説明

走査電子顕微鏡

【課題】大型試料も観察可能で、しかも小型試料の観察を行う場合にあっては、試料観察開始の待ち時間の短縮をはかることができる走査電子顕微鏡を提供する。
【解決手段】対物レンズ下部に小型試料観察用の空間制限機構30を設けて、小型試料又は大型試料の試料観察に対応して、試料室4内で空間制限機構30の内部空間36を狭小空間として画成して空間制限機構30の周囲の試料室4内の空間に対して密閉し、排気シーケンスを切り替えて試料室4内の空間制限機構30の内部空間36だけを真空排気する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型試料から大型試料までを観察可能な試料室を備えた走査電子顕微鏡に係り、特に小型試料の観察までに要する真空排気時間の短縮化をはかった走査電子顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の走査電子顕微鏡は、試料に照射する電子線を生成する電子銃と、電子銃を収容するとともに、電子銃から放出された電子線を試料上に照射するために収束する電子光学系を収容した電子光学鏡体と、電子光学鏡体の電子銃から放出され電子光学系により収束された電子線が照射される試料が配置される試料室と、電子光学鏡体における電子銃が備えられている電子銃室や試料室を含む装置内を真空に保つ真空排気システムと、電子線の照射により試料から放出される二次電子を検出することにより試料観察面を画像化する検出システムと、を有して構成されている。
【0003】
その上で、特許文献1に記載の走査電子顕微鏡の真空排気システムでは、電子銃室,試料室は、ターボ分子ポンプとそれぞれ配管を通して接続されており、電子銃室の高真空排気並びに試料室の予備排気では、ターボ分子ポンプによる電子銃室及び試料室の真空排気と、ロータリーポンプによるターボ分子ポンプの背圧排気とが同時に行われる。一方、試料室の低真空排気では、ターボ分子ポンプによる試料室に対する真空排気は停止され、代わりにロータリーポンプによってターボ分子ポンプの背圧排気とともに一緒に行われる。
【0004】
また、特許文献2に記載の走査電子顕微鏡の真空排気システムでは、高真空用と低真空用の二つの吸込口を有し、高真空と低真空の同時真空排気が可能であるターボ分子ポンプを採用することにより、電子銃室の高真空排気が高真空用の吸込口から、試料室の低真空排気が低真空用の吸込口からターボ分子ポンプによって同時に行われる構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−141633号公報
【特許文献2】特開2007−173149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような走査電子顕微鏡を用いた試料観察では、試料室への試料導入完了から電子線の照射による試料観察の開始まで、電子銃室及び試料室の真空排気が行われるまでの待ち時間を要する。そして、この試料観察開始の待ち時間の長さは、基本的には真空排気システムの真空排気性能と排気対象である試料室の大きさとに比例する。
【0007】
これに対し、走査電子顕微鏡が小型試料から大型試料までを観察可能な試料室を備えた走査電子顕微鏡である場合、試料室の大きさは大型の試料に対応した大きさになっている。そのため、このような小型試料から大型試料までを観察可能な試料室を備えた走査電子顕微鏡では、試料観察開始の待ち時間の長さは、試料が大型であるか小型であるか拘らず、基本的には試料室の大きさに比例することになる。この結果、大型試料も観察可能な走査電子顕微鏡で小型試料の観察を行う場合は、大型試料を観察しようとする場合と同じ試料観察開始の待ち時間を要することになっていた。すなわち、走査電子顕微鏡では、大型試料を観察可能な大きさの試料室を備えることと、小型試料の観察を行う場合の試料観察開始の待ち時間を短縮することとがトレードオフの関係となってしまう、との問題があった。
【0008】
本発明は、上述した問題点を鑑みてなされたものであって、大型試料も観察可能で、しかも小型試料の観察を行う場合にあっては、試料観察開始の待ち時間の短縮をはかることができる走査電子顕微鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、上述した課題の解決に当たっては、小型試料から大型試料までを観察可能な試料室を備えた走査電子顕微鏡では、試料の大きさに応じて試料室の空間が変化可能であることが、試料室の真空排気時間の観点、ひいては試料観察開始の待ち時間の短縮化の観点から望ましいと考えた。
【0010】
そのために、本発明では、走査電子顕微鏡の大型試料に対応可能な試料室において、小型試料の観察を行う場合には、試料室内の真空排気空間を制限するシステムを設けることにし、大型試料も観察可能で、しかも小型試料の観察を行う場合にあっては、試料観察開始の待ち時間の短縮をはかることができるようにした。
