説明

貯蔵および節約モードを伴う酸素発生器

【課題】低圧サブシステムが生成した低圧酸素生成物を、入力供給流として高圧サブシステムに供給でき、または使用のために出力することができるシステムを提供する。
【解決手段】低圧生成物の気体および高圧生成物の気体を発生するための2段階セラミック気体発生システムは、選択された低圧をもつ前記生成物の気体を発生するセラミック膜を含む低圧気体発生サブシステム100、および前記低圧サブシステムからの前記生成物の気体の圧力より高い所望の圧力レベルをもつ前記生成物の気体を発生するための、別個のセラミック膜を使用する電気化学的酸素発生システムを有する高圧気体発生サブシステム150を含み、前記高圧気体発生サブシステムは、前記高圧ガス発生サブシステムの別個のセラミック膜への入力ストリームとして、前記低圧サブシステムから前記低圧生成物の気体の少なくとも一部を受け取ることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
この出願は、『オキシジェン・ジェネレータ・ウィズ・ストレージ・アンド・コンサベーション・モード(OXYGEN GENERATOR WITH STORAGE AND CONSERVATION MODE)』と題して2004年9月21日に出願された米国仮出願第60/522362号に基づく。
【0002】
本発明は、電気化学気体発生器の分野に関し、より詳細には、酸素を発生してユーザに提供するためのセラミック酸素発生システム(COGS)に関する。
【背景技術】
【0003】
医療応用および電子産業における使用のため、レーザ切断のため、およびそのほかの多くの応用における使用のために実質的な純酸素を発生し、提供する種々の方法が存在する。純酸素に関する2つの主要な使用分野は、在宅酸素治療(HOT)患者および航空機搭乗員のための呼吸目的である。
【0004】
酸素は、高圧でボンベ内に貯蔵することが可能であり、一般にデューアと呼ばれているものの中に液体酸素として貯蔵される。これらの技術は周知であり、長年にわたって利用されている。
【0005】
より最近では、圧力スイング吸着(PSA)プロセスまたは真空スイング吸着(VPSA)プロセスを使用して圧縮空気源から酸素を分離し、濃縮する種々の分子篩を用いたリアルタイムの酸素の濃縮または発生が可能である。圧力スイング吸着によって発生される酸素生成物はコストが低く、容易に入手できる。しかしながらそれらの生成物の酸素濃度は、約90から95%である。
【0006】
さらに新しくは、セラミック膜の一方の表面において酸素分子をイオン化し、そのイオンを膜に透過させ、膜の他方の表面においてそれらのイオンから過剰電子を除去することによって酸素分子としてそれらを改質する電気化学プロセスを使用して酸素を発生することが可能になっている。このタイプのテクノロジは、セラミック酸素発生システム(COGS)としても知られている。
【0007】
吸入の開始時に経鼻カニューレを通してユーザに酸素の短パルスを提供する酸素節約デバイスは、慢性肺疾患を患う患者に対して、血流中の適切な酸素飽和レベルを維持しつつ供給される補助酸素の量を低減するために長年にわたって広く使用されている。これは、一般に酸素のパルス投与と呼ばれている。
【0008】
このタイプの酸素パルス投与技術は、最近、一般に32,000フィートに及ぶ高度を飛行する通常航空機のパイロットに対して補助酸素を提供するために航空機上で使用されるようになった。同様に、より高い高度における低酸素症の発生を防ぐ生理学的に安全な酸素濃度である最小レベルを提供しつつ、ユーザの酸素中毒の可能性を最小化する酸素呼吸レギュレータが、種々の高度において航空宇宙搭乗員によって消費される酸素量を抑えるために長年にわたって使用されている。生理学的に安全な酸素濃度は、航空機機室内の空気を引き込み、それを貯蔵または発生された酸素に追加し、搭乗員に提供する前に、気圧−高度の関数として所望のレベルまで濃度を下げる呼吸レギュレータによって提供されている。これは、もっとも一般的に、周知の空気注入器デバイスを使用して達成される。この技術は、航空機室内においてPSA酸素濃縮器から発生された酸素を所望の濃度まで希釈するためにも使用されている。
【0009】
航空機にPSA酸素濃縮器が装備されており、航空機の機室内気圧が、約30,000フィートより上の航空機高度で低下した場合に、PSAによって発生されている酸素の純度、すなわちわずか95%の酸素が、より高い高度において搭乗員が安全にとどまることができるという暴露時間を制限する。しかしながら、航空宇宙酸素システムが99.5%酸素の貯蔵酸素からなるか、または99.5%酸素を包含するバックアップ酸素システム(BOS)を有する場合には、それらのより高い高度において機室内圧力が失われた場合の追加の搭乗員安全性を提供することが可能になる。しかしながら高圧貯蔵または液体形式のいずれにおいても99.5%酸素の使用は、日単位から週単位の時間期間にわたる定期的な補充を必要とし、ユーザに対して支援上の負担を負わすことになる。
【0010】
航空宇宙応用へのPSA酸素濃縮器の導入は、日々ベースの酸素の要件を解決したが、より高い高度における機室内圧力の低下後に使用するための酸素の供給としては制限されている。現在、F−15E航空機だけがバックアップ酸素供給を使用しており、これには、一体型圧縮器を備えるPSA酸素濃縮器を使用して発生および貯蔵される93%酸素が自動的に充填される。次世代航空機へのPSA酸素濃縮器の使用に対する新たに生ずる限界は、より高いバイパス比を伴うより効率的なエンジンの使用に向かう傾向であり、結果的に、PSA酸素濃縮器および航空機、そのほかの空気取り扱いシステムに利用できる圧縮空気がより少なくなる。これは、実際上航空機エンジンからの圧縮空気の使用を最小化するか、排除する。
【0011】
多くの航空宇宙応用は、99.5%より高い純度において酸素を発生し、航空機コクピットが約25000フィートより低い圧力−高度に等しいときは正常飛行状態用により低い濃度を提供する一方、それを緊急状態のために高圧で貯蔵する方法を必要としている。このシステムは、特定の正常および緊急飛行状態の下に約70mmHgに至る圧力で酸素を与えることが可能な経口−経鼻マスクを含む現行の航空機要員装備と互換性を有するに必要がある。
