説明

貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法及び石炭混合燃料

【課題】石炭パイルの表面や揚運炭設備の乗継建屋のシュートで石炭の表面に藻類を含有する散布液を散布することにより、石炭の表面に付着した藻類と散布液中の水とで、石炭パイルへの空気の通気を抑制し、石炭の酸化を防ぐことで品質劣化や自然発火を防ぐと共に、発塵を防ぐことが可能な貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法を提供する
【解決手段】貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法であって、貯炭場の石炭パイルへ散水する散布液に藻類の濃度が0.5万〜1×10万細胞/mLである貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯炭場の石炭パイルの自然発火や発塵の防止方法及び石炭混合燃料に関する。更に詳しくは、発電所、製鉄所、鉱山等の貯炭場に山積された石炭パイルなどにおいて、石炭が空気中の酸素を吸収する酸化反応で起こる発熱による自然発火や発塵の防止方法及び石炭混合燃料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、稼働中の火力発電所における使用燃料は約45%が石炭、残りがLNG、石油となっている。発電所等において、石炭を搬入後、燃料として使用するまでの間、貯炭場で山積みし、貯蔵される。その貯蔵中に風によって粉塵を巻き起こして周辺地域への粉塵公害を起こしたり堆積物のロスを招きやすく、また降雨時には河川や海に流れ出して汚染の原因となったり、石炭、コークス、鉄鉱石などの堆積物中の含水量が過剰となるとこれを燃焼させる場合に水の蒸発熱損を生じるなどの不都合がある。さらに、石炭パイルは長時間放置されると空気中の酸素と石炭中の活性度の高い炭化水素質やカーボン物質あるいは硫黄分と酸化反応してその際の発熱により熱エネルギーが貯蔵期間と共に増大し、遂には自然発火する現象を起こす。一般には炭化度が低く揮発分の高い亜瀝青炭、あるいは硫黄分の高い石炭が長期貯炭により発熱し易く、温度管理を怠ると、自然発火を起こし易い。石炭パイルのこのような発火の危険を伴う発熱は、保安上大きな問題であり、また、自然発火に至らないまでも石炭自身の品質を劣化せしめるから、その防止対策は重要であり、各種の方法が提案されている。
【0003】
例えば、石炭パイル表面に被覆剤を散布することにより石炭層への外気や水分の侵入を防止する方法、ラテックスを散布する方法(特許文献1,2)、セメントと樹脂あるいは各種樹脂液を散布する方法(特許文献3〜7)、あるいは不活性ガスを吹き込む方法と、石炭山表面を加圧締結、樹脂剤散布方法を併用した石炭の品質劣化防止方法(特許文献8,9)、あるいは樹脂エマルションと他の薬品との組合せによる方法(特許文献10〜12)、高発火性石炭の石炭パイル上に低発火性石炭を被覆する方法(特許文献13)、その他山積み石炭の表面より散水する散水法、あるいは炭層内部に圧力水を注入する注入法等の対策が採られてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭53−38082号公報
【特許文献2】特開2005−105029号公報
【特許文献3】特公昭60−54349号公報
【特許文献4】特公昭62−12122号公報
【特許文献5】特公昭62−25561号公報
【特許文献6】特公平6−62974号公報
【特許文献7】特開2000−80355公報
【特許文献8】特公平4−53766号公報
【特許文献9】特公平6−41324号公報
【特許文献10】特開2000−80355号公報
【特許文献11】特開2000−96039号公報
【特許文献12】特開2002−20769号公報
【特許文献13】特開2004−292487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
山積みされた石炭パイル表面に被覆剤としてラテックスやセメントと樹脂あるいは各種樹脂液などを散布する方法では、被膜を形成する際に被膜強度や均一性が天候に左右され易く、また形成された被膜が貯炭山の自重による沈み込みにより、貯炭山表面に歪みが生じ、これに被膜が追従できず、その結果として被膜の破断(亀裂)が生じるものであった。そのため、被膜による外気や水分の遮断は困難であり、費用の割には効果が乏しいという課題があった。
また、近年、揮発分の高い低品位石炭の利用が増えてきた。高VM(Volatile Matter)石炭は空気中の酸素と酸化反応を起こし易く、自然発火し易いという課題を有している。
