説明

超電導ケーブルの臨界電流測定方法

【課題】小容量の電源を用いて、超電導ケーブルの臨界電流を精度よく測定できる超電導ケーブルの臨界電流測定方法を提供する。
【解決手段】超電導導体層11及び超電導シールド層12を有するケーブルコア10a,10b,10cが断熱管13Aに収納された超電導ケーブル1Aにおいて、2本のコア10a,10bの一端側同士をリード部材2で電気的に接続し、他端側に直流電源3を接続して、両コア10a,10bによる往復通電を行う。超電導導体層11に一定の変化速度で直流電流を供給し、臨界電流を測定する。一方のコア10aに具える超電導導体層11への通電電流と、コア10aに具える超電導シールド層12に流れる誘導電流との差に基づく漏れ磁場によって低下する臨界電流の低下量を求める。測定した臨界電流に対して、上記漏れ磁場による低下量を補正することで、小容量の電源を用いた場合でも、臨界電流を精度よく測定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導ケーブルの臨界電流測定方法に関するものである。特に、小容量の電源を用いて臨界電流を精度よく測定可能な超電導ケーブルの臨界電流測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力供給路を構成する電力ケーブルとして、超電導ケーブルが開発されつつある。超電導ケーブルは、代表的には、超電導導体層を有するケーブルコアと、このケーブルコアを収納すると共に、液体窒素といった冷媒が満たされる断熱管とを具える。
【0003】
上記超電導ケーブルを布設後、竣工試験などでケーブル特性を確認する目的で、超電導ケーブルの臨界電流を測定することがある。特許文献1では、測定対象となる1本のケーブルコアに、別のケーブルコアを接続して往復通電を行って、測定対象の臨界電流を測定することを開示している。この測定方法では、上記別のケーブルコアをリード部材として利用することで、布設後などで超電導ケーブルの両端が離れている場合などでも、銅などの常電導材料からなる長尺なリード部材を取り付け、このリード部材を介して電源に接続する必要が無い。また、このような長尺なリード部材の使用に伴う電気抵抗の増大が無く、当該電気抵抗を考慮した大容量の直流電源を使用しなくてよいため、上記測定方法は、臨界電流を簡便に測定可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-329838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の超電導ケーブルは、定格電流が1kA程度の送電に対応するように設計されている。交流送電用途では、過負荷時などの尤度を考慮して、超電導導体層の臨界電流の設計値を3kA程度としていた。今後の電力需要の増加によっては、定格電流が2kA以上、更に5kA以上といった大容量の電力供給路の構築が期待される。このような要求に対して、臨界電流が4kA以上、更に5kA以上、とりわけ10kA以上といった超電導導体層を設計することが求められる。しかし、このような大容量の電力供給用途の超電導ケーブルでは、臨界電流を精度よく測定することが難しい。
【0006】
本発明者らは、特許文献1に記載される往復通電を利用し、上述のような大容量の電力供給用途の超電導ケーブルに大容量の電流を供給して臨界電流を測定した。すると、測定した臨界電流は、設計値よりも低く、精度よく測定することが困難であった。
【0007】
測定した臨界電流が低下した原因は、以下のように考えられる。超電導導体層に直流電流を通電した場合、超電導導体層の外周には、通電電流に比例した磁場が形成される。超電導導体層の外周に超電導シールド層が設けられたケーブルコアの場合、超電導導体層に流れる導体電流による磁場が、超電導シールド層に流れる誘導電流による磁場とほぼ同じ大きさであれば、当該ケーブルコアの外部に磁場が実質的に漏れない。従って、隣り合うケーブルコア間で相互に磁場が影響し難い。しかし、超電導導体層に直流電流を供給するときの電流の変化速度によっては、誘導電流が導体電流よりも小さくなることがある。誘導電流が小さいことで、導体電流と誘導電流との差に基づく磁場がケーブルコアの外部に漏れる(漏れ磁場が生じる)。従って、往復通電を行う2本のケーブルコアは互いに近接していることで相互の漏れ磁場を受けて、臨界電流が低下したと考えられる。特に、大電流を供給する場合、漏れ磁場も大きくなり易く、臨界電流が更に低下したと考えられる。
【0008】
漏れ磁場による臨界電流の低下を低減するには、漏れ磁場を低減する必要がある。漏れ磁場の低減には、超電導導体層に供給した電流と同程度の大きさの誘導電流を当該超電導導体の外周に具える超電導シールド層に十分に流すことが考えられる。誘導電流の大きさは、供給する電流の変化速度に相関があり、変化速度を大きくする(速くする)ほど、誘導電流を大きくすることができ、漏れ磁場による臨界電流の低下を抑制することができる、との知見を得た。
