超音波式振動計測システム
【課題】間欠的に稼動し運転時間が比較的短い機器に関し廉価かつ確実に軸振動を計測できるシステムを提供すること。
【解決手段】複数個の間欠運転機器1に設置された超音波センサ2と、前記超音波センサに超音波信号を送信し、かつ前記超音波センサから超音波信号を受信する超音波送受信装置4と、前記超音波センサの中の1個と超音波送受信装置とを選択的に接続する切替器3と、前記超音波送受信装置から信号を受けて信号処理を行い、振動波形を形成する信号処理装置5とにより構成される超音波式振動計測システムにおいて、前記間欠運転機器1の電源ケーブルに設置され、前記切替器3に接続されたクランプ式電流計41を備え、前記切替器は、前記クランプ式電流計の出力が入力され、前記電源ケーブルにおける電流発生に基いて、前記超音波送受信装置と前記間欠運転機器に設置された超音波センサとを接続することを特徴とする超音波式振動計測システム。
【解決手段】複数個の間欠運転機器1に設置された超音波センサ2と、前記超音波センサに超音波信号を送信し、かつ前記超音波センサから超音波信号を受信する超音波送受信装置4と、前記超音波センサの中の1個と超音波送受信装置とを選択的に接続する切替器3と、前記超音波送受信装置から信号を受けて信号処理を行い、振動波形を形成する信号処理装置5とにより構成される超音波式振動計測システムにおいて、前記間欠運転機器1の電源ケーブルに設置され、前記切替器3に接続されたクランプ式電流計41を備え、前記切替器は、前記クランプ式電流計の出力が入力され、前記電源ケーブルにおける電流発生に基いて、前記超音波送受信装置と前記間欠運転機器に設置された超音波センサとを接続することを特徴とする超音波式振動計測システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
近年、例えば発電プラント等の大型プラントでは、機器の状態監視保全システムが大幅に導入されている。状態監視保全とは、例えば振動等、機器の運転状態を示すパラメータを計測、蓄積し、その経時変化から、分解点検や部品交換等の保全の時期を決定していくやり方であり、ポンプ等の動的機器に対して信頼性向上、保全合理化の面からも有効である。
【0002】
特に、振動は機器の状態を監視する有効なパラメータである。一般的には、回転機器では軸受部の振動を加速度計で測定するが、縦型揚水ポンプに対しては、ポンプが水中に没していることもあり、地上部のモータ部分で振動を計測しても監視精度が落ちる懸念があるため、軸振動を測定する方がよいとされている。
【0003】
これに対しては超音波式振動計(特許文献1,2参照)が開発されており、比較的簡易に精度のよい軸振動測定を行うことが可能となっている。この振動計は、超音波センサと、超音波受発信装置および信号処理装置により構成され、高速で発振した超音波のエコー信号を信号処理することで軸振動を計測するものである。
【0004】
ところで、状態監視保全の実際の適用では、例えば1箇月に1回等、所定の間隔で機器運転中のパラメータ(特に振動)の計測を実施し、計測したパラメータの履歴管理が行われる。
【0005】
この場合、センサおよび計測器を現場の機器に仮設置し、その場でパラメータを収集するか、または予めセンサを常設して、センサ信号をコントロールルームまでケーブルで伝送する仕組みが構築される。
【0006】
しかしながら、後者の方法は計測のための設備が非常に高額となるため、人間のアクセスが困難な場所にある機器または非常に重要な機器に限られ、一般的には前者のように、センサおよび計測器を現場の機器に仮設置し、その場でパラメータを収集する方法が採られる。
【0007】
なお、特許文献1,2記載の超音波振動計については、下記の運用上の特徴がある。
(1)センサの設置に技量を要し、若干設定に時間がかかる。
(2)一部の回転機等に対しては、機器の運転が開始されるまで、センサ出力が得られず、センサの設置状況の適否が事前に判らない。
(3)非常に高速のサンプリングを行うため、センサ、超音波送受信装置、信号処理装置は有線結合の必要がある。
(4)超音波送受信装置は比較的高価であり、多数の設置はコスト的に困難である。
【特許文献1】特開平11-125688号公報
【特許文献2】特開2004-20540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、タンクの水位が所定の値に至ったら稼動するようなサンプポンプ等、不定期に間欠運転を行い、かつ1回の運転時間が比較的短い機器に関しては、機器が何時動作するかが判らないため、センサおよび計測器を現場の機器に仮設置してその場でパラメータを採取する方法は、オペレータが長時間拘束され、現実的には不可能である。
【0009】
また機器が稼動してから、センサの設置を始めても、運転時間が短い場合にはパラメータの収集が困難となる場合がある。
【0010】
一方、センサを常設し、コントロールルームまでケーブルを引く方法は、非常に高額となり、特にサンプポンプのように台数が多い機器に適用するには現実的ではない。このような場合の対応として、例えば、センサおよび計測器を現場に仮設置し、測定対象機器の起動時におけるセンサ出力の変化をトリガーとして自動で採取する方法もある。しかし、技術背景に記載したように、超音波式振動計においては対象機器が多数あるような場合には、計測器が多数必要となりコストがかかる上に、機器が起動するまでセンサの設置状況が正しいかどうかが判らないため、測定失敗のリスクも高い。
【0011】
本発明は、上述の点を考慮してなされたもので、間欠的に稼動し運転時間が比較的短い機器に関し廉価かつ確実に軸振動を計測できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的達成のため、本発明は、
