説明

走査中の自動利得制御のための装置と方法

本開示は走査中の自動利得制御のための装置と方法を記載する。この装置はスキャン・ウィンドウの前縁からスキャン・ウィンドウの後縁まで走査される光ビームによってスキャン・ウィンドウ内にあるシンボルから反射された光信号を受け取るための光検出器と、ビーム走査中に光検出器の利得を制御するための前記光検出器に結合されたプロセッサとを備える。このプロセスは光ビームがスキャン・ウィンドウの前縁からスキャン・ウィンドウの後縁まで走査するときにスキャン・ウィンドウ内にあるシンボルから反射された光エネルギを含んだ光信号を光検出器を用いて受信する工程と、前記光信号を受け取る間に前記光検出器の利得を調整する工程とを含む。各々の利得補正値がスキャン・ウィンドウの前縁と後縁との間の異なる位置に対応する複数の利得補正値を得るために前記光検出器を較正する工程と、前記複数の利得補正値を格納する工程とを含んだ較正プロセスを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にスキャナに関し、特に走査中の自動利得制御に関するが、これに限定するものではない。
【背景技術】
【0002】
バー・コード・スキャナは典型的には、薄い光のビームを生成し、読み取られるシンボルを横断してビームを走査させることによって機能する。シンボルは典型的には複数の交互になっている明るい(通常白色)領域と暗い(通常黒色)の領域から成っている。最もよく知られているシンボルはバー・コードであり、この場合明るい領域と黒い領域は白地に黒いバーを上に重ね合わせることによって形成される。シンボル上へのビームの投射によって形成されたスポットがシンボルを横断するとき、スポットは交互の明るい領域と黒い領域を横断し、シンボルに当たった光の一部がスキャナに向かって再反射する。暗い領域に比べ明るい領域からより多くの光が反射され、スキャナに再反射された光エネルギが明るい領域に相当するピークと暗い領域に相当する谷からなる一続きを含むことになる。次に、スキャナ内の処理回路が受け取った光信号を電気信号に変換し、信号内のピークと谷を復号し、これによってシンボルに含まれた情報が抽出される。
【0003】
図1Aおよび1Bはスキャナが平坦なシンボルを読み取ろうとするときに発生する一般的な問題を示している。すべてのスキャナは所謂「スキャン・ウィンドウ」を備え、スキャナがシンボルを正確に読み取ろうとするする場合、シンボルはスキャン・ウィンドウ内に位置決めされなければならない。また、通常スキャナはスキャナ内に用いられる光学系に応じて、固定された焦点距離と被写界深度を有する。したがって、シンボルはスキャン・ウィンドウ内のみならず、読み取られるスキャナの所定の距離内にも存在していなければならない。図1Aは典型的なスキャナの設定を示しており、スキャナ100が読み取るシンボルを含んだラベル102からの焦点距離fに位置決めされている。走査ビーム104がシンボル102内のほぼ中心部分にあるとき、そのビームはシンボルに直角に入射する。この場合、ビームの光エネルギのかなりの量がスキャナに向かって再反射し、わずかの部分がシンボルによって吸収される。ビームが走査させられ、スキャン・ウィンドウの縁部に接近するにつれて、ビームは角度θでスキャナから出るが、これはシンボル上のビームの入射角もθであることを意味する。故に、示したようにθ=θとなる。シンボル上の入射角がθの場合、基礎物理はシンボルからの反射角もθであると命令する。したがって、入射ビームに含まれる総光エネルギのうち、ある部分は吸収され、ある部分はスキャナに向かって再反射し、ある部分106は自由空間に反射する。角度θが大きくなるにつれて、スキャナに向かって再反射する光エネルギの部分は減少し、自由空間に反射する光エネルギの部分106は増大する。この結果、スキャナが受け取る光強度の量はシンボルの縁部で著しく減衰するため、セグメントの縁部近傍に含まれた情報を適切に走査し、取り込み、かつ復号することが困難になる。スキャナが非常に狭い場所で動作しなければならない場合、故にシンボルに非常に近接して配置されなければ成らない場合、この問題はより深刻である。この場合、焦点距離fは図1Aに示したものより実質的に短くなり、このことは角度θが実質的により大きくかつシンボルの縁部における反射出力が実質的により小さくなることを意味する。したがって、焦点距離が短く、シンボル近傍で動作するスキャナでは、シンボルの縁部を正しく読み取ることは特に困難である。図1Bは上記現象のスキャナの光学応答への影響を示している。
【0004】
図1Cはスキャナの光学応答に影響を及ぼす別の現象を示している。シンボルからスキャナに向かってより大きい角度θで弱い光エネルギが反射されるという事実に加え、光学応答もスキャナ内の光検出器の光収集特性によって影響を受ける。特に、光検出器によって集められる光エネルギは、エネルギが集められる方向において検出器に投射さるた領域に左右される。ビーム110が通常の角度(すなわちθ=0°)で検出器112に入射すれば、検出器112は領域全体Aの光エネルギを収集する。代わりにビーム114がゼロ度ではない角度θで検出器112に入射すると、検出器は投射領域Aよりも実質的に狭い投射させられた領域Aθ上の光を収集するだけである。角度θが大きくなるにしたがって、領域Aθは狭くなり、故に検出器が光エネルギを収集することのできる領域は小さくなる。この現象は図1Bに示した光学応答曲線108に考慮されている。
