と、該マグネット11の位置を検出する第1及び第2マグネット位置検出器12、13とを備えている。一方、上記液体貯留部2の周壁部の上部には、上記主マンホール3を配設するための配設口2aが形成されている。
【0028】
上記ケーシング5は、大略上下方向に延びる筒状をなしている。該ケーシング5の略下半部は、開閉弁10を作動させるためのフロート14を収容するフロート収容部15で構成されている。ケーシング5の略上半部の下側は、上記開閉弁10を収容する開閉弁収容部16で構成され、上側は上記マグネット11を収容するマグネット収容部17で構成されている。上記フロート収容部15とマグネット収容部16との境界部分近傍には、この主マンホール3を上記液体貯留部2に取り付けるための取付用フランジ20が設けられている。
【0029】
上記フロート収容部15は円筒状をなしている。このフロート収容部15には、同形状のフロート14が2つ収容されており、上側のフロート14に上記シャフト6の下端部が接触するようになっている。これらフロート14が、フロート収容部15の内部空間R1内において上方位置と下方位置との間で上下動するようになっている。フロート収容部15の下端部には、上記フロート14がフロート収容部15から下方へ脱落するのを防止するための脱落防止部材21が固定されている。この脱落防止部材21は、中心部に液体流入口21aが形成された円形の板材で構成されている。フロート収容部15の上側には、複数の通気口15aが該フロート収容部15の周方向に互いに離れて形成されている。尚、上記フロート14の数や大きさは、上記したものに限られず、任意に設定することが可能である。
【0030】
上記取付用フランジ20は、図3にも示すように、円形の厚肉な板材で構成されている。取付用フランジ20には、その中心部から径方向にずれた位置に上記フロート収容部15の上端部が貫通するフロート収容部貫通孔20aが形成されている。上記フロート収容部15の上端部は、取付用フランジ20のフロート収容部貫通孔20aに差し込まれた状態で該貫通孔20aの周縁部に溶接されている。取付用フランジ20の外周部には、複数の取付孔20bが周方向に間隔をあけて形成されている。取付用フランジ20の下面には、上記液体貯留部2の配設口2aの周縁部に接触するように形成されたマンホールパッキン23が配置されている。また、取付用フランジ20には、上記フロート収容部貫通孔20aから離れた位置にリリーフ弁24が取り付けられている。
【0031】
上記取付用フランジ20の上面には、補強板材25が設けられている。この補強板材25は、上記取付用フランジ20のフロート収容部貫通孔20aと略同径の開口部25aを有する円形の板材で構成されている。補強板材25の開口部25aの周縁部がフロート収容部15の上端部に溶接され、補強板材25の外周部が取付用フランジ20の上面に溶接されている。補強板材25の外周部には、上方へ突出する複数のスタッドボルト26が周方向に間隔をあけて設けられている。上記フロート収容部15、取付用フランジ20及び補強部材25は、例えばステンレス鋼等の金属材料で構成されている。これら各部材15、20、25が一体化された状態で、耐腐食性を有するフッ素樹脂によるコーティングが表面に施されている。
【0032】
上記補強部材25の上面には、上記シャフト6の略下半部を上下方向に案内するための下側ガイド部材30が設けられている。この下側ガイド部材30は、耐腐食性を有する材料としてのポリプロピレンを、上記補強板材25よりも厚肉な円形の板状に成形してなるものである。下側ガイド部材30の外径は上記補強板材25と略同じに設定され、外周部には、図4にも示すように、上記補強板材25のスタッドボルト26が挿通する挿通孔30aが形成されている。下側ガイド部材30の略中心部には、上記シャフト6の略下半部の外径よりも若干大径の下側ガイド孔30bが上下方向に貫通するように形成されている。シャフト6の外面が下側ガイド孔30bの内面に摺接することで、該シャフト6が上下方向に案内されるようになっている。このシャフト6が、本発明の可動部材を構成している。
【0033】
上記下側ガイド部材30の下側ガイド孔30b周りには、フロート収容部15の内部空間R1と開閉弁収容部16の内部空間R2とを連通させる複数の下側連通孔30cが周方向に互いに間隔をあけて形成されている。下側ガイド部材30の上面及び下面における挿通孔30aよりも内周側には、Oリング31が嵌る嵌入溝30dがそれぞれ形成されている。
【0034】
上記下側ガイド部材30の上方には、上記開閉弁収容部16が位置している。この開閉弁収容部16は、上下方向に延びる円筒部材33と、該円筒部材33の下端部に位置する固定用板材34と、該円筒部材33の上端部に位置する環状部材35とで構成されている。上記円筒部材33の内径は、上記フロート収容部15の内径と略同じに設定されている。上記固定用板材34の外周部には、上記スタッドボルト26が挿通する挿通孔34aが形成されている。この固定用板材34の中心部には、上記補強板材25の開口部25aと略同径の開口部34bが形成されている。上記円筒部材33の下端部は、開口部34bに差し込まれた状態で該開口部34bの周縁部に溶接されている。上記環状部材35は、上記固定用板材34よりも厚肉の板材で構成されている。上記環状部材35の内径は、上記円筒部材33の内径よりも小さく設定されている。この環状部材35には、上方へ突出する複数のスタッドボルト36が周方向に間隔をあけて設けられている。この環状部材35の下面が上記円筒部材33の上端部に溶接されている。上記円筒部材33、固定用板材34及び環状部材35は、上記フロート収容部15と同様に、ステンレス鋼等の金属材料で構成されており、その表面にはフッ素樹脂のコーティングが施されている。
【0035】
上記環状部材35の上面には、上記シャフト6の略上半部を上下方向に案内するための上側ガイド部材40が設けられている。この上側ガイド部材40は、ポリプロピレンを、上記補強板材25よりも厚肉な円形の板状に成形してなるものである。上側ガイド部材40の外径は、上記環状部材35の外径と略同じに設定され、外周部には、上記環状部材35のスタッドボルト36が挿通する挿通孔40aが形成されている。この下側ガイド部材40の略中心部には、上方に膨出する膨出部40bが形成されている。この膨出部40bは、平面視で略円形をなしている。この膨出部40bの略中心部には、上記シャフト6の略上半部の外径よりも若干大径の上側ガイド孔40cが上下方向に貫通するように形成されている。シャフト6の外面が上側ガイド孔40cの内面に摺接することで、該シャフト6が上下方向に案内されるようになっている。上記膨出部40bにおける上側ガイド孔40c周りには、開閉弁収容部16の内部空間R2とマグネット収容部17の内部空間R3とを連通させる複数の上側連通孔40dが周方向に互いに間隔をあけて形成されている。上側ガイド部材40の上面における挿通孔40aよりも内周側には、Oリング41が嵌る嵌入溝40eが形成されている。また、上側ガイド部材40の下面には、膨出部40bの周囲に対応する部位に下方へ突出して環状に延びるシール部40fが形成され、このシール部40fの周りにOリング41が嵌る嵌入溝40gが形成されている。上記シール部40fの突出方向先端部は尖っている。
【0036】
上記上側ガイド部材40の上方には、上記マグネット収容部17が位置している。このマグネット収容部17の下半部は、上下方向に延びる大径円筒部材43と、該大径円筒部材43の下端部に位置する固定用板材44と、該大径円筒部材43の側壁部から外方へ突出する側部筒状部材45と、該側部筒状部材45の外端部に位置する側部フランジ46とで構成されている。また、マグネット収容部17の上半部は、上下方向に延びる小径円筒部材48と、該小径円筒部材48の下端部に位置する円板部材49と、該小径円筒部材48の上端部に位置する上部フランジ50と、閉塞部材51とで構成されている。
【0037】
上記大径円筒部材43の内径は、上記開閉弁収容部16の円筒部材33の内径よりも小径で、かつ上記膨出部40bの外径よりも大径とされている。この大径円筒部材43の側壁部には、側部貫通孔43aが形成されている。この側部貫通孔43aの周縁部と、上記側部筒状部材45の内端部とが溶接されている。上記固定用板材44の外周部には、上記環状部材35のスタッドボルト36が挿通する挿通孔44aが形成されている。固定用板材44の中心部には、上記膨出部40bが挿通可能な開口部44bが形成されている。大径円筒部材43の下端部が固定用板材44の開口部44bに挿入された状態で該開口部44bの周縁部に溶接されている。側部フランジ46には、負圧配管H側のフランジ(図示せず)を取り付けるための締結部材(図示せず)が挿通する取付孔46aが形成されている。
【0038】
上記円板部材49の外周縁が上記大径円筒部材43の上端部に溶接されている。円板部材49の略中心部には、上記小径筒状部材48の下端部が挿入される開口部49aが形成されている。小径筒状部材48の下端部は円板部材49の開口部49aに差し込まれた状態で該開口部49aの周縁部に溶接されている。上部フランジ50には、ボルト55の挿通孔50aが形成されている。上記閉塞部材51は、上部フランジ50の外径と略同じ外径を有する円形の板材で構成されている。閉塞部材51には、上記上部フランジ50の挿通孔50aに対応した挿通孔51aが形成されている。上記大径円筒部材43、固定用板材44、側部筒状部材45、側部フランジ46、小径円筒部材48、円板部材49、上部フランジ50及び閉塞部材51は、上記フロート収容部15と同様に、ステンレス鋼等の金属材料で構成されており、その表面にはフッ素樹脂のコーティングが施されている。