複数個の間欠運転機器に設置された超音波センサと、前記超音波センサに超音波信号を送信し、かつ前記超音波センサから超音波信号を受信する超音波送受信装置と、前記超音波センサの中の1個と超音波送受信装置とを選択的に接続する切替器と、前記超音波送受信装置から信号を受けて信号処理を行い、振動波形を形成する信号処理装置とにより構成される超音波式振動計測システムにおいて、
前記間欠運転機器の電源ケーブルに設置され、前記切替器に接続されたクランプ式電流計を備え、前記切替器は、前記クランプ式電流計の出力が入力され、前記電源ケーブルにおける電流発生に基いて、前記超音波送受信装置と前記間欠運転機器に設置された超音波センサとを接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したため、複数の間欠運転機器のそれぞれに設けた超音波センサを切替器により超音波送受信装置に選択的に接続するため、間欠的に稼動し運転時間が比較的短い機器に関し廉価かつ確実に軸振動を計測できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
まず、図1を用いて本発明の参考例1を説明する。
【0016】
(構成)
この参考例1は、同一プラントにおける比較的近傍にある複数個の監視対象である間欠運転機器(1)に予め設置された超音波センサ(2)と、複数個の超音波センサ(2)の信号が入力される切替器(3)と、超音波センサ(2)に超音波出力信号を送信し、かつ超音波センサ(2)から超音波入力信号を受信する超音波送受信装置(4)と、超音波送受信装置(4)に接続され、超音波送受信装置(4)から入力信号を受けて信号処理を行い、振動波形を形成する信号処理装置(5)と、形成した振動波形を一時的に格納する格納装置(6)により構成されるデータ計測装置(20)と、により構成されている。切替器(3)には、各々の超音波センサの起動信号(8)が分岐入力(9)として与えられている。
【0017】
データ計測装置(20)は、起動スイッチ(10)を具え、この起動スイッチ(10)には、各超音波センサの起動信号(8)が更に入力(11)され、起動電流が流れると複数の起動信号の中の1つとして与えられ、データ計測装置(20)を起動する起動スイッチ(10)が入り、データ計測装置(20)が起動する。
【0018】
(作用)
このように構成された参考例1において、切替器(3)に分岐入力されている超音波センサの起動信号(9)の中の1つに起動信号が与えられると、切替器(3)は、起動信号が流れた機器に設置してある超音波センサ(2)を、超音波送受信装置(4)に選択的に接続する。一方、同時にデータ計測装置(20)の起動スイッチ(10)が入り、データ計測装置(20)が起動する。
【0019】
これにより、起動した間欠運転機器に接続された超音波センサ(2)に超音波が送受信され、起動した機器の振動が測定される。
【0020】
(効果)
参考例1によれば、複数の間欠運転機器に超音波センサのみを予め取り付け、データ計測装置および切替器をそれぞれ1式ずつ用いることで、低コストで複数の間欠運転機器に対して、それら機器が稼動した際に確実に振動の計測が実施される。
【0021】
また、超音波センサは予め設置されているので、確実にデータの採取が可能となる。さらに、個々のセンサと現場の切替器までは比較的近距離であるため、ケーブル設置コストも安価で、複数台の対象機器を1台の超音波式振動計測装置で測定できるため、測定器の台数も少なくて済む。
【0022】
なお、上記構成において、データ計測装置の起動スイッチの動作は、測定対象物の起動信号に必ずしも連動する必要はなく、データ計測装置を常時稼動状態にしておくことも可能である。その場合は、各機器の起動信号をデータ計測装置に分岐入力しなくてもよい。
【0023】
次に、図2を用いて参考例2を説明する。
【0024】
(構成)
この参考例2は、参考例1に加え、切替器(3)には、無線受信装置(12)が設置され、無線受信装置(12)は、切替器(3)の切替装置(13)に接続されている。
【0025】
一方、データ計測装置(20)は、参考例1に加え、無線受信装置(14)を具備し、無線受信装置(14)は起動スイッチ(10)と接続されている。
【0026】
(作用)
このように構成された参考例2において、参考例1に示す作用に加え、コントロールルーム等の遠隔地から、無線送信機(図示せず)により切替器(3)の無線受信装置(12)に対して、接続すべき超音波センサ(2)を無線指示し、切替器(3)の切替装置(13)は、複数の超音波センサ(2)の中、無線受信装置(14)から指示された1つの超音波センサ(2)を超音波送受信装置(4)に選択的に接続する。
【0027】
一方、データ計測装置(20)の無線受信装置(14)に対しても、コントロールルーム等の遠隔地からデータ計測装置(20)の起動を指示することにより、無線受信装置(14)に接続された起動スイッチ(10)が起動され、データ計測装置(20)が稼動する。
【0028】
(効果)
参考例2によれば、間欠運転機器が起動していない場合でも、コントロールルームから特定の機器に対するデータ計測が可能となる。例えば、複数個の間欠運転機器がほぼ同時に稼動した場合の、測定対象の切替や、超音波式振動計の動作確認試験等を随時行なうことが可能となる。
【0029】
次に、図3を用いて本発明の参考例3を説明する。
【0030】
(構成)
参考例3は、参考例1および2に加えて、データ計測装置(20)が、無線送信装置(15)と伝送制御装置(16)とを具備している。伝送制御装置(16)は、信号処理装置(5)と接続され、無線送信装置(15)は伝送制御装置(16)に接続されている。
