説明

超解像を利用したビデオ補正

【課題】超解像を利用して行う移動オブジェクト群を含むビデオの補正の方法及び装置を提供する。
【解決手段】一連の画像から選択された画像内で、移動オブジェクトの存在部分が特定されている。関心領域内のピクセルは選択画像内で特定される。画像群と第1変換群を使用して、ピクセルの第1の部分に対して第1の値が特定される。ピクセルの第1の部分は選択画像の背景に対応する。第1変換は、画像群内の1つの画像と選択された画像との間で、背景の特徴の位置を合わせるように構成されている。画像群と第2変換群を使用して、ピクセルの第2の部分に対して第2の値が特定される。ピクセルの第2の部分は選択された画像の移動オブジェクトに対応する。第2変換は、画像群内の1つの画像と選択された画像との間で、移動オブジェクトの特徴の位置を合わせるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して画像処理に関し、具体的には超解像を利用した画像補正に関する。さらに具体的には、本発明は超解像を利用して行う移動オブジェクト群を含むビデオの補正の方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、超解像を実施するため、多数の様々なアルゴリズムが利用可能である。超解像は、同一シーンの画像群に使用して、当該シーンの画像群の解像度よりも高い解像度で画像を再構築する処理技術である。本明細書で使用しているように、「解像度」という用語は「空間分解能」を意味する。空間解像度は、画像内で検出可能な最も小さな特徴を指している。例えば、解像度の低い画像群と比較して、より高い解像度を有する画像群では、より小さい特徴を検出することができる。
【0003】
超解像により、あるシーンに対して複数の低解像度(LR)画像を使用して、高解像度(HR)の画像を再構築することができる。さらに、超解像では、高解像度画像の構築に使用される低解像度画像群をすべて同一のものとすることはできない。これらの低解像度画像群の間には、変動が存在することが必要である。例えば、低解像度画像群は時間を変えて、条件を変えて、あるいはその両方を変えて収集することができる。
【0004】
典型的には、超解像の実行に使用される低解像度画像群は、ビデオの形態の一連の画像から収集される。一連の画像とは、時間順に並べられた複数の画像である。これらの画像に存在する様々な種類の変動には、例えば、並進運動、回転運動、視角の変化、他の種類の運動、又はこれらの様々な種類の変動の任意の組合せが含まれる。2つの画像間の並進運動は、あるシーンの現在の画像を、画像平面と平行な同一シーンの過去の画像に対して移動するときに発生する。回転運動は、現在の画像を過去の画像に対して回転するときに発生する。場合によっては、現在の画像が過去の画像と比較して、シーンのより近い位置から生成されるとき、又はより遠い位置から生成されるときに変動が生じる。
【0005】
超解像により、低解像度画像群は選択された基準座標系に対して最初にレジストレーション(位置合わせ)される。このような低解像度画像群のレジストレーションは、基準座標系に対する画像群の位置合わせを含む。例えば、第1画像の特徴と第2画像の同じ特徴の位置を合わせることができる。しかしながら、シーンの背景に対して移動するオブジェクトがシーン内に存在する場合には、このシーンの低解像度画像群のレジストレーションは移動オブジェクトを考慮しないことがある。その結果、これらの低解像度画像群から構築される高解像度画像は、所望よりも精度が落ちることがある。
【0006】
したがって、少なくとも上述の問題点の幾つか、並びに起こりうるその他の問題点を考慮に入れた方法及び装置を有することは有利であろう。
【発明の概要】
【0007】
1つの有利な実施形態では、画像群を処理する方法が提供される。選択された画像内で移動オブジェクトが存在する部分が特定される。選択された画像は一連の画像の1つである。移動オブジェクトは選択された画像の背景に対して移動する。関心領域内の複数のピクセルは選択された画像内で特定される。一連の画像と第1変換群を使用して、複数のピクセルの第1の部分に対して第1の値が特定される。複数のピクセルの第1の部分は選択された画像の背景に対応する。第1変換群の中の1つの第1変換は、一連の画像の中の1つの画像の背景の特徴と選択された画像の背景の特徴の位置を合わせるように構成されている。一連の画像と第2変換群を使用して、複数のピクセルの第2の部分に対して第2の値が特定される。複数のピクセルの第2の部分は選択された画像の移動オブジェクトに対応する。第2変換群の中の1つの第2変換は、一連の画像の中の1つの画像の移動オブジェクトの特徴と選択された画像の移動オブジェクトの特徴の位置を合わせるように構成されている。
【0008】
別の有利な実施形態では、画像を補正する方法が提供される。選択された画像内で移動オブジェクトが存在する部分が特定される。選択された画像は一連の画像の1つである。移動オブジェクトは選択された画像の背景に対して移動する。関心領域内の複数のピクセルは選択された画像内で特定される。一連の画像と第1変換群を使用して、複数のピクセルの第1の部分に対して第1の値が特定される。複数のピクセルの第1の部分は選択された画像の背景に対応する。第1変換群の中の1つの第1変換は、一連の画像の中の1つの画像の背景の特徴と選択された画像の背景の特徴の位置を合わせるように構成されている。選択された画像を使用して、複数のピクセルの第2の部分に対して第2の値が特定される。複数のピクセルの第2の部分は選択された画像の移動オブジェクトに対応する。
【0009】
さらに別の有利な実施形態では、装置はオブジェクト追跡モジュールと補正モジュールを含む。オブジェクト追跡モジュールは移動オブジェクトが存在する選択された画像の一部を特定するように構成されている。選択された画像は一連の画像の1つである。移動オブジェクトは選択された画像の背景に対して移動する。補正モジュールは選択された画像の関心領域内の複数のピクセルを特定するように構成されている。補正モジュールはさらに、一連の画像と第1変換群を使用して、複数のピクセルの第1の部分に対して第1の値を特定するように構成されている。複数のピクセルの第1の部分は選択された画像の背景に対応する。第1変換群の中の1つの第1変換は、一連の画像の中の1つの画像の背景の特徴と選択された画像の背景の特徴の位置を合わせるように構成されている。補正モジュールはさらに、一連の画像と第2変換群を使用して、複数のピクセルの第2の部分に対して第2の値を特定するように構成されている。複数のピクセルの第2の部分は選択された画像の移動オブジェクトに対応する。第2変換群の中の1つの第2変換は、一連の画像の中の1つの画像の移動オブジェクトの特徴と選択された画像の移動オブジェクトの特徴の位置を合わせるように構成されている。
【0010】
特徴、機能及び利点は、本発明の様々な実施形態で独立に実現することが可能であるか、以下の説明及び図面を参照してさらなる詳細が理解されうる、さらに別の実施形態で組み合わせることが可能である。
【0011】
有利な実施形態の特徴と考えられる新規の機能は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかしながら、有利な実施形態と、好ましい使用モードと、さらにはその目的及び利点とは、添付図面を参照して本発明の有利な一実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】有利な実施形態で実装されうる画像処理環境を示したものである。
【図2】有利な実施形態による画像処理環境のブロック図を示したものである。
【図3】有利な実施形態による画像バッファ及び背景変換バッファを示したものである。
【図4】有利な実施形態による画像バッファ、オブジェクトマスクバッファ、及びオブジェクト変換バッファを示したものである。
【図5】有利な実施形態による撮像システムによって作成された画像を示したものである。
【図6】有利な実施形態による補正画像を示したものである。
【図7】有利な実施形態による選択された画像のピクセルを示したものである。
【図8】有利な実施形態による画像処理のプロセスのフロー図を示したものである。
【図9】有利な実施形態によるビデオ補正のプロセスのフロー図を示したものである。
【図10A】有利な実施形態により関心領域の補正画像内の各ピクセルの値を推定するため、一連の画像の中でピクセルを選択するプロセスのフロー図を示したものである。
【図10B】有利な実施形態により関心領域の補正画像内の各ピクセルの値を推定するため、一連の画像の中でピクセルを選択するプロセスのフロー図を示したものである。
【図11】有利な実施形態によるデータ処理システムを示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
種々の有利な実施形態は、幾つかの種々の検討事項を認識し、且つ考慮している。例えば、種々の有利な実施形態は、超解像を実現するため、現時点では多数の様々なアルゴリズムが使用可能であることを認識し、且つ考慮している。しかしながら、種々の有利な実施形態は、これらの現在利用可能なアルゴリズムの一部がシーンの背景に対して移動するオブジェクトを含むシーンのビデオを取り扱うことができないことを認識し、且つ考慮している。1つに例示的な実施例では、これらの現在利用可能な超解像のためのアルゴリズムの一部は、シーンの中でハイウェイを走る車両の動きを考慮することができない。
【0014】
種々の有利な実施形態は、現在利用可能な超解像実現の方法によっては、画像群内での動きの量に制限があることを認識し、且つ考慮している。種々の有利な実施形態は、画像群内での動きの量に制限を設けることなく、超解像を利用してビデオを補正できる方法を有することが好ましいことを認識し、且つ考慮している。
【0015】
さらに、種々の有利な実施形態は、移動オブジェクトを含むビデオの補正に現在利用可能な他の方法は、ビデオ内で特定されるオプティカルフローを使用できることを認識し、且つ考慮している。ビデオ内のオプティカルフローは、ビデオカメラとシーンとの間の相対的な動きによって生ずる視覚的なシーンの中でのオブジェクト、表面、及びエッジの明らかな動きのパターンである。種々の有利な実施形態は、オプティカルフローを使用するビデオ補正に現在利用可能な方法は所望以上のエラーを伴うことを認識し、且つ考慮している。さらに、これらの方法は、所望以上に時間、処理リソース、あるいはその両方を要することがある。
【0016】
したがって、種々の有利な実施形態は、超解像を使用してビデオを補正する方法及び装置を提供する。具体的には、種々の有利な実施形態は、超解像技術を使用して、オブジェクトがシーンの背景に対して移動するシーンのビデオを補正する方法及び装置を提供する。
【0017】
1つの有利な実施形態では、画像群を処理する方法が提供される。選択された画像内で移動オブジェクトが存在する部分が特定される。選択された画像は一連の画像の1つである。移動オブジェクトは選択された画像の背景に対して移動する。関心領域内の複数のピクセルは選択された画像内で特定される。一連の画像と第1変換群を使用して、複数のピクセルの第1の部分に対して第1の値が特定される。複数のピクセルの第1の部分は選択された画像の背景に対応する。
【0018】
第1変換群の中の1つの第1変換は、一連の画像の中の1つの画像の背景の特徴と選択された画像の背景の特徴の位置を合わせるように構成されている。一連の画像と第2変換群を使用して、複数のピクセルの第2の部分に対して第2の値が特定される。複数のピクセルの第2の部分は選択された画像の移動オブジェクトに対応する。第2変換群の中の1つの第2変換は、一連の画像の中の1つの画像の移動オブジェクトの特徴と選択された画像の移動オブジェクトの特徴の位置を合わせるように構成されている。
【0019】
ここで図1を参照すると、有利な実施形態による画像処理環境が図解されている。この例示的な実施例では、画像処理環境100は撮像システム102、撮像システム103、及びコンピュータシステム104を含む。コンピュータシステム104は、この実施例ではコンピュータステーション105に配置されている。コンピュータシステム104は、撮像システム102及び撮像システム103によって生成される画像を処理するように構成されている。
【0020】
図示されているように、撮像システム102は無人飛行機(UAV)106に据付られている。撮像システム102は、無人飛行機106がシーン108の上を飛行するにつれて、シーン108の画像群を生成する。この例示的な実施例では、移動オブジェクト群110はシーン108内に存在する。シーン108の移動オブジェクト群110は車両112及び人114を含む。
【0021】
撮像システム102によって生成される画像群はシーン108のビデオを形成する。ビデオとは、時間順に整理された一連の画像である。無人飛行機106がシーン108の上空を飛行するにつれて、生成された画像群は長時間にわたりシーン108の様々な部分を取り込むか、シーン108に対して様々な視角からシーン108を取り込むか、又はその両方を取り込む。その結果、撮像システム102によって生成される画像群の間には変動が存在する。