さらに、散水法と注入法は最も簡単な方法で費用面においても好ましいが、石炭を過度の湿潤状態にすることは、貯炭、搬送、後処理の面から問題があり、自ずと散水、注入には限度があり、結果的に長期にわたる効果は期待できないのが現状である。勿論、過剰な水分は、石炭を燃料として用いる際には燃焼効率を低下させるという課題を有していた。
【0006】
また、通常は石炭パイルへの散布液には、石炭との親和性を確保し、自然発火防止効果を期待し導入される界面活性剤などを添加するが、界面活性剤は、高価であると同時に、その混入で散水で発生する余剰水の排水処理時の濁度低減操作の妨害要因ともなり、また、環境への負荷が大きいため、界面活性剤が含まれたままの水は排水処理等を行わなければ、排水することができないという費用・設備の面での課題を有していた。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するものであって、石炭パイルの表面や揚運炭設備の乗継建屋のシュートで石炭の表面に藻類を含有する散布液を散布することにより、石炭の表面に付着した藻類と散布液中の水とで、石炭パイルへの空気の通気を抑制し、石炭の酸化を防ぐことで品質劣化や自然発火を防ぐと共に、発塵を防ぐことが可能な貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法を提供することを目的とする。
また、藻類は脂質が多い分だけ炭素含量が多く、その熱量は、石炭の70〜90%有することがわかった。木質バイオマスは60%程度なので、木質バイオマスに比べても高い熱量を有している。
そこで、石炭パイルに散水させる散布液に、藻類を混合して散布し、石炭パイルの酸化を防止すると同時に、石炭の酸化による発熱の熱エネルギーを利用して乾燥し、バイオマス燃料として石炭と混焼することによりカーボンニュートラル化を図り、石炭火力発電所や工場の二酸化炭素を削減し、地球温暖化防止の一助となる石炭混合燃料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の発明は、貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法であって、貯炭場の石炭パイルへ散水する散布液に藻類の濃度が0.5万〜1×10万細胞/mLである構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)藻類は脂質を多く有するので、炭素含有量が多く、熱量は石炭の熱量の80%以上を有するので燃料として石炭との混焼性を有している。
(2)混焼性を有するので、混焼率分だけカーボンニュートラルを達成でき、二酸化炭素の削減に貢献できるとともに省資源性に優れる。
(3)藻類の含水量(65%程度)が高く、冷却効果に優れ、かつ親油性の石炭に強い付着性を有するので、石炭パイル等の石炭の表面に付着し、藻類の膜を形成することができる。
(4)石炭パイルの表面に藻類の被覆層を形成するので、石炭の酸化を防ぎ、かつ石炭パイル内部特に中間部への空気の通気を阻害し、内部の石炭の酸化反応を抑制することができ、自然発火を防止できる。
(5)散布液の藻類の濃度が0.5万〜1×10万細胞/mLで散布するので、石炭に付着した藻類(付着率10〜50%)と共に、石炭をミルで粉砕しても粉砕性を阻害せず、石炭との混合燃料として取扱い性に優れる。
(6)石炭の酸化反応は石炭パイルの頂部と底面の中間付近の高さで最も生じ易いが、石炭パイルの頂上に散布された散布液を先に散布された藻類が石炭の表面から剥離しても、藻類の付着性と粘性により、藻類が中間付近でも多く存在し、酸化を防ぐとともにその含有する水分で石炭の昇温を防ぎ、自然発火を防止することができる。
(7)石炭は黒色であるため、太陽による輻射熱量が多大な熱量として吸収され易いが、石炭パイル表面の付着した藻類により輻射熱を吸収し石炭の吸収熱量を低減化できる。
(8)石炭の酸化を防ぐ分、品質の劣化(発熱量の損失)を防止でき省資源化を達成できる。
(9)石炭パイルの内部に行くにつれ、付着しなかった藻類や剥離した藻類が塊状の石炭間の隙間を埋めるので、空気の通気性を阻害することができる。
(10)藻類の長さや幅が小さいので、親油性の石炭の細孔にも藻類が浸透して行くので、石炭内部への酸素拡散を遮断することができる。また藻類は親油性であり、藻類自体は数十ミクロンと小さいため、石炭パイル内部への拡散性に優れる。
【0009】
ここで、石炭パイルの石炭は、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭、無煙炭、改質炭等を対象とする。散布液としては、工業用水や貯炭場排水の再利用水を用いることができる。
【0010】
散布は石炭パイルの温度が上昇すれば散布を開始する。パイルの発火は、パイル内部温度が上昇し、その部分に空気が到達することで発生する。散水では温度の低減を期待する。藻類の散布液への混合は、冷却効果と同時に、石炭パイル内部への空気の拡散を阻害する効果や、さらに、藻類が石炭表面で留まり、乾燥することによる冷却効率の向上が図られる。