【0031】
(作用)
伝送制御装置(16)は、信号処理装置(5)と接続され、信号処理装置(5)が作動した場合に、信号処理装置(5)から作動したセンサチャネルおよび作動時刻の情報を取出して無線送信装置(15)に伝え、無線送信装置15は作動機器および作動時刻の情報を遠隔地のコントロールルーム(図示せず)へ無線通報する。
【0032】
(効果)
参考例3によれば、コントロールルームでは、間欠運転機器の自動起動に基づき、超音波式振動計が動作したかどうか、またはどの機器のデータを採取しているかが判断でき、信頼性の高い測定が可能となる。
【0033】
次に、図4を用いて本発明の参考例4を説明する。
【0034】
(構成)
参考例4では、参考例1,2に加えて、データ計測装置(20)は、無線送受信装置(15)と伝送制御装置(16)とを具備している。伝送制御装置(16)は、信号処理装置(5)に接続されているとともに、データ格納装置(6)にも接続され、無線送受信装置(17)は、伝送制御装置(16)に接続されている。
【0035】
(作用)
この参考例4によるデータ計測装置(20)は、参考例3に示す作用を行うと共に、以下の作用を実施する。すなわち、無線送受信装置(15)は、コントロールルーム等の遠隔地に設置してある、間欠運転機器用のデータ管理システム(図示せず)から無線による要求を受け、伝送制御装置(16)にその情報を伝える。伝送制御装置(16)は、格納装置(6)に保存された測定実施機器番号、機器起動停止時刻、および計測した振動データを呼び出し、無線送受信装置(15)はそれら情報を間欠運転機器データ管理システム(図示せず)へ伝送する。
【0036】
(効果)
参考例4によれば、現場の超音波式振動計で計測したデータをコントロールル−ムで直ちに閲覧することができ、機器の状態を直ちに判断できると共に、計測結果が異常であるような場合は、再計測を行うことが可能となる。
【0037】
次に、図5を用いて本発明の参考例5を説明する。
【0038】
(構成)
この参考例5は、コントロールルーム等に設置された、間欠運転機器用のデータ管理システム(30)に関するものである。間欠運転機器用のデータ管理システム(30)は、複数の超音波式振動計(図示せず)と無線通信を行う無線送受信装置(31)と、各超音波式振動計、個々の超音波式振動計に接続されたセンサ番号および機器名称の関係を示す機器テーブル(32)を具備し、さらに間欠運転機器の機器名称、各機器の起動時刻、停止時刻、および各機器の起動時の振動データを格納するデータ格納装置(33)と、該データを呼び出し、表示用に加工するデータ処理装置(34)、機器毎に、次回起動時期の推定を行う起動時期推定装置(35)と、各機器の運転間隔、1回の連続運転時間、および振動の履歴を表示するデータ表示装置(36)およびユーザからの入力装置を具備している。
【0039】
(作用)
間欠運転機器データ管理システム(30)は、プラント内の複数箇所に設置された超音波式振動計と無線送受信装置(31)で繋がり、いずれかの超音波式振動計が動作した場合に、現場の超音波振動計から無線通報を受けて動作した振動計、および超音波センサが設置されている機器の番号が表示装置(36)に表示される。
【0040】
また、現場データ計測装置の動作完了後、入力装置からの要求に基づき、送受信装置(31)を通して、現場の超音波振動計の格納装置(図示せず)に格納された、各機器の起動時刻と停止時刻、および各機器の起動時の振動データを受信し、間欠運転機器データ管理システムのデータ格納装置(33)に保存する。
【0041】
次に、間欠運転機器データ管理システムの起動時期推定装置(35)は、ユーザからの要求に基づき、間欠運転機器毎に、図6に示すような機器の運転間隔のヒストグラムを作成し、統計演算によって、運転間隔の95%信頼区間を推定し、最新の運転時刻に信頼区間の最小値を加えて、次回の運転時期を推定する。なお、対象とする全間欠運転機器について、例えば図7に示すように稼動実績および至近の起動予測時期をガントチャート形式で表示してもよい。
【0042】
さらに、間欠運転機器データ管理システム(20)のデータ処理装置(34)は、入力装置により選定された表示要求に基づき、格納装置(33)に格納された個々の対象機器の運転間隔、1回の連続運転時間、および振動の履歴を抽出し、例えば図8に示すように、データ表示装置(36)に表示する。振動に関しては、振動振幅または図9に示すような振動スペクトルでの表示形式でもよい。
【0043】
(効果)
参考例5によれば、個々の間欠運転機器の起動状態、振動の時系列トレンドが直ちに表示され、全体の状況が直ちに把握できる。また、今後の起動予定も把握できる。
【0044】
上記参考例1−5の説明に続いて、図10を用いて本発明の実施形態1を説明する。
【0045】
(構成)
実施形態1では、比較的近傍にある複数個の監視対象間欠運転機器(1,1,・・・)に予め設置された超音波センサ(2,2,・・・)と、この複数個の超音波センサ(2,2,・・・)が入力される切替器(3)と、超音波センサ(2)に超音波を送信し、または超音波センサ(2)から超音波を受信する超音波送受信装置(4)と、この超音波送受信装置(4)に接続され、超音波送受信装置(4)から信号を受けて信号処理を行い、振動波形を形成する信号処理装置(5)と、形成した振動波形を一時的に格納する格納装置(6)により構成されるデータ計測装置(20)とにより構成される。切替器(3)には、測定対象物を稼動する電動機の電源ケーブル(40)に設置されたクランプ式電流計(41)の出力が入力されている。
【0046】
さらに、データ計測装置(20)は、起動スイッチ(10)を具備し、起動スイッチ(10)には、クランプ式電流計(41)の出力が分岐入力されている。
