説明

超音波視覚化システム

【課題】改良された超音波視角化システムを提供する。
【解決手段】IVUSシステムでは、ユニットは、ディスプレイモニター(12)、カテーテルインターフェースモジュール(4)およびカテーテル(これらは、制御装置と一緒に患者に隣接して位置していて、該ユニットを患者に隣接した位置から遠隔制御可能にする)を除いて、患者の外側または遠く離れて位置している。本発明の第一局面によれば、このディスプレイモニターは、フラットスクリーンモニター(例えば、液晶ディスプレイ)を含み、このモニターは、現在、患者のずっと近くに位置づけできるので、ずっと小さく作製でき、依然として、臨床医に、はっきりと見える画像を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の序説)
本発明は、超音波視覚化システムに関し、さらに特定すると、本出願人の英国特許第2,233,094号および米国特許第5,257,629号が関係している種類のシステムに関する。このようなシステムは、以下、血管内超音波システムまたはIVUSと呼ぶ。
【背景技術】
【0002】
このようなシステムは、種々のユニット、例えば、患者に挿入するカテーテルおよびカテーテルと関連する他のユニットとを連結するカテーテルインターフェースモジュールだけでなくビデオプリンタと一緒に、陰極線管モニター、超音波処理ユニット、配電ユニット、およびおそらく、ビデオレコーダー(VCR)を含む。
【0003】
カテーテル試験室または他の関連した環境内の適当な位置に移動できる手押し車に上記種類のユニットを取り付けることが、提案されている。
【0004】
このような配置では、このカテーテルおよびその付随したカテーテルインターフェースモジュール(CIM)は、このカテーテルが患者に挿入されCIMが典型的には患者またはその近くに載るので、この手押し車には取り付けられない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
患者に隣接した床領域は、医療チームが患者の近くに同伴する必要があるので、非常に貴重である。結果として、通常、患者から一定距離で手押し車を位置づける必要があり、このことは、次に、このディスプレイモニターが、表示された画像を臨床医がはっきりと見えるように、かなり大きなスクリーンを有しなければならないことを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、医療チームの操作環境を改善するための、このシステムのこのようなユニットの物理的な位置に関係している。
【0007】
本発明の1局面によれば、IVUSシステムにおいて、該ユニットは、このディスプレイモニター、CIMおよびカテーテル(これらは、制御装置と一緒に患者に隣接して位置していて、該ユニットを患者に隣接した位置から遠隔制御可能にする)を除いて、患者の外側または遠く離れて位置している。
【0008】
本発明の第一局面によれば、このディスプレイモニターは、フラットスクリーンモニター(例えば、液晶ディスプレイ)を含む。
【0009】
このモニターは、現在、患者のずっと近くに位置づけできるので、ずっと小さく作製でき、依然として、臨床医に、はっきりと見える画像を提供できる。
【0010】
本発明の第二の局面によれば、この制御装置は、音声により与えられる制御指示を可能にする手段を組み込んでおり、そして該指示を受容し実行するための音声認識手段を組み込んでいる。
【0011】
本発明の第三の局面によれば、IVUSシステムは、通常の超音波システムのユニットもまたIVUSシステムで使用できてそれによりこれらのユニットの重複を回避するように、患者の外側に配置されたトランスデューサーを使用する通常の超音波システムで包埋される。言い換えれば、ある種のユニットは、通常の超音波システムおよびIVUSシステムの両方に共通している。
【0012】
本発明の第四の局面によれば、IVUSシステムは、現存のX線システムで包埋されて、再度、それによって両システムに共通のユニットが共有できる。
【0013】
本発明の第五の局面によれば、この制御装置は、患者に隣接した位置から遠隔位置ユニットまで制御指示を与えることを可能にする赤外遠隔制御装置を含む。
【0014】
本発明の第六の局面によれば、このモニターは、CIMユニットに取り付けられる。
