説明

走行方向自在制御ロボット

【課題】ロボット本体に駆動輪および操舵輪を備え、この操舵輪をカム機構によって制御し、走行方向を自在に制御できる走行方向自在制御ロボットを提供する。
【解決手段】ロボット本体1の第1の回転出力軸7に設けられた駆動輪11と操舵輪14と、ロボット本体1に設けられ、第2の回転出力軸8からの回転によって駆動するラック・ピニオン機構12と、ラック・ピニオン機構12によって直線移動するカムホルダー28と、カムホルダー28に設けられ、該カムホルダーの長手方向に亘って複数種類のカム形状を形成する1個もしくは複数個のカム駒32と、カム駒32のカム面に追従してカムホルダー28の直線移動方向と直交する方向に直線移動するカムフォロア26と、カムフォロア26の直線移動を操舵輪14に伝達し、カム駒32のカム形状に応じて操舵輪14を操舵してロボット本体1の走行方向を制御する操舵力伝達機構とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、小学生、中学生等の実習授業において教材として、あるいは玩具として用いられる走行方向自在制御ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
小学生高学年、中学生の実習授業においては、生徒全員が同一キットから同一のものを製作する方向から生徒一人一人の発想によって自由に製作し、生徒個人個人の発想力を高める方向に移りつつある。
【0003】
例えば、ロボット等を製作する教材キットにおいては、ベース板、バッテリー、小型モータ及び減速ギアを内蔵したギアボックス、リンクやアームを構成するレバー、固定ねじ、ナット等がセットされている。生徒は、個人の発想によってベース板に対してギアボックスの取付け位置を設定し、固定ねじによってベース板にギアボックスを固定したり、ギアボックスから突出する出力軸にレバーを連結してクランク機構を構成して歩行ロボットの模型や自走車両模型を製作している。
【0004】
しかし、小型モータ及び減速ギアを内蔵したギアボックス単体では、ロボットを製作するにしても、動作が限られるとともに、単純な動作しかできないという問題がある。そこで、本出願人は、複数個のギアボックスを縦横方向、直角方向等任意にしかも簡単に結合でき、さらに、ギアボックス相互の動力伝達ができるとともに、ナットを用いることなく、ベースに対してギアボックスを固定ねじだけで簡単に固定できる教材用ギアボックスキットを出願している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−258135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の教材用ギアボックスキットは、ギアボックスから突出している出力軸の方向および回転比が決められているために、出力軸から動力を取出してリンクやアームを駆動する場合に、方向および回転比が限定されてしまう。
【0007】
本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、ロボット本体に駆動輪および操舵輪を備え、この操舵輪をカム機構によって制御し、走行方向を自在に制御できる走行方向自在制御ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述した目的を達成するために、請求項1は、ぜんまい又は小型モータを駆動源とするギア機構を備え、少なくとも第1の回転出力軸および第2の回転出力軸を有するロボット本体と、前記ロボット本体に設けられ、前記第1の回転出力軸からの回転によって駆動して該ロボット本体を走行させる駆動輪と、前記ロボット本体に設けられ、該ロボット本体の走行方向を制御する操舵輪と、前記ロボット本体に設けられ、前記第2の回転出力軸からの回転によって駆動するラック・ピニオン機構と、前記ロボット本体に設けられ、前記ラック・ピニオン機構によって直線移動するカムホルダーと、前記カムホルダーに着脱交換可能に設けられ、該カムホルダーの長手方向に亘って複数種類のカム形状を形成する1個もしくは複数個のカム駒と、前記ロボット本体に設けられ、前記カム駒のカム面に追従して前記カムホルダーの直線移動方向と直交する方向に直線移動するカムフォロアと、前記カムフォロアの直線移動を前記操舵輪に伝達し、前記カム駒のカム形状に応じて前記操舵輪を操舵して前記ロボット本体の走行方向を制御する操舵力伝達機構と、を具備したことを特徴とする走行方向自在制御ロボットにある。
