説明

超小型アンテナ駆動装置

【課題】
本発明は携帯用移動通信端末機のアンテナを伸縮させる装置に関するものである。
【解決手段】
本発明は、携帯電話のハウジング内に設けられアンテナを引き出したり押し込むアンテナ駆動装置において、上記アンテナの伸縮方向と直交するようその外周面にアンテナが接触しマグネットが付着された中空円筒型のモータ本体と、上記モータ本体内に挿入されコイルを設けるシャフトとを備える駆動モータ;及び
入力端は上記シャフトの一端と連結され、出力軸は携帯電話のハウジング内に固定され、上記モータ本体と結合されて、上記入力端に入力される回転速度が減速され上記出力軸に出力される減速機;を含み、上記駆動モータの駆動により上記モータ本体を回転させ、上記モータ本体の回転により上記アンテナを伸縮させることを特徴とする超小型アンテナ駆動装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯用移動通信端末機のアンテナを伸縮させる装置に関するものであって、より詳しくはアンテナと接触するモータ本体が回転することによりアンテナを伸縮させるよう構成された超小型アンテナ駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に携帯用移動通信端末機は様々な形態のアンテナを備えている。こうしたアンテナは上記携帯用移動通信端末機の送信及び受信感度を向上させる役目を果たし、そのために携帯用移動通信端末機のハウジングに内蔵され必要な場合引き出されるよう構成されている。
【0003】
即ち、上記携帯用移動通信端末機のハウジングから上記アンテナが引き出されると、上記アンテナは上記ハウジングの上端部に設けられたアンテナケーシングを通して携帯用移動通信端末機と接続され上記携帯用移動通信端末機の送受信感度を向上させるようになる。
【0004】
一方、上記アンテナは必要であれば使用者により手動で上記ハウジングから引き出されるよう構成することもできるが、使用上の便利を図って駆動手段により自動で引き出したり押し込むよう構成することもできる。
【0005】
図1に示すように、従来の携帯電話のアンテナ駆動システムは駆動ローラ(102)、従動ローラ(104)、アンテナ(106)、減速モジュール(110)及び柔軟性連結手段(130)を含んでいる。
【0006】
この際、上記駆動ローラ(102)と従動ローラ(104)はメインブラケット(108)上に回転可能に設けられるシャフト(102a、104a)を夫々設けている。上記駆動ローラ(102)と従動ローラ(104)との間にはアンテナ(106)が介在する。上記アンテナ(106)は上記従動ローラ(104)により上記駆動ローラ(102)の外周面上に加圧される。
【0007】
一方、上記駆動ローラ(102)は上記メインブラケット(108)の一側に設けられる減速モジュール(110)により駆動されるよう構成される。この際、上記減速モジュール(110)は駆動モータ(112)と複数個の減速ギアを備えた減速機を含む。
【0008】
上記のように構成された減速モジュール(110)の駆動シャフト(図示せず)と上記駆動ローラ(102)のシャフト(102a)との間には柔軟性連結手段(130)が設けられる。上記柔軟性連結手段(130)は上記減速モジュール(110)の駆動シャフト(図示せず)と上記駆動ローラ(102)のシャフト(102a)が同軸線上に位置せずとも上記減速モジュール(110)から発生する回転力を上記駆動ローラ(102)に伝達する役目を果たす。
【0009】
一方、図2に示すように、上記減速モジュール(110)が駆動され回転力が発生すると、その回転力は上記柔軟性連結手段(130)により上記駆動ローラ(102)のシャフト(102a)を回転させ、上記駆動ローラ(102)が回転するようになる。
【0010】
上記のように上記駆動ローラ(102)が回転するにつれて上記駆動ローラ(102)と上記従動ローラ(104)との間に介在しているアンテナ(106)は上記携帯電話ハウジング(101)の外部に押し出すされたり引き込まれる直線運動を行うことになる。
【0011】
しかし、上記のように構成された従来の携帯電話のアンテナ駆動システムには次のような問題点があった。
【0012】
