説明

販売期限管理装置、装着ボードおよびこれらを備えた販売期限管理システム並びに販売期限管理装置の制御方法およびプログラム

【課題】POS端末の変更を必要とせずに商品の販売期限管理を可能とする販売期限管理装置、装着ボード、販売期限管理システム、販売期限管理装置の制御方法、プログラムを提供する。
【解決手段】POS端末2と、商品コードおよび商品の使用期限を示す使用期限情報を含んだ商品情報を入力するための入力装置(ハンディスキャナー3)と、に接続して用いられる販売期限管理装置(装着ボード7)であり、商品情報を取得する商品情報取得部(周辺機器I/F部11)と、現在日時を計測する計時部14と、商品情報に含まれる使用期限情報から販売期限を算出する販売期限算出部21と、現在日時と販売期限とを比較して商品が販売可か否かを判定する販売可否判定部22と、販売可と判定した場合にPOS端末2に当該商品の商品情報から抽出した商品コードを送信し、販売不可と判定した場合にPOS端末2にエラーコードを出力する商品情報出力部(プリンターI/F部12)と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の販売期限を管理する販売期限管理装置、装着ボードおよびこれらを備えた販売期限管理システム並びに販売期限管理装置の制御方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシステムとして、スキャナにより入力したバーコード(商品情報)に含まれた期限日時が現在日時を経過していた場合、POS端末が、期限切れの警告メッセージをオペレータ用表示機に表示させる期限管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。当該期限管理システムでは、POS端末が、商品情報に消費期限あるいは賞味期限等を示す期限情報が含まれているかを判断し、期限情報が含まれていた場合、期限日時が経過しているか否かを判断する。すなわち、当該システムでは、POS端末に期限管理機能が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−015908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようなシステムでは、期限管理機能が備えられていないPOS端末を含めたシステムに期限管理機能を付加したい場合、POS端末に新たなプログラムを搭載するか、または、POS端末を含めたシステム全体を交換する必要があり、コストがかかるという問題がある。また、上記の期限管理機能は、消費期限あるいは賞味期限を示す期限日時について、現在日時を経過しているか否かを管理するため、期限日時間際でも商品を販売してしまう可能性があり、顧客からのクレーム対象になりかねない。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、POS端末の変更を必要とすることなく商品の販売期限管理を可能とすると共に、期限日時間際の販売を防止可能な販売期限管理装置、装着ボードおよびこれらを備えた販売期限管理システム並びに販売期限管理装置の制御方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の販売期限管理装置は、POS端末と、商品コードおよび商品の使用期限を示す使用期限情報を含んだ商品情報を入力するための入力装置と、に接続して用いられる販売期限管理装置であって、入力装置から商品の商品情報を取得する商品情報取得部と、現在日時を計測する計時部と、取得した商品情報に含まれる使用期限情報から販売期限を算出する販売期限算出部と、計時部により計時された現在日時と、販売期限算出部により算出された販売期限とを比較して、商品が販売可か否かを判定する販売可否判定部と、販売可否判定部により販売可と判定した場合に、POS端末に当該商品の商品情報から抽出した商品コードを送信し、販売可否判定部により販売不可と判定した場合に、POS端末にエラーコードを出力する商品コード出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の販売期限管理装置の制御方法は、POS端末と、商品コードおよび商品の使用期限を示す使用期限情報を含んだ商品情報を入力するための入力装置と、に接続して用いられる販売期限管理装置の制御方法であって、販売管理装置が、入力装置から商品の商品情報を取得する商品情報取得ステップと、取得した商品情報に含まれる使用期限情報から販売期限を算出する販売期限算出