説明

貯遊技媒体制御装置および貯遊技媒体制御方法

【課題】貯玉や貯メダルなどの貯遊技媒体の補償の上限がある場合でも、トラブルの発生を防止すること。
【解決手段】貯玉数取得部302は、会員管理T/C100から現時点での貯玉数を取得し、得られた貯玉数を判定部306へ出力する。計数部305は、遊技客が遊技で獲得した玉を計数し、得られた計数値の玉数を判定部306へ出力する。判定部306は、現時点での貯玉数と計数値の玉数を加算し、得られた総玉数とシステム上限および補償上限との大小関係を判定する。制御部307は、総玉数が補償上限を超過しシステム上限以下である場合は、補償上限超過分の貯玉が補償範囲外となる旨の警告を表示部308に表示させ、計数された玉の処理に関する遊技客の選択を入力部309から受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技客が獲得する遊技媒体を遊技店に預け入れる貯遊技媒体を制御する貯遊技媒体制御装置および貯遊技媒体制御方法に関し、特に、貯遊技媒体の補償の上限がある場合でも、トラブルの発生を防止することができる貯遊技媒体制御装置および貯遊技媒体制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ店などの遊技店においては、遊技客が遊技によって獲得した玉やメダルなどの遊技媒体を貯玉や貯メダルとして遊技店に預け入れることが可能な制度が設けられている。遊技客は、貯玉や貯メダルを好きな時に引き落として、再び遊技を楽しんだり景品交換したりすることができる。
【0003】
このような貯玉や貯メダルは、主に遊技店で登録された会員にのみ提供されるサービスであり、貯玉数や貯メダル数がそれぞれの会員の会員IDに対応付けて記憶されることにより保持される。したがって、遊技客は、貯玉や貯メダルを行う際に会員カードを計数装置や景品カウンターのPOS装置に挿入するとともに暗証番号を入力しなくては、計数された玉やメダルを預け入れることができない。同様に、貯玉や貯メダルを引き落とす際にも、会員カードの提示と暗証番号の入力とが必要となる。
【0004】
上述したように、遊技客は、会員カードを提示して暗証番号を入力することにより、貯玉(貯メダル)を好きな時に引き落として景品交換することができるため、遊技店は、特に貯玉(貯メダル)から交換された特殊景品を最終的に買い取ることを想定して、多くの遊技客が一斉に貯玉(貯メダル)を特殊景品に交換する場合でも対応可能なように現金を準備しておく必要がある。
【0005】
このとき、遊技客による貯玉(貯メダル)を無制限に許可してしまうと、貯玉(貯メダル)が増加するにつれ、準備すべき現金も膨大な金額となってしまうため、貯玉(貯メダル)のシステムに制限を課すことが考えられている。すなわち、遊技店に預けることができる貯玉数(貯メダル数)に上限を設けることにより、貯玉(貯メダル)の現金化に対応するための金額が一定限度を超えないようにすることができる。
【0006】
また、例えば特許文献1には、貯玉(貯メダル)の現金化に対応可能な上限金額を設定しておき、貯玉(貯メダル)の要求があると、現時点での貯玉数(貯メダル数)から預け入れ可能金額と預け入れ可能金額に対応する貯玉可能数(貯メダル可能数)とが算出され、要求された貯玉数(貯メダル数)が貯玉可能数(貯メダル可能数)を超える場合には、この貯玉(貯メダル)を許可しないことが記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2006−129928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年では、遊技客の貯玉(貯メダル)を遊技客および遊技店以外の第三者が管理し、例えば遊技店が倒産した場合などには、第三者が遊技客に対して貯玉(貯メダル)の補償を行う制度への加入が義務化されつつある。この制度において、遊技店は、貯玉(貯メダル)を管理する第三者へ一定の管理料を支払う義務が生じるものの、遊技客にとっては万一の場合に貯玉(貯メダル)が補償されることから、安心して貯玉(貯メダル)を行うことができ、遊技店にとっても新規会員獲得のためのサービス強化を図ることができる。
【0009】
しかしながら、第三者による貯玉(貯メダル)の補償には、所定の上限が定められるため、例えば遊技店が倒産した場合などでも、預け入れられた貯玉(貯メダル)が全額補償されるとは限らない。そして、この補償上限は、上述した遊技店におけるシステム上の上限とは別のものであるため、遊技客にも意識されにくく、実際に補償が行われる段階になってトラブルが発生する虞があるという問題がある。特に、補償上限がシステム上の上限未満である場合には、遊技客が補償上限を超えて貯玉(貯メダル)することが可能であるとともに、貯玉数(貯メダル数)が補償上限を超過したことに気づかないことが多く、トラブルが頻発しかねない。
【0010】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、貯玉や貯メダルなどの貯遊技媒体の補償の上限がある場合でも、トラブルの発生を防止することができる貯遊技媒体制御装置および貯遊技媒体制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、遊技客が獲得する遊技媒体を遊技店に預け入れる貯遊技媒体を制御する貯遊技媒体制御装置であって、遊技客が遊技店への預け入れを希望する希望貯遊技媒体総数を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された希望貯遊技媒体総数が遊技客および遊技店の二者以外の第三者によって定められた補償可能な補償上限を超過するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって補償上限を超過すると判定された場合に、希望貯遊技媒体総数をすべて預け入れるかまたは一部のみ預け入れるかに係る制御を行う制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段によって補償上限を超過すると判定された場合に、補償上限超過分が第三者によって補償されない旨の警告を表示する表示手段をさらに有し、前記制御手段は、前記表示手段に表示された警告に対