図2に示すように、従来の携帯電話のアンテナ駆動システムは減速モジュール(110)と、駆動ローラ(102)及び従動ローラ(104)を具備したメインブラケット(108)を備えるので、設置空間が過度に必要になってしまう問題があった。
【0013】
こうした問題を解消するために上記駆動ローラ(102)と従動ローラ(104)を小型化させ上記メインブラケット(108)の大きさを縮減した。
【0014】
しかし、上記のように駆動ローラ(102)と従動ローラ(104)を小型化させると、その直径が減少するので上記アンテナ(106)を伸縮させるために上記駆動ローラ(102)と従動ローラ(104)の回転数が多くなる。これは上記アンテナ(106)が上記ローラ(102、104)の外周上に過度に繰り返し接触され、上記ローラ(102、104)の急激な磨耗を招いた。
【0015】
また、上記ローラ(102、104)は上記アンテナ(106)に一定の摩擦力を与えるためにゴム材質から成る。この際、上記アンテナ(106)は上記従動ローラ(104)により上記駆動ローラ(102)の外周面上に加圧されるので上記ローラ(102、104)は頻繁に永久変形してしまい、上記アンテナ(106)の作動安定性を低下させる問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は上記のような従来の問題を解消させるためのものであって、アンテナが回転するモータ本体に直に接触するよう構造を単純化させることにより設置空間を減少させ、アンテナによるローラの永久変形を減少させ、ローラの磨耗を減少させるよう改善した超小型アンテナ駆動装置を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を成し遂げるために本発明は、携帯電話のハウジング内に設けられアンテナを引き出したり押し込むアンテナ駆動装置において、上記アンテナの伸縮方向と直交するようその外周面にアンテナが接触しマグネットが付着された中空円筒型のモータ本体と、上記モータ本体内に挿入されコイルを設けるシャフトとを備える駆動モータ;及び入力端は上記シャフトの一端と連結され、出力軸は携帯電話のハウジング内に固定され、上記モータ本体と結合されて、上記入力端に入力される回転速度が減速され上記出力軸に出力される減速機;を含み、上記駆動モータの駆動により上記モータ本体を回転させ、上記モータ本体の回転により上記アンテナを伸縮させることを特徴とする超小型アンテナ駆動装置を提供する。
【0018】
好ましくは、上記モータ本体の外周面に接触するよう携帯電話のハウジング内に弾性的に設けられる案内ローラを備え、上記モータ本体と案内ローラとの間に上記アンテナが介在するよう構成することができる。
【0019】
好ましくは、上記モータ本体の一端には雄ねじ部が形成され、上記減速機の入力端には雌ねじ部が形成され、上記モータ本体と減速機とをネジ結合させることができる。
【0020】
好ましくは、上記モータ本体の外周面にはゴムコーティング層が形成されることができ、より好ましくは上記ゴムコーティング層はウレタンコーティング層であることができる。
【0021】
好ましくは、上記案内ローラは、その長手方向へ挿入固定された案内ローラ軸;上記案内ローラ軸の両端を回転可能に支持し上記ハウジングに形成された案内溝に挿入される支持ブロック;及び、上記支持ブロックとハウジングとの間に介在する弾性部材;を備えて上記ハウジング内に弾性的に設けることができる。
【0022】
好ましくは、上記案内ローラはその長手方向の中央部において直径が最小となるよう円周面が屈曲していることができる。
【0023】
好ましくは、上記案内ローラはその外周上にゴムコーティング層が形成されることができ、より好ましくは上記ゴムコーティング層はウレタンコーティング層であることができる。
【0024】
また、本発明は携帯電話のハウジング内に設けられアンテナを引き出したり押し込むアンテナ駆動装置において、上記アンテナの伸縮方向と直交するようその外周面にアンテナが接触しマグネットが付着された中空円筒型のモータ本体と、上記モータ本体内に挿入されコイルを設けるシャフトとを備える駆動モータ;を含み、上記駆動モータの駆動により上記モータ本体を回転させ、上記モータ本体の回転により上記アンテナを伸縮させることを特徴とする超小型アンテナ駆動装置を提供する。