【0047】
(作用)
このように構成された実施形態1において、切替器(3)に入力されている測定対象電動機のクランプ式電流計(41)が電流を検知すると、切替器(3)は、モータ信号が流れた機器に設置してある超音波センサ(2)を選択的に、超音波送受信装置に接続する。
一方、同時にデータ計測装置(20)の起動スイッチ(10)が入り、データ計測装置(20)が起動する。
【0048】
これにより、起動した間欠運転機器に接続された超音波センサ(2)に超音波が送受信され、起動した機器の振動が測定される。
【0049】
(効果)
実施形態1の効果は、参考例1に示したのと同様である。また、この実施形態1に、参考例2以降の構成を組み合わせてもよい。そして、クランプ式電流計(41)の値をデータベースとして保存すれば、モータの状態もモニタ可能となる。
【0050】
以上のように、本発明による超音波計測装置および間欠運転機器データ管理システムによれば、少ない機器の設置で、確実に対象とする間欠運転機器のデータを計測・収集することが可能となる。
【0051】
なお、この実施形態1では、超音波式振動計を現場に設置し、複数の測定対象機器に設置した超音波センサ(2)を入力する構成としたが、必ずしも複数とする必要はなく、1台のみの入力でももちろん可能である。
【0052】
また、実施形態1では、超音波式振動計を現場に常設することとしているが、例えば、さらに少ない超音波振動計で対応するため、参考例5に示す運転時期推定機能に基づき、起動予定の例えば1日前等に超音波振動計を設置し、間欠運転機器の起動後データ計測が完了するまで、放置しておくというような運用も可能である。
【0053】
さらに、本発明の実施形態では、切替装置およびデータ計測装置とコントロールルームとは無線伝送とし、データの送受信を無線送受信装置によって行なうこととしているが、必ずしも無線でなくともよく、例えば、現場に有線のLANが引いてあるような場合は有線としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の参考例1を示す超音波式振動計の構成図。
【図2】本発明の参考例2を示す超音波式振動計の構成図。
【図3】本発明の参考例3を示す超音波式振動計の構成図。
【図4】本発明の参考例4を示す超音波式振動計の構成図。
【図5】本発明の参考例5を示す間欠機器データ管理システムの構成図。
【図6】間欠機器の起動間隔の算出方法を示す図。
【図7】本発明の参考例5を示す間欠機器データ管理システムの間欠機器の起動時期推定結果を示す図。
【図8】本発明の参考例5を示す間欠機器データ管理システムのトレンド表示図。
【図9】本発明の参考例5を示す間欠機器データ管理システムの振動スペクトルのトレンド表示図。
【図10】本発明の実施形態1を示す超音波式振動計の構成図。
【符号の説明】
【0055】
1 間欠運転機器
2 超音波センサ
3 切替器
4 超音波送受信装置
5 信号処理装置
6 データ格納装置
8 起動信号
10 起動スイッチ
20 データ計測装置
12 切替器の無線受信装置
14 無線受信装置
15 無線送信装置
16 伝送制御装置
30 間欠運転機器データ管理システム
31 送受信装置
32 機器テーブル
33 データ格納装置
34 データ処理装置
36 データ表示装置
41 クランプ式電流計
【背景技術】
【0001】
近年、例えば発電プラント等の大型プラントでは、機器の状態監視保全システムが大幅に導入されている。状態監視保全とは、例えば振動等、機器の運転状態を示すパラメータを計測、蓄積し、その経時変化から、分解点検や部品交換等の保全の時期を決定していくやり方であり、ポンプ等の動的機器に対して信頼性向上、保全合理化の面からも有効である。
【0002】
特に、振動は機器の状態を監視する有効なパラメータである。一般的には、回転機器では軸受部の振動を加速度計で測定するが、縦型揚水ポンプに対しては、ポンプが水中に没していることもあり、地上部のモータ部分で振動を計測しても監視精度が落ちる懸念があるため、軸振動を測定する方がよいとされている。
【0003】
これに対しては超音波式振動計(特許文献1,2参照)が開発されており、比較的簡易に精度のよい軸振動測定を行うことが可能となっている。この振動計は、超音波センサと、超音波受発信装置および信号処理装置により構成され、高速で発振した超音波のエコー信号を信号処理することで軸振動を計測するものである。
【0004】
ところで、状態監視保全の実際の適用では、例えば1箇月に1回等、所定の間隔で機器運転中のパラメータ(特に振動)の計測を実施し、計測したパラメータの履歴管理が行われる。
【0005】
この場合、センサおよび計測器を現場の機器に仮設置し、その場でパラメータを収集するか、または予めセンサを常設して、センサ信号をコントロールルームまでケーブルで伝送する仕組みが構築される。
【0006】
しかしながら、後者の方法は計測のための設備が非常に高額となるため、人間のアクセスが困難な場所にある機器または非常に重要な機器に限られ、一般的には前者のように、センサおよび計測器を現場の機器に仮設置し、その場でパラメータを収集する方法が採られる。
【0007】
なお、特許文献1,2記載の超音波振動計については、下記の運用上の特徴がある。
(1)センサの設置に技量を要し、若干設定に時間がかかる。
(2)一部の回転機等に対しては、機器の運転が開始されるまで、センサ出力が得られず、センサの設置状況の適否が事前に判らない。
(3)非常に高速のサンプリングを行うため、センサ、超音波送受信装置、信号処理装置は有線結合の必要がある。
(4)超音波送受信装置は比較的高価であり、多数の設置はコスト的に困難である。
