説明

貯血槽

【課題】除泡後の血液に気泡が混入しないようにする、ことにある。
【解決手段】貯血槽1のガイド部材60が、発泡材料で構成されている。このため、気泡が取り除かれた血液は、ガイド部材60に浸透した状態で導かれる。これにより、このガイド部材60では、除泡後の血液を適当な着水速度において、所定の位置へと導くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイド部材を有する貯血槽に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の心臓手術においては、人工心肺装置が用いられる。人工心肺装置は、主に、貯血槽、送血ポンプ、熱交換器、血液回路、および人工肺等から構成されている。このような人工心肺装置では、まず、患者の静脈より脱血した血液(静脈血)および術野より吸引した血液(吸引血)が、貯血槽に送り込まれ、貯血槽において、一時的に貯留される。そして、この血液が、送血ポンプにより熱交換器に送り込まれ、熱交換器において、血液の温度調節が行われる。また、人工肺において、温度調節が行われた血液のガス交換(二酸化炭素除去、酸素添加)が行われる。最後に、この血液が、動脈血として、患者の体内に戻される。
【0003】
このような人工心肺装置は、心臓手術において一時的に心臓と肺の機能を代行するものである。このため、人工心肺装置では、血液を患者に送り返す前に、手術時に血液に混入した異物や気泡等を、取り除く必要がある。たとえば、特許文献1には、骨片や肉片等の異物および気泡を同時に血液から取り除くことができる貯血槽(カーディオトミーリザーバを内蔵した貯血槽)が、示されている。
【特許文献1】特開平5−317420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の貯血槽は、底部の一部が外方に突出した突出部を有している。そして、この突出部の上方には、静脈血から気泡を取り除くための静脈血用のフィルタが配置されている。また、静脈血用のフィルタに隣接した位置、すなわち突出部の斜め上方には、吸引血用のフィルタが配置されている。この吸引血用のフィルタにより吸引血から異物や気泡が取り除かれると、貯血量が少ない場合において、この吸引血は、貯血槽の突出部に隣接した底部(非突出部)に落下する。すると、この吸引血は、貯血槽の非突出部から、突出部の方向に、底面を伝いながら流れ、突出部の内部空間に貯留される。
【0005】
このように、従来の貯血槽では、吸引血用のフィルタにより異物や気泡が取り除かれた吸引血が、貯血量が少ない場合において、貯血槽の底面を伝いながら突出部の内部に流れ込むため、この吸引血が、突出部の内部空間に到達するまでに時間がかかるという問題があった。すなわち、吸引血用のフィルタにより異物や気泡が吸引血から既に取り除かれているにもかかわらず、この吸引血が貯血量として反映されるまでに時間がかかるという問題があった。このため、このような貯血槽が使用される現場では、この貯血槽を管理する臨床工学技士、看護師、又は医師等の医療従事者が、手術中に貯血量を正確に把握しにくいという問題があった。
【0006】
このような問題を解決するために、吸引血用のフィルタが突出部の上方に配置された貯血槽が、開発された。このような貯血槽では、吸引血用のフィルタが突出部の上方に配置されているので、この吸引血用のフィルタにより吸引血から異物や気泡が取り除かれると、この吸引血は、貯血槽の突出部の内部に落下する。このため、このような貯血槽を用いると、吸引血用のフィルタにより異物や気泡が取り除かれた吸引血が、貯血量として反映されやすくなった。しかしながら、貯血量が少ない場合において、このような貯血槽では、異物や気泡が取り除かれた吸引血が落下を開始する位置から、突出部の内部において血液が貯血される部分までの落下距離が大きくなるので、この落下により気泡が混入してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、除泡後の血液に気泡が混入しないようにする、ことにある。また、本発明の目的は、医療従事者が、貯血量をより正確に把握できるようにする、ことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る貯血槽は、静脈血および/または吸引血を貯留するための貯血槽である。この貯血槽は、ハウジングと、濾過手段と、ガイド部材とを備えている。ハウジングは、血液の流入部と血液の流出部とを有している。濾過手段は、流入部から流入した血液を濾過するためのものである。この濾過手段は、ハウジングの内部に配置される。ガイド部材は、濾過手段と流出部との間に配置され、濾過手段により濾過された血液を流出部の方向に導く。このガイド部材は、発泡材料で構成されている。
【0009】
ここでは、貯血槽が、ガイド部材を備えている。このガイド部材は、濾過手段と流出部との間に配置されるので、濾過手段により濾過された血液を、適当な着水速度において、流出部へと確実に導くことができる。また、このガイド部材が発泡材料で構成されているため、気泡が取り除かれた血液は、ガイド部材に浸透した状態で導かれる。これにより、このガイド部材では、除泡後の血液を適当な着水速度において、所定の位置へと導くことができる。すなわち、このガイド部材により、濾過後の血液に対する気泡の混入を、防止することができる。また、貯血槽を管理している医療従事者が、貯血槽に溜まった貯血量を、より正確に把握することができる。