する遊技客の選択に応じた制御を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記取得手段は、遊技客が既に預け入れている貯遊技媒体数およびこの遊技客が追加して預け入れる追加貯遊技媒体数を加算して希望貯遊技媒体総数を取得し、前記制御手段は、前記判定手段によって補償上限を超過すると判定された場合に、追加貯遊技媒体数をすべて預け入れる、一部のみ預け入れる、およびすべて預け入れない、のいずれかに応じた制御を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記取得手段は、遊技客が遊技によって獲得した遊技媒体を計数する計数手段を含み、前記計数手段によって計数された計数値を追加貯遊技媒体数とすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記取得手段は、遊技客が保有する遊技媒体の景品交換処理を行う景品交換処理手段を含み、前記景品交換処理手段によって景品交換処理された遊技媒体数を遊技客が保有する全遊技媒体数から減算して希望貯遊技媒体総数を取得することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記取得手段は、遊技客の識別情報を受け付ける受付手段を含み、前記受付手段によって受け付けられた識別情報に対応付けて記憶された現時点の貯遊技媒体数を利用して希望貯遊技媒体総数を取得することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記制御手段は、遊技客が希望貯遊技媒体総数をすべて預け入れることを選択した場合、遊技客に対応付けられた貯遊技媒体数を希望貯遊技媒体総数に更新させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、遊技客が入力する遊技媒体数を受け付ける入力手段をさらに有し、前記制御手段は、遊技客が希望貯遊技媒体総数の一部のみ預け入れることを選択した場合、預け入れる遊技媒体数の入力を前記入力手段に受け付けさせることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記発明において、前記入力手段は、遊技客が既に預け入れている貯遊技媒体数に追加して預け入れる遊技媒体数を受け付け、前記制御手段は、遊技客に対応付けられた現時点での貯遊技媒体数に前記入力手段によって受け付けられた遊技媒体数を加算させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記発明において、前記入力手段は、現金で買い取られる特殊景品に交換不能な端数の遊技媒体数を指定可能な入力操作部を備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、上記発明において、前記入力手段は、希望貯遊技媒体総数が補償上限と等しくなる遊技媒体数を指定可能な入力操作部を備えることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、上記発明において、前記制御手段は、遊技客が希望貯遊技媒体総数の一部のみ預け入れることを選択した場合、預け入れられない遊技媒体数を特定可能な記録媒体を発行させることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、上記発明において、前記制御手段は、遊技客が希望貯遊技媒体総数の一部のみ預け入れることを選択した場合、預け入れられない遊技媒体数の景品交換処理を行わせることを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、遊技客が獲得する遊技媒体を遊技店に預け入れる貯遊技媒体を制御する貯遊技媒体制御方法であって、遊技客が遊技店への預け入れを希望する希望貯遊技媒体総数を取得する取得工程と、前記取得工程にて取得された希望貯遊技媒体総数が遊技客および遊技店の二者以外の第三者によって定められた補償可能な補償上限を超過するか否かを判定する判定工程と、前記判定工程にて補償上限を超過すると判定された場合に、希望貯遊技媒体総数をすべて預け入れるかまたは一部のみ預け入れるかに係る制御を行う制御工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、遊技客が遊技店への預け入れを希望する希望貯遊技媒体総数を取得し、取得された希望貯遊技媒体総数が遊技客および遊技店の二者以外の第三者によって定められた補償可能な補償上限を超過するか否かを判定し、補償上限を超過すると判定された場合に、希望貯遊技媒体総数をすべて預け入れるかまたは一部のみ預け入れるかに係る制御を行う。このため、貯玉や貯メダルなどの貯遊技媒体の補償の上限がある場合でも、遊技客に遊技媒体の預け入れを実行するか否かを確認した上で貯遊技媒体を制御することができ、トラブルの発生を防止することができる。
【0026】
また、本発明によれば、補償上限を超過すると判定された場合に、補償上限超過分が第三者によって補償されない旨の警告を表示し、表示された警告に対する遊技客の選択に応じた制御を行う。このため、遊技客が貯玉や貯メダルが補償されないことを確認し、同意しない限りは貯玉や貯メダルが実行されず、貯玉や貯メダルなどの貯遊技媒体の補償の上限がある場合でも、トラブルの発生を防止することができる。
【0027】
また、本発明によれば、遊技客が既に預け入れている貯遊技媒体数およびこの遊技客が追加して預け入れる追加貯遊技媒体数を加算して希望貯遊技媒体総数を取得し、補償上限を超過すると判定された場合に、追加貯遊技媒体数をすべて預け入れる、一部のみ預け入れる、およびすべて預け入れない、のいずれかに応じた制御を行う。このため、例えば遊技客が遊技によって新たに遊技媒体を獲得した際などに、獲得された遊技媒体を預け入れるか否かについて遊技客の選択に応じた制御を実行することができる。
【0028】
また、本発明によれば、遊技客が遊技によって獲得した遊技媒体を計数し、計数された計数値を追加貯遊技媒体数とするため、例えば計数装置において貯玉や貯メダルが可能な場合、計数された玉やメダルの預け入れによって補償上限を超過することを遊技客に警告することができる。
【0029】