【0039】
上記小径円筒部材48の外周面には、上記第1及び第2マグネット位置検出器12、13が締結固定されている。これら第1及び第2マグネット位置検出器12、13は、磁力検出用のセンサ部12a、13aを備えており、該センサ部12a、13aが所定以上の磁力を検出するとON信号を送信するように構成された周知の非接触型近接スイッチである。第1及び第2マグネット位置検出器12、13は、上記小径円筒部材48の周方向に離れている。第1マグネット位置検出器12は、下部にセンサ部12aが位置し上部から信号線12bが延びる向きとされて、該センサ部12aが上記小径円筒部材48の下端部近傍に位置するように配置されている。第2マグネット位置検出器13は、上記第1マグネット位置検出器12と上下反対向きにされて、センサ部13aが上記小径円筒部材48の上端部近傍に位置するように配置されている。これらマグネット位置検出器12、13の信号線12b、13bは、図5に示すように、レベル検出装置60に接続されている。このレベル検出装置60は、上記マグネット位置検出器12、13と同様に、液体貯留部2及び負圧通路Rの外部に配置されている。上記2つのマグネット位置検出器12、13及びレベル検出装置60で本発明の検出手段が構成されている。
【0040】
上記レベル検出装置60には、液体貯留部2内の液体の量を作業者に報知するための報知手段としてのブザー61が接続されている。ブザー61は、液体貯留部2及び負圧通路Rの外部に配置されている。このレベル検出装置60は、第1マグネット位置検出器12からON信号が出力された場合にブザー61を第1のパターンで鳴らし、第2マグネット位置検出器13からON信号が出力された場合にブザー61を上記第1のパターンとは異なる第2のパターンで鳴らすように構成されている。尚、報知手段としては、例えば、表示灯等であってもよい。上記2つのマグネット位置検出器12、13及びレベル検出装置60で本発明の検出手段が構成されている。
【0041】
上記シャフト6は、耐腐食性を有する材料としての四フッ化エチレン樹脂(PTFE)を成形してなるものである。図6にも示すように、シャフト6の下半部は上半部よりも大径の大径部6aで構成され、上半部は小径部6bで構成されている。大径部6aの下端面は球面状に形成されている。小径部6bの下端部には、上記開閉弁10が取り付けられる開閉弁取付部6cが設けられている。小径部6bの開閉弁取付部6cの上側には雄ねじ部6dが形成されている。小径部6bの上端部には、上記マグネット11が取り付けられるマグネット取付部6eが設けられている。このマグネット取付部6eの外面には雄ねじ部が形成されている。
【0042】
上記開閉弁10は、図2に示すように、上記シャフト6に対し略直交するように延びる円板状の弁体64と、該弁体64の上面に配置されたパッキン65と、該パッキン65を上方から弁体64に押さえておくためのパッキン押さえ板66とで構成されている。弁体64は、ポリプロピレンを成形してなるものである。弁体64の略中心部には、上記シャフト6の開閉弁取付部6cが挿通する貫通孔64aが形成されている。この貫通孔64aの周縁部には、上方へ突出して環状に延びる突出部64bが形成されている。弁体64の外径は、上記上側ガイド部材40のシール部40fの外径よりも大きめに設定されている。パッキン65は、耐腐食性を有する弾性材を円板状に成形してなるものであり、その中心部に上記突出部64bが嵌入する嵌入孔65aが形成されている。このパッキン65の外径は、上記弁体64の外径と略同じに設定されている。パッキン押さえ板66は、ポリプロピレンを円板状に成形してなるものであり、中心部にはシャフト6の挿通孔66aが形成されている。パッキン押さえ板66の外径は、上記上側ガイド部材40のシール部40fの外径よりも小径とされている。
【0043】
シャフト6の開閉弁取付部6cに配置された弁体64、パッキン65及びパッキン押さえ板66は、該パッキン押さえ板66側から雄ねじ部6dに螺合させた2つのナット67により、シャフト6に取り付けられるようになっている。これらナット67はポリプロピレンを成形してなるものである。
【0044】
上記マグネット11は、マグネットケース70に収容されている。図7にも示すように、このマグネットケース70は、上下方向に2つに分割された上側ケース構成部材71と下側ケース構成部材72とで構成されており、これらケース構成部材71、72はポリプロピレンを成形してなる。下側ケース構成部材72は円柱状をなしている。この下側ケース構成部材72には、その下端面に開口して上方へ延びるねじ孔72aが形成されている。下側ケース構成部材72の外周面の下側には、環状のシール部材73が嵌るようになっている。下側ケース構成部材72の外周面のシール部材73よりも上方には雄ねじ部72bが形成されている。一方、上側ケース構成部材71は、下側ケース構成部材72の上側を覆う円筒状に形成され、その上端部は閉塞されている。上側ケース構成部材71の周壁部の下端部は、上記シール部材73に接触するように形成されている。この周壁部の内面には、上記下側ケース構成部材72の雄ねじ部72bに螺合する雌ねじ部71aが形成されている。
【0045】
上記マグネット11は、周知の永久磁石であり、円柱状に形成されている。マグネット11は、中心線の延びる方向を上下方向に向けた状態で、下側ケース構成部材72の上端面に置かれ、この状態で上側ケース構成部材71の雌ねじ部71aを下側ケース構成部材72の雄ねじ部72bに螺合させることで、マグネット11が両ケース構成部材71、72で構成される収容部C(図7(b)に示す)に収容されて保持された状態になる。この状態で、両ケース構成部材71、72の間はシール部材73でシールされることになる。上記上側ケース構成部材71及び下側ケース構成部材72が、本発明の被覆材を構成している。
【0046】
上記下側ケース構成部材72のねじ孔72aにシャフト6のマグネット取付部6eを螺合させることで、マグネット11がシャフト6に取り付けられるようになっている。下側ケース構成部材72の下部には、緩み止め用のナット74が設けられている。このナット74はポリプロピレンを成形してなるものである。シャフト6のマグネット取付部6eをねじ孔72aにねじ込む深さを変えることで、シャフト6に対するマグネット11の軸線方向の位置が変わるようになっている。
【0047】
次に、上記主マンホール3を組み立てる場合について説明する。上記補強板材25のスタッドボルト26を下側ガイド部材30の挿通孔30a及び開閉弁収容部16の固定用板材34の挿通孔34aに挿通させた状態で、該スタッドボルト26にナット75を螺合させることで、フロート収容部15と、下側ガイド部材30と、開閉弁収容部16とを一体化する。フロート収容部15にはフロート14を入れておく。一方、開閉弁10及びマグネット11をシャフト6に取り付けるととともに、そのシャフト6を下側ガイド部材30の下側ガイド孔30b及び上側ガイド部材40の上側ガイド孔40cに挿通させる。その後、環状部材35のスタッドボルト36を上側ガイド部材40の挿通孔40a及びマグネット収容部17の固定用板材44の挿通孔44aに挿通させた状態で、該スタッドボルト36にナット76を螺合させることで、開閉弁収容部16と、上側ガイド部材40と、マグネット収容部17とが一体化する。上記フロート収容部15の内部空間R1、下側連通孔30c、開閉弁収容部16の内部空間R2、上側連通孔40d及びマグネット収容部17の内部空間R3により、本発明の負圧通路Rが構成される。
【0048】
上記のようにして組み立てられた主マンホール3を液体貯留部2に取り付ける際には、マンホール収容部15を液体貯留部2内に挿入した状態で、取付用フランジ20を配設口2aの周縁部に締結固定する。この取付状態では、液体貯留部2内の液体が無いと、フロート14が下方位置にあり、シャフト6も、自重により下方位置となっている。このシャフト6が下方位置にあるときには、開閉弁10が上側連通孔40dを開く開位置とされ、マグネット11の位置が第1マグネット位置検出器12の磁力検出範囲から下方に離れた位置にある。
【0049】
次に、上記のように構成された集液タンク1を用いて上記各工場の廃液を収集する場合について説明する。まず、負圧発生ポンプPを作動させると、主マンホール3の負圧通路Rから液体貯留部2内に負圧が導入される。これにより、吸引用ホース4を介して液体貯留部2内に廃液が吸入されて収集される。負圧を液体貯留部2に導入する際には、シャフト6がポリプロピレン等よりも高い比重を有するPTFEで構成されていることに加えて、そのシャフト6の下半部が太くされて重くなっているので、負圧によって上方へ吸い上げられるようになることはなく、開閉弁10を開位置に保持しておくことが可能になっている。
【0050】
