説明

貼付体貼付装置および貼付体貼付方法

【課題】簡素な構成で貼付体を精度良く位置決めして被貼付体に貼り付けること。
【解決手段】貼付体(L)の孔(La)に対応して形成された突起進入凹部(11b)を有する吸着部材(11)と、被貼付部(Ha)において貼付体(L)の孔(La)に対応する位置から上方に突出して形成された突起部(23)と、突起進入凹部(11b)が突起部(23)の上方に対応する位置に移動させる上方位置移動制御手段(C5D)と、貼付体(L)を落下させ、突起部(23)に貼付体(L)の孔(La)を貫通させて位置決めを行う位置決め制御手段(C5E)と、吸着部材(11)を下降させて突起進入凹部(11b)に突起部(23)を進入させ且つ位置決めされた貼付体(L)を吸着面(11a)で被貼付部(Ha)に押し当てて貼付する貼付体貼付手段(C5F)とを備えたことを特徴とする貼付体貼付装置(U)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼付体貼付装置および貼付体貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上面に貼付体の一例としてのラベルが貼り付けられた帯状の剥離シートをロール状に巻き取ったラベル付シートロールについて、前記剥離シートを送り出し、前記ラベルを前記剥離シートから剥離し、剥離された前記ラベルを被着体に貼り付ける貼付体貼付装置が知られている。剥離された前記ラベルを前記被着体に貼り付ける場合、前記ラベルを前記被着体の定位置に確実に貼り付けするのは困難であり、いわゆる、位置ズレ等の貼付不良が発生することがある。
位置ズレ等の前記ラベルの貼付不良を防止するための技術として、例えば、下記の特許文献1,2に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1(特開平8−272045号公報)には、周面上に同一ピッチで8個の吸着パッド(51)が取り付けられたサクションドラム(50)を間欠回転させ、ラベル吸着位置である第1ステーション(S1)で前記吸着パッド(51)の吸着をオンにすることにより、前記サクションドラム(50)に近接して設けられた剥離エッジ(45)上のラベル台紙(10)から円形のラベル(12)を剥離・吸着して、前記第1ステーション(S1)から5ピッチ分回転したラベル貼付位置である第6ステーション(S6)で前記吸着パッド(51)の吸着をオフにすることにより、被貼付体としてのスプール軸(15)であって、フィルムの円筒容器、いわゆる、パトローネのスプール軸(15)に貼り付けるラベル貼付け装置についての技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献1では、前記第1ステーション(S1)において、前記剥離エッジ(45)によって前記ラベル台紙(10)から剥離された前記ラベル(12)を前記吸着パッド(51)に吸着させる。そして、前記第1ステーション(S1)から1ピッチ分回転したラベル修正位置である第2ステーション(S2)において、前記ラベル(12)の上方に配置されたラベル位置修正部(62)により、吸着された前記ラベル(12)の位置が修正される。なお、特許文献1では、円形の前記ラベル(12)は、円周部に円弧状の切欠き(12a)を有しており、中央部に中央孔(12b)を有している。また、前記ラベル位置修正部(62)は、前記ラベル(12)の位置決めをするためのセンタリングピン(80)および位置修正ピン(81,82)を有する修正ヘッド(95)と、前記修正ヘッド(95)を昇降するための昇降シリンダ(96)とを有している。
【0005】
そして、特許文献1では、前記修正ヘッド(95)を下降させ、前記センタリングピン(80)が前記中央孔(12b)に挿入され、前記位置修正ピン(81,82)が前記切欠き(12a)の分だけ開くことにより、吸着された状態の前記ラベル(12)の位置決めが行われる。また、前記ラベル(12)の位置決めが行われた後、空気吐き出し口(80c)から空気を吐き出しながら、前記修正ヘッド(95)を上昇させることにより、位置決めされた前記ラベル(12)が前記センタリングピン(80)により持ち上げられることなく、前記吸着パッド(51)に吸着された状態で保持される。
【0006】
したがって、特許文献1では、前記第1ステーション(S1)で前記ラベル(12)が剥離・吸着され、前記第2ステーション(S2)で吸着された前記ラベル(12)が前記ラベル位置修正部(62)によって位置決めされ、前記第6ステーション(S6)で位置決めされた前記ラベル(12)が前記スプール軸に貼り付けられることにより、前記ラベル(12)の位置ズレ等による貼付不良が防止されている。
【0007】
特許文献2(特開2003−26135号公報)には、中心孔を有するCD本体(1)に、前記CD本体(1)とほぼ同一の外側輪郭と前記CD本体(1)の中心孔よりも大きな中心孔とを有するラベル(3)を貼り付けるCDラベル貼付け装置についての技術が記載されている。特許文献2では、中心部に円筒状凹部(13)を有し、水平に設置された円盤(11)上に、前記ラベル(3)の接着面を上にして位置決めした状態で支持する。また、特許文献2では、前記CD本体(1)の中心孔を貫通する凸状の第2ピン(21)を有し、前記ラベル(3)の中心孔の直径より小さく、前記ラベル(3)の中心孔を貫通可能なスリーブ(18〜29)が、前記第2ピン(21)により前記中心孔を貫通した状態で前記CD本体(1)を支持する。
【0008】
そして、特許文献2では、前記スリーブ(18〜29)を、円筒状凹部(13)に沿って落下させて前記ラベル(3)の中心孔を貫通させることにより、前記CD本体(1)を垂直中心軸線に沿って落下させ、前記ラベル(3)の接着面が前記CD本体(1)の下側面に貼り付けられる。
すなわち、特許文献2では、前記円盤(11)に、前記ラベル(3)を精度良く位置決めした後に、前記円盤(11)に、前記スリーブ(18〜29)を位置決めし、その後、前記円筒状凹部(13)を貫通させるという工程を経て、前記CD本体(1)に前記ラベル(3)が貼り付けられている。
【0009】
【特許文献1】特開平8−272045号公報(要約書、「0034」〜「0045」、図1、図10〜図14)
【特許文献2】特開2003−26135号公報(要約書、「0008」〜「0015」、図2〜図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述の事情に鑑み、簡素な構成で貼付体を精度良く位置決めして被貼付体に貼り付けることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の貼付体貼付装置は、
孔が形成された貼付体を下面の吸着面に吸着保持する吸着部材であって、前記貼付体の孔に対応して形成された突起進入凹部を有する前記吸着部材と、
前記貼付体が貼付される被貼付部と、
前記被貼付部において前記貼付体の孔に対応する位置から上方に突出して形成された突起部と、
前記吸着部材を前記突起進入凹部が前記突起部の上方に対応する位置に移動させる上方位置移動制御手段と、
下面に吸着した前記吸着部材の吸着を解除して前記貼付体を落下させ、前記突起部に前記貼付体の孔を貫通させて位置決めを行う位置決め制御手段と、
前記吸着部材を下降させて、前記突起進入凹部に前記突起部を進入させ、且つ、位置決めされた前記貼付体を前記吸着面で前記被貼付部に押し当てて貼付する貼付体貼付手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の貼付体貼付装置において、
前記貼付体の孔に対応する孔が形成された前記被貼付部を有する被貼付体と、
前記被貼付部の孔を貫通する前記突起部を有し、前記被貼付体を支持する治具と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の貼付体貼付装置において、