ステップと、現在日時を計測する計時部により計時された現在日時と、販売期限算出ステップにおいて算出された販売期限とを比較して、商品が販売可か否かを判定する販売可否判定ステップと、販売可否判定ステップにおいて販売可と判定した場合に、POS端末に当該商品の商品情報から抽出した商品コードを送信し、販売可否判定ステップにおいて販売不可と判定した場合に、POS端末にエラーコードを出力する商品コード出力ステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、販売期限管理装置が販売期限を管理し、販売期限をすぎ、販売不可と判定した商品については、エラーコードをPOS端末に出力するため、当然、POS端末は当該商品に対して会計処理を行わず、販売不可の商品を誤って販売することがない。また、使用期限情報を含んだ商品情報を入力しても、販売可と判定した商品については、商品情報から商品コードのみを抽出してPOS端末に出力する。よって、POS端末に期限管理機能が備えられていない場合、すなわちPOS端末が商品情報に含まれた使用期限情報を読み取ることができない場合であっても、販売期限管理装置の追加によって、販売期限管理を行うシステムを実現することができる。また、POS端末の構成を変更する必要がないため、導入コストを抑えることができる。また、販売期限を管理するため、期限間際の販売を防止できる。なお、使用期限とは、企業等が定めた商品の使用・消費を保証する期限であり、賞味期限、消費期限、保証期限等を含むものである。
【0009】
本発明の他の販売期限管理装置は、商品の使用期限を示す使用期限情報を管理する商品情報管理サーバーと、POS端末と、商品コードを入力するための入力装置と、に接続して用いられる販売期限管理装置であって、入力装置から商品の商品コードを取得する商品コード取得部と、商品情報管理サーバーから当該商品コードに対応する商品の前記使用期限情報を取得する使用期限情報取得部と、現在日時を計測する計時部と、取得した使用期限情報から販売期限を算出する販売期限算出部と、計時部により計時された現在日時と、販売期限算出部により算出された販売期限とを比較して、商品が販売可か否かを判定する販売可否判定部と、販売可否判定部により販売可と判定した場合に、POS端末に当該商品の商品コードを送信し、販売可否判定部により販売不可と判定した場合に、POS端末にエラーコードを出力する商品コード出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、商品に貼付された商品情報に商品の使用期限情報が含まれていない場合であっても、販売期限を管理することができる。また、POS端末の構成を変更する必要がないため、導入コストを抑えることができる。
【0011】
これら場合、販売期限算出部は、使用期限情報に含まれた使用期限から所定時間を差し引くことで販売期限を算出することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、販売期限間際に商品を販売することを防ぐことができる。
【0013】
この場合、印刷装置にさらに接続して用いられ、POS端末から、レシート印刷データを取得する印刷データ取得部と、販売可否判定部により販売可と判定した場合に、取得した前記商品コードおよび使用期限情報を一時的に記憶する期限情報記憶部と、印刷装置の印刷制御を行う印刷制御部と、をさらに備え、印刷制御部は、POS端末から取得したレシート印刷データに、当該レシート印刷データに含まれる商品コードと期限情報記憶部に記憶した使用期限情報と関連付けて印刷させることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、販売期限を過ぎていない商品について、レシートに使用期限を印刷させることで、顧客に商品の使用期限について注意を喚起することができる。
【0015】
また、印刷装置にさらに接続して用いられ、POS端末から、レシート印刷データを取得する印刷データ取得部と、販売可否判定部により販売可と判定した場合に、取得した前記商品コードおよび使用期限情報を一時的に記憶する期限情報記憶部と、印刷装置の印刷制御を行う印刷制御部と、商品コードと、商品名とを対応付けた商品名テーブルを記憶しておく商品名テーブル記憶部をさらに備え、印刷制御部は、レシート印刷データを取得したとき、商品名テーブル記憶部を参照し、当該レシート印刷データに含まれる商品名と期限情報記憶部に記憶した前記使用期限情報とを関連付けて印刷させることが好ましい。
【0016】