【0012】
同様に、多くの在宅酸素治療患者には、自宅において、経鼻カニューレを使用するパルス投与酸素節約デバイスを通して酸素を与える一方、自宅外での臨時使用のために携帯ボンベ内にも酸素を貯蔵することができる酸素発生器は利便の良いものとなっている。このことは、使用後に携帯酸素ボンベを補充する必要性を排除することによって在宅医療提供者の支援上の負担を軽減する。睡眠障害を有する一部の患者は、睡眠中の所望の酸素血中飽和レベルを維持するための、経鼻カニューレからの連続流によってより良好に維持されている。
【0013】
特定のセラミック材料は、特定の状態にさらされると、積極的にそのマトリクスに酸素原子を通過させる。従前の実施の態様では、適正に設計されたセラミック膜は、100%酸素を濃縮するための手段として、そして従来の酸素ボンベの再充填に適したレベルまで酸素を加圧する手段として作用できることを明らかにしている。
【0014】
基本的なセラミック酸素発生システムは、一般に、1またはそれより多くの温度制御付きオーブンからなり、それらはセラミック酸素発生要素を含む。セラミック要素に充分な酸素を供給するために、オーブン内において空気が循環される。このセラミック・エレメントが高温(約700℃)で動作することから、オーブンに入力される前に空気が加熱されなければならない。熱を保存し、オーブンから排気される酸素欠乏空気の温度を下げるために熱交換器が使用される。
【0015】
上に述べたその種の基本的なCOGSの主要な問題として次のものが挙げられる:
− 空気入力流量対酸素出力流量の比が非常に高い(20:1)。
この高い入力流量は、熱交換器に熱損失がないことを必要とし、満たされないときはセラミック要素に熱衝撃が及ぶ。
− 熱を保存するために熱交換器効率が高いことを必要とする。
したがって、それらが高価になる。
− 熱交換のため、オーブンを加圧してリターン(酸素欠乏排気)流を生成しなければならない。正圧がオーブン上の開口や割れから温度漏れを生じさせる。
【0016】
高純度レベル、高圧、かつ高温の酸素は、それが多くの従来材料の燃焼を非常に高められることになるため、有害な環境を作り出す。したがって、高圧高温において純酸素を保持することのできるコスト効果をもつ圧力容器を設計することは非常に困難である。従前の実施の態様は、セラミック膜を高純度酸素のための初期圧力容器として使用し、従来的な酸素ボンベ内に移し、貯蔵できるまでそこで充分に冷却していた。
【0017】
セラミック膜を圧力容器として使用することで、最大動作圧力と酸素濃縮レートの間で非常の競合関係が生ずる。セラミック材料は比較的もろく、そのため内部加圧に関連した引っ張り応力に耐えることが難しい。モジュールの壁厚を増加することは材料の応力を下げることになるが、モジュールの酸素濃縮レートおよび動作効率も低下させることになるのである。
【0018】
特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4およびそのほかの中で記述されているインテグレーテッド・マニフォールド・アンド・チューブズ(Integrated Manifold And Tubes)(IMAT)等のセラミック酸素発生モジュールが、酸素発生システム内に使用されてきた。しかしながらこれらの出願のほとんどにおいてIMATの外側表面が空気と界面をなし、酸素がセラミックを通ってキャビティ(回路)の内側にポンピングされる。この設計は、セラミック上の高い引っ張り応力に起因して最大酸素発生圧力を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第5,871,624号明細書
【特許文献2】米国特許第5,985,113号明細書
【特許文献3】米国特許第6,194,335号明細書
【特許文献4】米国特許第6,352,624号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上に引用した文献は、多くの特筆すべき利点およびこの分野における技術的な向上を説明し、開示しているが、本発明によって達成される特定の目的を完全に満たすものはない。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明によれば、酸素がIMATの内側からポンピングされて、外側に圧力を発生する。セラミックは、引っ張りより圧縮においてより応力に耐える。したがって、前述の設計と比較すると、最大発生圧力を向上することが可能になる。
【0022】
本発明の第1の実施態様は、制御された量および圧力の酸素等の所望の気体を生成する電気化学酸素発生システムの動作を制御する電子的に制御されるユニットを含む。この気体発生システムからの出力または生成物の気体は、貯蔵ユニットまたは、純化された酸素またはそのほかの気体のユーザに対する生成物の気体の流れを制御するレギュレータのいずれかに供給される。レギュレータにパルス・バルブを含めて、ユーザへの純化された酸素の量および流れをさらに制御することもできる。
【0023】
COGSユニットの第2の実施態様は、任意であるが2つのサブシステムを結合する2段階システムを含む。一方のサブシステムは、IMATを使用して周囲空気から内部回路へ酸素をポンピングし、低圧酸素を発生する。他方のサブシステムは、IMATの第2のグループを使用して内部回路から適切な高圧酸素貯蔵デバイスへ酸素をポンピングする。
【0024】
本発明の利点は次のとおりである:
− 両方のサブシステムに同一構成のIMATを使用することができる。
− 生成ライン内のIMATを、低および高パフォーマンスに分離すること、および低圧または高圧のサブシステム内に使用することができる。この分離および使用は廃棄されるIMATを減少させる。したがって、歩留まりを向上させることができる。
【0025】
本発明の低圧サブシステムの出力酸素純度は非常に高い。したがって、高圧サブシステムで必要となるパージが全くない。
【0026】