液体貯留部2内の廃液の量が増えて液面が上昇してフロート14に達すると、下方位置にあったフロート14が上方へ移動していき、このフロート14の移動によってシャフト6が押し上げられていき、開閉弁10及びマグネット11が共に上昇していく。つまり、開閉弁10とマグネット11は、フロート14の上下動に連動するようになっている。
【0051】
そして、液体貯留部2の廃液の量が、例えば満量の300リットル〜400リットル手前になると、マグネット11の位置が、図2の下側の仮想線で示すように第1マグネット位置検出器12の磁力検出範囲に入る。これにより、レベル検出装置60は、第1のパターンでブザー61を鳴らすので、作業者は、液体貯留部2内の廃液の量が上記した量であることを把握することができる。尚、第1のパターンでブザー61を鳴らすタイミングは、上記したタイミングに限られるものではなく、第1マグネット位置検出器12の上下方向の位置や、シャフト6に対するマグネット11の位置等で自由に設定することが可能である。
【0052】
また、シャフト6が樹脂製であるとともに、下側ガイド部材30及び上側ガイド部材40も樹脂製であるため、シャフト6が両ガイド部材30、40に対しスムーズに摺動する。
【0053】
液体貯留部2内の廃液の量がさらに増えて満量になると、フロート14が上方位置となり、マグネット11の位置が、図2の上側の仮想線で示すように第2マグネット位置検出器13の磁力検出範囲に入る。これにより、レベル検出装置60は、第2のパターンでブザー61を鳴らすので、作業者は、液体貯留部2内の廃液の量が満量であることを把握することができる。さらに、フロート14が上方位置になると、開閉弁10のパッキン65がシール部40fに接触して該開閉弁10が負圧通路Rを閉じる閉位置となる。これにより、負圧が液体貯留部2内に導入されなくなって廃液の吸引が停止する。
【0054】
上記廃液が腐食性を有する液体である場合には、マグネット11が耐腐食性を有するポリプロピレン製のマグネットケース70に収容されているので、該マグネット11に廃液やその気体成分が接触することはない。また、第1及び第2マグネット位置検出器12、13がマグネット11の位置を非接触状態で検出するように構成され、主マンホール3の外面に取り付けられているので、これらマグネット位置検出器12、13に廃液やその気体成分が接触することはない。さらに、レベル検出装置60にも廃液やその気体成分が接触することはない。これらのことにより、マグネット11、第1及び第2マグネット位置検出器12、13並びにレベル検出装置60が腐食することはなく、液体貯留部2内の液体の量が正確に得られる。
【0055】
また、シャフト6、下側ガイド部材30、上側ガイド部材40、開閉弁10も耐腐食性を有する材料で構成されているので、これら部材6、30、40、10が腐食することもない。さらに、フロート収容部15、開閉弁収容部16及びマグネット収容部17を構成する部材は、フッ素樹脂でコーティングされているので、これら部材が腐食することもない。
【0056】
以上説明したように、この実施形態1に係る集液タンク1によれば、マグネット11をポリプロピレンで覆い、2つのマグネット位置検出器12、13及びレベル検出装置60を共に液体貯留部2の外部及び負圧通路Rの外部に配置したので、腐食性を有する廃液を収集する場合においても、作業者が液体貯留部2内の液体の量を正確にかつ容易に得ることができる。
【0057】
また、本実施形態では、非接触状態での位置の検出が容易なマグネット11を用いて液体の量を得るようにしているので、主マンホール3の構造を簡素化できる。
【0058】
また、1本のシャフト6に開閉弁10及びマグネット11を取り付けたので、シャフト6をフロート14によって移動させるだけで、開閉弁10及びマグネット11の両方を移動させることができる。
【0059】
また、2つのマグネット位置検出器12、13を設けたので、収集した液体の量を2段階で得ることができる。
【0060】
また、上側ケース構成部材71及び下側ケース構成部材72を一体化するだけで、マグネット11を収容部Cに収容して保持することができるので、マグネット11の組付作業性を良好にすることができる。
【0061】
《発明の実施形態2》
図8〜図11は、本発明の実施形態2に係る負圧式集液タンク1に取り付けられる主マンホール3を示すものである。この実施形態2の集液タンク1は、実施形態1のものと、液体貯留部2は共通しており、主マンホール3の構造が異なるだけなので、以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
【0062】
すなわち、この実施形態2では、図8に示すように、開閉弁収容部16及びマグネット収容部17の上下方向の寸法が実施形態1のものよりも短く設定されており、これに対応してシャフト6も短くなっているとともに、図10に示す下側ガイド部材30及び図11に示す上側ガイド部材40の形状も変更されている。開閉弁収容部16は、上下方向に延びる中心線を有する環状部材で構成されている。この開閉弁収容部16の下端部には、外方へ向けて延出する延出部80が形成されている。この延出部80には、スタッドボルト26が挿通する挿通孔80aが形成されている。開閉弁収容部16の上端部には、上方へ突出する複数のスタッドボルト81が周方向に間隔をあけて設けられている。
【0063】
上記下側ガイド部材30の中心部には、下方に膨出する膨出部30eが形成されている。この膨出部30eの大きさは、平面視で略円形をなしており、開位置にある開閉弁10を収容可能な大きさとされている。図10に示すように、この膨出部30eの略中心部に下側ガイド孔30bが形成されている。膨出部30eにおける下側ガイド孔30b周りには、下側連通孔30cが周方向に互いに間隔をあけて形成されている。一方、上側ガイド部材40は、円形の略平坦な板状をなしている。
【0064】
図8に示すように、上記マグネット収容部17は、上下方向に延びる円筒部材82と、該円筒部材82の下端部に位置する固定用板材83とを備えており、円筒部材82に、側部筒状部材45が設けられている。円筒部材82の上端部は、円形の閉塞板材84で閉塞されている。円筒部材82における上端部から下方へ向かう所定領域には、該円筒部材82の内側へ凹む凹部82aが形成されている。
【0065】
第1マグネット位置検出器12は、そのセンサ部12aが円筒部材82の凹部82aの下端部近傍に位置するように、該円筒部材82の外面に取り付けられている。また、第2マグネット位置検出器13は、そのセンサ部13aが満量位置にあるマグネット11に対応するように、閉塞板材84の外面に取り付けられている。
【0066】
また、マグネットケース70は、図12に示すように、実施形態1のものに比べて外径が大きめに設定されている。
【0067】
この実施形態2の集液タンク1においても、実施形態1のものと同様な作用効果を得ることができる。また、実施形態2の集液タンク1では、下側ガイド部材30に下方へ膨出する膨出部30eを形成するとともに、開閉弁収容部16及びマグネット収容部17の上下寸法を短くしているので、主マンホール3の全体の上下寸法を短くすることができる。
【0068】
《発明の実施形態3》
図13〜図14は、本発明の実施形態3に係る負圧式集液タンク1に取り付けられる主マンホール3を示すものである。この実施形態3の集液タンク1は、実施形態1のものと、液体貯留部2は共通しており、主マンホール3の構造が異なるだけなので、以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
【0069】
すなわち、この実施形態3では、図13に示すように、開閉弁収容部16及びマグネット収容部17の上下方向の寸法が実施形態1のものよりも短く設定されており、これに対応してシャフト6も短くなっている。さらに、この実施形態3では、第1マグネット位置検出器12が省略されており、廃液の量の満量を検出するためのマグネット位置検出器13のみが設けられている。
【0070】
開閉弁収容部16は、実施形態2の開閉弁収容部16と同様に構成されている。また、下側ガイド部材30及び上側ガイド部材40は、実施形態1のものと同様に構成されている。マグネット収容部17は、実施形態2の円筒部材82の凹部82aを省略した形状とされている。マグネット位置検出器13は、そのセンサ部13aが満量位置にあるマグネット11に対応するように、閉塞板材84の外面に取り付けられている。
【0071】
この実施形態3の集液タンク1においても、実施形態1のものと同様な作用効果を得ることができる。また、実施形態3の集液タンク1では、上記実施形態2のものと同様に主マンホール3の全体の上下寸法を短くすることができる。
【0072】
尚、上記実施形成1〜3では、マグネット11をマグネットケース70に収容するようにしているが、これに限らず、例えば、耐腐食性を有する材料をマグネット11にコーティングするようにしてもよい。この耐腐食性を有する材料としては、例えば、フッ素樹脂や繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられる。このようにマグネット11にコーティングを施す場合には、マグネット11をシャフト6に直接取り付けることが可能になる。