【0025】
好ましくは、上記駆動モータは両軸モータであることができる。
【0026】
好ましくは、上記モータ本体の外周面に接触するよう携帯電話のハウジング内に弾性的に設けられる案内ローラを備え、上記モータ本体と案内ローラとの間に上記アンテナが介在するよう構成することができる。
【0027】
好ましくは、上記駆動モータは減速機が一側出力軸に設けられた双軸ギヤードモータであることができる。
【0028】
好ましくは、上記モータ本体の外側面にはゴムコーティング層が形成されることができ、より好ましくは上記ゴムコーティング層はウレタンコーティング層であることができる。
【0029】
好ましくは、上記案内ローラはその長手方向に挿入固定された案内ローラ軸;上記案内ローラ軸の両端を回転可能に支持し上記ハウジングに形成された案内溝に挿入される支持ブロック;及び、上記支持ブロックとハウジングとの間に介在する弾性部材;を備えて上記ハウジング内に弾性的に設けることができる。
【0030】
好ましくは、上記案内ローラはその長手方向の中央部において直径が最小となるよう円周面が屈曲していることができる。
【0031】
好ましくは、上記案内ローラはその外周上にゴムコーティング層が形成されることができ、上記ゴムコーティング層はウレタンコーティング層であることができる。
【発明の効果】
【0032】
上記のように本発明によると、別途の駆動ローラを設けずに、回転する駆動モータのモータ本体とアンテナとを直に接触させアンテナを伸縮させることによりその設置空間を縮減する効果が得られる。
【0033】
また、携帯電話ハウジングに上記駆動モータと案内ローラを直接装着するので別途の固定ブラケットが必要無いことから、駆動モータのモータ本体や案内ローラの直径を増加させて駆動モータのモータ本体及び案内ローラと上記アンテナとの接触がその外周上で過度に繰り返されないようにし、駆動モータのモータ本体と案内ローラの急激な磨耗を防止する効果が得られる。
【0034】
さらに、ゴムコーティング層の形成された構造の駆動モータのモータ本体を駆動ローラとし、これと同じ構造の案内ローラを利用することによりローラの永久変形によるアンテナ作動安定性の低下を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、添付の図に基づき本発明の好ましき実施例をより詳しく説明すれば次のとおりである。
【0036】
図3は本発明による超小型アンテナ駆動装置の分解斜視図で、図4は図3のA-Aに沿った断面図で、図5は本発明による超小型アンテナ駆動装置の接点部材の斜視図で、図6は本発明による超小型アンテナ駆動装置に用いられた減速機の横断面図で、図7は本発明による超小型アンテナ駆動装置が装着された携帯電話のハウジングを示す概略図である。
【0037】
図3に示したように、本発明による超小型アンテナ駆動装置(1)は駆動モータ(10)、アンテナ(50)及び減速機(70)を含む。上記駆動モータ(10)は減速機(70)と結合して携帯電話のハウジング(101)内に回転可能に設けられる。ここで、上記駆動モータ(10)は上記アンテナ(50)の伸縮方向と直交するようにアンテナ(50)と接触しハウジング(101)内に設けられる。
【0038】
一方、図4に示すように、上記駆動モータ(10)はモータ本体(12)とシャフト(16)を備える。上記モータ本体(12)は中空型の円筒形状で、その内側面にマグネット(magnet)(14)が付着される。 そして、モータ本体(12)の一端には、外周面にネジ山の形成された円筒型の雄ねじ部(12a)が突出する。
【0039】
この際、上記雄ねじ部(12a)は上記モータ本体(12)の外径より小さい外径を有し、その内側面にはベアリング溝(12b)が形成され第1ベアリング(13)が挿入されるよう構成する。
【0040】
上記のように構成したモータ本体(12)の他端には固定キャップ(22)が結合される。上記固定キャップ(22)はその一側面に第2ベアリング(23)が挿入されるベアリング溝(22a)と、上記ベアリング溝(22a)と同心を成す貫通溝(22b)を設ける。上記固定キャップ(22)にはブラシ(24)が固定されるが、上記ブラシ(24)は上記固定キャップ(22)を貫通し上記固定キャップ(22)の他側面に突出する。
【0041】