【0005】
自動利得制御(AGC)はシンボルとスキャナとの間で変化する距離を補正するために先行技術において用いられる一方法である。既存のAGCを用いて光検出器の利得をスキャナとシンボルとの間の距離に応じて走査毎に変えることができる。特定の走査に対して利得値が一旦選択されると、利得値は特定の走査を通してその値で一定である。したがって、シンボルがスキャナの近くにあると、その利得は下方に調整されるが、シンボルがスキャナから離れた場所にあると、その利得は上方に調整される。このアプローチの欠点は利得を走査毎に変化させることができるが、任意の特定の走査を通して使用できる利得値は1つのみであるということにある。換言すれば、走査中に利得を調整できないということである。故に、このアプローチは走査されたシンボルの端部における光学応答の低減を補正するという問題に対処するのに使用できない。さらに、標準的なAGCが走査中の利得変動を補正するように適合された場合であっても、それらは遅いものとなろう。
【0006】
シンボルの縁部近傍の弱い光学応答を取り扱った1つの方法がChisholmら(「Chisholm」)に与えられた米国特許第5,701,003号で考察されている。スキャン・ウィンドウの縁部におけるスキャナの光学応答を改善するためにChisholmにおいて考慮されたアプローチは、スキャン・ウィンドウの中心近傍ではレーザの強度を低減させ、スキャン・ウィンドウの縁部近傍ではスキャナ内のレーザの光強度を増大させることである。走査ビームの入射と反射の角度はスキャン・ウィンドウの縁部近傍で同じであり続けるので、スキャン・ウィンドウの縁部においてスキャナに再反射される光エネルギの部分は同じであり続ける。しかし、入射ビームの強度はより大きい、スキャナにに向かって再反射される光強度はより大きい。Chisholmのアプローチの実際の効果は、光学応答曲線が「平坦になる」ので光学応答はスキャン・ウィンドウの幅にわたってほぼ一定になるということである。
【0007】
Chisholmが取り入れたアプローチには外見上はすばらしいが、いくつかの大きな不利が存在する。まず、レーザ出力の増大はスキャナの操作者または傍にいる人の眼に危険を及ぼし、またビームがシンボルの縁部に接近するとき、より多くの光強度が誰かの眼に向かって反射され易いので、シンボルの縁部近傍でレーザの出力を増大させることは安全上の重大な意味を持つ。第二に、より大きな出力でレーザを用い、かつ低出力と高出力との間でレーザを連続的にサイクルさせれば、レーザやスキャナの寿命が短くなり、究極的にはエンド・ユーザに対するコストが押し上げられることになる。最後に、レーザの出力をより大きくすることは、消費電力がより大きくなり、熱放散が大きくなるという問題が生じることを意味する。消費電力や熱放散はともにスキャナを製造かつ使用する際に追加の経費がかかるだけでなく、携帯型のスキャナの場合にはレーザのより多い電力消費により発生する熱を放散させるために用いられるヒート・シンク等のさらなる重量を持たなければならないユーザにとっては不便なものになるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
スキャン・ウィンドウの縁部近傍の走査を改善する方法における欠点を考えると、当該技術ではスキャナの光学応答を改善する方法の改良が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は走査中の自動利得制御のための装置と方法を記載する。この装置は、スキャン・ウィンドウの前縁からスキャン・ウィンドウの後縁まで走査される光ビームによる、スキャン・ウィンドウ内にあるシンボルから反射された光信号を受け取るための光検出器と、ビーム走査中に光検出器の利得を制御するための前記光検出器に結合されたプロセッサとを備える。本プロセスは、光ビームがスキャン・ウィンドウの前縁からスキャン・ウィンドウの後縁まで走査するときにスキャン・ウィンドウ内にあるシンボルから反射された光エネルギを含んだ光信号を光検出器を用いて受信する工程と、前記光信号を受け取る間に前記光検出器の利得を調整する工程とを含む。各々の利得補正値がスキャン・ウィンドウの前縁と後縁との間の異なる位置に対応する複数の利得補正値を得るために前記光検出器を較正する工程と、前記複数の利得補正値を格納する工程とを含んだ較正プロセスを開示する。
【0010】
本発明の非限定的かつ非包括的実施形態を以下の図面を参照して記載するが、特に指定のない限り、同様の参照番号は種々の図面を通して同様の部分を意味する。
【0011】
走査中の自動利得制御のための装置と方法の実施形態をここで記載する。以下の説明では本発明の実施形態が理解できるように、多数の特定の詳細を記載する。しかし、当業者であれば特定の実施形態の1つまたは複数を用いることなく、あるいは他の方法、構成要素、材料等と共に実施され得ることを理解するであろう。その他の場合には、本発明の態様をわかり難くしないように、周知の構造体、材料、または動作を詳細に示さないか、または記載しない。
【0012】