【0010】
請求項2に係る貯血槽は、静脈血および/または吸引血を貯留するための貯血槽である。この貯血槽は、ハウジングと、静脈血濾過手段と、吸引血濾過手段と、ガイド部材とを備えている。ハウジングは、血液の流入部と血液の流出部とを有している。静脈血濾過手段は、静脈血から気泡を除くための静脈血用のフィルタ部材を有している。この静脈血濾過手段は、ハウジングの内部に配置される。吸引血濾過手段は、吸引血用の第1フィルタ部材と、吸引血用の第2フィルタ部材とを有している。吸引血用の第1フィルタ部材は、吸引血から異物および気泡を除くためのものであり、ハウジングの内部に配置される。吸引血用の第2フィルタ部材は、前記吸引血用の第1フィルタ部材を通過した吸引血から異物および気泡を除くためのものであり、吸引血用の第1フィルタ部材の外方に配置される。ガイド部材は、吸引血濾過手段と流出部との間に配置され、吸引血濾過手段により濾過された血液を流出部の方向に導く。
【0011】
ここでは、貯血槽が、ガイド部材を備えている。このガイド部材は、吸引血濾過手段と流出部との間に配置されるので、吸引血濾過手段により濾過された血液を、飛散させることなく、流出部へと確実に導くことができる。すなわち、このガイド部材により、濾過後の血液に対する気泡の混入を、防止することができる。また、貯血槽を管理している医療従事者が、貯血槽に溜まった貯血量を、より正確に把握することができる。
【0012】
請求項3に係る貯血槽は、請求項1または2に記載の貯血槽において、ガイド部材が厚み方向に圧縮された板状部材である。
【0013】
この場合、ガイド部材を構成する所定の発泡材料が、厚み方向に圧縮されているので、厚み方向に直交する方向に長い孔を、ガイド部材に形成することができる。これにより、ガイド部材に浸透し導かれる血液を、厚み方向に直交する方向に、スムーズに導くことができると同時に、この部材に気泡が残留しづらくなる。
【0014】
請求項4に係る貯血槽は、請求項1〜3のいずれかに記載の貯血槽において、材料の密度の大きさに対応する傾斜角度で、配置される。
【0015】
この場合、ガイド部材の傾斜角度が、ガイド部材の材料の密度に応じて異なる角度に設定される。一般的には、ガイド部材の材料の密度が高くなるにつれて、ガイド部材の空隙が少なくなる。このため、ガイド部材の材料の密度が高くなると、血液がガイド部材に浸透しにくくなる。すなわち、ガイド部材の材料の密度が高くなると、血液は、ガイド部材に浸透することなく、ガイド部材の表面を伝わる。このため、ガイド部材の材料の密度が高くなると、血液がガイド部材を伝わる速度が、速くなる。
【0016】
このような理由から、たとえば、ガイド部材の材料の密度が高くなるにつれて、ガイド部材の傾斜角度が緩くなるように、ガイド部材を配置することにより、除泡後の血液を適当な着水速度において、所定の位置へと導くことができる。すなわち、このガイド部材により、除泡後の血液に対する気泡の混入を、防止することができる。
【0017】
請求項5に係る貯血槽は、請求項1から4のいずれかに記載の貯血槽において、ガイド部材は、密度が0.02g/cmから0.05g/cmまでの範囲である発泡材料で構成され、傾斜角度が70度以上である。
【0018】
この場合、ガイド部材の材料の密度を、0.02g/cmから0.05g/cmまでの範囲および傾斜角度を70度以上の範囲に設定することにより、除泡後の血液を適当な着水速度において、所定の位置へと確実に導くことができる。すなわち、このガイド部材により、除泡後の血液に対する気泡の混入を、防止することができる。
【0019】
請求項6に係る貯血槽は、請求項1から4のいずれかに記載の貯血槽において、ガイド部材は、密度が0.05g/cmから0.20g/cmまでの範囲である発泡材料で構成され、傾斜角度が65度から70度である。
【0020】
この場合、ガイド部材の材料の密度を、0.05g/cmから0.20g/cmまでの範囲および傾斜角度を65度から70度の範囲に設定することにより、除泡後の血液を適当な着水速度において、所定の位置へと確実に導くことができる。すなわち、このガイド部材により、除泡後の血液に対する気泡の混入を、防止することができる。
【0021】
請求項7に係る貯血槽は、請求項1から4のいずれかに記載の貯血槽において、ガイド部材は、密度が0.20/cmから0.40g/cmまでの範囲である発泡材料で構成され、傾斜角度が65度未満である。
【0022】
この場合、ガイド部材の材料の密度を、0.25g/cmから0.40g/cmまでの範囲および傾斜角度を65度未満の範囲に設定することにより、除泡後の血液を適当な着水速度において、所定の位置へと確実に導くことができる。すなわち、このガイド部材により、除泡後の血液に対する気泡の混入を、防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、ガイド部材が、発泡材料で構成されている。このため、気泡が取り除かれた血液は、ガイド部材に浸透した状態で導かれる。これにより、このガイド部材では、除泡後の血液を適当な着水速度において、所定の位置へと導くことができる。すなわち、このガイド部材により、除泡後の血液に対する気泡の混入を、防止することができる。