散布液中に、添加剤としてチオ尿素、亜硝酸塩化合物、重炭酸塩化合物、リン酸アンモニウム塩化合物、吸水性高分子の群から選ばれる1種又は2種以上を15重量%以下含有させると、種々の効果が加味され、有効的に石炭に自然発火を防止又は抑制することができる。これらの成分の主たる効果は、チオ尿素、亜硝酸塩化合物が酸化防止効果、重炭酸塩化合物は発熱時の炭酸ガス発生源、リン酸アンモニウム塩化合物は難燃効果、吸水性高分子は保水性の向上効果を有する。
【0011】
散布液中に、分子量が1000以下で2価以上のポリオール化合物及び/又は水溶性界面活性剤を15重量%以下含有させると、石炭表面の濡れ性、浸透性を改善することができる。
【0012】
藻類としては、スピルリナ、シゾン、ガルディエリア、ユーグレナ、ボトリオコッカス、クロレラ、デスモデスムス等が好適に用いられる。
これらの藻類は石炭への付着性が優れており、かつ、藻類を含有する散布液は親油性の石炭表面への濡れ性が高く、散布効率を上げることができるからである。
更に、炭素含有量が約40〜51%と高く、熱量も石炭と同程度であり、ボイラーで混焼が可能である。また、自己増殖率が高く、資源化が可能で省エネルギー性に優れるためである。
さらに耐酸性に優れるので、石炭火力発電所の脱硫後の排ガスに適応し易く、培地を含んだ二酸化炭素吸収システムの建設や運転が容易で省力性等に優れる。
藻類の濃度としては、0.5万〜1×10万細胞/mLが用いられる。0.5万細胞/mLより濃度が下るにつれ、散布水の粘性が低下する傾向があり、1×10万細胞/mLより濃度が上がるにつれ、散布水の粘性が上昇する傾向があるので好ましくない。
藻類の濃度の細胞数の計数は、トーマ血球計算盤、ビルケルチュルク血球計算盤を使用して行われるのが好ましい。
細胞数が少ない種類、群体性の種類は、ビルケルチュルクで3.0×3.0×0.1mm分を計数した。細胞数が増加するにしたがい、計数するマス目を目を減らして、カウント数が過剰に多くならないように注意する必要がある。
細胞数が初期濃度で1万細胞/mL以上のものは、トーマで1.0×1.0×0.1mm分を計数される。
藻類の濃縮は遠心分離法等の固液分離法が用いられる。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火や発塵の防止方法において、前記藻類を含有した散布液を塊状の石炭の移送及び/又は堆積する際に、前記石炭の表面を濡らす中間散布工程や、石炭パイルの温度が上昇した際にパイル上に散布するパイル散布工程を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)中間散布工程で、散布液を堆積途中の石炭パイルの表面や揚運炭設備の乗継建屋のシュート等で石炭の表面に散布するので、石炭の疎水性を緩和し、藻類を表面に付着・固定化し易くすることができる。堆積中に散布液を散布するので、石炭パイルの内部に藻類を混入させ、藻類の付着性と粘性により石炭の表面を覆い、空気との接触面積を少なくし、かつ、藻類の含有水により石炭を冷却し、自然発火を防止することができる。
(2)パイル散水工程で、石炭へバイオマス燃料を自動的に混合することができる。
【0014】
ここで、パイル散布工程では、散布回数は石炭パイル表面の藻類の被覆状態と、乾燥状態パイル中の温度に応じて適宜変えられる。また、降雨量が多いときは、中間散布やパイル散布は行われない。
また、中間散布工程では、石炭パイルの内部すなわち中間部で発熱が予想される部分で散布量を増やしておくと、石炭パイルの保水力を高めると共に石炭の酸化劣化を防止し、石炭の自然発火を効果的に防止できる。
藻類は細胞壁を有しているので、細胞質内の水分が保持されるため、従来の散布液よりも高い保水効果が得られる。藻類は発熱した石炭に吸着すると生理活性を失うが、石炭の細孔や石炭の隙間を埋めることで、空気の内部への拡散を防止することができる。また、藻類の死滅後も油分が石炭表面をコーティングすることで自然発火の防止に有効に機能することができる。
【0015】
添加剤のチオ尿素は特に限定するものではなく、亜硝酸塩化合物としては、例えばNaNO、KNO等が例示され、何れも酸化防止効果が果たされる。
重炭酸塩化合物としては、NaHCO、KHCO等が例示され、発熱時の炭酸ガス発生源となる。
リン酸アンモニウム塩化合物としては、NHPO、(NHHPO等が例示され、難燃効果が果たされる。
これらの化合物は、粉末のまま尿素粉末と混合して使用したり、尿素水溶液に溶解又は分散させて使用することもできる。