より特定すれば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1) 以下の部分を含む、IVUSシステム:
a)カテーテル(3)であって、上記カテーテルは、その遠位末端またはその近くに、超音波トランスデューサーアレイが取り付けられている;
b)カテーテルインターフェースモジュール(4)であって、上記モジュールは、上記カテーテル(3)の近位末端に接続されている;
c)ディスプレイモニター(12);
d)制御装置(7、13、16);
e)信号処理データ入力およびデータ記憶装置(9)であって、上記信号処理データ入力およびデータ記憶装置は、患者の身体の内部の画像を表示するために、上記超音波トランスデューサーアレイのエネルギー付与により誘導されたデータを処理し保存して上記ディスプレイモニター(12)に信号を出力するためにある;
f)患者を支持するためのベッド(14);
ここで、上記IVUSシステムは、以下により特徴付けられる:
(i)上記カテーテルインターフェースモジュール(4)、上記ディスプレイモニター(12)および上記制御装置(7、13、16)は、それぞれ、臨床医が容易に見て操作できるように、上記ベッド(14)に隣接して位置している;および
(ii)上記信号処理データ入力およびデータ記憶装置(9)は、医療チームが患者に隣接できるように占有するために上記ベッドの周りで空き空間をつくるのに十分な距離で、上記ベッドから遠く離れて位置している、
システム。
(項目2) 以下の1個またはそれ以上が、上記ベッドから遠く離れて位置していることにより特徴付けられる、項目1に記載のIVUSシステム:
(i)配電ユニット(8);
(ii)ビデオレコーダー(10);
(iii)ビデオプリンタ(11)。
(項目3) 上記ディスプレイモニターが、フラットスクリーンモニターを含む、項目1または2に記載のシステム。
(項目4) 上記制御装置が、音声により与えられる制御指示を可能にする手段を組み込んでおり、そして上記指示を受容し実行するための音声認識手段を組み込んでいる、項目1〜3のいずれかに記載のシステム。
(項目5) 使用中に上記患者の外側に配置されたトランスデューサーを使用する超音波システムと組み合わされた、項目1〜4のいずれかに記載のシステム。
(項目6) X線システムと組み合わされた、項目1〜5のいずれかに記載のシステム。
(項目7) 上記制御装置が、上記患者に隣接した位置から遠隔位置ユニットまで制御指示を与えることを可能にする赤外遠隔制御装置を含む、項目1〜6のいずれかに記載のシステム。
(項目8) 上記ディスプレイモニターが、上記カテーテルインターフェースモジュールに取り付けられている、項目1〜7のいずれかに記載のシステム。
(項目9) 項目1に依存するとき、項目1または項目2〜8のいずれかに記載のIVUSシステムの部品またはユニットを配列する方法であって、上記方法は、以下の工程:
a)上記カテーテルインターフェースモジュール(4)、上記画像モニター(12)および上記制御装置(7、13、16)を、それぞれ、臨床医が容易に見て操作できるように、上記ベッド(14)に隣接して位置づける工程;および
b)上記信号処理データ入力およびデータ記憶装置(9)を、医療チームが患者に隣接し得るように占有するために上記ベッド(14)の周りで空き空間をつくるのに十分な距離で、上記ベッドから遠く離れて位置づける工程、を包含する、方法。
(項目10) 以下の1個またはそれ以上を上記ベッドから遠く離れて位置づける工程を包含する、項目9に記載の方法:
(i)配電ユニット(8);
(ii)ビデオレコーダー(10);
(iii)ビデオプリンタ(11)。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、既に記述した種類の公知の手押し車の透視図である。
【図2】図2は、本発明による組み合わせたディスプレイおよびカテーテルインターフェースモジュールの透視図である。
【図3】図3は、本発明による標準的なX線室に包埋されたIVUSの線図である。
【図4】図4は、本発明によるパーソナルコンピューターに包埋されたIVUSを示すブロック線図である。
【図5】図5は、超音波システムに包埋された単一ボードIVUSを示すブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
手押し車1には、脚輪2が備え付けられており、これによって、それは、カテーテル試験室または他の関連した環境内で移動できる。
【0017】