【0024】
また、本発明では、貯血槽が、ガイド部材を備えている。このガイド部材は、濾過手段と流出部との間に配置されるので、濾過手段により濾過された血液を、適当な着水速度において、流出部へと確実に導くことができる。すなわち、このガイド部材により、濾過後の血液に対する気泡の混入を、防止することができる。また、貯血槽を管理している医療従事者が、貯血槽に溜まった貯血量を、より正確に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明において、静脈血とは患者の血管からカニューレを介して脱血された血液を示し、吸引血とは術野である心臓内外から吸引した血液(ベント血およびサクション血)を示す。また、本発明において異物とは、脂肪球、肉片、骨片、変性蛋白および凝集塊等の吸引血に含まれる可能性のある血液以外の物質を示す。
【0026】
図1は、本発明における一実施形態としての貯血槽1の外観図を示す。図2は、フィルタ支持ユニット20の第2支持部材22の分解斜視図を示す。図3は、第2支持部材22を構成するフィルタ挟持部材222の斜視図を示す。図4は、第2支持部材22を構成する底部材322の斜視図を示す。図5は、貯血槽の断面図を示す。図6および図7は、装着前の吸引血用の第2フィルタ部材の側面図を示す。図8は、ガイド部材の傾斜角度と、ガイド部材の材料の密度との関係を示す。
【0027】
貯血槽1は、ハウジング10と、フィルタ支持ユニット20と、血液導入管30と、静脈血濾過手段40と、吸引血濾過手段50と、ガイド部材60とを備えている。
【0028】
ハウジング10は、図1に示すように、ハウジング本体11と、蓋体12とを有している。このハウジング10の内部には、図5に示すように、血液を貯留する貯留空間Sが、形成されている。この貯留空間Sは、ハウジング本体11に蓋体12を装着することにより形成されるハウジング10の内部空間である。
【0029】
ハウジング本体11は、一部が開口した箱形形状に形成されている。このハウジング本体11の開口は、略楕円形状または略四角形状に形成されている。また、ハウジング本体11は、図1および図5に示すように、箱形部11aと、突出部11bとを有している。箱形部11aは、血液が流入する側の貯留空間S、すなわち上部貯留空間Saを、形成する。突出部11bは、血液が流出する側の貯留空間S、すなわち下部貯留空間Sbを、形成する。突出部11bは、箱形部11aの底部の一部が外方に突出した部分であり、箱形部11aに一体に形成されている。突出部11bの底部には、貯留空間Sから外部に連通する管状の血液流出口11cが設けられている。この血液流出口11cは、たとえば、体外血液循環回路の送血ラインのチューブに接続される。
【0030】
なお、ここでは、箱形部11aの一側面と突出部11bの一側面とは、同一面に形成されている。この同一面には、貯血量を確認するための目盛り(図示せず)が設けられている。また、箱形部11aの底部および突出部11bの底部は、ハウジング本体11の開口に対向している。
【0031】
蓋体12は、図1および図5に示すように、ハウジング本体11の開口を覆うようにハウジング本体11に嵌合され装着される。また、蓋体12には、第1血液流入口12aと第2血液流入口12bとが、設けられている。第1血液流入口12aは、たとえば、体外血液循環回路における静脈血用の脱血ラインのチューブに接続される。第2血液流入口12bは、たとえば、体外血液循環回路における吸引血用の脱血ラインのチューブに接続される。これら第1血液流入口12aおよび第2血液流入口12bは、蓋体12がハウジング本体11に装着された状態において、外部から貯留空間Sたとえば上部貯留空間Saに連通する。
【0032】
また、蓋体12には、貯血槽1内における血液の増減に伴う空気の出入りを許可する脱気口(図示せず)が、設けられている。消泡後の空気や破泡後の空気は、この脱気口から外部に排出される。
【0033】
ハウジング本体11および蓋体12の構成材料としては、たとえば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等を挙げることができる。このような材料で形成されるハウジング本体11は、貯血槽1の内部に貯留された貯血量や内部の血液の状態を、目視で確認することができるように、実質的に透明であるのが好ましい。
【0034】
フィルタ支持ユニット20は、静脈血濾過手段40および吸引血濾過手段50を支持するためのものであり、ハウジング10たとえば蓋体12に装着される。フィルタ支持ユニット20は、図2から図5に示すように、第1支持部材21と、第2支持部材22とから構成されている。第1支持部材21は、静脈血濾過手段40たとえば後述する静脈血用のフィルタ部材41を支持する部分である。第1支持部材21は、フレーム構造で形成されており、蓋体12の裏面に装着される。
【0035】
第2支持部材22は、図2から図5に示すように、吸引血濾過手段50、たとえば後述する吸引血用の第1フィルタ部材51および吸引血用の第2フィルタ部材52を、支持する部材である。第2支持部材22は、蓋体12の裏面に装着される。具体的には、第2支持部材22は、枠体122と、枠体122との間において吸引血用の第2フィルタ部材52を挟持するフィルタ挟持部材222と、吸引血用の第2フィルタ部材52の底部を支持する底部材322とを有している。