【0009】
しかし、通電電流の変化速度の増大に伴い、往復通電を行うケーブルコアの両端に発生する電圧が大きくなる。
【0010】
ここで、現在、試験線路では、1本の長さ(単位長)が数十m〜数百m程度の超電導ケーブルが利用されている。実際の超電導ケーブル線路の構築では、単位長ができるだけ長い、少なくともキロメートルオーダーのケーブルが望まれる。従って、ケーブルコアもキロメートルオーダーに長大化し得る。
【0011】
ケーブルコアが長大化すると、上記両端の電圧が非常に大きくなる。従って、大電流・大電圧に対応可能な大容量の電源が必要となる。
【0012】
より具体的に説明する。例えば、10kmの線路(ケーブルコアの単位長:10km、往復で20km)の臨界電流を測定する場合を考える。このとき、使用する電源は、臨界電流の定義電圧を0.1mV/mとすると、0.1mV/m×20,000m=2Vの電圧(抵抗成分)を確保する必要がある。
【0013】
上記抵抗成分の電圧以外にも誘導電圧が発生する。通電電流の変化速度をα(A/sec)とすると、誘導電圧は、L・(dI/dt)=Lαで定義される。従って、変化速度αを大きくするほど、発生する誘導電圧が大きくなる。図5は、10kmの線路(往復20km)にα=720A/secで直流電流を通電した場合に発生する電圧波形を示す。図5に示すように、通電電流が4kA以上、更に5kA以上になると、誘導に起因する電圧は、抵抗成分の電圧を超える3V近くになっており、5.5kA以上となると急激に大きくなることが分かる。従って、超電導ケーブルのケーブル長が長い場合には、大容量の電源が必要になる。また、超電導ケーブルのケーブル長が短い場合でも、上述のように通電電流の変化速度αを大きくすることで、大容量の電源が必要になる。
【0014】
そこで、本発明の目的は、小容量の電源を用いて超電導ケーブルの臨界電流を精度よく測定可能な超電導ケーブルの臨界電流測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、漏れ磁場による臨界電流の低下分を補正することで、上記目的を達成する。
【0016】
本発明の超電導ケーブルの臨界電流測定方法は、少なくとも1本の超電導ケーブルに具える複数のケーブルコアを利用して、当該ケーブルコアに具える超電導導体層の臨界電流を測定する方法に係るものであり、上記各ケーブルコアは、上記超電導導体層の外周に超電導シールド層を具えるものとする。上記複数のケーブルコアのうち、2本のケーブルコアの一端側同士を電気的に接続し、各ケーブルコアの他端側を直流電源に接続し、各ケーブルコアの超電導導体層に往復通電を行えるようにする。この往復通電を行うケーブルコアに具える超電導導体層に一定の変化速度で直流電流を通電し、臨界電流を測定する。往復通電を行う一方のケーブルコアに具える超電導導体層への通電電流と、上記変化速度に基づいて、このケーブルコアに具える超電導シールド層に流れる誘導電流との差から、当該ケーブルコアの外部に漏れる漏れ磁場によって、往復通電を行う他方のケーブルコアに具える超電導導体層の臨界電流が低下する量を求める。そして、本発明方法では、上記測定した臨界電流を上記低下した量に基づいて補正する。
【0017】
本発明方法は、臨界電流を測定するにあたり、測定値に対して、往復通電を行うケーブルコア間における相互の漏れ磁場による低下分を補正する構成とする。つまり、漏れ磁場によって測定値が低下することを許容する。そのため、本発明方法の実施にあたり、通電電流の変化速度αを比較的小さく設定して、発生する誘導電圧を小さくすることができることから、比較的低容量の小型な電源を利用できる。例えば、往復通電を行う2本のケーブルコアの長さに応じた抵抗成分の電圧を確保した電源を利用すればよい。このように本発明方法は、容易に、かつ精度よく臨界電流を測定することができる。
【0018】
本発明の一形態として、上記2本のケーブルコアに具える超電導シールド層は、短絡接続部によって電気的に接続された形態が挙げられる。
【0019】
本発明方法では、超電導シールド層に誘導電流が流れるようにするための通電ループを形成する必要がある。例えば、超電導シールド層の二箇所(例えば、両端)を接地して、大地を介した通電ループを形成することが挙げられる。或いは、上記形態のように超電導シールド層を短絡させて通電ループを形成した場合、短絡接続部の抵抗があるものの、上記大地を介した場合よりも抵抗が小さくなり易く、誘導電流を大きくし易い。
【0020】
上記短絡接続部を具える形態として、上記短絡接続部にロゴスキーコイルを取り付けて、上記超電導シールド層に流れる電流を実測し、上記誘導電流にこの実測値を用いる形態が挙げられる。
【0021】