前記貼付体の孔に対応して形成された基端部と、前記貼付体の孔の外径に比べて小さな外径の先端部と、を有する前記突起部、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記技術的課題を解決するために、請求項4記載の発明の貼付体貼付方法は、
孔が形成された貼付体の孔に対応して形成された突起進入凹部を有する吸着部材の下面の吸着面に前記貼付体を吸着保持する吸着工程と、
前記吸着部材の前記突起進入凹部を前記貼付体が貼付される被貼付部の上方に対応する位置に移動させる上方位置移動制御工程と、
下面に吸着した前記吸着部材の吸着を解除して前記貼付体を落下させ、前記被貼付部において前記貼付体の孔に対応する位置から上方に突出して形成された突起部に前記貼付体の孔を貫通させて位置決めを行う位置決め制御工程と、
前記吸着部材を下降させて、前記突起進入凹部に前記突起部を進入させ、且つ、位置決めされた前記貼付体を前記吸着面で前記被貼付部に押し当てて貼付する貼付体貼付工程と、
を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で前記貼付体を精度良く位置決めして前記被貼付体に貼り付けることができる。
請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、前記被貼付体の孔を貫通する前記突起部を有する前記治具で、前記被貼付体を固定して、前記貼付体を精度良く位置決めして被貼付体に貼り付けることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、前記突起部に前記貼付体の孔を確実に貫通させることができる。この結果、例えば、前記貼付体の孔の中心が、前記突起部からずれていた場合でも、前記突起部に前記貼付体の孔を貫通させることができ、前記貼付体を精度良く位置決めして前記被貼付部に貼り付けることができる。
請求項4に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で前記貼付体を精度良く位置決めして前記被貼付体に貼り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の実施例1の貼付体貼付装置の全体説明図である。
図2は仮剥離装置によりラベル部材を剥離シートから仮剥離するときの拡大説明図であり、図2Aは貼付体押圧位置でラベル押圧部材とラベル押圧部材支持部によりラベル付き剥離シートを挟持した状態の断面拡大図であり、図2Bは図2Aの状態からラベル押圧部材内にエアを吹き付けて仮剥離を実行した状態の断面拡大図であり、図2Cは図2BのIIC方向から見たラベル部材の拡大説明図である。
図1において、貼付体貼付装置Uは、ユーザが入力操作する操作部UIと、操作部UIや外部の情報処理装置等から入力された入力データに基づいて貼付体貼付装置U全体の動作を制御する制御部Cとを有する貼付装置本体U1を備えている。前記貼付装置本体U1は、剥離媒体の一例としての帯状の剥離シートSの上面に貼り付けられた貼付体の一例としてのラベル部材Lを前記剥離シートSから剥離するための貼付体剥離装置U2と、剥離されたラベル部材Lが貼り付けられる被貼付体Hを貼付位置に順次搬送するための被貼付体搬送装置U3とを備えている。
【0019】
前記貼付体剥離装置U2は、前記ラベル部材Lを貼付体搬送方向Yaに供給する供給部材の一例としての供給ロール1を有する。前記供給ロール1には、連続する前記剥離シートSに前記ラベル部材Lが所定の間隔で貼り付けられた貼付体付き剥離媒体の一例としてのラベル付き剥離シート(L+S)がロール状に巻き取られた貼付体付き剥離媒体巻取部材の一例としてのラベル付き剥離シートロールS1が支持されており、前記ラベル付き剥離シート(L+S)が送り出される。なお、実施例1の前記供給ロール1は、図示しない張力調節用逆方向回転駆動部材の一例としてのバックテンション調節用モータの駆動力により前記貼付体搬送方向Yaの逆方向に回転駆動し、前記ラベル付き剥離シート(L+S)に前記貼付体搬送方向Yaの逆方向に巻き取る力、いわゆる、バックテンションを与えている。
【0020】
また、実施例1の前記ラベル付き剥離シート(L+S)において、前記ラベル部材Lは、図2Cに示すように、リング状に形成されており、中央部には上下方向に貫通する貼付体の孔の一例としてのラベル貫通孔Laが形成されている。
また、図2A、図2Bに示すように、前記ラベル部材Lは、上層のラベル本体L1と、下層の粘着剤L2とによって構成されている。また、前記ラベル部材Lには、後述する仮剥離部退避溝(4b)と対応する範囲に図2Cの2点鎖線で示す仮剥離部Lbが設定されている。また、実施例1の剥離シートSには、前記ラベル貫通孔Laと対応する範囲に、上下方向に貫通する剥離媒体の孔の一例としてのシート貫通孔Saが形成されている。すなわち、前記ラベル付き剥離シート(L+S)には、前記ラベル部材L毎に貫通孔(La+Sa)が形成されている。
【0021】
また、前記供給ロール1の下方には、前記供給ロール1から送り出された前記ラベル付き剥離シート(L+S)の上面を支持する第1案内部材の一例としての第1ガイドロール2が回転可能に支持されている。また、前記第1ガイドロール2の右方には、前記ラベル付き剥離シート(L+S)を水平方向にガイドする平板状の搬送案内部材の一例としての搬送ガイド部材3が支持されている。前記搬送ガイド部材3は、前記ラベル付き剥離シート(L+S)の上方に配置された上側搬送案内部の一例としての上側搬送ガイド部3aと、下方に配置された下側搬送案内部の一例としての下側搬送ガイド部3bとを有し、前記上側搬送ガイド部3aと前記下側搬送ガイド部3bとによって前記ラベル付き剥離シート(L+S)をガイドする。また、前記下側搬送ガイド部3bは、前記上側搬送ガイド部3aと比べて、ラベル部材L一枚分だけ右方に延びた貼付体押圧部材支持部の一例としてのラベル押圧部材支持部3b1を有する。前記ラベル押圧部材支持部3b1の上方には、前記ラベル部材Lの仮剥離処理を実行するための仮剥離装置KHSが設けられている。
【0022】
図1および図2A、図2Bにおいて、前記仮剥離装置KHSは、前記ラベル押圧部材支持部3b1の上面に対応する位置である貼付体押圧位置に搬送された前記ラベル付き剥離シート(L+S)を上方から押圧する貼付体押圧部材の一例としての円柱状のラベル押圧部材4と、前記ラベル押圧部材4を上方の貼付体離隔位置と下方の前記貼付体押圧位置との間で昇降させる貼付体押圧用昇降部材の一例としてのラベル押圧用昇降部材6とを有する。前記ラベル押圧部材4には、空気流入路の一例としての逆L字型のエア流入路4aが形成されており、前記エア流入路4aは、前記ラベル押圧部材4の外周面の左側面中央部の空気流入口の一例としてのエア流入口4a1と、下面の中央部の空気排出口の一例としてのエア排出口4a2とを有する。また、前記ラベル押圧部材4の下面には、左端部から前記エア排出口4a2近傍まで左右方向に沿って延びた仮剥離部退避溝4bが形成されている。また、前記エア流入口4a1には、前記エア排出口4a2から噴出させる空気、いわゆる、エアを供給する空気供給装置の一例としてのエア供給装置7が接続されている。
【0023】
ここで、実施例1の前記仮剥離装置KHSでは、図2A、図2Bに示すように、前記ラベル押圧部材4が前記ラベル付き剥離シート(L+S)を押圧した状態では、前記エア排出口4a2の中心が前記貫通孔(La+Sa)の中心に重なるように予め設定されている。また、前記ラベル押圧部材4のエア排出口4a2の径φ2は、図2Cの1点鎖線に示す前記貫通孔(L+S)の径φ1より小さく設定されている。さらに、図2A、図2Cに示すように、前記ラベル押圧部材4の仮剥離部退避溝4bの中心側の内端部は、前記ラベル部材Lのラベル貫通孔Laの右端より外側となるように設定されている。
したがって、前記ラベル押圧部材4が前記ラベル付き剥離シート(L+S)を押圧した状態では、前記エア排出口4a2の下方の前記貫通孔(La+Sa)の空間が密閉されている。このとき、図2Bに示すように、前記エア供給装置7に前記エア排出口4a2からエアを噴出させると、エアの圧力により、前記仮剥離部Lbにおいて、接着力の弱い前記剥離シートSと、前記粘着剤L2との間が剥離し、図2Bの矢印で示すように、エアが抜ける。
