説明

貨物車両

【課題】製造コストを大幅に上昇させることがなく、安全性と信頼性に優れた貨物車両を提供する。
【解決手段】荷台1の後端部に後部煽りパネル31が立設されている。後部煽りパネルの下方にはリヤレール4が設置されている。後部煽りパネルの下端部はヒンジ機構51を介してリヤレールに回動自在に連結されており、後部煽りパネルを後方に回動させてヒンジ機構により吊り下げ支持された状態にすることができる。リヤレール4の背面の上側にはリフレックスリフレクタ14が取り付けられている。後部煽りパネルが開いた状態でリヤレールの背面の上側が後部煽りパネルの上方に露出して車両後方から視認可能となるので、後方の車両は常にリフレックスリフレクタを視認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック等の貨物車両に関し、特に、後部煽りパネルと、後方の車両の追突を防止するためのリフレックスリフレクタ(後部反射器)とを装備した貨物車両の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
貨物車両の後部には、保安部品としてリヤコンビネーションランプが装備されている。リヤコンビネーションランプは、テールランプ、ストップランプ、バックランプ、ターンシグナルランプ及びリフレックスリフレクタ(後部反射器)等を内蔵している。リフレックスリフレクタは、後方の車両の追突を防止するためのものであり、車両のヘッドライトを反射する反射板を有している。
【0003】
一般に、貨物車両は、その荷台の後端部に後部煽りパネルを備えている。後部煽りパネルは荷台の後端部に垂直に立設され、その下端部がヒンジ機構を介して後部煽りパネルの下方に設置された支持体に回動自在に連結されている。積荷の積み卸しの際には、後部煽りパネルを後方に回動させて、ヒンジ機構により吊り下げ支持された状態にする。
【0004】
リヤコンビネーションランプが後部煽りパネルの下方に隣接して設置されている場合には、後部煽りパネルを開くと、リヤコンビネーションランプの全部もしくは一部が後部煽りパネルにより覆われた状態となり、車両後方からリフレックスリフレクタが視認不能となる場合があるため、夜間やトンネル内部等において、後方の車両が追突する危険性が高くなる。
【0005】
このような問題に対して、例えば下記特許文献1、2に開示されたものがある。当該特許文献1は後部煽りパネルに、その煽りパネルを下げたときに、両側のストップランプの位置に合わせて、穴等を両側に設けた技術である。
また、特許文献1は、本明細書の図8に示す通り後部煽りパネル102の内部に反射器本体103が収納され、該反射器本体103は反射板が設けられた面と、反射板が設けられない面とを有して回転自在に支持され、荷台側の壁面に形成された開口104に、後部煽りパネル102を起立させて閉じた状態では反射板が設けられていない面が露出し、後部煽りパネル102を下げた状態では、反射板が露出されて車両後方側を向き、後方の車両が反射板を視認することができる技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−78625号公報
【特許文献2】特開2002−104249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の貨物車両101では、反射器本体103が後部煽りパネル102の内部に回転自在に支持される構造であるため、構造が複雑化するとともに、反射器本体103の回転機構が作動しない場合には反射面が車両後方に向けられないため、信頼性に問題があった。さらに、荷台に積載した貨物が走行中に反射器本体103に衝突して反射器本体103を損傷させる虞がある。
【0008】
また、特許文献2では、後部煽りパネルに穴を開けるものであるため、後部煽りパネルを開いた状態でも、後方の車両が前記穴を介してストップランプを視認できるようにした貨物車両であるため、後部煽りパネルに穴を開ける加工が必要であるためコスト高になるという問題がある。また、荷台に積載した土砂等の積載物がこの穴を介して車外に流出する虞れがある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、製造コストを大幅に上昇させることなく、安全性と信頼性に優れたリフレックスリフレクタ(後部反射器)を備えた貨物車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る貨物車両は、荷台の後端部に立設された後部煽りパネルと、該後部煽りパネルの下方に設置された支持体と、前記後部煽りパネルの下端部を前記支持体に回動自在に連結するヒンジ機構と、後方の車両のライトを反射するリフレックスリフレクタとを備え、前記後部煽りパネルを後方に開いて前記ヒンジ機構により吊り下げ支持された状態にすることができる貨物車両であって、前記後部煽りパネルが開いた状態で前記支持体の背面の少なくとも一部が前記後部煽りパネルの上方に露出して車両後方から視認可能となるように構成され、前記視認可能となる領域に前記リフレックスリフレクタが取り付けられていることを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、後部煽りパネルが開いた状態でもリフレックスリフレクタが覆い隠されることがないため、後方の車両が常にリフレックスリフレクタを視認することができるので、安全性が向上する。