説明

貨幣処理機

【課題】同じ硬貨出金口に払い出された硬貨が出金硬貨なのかリジェクト硬貨なのかを明確に特定でき、硬貨の取り扱いを間違うのを防止できる硬貨入出金機を提供する。
【解決手段】硬貨出金口20に硬貨を払い出す出金用搬送手段を設ける。異なる色の光を発光可能とする発光手段21を設ける。発光手段21では、硬貨出金口20に払い出した硬貨が出金硬貨であれば緑色の光を発光し、リジェクト硬貨であれば赤色の光を発光する。発光手段21の光は、硬貨出金口20全体に照射し、その硬貨出金口20内の硬貨自体にも照射する。硬貨出金口20から硬貨を取り出す際に、硬貨が出金硬貨なのかリジェクト硬貨なのかを明確に特定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも出金貨幣とリジェクト貨幣とを含む異なる取り扱い種類の貨幣を同じ貨幣出金口に払い出す貨幣処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、店舗においてはレジにて、金融機関においては窓口等にて、それぞれ係員により顧客との現金の受け渡しを正確かつ迅速に行うべく、POSレジスタや電子式金銭登録機、および入出金管理機等の出納機器からの制御信号により、自動的に硬貨や紙幣の入金や出金が可能な貨幣処理機が開発されている。
【0003】
このような貨幣処理機では、機体の前部上面に入金貨幣を投入する貨幣投入口や操作部および表示部が配設され、また、機体の前面に出金貨幣やリジェクト貨幣等を払い出す1つの貨幣出金口が配設されている。すなわち、同じ貨幣出金口に、出金貨幣と、貨幣投入口に投入された入金貨幣のうち識別により排除されたリジェクト貨幣が払い出される(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−43449号公報(第5−9頁、図1−3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同じ貨幣出金口に出金貨幣とリジェクト貨幣等が払い出されるため、この貨幣出金口に払い出された貨幣を見ただけでは、それが出金貨幣なのか、出金貨幣以外のリジェクト貨幣等なのか見分けることができない。そのため、出金貨幣とリジェクト貨幣等とを間違って取り扱ってしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、同じ貨幣出金口に払い出された貨幣の取り扱い種類を明確に特定でき、貨幣の取り扱いを間違ってしまうのを防止できる貨幣処理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の貨幣処理機は、少なくとも出金貨幣とリジェクト貨幣とを含む異なる取り扱い種類の貨幣を同じ貨幣出金口に払い出す貨幣処理機において、前記貨幣出金口に貨幣を払い出す払出手段と、異なる発光形態で発光可能とする発光手段と、前記貨幣出金口に払い出された貨幣の取り扱い種類毎に異なる発光形態の光を前記発光手段により発光させる制御手段とを具備しているものである。
【0008】
請求項2記載の貨幣処理機は、請求項1記載の貨幣処理機において、前記発光手段は、発光形態として異なる色の光を発光可能とし、前記制御手段は、前記貨幣出金口に払い出された貨幣の取り扱い種類毎に異なる色の光を前記発光手段により発光させるものである。
【0009】
請求項3記載の貨幣処理機は、請求項1または2記載の貨幣処理機において、前記発光手段は、前記貨幣出金口に払い出された貨幣自体に光を照射するものである。
【0010】
請求項4記載の貨幣処理機は、請求項1ないし3いずれか記載の貨幣処理機において、前記発光手段は、前記貨幣出金口全体に光を照射するものである。
【0011】
請求項5記載の貨幣処理機は、請求項1ないし4いずれか記載の貨幣処理機において、前記制御手段は、前記貨幣出金口に貨幣が払い出されたときに前記発光手段を点灯させ、この発光手段を点灯させてから所定時間経過後に前記発光手段を点滅させるものである。
【0012】
請求項6記載の貨幣処理機は、請求項1ないし4いずれか記載の貨幣処理機において、前記制御手段は、前記貨幣出金口に払い出された貨幣がリジェクト貨幣の場合に前記発光手段を点滅させるものである。
【0013】
請求項7記載の貨幣処理機は、請求項1ないし6いずれか記載の貨幣処理機において、前記同じ貨幣出金口に払い出す異なる取り扱い種類の貨幣にエラー返却貨幣も含まれ、前記制御手段は、前記貨幣出金口に払い出された貨幣が出金貨幣の場合とリジェクト貨幣の場合とエラー返却貨幣の場合とで異なる発光状態で前記発光手段により発光させるものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の貨幣処理機によれば、発光手段により、貨幣出金口に払い出された貨幣の取り扱い種類毎に異なる発光形態で光を発光させるため、同じ貨幣出金口に払い出された貨幣の取り扱い種類を明確に特定でき、貨幣の取り扱いを間違ってしまうのを防止できる。