これら構成によれば、レシート印刷データに商品コードが含まれていない場合であっても、レシートに商品名別の使用期限を印刷させることができる。
【0017】
この場合、印刷制御部は、取得したレシート印刷データに、同一の商品名で使用期限が異なる複数の商品に関する情報が含まれている場合、当該商品名および商品数を使用期限ごとに分けて印刷させることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、同一商品を使用期限ごとに印刷するため、顧客は一目で、使用期限の違いを確認することが出来る。これにより、例えば、使用期限の近い商品から使用するなど、顧客に商品の無駄を抑制するよう促すことができる。
【0019】
また、印刷制御部は、使用期限情報を、レシート印刷データに含まれる他の文字に対して強調して印刷させることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、顧客に対し、商品の使用期限について注意を喚起することができる。なお、使用期限が近い商品の使用期限情報のみを強調して印刷させるようにすれば、より効果的な使用期限の提示が可能になる。
【0021】
本発明の装着ボードは、上記の販売期限管理装置として機能し、印刷装置に装着されて用いられることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、印刷装置周りの省スペース化を実現することができる。
【0023】
本発明の販売期限管理システムは、上記の装着ボードが装着された印刷装置と、POS端末と、入力装置と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、POS端末の構成を変更することなく商品の販売期限管理を行うことのできる販売期限管理システムを実現することができる。
【0025】
本発明のプログラムは、コンピューターに上記の販売期限管理装置の制御方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、商品の販売期限管理を行うことのできる販売期限管理システムを実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態に係る販売期限管理システムの構成を示したブロック図である。
【図2】販売期限管理処理を示したフローチャートである。
【図3】レシート印刷処理を示したフローチャートである。
【図4】POS端末が生成したレシート印刷データに基づいて発行されたレシートの一例である。
【図5】印刷データ処理部に処理されたレシート印刷データに基づいて発行されたレシートの一例である。
【図6】印刷データ処理部に処理されたレシート印刷データに基づいて発行された使用期限ラベルの一例である。
【図7】第2実施形態に係る販売期限管理システムの構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照し、本発明の各実施形態に係る販売期限管理装置および販売期限管理システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態では、本発明の販売期限管理装置をレシートプリンターに装着した装着ボードに適用した場合を例示する。また、本実施形態では、商品として賞味期限あるいは消費期限を有する食品を販売する店舗において使用される販売期限管理装置および販売期限管理システムを例示する。
【0029】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る販売期限管理システムSY1のブロック図である。同図に示すように、販売期限管理システムSY1は、商品情報管理サーバー1と、POS端末2と、商品情報を入力するためのハンディスキャナー3(入力装置)と、使用期限ラベルを発行するラベルプリンター4と、レシートを発行するレシートプリンター6(印刷装置)と、レシートプリンター6に装着された装着ボード7と、から成る。なお、本実施形態では、商品情報には、商品コードおよび当該商品の賞味期限日あるいは消費期限日を示す使用期限情報が含まれている。
【0030】
商品情報管理サーバー1とPOS端末2とは、イントラネットまたはインターネット等のネットワークNTにより接続されている。一方、POS端末2およびレシートプリンター6に装着された装着ボード7、また、装着ボード7およびハンディスキャナー3、ラベルプリンター4は、それぞれ独立したインターフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェース)を介して接続されている。なお、POS端末2と装着ボード7とは、有線接続ではなく無線接続であっても良い。