【0036】
枠体122は、蓋体12の裏面に装着される。枠体122は、互いに対向した2つの板部122aと、2つの板部122aを連結する連結部材122bと、各板部122aの内面に形成されたツメ部122cとを有している。第2支持部材22は、2つの板部122aにおいて、蓋体12の裏面に装着される。吸引血用の第2フィルタ部材52は、板部122aと連結部材122bとに被せた状態において、板部122aに係止され装着される。
【0037】
フィルタ挟持部材222は、蓋体12の裏面に装着される。フィルタ挟持部材222は、枠体122の外形に沿うような箱状に形成されている。フィルタ挟持部材222には、上部、中央部、および下部に開口が形成されている。上部の開口222aは、枠体122を挿入するためのものである。中央部の開口222bは、吸引血用の第2フィルタ部材52の第1フィルタ部52aたとえば不織布を通過した血液が主に通過する通過口になっている。下部の開口222cは、吸引血用の第2フィルタ部材52の第2フィルタ部52bたとえばメッシュクロス(スクリーンメッシュ)を通過した血液が主に通過する通過口になっている。フィルタ挟持部材222は、吸引血用の第2フィルタ部材52を枠体122に被せた状態において、蓋体12に装着される。
【0038】
底部材322は、フィルタ挟持部材222に装着される。詳細には、底部材322は、フィルタ挟持部材222に形成された通過口222cに装着される。底部材322は、吸引血用の第2フィルタ部材52の底部(後述する第2フィルタ部52b)を支持した状態で、吸引血が内部を通過可能なように形成されている。底部材322は、吸引血用の第2フィルタ部材52の底部を支持する支持部322aと、吸引血濾過手段50からの吸引血が通過可能な通路部322bが、形成されている。支持部322aは、板状に形成されており、吸引血用の第2フィルタ部材52の底部に当接して、吸引血用の第2フィルタ部材52の底部を支持する。
【0039】
通路部322bは、矩形筒状に形成されている。言い換えると、通路部322bは、中空の嘴状に形成されている。この通路部322bには、対向する側面に開口部322cが設けられている。これにより、通路部322bを通過する吸引血は、通路部322bの先端からだけでなく、この開口部322cからも流出する。
【0040】
また、底部材322がフィルタ挟持部材222に装着された状態においては、通路部322bは、水平方向を基準とした所定の傾斜角度αに設定される(図5を参照)。具体的には、水平方向を基準とした通路部322bの傾斜角度αが約65度になるように、底部材322がフィルタ挟持部材222に装着される。
【0041】
さらに、底部材322がフィルタ挟持部材222に装着された状態においては、底部材322の通路部322bの先端部は、突出部11bの内部に配置される。これにより、濾過後の吸引血を、突出部11bの上部から突出部11bの内部へと導くことができる。
【0042】
なお、「蓋体12の裏面」という文言は、蓋体12における、第1血液流入口12aおよび第2血液流入口12bが設けられた側とは反対側の面を示す文言である。また、「蓋体12の表面」という文言は、蓋体12の裏面とは反対側の面を示す文言である。すなわち、「蓋体12の表面」という文言は、蓋体12における、第1血液流入口12aおよび第2血液流入口12bが設けられた側の面を示す文言である。
【0043】
血液導入管30は、静脈血を第1血液流入口12aからハウジング10の内部に導くための静脈血用の血液導入管31と、吸引血を第2血液流入口12bからハウジング10の内部に導くための吸引血用の血液導入管32とを有している。
【0044】
静脈血用の血液導入管31は、第1血液流入口12aの位置において、蓋体12の裏面に装着される。また、静脈血用の血液導入管31は、管状に形成されており、第1支持部材21のフレーム構造の内部に挿通され配置される。そして、蓋体12がハウジング本体11に装着されたときには、静脈血用の血液導入管31は、一端が蓋体12の裏面に装着された状態において、他端が突出部11bの内部に位置する。言い換えると、蓋体12がハウジング本体11に装着されたときには、静脈血用の血液導入管31は、蓋体12の第1血液流入口12aから、ハウジング本体11の突出部11bに向けて斜めに延びた状態で、ハウジング10の内部に配置される。
【0045】
吸引血用の血液導入管32は、第2血液流入口12bの位置において、蓋体12の裏面に装着される。具体的には、吸引血用の血液導入管32は、管状に形成されており、第2支持部材22と蓋体12との間において、第2血液流入口12bの位置において、蓋体12の裏面に装着される。そして、蓋体12がハウジング本体11に装着されたときには、吸引血用の血液導入管32は、一端が蓋体12の裏面に装着された状態において、他端は突出部11bの上方に位置する。言い換えると、蓋体12がハウジング本体11に装着されたときには、吸引血用の血液導入管32は、蓋体12の第2血液流入口12bから、ハウジング本体11の突出部11bに向けて下方に延びた状態で、第2支持部材22たとえば枠体122の内部に配置される。