短絡接続部の抵抗は、その構成材料や断面積などによって、ある程度決定される。しかし、使用時の冷媒温度、ケーブルコアや短絡接続部の製造誤差、短絡接続部の施工誤差などによって、短絡接続部の抵抗は、変化し得る。また、ある程度線路を使用した後、メンテナンス時などで臨界電流を測定する場合には、ケーブルコアや短絡接続部の経年変化などによって、短絡接続部の抵抗が変化する可能性がある。上記形態は、漏れ磁場を求めるにあたり、誘導電流の実測値を利用するため、上述のような短絡接続部の抵抗の変化に依らず、正確な漏れ磁場を求められ、ひいては漏れ磁場による臨界電流の低下量を正確に求められる。従って、上記形態は、臨界電流を高精度に求められる。また、上記形態は、ロゴスキーコイルを利用することで、短絡接続部に容易に取り付けられて、作業性に優れる上に、使用後も簡単に取り外すことができる。
【0022】
上記短絡接続部を具える形態として、上記短絡接続部に取り付けられたシャント抵抗によって、上記超電導シールド層に流れる電流を実測し、上記誘導電流にこの実測値を用いる形態が挙げられる。
【0023】
上記形態も、誘導電流の実測値を用いて誘導電流を求めるため、結果として、臨界電流を高精度に求められる。また、上記形態は、シャント抵抗を利用することで誘導電流を高精度に求められることから、臨界電流をより高精度に測定できる。
【0024】
本発明の一形態として、上記超電導ケーブルは、上記超電導導体層の臨界電流の設定値が4kA以上である形態が挙げられる。
【0025】
超電導導体層の臨界電流が4kA以上に設計されるような大容量の電力供給用途では、臨界電流の測定にあたり、超電導導体層に供給する電流も大きく、漏れ磁場による臨界電流の低下が生じ易い。従って、このような大容量の電力供給用途の超電導ケーブルに対して臨界電流を測定する場合に本発明方法は、好適に利用することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明超電導ケーブルの臨界電流測定方法は、小容量の電源を用いて臨界電流を精度よく測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施形態に係る超電導ケーブルの臨界電流測定方法を説明するための説明図であり、(A)は、多心超電導ケーブルの例、(B)は、単心超電導ケーブルの例を示す。
【図2】通電電流の変化速度を種々の値としたときの臨界電流の実測値と解析値とを示すグラフである。
【図3】通電電流の変化速度を種々の値としたときの誘導電流の実測値と解析値とを示すグラフである。
【図4】通電電流の変化速度を種々の値としたときのケーブル長と、臨界電流との関係を示すグラフである。
【図5】通電電流の変化速度を720A/secとして、線路に通電したときの通電電流と電圧(抵抗成分)との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、適宜図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。図において同一符号は、同一名称物を示す。まず、測定対象となる超電導ケーブルを説明する。
【0029】
本発明方法の測定対象となる超電導ケーブルは、例えば、往復通電を行う2本のケーブルコアが、1つの断熱管に収納された形態が挙げられる。
【0030】
ここで、並列させた2本のケーブルコアのうち、1本のケーブルコアに電流Iを通電したときにもう1本のケーブルコアの中心に発生する磁場は、両ケーブルコア間の中心間距離をrとするとき、(I/(2πr))で表される。同じ一つの断熱管に収納されたケーブルコア同士は近接されていることから、上記ケーブルコア間の距離rが小さくなり易い。従って、電流Iの増大に加えて、発生磁場も大きく、漏れ磁場も大きくなり易い。しかし、本発明では、漏れ磁場による臨界電流の低下分を補正することで、発生磁場が大きい場合でも、臨界電流を精度よく測定できる。
【0031】
超電導ケーブルのより具体的な形態として、1条の3心一括型超電導ケーブルを説明する。
【0032】
図1(A)に示す超電導ケーブル1Aは、3心のケーブルコア10a,10b,10cが撚り合わされて1つの断熱管13Aに収納された構成である。各コア10a,10b,10cは、例えば、中心から順にフォーマ(図示せず)、超電導導体層11、電気絶縁層(図示せず)、超電導シールド層12、常電導シールド層(図示せず)、保護層(図示せず)を具える。超電導導体層11や超電導シールド層12は、断熱管13A内に充填される液体窒素といった冷媒によって超電導状態に維持される。
【0033】
フォーマは、超電導導体層11を支持する他、短絡や地絡などの事故時に事故電流を分流する通電路に利用されることから、銅やアルミニウムなどの常電導材料からなる中実体や中空体(管体)が挙げられる。例えば、ポリビニルホルマール(PVF)やエナメルなどの絶縁被覆を具える銅線を複数本撚り合わせた撚り線材が利用できる。フォーマの外周にクラフト紙やPPLP(住友電気工業株式会社 登録商標)といった絶縁性テープを巻回してクッション層を設けてもよい。