【0015】
請求項2記載の貨幣処理機によれば、請求項1記載の貨幣処理機の効果に加えて、貨幣出金口に払い出された貨幣の取り扱い種類毎に異なる色の光を発光手段により発光させることにより、貨幣の取り扱い種類を色により明確に特定できる。
【0016】
請求項3記載の貨幣処理機によれば、請求項1または2記載の貨幣処理機の効果に加えて、発光手段により、貨幣出金口に払い出された貨幣自体に光を照射することにより、貨幣出金口から貨幣を取り出す際に貨幣の取り扱い種類を明確に特定できる。
【0017】
請求項4記載の貨幣処理機によれば、請求項1ないし3いずれか記載の貨幣処理機の効果に加えて、発光手段により、貨幣出金口全体に光を照射することにより、貨幣出金口から貨幣を取り出す際に貨幣の取り扱い種類を明確に特定できる。
【0018】
請求項5記載の貨幣処理機によれば、請求項1ないし4いずれか記載の貨幣処理機の効果に加えて、貨幣出金口に貨幣が払い出されたときに発光手段を点灯させ、この発光手段を点灯させてから所定時間経過後に発光手段を点滅させることにより、貨幣出金口に貨幣が払い出されていることを明確に示し、貨幣の取り出し忘れを防止できる。
【0019】
請求項6記載の貨幣処理機によれば、請求項1ないし4いずれか記載の貨幣処理機の効果に加えて、貨幣出金口に払い出された貨幣がリジェクト貨幣の場合に発光手段を点滅させることにより、貨幣出金口に払い出された貨幣がリジェクト貨幣であることを明確に特定できる。
【0020】
請求項7記載の貨幣処理機によれば、請求項1ないし6いずれか記載の貨幣処理機の効果に加えて、同じ貨幣出金口に払い出す異なる取り扱い種類の貨幣にエラー返却貨幣も含まれる場合も、貨幣出金口に払い出された貨幣の取り扱い種類毎に異なる発光形態で光を発光させるため、同じ貨幣出金口に払い出された貨幣の取り扱い種類を明確に特定でき、貨幣の取り扱いを間違ってしまうのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の貨幣処理機の一実施の形態を示す硬貨入出金機の斜視図である。
【図2】同上硬貨入出金機の硬貨出金口付近の断面図である。
【図3】同上硬貨入出金機の内部構造を示す平面図である。
【図4】同上硬貨入出金機の受渡手段の動作を(a)〜(d)に示す平面図である。
【図5】同上硬貨入出金機のリジェクト箱の着脱操作を説明する斜視図である。
【図6】同上硬貨入出金機の内部構造を示し、(a)はリジェクト箱の非装着状態の側面図、(b)はリジェクト箱の装着状態の側面図である。
【図7】同上硬貨入出金機の収納投出部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
図1に、貨幣処理機としての硬貨入出金機の斜視図を示す。この硬貨入出金機は、例えば、店舗のレジにおいて、POSレジスタと通信して貨幣としての硬貨の入金や出金が可能な硬貨入出金機である。
【0024】
硬貨入出金機の機体11は、前面を開口した枠体12とこの枠体12の前面から引出可能とする本体ユニット13とを備えている。本体ユニット13の前面に沿った機体幅方向の寸法は、POSレジスタに対して略半分程度の幅に形成されており、この硬貨入出金機と例えば同程度の幅に形成された紙幣入出金機とを組み合わせて使用可能としている。
【0025】
枠体12から突出する本体ユニット13の前部上面には、機体幅方向の一側である右側に硬貨を投入する硬貨投入口14が形成され、機体幅方向の他側である左側に操作用や設定用のボタンを有する操作部15および操作や設定等に関する各種表示をする液晶表示器や金種別の硬貨収納量を表示するLED表示器等の表示部16が配設されている。硬貨投入口14は開閉可能なカバー17に開口形成されている。
【0026】
また、本体ユニット13の前面の右側下部に出金トレイ18が突設され、この出金トレイ18の上面に機内から払い出される硬貨が硬貨放出口19を通じて放出される貨幣出金口としての硬貨出金口20が形成されている。この出金トレイ18には、硬貨出金口20に払い出された硬貨が満杯となるフル状態を光学的に検知する図示しないフル検知センサが配設されている。
【0027】
硬貨出金口20の上方に位置する本体ユニット13の前面部には、硬貨出金口20に払い出された出金硬貨、リジェクト硬貨、エラー返却硬貨等の硬貨の取り扱い種類毎に異なる発光形態の光を発光する発光手段21が配設されている。この発光手段21は、図2に示すように、少なくとも2色の異なる色の光を発光可能とする発光部としてのLED22を備え、このLED22を搭載した基板23がそのLED22を硬貨出金口20に対向するように斜めに設置されているとともにレンズ24にて覆われている。このレンズ24は、硬貨出金口20に対向する傾斜面で形成されていて硬貨出金口20全体およびこの硬貨出金口20に払い出された硬貨(図中に符号Cで示し、以下省略する)自体にLED22からの光を照射させる硬貨出金口照射用レンズ部25、前方に対向する前面に形成されていてLED22からの光を前方へ照射させる前方照射用レンズ部26を備えている。
