説明

資料生成装置、資料生成方法、端末装置、会議支援システムおよびコンピュータープログラム

【課題】資料および当該資料に関連する資料を共有化する場合において、関連する資料を従来よりも見やすくする資料生成装置を提供する。
【解決手段】第1資料と、第1資料の少なくとも一部分に関連する部分を含む資料である第2資料とに基づいて、新たに資料を生成する資料生成装置100は、第1資料に記載されている、第2資料の参照部分を指示する参照指示フレーズを検索する参照指示フレーズ検索部101と、参照指示フレーズ中に指定されている、第2資料の参照部分を含む参照用資料を生成する参照用資料生成部106と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資料およびこの資料に関連する資料に基づいて、新しい資料を生成する資料生成装置、資料生成方法、端末装置、会議支援システムおよびコンピュータープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスには、パーソナルコンピューターやMFP(Multi Function Peripherals)等の装置が複数設置されている。これらの装置を、LAN(Local Area Network)、公衆回線、またはインターネットなどの通信回線により連結することにより、互いに電子データ(以下、単に「データ」という)のやり取りが可能となる。
【0003】
例えば、会議やプレゼンテーションにおける資料のデータを、MFPの文書ボックスに格納することにより、複数のパーソナルコンピューターからこの資料の閲覧およびデータのコピーが可能となり、資料の共有化を図ることができる。
【0004】
これにより、資料の作成者が、複数人に対して印刷した資料を配布する必要がなく、負担が軽減される。
【0005】
また、会議やプレゼンテーション用の資料(第1資料)に、第1資料の内容の理解を助ける目的で、第1資料に関連する別の参照用の資料(第2資料)が添付されている場合がある。この場合には、第1資料だけでなく第2資料についても、共有化するためにMFPの文書ボックスに格納すればよい。
【0006】
ここで、以下に示すように、電子データとして格納された資料を、効率良く閲覧できる技術が開示されている。これらの技術と、上述した資料の共有化に関する技術とを組み合わせることで、ユーザーはより効率良く資料を閲覧できる。
【0007】
特許文献1には、作成したドキュメントのデータおよびその作成時に参照したデータを共有サーバに格納し、さらに、作成時に参照したデータの属性情報も格納しておく情報検索手段が開示されている。この情報検索手段によれば、ユーザーがドキュメントの作成に用いたデータを短時間で参照することができる。例えば、ドキュメントを用いて閲覧者に対してプレゼンテーション等を行っている際に、閲覧者からの質問に対して、作成時に参照したデータをすぐに示して回答することができる。これにより、質問に対してすぐに、的確な回答を行うことができる。
【0008】
また、特許文献2には、格納された文書(資料)を予めセクションごとに分割し、これらの文書を識別する識別子と、文書のセクション番号と、リンク先のセクション番号とを記憶しているシステムが開示されている。このシステムによれば、ユーザーが各文書の各セクションを短時間で参照することができる。
【0009】
さらに、特許文献3には、電子文書内の索引項目を検索し、その出現位置情報とともに抽出し、電子文書におけるこれら索引項目について出現位置をリンク先とするリンク先情報を生成して索引項目に付与し、当該リンク先情報が付与された索引項目を並べてなる索引リストを作成する索引作成装置が開示されている。この索引作成装置によれば、ユーザーは電子文書内における索引項目の該当箇所を早急に参照することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−164264号公報
【特許文献2】特開2004−118705号公報
【特許文献3】特開2008−9918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上述のように第1資料および第2資料を共有化した場合に、資料の作成者の負担が軽減される。よって、作成者が資料の量を増やすことがある。そうすると、資料が見にくくなり、閲覧者の負担が増加してしまう。