また、後部煽りパネルの内面にリフレックスリフレクタを設けた場合のように、荷台に積載した貨物がリフレックスリフレクタに衝突してリフレックスリフレクタが破損することがない。さらに、ヒンジ機構が取り付けられる支持体にリフレックスリフレクタを取り付けるため、リフレックスリフレクタを取り付けるための専用の部材が不要であり、当該部材に関して製造コストが発生することはない。そして、リフレックスリフレクタをねじ止め等の安価な方法で支持体に取り付けることができるので、製造コストが大幅に上昇することがない。
【0012】
また、本発明において好ましくは、前記リフレックスリフレクタは、前記ヒンジ機構に対して車幅方向に配置することがよい。
【0013】
この場合、リフレックスリフレクタ及びヒンジ機構が取り付けられる支持体の縦方向の幅を小さくすることができるので、省スペース化を図ることができるとともに、支持体の製造コストが安価となる。
【0014】
また、本発明において好ましくは、前記ヒンジ機構は回転軸が車幅方向に延びるとともに回転軸を中心に回転可能な第1のヒンジ片と第2のヒンジ片とを有し、前記第2のヒンジ片と前記後部煽りパネルとの接続点から前記回転軸の軸線までの距離が、前記第1のヒンジ片と前記支持体との接続点から前記回転軸の軸線までの距離よりも長くされており、前記後部煽りパネルが開いた状態で前記第2のヒンジ片と前記後部煽りパネルとの接続点が前記第1のヒンジ片と前記支持体との接続点よりも下方に位置するように前記支持体及び前記後部煽りパネルに取り付けられているとよい。
【0015】
当該ヒンジ機構を、前記回転軸が車幅方向に延びるとともに、前記後部煽りパネルが開いた状態で前記第2のヒンジ片と前記後部煽りパネルとの接続点が前記第1のヒンジ片と前記支持体との接続点よりも下方に位置するように前記支持体及び前記後部煽りパネルに取り付けることで、前記後部煽りパネルが開いたときに、前記支持体の背面の少なくとも一部を前記煽りパネルの上方に露出させて、前記リフレックスリフレクタを取り付けるための領域を確保することができる。
【0016】
また、好ましくは、前記リフレックスリフレクタは、その反射面の中心が前記回転軸の軸線と同じ高さ若しくは該軸線よりも上方に位置するように前記支持体の背面に取り付けることがよい。
【0017】
これにより、リフレックスリフレクタの反射面における所定の有効面積の確保が容易となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製造コストを大幅に上昇させることがなく、安全性と信頼性に優れたリフレックスリフレクタの取り付け構造を有した貨物車両が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態である貨物車両の背面図である。
【図2】図1の貨物車両の後部の側面図である。
【図3】図1の貨物車両の後端部の一部拡大断面図である。
【図4】図1の貨物車両の後端部の要部拡大断面図である。
【図5】図1のA部拡大図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】リフレックスリフレクタの拡大正面図である。
【図8】従来の貨物車両の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0021】
図1、2に示すように、本実施形態の貨物車両の荷台1には、フロアボード2(図3参照)の両側端部に立設された左右一対の側部煽りパネル21と、フロアボード2の後端部に立設された後部煽りパネル31とを備えている。
【0022】
側部煽りパネル21は、その下端部が複数のヒンジ機構41を介して側部煽りパネル21の下方に設置された荷台フレーム3に回動自在に連結されており、側方に開いてヒンジ機構41により吊り下げ支持された状態にすることができる。
【0023】
後部煽りパネル31は、その下端部が複数のヒンジ機構51を介して後部煽りパネル31の下方に設置された支持体としてのリヤレール4に回動自在に連結されており、後方に開いてヒンジ機構51により吊り下げ支持された状態にすることができる。なお、図示しないが、リヤレール4の後面には商品名ラベルや積載ラベルが貼付されている。