【0034】
超電導導体層11及び超電導シールド層12は、超電導線材を螺旋状に巻回した線材層を単層又は多層に具える形態が挙げられる。超電導線材は、酸化物超電導相を具える線材が挙げられる。具体的には、REBa2Cu3Ox(RE123:REは希土類元素)、例えばYBCO,HoBCO,GdBCOといった希土類系酸化物超電導相を具える薄膜線材や、Bi2Sr2Ca2Cu3O10+δ(Bi2223)といったBi系酸化物超電導相を具え、Agやその合金を金属マトリクスとする線材がある。多層構造とする場合、各線材層の層間にクラフト紙などの絶縁紙を巻回した層間絶縁層を形成することができる。超電導導体層11の直上にカーボン紙などを巻回して内側半導電層を設けることができる。なお、薄膜線材及びBi系酸化物超電導線材はいずれも、その表面に対して垂直に磁場が印加されると(超電導線材の厚さ方向に磁場が印加されると)、その表面に平行に磁場が印加される場合に比べて、臨界電流が低下する傾向にある。
【0035】
超電導導体層11及び超電導シールド層12を構成する超電導線材の数や線材層の数は、所望の電力供給容量に応じて設計される。一般に、超電導線材の数や線材層の数を多くすることで、超電導導体層や超電導シールド層の臨界電流を4kA以上にすることができ、ケーブルの定格電流が2kA以上、更に5kA以上といった大容量の電力供給が可能な超電導ケーブルとすることができる。なお、超電導シールド層12は、直流送電の場合、帰路導体や中性線に利用することができる。
【0036】
電気絶縁層は、超電導導体層11(或いは内側半導電層)の上に、クラフト紙やPPLP(登録商標)といった半合成絶縁紙などの絶縁性テープを巻回することで形成することができる。電気絶縁層の直上に、カーボン紙などを巻回して外側半導電層を設けることができる。
【0037】
常電導シールド層は、上述した事故電流の誘導電流を分流する通電路に利用されることから、銅といった常電導材料からなる金属テープを巻回して形成した構成が挙げられる。
【0038】
超電導シールド層12(或いは常電導シールド層)の外周に、クラフト紙やPPLP(登録商標)といった半合成絶縁紙などの絶縁性テープを巻回して、シールド層を機械的に保護するための保護層を設けることができる。
【0039】
断熱管13Aは、内管と外管との二重管からなり、内管と外管との間が真空引きされた真空断熱構造のものが代表的である。内管と外管との間にスーパーインシュレーションといった断熱材や、両管の間隔を保持するスペーサを配置させた構成が利用できる。外管の外周には、ポリ塩化ビニル(PVC)といった防食層を具えると、耐食性を高められる。
【0040】
或いは、往復通電を行う2本のケーブルコアがそれぞれ、別々の断熱管に収納された形態が挙げられる。
【0041】
本発明方法は、異なる2本の超電導ケーブルの断熱管にそれぞれ収納されたケーブルコアを往復通電できるように接続することで、臨界電流を精度よく測定できる。上記形態では、上述のケーブルコア間の距離rが大きくなり易いものの、電流Iが10kA、20kAと増大すれば、漏れ磁場が大きくなる。しかし、本発明では、上述のように漏れ磁場による臨界電流の低下分を補正することで、漏れ磁場が大きい場合でも、臨界電流を精度よく測定できる。
【0042】
より具体的な形態としては、図1(B)に示すような3条の単心超電導ケーブルが挙げられる。超電導ケーブル1B,1C,1Dはそれぞれ、断熱管13B,13C,13Dにそれぞれ1条のケーブルコア10d,10e,10fが収納されている。各コア10d,10e,10fの基本構成、断熱管13B,13C,13Dの基本構成は、上述した超電導ケーブル1Aのケーブルコア10a,断熱管13Aと同様である。
【0043】
<実施形態1>
図1(A)に示す多心の超電導ケーブル1Aを布設して、超電導ケーブル1Aの両端に適宜端末構造を形成して超電導ケーブル線路を構築し、本発明方法を利用して、ケーブルコア10aと、別の1本のケーブルコア(ここではケーブルコア10b)を利用し、これら2本のコア10a,10bの超電導導体層11の臨界電流を測定する場合を説明する。
【0044】
《誘導電流の通電ループの形成》
ケーブルコア10aの超電導シールド層12の端部とケーブルコア10bの超電導シールド層12の端部とを短絡接続部120によって電気的に接続し、両コア10a,10bの超電導シールド層12と短絡接続部120とで誘導電流が流れる通電ループを形成する。通電ループは、超電導シールド層12をアース電位とするために片端を接地している。短絡接続部120には、銅や銅合金などの導電性に優れる常電導材料、その他、上述の超電導線材を適宜組み合せて形成することができる。なお、線路を構築する場合、超電導ケーブル1Aに具える複数のコア10a,10b,10cの超電導シールド層12を全て電気的に接続して短絡し、誘導電流の通電ループを形成する。この通電ループを利用することができる。