一方、モータ本体(12)内にはシャフト(16)が挿入されるが、上記シャフト(16)は中央部にコイル(18)が固定され、両端には上記中央部より小さい直径を有するジャーナル部が形成される。即ち、上記シャフト(16)上においてコイル(18)が固定された中央部と上記ジャーナル部の間には夫々段部(16a)が形成される。
【0042】
したがって、上記シャフト(16)が上記モータ本体(12)内に挿入される場合、シャフト(16)の両端に形成されたジャーナル部は夫々上述した第1、2ベアリング(13、23)により回転可能に支持されることにより上記シャフト(16)が上記モータ本体(12)内において回転可能なよう設けられる。
【0043】
この際、上記シャフト(16)の中央部に固定されたコイル(18)と上記モータ本体(12)の内側面に固定されたマグネット(14)とは相互一定間隔を置いて離隔するよう配される。
【0044】
即ち、シャフト(16)の両端に形成されたジャーナル部が夫々上記第1、2ベアリング(13、23)により回転可能なよう支持される場合、シャフト(16)に形成された段部(16a)は上記第1、2ベアリング(13、23)が上記シャフト(16)の中央部へ移動しないよう上記シャフト(16)の軸方向に支持する。したがって、上記シャフト(16)は第1、2ベアリング(13、23)によりその中央部が軸方向に移動しないよう固定され、モータ本体(12)内で回転可能に設けられる。
【0045】
一方、上記シャフト(16)の後端に形成されたジャーナル部の外周上には上記コイル(18)と電気的に接続された整流子(17)が付着され上記モータ本体(12)内に配される。即ち、上記ブラシ(24)は上記固定キャップ(22)が上記モータ本体(12)の他端に結合される際、上記整流子(17)の外側面に接触するよう構成される。
【0046】
したがって、上記コイル(18)には、ブラシ(24)に電源が印加されると整流子(17)を通して電流が供給される。
【0047】
図4に示すように、上記シャフト(16)のジャーナル部は上記モータ本体(12)の外側に突出しており、その一端には減速機(70)が結合される。即ち、上記減速機(70)はその入力端に雌ねじ部(70a)が形成され上記モータ本体(12)に形成された雄ねじ部(12a)とネジ結合するよう構成されることができる。
【0048】
この際、上記モータ本体(12)の外周面と上記減速機(70)の外側面にはゴムコーティング層(15)が形成されることができ、好ましくは上記ゴムコーティング層はウレタンコーティング層であることができる。上記ゴムコーティング層(15)は本実施例においてウレタンコーティング層と説明したが、上記アンテナ(50)と接触し一定の摩擦力を発生させることさせできれば、如何なるものでも上記ゴムコーティング層の材質に用いることができる。
【0049】
一方、上記減速機(70)の出力軸(79a)は携帯電話のハウジング(図示せず)内に回転しないよう固定される。即ち、上記減速機(70)の出力軸(79a)先端には固定ブロック(92)が固定され上記固定ブロック(92)は携帯電話のハウジング内に固定される。
【0050】
さらに、上記シャフト(16)の後端は、ベアリングが内蔵され、上記固定ブロック(92)と同様に携帯電話のハウジングに固定される接点部材(94)により回転可能に支持される。
【0051】
図5に示すように、上記接点部材(94)はその一側面に開放された接点部(94a)が形成されるが、接点部(94a)には導電性の接触部(94b)が形成される。接触部(94b)は直径が異なる2個の環形パターンであることができ、上記ブラシ(24)と夫々接触する。
【0052】
この際、上記接触部(94b)は接点部材(94)に連結されるリード線(94c)により外部電源と電気的に接続されるよう構成される。
【0053】
したがって、上記シャフト(16)が回転する場合にも上記コイル(18)には接触部(94b)、ブラシ(24)及び整流子(17)を通して電源が印加されることができる。
【0054】
一方、図3に示すように、携帯電話のハウジング(101)内には駆動モータ(10)の外周面に接触するようアンテナ(50)が設けられる。即ち、本実施例において上記アンテナ(50)は好ましくは案内ローラ(32)により駆動モータ(10)の外周面に密着するよう設けられるもので示すが、他にも携帯電話ハウジング(101)内に形成された支持手段(図示せず)またはハウジング(101)内部に装着される機構物(図示せず)などにより上記駆動モータの外周面と接触するよう構成されることもできる。