【0024】
図1に示すように、荷台1の背面には、リヤレール4の下方において、左右両側にそれぞれリヤコンビネーションランプ5が設けられている。このリヤコンビネーションランプ5は、テールランプ、ストップランプ、バックランプ、ターンシグナルランプ及びリフレックスリフレクタ等を内蔵している。
【0025】
このリヤコンビネーションランプ5は、後部煽りパネル31が開いたときに、内蔵するリフレックスリフレクタの反射面のほぼ50%以上が後部煽りパネル31により覆われる位置に配置されている。よって、別のリフレックスリフレクタを装備することが必要である。
【0026】
図4に示すように、後部煽りパネル31は、内側壁32と、外側壁33と、それらの間に形成された空間34とを有する中空状のもので、外側壁33に防水カバー35が取り付けられている。後部煽りパネル31は、左右両側の上部に設けられたロック機構37(図3参照)と側部煽りパネル21の後端上部に設けられている図示しない係合部材とにより垂直に起立した状態でロックすることができる。
【0027】
防水カバー35の下端部は内側に折り曲げられて後部煽りパネル31の下端面を形成しており、後部煽りパネル31が実線で示す閉位置にあるときには、防水カバー35の下端部の先端がリヤレール4の支持部4b(後述)の上面にオーバーラップして、車両後方からフロアボード2側に水が浸入するのを防ぐ。
【0028】
リヤレール4は金属製の板材により車幅方向に延びるように形成されたアングル状のもので、断面L字形の連結部4aと断面コの字形の支持部4bとを有している。連結部4aはボルト6を介してフロアボード2の後端部に連結固定されている。
【0029】
フロアボード2の後端部の底面はリヤエンドシル7で支持されている。リヤエンドシル7は金属製の板材により断面コの字形に形成されており、その先端側の内部には補強材8が設けられている。
【0030】
図3に示すように、リヤエンドシル7の底面はリヤエンドサポート9を介してメインシル10により支持されている。ボルト6は、フロアボード2、リヤエンドシル7、リヤエンドサポート9及びメインシル10を貫通し、先端部にナット11が螺着されている。
【0031】
図4に示すように、ヒンジ機構51は、リヤレール4の支持部4bに接続される第1のヒンジ片53と、後部煽りパネル31の内側壁32に接続される第2のヒンジ片54とが車幅方向に延びる回転軸52を介して回動自在に連結されたものである。
【0032】
第1のヒンジ片53は金属製の板材からなり、中央部でくの字形に折曲され、一端側がボルト11を介してリヤレール4の支持部4bの背面に固定されている。第1のヒンジ片53の他端側は、支持部4bから斜め上方に向けて延びるとともに、その先端が円筒状に形成されて回転軸52の軸受部53aとされている。
【0033】
第2のヒンジ片54は金属製の板材からなり、一端側がボルト12、ナット13を介して後部煽りパネル31の内側壁32の内面に固定されている。第2のヒンジ片54の他端側は回転軸52を巻き込むように円筒状に形成されている。
【0034】
第2のヒンジ片54と後部煽りパネル31との接続点P1(ボルト12の中心線と内側壁32の内面との交点)から回転軸52の軸線52aまでの距離D1は、第1のヒンジ片53とリヤレール4との接続点P2(ボルト11の中心線とリヤレール4の支持部4bの外面との交点)から回転軸52の軸線52aまでの距離D2よりも長くされている。
【0035】
ヒンジ機構51は、その回転軸52が車幅方向に延びるとともにリヤレール4の支持部4bの背面に対向するようにリヤレール4に取り付けられており、後部煽りパネル31は、実線で示す如く垂直に起立した閉位置と、仮想線で示す如くヒンジ機構51により吊り下げ支持された開位置との間を回動自在となっている。
【0036】
後部煽りパネル31が開位置にあるときには、第2のヒンジ片54と後部煽りパネル31との接続点P1が、第1のヒンジ片53とリヤレール4との接続点P2よりも下方に位置しており、リヤレール4の支持部4bの背面の上側が後部煽りパネル31の上方に露出して車両後方から視認可能となる。
【0037】
そして、本実施形態では、図1、図5に示す如く、リヤレール4の支持部4bの背面の上側であって且つ最外側のヒンジ機構51に対して車幅方向外側にずらした位置において、それぞれリフレックスリフレクタ14が取り付けられている。
【0038】
図7に示すように、リフレックスリフレクタ14は、金属製の矩形状の基板の表面に反射面14aを設けたものであって、反射面14aの周囲の部分に穿設された取付穴14bを介してリヤレール4にねじ止めされる。
なお、このリフレックスリフレクタ14は、保安基準を満足するようにリヤレール4上に設置される。
【0039】