本発明の別の目的は、圧力容器としてセラミック膜を使用するときの最大動作圧力と酸素濃縮レートの間での競合を排除することである。
【0027】
これらの、およびこのほかの本発明の目的、利点、および特徴は、本発明の好ましい実施態様が示されている添付図面を参照した以下の説明から明らかになるであろう。
【0028】
上に簡単に要約した本発明のより詳細な説明は、図面に示されている例示的な実施態様から得ることができ、また以下においても詳細に考察されている。これらを参照すれば、上の引用をはじめ、そのほかに明らかになる特徴がどのように得られるかを知り、詳細に理解することができる。しかしながらこれらの図面は、本発明の代表的な好ましい実施態様に過ぎず、本発明がほかの等しく有効な実施態様に適用できることから、その範囲を限定すると考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、一般的な在宅酸素治療使用のために適合された所望の気体を発生し、貯蔵するための本発明の電気および空気ブロック図である。
【図2】図2は、航空機使用のために適合された所望の気体を発生し、貯蔵するための本発明の電気および空気ブロック図である。
【図3】図3は、所望の気体を発生する低および高圧サブシステムを有する本発明の電気および空気ブロック図である。
【図4】図4は、本発明の低圧COGSサブシステムの電気および空気ブロック図である。
【図5】図5は、本発明の低圧COGSサブシステムの関連するコンポーネントを示した電気および空気ブロック図である。
【図6】図6は、本発明の高圧COGSサブシステムの断面図である。
【図7】図7は、本発明に使用することができるセラミック膜セクションまたはIMATの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
上で引用した本発明の特徴、利点、および目的が達成される態様が詳細に理解できるように、上に簡単に要約されている本発明のより特定した説明を添付図面に例示されているその実施態様を参照して行う。すべての図面において、同一の符号は同一の要素を表す。
【0031】
特に図1および2を参照すると、本発明の第1の実施態様は、制御された量および圧力の酸素等の所望の気体を生成する電気化学酸素発生システムまたはCOGS 14の動作を制御する電子的に制御されるユニット16を含む。気体発生システム14からの出力または生成物の気体は、貯蔵ユニット12または、純化された酸素またはそのほかの気体のユーザへの生成物の気体の流れを制御または管理するレギュレータ28のいずれかに供給される。パルス・バルブ26をレギュレータ28とともに含み、ユーザへの純化された酸素の量および流れをさらに管理することができる。
【0032】
在宅酸素治療(HOT)使用について上述した問題は、酸素を発生し、携帯使用のためにボンベまたはそのほかの適切な貯蔵容器10内に貯蔵し、さらに、一定した酸素流が睡眠中無呼吸等の睡眠障害を伴う患者にとってより効果的である場合には睡眠中の作動および使用のために別の貯蔵容器12を充填するオプションも有するCOGS Cによって同時に満たされることが可能である。本発明は、上記の患者シナリオのために適切な流量レートを提供する一方、COGS Cのサイズ、重量、および電力の縮小に寄与する。
【0033】
潜在的節約の例を次の分析で示す。夜間に3lpmの連続投与を必要とする在宅医療患者が、昼間に1lpmしか必要としないことがある。このシナリオにおいては、合計の酸素使用量/日が次のように計算される。
3lpm×60分/時間×8時間+1lpm×60分/時間×16時間=2400リットル
【0034】
現在のところは、一般的なPSA濃縮器が、3lpmを連続供給して最大の需要を満たすサイズに設定されることになる。
【0035】
代表的な電子パルス投与システムは、気体消費に1対6の節約を提供することが可能であり、その結果、日単位の酸素消費が次のように計算される。
3lpm×60分/時間×8時間+1/6lpm×60分/時間×16時間=1600リットル
【0036】
パルス投与システムを使用し、昼間に生成された余剰酸素を夜間の連続流モードにおける使用のために貯蔵することによって、酸素発生システム(PSAまたはCOGS)は、分当たり1.11リットル(1600リットル/1440分/日)を生成するサイズに設定することが可能になる。したがって、酸素供給システムを、夜間の連続ピーク流量を提供しつつ、従来のシステムによって必要とされる気体の半分以下を提供するサイズに設定することができる。
【0037】
このようなHOT使用に適したシステムCの回路図を図1に示す。COGS Cは、周囲空気から電気化学的に酸素を抽出し、それを高圧でフロー・バルブ22を有する気体ライン20を通して与えるセラミック酸素発生器(COG)ユニット14を含む。オプションの移動式貯蔵ボンベ(シリンダー)10および夜間の連続流モードのためのオプションの気体貯蔵容器12が、流路またはパイプ24をもつ液体流内において、1つの分岐がフロー・バルブ22と動作可能に連結されているマニフォールドまたはT連結部25(1つまたは複数)に接続されている。システムの動作を制御する電子制御ユニット(ECU)16は、連結路15によってCOGユニット14に対して、および患者またはユーザの吸入需要を検知する圧力トランスデューサ(PT1)18に対して電気的またはそのほかの動作上の接続がなされている。バルブ26は、ECU16によって好ましい時間および持続期間において開くことが指示される。レギュレータ・ユニット28は、マニフォールドまたはT連結部25(1つまたは複数)と、ECU16からの制御信号17によって好ましい、または選択された時間および持続期間にわたって開くことが指示される空気または気体フロー・バルブ26との間の流体流路30内に動作可能に接続されている。圧力トランスデューサ(またはスイッチ)(PT2、PT3)31aおよび31bを使用し、貯蔵タンク12および移動式ボンベ10の圧力に関してECU16にフィードバックを提供することができる。
【0038】