【特許文献1】特開平11-125688号公報
【特許文献2】特開2004-20540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、タンクの水位が所定の値に至ったら稼動するようなサンプポンプ等、不定期に間欠運転を行い、かつ1回の運転時間が比較的短い機器に関しては、機器が何時動作するかが判らないため、センサおよび計測器を現場の機器に仮設置してその場でパラメータを採取する方法は、オペレータが長時間拘束され、現実的には不可能である。
【0009】
また機器が稼動してから、センサの設置を始めても、運転時間が短い場合にはパラメータの収集が困難となる場合がある。
【0010】
一方、センサを常設し、コントロールルームまでケーブルを引く方法は、非常に高額となり、特にサンプポンプのように台数が多い機器に適用するには現実的ではない。このような場合の対応として、例えば、センサおよび計測器を現場に仮設置し、測定対象機器の起動時におけるセンサ出力の変化をトリガーとして自動で採取する方法もある。しかし、技術背景に記載したように、超音波式振動計においては対象機器が多数あるような場合には、計測器が多数必要となりコストがかかる上に、機器が起動するまでセンサの設置状況が正しいかどうかが判らないため、測定失敗のリスクも高い。
【0011】
本発明は、上述の点を考慮してなされたもので、間欠的に稼動し運転時間が比較的短い機器に関し廉価かつ確実に軸振動を計測できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的達成のため、本発明は、
複数個の間欠運転機器に設置された超音波センサと、前記超音波センサに超音波信号を送信し、かつ前記超音波センサから超音波信号を受信する超音波送受信装置と、前記超音波センサの中の1個と超音波送受信装置とを選択的に接続する切替器と、前記超音波送受信装置から信号を受けて信号処理を行い、振動波形を形成する信号処理装置とにより構成される超音波式振動計測システムにおいて、
前記間欠運転機器の電源ケーブルに設置され、前記切替器に接続されたクランプ式電流計を備え、前記切替器は、前記クランプ式電流計の出力が入力され、前記電源ケーブルにおける電流発生に基いて、前記超音波送受信装置と前記間欠運転機器に設置された超音波センサとを接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したため、複数の間欠運転機器のそれぞれに設けた超音波センサを切替器により超音波送受信装置に選択的に接続するため、間欠的に稼動し運転時間が比較的短い機器に関し廉価かつ確実に軸振動を計測できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
まず、図1を用いて本発明の参考例1を説明する。
【0016】
(構成)
この参考例1は、同一プラントにおける比較的近傍にある複数個の監視対象である間欠運転機器(1)に予め設置された超音波センサ(2)と、複数個の超音波センサ(2)の信号が入力される切替器(3)と、超音波センサ(2)に超音波出力信号を送信し、かつ超音波センサ(2)から超音波入力信号を受信する超音波送受信装置(4)と、超音波送受信装置(4)に接続され、超音波送受信装置(4)から入力信号を受けて信号処理を行い、振動波形を形成する信号処理装置(5)と、形成した振動波形を一時的に格納する格納装置(6)により構成されるデータ計測装置(20)と、により構成されている。切替器(3)には、各々の超音波センサの起動信号(8)が分岐入力(9)として与えられている。
【0017】
データ計測装置(20)は、起動スイッチ(10)を具え、この起動スイッチ(10)には、各超音波センサの起動信号(8)が更に入力(11)され、起動電流が流れると複数の起動信号の中の1つとして与えられ、データ計測装置(20)を起動する起動スイッチ(10)が入り、データ計測装置(20)が起動する。
【0018】
(作用)
このように構成された参考例1において、切替器(3)に分岐入力されている超音波センサの起動信号(9)の中の1つに起動信号が与えられると、切替器(3)は、起動信号が流れた機器に設置してある超音波センサ(2)を、超音波送受信装置(4)に選択的に接続する。一方、同時にデータ計測装置(20)の起動スイッチ(10)が入り、データ計測装置(20)が起動する。
【0019】
これにより、起動した間欠運転機器に接続された超音波センサ(2)に超音波が送受信され、起動した機器の振動が測定される。
【0020】
(効果)
参考例1によれば、複数の間欠運転機器に超音波センサのみを予め取り付け、データ計測装置および切替器をそれぞれ1式ずつ用いることで、低コストで複数の間欠運転機器に対して、それら機器が稼動した際に確実に振動の計測が実施される。
【0021】
また、超音波センサは予め設置されているので、確実にデータの採取が可能となる。さらに、個々のセンサと現場の切替器までは比較的近距離であるため、ケーブル設置コストも安価で、複数台の対象機器を1台の超音波式振動計測装置で測定できるため、測定器の台数も少なくて済む。
【0022】
なお、上記構成において、データ計測装置の起動スイッチの動作は、測定対象物の起動信号に必ずしも連動する必要はなく、データ計測装置を常時稼動状態にしておくことも可能である。その場合は、各機器の起動信号をデータ計測装置に分岐入力しなくてもよい。
【0023】
次に、図2を用いて参考例2を説明する。
【0024】
(構成)
この参考例2は、参考例1に加え、切替器(3)には、無線受信装置(12)が設置され、無線受信装置(12)は、切替器(3)の切替装置(13)に接続されている。
【0025】
