説明

貯水槽の補強構造

【課題】老朽化した地中埋設のコンクリート製貯水槽を内側から補強してその使用期間を延長させ得る補強構造を提供する。
【解決手段】コンクリート製貯水槽2の内部を補強する補強構造であり、貯水槽の内部に補強枠体5を収容する。補強枠体5は、直線棒状を呈する直線棒状支持杆3を所要に連結して構成した三次元形態を呈する。補強枠体5の上下に設けられた上下の押圧当接部7,7を、貯水槽の頂版部9と底版部10との間に補強枠体5を介して突っ張り状態で配設する。補強枠体5の水平方向で見た両側に設けられた左右の押圧当接部7,7を、貯水槽2の対向する側壁部11,11間に補強枠体5を介して突っ張り状態で配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、老朽化した地中埋設のコンクリート製防火水槽等のコンクリート製の貯水槽を内側から効果的に補強して該貯水槽の使用期間を延長させ得る貯水槽の補強構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば構築後50年程度を経過して老朽化したコンクリート製防火水槽等、老朽化した地中埋設の既存のコンクリート製貯水槽は、当時の緩い設計基準や設定荷重で構築されていて鉄筋量が少なく元々強度が弱かったことに加え、経年変化による内部鉄筋の腐食もあって、耐力低下が生じていた。取り分け道路下に設置された貯水槽にあっては、通過車両の大型化による疲労に伴ってひび割れが進行しており、貯水槽の頂版部や側壁部が破損する恐れも高かった。そしてこれらの老朽化貯水槽は特に地震発生時には、その作用荷重によって貯水槽のひび割れや貯水槽の頂板部や側壁部の破損が一気に生じ易すかった。
【0003】
このようなひび割れや破損が生ずると貯水槽内の水が外部に漏出することから、これらの老朽化貯水槽は、災害時に必要な貯水を確保できないという重大な不安を抱えていた。
【0004】
又、貯水槽の頂版部や側壁部の破損によって貯水槽の上部の道路が使用できなくなる事態を招来することともなった。
【0005】
このような老朽化貯水槽については、これを取り壊して新規に構築するのが一般的であったが、施工経済の面から、老朽化貯水槽に適宜の補強を施した上で更に長期間に亘って使用できるようにして欲しいとの要望がでてきている。
【0006】
そのための補強構造の一例として、ひび割れ等のコンクリートの欠陥箇所に断面修復等の補修を行なった後に、繊維補強シートを貯水槽の内面に貼り付けて補強する補強構造が提案されている。しかし、繊維補強シートは非常に高価であるために施工コストの大幅な上昇を招く問題があったばかりか、湿度の高い環境下でコンクリート面にエポキシ樹脂等の接着剤を塗布して繊維補強シートを固定しなければならないことから施工品質にも不安があった。又、繊維補強シートを貼り付けた後の接着剤の養生期間が必要であって工期を短縮できなかった。加えてこの種の貯水槽は、現場打ち施工によるものであって、板材を並べて形成した型枠にコンクリートを打設して構築していたが、その型枠に段差や歪みが生じていたため、補強シートをコンクリート面に貼り付ける際には段差の修復施工を余分に行なわなければならない等、現場での微調整を要した。このように、繊維補強シートを貼り付ける補強構造には、相当な労力とコストを要したばかりか工期が長引き、又、施工品質にも不安がある等、種々の課題が残されていた。
【0007】
老朽化した貯水槽を補強する他の補強構造としては、特許文献1記載のものが提案されている。この補強構造は、空隙率の高い樹脂製の枠体ユニットを、貯水槽の底版部に敷き並べると共に貯水槽の頂版部近傍まで積み上げ、頂版部と最上段の枠体ユニットとの隙間に軽量発泡スチロール材等の充填材を充填することによって、該頂版部に作用する土圧や自動車荷重等の上載荷重を該枠体ユニットと充填材とで支持して頂版部の崩落を防止せんとするものであった。又、前記底版部から積み上げた最外側の枠体ユニットと貯水槽の側壁部との隙間に充填材を充填することによって貯水槽を内側から補強して堅牢性を向上させ、該側壁部が内側に傾いたり崩落するのを防止せんとするものであった。
【0008】
しかしながら、かかる補強構造には次のような問題点があった。即ち、前記のように、頂版部と最上段の枠体ユニットとの隙間や側壁部と最外側の枠体ユニットとの隙間に、全体に亘って均等に充填材を充填しなければならなかったが、これらの隙間の全体に隙間なく充填材を充填することは非常に難しく多大の施工手間を要した。又、往々にして充填が不完全となり易く頂版部や側壁部の変位抑制が不完全になりやすかった。かかる充填を略完全に行なうことができたとしても、樹脂製の枠体ユニットは撓みやすいために、この撓みによって荷重支持が不確実となり、頂版部や側壁部の変位を抑制するのに十分な性能を有していなかった。かかることから、老朽化した防火水槽を内側から支持することによって貯水槽の頂版部や側壁部が内側に傾いたり崩落するのを確実に防止して貯水槽の堅牢性を向上させるという所期の目的を達成し難いものであった。加えて、このように枠体ユニットを貯水槽の内部に収容する場合は、その収容作業のために足場を組み立てる必要があるが、貯水槽内への足場部材の搬入や貯水槽内での足場の組み立て、作業後の足場の解体とその搬出に相当の労力とコストを要する問題もあった。
【0009】
更に、貯水槽の維持管理のために貯水槽の内部を目視検査しようとしても、収容した枠体ユニットが邪魔になって目視できない問題があった。又仮に、部分的に目視できたとしても、収容した枠体ユニットが邪魔になって作業者が貯水槽の内部を移動できず、必要な補修を行なうことができない問題もあった。
【0010】
なお、作業者が貯水槽の内部を移動できて、必要な補修を施し得るように構成された補強構造として、貯水槽の内部の周囲部分に通路を形成したタイプのものが特許文献2で提案されているが、かかる補強構造によるときは、貯水槽の側壁部に加わる土圧を支持できない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−314217号公報
【特許文献2】特開2010−53628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、老朽化した地中埋設のコンクリート製貯水槽を内側から効果的に補強することを基本として、貯水槽の耐力を向上させて貯水槽の破損を抑制し、該老朽化貯水槽の使用期間を延長させ得る貯水槽の補強構造の提供を課題とするものである。又本発明は、かかる耐力の向上によって、貯水槽の頂版部や側壁部の破損を抑制し、貯水槽の上部の道路や周辺環境への二次被害を防止できる貯水槽の補強構造の提供を課題とするものである。又本発明は、施工現場の荷重状況に合わせて貯水槽を適切に補強可能として施工性向上と施工コストの低減を期し得る貯水槽の補強構造の提供を課題とするものである。
【0013】
又本発明は、貯水槽の内部の目視点検を可能とすると共に必要な補修を施すのを容易化し得る貯水槽補強構造の提供を課題とするものである。
【0014】
又本発明は、簡易な手段によって貯水槽の漏水を防止できる貯水槽の補強構造の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る貯水槽の補強構造は、コンクリート製の貯水槽の内部を補強する補強構造であって、直線棒状を呈する直線棒状支持杆を所要に連結して構成された三次元形態を呈する補強枠体が該貯水槽の内部に収容されており、該補強枠体の上下に設けられた上下の押圧当接部が該貯水槽の頂版部と底版部との間に該補強枠体を介して突っ張り状態で配設され、該上の押圧当接部が該頂版部に突っ張り力を付与すると共に該下の押圧当接部が該底版部に突っ張り力を付与するようになされており、且つ、該補強枠体の水平方向で見た両側に設けられた両側の押圧当接部が該貯水槽の対向する側壁部間に該補強枠体を介して突っ張り状態で配設され、該押圧当接部が該側壁部に突っ張り力を付与するようになされていることを特徴とするものである。
【0016】
該貯水槽の補強構造において、前記補強枠体は、その内部に、前記貯水槽の延長方向に延長して作業者の移動を可能とする作業路を設けるのがよい。
【0017】
このように作業路を設ける場合、該作業路の上側部分は、前記直線棒状支持杆を、上に突のV字状を呈する如く連結して構成すると共に、該作業路の下側部分は、前記直線棒状支持杆を、下に突のV字状を呈する如く連結して構成するのがよい。
【0018】
正面視で菱形状を呈する前記作業路を構成する場合、本発明に係る貯水槽の補強構造は次のように構成するのがよい。即ち、前記補強枠体は、前記直線棒状支持杆相互を連結部材を介して所要に連結して構成された単位枠体が前記貯水槽の延長方向に所要間隔を置いて並設されると共に、該連結部材には、前記延長方向に延長する直線状繋ぎ杆を挿通させ得る繋ぎ孔が設けられており、下に突のV字状を呈する前記下側部分のV字の両上端は前記連結部材に連結されており、該両上端に存する連結部材に設けられている両上端の繋ぎ孔は夫々、前記延長方向で見て、孔心を共通にして水平連通状態にあり、該2列の連通繋ぎ孔の夫々に前記直線状繋ぎ杆が水平状態に挿通されており、該2本の直線状繋ぎ杆は、足場用部材の両端部分を下方から支持できるように構成するのがよい。
【0019】
前記補強枠体が、前記直線棒状支持杆と、該直線棒状支持杆相互を連結する連結部材とを具えて構成される場合、該連結部材は、多角形板状の連結板を以て構成し、該連結板の外周面には、長方形状又は正方形状を呈する平坦な規制当接面が設けられたものとすると共に、該連結板の中心と各辺の中央点とを結んだ線上において、同心円状で、円形の連結孔が設けられたものとし、又、該直線棒状支持杆の端部にコ字状部材を以てなる第1の連結部が設けられたものとし、該コ字状部材は、対向する挾持片間に形成された挿入溝部の平坦な溝底面が前記規制当接面に当接した状態で、該両挾持片の夫々に同心に設けられている挿通孔と前記連結孔とが連通状態となし、該連通する連通孔に、前記両挾持片の一方側からボルトのネジ軸部が挿通されると共に他方の挾持片から突出したネジ軸部分にナットを螺合して締め付けることによって前記第1の連結部を前記連結部材に連結させ得るように構成するのがよい。この場合、前記連結部材は正八角形板状を呈する如く構成するのがよい。
【0020】
前記の各貯水槽の補強構造において、前記補強枠体に設けられている前記押圧当接部は、長さ調整可能な押圧部材の先端部分に設けるのがよい。
【0021】
前記の各貯水槽の補強構造において、前記貯水槽の前記側壁部の内側面及び前記底版部の上面の全体、又は該側壁部の内側面や該底版部の上面の所要部位に、弾性伸縮性を有する防水塗膜を形成し、前記押圧当接部は、該防水塗膜を覆う保護材の表面に当接させるのがよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明は、貯水槽の内部に三次元形態を呈する補強枠体が収容されており、該補強枠体に設けた上下の押圧当接部が貯水槽の頂版部と底版部との間に該補強枠体を介して突っ張り状態で配設されていると共に、該補強枠体の水平方向で見た両側に設けた左右の押圧当接部が該貯水槽の対向する側壁部間に該補強枠体を介して突っ張り状態で配設されている。
【0023】
このように本発明は、上下の押圧当接部や左右の押圧当接部を、三次元形態を呈する補強枠体に設けるため、これらの押圧当接部を、貯水槽の耐力や劣化状況を考慮して設定された必要箇所に所要の突っ張り力を付与できるように該補強枠体に高い自由度で設けることができる。
【0024】
かかることから本発明によるときは、老朽化した地下埋設の貯水槽を内側から効果的に補強でき、これによって、貯水槽の耐力を向上させて貯水槽の破損を抑制し、老朽化貯水槽の使用期間を延長させることができる。又、このように貯水槽の耐力を向上させることによって貯水槽の頂版部や側壁部の破損を抑制できるため、貯水槽の上部の道路や周辺環境への二次被害を防止できることともなる。そして本発明は、補強枠体に押圧当接部を設ける構成を採用するため、補強を要する場所に、必要な補強の程度に応じた突っ張り力を付与するのが容易であり、施工性向上と施工コストの低減を期し得る。