【0012】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされた発明であり、その目的は、資料および当該資料に関連する資料を共有化する場合において、関連する資料を従来よりも見やすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の資料生成装置は、第1資料と、前記第1資料の少なくとも一部分に関連する部分を含む資料である第2資料とに基づいて、新たに資料を生成する資料生成装置であって、前記第1資料に記載されている、前記第2資料の参照部分を指示する参照指示フレーズを検索する参照指示フレーズ検索手段と、前記参照指示フレーズ中に指定されている、前記第2資料の参照部分を含む参照用資料を生成する参照用資料生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、資料および当該資料に関連する資料を共有化する場合において、関連する資料を従来よりも見やすくすることである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】会議支援システムの全体的な構成の一例を示す図である。
【図2】資料生成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】資料生成装置の機能的構成の一例を示す図である。
【図4】端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図5】端末装置の機能的構成の一例を示す図である。
【図6】メイン資料の構成の一例を示す図である。
【図7】サブ資料の構成の一例を示す図である。
【図8】参照データテーブルTL1の一例を示す図である。
【図9】参照用資料の一例を示す図である。
【図10】参照用資料の一例を示す図である。
【図11】参照用資料の一例を示す図である。
【図12】参照用資料の一例を示す図である。
【図13】資料生成装置の全体的な処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【図14】資料生成装置の全体的な処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【図15】端末装置の全体的な処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、会議支援システム1000の全体的な構成の一例を示す図である。図2は、資料生成装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図3は、資料生成装置100の機能的構成の一例を示す図である。図4は、端末装置500のハードウェア構成の一例を示す図である。図5は、端末装置500の機能的構成の一例を示す図である。
【0017】
会議支援システム1000は、図1に示すように、資料生成装置100、複数台の端末装置500、および通信回線NWなどによって構成される。資料生成装置100と各端末装置500とは、通信回線NWを介してデータのやり取りを行うことができる。通信回線NWとして、LAN(Local Area Network)回線、公衆回線、またはインターネットなどが用いられる。以下、各端末装置500をそれぞれ「端末装置500A」、「端末装置500B」、「端末装置500C」、…と区別して記載することがある。
【0018】
会議支援システム1000は、会議またはプレゼンテーションなどに参加するユーザーを支援するシステムであって、特に、会議またはプレゼンテーションなどで使用する資料を電子データ(以下、単に「データ」と記載する。)としてユーザーに提供する。
【0019】
資料生成装置100は、資料を生成する。本実施形態では、資料生成装置100として、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、ファックス、スキャナおよびボックスなどの機能を集約したMFP(Multi-function Peripherals)が用いられる
ボックス機能とは、ユーザーごとに「ボックス」または「パーソナルボックス」などと呼ばれる記憶領域を与えておき、各ユーザーが自分の記憶領域によって画像ファイルなどのドキュメントデータを保存し管理するための機能である。ボックスは、パーソナルコンピューターにおける「フォルダー」または「ディレクトリ」に相当する。また、複数のユーザーが共有するボックスを設け、1つのデータをこれらのユーザーで共有することもできる。以下、複数のユーザーが共有するボックスを「共有ボックス」と記載する。
【0020】
資料生成装置100は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、大容量記憶装置10d、スキャナユニット10e、印刷装置10f、ネットワークインタフェース10g、タッチパネルディスプレイ10hおよびモデム10iのほか制御用の回路などによって構成される。
【0021】
ネットワークインタフェース10gは、通信回線NWを介して端末装置500などの他の装置と通信を行うためのNIC(Network Interface Card)である。
【0022】
モデム10iは、固定電話網を介して他のファックス端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りするための装置である。
【0023】