また、本発明によれば、遊技客が保有する遊技媒体の景品交換処理を行い、景品交換処理された遊技媒体数を遊技客が保有する全遊技媒体数から減算して希望貯遊技媒体総数を取得するため、例えば景品カウンターのPOS装置において貯玉や貯メダルが可能な場合、景品交換されずに残った玉やメダルの預け入れによって補償上限を超過することを遊技客に警告することができる。
【0030】
また、本発明によれば、遊技客の識別情報を受け付け、受け付けられた識別情報に対応付けて記憶された現時点の貯遊技媒体数を利用して希望貯遊技媒体総数を取得するため、例えば会員管理ターミナルコントローラなどの外部装置に遊技客ごとの貯玉数や貯メダル数が記憶されている場合に、各遊技客の現時点での貯玉数や貯メダル数を取得し、遊技客の希望貯遊技媒体総数を正確に算出することができる。
【0031】
また、本発明によれば、遊技客が希望貯遊技媒体総数をすべて預け入れることを選択した場合、遊技客に対応付けられた貯遊技媒体数を希望貯遊技媒体総数に更新させる。このため、遊技客の同意を得て補償上限を超過する貯玉や貯メダルを行う場合に、貯玉数や貯メダル数を確実に更新することができる。
【0032】
また、本発明によれば、遊技客が希望貯遊技媒体総数の一部のみ預け入れることを選択した場合、預け入れる遊技媒体数の入力を受け付けるため、遊技客が警告を受けて判断した貯玉数や貯メダル数を実際の貯玉や貯メダルに反映することができる。
【0033】
また、本発明によれば、遊技客が既に預け入れている貯遊技媒体数に追加して預け入れる遊技媒体数を受け付け、遊技客に対応付けられた現時点での貯遊技媒体数に受け付けられた遊技媒体数を加算させるため、遊技客が入力した数の貯玉や貯メダルを行う場合に、貯玉数や貯メダル数を確実に更新することができる。
【0034】
また、本発明によれば、現金で買い取られる特殊景品に交換不能な端数の遊技媒体数を指定可能な入力操作部を備えるため、端数を別途計算することなく、端数の貯玉や貯メダルを容易に指定することができ、利便性を向上することができる。
【0035】
また、本発明によれば、希望貯遊技媒体総数が補償上限と等しくなる遊技媒体数を指定可能な入力操作部を備えるため、預け入れる遊技媒体数を数字で入力することなく、補償上限までの貯玉や貯メダルを容易に指定することができ、利便性を向上することができる。
【0036】
また、本発明によれば、遊技客が希望貯遊技媒体総数の一部のみ預け入れることを選択した場合、預け入れられない遊技媒体数を特定可能な記録媒体を発行させるため、例えば計数装置において貯玉や貯メダルが可能な場合、計数された玉やメダルの預け入れを行う代わりに、玉数やメダル数が記録されたレシートを発行することができる。
【0037】
また、本発明によれば、遊技客が希望貯遊技媒体総数の一部のみ預け入れることを選択した場合、預け入れられない遊技媒体数の景品交換処理を行わせるため、例えば景品カウンターのPOS装置において貯玉や貯メダルが可能な場合、景品交換されない玉やメダルの預け入れを行う代わりに、遊技客が保有する玉やメダルを景品交換処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、玉を遊技媒体とするパチンコにおいて貯玉が行われる場合を例に挙げて説明するが、メダルを遊技媒体とするパチスロにおいて貯メダルが行われる場合も同様に本発明を適用することができる。また、以下においては、システム上の貯玉の上限と第三者による貯玉補償の上限とがそれぞれ設定されており、システム上の貯玉の上限は、第三者による貯玉補償の上限よりも大きいものとする。
【0039】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技店の概略構成を示す図である。同図に示す遊技店においては、会員管理ターミナルコントローラ(以下「会員管理T/C」と略記する)100に島コントローラ200、計数装置300、およびPOS装置400が接続されている。さらに、島コントローラ200には、島と呼ばれる区域内に設置される複数の玉貸装置500が接続されており、各玉貸装置500にはパチンコ台600が併設されている。
【0040】
会員管理T/C100は、遊技店において登録された会員の会員IDと貯玉数とを対応付けて記憶している。すなわち、会員管理T/C100は、会員が貯玉を希望する貯玉数などの情報を計数装置300またはPOS装置400から取得し、会員IDに対応付けて記憶する。また、会員管理T/C100は、玉貸装置500に会員カードが受け付けられ、貯玉の引き落としが希望された場合、記憶された貯玉数から玉貸装置500において引き落とされた貯玉数を減算する。
【0041】
島コントローラ200は、島内の玉貸装置500を統括管理し、玉貸装置500と会員管理T/C100との間の情報のやり取りを中継する。具体的には、島コントローラ200は、玉貸装置500に受け付けられた会員カードの会員IDを会員管理T/C100へ中継し、この会員IDに対応して会員管理T/C100に記憶された貯玉数を玉貸装置500へ中継する。
【0042】
計数装置300は、遊技客がパチンコ台600における遊技で獲得した玉を計数する。そして、計数装置300は、遊技客が会員カードを計数装置300へ挿入していれば、計数された玉を貯玉するものとして、計数値を会員管理T/C100へ通知する。ただし、計数装置300は、現時点での遊技客の貯玉数と今回の計数値との合計が第三者による貯玉補償の上限(以下「補償上限」という)を超える場合には、今回の計数値をどのように処理するかについて遊技客の選択を受け付ける。
【0043】
POS装置400は、遊技店内の景品カウンターに設置され、計数装置300における計数値のうち貯玉されなかった玉数が記録されたレシートを受け付け、レシートに記録された玉数に応じた景品交換処理を行う。
【0044】
玉貸装置500は、現金やプリペイドカードを受け付け、受け付けられた現金やプリペイドカードの残高に応じて遊技媒体である玉を貸し出す。また、玉貸装置500は、会員カードを受け付け、受け付けられた会員カードの会員IDに対応する貯玉数を会員管理T/C100へ問い合わせ、会員の貯玉から遊技に使用する玉を貸し出す。
【0045】