【0031】
商品情報管理サーバー1は、例えば、店舗のバックヤードに設置され、商品データベースDBを有している。商品データベースには、例えば、商品コード、商品名、商品金額、メーカー名等が含まれ、商品の基本情報を管理している。
【0032】
POS端末2は、ハンディスキャナー3によって入力された商品情報に含まれた商品コードを、装着ボード7を介して取得すると、商品情報管理サーバー1の商品データベースDBを参照して当該商品コードに基づいたレシート印刷データの生成を行う。レシート印刷データは、商品関連情報(商品名、数、金額)、会計情報、レシート発行情報および店舗情報で構成される(図4)。そして、POS端末2は、生成したレシート印刷データを装着ボード7に出力する。なお、本実施形態では、POS端末に商品の期限を検知および管理する機能が備えられていないものとする。
【0033】
レシートプリンター6は、着脱可能に取り付けられた装着ボード7と、印刷機能を成すプリンター本体8と、を有している。
【0034】
装着ボード7は、ハンディスキャナー3から商品情報を入力すると共に、ラベルプリンター4にラベル印刷データを出力するための周辺機器I/F部11(商品情報取得部)と、プリンター本体8にレシート印刷データを出力するためのプリンターI/F部12と、POS端末2に商品コードを出力すると共にレシート印刷データを取得するためのPOSI/F部13(商品コード出力部、印刷データ取得部)と、計時部14と、商品名テーブル記憶部15と、期限情報記憶部16と、制御部17と、を有している。
【0035】
計時部14は、いわゆるRTC(リアルタイムクロック:real time clock)であり、現在日時を計時する。本実施形態では、制御部17により、商品の販売可否を判定する際に現在日時が読み出される。
【0036】
商品名テーブル記憶部15は、商品名と商品コードを対応付けた商品名テーブルを不揮発に記憶している。なお、商品名テーブルは、予め商品情報管理サーバー1や、商品名テーブルが記憶されたCD−ROM等の別媒体からダウンロードしてもよい。また、レシート印刷データに商品名と商品コードが含まれる場合は、POS端末2からレシート印刷データを取得するごとにデータに含まれた商品名と商品コードを記憶して蓄積させてもよい。本実施形態では、レシート印刷データに商品コードが含まれないものとする。
【0037】
期限情報記憶部16は、取得した商品情報が示す商品が販売可と判定された場合に、当該商品情報(商品コードおよび使用期限情報)を一時的に記憶する。なお、当該商品情報に対応するレシートが発行されたら、当該商品情報を削除することが好ましい。
【0038】
制御部17は、商品の販売期限を算出する販売期限算出部21と、商品の販売可否を判定する販売可否判定部22と、POS端末2から取得したレシート印刷データを処理する印刷データ処理部23と、を有している。なお、「印刷制御部」とは、印刷データ処理部23を指す。
【0039】
販売期限算出部21は、取得した商品情報に含まれた使用期限情報から商品の使用期限日を読み取り、使用期限日から所定の日数を差し引いて、販売期限日を算出する。なお、「所定の日数」は、不図示の記憶部に記憶されており、商品の使用期限日までの最低消費猶予日数を示す。本実施形態では、「所定の日数」を1日とし、販売期限算出部21は、使用期限日の前日を販売期限日として算出する。なお、「所定の日数」は、メーカーや店舗が定めるものであり、商品の特性によって異なる日数を定めてもよい。また、商品の使用期限は、使用期限日ではなく使用期限日時を示すものとしてもよい。すなわち、使用期限情報に日付に加えて時刻を示す情報を含めてもよい。ただし、この場合、販売期限を算出するために「所定の時間」が定められる。
【0040】
販売可否判定部22は、商品の販売期限と現在日時とを比較して、当該商品が販売可か否かを判定する。具体的には、販売期限日が現在日を経過していた場合に、当該商品を販売不可と判定し、販売期限日が現在日を経過していない場合に、当該商品を販売可と判定する。なお、本実施形態では、販売期限日が現在日と同日であった場合は、当該商品を販売可と判定するものとする。
【0041】