本願明細書を通して「一実施形態」または「ある実施形態」に言及することは、当該実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造体、特性は本発明の実施形態に含まれているということを意味している。したがって、本願明細書において「一実施形態では」または「ある実施形態では」という表現が登場するときは、必ずしもすべて同一の実施形態を参照しているわけではない。また、特定の特徴、構造体、または特性は任意の適した様式で1つまたは複数の実施形態と組見合わされてよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図2A〜2Bは本発明のバー・コード・スキャナ200の一実施形態を示している。バー・コード・スキャナ200はビーム生成器202、ビーム生成器制御モジュール204、光検出器206、検出器制御・処理モジュール208、光学系210のセットを備える。スキャナの別の実施形態は、より多いか、より少ないか、あるいは異なった構成要素を有してよく、構成要素はまとめられても、または異なるように配置されてよい。
【0014】
動作中、ビーム生成器モジュール204によって制御されるビーム生成器202は、典型的には可視域の波長であるが他の波長帯でもよい光ビーム212を生成し、スキャン・ウィンドウ215を横断してビームを走査する。バー・コード214はスキャン・ウィンドウ内にある。バー・コード214はスキャン・ウィンドウ215の幅の一部または全部を占めてよい。走査ビーム212はスキャン・ウィンドウの前縁部218からスキャン・ウィンドウの後縁220まで走査経路216に沿ってスキャン・ウィンドウ215やバー・コード214を横断するスポットを生成する。ビームがスキャン・ウィンドウを横断して走査し、バー・コード214に達するとき、走査ビームからの光エネルギの一部がバー・コードから反射されて学系210まで戻り、そこで光検出器206上に結像される。光検出器206に到達する光エネルギの大きさは、走査ビームがバー・コードの明るい部分から反射されるか、またはバー・コードの暗い部分から反射されるかに従って変わるでろう。したがって、光検出器に到達する反射された光エネルギは、バー・コードからの情報を含んだ光信号である。図2Bに示すように、反射された光エネルギは光検出器206に到達し、光検出器206はその光エネルギをアナログ電気信号222に変換し、次いでこの信号は処理のために検出器の処理・制御モジュール208に送られる。光検出器206によって生成されたアナログ電気信号は検出器において受信された光信号に非常に近いものであり、受信された光信号と同義としてよい。したがって、本願明細書で用いるように、「受信された信号」とは文脈に応じて光信号または電気信号を意味する。
【0015】
図3Aは光検出器206に結合される処理モジュール208の一実施形態を示しているが、より多くの、より少ない、あるいは異なる構成要素を有する他のまたは付加的な実施形態が用いられてもよい。図3Aはアナログ処理回路を示している。検出器において受信された光信号に応答して光検出器によって生成されたアナログ電気信号を処理する。図2Bに示すように、光検出器206がバー・コード214から反射された光信号を受け取ると、光検出器はその光信号をそれに対応する電気信号に変換する。光検出器206から出力された電気信号は増幅器300に送られ、その信号が処理の前に増幅される。以下に詳細に記載するように特に、信号の振幅をモニタし、かついくつかの定められた基準に従って増幅器の利得を調整するために、制御回路302は増幅器300に結合されている。ある場合には、増幅器の利得を調整する代わりに、直接光検出器の利得を調整することも可能である。どちらの利得が調整されても最終的な結果は同じであるので、光検出器の利得を調整することと増幅器の利得を調整することとは同義的であると考えてよい。
【0016】
制御回路302は電気信号のピーク振幅をモニタするためのピーク検出器をも含み、また利得制御情報あるいは他の目的のための情報を読み出すためにメモリ304に結合されている。別個のモジュールとして示しているが、メモリ304は制御回路302に組み込まれてもよい。信号は増幅器300で増幅された後、増幅された信号に含まれる情報を抽出する、故にバー・コード214を復号する復号器306に送られる。一旦信号が復号され、バー・コードからの情報が抽出されると、その情報はコンピュータなどの何らかの外部構成要素に送られてもよい。
【0017】
図3Bはバー・コードから反射された光から光検出器において受け取られた光信号に応答して光検出器によって生成されたアナログ電気信号を処理するデジタル処理回路を示している。光検出器206から出力された電気信号は増幅器308に送られ、そこでその信号は処理の前に増幅される。以下に詳細に記載するように特に、信号の振幅をモニタし、かついくつかの定められた基準に従って増幅器の利得を調整するために、制御回路310がピーク増幅器308に結合されている。制御回路310はピーク信号振幅をモニタするためのピーク検出器を備えており、例えば、利得制御情報または他の目的のための情報を呼び出す必要がある場合には、前記制御回路はメモリ312に接続されてもよい。別個のモジュールとして示しているが、メモリ312は制御回路310に組み込まれてもよい。信号は増幅器308で増幅された後、その信号は信号をデジタル化するアナログ/デジタル(A/D)変換器に送られる。次に、デジタル化された信号はデジタル信号プロセッサ(DSP)316に送信され、そこで情報が信号から抽出され、これによりバー・コードが復号される。デジタル信号プロセッサはメモリ312に結合されてもよく、さらに制御回路に結合されてよい。このようにして、DSP316は情報を制御回路310に提供して、該制御回路が信号の利得を調整するかどうか決定できるようにする。一旦信号が復号され、かつバー・コードからの情報が抽出されると、その情報はコンピュータなどの何らかの外部構成要素に送られてもよい。