【0028】
また、図1に示すように、本体ユニット13の前面の左側には、硬貨入出金機の電源スイッチ27や、本体ユニット13を枠体12に挿入した状態で施錠する錠28が配設されている。
【0029】
次に、図3に、硬貨入出金機の内部構造の平面図を示す。硬貨入出金機は、機体11の前部に機体前面に沿った機体幅方向に沿って配設された繰出機構31、この繰出機構31に続いて機体幅方向に向かって配設された識別通路32とこの識別通路32に続いて機体奥行き方向へ向かって配設された排除通路33とこの排除通路33に続いて機体奥行き方向へ向かって配設された分類通路34とを有する硬貨通路35、この硬貨通路35内の硬貨を搬送する入金用搬送手段36、繰出機構31から繰り出された硬貨を入金用搬送手段36に1枚ずつ受け渡す受渡手段37、分類通路34の下方に機体奥行き方向へ向かって並設された金種別の収納投出部38、およびこれら収納投出部38の右側で機体11の右側面に沿って前後方向に配設された出金用搬送手段39を備えている。
【0030】
繰出機構31は、硬貨投入口14の下方にこの硬貨投入口14に投入された硬貨を非整列状態で受収する受収部42を有し、この受収部42の底面を構成する繰出ベルト43が機体幅方向に沿って配設されている。この繰出ベルト43は、無端状の平ベルトで、機体右側から左側へ向けた硬貨繰出方向に硬貨を搬送するもので、図示しない複数のローラによって、繰出方向上流側に繰出方向下流側へ向かって上昇傾斜域が形成されるように懸架されているとともに、繰出方向下流側に水平域が形成されるように懸架されている。繰出ベルト43上での通路幅は、処理する硬貨のうちの最大径硬貨よりも大きく最小径硬貨の2枚分より小さい寸法に規制されている。
【0031】
繰出ベルト43の上昇傾斜域の上方には、硬貨が厚み方向に1枚のみ通過し得る間隔を形成して逆転ローラ44が対設されている。この逆転ローラ44は、繰出ベルト43の硬貨繰出方向に対して逆方向に回転し、繰出ベルト43の回転で硬貨繰出方向へ繰り出されようとする繰出ベルト43上の非整列状態の硬貨を1層1列に整列させて繰り出させる。
【0032】
図4に示すように、繰出ベルト43の繰出方向下流側の水平域の上方には、繰出ベルト43との間に硬貨が厚み方向1枚のみ入り得る間隔を形成して規制部材45が対設されている。この規制部材45の下側に、繰出ベルト43上の硬貨の周縁が当接してその硬貨を識別通路32の始端側へ導くガイド部46が配設されており、識別通路32の始端側への繰出位置に臨むガイド部46の部分は、識別通路32へ繰り出される硬貨を通路内方へ幅寄せする幅寄せレバー47によって構成されている。この幅寄せレバー47は、受渡手段37の一部を構成するものであって、軸47aを支点として通路内外方向に揺動可能とするとともに、図示しない付勢手段としてのばねで通路内方へ向けて揺動するように付勢されている。
【0033】
また、図3に示すように、硬貨通路35は、識別通路32、排除通路33および分類通路34にわたって、硬貨の一面が接する水平面で構成される通路面50、およびこの通路面50の両側で硬貨の周縁をガイドする両側の通路側面ガイド51を有している。両側の通路側面ガイド51の対向幅である通路幅は、処理する硬貨うちの最大径硬貨よりも大きく最小径硬貨の2枚分より小さい寸法に形成されている。
【0034】
識別通路32は、繰出機構31の繰出位置に接続される始端部から右方向へ折り返す第1の折返し通路部53を介して、繰出機構31の奥側でこの繰出機構31の繰出ベルト43と平行に配設されている。この識別通路32には、硬貨の材質、径等を検知して金種を識別する識別部54が配設されている。第1の折返し通路部53には、識別部54での硬貨の識別を安定させるために、硬貨を通路幅方向一側に幅寄せする幅寄せレバー55が揺動可能に軸支されているとともに通路内方へ向けて揺動するように付勢されている。
【0035】
また、排除通路33は、識別通路32に続いて機体左方向へ向けて折り返す第2の折返し通路部57に形成されており、識別部54での識別の結果、リジェクト硬貨と識別されたリジェクト硬貨を排除するリジェクト部58が配設されている。このリジェクト部58には、通路面50から第2の折返し通路部57の外周側の通路側面ガイド51の部分にわたって硬貨を分岐可能とする大きさのリジェクト孔59が形成され、このリジェクト孔59に通路面50から第2の折返し通路部57の外周側の通路側面ガイド51の一部を兼用するリジェクトゲート60が配置されている。このリジェクトゲート60は、機体背部側を支点として、通路上方に揺動して識別通路32側から搬送されてくるリジェクト硬貨をリジェクト孔59から排除する開放位置とリジェクト孔59を閉塞して識別通路32と分岐通路34との間での硬貨の通過を許容する閉塞位置との間で開閉可能とし、図示しないソレノイドやモータ等の電気的駆動手段によって開閉駆動される。
【0036】