タッチパネルディスプレイ10hは、ユーザーに対してメッセージまたは指示を与えるための画面、ユーザーが処理の指令および条件を入力するための画面、およびCPU10aの処理の結果を示す画面などを表示する。また、ユーザーが指で触れた位置を検知し、検知結果を示す信号をCPU10aに送信する。
【0024】
スキャナユニット10eは、用紙に記されている写真、文字、絵、図表などの画像を読み取って画像データを生成する装置である。
【0025】
印刷装置10fは、スキャナユニット10eによって読み取られた画像のほか、端末装置500またはファックス端末などから受信した画像データに示される画像を印刷する。
【0026】
ROM10cまたは大容量記憶装置10dには、図3に示すような参照指示フレーズ検索部101、メイン資料ファイル記憶部102、サブ資料ファイル記憶部103、サブ資料ファイル確認部104、関連付け記憶部105、参照用資料生成部106、および参照用資料提供部107などを実現するためのプログラムおよびデータが記憶されている。これらのプログラムおよびデータは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによってプログラムが実行される。大容量記憶装置10dとして、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
【0027】
端末装置500は、ユーザーが資料を閲覧するために使用する装置である。端末装置500として、パーソナルコンピューター、PDA(Personal Digital Assistant)、またはスマートフォンなどが用いられる。以下、端末装置500としてパーソナルコンピューターが用いられる場合を例に説明する。
【0028】
端末装置500は、図4に示すように、CPU50a、RAM50b、ROM50c、大容量記憶装置50d、キーボード50e、ポインティングデバイス50f、液晶ディスプレイ50gおよびネットワークインタフェース50hなどによって構成される。
【0029】
キーボード50eおよびポインティングデバイス50fは、ユーザーが端末装置500にデータおよびコマンドなどを入力するために用いられる。
【0030】
液晶ディスプレイ50gには、資料生成装置100のタッチパネルディスプレイ10hと同様に、種々の画面が表示される。特に、後述するように、資料の画面が表示される。
【0031】
ROM50cまたは大容量記憶装置50dには、オペレーティングシステム、ウェブブラウザ、およびワープロソフトなどのソフトウェアがインストールされている。さらに、ROM50cまたは大容量記憶装置50dには、図5に示す参照指示フレーズ特定部501、参照用資料ダウンロード部502、表示切替部503、および表示状態記憶部504などの機能を実現するためのプログラムおよびデータが記憶されている。これらのプログラムおよびデータは、必要に応じてRAM50bにロードされ、CPU50aによってプログラムが実行される。大容量記憶装置50dとして、HDDまたはSSDなどが用いられる。
【0032】
以下、図3に示す資料生成装置100の各部および図5に示す端末装置500の各部について、説明する。
【0033】
図6は、メイン資料20の構成の一例を示す図である。図7は、サブ資料30の構成の一例を示す図である。図8は、参照データテーブルTL1の一例を示す図である。図9は、参照用資料41の一例を示す図である。図10は、参照用資料42の一例を示す図である。図11は、参照用資料43の一例を示す図である。図12は、参照用資料44の一例を示す図である。
【0034】
プレゼンテーションまたは会議などの発表者は、その発表内容をまとめた資料を用意し、この資料を主に使用しながら発表を行う。以下、この資料を「メイン資料20」と記載する。さらに、メイン資料20の補助的な資料を用意し、時々、参照しながら発表を行う。以下、補助的な資料を「サブ資料30」と記載する。サブ資料30はメイン資料20の少なくとも一部分に関連する部分を含む資料である。
【0035】
発表者は、メイン資料20およびサブ資料30のデータを次のように資料生成装置100に用意する。
【0036】
発表者は、端末装置500のワープロソフトを用いてメイン資料20を作成し、メイン資料20の電子ファイル(以下、単に「ファイル」と記載する。)を資料生成装置100にアップロードすることによって、用意する。または、既存のファイルをウェブサーバなどから取得し、このファイル(文書データ)をメイン資料20またはサブ資料30のデータとして資料生成装置100にアップロードしてもよい。
【0037】
以下、メイン資料20のファイルを「メイン資料ファイル20F」と記載し、サブ資料30のファイルを「サブ資料ファイル30F」と記載する。メイン資料ファイル20Fおよびサブ資料ファイル30Fのフォーマットとして、ワープロソフトのフォーマットおよびPDF(Portable Document Format)などが用いられる。