【0025】
(2) 本発明に係る補強構造は、三次元形態を呈する補強枠体を貯水槽の内部に収容するため、従来のように貯水槽の内部に枠体ユニットを積み上げる場合とは異なり、該補強枠体を構成する直線棒状支持杆の間を通して貯水槽の内部を目視点検でき、又、補強枠体の内部を作業者が移動できるように該補強枠体を構成することが比較的容易であるため、貯水槽の内部に必要な補修を施しやすい。
【0026】
(3) 前記補強枠体の内部に、貯水槽の延長方向に延長して作業者の移動を可能とする作業路を設ける場合は、作業者が補強枠体の内部を移動することが可能となるため、該補強枠体の組み立て施工の容易化を達成できる。又、貯水槽の内部の点検作業や補修作業の容易化を達成できる。
【0027】
特に、該作業路を、正面視で菱形状を呈したものとし、その上側部分が上に突のV字状を呈する如く構成し且つその下側部分を下に突のV字状を呈する如く構成する場合は、該作業路を上下に大きく拡張した状態となし得るため、作業路における作業者の移動の容易化を達成できる。
【0028】
(4) このように作業路を、上下に拡張させる場合、V字状を呈する下側部分に関し、そのV字の両上端位置で、平行する2本の直線状繋ぎ杆を配設し、該2本の直線状繋ぎ杆が、足場用部材の両端部分を下方から支持するように構成する場合は、作業者がこの足場に乗って高所作業を行ない得るため、高さの高い貯水槽の補強構造を構成する際に該補強構造の組み立て施工の容易化を達成できる。所要の組み立て作業が完了した後は、該足場用部材を取り外すことによって補強構造を構成できる。
【0029】
(5) 前記補強枠体を、直線棒状支持杆相互を連結部材を用いて構成する場合において、該連結部材を、正多角形板状の連結板を以て構成し、該連結板の外周面には、長方形状又は正方形状を呈する平坦な規制当接面が設けられたものとし、又、該連結板の中心と各辺の中心点とを結んだ線上において、同心円上で円形の連結孔を設ける構成を採用し、加えて、前記直線棒状支持杆の端部に、前記規制当接面に当接し得る平坦な溝底面を有するコ字状部材を以てなる第1の連結部を設ける構成を採用した場合は、次のような特別な効果を奏する。
【0030】
即ち、前記第1の連結部の溝底面を前記規制当接面に当接させた状態とすることにより、該第1の連結部を連結部材に連結する際、1本のボルトを用いるだけで、該第1の連結部の前記連結部材に対する回り止めを簡易且つ経済的に達成できることになる。又、前記連結部材に対する前記第1の連結部の連結状態が、前記規制当接面と前記溝底面とが面接触の当接状態で行なわれることになるため、該連結部分に圧縮荷重が作用する場合、これを安定的に支持できることになる。更に、このように1本のボルトを用いて第1の連結部と連結部材とを連結して補強構造を組み立てるため、貯水槽の内部をメンテナンスする際においては該ボルトを取り外すことによって補強構造を分解でき、所要のメンテナンス後に補強構造を再び組み立てることもできる。
【0031】
特に、前記連結部材が正八角形板状を呈する場合は、上下方向、水平方向、斜め方向と、各種方向から該連結部材に向かう直線棒状支持杆を該連結部材に連結できることになる。かかることから、前記補強枠体を1種類の連結部材を用いて簡易に構成することが可能となり、補強枠体の組み立て施工の簡易化と施工コストの低減を達成できることになる。
【0032】
(6) 前記押圧当接部を、前記補強枠体に設けられて長さ調整可能な押圧部材の先端部分に設ける構成を採用する場合は、上下の押圧当接部や左右の押圧当接部による突っ張り力の設定を、補強箇所の状況に応じて所要に調整するのが容易となる。
【0033】
(7) 前記貯水槽の前記側壁部の内側面及び前記底版部の上面の全体、又は該内側面や該底版部の上面の所要部位に、弾性伸縮性を有する防水塗膜を形成し、前記押圧当接部を該防水塗膜を覆う保護材の表面に当接させる構成を採用するときは、貯水槽の内部に生じたクラックがある程度拡張したときにも該防水塗膜が弾性的に延びてこれに追随でき、貯水槽の貯留水の漏水をより確実に防止できることになる。そして、前記押圧当接部は、該防水塗膜を覆う保護材の表面に当接されるため、該押圧当接部が防水塗膜を損傷する恐れもない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る補強構造を示す一部欠切斜視図である。
【図2】本発明に係る補強構造の全体構成を説明する斜視図である。
【図3】本発明に係る補強構造を構成する単位枠体の構成を示す正面図である。
【図4】補強構造を示す側面図である。
【図5】補強構造を示す平面図である。
【図6】補強構造を示す部分斜視図である。
【図7】直線棒状支持杆を示す斜視図である。
【図8】直線棒状支持杆の端部の第1の連結部とこれが連結される連結部材を示す斜視図である。
【図9】第1の連結部を連結部材に連結した状態を示す側面図と平面図である。
【図10】第1の押圧部材の構成を説明する分解斜視図である。
【図11】第1の押圧部材を連結部材に連結した状態を示す一部断面側面図とその連結部分の構成を説明する平面図である。
【図12】隣り合う連結部材相互を連結する直線状繋ぎ杆と、該直線状繋ぎ杆に連結される第2の押圧部材を示す斜視図である。
【図13】第2の押圧部材が連結された直線状繋ぎ杆を連結部材に連結した状態で示す斜視図である。
【図14】その断面図である。
【図15】連結部材に対する直線棒状支持杆と第1の押圧部材の連結状態の各態様を示す正面図である。
【図16】連結部材に対する直線棒状支持杆と第1の押圧部材の連結状態のその他の態様を示す正面図である。
【図17】連結部材に対する直線棒状支持杆と第1の押圧部材の連結状態のその他の態様を示す正面図である。
【図18】連結部材に対する直線棒状支持杆と第1の押圧部材の連結状態のその他の態様を示す正面図である。
【図19】連結部材に対する直線棒状支持杆と第1の押圧部材の連結状態のその他の態様を示す正面図である。
【図20】連結部材に対する直線棒状支持杆と第1の押圧部材の連結状態のその他の態様を示す正面図である。
【図21】連結部材に対する直線棒状支持杆と第1の押圧部材の連結状態のその他の態様を示す正面図である。
【図22】連結部材に対する直線棒状支持杆と第1の押圧部材の連結状態のその他の態様を示す正面図である。
【図23】本発明に係る補強構造を構成する端部枠体の構成を示す正面図である。
【図24】直線状繋ぎ杆の中間部分を連結部材に固定する固定手段を示す斜視図と断面図である。
【図25】直線状繋ぎ杆の端部側を連結部材に固定する固定手段を示す断面図である。
【図26】貯水槽の内面に防水塗膜を形成した状態を示す断面図である。
【図27】補強構造のベース枠部を構成した状態を示す斜視図である。
【図28】そのベース枠部を示す正面図である。
【図29】そのベース枠部の上側に三角形枠部を形成した状態を示す正面図である。
【図30】構成された補強枠体を示す正面図である。
【図31】構成された補強構造を示す正面図である。
【図32】補強構造を構成する端部下枠部材を示す正面図である。
【図33】その上に三角形枠部を構成した状態を示す正面図である。
【図34】補強枠体の端部側を示す正面図である。
【図35】補強構造の端部側を示す正面図である。
【図36】平行する2本の直線状繋ぎ杆に足場用部材の両端部分を載置して構成された足場を示す正面図である。
【図37】補強構造の他の態様を示す斜視図である。
【図38】その正面図である。
【図39】その補強構造の端部側を示す正面図である。
【図40】その補強構造の側面図である。
【図41】その補強構造の平面図である。
【図42】補強構造のその他の態様を示す正面図である。
【図43】その部分斜視図である。
【図44】補強構造のその他の態様を示す正面図である。
【図45】その平面図である。
【図46】隔壁部で左右に二分割されている貯水槽の内部に構成した補強構造を示す側面図である。
【図47】円筒状の貯水槽の内部に構成した補強構造を示す一部欠切斜視図である。
【図48】その補強構造の全体構成を示す斜視図である。
【図49】その補強構造の平面図である。
【図50】その補強構造の側面図である。
【図51】その側面図の部分拡大図である。
【図52】その補強構造を示す部分斜視図である。
【図53】円筒状の貯水槽における補強構造の他の態様を示す平面図とその部分拡大図である。
【図54】円筒状の貯水槽における補強構造のその他の態様を示す平面図とその部分拡大図である。
【図55】円筒状の貯水槽における補強構造のその他の態様を示す平面図とその部分拡大図である。
【図56】円筒状の貯水槽における補強構造のその他の態様を示す平面図とその部分拡大図である。
【図57】円筒状の貯水槽における補強構造のその他の態様を示す平面図とその部分拡大図である。
【図58】連結部材の他の態様を、直線棒状支持杆の連結側と共に示す斜視図と、該連結部材に直線棒状支持杆を連結した状態を示す斜視図及びその連結状態の平面図と側面図である。
【図59】正多角形状を呈する連結板のその他の態様を示す正面図である。
【図60】円板状を呈する連結板を、直線棒状支持杆の端部側と共に示す斜視図と、該連結部材に直線棒状支持杆を連結した状態を示す斜視図、及びその連結状態の平面図と側面図である。
【図61】円板状を呈する連結部材のその他の態様を示す正面図である。
【図62】複数の挿通孔を有する第1の連結部を具えた直線棒状支持杆と連結部材を示す斜視図と、該第1の連結部を連結部材に連結した状態を示す斜視図、及びその連結状態の平面図と側面図である。
【図63】複数の挿通孔を有する第1の連結部のその他の態様を示す正面図である。
【図64】連結部材のその他の態様を、直線棒状支持杆の第1の連結部を該連結部材に連結した状態で示す斜視図と、その連結状態を示す断面図と、その連結部材を直線状繋ぎ杆に連結した状態を示す断面図である。
【図65】連結部材のその他の態様を、直線棒状支持杆と直線状繋ぎ杆と共に示す斜視図と、該連結部材に直線棒状支持杆を連結し且つ直線状繋ぎ杆を連結した状態を示す斜視図である。
【図66】連結部材のその他の態様を、直線棒状支持杆と直線状繋ぎ杆と共に示す斜視図と、該連結部材に直線棒状支持杆と直線状繋ぎ杆を連結した状態を示す断面図である。
【図67】連結部材のその他の態様を直線棒状支持杆と共に示す斜視図と、該連結部材に直線棒状支持杆の第1の連結部を連結した状態と、その連結状態を示す平面図である。
【図68】連結部材のその他の態様を直線棒状支持杆と共に示す斜視図と、該連結部材に直線棒状支持杆の第1の連結部を連結した状態と、その連結状態を示す平面図である。
【図69】連結部材のその他の態様を直線棒状支持杆と共に示す斜視図と、該連結部材に直線棒状支持杆の第1の連結部を連結した状態と、その連結状態を示す平面図である。
【図70】連結部材のその他の態様を直線棒状支持杆と共に示す斜視図と、該連結部材に直線棒状支持杆の第1の連結部を連結した状態と、その連結状態を示す平面図である。
【図71】直線状繋ぎ杆の中間部分を連結部材に固定するその他の固定手段を示す断面図である。
【図72】直線状繋ぎ杆を連結部材に固定するその他の固定手段を示す斜視図と、該連結部材に直線状繋ぎ杆を連結した状態を示す斜視図と、その連結状態を示す正面図である。
【図73】第1の押圧部材と第2の押圧部材のその他の態様を示す斜視図である。
【図74】第1の押圧部材と第2の押圧部材のその他の態様を示す斜視図である。
【図75】第1の押圧部材と第2の押圧部材のその他の態様を示す斜視図である。
【図76】直線棒状支持杆の断面形態の他の態様を示す断面図である。
【図77】押圧当接部のその他の配置状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0035】
