説明

走査光学系およびそれを備えたプロジェクタ

【課題】小型化することが可能な走査光学系およびそれを備えたプロジェクタを提供する。
【解決手段】レーザ光を出射するレーザ光源部1と、出射されたレーザ光を平行化するレンズ光学系11、17、19と、平行化されたレーザ光を所定の光路に導光する光学部品と、光学部品により導光されて入射するレーザ光を、走査ミラー3に向けて投射する投射部材(投射部材8、投射プリズム81)と、投射されたレーザ光を投影面に向けて反射する前記走査ミラー3を有し、該走査ミラーを二次元走査することによりレーザ光の走査を行う走査部2と、を備える走査光学系10およびそれを備えたプロジェクタ100とし、投射部材が、走査ミラー3の非駆動状態の反射面3aと対向する側に第一反射面を備えた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査光学系およびそれを備えたプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーンなどの投影面に投影する画像表示装置として、レーザ光を平行化し、その平行化したレーザ光を投影面上において二次元方向(水平方向および垂直方向)に走査するレーザプロジェクタが知られている。
【0003】
従来のレーザプロジェクタでは、赤色、緑色および青色の三原色のレーザ光を得るために、赤色、緑色および青色のレーザ光を生成するレーザ光源が装置内に装着されている。さらに、レーザ光源に加えて、そこから出射されるレーザ光を走査する走査ミラーなどの光学系も装置内に装着されている。そして、従来では、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)によって構成されたMEMSミラーを走査ミラーとして用いたものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
具体的に説明すると、特許文献1には、レーザ光の二次元走査を2つのMEMSミラーによって行うレーザプロジェクタが開示されている。すなわち、この特許文献1のレーザプロジェクタは、2つのMEMSミラーのうちの一方のMEMSミラーでレーザ光を水平方向に走査し、他方のMEMSミラーでレーザ光を垂直方向に走査するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−268709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年では、携帯電話などのモバイル端末にレーザプロジェクタを搭載するために、レーザプロジェクタの小型化が要求されている。特に、携帯電話においては小型化が進んでいるため、携帯電話に搭載するレーザプロジェクタのさらなる小型化は必須である。しかしながら、特許文献1のレーザプロジェクタでは、MEMSミラーを走査ミラーとして用いることで、ある程度は小型になっているが、携帯電話への搭載を考慮すると、そのサイズは未だ大き過ぎるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、小型化することが可能な走査光学系およびそれを備えたプロジェクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、レーザ光を出射するレーザ光源部と、出射されたレーザ光を平行化するレンズ光学系と、平行化されたレーザ光を所定の光路に導光する複数の光学部品と、前記光学部品により導光されて入射する前記レーザ光を、走査ミラーに向けて投射する投射部材と、投射されたレーザ光を投影面に向けて反射する前記走査ミラーを有し、該走査ミラーを二次元走査することによりレーザ光の走査を行う走査部と、を備え、前記投射部材は、前記ミラーの非駆動状態の反射面と対向する側に第一反射面を備えた走査光学系としたことを特徴としている。
【0009】
上記の構成によると、投射部材の反射面を走査ミラーの反射面と対向して設けるので、走査光学系を小型化することが可能となる。
【0010】
また本発明は上記構成の走査光学系において、前記第一反射面は、前記走査ミラーの非駆動状態の反射面に対して平行に配置されることを特徴としている。この構成によると、投射部材の反射面を走査部と平行に配置するので、走査ミラーの上部に投射ミラーを斜めに傾斜して配置する構成と比較して走査光学系の厚みを薄くすることが可能となる。なお、走査光学系の厚みとは、非駆動状態の走査ミラーの反射面の法線方向に沿った方向の厚みのことである。
【0011】
また本発明は上記構成の走査光学系において、前記投射部材は、導光された前記レーザ光を前記第一反射面に向けて反射するように、前記走査ミラーの非駆動状態の反射面と同じ側を向いた第二反射面を備えたことを特徴としている。この構成によると、第二反射面から第一反射面に向けて立ち上げるように反射し、第一反射面から走査ミラーに向けて立ち下げるように反射するので、第二反射面にレーザ光を入射する光学部品の光路の高さ位置の設定に対する自由度が増加し、走査光学系を小型化する際に有効となる。また、走査ミラーに向けて立ち下げるようにしてレーザ光を投射する反射面となる第一反射面が走査ミラーと平行に設置されるので、走査光学系の薄型化を図ることが可能となる。