【0009】
請求項2は、請求項1の前記カムホルダーは、長方形状のプレートであり、その長手方向に沿って前記ラック・ピニオン機構のラックおよび1個もしくは複数個のホルダー部を有し、このホルダー部には前記カム駒が個々に着脱可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項3は、請求項1の前記カム駒は、シート状の基材の長手方向に沿う一側縁に複数のカム形状を一連的にカットしたオリジナルカムシートであり、前記カムホルダーに着脱可能であることを特徴とする。
【0011】
請求項4は、請求項1の前記カム駒は、前記カムホルダーに対して係合される基部と、前記カムフォロアに対して接触するカム面を有する先端部と、隣接するカム駒相互とラップするラップ接合部を有する両側部とからなることを特徴とする。
【0012】
請求項5は、請求項1の前記駆動輪を有する第1の回転出力軸には、該第1の回転出力軸に設けられたラチェットホイールと、このラチェットホイールの爪部と掛合する爪部を有するラチェットレバーと、このラチェットレバーに重力を付与し、前記ラチェットホイールおよび第1の回転出力軸を介して前記駆動輪に制動を与えて速度調整するウエイトとからなる調速機構をさらに備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、生徒自身が自分の好みでカムホルダーに、例えば直進用、右旋回用、左旋回用等の複数種類のカム駒を選択的に係合するだけで、ロボット本体を自由自在に操舵させて走行させることができる。しかも、カム駒の形状によってロボット本体を制御できるため、カムのメカニズムを学習できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1の走行方向自在制御ロボットの斜視図。
【図2】図1のA方向から見た図。
【図3】図1のB方向から見た図。
【図4】図1のC方向から見た図。
【図5】図1のD方向から見た図。
【図6】同実施例1のカムホルダーの斜視図。
【図7】同実施例1のカム駒とカムフォロアとの関係を示す斜視図。
【図8】同実施例1のカム駒を示し、(a)(b)(c)は斜視図。
【図9】同実施例1の操舵軸とセンサーレバーとの関係を示す平面図。
【図10】同実施例1の調速機構の側面図。
【図11】本発明の実施例2のオリジナルカム駒を示し、(a)(b)は平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は走行方向自在制御ロボットの斜視図であり、図2は図1のA方向から見た図、図3は図1のB方向から見た図、図4は図1のC方向から見た図、図5は図1のD方向から見た図である。
【0017】
図1〜図5に示すように、ロボット本体1はABS等の合成樹脂材料によって成形され、矩形状の一対の側壁2,3は複数本の連結ロッド4によって連結され、全体として矩形ボックス形状に構成されている。
【0018】
ロボット本体1の側壁2と3との間には、基本的には特開2004−258135号公報のギアボックスと同様に、大小異なる複数個のギアを噛合させて動力伝達させる減速ギア機構5が設けられている。この減速ギア機構5には両端部が側壁2と3に回転自在に支持された回転入力軸6と第1の回転出力軸7および第2の回転出力軸8が設けられている。回転入力軸6の一端部には駆動源を構成するぜんまい機構9が、他端部は側壁2の外部に突出しており、この突出部にはぜんまい機構9に駆動力を蓄積する操作つまみ10が設けられている。
【0019】
第1の回転出力軸7はロボット本体1の下部における後部隅部に設けられ、この両端部にはゴムタイヤ11aを有する駆動輪11が設けられている。第2の回転出力軸8はロボット本体1の上部における後部隅部に設けられ、第2の回転出力軸8の軸部にはラック・ピニオン機構12を構成するピニオン13が設けられている。第1の回転出力軸7および第2の回転出力軸8はぜんまい機構9から減速ギア機構5を介して動力伝達され、一定の減速比で回転するようになっている。
【0020】
さらに、ロボット本体1の下部における前部隅部における側壁2と3との間にはゴムタイヤ14aを有する1輪の操舵輪14が設けられている。そして、ロボット本体1は操舵輪14と2輪の駆動輪11の3輪によって床上を走行でき、操舵輪14の操舵によって走行方向が自在に変更できるようになっている。