吸水性高分子成分としては、例えばポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、ポリビニルアルコール/ポリアクリル酸塩共重合系があり、さらにデンプン系、セルロース系ではそれぞれグラフト重合系、カルボキシメチル化系等がある。
この吸水性高分子は、保水性の向上効果を有し、粉末状又は粒状のまま尿素粉末を主成分とする粉体と混合したり、尿素水溶液に添加して湿潤させてから使用することもできるが、好ましくは粉末状又は粒状の形態で用いる方が取り扱い易い。
さらに、分子量が1000以下で2価以上のポリオール化合物及び/又は水溶性界面活性剤を15重量%以下含有させることにより、石炭表面の濡れ性、浸透性、保湿性を改善することができる。
上記成分のうちポリオール化合物としては、例えばモノエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン(分子量1000以下)、ポリビニルアルコール(分子量1000以下)等が例示される。
水溶性界面活性剤としては、例えばアルキルアリルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンリン酸エステル塩などのアニオン界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ポリオキエチレンアルキルアミン、アルキロールアミド等の非イオン界面活性剤が例示される。
【0016】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火や発塵の防止方法において、前記藻類が藍藻、紅藻、ユーグレナ藻、緑藻の1以上である構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)これらの藻類は、一般的に入手が容易で、かつ増殖能力が優れているので、燃料として用いた分だけ省資源化ができる。
(2)脂質含有量が一般的に多いので、石炭と混焼することで大きな発熱量が得られ省エネルギー性に優れる。
(3)藻類死滅後もその油分が石炭と空気(酸素)との直接的な接触を防止できるので石炭の品質劣化を防止できる。
(4)使用する藻類の増殖に二酸化炭素が利用されるので、たとえば発電所排ガスの二酸化炭素を利用すれば、温室効果削減にも寄与できる。
ここで、これらの藻類は淡水産の藻類が好ましい。中性であるため、石炭の燃焼装置等を腐食させないためである。
【0017】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内のいずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火や発塵の防止方法において、前記藻類がスピルリナ属、シアニディオシゾン属、ガルディエリア属、ユーグレナ属、ボトリオユッカス属、クロレラ属、デスモデスムス属の内1以上からなる構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)炭素含有量が多く、燃料適性に優れているので、ボイラーで石炭と混焼が可能であり、混焼した際に逆火も起こり難い。
(2)耐酸性に優れているので、石炭燃焼ボイラーの排ガスの二酸化炭素を吸収させた水溶液への耐性に優れる。
(3)単細胞藻類を利用することで、無性生殖が可能で、発電所や工場等での培地でも容易に増殖できる。
【0018】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内のいずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火や発塵の防止方法において、前記藻類の炭素含有量が30%以上である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)炭素含有量が多いので、石炭の代替燃料とすることができ、その分、石炭の使用量を減らすことができ、省資源性に優れカーボンニュートラルを達成できる。
ここで、藻類は増殖時に多くの二酸化炭素を吸収するため、発電所の温室効果ガス排出削減に寄与する。
貯炭場の散布液に混入することで、藻類を自動的に乾燥すると共に石炭への混合が完了し、設備を改造することなくバイオマス燃料としての利用が可能となる。
通常、藻類を利用する場合、乾燥し圧縮することで、包蔵する油分を分離して利用される例が多いが、貯炭場で乾燥するだけで利用できるので、エネルギーとして利用するための処理に要する工数が少なく省力化できる。
【0019】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内のいずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火や発塵の防止方法において、前記藻類の硫酸・硝酸耐性がpH1〜5である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)耐酸性に優れているので、石炭火力発電所等の石炭ボイラーの排ガス処理液を藻類の培養液として利用することができる。