【0055】
図3と図4に例示した案内ローラ(32)は携帯電話ハウジング(101)に弾性的に設けられ駆動モータ(10)の外周面に密着するよう構成される。したがって、上記アンテナ(50)は駆動モータ(10)と案内ローラ(32)との間に介在し駆動モータ(10)の外周面に接触するよう構成されることができる。
【0056】
即ち、上記案内ローラ(32)はその長手方向に挿入固定された案内ローラ軸(34)を備えるが、上記案内ローラ軸(34)は上記案内ローラ(32)の両側に突出する。
【0057】
この際、上記案内ローラ軸(34)の両端には夫々ベアリングが挿入された支持ブロック(36)が結合されるが、これにより上記案内ローラ(32)は回転可能になる。
【0058】
一方、図3に示すように、上記支持ブロック(36)には案内突起(36a)が形成され、その下部には弾性部材であるスプリング(38)が設けられ上記携帯電話ハウジング(101)に弾性的に支持されるよう設けられることができる。
【0059】
即ち、上記携帯電話ハウジング(101)には案内溝の形成された突出部(101a)が形成されるが、上記案内溝には上記案内ローラ軸(34)の両端に設けられた支持ブロック(36)の案内突起(36a)が挿入される。
【0060】
この際、上記支持ブロック(36)の下部にはスプリング(38)が設けられているので上記スプリング(38)は上記携帯電話ハウジング(101)と上記支持ブロック(36)との間に配される。したがって、上記案内ローラ(32)はスプリング(38)の弾性力により上記駆動モータ(10)のモータ本体(12)外周面に接触するよう上記ハウジング内に設けられる。
【0061】
一方、上記案内ローラ(32)は円筒形であることもでき、好ましくはその長手方向の中央部において直径が最小となるよう屈曲した円周面を有する形状であることができる。これは後述するアンテナ(50)が上記駆動モータ(10)と上記案内ローラ(32)の間から離脱しないようにさせるためである。
【0062】
また、上記案内ローラ(32)は強固な材質、例えば金属、合成樹脂、木材などから成ることができ、その外周上にゴムコーティング層が形成されることができる。上述したように案内ローラ(32)を強固な材質で形成する理由は上記スプリング(38)の弾性力により上記案内ローラ(32)が永久変形されることを防止するためである。
【0063】
さらに、上記ゴムコーティング層は上述したモータ本体(12)の外周面に形成されたゴムコーティング層(15)と同様に好ましくはウレタンコーティング層であることができるが、上記アンテナ(50)と接触して一定の摩擦力を発生させることさえできれば、如何なるものであろうと上記ゴムコーティング層の材質に用いることができる。
【0064】
一方、上記減速機(70)は当業界において一般に用いられるものを適用するが、その代表として遊星ギアの原理を利用するものであることができる。
【0065】
即ち、図6に示したように、上記減速機(70)は減速機ボディ(72)の入力端内に固定された環形の案内ギア(74)と上記案内ギア(74)に内接する複数個の遊星ギア(76)を含むことができる。この際、上記減速機(70)の断面中央には夫々の遊星ギア(76)と外接する駆動ギア(78)が回転可能に設けられる。
【0066】
一方、図4と図6に示したように、上記遊星ギア(76)の中心には夫々遊星ギア軸(76a)が固定されている。上記遊星ギア軸(76a)は上記遊星ギア(76)の一側面に突出し出力部材(79)に回転可能に連結されている。
【0067】
上記出力部材(79)は上記減速機ボディ(72)内に回転可能に設けられることができ、その中央部から突出するよう形成された出力軸(79a)を備える。
【0068】
この際、上記減速機(70)の入力端に配された駆動ギア(78)は上記シャフト(16)の一端と結合することにより、上記駆動モータ(10)と上記減速機(70)は相互動力が伝わるよう連結される。したがって、上記出力軸(79a)が上記携帯電話のハウジングに固定されると上記シャフト(16)も回転しなくなる。