【0018】
図4A〜Cは処理回路208が走査中に光学応答をより均一にするために特定の走査の利得プロファイルを調整するプロセスの一実施形態を示している。図4Aはスキャナのスキャン・ウィンドウ215内に位置決めされた典型的なバー・コード214を示している。バー・コード214はスキャナを用いて読み取られるシンボルの一種である。スキャン・ウィンドウの真下に示すように、スキャン・ウィンドウは複数の異なるセグメントに分割されている。このスキャン・ウィンドウはそれ自身が物理的にセグメントに分割されているわけではなく、むしろ処理回路内のスキャン・ウィンドウの内部表現が示したようなセグメントに分割されている。好適には、セグメントの最小数は11である。つまり、5個のセグメント(1〜5番)がスキャン・ウィンドウの前縁部218に接しており、単一の長い「中心」または基準セグメントが真中にあり、1〜5番の5個のセグメントがスキャン・ウィンドウの後縁に接している。11はセグメントの好適な数であるが、セグメント数が少な過ぎると結果としてバー・コードの解像度は不十分になり、結果は不正確なものとなり、他方ではセグメント数が多過ぎると各走査に対する処理時間は余分にあるいは過剰になりるということを理解した上で、任意の数のセグメントが用いられてよい。どのようなセグメント数が使用されても、図示のようなスキャン・ウィンドウの長さに沿って、または他のいくつかの様式でそのセグメントを配置することができる。例えば、番号の付いたセグメントを前縁部や後縁部により近接する箇所で圧縮し、基準セグメントを長くする指数関数的または対数関数的スペーシング・スキームを用いてセグメントを配置することができる。
【0019】
図4Bは処理回路が利得を調整するプロセスを示している。動作中、特定の走査に対する利得はいくらかの基準値Gに設定される。Gの値は、例えば、スキャナとシンボルとの間の間の距離に応じて走査毎に調整を行う、例えば自動利得制御(AGC)システムを用いて決定できる。一般に、Gの値はシンボル214がスキャナに近いほど比較的小さくなり、シンボル214がスキャナから離れているほど大きくなる。走査ビームがスキャン・ウィンドウのセグメントを横断するとき、
=G+ΔG(i=1〜5)
になるように利得補正値ΔGが各セグメントに対する基準利得に加算される。加算する利得調整値ΔGとして示しているが、他の実施形態では利得調整値は乗法的であってよい。つまり、例えば、利得補正値は基準利得に加算される代わりに基準利得に掛け合わせる因数であるようにすることもできる。中心セグメントにおける利得は既に所望の値になっているので、通常はそのセグメントにおける基準利得に対して補正は行われない。常にというわけではないが、一般に、利得補正が必要とされる1〜5番のセグメントにおいては、利得補正値ΔGの値は前縁部218と後縁220により近くなるほど比較的大きくなり、中心または基準セグメントに近接していると単調に小さくなり、比較的小さいものとなろう。故に、一般に
ΔGi+l>ΔG(i=1〜4)
となる。
【0020】
上記のように、利得補正値ΔGは中心または基準セグメントの周囲で概ね対照的となるので、スキャン・ウィンドウの前縁218近傍のΔGは後縁220近傍のΔGとほぼ等しくなろう。しかしこれが必ずしも必要とは限らない。つまり、利得補正値が非対称であってよいことが完全に可能である。
【0021】
図4Cは上記のような利得補正値を適用した結果を示している。スキャン・ウィンドウを横切る利得プロファイルは平坦な線(すなわち、利得はスキャン・ウィンドウにわたって一定であるGとなろう)になるであろうが、この図では利得プロファイルはほぼ平坦なU字型の曲線400であり、利得は前縁と後縁近傍で比較的高く、スキャン・ウィンドウのごく弱い利得補正が必要であるか、または利得補正が必要でない中心部近傍では比較的低い。平坦な利得プロファイルに対するスキャナの光学応答を光学応答曲線108によって示し(図1Bを参照)、利得を補正した場合の光学応答を曲線402によって示している。この図からわかるように、補正された利得プロファイルを用いたシステムの光学応答は走査の縁部近傍で実質的に改善されている。利得補正を適用することの実際の効果はスキャナの効果的なスキャン・ウィンドウを拡大することである。
【0022】
図5Aおよび5Bは利得補正値ΔGを得るために用いられる較正プロセスの一実施形態を示している。この補正値を用いて図4Bに示すような各セグメントにおける利得が補正される。図5Aは較正設定の一実施形態を示している。まず、スキャン・ウィンドウは図4Aに関連して示すような複数のセグメントに分割される。較正に使用されるセグメントの数は走査中に使用されるセグメントの数に対応する。上記のように、好適なセグメント数は11であるが、セグメント数が少な過ぎると結果としてバー・コードの解像度が不十分になり、結果は不正確なものとなり、他方ではセグメント数が多いと各シンボルに対する処理時間は余分または過剰になり得るということを理解した上で、任意の数のセグメントが用いられてよい。較正を開始するために、テスト・シンボル501がスキャン・ウィンドウ215内に置かれる。テスト・シンボル501は少なくともスキャン・ウィンドウ215と同じぐらい幅が広くあるべきであり、補正がスキャン・ウィンドウの幅全体にわたって得られるようにスキャン・ウィンドウ215の幅全体に及ぶように位置決めされるべきである。テスト・シンボルは一般に等しく離間した等しい幅のバーを有するバー・コードであろうが、何らかの他のシンボルであってもよい。スキャナのエンド・ユーザがスキャナを一切再較正しなくてもいいように、図示した較正は工場内で1回のみ実行されるのが好ましい。