第2の折返し通路部57には、リジェクト部58でのリジェクト硬貨の排除を確実に行うために、硬貨を通路幅方向一側に幅寄せする幅寄せレバー61が軸支されているとともに通路内方へ向けて揺動するように付勢されている。
【0037】
リジェクト部58の搬送方向下流側には、硬貨の通過を検知する硬貨検知センサ62が配設されている。
【0038】
なお、リジェクト部58で排除する硬貨としては、リジェクト硬貨とともに、エラー返却硬貨等も含まれる。硬貨の入金処理中に硬貨詰まり等のエラーが発生した場合に、リジェクト部58より搬送方向下流側の通路上に残った硬貨をエラー返却硬貨として硬貨出金口20に自動返却するもので、リジェクト部58より搬送方向下流側の通路上に残る硬貨をリジェクト部58より一旦搬送方向上流側に逆転搬送した後に搬送方向下流側に搬送してリジェクト部58から排除することができ、このような動作を繰り返してリジェクト部58より搬送方向下流側の通路上に残ったエラー返却硬貨をリジェクト部58から排除する。
【0039】
また、図5および図6に示すように、リジェクト部58のリジェクト孔59の下方には、リジェクト箱64が着脱可能に装着されるリジェクト箱装着部65が形成されている。
【0040】
リジェクト箱64は、上面を開口した箱状に形成されており、枠体12から本体ユニット13を前方へ引き出した状態で、リジェクト箱装着部65の側面に開口形成された着脱口66から着脱可能としている。この着脱口66は、蓋体67によって開閉操作可能としている。
【0041】
リジェクト箱装着部65は、リジェクト箱64の前端縁部を支える前側支え部68、およびリジェクト箱64の後部下面を支える後側支え部69を有し、これら前側支え部68と後側支え部69との間が下方に開口され、その下方に出金用搬送手段39が対向するように配設されている。すなわち、リジェクト部58のリジェクト孔59の下方に出金用搬送手段39が配設され、これらリジェクト部58のリジェクト孔59と出金用搬送手段39との間にリジェクト箱64が着脱可能に配置される。
【0042】
そして、図6(a)に示すように、リジェクト箱64をリジェクト箱装着部65に装着しないことにより、リジェクト部58から排除されたリジェクト硬貨を出金用搬送手段39に受け取って硬貨出金口20に払い出す運用方法となり、また、図6(b)に示すように、リジェクト箱64をリジェクト箱装着部65に装着することにより、リジェクト部58から排除されたリジェクト硬貨をリジェクト箱64に収納する運用方法となる。
【0043】
リジェクト箱装着部65には、リジェクト箱64の装着の有無を検知するリジェクト箱検知手段70が配設されている。
【0044】
また、図3に示すように、分類通路34は、排除通路33から機体左方向へ向かう接続通路部73、およびこの接続通路部73から機体後方へ向かう方向変換通路部74を介して、機体奥行き方向へ向けて収納投出部38上の左側域を通るように配設されており、複数の各収納投出部38の上方位置に対応した複数の分類位置に硬貨を金種別に分類して各収納投出部38に収納させる複数の分類部75が配設されている。各分類部75には、通路面50に硬貨が落下する分類孔76が形成され、搬送方向最下流部の分類孔76を除く各分類孔76に分類ゲート77が配設されている。各分類ゲート77は、硬貨搬送方向下流側を支点として、通路上方に揺動して分類通路34の搬送方向上流側から搬送されてくる硬貨を分類孔76に落下させる開放位置と分類孔76を閉塞して分類通路34の搬送方向下流側への硬貨の通過を許容する閉塞位置との間で開閉可能とし、図示しないソレノイドやモータ等の電気的駆動手段によって開閉駆動される。搬送方向最下流部の分類孔76には、分類ゲートが配設されず、開口されている。
【0045】
方向変換通路部74には、各分類部75での硬貨の分岐を確実に行うために、硬貨を通路幅方向一側に幅寄せする幅寄せレバー78が軸支されているとともに通路内方へ向けて揺動するように付勢されている。
【0046】
分類通路34の各分類部75の搬送方向上流側には、分類ゲート77の開閉タイミングを取ったり各収納投出部38への硬貨の分類を確認するために、搬送する硬貨を検知する硬貨検知センサ79が配設されている。
【0047】
また、入金用搬送手段36は、鉛直方向の軸で水平方向に回転可能に軸支された複数の回転体としてのプーリ82によって、識別通路32、排除通路33および分類通路34の通路幅方向中央域に沿って移動しながら回動するように搬送体としての搬送ベルト83が張設されている。この搬送ベルト83は、例えば内周に複数の歯を有するタイミングベルトが用いられ、この場合、プーリ82にも、周面に複数の歯を有するタイミングプーリが用いられる。複数のプーリ82で支持された搬送ベルト83と通路面50との間隔は、処理する硬貨のうちの最大厚み硬貨の厚みよりも広い寸法に保たれている。
【0048】
搬送ベルト83には、下方へ向かって突出して通路内の硬貨を1枚ずつ押動搬送する突起部84(図4参照)が、硬貨を搬送方向に硬貨を1枚ずつ分離して搬送可能とする所定の間隔毎に設けられている。突起部84と通路面50との間隔は、処理する最小厚み硬貨の厚みよりも小さい寸法に保たれている。