【0073】
また、下側ガイド部材30、上側ガイド部材40、弁体64は、ポリプロピレン以外の耐腐食性を有する材料で構成してもよいし、例えば、金属材料にフッ素樹脂のコーティングを施したもので構成するようにしてもよい。
【0074】
また、マグネット位置検出器12、13の個数は、1つや2つに限られるものではなく、3つ以上設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上説明したように、本発明に係る負圧式集液タンクは、例えば、化学工場や薬品工場等から排出される廃液を収集する場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態1に係る集液タンクを搭載した車両の側面図である。
【図2】実施形態1に係る主マンホールの断面図である。
【図3】実施形態1に係る主マンホールの平面図である。
【図4】実施形態1に係る下側ガイド部材の平面図である。
【図5】液体貯留部内の液体の量を検出するレベル検出装置のブロック図である。
【図6】実施形態1に係るシャフトの側面図である。
【図7】(a)は実施形態1に係るマグネットケースの平面図であり、(b)は実施形態1に係るマグネットを収容した状態のマグネットケースとナットとの部分断面図である。
【図8】実施形態2に係る図2相当図である。
【図9】実施形態2に係る図3相当図である。
【図10】実施形態2に係る図4相当図である。
【図11】実施形態2に係る上側ガイド部材の平面図である。
【図12】実施形態2に係る図7(b)相当図である。
【図13】実施形態3に係る図2相当図である。
【図14】実施形態3に係る図3相当図である。
【符号の説明】
【0077】
1 集液タンク
2 液体貯留部
3 主マンホール
5 ケーシング
6 シャフト(可動部材)
10 開閉弁
11 マグネット(被検出部材)
12 第1マグネット位置検出器
13 第2マグネット位置検出器
14 フロート
60 レベル検出装置
61 ブザー
70 マグネットケース(被覆材)
71 上側ケース構成部材(収容部構成部材)
72 下側ケース構成部材(収容部構成部材)
C 収容部
P 負圧発生ポンプ(負圧発生手段)
R 負圧通路
【技術分野】
【0001】
本発明は、負圧による吸引力を利用して液体を吸入し収集するように構成された負圧式集液タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、負圧式集液タンクとして、例えば、特許文献1に開示されているように、浄化槽の汚泥を収集する際に使用されるものが知られている。この特許文献1の集液タンクは、浄化槽清掃車に搭載されている。集液タンクの液体貯留部内は、負圧通路を介して負圧発生ポンプの吸引口と接続されている。上記集液タンクには、液体貯留部内の液体の量によって上方位置と下方位置との間で上下動するフロートと、該フロートに連動して上記負圧通路を開閉する開閉弁とが設けられている。
【0003】
上記集液タンクでは、液体貯留部内の液体の量が少なくフロートが下方位置にあるときには、開閉弁が負圧通路を開く開位置となり、負圧発生ポンプの負圧が負圧通路を介して液体貯留部内に導入され、このときに発生する吸引力により液体貯留部内に液体が吸入されて収集される。液体貯留部内に収集された液体が満量に達すると、フロートが上方位置まで移動して開閉弁が負圧通路を閉じる閉位置に切り替わり、液体貯留部内に負圧が作用しなくなって液体の吸入が停止する。これにより、液体貯留部内の液体が負圧通路から負圧発生ポンプの吸入口に流れ込むのが回避される。
【0004】
また、特許文献1の液体貯留部の周壁部には、物量計及び覗き窓が設けられている。液体を収集する作業者は、これら物量計及び覗き窓により貯留部内の液体の量を知ることができるようになっている。
【特許文献1】特開2004−100221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1の集液タンクを使用して液体を収集する際に、作業者が液体貯留部内の液体の量がどのくらいであるか確認したい場合、集液タンクの物量計や覗き窓をその都度見なければならないので、収集作業中において液体の量を確認するのは煩雑である。
【0006】
また、集液タンクは、上記特許文献1に開示されている浄化槽の汚泥の収集以外にも、例えば、化学工場や薬品工場等から排出される廃液のように、腐食性を有する液体を収集する際に用いられることもある。このような腐食性を有する液体を収集する場合には、特に安全性を確保する観点から、液体貯留部内の液体の量を正確に得たいという要求がある。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、腐食性を有する液体を収集する場合であっても、作業者が液体タンク内の液体の量を正確にかつ容易に得ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、フロートの上下動に連動する被検出部材を耐腐食性を有する被覆材で覆い、この被検出部材を検出する検出手段を、非接触型のものとして、液体貯留部及び負圧通路の外部に配置するようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明では、負圧発生手段で発生した負圧を導入することにより液体を吸入し収集するように構成された負圧式集液タンクであって、上記負圧発生手段に負圧通路を介して接続される液体貯留部と、上記液体貯留部内の液体の量によって上方位置と下方位置との間で上下動するフロートと、上記フロートの上下動に連動して、該フロートが上方位置にあるときに上記負圧通路を閉じる閉位置とされ、上記フロートが下方位置にあるときに上記負圧通路を開く開位置とされる開閉弁と、上記フロートの上下動に連動する被検出部材と、上記被検出部材の位置を該被検出部材に非接触な状態で検出し、該被検出部材の位置に基づいて上記液体貯留部内の液体の量を得るように構成された検出手段とを備え、上記被検出部材は、耐腐食性を有する被覆材で覆われているとともに、上記検出手段は、上記液体貯留部及び負圧通路の外部に配置されている構成とする。
【0010】
この構成によれば、液体貯留部内に液体を吸入していくと、該液体貯留部内の液体の液面が上昇することにより、フロートが下方位置から上方へ移動し始め、このフロートの移動に連動して被検出部材が移動する。そして、この移動した被検出部材の位置を検出手段が検出する。これにより、液体貯留部内の液体の量が得られるので、液体の量を作業者に知らせることが可能になる。この液体貯留部内の液体の量を得る際には、被検出部材の被覆材が耐腐食性を有する材質であることと、検出手段が液体貯留部内と負圧通路内とのいずれにも配置されていないこととにより、被検出部材及び検出手段が液体貯留部内の液体やその気体成分に触れることはない。これにより、収集した液体が腐食性を有する液体であっても被検出部材及び検出手段が腐食することはなく、液体貯留部内の液体の量が正確に得られる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、被検出部材が磁石で構成されているものとする。
【0012】
この構成によれば、検出手段を、被検出部の磁力を検出するように構成すればよいので、被検出部材の位置を非接触状態で検出する構造が容易に得られる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、液体貯留部に対し上下方向に移動可能に支持された可動部材を備え、開閉弁及び被検出部材が上記可動部材に取り付けられ、フロートが上記可動部材の下方に位置付けられている構成とする。
【0014】
この構成によれば、液体貯留部内の液体の液面が上昇して上方へ移動したフロートにより可動部材が押し上げられる。この可動部材の移動により、開閉弁及び被検出部材が移動する。
【0015】
請求項4の発明では、請求項1から3のいずれか1つの発明において、検出手段は、被検出部材の複数の位置を検出し、各位置に基づいて液体貯留部内の液体の量を得るように構成されているものとする。
【0016】
この構成によれば、液体貯留部に収集した液体の量を複数の段階に分けて、比較的少ないか、多いかを得ることが可能になる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項1から4のいずれか1つの発明において、被検出部材は、分離可能な複数の収容部構成部材からなる収容部内に配置されている構成とする。
【0018】
この構成によれば、複数の収容部構成部材を一体化するだけで、被検出部材を収容部に収容して保持することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、フロートの上下動に連動する被検出部材と、この被検出部材の位置を非接触状態で検出して液体貯留部内の液体の量を得る検出手段とを設け、上記被検出部材を耐腐食性を有する被覆材で覆い、検出手段を液体貯留部及び負圧通路の外部に配置したので、腐食性を有する液体を収集する場合においても、作業者が液体貯留部内の液体の量を正確にかつ容易に得ることができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、被検出部材を磁石で構成したので、被検出部材の位置を非接触状態で検出する構造を容易に得ることができ、液体貯留部内の液体の量を得るための構造を簡素化できる。