【0012】
また本発明は上記構成の走査光学系において、前記投射部材が、前記導光されたレーザ光が入射する入射面と、該入射したレーザ光を内部反射する第二反射面と、該第二反射面により反射されたレーザ光を内部反射する第一反射面と、該第一反射面で反射されたレーザ光を前記走査ミラーに向けて投射する投射面と、を備える一体的に形成された投射プリズムであることを特徴としている。この構成によると、第一反射面と第二反射面と投射面とを一体的に備えた投射プリズムを用いることで、走査光学系の小型化を図ることが容易となる。
【0013】
また本発明は上記構成の走査光学系において、前記レーザ光は、前記複数の光学部品により、前記走査ミラーの非駆動状態の反射面に対してほぼ平行な平面に沿って進み、前記投射部材に入射する手前で前記走査ミラーに近づく方向に導光されることで前記第二反射面に入射し、該第二反射面により前記走査ミラーと離れる方向に反射されて前記第一反射面に入射することを特徴としている。この構成によると、複数の光学部品を介して走査ミラーに近づく位置までレーザ光を走査ミラーと平行に導光し、その後、一旦、走査ミラーから遠ざけて、第一反射面を介して走査ミラーに立ち下げるように投射するので、走査光学系の薄型化と小型化を図ることができる。
【0014】
また本発明は上記構成の走査光学系において、前記走査ミラーの非駆動状態の反射面に対して、前記レーザ光の出射方向が平行になるように、前記レーザ光源部を配置したことを特徴としている。この構成によると、走査部と平行な面に光路を形成するように光学系を配置することができ走査部の厚みを小さくして、走査光学系を薄型にすることが可能となる。
【0015】
また本発明は上記構成の走査光学系において、前記走査部は、駆動源と、該駆動源により、互いに直交している2軸周りに回動可能な走査ミラーを組み込んだ微小電気機械システムによって構成されていることを特徴としている。この構成によると、走査部の厚みを小さくすることができ、1つの走査ミラーでレーザ光の二次元走査を行うことができ、走査光学系の薄型化を図ることが容易となる。
【0016】
また本発明のプロジェクタは、上記の構成の走査光学系を備えている。この構成によると、容易にプロジェクタを小型化することができる。
【0017】
また本発明は上記構成のプロジェクタにおいて、前記プロジェクタは、複数の面からなる薄型の筐体を有し、前記走査光学系は、前記走査ミラーの非駆動状態の反射面を含む平面と、前記筐体を構成する最も広い面とが平行になるように配置され、前記筐体の最も広い面に設置された開口部からレーザ光が投射されることを特徴としている。この構成によると、走査光学系を薄型にすることができるので、プロジェクタの薄型化と小型化が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、走査光学系およびそれを備えたプロジェクタを容易に小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る走査光学系の概要を示す断面図である。
【図2】本発明に係る走査光学系の構成を示す平面図である。
【図3】投射プリズムを使用した変形例であって、(a)に第一の変形例の概略断面図を示し、(b)に第二の変形例の概略断面図を示す。
【図4】走査部の一例を示す平面図である。
【図5】図4に示した走査部の一部(駆動部)を拡大した断面図である。
【図6】本発明に係るプロジェクタを搭載したモバイル端末の使用状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。また、同一構成部材については同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。
【0021】
本実施形態に係るプロジェクタ100は、例えば図6に示すように、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などのモバイル端末40に搭載されるものである。従って、このプロジェクタ100は、モバイル端末40内の小さなスペースに収納することが可能な程度に小型化されている。
【0022】
プロジェクタ100の光源としてはレーザ光を生成するものが用いられており、投影面41上においてレーザ光を水平方向(H方向)および垂直方向(V方向)に走査することによって、プロジェクタ100に入力された画像情報を投影面41に投影するようになっている。この投影面41としては、別途準備したスクリーンでもよいが、スクリーン以外のものでもよい。例えば、壁面などを投影面41としてもよい。
【0023】
また、プロジェクタ100に入力された画像情報の色調の再現については、光の三原色である赤色、緑色および青色のレーザ光を高速で強度変調し、それらを合成することによって行われる。この場合、赤色のレーザ光の波長は、例えば、約640nmに設定されるとともに、緑色のレーザ光の波長は、例えば、約530nmに設定される。また、青色のレーザ光の波長は、例えば、約450nmに設定される。
【0024】