【0011】
本発明に係る走査電子顕微鏡は、電子銃と、対物レンズを含む電子光学系が収容された電子光学鏡体と、試料が載置される試料台が設けられた試料室と、試料室内を真空排気する真空ポンプとを備え、電子銃から放出される電子線を対物レンズにより収束して試料台上の試料に走査し、検出された二次荷電粒子を用いて画像を形成する走査電子顕微鏡であって、試料室内で、試料台上の試料を当該試料室の内部空間よりも狭い狭小空間内に真空封止する空間制限機構と、真空ポンプにより試料室内における狭小空間内のみを真空排気する排気系とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の走査電子顕微鏡によれば、試料の大きさに応じて試料室の空間が変化可能であり、しかも、その試料室の空間の真空排気時間を適切にコントロールすることができるので、大型試料への対応と真空排気の効率化との両立が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る走査電子顕微鏡の概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係る走査電子顕微鏡の空間制限機構の拡大図である。
【図3】本実施の形態に係る走査電子顕微鏡の空間制限機構の拡大図である。
【図4】本実施の形態に係る走査電子顕微鏡の各部の動作設定を行うGUI画面の一実施例である。
【図5】本実施の形態の走査電子顕微鏡に係り、差動排気用オリフィス,空間制限機構それぞれの観察条件に応じた取り付け/取り外しの一例を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る走査電子顕微鏡の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る走査電子顕微鏡の概略構成図である。
図1において、走査電子顕微鏡1は、電子銃2と、電子光学鏡体3と、試料室4と、真空排気システム5と、検出システム6とを有して構成されている。
【0015】
電子銃2は、例えばタングステン熱電子銃を用いて構成され、試料7に照射するエネルギー0.5〜30 keVの一次電子線8を生成する。電子光学鏡体3は、電子銃2を収容するとともに、電子銃2から放出された一次電子線8を試料上に照射するために収束する電子光学系9を収容する。電子光学系9には、一次電子線8を集束させるコンデンサレンズ10、試料上の一次電子線8の照射位置を所望の観察視野範囲に従って走査する偏向器11、試料上の観察対象部位に一次電子線8を集束させる対物レンズ12が含まれる。電子光学鏡体3は、その鏡筒底面を構成する対物レンズ12の底面を、試料室4内に臨ませて試料室筐体に接続されて一体的に設けられている。
【0016】
試料室4内には、観察対象の試料7が搭載される試料台13が配設されている。試料台13には、試料台移動機構14が付設されている。本実施の形態の場合、試料台移動機構14は、試料台13を試料室4内のX−Y面内で平面移動し、さらには昇降移動(Z方向に沿って移動)することができる構成になっている。
【0017】
真空排気システム5は、図示の例では、ターボ分子ポンプ15、粗引き用真空ポンプ16、排気管路17を有して構成されている。ターボ分子ポンプ15の吸い込み側は、排気管路17aを介して電子光学鏡体3内の電子銃2が設けられている電子銃室18と、排気管路17bを介して電子光学鏡体3内で電子銃2から放出された一次電子線8が通過する中間室19とにそれぞれ連通されているとともに、バルブ20を介在させた排気管路17cにより試料室4内と連通されている。電子銃2から放出された一次電子線8は、この中間室19を通過する際に、前述した電子光学系9により収束及び偏向される。一方、粗引き用真空ポンプ16の吸い込み側は、ターボ分子ポンプ15の排気背圧側に連通されている。粗引き用真空ポンプ16は、例えばロータリーポンプによって構成される。
【0018】
また、電子銃室18と中間室19との境界部、及び中間室19と試料室4との境界部には、各室それぞれの異なる圧力領域を仕切り、かつ一次電子線8を通過させるオリフィス(図1では、図示省略)が設けられている。この中、後述の図2において示す、中間室19と試料室4との境界部に設けられた差動排気用オリフィス37については、後に詳細に述べるように対物レンズ12に対して取り付け交換可能な構造になっている。
【0019】
上記した構成の真空排気系を備えた真空排気システム5にあって、試料観察時における試料室4の圧力は、高真空による試料観察の場合は例えば10−4Pa程度に、低真空による試料観察の場合は例えば1〜300Pa程度に、それぞれ維持される。これに対し、電子銃室18及び中間室19は、上述した高真空又は低真空による試料観察の違いにかかわらず、高真空、例えば10−4Pa程度に維持される。これは、電子銃室18及び中間室19は、高真空に排気しておかないと、一次電子線8の電子ビームが散乱されてしまい、試料まで届かない、等といった電子銃2及び電子光学系9の機能上の問題によるものである。
