説明

販売管理システム

【課題】本発明は販売管理システムに関し、ラベル印刷をパソコンだけでなく、電話により簡単な操作で効率よく印刷できるようにした販売管理システムを提供することを目的としている。
【解決手段】商品に貼られた価格及び商品名等の商品情報を記載したバーコードを読み取り、販売時その商品情報を読み取り精算することにより、販売品とその数量、販売額を管理するPOSシステム10と、各POSシステム10から販売情報を取得し全体の販売管理を行なう集計サーバ20とを含んで構成され、委託販売を希望する生産者及び取り扱う生産物等の情報を登録し、生産者により店舗内に展示する生産物等に生産者を特定する情報、生産物名、価格を印刷したラベルが貼られたものを、販売管理する販売管理システムにおいて、委託販売する生産物等に貼るラベルを電話5を使用して印刷予約を行なうことができるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は販売管理システムに関する。更に詳しくは、農作物生産者が生産物の価格を決め、価格を含む生産者の情報をラベルに印刷して生産物に貼り、販売店に持ち込み展示し販売してもらう委託販売方式の販売管理を行なう直売所システムにおいて、電話によるキー入力操作により前記ラベルの発行予約を可能とした販売管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
委託販売方式による直売所システムとしては、例えば直売所による委託販売の管理を行なうシステムであり、農家の入力手段はパソコンであり、ラベル印刷はパソコンに生産者コード他を入力してラベル印刷をパソコンのプリンタで行なう技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、その他の技術として、前記特許文献1記載の技術が農家の近郊の消費者を対象としていたのに対し、遠隔地の消費者に対しても朝に収穫した生産物がその日のうちに遠隔地に届くように、また輸送状況により生産物の価格が高くならないように出荷予約情報と輸送手段の積載量等で調整するシステムであり、ラベル印刷はパソコンに備えられたプリンタで行なう技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
また、その他の技術として本出願人の出願に係る発明であって、直売所における農家の販売情報を、予め登録された農家の電話番号から特定し音声メッセージにより流すことができるシステムに関するものであり、ラベル印刷は特定していないが直売所等に備えられたパソコンへの生産者コード等の入力を行ない印刷する技術が知られている(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−183245号公報(段落0006〜0016、表2)
【特許文献2】特開2005−235053号公報(段落0016〜0021、図1、図2)
【特許文献3】特開2004−206657号公報(段落0023〜0039、図3〜図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
直売所で委託販売する農家は零細経営のところが多く、専用のラベルプリンタを所有しているところは現状はわずかである。多くの農家は、直売所備え付けのラベルプリンタを使用している。また、農家は収穫した生産物を直売所に展示する時にラベル印刷するところが多く、従って開店する前の早朝時はラベル印刷に非常に時間がかかっていた。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、ラベル印刷をパソコンだけでなく、電話により簡単な操作で効率よく印刷できるようにした販売管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)請求項1記載の発明は、商品に貼られた価格及び商品名等の商品情報を記載したバーコードを読み取り、販売時その商品情報を読み取り精算することにより、販売品とその数量、販売額を管理するPOSシステムと、各POSシステムから販売情報を取得し全体の販売管理を行なう集計サーバとを含んで構成され、委託販売を希望する生産者及び取り扱う生産物等の情報を登録し、生産者により店舗内に展示する生産物等に生産者を特定する情報、生産物名、価格を印刷したラベルが貼られたものを、販売管理する販売管理システムにおいて、前記集計サーバから委託販売品を含む販売情報を受け取り、各生産者単位の販売情報に編集して、生産者からの問い合わせに対して販売情報を提供する販売情報提供サーバを有すると共に、該販売情報提供サーバと電話とのやりとりにより、委託販売する生産物等に貼るラベルを電話を使用して印刷予約を行なうことができるように構成されたことを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明は、電話を使用してラベル印刷予約を行なう場合、システムと電話交信者の間の入力手順において、標準的な手順として