【0023】
図5Bは実際の較正プロセスの一実施形態を示している。較正はブロック502で開始される。ブロック504では、基準利得Gが確立される。Gの値は、例えば、自動利得制御(AGC)システムを用いて決定される。ほとんどのAGCは、通常はスキャナと走査されているシンボルとの間の距離に基づいて、走査間の利得を調整するように、かつ各走査に対して単一の利得値を確立するように設計されている。一般に、Gの値はテスト・シンボルがスキャナに近い場合にはより小さくなり、テスト・シンボルがスキャナからより離れている場合にはより大きくなる。Gを確立する他の方法が使用されてもよい。例えば、Gを、テスト・シンボル自身の初回の走査によって決定することができ、あるいはオペレータの観察または経験に基づいて適宜選択してもよい。
【0024】
ブロック506ではテスト・シンボルが走査され、ブロック508では最初のセグメントの信号のピーク振幅が当該技術においては知られている種類のピーク検出器を用いて決定される。ブロック510では、セグメントのピークの信号振幅が基準または中心エリアのピークの信号振幅と比較される。セグメントのピークが基準ピーク以上の場合、プロセスはブロック512に進み、そこでセグメントが残っていないかどうかを確かめる。セグメントが残っている場合、プロセスはブロック514にて次の残っているセグメントに移動し、ブロック508に戻って各々残っているセグメントに対して工程を繰り返す。
【0025】
代わってブロック510においてそのセグメントのピークが基準ピークよりも低い場合、そのセグメントに対する利得補正値ΔGが上に調整される。ΔGの値が調整される量は使用されるシステムに左右される。一実施形態では、ΔGが調整される増分はシステムの全体的な利得範囲の特定の割合である。例えば、8ビットのシステムでは、1つの増分は総利得範囲の1/256である。この増分は2以上の因数によって調整されてよいが、正確を期すためには可能性のある最も小さいステップで増加することが望ましい。加算する利得補正値ΔGとして示したが、他の実施形態では利得補正値は乗法的であってよい。つまり、利得に加算する代わりに、補正因子を利得に掛けてもよい。
【0026】
ブロック516では、セグメントに増分ΔGが基準利得Gに加算される。ブロック518では、プロセスはセグメントが残っているかどうかを確認する。セグメントが残っている場合、ブロック514にてプロセスは次のセグメントに移動し、ブロック508に戻って次のセグメントで同じプロセスを実行する。このループは利得補正値がすべてのセグメントに対して計算されるまで続く。ブロック512またはブロック518においてプロセスがすべてのセグメントを処理したと決定すると、ブロック522にてシステムは各セグメントのピーク振幅が基準セグメントのピーク振幅以上であったか否かを確認する。ピーク振幅以上でない場合、プロセスはブロック506に戻ってすべてのセグメントについてプロセスを繰り返す。ブロック522において各セグメントのピーク振幅が基準セグメントのピーク振幅以上であったことを確認すると、ブロック524にて累積的に調整された利得補正値ΔGが以後の走査に使用されるように格納される。
【0027】
図6は図5の較正プロセスの間に利得補正値ΔGがどのように増分されるのかを示している。この表はセグメントの5つのみに関する調整値を示し、セグメントは前縁のセグメントまたは後縁のセグメントのいずれかであってよい。いずれの場合も、プロセスは残りのセグメントに対して同じである。示した例では、テスト・シンボルの最初の走査の間、すべてのピーク振幅は基準セグメントのピーク振幅よりも小さいので、ΔGの値は各セグメントにおいて増分される。第2と第3の走査の間、同じ手順が繰り返される。第4の走査に来ると、ΔGの値は十分に上方に調整されているので、セグメント5の利得がΔGだけ上方に調整されると、セグメント5のピーク振幅は基準セグメントのピーク振幅以上になる。そういった事情で、ΔGが完成され、格納される。第4の走査の後、ΔGの値は最早増分されない。上記のプロセスは、利得が累積的に調整されたΔGを用いて補正される時に残りのセグメントのピーク振幅が基準セグメントのピーク振幅以上になるまで、各残りのセグメントiに対するΔGが増分されるまで繰り返される。このプロセスが行われるとき、図4A〜4Cに関して上で説明したように、すべてのセグメントiに対して累積的に増分されたΔGは以後の走査に用いられるように格納される。
【0028】
要約部分に記載した説明を含む本発明の例示的実施形態の上記説明は包括的なものであること、あるいは本発明を開示した正確な形態に限定することを意図したものではない。説明のために本願明細書において本発明の実施形態を記載しているが、当業者であればわかるように種々の同等の変形が本発明の範囲内で可能である。これらの変形は上記の詳細な説明を考慮して本発明に対してなされてよい。
【0029】