【0038】
メイン資料ファイル20Fは、メイン資料20の名称をファイル名として、メイン資料ファイル記憶部102に記憶される。サブ資料ファイル30Fは、サブ資料30の名称をファイル名として、サブ資料ファイル記憶部103に記憶される。
【0039】
図6に示すように、メイン資料20は、1つまたは複数のページによって構成される。各ページには、文字列が縦書きまたは横書きで配置されている。本実施形態では、横書きの場合を例に説明する。いずれかの行には、文字列として、参照指示フレーズ21が配置されている。
【0040】
参照指示フレーズ21は、サブ資料30を参照すべきことを指示する目印である。参照指示フレーズ21は、参照連絡標識22および参照部分標識23によって構成される。
【0041】
参照連絡標識22は、参照すべきサブ資料30が存在することを示す特定の文字列の標識である。本実施形態では、参照連絡標識22として「(参照)」が用いられる。
【0042】
参照部分標識23は、参照すべきサブ資料30の名称を示す名称標識24および参照すべきサブ資料30の部分を示す部分位置標識25によって構成される。名称標識24は、参照連絡標識22と名称標識24との間に配置されている。部分位置標識25の示し方として、次のようなパターンがある。
【0043】
第1のパターンは、参照すべき部分の先頭のページ番号および行番号と末尾のページ番号および行番号とを、「〜」のような特定の記号(以下、「区間記号」と記載する。)で繋いだパターンである。
【0044】
第2のパターンは、参照すべき部分の先頭のページ番号と末尾のページ番号とを区間記号で繋いだパターンである。
【0045】
第3のパターンは、章、項、または節などの文章の塊の単位で、参照すべき部分を示すパターンである。
【0046】
ページ番号は、「2ページ」、「P.3」、または「4ページ目」などのように、特定の形式で記載される。行番号も、章、項、および節の番号も、同様に、特定の形式で記載される。
【0047】
メイン資料20の中に複数の参照指示フレーズ21を記載することができる。図6の例では、参照指示フレーズ21として、3つの参照指示フレーズ21A、21B、21Cが配置されている。各参照指示フレーズ21A、21B、21Cは、それぞれ、別々のサブ資料30を参照すべきことを指示している。以下、参照指示フレーズ21A、21B、21Cに対応するサブ資料30をそれぞれ「サブ資料30A」、「サブ資料30B」、「サブ資料30C」、…と区別して記載することがある。
【0048】
サブ資料30も、メイン資料20と同様に、1つまたは複数のページによって構成される。各ページには、文字列が縦書きまたは横書きで配置されている。本実施形態では、図7に示すように横書きである場合を例に、説明する。また、サブ資料30には、メイン資料20において参照指示フレーズ21によって参照するように指定された部分が、含まれている。以下、この部分を「参照部分31」と記載する。
【0049】
ユーザーは、メイン資料ファイル20Fまたはサブ資料ファイル30Fを資料生成装置100から端末装置500にダウンロードし、メイン資料20およびサブ資料30を、編集することなくそのまま閲覧することができる。さらに、サブ資料30の中の参照部分31を見つけやすい形態に編集した資料である参照用資料4を閲覧することもできる。
【0050】
参照用資料4は、図3の各部および図5の各部によって次のように生成されユーザーに提供される。
【0051】
参照指示フレーズ検索部101は、メイン資料20の中に記載されている参照指示フレーズ21をメイン資料ファイル20Fに基づいて次のように検索する。
【0052】
参照指示フレーズ検索部101は、メイン資料20の中から参照連絡標識22(つまり、本実施形態では「(参照)」の文字列)を検索する。参照連絡標識22が見つかったら、そのすぐ後ろの文字列の中から、部分位置標識25を検索する。部分位置標識25は、上述の通り、第1のパターン、第2のパターン、および第3のパターンのうちのいずれかで記載されている。そこで、いずれかのパターンに合う文字列を検索することによって、部分位置標識25を検索することができる。
【0053】
さらに、参照連絡標識22と検索した部分位置標識25との間に位置する文字列を、名称標識24として抽出する。これにより、参照指示フレーズ21を構成する各要素が見つかる。
【0054】
サブ資料ファイル確認部104は、特定された参照指示フレーズ21の中の名称標識24に示される名称をファイル名として有するサブ資料ファイル30Fがサブ資料ファイル記憶部103に記憶されているか否かを確認する。
【0055】
参照指示フレーズ検索部101による検索の結果は、図8に示すような参照データテーブルTL1に纏められて関連付け記憶部105に記憶される。
【0056】