【0021】
請求項3の発明によれば、可動部材をフロートによって移動させるだけで、開閉弁及び被検出部材の両方を移動させることができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、検出手段が被検出部材の複数の位置を検出するので、収集した液体の量を複数の段階に分けて細かく得ることができる。
【0023】
請求項5の発明によれば、複数の収容部構成部材を一体化するだけで、被検出部材を収容部に収容して保持することができるので、被検出部材の組付作業性を良好にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る負圧式集液タンク1を搭載したタンクローリTを示す。このタンクローリTは、化学工場や薬品工場等から排出される廃液を収集する際に使用される車両であり、車両前後方向に延びるシャシフレームFを備えている。上記集液タン1は、上記シャシフレームFの上部に固定されている。シャシフレームF上部の集液タンク1よりも車両後側には、負圧発生手段としての負圧発生ポンプPが固定されている。この負圧発生ポンプPは、この種の集液タンク1に接続されるように構成された周知の構造のものである。
【0026】
上記集液タンク1は、収集した液体を貯留する容器である液体貯留部2と、該液体貯留部2の周壁部に設けられた主マンホール3と、吸引用ホース4とを備えている。主マンホール3と上記負圧発生ポンプPの吸入口とは負圧配管Hにより接続されており、該負圧発生ポンプPで発生した負圧が主マンホール3を介して液体貯留部2に導入されるようになっている。
【0027】
上記主マンホール3は、図3に示すように、上記負圧配管Hと連通する負圧通路Rを形成するケーシング5と、該ケーシング5内で上下方向に延びるシャフト6と、上記負圧通路Rを開閉する開閉弁10と、被検出部材としてのマグネット11と、該マグネット11の位置を検出する第1及び第2マグネット位置検出器12、13とを備えている。一方、上記液体貯留部2の周壁部の上部には、上記主マンホール3を配設するための配設口2aが形成されている。
【0028】
上記ケーシング5は、大略上下方向に延びる筒状をなしている。該ケーシング5の略下半部は、開閉弁10を作動させるためのフロート14を収容するフロート収容部15で構成されている。ケーシング5の略上半部の下側は、上記開閉弁10を収容する開閉弁収容部16で構成され、上側は上記マグネット11を収容するマグネット収容部17で構成されている。上記フロート収容部15とマグネット収容部16との境界部分近傍には、この主マンホール3を上記液体貯留部2に取り付けるための取付用フランジ20が設けられている。
【0029】
上記フロート収容部15は円筒状をなしている。このフロート収容部15には、同形状のフロート14が2つ収容されており、上側のフロート14に上記シャフト6の下端部が接触するようになっている。これらフロート14が、フロート収容部15の内部空間R1内において上方位置と下方位置との間で上下動するようになっている。フロート収容部15の下端部には、上記フロート14がフロート収容部15から下方へ脱落するのを防止するための脱落防止部材21が固定されている。この脱落防止部材21は、中心部に液体流入口21aが形成された円形の板材で構成されている。フロート収容部15の上側には、複数の通気口15aが該フロート収容部15の周方向に互いに離れて形成されている。尚、上記フロート14の数や大きさは、上記したものに限られず、任意に設定することが可能である。
【0030】
上記取付用フランジ20は、図3にも示すように、円形の厚肉な板材で構成されている。取付用フランジ20には、その中心部から径方向にずれた位置に上記フロート収容部15の上端部が貫通するフロート収容部貫通孔20aが形成されている。上記フロート収容部15の上端部は、取付用フランジ20のフロート収容部貫通孔20aに差し込まれた状態で該貫通孔20aの周縁部に溶接されている。取付用フランジ20の外周部には、複数の取付孔20bが周方向に間隔をあけて形成されている。取付用フランジ20の下面には、上記液体貯留部2の配設口2aの周縁部に接触するように形成されたマンホールパッキン23が配置されている。また、取付用フランジ20には、上記フロート収容部貫通孔20aから離れた位置にリリーフ弁24が取り付けられている。
【0031】
上記取付用フランジ20の上面には、補強板材25が設けられている。この補強板材25は、上記取付用フランジ20のフロート収容部貫通孔20aと略同径の開口部25aを有する円形の板材で構成されている。補強板材25の開口部25aの周縁部がフロート収容部15の上端部に溶接され、補強板材25の外周部が取付用フランジ20の上面に溶接されている。補強板材25の外周部には、上方へ突出する複数のスタッドボルト26が周方向に間隔をあけて設けられている。上記フロート収容部15、取付用フランジ20及び補強部材25は、例えばステンレス鋼等の金属材料で構成されている。これら各部材15、20、25が一体化された状態で、耐腐食性を有するフッ素樹脂によるコーティングが表面に施されている。
【0032】
上記補強部材25の上面には、上記シャフト6の略下半部を上下方向に案内するための下側ガイド部材30が設けられている。この下側ガイド部材30は、耐腐食性を有する材料としてのポリプロピレンを、上記補強板材25よりも厚肉な円形の板状に成形してなるものである。下側ガイド部材30の外径は上記補強板材25と略同じに設定され、外周部には、図4にも示すように、上記補強板材25のスタッドボルト26が挿通する挿通孔30aが形成されている。下側ガイド部材30の略中心部には、上記シャフト6の略下半部の外径よりも若干大径の下側ガイド孔30bが上下方向に貫通するように形成されている。シャフト6の外面が下側ガイド孔30bの内面に摺接することで、該シャフト6が上下方向に案内されるようになっている。このシャフト6が、本発明の可動部材を構成している。
【0033】
上記下側ガイド部材30の下側ガイド孔30b周りには、フロート収容部15の内部空間R1と開閉弁収容部16の内部空間R2とを連通させる複数の下側連通孔30cが周方向に互いに間隔をあけて形成されている。下側ガイド部材30の上面及び下面における挿通孔30aよりも内周側には、Oリング31が嵌る嵌入溝30dがそれぞれ形成されている。
【0034】
上記下側ガイド部材30の上方には、上記開閉弁収容部16が位置している。この開閉弁収容部16は、上下方向に延びる円筒部材33と、該円筒部材33の下端部に位置する固定用板材34と、該円筒部材33の上端部に位置する環状部材35とで構成されている。上記円筒部材33の内径は、上記フロート収容部15の内径と略同じに設定されている。上記固定用板材34の外周部には、上記スタッドボルト26が挿通する挿通孔34aが形成されている。この固定用板材34の中心部には、上記補強板材25の開口部25aと略同径の開口部34bが形成されている。上記円筒部材33の下端部は、開口部34bに差し込まれた状態で該開口部34bの周縁部に溶接されている。上記環状部材35は、上記固定用板材34よりも厚肉の板材で構成されている。上記環状部材35の内径は、上記円筒部材33の内径よりも小さく設定されている。この環状部材35には、上方へ突出する複数のスタッドボルト36が周方向に間隔をあけて設けられている。この環状部材35の下面が上記円筒部材33の上端部に溶接されている。上記円筒部材33、固定用板材34及び環状部材35は、上記フロート収容部15と同様に、ステンレス鋼等の金属材料で構成されており、その表面にはフッ素樹脂のコーティングが施されている。
【0035】
上記環状部材35の上面には、上記シャフト6の略上半部を上下方向に案内するための上側ガイド部材40が設けられている。この上側ガイド部材40は、ポリプロピレンを、上記補強板材25よりも厚肉な円形の板状に成形してなるものである。上側ガイド部材40の外径は、上記環状部材35の外径と略同じに設定され、外周部には、上記環状部材35のスタッドボルト36が挿通する挿通孔40aが形成されている。この下側ガイド部材40の略中心部には、上方に膨出する膨出部40bが形成されている。この膨出部40bは、平面視で略円形をなしている。この膨出部40bの略中心部には、上記シャフト6の略上半部の外径よりも若干大径の上側ガイド孔40cが上下方向に貫通するように形成されている。シャフト6の外面が上側ガイド孔40cの内面に摺接することで、該シャフト6が上下方向に案内されるようになっている。上記膨出部40bにおける上側ガイド孔40c周りには、開閉弁収容部16の内部空間R2とマグネット収容部17の内部空間R3とを連通させる複数の上側連通孔40dが周方向に互いに間隔をあけて形成されている。上側ガイド部材40の上面における挿通孔40aよりも内周側には、Oリング41が嵌る嵌入溝40eが形成されている。また、上側ガイド部材40の下面には、膨出部40bの周囲に対応する部位に下方へ突出して環状に延びるシール部40fが形成され、このシール部40fの周りにOリング41が嵌る嵌入溝40gが形成されている。上記シール部40fの突出方向先端部は尖っている。