添付の特許請求の範囲に用いた用語は本願明細書および特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に本発明を限定するものと解釈されるべきでない。むしろ、本発明の範囲は特許請求の範囲の解釈の確立された原則に従って解釈されるべきである添付の特許請求の範囲によって全体的に決定される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1A】平坦なシンボルを読み取るスキャナを示す平面図である。
【図1B】一定の利得を用いたスキャナの光学応答を示すグラフである。
【図1C】光検出器の光収集特性において観察される現象を示すダイアグラムである。
【図2A】スキャナの一実施形態を示す単純化したブロック図である。
【図2B】シンボルから反射された光エネルギ内で運ばれる典型的なアナログ光信号を示すダイアグラムである。
【図3A】図2Aのスキャナの光検出器のアナログ出力を処理するプロセッサの一実施形態を示すブロック図である。
【図3B】図2Aのスキャナの光検出器からのデジタル出力をデジタル化かつ処理するプロセッサの一実施形態を示すブロック図である。
【図4】シンボル走査中に利得を補正する本発明の一実施形態を示すダイアグラムである。
【図5A】較正のためのスキャン・ウィンドウのセグメント化の一実施形態を示すダイアグラムである。
【図5B】利得補正値を得るためにスキャナを較正するプロセスの一実施形態を示すフローチャートである。
【図6】図5の較正プロセスの間に利得補正値がどのように調整かつ格納されるかのプロセスの一実施形態を示す表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記スキャン・ウィンドウの前縁から前記スキャン・ウィンドウの後縁まで走査された光ビームによる、スキャン・ウィンドウ内にあるシンボルから反射された光信号を受け取る光検出器と、
前記ビーム走査の間に前記光検出器の利得を調整するために前記光検出器に結合されたプロセッサとを備えた装置。
【請求項2】
前記プロセッサは前記前縁または前記後縁のうち一方の所定の距離内で利得を調整することによって、前記光検出器の利得を調整する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサは前記前縁と前記後縁の所定の距離内で利得を調整することによって、前記光検出器の利得を調整する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記スキャン・ウィンドウを複数のセグメントに分割し、前記光検出器に各々前記セグメントの1つに対応する複数の利得補正値を適用することによって前記光検出器の利得を調整する請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のセグメントは、前記前縁と前記後縁の側に集められた複数のセグメントおよび前記前縁と前記後縁とのほぼ中間にある1つのセグメントを含んでいる請求項4に記載の装置。
【請求項6】
メモリをさらに備え、前記光検出器が各々前記前縁と前記後縁との間の前記スキャン・ウィンドウのあるセグメントに各々対応する複数の利得補正値を得るように較正され、かつ前記複数の利得補正値は前記メモリに格納される請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記利得を調整することが、格納された利得補正値を呼び出し、前記利得補正値をそれに対応するセグメントに適用することを含む請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記光検出器を較正することが、
前記スキャン・ウィンドウを複数のセグメントに分割し、
前記スキャン・ウィンドウ内にあるテスト・シンボルを走査し、かつ各セグメント内で受信された信号のピーク振幅を決定し、
各セグメントに対して、前記セグメント内で受信された信号のピーク振幅と前記走査を通して受信された信号の最大ピーク振幅との間の差に基づいて利得補正値を算出すること
を含む請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記利得補正値を算出することは、前記セグメントの前記ピーク振幅が前記最大ピーク振幅と等しくなるか、あるいはそれを超えるまで各セグメントの利得を調整することを含み、前記利得補正値が各セグメントの累積的利得調整値にほぼ等しい請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記光検出器を較正することと前記利得補正値を格納することが1回実行される請求項6に記載の装置。
【請求項11】
光ビームを生成し、かつ前記光ビームをスキャン・ウィンドウにわたって該スキャン・ウィンドウの前縁から該スキャン・ウィンドウ内にあるシンボルの後縁まで走査するための光ビーム生成器と、
前記スキャン・ウィンドウ内にあるシンボルから反射された光信号を受信するための光検出器と、
前記光検出器に結合されて前記走査の間に前記光検出器の利得を調整するためのプロセッサと、
前記プロセッサに結合され、複数の利得補正値を格納するメモリと
を備えた走査装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記スキャン・ウィンドウを複数のセグメントに分割し、
各々前記セグメントの1つに対応する前記利得補正値を前記光検出器に適用することによって前記光検出器の利得を調整する請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記複数のセグメントは、前記前縁と前記後縁の側に集められた複数のセグメントおよび前記前縁と前記後縁とのほぼ中間にある1つのセグメントとを含んでいる請求項12に記載の装置。