参照データテーブルTL1には、参照指示フレーズ検索部101によって検索され、かつ、サブ資料ファイル30Fが関連付け記憶部105に記憶されていることがサブ資料ファイル確認部104によって確認された参照指示フレーズ21ごとに、レコードが1つずつ設けられる。図6のメイン資料20の例では、3つの参照指示フレーズ21があるので、これらの参照指示フレーズ21に示されるサブ資料30のサブ資料ファイル30Fがすべて関連付け記憶部105に記憶されていれば、3つのレコードが設けられる。
【0057】
「メイン資料での記載位置」のフィールドは、メイン資料20における参照指示フレーズ21の位置を示す。なお、参照データテーブルTL1では、ページ番号を表わす頭文字として「P.」が用いられ、行番号を表わす頭文字として「L.」が用いられる。
【0058】
「サブ資料」のフィールドは、名称標識24つまりサブ資料30の名称を示す。「参照部分の始点」および「参照部分の終点」は、それぞれ、部分位置標識25によって特定される、参照部分31の先頭の位置および末尾の位置を示す。
【0059】
参照用資料生成部106は、参照データテーブルTL1に基づいて参照用資料4を生成する。参照用資料4の形態として、4つの形態がある。以下、各形態の参照用資料4(41〜44)の生成の仕方を順次説明する。
【0060】
参照用資料41は、図9に示すように、サブ資料30を、参照部分31がそれ以外の部分よりも目立つように参照部分31とそれ以外の部分とのフォントの形態が異なるように編集したものであって、次の方法によって生成される。
【0061】
参照用資料生成部106は、参照データテーブルTL1の中の1番目のレコードを読み出す。このレコードの「サブ資料」フィールドに示される名称のファイル名を有するサブ資料ファイル30Fをサブ資料ファイル記憶部103から読み出す。このレコードの「参照部分の始点」および「参照部分の終点」に基づいて参照部分31の位置を特定する。そして、参照部分31とそれ以外の部分とのフォントの形態が異なるように編集する。例えば、参照部分31のフォントの色を黒色にし、それ以外の部分のフォントの色をグレー色にする。これにより、サブ資料30Aの参照用資料41が生成される。または、参照部分31のみを斜体に変更してもよい。
【0062】
参照用資料生成部106は、2番目以降のレコードに基づいて同様に処理を行うことによって、サブ資料30Bおよびサブ資料30Cそれぞれの参照用資料41を生成することができる。
【0063】
または、図10に示すように、参照部分31の左端に星印(★)などの特定の印を付すことよって、それ以外の部分との違いが分かるようにしてもよい。
【0064】
または、参照用資料生成部106は、サブ資料30から参照部分31のみを抽出することによって、図11に示すような参照用資料42を生成してもよい。
【0065】
または、参照用資料生成部106は、図12に示すような参照用資料44を生成する。参照用資料44は、図12に示すように、メイン資料20の中の参照指示フレーズ21の後ろに、この参照指示フレーズ21が示す参照部分31を挿入したものである。参照用資料44は、次のように生成される。
【0066】
参照用資料生成部106は、参照データテーブルTL1の1番目のレコードを読み出す。このレコードの「メイン資料での記載位置」に示される位置の文字列(参照指示フレーズ21)の後ろに、残りのフィールドによって特定されるサブ資料30の参照部分31を挿入する。2番目以降のレコードに基づいても同様に、参照指示フレーズ21の後ろに参照部分31を挿入する処理を行う。
【0067】
ただし、連続して複数の参照指示フレーズ21が記載されている場合には、これらの記載の後ろに、これらの参照指示フレーズ21に対応する参照部分31を連続して挿入すればよい。つまり、参照指示フレーズ21Bおよび参照指示フレーズ21Cの後ろに、参照部分31Bおよび参照部分31Cを連続して挿入すればよい。
【0068】
なお、参照部分31が挿入されたページのヘッダまたはフッタに、参照部分31の、元のサブ資料30の名称および元のサブ資料30におけるページ番号を記載してもよい。
【0069】
参照用資料生成部106によって生成された参照用資料4は、タッチパネルディスプレイ10hに表示される。または、参照用資料4は、参照用資料ファイル40Fとして共有ボックスに格納される。
【0070】
ユーザーは、会議中または会議の前後に、資料生成装置100に設けられている共有ボックスへアクセスして参照用資料ファイル40Fを自分の端末装置500へダウンロードし、参照用資料4を閲覧することができる。メイン資料ファイル記憶部102またはサブ資料ファイル記憶部103へアクセスしてメイン資料ファイル20Fまたはサブ資料ファイル30Fをダウンロードし、メイン資料20またはサブ資料30を閲覧することもできる。
【0071】
さらに、ユーザーは、メイン資料20を閲覧している際に、参照指示フレーズ21を選択することによって、この参照指示フレーズ21に示されるサブ資料30の参照用資料4を閲覧することができる。この場合は、図5に示す端末装置500の各部によって次の処理が行われる。