次に、前述したプロジェクタが備える走査光学系について、図1〜図5を用いて説明する。図1および図2に示す走査光学系10は、赤色、緑色および青色の三色のレーザ光を生成して平行化した後に、それらを合成して走査するように構成されている。すなわち、走査光学系10は、レーザ光を出射するレーザ光源部1と、出射されたレーザ光を平行化するレンズ光学系と、平行化されたレーザ光を所定の光路に導光する光学部品と、導光されたレーザ光を投影面に向けて射出して二次元走査する走査ミラー3を有する走査部2とを備えており、それらが、所定のケース部材10aに収納された構成となっている。なお、図中において、レーザ光は二点鎖線で表している。
【0025】
レーザ光源部1は、赤色、緑色および青色のレーザ光を生成するためのものである。以下、赤色のレーザ光を生成するレーザ光源部1をレーザ光源部1−Rと言うとともに、緑色のレーザ光を生成するレーザ光源部1をレーザ光源部1−Gと言う。また、青色のレーザ光を生成するレーザ光源部1をレーザ光源部1−Bと言う。
【0026】
レーザ光源部1−Rは、発光強度が強く、かつ、強度の高速変調が可能な赤色半導体レーザからなっている。このレーザ光源部1−Rとしての赤色半導体レーザは、CANパッケージタイプであり、ステムと称される放熱基台にレーザチップが取り付けられ、そのレーザチップが保護部材であるキャップで覆われた構造となっている。
【0027】
レーザ光源部1−Gは、例えば、赤外半導体レーザと波長変換素子とを組み合わせたものであって、赤外半導体レーザからのレーザ光の波長を波長変換素子で1/2に波長変換することにより緑色のレーザ光を生成するようになっている。なお、レーザ光源部1−Gの構造としては特に限定されるものではないが、赤外半導体レーザと波長変換素子とを組み合わせたものの方が効率がよい。
【0028】
レーザ光源部1−Bは、発光強度が強く、かつ、強度の高速変調が可能なCANパッケージタイプの青色半導体レーザからなっており、その構造はレーザ光源部1−Rと略同じである。
【0029】
また、走査部2は、合成後のレーザ光を二次元走査するためのものであって、合成後のレーザ光を投影面41(図6参照)に向けて射出する走査ミラー3を少なくとも有している。この走査ミラー3の傾斜角は変動可能となっており、走査ミラー3の傾斜角を変動させることにより、走査部2による合成後のレーザ光の二次元走査が行われる。
【0030】
ここで、本実施形態では、走査ミラー3をMEMS(微小電気機械システム)に組み込み、その走査ミラー3が組み込まれたMEMSを走査部2としている。また、この走査部2は、略平坦で厚みが小さく、かつ、その外形が平面視(図2参照)において略正方形状(例えば、1辺の長さが約1cm)となっている。
【0031】
具体的な構造としては、図4に示すように、走査部2はシリコン基板に対してエッチング処理などを施すことで得られる構造体からなっており、走査ミラー3に加えて、固定枠4、駆動部5および可動枠6などを一体的に有している。なお、以下の説明では、走査ミラー3の中心を図4の横方向に横切る軸をX軸とし、走査ミラー3の中心を図4の縦方向に横切る軸をY軸とする。言い換えると、X軸とY軸とが直交する点を走査ミラー3の中心とする。
【0032】
固定枠4は、走査部2の外縁に相当する部分であって、他の部分(走査ミラー3、駆動部5および可動枠6など)を取り囲んでいる。
【0033】
駆動部5は、X軸方向において固定枠4と細い接続梁で接続され、Y軸方向において固定枠4と連結されている。さらに、駆動部5は4つのユニモルフ構造を含んでいるとともに、その4つのユニモルフ構造がX軸およびY軸のそれぞれを対称軸として対称となり、かつ、互いに離間した状態となるように配置されている。また、駆動部5としてのユニモルフ構造は、図5に示すように、圧電素子(PZTなどを原料とした焼結体を分極処理したもの)5aを一対の電極5bで挟持し、それをシリコン基板の駆動部5となる領域上に貼り付けることによって形成されている。
【0034】
このような駆動部5では、一対の電極5bに電圧が印加されると、一対の電極5bに挟持された圧電素子5aが伸長または収縮する。そして、圧電素子5aが伸長または収縮すると、それに応じて、シリコン基板の駆動部5となる領域が変形する。すなわち、駆動部5は、電力が供給されることで駆動する。
【0035】
また、図4に示すように、可動枠6は、駆動部5の内側に位置する略ひし形形状の枠である。この可動枠6のX軸上の両端部は駆動部5と連結され、それ以外の部分は駆動部5から分離されている。これにより、可動枠6は、X軸周りに回動可能となっている。
【0036】
可動枠6の内側には、Y軸方向に沿って延びる一対のトーションバー7が設けられている。この一対のトーションバー7は、Y軸と重なり、かつ、X軸に対して対称となるように配置されている。さらに、一対のトーションバー7のそれぞれの一方端は、可動枠6のY軸上の端部に連結されている。
【0037】
そして、走査ミラー3は、一対のトーションバー7のそれぞれの他方端の間に配置されており、その他方端によって支持されている。このため、走査ミラー3は、可動枠6と共にX軸周りに回動され、トーションバー7を回動軸としてY軸周りに回動されることになる。なお、走査ミラー3は、略円形状に形成されており、金やアルミニウムなどからなる反射膜をシリコン基板の走査ミラー3となる領域上に貼り付けることで得ている。
【0038】