1)ラベル印刷に係る音声案内
2)ラベル印刷に係る音声案内の確認をする場合の電話操作指定
3)電話交信者の電話キー入力
4)電話キー入力値又は種類による予め決められた処理
を行なう手順を、
簡易な手順として、
1)ラベル印刷に係る音声案内
2)電話交信者の電話キー入力
3)電話キー入力値又は種類による予め決められた処理
という手順の内、これら手順の内の何れかを選択的に使用できるようにしたことを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、前記簡易手順でラベル印刷予約を行なう場合であっても、予め決められたキーを入力すると、あらためて標準のステップに戻ることを特徴とする。(4)請求項4記載の発明は、前記ラベル印刷予約を行なった時間により、リアルタイムに印刷するか、又はバッチで印刷するかが決まるようにしたことを特徴とする。
(5)請求項5記載の発明は、前記ラベル印刷する場合に、生産者の予め決められたグループ毎に使用するラベルプリンタが決まっていることを特徴とする。
(6)請求項6記載の発明は、前記ラベル印刷する場合に、印刷する生産物の指定は、予め出荷すると設定された生産物情報の中から、システムの音声案内を行ない、電話交信者が電話のキー入力で指定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
(1)請求項1記載の発明によれば、集計サーバからの委託販売品を含む販売情報を受け取り、各生産者単位の販売情報に編集して、生産者からの問い合わせに販売情報を提供する販売情報提供サーバを設け、委託販売される生産物等に貼るラベルを電話を使用して印刷予約を行なうので、ラベル印刷をパソコンだけでなく、電話により簡単な操作で効率よく印刷することができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、電話を利用してラベル印刷を行なう場合に、標準的な方法と簡易な方法の内から何れか一つを選択できるようにすることで、必要に応じたラベル印刷を行なうことができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、前記簡易手順で印刷を行なう場合であっても、途中から標準的な手順に戻ることができる。
(4)請求項4記載の発明によれば、ラベル印刷をリアルタイムで行なうか、バッチ処理で行なうかをラベル印刷を行なう時間により自動的に決めることができる。
(5)請求項5記載の発明によれば、グループ毎に使用するラベルプリンタを決めておくことにより、効率よくラベル印刷を行なうことができる。
(6)請求項6記載の発明によれば、ラベル印刷を行なうに際し、印刷する情報を電話のキーにより指定するので、いちいちラベルプリンタのある場所まで出向いて操作する必要がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態例を示すブロック図である。図において、10は商品に貼られた価格及び商品名等の商品情報を記載したバーコードを読み取り、販売時その商品情報を読み取り精算することにより、販売品とその数量、販売額を管理するPOSシステムである。20は各POSシステム10から販売情報を取得し全体の販売管理を行なう集計サーバである。30は前記集計サーバ20から委託販売品を含む販売情報を受け取り、各生産者単位の販売情報に編集して、生産者からの問い合わせに対して販売情報を提供する販売情報提供サーバである。
【0010】
1はパソコン、2は該パソコン1と接続され、ラベルを印刷するラベルプリンタ、3は前記販売情報提供サーバ30と接続された公衆回線、4は該公衆回線3と無線で交信する生産者の携帯電話、5は公衆回線3と接続される生産者の固定電話である。パソコン1とラベルプリンタ2は、委託販売所に設置されている。6はPOSシステム10、集計サーバ20及び販売情報提供サーバ30とパソコン1間を接続するネットワーク(LAN)である。7は販売情報提供サーバ30と接続され、各種情報、特に後述する各種テーブルを記憶するデータベースである。該データベース7としては、例えばハードディスク装置が用いられる。