【0020】
このような真空排気システム5による圧力下で、電子銃2から取り出された一次電子線8は、電子光学系9のコンデンサレンズ10と対物レンズ12によって細い電子ビームに収束され、偏向器11によって試料7上で走査される。この一次電子線8の照射走査によって試料7からは、二次電子や反射電子といった放出電子(二次荷電粒子)が発生する。
【0021】
この一次電子線8の照射によって試料7から発生した放出電電子は、検出システム6によって検出され、その画像化がなされる。図示の走査電子顕微鏡1では、検出システム6は、反射電子検出器21や、図示せぬ信号増幅回路,A/D変換回路,画像処理部を有して構成されている。反射電子検出器21は、図示の例では、電子光学鏡体3の試料側の鏡筒底面に設けられ、反射電子を輝度信号として検出する構成になっている。この輝度信号として検出された検出信号は、同じく検出システム6を構成する、信号増幅回路,A/D変換回路を介して画像処理部に入力され、観察走査像が生成される。この画像処理部により生成された観察走査像は、次に述べるコンピュータ装置23によりモニタ24に表示出力される。
【0022】
このように構成された走査電子顕微鏡1において、電子銃2,電子光学系9の各部10〜12,試料台移動機構14,真空排気系のポンプ15・16及びバルブ20,並びに検出システム6の画像処理部をはじめとした装置各部は、コンピュータ装置23に接続されている制御手段22によって作動制御される。
【0023】
コンピュータ装置23には、モニタ24,操作部25が備えられている。操作部25は、このモニタ24にOSD(On-Screen Display)表示されるGUI(Graphical User Interface)画面を操作する等の際に用いられる。コンピュータ装置23は、図示せぬ画像処理部により生成された観察走査像をモニタ24に表示出力したり、観察位置等の観察データと関連付けて図示せぬ記憶部に記憶管理する一方、GUI制御部26として、モニタ24にOSD表示されるGUI画面の操作により設定された観察条件等に基づいて装置各部に対する制御指示を制御手段22に供給し、走査電子顕微鏡1を制御作動する。
【0024】
その上で、本実施の形態に係る走査電子顕微鏡1においては、電子光学鏡体3の、対物レンズ12の底面が臨む鏡筒底面側には、試料室4の内部空間を画成して、試料7が配置されている試料室空間を制限縮小する空間制限機構(アタッチメント)30が着脱自在に設けられている。
【0025】
図2は、走査電子顕微鏡の空間制限機構の拡大図である。
図2において、対物レンズ12は、中心部分に電子ビームの透過孔が形成された中空環状のヨーク121と、このヨーク121の中空部に配設されたコイル122とによって大略構成されている。ヨーク121の電子ビームの透過孔に臨む部分は、中空部に連接したギャップ123が形成され、ヨーク121はこのギャップ123及び中空部により上面部121uと下面部121dと外周部121rとに分かれる。図示の例では、ヨーク121の上面部121uは、内周側が外周側に対して凹となった段付き面になっている。また、ヨーク121の下面部121dには、内周縁側が反射電子検出器21が取り付けられる平坦部が形成されているとともに、その外周側部分は内周側が外周側に対して凸となったテーパ面になっている。対物レンズ12は、ヨーク121の外周部121rを電子光学鏡体3の鏡筒3aの内面に当接させて、電子光学鏡体3の底面側に取り付け固定されている。
【0026】
さらに、本実施の形態においては、対物レンズ12内の電子ビームの透過孔には、前述した中間室19と試料室4との境界部に設けられたオリフィスに該当し、試料室4から鏡体に向かう気体の流れを抑えて中間室19と試料室4との差動排気圧力を保つ差動排気用オリフィス37が設けられている。差動排気用オリフィス37は、真空排気システム5の排気系の関係から、この差動排気用オリフィス37は対物レンズ12に対して取り付け/取り外し可能に設けられている。差動排気用オリフィス37の取り付け/取り外しは、観察条件に応じてなされ、例えば、小型試料について、10−4Pa程度の高真空による試料観察の場合と、1〜300Pa程度の低真空による試料観察の場合とに応じて、差動排気用オリフィス37の取り付け/取り外しが行われ、低真空又は高真空による試料観察に対応した実質的なオリフィスの交換がなされる。図示の例では、低真空による試料観察の場合は、試料室4側から中間室19側に向かう気体の流れを抑えて中間室19と試料室4との差動排気圧力を保つ差動排気用オリフィス37の取り付けが選択され、高真空による試料観察である場合は、試料室4側から中間室19側に向かう気体の流れを許容して中間室19と試料室4とを略同圧に保つべく、この差動排気用オリフィス37の取り外しが選択される。なお、大型試料の試料観察の場合は、図1に示した真空排気システム5の排気系の関係から、低真空又は高真空による試料観察にかかわらず、試料室4側から中間室19側に向かう気体の流れを抑えて中間室19と試料室4との差動排気圧力を保つ差動排気用オリフィス37は取り付け状態のままで対応可能になっている。