本実施形態の走査部2は、上記のような構造となっている。そして、この走査部2の走査動作は、4つの駆動部5を駆動させるタイミングを調整し、走査ミラー3をX軸周りおよびY軸周りに振動させることによって行われる。例えば、X軸周りに振動するときの周波数は約60Hzに設定され、Y軸周りに振動するときの周波数は約30kHzに設定される。
【0039】
4つの駆動部5のそれぞれに5−1〜5−4の符号を付して具体的に説明すると、走査ミラー3をX軸周りに振動させる際には、駆動部5−1および5−3を一方の組とするとともに、駆動部5−2および5−4を他方の組とし、一方の組および他方の組のそれぞれに印加する電圧の正負を反転させる。この場合、一方の組である駆動部5−1および5−3の圧電素子が伸長する方向に変形すると、他方の組である駆動部5−2および5−4の圧電素子が収縮する方向に変形し、一方の組である駆動部5−1および5−3の圧電素子が収縮する方向に変形すると、他方の組である駆動部5−2および5−4の圧電素子が伸長する方向に変形する。これにより、走査ミラー3が可動枠6と共にX軸周りに振動し、走査ミラー3の傾きがX軸周りに変動する。なお、トーションバー7のねじれ方向はX軸周りの振動方向と直交する方向であるため、この走査ミラー3のX軸周りの振動には影響しない。
【0040】
また、走査ミラー3をY軸周りに振動させる際には、駆動部5−1および5−2を一方の組とするとともに、駆動部5−3および5−4を他方の組とし、一方の組および他方の組のそれぞれに印加する電圧の正負を反転させる。この場合、一方の組である駆動部5−1および5−2の圧電素子が伸長する方向に変形すると、他方の組である駆動部5−3および5−4の圧電素子が収縮する方向に変形し、一方の組である駆動部5−1および5−2の圧電素子が収縮する方向に変形すると、他方の組である駆動部5−3および5−4の圧電素子が伸長する方向に変形する。これにより、走査ミラー3が可動枠6と共にY軸周りに振動し、走査ミラー3の傾きがY軸周りに変動する。
【0041】
このとき、駆動部5を変形させることのみで走査ミラー3をY軸周りに傾かせようとすると、走査ミラー3のY軸周りの傾きの変動は小さくなってしまう。このため、実際に走査動作を行う際には、駆動部5に印加される電圧の周波数によって走査ミラー3が共振するように、駆動部5への印加電圧の周波数が設定される。すなわち、走査ミラー3のY軸周りの振動は、トーションバー7を基準としてなされる。
【0042】
上記のように走査部2は、駆動源と、該駆動源により、互いに直交している2軸周りに回動可能な走査ミラー3を組み込んだ微小電気機械システムによって構成されているので、走査部2の厚みを小さくすることができ、1つの走査ミラー3でレーザ光の二次元走査を行うことができ、走査光学系の薄型化を図ることが容易となる。
【0043】
ところで、本実施形態では、赤色、緑色および青色のレーザ光が、図1および図2に示すような光路(図中の二点鎖線)をとるように構成されている。すなわち、赤色、緑色および青色のレーザ光を平行化した後、それらを複数個の光学部品で反射することによって、赤色、緑色および青色のレーザ光を走査ミラー3に向かって進行させている。また、互いに異なる2つの光学部品の間の光路を1つの光路とした場合に、非駆動状態の走査ミラー3の反射面3aの法線方向N(図1参照)に対して、少なくとも2つの光路を含む平面を直交させている。以下に、赤色、緑色および青色のレーザ光の光路について詳細に説明する。
【0044】
まず、ケース部材10aの内部において、図2の上側から下側に向かって、レーザ光源部1−G、1−Rおよび1−Bがこの順番で並べられている。さらに、レーザ光源部1−R、1−Gおよび1−Bは、それぞれの出射方向が互いに同じ方向になり、かつ、それぞれの出射方向が非駆動状態の走査ミラー3の反射面3aに対して平行になるように配置されている。
【0045】
また、走査ミラー3の上方付近(図1参照)には、図2には図示しないが、合成後のレーザ光を走査ミラー3に投射するための第一反射面を備える投射部材8が設置されている。また、この投射部材8として、例えば、第一反射面を形成する投射ミラー8Aと、レーザ光を投射ミラー8Aに向けて反射する反射ミラー8Bが配置されている。すなわち、この投射部材8(投射ミラー8A、反射ミラー8B)によって、合成後のレーザ光が走査ミラー3に向けて反射される。
【0046】
具体的な光路としては、赤色のレーザ光は、レーザ光源部1−Rから出射された後、レンズ光学系11、折り曲げミラー12、ダイクロイックミラー13、ダイクロイックミラー14、折り曲げミラー15および反射ミラー8B、投射ミラー8Aをこの順番で経由し、投射ミラー8Aの反射面(第一反射面)で反射されることによって走査ミラー3に投射される。
【0047】
なお、レンズ光学系11は、レーザ光を発散光から平行光にするためのものである。折り曲げミラー12および15は、レーザ光の進行方向を単に変化させるためのものであって、本発明の「光学部品」の一例である。ダイクロイックミラー13は、赤色のレーザ光を透過し、青色のレーザ光を反射するものであり、図2に示すように配置することで、赤色および青色のレーザ光を合成する機能を持つ。また、ダイクロイックミラー14は、赤色および青色のレーザ光を反射し、緑色のレーザ光を透過するものであり、図2に示すように配置することで、赤色、緑色および青色のレーザ光を合成する機能を持つ。これらダイクロイックミラー13および14も、本発明の「光学部品」の一例である。