概して、カニューレ、マスク、またはそのほかの周知の酸素供給手段32が、レギュレータ28またはバルブ26と、ECU16にフィードバック信号36を提供するために、任意であるが圧力トランスデューサ18に対する入力ストリームを供給できる管路34を介して流体連通している。
【0039】
HOTを含む使用に適したシステムCの他の実施態様は、以下を含むことができる:
1. パルス投与のための別体のECUであって、カニューレ、圧力トランスデューサ、レギュレータ、または移動式ボンベに連結自在なECU;および、
2. 移動式または補助貯蔵接続具は、ユニットへの移動式ボンベ10の再装着時に補助貯蔵からの自動ソーシングを可能にするべく設計することができる。
【0040】
特に図2に示されているように、本発明の他の実施態様は、航空機用酸素シナリオのための一連の状態に関連付けされる問題を解決する。この航空酸素システムVは、最低でも99.5%酸素を数百ポンド毎平方インチの圧力で供給可能なセラミック酸素発生器ユニット14、第1の酸素貯蔵容器またはタンク38、酸素節約レギュレータ40、および周知の経口−経鼻タイプの好ましくは酸素節約機能が付いた搭乗員用酸素マスク42からなる。
【0041】
セラミック酸素発生(COGS)Vの航空用の実施態様は、航空機からの、別体または外部の圧縮空気供給を必要とすることなく酸素を発生する。好ましくはこのデバイスが、貯蔵容器38のサイズを縮小し、暫定的な圧縮器(図示せず)の必要性を排除するために、500psigまたはそれより高い圧力でそれを供給するのに充分な堅固さを有する。このようなデバイスは現にあり、特許文献4およびいくつかの関連する特許文献の中で教示されている。発生器ユニット14は、この酸素節約技術を使用して航空機要員(1人または複数)に充分な酸素を供給する一方、発生された余剰酸素を貯蔵容器またはバックアップ酸素システム(BOS)38またはオプションの緊急またはスタンバイ貯蔵容器またはシステム(EOS)44に所望の高圧で引き渡すべく設計されている。
【0042】
レギュレータの動作モード
酸素節約レギュレータ40は、好ましくは1またはそれより多くの動作モードを有する。ノーマル・モードは、搭乗員の吸入の初期期間の間だけに酸素を供給するパルス投与を使用し、それによって酸素を節約する一方、呼吸サイクルにおいてもっとも効果的なときに酸素を提供する。これは、結果として安全性を低下させることなく、酸素消費を低減する。貯蔵された酸素は、より高い流量またはより高い濃度が必要とされるときに使用される。
【0043】
増加された酸素濃度を必要とするより高い高度において機室内圧力が失われたとき、パルス投与がより長い持続時間のパルスに遷移し、より高い高度においては100%モードとなり、それにおいてはパルス投与モードに代えて、搭乗員の呼吸のための気体の必要性に応答する需要流量バルブを介して酸素が搭乗員に供給される。この流量は、空気的に、メカニズムを介して作用する周知の呼吸ダイアフラムによって、または圧力トランスデューサおよび1またはそれより多くの電気的に作動する流量制御バルブに作用するフィードバック電子制御回路によって制御することができる。
【0044】
40,000フィートより高い高度での機室においては、呼吸レギュレータは、高度に適して加圧呼吸(PBA)を搭乗員に供給し、低下した気圧における肺による酸素の吸収をさらに高め、かつ維持するために、搭乗員に酸素を供給する流量を、上昇された呼吸圧力下で制御することもできる。
【0045】
レギュレータ40は、任意の加速度計48からの入力信号46に応答して、通常重力レベルの約4倍を超えるより高い加速度により頭からの血液が下がったときの補助を行うべく航空機の加速度の関数として酸素圧力を与えることもできる。これは、一般にGに対する加圧呼吸(PBG)と呼ばれている。ECU16およびこの航空用システムVのそのほかのコンポーネントに対して、望むときは、任意の反Gバルブ・コンポーネント58を連結することができる。それに加えて反Gバルブ58を介し、低G被服または航空Gスーツ60を、この航空システムVに接続することができる。
【0046】
任意であるが、圧力トランスデューサ50が、ECU16への制御信号52を生成できる。さらにECU16は、レギュレータ40と動作に関して接続することができる。フロー・バルブ54を、機室空気取り入れ口55とマスク42の間の流路内に任意に配置してもよい。機室空気取り入れ口55からの空気流は、レギュレータ40に伝えられるようにしてもよく、それにより機室空気と純化された気体生成物の混合が可能になる。
【0047】
追加の制御またはバルブ・システム56a、56b、56c、56dを連結し、ユーザのためのバックアップ安全性制御システムを提供することができる。
【0048】
2段階システム
COGSサブユニットの他の実施態様は、任意であるが低圧100および高圧150の気体純化または発生サブシステムを結合する2段階システム180を含む。低圧サブシステム100は、IMAT106を使用して周囲空気から内部回路へ酸素をポンピングして低圧酸素を発生する。他方の高圧サブシステム150は、IMAT160の第2のグループを使用して内部回路から安定した高圧酸素貯蔵デバイス194へ酸素をポンピングする。
【0049】
低圧サブシステム・コンポーネント
特に図4および5を参照すると、本発明の低圧サブシステムまたはコンポーネント100は、圧力スイング吸着(PSA)等の別の酸素発生技術によって供給される不純酸素を純化するためにセラミック酸素発生要素を使用する。
【0050】
酸素純化サブシステム102は、概して、図5に示されているとおり、1またはそれより多くの周知のセラミック酸素発生要素(セラミック要素)106を収容したオーブン104、任意の酸素センサ108、制御可能な不純酸素入力回路(図示せず)、主制御器110、および動作可能に接続された関連コンポーネント、たとえば電源112、温度制御器114等からなる。
【0051】
温度制御器114は、暖機および動作中、内部チャンバ内の内部オーブン104の温度を制御する。オーブン温度は、動作温度まで上昇させてセラミック要素106に対する温度衝撃が回避される。温度は、一定の動作温度(約700℃)に制御される必要がある。
【0052】