【0021】
ロボット本体1の上部には前後方向に沿って凹溝形状のガイドレール15が設けられている。ガイドレール15の底部にはスリット状の開口部(図示しない)が設けられ、前記ピニオン13の円周の一部が開口部から上部に突出して設けられている。さらに、ロボット本体1の前部側に位置するガイドレール15の底部には該ガイドレール15の長手方向と直交する方向にセンサーガイド17が設けられ、このセンサーガイド17にはセンサーレバー18がスライド自在に嵌合されている。すなわち、センサーレバー18はセンサーガイド17に案内されてロボット本体1の左右方向に直線往復運動自在である。
【0022】
一方、ロボット本体1の下部における前部に設けられた操舵輪14は、ロボット本体1の垂直方向に支持された操舵軸19の下端部に車輪支持部材20によって回転自在に支持されている。操舵軸19はその軸心を中心として回動自在であり、図9に示すように、上端部には回動レバー21が固定されている。したがって、回動レバー21の回動によって操舵軸19を介して操舵輪14が操舵されるようになっている。回動レバー21はロボット本体1の上部に設けられたガイド枠22に回動自在に支持され、一端には連結ピン23が、他端には切欠部24が設けられている。
【0023】
回動レバー21はガイド枠22に支持されて前記ガイドレール15の下部で回動自在であり、連結ピン23はセンサーレバー18の係合部18aと係合している。回動レバー21の切欠部24にはコイルばね25の一端部が連結され、このコイルばね25の他端部はガイドレール15の一部に連結されている。そして、コイルばね25のばね力によって回動レバー21を操舵軸19を中心として一方向に付勢し、回動レバー21を介してセンサーレバー18を矢印a方向に付勢しており、操舵力伝達機構を構成している。
【0024】
センサーレバー18の長手方向の中間部には上方に突出するピンからなるカムフォロア26が設けられている。このカムフォロア26はガイドレール15に設けられたスリット27に沿って往復運動するようになっている。
【0025】
ガイドレール15の上面にはカムホルダー28が直線移動自在に設けられている。カムホルダー28は、図6に示すように、ABS等の合成樹脂材料によって成形された長方形状のプレートであり、一端部には摘み部29が設けられている。カムホルダー28の下面にはその長手方向に亘ってラック・ピニオン機構12を構成するラック30が一体に設けられ、このラック30はピニオン13と噛合している。
【0026】
カムホルダー28の長手方向に沿う一側縁には同一形状の複数個のホルダー部31が等間隔に設けられ、これらホルダー部31には複数個のカム駒32が個々に着脱可能に設けられている。なお、31aはカム駒32をホルダー部31に取付ける際の基準位置を示す指標である。
【0027】
単一のホルダー部31およびカム駒32について説明すると、ホルダー部31には中央部に係合溝33を有し、この両側部には逃げ溝34が設けられている。図8(a)(b)(c)に示すように、カム駒32は矩形状のプレートであり、基端部32aには係合溝33に弾性的に係合する係合凸部35が設けられている。カム駒32の先端部32bにはカム面36が設けられている。さらに、カム駒32の両側部32cには隣接するカム駒32とラップするラップ係合部37が設けられている。
【0028】
カム駒32のカム面36は、本実施例では直進用の平坦部36aと、右旋回用のV字状の凹部36bと、左旋回用の逆V字状の凸部36cの3種類であり、各カム駒32の上面には直進矢印、右旋回矢印、左旋回矢印のマークが印されている。ラップ係合部37は一側が凹面37aで、他側が凸面37bであり、隣接するカム駒32の両側部32cは凹面37aと凸面37bが係合して段差ができないように形成されている。なお、38はホルダー部31に沿って設けられた支持プレートであり、カム駒32を水平状態に支持する役目をしている。
【0029】
前記カムホルダー28の複数個のホルダー部31に生徒自身が自分の好みで直進用、右旋回用、左旋回用の3種類のカム駒32を選択的に係合して連接すると、オリジナルカムユニット39が形成される。このカムホルダー28をガイドレール15に載置すると、ラック30はピニオン13と噛合し、カム駒32のカム面36にはカムフォロア26が接触する。カムフォロア26はコイルばね25のばね力によって一方向に付勢されているため、カム駒32のカム面36に弾性的に接触するようになっている。