【0048】
この赤色のレーザ光は、レンズ光学系11で平行化された後に、同一の平面内において、折り曲げミラー12、ダイクロイックミラー13、ダイクロイックミラー14および折り曲げミラー15をこの順番で経由している。
【0049】
緑色のレーザ光は、レーザ光源部1−Gから出射された後、折り曲げミラー16、レンズ光学系17、折り曲げミラー18、ダイクロイックミラー14、折り曲げミラー15および反射ミラー8B、投射ミラー8Aをこの順番で経由し、投射ミラー8Aの反射面(第一反射面)で反射されることによって走査ミラー3に投射される。なお、緑色のレンズ光学系17は2枚で構成されているが、1枚で構成してもよい。
【0050】
なお、レンズ光学系17は、レーザ光を発散光から平行光にするためのものである。折り曲げミラー18は、レーザ光の進行方向を単に変化させるためのものであって、本発明の「光学部品」の一例である。折り曲げミラー16については、他の折り曲げミラーと同様の機能を持つが、平行化される前のレーザ光を反射するように配置されている。すなわち、緑色のレーザ光は、出射直後に折り曲げミラー16に入射することで進行方向を変えた後、レンズ光学系17によって平行化される。
【0051】
この緑色のレーザ光においては、レンズ光学系17で平行化された後、光路を同一の平面内にとっている。すなわち、緑色のレーザ光は、レンズ光学系17で平行化された後に、同一の平面内において、折り曲げミラー18、ダイクロイックミラー14および折り曲げミラー15をこの順番で経由している。
【0052】
青色のレーザ光は、レーザ光源部1−Bから出射された後、レンズ光学系19、ダイクロイックミラー13、ダイクロイックミラー14、折り曲げミラー15および投射部材8をこの順番で経由し、投射部材8が備える第一反射面で反射されることによって走査ミラー3に投射される。なお、レンズ光学系19は、レーザ光を発散光から平行光にするためのものである。
【0053】
この青色のレーザ光においては、レンズ光学系19で平行化された後、光路を同一の平面内にとっている。すなわち、青色のレーザ光は、レンズ光学系19で平行化された後に、同一の平面内において、ダイクロイックミラー13、ダイクロイックミラー14および折り曲げミラー15をこの順番で経由している。
【0054】
そして、本実施形態では、赤色、緑色および青色のレーザ光の全てにおいて、投射部材8(ここでは、反射ミラー8Bに導光されるまで)に至る光路が同一の平面内に含まれており、その平面が非駆動状態の走査ミラー3の反射面3aの法線方向Nと直交している。言い換えると、上記の平面が非駆動状態の走査ミラー3の反射面3aに対して平行になっている。
【0055】
また、本実施形態では、図2に示すような状態となるように種々の光学部品を配置することで、赤色、緑色および青色のレーザ光が、走査ミラー3に入射するまでに5回ずつ反射されることになる。すなわち、赤色のレーザ光は、折り曲げミラー12、ダイクロイックミラー14、折り曲げミラー15および反射ミラー8B、投射ミラー8Aの順番で反射されるため、その反射回数は5回となる。緑色のレーザ光は、折り曲げミラー16、折り曲げミラー18、折り曲げミラー15および反射ミラー8B、投射ミラー8Aの順番で反射されるため、その反射回数は5回となる。また、青色のレーザ光は、ダイクロイックミラー13、ダイクロイックミラー14、折り曲げミラー15および反射ミラー8B、投射ミラー8Aの順番で反射されるため、その反射回数は5回となる。なお、本実施形態ではダイクロイックミラーは折り返しミラーを示しているが、レーザ光を合成する手段としては、ダイクロイックプリズムや反射プリズムでもよい。
【0056】
また本実施形態では、合成されたレーザ光を走査ミラー3に向けて投射する投射部材8として、第一反射面を形成する投射ミラー8Aと、レーザ光を第一反射面に向けて反射する第二反射面を形成する反射ミラー8Bを用いている。第一反射面は、走査ミラー3の非駆動状態の反射面と対向する側に設けられている反射面である。このように、投射部材8の反射面を走査ミラーの反射面3aと対向して設けるので、走査光学系の厚みを薄くすることが可能となって、走査光学系を小型化することが可能となる。
【0057】
また、この第一反射面は、走査ミラー3の非駆動状態の反射面3aに対して平行に配置することが好ましい。この構成であれば、投射部材の反射面(第一反射面)を走査部2とほぼ平行に配置するので、走査ミラー3の上部に投射ミラーを斜めに傾斜して配置する構成と比較して走査光学系の厚みをさらに薄くすることが可能となって、走査光学系を小型化することが可能となる。
【0058】
折り曲げミラー15から走査部2と平行(非駆動状態の走査ミラー3の反射面3aに対して平行)に反射される入射光R1は、第二反射面(反射ミラー8B)から第一反射面(投射ミラー8A)に向けて立ち上げられ、第一反射面から走査ミラー3に向かう投射光R2Bとして立ち下げられている。
【0059】