【0027】
同様に、空間制限機構(アタッチメント)30は、対物レンズ12及び電子光学鏡体3の鏡筒3aに対して取り付け/取り外し可能に設けられている。空間制限機構30は、図示の例では、対物レンズ12及び電子光学鏡体3の鏡筒3aに対して固定されるベース部31と、試料台13と当接する当接部32と、ベース部31と当接部32との間を気密に連結する可動部33とによって大略構成されている。
【0028】
ベース部31は、漏斗形状になっており、大径の足部分31aは対物レンズ12の外周部121r又は電子光学鏡体3の鏡筒3aの底面側部分に対する接続固定部となり、小径の足部分31bは可動部33の一端側の接続装着部となっている。この小径の足部分31bは、例えば、対物レンズ12のヨーク121の下面部121dの外径の大きさよりも小さく、この下面部121dに取り付けられる反射電子検出器21の外径の大きさよりも大きな内径を有している。
【0029】
可動部33は、例えば筒状の屈曲変形可能なベローズによって構成され、その内径の大きさは、図示の例では、ベース部31の足部分31aと略同径の大きさになっている。
【0030】
当接部32は筒状部材からなり、その一端側が可動部33の他端側の接続装着部になっているのに対し、その他端側は試料台13との当接部となっている。また、その当接面には当接部部分の気密をはかる真空封止部材(気密シール部材)34が取り付けられている。当接部32は、全体若しくは少なくとも他端側部分の内径が、大型試料の長さ寸法よりも小さく、小型試料の長さ寸法よりも大きい寸法になっており、観察対象が小型試料である場合はその小型試料を筒内に収容できるようになっている。このように、空間制限機構30は、偏向器11による一次電子線8の照射走査や対物レンズ12の駆動に支障を来たさない構成になっている。さらに、図示の例では、試料台13の表面には、この真空封止部材34を試料台13に密着させるための係合溝131が形成されている。
【0031】
空間制限機構30は、これらベース部31,可動部33,及び当接部32が互いの気密を保って一体的に接続されている。その上で、ベース部31の足部分31aは、対物レンズ12の外周部121r又は電子光学鏡体3の鏡筒3aの底面側部分に対して同軸に、真空封止部材(気密シール部材)35を介在させて気密を保ち、例えば螺着等によって取り外し可能に固定される。その際におけるベース部31の固定箇所は、対物レンズ12の外周部121r又は電子光学鏡体3の鏡筒3aの底面側部分で、電子ビームが通る透過孔近傍の磁路のギャップ123から離れた箇所であり、対物レンズ12のヨーク121の下面部121dと、漏斗形状のベース部31のテーパ部との間は離間しているので、対物レンズ12の性能上、磁場発生に影響がないようになっている。これにより、空間制限機構30の内部空間36、すなわち、電子ビームのビーム方向における対物レンズ前方の空間は、当接部32の当接面開口を除いて試料室4内で画成されることになる。
【0032】
空間制限機構30は、対物レンズ12及び電子光学鏡体3に対して一体的に取り付けられた状態で、試料台移動機構14の作動により昇降可能な試料台13が下降状態にある場合でも、その下端の当接部32の真空封止部材34が試料台13の表面から離間した状態となって、試料室4内で姿勢保持される。これにより、空間制限機構30の下端の当接部32と試料台13との間には、試料台13に搭載されている試料を交換するためや、空間制限機構30を取り外して試料室4から取り出すための空間が確保されるようになっている。また、試料台移動機構14の作動により試料台13が所定量だけ上昇された場合には、その下端の当接部32の真空封止部材34が試料台13の表面の係合溝131と係合当接した状態となって、試料室4内で姿勢保持される。これにより、空間制限機構30の内部空間36、すなわち、電子ビームのビーム方向における対物レンズ前方の空間は、試料室4内で狭小空間として画成され、空間制限機構30の周囲の試料室4内の他の空間に対して密閉(密封)される。さらに、空間制限機構30は、当接部32の真空封止部材34を試料台13の表面の係合溝131に係合当接させた状態で試料台13が平面移動し、これに伴い当接部32とベース部31との平面的な位置関係、すなわち互いの軸心位置の関係がずれる場合であっても、可動部33のベローズが屈曲又は伸縮することで、その内部空間36は、空間制限機構30の周囲の試料室4内の空間に対して、狭小空間として画成及び気密をそのまま保持し続けることができるようになっている。
【0033】