【0049】
また、受渡手段37は、図4に示すように、繰出機構31から繰り出される硬貨を識別通路32に受け入れる識別通路32の始端部に配設され、繰出ベルト43上から識別通路32へ硬貨を案内する幅寄せレバー47と、この幅寄せレバー47に対して通路幅方向の反対側の位置に鉛直方向の軸87aで水平方向に回転可能に軸支された円形状のカム87とを有している。このカム87は、図示しない例えばパルスモータ等の電気的駆動手段によって硬貨の受渡し回転方向(図中時計回り方向)または逆転方向(図中反時計回り方向)に回転駆動される。
【0050】
カム87の下面には、周縁部の円周上の対称位置に、一対の突出部88が下方へ向けて突出形成されているとともに、これら突出部88間に一対の溝部89が形成されている。突出部88と通路面50との間隔は硬貨が進入し得ない寸法に形成され、溝部89と通路面50との間隔および一対の突出部88間の溝部89の幅はそれぞれ硬貨1枚が進入し得る寸法に形成されている。
【0051】
各突出部88の受渡し回転方向に対向する縁部は、繰出機構31から繰り出されて溝部89内に進入した硬貨の周縁を押してその硬貨を搬送ベルト83の突起部84に受け渡す押出部88aとして構成され、また、各突出部88の受渡し回転方向に対して反対方向に対向する縁部、および各突出部88の外周面は、受け渡す硬貨に対して後続の硬貨を次の受け渡しタイミングまで分離して留めておく抑止部88bとして構成されている。
【0052】
繰出機構31の繰出ベルト43の側部位置には、繰出機構31から識別通路32に繰り出される硬貨を検知する硬貨検知センサ90が配設されている。
【0053】
そして、図4(a)に示すように、カム87は、繰出機構31から識別通路32に繰り出される硬貨がカム87の一方の溝部89に進入して一方の抑止部88bに当接した状態で停止する位置を定位置とし、搬送ベルト83の突起部84の位置に応じてその突起部84に硬貨を受け渡すことができるタイミングで受渡し回転方向(図中時計回り方向)に180°回動し、一方の溝部89内の硬貨を識別通路32に繰り出す。繰出機構31からの後続の硬貨はカム87の他方の溝部89に進入して他方の抑止部88bに当接した状態で停止する位置、つまり次の定位置で停止し、次の受け渡し動作に待機する。
【0054】
このとき、図4(a)に示す定位置から図4(b)のようにカム87が回動すると、図4(c)に示すように、カム87の押出部88aが硬貨に当接して幅寄せレバー47との間に挟み込み、カム87で硬貨を介して押される幅寄せレバー47が付勢に抗して通路外方へ揺動するが、カム87が定位置から一定量回動した位置でカム87の回動を所定時間一時停止することにより、図4(d)に示すように、幅寄せレバー47の付勢により硬貨をカム87の溝部89内に押し込む。所定時間の一時停止後、カム87の回動が再開されて溝部89内に押し込まれた硬貨を識別通路32に繰り出し、カム87が180°回動した定位置で停止する。
【0055】
取り扱い硬貨が例えば最大径硬貨の500円から最小径硬貨の1円の場合、カム87の溝部89は最大径硬貨が入り込み可能な寸法に形成されるため、例えば、幅寄せレバー47ではなく、図4(c)に示す幅寄せレバー47の位置に固定ガイドを設けただけでは、カム87の溝部89内に最小径硬貨の1円が2枚入り込み、これら2枚の最小径硬貨の1円を固定ガイドとの間に噛み込んでカム87がロックするおそれがある。それに対して、幅寄せレバー47を用いることにより、カム87の溝部89内に入り込む硬貨を最小径硬貨の1円でも1枚のみに制限し、さらに、カム87を回動途中で一時停止させることにより、幅寄せレバー47で硬貨をカム87の溝部89内に確実に押し込み、硬貨を繰り出すことができ、したがって、硬貨の噛み込みを防止でき、安定した硬貨の繰り出しができる。
【0056】
また、各収納投出部38は、図7に示すように、分類通路34で分類されて落下する硬貨を非整列状態で収納する収納部93を有し、この収納部93の底部を構成する投出ベルト94が機体幅方向に沿って配設されている。
【0057】
投出ベルト94は、無端状の平ベルトで、水平方向の軸で軸支された両端のローラ95,96を含む複数のローラによって投出方向上流側である左側から下流側である右側に向かうに従って上昇傾斜するように懸架されている。
【0058】
投出ベルト94の硬貨投出方向の端部上方に、硬貨が1枚のみ通過し得る間隔を形成して逆転ローラ97が対設されている。この逆転ローラ97は、投出ベルト94の硬貨投出方向に対して逆方向に回転し、投出ベルト94の回転で硬貨投出方向へ投出されようとする投出ベルト94上の非整列状態の硬貨を1層1列に整列させて投出させる。
【0059】
投出ベルト94の逆転ローラ97より投出方向の端部側には、投出ベルト94の端部から投出される硬貨の投出枚数を検知するための投出検知手段98、および必要枚数分の硬貨を投出した時点で後続の硬貨の投出を強制的に停止させるストッパ99が配設されている。