印刷データ処理部23は、POS端末2が生成したレシート印刷データに対して、当該レシート印刷データに含まれる商品名に当該商品の使用期限情報を関連づける。すなわち、発行されるレシートには、商品に関する情報の一つとして使用期限日(賞味期限日あるいは消費期限日)が印刷される。また、印刷データ処理部23は、レシート印刷データに同一商品名の複数の商品に関する情報が含まれ、当該複数の商品に対して異なる使用期限情報が期限情報記憶部16に記憶されていた場合、当該複数の商品に関する情報を、使用期限日ごとに分けて印刷させる処理を行う。また、現在日が使用期限日の前日および前々日である場合は、当該使用期限日を強調して印刷させる処理を行う。レシートの印刷処理については、後に詳述する。また、印刷データ処理部23は、処理したレシート印刷データから商品名と使用期限情報を抽出して、ラベル印刷データを生成する。
【0042】
プリンター本体8は、印刷データ処理部23が処理したレシート印刷データを取得して、レシートを印刷する(図4参照)。
【0043】
ハンディスキャナー3は、商品に印刷または貼付されたバーコードである商品情報をスキャンして入力する。なお、POS端末2に接続されたキーボード(図示省略)から、数字列からなる商品情報を店員が手入力することによって商品情報を入力することもできる。また、キーボードは、商品の個数や、預かり金額を入力するためにも使用する。
【0044】
ラベルプリンター4は、印刷データ処理部23が生成したラベル印刷データを取得して、使用期限ラベル40を印刷する(図6参照)。なお、使用期限ラベルとは、顧客が購入後、開封した商品に貼付するためのラベルである。パッケージ等の開封により使用期限が記載された商品ラベルが破棄された場合に、この使用期限ラベルを貼付することで、使用期限に対する注意を喚起することができる。
【0045】
また、本実施形態の販売期限管理システムSY1は、会計処理時の会計処理画面を表示するPOS端末2に接続された表示装置(図示省略)を備えている。店員は、当該表示装置の会計処理画面を確認しながら会計処理の操作を行う。なお、当該表示装置は、会計処理を行おうとする商品が販売不可と判定された場合に、エラーコードを受け取ることでエラーメッセージ等が表示される。また、周辺機器またはプリンター本体8にカスタマーディスプレイ等の別の表示装置をさらに接続し、当該別の表示装置に会計処理画面を表示させると共に、警告メッセージ等を表示してもよい。この場合、装着ボード7は、レシート印刷データと共に表示データを当該別の表示装置に出力する。
【0046】
次に、図2を参照し、販売期限管理処理について説明する。装着ボード7(制御部17)は、ハンディスキャナー3から商品情報を取得すると(S01)、商品情報に含まれた使用期限情報から商品の販売期限日を算出する(S02)。そして、算出した販売期限日と現在日とを比較する(S03)。当該商品が販売可と判定された場合(S04:販売可)、取得した商品情報に含まれた商品コードを抽出してPOS端末2に出力する(S05)。そして、商品コードおよび使用期限情報を含んだ商品情報を、期限情報記憶部16に記憶する(S06)。一方、当該商品が販売不可と判定された場合(S04:販売不可)、取得した商品コードではなくエラーコードをPOS端末2に出力する(S07)。
【0047】
エラーコードを取得したPOS端末2は、エラーコードから商品情報を読み取ることができないため、販売不可の商品について、レシート印刷データが生成されることながない。すなわち、販売不可の商品についてレシートが発行されることがなく、販売期限を過ぎた商品の販売を防止することができる。なお、エラーコードとは、POS端末2が存在しない商品コードとしてエラーを認識するコードである。POS端末2は、エラーコードを取得すると、LEDや電子音等によりエラーを報知する。
【0048】
続いて、図3を参照し、レシート印刷処理について説明する。装着ボード7(制御部17)は、POS端末2からレシート印刷データを取得すると(S21)、商品名テーブル記憶部15に記憶してある商品名テーブルを参照し、当該レシート印刷データに含まれた商品名と、期限情報記憶部16に記憶した使用期限情報と、を関連付ける(S22)。同一商品名の複数の商品に対して、異なる使用期限情報が関連付けられた場合(S23:YES)、当該使用期限情報が示す使用期限日ごとに商品に関する情報を分類する(S24)。そして、使用期限情報を付加したレシート印刷データをプリンター本体8に出力する(S23)。一方、同一商品名の複数の商品に対して、異なる使用期限情報が関連付けられなかった場合(S23:NO)、そのまま使用期限情報を付加したレシート印刷データをプリンター本体8に出力する(S23)。
【0049】