【0024】
図3は剥離貼付装置によりラベル部材を剥離シートから剥離するときの拡大説明図であり、図3Aは剥離位置でラベル吸着部材をラベル部材に密着させてエアを吸引した状態の断面拡大図であり、図3Bは図3AのIIIB方向から見たラベル付き剥離シートおよび剥離板の拡大説明図であり、図3Cは図3AのIIIC方向から見たラベル吸着部材の拡大説明図である。
また、図1および図3Aにおいて、前記下側搬送ガイド部3bの右端部には、前記ラベル付き剥離シート(L+S)の下面を支持する剥離板8が支持されている。前記剥離板8は、側面視台形状に形成されており、前記下側搬送ガイド部3bの上面の延長上に延びる剥離動作時支持面8aと、ラベル部材Lを剥離後の剥離シートSをガイドする斜め下方に延びる剥離後媒体案内面の一例としての剥離後シートガイド面8bとを有する。前記剥離動作時支持面8aと前記剥離後シートガイド面8bとは、接続部8cにおいて鋭角に接続されている。
【0025】
実施例1の前記剥離板8は、図1、図3Aの破線で示す、前記貼付体押圧位置からラベル部材L一枚分だけ右方に離れた剥離位置と、図1、図3Aの実線で示す、前記剥離位置からラベル部材L一枚分だけ右方に離れた吸着位置との間をスライド移動自由に支持されている。また、図3A、図3Bに示すように、実施例1では、前記吸着位置における前記ラベル部材Lの右端部は、前記剥離板8の接続部8cより1mmだけ右方に長くなるように予め設定されている。
前記剥離シートSは、前記貼付体搬送方向Ya下流側に行くにしたがって、前記剥離板8に巻き付くようにして、前記剥離動作時支持面8aおよび前記剥離後シートガイド面8bにガイドされる。すなわち、前記剥離シートSは、前記剥離板8の外面の形状に沿って延びており、前記剥離板8の接続部8cから前記貼付体搬送方向Yaが右方向から左下方向へと折り返されている。
【0026】
また、図1において、前記剥離位置の上方には、前記ラベル部材Lを検出する貼付体検出部材の一例としてのラベルセンサSN1が配置されており、前記吸着位置の上方には、前記ラベル部材Lを吸着して剥離し、剥離した前記ラベル部材Lを前記貼付位置に支持された前記被貼付体Hに貼り付けるための吸着部材11が配置されている。
図1、図3Aにおいて、前記吸着位置の前記ラベル部材Lを吸着する円盤状の吸着部材11は、前記ラベル部材Lの形状に対応して形成されている。
前記吸着部材11の下面である吸着面11aには、図3Cに示すように、リング状のラベル部材Lに対応して、同心円上に配置された複数の空気吸引孔の一例としてのエア吸引孔11a1が形成されている。また、前記吸着部材11の吸着面11aの中央部には、前記ラベル貫通孔Laに対応して形成された突起進入凹部11bを有する。なお、実施例1では、前記突起進入凹部11bの上下方向の深さがL0となるように予め設定されている。
また、前記吸着部材11は、図1に示すエアを吸引する空気吸引装置の一例としてのエア吸引装置14に接続されており、前記エア吸引装置14のエア吸引により、前記エア吸引孔11a1からエアが吸引され、ラベル部材Lが吸着保持される。
【0027】
前記吸着部材11は、中空で円筒状の貼付体吸着貼付用昇降部材の一例としてのラベル吸着貼付用昇降部材12により、前記吸着位置の上方の貼付体上方位置と下方の貼付体吸着位置との間で昇降可能に支持されている。前記ラベル吸着貼付用昇降部材12は、前記吸着部材11を前記吸着位置の上方に設定された貼付体上方位置と前記被貼付体Hの上方に設定された突起部上方位置との間で移動させる吸着貼付体搬送部材の一例としての吸着ラベル搬送部材13により支持されている。
前記ラベル吸着貼付用昇降部材12と前記吸着ラベル搬送部材13とにより、貼付体移動部材の一例としてのラベル移動部材(12+13)が構成されている。
【0028】
したがって、図3Aに示すように、前記吸着部材11の前記吸着面11aが前記ラベル付き剥離シート(L+S)に密着した状態で、エア吸引装置14によりラベル吸引孔11aからエアが吸引されると、前記ラベル部材Lが前記吸着部材11に吸着される。この状態で、前記剥離板8が前記吸着位置から前記剥離位置に移動すると、前記剥離板8に巻き付いた前記剥離シートSも前記吸着部材11から離れる方向に移動するため、吸着された前記ラベル部材Lが前記剥離シートSから剥離される。そして、剥離された前記ラベル部材Lは、前記ラベル移動部材(12+13)により、前記吸着部材11に吸着保持された状態で前記貼付体上方位置から前記突起部上方位置に搬送され、前記ラベル部材Lは、前記被貼付体Hに貼り付けられる。
前記剥離板8と、前記吸着部材11と、前記ラベル移動部材(12+13)と、前記エア吸引装置14とにより剥離貼付装置HHSが構成されている。
【0029】
また、図1において、前記剥離板8の左斜め下方には、前記ラベル部材Lが剥離された剥離シートSの下面であって、剥離板8の接続部8cで反転するまでは上面である前記下面を支持する第2案内部材の一例としての第2ガイドロール16が回転可能に支持されている。また、前記第2ガイドロール16の左斜め下方には、前記剥離シートSの張力、いわゆる、テンションを調節するための張力調節部の一例としてのテンション調節部17が配置されている。前記テンション調節部17は、図示しない張力調節用回転駆動部材の一例としてのテンション調節用モータの駆動力により前記貼付体搬送方向Yaに回転する張力調節用駆動部材の一例としてのテンション調節用駆動ロール17aと、前記テンション調節用駆動ロール17aの上側に当接して従動する張力調節用従動部材の一例としてのテンション調節用従動ロール17bとを有する。
実施例1の前記テンション調節部17は、前記テンション調節用駆動ロール17aの回転駆動によって前記剥離シートSに前記貼付体搬送方向Yaに巻き取る力を与えることにより、前記テンション調節部17から前記貼付体搬送方向Ya下流側の前記剥離シートSのテンションを調節する。なお、実施例1では、前記テンション調節部17のテンション調節用駆動ロール17aの駆動力は、前記供給ロール1の駆動力より小さくなるよう予め設定されている。
【0030】
前記第2ガイドロール16から搬送された前記剥離シートSは、前記テンション調節用駆動ロール17aの下端部、前記テンション調節用駆動ロール17aと前記テンション調節用従動ロール17bとの当接部、前記テンション調節用従動ロール17bの上端部の順に逆S字状に巻き付くようにして搬送される。
前記供給ロール1および前記テンション調節部17により張力作用部(1+17)が構成されている。
【0031】
また、前記テンション調節部17の左方には、前記剥離シートSの下面を支持する第3案内部材の一例としての第3ガイドロール18が回転可能に支持されており、前記第3ガイドロール18の左斜め上方には、前記剥離シートSを巻き取る媒体巻取部の一例としてのシート巻取部19が設けられている。前記シート巻取部19は、図示しない媒体巻取用回転駆動部材の一例としてのシート巻取用モータの駆動力により前記貼付体搬送方向Yaに回転する媒体巻取用駆動部材の一例としてのシート巻取用駆動ロール19aと、前記シート巻取用駆動ロール19aの右斜め上側に当接して従動する媒体巻取用従動部材の一例としてのシート巻取用従動ロール19bと、前記シート巻取用駆動ロール19aの左斜め上方に回転可能に支持され、無端帯状部材の一例としての無端ベルトBによって前記シート巻取用駆動ロール19aと連結されて従動する剥離媒体巻取部材の一例としての剥離シート巻取ロール19cとを有する。また、前記剥離シート巻取ロール19cには、前記剥離シートSの端部が支持されている。
【0032】