パチンコ台600は、各玉貸装置500に併設され、遊技客が玉貸装置500によって貸し出された玉を盤面に射出することによって遊技する遊技台である。パチンコ台600は、射出された玉が所定の入賞口へ進入した場合などに賞球として玉を払い出す。
【0046】
図2は、本実施の形態に係る計数装置300の要部構成を示すブロック図である。図2に示す計数装置300は、カード受付部301、貯玉数取得部302、通信インタフェース部(以下「通信I/F部」と略記する)303、玉投入部304、計数部305、判定部306、制御部307、表示部308、入力部309、およびレシート発行部310を有している。
【0047】
カード受付部301は、遊技客が所持する会員カードを受け付け、会員カードに記録されている会員IDを読み取り、貯玉数取得部302へ通知する。
【0048】
貯玉数取得部302は、会員IDを通信I/F部303から島コントローラ200経由で会員管理T/C100へ送信し、会員IDに対応する現時点での貯玉数を問い合わせる。そして、貯玉数取得部302は、会員管理T/C100から現時点での貯玉数を取得し、得られた貯玉数を判定部306へ出力する。
【0049】
通信I/F部303は、島コントローラ200経由で会員管理T/C100と通信するインタフェースであり、会員IDや新たに貯玉する貯玉数などを会員管理T/C100へ送信し、現時点での貯玉数などを会員管理T/C100から受信する。
【0050】
玉投入部304は、遊技客がパチンコ台600における遊技で獲得した玉の投入を受け付け、受け付けられた玉を計数部305へ移送する。
【0051】
計数部305は、玉投入部304から移送される玉を計数し、得られた計数値の玉数を判定部306へ出力する。
【0052】
判定部306は、現時点での貯玉数と計数値の玉数を加算し、得られた総玉数とシステム上の貯玉の上限(以下「システム上限」という)および補償上限との大小関係を判定し、判定結果を制御部307へ通知する。具体的には、判定部306は、総玉数がシステム上限を超過するか、総玉数が補償上限を超過しシステム上限以下であるか、または総玉数が補償上限以下であるかを制御部307へ通知する。
【0053】
制御部307は、判定部306から通知される判定結果によって、表示部308に総玉数が補償範囲を超える旨の警告を表示させたり、レシート発行部310からレシートを発行させたりする。具体的には、制御部307は、総玉数がシステム上限を超過する場合は、計数部305による計数値の全数が記録されたレシート発行するようにレシート発行部310に指示する。また、制御部307は、総玉数が補償上限を超過しシステム上限以下である場合は、補償上限超過分の貯玉が補償範囲外となる旨の警告を表示部308に表示させ、計数された玉の処理に関する遊技客の選択を入力部309から受け付ける。さらに、制御部307は、総玉数が補償上限以下である場合は、計数部305による計数値の全数の貯玉が可能であるため、新たに貯玉する貯玉数として計数値を通信I/F部303から会員管理T/C100へ送信させる。
【0054】
表示部308は、制御部307の制御に従って、補償上限超過分の貯玉は補償範囲外となる旨の警告を表示する。なお、表示部308は、入力部309と一体化したタッチパネルなどとして構成されていても良い。
【0055】
入力部309は、制御部307の制御に従って、総玉数が補償上限を超過する場合に計数された玉をどのように処理するかについて、遊技客の選択を受け付ける。すなわち、入力部309は、補償範囲外となることを承認して全数貯玉を行うか、一部は貯玉して残りはレシートに記録するか、貯玉は一切行わず全数をレシートに記録するかに関する選択を受け付ける。
【0056】
レシート発行部310は、制御部307の制御に従って、玉数に関連付けられたレシートIDが記録されたレシートを発行する。すなわち、レシート発行部310は、総玉数が補償上限以下である場合や、入力部309において遊技客がレシートの発行を選択した場合に、レシートIDが記録されたレシートを発行する。なお、レシート発行部310は、玉数が直接記録されたレシートを発行しても良い。
【0057】
次いで、上記のように構成された計数装置300の動作について、図3に示すフロー図を参照しながら説明する。
【0058】
パチンコ台600における遊技によって玉を獲得した遊技客は、計数装置300に会員カードを挿入して、玉を計数する。すなわち、遊技客が所持する会員カードがカード受付部301によって受け付けられ(ステップS101)、会員カードの会員IDが読み取られる。会員IDは、貯玉数取得部302から通信I/F部303を介して会員管理T/C100へ送信され、会員IDに対応する現時点での貯玉数が問い合わせられる(ステップS102)。
【0059】
会員IDが会員管理T/C100によって受信されると、会員IDに対応付けて会員管理T/C100に記憶された貯玉数が読み出され、計数装置300へ返信される。そして、返信された貯玉数は、通信I/F部303を介して貯玉数取得部302によって取得され、判定部306へ出力される。
【0060】
一方、遊技客が獲得した玉は、計数装置300において計数処理される(ステップS103)。すなわち、玉投入部304に玉が投入されると、投入された玉が計数部305によって計数され、得られた計数値は、判定部306へ出力される。
【0061】
そして、判定部306によって、現時点での貯玉数と計数値の玉数とが加算され(ステップS104)、現時点での貯玉と今回計数された玉とを含む遊技客所有の総玉数が求められる。総玉数が求められると、判定部306によって、総玉数がシステム上限以下であるか否かが判定される(ステップS105)。この判定の結果は、制御部307へ通知され、総玉数がシステム上限を超過している場合は(ステップS105No)、今回計数された玉を全数貯玉することが不可能であるため、制御部307によって、計数部305による計数値の玉数の全数とレシートIDとを関連付けてレシートを発行するようにレシート発行部310へ指示される。これにより、レシート発行部310によって、計数部305による計数値を特定可能なレシートが発行される(ステップS113)。
【0062】