【0022】
さらに撮像システム103は建物111に据付られている。撮像システム103はまた、シーン108のビデオを形成する画像群を生成するように構成されている。さらに、撮像システム103はシーン108のビデオが生成されるにつれて移動することができる。例えば、撮像システム103はシーン108をパンニング撮影することができる。このように、撮像システム103は長時間にわたりシーン108の様々な部分を取り込むか、シーン108に対して様々な視角からシーン108を取り込むか、又はその両方を取り込む画像群を生成することができる。その結果、撮像システム103によって生成される画像群の間には変動が存在する。
【0023】
撮像システム102及び撮像システム103は、シーン108に対して生成された画像群を処理するためコンピュータシステム104に送信する。具体的には、撮像システム102及び撮像システム103は、それぞれ無線通信リンク116及び無線通信リンク118を使用して、これらの画像群をコンピュータシステム104に送信する。この例示的な実施例では、撮像システム102及び撮像システム103は、シーン108に対して生成された画像群を実質的にリアルタイムでコンピュータシステム104に送信する。すなわち、これらの撮像システムは、画像が生成されるにつれて、これらの画像群をコンピュータシステム104に送信することができる。
【0024】
コンピュータシステム104は、撮像システム102及び撮像システム103によって生成された画像群を処理して、撮像システム102及び撮像システム103によって生成された画像群と比べて高い解像度を有するシーン108の画像群を構築するように構成されている。具体的には、コンピュータシステム104は超解像を使用して、撮像システム102によって生成されたビデオ及び撮像システム103によって生成されたビデオを補正することができる。
【0025】
さらに、コンピュータシステム104は、撮像システム102によって生成されたビデオ及び撮像システム103によって生成されたビデオを補正する際、シーン108内の移動オブジェクト群110の存在を考慮する。具体的には、コンピュータシステム104は、超解像を利用してビデオ内に取り込まれた移動オブジェクト群110に対応するビデオの部分とは独立に、ビデオの背景に対応するビデオの部分を補正する。
【0026】
ここで図2を参照すると、有利な実施形態による画像処理環境のブロック図が示されている。図1の画像処理環境100は、画像処理環境200の実装の一例である。これらの例示的な実施例では、画像処理環境200は撮像システム202及び画像処理システム204を含む。画像処理システム204は、撮像システム202で生成された画像群206を処理するように構成されている。
【0027】
図示されたように、撮像システム202はシーン208の画像群206を生成するように構成されている。シーン208は、例えば、限定しないが、街の中の領域、近隣ブロック、森の中の領域、砂漠の上の領域、上空の領域、宇宙の領域、ハイウェイの一部、製造施設内部など、任意の物理的関心領域であってもよい。
【0028】
図示されたように、シーン208の画像群206の中の各画像は背景209及び前景210を含む。背景209は、画像によって取り込まれた一又は複数の関心オブジェクトの外に位置する画像の部分である。画像内の背景209は、例えば、限定しないが、シーン208に応じて、陸地、林、低木地、砂漠、水面、屋外、宇宙空間、雲、道路、山、谷、川、海、建物、人工構造物、他の種類のオブジェクトなどのいずれか又はこれらの組合せを含んでいてもよい。
【0029】
画像によって取り込まれたシーン208内の一又は複数の関心オブジェクトは、画像の前景を形成する。例えば、画像群206の1つの画像の前景は、シーン208の任意の数の移動オブジェクトを取り込むことがある。本明細書で使用している「任意の数のアイテム」は、一又は複数のアイテムを意味する。このように、任意の数の移動オブジェクトは一又は複数の移動オブジェクトを意味する。
【0030】
任意の数の移動オブジェクト211は、例えば、限定しないが、車両、航空機、人、動物、移動式プラットフォーム、又は移動することができる他の適切な種類のオブジェクトのうちの少なくとも1つを含むことができる。本明細書で使用しているように、列挙されたアイテムと共に使用される「〜のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムの一又は複数の様々な組み合わせが使用可能であり、且つ列挙されたアイテムのいずれかが1つだけあればよいということを意味する。
【0031】
例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定しないが、「アイテムA」、又は「アイテムAとアイテムB」を含む。この例は、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含む。他の例として、「〜のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定しないが、「2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、並びに他の適切な組み合わせを含む。
【0032】
これらの例示的な実施例では、撮像システム202はビデオ212を形成する画像群206を生成するように構成されている。カメラシステムがビデオ212の形態で画像群206を生成する場合、撮像システム202はカメラシステム又はビデオカメラシステムと呼ばれることがある。さらに、ビデオ212の画像群206は、例えば、限定しないが、撮像システムの種類に応じて、可視光画像、赤外線画像、レーダー画像、及び/又は他の適切な種類の画像の形態をとりうる。
【0033】
これらの例示的な実施例では、撮像システム202はプラットフォーム214に関連することがある。プラットフォーム214は、例えば、限定しないが、移動式プラットフォーム、固定式プラットフォーム、陸上構造物、水上構造物、宇宙構造物、航空機、水上艦、戦車、人員運搬車、列車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、潜水艦、自動車、発電所、橋、ダム、製造施設、建物、及び他の適切な形式のプラットフォームの中の1つとして選ばれることがある。
【0034】
撮像システム202とプラットフォーム214との間の関係は、これらの図示されている例の物理的な関係である。図1の無人航空機106の据付けられた撮像システム102及び建物111に据付けられた撮像システム103は、プラットフォーム214に関連する撮像システム202の実装の例である。
【0035】
これらの例示的な実施例では、撮像システム202のような第1コンポーネントは、第2コンポーネントに固定されること、第2コンポーネントに接着されること、第2コンポーネントに据付られること、第2コンポーネントに溶接されること、第2コンポーネントに結び付けられること、他の適切な方法で第2コンポーネントに接続されること、又は適切な方法の組合せによって、プラットフォーム214のような第2コンポーネントと関連しているとみなされることがある。
第1コンポーネントはまた、第3コンポーネントを使用して、第2コンポーネントに接続されることがある。第1コンポーネントは、第2コンポーネントの一部及び/又は延長として形成されることにより、第2コンポーネントと関連付けられると考えることもできる。
【0036】
撮像システム202は処理のためビデオ212を画像処理システム204に送信する。画像処理システム204は、ハードウェア、ソフトウェア、または両者の組み合わせを使用して実装される。これらの例示的な実施例では、画像処理システム204はコンピュータシステム216の中に実装されている。コンピュータシステム216は、任意の数のコンピュータを含むことがある。コンピュータシステム216内に複数のコンピュータが存在する場合には、これらのコンピュータは相互に通信することができる。
【0037】
図示されたように、画像処理システム204はレジストレーションモジュール218、オブジェクト追跡モジュール220、及び補正モジュール222を含む。レジストレーションモジュール218は処理のためビデオ212の画像群206を受信する。
【0038】
1つの例示的な実施例では、レジストレーションモジュール218はこれらの画像が生成されるにつれて、ビデオ212の画像群206を受信する。すなわち、レジストレーションモジュール218は実質的にリアルタイムで画像群206を受信する。言うまでもなく、他の例示的な実施例では、レジストレーションモジュール218は、画像群206のすべてが生成された後にビデオ212の画像群206を受信してもよい。
【0039】
レジストレーションモジュール218はイメージバッファ224に画像群206を保存する。具体的には、画像バッファは長さNを有する。すなわち、画像バッファ224はN個の要素を含む。画像バッファ224は、これらN個の要素に任意の時点でN個までの画像を保存することができる。画像バッファ224は、これらの例示的な実施例では環状バッファの形態をとる。環状バッファは、バッファが一杯になったとき、最も古いデータを上書きする固定長のバッファである。
【0040】
これらの例示的な実施例では、画像バッファ224に保存されている一又は複数の画像は、画像バッファ224内に一連の画像226を形成する。一連の画像226は、1からN個の連続画像を含みうる。具体的には、一連の画像226は現在の画像228及び一組の過去の画像230を含む。本明細書で使用している「一組の」のアイテムは、0個以上のアイテムを意味する。例えば、一組の過去の画像は、0個、1個、又はそれ以上の過去の画像である。このように、一組の過去の画像は、0個すなわち空の組であってもよい。
【0041】
現在の画像228は画像バッファの第1要素に保存され、一方、一組の過去の画像230は画像バッファ224の第1要素以降の要素に保存される。幾つかの例示的な実施例では、一連の画像226は「ジョイントフレーム」と呼ばれることがあり、又、画像バッファ224は「ジョイントフレームバッファ」と呼ばれることがある。
【0042】
さらに、レジストレーションモジュール218は、画像群206の各々の背景209に関する画像群206のレジストレーションに対する第1変換群232を特定する。画像のレジストレーションは、共通の特徴、共通の座標系、その他の共通基準系、又は複数の基準系に対する画像の位置合わせを含む。第1変換234は第1変換群232の一例である。第1変換234は、画像群206の1つの画像の背景209の特徴と画像群206の別の画像の背景209の特徴の位置を合わせるように構成されている。
【0043】
これらの例示的な実施例では、第1変換群232は、アフィン変換、ホモグラフィ変換、他の適切な種類の変換、又は変換の組合せを含む群から選択された変換の形態をとることがある。アフィン変換は、一又は複数の線形変換、回転、拡大、並進、及びせん断変換を含むことがある。
【0044】
レジストレーションモジュール218は、背景変換バッファ236のレジストレーションモジュール218によって生成される第1変換群232を保存するように構成されている。これらの例示的な実施例では、背景変換バッファ236は長さNを有し、且つ環状バッファの形態をとることができる。レジストレーションモジュール218は、第1変換群232が生成されるにつれて、背景変換バッファ236に第1変換群232を保存することができる。
【0045】
オブジェクト追跡モジュール220は、一又は複数の画像206の中のシーン208の任意の数の移動オブジェクト211の数を検出し、追跡するように構成されている。オブジェクト追跡モジュール220は、画像群206の中の任意の数の移動オブジェクトの検出及び追跡に対して現在利用可能な任意の数の方法を含みうる。例えば、オブジェクト追跡モジュール220は、移動オブジェクト検出アルゴリズム、オブジェクト分割アルゴリズム、平均シフト追跡アルゴリズム、ルーカス・カナデ法、他の適切な形態のアルゴリズムを単独で、又は組み合わせて使用し、任意の数の移動オブジェクト211を検出し、追跡することができる。
【0046】
具体的には、オブジェクト追跡モジュール220は、画像群206を使用してオブジェクトマスク群238を生成する。オブジェクトマスクは、オブジェクトマップと呼ばれることもある。オブジェクトマスク240はオブジェクトマスク群238の一例である。オブジェクトマスク240は、画像バッファ224に対して処理され、追加された画像群206の中の1つの画像に対して生成される。これらの例示的な実施例では、オブジェクトマスク240は2値画像である。2値画像は、各ピクセルが論理値「1」又は論理値「0」のいずれかの値を有する画像である。
【0047】