実施例1の前記シート巻取部19は、前記シート巻取用駆動ロール19aの回転駆動によって前記剥離シートSを前記シート巻取用駆動ロール19aの左斜め下端部、前記シート巻取用駆動ロール19aと前記シート巻取用従動ロール19bとの当接部、前記テンション調節用従動ロール17bの右斜め上端部、前記剥離シート巻取ロール19cの左斜め下端部の順に、それぞれ逆S字状に巻き付くようにして搬送させ、前記剥離シート巻取ロール19cによって前記剥離シートSをロール状に巻き取る。
なお、実施例1では、前記シート巻取用駆動ロール19aは、前記吸着位置のラベル部材Lが前記剥離シートSから剥離され、前記剥離位置のラベル部材Lを前記吸着位置に搬送するタイミングで回転駆動する。また、実施例1の前記シート巻取用駆動ロール19aは、回転駆動していない状態ではロックするように予め設定されている。このため、常に回転駆動している前記供給ロール1および前記テンション調節用駆動ロール17aについて、前記テンション調節用駆動ロール17aの駆動力が前記供給ロール1の駆動力より小さくても、前記剥離シートSが前記貼付体搬送方向Yaの逆方向に搬送されるのを防止できる。すなわち、前記剥離シートSの巻き戻りが防止できる。
前記張力作用部(1+17)、前記各ガイドロール2,16,18、前記搬送ガイド部材3および前記シート巻取部19等によって媒体搬送装置の一例としてのシート搬送装置SHSが構成されている。
【0033】
図4は突起部上方位置に搬送されたラベル部材を被貼付体に貼り付けるときの拡大説明図であり、図4Aは、ラベル部材を吸着した吸着部材を突起部上方位置に搬送した状態の断面拡大図であり、図4Bは図4Aの状態から吸着部材の吸着を解除してラベル部材を落下させて突起部でラベル貫通孔を貫通させて位置決めした状態の断面拡大図であり、図4Cは図4Bの状態から吸着部材を下降させてラベル部材を被貼付体の被貼付部に押し当てて貼り付けた状態の断面拡大図である。
【0034】
図4A〜図4Cにおいて、前記突起部上方位置の下方に設定された前記貼付位置に配置された前記被貼付体Hは、中央部に前記ラベル部材Lが貼り付けられる被貼付部Haが設けられている。また、前記被貼付部Haは、前記ラベル貫通孔Laに対応する位置に、被貼付部の孔の一例としての被貼付部貫通孔Hbを有する。
なお、実施例1の前記被貼付体Hの被貼付部Haは、例えば、画像形成装置の現像剤補給容器内部の現像剤を搬送する搬送部材の軸受部として構成することができる。すなわち、前記ラベル部材Lは、前記軸受部から現像剤が漏れ出すことを防止するための封止部材として貼り付けることができる。
【0035】
また、前記被貼付体搬送装置U3は、前記被貼付体Hを支持する治具21を有しており、前記治具21により前記被貼付体Hを固定支持した状態で、前記被貼付体Hを前記貼付位置に順次搬送する。前記治具21は、前記被貼付体H本体に応じて形成されて下方で前記被貼付体H本体を覆うように保持する前記保持部22と、上方に突起して前記被貼付部貫通孔Hbを貫通する突起部23とを有する。前記突起部23は、前記被貼付部貫通孔Hbを貫通して上方に延び、前記ラベル貫通孔Laとほぼ同径に形成された基端部の一例としての円柱状の大径部23aと、前記大径部23aの上方に配置され、上方に延びるに従って外径が小さく設定されて外周面が傾斜している傾斜部23bと、前記傾斜部23bの上方に配置され、前記大径部23aよりも小さくなった外径で円柱状に延びた小径部23cと、前記小径部23cの上方に配置された円錐状の先端部23dとを有している。
【0036】
したがって、実施例1の前記突起部23では、前記基端部23aから上方の前記先端部23dまで進むに従って、外径が小さくなるように予め設定されている。
また、実施例1では、前記突起部23が前記被貼付部貫通孔Hb貫通した長さL0′、すなわち、前記被貼付部Haから前記先端部23dの上端までの長さL0′が、前記吸着部材11の突起進入凹部11bの深さL0よりも短くなるように予め設定されている。すなわち、L0′<L0に予め設定されている。
【0037】
前記突起部上方位置に搬送された前記吸着部材11は、図4Aに示す状態から、前記エア吸引装置14によるエア吸引を停止して、前記ラベル部材Lを前記吸着部材11から離して落下させると、前記突起部23が前記ラベル貫通孔Laを貫通し、図4Bに示す前記ラベル部材Lが前記傾斜部23bに引っ掛かっている状態となる。そして、図4Bに示す状態から、前記突起部上方位置の前記吸着部材11が、突起部上方位置の下方に設定された貼付体貼付位置まで下降して、前記突起進入凹部11bに前記突起部23を進入させ、且つ、前記ラベル部材Lを前記吸着面11aで前記被貼付部Haに押し当てることにより、前記被貼付部Haに前記ラベル部材Lが貼付される。
【0038】
(実施例1の制御部の説明)
図5は実施例1の貼付体貼付装置の制御部が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図5において、前記制御部Cは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うための機能実現手段としてのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行う中央演算処理装置の一例としてのCPU、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0039】
(ラベル貼付装置本体U1の制御部Cに接続された信号入力要素)
前記制御部Cには、次の信号出力要素UI,SN1等の出力信号が入力されている。
UI:ユーザインタフェース
操作部の一例としてのユーザインタフェースUIは、表示部UI1、ラベル貼付スタートキーUI2、ラベル貼付枚数入力キーUI3、テンキーUI4等を備えている。
SN1:ラベルセンサ
ラベルセンサSN1は、前記剥離位置に搬送された前記ラベル部材Lを検出する。実施例1の前記ラベルセンサSN1は、前記ラベル付き剥離シート(L+S)の貫通孔(La+Sa)を検出することにより、前記ラベル部材Lを検出する。
【0040】
(ラベル貼付装置本体U1の制御部Cの機能)
前記制御部Cは、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を実現する機能実現手段としてのプログラムを有している。前記制御部Cの各種機能を実現するプログラムを次に説明する。
C1:貼付体貼付開始判別手段
貼付体貼付開始判別手段C1は、前記ラベル部材Lを前記被貼付体Hに貼り付ける貼付体貼付処理を開始するか否かを判別する。実施例1の前記貼付体貼付開始判別手段C1は、操作部UIや外部の情報処理装置等から入力データが入力されたか否かを判別することにより、前記ラベル貼付処理を開始するか否かを判別する。例えば、操作部UIから入力データを入力する場合、ユーザによって前記ラベル貼付枚数入力キーUI3でラベル貼付枚数が入力された後、前記ラベル貼付スタートキーUI2が入力されたか否かを判別することにより、前記貼付体貼付処理を開始するか否かを判別する。
【0041】
C2:媒体搬送手段
媒体搬送手段C2は、張力制御手段C2Aと、媒体巻取手段C2Bとを有し、前記シート搬送装置SHSを制御して前記剥離シートSを前記貼付体搬送方向Yaに搬送する。
C2A:張力制御手段
張力制御手段C2Aは、前記シート搬送装置SHSの張力作用部(1+17)において、供給ロール1の前記貼付体搬送方向Yaの逆方向の回転を制御する供給部材回転制御手段C2A1と、前記テンション調節用駆動ロール17aの前記貼付体搬送方向Yaの回転を制御する張力調節用駆動部材回転制御手段C2A2とを有する。前記張力制御手段C2Aは、前記供給ロール1から前記テンション調節部17までの前記剥離シートSのテンションを制御する。
【0042】
実施例1の前記張力制御手段C2Aは、前記供給部材回転制御手段C2A1で前記供給ロール1を回転させて前記剥離シートSに前記貼付体搬送方向Yaの逆方向に引っ張る力、いわゆる、バックテンションを与えると共に、前記張力調節用駆動部材回転制御手段C2A2で前記テンション調節用駆動ロール17aを回転させて前記剥離シートSに前記貼付体搬送方向Yaに引っ張る力、いわゆる、テンションを与えることにより、前記供給ロール1から前記テンション調節部17までの前記剥離シートSのテンションを制御する。なお、実施例1では、前記張力調節用駆動部材回転制御手段C2A2による前記テンション調節部17のテンション調節用駆動ロール17aの駆動力は、前記供給部材回転制御手段C2A1による前記供給ロール1の駆動力より小さくなるよう予め設定されている。
