説明

起伏型自動ゲート設備の自動作動制御回路

【課題】水路の水位状態によって自動倒伏、自動起立作動の実施が可能となり、また、一定の時間間隔で自動倒伏・起伏作動の実行が可能となる、起伏型自動ゲート設備の自動作動制御回路を提供する。
【解決手段】両ロッド式油圧シリンダー8と方向制御弁17、油圧ポンプ19並びに作動油タンク23と連通する油圧回路に、油圧ポンプ19によって作動油を供給する時以外は両ロッド式油圧シリンダー側から方向制御弁側への作動油流れを常に遮断する逆止弁16a,16bが設置され、両ロッド式油圧シリンダー8と逆止弁逆止弁16a,16b間の油圧回路に両ロッド式油圧シリンダーの前方油室8aから後方油室8bに作動油が流れるロッド伸方向の油圧連通回路と、後方油室8bから前方油室8aへ作動油が流れるロッドッド縮方向の油圧連通回路を各々設け、この油圧連通回路各々に逆止弁12,14、並びに流量制御弁11,13が配置され、さらに当該連通回路を開放並びに遮断する切替弁10によって構成された作動油循環回路を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川又は海岸部の樋門・水門に設置される起伏型自動ゲート設備の自動作動制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、樋門並びに水門等の設備管理の安全性並びに効率化を目的とし、浮体式起状型自動ケート設備が計画あるいは設置されてきている。当該ゲート設備の技術は、特許文献1に示されるとおり、起伏型の扉体が上下流水位状態に対応し水圧力を作動力として起伏動作することで樋門又は水門の通水部を閉塞又は開放する自動ゲート設備において、両ロッド式の油圧シリンダーを用いて任意操作可能とした技術である。
【特許文献1】特許第3544503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に示す両ロッド式油圧シリンダーの自由な動作を行う連通回路は一回路で、シリンダーの伸動作時も縮動作時も同一回路を経由する。また、両ロッド式油圧シリンダーは常に油圧タンクと連通状態にある。
【0004】
当該回路では、両ロッド式油圧シリンダーの伸縮動作を各々制御することは困難となる。また、回路が作動油タンクと連通しているため、両ロッド式油圧シリンダー動作時、吐出された作動油が作動油タンクヘ戻る可能性がある。
【0005】
樋門・水門設備において自動作動ゲートを有効に、且つ安全に機能させるためには、起立・倒伏の自動作動状態を制御し、波浪等による揺動作動を防止しなければならない。このためには、ゲートの自動起立速度、自動倒伏速度を各々適切な速度とする必要がある。
【0006】
さらに、速度制御を行うためには起立・倒伏の各作動時の作動油回路を特定する必要があり、作動油タンクへの作動油が逃げることを防止しなければならない。
【0007】
そこで、本発明は、起伏型自動ゲート設備の自動作動制御回路により、水路の水位状態によって自動倒伏、自動起立作動の実施が可能となり、また、一定の時間間隔で自動倒伏・起伏作動の実行が可能となる、起伏型自動ゲート設備の自動作動制御回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、河川、又は海岸部等の樋門並びに水門に設置され、浮体式扉体に作用する水圧力によって自動開閉作動する機能を有する河床ヒンジ式の起伏型自動ゲート設備であって、起伏式に設置された浮体式扉体側部に扉体起伏回転中心と同芯で駆動軸を取付、同駆動軸を水路側部に設けた装置室内に貫通させ駆動用アームを固結し、駆動用アームの先端とロッドの先端がピン結合された両ロッド式油圧シリンダーを揺動式に配置し、両ロッド式油圧シリンダーのロッド伸縮動作速度を制御することによって水圧力による扉体の自動起伏作動速度を制御し、且つ両ロッド式油圧シリンダーを伸縮作動させることによって扉体を任意に開閉作動させる、起伏型自動ゲート設備の自動作動制御回路において、前記両ロッド式油圧シリンダーと方向制御弁、油圧ポンプ並びに作動油タンクと連通する油圧回路に、油圧ポンプによって作動油を供給する時以外は両ロッド式油圧シリンダー側から方向制御弁側への作動油流れを常に遮断する逆止弁が設置され、両ロッド式油圧シリンダーと前記逆止弁間の油圧回路に両ロッド式油圧シリンダーの前方油室から後方油室に作動油が流れるロッド伸方向の油圧連通回路と、後方油室から前方油室へ作動油が流れるロッドッド縮方向の油圧連通回路を各々設け、この油圧連通回路のいずれか又は両方に逆止弁、並びに流量制御弁が配置され、さらに当該連通回路を開放並びに遮断する切替弁によって構成された作動油循環回路を形成することを特徴とする。