図1〜5において本発明に係る貯水槽の補強構造(以下補強構造という)1は、老朽化した地中埋設のコンクリート製の貯水槽2を内側から補強するものであって、直線棒状支持杆3を所要に連結して構成された三次元形態を呈する補強枠体5が、該貯水槽2の内部6に収容される。そして、該補強枠体5の上下に設けられた上下の押圧当接部7,7が該貯水槽2の頂版部9と底版部10との間に該補強枠体5を介して突っ張り状態で配設されると共に、該補強枠体5の水平方向で見た両側に設けられてなる両側の押圧当接部7,7が該貯水槽2の対向する側壁部11,11間に該補強枠体5を介して突っ張り状態に配設される。そして前記補強枠体5は、その内部に、前記貯水槽2の横断面と直交する方向(貯水槽2の延長方向)に延長して作業者の移動を可能とする作業路12が設けられている。該作業路12は本実施例においては、図3に示すように、前記貯水槽2の横断面と直交する方向で見て、上下に稍長い六角形状の筒状を呈しており、該作業路12の上側部分13は、前記直線棒状支持杆3を、上に突のV字状を呈する如く連結して構成されると共に、該作業路12の下側部分15は、前記直線棒状支持杆3を、下に突のV字状を呈する如く連結して構成されている。
【0036】
以下、これをより具体的に説明する。前記貯水槽2は、例えば、構築後50年程度を経過して老朽化した、コンクリート現場打ち施工による防火水槽2aである。該防火水槽2aは、構築当時の緩い設計基準や設定荷重で構築されていて、鉄筋量が少なく強度が弱い。そして、経年変化による内部鉄筋の腐食もあって耐力低下が生じている。該貯水槽2は、図3に示すように、その内空横断面部16が正方形状を呈しており、底版部10と側壁部11と頂版部9とで構成された直方体状の防火水槽である。その内空横断面部16の上下方向F1の長さと左右方向F2の長さは共に例えば2800mmに設定され、該貯水槽2の長さ(内空縦断面部14の延長方向F3の長さ)は例えば6600mmに設定されている。そして該底版部10と前記頂版部9には、図4に示すように、マンホール部17と集水ピット18とが上下対向状態で設けられている。
【0037】
前記補強枠体5は、図6に部分拡大を示すように、前記直線棒状支持杆3と、該直線棒状支持杆3の両端部19,19に設けられた第1の連結部20,20に連結される連結部材21と、前記貯水槽2の延長方向F3で見て所要間隔を隔てて対向する該連結部材21,21相互を繋ぐ直線状繋ぎ杆22とを具えている。そして、該補強枠体5に設けられる前記押圧当接部7は、図1〜6に示すように、前記補強枠体5に連結されて長さ調整可能な押圧部材23,25の先端部分に設けられている。該押圧当接部7は、本実施例においては、前記連結部材21に連結されて長さ調整可能な第1の押圧部材23の先端部分に設けられている。又、前記直線状繋ぎ杆22の端部分24に連結されて長さ調整可能な第2の押圧部材25の先端部分に設けられている。該第1の押圧部材23に設けられている前記押圧当接部7は、本実施例においては図3に示すように、前記底版部10の上面26、前記頂版部9の下面27又は前記左右方向F2で見た対向する側壁部11,11の内側面29,29に当接される。又、前記第2の押圧部材25に設けられている前記押圧当接部7は、図4〜5に示すように、前記延長方向F3で見た対向する側壁部11,11の内側面29,29に当接される。
【0038】
前記直線棒状支持杆3は、本実施例においては図7(A)(B)に示すように、比較的長く形成された、防錆処理の施された円形鋼管からなる。そして、該直線棒状支持杆3の両端部19,19に設けられる前記第1の連結部20は、例えば図7〜8に示すようにコ字状部材30を以て構成されている。該コ字状部材30は、前記端部19に溶接等により固定される矩形板状基板31の対向辺32,32で挾持片33,33が対向状態で折曲形成され且つ該両挾持片33,33間に挿入溝部35が形成されている。そして該両挾持片33,33は、その基端側部分が内方に向けて傾斜した傾斜板部36,36とされ、該傾斜板部36,36の先端37,37に、先側ほど細くなり且つ先端縁部が円弧状縁として形成された平板部39,39が平行して連設され、該両平板部39,39には、孔心を共通にして円形の挿通孔40,40が設けられている。
【0039】
かかる構成を有する両端の第1の連結部20,20の前記挿通孔40,40の孔心間の間隔は、本実施例においては633mmと941mmの2種類に設定されている。従って本実施例においては、長さの異なる2種類の直線棒状支持杆3a,3bを用いることとしている。長さの長い第1の直線棒状支持杆3aは、前記補強枠体5を構成する上下方向の縦部材41及び水平方向の横部材42として用いられ、長さの短い第2の直線棒状支持杆3bは、前記補強枠体5の傾斜方向の傾斜部材116として用いられる。そして、前記連結部20の前記挿入溝部35の溝幅は例えば23.7mmに設定されると共に、前記挿通孔40,40の径は例えば16mmに設定されている。
【0040】
前記連結部材21は、本実施例においては図8〜9に示すように、正八角形板状の連結板45を以て構成されており、その中心46と各辺47の中央点49とを結んだ線48上において、同心円状で、円形の連結孔50の8個が、該連結板45の厚さ方向に貫設されている。又、該連結板45の中央部分には円形の繋ぎ孔51設けられている。かかる構成を有する連結板45は、全体を一枚板として形成することができる他、薄板を複数枚積層一体化して構成されることもある。該連結板45は本実施例においては、その厚さが22.5mmに設定されると共に正八角形の各辺47の長さは75mmに設定されている。
【0041】
これによって連結板45は、22.5mm幅で75mm長さを有する長方形の平坦な規制当接面53を有している。又、対向する辺47,47間の間隔が180mmに設定されると共に、前記連結孔50の径は16mmに設定され、前記繋ぎ孔51の径は36mmに設定されている。本実施例においては、連結板45を正八角形状板として構成すると共に、各辺に対応させて同心円状で8個の連結孔50を設けているため、図6に示すように、上下方向、水平方向、斜め方向と、各種方向から連結部材21に向かう直線棒状支持杆3を該連結部材21に連結できることとなる。かかることから、以下に説明するように、本実施例に係る補強構造1を、1種類の該連結部材21を用いて簡易に構成できることとなる。
【0042】
図9(A)(B)は、前記第1の連結部20の前記挿入溝部35内に前記連結板45の縁側の部分55を挿入した状態を示しており、該挿入状態において、前記平坦な規制当接面53が前記挿入溝部35の平坦な溝底面(前記矩形状基板31の内面)56と当接した状態で、前記挿通孔40,40が前記連結孔50と同心の連通状態となされて連通孔57が形成されている。そして図9(A)(B)は、該連通孔57に、前記挾持片33,33の一方33a側からボルト59のネジ軸部60を挿通させると共に他方の挾持片33bから突出したネジ軸部分61にナット62を螺合し締め付けることによって、前記第1の連結部20を前記連結部材21に連結した構成を示している。前記規制当接面53が前記溝底面56と当接した状態となるため、該第1の連結部20が該ボルト59の軸線回りに回転せず、前記連結部材21に対する前記直線棒状支持杆3の連結状態が一義的に定まり、連結状態が安定的に保持されることとなる。該第1の連結部20と該連結部材21とをこのように面接触によって連結するため、1本のボルト59を用いるだけで、第1の連結部20の回り止めを簡易且つ経済的に図り得ることとなる。そして、該連結部材21に対する該直線棒状支持杆3の連結状態が、前記規制当接面53と前記溝底面56とが面接触の状態で行なわれることとなるため、該連結部分に圧縮荷重が作用する場合、これを安定的に支持できることとなる。
【0043】
前記第1の押圧部材23は、図10〜11に示すように、筒状連結部材63とネジ軸押圧部材65とから構成されている。該筒状連結部材63は、比較的短く形成された丸パイプ状の押圧杆本体66の一端に、前記直線棒状支持杆3におけると同様構成のコ字状部材30を以てなる第2の連結部67が設けられている。該コ字状部材30の各部の構成の説明は前記第1の連結部20におけると同様であるため、同様の構成部分に前記と同一の符号を付してその具体的説明を省略している。又、押圧杆本体66の他端側部分は、その内面に雌ネジ部68が設けられたネジ筒部69として構成されている。そして前記ネジ軸押圧部材65は、該ネジ筒部69に螺合される調節ネジ軸70にロックナット71が螺合されると共に、該調節ネジ軸70の外端にはネジ軸回転ナット72が同心に固着され、且つ、該調節ネジ軸70の端面73には、稍細径の取付け軸75が同心に突設され、該取付け軸75に前記押圧当接部7が該取付け軸75の軸線回りに回転自在に取り付けられている。
【0044】
該押圧当接部7は本実施例においては図10〜11に示すように、端面側に円形状凹部77が設けられると共に外端部78の周縁部分が円環状の当接面79とされた円板状部80の中央部に、前記取付け軸75を挿通させるための取付け孔82が設けられている。そして、該取付け孔82に前記取付け軸75を挿通させた状態で、前記円形状凹部77内に突出した軸部83の周面に設けられた環状係合溝にスナップリング86を嵌着することにより、該円板状部80が該取付け軸75から外れるのが防止されている。なお、該軸部83は該円形状凹部77に納まり、その先端87が該円板状部80の外端部78から突出しないようになされている。前記当接面79の大きさは、前記頂版部9の下面27や前記底版部10の上面26、前記側壁部11の内側面29に安定状態に当接できるように設定される。
【0045】
かかる構成を有する第1の押圧部材23の主要部の寸法を例示すれば、前記調節ネジ軸70の外径は20mmに、その長さは100mmに設定されている。又、前記ネジ筒部69の長さは100mmに設定され、前記押圧杆本体66の長さは170mmに設定され、前記押圧当接部7の径は75mmに設定されている。
【0046】
然して、前記ネジ軸回転ナット72を回転させて前記ネジ筒部69に対する前記調節ネジ軸70の螺合状態を所要に調整した後に前記ロックナット71を締め付けることにより、前記第2の連結部67に設けられている挿通孔40の中心と前記円板状部80の端部78との間の距離を所要に設定し、その状態を固定できる。
【0047】
前記直線状繋ぎ杆22は、本実施例においては図12に示すように、防錆処理の施された円形鋼管からなる。そして前記第2の押圧部材25は、図12〜14に示すように、前記連結部材21の前記繋ぎ孔51を挿通する横方向の前記直線状繋ぎ杆22の端部分24に連結される第3の連結部88の構成が前記第1の連結部20と相違する点を除いては、前記ネジ軸押圧部材65を含め、前記第1の押圧部材23の構成と同様である。該第3の連結部88は連結筒部89を以てなる。該連結筒部89は、前記直線状繋ぎ杆22の端部分24を挿入させる円筒状を呈しており、その内側の端面部90が、前記と同様構成の押圧杆本体66の一端部91に、同心状態で溶接等により固定されている。そして該連結筒部89の周面部に設けたネジ孔92に止着ネジ93のネジ軸95が螺合されている。然して、該連結筒部89に前記直線状繋ぎ杆22の端部分24を挿入した状態で該止着ネジ93を締め付けることにより、該第2の押圧部材25を前記直線状繋ぎ杆22に連結できる。第2の押圧部材25のその他の構成部分は前記第1の押圧部材23と同様であるため、前記と同一の符号を付してその具体的説明を省略している。
【0048】
前記補強構造1は、前記のように、三次元形態を呈する補強枠体5の所要部位に押圧当接部7が設けられてなるものであり、本実施例においては図2に示すように、マンホール部17と集水ピット18が上下対向して設けられてなる取水部分99の側方部100に配設される端部枠体101と、その他の部分において貯水槽2の延長方向に所要間隔で配設される単位枠体102の複数(例えば6個)とを具えており、全ての単位枠体102と端部枠体101の全体が横方向の前記直線状繋ぎ杆22で連結されている。本実施例において、端部枠体101を取水部分99を避けて設けているのは、貯水槽内部への人の出入りの障害とならず、又、集水ピット18における貯留水の吸引の障害とならないようにするためである。
【0049】