【0043】
C2B:媒体巻取手段
媒体巻取手段C2Bは、前記ラベルセンサSN1により前記貼付体押圧位置のラベル部材が前記剥離位置に搬送されたか否かを判別する貼付体搬送判別手段C2B1を有し、前記シート搬送装置SHSのシート巻取部19において、前記シート巻取用駆動ロール19aの回転を制御して、前記供給ロール1のバックテンションに抗して、前記剥離シート巻取ロール19cで前記ラベル部材Lが剥離された前記剥離シートSを巻き取る媒体巻取処理を実行する。
【0044】
C3:貼付体仮剥離手段
貼付体仮剥離手段C3は、前記仮剥離装置KHSによるラベル部材Lの仮剥離用の押圧を制御する貼付体押圧制御手段C3Aと、前記仮剥離装置KHSによる仮剥離用のエアの噴出を制御する空気噴出制御手段C3Bと、前記吸着部材11が前記貼付体上方位置から前記貼付体吸着位置に下降を開始したか否かを判別する吸着部材下降開始判別手段C3Cと、前記吸着部材11が前記貼付体吸着位置から前記貼付体上方位置に上昇を開始したか否かを判別する吸着部材上昇開始判別手段C3Dとを有する。前記貼付体仮剥離手段C3は、前記仮剥離装置KHSのエア供給装置7とラベル押圧用昇降部材6とを制御して、前記貼付体押圧位置における前記ラベル部材Lの仮剥離部Lbを剥離する貼付体仮剥離処理を実行する。実施例1の前記貼付体仮剥離手段C3は、前記貼付体押圧制御手段C3Aで前記ラベル押圧用昇降部材6により前記ラベル押圧部材4を前記貼付体離隔位置から前記貼付体押圧位置に移動させて前記貼付体押圧位置の前記ラベル付き剥離シート(L+S)を上方向から押圧し、前記空気噴出制御手段C3Bで前記エア供給装置7より前記エア排出口4a2からエアを噴出させて前記仮剥離部Lbにおける前記剥離シートSと前記粘着剤L2との間を剥離する前記貼付体仮剥離処理を実行する。
【0045】
C4:貼付体剥離手段
貼付体剥離手段C4は、前記剥離貼付装置HHSの剥離板8の移動を制御する剥離板移動制御手段C4Aと、前記吸着部材11が前記ラベル部材Lを吸着したか否かを判別する吸着部材吸着判別手段C4Bと、前記吸着部材11が前記貼付体吸着位置から前記貼付体上方位置に上昇したか否かを判別する吸着部材上昇判別手段C4Cとを有し、前記剥離板8の動作を制御して、前記吸着部材11に吸着されたラベル部材Lを剥離する貼付体剥離処理を実行する。実施例1の前記貼付体剥離手段C4は、前記吸着部材吸着判別手段C4Bにより前記吸着部材11が前記ラベル部材Lを吸着済であると判別された場合に、前記剥離板移動制御手段C4Aで前記剥離板8を前記吸着位置から前記剥離位置に移動させて、前記ラベル部材Lを前記剥離シートから剥離すると共に、前記吸着部材上昇判別手段C4Cにより前記吸着部材11が前記貼付体吸着位置から前記貼付体上方位置に上昇済であると判別された場合に、前記剥離板移動制御手段C4Aで前記剥離板8を前記剥離位置から前記吸着位置に移動させる前記貼付体剥離処理を実行する。
【0046】
C5:貼付体吸着貼付手段
貼付体吸着貼付手段C5は、吸着部材移動制御手段C5Aと、空気吸引制御手段C5Bと、被貼付体搬送制御手段C5Cと、上方位置移動制御手段C5Dと、位置決め制御手段C5Eと、貼付体貼付手段C5Fとを有し、前記貼付体剥離処理によって剥離された前記ラベル部材Lを、前記剥離貼付装置HHSの前記吸着部材11によって吸着した状態で前記貼付位置まで搬送し、前記被貼付体Hに貼り付ける貼付体吸着貼付処理を実行する。
【0047】
C5A:吸着部材移動制御手段
吸着部材移動制御手段C5Aは、前記剥離貼付装置HHSの吸着部材11の移動を制御する。実施例1の前記吸着部材移動制御手段C5Aは、前記ラベル吸着貼付用昇降部材12を制御することにより、前記吸着部材11の前記貼付体上方位置と前記貼付体吸着位置および前記突起部上方位置と前記貼付体貼付位置との間の移動を制御すると共に、前記吸着ラベル搬送部材13を制御することにより、前記吸着部材11の前記貼付体上方位置と前記突起部上方位置との間の移動を制御する。
C5B:空気吸引制御手段
空気吸引制御手段C5Bは、前記剥離貼付装置HHSのエア吸引装置14によるエアの吸引を制御する。実施例1の前記空気吸引制御手段C5Bは、前記エア吸引装置14による前記エア吸引孔11aからのエアの吸引の実行、停止を制御する。
【0048】
C5C:被貼付体搬送制御手段
被貼付体搬送制御手段C5Cは、被貼付体搬送装置U3を制御して前記被貼付体Hを前記貼付位置に順次搬送する。
C5D:上方位置移動制御手段
上方位置移動制御手段C5Dは、前記吸着ラベル搬送部材13を制御して、前記吸着面11aで前記ラベル部材Lを吸着した状態の前記吸着部材11を、前記貼付体上方位置から前記突起部上方位置に移動させる。実施例1の前記上方位置移動制御手段C5Dは、前記吸着部材移動制御手段C5Aへの制御信号により、前記吸着部材11を前記貼付体上方位置から前記突起部上方位置に移動させる。
【0049】
C5E:位置決め制御手段
位置決め制御手段C5Eは、前記吸着部材11の吸着を解除して前記ラベル部材Lを落下させ、前記突起部23に前記ラベル貫通孔Laを貫通させて位置決めを行う。実施例1の前記位置決め制御手段C5Eは、空気吸引制御手段C5Bへの制御信号により、前記吸着部材11の吸着を解除して、すなわち、前記エア吸引装置によるエアの吸引を停止して、前記ラベル部材Lを落下させて位置決めを行う。
C5F:貼付体貼付手段
貼付体貼付手段C5Fは、前記ラベル吸着貼付用昇降部材12を制御して、前記吸着部材11を前記突起部上方位置から前記貼付体貼付位置まで下降させて、前記突起進入凹部11bに前記突起部23を進入させ、且つ、位置決めされた前記ラベル部材Lを前記吸着面11aで前記被貼付部Haに押し当てて貼付する。実施例1の前記上貼付体貼付手段C5Fは、前記吸着部材移動制御手段C5Aへの制御信号により、前記吸着部材11を前記突起部上方位置から前記貼付体貼付位置に移動させ、位置決めされた前記ラベル部材Lを前記吸着面11aで前記被貼付部Haに押し当てて貼付する。
【0050】
C5G:剥離板吸着位置移動判別手段
剥離板吸着位置移動判別手段C5Gは、前記剥離板8が前記吸着位置に移動済であるか否かを判別する。
C5H:剥離板剥離位置移動判別手段
剥離板剥離位置移動判別手段C5Hは、前記剥離板8が前記剥離位置に移動済であるか否かを判別する。
【0051】
C6:貼付体貼付完了判別手段
貼付体貼付完了判別手段C6は、前記貼付体貼付処理を完了するか否かを判別する。実施例1の前記貼付体貼付完了判別手段C6は、前記入力データのラベル貼付枚数分の前記ラベル部材Lが前記各被貼付体Hに貼り付けられたか否かを判別することにより、前記貼付体貼付処理を完了するか否かを判別する。
【0052】
(実施例1のメイン処理のフローチャートの説明)
次に、本発明の実施例1のラベル貼付装置Uの処理の流れをフローチャートを使用して説明する。
図6は本発明の実施例1の貼付体貼付装置のメイン処理のフローチャートである。
図6のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記ラベル貼付装置UのROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記貼付体貼付装置Uの他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
【0053】
図6に示すフローチャートは前記貼付体貼付装置Uの電源投入により開始される。