【0011】
POSシステム10において、11は生産物に付されたバーコードを読み取るバーコード読取手段、12は生産物の売上に関する精算を行なう精算手段、13は生産物の販売情報を記憶する販売情報記憶手段、14は販売情報をネットワーク6に送信する販売情報送信手段である。集計サーバ20において、21はPOSシステム10から送られてくる販売情報を受信する販売情報受信手段、22は販売情報の集計処理を行なう集計処理手段、23は集計情報を記憶する集計情報記憶手段、24は集計した情報をネットワーク6に送信する集計情報送信手段である。
【0012】
販売情報提供サーバ30において、31は集計サーバ20からの集計情報を受信する集計情報受信手段、32は集計情報を記憶する集計情報記憶手段、33は販売情報を提供する販売情報提供手段、34は音声ガイダンスを行なうための音声合成手段、35は公衆回線3を介して生産者と交信するための電話交換手段である。このように構成されたシステムの動作を説明すれば、以下の通りである。
【0013】
図2は生産者特定処理を示すフローチャートである。システムとしては、図1に示すものを用いる。図に示す40は、以降で説明するフローチャートの記号の意味を示している。
先ず、生産者が携帯電話4又は固定電話5から所定の電話番号に電話をかけると、公衆回線3から電話交換手段35を介して販売情報提供サーバ30と接続される。該販売情報提供サーバ30は、音声合成手段34から生産者に対して「ありがとうございます。ABCファーマーズです。」という音声メッセージを送信する(S1)。次に、販売情報提供サーバ30は、かかってきた電話が生産者からの番号通知であるかどうかチェックする(S2)。生産者からの番号通知でない場合はステップS8にスキップし、生産者特定処理を行なう。
【0014】
かかってきた電話が番号通知である場合、販売情報提供サーバ30は、取得した電話番号がデータベース7にあるかどうかチェックする(S3)。販売情報提供サーバ30は、生産者情報(生産者テーブル)を見に行き、取得した電話番号がデータベースにあるかどうかチェックする。図3は生産者テーブルの構成例を示す図である。図に示すように、生産者コードと、電話番号と、生産者名とで構成されている。例えば、三口太郎さんの場合、生産者コードが101、電話番号が0465−11−1234である。
【0015】
取得した電話番号が生産者テーブルにある場合、販売情報提供手段33は、音声合成手段34から「三口さんですね」という音声メッセージを流す(S4)。次に、「よろしければ“1”、違い場合は“2”を押してください。」という音声メッセージを流す(S5)。生産者は、携帯電話4又は固定電話5(以下両者を合わせて電話と略す)から“1”か“2”の数字を電話キーから入力する(S6)。販売情報提供サーバ30は、入力内容が“1”の場合、かかってきた電話が三口さんである場合なので、次の処理に移行する。入力内容が“2”の場合、三口さんでない場合なので、生産者特定処理(マニュアル指定)処理に入る(S8)。
【0016】
図4は商品テーブルの構成例を示す図である。商品コードと生産物名よりなり、データベース7に記憶されている。
図5は図2で示した生産者特定処理(マニュアル)動作を示すフローチャートである。販売情報提供サーバ30は生産者に対して、「生産者コードを入力してください。」という音声メッセージを流す(S1)。生産者は電話のキーを用いて生産者コードを入力する(S2)。販売情報提供サーバ30は、生産者情報(生産者テーブル)を見に行き、生産者コードがデータベース(DB)にあるかチェックする(S3)。
【0017】
図6は生産者テーブルの構成例を示す図である。図に示すように、生産者コードと、電話番号と、生産者名と、印刷IDより構成されている。販売情報提供サーバ30は、データベース7に生産者コードが登録されているかどうかチェックする(S4)。登録されていない場合には、登録されていない場合のカウント数が3回以内であるがどうかチェックし(S5)、3回以内である場合には、ステップS1に戻り、生産者コードの入力を行なう。生産者コードが間違っており、3回入力してもその生産者コードが生産者テーブルに登録されていない場合には、販売情報提供手段33は、音声合成手段34から、「入力された生産者コードは登録されておりません。番号をお確かめの上、もう一度おかけ直しください。」というメッセージを流し、呼を切断する。
【0018】
生産者コードがデータベース7に登録されている場合には、取得した電話番号がデータベース7にあるかどうかチェックする(S8)。生産者テーブルには、図6に示すように生産者コードと共に電話番号が記憶されているので、販売情報提供手段33は対応する生産者に対して、「三口さんですね」という音声メッセージを流す(S9)。