前記単位枠体102は、本実施例においては図3に示すように左右対称の形態を有しており、貯水槽2の頂版部9と底版部10との間に突っ張り状態で配設されると共に、貯水槽2の対向する側壁部11,11間に突っ張り状態に配設される。該単位枠体102は、より具体的には図3に示すように、縦方向の突っ張り部材103の2本が、前記内空横断面部16の頂版部9の水平な下面27と底版部10の水平な上面26の、対向する左端側部位間107と右端側部位間109に垂直状態に立設されると共に、横方向の突っ張り部材110の2本が、前記内空横断面部16の左右の側壁部11,11の垂直な内側面29,29の対向する上端側部位間112と下端側部位間113に水平状態に横架されている。
【0050】
該左右の縦方向の突っ張り部材103,103は、図3、図15、図16に示すように、上下方向で直線状を呈しており、前記第1の直線棒状支持杆3aからなる上下の縦部材41a,41b相互が中間の連結部材21aを介して連結されると共に、該上の縦部材41aの上端の前記第1の連結部20が上の連結部材21bに連結され、且つ、該下の縦部材41bの下端の前記第1の連結部20が下の連結部材21cに連結されてなり、該上下の連結部材21b,21c、21b,21cの夫々に、上下方向で逆向きに前記第1の押圧部材23,23の前記第2の連結部67が連結されている。
【0051】
又、前記上下の横方向の突っ張り部材110,110は、図3、図17、図15(A)、図16(A)に示すように、又、図3、図18、図15(C)、図16(C)に示すように、水平方向で直線状を呈しており、前記第1の直線棒状支持杆3aからなる左右の横部材42a,42b相互が中間の連結部材21dを介して連結されると共に、左の横部材42aの左端の前記第1の連結部20が左の連結部材(左側に位置する前記縦方向の突っ張り部材103の上下の連結部材)21b,21cに連結され、且つ、該右の横部材42bの右端の前記第1の連結部20が右の連結部材(右側に位置する前記縦方向の突っ張り部材103の上下の連結部材)21b,21cに連結されてなり、該左右の第1の連結部材21b,21b、21c,21cの夫々に、水平方向で逆向きに前記第1の押圧部材23,23の前記第2の連結部67が連結されている。
【0052】
そして、45度の傾斜方向で隣り合う前記中間の連結部材21a,21d相互、21a,21d相互、21d,21a相互、21a,21d相互が夫々、傾斜枠部材115で連結されている。該傾斜枠部材115は、図3、図19、図17、図15(B)に示すように、又、図3、図20、図15(B)、図18に示すように、又、図3、図21、図17、図16(B)に示すように、又、図3、図22、図16(B)、図8に示すように、45度の傾斜方向で直線状を呈しており、前記第2の直線棒状支持杆3bからなる上下の傾斜部材116a,116b相互が中間の連結部材21eを介して連結されると共に、上の傾斜部材116aの上端の前記第1の連結部20が上の連結部材(前記横方向の突っ張り部材110の中間の連結部材又は、縦方向の突っ張り部材103の中間の連結部材)21d,21aに連結され、且つ、該下の傾斜部材116bの下端の前記第1の連結部20が下の連結部材(前記縦方向の突っ張り部材103の中間の連結部材又は、横方向の突っ張り部材110の中間の突っ張り部材)21a,21dに連結されている。
【0053】
そして、正方形の角部に位置する前記連結部材21b,21c,21c,21bと、前記傾斜枠部材115,115,115,115を構成する前記中間の連結部材21e,21e,21e,21eとが、図3、図15(A)、図19に示すように、又、図3、図15(C)、図20に示すように、又、図3、図16(A)、図21に示すように、又、図3、図16(C)、図22に示すように、前記第2の直線棒状支持杆3bからなる傾斜繋ぎ部材117で連結されている。又、上下の傾斜枠部材115,115を構成する前記中間の連結部材21e,21e相互が、図3、図19、図20に示すように、又、図3、図21、図22に示すように、前記第2の直線棒状支持杆3aからなる垂直繋ぎ部材119で連結されている。
【0054】
そして、前記上下の横方向の突っ張り部材110,110を構成する前記中間の連結部材21d,21dには、上下方向で逆向きに前記第1の押圧部材23,23が連結されている。又、前記左右の縦方向の突っ張り部材103,103を構成する前記中間の連結部材21a,21aには、左右方向で逆向きに前記第1の押圧部材23,23が連結されている。
【0055】
かかる構成を有する単位枠体102にあっては、図3に示すように、前記上下の傾斜枠部材115,115,115,115と、前記左右の垂直繋ぎ部材119,119とによって、下に突のV字状を呈する部分120と上に突のV字状を呈する部分121とを具えて上下に稍長い六角形枠状の作業路形成開口部122が設けられている。そしてその周囲部分は、二等辺三角形状の三角形枠部123の多数が配設された安定構造のトラス構造部125とされている。
【0056】
又前記端部枠体101は、図23に示すように、前記側方部100に位置させて設置されるもので、前記単位枠体102を基本として構成されており、前記取水部分99が存する部分では枠部分が省略されている。具体的には、図3に示す単位枠体102において、前記右の縦方向の突っ張り部材103a(図3)と、これに連結される上下の前記右の横部材42b,42bと、前記上下の傾斜部材116b,116aと、前記上下の傾斜繋ぎ部材117,117と、水平方向に突出状態となる第1の押圧部材23,23,23が省略されている。上の2本の第1の押圧部材23,23の押圧当接部7,7は、前記マンホール部17の側方において、前記頂版部9の下面27に当接状態となされており、下の2本の第1の押圧部材23,23は、前記集水ピット18の側方において、前記底版部10の上面26に当接状態となされている。そして、上下に位置する左右の中間の連結部材21e,21e相互、21e,21e相互は、前記第2の直線棒状支持杆3aからなる水平繋ぎ部材128,128で連結される。
【0057】
図2〜3、図4〜5、図23に示すように、かかる構成を有する単位枠体102の6個を、貯水槽2の延長方向F3に所要間隔を置いて(本実施例においては、例えば1000mmの間隔を置いて)並設すると共に、前記側方部100において、前記端部枠体101を配設する。このようにして単位枠体102と端部枠体101とを並設した状態で、該単位枠体102と該端部枠体101を構成する各部の連結部材21の前記延長方向F3での配置状態は、図2、図4〜5に示すように、端部に位置する単位枠体102aの各連結部材21と、水平方向で重なる配置状態となされている。従って、孔心を共通にして水平連通状態にある連通繋ぎ孔126が12列が形成される。図2において、一部の列を一点鎖線で示している。
【0058】
このように構成された連通繋ぎ孔126の夫々に、図2、図4〜6に示すように、横方向(水平方向)の前記直線状繋ぎ杆22が水平状態に挿通される。該直線状繋ぎ杆22は、全体が一体物として形成されることの他、所定長さの部材を直線状に連結して構成されることもある。本実施例においては図2、図4〜5に示すように、前記傾斜枠部材115を構成する前記中間の連結部材(内側の四隅の連結部材)21e,21e,21e,21eに係る連通繋ぎ孔126,126,126,126に挿通せしめられた直線状繋ぎ杆22に関し、その端部分24を、図14に示すように、前記第2の押圧部材25の前記連結筒部89に挿入することとしている。このように挿入した状態で、前記止着ボルト93を締め付けると、図2、図4〜5に示すように、該直線状繋ぎ杆22の両端に、前記延長方向F3で見て逆向きに突出するように前記第2の押圧部材25,25が連結された状態となる。そして、前記四隅の直線状繋ぎ杆22a,22a,22a,22a(図4〜5)以外の直線状繋ぎ杆22に関しては、かかる第2の押圧部材25は連結されていない。
【0059】
横方向の前記直線状繋ぎ杆22と各連結部材21との連結手段127の一例は、図24に示すように、該連結部材21を挾むように該直線状繋ぎ杆22に挿通されている固定筒体129,129で該連結部材21を挾持状態とする。この挾持状態で図24(B)に示すように、該固定筒体129の周面部に設けたネジ孔130に螺合する止着ネジ131を締め付けると、該直線状繋ぎ杆22が夫々の連結部材21に固定される。このような連結手段127は、図25に示すように、前記第2の押圧部材25が連結されない直線状繋ぎ杆22の端部側においても同様に採用できる。又、該直線状繋ぎ杆22の端部分24に前記第2の押圧部材25が連結されている部分においては、図12〜14に示すように、前記連結部材21を前記連結筒部89と前記固定筒体129とで挾持状態とし、該連結筒部89の止着ネジ93と該固定筒体129の止着ネジ131を締め付けることによって、該直線状繋ぎ杆22を該連結部材21に固定できる。
【0060】
このようにして構成された補強構造1は、前記貯水槽2の補強すべき箇所を前記第1、第2の押圧部材23,25を介して支持して該貯水槽2を内側から補強する。前記第1の押圧部材23の配設位置や前記第2の押圧部材25の配設位置は、前記頂版部9と前記側壁部11と前記底版部10について予め強度調査を行ない、その結果に基づいて所要に設定されるものである。前記補強枠体5の上下に設けられた上下の押圧当接部7,7が、前記貯水槽2の頂版部9と底版部10間に突っ張り状態となるように配設され、又、該補強枠体5の左右に設けられた左右の押圧当接部7,7が、対向する側壁部11,11間に突っ張り状態となるように配設される。上下方向の中間部、左右方向の中間部に第1の押圧部材23が連結されている部分においては、上下左右の傾斜枠部材115,115,115,115の端部相互の連結によって構成された菱形状枠部132(図3)を介して突っ張り状態となる。そして、付与すべき突っ張り力も、前記強度調査に基づいて、必要な補強強度を考慮して設定される。
【0061】
この突っ張り力の設定は、前記ネジ軸回転ナット72(図10〜11)を適宜回転させて行ない、図11に示すように、押圧杆本体66の端部133からの前記押圧当接部7の突出量を所要に調整して行なう。この際、前記のように、前記調節ネジ軸70の端部に設けられた取付け軸75が、前記押圧当接部7に設けた前記取付け孔82に挿通され且つスナップリング86により外れ防止されているため、該押圧当接部7の外端部の前記当接面79が前記側壁部11の内側面29等に当接した状態で該ネジ軸回転ナット72を回転させたときに、該押圧当接部7が共回りするのを防止できる。このようにして突っ張り力を設定した後に、図11に示すように、前記ロックナット71を締め付けることにより、前記調節ネジ軸70の突出量を固定でき、所要の突っ張り状態が保持されることになる。
【0062】
以上によって、三次元形態を呈し且つ周囲部分にトラス構造部が配設されてなる補強枠体5と、該補強枠体5の周囲の適所に配設されてなる第1、第2の押圧部材23,25とからなる安定構造の補強構造1が構成される。然して、前記頂版部9と前記底版部10との間での所要の突っ張り作用によって、該頂版部9に作用する自動車荷重や土圧による荷重を底版部10に効果的に分散できる。且つ、前記左右方向で対向する側壁部11,11間での所要の突っ張り作用、前記延長方向F4で対向する側壁部11,11間での所要の突っ張り作用によって、側壁部11に加わる土圧を効果的に支持できる。又、地震時の荷重を支持できる。かかることから、老朽化した地中埋設の前記貯水槽2を内側から効果的に補強できる。これにより、該貯水槽2の耐力を向上させて貯水槽の破損を抑制でき、例えば、貯水槽2の頂版部9や側壁部11が破損して貯水槽の上部の道路等が使用できなくなる等の事態を招来するのを防止できることとなる(図3〜5)。又、かかる貯水槽の破損の抑制に伴い貯水槽内の貯留水の漏水を抑制でき、老朽化した貯水槽の使用期間を延長させ得ることとなる。
【0063】