酸素センサ108は、オーブン104の内側の酸素濃度を検知し、連結部116を介して主制御器110に信号を供給する。酸素センサ108は、概して、セラミック要素と略同一の動作温度をもつ周知のセラミック・タイプ(たとえばジルコニア)ものである。この応用における使用のために自動車用酸素センサを良好な候補とすることができる。
【0053】
オーブン104と連結される不純酸素入力回路118は、概して、オプションの制流子(オリフィス)、ソレノイド・バルブ120、および高温分配管122を含む。主制御器110は、ソレノイド・バルブ120を制御し、制限された酸素流をオーブン104にパルス送出する。バルブ制御は、酸素センサ108からの酸素濃度フィードバック信号を基礎とすることができる。好ましくはオーブン104内の酸素濃度は、最適IMAT動作のための濃度の15%から20%までの範囲内に、パフォーマンスの低下を招く周囲状態に対し酸素の損失を伴うことなく維持される。
【0054】
主制御器110は、すべての制御機能を実行する。取り出し口圧力が最大圧力より低いとき(圧力スイッチPSW124によって示される)、主制御器110は、連結部126を介して電源112に、セラミック要素106に対する電力の印加を示す信号を送る。一方主制御器110は、オーブン104の内側の酸素濃度を、周囲空気の酸素濃度(20.9%)より低く、かつセラミック要素が効率的に動作するための最低レベル(15%)より上のレベルに制御する。この酸素濃度は、好ましくは18〜20%の間に制御される。
【0055】
低圧サブシステム100は、概して、そのほかの周知のコンポーネント、たとえばオーブン加熱器コンポーネント128、熱交換器130、ファン、配管、バルブ、およびそのほかのアイテムを含む。
【0056】
本発明の低圧サブシステムの利点は次のとおりである:
− 熱交換器がまったく必要ないか、または低効率熱交換器が許容可能になる。入力対出力流量比は低い。したがって、分配管の内側を移動する間に入力部の予熱を行うことができる。
− オーブン104の動作圧力は、周囲圧力よりわずかに高く保持されるだけでよい。したがって、対流を介した熱損失が有意に低減される。
− オーブン104の内側の酸素濃度が制御され、周囲への酸素の損失を伴うことなくセラミック要素106の動作を最適化する。
【0057】
高圧サブシステム・コンポーネント
特に図3、6、および7に図示されているように、本発明の高圧サブシステム150またはコンポーネントは、以前に述べたセラミック膜に、引っ張り力に代えて圧縮力をかける。セラミック材料は、圧縮において引っ張りにおける強さのほぼ15倍の強さを有する。この著しい効果を得るには、引っ張り力の扱いにより適し、コスト効果をもつ圧力容器152内に高圧高温の酸素を入れる方法を見つけ出すことが必要となる。
【0058】
圧力容器152は、好ましくは金属の外側シェル154からなり、オーブンとしても作用する。シェル154は、適切な量の高温、不燃性断熱材156で内側を覆うことができる。断熱材156の目的は、金属のシェル154を比較的冷たく維持すること、および内側チャンバ158のさらに内側に配置される潜在的な発熱源から金属をシールドすることである。外側シェル154を冷たく保つことは、金属が高い引っ張り強度特性を維持することを可能にし、酸素との有害な相互作用の可能性を下げ、さらに、外側シェル154とセラミック膜160の間における高圧シールの維持をより容易にする。
【0059】
内側チャンバ158の温度制御は、2つの別々のプロセスから構成できる。第1は、チャンバ158を熱源162によって動作温度まで上昇させることができる。好ましくはこの熱源162は、チャンバ158内に配置される不燃性の高温加熱エレメントからなる。代替加熱方法は、取り外し可能な金属エレメント、高温、不燃性材料によってシールドされた金属エレメント、または外部生成熱源、たとえばチャンバ158の内側に向けられるマイクロ波エネルギ等を含むことができる。
【0060】
チャンバ158の温度は、セラミック膜160が動作している間、セラミック膜160にわたる電圧を調整することによって、および外部手段による外側シェル154の制御された冷却によって、それらの組み合わせで制御される必要がある。発火の可能性を下げるために、チャンバ158を動作温度まで上昇させるために使用される熱源162を、チャンバ158の内側に高純度酸素が存在する間は使用不能にするか、取り外すことができる。
【0061】
高圧サブシステム150の好ましい実施態様は、セラミック膜160の内側にソース気体として濃縮酸素を供給する。したがって、入力気体の相対的な組成は、動作間にセラミック膜に掛かる動作負担を軽減するために、所望の生成物の気体に関してあらかじめ選択することができる。濃縮または富化酸素の使用は、大気を使用するよりはるかに少ない必要な入力流量によって、動作中システムの温度条件を軽減することになる。
【0062】
それに代えて、入力気体を、この分野で周知のとおり、熱交換器の使用等によって予備処理し、入力気体が取り入れ口ポート164に導入されるときのセラミック膜160に掛かる温度衝撃を低減してもよい。
【0063】
安全性が高圧酸素を有するあらゆる応用に伴う主要な考慮事項であることから、ここで述べているとおり、セラミック膜160の故障時における漏れを最小化するために、チャンバ158の取り入れ口ポート164(1つまたは複数)および生成物取り出し口ポート166(1つまたは複数)のいずれにも複数のフロー制御デバイスを使用することができる。
【0064】
任意であるが、内側チャンバ158を空にするか、あらかじめ加圧してスタートアップ・パフォーマンスを向上させることができる。
【0065】
セラミック膜160は、任意の電気化学酸素または気体発生システム、たとえば平板、管、またはハニカム等のタイプの周知の電気化学気体発生器または固体電解質酸素発生セルとすることができる。
【0066】
2段階セラミック酸素発生システム用に組み合わされたサブシステム
特に図3の2段階セラミック酸素発生システム180の機能ブロック図を参照すると、本発明は、高圧サブシステム150および本発明の低圧サブシステム100をともに含む。
【0067】