例えば、オブジェクトマスク240は、移動オブジェクト群を表わす一組の領域241を含むことができる。具体的には、一組の領域241の各領域は、オブジェクトマスク240が生成された画像の中で検出された移動オブジェクトを表わす。一組の領域241内のピクセルの各々は、論理値「1」を有し、一組の領域241外のピクセルの各々は、論理値「0」を有する。このように、オブジェクトマスク240内に論理値「1」を有するピクセルは、対応する画像内の前景210を表わす。さらに、オブジェクトマスク240内に論理値「0」を有するピクセルは、対応する画像内の背景209を表わす。
【0048】
オブジェクト追跡モジュール220は、オブジェクトマスクバッファ246内のオブジェクト追跡モジュール220によって生成されたオブジェクトマスク群238を保存する。オブジェクトマスクバッファ246は長さNを有し、且つ環状バッファの形態をとることができる。オブジェクト追跡モジュール220は、オブジェクトマスク238が生成されるにつれて、オブジェクトマスク群238を保存する。
【0049】
加えて、オブジェクト追跡モジュール220はまた、画像群206内で検出された移動オブジェクト群に対して一組の軌跡242を生成するように形成されうる。一組の軌跡242は、オブジェクトマスク群238、画像群206、又は両方を使用して生成することができる。これらの例示的な実施例では、一組の軌跡242の各軌跡は画像群206の中の1画像に対応している。さらに、一組の軌跡の中の各軌跡は、対応する画像の中で検出される移動オブジェクトに対して存在する。このように、一組の軌跡242の各軌跡は一組の領域に対応することがある。すなわち、一組の軌跡242の中の1つの軌跡は、対応する画像の中の対応する一組の領域241の中に表わされるオブジェクトに対して生成されることがある。
【0050】
軌跡244は、画像に対して生成された一組の軌跡242の中の軌跡の一例である。オブジェクト追跡モジュール220は、移動オブジェクト245が画像群206の中の1つの画像で検出されると、軌跡244を生成する。これらの例示的な実施例では、軌跡244は移動オブジェクト245に特有の軌跡識別子を含む。すなわち、種々の画像に対して生成される軌跡は、これらの軌跡が種々の画像の同一移動オブジェクトに対して生成されるときに、同一軌跡識別子を有することがある。
【0051】
さらに、軌跡244は、対応する画像の中で移動オブジェクト245が描画される位置を含むことができる。この位置は、例えば、対応する画像の中の移動オブジェクト245の中心として選択されることがある。これらの例示的な実施例では、この位置は、例えば、画像に対するx−y座標系、他の適切な座標系、又は画像に対する座標系の組合せを使用して定義される。
【0052】
軌跡244はまた、対応する画像内に移動オブジェクト245の大きさを含むことができる。オブジェクトの大きさは、移動オブジェクト245のx及びy座標の双方についての最小値と最大値で定義することができる。他の例示的な実施例では、軌跡244に含まれる位置、大きさ、又は移動オブジェクト245の位置及び大きさは、対応する画像で生成されるオブジェクトマスク群238のオブジェクトマスクのx−y座標系に関して定義される。
【0053】
幾つかの例示的な実施例では、オブジェクト追跡モジュール220は、オブジェクトマスク240の一組の領域241の中の1つの領域のピクセル値を、当該領域に対応する軌跡の軌跡識別子で置き換えることができる。例えば、オブジェクトマスク240の一組の領域241の中の1領域は移動オブジェクト245を表わすことがある。オブジェクト追跡モジュール220は、この領域のピクセルの値を移動オブジェクト245の軌跡244に対する軌跡識別子で置き換えることができる。この種のオブジェクトマスクは拡張オブジェクトマスクと呼ばれることがある。
【0054】
このように、オブジェクトマスクの各ピクセルは第1の値及び第2の値から選択された1つの値を有することができる。オブジェクトマスクが標準オブジェクトマスクの場合、第1の値は論理値「0」で、第2の値は論理値「1」であってもよい。オブジェクトマスクが拡張オブジェクトマスクの場合、第1の値は論理値「0」で、第2の値は軌跡識別子であってもよい。
【0055】
レジストレーションモジュール218は、画像群206、オブジェクトマスク群238、及び一組の軌跡242を使用して、一連の画像226の中に検出された任意の数の移動オブジェクトの1つずつに対して第2変換群250を生成する。第1変換群232と同様にして、第2変換群250は、例えば、限定しないが、アフィン変換、ホモグラフィ変換、他の適切な種類の変換、又はこれらの変換の組合せを含む群から選択された変換の形態をとることがある。
【0056】
1つの例示的な実施例として、第2変換群250が移動オブジェクト245に対して生成されることがある。第2変換251は第2変換群250の一例である。第2変換251は、画像群206の1つの画像の移動オブジェクト245の特徴と画像群206の別の画像の移動オブジェクト245の特徴の位置を合わせるように構成されることがある。
【0057】
これらの例示的な実施例では、レジストレーションモジュール218は、オブジェクト変換バッファ252の移動オブジェクト245に対して第2変換群250を保存する。オブジェクト変換バッファ252は長さNを有し、且つ環状バッファの形態をとることができる。画像群206内に検出された各移動オブジェクトに対して、異なるオブジェクト変換バッファが生成されることがある。レジストレーションモジュール218は、第2変換群250が生成されるにつれて、オブジェクト変換バッファ252に第2変換群250を保存する。
【0058】
これらの例示的な実施例では、補正モジュール222は、画像バッファ224に保存された一連の画像226、背景変換バッファ236に保存された第1変換群232、及びオブジェクト変換バッファ252に保存された第2変換群250を使用して、撮像システム202によって生成されたビデオ212を補正する。具体的には、補正モジュール222は、一連の画像226、第1変換群232、及び第2変換群250を使用して、一連の画像226の中の選択された画像256に対して関心領域254の補正を行う。
【0059】
例えば、補正モジュール222は、補正のため選択された画像256の中の関心領域254を選択する。選択された画像256は、例えば、画像バッファ224に保存された一連の画像の中の現在の画像228であってもよい。言うまでもなく、他の例示的な実施例では、選択された画像256は一連の画像226の任意の1つであってもよい。これらの例示的な実施例では、関心領域254は、移動オブジェクト245が検出された選択画像256内の領域を含むことがある。関心領域254の補正は、選択された画像256の他の部分と比較して、関心領域254の解像度の向上を含む。
【0060】
このような実施例では、補正モジュール222は、移動オブジェクト245に対応する関心領域254の第2の部分とは無関係に、選択された画像256の背景209に対応する関心領域254の第1の部分を補正する超解像を実施する現在利用可能な方法を使用する。関心領域254のこれら2つの部分の超解像は、ここで結合されて補正画像258を構成する。関心領域254の補正画像258は、選択された画像256の関心領域254と比較して高い解像度を有する。
【0061】
1つの例示的な実施例では、補正モジュール222は、関心領域254を複数のピクセル260に分割する。補正モジュール222は、倍率262を使用して関心領域254を複数のピクセル260に分割することもできる。倍率262は、選択された画像256の単一ピクセルを何個の複数ピクセル260で構成するかを決定する。例えば、選択された画像256は10×10個のグリッドに配置された100個のピクセルを有することがある。倍率262を3に選択すると、選択された画像の各ピクセルは3×3個のグリッドに配置された9個のピクセルに分割される。
【0062】
補正モジュール222は、複数のピクセル260のどのピクセルが選択された画像256の背景209に対応する複数のピクセル260の第1の部分265を形成し、又、どのピクセルが選択された画像256の移動オブジェクト245に対応する複数のピクセル260の第2の部分267を形成するのかを特定する。具体的には、補正モジュール222は、選択された画像256に対して生成されたオブジェクトマスク群238内の対応するオブジェクトマスクを使用して、第1の部分265と第2の部分267を特定する。
【0063】
これらの例示的な実施例では、オブジェクトマスク240は選択された画像256に対応してもよい。さらに、オブジェクトマスク240の中の一組の領域241は、選択された画像256の中に現れる移動オブジェクト245を表わす1つの領域であってもよい。論理値が「0」であるオブジェクトマスク240の中に対応するピクセルを有する複数のピクセル260の中の1つのピクセルは、第1の部分265に含まれている。論理値が「1」であるオブジェクトマスク240の中に対応するピクセルを有する複数のピクセル260の中の1つのピクセルは、第2の部分267に含まれている。
【0064】
補正モジュール222は、一連の画像226と第1変換群232を使用して、選択された画像256の背景209に対応する複数のピクセル260の第1の部分265に対して、第1の値264を特定する。さらに、補正モジュール222は、一連の画像226と第2変換群250を使用して、選択された画像256の移動オブジェクト245に対応する複数のピクセル260の第2の部分267に対して、第2の値266を特定する。
【0065】
これらの例示的な実施例では、補正モジュール222は、第1の値264と第2の値266を使用して、関心領域254の補正画像258を構築する。画像群206の中の新しい画像を受信すると、この新しい画像は現在の画像228として画像バッファ224に追加されることがある。さらに、画像バッファ224に保存された画像は、画像バッファ224に保存されている最も古い画像が画像バッファ224から押し出されるようにシフトされ、新しい一連の画像が形成される。
【0066】
この新しい一連の画像に対して選択された画像256は、現在の画像228として追加された新しい画像であってもよい。補正モジュール222は、新しい一連の画像を使用して新しい補正画像を生成するように構成されている。新しい補正画像は、関心領域254又は新しい関心領域に対して生成されることがある。場合によっては、新しい倍率が選択されることもある。
【0067】
図2の画像処理環境200の図解は、有利な実施形態が実装されうる方法に対する物理的又は構造的な制限を示唆することを意図していない。図示したコンポーネントに加えて又は代えて、他のコンポーネントを使用することができる。幾つかのコンポーネントは不必要になることもある。また、幾つかの機能コンポーネントを示すためにブロックが表示されている。有利な実施形態で実装される場合、一又は複数のこれらのブロックは結合されること、分割されること、又は異なるブロックに結合及び分割されることがありうる。
【0068】
例えば、幾つかの例示的な実施例では、一組の軌跡242は付加的なバッファ又は他の適切な種類のデータ構造に保存されることがある。他の例示的な実施例では、レジストレーションモジュール218の代わりに画像バッファ224に画像群206を保存するように構成されることもある。
【0069】
ここで図3を参照すると、有利な実施形態による画像バッファ及び背景変換バッファが図解されている。この例示的な実施例では、画像バッファ300は、図2の画像バッファ224の実装の一例である。さらに、背景変換バッファ302は、図2の背景変換バッファ236の実装の一例である。画像バッファ300及び背景変換バッファ302は、この図解例では環状バッファになっている。
【0070】
図2のレジストレーションモジュール218は、画像バッファ300の中に、図2の画像群206などの画像を保存する。画像バッファ300に保存された画像群は、図2の一連の画像226を形成する。さらに、図2のレジストレーションモジュール218は、背景変換バッファ302の中に、図2の第1変換群232などの変換群を保存する。
【0071】
図示されたように、画像バッファ300は、要素304、306、308、310、及び312を含む。画像バッファ300の中では、要素304は画像バッファ300の中の最も古い画像を保存し、一方要素312は最も新しい画像を保存する。画像314、316、318、320、及び322は、それぞれ要素304、306、308、310、及び312に保存されている。画像314、316、318、320、及び322は、図2の一連の画像226の中の画像の例である。
【0072】
この例示的な実施例では、要素304に保存されている画像314は、画像バッファ300に保存されている最も古い画像である。要素312に保存されている画像322は、画像バッファ300に保存されている最も新しい画像であり、処理されている現在の画像である。
【0073】
背景変換バッファ302は、要素324、326、328、330、及び332を含む。背景変換バッファ302の中では、要素324は最も古い変換を保存するように構成されており、一方、要素332は最も新しい変換を保存するように構成されている。
【0074】