老朽化した前記貯水槽2の各部における配筋状態(鉄筋の有無や配筋密度等の配筋状態)や該貯水槽2の内部状況(クラックの発生状況等)を考慮し、地震時の振動等によってクラックが拡張して漏水する恐れがある場合は、前記頂版部9の下面27を除く貯水槽の内面135の全体(側壁部11の内側面29及び底版部10の上面21の全体)に亘って、又は、該側壁部11の内側面29や該底版部10の上面21の所要部位に、図26(A)に示すように弾性伸縮性を有する防水塗膜(例えば1〜2mm程度の厚さを有する)136を形成する場合がある。かかる防水塗膜136は、シリコン系やアスファルト系等の樹脂を吹き付けしたり、こて塗りする等によって形成できる。かかる防水塗膜136を形成すれば、例えば図26(B)に示すようにクラック137がある程度拡張したときにも、該防水塗膜136が弾性的に伸びてこれに追随でき、貯水槽内の貯留水の漏水をより確実に防止できる。かかる防水塗膜136を形成した場合は、該防水塗膜の損傷を防止するために、例えば図26(A)に示すように、該防水塗膜136を不織布等の保護材139で覆って後、前記第1、第2の押圧部材23,25の押圧当接部7を該保護材139の表面140に当接させる。このような構成も、前記上下の押圧当接部7,7や前記左右の押圧当接部7,7を突っ張り状態で配設する、ことに該当する。
【0064】
そして、該補強枠体5の内部には、前記作業路形成開口部122が貯水槽2の延長方向に連通状態となることによって、図2〜3に示すように、水平方向に延長して作業者の移動を可能とする前記作業路12が形成される。該作業路12は、その上側部分13が上に突のV字状を呈すると共にその下側部分15が下に突のV字状を呈して上下に大きく拡張しているため、上下の部分が水平を呈する作業路に比し作業者の移動が容易となる。
【0065】
次に、前記構成を有する補強枠体5を前記貯水槽2の内部6に構成する施工工程を説明する。先ず図27、図28に示すように、前記単位枠体102の6個を配設すべき部分において、前記下の横方向の突っ張り部材110を構成すると共に、その左右の連結部材21c,21cと中間の連結部材21dの夫々に、前記第1の押圧部材23,23,23を下向きに連結して単位下枠部材141を構成し、該第1の押圧部材23,23,23の前記押圧当接部7,7,7の下端の当接面79,79,79を前記底版部10の上面26に当接させる。且つ、水平方向で逆向きに連結されている前記第1の押圧部材23,23の前記押圧当接部7,7の先端の当接面79,79を前記側壁部11,11の内側面29,29に当接させ、前記調節ネジ軸70を適宜回転操作して、該下の横方向の突っ張り部材110を対向する側壁部11,11間に所要の突っ張り状態とし、前記ロックナット71を締め付けて該突っ張り状態を固定する。
【0066】
又、前記端部枠体101を配設すべき部分において、図27、図32に示すように、前記横部材42aの両端に連結部材21c,21dを連結すると共に該連結部材21,21に前記第1の押圧部材23,23を下向きに連結して端部下枠部材142を構成し、該第1の押圧部材23,23の前記押圧当接部7,7の下端の当接面79,79を前記底版部10の上面26に当接させる。これによって、端部下枠部材142を構成する。
【0067】
このように構成された前記単位下枠部材141の全ての下の横方向の突っ張り部材110と、該端部下枠部材142の該横部材42aは水平状態を呈し且つ同一高さに位置する。
【0068】
そして、かかる並設状態の単位下枠部材141,141,141,141,141、141及び、端部下枠部材142を構成する各部の連結部材21の貯水槽の延長方向F3での配置状態は、図27に示すように、水平方向で重なる配置状態となされている。このようにして配設された連結部材の群を1段目の連結部材群21Aという。従って、該1段目の連結部材群21Aに関し、孔心を共通にして水平連通状態にある連通繋ぎ孔126(図27)が3列形成される。その後、図27に示すように、該連通繋ぎ孔126,126,126の夫々に横方向の前記直線状繋ぎ杆22,22,22を挿通状態とする。そして前記と同様の要領で、該直線状繋ぎ杆22を前記連結部材21に固定する(図24〜25)。これによって、補強構造1のベース枠部143が構成されることになる。
【0069】
その後、図29に示すように、前記各単位下枠部材141について、左右の連結部材21c,21cの夫々に、前記縦部材41bの下の第1の連結部20を連結すると共に、該縦部材41b,41bの上の第1の連結部20,20を前記連結部材21a,21aに連結する。然る後、前記傾斜枠部材115の両端の第1の連結部20,20を、前記中間の連結部材21dと、前記縦部材41bの上端の連結部材21aに夫々連結する。又図29に示すように、左右の連結部材21c,21cと、前記傾斜枠部材115を構成する前記中間の連結部材21eとを、前記傾斜繋ぎ部材117で連結する。これによって、前記下の横方向の突っ張り部材110の両側部分の上側に、互いに隣り合う直角三角形状の三角形枠部123a,123aが設けられると共に該三角形枠部123aは、前記傾斜繋ぎ部材117によって上下の三角形枠部123,123に分割されている。
【0070】
そして前記端部下枠部材142については、図33に示すように、前記外側の連結部材21cに前記縦部材41bの下の第1の連結部20を連結すると共に、該縦部材41bの上の第1の連結部20を前記上の連結部材21aに連結する。又図33に示すように、前記傾斜枠部材115の両端の第1の連結部20,20を、前記内側の連結部材21dと前記上の連結部材21aに連結すると共に、前記外側の連結部材21cと、前記傾斜枠部材115を構成する前記中間の連結部材21eとを、前記傾斜繋ぎ部材117で連結する。これによって、前記横枠部材42aの上側に、直角三角形状の三角形枠部123aが形成されると共に該三角形枠部123aは、前記傾斜繋ぎ部材117によって上下の三角形枠部123,123に分割されている。又、前記内側の連結部材21dに前記傾斜部材116bの下の第1の連結部20を連結すると共に、該傾斜部材116bの上の第1の連結部20を上の連結部材21eに連結する。又、同高さにある前記中間の連結部材21eと該上の連結部材21eとを、水平繋ぎ部材128で連結する。これによって、前記下の三角形枠部123に隣り合わせて三角形枠部124が形成される。
【0071】
このようにして、2段目の連結部材群21Bと3段目の連結部材群21Cを形成すると、該2段目の連結部材群21Bと該3段目の連結部材群21Cに関し、孔心を共通にして水平連通状態にある連通繋ぎ孔126が形成される。その後、該連通繋ぎ孔126の夫々に横方向の前記直線状繋ぎ杆22を挿通状態とし、前記と同様の要領で、該直線状繋ぎ杆22を前記連結部材21に固定する。これによって、補強枠体5の下側枠部145が構成されることになる。
【0072】
その後、図30、図34に示すように、このように構成された下側枠部145と上下対称の形態で上側枠部146を構成する。そして、上下対向する傾斜枠部材115,115の前記中間の連結部材21e,21e、21e、21e相互を前記垂直繋ぎ部材119で連結する。これによって、4段目の連結部材群21Dと5段目の連結部材群21Eが形成される。該4段目の連結部材群21Dと該5段目の連結部材群21Eに関し、孔心を共通にして水平連通状態にある連通繋ぎ孔126が形成される。その後、該連通繋ぎ孔126の夫々に横方向の前記直線状繋ぎ杆22を挿通状態とし、前記と同様の要領で、該直線状繋ぎ杆22を前記連結部材21に固定する。そして、前記内側4隅に位置する直線状繋ぎ杆22,22,22,22の両端に、図2、図4〜5に示すように、前記第2の押圧部材25,25を前記と同様の要領によって連結する。又、図31に示すように、左右に位置する前記3段目の連結部材群21Cのうち、前記側方部100(図2)に存するものを除いて、夫々の連結部材21aに、水平方向で逆向きに、前記第1の押圧部材23,23の第1の連結部20を連結し、該第1の押圧部材23,23の前記押圧当接部7,7の外端部の当接面79,79を前記側壁部11,11の内側面29,29に当接させる。そして、上下の押圧当接部7,7と左右の押圧当接部7,7を所要の突っ張り状態とし、前記ロックナット71を締め付けて、上下方向、左右方向の突っ張り状態を固定する。これによって、図31に示すように、前記補強構造1が構成されることになる。
【0073】
前記のようにして補強枠体5を構成する際、図29に一点鎖線で示し、又図36に拡大して示すように、前記下側枠部145を構成する内側の平行する2本の直線状繋ぎ杆22a,22aに足場用部材147の両端部分149,149を載置することにより足場150を構成できるため、高さの高い貯水槽2の補強構造1を構成する場合、作業者は、両端部分149,149が安定状態に支持された該足場150に乗って前記作業路12を移動でき、該足場150に乗って高所作業を行ない得るため、前記上側枠部146の組立てを容易に行なうことができる。又、前記夫々の第1の押圧部材23の押圧力の調整作業を該足場150に乗って容易に行なうことができる。そして、所要の組み立て作業が完了した後、前記足場用部材147を取り外すことによって、図2に示すような補強構造1を構成できることとなる。
【0074】
又、このようにして補強構造1を構成した後において、貯水槽2の内部を点検したりその内部の補修が必要となったときは、前記作業路12を作業者が容易に移動できると共に、単位枠体102が比較的大きな間隔を置いて並設されると共に、各部における上下の直線状繋ぎ杆22,22の間の間隔も比較的大きいことから、作業者が、各部における直線状繋ぎ杆22,22間を適当に移動することもできる。これらによって、かかる点検作業や補修作業を比較的容易に行なうことができる。
【実施例2】
【0075】
図37〜41は補強構造1の他の実施例を示すものであり、頂版部9と底版部10との間で突っ張り状態となる縦方向の突っ張り部材103と、対向する側壁部11,11間で突っ張り状態となる横方向の突っ張り部材110を、図37〜38、図41に示すように、貯水槽2の横断面で見て格子状に配設すると共に、図40に示すように、貯水槽2の縦断面で見て格子状に配設した構成を有しており、マンホール部17と集水ピット18が上下対向状態で設けられてなる取水部分99においては、図37に示すように、該縦方向の突っ張り部材103と横方向の突っ張り部材110が省略されている。
【0076】
より具体的には、単位枠体102の5個を貯水槽2の延長方向F3に所要間隔で配設すると共に、前記取水部分99の側方部100に端部枠体101を配設してなる。
【0077】
前記単位枠体102は、本実施例においては図38〜39に示すように、貯水槽2の頂版部9と前記底版部10との間に突っ張り状態で配設される縦方向の突っ張り部材103の4本を貯水槽2の延長方向と直交する方向(左右方向)F2に等間隔を置いて(例えば700mmの間隔を置いて)並設すると共に、対向する側壁部11,11間に突っ張り状態に配設される横方向の突っ張り部材110の3本を等間隔を置いて(例えば1050mmの間隔)配設して全体が一体化されてなるものである。
【0078】
前記縦方向の突っ張り部材103は、図38に示すように、上下方向に一直線状を呈しており、図7(A)に示す縦部材41と同様の構成を有する長さの長い上下の縦部材41a,41b相互を前記連結部材21を介して連結すると共に、該上の縦部材41aの上端及び下の縦部材41bの下端に前記連結部材21,21を連結してなり、上下の連結部材21,21の夫々に、上下方向で逆向きに前記第1の押圧部材23,23を連結した構成を有している。前記上下の縦部材41a,41bは、例えば941mmの長さを有する
【0079】
又前記横方向の突っ張り部材110は、図38に示すように、対向する側壁部11,11間に突っ張り状態に配設されるものであり、水平方向に一直線状を呈している。該横方向の突っ張り部材110は、図7(A)に示す横部材42と同様の構成を有する長さの短いものであり、3本の横部材42,42,42が前記縦方向の突っ張り部材103を構成する前記連結部材21,21を介して一直線状に連結されると共に、その左右の端部に前記連結部材21,21が連結されている。そして該左右の連結部材21,21夫々に、水平方向で見て逆向きに前記第1の押圧部材23,23が連結されている。前記横部材42は591mmの長さを有する。
【0080】