また、総玉数がシステム上限以下である場合は(ステップS105Yes)、引き続き判定部306によって、総玉数が補償上限以下であるか否かが判定される(ステップS106)。この判定の結果は、制御部307へ通知され、総玉数が補償上限以下である場合は(ステップS106Yes)、今回計数された玉を全数貯玉しても問題はないため、制御部307によって、計数値が新たな貯玉数として通信I/F部303へ出力され、この新たな貯玉数が通信I/F部303から会員管理T/C100へ会員IDとともに送信される。これにより、遊技客が獲得した玉の全数が貯玉されたことになる(ステップS107)。
【0063】
一方、総玉数が補償上限を超過している場合は(ステップS106No)、総玉数が補償上限を上回っているもののシステム上限以下であるため、全数貯玉は可能であるものの全数貯玉をしても第三者によって全貯玉は補償されないことになる。そこで、制御部307によって、表示部308に警告を表示させる制御が行われる(ステップS108)。すなわち、例えば図4−1に示すように、今回計数された玉を全数貯玉すると貯玉数が補償上限を超えてしまい、補償範囲外となってしまう旨の警告が表示部308に表示される。なお、図4−1においては、補償上限を10000玉としているため、総玉数12630玉のうち2630玉が補償範囲外となる。
【0064】
さらに、総玉数が補償上限を超過している場合、今回計数された玉の処理に関する選択が入力部309によって受け付けられる(ステップS109)。つまり、今回計数された玉について、補償範囲外であることを承認した上で全数貯玉する、一部のみ貯玉する、および貯玉をせずにレシート発行する、のいずれかの選択肢が入力部309へ入力される。具体的には、例えば図4−1に示すように、表示部308と入力部309とが一体化したタッチパネルなどを構成している場合、表示部308に警告が表示されると同時に、全数貯玉、一部貯玉、およびレシート発行の選択肢が表示され、遊技客が触れた選択肢が入力部309によって受け付けられる。
【0065】
入力部309によって選択が受け付けられると、制御部307によって、全数貯玉が選択されたか否かが判定される(ステップS110)。貯玉数が補償上限を超過することに遊技客が同意し、全数貯玉が選択された場合は(ステップS110Yes)、総玉数が補償上限以下である場合と同様に、制御部307によって、計数値が新たな貯玉数として通信I/F部303へ出力され、この新たな貯玉数が通信I/F部303から会員管理T/C100へ会員IDとともに送信される。これにより、遊技客が獲得した玉の全数が貯玉されたことになる(ステップS107)。この場合、第三者による貯玉補償時に一部の貯玉は補償されないが、上述のように遊技客の同意を得ているため、トラブルが発生することはない。
【0066】
また、全数貯玉が選択されなかった場合は(ステップS110No)、制御部307によって、レシート発行が選択されたか否かが判定される(ステップS111)。貯玉数が補償上限を超過するため、今回計数された玉の全数のレシート発行が選択された場合は(ステップS111Yes)、総玉数がシステム上限を超過している場合と同様に、制御部307によって、計数部305による計数値の玉数の全数とレシートIDとを関連付けてレシートを発行するようにレシート発行部310へ指示される。これにより、レシート発行部310によって、計数部305による計数値を特定可能なレシートが発行される(ステップS113)。この場合、貯玉数が第三者による貯玉補償の上限を超過することがなく、貯玉補償時にすべての貯玉が補償されるため、トラブルが発生することはない。
【0067】
さらに、全数貯玉も全数レシート発行も選択されなかった場合は(ステップS111No)、今回計数された玉の一部を貯玉し、残りの玉をレシート発行とすることになる(ステップS112)。したがって、制御部307の制御によって、遊技客の希望の貯玉数を問い合わせる旨が表示部308に表示され、入力部309によって希望の貯玉数が受け付けられる。具体的には、例えば図4−2に示すような問い合わせが表示部308に表示され、同時に表示されたテンキーなどを遊技客が操作して入力された貯玉数が入力部309に受け付けられる。このとき、図4−2に示すように、希望の貯玉数を数字で直接入力することも可能であるし、今回計数された玉のうち現金で買い取られる特殊景品に交換不能な端数のみを貯玉数として指定することも可能である。さらに、現時点の貯玉数と補償上限との差分(図4−2では2042玉)を貯玉数として指定するボタンを表示部308に表示させても良い。また、希望の貯玉数を金額によって指定可能としたり、貯玉数の代わりにレシートIDに関連付ける玉数やこの玉数に対応する金額を指定可能としたりするようにしても良い。
【0068】
入力部309によって受け付けられた貯玉数は、制御部307から新たな貯玉数として通信I/F部303へ出力され、会員管理T/C100へ会員IDとともに送信される。また、計数部305による計数値から貯玉数が減算され、残りの玉数に関連付けられたレシートがレシート発行部310によって発行される。この場合、貯玉数が第三者による貯玉補償の上限を超過しないか、たとえ超過しても遊技客が自ら指定した数が貯玉されるため、トラブルが発生することはない。
【0069】
以上のように、本実施の形態によれば、計数装置によって計数された玉の計数値と現時点での貯玉数との合計が補償上限を超過する場合、補償上限超過分の貯玉は補償範囲外となることを遊技客へ警告するとともに、計数装置によって計数された玉を全数貯玉するか、一部のみ貯玉するか、貯玉せずにレシート発行するかを遊技客に選択させる。このため、遊技客は、貯玉数が補償上限を超過することを把握し、今回計数された玉を貯玉するか否か自由に選択することができ、貯玉や貯メダルなどの貯遊技媒体の補償の上限がある場合でも、トラブルの発生を防止することができる。
【0070】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の特徴は、景品カウンターのPOS装置において遊技によって獲得した玉と貯玉の合計を景品交換処理し、景品交換処理後に残る総玉数を貯玉すると補償上限を超過する場合に警告を表示する点である。
【0071】
本実施の形態に係る遊技店の概略構成は実施の形態1(図1)と同様であるため、その説明を省略する。ただし、本実施の形態のPOS装置400は、現時点での遊技客の貯玉数と遊技によって獲得した玉数との合計から景品交換処理を行い、景品交換処理後に残った総玉数が補償上限を超える場合には、総玉数をどのように処理するかについて遊技客の選択を受け付ける。