続いて、図4および図5を参照し、レシートについて説明する。図4に示すのは、POS端末2が生成した通常のレシート印刷データに基づいて発行されたレシートAの一例である。レシートAは、店舗情報印刷領域31、レシート発行情報印刷領域32、商品関連情報印刷領域33および会計情表示領域34を有している。店舗情報印刷領域31には、店舗名や、例えば店舗ロゴが印刷される。なお、店舗ロゴデータは、POS端末2が記憶しているものとする。レシート発行情報印刷領域32には、当該レシートが発行された日時と発行番号が印刷される。商品関連情報印刷領域33には、商品名、数、金額が印刷される。会計情表示領域34は、合計金額、お預かり金額、お釣りが印刷される。
【0050】
一方、図5に示すのは、印刷データ処理部23によって処理されたレシート印刷データに基づいて発行されたレシートBの一例である。レシートBは、レシートAに印刷された情報に加えて、さらに使用期限情報印刷領域35を有している。使用期限情報印刷領域35には、商品関連情報印刷領域33の商品情報に対応した使用期限情報が印刷される。すなわち、装着ボード7が、使用期限情報印刷領域35を挿入するために、各印刷領域の配置換えを行っている。
【0051】
また、図示のように、レシートBには、現在日が使用期限日(消費期限日あるいは賞味期限日)の前日である商品「豚小間切れ」の使用期限日が赤字で印字され(図示では太字としている)、他の文字に比べて強調して印刷されている。本実施形態では、現在日が使用期限日の前日および前々日である場合に、当該使用期限日を強調して印刷させるが、強調して印刷する使用期限情報の選択は任意である。また、強調印刷させたい使用期限日に警告メッセージを関連付けて印字してもよい。
【0052】
また、図示のように、レシートBには、同一商品名で異なる使用期限日を有する2本の「牛乳」について、商品名、数、金額が使用期限日ごとに分けて印刷されている。すなわち、「牛乳」が同一商品コードであり、通常はまとめて印刷されるところ、これを分離して印刷する、つまり、本発明では、装着ボード7にて商品関連情報印刷領域33の変換処理を行っている。これらにより、顧客に対して商品の使用期限を適切に提示することができる共に、使用期限に対して注意を喚起することができる。
【0053】
なお、使用期限情報印刷領域35をレシート下部に配置し、まとめて使用期限情報を印刷してもよい。この構成によれば、印刷データ処理部23が行うレシート印刷データに対する処理を単純化することができる。また、かかる場合は、全商品に対してではなく、使用期限が近いものや、惣菜、生鮮食品など、特に期限管理に注意すべきものを抽出して印刷することが好ましい。
【0054】
続いて、図6を参照し、ラベルプリンター4が発行する使用期限ラベル40について説明する。なお、この使用期限ラベル40は、レシート発行と同じタイミングで発行され、レシートと共に会計時に顧客に手渡される。図示のように使用期限ラベル40は、商品ごとに剥離可能なラベル部41と、台紙42と、を有し、ラベル部41には、レシートBに対応する商品名および使用期限が印刷されている。例えば、レシート印刷データに同一商品が複数ある場合、当該商品の個数分ラベルを発行する。なお、商品を小分けにして保存する場合を想定して、同一商品に対して各ラベル部41を複数形成して印刷してもよい。
【0055】
[第2実施形態]
以下、図7を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、上記の第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を使用し、詳細な説明は省略する。また、第1実施形態に係る諸変形例についても本実施形態に適用可能である。本実施形態の販売期限管理システムSY2は、ハンディスキャナー3から取得する商品情報に商品の使用期限情報が含まれておらず、商品情報管理サーバー1が有している商品情報管理データベースに商品の使用期限情報が記憶されている。そして、装着ボード7は、商品情報管理サーバー1から使用期限情報を取得して販売期限管理を行う。以上の点で、本実施形態は、上記の第1実施形態と異なっている。
【0056】
図7に示すように、商品管理サーバー1と装着ボード7とは、イントラネットまたはインターネット等のネットワークNTにより接続されている。また、装着ボード7は、商品情報管理サーバー1から使用期限情報を取得するサーバー通信部18(使用期限情報取得部)を備えている。
【0057】
