説明

貴重品保管装置

【課題】 入浴中に小物やロッカーキーなどの貴重品を保管し、かつ保管した貴重品の置き忘れや盗難を防止する貴重品保管装置を提供すること。
【解決手段】 貴重品保管装置は、棚3に固定される貴重品保管箱2と、この貴重品保管箱2が嵌り込む穴11を底部12にあけた脱衣籠1とにより構成される。そして、貴重品保管箱2の上面との脱衣籠1の底部12をほぼ一致させるように脱衣籠を底上げしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゴルフ場、温泉などの浴場で使用する貴重品保管装置に関し、衣服などを入れる脱衣籠と、身の回りの貴重品、時計、小物、ルームキー、ロッカーキーなど(以下、「貴重品」という)を保管する貴重品保管箱とを組み合わせて使用するものである。
【背景技術】
【0002】
入浴の際に脱いだ浴衣、肌着、衣服などを保管する脱衣籠に、時計、指輪などの身の回りの貴重品を保管する保管箱を設けたものが下記特許文献において開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−29638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の貴重品保管箱を設けた脱衣籠においては、脱衣籠ごと貴重品保管箱を持ち去られることがあった。
【0005】
また、貴重品保管箱は、金属または合成樹脂で作られた丈夫なものであるのに対し、普及している脱衣籠は、籐を編んだもので、破損し易く、比較的短寿命のものである。
【0006】
そこで、脱衣籠が破損すると、貴重品保管箱を取り外し、新しい脱衣籠に取り付けて再使用していた。
【0007】
この発明の貴重品保管装置は、このような従来の貴重品保管箱付き脱衣籠が有する課題を解決するために考えられたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の貴重品保管装置は、棚に固定された貴重品保管箱と、この貴重品保管箱が嵌り込む穴を底部にあけた脱衣籠とにより構成される。そして、貴重品保管箱の上面との脱衣籠の底部をほぼ一致させている。
【発明の効果】
【0009】
この発明の貴重品保管装置によると、脱衣所における盗難の危険を減らすことができ、利用者も安心して入浴設備を利用でき、ひいては集客増をも見込むことができる。
【0010】
ゴルフ場に限らず、銭湯、大浴場のあるホテル、スポーツクラブのシャワールーム、病院において診療・治療中に衣服を保管する籠などにも適用することができる。
【0011】
脱衣籠と貴重品保管箱とが別体であるから、脱衣籠が破損しても代わりの脱衣籠を組合せれば、貴重品保管箱を長く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の貴重品保管装置で使用する脱衣籠を示す平面図(a)および縦断面図(b)、
【図2】この発明の貴重品保管装置で使用する貴重品保管箱を固定した棚を示す正面図、
【図3】この発明の貴重品保管装置を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の貴重品保管装置で使用する脱衣籠1は、図1の平面図(a)および図1(a)の線b−bに沿って切断した縦断面図(b)に示すように、籐を編んで作った籠であって、底部12に貴重品保管箱2が嵌り込む穴11があけられており、脱いだ衣服を入れるものである。
【0014】
この脱衣籠1の底部12は、貴重品保管箱2の上面とほぼ一致するように底上げしておけば、貴重品保管箱2が底部12より突出することなく、使用時に違和感を感じることはないのである。
【0015】
この脱衣籠1としては、従来の籐籠のほかに合成樹脂を射出成型した籠などの各種の籠を適用することができる。
【0016】
この発明の貴重品保管装置で使用する貴重品保管箱2は、扁平な形状の金属または合成樹脂で作った箱で、図2に示すように、棚3に固定されている。
【0017】
貴重品保管箱2は、箱部と開閉式の蓋とにより構成されており、この蓋に錠を取り付けたものである。この錠は簡易なものでもよく、鍵は、入浴中に無くさないように手首を通す紐または輪ゴムを取り付けておくと便利である。
【0018】
貴重品保管箱2は、棚3に固定されるものであって電源に接続可能であるから、箱部に電磁錠を設け、暗証番号を入力するテンキー、指紋認証装置などの電源を要するセキュリティ装置を設けることができる。
【0019】
この貴重品保管箱2の中に何も入れないで暗証番号を入力したり、指紋認証装置を動作させて施錠して放置されると、その貴重品保管箱2は使用不能になる。そこで、このような悪戯を防ぐために、保管箱2の中に硬貨を保時するポケットおよび硬貨の存在により作動するマイクロスイッチを設け、このポケットに硬貨が保持されてマイクロスイッチが動作している場合に限り、施錠操作を有効ならしめておくことにより悪戯を防止することができる。
【0020】
このように構成された貴重品保管装置を入浴のために使用する際には、まず、貴重品保管箱2の蓋を開いて貴重品を入れたのち蓋を閉じて施錠し、その上に脱いだ浴衣や衣服を脱衣籠1に入れて入浴する。
【0021】
このとき、棚の高い位置の脱衣籠1を使用する場合には、脱衣籠1が邪魔になって貴重品保管箱2を覗き難ければ、脱衣籠1を取り外して貴重品保管箱2を露出させたから、貴重品を出し入れすればよいのである。
【0022】
入浴が終わって、脱衣籠1に入れた浴衣や衣服を着用すると、脱衣籠1の底部に存在する貴重品保管箱2が現れる。貴重品保管箱2の蓋を透明な板で構成しておくと、入れた小物やロッカーキーなどの貴重品を視認できるので、取り忘れを防止することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 脱衣籠
11 穴
12 底部
2 貴重品保管箱
3 棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚に固定される貴重品保管箱と、該貴重品保管箱が嵌り込む穴を底部にあけた脱衣籠とにより構成されることを特徴とする貴重品保管装置。
【請求項2】
貴重品保管箱の上面と脱衣籠の底部がほぼ一致していることを特徴とする請求項1に記載の貴重品保管装置。
【請求項3】
貴重品保管箱の蓋を透明にして、内部を視認可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の貴重品保管装置。
【請求項4】
貴重品保管箱の蓋を施錠する電磁錠を設けて、この電磁錠をテンキーで入力された暗証番号や指紋認証装置で入力された指紋データにより施錠・解錠を制御することを特徴とする請求項1に記載の貴重品保管装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−167360(P2011−167360A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34128(P2010−34128)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(599155682)
【Fターム(参考)】