(2)排ガス処理液を利用することで、自動的に排ガス中の二酸化炭素を吸収し、大気中への排出量を削減できる。
【0020】
ここで、石炭火力発電所の排ガス処理液を培養液として使用する場合は、排煙脱硫装置で脱硫した排ガスを吸収させた培養液が用いられる。排煙脱硫装置は、次の反応(化式1)で脱硫する。
【化1】

排ガスを水中に溶け込ませるため、排ガスの温度は、吸収塔で40℃〜50℃まで冷却される。排煙脱硫装置で脱硫した排ガス中のSO濃度は30〜50ppm程度であり、培養液のpH低下を防止することができるためである。
【0021】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内のいずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火や発塵の防止方法において、前記藻類の二酸化炭素耐性が10%以上である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)排ガス中二酸化炭素濃度が10〜15%の処理液でも藻類の増殖が可能である。
(2)炭酸ガス耐性を有することで、高密度の増殖が可能である。
【0022】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の内のいずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火や発塵の防止方法において、前記藻類の増殖速度が2倍/日以上である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至7で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)より多くの二酸化炭素の吸収しその分カーボンニュートラルを達成できる。
【0023】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の内のいずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火や発塵の防止方法において、前記散布液に前記藻類の付着性を向上させる付着助剤が含有されている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至8で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)より多くの藻類付着、混入量を大きくできる。
(2)より効率的に空気を遮断できるので、発火防止効果が大きい。
(3)付着性を高めることで、飛散防止効果が高い。
【0024】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の内のいずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火や発塵の防止方法において得られる石炭の表面に藻類が付着した石炭混合燃料である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至9で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)藻類が付着し混焼される分だけより多くのカーボンニュートラルの燃料とすることができる。
(2)藻類は石炭表面との付着性があり、自然発火防止効果が大きく、また、酸化され難い分、品質を維持でき省資源性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)石炭の加熱実験装置の断熱容器部の斜視図 (b)図1(a)のA−A線断面図
【図2】散布液の冷却効果を示す図
【図3】ガルディエリアの耐酸性スクリーニングの結果を示す図
【図4】シアニディオシゾンの耐酸性スクリーニングの結果を示す図
【図5】スピルリナの耐酸性スクリーニングの結果を示す図
【図6】ユーグレナの耐酸性スクリーニングの結果を示す図
【図7】ボトリオコッカスの耐酸性スクリーニングの結果を示す図
【図8】クロレラの耐酸性スクリーニングの結果を示す図
【図9】デスモデスムスの耐酸性スクリーニングの結果を示す図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
1.藻類の選択
藻類として、石炭火力発電所の排ガスに適応可能な藻類を探索し、(表1)に示す次の7種を得た。
【0028】
【表1】

【0029】
2.藻類の燃焼性(実験No.1〜7)