【0072】
メイン資料20が液晶ディスプレイ50gに表示されているときに、ユーザーは、メイン資料20の中から、参照したいサブ資料30に対応する参照指示フレーズ21を選択する。
【0073】
すると、参照指示フレーズ特定部501は、選択された参照指示フレーズ21を特定し、さらに、この参照指示フレーズ21に含まれる参照部分標識23を特定する。参照部分標識23の抽出の方法は、参照指示フレーズ検索部101における参照部分標識23の特定の方法と同じである。
【0074】
参照用資料ダウンロード部502は、参照用資料ファイル40Fを資料生成装置100からダウンロードする。この際に、参照指示フレーズ特定部501によって特定された参照部分標識23を資料生成装置100へ通知する。
【0075】
すると、資料生成装置100において、参照用資料生成部106は、通知された参照部分標識23に示されるサブ資料30の名称および部分に基づいて参照用資料4を生成する。生成の方法は、参照データテーブルTL1のレコードに基づいて生成する方法と同じであり、前に説明した通りである。参照用資料4として、参照用資料41〜44のいずれを生成するのかは、予め決めておいてもよいし、その都度ユーザーが選択するようにしてもよい。
【0076】
そして、参照用資料提供部107は、生成された参照用資料4の参照用資料ファイル40Fを端末装置500へ送信する。なお、既に参照用資料41〜44が生成されたことがある場合は、もう一度生成するのではなく、既に共有ボックスに保存されている参照用資料ファイル40Fを端末装置500へ送信すればよい。
【0077】
表示切替部503は、参照用資料ファイル40Fがダウンロードされると、メイン資料20の現在の表示の状態(特に、メイン資料20の中の表示されている部分の位置)を示す表示状態データ55を表示状態記憶部504に記憶させ、参照用資料ファイル40Fに基づいて、液晶ディスプレイ50gにメイン資料20の代わりに参照用資料40を表示させる。
【0078】
ここで、ユーザーは、参照用資料40を閲覧することができる。そして、再びメイン資料20を閲覧したくなったら、所定のコマンドを入力する。
【0079】
すると、表示切替部503は、参照用資料40の表示を終了し、表示状態記憶部504に記憶されている表示状態データ55に基づいて、メイン資料20を前の表示の状態で再び表示させる。例えば、参照指示フレーズ21Aが液晶ディスプレイ50gの上端に表示された状態で参照用資料40を表示し、その後、参照用資料40の表示を終了すると、参照指示フレーズ21Aが液晶ディスプレイ50gの上端に配置された状態で、メイン資料20を再び表示させる。
【0080】
図13および図14は、資料生成装置100の全体的な処理の流れの一例を説明するフローチャートである。図15は、端末装置500の全体的な処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0081】
次に、参照用資料4の生成のための全体的な処理の流れを、図13〜図15に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0082】
発表者であるユーザーは、予め、メイン資料20およびサブ資料30を用意し、メイン資料ファイル20Fおよびサブ資料ファイル30Fを所定の記憶場所に記憶させておく。そして、会議に参加する他のユーザーの便宜のために、参照用資料4の参照用資料ファイル40Fを生成する処理を資料生成装置100に行わせることができる。
【0083】
ユーザーが所定のコマンドを入力すると、資料生成装置100は、メイン資料ファイル20Fに基づいて、メイン資料20の中から参照連絡標識22を検索する(図13の#201)。
【0084】
参照連絡標識22が見つかったら(#202でYes)、資料生成装置100は、この参照連絡標識22に対応する参照部分標識23を特定し、参照指示フレーズ21を特定する(#203)。参照部分標識23に示されるサブ資料30のサブ資料ファイル30Fがサブ資料ファイル記憶部103に記憶されているか否かを確認する(#204)。
【0085】
記憶されていれば(#205でYes)、資料生成装置100は、このサブ資料30の中の参照部分31の先頭および末尾それぞれの位置を次のように特定する。
【0086】
参照部分標識23の中の部分位置標識25から区間記号(例えば、「〜」)を検索する(#206)。区間記号があれば(#207でYes)、区間記号の左側および右側それぞれから所定の形式の文字列を検索することによって、先頭および末尾を特定する(#209、図14の#212、#214)。
【0087】
なお、区間記号の左側および右側のいずれか一方に所定の形式の文字列が存在しない場合がある。左側に存在しない場合は(#210でNo)、所定の位置、例えば、そのサブ資料30全体の先頭つまり1ページ目の1行目を、参照部分31の先頭として特定する(#211)。一方、右側に存在しない場合は(#213でNo)、所定の位置、例えば、そのサブ資料30全体の末尾つまり最終ページの最終行を、参照部分31の末尾として特定する(#215)。