図示されたように、変換334、336、338、340、及び322は、それぞれ要素324、326、328、330、及び332に保存されている。変換334、336、338、340、及び342は、図2の第1変換群232の例である。これらの変換は、画像バッファ300に追加された最も新しい画像、すなわち画像322に関して、図2のレジストレーションモジュール218によって特定されている。
【0075】
図示されたこの実施例では、変換334、336、338、340、及び342は、それぞれ画像314、316、318、320、及び322に対応している。具体的には、変換334、336、338、340、及び342は、それぞれ画像314、316、318、320、及び322の背景の特徴と画像322の背景の特徴の位置を合わせるように構成されている。
【0076】
1つの例示的な実施例として、変換334は、画像314の背景の特徴と、画像314に変換334が適用された際の画像322の背景の特徴の位置を合わせるように構成されている。別の実施例として、変換340は、画像320の背景の特徴と、画像320に変換340が適用された際の画像322の背景の特徴の位置を合わせるように構成されている。さらに、変換342は、この例示的な実施例では画像322に対する恒等変換である。すなわち、変換342は画像322を変更しない。
【0077】
画像344などの新しい画像が画像バッファ300に追加されると、画像バッファ300の要素に過去に保存された画像群は、画像バッファ300に保存されている最も古い画像が画像バッファ300から押し出されるように1要素分だけシフトされる。具体的には、画像バッファ300に画像344が追加されると、画像316は要素306に保存されている状態から要素304に保存されている状態にシフトする。このように、画像344が画像バッファ300に追加されると、画像314は要素304に上書きされる。
【0078】
さらに、画像344が画像バッファ300に追加されると、図2のレジストレーションモジュール218は、画像344に対応する新しい恒等変換を背景変換バッファ302に追加する。この新しい恒等変換は、変換350として要素332の中に保存される。その後、背景変換バッファ302に保存されている過去に特定された変換は1要素分だけシフトされ、新しい変換を形成するように更新される。過去に特定された変換がシフトされると、変換334は背景変換バッファ302から削除される。
【0079】
具体的には、図2のレジストレーションモジュール218は、画像322の背景の特徴と画像344の背景の特徴の位置を合わせるように構成されている新しい変換を特定する。この新しい変換は変換342と結合されて、変換352を形成する。変換352は要素330に保存される。
【0080】
さらに、新しい変換は変換340とも結合されて、変換354を形成する。変換354はここで要素328に保存される。新しい変換は変換338と結合されて、変換356を形成する。変換356はここで要素326に保存される。加えて、新しい変換は変換336と結合されて、変換358を形成する。変換358は要素324に保存される。
【0081】
このように、画像バッファ300及び背景変換バッファ302は、新しい画像が画像バッファ300に追加されるたびに更新される。
【0082】
ここで図4を参照すると、有利な実施形態による画像バッファ、オブジェクトマスクバッファ、及びオブジェクト変換バッファが図解されている。この例示的な実施例では、図3の画像バッファ300が描かれている。さらに、オブジェクトマスクバッファ400及びオブジェクト変換バッファ402も描かれている。オブジェクトマスクバッファ400は、図2のオブジェクトマスクバッファ246の実装の一例である。オブジェクト変換バッファ402は、図2のオブジェクト変換バッファ252の実装の一例である。
【0083】
オブジェクトマスクバッファ400は、要素404、406、408、410、及び412を含む。図2のオブジェクト追跡モジュール220は、オブジェクトマスクバッファ400のオブジェクトマスク414、416、418、420、及び422を、それぞれ要素404、406、408、410、及び412の中に保存するように構成されている。
【0084】
オブジェクトマスク414、416、418、420、及び422は、それぞれ画像314、316、318、320、及び322に対応している。例えば、オブジェクトマスク416は画像316に対応する。図2のオブジェクト追跡モジュール220は、画像316を使用してオブジェクトマスク416を生成する。
【0085】
この例示的な実施例では、図2の移動オブジェクト245などの移動オブジェクトは、画像314、316、318、320、及び322のそれぞれに検出される。その結果、オブジェクトマスク414、416、418、420、及び422は、論理値「1」のピクセルを有する少なくとも1つの領域を含む。
【0086】
加えて、オブジェクト変換バッファ402は、要素424、426、428、430、及び432を含む。図2のレジストレーションモジュール218は、オブジェクト変換434、436、438、440、及び442を特定し、且つこれらのオブジェクト変換を、それぞれ要素424、426、428、430、及び432の中に保存するように構成されている。オブジェクト変換434、436、438、440、及び442は、図2の移動オブジェクト245に対する第2変換群250の例である。オブジェクト変換434、436、438、440、及び442は、それぞれ画像314、316、318、320、及び322に対応している。
【0087】
例えば、オブジェクト変換436は、移動オブジェクトが検出される画像316の領域と、同一の移動オブジェクトが検出された画像322の領域の位置を合わせるように構成されている。同様に、オブジェクト変換438は、移動オブジェクトが検出された画像318の領域と、同一の移動オブジェクトが検出された画像322の領域の位置を合わせるように構成されている。
【0088】
図2のレジストレーションモジュール218は、画像バッファ300に保存されている画像とオブジェクトマスクバッファ400に保存されているオブジェクトマスクを使用して、オブジェクト変換434、436、438、440、及び442を特定する。例えば、オブジェクト変換438を特定する場合、レジストレーションモジュール218は、論理値「1」を有するオブジェクトマスク418の中に対応するピクセルを有する画像318の中のピクセル、及び論理値「1」を有するオブジェクトマスク422の中に対応するピクセルを有する画像322の中のピクセルのみを考慮する。
【0089】
画像344が画像バッファ300に追加されると、図2のオブジェクト追跡モジュール220は画像344に対してオブジェクトマスク443を生成し、オブジェクトマスク414が上書きされるように、オブジェクトマスクバッファ400に保存されているオブジェクトマスク群を1要素分シフトする。加えて、オブジェクトバッファ400にオブジェクトマスク414が追加されると、図2のレジストレーションモジュール218は、オブジェクトバッファ402に保存されているオブジェクト変換を更新する。具体的には、レジストレーションモジュール218は、要素424、426、428、430、及び432にそれぞれ保存されているオブジェクト変換444、446、448、450、及び452でオブジェクト変換バッファ402を更新する。
【0090】
この例示的な実施例では、オブジェクト変換444、446、448、450、及び452は、画像316、318、320、322、及び344の中で検出された移動オブジェクトの特徴と画像344の中で検出された移動オブジェクトの特徴の位置を合わせるように構成されている。このように、オブジェクト変換452は恒等変換であってもよい。
【0091】
さらに、この例示的な実施例では、オブジェクト変換バッファ402に保存されているオブジェクト変換群は、画像バッファ300に新しい画像が追加されるたびに、個別に再計算されることがある。このように、画像バッファ300に保存されている画像の1つの中の移動オブジェクトの検出が失われた場合には、オブジェクト変換バッファ402の中の1要素のみが未確定となる。
【0092】
ここで図5を参照すると、有利な実施形態にしたがって、撮像システムによって生成された画像が図解されている。この例示的な実施例では、画像500は、図2のビデオ212の画像群206の1つに対する実装の一例である。画像500は、図2の撮像システム202などの撮像システムによって生成されたビデオの一部である。図示されたように、移動オブジェクト502は画像500に取り込まれている。この例示的な実施例では、移動オブジェクト502は車両である。
【0093】
次に図6に移ると、有利な実施形態による補正画像が示されている。この例示的な実施例では、補正画像600は、図2の補正画像258の実装の一例である。補正画像600は、図5の画像500及び撮像システムによって生成されたビデオの過去の画像群を使用して生成される。
【0094】
図示されたように、補正画像600は、図5の画像500と比較して高い解像度を有する。さらに、画像500の移動オブジェクト502に対応する補正画像600の一部は、軌跡602を使用して追跡されている。
【0095】
ここで図7を参照すると、有利な一実施形態による選択された画像のピクセルが描かれている。選択された画像700は低解像度画像である。具体的には、ここに描かれている実施例では、選択された画像700は、図2の選択された画像256に対する実装の一例である。具体的には、選択された画像700は、図2の画像バッファ224に保存された一連の画像226の中の現在の画像228である。
【0096】
この例示的な実施例では、選択された画像700は正方形703のグリッド702に分割されている。選択された画像700の各ピクセルは、グリッド702の正方形の中心である。例えば、グリッド702の正方形706の中心704はピクセル708である。正方形706に対するピクセル708は、選択された画像700の背景又は移動オブジェクトに対応することがある。
【0097】
図示されたように、図2の補正モジュール222は、補正のために選択された画像700の中の関心領域710を選択することがある。補正モジュール222は、より小さな正方形713のグリッド712を形成するための倍率を使用して、関心領域710の正方形703の一部をより小さな正方形に分割する。
【0098】
この例示的な実施例では、倍率4が使用されている。この倍率により、関心領域710内の4×4個の正方形からなるセクションを形成するため、関心領域710のグリッド702の各正方形はより小さな正方形に分割される。これらの種々のセクションは、関心領域710に対してグリッド712を形成する。1つの例示的な実施例として、グリッド702の正方形714は分割されて、4×4個の正方形からなるセクションを形成する。
【0099】
図2の補正モジュール222は、例えば、図2の補正画像258などの補正画像を形成するため、関心領域710に対してグリッド712を使用する。具体的には、グリッド712は、補正画像の各ピクセルがグリッド712の正方形の中心となっている補正画像を形成するように使用されている。これらの例示的な実施例では、補正画像内の各ピクセルは超解像(SR )ピクセルと呼ばれることがある。場合によっては、補正画像の各ピクセルは高解像度(HR )ピクセルと呼ばれることがある。
【0100】
例えば、グリッド712の中の正方形716の中心はピクセル718である。ピクセル718は超解像ピクセルと呼ばれることがある。補正モジュール222は、図2の画像バッファ224に保存されている一組の過去の画像230を使用して、ピクセル718に対して最終値を推定する。
【0101】
具体的には、補正モジュール222は、グリッド712の正方形716の中のピクセル718に対応するグリッド702の中の正方形714のピクセル720が、選択された画像700の背景のものかどうか、又は選択された画像700の移動オブジェクトのものかどうかを判定する。補正モジュール222は、正方形714のピクセル720の値が、ピクセル720が背景のものであること、又はピクセル720が移動オブジェクトのものであることを示しているがどうかを判定するため、選択された画像700に対して生成されたオブジェクトマスクを使用する。
【0102】
ピクセル720が選択された画像700の背景のものである場合には、補正モジュール222は、図2の背景変換バッファ236に保存されている第1変換群232を使用して、ピクセル720に対応する画像バッファ224に保存されている一連の画像226に含まれる一組の過去の画像230の各々の中での位置を特定する。すなわち、ピクセル718が選択された画像700の背景のものである場合には、補正モジュール222は、第1変換群232を使用して一連の画像226に含まれる他の画像の中でピクセル718の位置を特定する。
【0103】