また、走査ミラー3から射出光R3が射出されるが、この射出光R3は、投射光R2Bとは逆方向に射出されていて、投射部材8(投射ミラー8A、反射ミラー8B)と干渉しない方向に射出される構成となる。
【0060】
本実施形態では、走査ミラー3の上部に、第一反射面を備える投射ミラー8Aを走査部2と平行に配置することができるので、走査ミラー3の上部に投射ミラーを斜めに傾斜して配置する構成と比較して走査光学系の厚みを薄くすることが可能となって好ましい。
【0061】
ここで、図2に示す走査部2は、レーザ光源部1−Rとレーザ光源部1−Bの大部分、および複数の光学部品が重畳する位置に設置されている。そのために、この構成であれば走査光学系の平面積を容易に小さくすることができる。また、このサイズの走査部2に替えてより小さいサイズの走査部2A(図中の想像線に示す)を用いると、レーザ光源部1やその他の光学部品と重畳しない構成とすることができる。この構成であれば、レーザ光の光路をより走査部2Aの面に接近させることが可能となって、走査光学系の厚みをさらに薄くできる。さらに、レーザ光の光路の配設空間の自由度が増して走査光学系のレイアウト構成の自由度が大きくなって好ましい。
【0062】
次に、投射ミラー8Aと反射ミラー8Bを備えた投射部材に替えて投射プリズムを用いた変形例について図3(a)(b)を用いて説明する。図3(a)に示す第一の変形例の投射プリズム81は、折り曲げミラー15からの入射光R1が入射する入射面81aと、走査ミラー3に向かう投射光R2Dを投射する投射面81dを備えている。また、投射プリズム81に入射したレーザ光を内部に反射する第二反射面81b、第一反射面81cを備えている。第二反射面81b、第一反射面81cが全反射する反射面であれば、入射光R1を全て投射光R2Dとして投射することが可能となる。
【0063】
また、第二反射面81b、第一反射面81cのいずれか一方の反射面を、プリズム内部を進行するレーザ光R2Cの一部を透過する半透過型として、透過光をフォトダイオードなどの光検出器に導光してレーザ光の光量を検出してレーザ光出力を調節する構成としてもよい。
【0064】
第二反射面81bは、プリズム体の側面に設ける入射面81aから入射したレーザ光を第一反射面81cに向けて立ち上げるようにして反射する傾斜反射面である。第一反射面81cは、プリズム体の上面に設けられる上部反射面として走査ミラー3に向かうレーザ光を立ち下げるように反射しており、走査ミラー3の非駆動状態の反射面3aに対して平行に設置されている。また、第一反射面81cから反射されたレーザ光を投射する投射面81dを走査ミラー3に対向する傾斜面としている。このように、投射プリズム81の上面を走査ミラー3にレーザ光を立ち下げる第一反射面とすることができるので、走査光学系の薄型化を図ることが容易となる。
【0065】
この変形例でも、走査ミラー3から射出される射出光R3は、投射光R2Dとは逆方向に射出されて、投射プリズム81と干渉しない方向に射出される構成となる。そのために、投射部材である投射プリズム81の設置位置に制限を受けることがなく、コンパクトな設計が可能となる。また、投射プリズム81の上面を形成すると共に反射面となる第一反射面81cを走査部2と平行に配置することができるので、走査光学系の厚みを薄くすることも可能となる。
【0066】
また、この投射プリズム81を用いる構成であれば、プリズム体の上面を反射面としているので、先に説明した投射ミラー8Aの厚みの分、走査光学系の厚みを薄くすることができ、さらに好ましいといえる。
【0067】
このように、導光されたレーザ光が入射する入射面81aと、該入射したレーザ光を内部反射する第二反射面81bと、該第二反射面により反射されたレーザ光を内部反射する第一反射面81cと、該第一反射面で反射されたレーザ光を走査ミラー3に向けて投射する投射面81dと、を備える一体的に形成された投射プリズム81を用いることで、走査光学系の小型化を図ることが容易となる。
【0068】
この際に、複数の光学部品により導光されるレーザ光は、走査ミラー3の非駆動状態の反射面3aに対してほぼ平行な平面に沿って進み、投射部材(例えば、投射プリズム81)に入射する手前で走査ミラー3に近づく方向に導光されるように第二反射面81bに入射し、該第二反射面により前記走査ミラー3と離れる方向に反射されて第一反射面81cに入射することが好ましい。この構成であれば、複数の光学部品を介して走査ミラー3に近づく位置までレーザ光を走査ミラー3と平行に導光し、その後、一旦、走査ミラー3から遠ざけて、第一反射面を介して走査ミラー3に立ち下げるように投射するので、走査光学系の薄型化と小型化を図ることができる。
【0069】
図3(b)に示す第二の変形例の投射プリズム82は、先に示した投射プリズム81と同様に、折り曲げミラー15からの入射光R1が入射する入射面82aと、走査ミラー3に向かう投射光R2Dを投射する投射面82dと、投射プリズム82に入射したレーザ光を内部に反射する第二反射面82bと第一反射面82cを備えている。
【0070】
ただし、上部反射面として、走査ミラー3に向けてレーザ光を反射する第一反射面82cが、走査ミラー3の非駆動状態の反射面3aに対して平行に設置されておらず、先端側が反射面3aに近づく方向に少し傾斜している点が相違している。また、折り曲げミラー15と入射面82aも少し傾斜して、この折り曲げミラー15から、レーザ光を立ち下げるようにして導光している点も相違している。