【0060】
また、出金用搬送手段39は、図1、図6および図7に示すように、全ての収納投出部38の硬貨投出方向の側部に前後方向に沿って張設された出金搬送ベルト102を有し、各収納投出部38から投出される硬貨を出金搬送ベルト102上に載せて前方へ搬送する。この出金搬送ベルト102の硬貨搬送方向の前端部上方に、硬貨が1枚のみ通過し得る間隔を形成して逆転ローラ103が対設されている。この逆転ローラ103は、出金搬送ベルト102の硬貨搬送方向に対して逆方向に回転し、出金搬送ベルト102の回転で前方へ繰り出されようとする出金搬送ベルト102上の非整列状態の硬貨を1層1列に整列させて繰り出させる。
【0061】
出金搬送ベルト102の前端部と硬貨出金口20との間に通路板104が配設され、この通路板104上に出金搬送ベルト102で繰り出される硬貨を搬送して硬貨出金口20に放出する放出ベルト105が配設されている。
【0062】
出金用搬送手段39には、硬貨出金口20へ払い出す硬貨の払出枚数を検知するための払出検知手段106が配設されている。
【0063】
また、本体ユニット13内には、POSレジスタと通信して硬貨入出金機を制御する制御手段111が配設されている。
【0064】
この制御手段111は、硬貨出金口20に払い出された硬貨の取り扱い種類毎に異なる発光形態の光を発光手段21のLED22により発光させる機能であって、硬貨の取り扱い種類毎に異なる色の光をLED22により発光させる機能を有している。
【0065】
例えば、正常に出金硬貨が払い出された場合にはLED22を緑色点灯させ、また、リジェクト硬貨やエラー返却硬貨が払い出された場合にはLED22を赤色点灯させる。このLED22の点灯タイミングは、出金硬貨、リジェクト硬貨、エラー返却硬貨の各最後の硬貨を払出検知手段106で検知して硬貨出金口20に払い出した時点とする。
【0066】
また、LED22を点灯させてから例えば20秒後等の所定時間経過後に、LED22を点灯から点滅に変化させる機能を有している。なお、硬貨出金口20に払い出された硬貨がリジェクト硬貨やエラー返却硬貨の場合には、LED22を最初から点滅させてもよい。
【0067】
次に、本実施の形態の硬貨入出金機の作用を説明する。
【0068】
まず、入金処理について説明する。
【0069】
ここでは、リジェクト箱64はリジェクト箱装着部65に装着されず、リジェクト部58から分岐されたリジェクト硬貨を出金用搬送手段39に受け取って硬貨出金口20に払い出す運用方法とする。
【0070】
入金する硬貨が硬貨投入口14から繰出機構31に投入され、この繰出機構31の図示しない硬貨検知センサで繰出ベルト43上に硬貨が投入されたことを検知することにより、繰出機構31を動作させるとともに搬送ベルト83を回動させて入金動作を開始する。
【0071】
繰出機構31では、繰出ベルト43を回転させるとともに逆転ローラ44を逆方向に回転させ、繰出ベルト43上の非整列状態の硬貨を1層1列に整列させて受渡手段37に繰り出す。受渡手段37では、上述した幅寄せレバー47とカム87との動作により、繰出機構31から繰り出された硬貨を1枚ずつ識別通路32内に送り込んで回動している搬送ベルト83の各突起部84に受け渡す。
【0072】
また、識別通路32内では、受渡手段37によって受け渡された硬貨を搬送ベルト83の突起部84で押動搬送し、識別部54で識別する。
【0073】
識別の結果、適正な硬貨と識別された硬貨は、排除通路33のリジェクト部58を通過して分類通路34内に搬送する。分類通路34では、識別部54、硬貨検知センサ62、硬貨検知センサ79での各検知と搬送ベルト83による硬貨の搬送距離とに基づいて、硬貨の搬送位置を把握できるため、識別部54で金種が識別された硬貨を該当する金種の分類ゲート77で分類し、該当する金種の収納投出部38に収納させる。
【0074】
また、識別の結果、識別不能等のリジェクト硬貨は、排除通路33のリジェクト部58に到達する際に、リジェクトゲート60でリジェクト孔59から排除し、出金搬送ベルト102上に落下させる。
【0075】
この出金搬送ベルト102を回動させるとともに逆転ローラ103を逆方向に回転させ、出金搬送ベルト102上のリジェクト硬貨を1枚ずつ通路板104上に繰り出し、放出ベルト105によって硬貨出金口20に払い出す。
【0076】
繰出機構31で硬貨を検知しなくなり識別部54でも所定時間検知しなければ、発光手段21のLED22を赤色点灯させ、硬貨出金口20にリジェクト硬貨を払い出したことを報知する。同時に、表示部16でリジェクト硬貨であることを表示する。
【0077】
このとき、LED22が赤色点灯するため、硬貨入出金機を操作するオペレータは、表示部16を確認しなくても、硬貨出金口20にリジェクト硬貨が払い出されたことを明確に特定できる。特に、LED22の赤色光をレンズ24の硬貨出金口照射用レンズ部25により、硬貨出金口20全体に照射するとともに、硬貨出金口20に払い出された硬貨自体に照射することにより、硬貨出金口20から硬貨を取り出す際にリジェクト硬貨であることを明確に特定できる。また、LED22の赤色光をレンズ24の前方照射用レンズ部26により、前方へも照射するため、硬貨出金口20にリジェクト硬貨が払い出されたことをオペレータが気付きやすくできる。