図3は、走査電子顕微鏡の空間制限機構の内部空間が試料室内で画成された状態を示す図である。
【0034】
図3においては、試料台移動機構14の作動により試料台13が所定量だけ上昇され、その下端の当接部32の真空封止部材34が試料台13の表面の係合溝131と係合当接した状態となり、空間制限機構30の内部空間36、すなわち、電子ビームのビーム方向における対物レンズ前方の空間は、試料室4内で画成され、空間制限機構30の周囲の試料室4内の空間に対して密閉されることになる。
【0035】
この密閉された内部空間36の排気は、排気管路17bを介してターボ分子ポンプ15により内部の排気が行われる中間室19と連通した、対物レンズ12の差動排気用オリフィス37が取り付け/取り外しされる電子ビームの透過孔を介して行われることになる。これにより、この密閉された内部空間36の圧力は、対物レンズ12に差動排気用オリフィス37が取り付けられている状態にあっては、ターボ分子ポンプ15及び粗引き用真空ポンプ16の作動によっても中間室19よりも低真空に保持される一方、差動排気用オリフィス37が取り付けられていない状態にあっては、ターボ分子ポンプ15及び粗引き用真空ポンプ16の作動によって中間室19と同様の高真空に保持される。
【0036】
次に、本実施の形態の走査電子顕微鏡1を用いた試料観察作業について説明する。
まず、観察作業者は、コンピュータ装置23のGUI制御部26によりモニタ24に表示される、図4に示すような設定作業GUI画面40上で操作部25を操作し、走査電子顕微鏡各部のこれから行う試料観察の観察条件に応じた設定を行う。
【0037】
図4は、走査電子顕微鏡1の各部の動作設定を行うための設定作業GUI画面の一実施例である。
【0038】
設定作業GUI画面40は、電子ビームのON/OFFスイッチ41と、小型試料観察のための排気シーケンス設定部42とを含む。さらに、図示の設定作業GUI画面40の場合には、一次電子線8の電子ビームの照射走査によって生成された観察走査像がモニタ表示される観察試料モニタ表示部45と、排気シーケンス設定部42で設定される以外の、その他の各種観察条件を設定するためのその他の機能設定部46とを含む構成になっている。
【0039】
電子ビームのON/OFFスイッチ41は、試料観察の開始/停止スイッチに対応するもので、試料観察の開始に当たってON操作され、試料の交換を行う際や、上述した差動排気用オリフィス37の取り付け/取り外し,空間制限機構30の取り付け/取り外しといった準備作業を行う際にOFF操作される。
【0040】
排気シーケンス設定部42は、小型試料を観察する場合と大型試料を観察する場合とで、真空排気系のバルブ20の開・閉、並びに試料台移動機構14の作動について、排気シーケンスの違いに応じた制御を設定変更するものである。そのために、排気シーケンス設定部42には、観察試料が小型試料であるか否かを設定する小型試料観察スイッチ43と、小型試料の観察が設定されていることを示す変更中ランプ44とが設けられている。
【0041】
なお、本実施例では、その他の各種観察条件の中には、試料台移動機構14による試料台13の試料室4内での平面移動に係る可動範囲の設定も含まれ、その他の機能設定部46には、この可動範囲の設定のための座標設定表示欄47が設けられている。
【0042】
観察作業者は、試料観察を開始するにあたって、走査電子顕微鏡1の対物レンズ12に差動排気用オリフィス37が取り付けられているか否か、これから行う試料観察が大型試料又は小型試料いずれの低真空又は高真空いずれによる試料観察であるか、現在、走査電子顕微鏡1の対物レンズ12及び電子光学鏡体3の鏡筒3aに対して空間制限機構(アタッチメント)30が取り付けられているか否か、といった走査電子顕微鏡1の現在の仕様を基に、必要に応じて、これから行う試料観察に応じた走査電子顕微鏡1に対しての準備作業を行う。
【0043】
観察作業者は、準備作業として、差動排気用オリフィス37の取り付け又は取り外しの必要があれば、差動排気用オリフィス37の取り付け又は取り外しを行い、中間室19と試料室4との間の実質的なオリフィス交換を行う。
【0044】
例えば、これから低真空による試料観察を行うのに、試料室4側から中間室19側に向かう気体の流れを抑えて中間室19と試料室4との差動排気圧力を保つ差動排気用オリフィス37が取り付けられていない場合は、当該差動排気用オリフィス37の取り付けを行う。一方、これから小型試料について高真空による試料観察を行うのに、差動排気用オリフィス37が取り付けられている場合は、当該差動排気用オリフィス37の取り外しを行う。
【0045】
同様にして、観察作業者は、準備作業として、これから行う試料観察に対応して空間制限機構30の取り付け又は取り外しの必要があれば、空間制限機構30の取り付け又は取り外しを行う。
【0046】