【0072】
図5は、本実施の形態に係るPOS装置400の要部構成を示すブロック図である。同図において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図5に示すPOS装置400は、カード受付部301、貯玉数取得部302、通信I/F部303、レシート受付部401、景品交換処理部402、判定部403、制御部404、表示部308、および入力部309を有している。
【0073】
レシート受付部401は、計数装置300において発行されたレシートを受け付け、レシートから特定される玉数を景品交換処理部402へ通知する。具体的には、レシート受付部401は、例えばレシートに記録されたレシートIDを読み取り、レシートIDに対応付けて会員管理T/C100などの外部に記憶された獲得玉数を取得する。
【0074】
景品交換処理部402は、レシート受付部401から通知される玉数と貯玉数取得部302によって取得された現時点での貯玉数を加算し、得られた合計の玉数から交換可能な特殊景品数を算出し、景品交換処理を行う。具体的には、景品交換処理部402は、交換可能な特殊景品数を表示したり、特殊景品を発行したりする。また、景品交換処理部402は、合計の玉数から景品交換された玉数を減算し、得られた総玉数を判定部306へ出力する。なお、景品交換処理部402は、玉を一般景品に交換する景品交換処理を行った場合、一般景品に交換された玉数も合計の玉数から減算する。また、景品交換処理部402において景品交換される玉数は遊技客が任意に指定することができ、必ずしもレシートにから特定される玉数と現時点での貯玉数との合計のすべてを景品交換しなくても良い。したがって、例えば所望数の特殊景品に交換可能な玉数のみを景品交換して、残りを貯玉することなどが考えられる。換言すれば、遊技客は、レシートから特定される玉数と現時点での貯玉数との合計から貯玉を希望する玉数を任意に指定することができ、景品交換処理部402は、残りの玉数に相当する景品交換処理を行う。
【0075】
判定部403は、景品交換処理部402から出力される総玉数とシステム上限および補償上限との大小関係を判定し、判定結果を制御部404へ通知する。具体的には、判定部403は、総玉数がシステム上限を超過するか、総玉数が補償上限を超過しシステム上限以下であるか、または総玉数が補償上限以下であるかを制御部404へ通知する。
【0076】
制御部404は、判定部403から通知される判定結果によって、表示部308に総玉数が補償範囲を超える旨の警告を表示させたり、景品交換処理部402にさらなる景品交換処理を行わせたりする。具体的には、制御部404は、総玉数がシステム上限を超過する場合は、総玉数の全数を景品交換処理するように景品交換処理部402に指示する。また、制御部404は、総玉数が補償上限を超過しシステム上限以下である場合は、補償上限超過分の貯玉が補償範囲外となる旨の警告を表示部308に表示させ、希望する貯玉の処理に関する遊技客の選択を入力部309から受け付ける。さらに、制御部404は、総玉数が補償上限以下である場合は、総玉数の全数の貯玉が可能であるため、新たに貯玉する貯玉数として総玉数を通信I/F部303から会員管理T/C100へ送信させる。
【0077】
次いで、上記のように構成されたPOS装置400の動作について、図6に示すフロー図を参照しながら説明する。同図において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。
【0078】
パチンコ台600における遊技によって玉を獲得した遊技客は、獲得玉を計数装置300において計数し、獲得玉数が記録されたレシートを取得すると、レシートを景品カウンターの従業員へ手渡し、POS装置400に会員カードを挿入して、獲得玉の景品交換と貯玉を依頼する。すなわち、遊技客が所持する会員カードがカード受付部301によって受け付けられ(ステップS101)、貯玉数取得部302によって、会員IDに対応する現時点での貯玉数が会員管理T/C100へ問い合わせられる(ステップS102)。
【0079】
会員IDが会員管理T/C100によって受信されると、会員IDに対応付けて会員管理T/C100に記憶された貯玉数が読み出され、POS装置400へ返信される。そして、返信された貯玉数は、通信I/F部303を介して貯玉数取得部302によって取得され、景品交換処理部402へ出力される。
【0080】
一方、獲得玉数が記録されたレシートは、レシート受付部401によって受け付けられ(ステップS201)、レシートから特定される玉数が景品交換処理部402へ通知される。そして、景品交換処理部402によって、レシートから特定される獲得玉数と現時点での貯玉数とが加算され(ステップS202)、合計の玉数を特殊景品および一般景品へ交換する景品交換処理が行われる(ステップS203)。すなわち、景品交換処理部402によって、合計の玉数に応じた特殊景品数が算出され、特殊景品が発行されるとともに、遊技客が一般景品への交換を希望する場合は、従業員によって一般景品に相当する玉数がPOS装置400に入力される。その後、景品交換処理部402によって、合計の玉数から特殊景品および一般景品に交換された玉数が減算されて残りの総玉数が算出され、判定部403へ出力される。
【0081】
そして、判定部403によって、総玉数がシステム上限以下であるか否かが判定される(ステップS105)。この判定の結果は、制御部404へ通知され、総玉数がシステム上限を超過している場合は(ステップS105No)、総玉数を全数貯玉することが不可能であるため、制御部404によって、景品交換処理を継続するように景品交換処理部402へ指示される。これにより、景品交換処理部402によって、上記と同様の景品交換処理が実行され、総玉数から特殊景品および一般景品に交換された玉数が減算され、新たに総玉数が算出される。そして、再度総玉数がシステム上限と比較され、総玉数がシステム上限以下となるまで景品交換処理が継続される。
【0082】