【0071】
そのために、折り曲げミラー15で、レーザ光を走査ミラー3に近づく方向に反射し、立ち下げるようにして投射部材(投射プリズム82)に導光する。それから、導光されたレーザ光を第二反射面82bで反射して、走査ミラー3から離れる方向に立ち上げるようにして内部反射し、立ち上がったレーザ光を、第一反射面82cで内部反射して、立ち下げるようにして走査ミラー3に投射する構成となる。
【0072】
上記の構成であれば、小型化を維持しながら、走査ミラー3の法線方向により近づく方向に、レーザ光を反射できるようになり、走査ミラー3の広い上部空間領域に向けて投影可能となり、プロジェクタの小型化に対して有効となる。
【0073】
上記したように、本実施形態に係る走査光学系は、導光されるレーザ光を走査ミラー3に向けて投射する投射部材(投射部材8、投射プリズム81、投射プリズム82)を有している。また、この投射部材が、導光されたレーザ光を走査ミラー3に向けて立ち下げるように反射する第一反射面を備えると共に、この第一反射面を走査ミラー3の反射面と対向して設けた構成としている。
【0074】
そのために、本実施形態に係る走査光学系は、容易に小型化することができる。また、所望のレーザ光を二次元走査して正しく出射するので、本実施形態に係る走査光学系を備えたプロジェクタの小型化を図ることが可能となる。
【0075】
また、本実施形態に係る投射部材は、走査ミラーの非駆動状態の反射面と対向する側に設ける第一反射面と、走査ミラーの非駆動状態の反射面と同じ側を向いた第二反射面とを備え、走査部に対してほぼ平行に導光されるレーザ光を第二反射面から第一反射面に向けて走査ミラーと離れる方向に反射し、第一反射面から走査ミラーに向けて反射しているので、第二反射面にレーザ光を入射する光学部品の光路の高さ位置の設定に対する自由度が増加し、走査光学系を小型化する際に有効となる。
【0076】
例えば、上記のように、圧電素子を用いたユニモルフ構造により、互いに直交している2軸周りに回動可能とされる走査ミラー3を組み込んだMEMS(微小電気機械システム)で走査部2を構成することによって、走査部2の厚みを小さくすることができ、走査光学系10を薄型にするのが容易となる。また、互いに直交している2軸周りに走査ミラー3を回動させるので、合成後のレーザ光の二次元走査を1つの走査ミラー3で行うことができるようになり、合成後のレーザ光の二次元走査を2つの走査ミラーで行う必要がなくなる。これにより、走査ミラー用の設置スペースが小さくなるので、走査光学系10のさらなる小型化を図ることが可能となる。
【0077】
また、上記のように、走査ミラー3が圧電素子5aで駆動されるように構成することによって、圧電素子5aは薄型の構造で走査ミラー3を駆動させることができるので、圧電駆動方式の走査部2は非常に薄型となる。
【0078】
また、上記のように、レーザ光源部1−R、1−Gおよび1−Bのそれぞれの出射方向が、非駆動状態の走査ミラー3の反射面3aに対して平行となるように構成することによって、容易に、非駆動状態の走査ミラー3の反射面3aの法線方向Nと直交する平面内に少なくとも2つの光路を配置することができる。
【0079】
また、上記のように、導光されるレーザ光を走査ミラー3に向けて立ち下げるように反射する第一反射面を走査部2と平行に設ける構成とすることで、薄型化を図ることが可能となり、容易に小型化することができる。
【0080】
なお、図6を参照して、モバイル端末40を設置台(図示せず)に設置して投影を行うと仮定すると、設置台側とは反対側に向くことになる面40aからレーザ光が出射されるようにすれば、モバイル端末40を薄型に保持したまま、レーザ光を投影面41に向けて進行させることができる。また、この場合には、投影時にモバイル端末40を傾かせる必要がない。
【0081】
また、モバイル端末40に搭載するプロジェクタ100の薄型化を図るために、このプロジェクタ100は、複数の面からなる薄型の筐体を有した構成とされる。また、このプロジェクタ100に装着する走査光学系は、走査ミラーの非駆動状態の反射面を含む平面と、筐体を構成する最も広い面とが平行になるように配置され、筐体の最も広い面に設置された開口部からレーザ光が投射されるように構成する。
【0082】
この構成であれば、走査光学系を薄型にすることができるので、プロジェクタが薄型になり、モバイル端末の小型化が可能となる。
【0083】
以上、本発明に係る走査光学系について、モバイル端末用プロジェクタの実施形態を中心に説明したが、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載およびこれと均等なものの範囲内で様々な変形が可能なことは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。
【0084】
例えば、上記実施形態では、携帯電話やPDAなどのモバイル端末にプロジェクタを搭載する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、モバイル端末以外の装置にプロジェクタを搭載するようにしてもよい。また、プロジェクタ単体で使用可能となるように構成してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、図2に示した状態となるように光学部品を配置したが、本発明はこれに限らず、光学部品の配置位置や使用個数は用途に応じて変更可能である。