例えば、これから小型試料についての低真空又は高真空いずれかによる試料観察を行うのに、空間制限機構30が取り付けられていない場合は、試料7が配置されている試料室空間を制限縮小する空間制限機構30を取り付ける。一方、これから大型試料について低真空又は高真空いずれかによる試料観察を行うのに、既に取り付けられている空間制限機構30が観察視野等に関連して支障を来たす場合には、空間制限機構30の取り外しを行う。
【0047】
図5は、差動排気用オリフィス,空間制限機構それぞれの観察条件に応じた取り付け/取り外しの一例を示したものである。
【0048】
なお、図5において、大型試料についての高真空による試料観察で、差動排気用オリフィス37が取り付け状態又は取り外し状態いずれでもよいのは、試料室4内が、図1に示すように、バルブ20を介在させた排気管路17cによりターボ分子ポンプ15の吸い込み側と独立して連通されているためである。
【0049】
その上で、これら準備作業を行う必要がある場合、観察作業者は、設定作業GUI画面40上の電子ビームのON/OFFスイッチ41を操作部25でクリックしてOFF操作する。
【0050】
コンピュータ装置23は、この電子ビームのON/OFFスイッチ41のOFF操作を受けて、電子銃2による一次電子線8の生成並びに放出の停止を制御手段22に指示する。また、コンピュータ装置23は、試料室4内の圧力を真空圧から大気圧に戻すため、図1では図示省略した大気圧連通系による試料室4内の大気開放を指示するとともに、試料台13が上昇位置にある場合には、試料台移動機構14による試料台13の下降を制御手段22に指示する。
【0051】
観察作業者は、電子銃2による一次電子線8の生成並びに放出が停止され、試料室4内が大気圧になったのを設定作業GUI画面40にポップアップ表示される大気圧表示に基づく等して確認したならば、試料室4の壁に設けられた図示せぬ試料導入口を開放し、これから行う試料観察に応じて、図5に示したような、排気用オリフィス37の取り付け/取り外し、空間制限機構30の取り付け/取り外しといった準備作業を行う。
【0052】
ここでは、これから行う試料観察が小型試料についての試料観察で、空間制限機構30が取り付けられ、差動排気用オリフィス37は高真空又は低真空による試料観察であるかに応じて取り付け又は取り外されるものとして、説明する。
【0053】
観察作業者は、空間制限機構30並びに差動排気用オリフィス37についての準備作業が終えたならば、試料導入口を閉塞して試料室4内を外部に対して密閉するとともに、設定作業GUI画面40のその他の機能設定部46を操作部25で操作して、排気シーケンス設定部42dで設定される以外のその他の各種観察条件を設定するともに、設定作業GUI画面40の排気シーケンス設定部42に設けられている小型試料観察スイッチ43を操作部25でクリックしてON操作し、小型試料に対応した排気シーケンスを設定する。
【0054】
コンピュータ装置23は、この小型試料観察スイッチ43のON操作を受けて、小型試料の観察に対応した排気モードが設定されていることを示す変更中ランプ44を点灯し、観察作業者には、小型試料に対応した排気シーケンスの排気モードが設定されていることを報知する。
【0055】
また、コンピュータ装置23は、小型試料観察スイッチ43のON操作を受けて、試料台移動機構14による試料台13の試料室4内での平面移動に係る最大可動範囲を、その他の機能設定部46の可動範囲の設定のための座標設定表示欄47に表示する。この最大可動範囲は、空間制限機構30の当接部32の真空封止部材34を試料台13の表面の係合溝131に係合当接させた状態で、観察可能範囲に対応するものである。したがって、観察作業者は、小型試料観察スイッチ43をクリックしてON操作した後、その他の機能設定部46の座標設定表示欄47に表示される最大可動範囲を基に、小型試料上の観察範囲をこの最大可動範囲内で設定し直すことが可能である。また、座標設定表示欄47に表示される最大可動範囲を基に、観察試料の大きさが適正であるか否かを確認することもできる。
【0056】
その上で、コンピュータ装置23は、小型試料に対応した排気シーケンスの排気モードが設定されると、本実施の形態の場合、図1では図示省略した、先に開放されている大気圧連通系、並びに大型試料に対応した排気シーケンスでは開弁状態に保持される排気管路17cのバルブ20をそれぞれ閉じるように制御手段22に指示する。
【0057】
また、コンピュータ装置23は、空間制限機構30の当接部32の真空封止部材34が試料台13の表面の係合溝131と係合当接し、空間制限機構30の内部空間36が試料室4内で狭小空間として画成され、空間制限機構30の周囲の試料室4内の空間に対して密閉されるように、制御手段22に試料台移動機構14が試料台13を上昇させる指示を出す。
【0058】
そして、観察作業者は、このようにして検査条件の設定並びに排気シーケンスの排気モードの設定を終えたならば、設定作業GUI画面40上の電子ビームのON/OFFスイッチ41を操作部25を用いてクリックしてON操作して、試料観察の開始を指示する。