【0045】
《ケーブルコア同士の接続》
両ケーブルコア10a,10bの一端側において超電導導体層11同士を電気的に接続して、後述する直流電源3からの直流電流の通電路を形成する。この接続には、リード部材2が利用できる。リード部材2は、銅や銅合金などの常電導材料、その他、上述の超電導線材を適宜組み合わせて形成することができる。リード部材2は、例えば、線路に具える終端接続箱などに収納させることができるが、当該接続箱などの外部に設けると、接続作業が行い易い。
【0046】
《直流電源の接続》
両ケーブルコア10a,10bの他端側の超電導導体層11に直流電源3を接続する。直流電源3は、上述の抵抗電圧、及び通電電流の変化速度に応じた誘導電圧分の出力電圧を確保した適宜なものが利用でき、市販品を利用することができる。直流電源3として、変化速度の制御が可能な機構を具えるものを利用したり、変化速度を制御可能な市販のスイーパ装置(図示せず)を直流電源3に併設させたりすることができる。直流電源3を取り付けることで、リード部材2によって接続された両コア10a,10bの超電導導体層11に直流電流を供給して、往復通電を行うことができる。
【0047】
更に、直流電源3やケーブルコア10a,10bなどからの種々の測定データ(通電電流、コア10a,10b間の両端の電圧などの信号)を記録する記録装置4を直流電源3や両コア10a,10bの一端側に接続すると、作業者が測定結果を把握し易い。記録装置4は、測定データを記憶する記憶手段を具えていればよいが、更に、記憶手段から呼び出したデータを用いて、漏れ磁場によって低下した臨界電流の低下分を補正するための補正量を演算する補正量演算手段と、求めた補正量を用いて測定値を補正し、適切な臨界電流(理想的には、漏れ磁場による低下が無いときの本来の臨界電流)を演算する臨界電流演算手段とを具えるものを利用できる。或いは、上記演算手段を具える演算装置を別途用意して利用することができる。
【0048】
《臨界電流の測定》
(1) 実測値を利用する場合
上述のように2本のケーブルコア10a,10bと、両コア10a,10bの一端側同士を電気的に接続するリード部材2と、各コア10a,10bの他端側に接続される直流電源3とを具え、各コア10a,10bの超電導導体層11に往復通電が可能なシステムを構成したら、直流電源3によって一定の変化速度αで直流電流を超電導導体層11に供給して、超電導導体層11の臨界電流Icrealを測定する。臨界電流Icrealは、記録装置4の記憶手段に記憶しておくと、測定データを利用し易い。
【0049】
なお、臨界電流Icrealは、両ケーブルコア10a,10bにおける直流電源3側の端部の電圧信号(電位差)を測定して、電流と電圧との関係を記録装置4に記録し、得られた電流-電圧特性から、1μV/cm(=0.1mV/m)の電界が生じた電流とする。
【0050】
短絡接続部120にロゴスキーコイル5を取り付けて、ロゴスキーコイル5からの測定情報を用いて超電導シールド層12に流れる誘導電流Isrealを測定する。具体的には、ロゴスキーコイル5の発生電圧を積分し、この積分値に校正係数をかけることで、誘導電流Isrealを求める。測定データは、記録装置4の記憶手段に記憶しておくと、測定データを利用し易い。ロゴスキーコイル5は、着脱が容易であり、測定時の作業性に優れる。ロゴスキーコイル5に代えて、短絡接続部120を構築する際にシャント抵抗(図示せず)を設けておき、シャント抵抗を利用して誘導電流Isrealを測定することができる。シャント抵抗は短絡接続部120の構成要素に直接、直列接続されるため、測定誤差が小さく、誘導電流Isrealの測定精度が高い。
【0051】
測定した臨界電流Icrealと誘導電流Isrealとの差:ΔIc=Icreal−Isrealを求め、両電流の差ΔIcに基づく漏れ磁場による臨界電流の低下量を求める。通電電流の変化速度αを大きくするほど誘導電流Isrealが大きくなることでΔIcが小さくなる。つまり、漏れ磁場が少なくなり、臨界電流の低下量も少なくなり、補正による誤差が小さくなる。臨界電流の低下量は、種々の大きさの磁場と、各磁場を印加したときの臨界電流の低下量との相関データを予め求めておき、この相関データを参照して求めるようにすると、容易に求められる。この相関データも、上述した記録装置4などの記憶手段に記憶させておくと、臨界電流の低下量をより簡単に、自動的に求められる。
【0052】