一方、データ計測装置(20)は、参考例1に加え、無線受信装置(14)を具備し、無線受信装置(14)は起動スイッチ(10)と接続されている。
【0026】
(作用)
このように構成された参考例2において、参考例1に示す作用に加え、コントロールルーム等の遠隔地から、無線送信機(図示せず)により切替器(3)の無線受信装置(12)に対して、接続すべき超音波センサ(2)を無線指示し、切替器(3)の切替装置(13)は、複数の超音波センサ(2)の中、無線受信装置(14)から指示された1つの超音波センサ(2)を超音波送受信装置(4)に選択的に接続する。
【0027】
一方、データ計測装置(20)の無線受信装置(14)に対しても、コントロールルーム等の遠隔地からデータ計測装置(20)の起動を指示することにより、無線受信装置(14)に接続された起動スイッチ(10)が起動され、データ計測装置(20)が稼動する。
【0028】
(効果)
参考例2によれば、間欠運転機器が起動していない場合でも、コントロールルームから特定の機器に対するデータ計測が可能となる。例えば、複数個の間欠運転機器がほぼ同時に稼動した場合の、測定対象の切替や、超音波式振動計の動作確認試験等を随時行なうことが可能となる。
【0029】
次に、図3を用いて本発明の参考例3を説明する。
【0030】
(構成)
参考例3は、参考例1および2に加えて、データ計測装置(20)が、無線送信装置(15)と伝送制御装置(16)とを具備している。伝送制御装置(16)は、信号処理装置(5)と接続され、無線送信装置(15)は伝送制御装置(16)に接続されている。
【0031】
(作用)
伝送制御装置(16)は、信号処理装置(5)と接続され、信号処理装置(5)が作動した場合に、信号処理装置(5)から作動したセンサチャネルおよび作動時刻の情報を取出して無線送信装置(15)に伝え、無線送信装置15は作動機器および作動時刻の情報を遠隔地のコントロールルーム(図示せず)へ無線通報する。
【0032】
(効果)
参考例3によれば、コントロールルームでは、間欠運転機器の自動起動に基づき、超音波式振動計が動作したかどうか、またはどの機器のデータを採取しているかが判断でき、信頼性の高い測定が可能となる。
【0033】
次に、図4を用いて本発明の参考例4を説明する。
【0034】
(構成)
参考例4では、参考例1,2に加えて、データ計測装置(20)は、無線送受信装置(15)と伝送制御装置(16)とを具備している。伝送制御装置(16)は、信号処理装置(5)に接続されているとともに、データ格納装置(6)にも接続され、無線送受信装置(17)は、伝送制御装置(16)に接続されている。
【0035】
(作用)
この参考例4によるデータ計測装置(20)は、参考例3に示す作用を行うと共に、以下の作用を実施する。すなわち、無線送受信装置(15)は、コントロールルーム等の遠隔地に設置してある、間欠運転機器用のデータ管理システム(図示せず)から無線による要求を受け、伝送制御装置(16)にその情報を伝える。伝送制御装置(16)は、格納装置(6)に保存された測定実施機器番号、機器起動停止時刻、および計測した振動データを呼び出し、無線送受信装置(15)はそれら情報を間欠運転機器データ管理システム(図示せず)へ伝送する。
【0036】
(効果)
参考例4によれば、現場の超音波式振動計で計測したデータをコントロールル−ムで直ちに閲覧することができ、機器の状態を直ちに判断できると共に、計測結果が異常であるような場合は、再計測を行うことが可能となる。
【0037】
次に、図5を用いて本発明の参考例5を説明する。
【0038】
(構成)
この参考例5は、コントロールルーム等に設置された、間欠運転機器用のデータ管理システム(30)に関するものである。間欠運転機器用のデータ管理システム(30)は、複数の超音波式振動計(図示せず)と無線通信を行う無線送受信装置(31)と、各超音波式振動計、個々の超音波式振動計に接続されたセンサ番号および機器名称の関係を示す機器テーブル(32)を具備し、さらに間欠運転機器の機器名称、各機器の起動時刻、停止時刻、および各機器の起動時の振動データを格納するデータ格納装置(33)と、該データを呼び出し、表示用に加工するデータ処理装置(34)、機器毎に、次回起動時期の推定を行う起動時期推定装置(35)と、各機器の運転間隔、1回の連続運転時間、および振動の履歴を表示するデータ表示装置(36)およびユーザからの入力装置を具備している。
【0039】
(作用)
間欠運転機器データ管理システム(30)は、プラント内の複数箇所に設置された超音波式振動計と無線送受信装置(31)で繋がり、いずれかの超音波式振動計が動作した場合に、現場の超音波振動計から無線通報を受けて動作した振動計、および超音波センサが設置されている機器の番号が表示装置(36)に表示される。
【0040】
また、現場データ計測装置の動作完了後、入力装置からの要求に基づき、送受信装置(31)を通して、現場の超音波振動計の格納装置(図示せず)に格納された、各機器の起動時刻と停止時刻、および各機器の起動時の振動データを受信し、間欠運転機器データ管理システムのデータ格納装置(33)に保存する。
【0041】
次に、間欠運転機器データ管理システムの起動時期推定装置(35)は、ユーザからの要求に基づき、間欠運転機器毎に、図6に示すような機器の運転間隔のヒストグラムを作成し、統計演算によって、運転間隔の95%信頼区間を推定し、最新の運転時刻に信頼区間の最小値を加えて、次回の運転時期を推定する。なお、対象とする全間欠運転機器について、例えば図7に示すように稼動実績および至近の起動予測時期をガントチャート形式で表示してもよい。
【0042】