【請求項14】
メモリをさらに備え、前記光検出器が各々前記前縁と前記後縁との間の前記スキャン・ウィンドウのあるセグメントに各々対応する複数の利得補正値を得るように較正され、かつ前記複数の利得補正値が前記メモリに格納される請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記利得を調整することは、格納された利得補正値を呼び出し、前記利得補正値をそれに対応するセグメントに適用することを含む請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記光検出器を較正することは、
前記スキャン・ウィンドウを複数のセグメントに分割し、
前記スキャン・ウィンドウ内にあるテスト・シンボルを走査し、かつ各セグメント内で受信された信号のピーク振幅を決定し、
各セグメントに対して、前記セグメント内で受信された信号のピーク振幅と前記走査の間に受信された信号の最大ピーク振幅との間の差に基づいて利得補正値を算出することを含む請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記利得補正値を算出することは、前記セグメントの前記ピーク振幅が前記最大ピーク振幅と等しくなるか、あるいはそれを超えるまで各セグメントの利得を調整し、前記利得補正値が各セグメントの累積的利得調整値にほぼ等しい請求項14に記載の装置。
【請求項18】
光ビームがスキャン・ウィンドウの前縁から前記スキャン・ウィンドウの後縁まで走査するときに前記スキャン・ウィンドウ内にあるシンボルから反射された光エネルギを含んだ光信号を光検出器を用いて受信する工程と、
前記光信号を受け取る間に前記光検出器の利得を調整する工程とを含むプロセス。
【請求項19】
前記光検出器の利得を調整する工程は、前記前縁または前記後縁のうちの一方の所定の距離内で前記利得を調整する工程を含む請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記光検出器の利得を調整する工程は、前記前縁および前記後縁の所定の距離内で前記利得を調整する工程を含む請求項18に記載のプロセス。
【請求項21】
前記光検出器の利得を調整する工程は複数の利得補正値を適用する工程を含み、各々の利得補正値は前記スキャン・ウィンドウの前記前縁と前記後縁との間の異なる位置に対応する請求項18に記載のプロセス。
【請求項22】
前記光検出器の利得を調整する工程は、
前記スキャン・ウィンドウを複数のセグメントに分割する工程と、
前記光検出器に各々前記セグメントの1つに対応する複数の利得補正値を適用する工程とを含む請求項18に記載のプロセス。
【請求項23】
前記複数のセグメントは、前記前縁と前記後縁の側に集められた複数のセグメントおよび前記前縁と前記後縁とのほぼ中間にある1つのセグメントを含む請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
利得補正値を適用する工程は、格納された利得補正値を呼び出す工程と該利得補正値をそれに対応するセグメントに適用する工程とを含む請求項22に記載のプロセス。
【請求項25】
前記前縁と前記後縁との間の前記スキャン・ウィンドウのあるセグメントに各々対応する複数の利得補正値を得るように前記光検出器を較正する工程と、
前記複数の利得補正値を格納する工程とをさらに含む請求項18に記載のプロセス。
【請求項26】
前記光検出器を較正する工程は、
前記スキャン・ウィンドウを複数のセグメントに分割する工程と、
テスト・シンボルを走査し、かつ各セグメント内で受信された信号のピーク振幅を決定する工程と、
各セグメントに対して、前記セグメント内で受信された前記信号のピーク振幅と前記走査を通して受信された信号の最大ピーク振幅との間の差に基づいて利得補正値を算出する工程とを含む請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
利得補正値を算出する工程は、前記セグメントの前記ピーク振幅が前記最大ピーク振幅と等しくなるか、あるいはそれを超えるまで各セグメントの利得を調整する工程を含み、 前記利得補正値は各セグメントの累積的利得調整値にほぼ等しい請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記光検出器を較正する工程および前記利得補正値を格納する工程が1回実行される請求項18に記載のプロセス。
【請求項29】
スキャン・ウィンドウを横断して光信号を前記スキャン・ウィンドウの前縁から前記スキャン・ウィンドウの後縁まで走査する工程と、
光ビームがスキャン・ウィンドウの前縁から前記スキャン・ウィンドウの後縁まで走査するときに、前記スキャン・ウィンドウ内にあるシンボルから反射された光エネルギを含んだ光信号を光検出器を用いて受信する工程と、
前記走査中に前記光検出器に適用される基準利得プロファイルを決定する工程と、
前記光信号を受け取る間に前記基準利得プロファイルに利得補正プロファイルを適用する工程とを含んだプロセス。
【請求項30】
前記基準利得プロファイルは前記走査にわたって一定である請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記基準利得プロファイルは自動利得制御(AGC)を用いて決定される請求項29に記載のプロセス。