【0019】
次に、「よろしければ“1”、違う場合は“2”を押してください。」という音声メッセージを流す(S10)。ここで、生産者が電話から電話キーを入力する(S11)。キー入力が“1”の場合には、三口さんであるので、次の処理に移行する。キー入力が“2”の場合には三口さんでないので、ステップS1に戻り、生産者コードの入力からやりなおす。
【0020】
本発明では、ラベル印刷処理を標準タイプと簡易タイプのうちから何れか一方を選択できるようになっている。選択の指定は、データベース7内に、生産者コードが記憶されており、この記憶されている生産者コード毎に標準タイプを用いるか、簡易タイプを用いるかが決まる(図16参照)。販売情報提供サーバ30が生産者の電話に何れを選択するかを選択させ、生産者が何れか一方を選択したら、選択したフローチャートに従って処理を行なうようになっている。
【0021】
図7はラベル印刷予約処理(標準)の動作を示すフローチャートである。先ず、販売情報提供サーバ30から生産者に対して「商品コードを入力してください。」と音声メッセージを流す(S1)。これに対して、生産者が商品コードを電話からキー入力する(S2)。販売情報提供サーバ30は、データベース7の商品情報(商品テーブル)を参照して商品コードがあるかどうかチェックする(S3)。商品テーブルは、図4に示すような構成をしており、該当する商品コードがあるかどうかを商品コードを参照することにより認識することができる。
【0022】
次に、商品コードがあったかどうかチェックする(S4)。商品コードがない場合には、販売情報提供サーバ30は、生産者に対して、「入力された商品コードは登録されていません。」という音声メッセージを流し(S5)、ステップS1に戻り、商品コードの入力処理からやりなおす。商品コードがあった場合には、販売情報提供サーバ30は、「XXですね」という音声メッセージを生産者に対して流す(S6)。
【0023】
次に、「よろしければ“1”、違う場合には“2”を押してください。」というメッセージを生産者に対して流す(S7)。これに対して、生産者は“1”か又は“2”を電話キーから入力する(S8)。販売情報提供サーバ30は、入力内容が“1”であるか“2”であるかチェックする(S9)。入力内容が“2”であった場合には、商品コードが違うことになるので、ステップS1に戻り、商品コードの入力からやりなおす。
【0024】
入力内容が“1”であった場合には、商品コードがあったことになるので、ラベルの枚数を決めるため、販売情報提供サーバ30は生産者に対して「発行枚数を入力してください。」という音声メッセージを生産者に対して流す(S10)。次に、生産者はこの問い合わせに対して、電話キーで発行枚数を入力する(S11)。ここで、販売情報提供サーバ30は、生産者に対して、「XX枚ですね」というメッセージを流す(S12)。このステップS11とS12の詳細については後述する。
【0025】
次に、販売情報提供サーバ30は生産者に対して、「よろしければ“1”、違う場合には“2”を押してください。」という音声メッセージを流す(S13)。この問い合わせに対して、生産者は“1”か“2”を電話キーから入力する(S14)。販売情報提供サーバ30は、入力内容を確認する(S15)。ここで、“2”であった場合には、発行枚数が違ったことになるので、ステップS10に戻り、発行枚数の入力からやりなおす。
【0026】
“1”であった場合には、発行枚数が正しかったことになるので、「他の商品の印刷予約がありますか」というメッセージを生産者に音声メッセージで流す(S16)。次に、「あれば“1”、ない場合には“2”を押してください。」というメッセージを流す(S17)。ここで、生産者は電話のキーを用いて“1”か“2”を入力する(S18)。この入力に対して入力内容を確認する(S19)。他の商品の予約がある場合には、ステップS1に戻り、商品コードの入力を行なう。他の商品の予約がない場合には、「ラベル予約を承りました。ご利用ありがとうございました。」という音声メッセージを生産者に対して流す(S20)。
【0027】
図8はラベル印刷予約処理(簡易)の動作を示すフローチャートである。先ず、販売情報提供サーバ30は生産者に対して、「商品コードを入力してください。」という音声メッセージを流す(S1)。生産者はこの問い合わせに対して、商品コードを電話のキーを使用して入力する(S2)。販売情報提供サーバ30は、生産者に対してデータベース7の商品テーブルを見に行き(図4参照)、該当する商品があるかどうかチェックする(S3)。そして、コードがあるかどうかチェックする(S4)。