【0059】
コンピュータ装置23は、この電子ビームのON/OFFスイッチ41のON操作を受けて、この場合は小型試料に対応した排気シーケンスの排気モードが設定されているので、制御手段22にターボ分子ポンプ15及び粗引き用真空ポンプ16の作動を指示し、空間制限機構30の内部空間36の真空排気を、排気管路17bを介してターボ分子ポンプ15により内部の排気が行われる中間室19と連通した、対物レンズ12の差動排気用オリフィス37が取り付け又は取り外しされている電子ビームの透過孔を介して行わせる。
【0060】
このとき、空間制限機構30の周囲の試料室4内の空間は、排気管路17cのバルブ20が閉弁しているため排気対象にはならず、電子銃室18並びに中間室19に加えて試料室4に対して空間容積が大幅に制限された空間制限機構30の内部空間36が排気対象になっているだけなので、小型試料の観察を行う場合にあっては、大型試料の観察を行う場合に比して、試料観察開始の待ち時間の短縮をはかることができる。
【0061】
また、真空排気された空間制限機構30の内部空間36の真空封止も、空間制限機構30の内外に生じる差圧によって、真空封止部材34,35が対物レンズ12のヨーク121や鏡筒3a内壁,試料台131の係合溝131の溝壁に密着させられて保持されるので、確実かつ安定的になされる。
【0062】
そのため、制御手段22は、このように予め小型試料の観察に対応した排気モードがコンピュータ装置23から設定された場合には、大型試料の試料観察が指示されて試料室4内全体を所定の低真空又は高真空に排気する場合よりも、ターボ分子ポンプ15及び粗引き用真空ポンプ16の作動による真空排気時間を、排気対象の空間容積の減少分に対応したデフォルト値分を基に調整コントロールして、大型試料を試料観察する場合に対してその真空排気時間を減少させてターボ分子ポンプ15及び粗引き用真空ポンプ16による排気作業を行う。
【0063】
その後、制御手段22は、所定の真空排気時間の経過、又は空間制限機構30の内部空間36に臨ませて設けた図示せぬ圧力センサの出力により、内部空間36が所定の低真空又は高真空になったのを確認したならば、電子銃2による一次電子線8の生成及び放出、並びにその他の機能設定部46により設定した観察条件に基づく電子光学系9の制御を行うように制御手段22に指示するとともに、一次電子線8の試料上における照射走査範囲を設定された可動範囲(観察範囲)に対応させて試料台移動機構14により試料台13を平面移動させるように制御手段22に指示する。
【0064】
その一方で、コンピュータ装置23は、検出システム6による観察走査像の生成を制御手段22に指示するとともに、検出システム6からり供給される観察走査像を、設定作業GUI画面40上の観察試料モニタ表示部45にモニタ表示する。
【0065】
そして、観察作業者は、この観察試料モニタ表示部45にモニタ表示される観察走査像を見ながら、その他の機能設定部46で設定した観察条件を必要に応じて調整して観察条件を最終的に決定し、試料観察を行う。
【0066】
このように、本実施の形態による走査電子顕微鏡1によれば、試料の大きさに応じて試料室4の排気空間が変化可能であり、しかも、その試料室4の排気空間の真空排気時間を適切にコントロールすることができるので、大型試料への対応と真空排気の効率化との両立が可能となる。
【0067】
なお、本発明に係る走査電子顕微鏡の構成は、上述した走査電子顕微鏡1の構成に限ることなく、種々の変形例が可能である。
【0068】
例えば、上述した走査電子顕微鏡1において、空間制限機構(アタッチメント)30をさらに小さくして排気時間を短縮するために、検出器21は、対物レンズ12の磁路ギャップ123上の位置に図2において破線で示すように配置されることが、理想的には好ましい。このことは、真空排気時間短縮という点以外でも検出器21を磁路ギャップ123上の位置に配置することで、検出器21を保護するカバーを取り付ける必要がなくなり、コスト面からも有意である。
【0069】
また、上述した走査電子顕微鏡1では、空間制限機構(アタッチメント)30はその内部空間36の容積をできるだけ小さくする観点から対物レンズ12に取り付けられる構成としたが、対物レンズ12以外の箇所、例えば試料台13や試料室4の天井面等に設けられている構成を排除するものではない。この場合、その内部空間の容積をできるだけ小さくするため、小型試料の試料観察時にのみ、例えば試料台13の試料載置面や試料室4の天井面から空間制限機構がテレスコピックに突出する構成を採用すれば、大型試料を試料台13に載置する場合に支障になることはない。また、真空排気システム5の構成も、図1に示したポンプ,配管構成に限るものではない。
【0070】