例えば、当該保安基準では、リフレックスリフレクタの取付位置については、水平方向要件として、その反射部の最外縁が自動車の最外側から400mm以内となるように取り付けなければならないとされ、垂直方向要件として、最外側にあるリフレックスリフレクタは、その反射部の下縁の高さが地上250mm以上、上縁の高さが900mm以下となるように取り付けなければならないとされている。
【0040】
また、当該保安基準では、リフレックスリフレクタの幾何学的視認性について、次に掲げる幾何学的視認性に係る角度α及び角度βにより定義される範囲内において、リフレックスリフレクタの見かけの表面が見通すことができるように取り付けられなければならないとされている。
α 上方10°及び下方10°
ただし、リフレックスリフレクタの反射部の上縁の高さが地上750mm未満となるように取り付けられている場合にあっては、下方5°までであってもよい。
β 外側30°及び内側30°
【0041】
本実施形態では、前記保安基準を満足するべく、リフレックスリフレクタ14、ヒンジ機構51、後部煽りパネル31及びリヤレール4等の位置関係や寸法が、以下の如く設定されている。
【0042】
即ち、図4に示す如く、リフレックスリフレクタ14は、その反射面14aの中心が、ヒンジ機構51の回転軸52の軸線52aと同じ高さ若しくは上方に位置するようにリヤレール4に取り付けられている。このようにすることで、前記保安基準で定める反射面の有効面積の確保が容易となる。
【0043】
また、後部煽りパネル31が実線の閉位置にある状態における後部煽りパネル31の防水カバー35の最下端点P3と、後部煽りパネル31が仮想線の開位置にある状態における後部煽りパネル31の防水カバー35の最上端点P4との垂直方向の距離Xは、リフレックスリフレクタ14の縦方向の幅よりも大きくなっている。
【0044】
リフレックスリフレクタ14の上端は防水カバー35の前記最下端点P3の下方に位置しており、リフレックスリフレクタ14の下端は防水カバー35の前記最上端点P4の上方に位置しており、後部煽りパネル31が閉位置と開位置のいずれにある場合でも、車両後方からリフレックスリフレクタ14の全面を視認することができる。
【0045】
そして、閉位置にある後部煽りパネル31の防水カバー35の背面側の下端点P5とリフレックスリフレクタ14の上端とを通る直線L1が車両前後方向となす角度aと、開位置にある後部煽りパネル31の防水カバー35の最上端点P4とリフレックスリフレクタ14の下端とを通る直線L2が車両前後方向となす角度bについて、前記保安基準における幾何学的視認性(上方及び下方)を満足するように設定されている。
【0046】
また、図6に示す如く、リフレックスリフレクタ14に隣接する側部煽りパネルロック機構36の内側端とリフレックスリフレクタ14の外側端とを通る直線L3が車両前後方向となす角度cと、リフレックスリフレクタ14の内側端とそれに隣接するヒンジ機構51の外側端とを通る直線L4が車両前後方向となす角度dについて、前記保安基準における幾何学的視認性(外側及び内側)を満足するように設定されている。
【0047】
次に、上記のように構成された本実施形態の貨物車両の作用及び効果について、説明する。貨物車両が走行する際には、後部煽りパネル31はロック機構37(図3参照)により垂直に起立した閉位置で固定される。そして、貨物車両が停車して貨物の積み卸しを行う際には、ロック機構37が解除されて後部煽りパネル31が後方に開かれ、ヒンジ機構51により吊り下げ支持された状態にされる(図2参照)。
【0048】
この状態において、荷台1の背面に設けられたリヤコンビネーションランプ5は後部煽りパネル31によって覆われるため、後方の車両の運転者は、リヤコンビネーションランプ5に内蔵されたリフレックスリフレクタを視認することができないが、リヤレール4に取り付けられたリフレックスリフレクタ14は視認することができる。したがって、夜間やトンネル内部等の暗い場所であっても、後方の車両の運転者が貨物車両の存在を認識することができるため、貨物車両へも追突を防止することができる。
【0049】
なお、リフレックスリフレクタ14はリヤレール4の背面に取り付けられているため、特許文献1、2の貨物車両(図8参照)のように、荷台1に積載した貨物がリフレックスリフレクタ14に衝突してリフレックスリフレクタ14が破損する恐れはない。
【0050】
また、本実施形態では、ヒンジ機構51を取り付けるリヤレール4にリフレックスリフレクタ14を取り付けるようにしているため、リフレックスリフレクタ14を取り付けるための専用の部材が不要であり、当該部材に関する製造コストが発生することはない。
【0051】
そして、本実施形態では、リフレックスリフレクタ14をヒンジ機構51に対して車幅方向に配置しているため、これらが取り付けられるリヤレール4の縦方向の幅を小さくすることができるので、省スペース化を図ることができるとともに、リヤレール4の製造コストを安価にすることができる。