ピクセル720が選択された画像700の移動オブジェクトのものである場合には、補正モジュール222は、図2のオブジェクト変換バッファ252に保存されている第2変換群250を使用して、ピクセル720に対応する画像バッファ224に保存されている一連の画像226に含まれる一組の過去の画像230の各々の中での位置を特定する。すなわち、ピクセル718が選択された画像700の移動オブジェクトのものである場合には、補正モジュール222は、第2変換群250を使用して一連の画像226に含まれる他の画像の中でピクセル718の位置を特定する。
【0104】
さらに、補正モジュール222は、一組の過去の画像230の各々に対して生成されたオブジェクトマスクを使用して、ピクセル718の最終値の評価に一組の過去の画像230の各々について特定された位置で当該ピクセルを使用するかどうかを判定する。
【0105】
例えば、ピクセル720が背景のものである場合には、補正モジュール222は、一組の過去の画像230の各々の画像に対応するオブジェクトマスクが、過去の画像の中で特定された位置にあるピクセルも背景のものであることを示しているかどうかを判定する。過去の画像のピクセルが背景のものである場合には、当該ピクセルはピクセル718の最終値の推定の中に含まれている。過去の画像のピクセルが背景のものでない場合には、当該ピクセルは推定の中に含まれていない。
【0106】
同様に、ピクセル700が移動オブジェクトのものである場合には、補正モジュール222は、一組の過去の画像230の各々の過去の画像に対応するオブジェクトマスクが、過去の画像の中で特定された位置にあるピクセルも移動オブジェクトのものであることを示しているかどうかを判定する。過去の画像のピクセルが移動オブジェクトのものである場合には、当該ピクセルはピクセル718の最終値の推定の中に含まれている。過去の画像のピクセルが移動オブジェクトのものでない場合には、当該ピクセルは含まれていない。
【0107】
補正モジュール222は、ピクセル718の最終値の推定に対して、含まれているピクセルの値を決定する。これらのピクセルの値は、例えば、限定しないが、最近傍アルゴリズム、線形補間アルゴリズム、三次補間アルゴリズム、又は他の適切な種類のアルゴリズムなどの補間アルゴリズムを使用して決定することができる。補正モジュール222は、重みづけ、平均化、分布に基づく異常値の除外、その他の技法、またはこれらの技法の組合せを使用して、ピクセル718の最終値を推定することができる。
【0108】
次に図8を参照すると、有利な実施形態に従って描かれた画像処理のプロセスのフロー図が示されている。図8に示されたプロセスは、図2の画像処理システム204を使用して実装可能である。具体的には、このプロセスは図2のレジストレーションモジュール218、オブジェクト追跡モジュール220、及び補正モジュール222を使用して実装することができる。
【0109】
プロセスは一連の画像に対する第1変換群を特定することによって開始される(工程800)。一連の画像は、例えば、図2の一連の画像226であってもよい。第1変換群の各々は、一連の画像の中の1つの画像の背景の特徴と選択された画像の背景の特徴の位置を合わせるように構成されている。
【0110】
プロセスは次に、一連の画像に対する第2変換群を特定する(工程802)。第2変換群の各々は、一連の画像の中の1つの画像の移動オブジェクトの特徴と選択された画像の移動オブジェクトの特徴の位置を合わせるように構成されている。
【0111】
次に、プロセスは、移動オブジェクトが存在する選択された画像の部分を関心領域として特定する(工程804)。選択された画像は一連の画像の1つである。これらの例示的な実施例では、選択された画像は一連の画像の中の最新画像であってもよい。さらに、移動オブジェクトは選択された画像の背景に対して移動する。
【0112】
その後、プロセスは、選択された画像の関心領域の複数のピクセルを特定する(工程806)。プロセスは、一連の画像と第1変換群を使用して、複数のピクセルの第1の部分に対して第1の値を特定する(工程808)。複数のピクセルの第1の部分は選択された画像の背景に対応する。次に、プロセスは、一連の画像と第2変換群を使用して、複数のピクセルの第2の部分に対して第2の値を特定する(工程810)。複数のピクセルの第2の部分は選択された画像の移動オブジェクトに対応する。
【0113】
プロセスは、関心領域の複数のピクセルの第1の部分の第1の値及び関心領域の複数のピクセルの第2の部分を使用して補正画像を生成し(工程812)、その後プロセスは停止する。
【0114】
次に図9を参照すると、有利な実施形態に従って描かれたビデオ補正のプロセスのフロー図が示されている。図9に示されたプロセスは、図2の画像処理システム204を使用して実装可能である。具体的には、このプロセスは図2のレジストレーションモジュール218、オブジェクト追跡モジュール220、及び補正モジュール222を使用して実装することができる。
【0115】
プロセスは処理用の画像バッファに現在の画像を追加することによって開始される(工程900)。画像バッファは一連の画像を保存する。現在の画像は、図2のビデオ212の形態の画像群206の1つであってもよい。具体的には、現在の画像は図2の一連の画像226の現在の画像228であってもよい。
【0116】
プロセスは次に、過去の画像の背景の特徴と現在の画像の背景の特徴の位置を合わせるための第1変換を特定する(工程902)。過去の画像は、現在の画像に先立って画像バッファに追加された画像であってもよい。次に、プロセスは、第1変換を使用して、背景変換バッファの変換群を更新する(工程904)。
【0117】
その後、プロセスは現在の画像を使用して、オブジェクトマスクを生成する(工程906)。オブジェクトマスクは、現在の画像の中に一又は複数の移動オブジェクトが検出されているかどうかを示す。プロセスは次に、現在の画像とオブジェクトマスクを使用して、一連の画像に検出された移動オブジェクト群に対して生成された一組の軌跡を更新する(工程908)。工程908では、一組の軌跡を更新するステップは、新たに検出された移動オブジェクトに対して新しい軌跡を追加するステップを含むことがある。
【0118】
次に、プロセスは、現在の画像の中に任意の移動オブジェクトが検出されるかどうかを判定する(工程910)。現在の画像の中に任意の移動オブジェクトが検出される場合には、このプロセスは移動オブジェクト群の各々に対して第2変換を特定する(工程912)。
【0119】
各変換は、一連の画像の中の過去の画像の移動オブジェクトに対応する特徴と現在の画像の移動オブジェクトの特徴の位置を合わせるように構成されている。その後、プロセスは、移動オブジェクト群の各々に対して生成された各第2変換を使用して、任意の数のオブジェクト変換バッファに保存されているオブジェクト変換群を更新する(工程914)。
【0120】
プロセスは次に現在の画像の関心領域を選択する(工程916)。プロセスは、倍率を使用して、関心領域を複数のピクセルに分割する(工程918)。プロセスは次に、一連の画像と背景変換バッファに保存されている変換群を使用して、現在の画像の背景に対応する複数のピクセルの第1の部分の第1の値を特定する(工程920)。
【0121】
プロセスはまた、一連の画像とオブジェクト変換バッファに保存されているオブジェクト変換を使用して、現在の画像の一又は複数の移動オブジェクトに対応する複数のピクセルの第2の部分の第2の値を特定する(工程922)。
【0122】
プロセスは次に、複数のピクセルの第1の部分の第1の値及び複数のピクセルの第2の部分の第2の値を使用して補正画像を生成し(工程924)、その後プロセスは停止する。これらの例示的な実施例では、補正画像は関心領域のためのものであって、現在の画像の関心領域と比較して高い解像度を有している。
【0123】
工程910を再度参照して、現在の画像の中に一又は複数の移動オブジェクトが検出されない場合には、プロセスは上述のように工程916へ進む。これらの例示的な実施例では、図9に記載されているプロセスは、画像バッファに新しい画像が追加されると反復されることがある。
【0124】
次に図10A及び10Bを参照すると、有利な実施形態により関心領域の補正画像内の各ピクセルの値を推定するための、一連の画像の中でピクセルを選択するプロセスのフロー図が示されている。図10A及び10Bに示されたプロセスは、図2の画像処理システム204を使用して実装可能である。
【0125】
プロセスは一連の画像の中の選択された画像の中に、関心領域の補正画像を生成するためのグリッドを形成することによって開始される(工程1000)。工程1000では、一連の画像は図2の一連の画像226であってもよく、且つ選択された画像は図2の選択された画像256であってもよい。具体的には、選択された画像は図2の一連の画像226の現在の画像228であってもよい。
【0126】
さらに、工程1000では、グリッドは複数の行及び複数の列に配置されたピクセルを含む。グリッドは倍率を使用して形成される。図7のグリッド712は工程1000で形成されたグリッドの実装の一例である。これらの例示的な実施例では、グリッド内のピクセルは超解像(SR )ピクセルと呼ばれることがある。
【0127】
プロセスは次にグリッド内の行を選択する(工程1002)。次に、プロセスはグリッド内の選択された行に対して列を選択する(工程1004)。ここで、プロセスは一連の画像の中の特定の画像を選択する(工程1006)。特定の画像は一連の画像の中の現在の画像、又は一連の画像の一組の過去の画像の中の1つの画像であってもよい。
【0128】
プロセスは、選択された行及び選択された列での超解像ピクセルが背景のものであるかどうかを判定する(工程1008)。工程1008では、プロセスはグリッド内の選択された行及び選択された列での超解像ピクセルに対応する、選択された画像内のピクセルを特定する。選択された画像内の対応するピクセルが背景のものである場合には、超解像ピクセルは背景のものとなる。同様に、選択された画像内の対応するピクセルが移動オブジェクトのものである場合には、超解像ピクセルは移動ピクセルのものとなる。
【0129】
工程1008では、プロセスは選択された画像に対応する拡張オブジェクトマスクを使用して、選択された画像内の対応するピクセルが背景のものであるか移動オブジェクトのものであるかを判定する。拡張オブジェクトマスクは、選択された画像内のピクセルに対応するピクセルを有する。
【0130】
拡張オブジェクトマスク内のピクセルは、拡張オブジェクトマスク内のピクセルが論理値「0」を有する場合には、選択された画像内の対応するピクセルが背景のものであることを示す。拡張オブジェクトマスク内のピクセルは、拡張オブジェクトマスク内のピクセルが軌跡識別子である場合には、選択された画像内の対応するピクセルが背景のものではなく移動オブジェクトのものであることを示す。軌跡識別子は、移動オブジェクトに対して生成された軌跡を特定する。
【0131】
超解像ピクセルに対応する選択された画像内のピクセルに対応する拡張オブジェクトマスク内のピクセルが論理値「0」を有する場合、超解像ピクセルは背景のものである。超解像ピクセルに対応する選択された画像内のピクセルに対応する拡張オブジェクトマスク内のピクセルが軌跡に対して軌跡識別子となる値を有する場合、超解像ピクセルは当該軌跡によって追跡される移動オブジェクトのものである。
【0132】
工程1008を再度参照して、超解像ピクセルが背景のものである場合には、プロセスは第1変換を使用して、特定の画像内の対応するピクセルの位置を特定する(工程1010)。工程1010では、第1変換は、例えば、図2の第1変換群232の1つである。
【0133】
プロセスは次に特定の画像内の対応するピクセルが背景のものかどうかを判定する(工程1012)。工程1012は、特定の画像に対応する拡張オブジェクトマスクを使用して実施することができる。特定の画像内の対応するピクセルが背景のものである場合には、グリッド内の選択された行及び選択された列での超解像ピクセルの値の推定に含めるため、プロセスは対応するピクセルを追加する。
【0134】
プロセスは次に、任意の追加された未処理の画像が、グリッド内の選択された行及び選択された列での超解像ピクセルに対応する一連の画像の中に存在するかどうかを判定する。追加された未処理の画像が存在する場合には、プロセスは工程1006に戻る。
【0135】
追加された未処理の画像が存在しない場合には、グリッド内の選択された行及び選択された列での超解像ピクセルの値の推定に含めるための、一連の画像の中の画像からのピクセルの選択は完了する。選択されたピクセルに対する値は次に、超解像ピクセルの値の推定に使用される。
【0136】
工程1016を再度参照して、追加された未処理の画像が一連の画像の中に存在しない場合には、プロセスはグリッド内の選択された行に未処理の列が存在するどうかを判定する。未処理の列が存在する場合には、上述のようにプロセスは工程1004に戻る。未処理の列が存在しない場合には、プロセスはグリッド内に任意の追加された未処理の行が存在するかどうかを判定する(工程1020)。未処理の行が存在する場合には、上述のようにプロセスは工程1002に戻る。未処理の行が存在しない場合には、プロセスは終了する。
【0137】