【0069】
上記減速機(70)は上述した構造と異るよう構成することができ、一般に当業界において周知である他構造の減速機で代替することも可能である。
【0070】
上述したように、減速機(70)の出力軸(79a)には固定ブロック(92)が結合され、上記駆動モータ(10)のシャフト(16)後端ジャーナル部に接点部材(94)が結合され、上記固定ブロック(92)と接点部材(94)がハウジングに結合されることにより上記駆動モータ(10)はハウジング内に装着される。
【0071】
この際、上記シャフト(16)のジャーナル部はベアリングが挿入された接点部材(94)により回転可能に支持され、上記減速機(70)の出力軸(79a)は回転しないよう固定ブロック(92)により固定される。
【0072】
上記固定ブロック(92)と接点部材(94)は上記案内溝の形成された突出部(101a)の上面にボルト結合することができる。
【0073】
上述したように構成された駆動モータ(10)の外周面にはアンテナが接触するよう構成される。即ち、上記駆動モータ(10)と案内ローラ(32)との間にアンテナ(50)が介在するが、この際上記アンテナ(50)は離脱しないよう上記案内ローラ(32)により上記駆動モータ(10)のモータ本体(12)外周面に接触しながら案内される。
【0074】
したがって、上記アンテナ(50)は上記モータ本体(12)及び案内ローラ(32)と接触して発生する摩擦力により直線で移動するよう構成される。
【0075】
上記のように構成された本発明による超小型アンテナ駆動装置は上記シャフト(16)に固定されたコイル(18)に電源が印加される場合、上記モータ本体(12)内側面に装着されたマグネット(14)と上記コイル(18)との相互作用により電磁気力が発生する。
【0076】
この際、上記シャフト(16)はその一端が固定され回転しないよう構成されているので上記モータ本体(12)が回転するようになる。 一方、減速機(70)はその入力端が上記シャフト(16)の一端に設けられるよう上記モータ本体(12)の一側にネジ結合されているので上記減速機(70)の出力軸(79a)を中心に上記減速機ボディ(72)が回転するようになる。
【0077】
したがって、上記駆動モータ(10)のモータ本体(12)は、上述したように上記コイル(18)に電源が印加されると、上記減速機(70)により一定の減速比で回転するように構成される。
【0078】
一方、上記のように上記駆動モータ(10)のモータ本体(12)が回転すると上記案内ローラ(32)により上記モータ本体(12)の外周面に接触するよう加圧されるアンテナ(50)は、上記モータ本体(12)の外周面に形成されたゴムコーティング層(15)との摩擦力により前・後進することにより携帯電話ハウジングの外部へ引き出される。
【0079】
また、上記駆動モータ(10)のモータ本体(12)が上記と逆に回転すると、上記と同じ原理により上記アンテナ(50)は携帯電話ハウジング内部に押し込まれることにより、上記アンテナ(50)の伸縮が自動で行われるようになる。
【0080】
上記に説明したように、本発明による超小型アンテナ駆動装置は、アンテナ(50)と接触する駆動モータ(10)のモータ本体(12)が回転しながら上記アンテナ(50)を伸縮させるよう構成されるので、別途の駆動ローラが不要になり設置空間を画期的に減少させることができる。
【0081】
また、携帯電話ハウジングに上記駆動モータ(10)と案内ローラ(32)を直接装着する構造なので別途の固定ブラケットが必要無く、その分だけ大直径を有する上記駆動モータ(10)のモータ本体(12)案内ローラ(32)を適用することができる。こうして、上記駆動モータ(10)のモータ本体(12)及び案内ローラ(32)と上記アンテナ(50)との接触がその外周上で過度に繰り返されないようにし、上記駆動モータ(10)のモータ本体(12)及び案内ローラ(32)の急激な磨耗を防止できるようになる。
【0082】
これは上記駆動モータ(10)のモータ本体(12)及び案内ローラ(32)の直径が増加すると、少ない回転数によっても上記アンテナ(50)の??、押し出すが可能なのでそれでかアンテナ(50)と駆動モータ(10)のモータ本体(12)及び案内ローラ(32)との接触回数を減少させられるからである。