【0046】
なお、ここでは、吸引血用の血液導入管32が、第2血液流入口12bの位置において蓋体12の裏面に装着される場合の例を示しているが、吸引血用の血液導入管32は、第2血液流入口12bの位置において蓋体12の裏面に一体に形成されるようにしても良い。
【0047】
静脈血濾過手段40は、ハウジング10の内部に装着される。静脈血濾過手段40は、静脈血用のフィルタ部材41を有している。静脈血用のフィルタ部材41は、第1血液流入口12aから静脈血用の血液導入管31を介してハウジング10の内部に導入された静脈血から、気泡を除くためのものである。このため、静脈血用のフィルタ部材41の孔径は、約20〜40μmであるのが好ましい。
【0048】
静脈血用のフィルタ部材41は、一部が開口した袋状に形成されており、ハウジング10の内部に配置される。具体的には、静脈血用のフィルタ部材41は、上部が開口した袋状に形成されており、フィルタ支持ユニット20の第1支持部材21の外面に装着される。より具体的には、静脈血用のフィルタ部材41は、フィルタ支持ユニット20の第1支持部材21のフレーム構造を包み込むように、フィルタ支持ユニット20の第1支持部材21に装着される。これにより、蓋体12がハウジング本体11に装着されたときには、静脈血用のフィルタ部材41は、蓋体12の第1血液流入口12aから、ハウジング本体11の突出部11bに向けて斜めに延びた状態で、ハウジング10の内部に配置される。
【0049】
吸引血濾過手段50は、ハウジング10の内部に装着される。吸引血濾過手段50は、吸引血用の第1フィルタ部材51と、吸引血用の第2フィルタ部材52とを有している。
【0050】
吸引血用の第1フィルタ部材51は、第2血液流入口12bから吸引血用の血液導入管32を介してハウジング10の内部に導入された吸引血から、比較的大きな異物および気泡を取り除くためのものである。
【0051】
吸引血用の第1フィルタ部材51は、一部が開口したハット状に形成されており、ハウジング10の内部に配置される。吸引血用の第1フィルタ部材51は、蓋体12の裏面に装着される。具体的には、吸引血用の第1フィルタ部材51は、鍔部51aと凹部51bとを有している。より具体的には、この吸引血用の第1フィルタ部材51は、凹部51bが吸引血用の血液導入管32に嵌合され、鍔部51aが蓋体12の裏面に装着される。そして、吸引血用の第1フィルタ部材51の鍔部51aが、蓋体12に装着される第2支持部材22により支持される。詳細には、吸引血用の第1フィルタ部材51の鍔部51aが、第2支持部材22の枠体122に設けられるツメ部122cにより支持される。
【0052】
吸引血用の第1フィルタ部材51には、発泡ウレタンが、用いられている。吸引血用の第1フィルタ部材51の内面たとえば凹部51bの内面には、気泡の接触時に消泡する消泡剤たとえばシリコーンが、塗布されている。このため、吸引血が吸引血用の第1フィルタ部材51を通過する前に、吸引血が第1フィルタ部材51の内面に接触すると、吸引血に含まれる気泡が、消泡剤により破裂させられる。そして、吸引血が吸引血用の第1フィルタ部材51を通過した後には、吸引血用の第1フィルタ部材51の目のサイズに対応した所定のサイズ以上の気泡が、吸引血から取り除かれる。 また、吸引血が吸引血用の第1フィルタ部材51を通過するときには、吸引血から異物も取り除かれる。ここでは、たとえば、吸引血用の第1フィルタ部材51の目のサイズより大きな異物が、吸引血から取り除かれる。
【0053】
吸引血用の第2フィルタ部材52は、第1フィルタ部材を通過した吸引血、すなわち、吸引血用の第2フィルタ部材52において比較的大きな異物および気泡が除去された吸引血から、異物および気泡を取り除くためのものである。この吸引血用の第2フィルタ部材52の孔径は、約20〜200μmであるのが好ましい。
【0054】
吸引血用の第2フィルタ部材52は、一部が開口した袋状に形成されており、ハウジング10の内部に配置される。具体的には、吸引血用の第2フィルタ部材52は、上部が開口した袋状に形成されている。また、吸引血用の第2フィルタ部材52は、吸引血用の第1フィルタ部材51の外側に配置されるフィルタ支持ユニット20の第2支持部材22に、装着される。たとえば、吸引血用の第2フィルタ部材52は、板部122aと連結部材122bとに被せられ、板部122aに係止され装着される。この状態において、フィルタ挟持部材222が、枠体122に装着される。そして、底部材322が、フィルタ挟持部材222に形成された通過口222cに装着される。すると、吸引血用の第2フィルタ部材52は、底部が内方に折り返された状態で、フィルタ支持ユニット20に支持される。また、この状態においては、吸引血用の第1フィルタ部材51が、吸引血用の第2フィルタ部材52の内部に、配置されている。
【0055】
詳細には、吸引血用の第2フィルタ部材52は、図6および図7に示すように、第1フィルタ部52aと第2フィルタ部52bとを有している。
【0056】