【請求項32】
利得補正プロファイルを適用する工程は、各々前記スキャン・ウィンドウの前記前縁と前記後縁との間の異なる位置に対応する複数の利得補正値を適用する工程を含む請求項29に記載のプロセス。
【請求項33】
利得補正プロファイルを適用する工程は、
前記スキャン・ウィンドウを複数のセグメントに分割する工程と、
前記光検出器に各々前記セグメントの1つに対応する複数の利得補正値を適用する工程とを含む請求項29に記載のプロセス。
【請求項34】
前記複数のセグメントは、前記前縁と前記後縁の側に集められた複数のセグメントおよび前記前縁と前記後縁とのほぼ中間にある1つのセグメントを含む請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
利得補正プロファイルを適用する工程は、格納された利得補正値を呼び出す工程と格納された各利得補正値をそれに対応するセグメントに適用する工程とを含む請求項33に記載のプロセス。
【請求項36】
前記前縁と前記後縁との間の前記スキャン・ウィンドウのあるセグメントに各々対応する複数の利得補正値を得るように前記光検出器を較正する工程と、
前記複数の利得補正値を格納する工程とをさらに含む請求項29に記載のプロセス。
【請求項37】
前記光検出器を較正する工程は、
前記スキャン・ウィンドウを複数のセグメントに分割する工程と、
テスト・シンボルを走査し、かつ各セグメント内で受信された信号のピーク振幅を決定する工程と、
各セグメントに対して、前記セグメント内で受信された前記信号のピーク振幅と前記走査を通して受信された信号の最大ピーク振幅との間の差に基づいて利得補正値を算出する工程とを含む請求項36に記載のプロセス。
【請求項38】
利得補正値を算出する工程は、前記セグメントの前記ピーク振幅が前記最大ピーク振幅と等しくなるか、あるいはそれを超えるまで各セグメントの利得を調整する工程を含み、 前記利得補正値は各セグメントの累積的利得調整値にほぼ等しい請求項37に記載のプロセス。
【請求項39】
スキャナの利得補正値を得るプロセスであって、
各々スキャン・ウィンドウの前縁と後縁との間の異なる位置に対応する複数の利得補正値を得るために前記光検出器を較正する工程と、
前記複数の利得補正値を格納する工程とを含んだプロセス。
【請求項40】
前記光検出器を較正する工程は、
前記スキャン・ウィンドウを複数のセグメントに分割する工程と、
テスト・シンボルを走査し、かつ各セグメント内で受信された信号のピーク振幅を決定する工程と、
各セグメントに対して、前記セグメント内で受信された前記信号のピーク振幅と前記走査を通して受信された信号の最大ピーク振幅との間の差に基づいて利得補正値を算出する工程とを含む請求項39に記載のプロセス。
【請求項41】
利得補正値を算出する工程は、前記セグメントの前記ピーク振幅が前記最大ピーク振幅と等しくなるか、あるいはそれを超えるまで各セグメントの利得を調整する工程を含み、 前記利得補正値は各セグメントの累積的利得調整値にほぼ等しい請求項40に記載のプロセス。
【請求項42】
前記光検出器を較正する工程と前記利得補正値を格納する工程が1回実行される請求項41に記載のプロセス。
【請求項43】
光検出器を備えたスキャナの利得補正プロファイルを得るプロセスであって、該プロセスは、
各々スキャン・ウィンドウの前縁と後縁との間の異なる位置に対応する前記利得補正プロファイルを得るために前記光検出器を較正する工程と、
前記利得補正プロファイルを格納する工程とを含んだプロセス。
【請求項44】
前記光検出器を較正する工程は、
前記スキャン・ウィンドウを複数のセグメントに分割する工程と、
テスト・シンボルを走査し、かつ各セグメント内で受信された信号のピーク振幅を決定する工程と、
各セグメントに対して、前記セグメント内で受信された前記信号のピーク振幅と前記走査を通して受信された信号の最大ピーク振幅との間の差に基づいて利得補正値を算出する工程とを含む請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
利得補正値を算出する工程は、前記セグメントの前記ピーク振幅が前記最大ピーク振幅と等しくなるか、あるいはそれを超えるまで各セグメントの利得を調整する工程を含み、 前記利得補正値は各セグメントの累積的利得調整値にほぼ等しい請求項44に記載のプロセス。
【請求項46】
前記光検出器を較正する工程と前記利得補正値を格納する工程が1回実行される請求項43に記載のプロセス。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−500655(P2006−500655A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537723(P2004−537723)
【出願日】平成15年9月2日(2003.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2003/027771
【国際公開番号】WO2004/027691
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(502435683)マイクロスキャン・システムズ・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】