【0083】
また、従来の駆動ローラと従動ローラはゴム材質から成り上記アンテナがその間に介在する場合、上記駆動ローラと従動ローラが変形状態を継続的に維持することにより上記ローラに永久変形が発生し易かったが、本発明はゴムコーティングされた駆動モータのモータ本体を駆動ローラに用い案内ローラの構造もゴムコーティング構造に改善することによってローラの永久変形のためアンテナの作動安定性が低下するとの従来の問題を解消できる。
【0084】
一方、本発明による超小型アンテナ駆動装置における駆動モータは別途の減速機が装着されない構造であることもできる。即ち、他部分は上述した実施例と同一であり、上記駆動モータは好ましく上記モータ本体(12)の両側にシャフト(16)が突出した両軸モータであることができる。
【0085】
さらに、より好ましく、上記駆動モータは減速機が一側出力軸に設けられた両軸ギヤードモータであることもできる。この際、上記駆動モータの両側に突出したシャフト中少なくともその一端は上記携帯電話のハウジング内に固定されるよう構成されることもできる。
【0086】
本発明は特定な実施例に係わり図示し説明したが、本願の特許請求範囲により設けられる本発明の精神や分野を外れない限度内において本発明が様々に改造及び変化され得ることは当業界において通常の知識を有する者にとっては容易に想到可能であることを明かしておく。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】従来の携帯電話の自動伸縮アンテナシステムの斜視図である。
【図2】従来の携帯電話の自動伸縮アンテナシステムが装着された携帯電話のハウジングを示した図である。
【図3】本発明による超小型アンテナ駆動装置の分解斜視図である。
【図4】図3のA-Aに沿った断面図である。
【図5】本発明による超小型アンテナ駆動装置の接点部材の斜視図である。
【図6】本発明による超小型アンテナ駆動装置に用いられた減速機の横断面図である。
【図7】本発明による超小型アンテナ駆動装置が装着された携帯電話のハウジングを示した概略図である。
【符号の説明】
【0088】
10 駆動モータ
12 モータ本体
14 マグネット
16 シャフト
18 コイル
22 固定キャップ
32 案内ローラ
34 案内ローラ軸
36 ベアリングブロック
38 スプリング
50 アンテナ
70 減速機
72 減速機ボディ
74 案内ギア
76 遊星ギア
78 駆動ギア
79 出力軸部材
79a 出力軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話のハウジング内に設けられアンテナを引き出したり押し込むアンテナ駆動装置において、
上記アンテナの伸縮方向と直交するようその外周面にアンテナが接触しマグネットが付着された中空円筒型のモータ本体と、上記モータ本体内に挿入されコイルを設けるシャフトとを備える駆動モータ;及び
入力端は上記シャフトの一端と連結され、出力軸は携帯電話のハウジング内に固定され、上記モータ本体と結合されて、上記入力端に入力される回転速度が減速され上記出力軸に出力される減速機;を含み、
上記駆動モータの駆動により上記モータ本体を回転させ、上記モータ本体の回転により上記アンテナを伸縮させることを特徴とする超小型アンテナ駆動装置。
【請求項2】
上記モータ本体の外周面に接触するよう携帯電話のハウジング内に弾性的に設けられる案内ローラを備え、上記モータ本体と案内ローラとの間に上記アンテナが介在するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項3】
上記モータ本体の一端には雄ねじ部が形成され, 上記減速機の入力端には雌ねじ部が形成され、上記モータ本体と減速機とがネジ結合することを特徴とする請求項1に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項4】
上記モータ本体の外周面にはゴムコーティング層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項5】
上記ゴムコーティング層はウレタンコーティング層であることを特徴とする請求項4に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項6】