【0078】
また、硬貨出金口20からリジェクト硬貨が取り出されたかどうかは、出金トレイ18に設けられているフル検知センサが遮光されたか否かで判断できる。そのため、リジェクト硬貨が取り出されたことを検知したら、LED22を消灯させる。
【0079】
また、LED22を赤色点灯させてから例えば20秒後等の所定時間経過後もリジェクト硬貨の取り出しが検知されなければ、LED22を赤色点灯から赤色点滅に変化させ、硬貨出金口20にリジェクト硬貨が払い出されていることをより明確に報知し、リジェクト硬貨の取り出し忘れを防止できる。
【0080】
なお、硬貨出金口20に払い出された硬貨がリジェクト硬貨の場合には、より明確に特定できるように、LED22を最初から赤色点滅させてもよい。
【0081】
また、硬貨の入金処理中に硬貨詰まり等のエラーが発生した場合には、上述したように、リジェクト部58より搬送方向下流側の通路上に残った硬貨をエラー返却硬貨として硬貨出金口20に自動返却する。このエラー返却硬貨を硬貨出金口20に払い出した場合にも、リジェクト硬貨と同様に、発光手段21のLED22を制御する。このとき、出金硬貨やリジェクト硬貨と区別できるように、LED22を別の色で点灯、点滅させてもよい。
【0082】
次に、出金処理について説明する。
【0083】
例えばPOSレジスタからの出金指令の信号により、投出ベルト94が回転するとともに逆転ローラ97が逆回転し、投出ベルト94上の非整列状態の硬貨を1層1列に整列させて投出方向へ向けて送り出す。
【0084】
出金該当金種の収納投出部38ではストッパ99を開き、硬貨を投出ベルト94の端部から出金用搬送手段39の出金搬送ベルト102上に投出する。投出した硬貨は投出検知手段98で検知して投出枚数をカウントする。
【0085】
非出金該当金種の収納投出部38、および必要枚数を投出し終えた出金該当金種の収納投出部38では、ストッパ99を閉じ、硬貨の投出を規制する。
【0086】
そして、出金用搬送手段39の出金搬送ベルト102を回動させるとともに逆転ローラ103を逆方向に回転させ、出金搬送ベルト102上の出金硬貨を1枚ずつ通路板104上に繰り出し、放出ベルト105によって硬貨出金口20に払い出す。この出金用搬送手段39の動作開始は、収納投出部38からの投出動作開始と同時、または全ての収納投出部38からの投出動作完了後のどちらとしても良い。出金用搬送手段39で硬貨出金口20に払い出す硬貨を払出検知手段106で検知して払出枚数をカウントする。
【0087】
投出検知手段98で検知する投出枚数と払出検知手段106で検知する払出枚数とが一致し、全ての出金硬貨を硬貨出金口20に払い出したら、発光手段21のLED22を緑色点灯させ、硬貨出金口20に出金硬貨を払い出したことを報知する。
【0088】
このとき、LED22が緑色点灯するため、硬貨入出金機を操作するオペレータは、硬貨出金口20に出金硬貨が払い出されたことを明確に特定できる。特に、LED22の緑色光をレンズ24の硬貨出金口照射用レンズ部25により、硬貨出金口20全体に照射するとともに、硬貨出金口20に払い出された硬貨自体に照射することにより、硬貨出金口20から硬貨を取り出す際に出金硬貨であることを明確に特定できる。また、LED22の緑色光をレンズ24の前方照射用レンズ部26により、前方へも照射するため、硬貨出金口20に出金硬貨が払い出されたことをオペレータが気付きやすくできる。
【0089】
また、硬貨出金口20から出金硬貨が取り出されたかどうかは、出金トレイ18に設けられているフル検知センサが遮光されたか否かで判断できる。そのため、出金硬貨が取り出されたことを検知したら、LED22を消灯させる。
【0090】
また、LED22を緑色点灯させてから例えば20秒後等の所定時間経過後も出金硬貨の取り出しが検知されなければ、LED22を緑色点灯から緑色点滅に変化させ、硬貨出金口20に出金硬貨が払い出されていることをより明確に報知し、出金硬貨の取り出し忘れを防止できる。
【0091】
次に、回収処理について説明する。
【0092】
この回収処理では、機体内に収納されている全ての硬貨を硬貨出金口20に払い出して回収するもので、例えばいずれか2金種の収納投出部38から硬貨を順次投出し、投出された硬貨を出金用搬送手段39で硬貨出金口20に払い出す。
【0093】
この回収処理中に出金トレイ18のフル検知センサにより、出金トレイ18の満杯を検知した場合は、一旦、収納投出部38からの投出動作を停止し、出金用搬送手段39上の硬貨を硬貨出金口20に払い出した後、搬送動作を停止する。
【0094】
発光手段21のLED22を緑色点灯させ、出金トレイ18の満杯状態を報知する。このLED22が緑色点灯することで、硬貨入出金機を操作するオペレータは、出金トレイ18の満杯状態を明確に特定できる。