【0088】
区間記号がなければ(#207でNo)、文章の塊の単位により参照部分31を特定する(#208)。
【0089】
資料生成装置100は、上記の結果を示すレコードを図8の参照データテーブルTL1に格納する(#216)。
【0090】
参照連絡標識22が複数ある場合は、資料生成装置100は、各参照連絡標識22についてステップ#203〜216の処理を適宜、実行する。
【0091】
そして、資料生成装置100は、参照データテーブルTL1に格納された各レコードに基づいて、参照用資料4を生成し、参照用資料4の参照用資料ファイル40Fを共有ボックスに保存する(#218)。参照用資料41〜44のいずれの形態で生成するかは、ユーザーがその都度決めてもよいし、予め資料生成装置100に設定しておいてもよい。
【0092】
また、ユーザーは、メイン資料20および参照用資料4を切り替えながら閲覧することができる。このとき、端末装置500は、図15に示す手順で処理を実行する。
【0093】
端末装置500は、メイン資料ファイル20Fを資料生成装置100からダウンロードし、メイン資料20を表示する(図15の#301)。
【0094】
ユーザーが参照指示フレーズ21を選択すると(#302でYes)、端末装置500は、この参照指示フレーズ21に対応する参照用資料4の参照用資料ファイル40Fを資料生成装置100からダウンロードする(#303)。そして、メイン資料20を非表示にし、参照用資料ファイル40Fに基づいて参照用資料4を表示する(#304)。この際に、メイン資料20の表示の状態を一時的に記憶しておく(#305)。
【0095】
その後、ユーザーがメイン資料20の表示のコマンドを入力すると(#306でYes)、端末装置500は、参照用資料4を非表示にし、前の状態でメイン資料20を再び表示する(#307)。ステップ#303〜#307の処理は、メイン資料20の表示を終了するまでの間、ユーザーが参照指示フレーズ21を選択するごとに、実行される。
【0096】
本実施形態に係る資料生成装置100によれば、会議やプレゼンテーションの資料であるメイン資料20に関連するサブ資料30において、その一部のみがメイン資料20に関連している場合に、サブ資料30のうちメイン資料20に関連している参照部分31を容易に把握できるような参照用資料41〜44を生成する。それにより、ユーザーはサブ資料30において、メイン資料20の内容を理解する上で必要な部分のみを容易に取得することができる。そのためユーザーの負担が軽減する。
【0097】
また、本実施形態に係る資料生成装置100によれば、液晶ディスプレイ50gに参照用資料41〜44を表示させていたユーザーが、メイン資料20の表示に切替えた場合に、参照用資料41〜44の表示前に表示されていた状態のメイン資料20が表示される。これにより、ユーザーは、メイン資料20において、前に閲覧していた箇所を容易に見つけることができる。そのため、スムーズに前の続きから読み始めることができ、閲覧者の負担が軽減する。
【0098】
なお、本実施形態に係る資料生成装置100の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、データの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0099】
20 メイン資料(第1資料)
20F メイン資料ファイル
21(21A〜21C) 参照指示フレーズ
22 参照連絡標識
23 参照部分標識
24 名称標識
25 部分位置標識
30 サブ資料(第2資料)
30F サブ資料ファイル
31(31A〜31B) 参照部分
4(41〜44) 参照用資料
50g 液晶ディスプレイ(表示装置)
100 資料生成装置
102 メイン資料ファイル記憶部(第1資料記憶手段)
101 参照指示フレーズ検索部
103 サブ資料ファイル記憶部(第2資料記憶手段)
104 サブ資料ファイル確認部
105 関連付け記憶部
106 参照用資料生成部
500(500A、500B) 端末装置
503 表示切替部(第1表示切替手段、第2表示切替手段)
504 表示状態記憶部
1000 会議支援システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1資料と、前記第1資料の少なくとも一部分に関連する部分を含む資料である第2資料とに基づいて、新たに資料を生成する資料生成装置であって、
前記第1資料に記載されている、前記第2資料の参照部分を指示する参照指示フレーズを検索する参照指示フレーズ検索手段と、
前記参照指示フレーズ中に指定されている、前記第2資料の参照部分を含む参照用資料を生成する参照用資料生成手段と、
を備えたことを特徴とする資料生成装置。
【請求項2】