或いは、臨界電流の低下量は、上記漏れ磁場分布を解析し、超電導導体層を構成する線材に磁場が印加された場合の臨界電流の低下率を演算によって求めておき、この演算値を利用することができる。具体的には、1本のケーブルコアの通電電流と誘導電流との差によって発生する磁場分布を(二次元或いは三次元の)電磁場解析によって計算し、もう1本のケーブルコアに具える超電導導体層を形成する各超電導線材に印加する磁場を算出する。また、予め、超電導線材に磁場が印加されたときの臨界電流の維持率を実験的に求めておき、上記磁場による各超電導線材の臨界電流の低下を求め、この低下量を用いて、超電導導体層の臨界電流の低下率を求める。上記電磁場解析には、市販の解析ソフトを利用することができる。
【0053】
そして、測定した臨界電流Icrealに求めた低下量を加えて補正し、臨界電流Icを求める。この演算も、記録装置4などに具える演算手段に行わせるようにすると、臨界電流Icをより簡単に、自動的に求められる。
【0054】
この形態は、実測値の誘導電流Isrealを利用することで短絡接続部120の抵抗が設計値と相違する場合でも、臨界電流Icを精度よく求められ、信頼性が高い。
【0055】
(2) 数値解析を利用する場合
或いは、上述した往復通電のシステムを構築した場合における誘導電流を以下に説明する数値解析コードを用いて演算により求め、この演算値を用いて、臨界電流Icを演算により求めることができる。
【0056】
超電導導体層及び超電導シールド層が上述した超電導線材からなる多層構造であり、合計でN層の線材層を具えるケーブルコアについて(超電導導体層の線材層の数:Nc)、各線材層を同軸円筒モデルで近似し、各線材層に、当該線材層のスパイラル方向(線材の巻回方向)と平行に電流が流れる場合を考える。
【0057】
超電導導体層を構成するi層目(1≦i≦NC)の線材層、及び超電導シールド層を構成するi層目((NC+1)≦i≦N)の線材層に対する回路方程式はそれぞれ、式(1)及び式(2)で表される。VCは、往復通電する2本のケーブルコアに具える超電導導体層の両端の電圧、Iiは、i層目に流れる電流、ISは、誘導電流の総和、rSは短絡接続部の抵抗(ここでは三相短絡抵抗)である。
【0058】
【数1】

【0059】
Liはi層目の自己インダクタンス、Mi,jはi層目とj層目との相互インダクタンスであり、それぞれ式(3)及び式(4)で表される。dは、ケーブルコアの長さ、aiはi層目の半径、piはi層目のスパイラルピッチ、siはi層目の撚り方向係数(線材がS撚りの場合では「1」、Z撚りの場合では「-1」)、Rは積分半径である。Viは直流通電時にi層目に発生する抵抗成分の電圧であり、式(5)で表される。IC,iはi層目の線材の臨界電流の総和、niはi層目の線材のn値、E0は、基準電界:0.1mV/mである。
【0060】
【数2】

【0061】
往復通電に用いる2本のケーブルコアにおいて、一方のケーブルコアの超電導導体層に流れる導体電流It=αtと、同じケーブルコアに具える超電導シールド層に流れる誘導電流ISとの差に起因する漏れ磁場の分布について、上述のように解析しておく。また、各線材層を構成する超電導線材に印加される磁場による臨界電流の低下率も上述のように求めておく。そして、各層の臨界電流IC,iには、この低下率を考慮したものとする。
【0062】
設定した変化速度α及び抵抗rSに対して、上記の非線形過渡現象を示す連立方程式を解くことで、各時刻tにおいて2本のケーブルコアに具える超電導導体層の両端に発生する電圧Vcや超電導シールド層に誘導する誘導電流Isを求められる。Vcが、臨界電流の定義電圧0.1mV/mに達した時刻における通電電流値が臨界電流Icrealであり、このときのISとの差に基づく漏れ磁場による臨界電流の低下量によってIcrealを補正して、臨界電流Icを演算により求めることができる。
【0063】
[試験例]
超電導導体層の臨界電流の設計値が6.1kA(6100A)の3心一括型超電導ケーブル(長さ:30m)を作製して布設し、上述した往復通電のシステム(図1(A)参照)を構築して、臨界電流を測定した。
【0064】
ケーブルコアの構成部材、及び仕様を表1に示す。超電導線材は、厚さ:0.35mmのBi系酸化物超電導線材を用いた。n値:15〜18、スパイラルピッチ:100mm〜500mm、各線材層の撚り方向はフォーマ側から順にSSZZSSとした。
【0065】
【表1】

【0066】
超電導導体層に供給する直流電流の変化速度αを種々の値として通電し、超電導シールド層に流れる誘導電流Isが異なった状態で臨界電流Icrealを測定した。また、ロゴスキーコイルを用いて、各変化速度αにおける誘導電流Isrealを測定した。
【0067】