図37に示すように、かかる構成を有する単位枠体102の5個が、貯水槽2の延長方向F3に等間隔を置いて(例えば1000mmの間隔を置いて)並設されると共に、前記側方部100において、前記端部枠体101が配設される。
【0081】
前記端部枠体101は、図39に示すように、前記単位枠体102を基本として構成されており、前記取水部分99が存する部分では枠部分が省略されている。具体的には、前記右の縦方向の突っ張り部材103と、これに連結される2本の横部材42,42と、水平方向に突出する3本の第1の押圧部材23,23,23とが省略され、縦方向の突っ張り部材103の3本が等間隔で配設されると共に、これらを、横枠部材151で上下3段に連結した構成を有している。又、上方向に突出する3本の第1の押圧部材23,23,23は、前記マンホール部17の側方において、前記頂版部9の下面27に当接状態となされており、下方向に突出する3本の第1の押圧部材23,23,23は、前記集水ピット18の側方において、前記底版部10の上面26に当接状態となされている。
【0082】
このように単位枠体102と端部枠体101が並設された状態で、各部に配置されている連結部材21の配置状態は、図40〜41に示すように、端部に位置する単位枠体102aの各連結部材21と、水平方向で重なる配置状態となされている。従って、孔心を共通にして水平連通状態にある連通繋ぎ孔126が12列が形成される。
【0083】
然して、並設された単位枠体102と端部枠体101の全体は、該連通繋ぎ孔126の列の夫々について、図40〜41に示すように、直線状繋ぎ杆22が各連通繋ぎ孔126に挿通されている。本実施例においては、図41に示すように、平面視で、中央の2列の連通繋ぎ孔列126A,126Bに関しては、図14に示すと同様にして、該直線状繋ぎ杆22の端部分24を、前記第2の押圧部材25の前記連結筒部89に挿通すると共に、該連結筒部89の前記止着ネジ93と前記固定筒体129の止着ネジ131を締め付ける。これによって、該第2の押圧部材25が該直線状繋ぎ杆22の両端に、貯水槽の延長方向で見て外方に突出するように連結されている。該第2の押圧部材25,25の配設部位は、貯水槽の必要な補強を考慮して所要に設定される。なお、該直線状繋ぎ杆22と各連結部材21との連結状態は、図24や図25に示すと同様である。
【0084】
これによって、三次元形態を呈する補強枠体5と、上下左右の押圧当接部7を構成する前記第1、第2の押圧部材23,25とからなる補強構造1が構成される。かかる構成の補強構造1によるときは、上下方向F1の所要の突っ張り作用と左右方向F2の所要の突っ張り作用とによって、老朽化した地中埋設の前記貯水槽2を内側から効果的に補強できる。該押圧当接部7による、前記頂版部9と前記底版部10との間の突っ張り力及び、前記左右方向F2で対向する側壁部11,11間の突っ張り力、前記延長方向F3で対向する側壁部11,11間の突っ張り力は、前記押圧当接部7で支持される被支持部における必要な補強強度を考慮し、前記第1の押圧部材23の前記調節ネジ軸70の突出長さを調整して所要に設定する。これにより、該貯水槽2の耐力を向上させて貯水槽の破壊を防止できる。又、貯水槽内の貯留水の漏水を抑制できて、該老朽化した貯水槽の使用期間を延長させ得ることとなる。なお、このように補強枠体5を構成するときも、隣り合う縦方向の突っ張り部材103,103間や、隣り合う横方向の突っ張り部材110,110間に比較的大きな間隙を構成することによって、かかる間隙を作業者が移動可能であるため、貯水槽内部の点検や貯水槽内部の補修が可能である。
【0085】
老朽化した前記貯水槽2の各部における配筋状態(鉄筋の有無や密度等)や貯水槽の内部状況(クラックの発生状態等)を考慮し、地震時の振動等によってクラックが拡張して漏水の恐れがある場合は、前記と同様にして、頂版部の下面を除く貯水槽の内面に前記防水塗膜136(図26)を形成するのがよい。
【0086】
図42〜45は、補強構造1のその他の実施例を示すものであり、三次元形態を呈する補強枠体5に、上下の押圧当接部7,7が設けられている。該補強構造1は、単位枠体102の多数を貯水槽の延長方向F3に略等間隔で並設すると共に、該並設された単位枠体102の全体を横方向の直線状繋ぎ杆22で連結した場合を示している。本実施例においては、上下対向して設けられたマンホール部17と集水ピット18とからなる取水部分99が貯水槽2の一端側寄りに設けられており、前記単位枠体102は、図44に示すように、該取水部分99を跨いで並設されている。
【0087】
前記単位枠体102は本実施例においては図42〜43に示すように、縦方向の突っ張り部材103が、貯水槽の延長方向F3と直交する方向に間隔を置いて配設されると共に、横方向の突っ張り部材110が、上下に間隔を置いて配設されており、これらによって正方形状枠が構成されるようになされている。そして、該縦方向の突っ張り部材103は、前記貯水槽2の頂版部9と底版部10との間に突っ張り状態で配設されており、上下方向に一直線状を呈している。該縦方向の突っ張り部材103は、前記と同様構成の縦部材41の上下端に連結部材21,21が連結されると共に、該上下の連結部材21,21の夫々に、前記第1の押圧部材23,23が、上下方向で逆向きに突出するように連結されている。
【0088】
又、前記横方向の突っ張り部材110は、対向する側壁部11,11に突っ張り状態に配設されており、水平方向に一直線状を呈している。該横方向の突っ張り部材110は、隣り合う上の連結部材21,21相互、下の連結部材21,21相互を夫々、前記と同様構成の横部材42,42で連結すると共に、上下の連結部材21,21に、前記第1の押圧部材23,23を水平方向で逆向きに突設して構成されている。又本実施例においては図42〜43に示すように、対角位置にある上下の連結部材21,21相互を、前記と同様構成の傾斜部材43で連結することにより該単位枠体102が補強されている。
【0089】
そして、このように単位枠体102と端部枠体101が並設された状態で、各部に配置されている連結部材21の配置状態は、図44〜45に示すように、端部に位置する単位枠体102aの各連結部材21と、水平方向で重なる配置状態となされている。従って、孔心を共通にして水平連通状態にある連通繋ぎ孔126が4列が形成される。
【0090】
然して、並設された単位枠体102と端部枠体101の全体は、該連通繋ぎ孔126の列の夫々について、直線状繋ぎ杆22が各連通繋ぎ孔126に挿通されている。そして図14に示すと同様にして、各直線状繋ぎ杆22の両端部分24,24は、前記第2の押圧部材25の前記連結筒部89内に挿入されると共に、該連結筒部89の前記止着ネジ93と前記固定筒体129の止着ネジ131が締め付けられることによって、各直線状繋ぎ杆22の両端に第2の押圧部材25,25が、水平方向逆向きに突出する如く連結されている。なお、該直線状繋ぎ杆22と各連結部材21との連結状態は、図24や図25に示すと同様である。
【0091】
かかる構成を有する補強構造1は、前記第1、第2の押圧部材23,25を介し、上下方向の所要の突っ張り作用と左右方向の所要の突っ張り作用とによって、老朽化した地中埋設の前記貯水槽2を内側から効果的に補強できる。
【0092】
図46は、貯水槽2が中間の隔壁部152によって左右の貯水槽部153,153に二分割され且つ、該左右の貯水槽部153,153が該隔壁部152に設けられた連通孔(図示せず)を介して連通されている場合における該貯水槽の補強構造1を示すものである。この場合は例えば図46に示すように、横方向の直線状繋ぎ杆22の適宜のものの端部分に連結される第2の押圧部材25,25が、前記側壁部11と前記隔壁部152との間で突っ張り状態となされる。
【実施例3】
【0093】
図47〜52は、現場打ち施工によって構築されてなる老朽化した円筒状の貯水槽2に本発明に係る補強構造1を応用した場合を示すものであり、該補強構造1は、単位枠体102の5個を該貯水槽2内で上下方向に略等間隔で並設すると共に、該並設された単位枠体102の全体を縦方向の直線状繋ぎ杆22で連結してなる。
【0094】
前記単位枠体102は、本実施例においては図49に示すように、平面視で、2つの正方形状枠156,156が周方向に45度位置ずれして組み合わされており、該2つの正方形状枠156,156の一辺157の長さは等しく設定されている。そして該一辺157を構成する直線状枠部材159は、前記構成を有する直線棒状支持杆3の3本を前記連結部材21,21で連結して構成されると共に、夫々の正方形状枠156,156の角部には前記連結部材21が配置され、直交する直線状枠部材159,159の端部相互は連結部材21を介して連結されている。従って、2つの正方形状枠156,156は、その4つの角部に連結部材21を有している。
【0095】
又、その内の一つの正方形状枠156aの内部は、直交する直線状枠部材159a,159bの夫々と平行する第1の直線状枠部材159cと第2の直線状枠部材159dとによって格子状に分割されている。該第1の直線状枠部材159cと第2の直線状枠部材159dは、共に、前記構成を有する直線棒状支持杆3の3本を前記連結部材21,21を介して連結してなる直線状を呈しており、その両端は、対向する前記直線状枠部材159a,159bの有する対向する連結部材21,21に連結されている。又、中央に位置する格子目160は対角線状枠部材161,161で連結されており、該対角線状枠部材161,161は、連結部材21を共通に用いて連結されている。そして、前記2つの正方形状枠156,156の、全ての角部に配置されている前記連結部材21には、前記第1の押圧部材23が、円筒形状を呈する前記貯水槽2の半径方向(水平方向)に突出する如く前記連結部材21に連結されており、図51に示すように、その押圧当接部7の当接面79が前記貯水槽2の円形内周面162に当接する如くなされている。
【0096】
そして、かかる単位枠体102の5個が上下方向で並設された状態で、各部に配置されている連結部材21の配置状態は、図50に示すように、上端に位置する単位枠体102aの各連結部材21と、上下方向で重なる配置状態となされている。従って、孔心を共通にして上下連通状態にある連通繋ぎ孔126が20列が形成される。
【0097】
然して、並設された単位枠体102の全体は、該連通繋ぎ孔126の列の夫々について、縦方向の直線状繋ぎ杆22が各連通繋ぎ孔126に挿通されている。そして図14に示すと同様にして、各直線状繋ぎ杆22の両端部分24,24が、前記第2の押圧部材25の前記連結筒部89内に挿入されると共に、該連結筒部89の前記止着ネジ93と前記固定筒体129の止着ネジ131が締め付けられることによって、各直線状繋ぎ杆22の両端に第2の押圧部材25,25が上下方向逆向きに突出する如く連結されている。なお、該直線状繋ぎ杆22と各連結部材21との連結状態は、図24や図25に示すと同様である。
【0098】
これによって、図51に示すように、前記第1、第2の押圧部材23,25の前記調節ネジ軸70の螺合状態を所要に調整した後に前記ロックナット71を締め付けることにより、図48〜49に示すように、前記貯水槽2の内部に、三次元形態を呈し且つ周囲部分にトラス構造部125が配設されてなる補強枠体5を構成できる。従って図47〜51に示すように、上下の押圧当接部7,7が、前記貯水槽2の頂版部9と底版部10との間に所要の突っ張り状態となると共に、半径方向(水平方向)に突出する対向する押圧当接部7,7が、対向する側壁部(円弧状を呈している)11,11間に突っ張り状態となる。かかる上下方向の所要の突っ張り作用と水平方向の所要の突っ張り作用によって、老朽化した地中埋設の前記貯水槽2を内側から効果的に補強できる。
【0099】
図53〜57は、円筒形状の貯水槽2を補強する補強構造1の他の実施例を示すものであり、単位枠体102の複数を貯水槽2内で上下方向に所要間隔で並設すると共に、該並設された単位枠体102の全体を縦方向の直線状繋ぎ杆22で連結してなる三次元形態を呈し且つ、周囲部分にトラス構造部125が配設されてなる補強枠体5を具えている。そして前記と同様にして、上下の押圧当接部7,7が前記貯水槽2の頂版部9と底版部10との間に所要の突っ張り状態となると共に、半径方向に突出する対向する押圧当接部7,7が対向する側壁部11,11間に突っ張り状態となるように、前記と同様構成の第1、第2の押圧部材23,25が該補強枠体5に設けられている。かかる上下方向の所要の突っ張り作用と水平方向の所要の突っ張り作用によって、老朽化した地中埋設の前記貯水槽2を内側から効果的に補強できる。