第1フィルタ部52aは、袋状の吸引血用の第2フィルタ部材52における壁部、すなわち血液が流入する方向の上流側の壁部を、形成する。第1フィルタ部52aは、2枚の略台形状のシート状のメッシュ部材から構成されている。具体的には、2枚のメッシュ部材それぞれの2つの側辺(上辺と下辺とを除いた辺)を、互いに圧着又は溶着することにより、第1フィルタ部52aが形成される。また、第1フィルタ部52aは、たとえば不織布で、形成されている。第1フィルタ部52aは、上部開口を形成する辺において、枠体122に装着される。
【0057】
なお、ここで用いた「略台形」という文言は、「外方に突出した下辺を有する台形」又は「外方に曲がった下辺を有する台形」という意味を示す文言である。
【0058】
第2フィルタ部52bは、血液が流入する方向の下流側において、底部を形成する。第2フィルタ部52bは、2枚の略台形状のシート状のメッシュ部材から構成されている。具体的には、第2フィルタ部用の略台形状のメッシュ部材52bの高さH2(台形の高さ)が、第1フィルタ部用の略台形状のメッシュ部材52aの高さH1(台形の高さ)より小さくなるように、第2フィルタ部用の略台形状のメッシュ部材52bは、形成されている。より具体的には、第2フィルタ部用の略台形状のメッシュ部材52bの高さH2が、第1フィルタ部用の略台形状のメッシュ部材52aの高さH1の約1/3になるように、第2フィルタ部用の略台形状のメッシュ部材52bは、形成されるのが好ましい。
【0059】
また、2枚のメッシュ部材それぞれの2つの側辺(上辺と下辺とを除いた辺)を、互いに圧着又は溶着することにより、第2フィルタ部52bは形成される。そして、この第2フィルタ部52bの下辺(第2フィルタ部52bを構成する2枚のメッシュ部材それぞれの下辺)を、第1フィルタ部52aの上辺(第1フィルタ部52aを構成する2枚のメッシュ部材それぞれの上辺)に圧着又は溶着することにより、吸引血用の第2フィルタ部材52が形成される(図6を参照)。この状態において、第2フィルタ部52bは、底部材322に支持され、血液が流入する方向の上流側に凸状に形成される(図5を参照)。
【0060】
吸引血用の第2フィルタ部材52が、枠体122とフィルタ挟持部材222との間に配置された状態において、底部材322がフィルタ挟持部材222の下部に装着されると、第2フィルタ部52bが第1フィルタ部52aとの連結部52c(圧着部又は溶着部)において、第1フィルタ部52aの内側に折り曲げられる(図5および図7を参照)。そして、第2フィルタ部52bは、底部材322の支持部322aに支持される。すると、第2フィルタ部52bが、ハウジング10の内部において、血液が流入する方向の上流側に凸状に維持される。この状態で、吸引血が第2フィルタ部52bを通過すると、この吸引血は、底部材322の通路部322bを通過する。
【0061】
また、第2フィルタ部52bは、第1フィルタ部52aとは異なる仕様となっている。たとえば、第2フィルタ部52bは、第1フィルタ部52aより高い液透過性を有する材料で、形成されている。より具体的には、第2フィルタ部52bはメッシュクロス(スクリーンメッシュ)で、形成されている。
【0062】
なお、仕様という文言は、構造、材料、材質、等の少なくともいずれか1つを含む文言である。ここでは、仕様という文言が構造に対応する場合の一例が示される。
【0063】
ここで、吸引血が吸引血用の第2フィルタ部材52を通過するときには、吸引血用の第1フィルタ部材51で取り除くことができなかった異物が取り除かれる。また、このときには、吸引血用の第1フィルタ部材51で取り除くことができなかった気泡が、吸引血から取り除かれる。すなわち、吸引血用の第2フィルタ部材52の目(微細孔)のサイズに対応した所定のサイズ以上の異物および気泡が、吸引血から取り除かれる。ここでは、吸引血が吸引血用の第2フィルタ部材52を通過することにより、たとえば、40ミクロン以上のサイズの異物および気泡が、吸引血から取り除かれる。
【0064】
ガイド部材60は、図5に示すように、吸引血濾過手段50と血液流出口11cとの間に配置され、吸引血濾過手段50により濾過された血液を血液流出口11cの方向に導く部材である。具体的には、図4に示すように、ガイド部材60は、第2支持部材22すなわち底部材322に装着される。より具体的には、ガイド部材60は、板状に形成され、底部材322の通路部322bの内部に挿入され装着される。
【0065】
ガイド部材60は、厚み方向に圧縮された発泡材料で、構成されている。ガイド部材60には、上記の底部材322の傾斜角度αたとえば底部材322の通路部322bの傾斜角度αに対応する密度Dの材料が、用いられる。たとえば、ガイド部材60は、0.12g/cmから0.16g/cmまでの範囲内の密度Dを有する材料により、構成される。より具体的には、ガイド部材60は、0.13g/cmの密度Dを有する材料により、構成されている。
【0066】
たとえば、市販されている密度が26〜30kg/mである発泡ウレタンを、上記のように圧縮した場合、0.13〜0.15g/cmの密度を有する圧縮発砲ウレタンが得られる。
【0067】
なお、一般的には、ガイド部材60の材料の密度Dが高くなるにつれて、ガイド部材60の空隙が少なくなる。このため、ガイド部材60の材料の密度Dが高くなると、血液がガイド部材60に浸透しにくくなる。すなわち、ガイド部材60の材料の密度Dが高くなると、血液は、ガイド部材60に浸透することなく、ガイド部材60の表面を伝わりやすくなる。このため、ガイド部材60の材料の密度Dが高くなると、血液がガイド部材60を伝わる速度が、速くなりやすい。このような理由から、たとえば、ガイド部材60の材料の密度Dが高くなるにつれて、ガイド部材60の傾斜角度αが緩くなるように、ガイド部材60を配置することが望ましい。