【0028】
商品コードがない場合には、販売情報提供サーバ30は、生産者に対して「入力された商品コードは登録されていません。」という音声メッセージを流し(S5)、ステップS1に戻って商品コードの入力をやりなおす。商品コードがあった場合には、生産者に対して「XXですね」という問い合わせの音声メッセージを流す(S6)。XXでなかった場合には、ステップS1に戻って商品コード入力からやりなおす。
【0029】
商品コードがXXであった場合には、販売情報提供サーバ30は、生産者に対して「発行枚数を入力してください。」という音声メッセージを流す(S7)。ここで、生産者は商品コードXXのラベル発行枚数を電話のキーから入力する(S8)。販売情報提供サーバ30は、生産者に対して「XX枚ですね」という問い合わせの音声メッセージを流す(S9)。XX枚でなかった場合には、生産者はステップS7に戻って発行枚数を入力しなおす。
【0030】
XX枚であった場合には、販売情報提供サーバ30は、生産者に対して「他の商品の印刷予約がありますか」という音声メッセージを流す(S10)。そして、「あれば“1”、ない場合は“2”を押してください。」というメッセージを流す(S11)。生産者はこの問い合わせに対して、“1”又は“2”を電話キーより入力する(S12)。販売情報提供サーバ30は、入力された内容をチェックする(S13)。他の商品の印刷予約がある場合には、ステップS1に戻り、商品コードの入力処理から始める。他の商品の印刷予約がない場合には、生産者に対して「ラベル予約を承りました。ご利用ありがとうございました。」という音声メッセージを流す(S14)。
【0031】
本発明によれば、電話を利用してラベル印刷を行なう場合に、標準的な方法と簡易な方法の内から何れか一つを選択できるようにすることで、必要に応じたラベル印刷を行なうことができる。また、前記簡易手続きで印刷を行なう場合であっても、特定のキーを押すことにより、標準的な印刷手順に戻ることができる。
【0032】
図9は印刷処理を示すフローチャートである。印刷処理は、販売情報提供サーバ30からパソコン1に起動をかけることによりラベルプリンタ2によりラベル印刷をすることができる。販売情報提供サーバ30は印刷ジョブがあるかどうかチェックする(S1)。印刷ジョブがある場合には、ジョブ発生時間のチェックを行なう(S2)。ジョブ発生時間チェックは、データベース7の時間指定情報を参照して行なう。図10は時間指定テーブルの構成例を示す図である。図に示すように、曜日と、時間1と、時間2と、時間3より構成されている。時間1は開店時間、時間2は閉店時間、時間3はバッチ処理時間である。例えば、火曜日(TUE)の場合を例にとると、開店時間は10:00、閉店時間は19:00、バッチ処理時間は3:00である。
【0033】
販売情報提供サーバ30は、時間指定情報を参照して営業時間内であるかどうかチェックする(S3)。営業時間以内でない場合には、バッチ処理時間であるかどうかチェックし(S4)、バッチ処理時間である場合には、印刷実行を行なう(S5)。印刷時間でない場合には、処理を終了する。ステップS3で営業時間内である場合には、印刷を実行する(S6)。ここで、印刷される印刷形態としては、例えばバーコード印刷が考えられる。以上、説明したように、本発明によれば、ラベル印刷をリアルタイムで行なうか、バッチ処理で行なうかをラベル印刷を行なう時間により自動的に決めることができる。
【0034】
図11は印刷処理の他の例を示すフローチャートである。図9のフローチャートに対して、ステップS4までは同じ処理である。販売情報提供サーバ30は印刷ジョブがあるかどうかチェックする(S1)。印刷ジョブがある場合には、ジョブ発生時間のチェックを行なう(S2)。ジョブ発生時間チェックは、データベース7の時間指定情報を参照して行なう。図10は時間指定テーブルの構成例を示す図である。図に示すように、曜日と、時間1と、時間2と、時間3より構成されている。時間1は開店時間、時間2は閉店時間、時間3はバッチ処理時間である。例えば、火曜日(TUE)の場合を例にとると、開店時間は10:00、閉店時間は19:00、バッチ処理時間は3:00である。
【0035】
販売情報提供サーバ30は、時間指定情報を参照して営業時間内であるかどうかチェックする(S3)。営業時間以内でない場合には、バッチ処理時間であるかどうかチェックし(S4)、バッチ処理時間でない場合には、処理を終了する。バッチ処理時間である場合には、生産者の印刷IDをチェックして印刷号機を決定し(S5)、印刷を実行する(S6)。この印刷号機を決定するに当たり、プリンタテーブルを参照する。