前記参照指示フレーズは、参照すべき前記第2資料が存在することを示す参照連絡標識を含み、
前記参照指示フレーズ検索手段は、前記参照連絡標識を検索して、検索された前記参照連絡標識に基づいて前記参照指示フレーズを検索する、
請求項1記載の資料生成装置。
【請求項3】
前記参照用資料生成手段は、前記第2資料の前記参照部分と当該参照部分以外の部分とが区別できるように前記参照用資料を生成する、
請求項1または2記載の資料生成装置。
【請求項4】
前記参照用資料生成手段は、前記第2資料の前記参照部分のフォントと当該参照部分以外の部分のフォントとの形態を相違させることにより、前記参照用資料を生成する、
請求項3に記載の資料生成装置。
【請求項5】
前記参照用資料生成手段は、前記第2資料の前記参照部分の各行の先頭に特定の印を付加することにより、前記参照用資料を生成する、
請求項3に記載の資料生成装置。
【請求項6】
前記第2資料は1つまたは複数であり、
前記参照用資料生成手段は、前記第2資料それぞれの前記参照部分のみからなる資料を前記参照用資料として生成する、
請求項3に記載の資料生成装置。
【請求項7】
前記第2資料は1つまたは複数であり、
前記参照用資料生成手段は、前記第1資料の前記参照指示フレーズの直後に当該参照指示フレーズに対応する前記第2資料の前記参照部分を挿入した資料を前記参照用資料として生成する、
請求項3に記載の資料生成装置。
【請求項8】
第1資料と、当該第1資料の少なくとも一部分に関連する部分を含む資料である第2資料および前記第1資料に基づいて生成された参照用資料とを、選択的に表示装置に表示する端末装置であって、
前記表示装置に、前記第1資料から切替えて前記参照用資料を表示させる第1表示切替手段と、
前記表示装置に前記参照用資料が表示される前の前記第1資料の表示の状態を示す表示状態データを記憶する表示状態記憶手段と、
前記表示装置が前記第1資料から切替えて前記参照用資料を表示した後に、前記表示状態記憶手段に記憶された前記表示状態データに基づいて、前記参照用資料から切替えて、前記参照用資料に切替える前の状態で前記第1資料を前記表示装置に表示させる第2表示切替手段と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項9】
第1資料と前記第1資料の少なくとも一部分に関連する部分を含む資料である第2資料とに基づいて新たに資料を生成する資料生成装置および端末装置を備えた会議支援システムであって、
前記資料生成装置は、前記第1資料に記載されている、前記第2資料の参照部分を指示する参照指示フレーズを検索する参照指示フレーズ検索手段と、
前記参照指示フレーズ中に指定されている、前記第2資料の参照部分を含む参照用資料を生成する参照用資料生成手段と、を有し、
前記端末装置は、前記参照用資料を表示装置に表示させる表示制御手段を有する、
ことを特徴とする会議支援システム。
【請求項10】
前記端末装置は、
前記表示装置に、前記第1資料から切替えて前記参照用資料を表示させる第1表示切替手段と、
前記表示装置に前記参照用資料が表示される前の前記第1資料の表示の状態を示す表示状態データを記憶する表示状態記憶手段と、
前記表示装置が前記第1資料から切替えて前記参照用資料を表示した後に、前記表示状態記憶手段に記憶された前記表示状態データに基づいて、前記参照用資料から切替えて、前記参照用資料に切替える前の状態で前記第1資料を前記表示装置に表示させる第2表示切替手段と、を有する、
請求項9に記載の会議支援システム
【請求項11】
第1資料と、前記第1資料の少なくとも一部分に関連する資料である第2資料とに基づいて、新たに資料を生成する資料生成方法であって、
コンピューターが、
前記第1資料に記載されている、前記第2資料の参照部分を指示する参照指示フレーズを検索する処理を実行し、
前記参照指示フレーズ中に指定されている、前記第2資料の参照部分を含む参照用資料を生成する処理を実行する、
ことを特徴とする資料生成方法。
【請求項12】
第1資料と、前記第1資料の少なくとも一部分に関連する資料である第2資料とに基づいて、新たに資料を生成するコンピューターに用いられるコンピュータープログラムであって、
前記コンピューターに、
前記第1資料に記載されている、前記第2資料の参照部分を指示する参照指示フレーズを検索する処理と、
前記参照指示フレーズ中に指定されている、前記第2資料の参照部分を含む参照用資料を生成する処理とを、実行させる、
ことを特徴とするコンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−243070(P2012−243070A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112242(P2011−112242)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】