また、総玉数がシステム上限以下である場合は(ステップS105Yes)、引き続き判定部403によって、総玉数が補償上限以下であるか否かが判定される(ステップS106)。この判定の結果は、制御部404へ通知され、総玉数が補償上限以下である場合は(ステップS106Yes)、総玉数を全数貯玉しても問題はないため、制御部404によって、総玉数が新たな貯玉数として通信I/F部303から会員管理T/C100へ送信される。これにより、総玉数の全数が貯玉されたことになる(ステップS107)。
【0083】
一方、総玉数が補償上限を超過している場合は(ステップS106No)、総玉数が補償上限を上回っているもののシステム上限以下であるため、全数貯玉は可能であるものの全数貯玉をしても第三者によって全貯玉は補償されないことになる。そこで、制御部404によって、表示部308に警告を表示させる制御が行われる(ステップS108)。
【0084】
さらに、総玉数が補償上限を超過している場合、貯玉するか景品交換するかに関する選択が入力部309によって受け付けられる(ステップS203)。つまり、今回追加される貯玉数について、補償範囲外であることを承認した上で全数貯玉する、一部のみ貯玉する、および貯玉をせずに景品交換する、のいずれかの選択肢が入力部309へ入力される。
【0085】
入力部309によって選択が受け付けられると、制御部404によって、全数貯玉が選択されたか否かが判定される(ステップS110)。貯玉数が補償上限を超過することに遊技客が同意し、全数貯玉が選択された場合は(ステップS110Yes)、総玉数が補償上限以下である場合と同様に、制御部404によって、総玉数が新たな貯玉数として通信I/F部303から会員管理T/C100へ送信される。これにより、総玉数の全数が貯玉されたことになる(ステップS107)。この場合、第三者による貯玉補償時に一部の貯玉は補償されないが、上述のように遊技客の同意を得ているため、トラブルが発生することはない。
【0086】
また、全数貯玉が選択されなかった場合は(ステップS110No)、制御部404によって、景品交換処理を継続するように景品交換処理部402へ指示される。このとき、貯玉をせずに景品交換することが入力部309に入力されていれば、総玉数を対象として今回追加される貯玉数以上の景品交換処理をするように景品交換処理部402へ指示され、景品交換処理部402による景品交換処理が実行される。この場合、貯玉数が第三者による貯玉補償の上限を超過することがなく、貯玉補償時にすべての貯玉が補償されるため、トラブルが発生することはない。
【0087】
また、一部のみ景品交換して残りを貯玉することが入力部309に入力されていれば、希望の景品交換数や貯玉数が遊技客によって指定され、景品交換処理部402によって遊技客の希望に沿った景品交換処理が行われ、新たに総玉数が算出される。そして、再度総玉数がシステム上限および補償上限と比較され、総玉数がすべて貯玉または景品交換処理されるまで上記の処理が繰り返される。この場合、貯玉数が第三者による貯玉補償の上限を超過しないか、たとえ超過しても遊技客が自ら指定した数が貯玉されるため、トラブルが発生することはない。
【0088】
以上のように、本実施の形態によれば、遊技で獲得した玉数と現時点での貯玉数の合計の玉数から景品交換処理を行い、景品交換処理後に残った総玉数が補償上限を超過する場合、補償上限超過分の貯玉は補償範囲外となることを遊技客へ警告するとともに、今回追加される貯玉数を全数貯玉するか、一部のみ貯玉するか、貯玉せずに景品交換するかを遊技客に選択させる。このため、遊技客は、貯玉数が補償上限を超過することを把握し、貯玉するか否か自由に選択することができ、貯玉や貯メダルなどの貯遊技媒体の補償の上限がある場合でも、トラブルの発生を防止することができる。
【0089】
なお、上記実施の形態2においては、景品交換処理時にレシートから特定された獲得玉数と現時点での貯玉数とを加算し、合計の玉数に対して景品交換処理を行うものとしたが、景品交換処理はレシートから特定された獲得玉数のみを対象として実行するようにしても良い。この場合、景品交換処理後に特殊景品との交換には不足する端玉が生じることがあるが、不足する分を現時点での貯玉によって補填して1つ余分に特殊景品を発行し、残った貯玉数を総玉数としてシステム上限および補償上限との比較を行っても良い。また、遊技客が景品カウンターへレシートを持参せず、現時点での貯玉を景品交換する場合にも、現時点での貯玉数を総玉数として、実施の形態2と同様にシステム上限および補償上限との比較を行うことができる。
【0090】
さらに、上記各実施の形態においては、それぞれ計数装置300およびPOS装置400において貯玉数が補償上限を超過する旨の警告を表示し、貯玉の実行の有無を遊技客に選択させるものとしたが、会員カードを挿入可能で現時点での貯玉数を確認することができる遊技店内の装置であれば、他の装置において補償上限までの猶予を表示し、今後の貯玉の実行の有無について遊技客に選択させるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、貯玉や貯メダルなどの貯遊技媒体の補償の上限がある場合でも、トラブルの発生を防止する場合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施の形態1に係る遊技店の概略構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る計数装置の要部構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る計数装置の動作を示すフロー図である。
【図4−1】実施の形態1に係る計数装置における表示例を示す図である。
【図4−2】実施の形態1に係る計数装置における他の表示例を示す図である。
【図5】実施の形態2に係るPOS装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2に係るPOS装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0093】
301 カード受付部
302 貯玉数取得部
303 通信I/F部
304 玉投入部
305 計数部
306、403 判定部
307、404 制御部
308 表示部
309 入力部
310 レシート発行部
401 レシート受付部