【0036】
上記上側ガイド部材40の上方には、上記マグネット収容部17が位置している。このマグネット収容部17の下半部は、上下方向に延びる大径円筒部材43と、該大径円筒部材43の下端部に位置する固定用板材44と、該大径円筒部材43の側壁部から外方へ突出する側部筒状部材45と、該側部筒状部材45の外端部に位置する側部フランジ46とで構成されている。また、マグネット収容部17の上半部は、上下方向に延びる小径円筒部材48と、該小径円筒部材48の下端部に位置する円板部材49と、該小径円筒部材48の上端部に位置する上部フランジ50と、閉塞部材51とで構成されている。
【0037】
上記大径円筒部材43の内径は、上記開閉弁収容部16の円筒部材33の内径よりも小径で、かつ上記膨出部40bの外径よりも大径とされている。この大径円筒部材43の側壁部には、側部貫通孔43aが形成されている。この側部貫通孔43aの周縁部と、上記側部筒状部材45の内端部とが溶接されている。上記固定用板材44の外周部には、上記環状部材35のスタッドボルト36が挿通する挿通孔44aが形成されている。固定用板材44の中心部には、上記膨出部40bが挿通可能な開口部44bが形成されている。大径円筒部材43の下端部が固定用板材44の開口部44bに挿入された状態で該開口部44bの周縁部に溶接されている。側部フランジ46には、負圧配管H側のフランジ(図示せず)を取り付けるための締結部材(図示せず)が挿通する取付孔46aが形成されている。
【0038】
上記円板部材49の外周縁が上記大径円筒部材43の上端部に溶接されている。円板部材49の略中心部には、上記小径筒状部材48の下端部が挿入される開口部49aが形成されている。小径筒状部材48の下端部は円板部材49の開口部49aに差し込まれた状態で該開口部49aの周縁部に溶接されている。上部フランジ50には、ボルト55の挿通孔50aが形成されている。上記閉塞部材51は、上部フランジ50の外径と略同じ外径を有する円形の板材で構成されている。閉塞部材51には、上記上部フランジ50の挿通孔50aに対応した挿通孔51aが形成されている。上記大径円筒部材43、固定用板材44、側部筒状部材45、側部フランジ46、小径円筒部材48、円板部材49、上部フランジ50及び閉塞部材51は、上記フロート収容部15と同様に、ステンレス鋼等の金属材料で構成されており、その表面にはフッ素樹脂のコーティングが施されている。
【0039】
上記小径円筒部材48の外周面には、上記第1及び第2マグネット位置検出器12、13が締結固定されている。これら第1及び第2マグネット位置検出器12、13は、磁力検出用のセンサ部12a、13aを備えており、該センサ部12a、13aが所定以上の磁力を検出するとON信号を送信するように構成された周知の非接触型近接スイッチである。第1及び第2マグネット位置検出器12、13は、上記小径円筒部材48の周方向に離れている。第1マグネット位置検出器12は、下部にセンサ部12aが位置し上部から信号線12bが延びる向きとされて、該センサ部12aが上記小径円筒部材48の下端部近傍に位置するように配置されている。第2マグネット位置検出器13は、上記第1マグネット位置検出器12と上下反対向きにされて、センサ部13aが上記小径円筒部材48の上端部近傍に位置するように配置されている。これらマグネット位置検出器12、13の信号線12b、13bは、図5に示すように、レベル検出装置60に接続されている。このレベル検出装置60は、上記マグネット位置検出器12、13と同様に、液体貯留部2及び負圧通路Rの外部に配置されている。上記2つのマグネット位置検出器12、13及びレベル検出装置60で本発明の検出手段が構成されている。
【0040】
上記レベル検出装置60には、液体貯留部2内の液体の量を作業者に報知するための報知手段としてのブザー61が接続されている。ブザー61は、液体貯留部2及び負圧通路Rの外部に配置されている。このレベル検出装置60は、第1マグネット位置検出器12からON信号が出力された場合にブザー61を第1のパターンで鳴らし、第2マグネット位置検出器13からON信号が出力された場合にブザー61を上記第1のパターンとは異なる第2のパターンで鳴らすように構成されている。尚、報知手段としては、例えば、表示灯等であってもよい。上記2つのマグネット位置検出器12、13及びレベル検出装置60で本発明の検出手段が構成されている。
【0041】
上記シャフト6は、耐腐食性を有する材料としての四フッ化エチレン樹脂(PTFE)を成形してなるものである。図6にも示すように、シャフト6の下半部は上半部よりも大径の大径部6aで構成され、上半部は小径部6bで構成されている。大径部6aの下端面は球面状に形成されている。小径部6bの下端部には、上記開閉弁10が取り付けられる開閉弁取付部6cが設けられている。小径部6bの開閉弁取付部6cの上側には雄ねじ部6dが形成されている。小径部6bの上端部には、上記マグネット11が取り付けられるマグネット取付部6eが設けられている。このマグネット取付部6eの外面には雄ねじ部が形成されている。
【0042】
上記開閉弁10は、図2に示すように、上記シャフト6に対し略直交するように延びる円板状の弁体64と、該弁体64の上面に配置されたパッキン65と、該パッキン65を上方から弁体64に押さえておくためのパッキン押さえ板66とで構成されている。弁体64は、ポリプロピレンを成形してなるものである。弁体64の略中心部には、上記シャフト6の開閉弁取付部6cが挿通する貫通孔64aが形成されている。この貫通孔64aの周縁部には、上方へ突出して環状に延びる突出部64bが形成されている。弁体64の外径は、上記上側ガイド部材40のシール部40fの外径よりも大きめに設定されている。パッキン65は、耐腐食性を有する弾性材を円板状に成形してなるものであり、その中心部に上記突出部64bが嵌入する嵌入孔65aが形成されている。このパッキン65の外径は、上記弁体64の外径と略同じに設定されている。パッキン押さえ板66は、ポリプロピレンを円板状に成形してなるものであり、中心部にはシャフト6の挿通孔66aが形成されている。パッキン押さえ板66の外径は、上記上側ガイド部材40のシール部40fの外径よりも小径とされている。
【0043】
シャフト6の開閉弁取付部6cに配置された弁体64、パッキン65及びパッキン押さえ板66は、該パッキン押さえ板66側から雄ねじ部6dに螺合させた2つのナット67により、シャフト6に取り付けられるようになっている。これらナット67はポリプロピレンを成形してなるものである。
【0044】
上記マグネット11は、マグネットケース70に収容されている。図7にも示すように、このマグネットケース70は、上下方向に2つに分割された上側ケース構成部材71と下側ケース構成部材72とで構成されており、これらケース構成部材71、72はポリプロピレンを成形してなる。下側ケース構成部材72は円柱状をなしている。この下側ケース構成部材72には、その下端面に開口して上方へ延びるねじ孔72aが形成されている。下側ケース構成部材72の外周面の下側には、環状のシール部材73が嵌るようになっている。下側ケース構成部材72の外周面のシール部材73よりも上方には雄ねじ部72bが形成されている。一方、上側ケース構成部材71は、下側ケース構成部材72の上側を覆う円筒状に形成され、その上端部は閉塞されている。上側ケース構成部材71の周壁部の下端部は、上記シール部材73に接触するように形成されている。この周壁部の内面には、上記下側ケース構成部材72の雄ねじ部72bに螺合する雌ねじ部71aが形成されている。
【0045】
上記マグネット11は、周知の永久磁石であり、円柱状に形成されている。マグネット11は、中心線の延びる方向を上下方向に向けた状態で、下側ケース構成部材72の上端面に置かれ、この状態で上側ケース構成部材71の雌ねじ部71aを下側ケース構成部材72の雄ねじ部72bに螺合させることで、マグネット11が両ケース構成部材71、72で構成される収容部C(図7(b)に示す)に収容されて保持された状態になる。この状態で、両ケース構成部材71、72の間はシール部材73でシールされることになる。上記上側ケース構成部材71及び下側ケース構成部材72が、本発明の被覆材を構成している。
【0046】
上記下側ケース構成部材72のねじ孔72aにシャフト6のマグネット取付部6eを螺合させることで、マグネット11がシャフト6に取り付けられるようになっている。下側ケース構成部材72の下部には、緩み止め用のナット74が設けられている。このナット74はポリプロピレンを成形してなるものである。シャフト6のマグネット取付部6eをねじ孔72aにねじ込む深さを変えることで、シャフト6に対するマグネット11の軸線方向の位置が変わるようになっている。
【0047】