【0009】
自動作動時の制御回路を閉鎖型とすることにより、任意操作時に発生した作動圧が抜け難くなる問題点が発生する。循環回路内に大きな圧が残ることは好ましくない。本発明は、これを解消するため、作動油循環回路から直接作動油タンクヘ圧抜き用の回路を設け、通常は止め弁によって閉鎖し、任意操作後に一時的に開放し回路内の圧抜きができるようにする。また、圧抜き用の回路にはリリーフバルブを設け、一定のリリーフ圧以下の作動油の戻りを制限することで、必要以上の作動油が作動油タンクヘ戻ることを防止する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の起伏型自動ゲート設備の自動作動制御回路により、水路の水位状態によって自動倒伏、自動起立作動を実施可能となり、また、一定の時間間隔で自動倒伏・起伏作動を実行可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【実施例】
【0012】
図1は浮体式起伏型自動ゲート設備の設置概要図を示し、図1(ア)は設備全体の断面概要図、図1(イ)は浮体式設備自動ゲート側断面概要図を示す。
【0013】
図1に示すとおり、浮体式起伏型自動ゲート設備は堤防32に挿入して設置された樋門31の河川33側出口に設置される。樋門31の河川側出口には側部戸当2a、下部戸当2b、上部戸当2cで構成される戸当金物が設置される。浮休式扉休1は下部支承3によって支持、且つ下部支承3を中心に起立、倒伏作動して樋門31を閉塞、開放する。浮体式扉体1が全起立した状態では、下部支承3と上部支承4によって支持され、河川33側からの水圧荷重を受ける構造となっている。また、樋門31の水路側部に装置室30が設けられている。
【0014】
図2に浮体式扉体1と駆動軸5、トルクアーム6、両ロッド式油圧シリンダー8の構成概要を示す斜視図である。
【0015】
図2に示すとおり、浮体式扉体1の側部に、扉体回転中心と同芯で駆動軸5が取り付けられ、駆動軸5にトルクアーム6が固結される。トルクアーム6と両ロッド式油圧シリンダー8は、トルクアーム先端とシリンダーロッド先端がピン結合されている。また、駆動軸5は軸受7によって支持されている。
【0016】
図3は両ロッド式油圧シリンダーと扉体の動作関係概要図である。
【0017】
図3(ア)は両ロッド式油圧シリンダー8が中間伸動作、浮体式扉体1も中間起立動作状態を示す。図3(イ)は両ロッド式油圧シリンダー8が全伸状態、浮体式扉体1が全起立作動状態を示す。
【0018】
図2及び図3より、この設置形態においては浮体式扉体1が起立作動する時に両ロッド式油圧シリンダー8は伸動作をし、浮体式扉体1が自動倒伏作動する時に両ロッド式油圧シリンダー8は縮動作を行うことがわかる。
【0019】
同様に、油圧操作により両ロッド式油圧シリンダー8を伸作動させると浮体式扉材1は起立作動し、両ロッド式油圧シリンダー8を縮作動させると浮体式扉体1は倒伏作動することがわかる。
【0020】
図4は本発明の制御回路図である。
【0021】
図4において、8aは両ロッド式油圧シリンダー前方油口、8bは同後方油口、10は切替弁、11は流量制御弁、12は逆止弁、13は流量制御弁、14は逆止弁、15a,15bは1方向絞り弁、16a,16bはパイロット付逆止弁、17は方向制御弁、18はリリーフ弁(1)、19は油圧ポンプ、20はフィルター、21は止め弁、22はリリーフ弁(2)、23は作動油タンク、24は圧力計を示す。矢印Aは両ロッド式油圧シリンダー8の伸作動方向、矢印Bは同縮作動方向を示す。なお、止め弁21は常時閉鎖状態とする。
【0022】
図5によって本発明の制御回路による浮体式扉体1の自動作動制御を説明する。本回路ではゲート自動作動制御時には切替弁10は開放状態にある。