【実施例4】
【0100】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0101】
(1) 図58〜59は、前記連結部材21の他の構成を示すものであり、図58(A)では正方形板状の連結板45を以て構成され、図59(A)では正六角形板状の連結板45を以て構成され、図59(B)では正十角形板状の連結板45を以て構成され、図59(C)では正12角形板状の連結板45を以て構成され、図59(D)では正14角形板状の連結板45を以て構成され、図59(E)では正16角形板状の連結板45を以て構成されている。そして、これらの連結部材21の夫々において、連結板45の各辺32の中央点163と連結板45の中心165とを結んだ線(図58(A)で一点鎖線で示す)168上において円形同心で円形の連結孔50が設けられると共に、該連結板45の中央部分には、前記と同様構成の直線状繋ぎ杆22を挿通させるための繋ぎ孔51が設けられている。
【0102】
前記連結部材21の夫々の連結孔50には、例えば図58(B)(C)(D)に示すように、前記直線棒状支持杆3の前記第1の連結部20が連結される。該第1の連結部20は、コ字状部材30を以て構成されており、図58(B)(C)(D)に示すように、対向する挾持片33,33間に形成される挿入溝部35内に前記連結板45の縁側の部分55を挿入した状態において、前記各辺32が形成する平坦な規制当接面53が前記挿入溝部35の平坦な溝底面56と当接した状態となり、この状態で、前記挿通孔40,40が前記連結孔50と同心に連通状態となって連通孔57が形成されるようになされている。そして図58(C)に示すように、該連通孔57に、前記と同様にしてボルト59のネジ軸部60を挿通させると共にナット62を螺合し締め付けることによって、前記第1の連結部20が前記連結部材21に連結されるようになされている。この連結状態で図58(B)(C)(D)に示すように、平坦な溝底面56が平坦な規制当接面53と当接状態となるため、該第1の連結部20が該ボルト59の軸線回りに回転せず、前記連結部材21に対する前記直線棒状支持杆3の連結状態が一義的に定まり、連結状態が安定的に保持される。
【0103】
図8、図59(A)、図59(B)、図59(C)、図59(D)、図59(E)に示す連結部材21は、例えば図53〜57に示す円筒形状の貯水槽2の補強構造1を構成するために用いることができる。図8に示す正八角形板状の連結部材21は図48に示す補強構造1で用いられており、図59(A)に示す正六角形板状の連結部材21は、図53に示す補強構造1で用いられており、図59(B)に示す正10角形板状の連結部材21は図54で示す補強構造1で用いられている。又、図59(C)に示す正12角形板状の連結部材21は図55に示す補強構造1で用いられており、図59(D)に示す正14角形板状の連結部材21は図56で示す補強構造1で用いられており、図59(E)に示す正16角形板状の連結部材21は図57に示す補強構造1で用いられている。
【0104】
図60〜61に示す連結部材21は、円形板状の連結板45を以て構成され、同心円上で且つ等角度ピッチで、円形の連結孔50の4個(図60(A))、6個(図61(A))、8個(図61(B))、10個(図61(C))、12個(図61(D))、14個(図61(E))、16個(図61(F))が設けられており、該連結板45の中央部分には、前記と同様構成の直線状繋ぎ杆22を挿通させるための繋ぎ孔51が設けられている。この場合も、図58に示す場合と同様にして、前記直線棒状支持杆3の前記第1の連結部20が連結される。この連結に際しては、図60(B)(C)(D)に示すように、コ字状部材30を以てなる前記第1の連結部20の前記挿入溝部35内に前記円板状の連結板45の縁側の部分55を挿入させ、円弧状を呈する規制当接面53が、前記挿入溝部35の溝底面(円弧状を呈する)56と当接状態とし、前記挿通孔40,40を前記連結孔50と同心の連通状態として連通孔57を形成する。この状態で、該連通孔57に、前記と同様にしてボルト59のネジ軸部60を挿通させると共にナット62を螺合し締め付けて、前記第1の連結部20を前記連結部材21に連結する。この連結状態で、図60(B)(C)(D)に示すように、円弧状の溝底面56が円弧状の規制当接面53と当接状態となるため、該第1の連結部20が該ボルト59の軸線回りに回転せず、前記連結部材21に対する前記直線棒状支持杆3の連結状態が一義的に定まり、連結状態が安定的に保持される。
【0105】
(2) 図62〜63は、前記第1の連結部20の他の態様を示すものであり、前記と同様に構成されたコ字状部材30の両挾持片33,33に、前記連結板45に設けた複数の連通孔50と位置合わせして複数の挿通孔40が設けられている。図62(B)(C)(D)に示すように、該連結板45と該第1の連結部20に設けられている複数の連結孔50と複数の挿通孔40とを合致させて形成した連通孔57の夫々にボルト59を挿通させてナット62を螺締すれば、図62(C)に示すように、挿入溝部35の前記溝底面56と前記規制当接面53とを当接させない場合であっても、直線棒状支持杆3の第1の連結部20を連結部材21に、相対回転しないように連結できることとなる。又、このように複数本のボルト59を用いて連結する場合は、地震発生時等において、該連結部分に圧縮荷重だけでなく引っ張り荷重が作用するときに、かかる引っ張り荷重に対しても良好に抵抗できる。
【0106】
(3) 前記連結部材21は、直線棒状支持杆3の第1の連結部20と直線状繋ぎ杆22とを連結させ得る各種構成のものを採用できる。
図64は、前記連結部材21のその他の態様を示すものであり、前記直線棒状支持杆3の筒状を呈する第1の連結部20に挿入させ得る連結突片165の複数が基板部166に放射状に突設されている。該連結突片165に貫設された連結孔50を、前記筒状の第1の連結部20に対向して設けられた挿通孔40,40とを合致させた状態で、図64(B)に示すように、ボルト59のネジ軸部60を挿通させてナット62で締め付けることにより該第1の連結部20を前記連結部材21に連結可能となされている。又、前記基板部166の中央部分には、前記直線状繋ぎ杆22を挿通させ得る繋ぎ孔51が設けられている。かかる構成の連結部材21と該直線状繋ぎ杆22とを連結するに際しては、本実施例においては図64(C)に示すように、前記繋ぎ孔51に、両側にネジ軸部167,167が設けられてなる繋ぎ軸169を挿通させることとしている。そして、該繋ぎ軸169の中央部分170を該繋ぎ孔51に位置させた状態で、前記基板部166の両側に突出するネジ軸部167,167を、前記直線状繋ぎ杆22の端部分の内周面に設けられているネジ孔部171に螺合させ締め付けることにより、図64(C)に示すように、両側の直線状繋ぎ杆22,22によって前記基板部166を両側から挾持した状態とし、これによって、前記連結部材21と前記直線状繋ぎ杆22とを連結するようになされている。
【0107】
図65は前記連結部材21のその他の態様を示すものであり、内周面に雌ネジ部172が設けられてなる中央筒部173の延長方向の中央部分の外周面に、周方向に90度の角度ピッチで、内周面に雌ネジ部175が設けられてなるネジ筒部176,176,176,176が放射状に突出する如く溶接されてなり、該放射状のネジ筒部176,176,176,176の夫々に、前記直線棒状支持杆3の端部分に設けられた、外周面に雄ネジ部が設けられてなるネジ軸部177(第1の連結部20)を螺合することにより該直線棒状支持杆3を該連結部材21に連結可能となされている。そして図65(B)に示すように、前記中央筒部173の両側部分のネジ筒部179,179に、直線状繋ぎ杆22の端部分に設けられたネジ軸部180を螺合することにより、該連結部材21を直線状繋ぎ杆22に連結可能となされている。
【0108】
図66は、前記連結部材21のその他の態様を示すものであり、両側にネジ軸部193,193が設けられてなる中央ネジ軸195と、内側にネジ孔部196が設けられると共に外側の端部分にネジ軸部197が設けられてなる両側の挾持連結筒199,199とを具えている。該連結部材21を用いて前記直線状繋ぎ杆22を連結部材21に連結するに際しては、複数の直線棒状支持杆3の板状の第1の連結部20を、相互間に座金200を介在させて配設する。その後、該第1の連結部20に設けられている挿通孔40と該座金200の通孔201に前記中央ネジ軸195を挿通させ、該中央ネジ軸195の両側のネジ軸部193,193の夫々を、前記挾持連結筒199の内側の前記ネジ孔部196に螺合し、該両側の挾持連結筒199,199を締め付けることによって、該挾持連結筒199,199と、板状の前記第1の連結部20の複数と、前記座金200の複数の全体とを一体化する。その後、前記挾持連結筒199の前記ネジ軸部197を、直線状繋ぎ杆22の端部分に設けられているネジ筒部202に螺合し締め付けると、該直線状繋ぎ杆22を連結部材21に連結できる。
【0109】
図67は、前記連結部材21が、前記直線状繋ぎ杆22の周面部に溶接により突設された複数の連結突片203を有して構成されており、該連結突片203に連結孔50が貫設されている。然して例えば図67(B)(C)に示すように、前記直線棒状支持杆3の端部に設けられたコ字状連結部材30を以てなる第1の連結部20の挿入溝部35に該連結突片203を挿入状態とし、該連結孔50と該コ字状連結部材30の両挾持片33,33に設けられた挿通孔40,40とを合致させて連通孔57を形成し、該連通孔57にボルト206のネジ軸部207を挿通させ且つネジ軸端部分209にナット210を螺合し締め付けることによって、前記直線棒状支持杆3を連結部材21に連結できる。
【0110】
図68は、前記直線状繋ぎ杆22の延長方向の所要部分211に連結孔212を貫設することによって該所要部分211を有して連結部材21を構成した場合を示すものであり、前記直線棒状支持杆3の端部に設けられたコ字状連結部材30を以てなる第1の連結部20の対向する挿通孔40,40を該連結孔212と位置合わせして連通孔213を形成し、該連通孔213にボルト215のネジ軸部216を挿通させ且つネジ軸端部分217にナット219を螺合し締め付けることによって、直線棒状支持杆3を連結部材(直線状繋ぎ杆22の所要部分)21に連結可能とした場合を示すものである。
【0111】
図69は連結部材21のその他の態様を示すものであり、前記直線状繋ぎ杆22の延長方向の所要部分220を両側から抱持するように構成された抱持片221,222を有して構成されている。該抱持片221,222は、半円弧状片223の両端に締付け片224,224を突設してなり、一方の抱持片221は直線棒状支持杆3の端部に固定されており、他方の抱持片222は独立部材として構成されている。然して、図69(B)(C)に示すように、前記直線状繋ぎ杆22の前記所要部分220を前記の両抱持片221,222で抱持すると共に、該抱持部分の両側において締付け片224,224相互、締付け片224,224相互を当接させ、且つ、当接状態にある締付け片224,224を夫々ボルト225,225とナット226とで固定することによって、両抱持片221,222からなる連結部材21を介して、直線棒状支持杆3の第1の連結部20を直線状繋ぎ杆22の所要部分としての前記連結部材21に連結できる。
【0112】