各藻類を培地で培養し、各藻体を回収して炭素含有量をCHNコーダーで分析し、燃焼性を評価した。その結果を(表2)に示した。
炭素含有量は、デスモデスムスが51%、ユーグレナ、ボトリオコッカスが49%、ガルディエリアが43%の順に高かった。ボトリオコッカスは、炭化水素生産藻類であり、油分含量、炭素含有量が高く、燃焼性に優れることが知られている。他の3種についても、ボトリオコッカス同等の燃焼性が期待されることがわかった。
【0030】
【表2】

【0031】
次に藻類と石炭の熱量の比較を行った。
試料としてユーグレナを用いた。ユーグレナの乾燥重量当たりの炭素量は49.1%、水素は7%であった。
炭素の燃焼熱は、
394KJ/mol=394KJ÷4.19(KJ/kcal)×1Kg/12g=
7,836kcal/kg
水素の燃焼熱は、
286KJ/mol=286KJ÷4.19(KJ/kcal)×1Kg/2g=
34,128kcal/kg
ユーグレナの乾燥収量1kg当たりの熱量の概算は、
1kg×49.1%×7,836kcal/kg=3,847kcal
1kg×7%×34,128kcal/kg=2,389kcal
よって、3,847kcal+2,389kcal=6,236kcal/kg
石炭との比は、
6,236kcal/kg(ユーグレナ)÷6,800kcal/kg=91.7%
以上のことから、藻類は石炭と略同量の熱量を有しているといえ、石炭と混焼できることが分かった。また、藻類を石炭と混焼した分、省資源化を実現し、カーボンニュートラルを達成できることが明らかとなった。
【0032】
3.石炭への藻類付着性(実験No.8〜16)
撥水性の高い石炭に対して藻類培養液を散布した場合、培養液中の藻類が石炭に付着せず、混焼できない可能性がある。そこで藻類の石炭への付着率を把握することを目的として行った。
3.1 実験方法
石炭カラムに藻類培養液を通過させ、通過前後の藻類細胞数を比較して行った。石炭(アイザックプレインズ)はフルイ目0.5cmで篩い分けして、粉状のものを除去した0.5〜3cmのものを用いた。
石炭カラムは、内径4.3cmのアクリルパイプを用いた。実験は石炭カラム内に約90cmの厚みになるように充填した(充填した石炭の重量は約1kgであった)。
藻類として前述のスピルリナ、ユーグレナ、ボトリオコッカス、クロレラの4種を用い、遠心分離で濃縮した各培養液を100mLずつ石炭カラムに流し込んだ。
コア通過前後の細胞数を計数し、藻類の石炭への付着率を算出した。細胞数の計数は、試料あたり9回の計数結果を平均して1mLあたりの細胞数を算出した。
細胞数の計数は、トーマ血球計算盤、ビルケルチュルク血球計算盤で行った。
細胞数が少ない種類、群体性の種類は、ビルケルチュルクで3.0×3.0×0.1mm分を計数した。
細胞数が初期濃度で1万細胞/mL以上のものは、トーマで1.0×1.0×0.1mm分を計数した。
3.2 実験結果
付着率は7〜46%であり、藻類の種類、濃度にかかわらず藻類の細胞自体が石炭に付着している可能性がある。(表3)に細胞数の測定結果を示す。
【0033】
【表3】

【0034】
4.石炭に付着した藻類の直接観察(実験No.17〜20)
藻類の昇温した石炭への付着を直接顕微鏡で確認した。これは、石炭パイルの中間部での自然発火する前の昇温した石炭に散布液を散布したときに藻類が付着し冷却効果、酸素遮断効果を発現できるか確かめるためである。
4.1 実験方法
石炭(粒径3cm程度)の断面をサンドペーパー(♯2000)で研磨・水洗後、乾熱滅菌器で100℃30分加熱した。加熱した石炭をスピルリナ(実験No.17)、ユーグレナ(実験No.18)、ボトリオコッカス(実験No.19)、クロレラ(実験No.20)の4種の培養液を遠心分離で濃縮した低濃度濃縮液(実験No.8,10,12,14)からなる散布液に10秒間垂下後、落射蛍光顕微鏡で石炭研磨面に付着した藻類を観察した。
4.2 実験結果
スピルリナ(実験No.17)はほとんど付着しなかった。
ユーグレナ(実験No.18)、ボトリオコッカス(実験No.19)、クロレラ(実験No.20)の3種は、細胞密度に対応して、付着数が多くなっていた。
以上のことから、石炭表面には藻類の種類、濃度に係わらず、藻類が付着することが確認された。
【0035】
5.藻類培養液の濡れ性(実験No.21〜30)
藻類培養液によって石炭の濡れ性が上昇すると、現在使用している界面活性剤の量を減らすことができ、水処理コストが削減される。そこで藻類培養液の塗れ性を検討した。
5.1 実験方法
石炭(粒径が5cm程度)の断面をサンドペーパー(♯2000)で研磨・水洗後、(表4)に示すスピルリナ、ユーグレナ、ボトリオコッカス、クロレラの4種を遠心分離で濃縮した低濃度培養液(実験No.8,10,12,14)を各50μL滴下し水滴の接触角を濡れ性の指標として測定した。対照として蒸留水の接触角も測定した。