装着ボード7(制御部17)は、ハンディスキャナー3から商品の商品コードを取得すると、サーバー通信部18によって商品情報管理サーバー1から当該商品の使用期限情報を取得する。そして、取得した使用期限情報から商品の販売期限日を算出し、算出した販売期限日と現在日とを比較する。当該商品が販売可と判定された場合、取得した商品コードをPOS端末2に出力する。そして、商品コードおよび使用期限情報を、期限情報記憶部16に記憶する。一方、当該商品が販売不可と判定された場合、取得した商品コードではなくエラーコードをPOS端末2に出力する。
【0058】
このように第2実施形態によれば、POS端末2に期限管理機能が備わっておらず、商品に貼付されている商品情報にも商品の使用期限情報が含まれていない場合でも、販売期限管理装置の追加によって商品の販売期限を管理することができる。なお、各商品の使用期限情報を、商品コードを取得するごとに商品情報期限管理サーバー1から取得するのではなく、予め商品情報管理サーバー1からダウンロードしておいてもよい。また、各商品の使用期限情報を、CD−ROM等の別媒体からダウンロードしてもよい。
【0059】
これまで説明してきた販売期限管理システムSY1、SY2によれば、装着ボード7によって、販売期限を過ぎた商品の販売を防ぐことができると共に、販売期限内である商品についてもレシートに商品の使用期限を印刷することによって、適切に商品の期限管理を行うことができる。また、商品の使用期限ではなく販売期限によって販売の可否を判定するため、使用期限間際の商品の販売を防ぐことができる。また、装着ボード7により上記の構成を実現させることで、従来のPOS端末2の構成を変更させることなく、商品の期限管理機能をシステムに追加することができる。
【0060】
なお、上記の実施形態では、装着ボード7をレシートプリンター6に装着する構成としたが、レシートプリンター6以外の周辺機器(キーボード4、ハンディスキャナー3および表示装置5)に装着する構成としてもよい。また、装着ボード7を独立した販売期限管理装置として構成しても良い。
【0061】
なお、上記の実施形態では、対象とする商品を食品とし、使用期限を商品の賞味期限あるいは使用期限としたが、対象とする商品を食品以外のものとして、使用期限を商品(例えば、薬や化粧品等)の有効期限や保証期限等としてもよい。また、本発明は、製造工場において、部品や商品の受け入れ防止や保存期限管理にも適用可能である。
【0062】
なお、上記の各実施形態で実行可能な販売期限管理システムSY1、SY2の処理工程をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリー等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを、販売期限管理システムSY1、SY2の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0063】
2:POS端末 3:ハンディスキャナー 5:表示装置 6:レシートプリンター 7:装着ボード 14:計時部 15:商品名テーブル記憶部 16:期限情報記憶部 17:制御部 21:販売期限算出部 22:販売可否判定部 23:印刷データ処理部 DB:商品データベース NT:ネットワーク SY:販売期限管理システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
POS端末と、商品コードおよび商品の使用期限を示す使用期限情報を含んだ商品情報を入力するための入力装置と、に接続して用いられる販売期限管理装置であって、
前記入力装置から商品の前記商品情報を取得する商品情報取得部と、
現在日時を計測する計時部と、
取得した前記商品情報に含まれる前記使用期限情報から販売期限を算出する販売期限算出部と、
前記計時部により計時された現在日時と、前記販売期限算出部により算出された販売期限とを比較して、前記商品が販売可か否かを判定する販売可否判定部と、
前記販売可否判定部により販売可と判定した場合に、前記POS端末に当該商品の商品情報から抽出した商品コードを送信し、前記販売可否判定部により販売不可と判定した場合に、前記POS端末にエラーコードを出力する商品コード出力部と、を備えたことを特徴とする販売期限管理装置。
【請求項2】
商品の使用期限を示す使用期限情報を管理する商品情報管理サーバーと、POS端末と、商品コードを入力するための入力装置と、に接続して用いられる販売期限管理装置であって、
前記入力装置から商品の前記商品コードを取得する商品コード取得部と、
前記商品情報管理サーバーから当該商品コードに対応する商品の前記使用期限情報を取得する使用期限情報取得部と、