【0023】
図5(ア)は浮体式扉体1が水圧力により自動起立作動する時の両ロッド式油圧シリンダー8の伸動作時の回路である。
【0024】
図5(ア)において、作動油は矢印アが示すとおり、両ロッド式油圧シリンダー8の前方油口8aから流量制御弁13、逆止弁14、並びに切替弁10を経由して後方油口8bへ流れる。上記回路以外は逆止弁12、並びにパイロット付逆止弁16aによって閉鎖されている。したがって、自動起立作動時の矢印アの流量は流量制御弁13によって決定される。
【0025】
図5(イ)は浮体式扉体1が自動倒伏作動する時の両ロッド式油圧シリンダー8の縮動作時の回路である。
【0026】
図5(イ)において、作動油は矢印イが示すとおり、両ロッド式油圧シリンダー8の後方油口8bから切替弁10、流量制御弁11、逆止弁12を経由して前方油口8aへ流れる。
【0027】
上記回路以外は逆止弁14、並びにパイロット付逆止弁16bによって閉鎖されている。したがって、自動倒伏作動時の矢印イの流量は流量制御弁11によって決定される。
【0028】
図5(ア)並びに(イ)に示すとおり、両ロッド式油圧シリンダー8が外力によって伸縮動作する時、回路がパイロット付逆止弁16a,16bによって油圧タンク23方向へは遮断されているため、閉鎖された回路内の循環流れとなる。
【0029】
両ロッド式油圧シリンダー8は、前後のロッド径を等しくすることにより、伸縮各動作時においてシリンダー内からの吐出油量と吸引油量が同等となる特性を有する。
【0030】
閉鎖された回路であることと、シリンダーの特性により、外力によるロッド伸縮動作によって押出された作動油の流量調整を行うことによって、両ロッド式油圧シリンダーの動作速度を調整することが可能となり、また、吸引側回路に吸引による負圧が発生することがない。
【0031】
図6によって本発明の制御回路での任意操作による浮体式扉体1の開閉作動時の回路状態を説明する。本回路によってゲート任意操作時は切替弁10を閉鎖状態とする。
【0032】
図6(ア)は両ロッド式油圧シリンダー8を伸作動させ、浮体式扉体1を起立作動させる時の回路図を示す。
【0033】
図6(ア)において、油圧ポンプ19、並びに方向制御弁17の操作により作動油を矢印ウのとおり両ロッド式油圧シリンダー8の後方油室8bに圧送し、矢印A方向ヘロッドを伸作動させる。ロッドの伸作動に伴い前方油口8aから吐出された作動油は矢印工のとおり作動油タンク23に戻される。この時、パイロット付逆止弁16aは、油圧ポンプ19からの作動圧油によって開放され、矢印工の作動油を通過させる。
【0034】
また、一方向絞り弁15aで矢印工の作動油流量調節を行うことによって両ロッド式油圧シリンダー8の伸作動速度を調節することができる。
【0035】
図6(イ)は両ロッド式油圧シリンダー8を縮作動させ、浮体式扉体1を倒伏作動させる時の回路図を示す。
【0036】
図6(イ)において、油圧ポンプ19、並びに方向制御弁17の操作により作動油を矢印オのとおり両ロッド式油圧シリンダー8の前方油室8aに圧送し、矢印B方向ヘロッドを縮作動させる。
【0037】
ロッドの縮作動に伴い前方油口8bから吐出された作動油は矢印力のとおり作動油タンク23に戻される。この時、パイロット付逆止弁16bは、油圧ポンプ19からの作動圧油によって開放され、矢印力の作動油を通過させる。また、一方向絞り弁15bで矢印力の作動油流量調節を行うことによって両ロッド式油圧シリンダー8の縮作動速度を調節することができる。
【0038】
油圧ホンプ19による作動油供給を停止するとパイロット付逆止弁16a、16bは閉鎖され、回路内の作動油はパイロット付逆止弁16a、16bと両ロッド式油圧シリンダー8間の回路の中に密閉された形式となる。
【0039】
油圧ポンプ19による送油圧力が高い場合は、切替弁10を開放しても一定の作動油圧が回路内に残る場合があるが、閉鎖された回路内に一定の作動油圧が存在しても循環形式の回路であるため、両ロッド式油圧シリンダー8の外力による伸縮動作には支障はない。
【0040】