【0052】
また、リヤレール4は、商品名ラベルや積載ラベルが貼付されるものであるが、これらのラベルが、地面から跳ね上げられる土砂によって覆い隠されたり、剥がされたりすることがないように、土砂がかかりにくい位置に配置されている。したがって、リフレックスリフレクタ14についても、土砂がかかりにくく、土砂によって反射面14aが覆い隠されたり、破損したりしにくいので、信頼性が高い。
【0053】
そして、リフレックスリフレクタ14のリヤレール4への取り付けは、ねじ止め等の簡単かつ安価な方法で行うことができ、高価な加工を必要としないので、製造コストが大幅に上昇することがない。
【0054】
以上のように、本実施形態の貨物車両によれば、製造コストが大幅に上昇することなく、後方の車両が常にリフレックスリフレクタを視認することができるため、安全性が向上する。
【0055】
以上、具体的な構成例に基づいて本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記実施形態に種々の改変を施すことができる。
【0056】
例えば、上記実施形態では、後部煽りパネル31を開いたときにリヤレール4の背面の上側が車両後方から視認可能となるようにすることで、リヤレール4の上側にリフレックスリフレクタ14を取り付けるための領域を確保するようにしているが、後部煽りパネル31を開いたときにリヤレール4の背面の上側以外の領域の一部又は全部も車両後方から視認可能となるようにして、当該領域にリフレックスリフレクタ14を取り付けるようにしてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、最外側のヒンジ機構51に対して車幅方向外側の空きスペースにリフレックスリフレクタ14を取り付けるようにしているが、これに代えて、ヒンジ機構51間の空きスペースにリフレックスリフレクタ14を取り付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 荷台
2 フロアボード
4 リヤレール(支持体)
14 リフレックスリフレクタ
14a 反射面
31 後部煽りパネル
51 ヒンジ機構
52 回転軸
52a 回転軸の軸線
53 第1のヒンジ片
54 第2のヒンジ片
P1 第2のヒンジ片と後部煽りパネルとの接続点
P2 第1のヒンジ片と支持体との接続点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台の後端部に立設された後部煽りパネルと、
前記後部煽りパネルの下方に設置された支持体と、
前記後部煽りパネルの下端部を前記支持体に回動自在に連結するヒンジ機構と、
後方の車両のライトを反射するリフレックスリフレクタとを備え、
前記後部煽りパネルを後方に開いて前記ヒンジ機構により吊り下げ支持された状態にすることができる貨物車両であって、
前記後部煽りパネルが開いた状態で前記支持体の背面の少なくとも一部が前記後部煽りパネルの上方に露出して車両後方から視認可能となるように構成され、
前記視認可能となる領域に前記リフレックスリフレクタが取り付けられていることを特徴とする貨物車両。
【請求項2】
前記リフレックスリフレクタは前記ヒンジ機構に対して車幅方向に配置されていることを特徴とする請求項1記載の貨物車両。
【請求項3】
前記ヒンジ機構は回転軸が車幅方向に延びるとともに回転軸を中心に回転可能な第1のヒンジ片と第2のヒンジ片とを有し、前記第2のヒンジ片と前記後部煽りパネルとの接続点から前記回転軸の軸線までの距離が、前記第1のヒンジ片と前記支持体との接続点から前記回転軸の軸線までの距離よりも長くされており、前記後部煽りパネルが開いた状態で前記第2のヒンジ片と前記後部煽りパネルとの接続点が前記第1のヒンジ片と前記支持体との接続点よりも下方に位置するように前記支持体及び前記後部煽りパネルに取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の貨物車両。
【請求項4】
前記リフレックスリフレクタは、その反射面の中心が前記回転軸の軸線よりも上方に位置するように前記支持体の背面に取り付けられていることを特徴とする請求項3記載の貨物車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−126302(P2012−126302A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280844(P2010−280844)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(303002158)三菱ふそうトラック・バス株式会社 (1,037)
【Fターム(参考)】