【0068】
図5では、ガイド部材60の密度Dが、0.13g/cmである場合の例が示されている。しかしながら、上記のような理由から、底部材322の傾斜角度αが変わった場合には、材料の密度Dを変更することが望ましい。
【0069】
たとえば、図8に示すように、傾斜角度αが70度以上の場合には、密度Dが0.02g/cmから0.05g/cmまでの範囲である多孔質の材料を用いることが望ましい。また、傾斜角度αが65度以上70度未満の場合には、密度Dが0.05g/cmから0.20g/cmまでの範囲である多孔質の材料を用いることが望ましい。さらに、傾斜角度αが65度未満の場合には、密度Dが0.20g/cmから0.40g/cmまでの範囲である多孔質の材料を用いることが望ましい。
【0070】
以下に、本貯血槽1における血液の貯留形態について、説明する。
【0071】
静脈血が、体外血液循環回路における静脈血用の脱血ラインのチューブに接続された血液流入口すなわち第1血液流入口12aに到達すると、この静脈血が、静脈血用の血液導入管31を介してハウジング10の内部に導かれる。ここでは、静脈血用の血液導入管31の先端(上記の他端)は、ハウジング10の突出部11bの内部にまで延びているので、静脈血は、静脈血用のフィルタ部材41の底部の近傍にまで導かれる。すると、この静脈血が、静脈血用のフィルタ部材41の内部において底部から上方に向けて溜まり始める。そして、この静脈血が、静脈血用のフィルタ部材41を通過するときに、この静脈血に含まれる気泡が、この部材41により消泡される。このようにして、静脈血が、静脈血用のフィルタ部材41すなわち静脈血濾過手段40により濾過され、貯血槽1に貯留される。
【0072】
また、吸引血が、体外血液循環回路における吸引血用の脱血ラインのチューブに接続された血液流入口すなわち第2血液流入口12bに到達すると、この吸引血が、吸引血用の血液導入管32を介してハウジング10の内部に導かれる。すると、この吸引血が、吸引血用の第1フィルタ部材51に溜まり始める。そして、この吸引血が吸引血用の第1フィルタ部材51を通過するときに、この吸引血に含まれる比較的大きな異物たとえば骨片や肉片等が、このフィルタ部材により取り除かれる。また、この吸引血が吸引血用の第1フィルタ部材51を通過するときには、この吸引血に含まれる比較的大きな気泡が、このフィルタ部材により破泡および消泡される。
【0073】
すると、吸引血用の第1フィルタ部材51を通過した吸引血が、吸引血用の第2フィルタ部材52に溜まり始める。そして、この吸引血が吸引血用の第2フィルタ部材52を通過するときに、この吸引血に含まれる異物が、この第2フィルタ部材52により取り除かれる。また、この吸引血が吸引血用の第2フィルタ部材52を通過するときに、この吸引血に含まれる気泡が、このフィルタ部材により消泡される。
【0074】
具体的には、吸引血用の第1フィルタ部材51を通過した吸引血が、吸引血用の第2フィルタ部材52に溜まり始めると、まず、吸引血用の第2フィルタ部材52のメッシュクロス(第1フィルタ部52a)において、吸引血に含まれる異物および気泡が、取り除かれる。次に、目詰まり等でメッシュクロスの血液処理能力が低下すると、吸引血用の第2フィルタ部材52の不織布(第2フィルタ部52b)において、吸引血に含まれる異物および気泡が、取り除かれる。このようにして、吸引血は、吸引血用の第1フィルタ部材51および吸引血用の第2フィルタ部材52、すなわち吸引血濾過手段50により濾過される。
【0075】
すると、吸引血濾過手段50により濾過された血液が、ガイド部材60により、血液流出口11cの方向に導かれる。具体的には、ガイド部材60により導かれた血液が、ハウジング10の突出部11bに貯留される。このようにして、吸引血が、吸引血濾過手段50により濾過され、貯血槽1の下部貯留空間Sbに貯留される。
【0076】
以下に、本貯血槽1の特徴について、説明する。
【0077】
本実施形態では、吸引血濾過手段50が、吸引血用の第2フィルタ部材52を有している。この吸引血用の第2フィルタ部材52では、底部(第2フィルタ部52b)が、血液が流入する方向の上流側に凸状に形成されるので、血液が接触する表面積を増加することができる。これにより、フィルタ部材における血液の処理能力を、向上することができる。
【0078】
また、吸引血用の第2フィルタ部材52における底部(第2フィルタ部52b)を、吸引血用の第2フィルタ部材52における壁部(第1フィルタ部52a)の内方に折り曲げ可能なように、壁部に連結することにより、吸引血用の第2フィルタ部材52を容易に加工し製作することができる。
【0079】