しかしながら、温度変化等による回路内圧の変化等を考慮すると高い作動油圧が残ることは好ましくない。この問題を解決するため、本回路には回路内作動油圧を開放する止め弁21、リリーフ弁22による逃がし回路が設けられる。
【0041】
図7は止め弁21の開放状態を示す図である。止め弁21は通常閉鎖されている。
【0042】
図7において、油圧ポンプ19操作後、油圧計24により、パイロット付逆止弁16a、16bによって閉鎖された回路内に高い作動油圧が残ったことが確認された場合、止め弁21を一時的に開放する。矢印キに示す作動油の流れにより、回路内の作動油圧はリリーフ弁22の設定圧まで下降する。作動油圧の下降が確認されたら止め弁21を閉鎖する。
【0043】
本回路による扉体の自動作動制御について説明する。
【0044】
図10に本回路の原型となる作動油回路を示す。
【0045】
図10に示された油圧回路は、切替弁10の開放により両ロッド式油圧シリンダーの外力による自由な伸縮動作を可能とし、また、切替弁10の閉鎖と油圧ポンプ19、方向制御弁17の操作によって任意の伸縮作動を可能とする機能を有する。
【0046】
しかしながら、図10の回路では両ロッド式油圧シリンダー8の外力による伸縮動作を制御することができない。
【0047】
図8は、図10に示す回路によって制御された浮体式扉体1の、下流側水位に大きな波が発生している中での自動作動状態を示す。
【0048】
図8(ア)は浮体式扉体1が押波34aによって起立作動している状態を示す。図8(イ)は浮体式扉体1が引波34bによって倒伏作動している状態を示す。
【0049】
図8(ア)に示すとおり、浮体式扉体1は押波34aの水圧力によって起立作動を行う。
【0050】
図8(イ)に示すとおり、引波34b時には浮体式扉体1の自重、並びに上流側水位35aの水圧力によって比較的速い速度で倒伏作動を行う。図8(ア)、(イ)に示される浮体式扉体1の起立・倒伏作動は押波34a、引波34bの周期によって繰り返される。また、浮体式扉体1の動作影響により上流側水35aも波打ち、これも浮体式扉体1の起伏動作を急速なものとする。
【0051】
図8(ア)及び図8(イ)に示すとおり、扉体は波によって激しく起立・倒伏作動を繰り返す揺動現象が発生し、これは設備の安全性、耐久性上有害な作動現象となると考えられる。
【0052】
図9は、本発明の回路によって制御された浮体式扉体1の、下流側水位に大きな波が発生している中での自動作動状態を示す。
【0053】
図9(ア)は浮体式扉体1が押波34aによって起立作動している状態を示し、図9(イ)は図9(ア)の押波34aが引波34bになった状態を示す。
【0054】
図9(ア)に示すとおり、浮体式扉体1は押波34aの水圧力によって起立作動を行う。これは、逆流防止を主目的とする設備の用途土、起立速度を比較的速く設定することによる。
【0055】
図9(イ)に示すとおり、引波34b時になっても浮体式扉体1は大きな倒伏動作は行わない。これは自重、並びに土流側水圧による倒伏速度を緩やかなものとしているためである。
【0056】
図9(ア)、(イ)に示される押波34a、引波34bの周期時間内に、浮体式扉体1の倒伏作動は僅かなものとなるため、図8(ア)、(イ)にみられるような大きな揺動現象は発生しない。また、そのため上流側水35bも浮体式扉体1の動作影響が小さく、比較的穏やかなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】(ア)は設備全体の断面概要図、(イ)は浮体式設備自動ゲート側断面概要図である。
【図2】浮体式扉体と駆動軸、トルクアーム、両ロッド式油圧シリンダーの構成概要図である。
【図3】(ア)は両ロッド式油圧シリンダー中間伸動作、浮体式扉体中間起立動作状態図、(イ)は両ロッド式油圧シリンダー全伸状態、浮体式扉体が全起立作動状態図である。
【図4】本発明の制御回路図である。
【図5】(ア)は本発明の制御回路による自動作動制御1を示す制御回路図、(イ)は本発明の制御回路による自動作動制御2を示す制御回路図である。
【図6】(ア)は本発明の制御回路による任意操作制御1を示す制御回路図、(イ)は本発明の制御回路による任意操作制御2を示す制御回路図である。
【図7】本発明の制御回路による回路内圧開放操作図である。