図6のST1において、操作部UIや外部の情報処理装置等から入力データが入力されたか否かを判別することにより、前記貼付体貼付処理を開始するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に移り、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、以下の(1),(2)の処理を実行し、ST3に移る。
(1)供給ロール1を貼付体搬送方向Yaの逆方向に回転させる。
(2)テンション調節部17のテンション調節用駆動ロール17aを貼付体搬送方向Yaに回転させる。
ST3において、以下の(1)〜(3)の処理を並列実行し、ST4に移る。
(1)後述する図7のサブルーチンに示す、吸着位置のラベル部材を吸着して被貼付体に貼付する貼付体吸着貼付処理を実行する。
(2)後述する図8のサブルーチンに示す、貼付体押圧位置のラベル部材Lを仮剥離する貼付体仮剥離処理を実行する。
(3)後述する図9のサブルーチンに示す、吸着位置で吸着されたラベル部材Lを剥離する貼付体剥離処理を実行する。
【0054】
ST4において、以下の(1),(2)の処理を実行し、ST1に戻る。
(1)供給ロール1の回転を停止する。
(2)テンション調節部17のテンション調節用駆動ロール17aの回転を停止する。
【0055】
(貼付体吸着貼付処理のフローチャートの説明)
図7は貼付体吸着貼付処理のフローチャートであり、図6のST3(1)のサブルーチンの説明図である。
図7のST101において、剥離板8が剥離位置から吸着位置に移動済であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST102に移り、ノー(N)の場合はST101を繰り返す。
ST102において、ラベル吸着貼付用昇降部材12により、吸着部材11を貼付体上方位置から貼付体吸着位置に下降させて仮剥離済のラベル部材Lに密着させる。そして、ST103に移る。
ST103において、エア吸引装置14でエア吸引して仮剥離済のラベル部材Lを吸着部材11の吸着面11aに吸着する。そして、ST104に移る。
【0056】
ST104において、剥離板8が吸着位置から剥離位置に移動済であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST105に移り、ノー(N)の場合はST104を繰り返す。
ST105において、ラベル吸着貼付用昇降部材12により、吸着部材11を貼付体吸着位置から貼付体上方位置まで上昇させる。そして、ST106に移る。
ST106において、吸着ラベル搬送部材13により、ラベル部材Lを吸着した状態の吸着部材11を貼付体上方位置から突起部上方位置に移動させることにより、突起進入凹部11bを突起部上方位置に移動させる。そして、ST107に移る。
ST107において、エア吸引装置14を停止して吸着部材11の吸着を解除してラベル部材Lを落下させ、突起部23にラベル貫通孔Laを貫通させて位置決めする。そして、ST108に移る。
【0057】
ST108において、ラベル吸着貼付用昇降部材12により、吸着部材11を突起部上方位置から貼付体貼付位置に下降させ、突起進入凹部11bに突起部23を進入させると共に、吸着面11aでラベル部材Lを被貼付部Haに押し当てて貼り付ける。そして、ST109に移る。
ST109において、ラベル吸着貼付用昇降部材12により、吸着部材11を貼付体貼付位置から突起部上方位置まで上昇させる。そして、ST110に移る。
ST110において、吸着ラベル搬送部材13により、吸着部材11を突起部上方位置から貼付体上方位置に移動させる。そして、ST111に移る。
ST111において、入力データのラベル貼付枚数分のラベル部材Lがラベル被貼付部材Hに貼り付けられたか否かを判別することにより、貼付体吸着貼付処理を完了するか否かを判別する。イエス(Y)の場合は貼付体吸着貼付処理を終了して図6のメイン処理に戻り、ノー(N)の場合はST101に戻る。
【0058】
(貼付体仮剥離処理のフローチャートの説明)
図8は貼付体仮剥離処理のフローチャートであり、図6のST3(2)のサブルーチンの説明図である。
図8のST201において、吸着部材11が貼付体上方位置から貼付体吸着位置に下降を開始したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST202に移り、ノー(N)の場合はST201を繰り返す。
ST202において、ラベル押圧用昇降部材6により、ラベル押圧部材4を貼付体離隔位置から貼付体押圧位置に下降させて、貼付体押圧位置のラベル部材Lを押圧する。そして、ST203に移る。
ST203において、エア供給装置7により、ラベル押圧部材4のエア排出口4a2からエアを吹き付けてラベル部材Lの仮剥離部Lbにおける剥離シートSと粘着剤L2との間を剥離する。そして、ST204に移る。
【0059】
ST204において、吸着部材11が貼付体吸着位置から貼付体上方位置に上昇を開始したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST205に移り、ノー(N)の場合はST204を繰り返す。
ST205において、ラベル押圧用昇降部材6により、ラベル押圧部材4を貼付体押圧位置から貼付体離隔位置まで上昇させる。そして、ST206に移る。
ST206において、入力データのラベル貼付枚数分のラベル部材Lがラベル被貼付部材Hに貼り付けられたか否かを判別することにより、貼付体仮剥離処理を完了するか否かを判別する。イエス(Y)の場合は貼付体仮剥離処理を終了して図6のメイン処理に戻り、ノー(N)の場合はST201に戻る。
【0060】
(貼付体剥離処理のフローチャートの説明)
図9は貼付体剥離処理のフローチャートであり、図6のST3(3)のサブルーチンの説明図である。
図9のST301において、吸着部材11がラベル部材Lを吸着したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST302に移り、ノー(N)の場合はST301を繰り返す。
ST302において、剥離板8を吸着位置から剥離位置に移動させて、吸着部材11の吸着面11aに吸着済のラベル部材Lを剥離シートSから剥離する。そして、ST303に移る。
ST303において、吸着部材11が貼付体吸着位置から貼付体上方位置まで上昇したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST304に移り、ノー(N)の場合はST303を繰り返す。
【0061】
ST304において、剥離板8を剥離位置から吸着位置に移動する。そして、ST305に移る。
ST305において、シート巻取部19を貼付体搬送方向Yaに回転させる。そして、ST306に移る。
ST306において、ラベルセンサSN1が剥離位置の仮剥離済のラベル部材Lを検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST307に移り、ノー(N)の場合はST306を繰り返す。
ST307において、シート巻取部19の回転を停止する。そして、ST308に移る。
ST308において、入力データのラベル貼付枚数分のラベル部材Lがラベル被貼付部材Hに貼り付けられたか否かを判別することにより、貼付体剥離処理を完了するか否かを
判別する。イエス(Y)の場合は貼付体剥離処理を終了して図6のメイン処理に戻り、ノー(N)の場合はST301に戻る。
【0062】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の前記貼付体貼付装置Uでは、図6のST3において、図7のST101〜ST111に示す前記貼付体吸着貼付処理と、図8のST201〜ST206に示す前記貼付体仮剥離処理と、図9のST301〜ST308に示す前記貼付体剥離処理とがそれぞれ並列で実行される。すなわち、前記仮剥離装置KHSにより前記貼付体押圧位置の前記ラベル部材Lを仮剥離する処理と、前記剥離板8および前記吸着部材11等により前記吸着位置の前記ラベル部材Lを前記剥離シートSから剥離・吸着保持して前記被貼付体Hの被貼付部Haに貼り付ける処理とが連動して行われる。