【0036】
図12はプリンタテーブルの構成例を示す図である。プリンタテーブルは、ラベルプリンタの識別番号と、グループIDより構成されている。例えば、ラベルプリンタ1は、グループID01,02,…を担当する。そして、該当グループを担当するプリンタを用いて印刷を実行する(S6)。
【0037】
ステップS3において、営業時間内である場合には、生産者の印刷IDをチェックして印刷号機を決定し(S7)、印刷を実行する(S8)。この時も、プリンタテーブルを参照してそのグループを担当するプリンタを決定してから印刷を実行する。このように、本発明によれば、グループ毎に使用するラベルプリンタを決めておくことにより、効率よくラベル印刷を行なうことができる。
【0038】
図13は電話キー入力から確認の音声案内の詳細例を示す図で、図7のステップS11,S12の詳細動作を説明している。生産者は、ラベルの発行枚数を電話キーから入力する(S1)。この電話キーから入力された枚数の数値は、販売情報提供サーバ30の電話交換手段35により、生産者からの電話キー入力を受ける(S2)。販売情報提供サーバ30は、電話キーの入力があったかどうかチェックする(S3)。
【0039】
入力がなかった場合には、入力待ち時間が10秒を超えたかどうかチェックする(S4)。超えていなければ、ステップS3に戻ってキー入力の有無をチェックする。入力待ち時間が10秒を超えた場合には、「もう一度入力しなおしてください。」とう文章を作成し、音声合成手段34に与える(S5)。音声合成手段34は、入力テキスト情報を音声情報に変換する(S6)。そして、生産者に対して「もう一度入力しなおしてください。」という音声メッセージを流す(S7)。そして、電話交換手段35を介してステップS1に戻る(S8)。
【0040】
ステップS3において、入力があった場合、入力は2桁かどうかチェックする(S9)。入力が2桁でない場合には、ステップS5にスキップし、「もう一度入力しなおしてください。」という音声メッセージを流す。入力が2桁である場合、販売状況提供サーバ30は、文章を編集して音声合成手段34に渡す。例えば、「**でよろしいですか」の**部に音声データを埋め込む(S10)。
【0041】
音声合成手段34は、音声メッセージを合成する(S11)。合成した結果、「50個でよろしいですか」という音声メッセージを生産者に対して流す(S12)。この音声メッセージは、電話交換手段35を介して生産者に通知される(S13)。そして、電話交換手段35は、「よろしければ“1”、違う場合は“2”を押してください。」というテキストを音声合成手段34に渡す(S14)。
【0042】
音声合成手段34は、「よろしければ“1”、違う場合は“2”を押してください。」という音声メッセージを合成する(S15)。そして、音声メッセージを合成し(S16)、合成された音声メッセージを電話交換手段35を介して生産者に対して流す(S17)。以降、次の処理に入る。
【0043】
この実施の形態例によれば、ラベル印刷を行なうに際し、印刷する情報を電話のキーにより指定するので、いちいちラベルプリンタのある場所まで出向いて操作する必要がなくなる。
【0044】
図14は出荷予定情報のラベル印刷予約処理を示すフローチャートである。販売情報提供サーバ30は、対応する生産者の出荷予定をデータベース7の出荷予定情報を参照してチェックする(S1)。図15は出荷予定テーブルの構成例を示す図である。図より明らかなように、生産者コードと出荷予定商品IDから構成されている。例えば、生産者コード101の生産者に対しては、出荷予定商品IDは、1000,1002,1003…である。そして、出荷予定の有無をチェックする(S2)。出荷予定がなかった場合には、図7のラベル印刷予約処理に移行する。
【0045】
出荷予定がある場合には、出荷予定の商品を順に案内する(S3)。次に、「XXですか」という音声メッセージを生産者に対して流す(S4)。次に、販売情報提供サーバ30は、生産者に対して「よろしければ“1”、違う場合は“2”を押してください。」という音声メッセージを流す(S5)。生産者は、出荷予定の商品である場合には“1”を、そうでない場合には“2”を電話からキー入力する(S6)。
【0046】