【0095】
オペレータが出金トレイ18内から回収硬貨を取り出し、フル検知センサで出金トレイ18の満杯を検知しなくなってから、回収動作を自動的または操作部15での手動操作にて再開する。
【0096】
このように構成された硬貨入出金機では、硬貨出金口20の近傍に設けられた発光手段21により、硬貨出金口20に払い出された硬貨の取り扱い種類毎に異なる発光形態で光を発光させるため、同じ硬貨出金口20に払い出された硬貨の取り扱い種類を明確に特定でき、硬貨の取り扱いを間違ってしまうのを防止できる。
【0097】
なお、発光形態としては、色、点灯、点滅、点滅の速さ等があり、いずれを用いてもよい。例えば、発光色が1色でも、点灯、点滅、点滅の速さ等で硬貨の取り扱い種類毎に区別するようにしてもよい。
【0098】
また、前記のような異なる発光形態で発光可能とする発光手段を適用する貨幣処理機としては、硬貨入出金機に限らず、紙幣入出金機に適用することもできる。この場合、発光手段を紙幣出金口近傍に設け、紙幣出金口に払い出された紙幣の取り扱い種類毎に異なる色の光を発光手段により発光させる。発光手段は、紙幣出金口に払い出された紙幣自体に光を照射しても、紙幣出金口全体に光を照射するようにしてもよく、また、紙幣出金口に紙幣が払い出されたときに発光手段を点灯させ、この発光手段を点灯させてから所定時間経過後に発光手段を点滅させてもよい。さらに、紙幣出金口に払い出された紙幣がリジェクト紙幣の場合には最初から発光手段を点滅させてもよい。また、紙幣入出金機が、紙幣の入金処理中に発生した紙幣詰まりを自動解消するために通路上に残る紙幣をエラー返却紙幣として紙幣出金口に返却する機能を備える場合には、同じ紙幣出金口に払い出す異なる取り扱い種類の紙幣にエラー返却紙幣も含まれるため、紙幣出金口に払い出された紙幣が出金紙幣の場合とリジェクト紙幣の場合とエラー返却紙幣の場合とで異なる発光状態で発光手段により発光させてもよい。
【符号の説明】
【0099】
20 貨幣出金口としての硬貨出金口
21 発光手段
39 払出手段としての出金用搬送手段
111 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも出金貨幣とリジェクト貨幣とを含む異なる取り扱い種類の貨幣を同じ貨幣出金口に払い出す貨幣処理機において、
前記貨幣出金口に貨幣を払い出す払出手段と、
異なる発光形態で発光可能とする発光手段と、
前記貨幣出金口に払い出された貨幣の取り扱い種類毎に異なる発光形態の光を前記発光手段により発光させる制御手段と
を具備していることを特徴とする貨幣処理機。
【請求項2】
前記発光手段は、発光形態として異なる色の光を発光可能とし、
前記制御手段は、前記貨幣出金口に払い出された貨幣の取り扱い種類毎に異なる色の光を前記発光手段により発光させる
ことを特徴とする請求項1記載の貨幣処理機。
【請求項3】
前記発光手段は、前記貨幣出金口に払い出された貨幣自体に光を照射する
ことを特徴とする請求項1または2記載の貨幣処理機。
【請求項4】
前記発光手段は、前記貨幣出金口全体に光を照射する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の貨幣処理機。
【請求項5】
前記制御手段は、前記貨幣出金口に貨幣が払い出されたときに前記発光手段を点灯させ、この発光手段を点灯させてから所定時間経過後に前記発光手段を点滅させる
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の貨幣処理機。
【請求項6】
前記制御手段は、前記貨幣出金口に払い出された貨幣がリジェクト貨幣の場合に前記発光手段を点滅させる
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の貨幣処理機。
【請求項7】
前記同じ貨幣出金口に払い出す異なる取り扱い種類の貨幣にエラー返却貨幣も含まれ、
前記制御手段は、前記貨幣出金口に払い出された貨幣が出金貨幣の場合とリジェクト貨幣の場合とエラー返却貨幣の場合とで異なる発光状態で前記発光手段により発光させる
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の貨幣処理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−20639(P2013−20639A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−216906(P2012−216906)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【分割の表示】特願2007−228237(P2007−228237)の分割
【原出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】