図70は、前記連結部材21のその他の態様を示すものであり、前記直線状繋ぎ杆22の外周面227に突設された軸部228の先端に同心に固定された、例えば円板状の当接連結板229を有して構成されている。該当接連結板229の周縁部分230には、周方向に所要ピッチでネジ孔231が並設されている。又、前記直線棒状支持杆3の端部にも同径の円板状の当接連結板232が固定されており、該当接連結板232の周縁部分233には、周方向に所要ピッチで挿通孔235が並設されている。然して図70(B)(C)に示すように、前記ネジ孔231と前記挿通孔235とを合致させて該両当接連結板229,232を当接させ且つ、該挿通孔235側から固定ネジ236を挿通し該ネジ孔231に螺合し締め付けることによって、該両当接連結板229,232を連結でき、これにより、直線棒状支持杆3の第1の連結部20を前記連結部材21に連結できる。
【0113】
図71は、例えば正八角形板状の連結板45を以てなる連結部材21に直線状繋ぎ杆22を連結するその他の態様を示すものであり、図24に示す固定筒体129,129に螺合された前記止着ネジ131が、その締め付けによって該直線状繋ぎ杆22の周面部189に設けたネジ孔182に螺合されるように構成した場合を示している。
【0114】
又図72は、前記固定筒体129に代えて、C字状固定部材183を用いる場合を示している。該C字状固定部材183は、C字状のバンド部185の両端に締付け片186,187を対向状態に突設してなり、一方の締付け片186に透孔189を設けると共に他方の締付け片187にはネジ孔190が設けられている。然して、図72(B)(C)に示すように、前記直線状繋ぎ杆22を前記連結部材21の繋ぎ孔51に挿通し且つ該連結部材21の両側に位置する繋ぎ杆部分191の夫々に前記C字状固定部材183,183を取り付け、両バンド部185,185が該連結部材21を挾持した状態となし、この状態で、前記透孔189を挿通した止着ボルト192を前記ネジ孔190に螺合し締め付けることによって、前記直線状繋ぎ杆22を連結部材21に連結できる。
【0115】
(4) 図73、図74は、前記第1の押圧部材23、第2の押圧部材25の他の態様の一部を示すものであり、円板状を呈する押圧当接部7の一面側の中央部分において、内周面に雌ネジ部237が設けられてなるネジ筒部239を突設した構成を有しており、前記直線棒状支持杆3又は前記直線状繋ぎ杆22の端部分のネジ軸部240を、該ネジ筒部239に螺合可能となされている。そして、該ネジ筒部239を所要に回転させることにより、該押圧当接部7が、前記頂版部9の下面27や底版部10の上面26、側壁部11の内側面29を所要の押圧力で押圧するようになされている。この所要の押圧状態は、図73に示すように、ロックナット71を締め付けることによってロックできる。或いは図74に示すように、前記ネジ筒部239に設けられた係合孔241を、前記ネジ軸部240にその延長方向に設けられた係合溝241に位置合わせして後、該係合孔241を挿通するノックピン242を該係合溝241に打ち込むことによりロックできる。
【0116】
図75は、前記押圧当接部7を円板状に構成すると共にその一面側の中央部分にネジ軸部243を突設してなり、該ネジ軸部243を、前記直線棒状支持杆3又は前記直線状繋ぎ杆22の端部分のネジ筒部245に螺合可能としてなり、該ネジ軸部243を所要に螺合して前記押圧当接部7の押圧力を所要に設定した後、該ネジ軸部243に螺合されているロックナット71を締め付けることによって、該押圧当接部7の押圧状態をロック可能となされている。
【0117】
(5) 前記直線棒状支持杆3の第1の連結部20と前記連結部材21との連結は、前記ボルトを用いて行なうことの他、該連結を確実に行ない得るものであれば、ピン等の軸状物を用いて行なうものであってもよい。更には、溶接によることもできる。
【0118】
(6) 図76は、前記直線棒状支持杆3や直線状繋ぎ杆22の断面形態の他の態様を示すものであり、図76(A)はH型鋼を用いて構成した場合を示し、図76(B)はL型鋼を用いて構成した場合を示し、図76(C)はC型鋼を用いて構成した場合を示し、又図76(D)は、角形鋼管を用いて構成した場合を示している。
【0119】
(7) 前記直線棒状支持杆3や前記連結部材21、前記直線状繋ぎ杆22は、防錆処理の施された鋼製や、ステンレス製、セラミック製とされることもある。
【0120】
(8) 本発明は、前記したように、前記補強枠体5の上下に設けられた上下の押圧当接部7,7が該貯水槽2の頂版部9と底版部10との間に突っ張り状態で配設され、該上の押圧当接部7が該頂版部9に突っ張り力を付与すると共に該下の押圧当接部7が該底版部10に突っ張り力を付与するようになされている。且つ、該補強枠体5の水平方向で見た両側に設けられてなる両側の押圧当接部7,7が該貯水槽2の対向する側壁部11,11間に突っ張り状態に配設され、該押圧当接部7が該側壁部11に突っ張り力を付与するようになされるものである。
【0121】
ここに、上下の押圧当接部7,7が該貯水槽2の頂版部9と底版部10との間に突っ張り状態で配設されるとは、上下の押圧当接部7,7が正しく上下対向するのが最も好ましいが、上下の押圧当接部7,7による荷重の支持が不安定化しない限り、位置ずれすることもある。又、水平方向で見た両側に設けられてなる両側の押圧当接部7,7が該貯水槽2の対向する側壁部11,11間に突っ張り状態に配設されるとは、両側の押圧当接部7,7が水平方向で見て正しく対向するのが最も好ましいが、両側の押圧当接部7,7による荷重の支持が不安定化しない限り、位置ずれすることもある。
【0122】
(9) 前記貯水槽2の頂版部9の下面27や底版部10の上面26、側壁部11の内側面29に当接して突っ張り力を付与する押圧当接部7の配置状態は、貯水槽2の各部の鉄筋密度やコンクリートの劣化の程度等、対象とする貯水槽の劣化状況を考慮し適宜に設定されるものである。
【0123】
例えば図77の上下部分に示すように、図3に示す場合において、上下の前記横部材42a,42b、42a,42bの中間において連結部材21pを更に配置すると共に、該連結部材21pに前記第1の押圧部材23を連結することによって、前記頂版部9と前記底版部10との間に縦方向の突っ張り部材103が配設された状態とすることがある。この場合、図77に示すように、該連結部材21pと、その直上の前記連結部材21eとを縦部材41cで連結することもある。又、例えば図77の左側に示すように、縦方向の突っ張り部材103の所要の縦部材41bの中間において前記連結部材21qを更に配置すると共に該連結部材21qに前記第1の押圧部材23を連結することによって、対向する側壁部11,11間に菱形状枠部244等の枠部を介して左右の押圧当接部7,7を突っ張り状態で配設することもある。この場合、図77に示すように、該連結部材21qとその右側に位置する前記連結部材21eとを横部材42dで連結することもある。
【0124】
(10)本発明が補強の対象とする貯水槽2は、プレキャストコンクリートブロックを組み立てて構築したものであってもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 補強構造
2 貯水槽
3 直線棒状支持杆
5 補強枠体
6 内部
7 押圧当接部
9 頂版部
10 底版部
11 側壁部
12 作業路
13 上側部分
15 下側部分
17 マンホール部
18 集水ピット
20 第1の連結部
21 連結部材
22 直線状繋ぎ杆
23 第1の押圧部材
25 第2の押圧部材
26 上面
27 下面
29 内側面
30 コ字状部材
35 挿入溝部
40 挿通孔
50 連結孔
51 繋ぎ孔
53 規制当接面
56 溝底面
57 連通孔
63 筒状連結部材
65 ネジ軸押圧部材
67 第2の連結部
70 調節ネジ軸
88 第3の連結部
99 取水部分
100 側方部
101 端部枠体
102 単位枠体
103 縦方向の突っ張り部材
110 横方向の突っ張り部材
126 連通繋ぎ孔
136 防水塗膜
139 保護材
147 足場用部材
150 足場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート製の貯水槽の内部を補強する補強構造であって、直線棒状を呈する直線棒状支持杆を所要に連結して構成された三次元形態を呈する補強枠体が該貯水槽の内部に収容されており、該補強枠体の上下に設けられた上下の押圧当接部が該貯水槽の頂版部と底版部との間に該補強枠体を介して突っ張り状態で配設され、該上の押圧当接部が該頂版部に突っ張り力を付与すると共に該下の押圧当接部が該底版部に突っ張り力を付与するようになされており、且つ、該補強枠体の水平方向で見た両側に設けられた両側の押圧当接部が該貯水槽の対向する側壁部間に該補強枠体を介して突っ張り状態で配設され、該押圧当接部が該側壁部に突っ張り力を付与するようになされていることを特徴とする貯水槽の補強構造。
【請求項2】
前記補強枠体は、その内部に、前記貯水槽の延長方向に延長して作業者の移動を可能とする作業路が設けられていることを特徴とする請求項1記載の貯水槽の補強構造。
【請求項3】
前記補強枠体は、その内部に、前記貯水槽の延長方向に延長して作業者の移動を可能とする作業路が設けられており、該作業路の上側部分は、前記直線棒状支持杆を、上に突のV字状を呈する如く連結して構成されると共に、該作業路の下側部分は、前記直線棒状支持杆を、下に突のV字状を呈する如く連結して構成されていることを特徴とする請求項1記載の貯水槽の補強構造。
【請求項4】
前記補強枠体は、前記直線棒状支持杆相互を連結部材を介して所要に連結して構成された単位枠体が前記貯水槽の延長方向に所要間隔を置いて並設されると共に、該連結部材には、前記延長方向に延長する直線状繋ぎ杆を挿通させ得る繋ぎ孔が設けられており、下に突のV字状を呈する前記下側部分のV字の両上端は前記連結部材に連結されており、該両上端に存する連結部材に設けられている両上端の繋ぎ孔は夫々、前記延長方向で見て、孔心を共通にして水平連通状態にあり、該2列の連通繋ぎ孔の夫々に前記直線状繋ぎ杆が水平状態に挿通されており、該2本の直線状繋ぎ杆は、足場用部材の両端部分を下方から支持できることを特徴とする請求項3記載の貯水槽の補強構造。
【請求項5】
前記補強枠体は、前記直線棒状支持杆と、該直線棒状支持杆相互を連結する連結部材とを具えており、該連結部材は、多角形板状の連結板を以てなり、該連結板の外周面には、長方形状又は正方形状を呈する平坦な規制当接面が設けられると共に、該連結板の中心と各辺の中央点とを結んだ線上において、同心円状で、円形の連結孔が設けられており、又、該直線棒状支持杆の端部にコ字状部材を以てなる第1の連結部が設けられており、該コ字状部材は、対向する挾持片間に形成された挿入溝部の平坦な溝底面が前記規制当接面に当接した状態で、該両挾持片の夫々に同心に設けられている挿通孔と前記連結孔とが連通状態となされ、該連通する連通孔に、前記両挾持片の一方側からボルトのネジ軸部が挿通されると共に他方の挾持片から突出したネジ軸部分にナットが螺合され締め付けられることによって前記第1の連結部を前記連結部材に連結させ得ることを特徴とする請求項1記載の貯水槽の補強構造。
【請求項6】
前記連結部材は正八角形板状を呈することを特徴とする請求項5記載の貯水槽の補強構造。
【請求項7】
前記補強枠体に設けられている前記押圧当接部は、長さ調整可能な押圧部材の先端部分に設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の貯水槽の補強構造。
【請求項8】
前記貯水槽の前記側壁部の内側面及び前記底版部の上面の全体又は所要部位に、弾性伸縮性を有する防水塗膜が形成されており、前記押圧当接部は、該防水塗膜を覆う保護材の表面に当接されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の貯水槽の補強構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【公開番号】特開2012−67582(P2012−67582A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161039(P2011−161039)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000137074)株式会社ホクコン (40)
【Fターム(参考)】