工程1012を再度参照して、特定の画像内の対応するピクセルが背景のものでない場合には、プロセスは次に上述のように工程1016へ進む。さらに、工程1008を再度参照して、グリッド内の選択された行及び選択された列での超解像ピクセルが背景のものではない場合には、超解像ピクセルは選択された画像に対応する拡張オブジェクトマスク内で特定された特定の軌跡識別子を有する移動オブジェクトのものである。
【0138】
工程1008では、超解像ピクセルが背景のものでない場合には、プロセスは第2変換を使用して、特定の画像内の対応するピクセルの位置を特定する(工程1022)。第2変換は、例えば、図2の第2変換群250の1つであってもよい。
【0139】
プロセスは次に特定の画像内の対応するピクセルが移動オブジェクトのものかどうかを判定する(工程1024)。特定の画像内の対応するピクセルが移動オブジェクトのものである場合には、プロセスは、特定の画像内の対応するピクセルの軌跡識別子が、超解像ピクセルの軌跡識別子と同一のものであるかどうかを判定する(工程1026)。
【0140】
工程1026では、特定の画像内の対応するピクセルに対する軌跡識別子は、特定の画像内の対応するピクセルに対応する特定の画像に対する拡張オブジェクトマスク内のピクセルの値となる。工程1026では、軌跡識別子が同一の場合には、グリッド内の選択された行及び選択された列での超解像ピクセルの値の推定に含めるため、プロセスは特定の画像に対応するピクセルを追加する。
【0141】
プロセスは次に、上述のように工程1016に進む。工程1026を再度参照して、軌跡識別子が同一でない場合には、プロセスは上述のように直ちに工程1016へ進む。さらに、工程1024を再度参照して、特定の画像内の対応するピクセルが移動オブジェクトのものでない場合には、プロセスはまた上述のように直ちに工程1016へ進む。
【0142】
表示された種々な実施形態のフローチャート及びブロック図は、有利な実施形態における装置及び方法の幾つかの実施可能な構造、機能性、及び操作を説明するものである。その際、フロー図又はブロック図の各ブロックは、工程又はステップのモジュール、セグメント、機能及び/又は部分を表わすことができる。例えば、一又は複数のブロックは、ハードウェア内のプログラムコードとして、又はプログラムコードとハードウェアの組合せとして実装可能である。ハードウェア内に実装した場合、ハードウェアは、例えば、フロー図又はブロック図の一又は複数の工程を実施するように製造又は構成された集積回路の形態をとりうる。
【0143】
幾つかの有利な実施形態の代替的な実装では、ブロックに記載された機能又は機能群は、図の中に記載の順序を逸脱して現れることがある。例えば、場合によっては、連続して示されている二つのブロックがほぼ同時に実行されること、又は時には含まれる機能によってはブロックが逆順に実施されることもありうる。また、フロー図又はブロック図に描かれているブロックに加えて他のブロックが追加されることもありうる。
【0144】
例えば、幾つかの例示的な実施例では、図10A及び10Bで示されているプロセスは、超解像が移動オブジェクト群に対してではなく背景に対してのみ実施されるように修正されることがある。この場合、グリッド内の選択された行及び選択された列での超解像ピクセルが移動オブジェクトのものでない場合には、超解像ピクセルの値は選択された画像内の対応するピクセルの値になる。
【0145】
すなわち、図10A及び10Bで示されているプロセスは修正されることがあり、これにより工程1008を参照して、グリッド内の選択された行及び選択された列での超解像ピクセルが背景のものでない場合には、プロセスは超解像ピクセルの値の推定に含めるため選択された画像内の対応するピクセルを含めるが、一連の画像の中の他の画像内の対応する画像を除外するようになる。この工程は、図10A及び10Bの工程1022、1024、1026、及び1028の代わりに実施されることがある。
【0146】
図10A及び10Bで示されているプロセスに対するこれらの修正は、任意の数の様々な種類の状況に応じて実施されることがある。例えば、移動オブジェクトが一連の画像の中の選択された数よりも多く画像で検出されていない場合には、これらの修正は図10A及び10Bで示されているプロセスに対して行われることがある。移動オブジェクトが他のオブジェクトによって妨げられることに対応して、一連の画像の中で移動オブジェクトが検出されないことがある。さらに、図2のオブジェクト追跡モジュール220によって生成された情報が信頼できない、又は利用できないと判断される場合にも、このような修正が行われることがある。
【0147】
次に図11に注目すると、有利な実施形態に従って図解されたデータ処理システムが示されている。この例示的な実施例では、データ処理システム1100を使用して、図2のコンピュータシステム216に一又は複数のコンピュータを実装することができる。データ処理システム1100は通信ファブリック1102を含み、これによりプロセッサ装置1104、メモリ1106、固定記憶域1108、通信装置1110、入出力(I/O)装置1112、及びディスプレイ1114の間の通信を可能にする。
【0148】
プロセッサ装置1104は、メモリ1106に読み込まれうるソフトウェアに対する命令を実行するように働く。プロセッサ装置1104は、特定の実装に応じて、任意の数のプロセッサ、マルチプロセッサコア、又は他の形式のプロセッサであってもよい。本明細書でアイテムを参照する際に使用している「任意の数の」は、一又は複数のアイテムを意味する。さらに、プロセッサ装置1104は、単一チップ上でメインプロセッサが二次プロセッサと共存する異種プロセッサシステムを任意の個数だけ使用して実装することもできる。別の例示的な実施例では、プロセッサ装置1104は同一形式の複数のプロセッサを含む対称型マルチプロセッサシステムであってもよい。
【0149】
メモリ1106及び固定記憶域1108は記憶デバイス1116の例である。記憶デバイスは、例えば、限定しないが、データ、機能的な形態のプログラムコードなどの情報、他の適切な情報、又は情報の組合せを、一時的に、永続的に、又はその双方の形で保存することができる任意のハードウェア部分である。記憶デバイス1116は、これらの実施例ではコンピュータで読取可能な記憶デバイスと呼ばれることもある。これらの例では、メモリ1106は、例えば、ランダムアクセスメモリ又は他の適切な揮発性又は不揮発性の記憶デバイスであってもよい。固定記憶域1108は具体的な実装に応じて様々な形態をとりうる。
【0150】
例えば、固定記憶域1108は、一又は複数のコンポーネント又はデバイスを含むことができる。例えば、固定記憶域1108は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書換え形光ディスク、書換え可能磁気テープ、又はそれらの何らかの組み合わせであってもよい。固定記憶域1108によって使用される媒体は着脱式であってもよい。例えば、着脱式ハードドライブは固定記憶域1108に使用しうる。
【0151】
通信装置1110はこれらの例では、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を行う。これらの例では、通信装置1110はネットワークインターフェースカードである。通信装置1110は、物理的及び無線の通信リンクのいずれか一方又は両方を使用して、通信を行うことができる。
【0152】
入出力装置1112により、データ処理システム1100に接続可能な他のデバイスによるデータの入力及び出力が可能になる。例えば、入出力装置1112は、キーボード、マウス、他の幾つかの適切な入力デバイス、又はデバイスの組合せを介してユーザ入力への接続を提供することができる。さらに、入出力装置1112は出力をプリンタに送ってもよい。ディスプレイ1114はユーザに情報を表示する機構を提供する。
【0153】
オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラムに対する命令は、通信ファブリック1102を介してプロセッサ装置1104と通信する記憶媒体1116内に、単独で又は組み合わせて配置することができる。これらの例示的な実施例では、命令は固定記憶域1108上の機能的な形態になっている。これらの命令は、プロセッサ装置1104によって実行するため、メモリ1106に読み込むことができる。異なる実施形態のプロセスは、メモリ1106などのメモリに配置可能な命令を実装したコンピュータを使用して、プロセッサ装置1104によって実行することができる。
【0154】
これらの命令は、プログラムコード、コンピュータで使用可能なプログラムコード、又はコンピュータで読取可能なプログラムコードと呼ばれ、プロセッサ装置1104内のプロセッサによって読取及び実行することができる。異なる実施形態のプログラムコードは、メモリ1106又は固定記憶域1108など、異なる物理的な又はコンピュータで読取可能な媒体上に具現化することができる。
【0155】
プログラムコード1118は、選択的に着脱可能でコンピュータで読取可能な媒体1120上に機能的な形態で配置され、プロセッサ装置1104での実行用のデータ処理システム1100に読込み又は転送することができる。プログラムコード1118及びコンピュータで読取可能な媒体1120は、これらの実施例ではコンピュータプログラム製品1122を形成する。一実施例では、コンピュータで読取可能な媒体1120は、コンピュータで読取可能な記憶媒体1124又はコンピュータで読取可能な信号媒体1126であってもよい。コンピュータで読取可能な記憶媒体1124は、例えば、固定記憶域1108の一部であるハードドライブなどのように、記憶デバイス上に転送するための固定記憶域1108の一部であるドライブ又は他のデバイスに挿入又は配置される光ディスク又は磁気ディスクなどを含むことができる。
【0156】
コンピュータで読取可能な記憶媒体1124はまた、データ処理システム1100に接続されているハードドライブ、サムドライブ、又はフラッシュメモリなどの固定記憶域の形態をとることができる。幾つかの例では、コンピュータで読取可能な記憶媒体1124はデータ処理システム1100から着脱可能ではないことがある。これらの実施例では、コンピュータで読取可能な記憶媒体1124は、プログラムコード1118を伝搬又は転送する媒体よりはむしろプログラムコード1118を保存するために使用される物理的な又は有形の記憶デバイスである。コンピュータで読取可能な記憶媒体1124は、コンピュータで読取可能な有形の記憶デバイス又はコンピュータで読取可能な物理的な記憶デバイスと呼ばれることもある。すなわち、コンピュータで読取可能な記憶媒体1124は、人が触れることのできる媒体である。
【0157】
代替的に、プログラムコード1118はコンピュータで読取可能な信号媒体1126を用いてデータ処理シスム1100に転送可能である。コンピュータで読取可能な信号媒体1126は、例えば、プログラムコード1118を含む伝播されたデータ信号であってもよい。例えば、コンピュータで読取可能な信号媒体1126は、電磁信号、光信号、他の適切な形式の信号、又は信号の組合せであってもよい。これらの信号は、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、有線などの通信リンク、他の適切な形式の通信リンク、又はこれらのリンクの組合せなどの通信リンクによって転送可能である。すなわち、これらの実施例では、通信リンクは物理的なものでも、無線でもよい。
【0158】
幾つかの有利な実施形態では、プログラムコード1118は、データ処理システム1100内で使用するため、コンピュータで読取可能な信号媒体1126を経由する別のデバイス又はデータ処理システムから、ネットワークを介して固定記憶域1108へダウンロードすることができる。例えば、サーバーデータ処理システムのコンピュータで読取可能な記憶媒体に保存されたプログラムコードは、ネットワークを介してサーバーからデータ処理システム1100にダウンロードすることができる。プログラムコード1118を提供するデータ処理システムは、サーバーコンピュータ、クライアントコンピュータ、又はプログラムコード1118を保存及び転送することができる他のデバイスであってもよい。
【0159】
データ処理システム1100に対して例示されている種々のコンポーネントは、異なる実施形態が実装しうる方法に対して構造上の制限を設けることを意図していない。種々の有利な実施形態は、データ処理システム1100に対して図解されているコンポーネントに対して追加的又は代替的なコンポーネントを含むデータ処理システム内に実装することができる。図11に示した他のコンポーネントは、本明細書に示した例示的な実施例とは異なることがある。種々の実施形態は、プログラムコードを実行しうる任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して実装することができる。1つの実施例として、データ処理システムは無機コンポーネントと一体化した有機コンポーネントを含むこと、又は人間を除く有機コンポーネントを完全に含むことができる。例えば、記憶デバイスは有機半導体を含んでいてもよい。