さらに、間欠運転機器データ管理システム(20)のデータ処理装置(34)は、入力装置により選定された表示要求に基づき、格納装置(33)に格納された個々の対象機器の運転間隔、1回の連続運転時間、および振動の履歴を抽出し、例えば図8に示すように、データ表示装置(36)に表示する。振動に関しては、振動振幅または図9に示すような振動スペクトルでの表示形式でもよい。
【0043】
(効果)
参考例5によれば、個々の間欠運転機器の起動状態、振動の時系列トレンドが直ちに表示され、全体の状況が直ちに把握できる。また、今後の起動予定も把握できる。
【0044】
上記参考例1−5の説明に続いて、図10を用いて本発明の実施形態1を説明する。
【0045】
(構成)
実施形態1では、比較的近傍にある複数個の監視対象間欠運転機器(1,1,・・・)に予め設置された超音波センサ(2,2,・・・)と、この複数個の超音波センサ(2,2,・・・)が入力される切替器(3)と、超音波センサ(2)に超音波を送信し、または超音波センサ(2)から超音波を受信する超音波送受信装置(4)と、この超音波送受信装置(4)に接続され、超音波送受信装置(4)から信号を受けて信号処理を行い、振動波形を形成する信号処理装置(5)と、形成した振動波形を一時的に格納する格納装置(6)により構成されるデータ計測装置(20)とにより構成される。切替器(3)には、測定対象物を稼動する電動機の電源ケーブル(40)に設置されたクランプ式電流計(41)の出力が入力されている。
【0046】
さらに、データ計測装置(20)は、起動スイッチ(10)を具備し、起動スイッチ(10)には、クランプ式電流計(41)の出力が分岐入力されている。
【0047】
(作用)
このように構成された実施形態1において、切替器(3)に入力されている測定対象電動機のクランプ式電流計(41)が電流を検知すると、切替器(3)は、モータ信号が流れた機器に設置してある超音波センサ(2)を選択的に、超音波送受信装置に接続する。
一方、同時にデータ計測装置(20)の起動スイッチ(10)が入り、データ計測装置(20)が起動する。
【0048】
これにより、起動した間欠運転機器に接続された超音波センサ(2)に超音波が送受信され、起動した機器の振動が測定される。
【0049】
(効果)
実施形態1の効果は、参考例1に示したのと同様である。また、この実施形態1に、参考例2以降の構成を組み合わせてもよい。そして、クランプ式電流計(41)の値をデータベースとして保存すれば、モータの状態もモニタ可能となる。
【0050】
以上のように、本発明による超音波計測装置および間欠運転機器データ管理システムによれば、少ない機器の設置で、確実に対象とする間欠運転機器のデータを計測・収集することが可能となる。
【0051】
なお、この実施形態1では、超音波式振動計を現場に設置し、複数の測定対象機器に設置した超音波センサ(2)を入力する構成としたが、必ずしも複数とする必要はなく、1台のみの入力でももちろん可能である。
【0052】
また、実施形態1では、超音波式振動計を現場に常設することとしているが、例えば、さらに少ない超音波振動計で対応するため、参考例5に示す運転時期推定機能に基づき、起動予定の例えば1日前等に超音波振動計を設置し、間欠運転機器の起動後データ計測が完了するまで、放置しておくというような運用も可能である。
【0053】
さらに、本発明の実施形態では、切替装置およびデータ計測装置とコントロールルームとは無線伝送とし、データの送受信を無線送受信装置によって行なうこととしているが、必ずしも無線でなくともよく、例えば、現場に有線のLANが引いてあるような場合は有線としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の参考例1を示す超音波式振動計の構成図。
【図2】本発明の参考例2を示す超音波式振動計の構成図。
【図3】本発明の参考例3を示す超音波式振動計の構成図。
【図4】本発明の参考例4を示す超音波式振動計の構成図。
【図5】本発明の参考例5を示す間欠機器データ管理システムの構成図。
【図6】間欠機器の起動間隔の算出方法を示す図。
【図7】本発明の参考例5を示す間欠機器データ管理システムの間欠機器の起動時期推定結果を示す図。
【図8】本発明の参考例5を示す間欠機器データ管理システムのトレンド表示図。
【図9】本発明の参考例5を示す間欠機器データ管理システムの振動スペクトルのトレンド表示図。
【図10】本発明の実施形態1を示す超音波式振動計の構成図。
【符号の説明】
【0055】
1 間欠運転機器
2 超音波センサ
3 切替器
4 超音波送受信装置
5 信号処理装置
6 データ格納装置
8 起動信号
10 起動スイッチ
20 データ計測装置
12 切替器の無線受信装置
14 無線受信装置
15 無線送信装置
16 伝送制御装置
30 間欠運転機器データ管理システム
31 送受信装置
32 機器テーブル
33 データ格納装置
34 データ処理装置
36 データ表示装置
41 クランプ式電流計
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の間欠運転機器に設置された超音波センサと、前記超音波センサに超音波信号を送信し、かつ前記超音波センサから超音波信号を受信する超音波送受信装置と、前記超音波センサの中の1個と超音波送受信装置とを選択的に接続する切替器と、前記超音波送受信装置から信号を受けて信号処理を行い、振動波形を形成する信号処理装置とにより構成される超音波式振動計測システムにおいて、
前記間欠運転機器の電源ケーブルに設置され、前記切替器に接続されたクランプ式電流計を備え、前記切替器は、前記クランプ式電流計の出力が入力され、前記電源ケーブルにおける電流発生に基いて、前記超音波送受信装置と前記間欠運転機器に設置された超音波センサとを接続すること