さらに、吸引血用の第2フィルタ部材52における壁部(第1フィルタ部52a)が、不織布で形成されている。また、吸引血用の第2フィルタ部材52における底部(第2フィルタ部52b)が、メッシュクロスで、形成されている。このため、血液が第2フィルタ部材の内部に流入しはじめたときには、この血液は、主として、メッシュクロス(底部)を通過する。そして、メッシュクロスにおける血液の処理能力が、目詰まり等で低下すると、血液は、主として、不織布(壁部)を通過し始める。これにより、血液がメッシュクロスを主として通過しているときには、血液から異物および気泡を高速で取り除くことができる。その後、血液が不織布を主として通過するようになったときには、メッシュクロスより血液の処理速度は低下するものの、血液から異物および気泡を安定的に取り除くことができる。
【0080】
本実施形態では、貯血槽1が吸引血濾過手段50を有しており、この吸引血濾過手段50が、吸引血用の第2フィルタ部材52を有している。このため、本実施形態の貯血槽1は、上述した吸引血用の第2フィルタ部材52が有する効果と同じ効果を得ることができる。これにより、貯血槽1を管理している医療従事者が、貯血槽1に溜まった貯血量を、より正確に把握することができる。
【0081】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、貯血槽1の吸引血濾過手段50において、吸引血が濾過される場合の例を示したが、吸引血を濾過する形態は、前記実施形態に限定されず、どのようにしても良い。たとえば、貯血槽1から吸引血濾過手段50を分離し、カーディオトミーリザーバを新たに設けて、このカーディオトミーリザーバに吸引血濾過手段50を設置しても良い。この場合、貯血槽の濾過手段(静脈血濾過手段40)においては静脈血が濾過され、カーディオトミーリザーバの濾過手段(吸引血濾過手段50)においては吸引血が濾過される。このように、貯血槽1とカーディオトミーリザーバとにおいて、血液が濾過されるようにしても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態による貯血槽の外観図。
【図2】フィルタ支持ユニットの第2支持部材の分解斜視図。
【図3】第2支持部材を構成するフィルタ挟持部材の斜視図。
【図4】第2支持部材を構成する底部材の斜視図。
【図5】貯血槽の断面図。
【図6】装着前の吸引血用の第2フィルタ部材の側面図(その1)。
【図7】装着前の吸引血用の第2フィルタ部材の側面図(その2)。
【図8】ガイド部材の傾斜角度と、ガイド部材の材料の密度との関係を示す図。
【符号の説明】
【0083】
1 貯血槽
10 ハウジング
40 静脈血濾過手段
41 静脈血用のフィルタ部材
50 吸引血濾過手段
51 吸引血用の第1フィルタ部材
52 吸引血用の第2フィルタ部材
52a 第1フィルタ部
52b 第2フィルタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈血および/または吸引血を貯留するための貯血槽であって、
血液の流入部と血液の流出部とを有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に配置され、前記流入部から流入した血液を濾過するための濾過手段と、
前記濾過手段と前記流出部との間に配置され、前記濾過手段により濾過された血液を前記流出部の方向に導く、発泡材料で構成されたガイド部材と、
を備える貯血槽。
【請求項2】
静脈血および/または吸引血を貯留するための貯血槽であって、
血液の流入部と血液の流出部とを有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に配置され、静脈血から気泡を除くための静脈血用のフィルタ部材を有する血濾過手段と、
前記ハウジングの内部に配置され吸引血から異物および気泡を除くための吸引血用の第1フィルタ部材と、前記吸引血用の第1フィルタ部材の外方に配置され前記術吸引用の第1フィルタ部材を通過した吸引血から異物および気泡を除くための吸引血用の第2フィルタ部材とを、有する吸引血濾過手段と、
前記吸引血濾過手段と前記流出部との間に配置され、前記吸引血濾過手段により濾過された血液を前記流出部の方向に導く、発泡材料で構成されたガイド部材と、
を備える貯血槽。
【請求項3】
前記ガイド部材が、厚み方向に圧縮された板状部材である、
請求項1又は2に記載の貯血槽。
【請求項4】
前記ガイド部材が、材料の密度の大きさに対応する傾斜角度で、配置される、
請求項1〜3のいずれかに記載のガイド部材。
【請求項5】
前記ガイド部材は、密度が0.02g/cmから0.05g/cmまでの範囲である発泡材料で構成され、
傾斜角度が70度以上である
請求項4に記載の貯血槽。
【請求項6】
前記ガイド部材は、密度が0.05g/cmから0.20g/cmまでの範囲である発泡材料で構成され、
傾斜角度が65度〜70度である
請求項4に記載の貯血槽。
【請求項7】
前記ガイド部材は、密度が0.20g/cmから0.40g/cmまでの範囲である発泡材料で構成され、
傾斜角度が65度未満である
請求項4に記載の貯血槽。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−88737(P2010−88737A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263101(P2008−263101)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】