次に、上記主マンホール3を組み立てる場合について説明する。上記補強板材25のスタッドボルト26を下側ガイド部材30の挿通孔30a及び開閉弁収容部16の固定用板材34の挿通孔34aに挿通させた状態で、該スタッドボルト26にナット75を螺合させることで、フロート収容部15と、下側ガイド部材30と、開閉弁収容部16とを一体化する。フロート収容部15にはフロート14を入れておく。一方、開閉弁10及びマグネット11をシャフト6に取り付けるととともに、そのシャフト6を下側ガイド部材30の下側ガイド孔30b及び上側ガイド部材40の上側ガイド孔40cに挿通させる。その後、環状部材35のスタッドボルト36を上側ガイド部材40の挿通孔40a及びマグネット収容部17の固定用板材44の挿通孔44aに挿通させた状態で、該スタッドボルト36にナット76を螺合させることで、開閉弁収容部16と、上側ガイド部材40と、マグネット収容部17とが一体化する。上記フロート収容部15の内部空間R1、下側連通孔30c、開閉弁収容部16の内部空間R2、上側連通孔40d及びマグネット収容部17の内部空間R3により、本発明の負圧通路Rが構成される。
【0048】
上記のようにして組み立てられた主マンホール3を液体貯留部2に取り付ける際には、マンホール収容部15を液体貯留部2内に挿入した状態で、取付用フランジ20を配設口2aの周縁部に締結固定する。この取付状態では、液体貯留部2内の液体が無いと、フロート14が下方位置にあり、シャフト6も、自重により下方位置となっている。このシャフト6が下方位置にあるときには、開閉弁10が上側連通孔40dを開く開位置とされ、マグネット11の位置が第1マグネット位置検出器12の磁力検出範囲から下方に離れた位置にある。
【0049】
次に、上記のように構成された集液タンク1を用いて上記各工場の廃液を収集する場合について説明する。まず、負圧発生ポンプPを作動させると、主マンホール3の負圧通路Rから液体貯留部2内に負圧が導入される。これにより、吸引用ホース4を介して液体貯留部2内に廃液が吸入されて収集される。負圧を液体貯留部2に導入する際には、シャフト6がポリプロピレン等よりも高い比重を有するPTFEで構成されていることに加えて、そのシャフト6の下半部が太くされて重くなっているので、負圧によって上方へ吸い上げられるようになることはなく、開閉弁10を開位置に保持しておくことが可能になっている。
【0050】
液体貯留部2内の廃液の量が増えて液面が上昇してフロート14に達すると、下方位置にあったフロート14が上方へ移動していき、このフロート14の移動によってシャフト6が押し上げられていき、開閉弁10及びマグネット11が共に上昇していく。つまり、開閉弁10とマグネット11は、フロート14の上下動に連動するようになっている。
【0051】
そして、液体貯留部2の廃液の量が、例えば満量の300リットル〜400リットル手前になると、マグネット11の位置が、図2の下側の仮想線で示すように第1マグネット位置検出器12の磁力検出範囲に入る。これにより、レベル検出装置60は、第1のパターンでブザー61を鳴らすので、作業者は、液体貯留部2内の廃液の量が上記した量であることを把握することができる。尚、第1のパターンでブザー61を鳴らすタイミングは、上記したタイミングに限られるものではなく、第1マグネット位置検出器12の上下方向の位置や、シャフト6に対するマグネット11の位置等で自由に設定することが可能である。
【0052】
また、シャフト6が樹脂製であるとともに、下側ガイド部材30及び上側ガイド部材40も樹脂製であるため、シャフト6が両ガイド部材30、40に対しスムーズに摺動する。
【0053】
液体貯留部2内の廃液の量がさらに増えて満量になると、フロート14が上方位置となり、マグネット11の位置が、図2の上側の仮想線で示すように第2マグネット位置検出器13の磁力検出範囲に入る。これにより、レベル検出装置60は、第2のパターンでブザー61を鳴らすので、作業者は、液体貯留部2内の廃液の量が満量であることを把握することができる。さらに、フロート14が上方位置になると、開閉弁10のパッキン65がシール部40fに接触して該開閉弁10が負圧通路Rを閉じる閉位置となる。これにより、負圧が液体貯留部2内に導入されなくなって廃液の吸引が停止する。
【0054】
上記廃液が腐食性を有する液体である場合には、マグネット11が耐腐食性を有するポリプロピレン製のマグネットケース70に収容されているので、該マグネット11に廃液やその気体成分が接触することはない。また、第1及び第2マグネット位置検出器12、13がマグネット11の位置を非接触状態で検出するように構成され、主マンホール3の外面に取り付けられているので、これらマグネット位置検出器12、13に廃液やその気体成分が接触することはない。さらに、レベル検出装置60にも廃液やその気体成分が接触することはない。これらのことにより、マグネット11、第1及び第2マグネット位置検出器12、13並びにレベル検出装置60が腐食することはなく、液体貯留部2内の液体の量が正確に得られる。
【0055】
また、シャフト6、下側ガイド部材30、上側ガイド部材40、開閉弁10も耐腐食性を有する材料で構成されているので、これら部材6、30、40、10が腐食することもない。さらに、フロート収容部15、開閉弁収容部16及びマグネット収容部17を構成する部材は、フッ素樹脂でコーティングされているので、これら部材が腐食することもない。
【0056】
以上説明したように、この実施形態1に係る集液タンク1によれば、マグネット11をポリプロピレンで覆い、2つのマグネット位置検出器12、13及びレベル検出装置60を共に液体貯留部2の外部及び負圧通路Rの外部に配置したので、腐食性を有する廃液を収集する場合においても、作業者が液体貯留部2内の液体の量を正確にかつ容易に得ることができる。
【0057】
また、本実施形態では、非接触状態での位置の検出が容易なマグネット11を用いて液体の量を得るようにしているので、主マンホール3の構造を簡素化できる。
【0058】
また、1本のシャフト6に開閉弁10及びマグネット11を取り付けたので、シャフト6をフロート14によって移動させるだけで、開閉弁10及びマグネット11の両方を移動させることができる。
【0059】
また、2つのマグネット位置検出器12、13を設けたので、収集した液体の量を2段階で得ることができる。
【0060】
また、上側ケース構成部材71及び下側ケース構成部材72を一体化するだけで、マグネット11を収容部Cに収容して保持することができるので、マグネット11の組付作業性を良好にすることができる。
【0061】
《発明の実施形態2》
図8〜図11は、本発明の実施形態2に係る負圧式集液タンク1に取り付けられる主マンホール3を示すものである。この実施形態2の集液タンク1は、実施形態1のものと、液体貯留部2は共通しており、主マンホール3の構造が異なるだけなので、以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
【0062】
すなわち、この実施形態2では、図8に示すように、開閉弁収容部16及びマグネット収容部17の上下方向の寸法が実施形態1のものよりも短く設定されており、これに対応してシャフト6も短くなっているとともに、図10に示す下側ガイド部材30及び図11に示す上側ガイド部材40の形状も変更されている。開閉弁収容部16は、上下方向に延びる中心線を有する環状部材で構成されている。この開閉弁収容部16の下端部には、外方へ向けて延出する延出部80が形成されている。この延出部80には、スタッドボルト26が挿通する挿通孔80aが形成されている。開閉弁収容部16の上端部には、上方へ突出する複数のスタッドボルト81が周方向に間隔をあけて設けられている。
【0063】
上記下側ガイド部材30の中心部には、下方に膨出する膨出部30eが形成されている。この膨出部30eの大きさは、平面視で略円形をなしており、開位置にある開閉弁10を収容可能な大きさとされている。図10に示すように、この膨出部30eの略中心部に下側ガイド孔30bが形成されている。膨出部30eにおける下側ガイド孔30b周りには、下側連通孔30cが周方向に互いに間隔をあけて形成されている。一方、上側ガイド部材40は、円形の略平坦な板状をなしている。
【0064】
図8に示すように、上記マグネット収容部17は、上下方向に延びる円筒部材82と、該円筒部材82の下端部に位置する固定用板材83とを備えており、円筒部材82に、側部筒状部材45が設けられている。円筒部材82の上端部は、円形の閉塞板材84で閉塞されている。円筒部材82における上端部から下方へ向かう所定領域には、該円筒部材82の内側へ凹む凹部82aが形成されている。
【0065】
第1マグネット位置検出器12は、そのセンサ部12aが円筒部材82の凹部82aの下端部近傍に位置するように、該円筒部材82の外面に取り付けられている。また、第2マグネット位置検出器13は、そのセンサ部13aが満量位置にあるマグネット11に対応するように、閉塞板材84の外面に取り付けられている。
【0066】
また、マグネットケース70は、図12に示すように、実施形態1のものに比べて外径が大きめに設定されている。
【0067】
この実施形態2の集液タンク1においても、実施形態1のものと同様な作用効果を得ることができる。また、実施形態2の集液タンク1では、下側ガイド部材30に下方へ膨出する膨出部30eを形成するとともに、開閉弁収容部16及びマグネット収容部17の上下寸法を短くしているので、主マンホール3の全体の上下寸法を短くすることができる。