【0086】
また、上記実施形態では、走査部に圧電素子を組み込み、その圧電素子を利用して走査ミラーを駆動するようにしたが、本発明はこれに限らず、走査ミラーの駆動手段としてはどのようなものであってもよい。ただし、圧電素子を用いた方が走査部の薄型化を図り易い。
【0087】
以上説明したように、本発明に係る走査光学系およびそれを備えたプロジェクタによれば、走査光学系およびそれを備えたプロジェクタを容易に小型化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
そのために、本発明に係る走査光学系およびそれを備えたプロジェクタは、小型化を目指すモバイル端末用のレーザプロジェクタに好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
1、1−R、1−G、1−B レーザ光源部
2 走査部
3 走査ミラー
3a 反射面
5a 圧電素子
8 投射部材
8A 投射ミラー(第一反射面)
8B 反射ミラー(第二反射面)
81、82 投射プリズム(投射部材)
81c、82c 第一反射面
10 走査光学系
11、17、19 レンズ光学系
12、15、16、18 折り曲げミラー(光学部品)
13、14 ダイクロイックミラー(光学部品)
41 投影面
100 プロジェクタ
R1 入射光
R2B、R2D 投射光
R3 射出光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射するレーザ光源部と、
出射されたレーザ光を平行化するレンズ光学系と、
平行化されたレーザ光を所定の光路に導光する複数の光学部品と、
前記光学部品により導光されて入射する前記レーザ光を、走査ミラーに向けて投射する投射部材と、
投射されたレーザ光を投影面に向けて反射する前記走査ミラーを有し、該走査ミラーを二次元走査することによりレーザ光の走査を行う走査部と、を備え、
前記投射部材は、前記ミラーの非駆動状態の反射面と対向する側に第一反射面を備えたことを特徴とする走査光学系。
【請求項2】
前記第一反射面は、前記走査ミラーの非駆動状態の反射面に対して平行に配置されることを特徴とする請求項1に記載の走査光学系。
【請求項3】
前記投射部材は、導光された前記レーザ光を前記第一反射面に向けて反射するように、前記走査ミラーの非駆動状態の反射面と同じ側を向いた第二反射面を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の走査光学系。
【請求項4】
前記投射部材が、前記導光されたレーザ光が入射する入射面と、該入射したレーザ光を内部反射する第二反射面と、該第二反射面により反射されたレーザ光を内部反射する第一反射面と、該第一反射面で反射されたレーザ光を前記走査ミラーに向けて投射する投射面と、を備える一体的に形成された投射プリズムであることを特徴とする請求項3に記載の走査光学系。
【請求項5】
前記レーザ光は、前記複数の光学部品により、前記走査ミラーの非駆動状態の反射面に対してほぼ平行な平面に沿って進み、前記投射部材に入射する手前で前記走査ミラーに近づく方向に導光されることで前記第二反射面に入射し、該第二反射面により前記走査ミラーと離れる方向に反射されて前記第一反射面に入射することを特徴とする請求項3または4に記載の走査光学系。
【請求項6】
前記走査ミラーの非駆動状態の反射面に対して、前記レーザ光の出射方向が平行になるように、前記レーザ光源部を配置したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の走査光学系。
【請求項7】
前記走査部は、駆動源と、該駆動源により、互いに直交している2軸周りに回動可能な走査ミラーを組み込んだ微小電気機械システムによって構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の走査光学系。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の走査光学系を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項9】
前記プロジェクタは、複数の面からなる薄型の筐体を有し、
前記走査光学系は、前記走査ミラーの非駆動状態の反射面を含む平面と、前記筐体を構成する最も広い面とが平行になるように配置され、前記筐体の最も広い面に設置された開口部からレーザ光が投射されることを特徴とする請求項8に記載のプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−108999(P2013−108999A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62033(P2010−62033)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】