を特徴とする、超音波式振動計測システム。
【請求項2】
請求項1項記載の超音波式振動計測システムにおいて、
前記データ計測装置は、前記クランプ式電流計の出力が入力される起動スイッチを具備し、前記クランプ式電流計の出力の発生に基づいて前記起動スイッチが動作し、前記間欠運転機器のデータ計測が開始される
ことを特徴とする、超音波式振動計測システム。
【請求項3】
請求項1記載の超音波式振動計測システムにおいて、
前記切替器は、前記超音波センサの切替接続を行うための信号切替装置を有する無線受信装置を具備し、この無線受信装置は、無線信号に応じて前記信号切替装置を切替えることにより前記超音波センサを選択的に接続する
ことを特徴とする、超音波式振動計測システム。
【請求項4】
請求項1記載の超音波式振動計測システムにおいて、
前記データ計測装置は、起動スイッチを有する無線受信装置を備え、無線による指示に基づき前記起動スイッチが動作する
ことを特徴とする、超音波式振動計測システム。
【請求項5】
請求項1記載の超音波式振動計測システムにおいて、
前記データ計測装置は、無線送信装置および伝送制御装置を備え、前記間欠運転機器の少なくとも1台が前記起動信号を受けて動作を開始したときに、動作開始情報を前記伝送制御装置により定められた所定の場所へ前記無線送信装置により無線通報する
ことを特徴とする、超音波式振動計測システム。
【請求項6】
請求項1記載の超音波式振動計測システムにおいて、
前記データ計測装置は、無線送受信装置および伝送制御装置を備え、間欠運転機器データ管理システムからの無線指示に基づき、前記間欠運転機器における測定実施機器番号、機器起動停止時間および振動データを前記間欠運転機器データ管理システムへ伝送する
ことを特徴とする、超音波式振動計測システム。
【請求項1】
複数個の間欠運転機器に設置された超音波センサと、前記超音波センサに超音波信号を送信し、かつ前記超音波センサから超音波信号を受信する超音波送受信装置と、前記超音波センサの中の1個と超音波送受信装置とを選択的に接続する切替器と、前記超音波送受信装置から信号を受けて信号処理を行い、振動波形を形成する信号処理装置とにより構成される超音波式振動計測システムにおいて、
前記間欠運転機器の電源ケーブルに設置され、前記切替器に接続されたクランプ式電流計を備え、前記切替器は、前記クランプ式電流計の出力が入力され、前記電源ケーブルにおける電流発生に基いて、前記超音波送受信装置と前記間欠運転機器に設置された超音波センサとを接続すること
を特徴とする、超音波式振動計測システム。
【請求項2】
請求項1項記載の超音波式振動計測システムにおいて、
前記データ計測装置は、前記クランプ式電流計の出力が入力される起動スイッチを具備し、前記クランプ式電流計の出力の発生に基づいて前記起動スイッチが動作し、前記間欠運転機器のデータ計測が開始される
ことを特徴とする、超音波式振動計測システム。
【請求項3】
請求項1記載の超音波式振動計測システムにおいて、
前記切替器は、前記超音波センサの切替接続を行うための信号切替装置を有する無線受信装置を具備し、この無線受信装置は、無線信号に応じて前記信号切替装置を切替えることにより前記超音波センサを選択的に接続する
ことを特徴とする、超音波式振動計測システム。
【請求項4】
請求項1記載の超音波式振動計測システムにおいて、
前記データ計測装置は、起動スイッチを有する無線受信装置を備え、無線による指示に基づき前記起動スイッチが動作する
ことを特徴とする、超音波式振動計測システム。
【請求項5】
請求項1記載の超音波式振動計測システムにおいて、
前記データ計測装置は、無線送信装置および伝送制御装置を備え、前記間欠運転機器の少なくとも1台が前記起動信号を受けて動作を開始したときに、動作開始情報を前記伝送制御装置により定められた所定の場所へ前記無線送信装置により無線通報する
ことを特徴とする、超音波式振動計測システム。
【請求項6】
請求項1記載の超音波式振動計測システムにおいて、
前記データ計測装置は、無線送受信装置および伝送制御装置を備え、間欠運転機器データ管理システムからの無線指示に基づき、前記間欠運転機器における測定実施機器番号、機器起動停止時間および振動データを前記間欠運転機器データ管理システムへ伝送する
ことを特徴とする、超音波式振動計測システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−137841(P2011−137841A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91126(P2011−91126)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【分割の表示】特願2005−312440(P2005−312440)の分割
【原出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(390014568)東芝プラントシステム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【分割の表示】特願2005−312440(P2005−312440)の分割
【原出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(390014568)東芝プラントシステム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】
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