【0030】
ガイドレール15の一側縁部にはレールカバー41が回動自在に係合されている。レールカバー41はガイドレール15およびカムホルダー28を覆うように矩形状に形成されている。したがって、カムホルダー28はガイドレール15とレールカバー41とからなるトンネル状の空洞部を直線移動するようになっている。
【0031】
さらに、図10に示すように、前記駆動輪11を有する第1の回転出力軸7の軸方向の中間部にはラチェットホイール45が嵌着されている。このラチェットホイール45の隣側には略水平方向にラチェットレバー46が枢支軸47を支点として回動自在に設けられている。ラチェットレバー46は一端部に爪部46aを有し、この爪部46aはラチェットホイール45の爪部45aと係脱自在である。ラチェットレバー46の他端部にはその長手方向に等間隔に複数のウエイトホルダー47aは設けられている。
【0032】
ウエイトホルダー47aにはビス孔47bが設けられ、ビス孔47bにはビスからなるウエイト48が選択的にねじ込んで取り付けられている。ウエイト48はラチェットレバー46に爪部46aに加える重力を調整し、ラチェットホイール45の回転(第1の回転出力軸7を介して駆動輪11)に制動を与え、駆動輪11の速度調整する調速機構49を構成している。つまり、ラチェットレバー46の枢支軸47から最も近いウエイトホルダー47aにウエイト48を取り付けると、軽い制動となり、枢支軸47から最も遠いウエイトホルダー47aにウエイト48を取り付けると、重い制動となる。
【0033】
前述のように構成された走行方向自在制御ロボットは、操作つまみ10を手指で摘んで回転させ、回転入力軸6を介してぜんまい機構9に回転駆動力を蓄積し、手指を操作つまみ10から放すと、ぜんまい機構9に蓄積された回転駆動力が減速ギア機構5を介して第1の回転出力軸7と第2の回転出力軸8に伝達される。
【0034】
第1の回転出力軸7の回転は駆動輪11に伝達されてロボット本体1は走行し、第2の回転出力軸8の回転はラック・ピニオン機構12のピニオン13に伝達され、ピニオン13の回転によってラック30を介してカムホルダー28が直線移動する。カムホルダー28にはその長手方向に複数個のカム駒32が連続的に配置されている。カム駒32は直進用の平坦部36aと、右旋回用のV字状の凹部36bと、左旋回用の逆V字状の凸部36cの3種類であり、各カム駒32の配置順は、ロボット本体1を自分の好みの走行計画に沿って決定する。
【0035】
例えば、ロボット本体1を走行させる際に、最初は直進で、ある程度進行したら右旋回させ、次いで左旋回させる走行計画の場合、カムホルダー28の先端部側からホルダー部31には直進用の平坦部36aを有するカム駒32を複数個配置し、次に右旋回用のV字状の凹部36bを有するカム駒32、次に左旋回用の逆V字状の凸部36cを有するカム駒32を配置する。
【0036】
このようにカム駒32が配置されたカムホルダー28はラック・ピニオン機構12によって一定の速度で直線移動する一方で、カム駒32のカム面36にはカムフォロア26が接触しており、このカムフォロア26はコイルばね25のばね力によってカム駒32のカム面36に押し付けられている。したがって、直進用の平坦部36aを有するカム駒32のカム面36にカムフォロア26が接触しているときにはカムフォロア26は移動しないため回動レバー21も静止しているが、カムホルダー28の直線移動に伴ってカム駒32のカム面36がカムフォロア26に対して相対的に移動すると、カムフォロア26がカムホルダー28の直線移動方向と直角方向に移動する。
【0037】
回動レバー21が静止しているときは操舵輪14も操舵されずに直進走行するが、カムフォロア26が移動すると、その運動は回動レバー21を介して操舵軸19に伝達され、操舵軸19がその軸心を中心として回動すると、その回動角にしたがって操舵輪14が操舵されてロボット本体1が右旋回したり、左旋回しながら走行することになる。
【0038】
したがって、生徒自身が自分の好みでカムホルダー28に直進用、右旋回用、左旋回用の3種類のカム駒32を選択的に係合するだけで、ロボット本体1を自由自在に走行させることができる。
【実施例2】
【0039】