上記案内ローラはその長手方向に挿入固定された案内ローラ軸;
上記案内ローラ軸の両端を回転可能に支持し上記ハウジングに形成された案内溝に挿入される支持ブロック;及び
上記支持ブロックとハウジングとの間に介在する弾性部材;を備えて上記ハウジング内に弾性的に設けられることを特徴とする請求項2に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項7】
上記案内ローラはその長手方向の中央部において直径が最小になるよう円周面が屈曲していることを特徴とする請求項2に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項8】
上記案内ローラは外周上にゴムコーティング層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項9】
上記ゴムコーティング層はウレタンコーティング層であることを特徴とする請求項8に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項10】
携帯電話のハウジング内に設けられアンテナを引き出したり押し込むアンテナ駆動装置において、
上記アンテナの伸縮方向と直交するようその外周面にアンテナが接触しマグネットが付着された中空円筒型のモータ本体と、上記モータ本体内に挿入されコイルを設けるシャフトとを備える駆動モータ;を含み、
上記駆動モータの駆動により上記モータ本体を回転させ、上記モータ本体の回転により上記アンテナを伸縮させることを特徴とする超小型アンテナ駆動装置。
【請求項11】
上記駆動モータは両軸モータであることを特徴とする請求項10に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項12】
上記モータ本体の外周面に接触するよう携帯電話のハウジング内に弾性的に設けられる案内ローラを備え、上記モータ本体と案内ローラとの間に上記アンテナが介在するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項13】
上記駆動モータは減速機が一側出力軸側に設けられた両軸ギヤードモータであることを特徴とする請求項10に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項14】
上記モータ本体の外側面にはゴムコーティング層が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項15】
上記ゴムコーティング層はウレタンコーティング層であることを特徴とする請求項14に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項16】
上記案内ローラはその長手方向に挿入固定された案内ローラ軸;
上記案内ローラ軸の両端を回転可能に支持し、上記ハウジングに形成された案内溝に挿入される支持ブロック; 及び
上記支持ブロックとハウジングとの間に介在する弾性部材;を備えて上記ハウジング内に弾性的に設けられることを特徴とする請求項12に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項17】
上記案内ローラはその長手方向の中央部において直径が最小となるよう円周面が屈曲していることを特徴とする請求項12に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項18】
上記案内ローラは外周上にゴムコーティング層が形成されていることを特徴とする請求項12に記載の超小型アンテナ駆動装置。
【請求項19】
上記ゴムコーティング層はウレタンコーティング層であることを特徴とする請求項18に記載の超小型アンテナ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−20271(P2006−20271A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−316830(P2004−316830)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】