5.2 実験結果
ボトリオコッカス低濃度培養液の場合、濡れ性が高くなった。ボトリオコッカス(低濃度)のみ、撥水性を低下させた。細胞外に排出された油分の影響と考えられる。高濃度では上昇したが、これは遠心分離で油分を含む上澄みを捨てたことが原因と考えられる。
スピルリナは、撥水性に影響しなかった。
クロレラ、ユーグレナは撥水性が上昇した。
(表4)に接触角の測定結果(3回測定平均値)を示した。
(表4)の結果から明らかなように、ボトリオコッカス等は接触角が小さくできるので、界面活性剤の添加を少なくすることができ、水処理の負荷を減らすことができる。
【0036】
【表4】

【0037】
6.散布液の冷却効果(実験No.31)
石炭層の下部で発熱が生じた際に、藻類を含有した散布液を散布したときの層内の温度変化を検証した。
6.1 実験方法
石炭層の加熱実験装置を使用し、所定の熱量でヒーターを発熱させた後、石炭層上部から藻類を含有した散布液〔クロレラ高濃度液、細胞数919万細胞/mL〕を散布した。このとき、50mmおきに設置した熱電対で石炭層内の温度分布を測定した。
石炭層の加熱実験装置を図1に示す。
図1において、1は石炭層の加熱実験装置、2は断熱容器、3は断熱容器2に収納された石炭層、4は断熱容器2の側壁に50mmの等間隔で穿設された熱電対挿入孔、5は熱電対挿入孔4から石炭層の中央部まで挿入されたa〜gの7本の熱電対、6は断熱容器2の底部に設置されたラバーヒーターである。
6.2 実験結果
ヒーターの発熱量を4.6Wに固定し、散布液50ccを石炭層の上部から散布したときの温度応答を図2に示した。
50ccのわずかな散布でも、散布液は石炭層の下部まで一気に流下し、ヒーターと接する熱電対aの温度が急激に下がった。すなわち、散布液による発熱源の冷却効果が確認できた。また、ヒーターの発熱量が4.6Wに保たれているため、藻類の散布後も石炭層内の温度は上昇するが、散布液による保冷・保湿効果のため、熱電対aの温度上昇が抑制されていることが分かる。
散布液は、水が大半を占めるため、当然ながら消炎効果も期待できる。
【0038】
7.ミル化への影響(実験No.32〜33)
石炭ボイラーにおいては、石炭をミルによって粉砕し0.3mm角以下の「微粉炭」にし、ボイラー中のバーナー部で燃焼させている。そのため、藻類バイオマスの付着した石炭を粉砕しなければならない。そこで、藻類の付着、混入による粉砕性に関する影響を検討した。
7.1 実験方法
石炭のみ(未処理)のサンプル(実験No.32)と、ユーグレナ(約0.5g/L、約100万細胞/mL)に浸したサンプル(実験No.33)を準備し、ボールミルを用いて粉砕実験を実施した。石炭は1個当たり3〜5gの石炭5個を1サンプルとして用いた。ボールミルのボールには、材質がアルミナで直径40mmのものを8個使用し、粉砕を開始して1、2、3時間後のサンプルの様子を確認した。
さらに、藻類を散布して一晩乾かせたサンプル(実験No.34)とサンプル(実験No.35)について、前述のボールミルを使用して粉砕実験を実施した。
7.2 実験結果
いずれのサンプルについても、時間の経過と共に石炭の表面が削られ、粉炭の量が増えていく様子が確認できた。
比較例の実験No.32と実験No.33では、微粉化の進行に関し、ほとんど差はみられなかった。
藻類を散布して、一晩乾かせた実験No.34と実験No.35の石炭について、実験No.32と同様の結果を得た。
本実験結果から判断すると、0.5g/L(ユーグレナでは約100万細胞/mL)程度の藻類であれば石炭の粉砕性に関して影響はみられなかった。そのため、貯炭場への藻類の散布は粉砕性という面では問題ないことがわかった。
【0039】
8.耐酸性の検証(実験No.36〜42)
8.1 実験条件
藻類7種に対して、(表5)に示す条件での培養実験を行った。
培地、pH、初期細胞濃度は、(表6)に示すように、各種で異なる設定とした。それぞれの保存用培地に対して、硫酸:硝酸=5:3(v:v)の水溶液を添加してpHを調整した。水温は温泉単離の2種(シアニディジゾン、ガルディエリア)では37℃、その他の5種では23℃、pHは温泉単離の2種では1〜5、その他の5種では2〜8とした。
【0040】
【表5】

【0041】
【表6】

【0042】
8.2 実験結果
淡水性藻類の各pHにおける増殖速度は、図3乃至図9に示すとおりである。
温泉単離の2種は、図3、図4に示すようにpH1〜5まで増殖した。増殖速度は、ガルディエリアが速い。その他の5種の中では、ユーグレナがpH3まで増殖し、耐酸性に優れていた。
【0043】
9.排ガスへの耐性の検証(実験No.43,44)
耐酸性スクリーニングの結果、ガルディエリア、ユーグレナを選択し、二酸化炭素への耐性を検証した。
9.1 実験条件