【0068】
《発明の実施形態3》
図13〜図14は、本発明の実施形態3に係る負圧式集液タンク1に取り付けられる主マンホール3を示すものである。この実施形態3の集液タンク1は、実施形態1のものと、液体貯留部2は共通しており、主マンホール3の構造が異なるだけなので、以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
【0069】
すなわち、この実施形態3では、図13に示すように、開閉弁収容部16及びマグネット収容部17の上下方向の寸法が実施形態1のものよりも短く設定されており、これに対応してシャフト6も短くなっている。さらに、この実施形態3では、第1マグネット位置検出器12が省略されており、廃液の量の満量を検出するためのマグネット位置検出器13のみが設けられている。
【0070】
開閉弁収容部16は、実施形態2の開閉弁収容部16と同様に構成されている。また、下側ガイド部材30及び上側ガイド部材40は、実施形態1のものと同様に構成されている。マグネット収容部17は、実施形態2の円筒部材82の凹部82aを省略した形状とされている。マグネット位置検出器13は、そのセンサ部13aが満量位置にあるマグネット11に対応するように、閉塞板材84の外面に取り付けられている。
【0071】
この実施形態3の集液タンク1においても、実施形態1のものと同様な作用効果を得ることができる。また、実施形態3の集液タンク1では、上記実施形態2のものと同様に主マンホール3の全体の上下寸法を短くすることができる。
【0072】
尚、上記実施形成1〜3では、マグネット11をマグネットケース70に収容するようにしているが、これに限らず、例えば、耐腐食性を有する材料をマグネット11にコーティングするようにしてもよい。この耐腐食性を有する材料としては、例えば、フッ素樹脂や繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられる。このようにマグネット11にコーティングを施す場合には、マグネット11をシャフト6に直接取り付けることが可能になる。
【0073】
また、下側ガイド部材30、上側ガイド部材40、弁体64は、ポリプロピレン以外の耐腐食性を有する材料で構成してもよいし、例えば、金属材料にフッ素樹脂のコーティングを施したもので構成するようにしてもよい。
【0074】
また、マグネット位置検出器12、13の個数は、1つや2つに限られるものではなく、3つ以上設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上説明したように、本発明に係る負圧式集液タンクは、例えば、化学工場や薬品工場等から排出される廃液を収集する場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態1に係る集液タンクを搭載した車両の側面図である。
【図2】実施形態1に係る主マンホールの断面図である。
【図3】実施形態1に係る主マンホールの平面図である。
【図4】実施形態1に係る下側ガイド部材の平面図である。
【図5】液体貯留部内の液体の量を検出するレベル検出装置のブロック図である。
【図6】実施形態1に係るシャフトの側面図である。
【図7】(a)は実施形態1に係るマグネットケースの平面図であり、(b)は実施形態1に係るマグネットを収容した状態のマグネットケースとナットとの部分断面図である。
【図8】実施形態2に係る図2相当図である。
【図9】実施形態2に係る図3相当図である。
【図10】実施形態2に係る図4相当図である。
【図11】実施形態2に係る上側ガイド部材の平面図である。
【図12】実施形態2に係る図7(b)相当図である。
【図13】実施形態3に係る図2相当図である。
【図14】実施形態3に係る図3相当図である。
【符号の説明】
【0077】
1 集液タンク
2 液体貯留部
3 主マンホール
5 ケーシング
6 シャフト(可動部材)
10 開閉弁
11 マグネット(被検出部材)
12 第1マグネット位置検出器
13 第2マグネット位置検出器
14 フロート
60 レベル検出装置
61 ブザー
70 マグネットケース(被覆材)
71 上側ケース構成部材(収容部構成部材)
72 下側ケース構成部材(収容部構成部材)
C 収容部
P 負圧発生ポンプ(負圧発生手段)
R 負圧通路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負圧発生手段で発生した負圧を導入することにより液体を吸入し収集するように構成された負圧式集液タンクであって、
上記負圧発生手段に負圧通路を介して接続される液体貯留部と、
上記液体貯留部内の液体の量によって上方位置と下方位置との間で上下動するフロートと、
上記フロートの上下動に連動して、該フロートが上方位置にあるときに上記負圧通路を閉じる閉位置とされ、上記フロートが下方位置にあるときに上記負圧通路を開く開位置とされる開閉弁と、
上記フロートの上下動に連動する被検出部材と、
上記被検出部材の位置を該被検出部材に非接触な状態で検出し、該被検出部材の位置に基づいて上記液体貯留部内の液体の量を得るように構成された検出手段とを備え、
上記被検出部材は、耐腐食性を有する被覆材で覆われているとともに、上記検出手段は、上記液体貯留部及び負圧通路の外部に配置されていることを特徴とする負圧式集液タンク。
【請求項2】
請求項1に記載の負圧式集液タンクにおいて、
被検出部材が磁石で構成されていることを特徴とする負圧式集液タンク。
【請求項3】
請求項1または2に記載の負圧式集液タンクにおいて、
液体貯留部に対し上下方向に移動可能に支持された可動部材を備え、
開閉弁及び被検出部材が上記可動部材に取り付けられ、
フロートが上記可動部材の下方に位置付けられていることを特徴とする負圧式集液タンク。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の負圧式集液タンクにおいて、
検出手段は、被検出部材の複数の位置を検出し、各位置に基づいて液体貯留部内の液体の量を得るように構成されていることを特徴とする負圧式集液タンク。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の負圧式集液タンクにおいて、
被検出部材は、分離可能な複数の収容部構成部材からなる収容部内に配置されていることを特徴とする負圧式集液タンク。
【請求項1】
負圧発生手段で発生した負圧を導入することにより液体を吸入し収集するように構成された負圧式集液タンクであって、
上記負圧発生手段に負圧通路を介して接続される液体貯留部と、
上記液体貯留部内の液体の量によって上方位置と下方位置との間で上下動するフロートと、
上記フロートの上下動に連動して、該フロートが上方位置にあるときに上記負圧通路を閉じる閉位置とされ、上記フロートが下方位置にあるときに上記負圧通路を開く開位置とされる開閉弁と、
上記フロートの上下動に連動する被検出部材と、
上記被検出部材の位置を該被検出部材に非接触な状態で検出し、該被検出部材の位置に基づいて上記液体貯留部内の液体の量を得るように構成された検出手段とを備え、
上記被検出部材は、耐腐食性を有する被覆材で覆われているとともに、上記検出手段は、上記液体貯留部及び負圧通路の外部に配置されていることを特徴とする負圧式集液タンク。
【請求項2】
請求項1に記載の負圧式集液タンクにおいて、
被検出部材が磁石で構成されていることを特徴とする負圧式集液タンク。
【請求項3】
請求項1または2に記載の負圧式集液タンクにおいて、
液体貯留部に対し上下方向に移動可能に支持された可動部材を備え、
開閉弁及び被検出部材が上記可動部材に取り付けられ、
フロートが上記可動部材の下方に位置付けられていることを特徴とする負圧式集液タンク。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の負圧式集液タンクにおいて、
検出手段は、被検出部材の複数の位置を検出し、各位置に基づいて液体貯留部内の液体の量を得るように構成されていることを特徴とする負圧式集液タンク。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の負圧式集液タンクにおいて、
被検出部材は、分離可能な複数の収容部構成部材からなる収容部内に配置されていることを特徴とする負圧式集液タンク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−74445(P2008−74445A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255547(P2006−255547)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(598146425)有限会社タンクテック (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(598146425)有限会社タンクテック (5)
【Fターム(参考)】
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