【0063】
また、実施例1の前記貼付体貼付装置Uでは、前記貼付体吸着貼付処理において、前記吸着部材11により前記吸着位置で前記剥離シートSから剥離されたラベル部材Lを吸着保持する貼付体本剥離処理が実行される。すなわち、図1、図3Aに示すように、前記吸着部材11を前記貼付体上方位置から前記貼付体吸着位置に移動させて前記吸着位置の前記ラベル付き剥離シート(L+S)の上方向に接近させて密着させ、前記エア吸引装置14で前記エア吸引孔11a1からエアの吸引を開始して、前記吸着部材11の吸着面11aに前記吸着位置の前記ラベル部材Lが吸着される。次に、図3Aに示すように、前記剥離板8が前記吸着位置から前記剥離位置に移動して、前記剥離シートSが前記剥離位置に移動することにより、前記剥離シートSから前記ラベル部材Lが剥離されると共に、前記吸着部材11の吸着面11aに剥離された前記ラベル部材Lが吸着保持される。
【0064】
次に、図4Aに示すように、前記ラベル部材Lを吸着した状態の前記吸着部材11を前記貼付体上方位置から前記突起部上方位置に移動させることにより、前記突起進入凹部11bを前記突起部上方位置に移動させる。次に、図4Bに示すように、前記エア吸引装置14を停止して前記吸着部材11の吸着を解除して前記ラベル部材Lを落下させ、前記突起部23に前記ラベル貫通孔Laを貫通させて位置決めが行われる。そして、図4Cに示すように、前記ラベル吸着貼付用昇降部材12により、前記吸着部材11を前記突起部上方位置から前記貼付体貼付位置に下降させ、前記突起進入凹部11bに前記突起部23を進入させると共に、前記吸着面11aにより前記ラベル部材Lは、前記被貼付部Haに押し当てて貼り付ける。
【0065】
この結果、実施例1の前記貼付体貼付装置Uでは、前記突起部23に前記ラベル貫通孔Laを貫通させることにより、前記ラベル部材Lが精度良く位置決めされて、前記ラベル部材が前記被貼付体Hの被貼付部Haに貼り付けられる。
また、実施例1の前記貼付体貼付装置Uでは、前記ラベル部材Lを前記被貼付部Haに貼り付けた後、前記吸着部材11を前記突起部上方位置から前記貼付体上方位置に移動させて、次のラベルに対し同様に吸着、落下、位置決め、貼付を順次繰り返すことにより、前記ラベル部材Lを前記貼付部Haに次々と貼り付けることができる。
【0066】
なお、実施例1の前記突起部23は、図4A〜図4Cに示すように、前記基端部23aから上方の前記先端部23dまで進むに従って、外径が小さくなるように予め設定されており、実施例1の前記先端部23dおよび前記小径部23cは、前記ラベル貫通孔Laとほぼ同径に形成された前記大径部23aに比べ、外径が小さく設定されている。このため、前記突起部23は、前記先端部23dおよび前記小径部23cが前記ラベル貫通孔Laと同径で形成されている場合に比べ、前記突起部上方位置から落下する前記ラベル部材Lの位置が多少ずれていた場合でも前記ラベル貫通孔Laを容易に貫通する。なお、この場合、貫通された前記ラベル部材Lは、前記傾斜部23cに引っ掛かった状態となる。このため、前記吸着面11aが下降することにより、前記ラベル部材Lは、前記被貼付部Haに精度良く押し当てられて貼り付けられる。
【0067】
また、前記構成を備えた実施例1の貼付体貼付装置Uでは、前記貼付体押圧位置のラベル部材Lを仮剥離し、仮剥離されたラベル部材Lを前記剥離位置で本剥離することにより、前記ラベル部材Lが前記剥離シートSから剥離される。したがって、実施例1のラベル貼付装置Uは、前記貼付体仮剥離処理が行われない場合と比べて、前記粘着剤L2が高い粘着力を有している場合や、前記ラベル部材本体L1が軟らかく剥離し難い材質である場合でも、前記ラベル部材Lが前記剥離シートSから確実に剥離される。
【0068】
また、実施例1の貼付体貼付装置Uでは、エアの噴出により仮剥離したり、エアの吸引により前記剥離位置のラベル部材Lの上面を吸着した状態で本剥離したり、前記被貼付体Hに貼り付けたりするため、前記ラベル部材Lの粘着剤L2と、前記仮剥離装置KHSや前記剥離貼付装置HHSとが非接触で、仮剥離、本剥離、貼り付けが実行される。したがって、実施例1のラベル貼付装置Uでは、前記粘着剤L2で前記仮剥離装置KHSや前記剥離貼付装置HHSの各部材が汚れたり、前記粘着剤L2が汚れて粘着性が低下したり、汚れた前記各部材により後続の前記ラベル部材Lが汚れたりすることが低減される。
また、実施例1のラベル貼付装置Uでは、前記貼付体仮剥離処理において、前記ラベル部材Lの仮剥離部Lb以外は、前記ラベル押圧部材4によって押圧された状態でラベル部材Lにエアを噴出するため、従来技術のように前記ラベル部材L全体に対して、しごいたり、下面を突き上げたり、揉み崩したりして強い力を与える場合と比べて、前記ラベル部材Lに曲げ癖等のダメージを与えることが低減される。
【0069】
また、実施例1の貼付体貼付装置Uでは、前記貼付体仮剥離処理と、前記貼付体本剥離処理とは、同時並行で実行されるため、前記貼付体仮剥離処理のために貼付体吸着貼付処理のタイミングが遅延することが低減され、前記貼付体貼付処理を生産工程の流れ作業として見た場合の工程作業時間、いわゆる、タクトタイムに影響を与えずに前記貼付体仮剥離処理が実行される。
また、実施例1の貼付体貼付装置Uでは、前記ラベル押圧部材4の仮剥離部退避溝4bにより、前記ラベル部材Lの仮剥離部Lbが、本剥離時に最初に剥離される前記貼付体搬送方向Ya上流側である右端部に設定されているため、前記本剥離時に前記仮剥離部Lbから確実に剥離される。
【0070】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H011)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、前記剥離シートSにはシート貫通孔Saが設けられているが、これに限定されず、省略することも可能である。
(H02)前記実施例において、前記ラベル押圧部材4の仮剥離部退避溝4bは、前記エア排出口4a2と接続されず、且つ、前記ラベル部材Lの仮剥離部Lbが本剥離時に最初に剥離される位置に設定される範囲であれば、任意の形状、位置、大きさおよび範囲で形成することが可能である。
【0071】
(H03)前記実施例において、ラベル部材Lについてはラベル貫通孔Laが設けられていれば、リング状の形状について任意に変更可能である。例えば、前記ラベル部材Lの外側の形状を多角形等とすることも可能である。また、前記ラベル貫通孔Laの形状、位置、径φ1等について任意に変更可能である。
(H04)前記実施例において、前記剥離位置における前記ラベル部材Lの右端部は、前記剥離板8の接続部8cより1mmだけ右方に長くし、前記本剥離時に前記ラベル部材Lの右端部が前記剥離シートSから離れるように設定したが、これに限定されず、1mmの間隔を設定変更したり、省略したりすることも可能である。
【0072】
(H05)前記実施例において、前記貼付体巻取処理は、前記貼付体貼付処理の前に実行しているが、これに限定されず、前記貼付体巻取処理と、前記貼付体貼付処理とを並行して実行することも可能である。この場合、前記貼付体貼付処理のタクトタイムをさらに低減できる。
(H06)前記実施例において、前記剥離板8における剥離動作時支持面8aと剥離後シートガイド面8bとは、接続部8cにおいて鋭角に接続されていることが望ましいが、前記ラベル部材Lの仮剥離部Lbが前記剥離シートSから離れていれば90°以上で接続することも可能である。
(H07)前記実施例において、前記吸着部材11のエア吸引孔11aはリング状のラベル部材Lに対応して、同心円上に複数配置されているが、これに限定されず、前記ラベル部材Lを吸着した状態で剥離できる限り、前記エア吸引孔11aの数や配置等については任意に変更可能である。
【0073】