【0160】
別の例示的な実施例では、プロセッサ装置1104は、特定の用途のために製造又は構成された回路を有するハードウェア装置の形態をとってもよい。この形式のハードウェアは、工程を実施するために構成される記憶デバイスからメモリにプログラムコードを読み込まずに工程を実施することができる。
【0161】
例えば、プロセッサ装置1104がハードウェア装置の形態をとる場合、プロセッサ装置1104は回路システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は任意の数の工程を実施するために構成された他の適切な形式のハードウェアであってもよい。プログラマブル論理デバイスにより、デバイスは任意の数の工程を実施するように構成されている。このデバイスはその後再構成すること、又は任意の数の工程を実施するために永続的に構成することができる。プログラマブル論理デバイスの例は、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブルロジックアレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスを含む。この形式の実装により、異なる実施形態のプロセスはハードウェア装置に実装されるため、プログラムコード1118は除外されうる。
【0162】
さらに別の例示的な実施例では、プロセッサ装置1104は、コンピュータ及びハードウェア装置の中に見出されるプロセッサの組み合わせを使用して実装可能である。プロセッサ装置1104は、任意の数のハードウェア装置及びプログラムコード1118を実行するように構成されている任意の数のプロセッサを有していてもよい。ここに描かれている実施例では、プロセスの一部は任意の数のハードウェア装置に実装することが可能であるが、一方、他のプロセスは任意の数のプロセッサに実装可能である。
【0163】
別の実施例では、バスシステムは、通信ファブリック1102を実施するために使用することができ、システムバス又は入出力バスなどの一又は複数のバスを含むことができる。言うまでもなく、バスシステムは、バスシステムに取り付けられた種々のコンポーネント又はデバイスの間でのデータ伝送を行う任意の適切な種類のアーキテクチャを使用して実施することができる。
【0164】
加えて、通信装置は、データの送信、データの受信、又はデータの送受信を行う任意の数のデバイスを含むことがある。通信装置は例えば、モデム又はネットワークアダプタ、2個のネットワークアダプタ、又はこれらの組み合わせであってもよい。さらに、メモリは例えば、通信ファブリック1102に備わっていることがあるインターフェース及びメモリ制御装置ハブにみられるような、メモリ1106又はキャッシュであってもよい。
【0165】
したがって、種々の有利な実施形態は、超解像を使用してビデオを補正する方法及び装置を提供する。具体的には、種々の有利な実施形態は、超解像技術を使用して、オブジェクト群がシーンの背景に対して移動するシーンのビデオを補正する方法及び装置を提供する。
【0166】
1つの有利な実施形態では、画像を処理する方法が提供される。選択された画像内で移動オブジェクトが存在する部分が特定される。選択された画像は一連の画像の1つである。移動オブジェクトは選択された画像の背景に対して移動する。関心領域内の複数のピクセルは選択された画像内で特定される。一連の画像と第1変換群を使用して、複数のピクセルの第1の部分に対して第1の値が特定される。複数のピクセルの第1の部分は選択された画像の背景に対応する。第1変換群の中の1つの第1変換は、一連の画像の中の1つの画像の背景の特徴と選択された画像の背景の特徴の位置を合わせるように構成されている。一連の画像と第2変換群を使用して、複数のピクセルの第2の部分に対して第2の値が特定される。複数のピクセルの第2の部分は選択された画像の移動オブジェクトに対応する。第2変換群の中の1つの第2変換は、一連の画像の中の1つの画像の移動オブジェクトの特徴と選択された画像の移動オブジェクトの特徴の位置を合わせるように構成されている。
【0167】
種々の有利な実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提示されているものであり、網羅的な説明であること、又は開示された形態に実施形態を限定することを意図していない。当業者には、多数の修正例及び変形例が明らかであろう。さらに、種々の有利な実施形態は、他の有利な実施形態に照らして別の利点を提供することができる。選択された一又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するため、及び他の当業者に対し、様々な実施形態の開示と、考慮される特定の用途に適した様々な修正との理解を促すために選択及び記述されている。
【0168】
本発明の一態様に従って、本明細書に開示されるのは、画像処理の方法であって、この方法は、移動オブジェクトが存在する選択された画像内の部分を特定し、前記選択された画像が一連の画像の中の1つであり、且つ移動オブジェクトが選択された画像の背景に対して移動するステップと;選択された画像の関心領域内の複数のピクセルを特定するステップと;一連の画像と第1変換群を使用して複数のピクセルの第1の部分に対する第1の値を特定し、前記複数のピクセルの第1の部分が選択された画像の背景に対応しており、且つ第1変換群の中の第1変換が、一連の画像の中の1つの画像の背景の特徴と選択された画像の背景の特徴の位置を合わせるように構成されているステップと;さらに一連の画像と第2変換群を使用して複数のピクセルの第2の部分に対する第2の値を特定し、前記複数のピクセルの第2の部分が選択された画像の移動オブジェクトに対応しており、且つ第2変換群の中の第2変換が、一連の画像の中の1つの画像の移動オブジェクトの特徴と選択された画像の移動オブジェクトの特徴の位置を合わせるように構成されているステップと、を含む。
【0169】
上述で開示した方法は、関心領域の複数のピクセルの第1の部分の第1の値及び関心領域の複数のピクセルの第2の部分を使用して、補正画像を生成するステップであって、前記補正画像が選択された画像と比較して高い解像度を有するステップをさらに含むことがある。
【0170】
上述で開示した方法は、選択された画像の関心領域の複数のピクセル内の1つのピクセルを選択するステップと;関心領域内の複数のピクセルの中の前記ピクセルが選択された画像の背景に対応しているかどうかを判定するステップと;さらに関心領域内の複数のピクセルの中の前記ピクセルが選択された画像の移動オブジェクトに対応しているかどうかを判定するステップと、をさらに含むことがある。
【0171】
一連の画像と第1変換群を使用して、複数のピクセルの第1の部分に対する第1の値を特定するステップが、ピクセルが選択された画像の背景に対応するとき、第1変換群を使用して一連の画像の中の他の画像の複数のピクセルから選択された前記ピクセルに対する位置を特定するステップと;前記位置を使用して前記ピクセルに対する値を特定するステップと;前記ピクセルに対して特定された前記値を使用して関心領域内の複数のピクセルの中の前記ピクセルに対する最終値を推定するステップと;さらにピクセルが選択された画像の背景に対応するとき、第1変換群を使用して一連の画像の中の他の画像の複数のピクセルから選択されたピクセルに対する位置を特定するステップ、前記位置を使用して前記ピクセルに対する値を特定するステップ、選択された画像の背景に対応する関心領域内の複数のピクセルから選択された各ピクセルの中の前記ピクセルに対して特定された値を使用して関心領域内の複数のピクセルの中の前記ピクセルに対する最終値を推定するステップを反復するステップと、を含む上述で開示した方法。
【0172】
一連の画像と第2変換群を使用して、複数のピクセルの第2の部分に対する第2の値を特定するステップが、ピクセルが選択された画像の移動オブジェクトに対応するとき、第2変換群を使用して一連の画像の中の他の画像の前記ピクセルに対する位置を特定するステップと;前記位置を使用して前記ピクセルに対する値を特定するステップと;前記ピクセルに対して特定された前記値を使用して関心領域内の複数のピクセルの中の前記ピクセルに対する最終値を推定するステップと;さらに一連の画像の中の他の画像の中の前記ピクセルに対する位置を特定するステップ、第2変換群を使用して前記位置の前記ピクセルの値を特定するステップ、さらに選択された画像の移動オブジェクトに対応する関心領域内の複数のピクセルから選択された各ピクセルに対して特定された値を使用して関心領域内の複数のピクセルの中の前記ピクセルに対する最終値を推定するステップを反復するステップと、を含む上述で開示した方法。
【0173】
第1変換群及び第2変換群が、アフィン変換、ホモグラフィ変換、及び線形変換からなる1つの変換群から選択された変換である、上述で開示した方法。
【0174】
上述で開示した方法は、一連の画像に対してオブジェクトマスク群を生成するステップであって、前記オブジェクトマスク群の中の1つのオブジェクトマスクが一連の画像の中の1つの画像に対応し、且つ前記オブジェクトマスク群の中の1つのオブジェクトマスクの各ピクセルが、画像の背景と画像の移動オブジェクトの中の1つに各ピクセルが対応することを示す値を有するステップと、一又は複数の一連の画像に対して生成された移動オブジェクトについて、オブジェクトマスク群、一連の画像、及び軌跡を使用して、第2変換群を特定するステップと、をさらに含むことがある。
【0175】
一連の画像に対してオブジェクトマスク群を生成するステップが、一連の画像の中の対応する画像に対するオブジェクトマスク群の中の1つのオブジェクトマスクを生成するステップと、オブジェクトマスク内のピクセルに値を割り当てるステップであって、前記値が第1の値及び第2の値の中から選択された1つであり、第1の値が論理値「0」で且つ第2の値が論理値「1」及び軌跡識別子の中から選択されるステップとを含む、上述で開示した方法。
【0176】
上述で開示した方法は、画像バッファに一連の画像を保存するステップ、背景変換バッファに第1変換群を保存するステップ、オブジェクトマスクバッファにオブジェクトマスク群を保存するステップ、並びにオブジェクト変換バッファに第2変換群を保存するステップをさらに含むことがある。
【0177】
上述で開示した方法は、画像が生成されるにつれて画像バッファに一連の画像の中の画像を保存するステップであって、前記画像が移動式プラットフォームに関連する撮像システムによって生成されるステップをさらに含むことがある。
【0178】
本発明の一態様に従って、本明細書に開示されるのは、画像補正の方法であって、この方法は、移動オブジェクトが存在する選択された画像内の部分を特定し、前記選択された画像が一連の画像の中の1つであり、且つ移動オブジェクトが選択された画像の背景に対して移動するステップと;選択された画像の関心領域内の複数のピクセルを特定するステップと;一連の画像と第1変換群を使用して複数のピクセルの第1の部分に対する第1の値を特定し、前記複数のピクセルの第1の部分が選択された画像の背景に対応しており、且つ第1変換群の中の第1変換が、一連の画像の中の一画像の背景の特徴と選択された画像の背景の特徴の位置を合わせるように構成されているステップと;さらに選択された画像を使用して複数のピクセルの第2の部分を特定し、前記複数のピクセルの第2の部分が選択された画像の移動オブジェクトに対応しているステップと、を含む。
【0179】
上述で開示した方法は、一連の画像の中の選択された任意の数の画像で移動オブジェクトが検出されるかどうかを判定するステップをさらに含み、且つ選択された画像を使用して複数のピクセルの第2の部分に対する第2の値を特定するステップが、一連の画像の中の選択された任意の数の画像の中に移動オブジェクトが検出されたときに一連の画像と第2変換群を使用して複数のピクセルの第2の部分に対する第2の値を特定するステップを含み、前記複数のピクセルの第2の部分が選択された画像内の移動オブジェクトに対応し、且つ前記第2変換群の1つの第2変換が、一連の画像の中の1つの画像の移動オブジェクトの特徴と選択された画像の移動オブジェクトの特徴の位置を合わせるように構成されている。
【0180】
本発明で開示されている一態様に従って、装置は、移動オブジェクトが存在する選択された画像内の部分を特定し、前記選択された画像が一連の画像の中の1つであり、且つ移動オブジェクトが選択された画像の背景に対して移動するように構成されたオブジェクト追跡モジュールと;選択された画像の関心領域内の複数のピクセルを特定し、一連の画像と第1変換群を使用して複数のピクセルの第1の部分に対する第1の値を特定するように構成された補正モジュールとを含み、前記複数のピクセルの第1の部分が選択された画像の背景に対応し、且つ前記第1変換群の中の第1変換が、一連の画像の中の1つの画像の背景の特徴と選択された画像の背景の特徴の位置を合わせるように構成されており;さらに一連の画像と第2変換群を使用して複数のピクセルの第2の部分に対する第2の値を特定し、前記複数のピクセルの第2の部分が選択された画像の移動オブジェクトに対応しており、且つ第2変換群の中の第2変換が、一連の画像の中の1つの画像の移動オブジェクトの特徴と選択された画像の移動オブジェクトの特徴の位置を合わせるように構成されている。