2段階システム180は、関連する温度コントローラ114、IMAT電源112、およびオーブンの空気供給ファンまたはブロア186をもつ低圧段(オーブン1)100、関連する温度制御器182およびIMAT電源184を伴う高圧段(オーブン2)150、主制御器110、およびそれぞれ主制御器110に連結されたオプションの入力/出力およびインターフェースまたは表示器188および190からなる。温度制御器114および182は、別体のコンポーネントまたは主制御器110のサブ部品とすることが可能である。
【0068】
2段階システム180は、機能的に2つのサブシステムまたは段階に分割できる。すなわち、低圧および高圧サブシステムである。低圧サブシステム100は、前述したとおり、加熱された周囲空気または制御された不純酸素をオーブン104に入力させる。この低圧サブシステム100は、低圧酸素(0〜100psig)を発生する。この低圧酸素生成物は、入力供給流として高圧サブシステム150に供給すること、または使用のために低圧取り出し口192から出力することができる。
【0069】
高圧サブシステム180は、これついても前述したが、低圧サブシステム100から入力を受け取る。高圧サブシステム180は、高圧ボンベ194の再充填のための高圧酸素を発生する(最大2000psig)。
【0070】
低圧サブシステム100は、一体型加熱器128をもつオーブン104、主制御器110の一部とすることができる温度制御器114、IMAT106のセット(IMATの数は、出力条件に依存する)、熱交換器130およびファン186を伴う空気の入力部および分配部196、およびIMAT電源112からなる。低圧段100のためのオーブン104は、熱暴走が生じないように熱設計される。温度制御器114は、正常動作間の動作温度を制御する。
【0071】
高圧サブシステム150は、酸素互換加熱器162を伴う高圧シールされたオーブン152、温度制御器182(主制御器の一部とすることができる)、IMAT160のセット(数は、出力条件および、低圧サブシステム内のIMATの数に依存する)、およびIMAT電源184からなる。
【0072】
2つの段階の中で使用されるIMATの数の間の比は、IMATの最大許容電流密度に依存する。高圧段150用のオーブン152は、正常動作間において加熱器162からの出力(パワー)を必要としないように熱設計されている。内部加熱エレメント162は、暖機(スタートアップ)期間後に使用できなくなる。動作中はIMAT160から生成された熱が使用されて、オーブン内側158が動作温度に維持される。
【0073】
主制御器110は、これら2つのサブシステム100および150の動作を制御するもので、ユーザ−インターフェースを提供する。主制御器110は、圧力スイッチ124ならびに198および温度制御器114ならびに182から受信したデータに基づいて温度制御器114ならびに182および電源112ならびに184を使用可能または使用不能にすることができる。スタートアップ、充填、またはスタンバイ期間の間における制御方法を、次に説明する。
【0074】
スタートアップの間は、動作温度(通常、約700度C)まで2つのオーブン104および152を上昇させるために主制御器110は両方の温度制御器114および182を使用可能にする。この間、IMAT電源112ならびに184の両方およびオーブン空気供給ファン186は使用不能にされる。両方のオーブン104および152が動作温度に到達すると、2つのサブシステム114および150は充填モードまたは期間に入る。
【0075】
充填期間の間は、主制御器110は、最初に低圧サブシステム100の動作可能とし、圧力スイッチPSW1124がその状態を変化させるポイントまで酸素の圧力を高める。低圧回路100内の圧力が高まった後、主制御器110は、高圧サブシステム150内の内部加熱エレメント162の使用不能にする。
【0076】
高圧サブシステム150内の温度制御は、その後、高圧IMAT電源(IMAT電源2)184を使用して制御される。主制御器110は、低圧回路(PSW1)124内の酸素圧力、高圧回路(PSW2)198内の酸素圧力、および高圧オーブン温度(温度制御器2)182から受信した信号に基づいてIMAT電源2184を使用可能にする。
【0077】
IMAT電源およびオーブン空気供給ファンのための制御ロジックの方法工程を以下に示す。ここで注意を要するが、PSW1124およびPSW2198は、サブシステムのオン/オフ制御の過度の循環を回避する大きなヒステリシスを好適に有する。
【0078】
好ましい一連の工程は次のとおりとなる:
IMAT電源1112をオン=(PSW1124が下側レベル未満(すなわち、<50psig))かつ(温度が最低動作温度を超える)
IMAT電源1 112をオフ=(PSW1124が上側レベルを超える(すなわち、>100psig))または(温度が最低動作温度未満)
オーブン空気供給ファン186をオン=IMAT電源1112をオン
IMAT電源2 184をオン=(PSW1124が下側レベル未満でない(すなわち、>50psig))かつ(PSW2 198が上側レベルを超えていない(すなわち、<=2000psig))かつ(オーブン2152温度が最大動作温度未満(すなわち、<750度C))
IMAT電源2 184をオフ=(PSW1124が下側レベル未満(すなわち、<50psig))または(PSW2 198が上側レベルを超える(すなわち、>2000psig))または(オーブン2152温度が最大動作温度を超える(すなわち、>750度C))
【0079】
充填期間(PSW2 198の切り替え)の後、システムはスタンバイ・モードに入る。スタンバイ・モードにおいては低圧サブシステム100が、上記と同一の動作ロジックによって制御される。しかしながら、高圧の主制御目的がオーブン152を、圧力における正味の増加を伴うことなく動作温度範囲内に維持することになる。酸素充填圧力における正味の増加を伴うことなくIMAT160が熱を生成するようにIMAT電源2184の出力極性が循環する。
【0080】
上記に代えて、高圧サブシステム150に入力気体を提供する低圧サブシステム100を、電気化学気体発生器ではないPSAタイプとすることも可能である。