(H08)前記実施例の前記貼付体吸着貼付処理において、前記ラベル部材Lは、前記突起部上方位置において、前記突起部23と前記11とが離間した状態で落下させられたが、これに限定されず、例えば、前前記吸着部材11を前記突起部上方位置から下降させて前記突起部23の先端部23dの一部が前記突起進入凹部11bに嵌まった状態で、前記吸着面11aに吸着された前記ラベル部材Lを落下させることも可能である。この場合、前記突起部23は、確実に前記ラベル部材のラベル貫通孔Laを貫通し、前記ラベル部材の位置決めが精度良く行われる。
【0074】
(H09)前記実施例において、前記突起部23は、前記大径部23a、前記傾斜部23b、前記小径部23c、前記先端部23dを有するが、これに限定されず、例えば、前記小径部23cを省略し、前記傾斜部23bおよび前記先端部23dが連結された円錐状の先端部23b+23dとすることも可能である。また、前記突起部23は、前記大径部23aから上方の前記先端部23dまで進むに従って、外径が小さくなるよう形成されることが好ましいが、これに限定されず、例えば、前記傾斜部23b、前記小径部23c、前記先端部23dを省略し、上方に延長された前記大径部23aのみで前記突起部23を形成することも可能である。
(H010)前記実施例において、前記突起部23は、前記被貼付体Hと別体で構成されているが、これに限定されず、例えば、前記突起部23が前記治具21ではなく前記被貼付体Hと一体形成されている場合でも、本願の技術的課題を解決可能である。
【0075】
図10は本発明の変更例の剥離貼付装置の要部拡大説明図である。
(H011)前記実施例において、1つの前記吸着部材11および前記ラベル吸着貼付用昇降部材12で前記貼付体吸着貼付処理を実行するが、これに限定されず、例えば、図10に示すように、複数の吸着部材11A〜11Dおよびラベル吸着貼付用昇降部材12A〜12Dを設け、且つ、これらを上方で支持する円盤状の吸着ラベル搬送部材13′により、前記各吸着部材11A〜11Dの各吸着面11Aa〜11Daに吸着された前記各ラベル部材Lが前記貼付体上方位置と前記突起部上方位置との間を順次搬送されるようにすることも可能である。すなわち、前記吸着ラベル搬送部材13′が周方向Ybに1ピッチ分回転する度に、前記貼付体上方位置に配置される前記各吸着部材(11A,11B,11C,11D)と、前記突起部上方位置に配置される前記各吸着部材(11C,11D,11A,11B)とが順次遷移するように設定することも可能である。この場合、前記貼付体上方位置に配置された前記吸着部材(11A,11B,11C,11D)の前記貼付体本剥離処理と、前記突起部上方位置に配置された前記吸着部材(11C,11D,11A,11B)が貼付体を貼り付ける処理とを同時並列で実行することができ、前記貼付体貼付処理を生産工程としてのタクトタイムを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は本発明の実施例1の貼付体貼付装置の全体説明図である。
【図2】図2は仮剥離装置によりラベル部材を剥離シートから仮剥離するときの拡大説明図であり、図2Aは貼付体押圧位置でラベル押圧部材とラベル押圧部材支持部によりラベル付き剥離シートを挟持した状態の断面拡大図であり、図2Bは図2Aの状態からラベル押圧部材内にエアを吹き付けて仮剥離を実行した状態の断面拡大図であり、図2Cは図2BのIIC方向から見たラベル部材の拡大説明図である。
【図3】図3は剥離貼付装置によりラベル部材を剥離シートから剥離するときの拡大説明図であり、図3Aは剥離位置でラベル吸着部材をラベル部材に密着させてエアを吸引した状態の断面拡大図であり、図3Bは図3AのIIIB方向から見たラベル付き剥離シートおよび剥離板の拡大説明図であり、図3Cは図3AのIIIC方向から見たラベル吸着部材の拡大説明図である。
【図4】図4は突起部上方位置に搬送されたラベル部材を被貼付体に貼り付けるときの拡大説明図であり、図4Aは、ラベル部材を吸着した吸着部材を突起部上方位置に搬送した状態の断面拡大図であり、図4Bは図4Aの状態から吸着部材の吸着を解除してラベル部材を落下させて突起部でラベル貫通孔を貫通させて位置決めした状態の断面拡大図であり、図4Cは図4Bの状態から吸着部材を下降させてラベル部材を被貼付体の被貼付部に押し当てて貼り付けた状態の断面拡大図である。
【図5】図5は実施例1の貼付体貼付装置の制御部が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図6】図6は本発明の実施例1の貼付体貼付装置のメイン処理のフローチャートである。
【図7】図7は貼付体吸着貼付処理のフローチャートであり、図6のST3(1)のサブルーチンの説明図である。
【図8】図8は貼付体仮剥離処理のフローチャートであり、図6のST3(2)のサブルーチンの説明図である。
【図9】図9は貼付体剥離処理のフローチャートであり、図6のST3(3)のサブルーチンの説明図である。
【図10】図10は本発明の変更例の剥離貼付装置の要部拡大説明図である。
【符号の説明】
【0077】
11…吸着部材、
11a…吸着面、
11b…突起進入凹部、
21…治具、
23…突起部、
23a…基端部、
23d…先端部、
C5D…上方位置移動制御手段、
C5E…位置決め制御手段、
C5F…貼付体貼付手段、
H…被貼付体、
Ha…被貼付部、
Hb…被貼付部の孔、
L…貼付体、
La…貼付体の孔、
U…貼付体貼付装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔が形成された貼付体を下面の吸着面に吸着保持する吸着部材であって、前記貼付体の孔に対応して形成された突起進入凹部を有する前記吸着部材と、
前記貼付体が貼付される被貼付部と、
前記被貼付部において前記貼付体の孔に対応する位置から上方に突出して形成された突起部と、
前記吸着部材を前記突起進入凹部が前記突起部の上方に対応する位置に移動させる上方位置移動制御手段と、
下面に吸着した前記吸着部材の吸着を解除して前記貼付体を落下させ、前記突起部に前記貼付体の孔を貫通させて位置決めを行う位置決め制御手段と、
前記吸着部材を下降させて、前記突起進入凹部に前記突起部を進入させ、且つ、位置決めされた前記貼付体を前記吸着面で前記被貼付部に押し当てて貼付する貼付体貼付手段と、
を備えたことを特徴とする貼付体貼付装置。
【請求項2】
前記貼付体の孔に対応する孔が形成された前記被貼付部を有する被貼付体と、
前記被貼付部の孔を貫通する前記突起部を有し、前記被貼付体を支持する治具と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の貼付体貼付装置。
【請求項3】
前記貼付体の孔に対応して形成された基端部と、前記貼付体の孔の外径に比べて小さな外径の先端部と、を有する前記突起部、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の貼付体貼付装置。
【請求項4】
孔が形成された貼付体の孔に対応して形成された突起進入凹部を有する吸着部材の下面の吸着面に前記貼付体を吸着保持する吸着工程と、
前記吸着部材の前記突起進入凹部を前記貼付体が貼付される被貼付部の上方に対応する位置に移動させる上方位置移動制御工程と、
下面に吸着した前記吸着部材の吸着を解除して前記貼付体を落下させ、前記被貼付部において前記貼付体の孔に対応する位置から上方に突出して形成された突起部に前記貼付体の孔を貫通させて位置決めを行う位置決め制御工程と、
前記吸着部材を下降させて、前記突起進入凹部に前記突起部を進入させ、且つ、位置決めされた前記貼付体を前記吸着面で前記被貼付部に押し当てて貼付する貼付体貼付工程と、
を実行することを特徴とする貼付体貼付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−143596(P2009−143596A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322214(P2007−322214)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】