1Lのフラスコレベルにおいて、(表7)に示す実験条件で、二酸化炭素100%または二酸化炭素15%を含む空気を通気した培養を行い、増殖状況を調べた。
【0044】
【表7】

【0045】
9.2 実験結果
ガルディエリアとユーグレナの1Lフラスコレベルの培養を行い、(表8)に示す結果が得られた。
ガルディエリアは、pH1、二酸化炭素100%の通気に耐えることが分かった。
ユーグレナは、pH3、二酸化炭素15%の通気に耐性を示したことから、石炭排ガスの通気中でも増殖が可能と考えられた。増殖速度が速く、バイオマスの回収量が多かった。
【0046】
【表8】

【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、石炭パイルの表面や揚運炭設備の乗継建屋のシュートで石炭の表面に藻類を含有する散布液を散布することにより、石炭の表面に付着した藻類と散布液中の水とで、石炭パイルへの空気の通気を抑制し、石炭の酸化を防ぐことで品質劣化や自然発火を防ぐと共に、発塵を防ぐことが可能な貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法の提供、また、石炭パイルに散水させる散布液に、藻類を混合して散布し、石炭パイルの酸化を防止すると同時に、石炭の酸化による発熱の熱エネルギーを利用して乾燥し、混焼することによりカーボンニュートラル化を図り、石炭火力発電所や工場の二酸化炭素を削減し、地球温暖化防止の一助となる石炭混合燃料の提供を目的とし、これにより、発電所、製鉄所、鉱山等の貯炭場に山積された石炭パイルなどにおいて、石炭が空気中の酸素を吸収する酸化反応で起こる発熱による自然発火や発塵の防止が可能で更に省資源化に貢献できる。
【符号の説明】
【0048】
1 石炭層の加熱実験装置
2 断熱容器
3 石炭層
4 熱電対挿入孔
5a〜g 熱電対
6 ラバーヒーター


【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯炭場の石炭パイルへ散水する散布液に藻類の濃度が0.5万〜1×10万細胞/mLであることを特徴とする貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法。
【請求項2】
前記藻類を含有した散布液を塊状の石炭の移送及び/又は堆積する際に、前記石炭の表面を濡らす中間散布工程やパイル散布工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法。
【請求項3】
前記藻類が藍藻、紅藻、ユーグレナ藻、緑藻の1以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法。
【請求項4】
前記藻類がスピルリナ属、シアニディオシゾン属、ガルディエリア属、ユーグレナ属、ボトリオユッカス属、クロレラ属、デスモデスムス属の内1以上からなることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法。
【請求項5】
前記藻類の炭素含有量が30%以上であることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法。
【請求項6】
前記藻類の硫酸・硝酸耐性がpH1〜5であることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法。
【請求項7】
前記藻類の二酸化炭素耐性が10%以上であることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法。
【請求項8】
前記藻類の増殖速度が2倍/日以上であることを特徴とする請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法。
【請求項9】
前記散布液に前記藻類の付着性を向上させる付着助剤が含有されていることを特徴とする請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の貯炭場の石炭パイルの自然発火・発塵の防止方法。
【請求項10】
塊状の石炭と前記石炭の表面に付着した藻類と、を備えていることを特徴とする石炭混合燃料。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−251782(P2011−251782A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124931(P2010−124931)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000164438)九州電力株式会社 (245)
【出願人】(592021124)財団法人九州環境管理協会 (1)
【Fターム(参考)】