402 景品交換処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客が獲得する遊技媒体を遊技店に預け入れる貯遊技媒体を制御する貯遊技媒体制御装置であって、
遊技客が遊技店への預け入れを希望する希望貯遊技媒体総数を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された希望貯遊技媒体総数が遊技客および遊技店の二者以外の第三者によって定められた補償可能な補償上限を超過するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって補償上限を超過すると判定された場合に、希望貯遊技媒体総数をすべて預け入れるかまたは一部のみ預け入れるかに係る制御を行う制御手段と
を有することを特徴とする貯遊技媒体制御装置。
【請求項2】
前記判定手段によって補償上限を超過すると判定された場合に、補償上限超過分が第三者によって補償されない旨の警告を表示する表示手段をさらに有し、
前記制御手段は、
前記表示手段に表示された警告に対する遊技客の選択に応じた制御を行うことを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項3】
前記取得手段は、
遊技客が既に預け入れている貯遊技媒体数およびこの遊技客が追加して預け入れる追加貯遊技媒体数を加算して希望貯遊技媒体総数を取得し、
前記制御手段は、
前記判定手段によって補償上限を超過すると判定された場合に、追加貯遊技媒体数をすべて預け入れる、一部のみ預け入れる、およびすべて預け入れない、のいずれかに応じた制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項4】
前記取得手段は、
遊技客が遊技によって獲得した遊技媒体を計数する計数手段を含み、
前記計数手段によって計数された計数値を追加貯遊技媒体数とすることを特徴とする請求項3記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項5】
前記取得手段は、
遊技客が保有する遊技媒体の景品交換処理を行う景品交換処理手段を含み、
前記景品交換処理手段によって景品交換処理された遊技媒体数を遊技客が保有する全遊技媒体数から減算して希望貯遊技媒体総数を取得することを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項6】
前記取得手段は、
遊技客の識別情報を受け付ける受付手段を含み、
前記受付手段によって受け付けられた識別情報に対応付けて記憶された現時点の貯遊技媒体数を利用して希望貯遊技媒体総数を取得することを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
遊技客が希望貯遊技媒体総数をすべて預け入れることを選択した場合、遊技客に対応付けられた貯遊技媒体数を希望貯遊技媒体総数に更新させることを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項8】
遊技客が入力する遊技媒体数を受け付ける入力手段をさらに有し、
前記制御手段は、
遊技客が希望貯遊技媒体総数の一部のみ預け入れることを選択した場合、預け入れる遊技媒体数の入力を前記入力手段に受け付けさせることを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項9】
前記入力手段は、
遊技客が既に預け入れている貯遊技媒体数に追加して預け入れる遊技媒体数を受け付け、
前記制御手段は、
遊技客に対応付けられた現時点での貯遊技媒体数に前記入力手段によって受け付けられた遊技媒体数を加算させることを特徴とする請求項8記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項10】
前記入力手段は、
現金で買い取られる特殊景品に交換不能な端数の遊技媒体数を指定可能な入力操作部を備えることを特徴とする請求項8記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項11】
前記入力手段は、
希望貯遊技媒体総数が補償上限と等しくなる遊技媒体数を指定可能な入力操作部を備えることを特徴とする請求項8記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項12】
前記制御手段は、
遊技客が希望貯遊技媒体総数の一部のみ預け入れることを選択した場合、預け入れられない遊技媒体数を特定可能な記録媒体を発行させることを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項13】
前記制御手段は、
遊技客が希望貯遊技媒体総数の一部のみ預け入れることを選択した場合、預け入れられない遊技媒体数の景品交換処理を行わせることを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体制御装置。
【請求項14】
遊技客が獲得する遊技媒体を遊技店に預け入れる貯遊技媒体を制御する貯遊技媒体制御方法であって、
遊技客が遊技店への預け入れを希望する希望貯遊技媒体総数を取得する取得工程と、
前記取得工程にて取得された希望貯遊技媒体総数が遊技客および遊技店の二者以外の第三者によって定められた補償可能な補償上限を超過するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程にて補償上限を超過すると判定された場合に、希望貯遊技媒体総数をすべて預け入れるかまたは一部のみ預け入れるかに係る制御を行う制御工程と
を有することを特徴とする貯遊技媒体制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4−1】
image rotate

【図4−2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−43672(P2008−43672A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−224555(P2006−224555)
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】