【0181】
前記補正モジュールがさらに、関心領域の複数のピクセルの第1の部分の第1の値及び関心領域の複数のピクセルの第2の部分を使用して、補正画像を生成し、前記補正画像が選択された画像と比較して高い解像度を有するように構成されている、上述で開示した装置。
【0182】
前記補正モジュールがさらに、選択された画像の関心領域の複数のピクセルの中の1つのピクセルを選択し、関心領域内の複数のピクセルの中の前記ピクセルが選択された画像の背景に対応しているかどうかを判定し、且つ関心領域の複数のピクセルの中の前記ピクセルを選択が選択された画像内の移動オブジェクトに対応しているかどうかを判定するように構成されている、上述で開示した装置。
【0183】
一連の画像と第1変換群を使用して複数のピクセルの第1の部分に対する第1の値を特定するように構成されており、ピクセルが選択された画像の背景に対応しているとき、第1変換群を使用して一連の画像の中の他の画像の複数のピクセルから選択された前記ピクセルに対する位置を特定し、前記位置を使用して前記ピクセルに対する値を特定し、前記ピクセルに対して特定された値を使用して関心領域の複数のピクセルの中の前記ピクセルに対する最終値を推定するように補正モジュールが構成されている、上述で開示した装置。
【0184】
一連の画像と第1変換群を使用して複数のピクセルの第1の部分に対する第1の値を特定するように構成されており、ピクセルが選択された画像の移動オブジェクトに対応しているとき、第2変換群を使用して一連の画像の中の他の画像の前記ピクセルに対する位置を特定し、前記位置を使用して前記ピクセルに対する値を特定し、前記ピクセルに対して特定された値を使用して関心領域の複数のピクセルの中の前記ピクセルに対する最終値を推定するように補正モジュールが構成されている、上述で開示した装置。
【0185】
上述で開示した装置は、一連の画像の中の画像を生成するように構成されている撮像システムをさらに含むことがある。
【0186】
上述で開示した装置は、一連の画像を保存するように構成された画像バッファ、第1変換群を保存するように構成された背景変換バッファ、及び第2変換群を保存するように構成されたオブジェクト変換バッファをさらに含むことがある。
【0187】
前記オブジェクト追跡モジュールがさらに、一連の画像に対してオブジェクトマスク群を生成するように構成され、前記オブジェクトマスク群の中の1つのオブジェクトマスクが一連の画像の中の1つの画像に対応し、前記オブジェクトマスク群の中の1つのオブジェクトマスクの各ピクセルが、画像内の背景及び画像内の移動オブジェクトのうちの1つに対応することを示す値を有する、上述で開示した装置。
【符号の説明】
【0188】
100 画像処理環境
102、103 撮像システム
104 コンピュータシステム
105 コンピュータステーション
106 無人飛行機
108 シーン
110 移動オブジェクト
111 建物
112 車両
114 人
116、118 無線通信リンク
300 画像バッファ
302 背景変換バッファ
304、306、308、310、312、324、326、328、330、332 要素
400 オブジェクトマスクバッファ
402 オブジェクト変換バッファ
404、406、408、410、412、424、426、428、430、432 要素
500 画像
502 移動オブジェクト
600 補正画像
602 軌跡
700 選択された画像
702 グリッド
703 正方形部分
704 正方形の中心
706 正方形
708 ピクセル
710 関心領域
712 小さい正方形のグリッド
713 小さい正方形
714 正方形
716 小さい正方形の中心
718、720 ピクセル
1102 通信ファブリック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像群(206)を処理する方法であって、
移動オブジェクト(245)が存在する選択された画像(256)内の部分を特定するステップであって、前記選択された画像(256)が一連の画像(226)の中の1つで
あり、且つ移動オブジェクト(245)が選択された画像(256)の前記背景(209)に対して移動するステップと;
選択された画像(256)の関心領域(254)内の複数のピクセル(260)を特定するステップと;
前記一連の画像(226)と第1変換群(232)を使用して前記複数のピクセル(260)の第1の部分(265)に対する第1の値(264)を特定するステップであって、前記複数のピクセル(260)の前記第1の部分(265)が前記選択された画像(256)の前記背景(209)に対応し、且つ前記第1変換群(232)の中の第1変換が、前記一連の画像(226)の中の1つの画像の前記背景(209)の特徴と前記選択された画像(256)の前記背景(209)の特徴の位置を合わせるように構成されているステップと;
前記一連の画像(226)と第2変換群(250)を使用して前記複数のピクセル(260)の第2の部分(267)に対する第2の値(266)を特定するステップであって、前記複数のピクセル(260)の前記第2の部分(267)が前記選択された画像(256)の前記移動オブジェクト(245)に対応しており、且つ前記第2変換群(250)の中の第2変換が、前記一連の画像(226)の中の1つの画像の前記移動オブジェクト(245)の特徴と前記選択された画像(256)の前記移動オブジェクト(245)の特徴の位置を合わせるように構成されているステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記関心領域(254)内の前記複数のピクセル(260)の前記第1の部分(265)に対する前記第1の値(264)及び前記関心領域(254)内の前記複数のピクセル(260)の前記第2の部分(267)を使用して、補正画像(258)を生成するステップであって、前記補正画像(258)が前記選択された画像(256)と比較して高い解像度を有するステップ、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択された画像(256)の前記関心領域(254)内の複数のピクセル(260)の中の1つのピクセルを選択するステップと;
前記関心領域(254)内の前記複数のピクセル(260)の中の前記ピクセルが前記選択された画像(256)の前記背景(209)に対応しているかどうかを判定するステップと;
前記関心領域(254)内の前記複数のピクセル(260)の中の前記ピクセルが前記選択された画像(256)の前記移動オブジェクト(245)に対応しているかどうかを判定するステップと
をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記一連の画像(226)と前記第1変換群(232)を使用して、前記複数のピクセル(260)の前記第1の部分(265)に対する前記第1の値(264)を特定するステップが、
前記ピクセルが前記選択された画像(256)の前記背景(226)に対応するとき、前記第1変換群(232)を使用して前記一連の画像(226)の中の他の画像群(206)の前記複数のピクセル(260)から選択された前記ピクセルに対する第1の位置を特定するステップと;
前記第1の位置を使用して前記ピクセルに対する値を特定するステップと;
前記ピクセルに対して特定された前記値を使用して前記関心領域(254)内の前記複数のピクセル(260)の中の前記ピクセルに対する最終値を推定するステップと;
前記ピクセルが前記選択された画像(256)の前記背景(209)に対応するとき、前記第1変換群(232)を使用して前記一連の画像(226)の中の他の画像群(206)の前記複数のピクセル(260)から選択された前記ピクセルに対する前記第1の位置を特定するステップ;前記第1の位置を使用して前記ピクセルに対する値を特定するステップ;前記選択された画像(256)の前記背景(209)に対応する前記関心領域(254)内の複数のピクセル(260)から選択された各ピクセルのピクセル対して特定された値を使用して前記関心領域(254)内の前記複数のピクセル(260)の中のピクセルに対する最終値を推定するステップを反復するステップと
を含む、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記一連の画像(226)と前記第2変換群(250)を使用して、前記複数のピクセル(260)の前記第2の部分(267)に対する前記第2の値(266)を特定するステップが、
前記ピクセルが前記選択された画像(256)の前記移動オブジェクト(245)に対応するとき、前記第2変換群(250)を使用して前記一連の画像(226)の中の他の画像群(206)の前記ピクセルに対する第2の位置を特定するステップと;
前記第2の位置を使用して前記ピクセルに対する値を特定するステップと;
前記ピクセルに対して特定された前記値を使用して前記関心領域(254)内の複数のピクセル(260)の中の前記ピクセルに対する最終値を推定するステップと;
前記一連の画像(226)の中の他の画像群(206)の前記ピクセルに対する前記第2の位置を特定するステップ;前記第2変換群(250)を使用して前記第2の位置での前記ピクセルの値を特定するステップ;前記選択された画像(256)の前記移動オブジェクト(245)に対応する前記関心領域(254)内の複数のピクセル(260)から選択された各ピクセルのピクセル対して特定された値を使用して前記関心領域(254)内の前記複数のピクセル(260)の中の前記ピクセルに対する最終値を推定するステップを反復するステップと
を含む、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1変換群(232)及び前記第2変換群(250)が、アフィン変換、ホモグラフィ変換、及び線形変換からなる1つの変換群から選択された変換である、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記一連の画像(226)に対してオブジェクトマスク群(238)を生成するステップであって、前記オブジェクトマスク群(238)の中の1つのオブジェクトマスクが前記一連の画像(226)の中の1つの画像に対応し、且つ前記オブジェクトマスクの各ピクセルが、前記画像の前記背景(209)及び前記画像の前記移動オブジェクト(245)のうちの1つに各ピクセルが対応することを示す値を有するステップと;
一又は複数の前記一連の画像(226)に対して生成された前記移動オブジェクト(245)について、前記オブジェクトマスク群(238)、前記一連の画像(226)、及び軌跡(244)を使用して、前記第2変換群(250)を特定するステップと
をさらに含む、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記一連の画像(226)に対して前記オブジェクトマスク群(238)を生成するステップが、
前記一連の画像(226)の中の対応する画像に対する前記オブジェクトマスク群(238)の中の1つのオブジェクトマスク(240)を生成するステップと;
前記オブジェクトマスク内の1つのピクセルに前記値を割り当てるステップであって、前記値が第1の値及び第2の値の中から選択された1つであり、前記第1の値が論理値「0」で且つ前記第2の値が論理値「1」及び軌跡(244)識別子の中から1つが選択されるステップと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記一連の画像(226)を画像バッファ(224)に保存するステップと;
前記第1変換群(232)を背景変換バッファ(236)に保存するステップと;
前記オブジェクトマスク群(238)をオブジェクトマスクバッファ(246)に保存するステップと;
前記第2変換群(250)をオブジェクト変換バッファ(252)保存するステップと
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記画像群(206)が生成されるにつれて画像バッファ(224)に前記一連の画像(226)の中の前記画像群(206)を保存するステップであって、前記画像群(206)が移動式プラットフォームに関連する撮像システム(202)によって生成されるステップ
をさらに含む、請求項1〜7又は9のうちのいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−80467(P2013−80467A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−210512(P2012−210512)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】