現在日時を計測する計時部と、
取得した前記使用期限情報から販売期限を算出する販売期限算出部と、
前記計時部により計時された現在日時と、前記販売期限算出部により算出された販売期限とを比較して、前記商品が販売可か否かを判定する販売可否判定部と、
前記販売可否判定部により販売可と判定した場合に、前記POS端末に当該商品の商品コードを送信し、前記販売可否判定部により販売不可と判定した場合に、前記POS端末にエラーコードを出力する商品コード出力部と、を備えたことを特徴とする販売期限管理装置。
【請求項3】
前記販売期限算出部は、前記使用期限情報に含まれた前記使用期限から所定時間を差し引くことで前記販売期限を算出することを特徴する請求項1または2に記載の販売期限管理装置。
【請求項4】
印刷装置にさらに接続して用いられ、
前記POS端末から、レシート印刷データを取得する印刷データ取得部と、
前記販売可否判定部により販売可と判定した場合に、取得した前記商品コードおよび前記使用期限情報を一時的に記憶する期限情報記憶部と、
前記印刷装置の印刷制御を行う印刷制御部と、をさらに備え、
前記印刷制御部は、前記POS端末から取得した前記レシート印刷データに、当該レシート印刷データに含まれる商品コードと前記期限情報記憶部に記憶した前記使用期限情報と関連付けて印刷させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の販売期限管理装置。
【請求項5】
印刷装置にさらに接続して用いられ、
前記POS端末から、レシート印刷データを取得する印刷データ取得部と、
前記販売可否判定部により販売可と判定した場合に、取得した前記商品コードおよび前記使用期限情報を一時的に記憶する期限情報記憶部と、
前記印刷装置の印刷制御を行う印刷制御部と、
前記商品コードと、商品名とを対応付けた商品名テーブルを記憶しておく商品名テーブル記憶部と、をさらに備え、
前記印刷制御部は、前記レシート印刷データを取得したとき、前記商品名テーブル記憶部を参照し、当該レシート印刷データに含まれる商品名と前記期限情報記憶部に記憶した前記使用期限情報とを関連付けて印刷させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の販売期限管理装置。
【請求項6】
前記印刷制御部は、取得した前記レシート印刷データに、同一の商品名で使用期限が異なる複数の商品に関する情報が含まれている場合、当該商品名および商品数を使用期限ごとに分けて印刷させることを特徴とする請求項4または5に記載の販売期限管理装置。
【請求項7】
前記印刷制御部は、前記使用期限情報を、前記レシート印刷データに含まれる他の文字に対して強調して印刷させることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の販売期限管理装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の販売期限管理装置として機能し、
前記印刷装置に装着されて用いられることを特徴とする装着ボード。
【請求項9】
請求項8に記載の装着ボードが装着された印刷装置と、
前記POS端末と、
前記入力装置と、を備えたことを特徴とする販売期限管理システム。
【請求項10】
POS端末と、商品コードおよび商品の使用期限を示す使用期限情報を含んだ商品情報を入力するための入力装置と、に接続して用いられる販売期限管理装置の制御方法であって、
前記販売管理装置が、
前記入力装置から商品の前記商品情報を取得する商品情報取得ステップと、
取得した前記商品情報に含まれる前記使用期限情報から販売期限を算出する販売期限算出ステップと、
現在日時を計測する計時部により計時された現在日時と、前記販売期限算出ステップにおいて算出された販売期限とを比較して、前記商品が販売可か否かを判定する販売可否判定ステップと、
前記販売可否判定ステップにおいて販売可と判定した場合に、前記POS端末に当該商品の商品情報から抽出した商品コードを送信し、前記販売可否判定ステップにおいて販売不可と判定した場合に、前記POS端末にエラーコードを出力する商品コード出力ステップと、を実行することを特徴とする販売期限管理装置の制御方法。
【請求項11】
コンピューターに請求項10に記載の販売期限管理装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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