販売情報提供サーバ30は、どの数字が押されたかを判定する(S7)。“2”が押されたら、違う場合であるので、ステップS3に戻る。入力内容が“1”である場合には、OKの場合であるので、生産者に対して「発行枚数を入力してください。」という音声メッセージを流す(S8)。ここで、生産者は発行枚数を電話キーから入力する(S9)。販売情報提供サーバ30は、生産者に対して「XX枚ですね」という確認の音声メッセージを流す(S10)。
【0047】
次に、「よろしければ“1”、違う場合には“2”を押してください。」という音声メッセージを生産者に対して流す(S11)。生産者は、電話キーを使用して“1”か“2”の何れか一方を入力する(S12)。そして、販売情報提供サーバ30は、入力内容を確認する(S13)。“2”であった場合には、違う場合であるので、ステップS8に戻って発行枚数の入力をやりなおす。
【0048】
“1”であった場合には、OKの場合であるので、生産者に対して「他の商品の印刷予約がありますか」という音声メッセージを流す(S14)。次に、生産者に対して「有れば“1”、ない場合は“2”を押してください。」という音声メッセージを流す(S15)。次に、生産者はこの音声メッセージを受けて、“1”か“2”を電話のキーから入力する(S16)。販売情報提供サーバ30は入力内容を確認する(S17)。入力内容が“1”であれば他の商品の印刷予約がある場合であるので、ステップS3に戻り、出荷予定の商品を順に案内する。入力内容が“2”の場合には、印刷予約がない場合であるので、販売情報提供サーバ30は生産者に対して「ラベル予約を承りました。ご利用ありがとうございました。」という音声メッセージを流し、処理を終了する(S18)。
【0049】
このようにして出荷予定情報のラベル印刷予約が終了すると、販売情報提供サーバ30は、パソコン1を駆動し、販売情報提供サーバ30から送られてくるラベル情報(商品コード、商品名、商品の種類等)をラベルプリンタ2でバーコードでプリントする。生産者は、その翌日の販売開始前にラベルプリンタのある場所(通常は委託販売所)まで出向き、既に印刷されているラベルを生産物に貼り付ける作業を行なう。ラベルが貼り付けられた生産物は、展示棚に載置され、販売の準備が完了する。
【0050】
販売の準備が完了して販売ができる状態になる。消費者は棚に陳列されている生産物を取り出し、購入手順を行なう。購入する場合、その生産物をPOSシステム10の所まで持ってくる。委託販売業者は、バーコード読取手段11でバーコードを読み取り、生産物の個数と価格とからお客から購入代金を徴収する。POSシステムは、購入代金の精算を精算処理部12で行なうと共に、販売情報記憶手段13に記憶する。ここで、販売情報は、生産者毎に記憶される。精算処理が終了したら、販売情報、精算金額等がネットワーク6を介して集計サーバ20に送られる。
【0051】
集計サーバ20では、POSシステム10から送られてきた情報(販売情報、集計情報)を販売情報受信手段21で受信し、集計処理手段22で集計処理を行なった後、集計情報送信手段24から販売情報提供サーバ30に送る。販売情報提供サーバ30は、送られてきた生産品情報を集計情報受信手段31で受信した後、集計情報記憶手段32に記憶する。なお、集計情報記憶手段32の代わりにデータベース7に記憶するようにしてもよい。
【0052】
生産者は、委託販売業者から販売手数料を差し引いた金額をもらうことになる。このように、本発明はパソコン、プリンタ等のない零細農家の生産物販売に用いて好適なものである。
【0053】
図16は生産者コードの構成例を示す図である。図より明らかなように、生産者コードと、処理手順より構成されている。処理手順は、“0”が標準手順、“1”が簡易手順である。この生産者コード毎に決められた手順を用いて、図7に示す標準手順を用いるか、図8に示す簡易手順を用いるかが決定される。
【0054】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、集計サーバからの委託販売品を含む販売情報を受け取り、各生産者単位の販売情報に編集して、生産者からの問い合わせに販売情報を提供する販売情報提供サーバを設け、委託販売される生産物等に貼るラベルを電話を使用して印刷予約を行なうので、ラベル印刷をパソコンだけでなく、電話による簡単な操作で効率よく印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施の形態例を示すブロック図である。
【図2】生産者特定処理(自動)を示すフローチャートである。
【図3】生産者テーブルの構成例を示す図である。
【図4】商品テーブルの構成例を示す図である。
【図5】生産者特定処理(マニュアル)動作を示すフローチャートである。