【0081】
他のシステムの実施態様
貯蔵および節約モードをもつ本酸素発生器は、以下に示す代替実施態様を含むことができる。
【0082】
1. 吸入の開始時における酸素流のパルスを作り出すためにソレノイド・バルブを循環する代わりに、COG発生器モジュール(1つまたは複数)14に印加される電圧は、個人またはユーザに対して所望の循環フローを生成するように循環する。この実施態様は、システムのサイズがそれほど決定的でないか、加圧された酸素の貯蔵が望まれない場合に有益となろう。全体的なシステムの回路は単純化されること、またはECU16と電子的に、かつ経鼻カニューレ32と連通されるCOG発生器またはシステム14にまで縮小することを可能にする。ECU16は、選択された周知のセンサ設計からセンサ入力を有することもできる。
【0083】
2. 基本的に一貫性のある呼吸パターンの予め定められた期間の後、ECU16に埋め込まれたソフトウエア・アルゴリズム(1つまたは複数)は、次の呼吸を予測または予期すること、および酸素の供給の効率をさらに最適化して酸素消費をさらに削減することを可能にする。
【0084】
3. 代替酸素引き渡しシーケンスは、呼出の終了時にマスクまたはカニューレ内に、または次の吸入のための準備を行う吸入の完了時においてマスクの吸入チェック・バルブ直近の上流のマスク・ホース内に酸素を注入することである。これは、システムの応答を遅延させ、吸入サイクルにおけるもっとも効率的なポイントでの酸素の提供に失敗することがある吸入シーケンスの開始の検出を待機していることに代わるものである。
【0085】
4. ほかのセンサを追加して周囲圧力および温度に対して酸素のパルス変調を最適化し、所望の生理学的保護を提供することができる。
【0086】
5. 航空機の高G操作の間にオプションの別体の反Gバルブが、呼吸レギュレータ28のGのための加圧呼吸(PBG)モードを活性化する圧力信号を提供することができる。呼吸レギュレータ28は、その後、COG14によって発生され、貯蔵されている酸素を使用し、それを航空機機室からの周囲空気に追加して航空機搭乗員の生理学的要求を満たす所望の酸素濃度を提供する。
【0087】
6. 代替として、呼吸レギュレータ28のための電子制御器内にアルゴリズムを提供し、米国特許第6,450,943号の中で教示されているとおり、プッシュ−プル効果に抗する追加の圧力制御を提供することが可能である。
【0088】
7. 貯蔵済みの酸素をシステムのスタートアップ間に使用して、システムが暖機シーケンスにある間の酸素要求量を提供する。
【0089】
8. COG14によって放散される熱エネルギを、航空機搭乗員の快適等のほかの必要性のための熱源として使用することができる。
【0090】
9. このシステムは、CBW(生物化学戦)に晒されている間に貯蔵済み酸素を使用することによって100%モードに頼ることができる。
【0091】
10. 代替としてこのシステムは、より高い高度における航空機からの射出(脱出)の間に搭乗員に酸素を提供する射出座席搭載緊急酸素システム(EOS)44に酸素を提供することができる。
【0092】
11. 代替として、温風エンジン抽気を使用して熱損失およびCOGSオーブンの内側の高温の維持に必要な断熱材の量を減らすことができる。
【0093】
12. COG14を、高圧において酸素を供給することが同様に可能な任意の酸素発生器に置き換えることができる(たとえば、酸素圧縮器に結合されたPSA−ベースのOBOGS)。
【0094】
13. 周知の酸素計を追加して酸素のパルスまたは連続流の調整をサポートする閉ループ・フィードバックを提供し、血中酸素レベルを改善することができる。患者通知アラームを用いてマニュアル決定または自動制御を可能にするアラームを開始することができる。
【0095】
14. 制御は、需要がリアルタイム発生レートを超え、かつ貯蔵が枯渇したときにCOGモジュール14の駆動電圧を正常電圧より増加して発生レートを上昇させる、マニュアルまたは自動的な活性化が可能な緊急モードを含むことができる。アラームを開始することも可能である。
【0096】
15. ECU16を分離して移動式ボンベに帰属させること、およびCOGをより単純に制御して、ボンベ(1つまたは複数)の再充填だけを行わせることが可能である。
【0097】
16. 航空酸素応用のために移動式ボンベを追加し、CBW攻撃の間の立ち入りおよび外出のための呼吸可能な供給源を提供することができる。
【0098】
17. 航空酸素システム用に、酸素を節約し、かつ酸素を節約するための濾過空気の必要性を排除する、CO洗浄器をもつ閉ループ呼吸システムを設計することが可能である。
【0099】
以上の本発明の開示および説明は例示およびその説明であり、サイズ、形状および材料をはじめ、例示されている構成の詳細における種々の変更を、本発明の思想から逸脱することなしに行い得る。
【符号の説明】
【0100】
10 貯蔵容器(移動式貯蔵ボンベ)
12 貯蔵容器(貯蔵ユニット、貯蔵タンク)
14 COGS(気体発生システム、COGユニット、電気化学酸素発生システム、セラミック酸素発生器ユニット、COGモジュール)
16 電子制御ユニット(電子制御ユニット、ECU)
18 圧力トランスデューサ(PT1)
20 気体ライン
22 フロー・バルブ
24 パイプ
25 T連結部(マニフォールド)
26 パルス・バルブ(バルブ、フロー・バルブ)
28 レギュレータ(レギュレータ・ユニット、呼吸レギュレータ)
30 流体流路
31a 圧力トランスデューサ(PT2)
31b 圧力トランスデューサ(PT3)
32 酸素供給(カニューレ)
34 管路
36 フィードバック信号
38 第1の酸素貯蔵容器またはタンク(貯蔵容器、バックアップ酸素システム(BOS))
40 酸素節約レギュレータ
42 酸素マスク(マスク)
44 スタンバイ貯蔵容器またはシステム(EOS)(緊急酸素システム(EOS))
46 入力信号
48 加速度計
50 圧力トランスデューサ
52 制御信号
54 フロー・バルブ
55 機室空気取り入れ口