実際に測定した臨界電流Icreal(実測値)と、上述の数値解析コードを用いて求めた臨界電流Icreal(解析値)とを図2に示す。ここでは、印加磁場を垂直磁場として解析した。図2に示すように、変化速度αが大きいほど、臨界電流Icrealが大きいことが分かる(ここでは、α=720A/secのとき、Icreal=5635A(設計Ic値:6100Aの90%以上))。これは、誘導電流Isが十分に流れたことで漏れ磁場が低減され、漏れ磁場に基づく臨界電流の低下量が小さくなることで、測定した臨界電流Icrealが設計値に近くなった、と考えられる。変化速度αが小さい場合では、誘導電流Isが十分に流れないために漏れ磁場が大きくなり、図2に示すように変化速度αが大きい場合に比較して、臨界電流が低下している(ここでは、α=240A/secのとき、Icreal=5433A(設計Ic値:6100Aの約89%)。しかしながら、いずれの場合においても、実測値と解析値とはよく一致している。従って、変化速度αの増大に伴う誘導電圧に対応した大容量の電源を用いなくても、上述の実測値や解析値を利用して上述の補正を行うことで、臨界電流Icを精度よく求められる、と言える。
【0068】
上述のように実測値と解析値との整合が高く、図2に示すように、実測値と解析値との差は20A〜40A程度である。従って、臨界電流Icを演算するにあたり、上述した数値解析コードは、妥当性があると言える。
【0069】
図3は、上述の数値解析コードを用いて、誘導電流Isを演算により求めたグラフ(解析値)と、実測値:誘導電流Isrealのグラフである。誘導電流Isの演算では、rs=6.3μΩ、d=30mとした。図3に示すように、解析値と実測値とが整合していることが分かる。従って、上述の数値解析コードは、誘導電流Isの演算にも妥当性があり、臨界電流の低下率も精度よく求められる、と言える。
【0070】
上述の数値解析コードを用いて、ケーブルコアの長さ:ケーブル長を変えた場合の臨界電流Icrealを演算により求めた。その結果を図4に示す。図4に示すようにケーブル長が大きくなる(ケーブルコアの長さが長くなる)と、臨界電流Icrealは、設計値(ここでは6100A)に近づくことが分かる。また、ケーブル長が大きくなると変化速度αの大小の差による臨界電流Icrealの差が小さくなることが分かる。
【0071】
以上から、超電導ケーブル線路に対して臨界電流Icrealを測定する場合、上述のように漏れ磁場による臨界電流の低下分を補正することで、小容量の電源を用いても、臨界電流Icを精度よく測定できると言える。特に、ケーブル長が短い場合では、誘導電流を誘導し難く、図4に示すように漏れ磁場によって臨界電流が低下し易いため、上述のように測定値を補正する本発明を好適に利用できる、と言える。また、キロメートルオーダーといった長尺な線路に対して、上述のように実測した誘導電流Isrealを利用して補正することで、臨界電流Icをより高精度に測定できると言え、上述の数値解析コードを用いると、容易に、かつ簡単に臨界電流Icを測定できると言える。
【0072】
なお、上記超電導ケーブルの出荷前に、工場にて当該超電導ケーブルの一部を切断して、1本の短尺なサンプルケーブル(例えば2m〜数m程度)を用意し、当該サンプルケーブルの両端を直流電源に接続して超電導導体層の臨界電流Icを測定したところ、設計値(6.1kA)に誤差範囲で一致した。この測定では、リード線などを介して直流電源にサンプルケーブルの両端を接続しており、上述のように別のケーブルコアを併設していないため、漏れ磁場による臨界電流の低下が実質的に生じない。また、サンプルケーブルは長さが短いため、上記リード線も短くて済み、リード線の抵抗を実質的に考慮しなくてもよい。従って、上記サンプルケーブルでは、漏れ磁場による影響を受けず、臨界電流を精度よく測定できる。上述の超電導ケーブル線路を構築する超電導ケーブルは、サンプルケーブルと同等の特性が維持されていることが確認できた。
【0073】
[効果]
上述したように、2本のケーブルコアの超電導導体層を往復通電可能とし、一定の変化速度αで超電導導体層に直流電流を通電して測定した臨界電流に対して、超電導導体層への通電電流と超電導シールド層に流れる誘導電流との差に基づく漏れ磁場による臨界電流の低下分を補正することで、小容量の電源を用いても、臨界電流を精度よく測定できる。
【0074】
特に、補正値を求めるにあたり、誘導電流の実測値を利用することで、短絡接続部の抵抗分を正確に反映できるため、短絡接続部の抵抗を一定値とする場合と比較して、臨界電流をより精度よく測定することができる。
【0075】
実施形態1では、同じ断熱管13Aに収納された2本のケーブルコア10a,10bを測定に用いており、各コア10a,10bの磁場が互いに干渉し易い環境であるが、上述のように補正することで、臨界電流を精度よく測定できる。
【0076】
なお、実施形態1では、ケーブルコア10a,10bに対して臨界電流を測定する場合を説明したが、ケーブルコア10b,10c、或いはケーブルコア10a,10cの臨界電流も勿論測定できる。
【0077】
<実施形態2>
図1(B)に示す3条の単心超電導ケーブルに対して、本発明方法を利用して、超電導導体層11の臨界電流を測定する場合を説明する。