【図6】生産者テーブルの構成例を示す図である。
【図7】ラベル印刷予約処理(標準)の動作を示すフローチャートである。
【図8】ラベル印刷予約処理(簡易)の動作を示すフローチャートである。
【図9】印刷処理を示すフローチャートである。
【図10】時間指定テーブルの構成例を示す図である。
【図11】印刷処理の他の例を示すフローチャートである。
【図12】プリンタテーブルの構成例を示す図である。
【図13】電話キー入力から確認の音声案内の詳細を示すフローチャートである。
【図14】出荷予定情報のラベル印刷予約処理を示すフローチャートである。
【図15】出荷予定テーブルの構成例を示す図である。
【図16】生産者コードの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 パソコン
2 ラベルプリンタ
3 公衆回線
4 携帯電話
5 固定電話
6 ネットワーク(LAN)
7 データベース
10 POSシステム
11 バーコード読取装置
12 精算処理手段
13 販売情報記憶手段
14 販売情報送信手段
20 集計サーバ
21 販売情報受信手段
22 集計処理手段
23 集計情報記憶手段
24 集計情報送信手段
30 販売情報提供サーバ
31 集計情報受信手段
32 集計情報記憶手段
33 販売情報提供手段
34 音声合成手段
35 電話交換手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に貼られた価格及び商品名等の商品情報を記載したバーコードを読み取り、販売時その商品情報を読み取り精算することにより、販売品とその数量、販売額を管理するPOSシステムと、各POSシステムから販売情報を取得し全体の販売管理を行なう集計サーバとを含んで構成され、委託販売を希望する生産者及び取り扱う生産物等の情報を登録し、生産者により店舗内に展示する生産物等に生産者を特定する情報、生産物名、価格を印刷したラベルが貼られたものを、販売管理する販売管理システムにおいて、
前記集計サーバから委託販売品を含む販売情報を受け取り、各生産者単位の販売情報に編集して、生産者からの問い合わせに対して販売情報を提供する販売情報提供サーバを有すると共に、該販売情報提供サーバと電話とのやりとりにより、委託販売する生産物等に貼るラベルを電話を使用して印刷予約を行なうことができるように構成されたことを特徴とする販売管理システム。
【請求項2】
電話を使用してラベル印刷予約を行なう場合、システムと電話交信者の間の入力手順において、標準的な手順として
1)ラベル印刷に係る音声案内
2)ラベル印刷に係る音声案内の確認をする場合の電話操作指定
3)電話交信者の電話キー入力
4)電話キー入力値又は種類による予め決められた処理
を行なう手順を、
簡易な手順として、
1)ラベル印刷に係る音声案内
2)電話交信者の電話キー入力
3)電話キー入力値又は種類による予め決められた処理
という手順の内、これら手順の内の何れかを選択的に使用できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の販売管理システム。
【請求項3】
前記簡易手順でラベル印刷予約を行なう場合であっても、予め決められたキーを入力すると、あらためて標準のステップに戻ることを特徴とする請求項2記載の販売管理システム。
【請求項4】
前記ラベル印刷予約を行なった時間により、リアルタイムに印刷するか、又はバッチで印刷するかが決まるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の販売管理システム。
【請求項5】
前記ラベル印刷する場合に、生産者の予め決められたグループ毎に使用するラベルプリンタが決まっていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の販売管理システム。
【請求項6】
前記ラベル印刷する場合に、印刷する生産物の指定は、予め出荷すると設定された生産物情報の中から、システムの音声案内を行ない、電話交信者が電話のキー入力で指定することを特徴とする請求項1記載の販売管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−272274(P2007−272274A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93537(P2006−93537)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】