実施例1においては、カムホルダーに複数のホルダー部が設けられ、これらホルダー部にカム面が異なる複数個のカム駒を選択的に配置したが、図11(a)(b)に示すように、実施例2のカム駒50は、厚紙、プレスチック等のシート状の基材51の長手方向に沿う一側縁に複数のカム形状を一連的にカットして形成したオリジナルカムシート52であり、前記カムホルダー28に着脱可能にしたものである。
【0040】
すなわち、基材51は長方形状であり、長手方向に沿う一側縁には基部53が設けられ、他側縁には縦罫線および横罫線が印刷されたカット部54が設けられている。カット部54は基準線54aを挟んで上限線54b、下限線54cが印刷されている。したがって、カット部54をカッター等を用いてカットすることにより、直進用の平坦部55a、右旋回用のV字状の凹部55b、左旋回用の逆V字状の凸部55cの3種類のカム駒50を一体的に形成することができる。
【0041】
なお、実施例1においては、駆動原としてぜんまい機構を用いたが、ロボット本体に小型モータとバッテリーを搭載してもよく、バッテリーに代ってソーラーパネルを搭載してもよい。
【0042】
なお、本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の走行方向自在制御ロボットは、例えば、小学生、中学生等の実習授業における教材として、あるいは玩具として用いられる。
【符号の説明】
【0044】
1…ロボット本体、9…ぜんまい機構、11…駆動輪、12…ラック・ピニオン機構、13…ピニオン、14…操舵輪、26…カムフォロア、28…カムホルダー、30…ラック、32…カム駒、52…オリジナルカムシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ぜんまい又は小型モータを駆動源とするギア機構を備え、少なくとも第1の回転出力軸および第2の回転出力軸を有するロボット本体と、
前記ロボット本体に設けられ、前記第1の回転出力軸からの回転によって駆動して該ロボット本体を走行させる駆動輪と、
前記ロボット本体に設けられ、該ロボット本体の走行方向を制御する操舵輪と、
前記ロボット本体に設けられ、前記第2の回転出力軸からの回転によって駆動するラック・ピニオン機構と、
前記ロボット本体に設けられ、前記ラック・ピニオン機構によって直線移動するカムホルダーと、
前記カムホルダーに着脱交換可能に設けられ、該カムホルダーの長手方向に亘って複数種類のカム形状を形成する1個もしくは複数個のカム駒と、
前記ロボット本体に設けられ、前記カム駒のカム面に追従して前記カムホルダーの直線移動方向と直交する方向に直線移動するカムフォロアと、
前記カムフォロアの直線移動を前記操舵輪に伝達し、前記カム駒のカム形状に応じて前記操舵輪を操舵して前記ロボット本体の走行方向を制御する操舵力伝達機構と、
を具備したことを特徴とする走行方向自在制御ロボット。
【請求項2】
前記カムホルダーは、長方形状のプレートであり、その長手方向に沿って前記ラック・ピニオン機構のラックおよび1個もしくは複数個のホルダー部を有し、このホルダー部には前記カム駒が個々に着脱可能であることを特徴とする請求項1記載の走行方向自在制御ロボット。
【請求項3】
前記カム駒は、シート状の基材の長手方向に沿う一側縁に複数のカム形状を一連的にカットしたオリジナルカムシートであり、前記カムホルダーに着脱可能であることを特徴とする請求項1記載の走行方向自在制御ロボット。
【請求項4】
前記カム駒は、前記カムホルダーに対して係合される基部と、前記カムフォロアに対して接触するカム面を有する先端部と、隣接するカム駒相互とラップするラップ接合部を有する両側部とからなることを特徴とする請求項1記載の走行方向自在制御ロボット。
【請求項5】
前記駆動輪を有する第1の回転出力軸には、該第1の回転出力軸に設けられたラチェットホイールと、このラチェットホイールの爪部と掛合する爪部を有するラチェットレバーと、このラチェットレバーに重力を付与し、前記ラチェットホイールおよび第1の回転出力軸を介して前記駆動輪に制動を与えて速度調整するウエイトとからなる調速機構をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の走行方向自在制御ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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