【0078】
この形態の場合も、超電導ケーブル1B,1C,1Dの断熱管13B,13C,13Dにそれぞれ収納されたケーブルコア10d,10e,10fに具える各超電導シールド層12の両端を短絡接続部120により接続して通電ループを形成し、片端を接地する。そして、例えば、超電導ケーブル1Bに具えるケーブルコア10dの超電導導体層11の一端側と超電導ケーブル1Cに具えるケーブルコア10eの超電導導体層11の一端側同士をリード部材2によって接続し、各コア10d,10eの他端側を直流電源3に接続する。こうすることで、両超電導ケーブル1B,1Cのコア10d,10eの超電導導体層11は、往復通電が可能となる。
【0079】
上述のような往復通電システムを構築したら、実施形態1と同様に、往復通電を行う超電導導体層11に一定の変化速度αで直流電流を通電して臨界電流を測定し、漏れ磁場に起因する低下分を補正する。こうすることで、実施形態2の場合も、小容量の電源を用いて、臨界電流Icを精度よく測定できる。
【0080】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明超電導ケーブルの臨界電流測定方法は、布設後の超電導ケーブルの竣工試験や、工場で作製した超電導ケーブルに対してサンプル試験を行う場合などで臨界電流を測定する際に好適に利用することができる。特に、本発明臨界電流測定方法は、超電導導体層の臨界電流の設定値が4kA以上、更に5kA以上といった大容量の電力供給用途の超電導ケーブルに対して、臨界電流を測定する際に好適に利用することができる。なお、本発明臨界電流測定方法は、超電導導体層の臨界電流の設定値が4kA未満、例えば、従来の臨界電流の設定値が3kA程度の電力供給用途の超電導ケーブルに対しても利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1A,1B,1C,1D 超電導ケーブル 2 リード部材 3 直流電源 4 記録装置
5 ロゴスキーコイル 120 短絡接続部
10a,10b,10c,10d,10e,10f ケーブルコア 11 超電導導体層
12 超電導シールド層 13A,13B,13C,13D 断熱管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1本の超電導ケーブルに具える複数のケーブルコアを利用して、当該ケーブルコアに具える超電導導体層の臨界電流を測定する超電導ケーブルの臨界電流測定方法であって、
前記各ケーブルコアは、前記超電導導体層の外周に超電導シールド層を具えており、
前記複数のケーブルコアのうち、2本のケーブルコアの一端側同士を電気的に接続し、各ケーブルコアの他端側を直流電源に接続し、各ケーブルコアの超電導導体層に往復通電を行えるようにして、当該超電導導体層に一定の変化速度で直流電流を通電して、臨界電流を測定し、
往復通電を行う一方のケーブルコアに具える超電導導体層への通電電流と、前記変化速度に基づいて、このケーブルコアに具える超電導シールド層に流れる誘導電流との差から、当該ケーブルコアの外部に漏れる漏れ磁場によって、往復通電を行う他方のケーブルコアに具える超電導導体層の臨界電流が低下する量を求め、
前記測定した臨界電流を前記低下した量に基づいて補正することを特徴とする超電導ケーブルの臨界電流測定方法。
【請求項2】
前記2本のケーブルコアに具える超電導シールド層は、短絡接続部によって電気的に接続されており、
前記短絡接続部にロゴスキーコイルを取り付けて、前記超電導シールド層に流れる電流を実測し、前記誘導電流には、この実測値を用いることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの臨界電流測定方法。
【請求項3】
前記2本のケーブルコアに具える超電導シールド層は、短絡接続部によって電気的に接続されており、
前記短絡接続部に取り付けられたシャント抵抗によって、前記超電導シールド層に流れる電流を実測し、前記誘導電流には、この実測値を用いることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの臨界電流測定方法。
【請求項4】
前記超電導ケーブルは、前記超電導導体層の臨界電流の設定値が4kA以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超電導ケーブルの臨界電流測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−44564(P2013−44564A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180750(P2011−180750)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】