56a、56b、56c、56d バルブ・システム
58 反Gバルブ・コンポーネント
60 航空Gスーツ(低G被服)
100 低圧サブシステム(低圧段)
102 酸素純化サブシステム
104 オーブン
106 IMAT(セラミック酸素発生エレメント、セラミック要素)
108 酸素センサ
110 主制御器
112 電源(IMAT電源)
114 温度制御器
116 接続
118 不純酸素入力回路
120 ソレノイド・バルブ
122 高温分配管
124 圧力スイッチPSW(PSW1)
126 接続
128 オーブン加熱器コンポーネント(加熱器、一体型加熱器)
130 熱交換器
150 高圧サブシステム(高圧段)
152 圧力容器;オーブン(オーブン2)
154 シェル
156 断熱材
158 内側チャンバ(チャンバ、オーブン内側)
160 IMAT(セラミック膜)
162 熱源(加熱器、内部加熱要素)
164 取り入れ口ポート
166 生成物取り出し口ポート
180 2段階システム(2段階セラミック酸素発生システム)
182 温度制御器
184 IMAT電源(IMAT電源2)
186 ブロア;ファン(オーブン空気供給ファン)
188 指示器
190 指示器
192 低圧取り出し口
194 高圧酸素貯蔵デバイス(高圧ボンベ)
196 入力部および分配部
198 PSW2(圧力スイッチ)
C COGS
C システム
V 航空酸素システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低圧生成物の気体および高圧生成物の気体を発生するための2段階セラミック気体発生システムであって、
選択された低圧をもつ前記生成物の気体を発生するセラミック膜を含む低圧気体発生サブシステム、および
前記低圧サブシステムからの前記生成物の気体の圧力より高い所望の圧力レベルをもつ前記生成物の気体を発生するための、別個のセラミック膜を使用する電気化学的酸素発生システムを有する高圧気体発生サブシステム、
を含み、
前記高圧気体発生サブシステムは、前記高圧ガス発生サブシステムの別個のセラミック膜への入力ストリームとして、前記低圧サブシステムから前記低圧生成物の気体の少なくとも一部を受け取る、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記低圧気体発生サブシステムは、さらに、オーブンの内側キャビティの中に動作可能にマウントされた、前記内側キャビティの中の酸素濃度を検知するため、および前記オーブンに対する入力気体を制御する制御・モジュールに伝達される信号を発生するための酸素センサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記低圧気体発生サブシステムは、前記生成物の気体を発生するための別個の第二のセラミック膜をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記低圧気体発生サブシステムは、圧力スイング吸着(PSA)気体生成器である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
所望の生成物の気体を生成するための高圧気体発生システムであって、
外側シェルおよび所望の圧力および温度をもつ気体を包含できる内側キャビティを有する圧力容器であって、入力気体を前記内側キャビティに伝えるための取り入れ口および、前記内側キャビティから前記生成物の気体を伝えるための取り出し口を有する圧力容器、
前記内部キャビティ内にある、前記内側キャビティの温度を調整するための加熱エレメント、および
前記内部キャビティ内に取り付けられた、選択された入力気体を純化し、所望の生成物の気体を発生するための少なくとも1つの電気化学気体発生ユニット、
を含み、
前記電気化学気体発生ユニットはセラミック膜を含み、
該セラミック膜は、前記圧力容器内で前記セラミック膜と前記圧力容器の外側シェルとの間に形成される高圧にさらされ、
前記セラミック膜は、前記圧力容器内に形成される高圧により圧縮力を受ける、
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
前記圧力容器は、さらに、前記内側キャビティの中の熱の維持のための断熱部を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
さらに、前記内側キャビティ内の温度を調整するための前記加熱エレメントに連結された制御器を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記入力気体の温度は、前記セラミック膜に供給される前に予め定められた温度状態に調整される、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記入力気体の相対的な組成は、動作中の前記セラミック膜の動作負担を軽減するために前記所望の生成物の気体に関して予め選択される、請求項5に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−210417(P2012−210417A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−122532(P2012−122532)
【出願日】平成24年5月29日(2012.5.29)
【分割の表示】特願2007−532402(P2007−532402)の分割
【原出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(505073521)カールトン・ライフ・サポート・システムズ・インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】CARLETON LIFE SUPPORT SYSTEMS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】10 Cobham Drive, Orchard Park, New York 14127−4195 U. S. A.
【Fターム(参考)】