さらに、小型試料に対応した排気シーケンスの排気モードの設定についても、小型試料観察スイッチ43の代わりに、空間制限機構30の取り付け/取り外しを検出するセンサを走査電子顕微鏡1に設け、このセンサによる空間制限機構30の取り付け状態の検知によって、この間は自動的に小型試料に対応した排気シーケンスの排気モードが設定されるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 走査電子顕微鏡、 2 電子銃、 3 電子光学鏡体、 3a 鏡筒、
4 試料室、 5 真空排気システム、 6 検出システム、 7 試料、
8 一次電子線、 9 電子光学系、 10 コンデンサレンズ、 11 偏向器、
12 対物レンズ、 121 ヨーク、 122 コイル、 123 ギャップ、
13 試料台、 131 係合溝、 14 試料台移動機構、
15 ターボ分子ポンプ、 16 粗引き用真空ポンプ、 17 排気管路、
18 電子銃室、 19 中間室、 20 バルブ、 21 反射電子検出器、
22 制御手段、 23 コンピュータ装置、 24 モニタ、 25 操作部、
26 GUI制御部、 30 空間制限機構(アタッチメント)、 31 ベース部、
32 当接部、 33 可動部、 34,35 真空封止部材、
37 差動排気用オリフィス、 40 設定作業GUI画面、
41 ON/OFFスイッチ、 42 電子ビームの排気シーケンス設定部、
43 小型試料観察スイッチ、 44 変更中ランプ、 45 観察試料モニタ表示部、
46 その他の機能設定部、 47 座標設定表示欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子銃と、
対物レンズを含む電子光学系が収容された電子光学鏡体と、
試料が載置される試料台が設けられた試料室と、
該試料室内を真空排気する真空ポンプと
を備え、前記電子銃から放出される電子線を前記対物レンズにより収束して前記試料台上の試料に走査し、検出された二次荷電粒子を用いて画像を形成する走査電子顕微鏡であって、
前記試料室内で、前記試料台上の試料を当該試料室の内部空間よりも狭い狭小空間内に真空封止する空間制限機構と、
前記真空ポンプにより前記試料室内における前記狭小空間内のみを真空排気する排気系と
を備えていることを特徴とする走査電子顕微鏡。
【請求項2】
請求項1に記載の走査電子顕微鏡であって、
前記空間制限機構は、前記電子光学系の前記対物レンズの下部に着脱自在に取り付けられる
ことを特徴とする走査電子顕微鏡。
【請求項3】
請求項1に記載の走査電子顕微鏡であって、
前記試料台には、当該試料台を前記試料室内で平面移動させる試料台移動機構が備えられ、
前記空間制限機構には、該試料台移動機構による前記試料台の所定範囲内の平面移動に係わらず前記狭小空間の真空封止状態を維持する可動部が含まれている
ことを特徴とする走査電子顕微鏡。
【請求項4】
請求項3に記載の走査電子顕微鏡であって、
前記可動部は、前記対物レンズに当該記対物レンズから放出される電子線を囲繞するように固定される筒状のベース部に一端側が取り付けられた筒状のベローズにより構成され、
該ベローズの他端側は、前記試料台に搭載された所定の大きさ以下の試料を囲繞するように当該試料台上に密着当接させられ、前記対物レンズから放出された電子線が前記ベース部及び前記可動部それぞれの筒状部内部を進む
ことを特徴とする走査電子顕微鏡。
【請求項5】
請求項2に記載の走査電子顕微鏡であって、
前記排気系は、
前記試料室内を前記真空ポンプにより真空排気するための第1の排気管と、
前記電子銃から放出された電子線が通過する前記電子光学鏡体内の部分を前記真空ポンプにより真空排気するための第2の排気管と、
前記第1の排気管に設けられ、当該第1の排気管の連通又は遮断を行うバルブと、
前記対物レンズの下部に対する前記空間制限機構の着脱に応じて、前記開閉バルブの閉開を切り替える制御手段と
を備えていることを特徴とする走査電子顕微鏡。
【請求項6】
請求項5に記載の走査電子顕微鏡において、
前記排気系の排気シーケンスを設定するGUI画面が表示されるモニタと、
当該GUI画面上の表示を制御するコンピュータと
を備え、
前記バルブの開閉が、前記GUI画面上で指示される排気シーケンスの切替え情報に基づき実行される
ことを特徴とする走査電子顕微鏡。
【請求項7】
請求項1記載の走査電子顕微鏡において、
コンダクタンス調製用のオリフィスが前記対物レンズ内に設けられ、
当該オリフィスが着脱交換可能である
ことを特徴とする走査電子顕微鏡。
【請求項8】
請求項6に記載の走査電子顕微鏡において、
前記GUI画面上には、前記試料ステージの可動範囲が表示され、
当該表示されるステージの可動範囲が、前記排気シーケンスの切替え情報に応じて変更される
ことを特徴とする走査電子顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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