【図8】(ア)は起立・倒伏各々の制御が出来ない状態での波浪時の自動作動状態1(起立)を示す図、(イ)は起立・倒伏各々の制御が出来ない状態での波浪時の自動作動状態2(倒伏)を示す図である。
【図9】(ア)は起立・倒伏各々の制御可能状態での波浪時の自動作動状態1(起立)を示す図、(イ)は起立・倒伏各々の制御可能状態での波浪時の自動作動状態2を示す図である。
【図10】本発明の原型となった基本回路図である。
【符号の説明】
【0058】
1 浮体式扉体
2a 側部戸当
2b 下部戸当
2c 上部戸当
3 下部支承
4 上部支承
5 駆動軸
6 トルクアーム
7 駆動軸受
8 両ロッド式油圧シリンダー
8a 両ロッド式油圧シリンダー前方油口
8b 両ロッド式油圧シリンダー後方油口
9a 操作・制御装置
9b 油圧配管
10 切替弁
11 流量調節弁
12 逆止弁
13 流量調節弁
14 逆止弁
15a 一方向絞り弁
15b 一方向絞り弁
16a パイロット付逆止弁
16b パイロット付逆止弁
17 方向制御弁
18 リリーフ弁(1)
19 油圧ポンプ
20 フィルター
21 止め弁
22 リリーフ弁(2)
23 作動油タンク
24 圧力計
30 装置室
31 樋門
32 堤防
33河川(河床)
矢印A 両ロッド式油圧シリンダーの伸動作方向
矢印B 両ロッド式油圧シリンダーの縮動作方向
矢印ア 両ロッド式油圧シリンダーの伸動作時の作動油流れ
矢印イ 両ロッド式油圧シリンダーの縮動作時の作動油流れ
矢印ウ 両ロッド式油圧シリンダー伸操作時の送油方向の流れ
矢印エ 両ロッド式油圧シリンダー伸操作時の作動油戻り方向の流れ
矢印オ 両ロッド式油圧シリンダー縮操作時の送油方向の流れ
矢印カ 両ロッド式油圧シリンダー縮操作時の作動油戻り方向の流れ
矢印キ 回路内圧解消時の作動油逃げ流れ
矢印ク 浮体式扉体の倒伏作動方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
河川、又は海岸部等の樋門並びに水門に設置され、浮体式扉体に作用する水圧力によって自動開閉作動する機能を有する河床ヒンジ式の起伏型自動ゲート設備であって、起伏式に設置された浮体式扉体側部に扉体起伏回転中心と同芯で駆動軸を取付、同駆動軸を水路側部に設けた装置室内に貫通させ駆動用アームを固結し、駆動用アームの先端とロッドの先端がピン結合された両ロッド式油圧シリンダーを揺動式に配置し、両ロッド式油圧シリンダーのロッド伸縮動作速度を制御することによって水圧力による扉体の自動起伏作動速度を制御し、且つ両ロッド式油圧シリンダーを伸縮作動させることによって扉体を任意に開閉作動させる、起伏型自動ゲート設備の自動作動制御回路において、
前記両ロッド式油圧シリンダーと方向制御弁、油圧ポンプ並びに作動油タンクと連通する油圧回路に、油圧ポンプによって作動油を供給する時以外は両ロッド式油圧シリンダー側から方向制御弁側への作動油流れを常に遮断する逆止弁が設置され、両ロッド式油圧シリンダーと前記逆止弁間の油圧回路に両ロッド式油圧シリンダーの前方油室から後方油室に作動油が流れるロッド伸方向の油圧連通回路と、後方油室から前方油室へ作動油が流れるロッド縮方向の油圧連通回路を各々設け、この油圧連通回路のいずれか又は両方に逆止弁、並びに流量制御弁が配置され、さらに当該連通回路を開放並びに遮断する切替弁によって構成された作動油循環回路を形成することを特徴とする起伏型自動ゲート設備の自動作動制御回路。
【請求項2】
作動油循環回路から止め弁を介して作動油タンクヘ連通する開放回路を有することを特徴とする請求項1記載の浮体式扉体の自動作動制御回路。
【請求項3】
開放回路にリリーフ弁を有することを特徴とする請求項2の浮体式扉体の自動作動制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−257831(P2006−257831A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−80044(P2005−80044)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(594148645)株式会社協和製作所 (10)
【Fターム(参考)】