患者に挿入するためのカテーテル3は、カテーテルインターフェースモジュール4に接続されており、これは、次に、ケーブル5により、手押し車1で運ばれる種々のユニットに接続される。
【0018】
これらのユニットは、典型的には、手押し車1の上部に取り付けられた陰極線管モニター6、このモニター上のディスプレイを制御するためのキーボードおよびトラックボール7、配電ユニット8、超音波処理ユニット9(これは、パーソナルコンピューターであり得る)、ビデオレコーダー(VCR)10および付随したビデオプリンタ11を含む。
【0019】
手押し車1は、典型的には、枠組み1aおよび多数の棚1bを含む。
【0020】
先に述べたように、図1で示した手押し車装置は、このカテーテル実験室または他の関連した環境内で、患者に隣接した医療チームが必要とするであろう床空間を占めることなく、患者にできるだけ近づいて位置している。結果として、モニター6のスクリーンのサイズは、臨床医がはっきりと見ることができる表示を与えるように、比較的に大きくすべきである。
【0021】
本発明の本質は、手押し車1をなくすこと、および図1で示した手押し車で通常運ばれるユニットの殆どを遠隔位置で配置することにある。
【0022】
患者に隣接して位置づけられる唯一のユニットは、CIM4、CIM4に取り付けられたディスプレイスクリーン12、および制御パネル13(これにより、このシステムを構成する種々のユニットが制御できる)である。カテーテル3は、もちろん、患者に挿入しなければならないので、患者に近くされる。
【0023】
モニター12のスクリーンは、患者(従って、臨床医)に近くなるので、そのスクリーンは、図1の公知装置のスクリーンよりもずっと小さくできる。
【0024】
実際、陰極線管ディスプレイを含める代わりに、モニター12は、フラット液晶ディスプレイまたは他の型のフラットスクリーンディスプレイを含むことができる。
【0025】
この制御パネルは、簡単な現場制御装置(例えば、トラックボール、ジョイスティックまたは類似の位置決め装置)を通って、ウィンドウズ(登録商標)用ソフトウェアと組み合わされ、非常に小さくできる。あるいは、この制御装置は、他の制御装置(例えば、X線ガントリーおよびベッド制御装置)を使って取り付けることができる。
【0026】
このシステムをより簡単に制御するために、遠隔ハンドセットが使用できる。
これは、赤外リンク(または、類似のワイヤレス連絡)を介して、ベッドサイドユニットを操作できるか、または代替物として処理ハードウェア(部屋の構造がそれを必要とする場合)を使って、直接的に操作できる。このハンドセットは、IVUSシステムを運転するのに必要な全ての制御装置(例えば、調節ゲイン、画像拡大装置など)を提供でき、通常のIVUSシステムのスライドおよびボタンと交換できる。
【0027】
本発明のさらに他の局面によれば、このシステム制御装置は、音声認識技術を利用できる。ここでは、このハンドセットは、処理ハードウェアへのリンクと共に、使用できる。システムが話す言葉は、オペレータとシステムとの間の相互作用を可能にするように使用でき、これにより、このディスプレイを緻密に観察する必要性があまり重要ではなくなる。キーワードの認識により、任意の機能の起動などが可能になる。テキスト入力は、類似の様式で管理できる。
【0028】
本発明による装置の利点は、これまでに記述したが、この処理ハードウェアが、現在、ディスプレイおよびインターフェイス装置(例えば、キーボード)から離れており、便利な場所(例えば、患者のベッドの下)に配置するのに十分に小さくできることにある。
【0029】
この部屋のオーバーヘッドモニターは、代わりのディスプレイまたは追加のディスプレイとして、使用できる。
【0030】
あるいは、それは、X線制御室のX線電子機器と共に収容でき、この種の装置は、図3で示されている。次いで、IVUSシステムは、標準的な周辺機器(例えば、X線室に既に設けられたプリンタおよびデジタルレコーダーまたはビデオレコーダー)を利用できる。この制御室中の処理ハードウェアもまた、並列セットの操作制御装置(これは、適当なオペレータにより、このカテーテル試験室の外側から操作可能にできる)を備え付けることができ、また、患者の詳細情報は、この制御室から入力できる。
【0031】
図3を参照すると、患者のベッドは、14で示されており、このベッドには、図2で示した装置が隣接している。
【0032】
CIM4は、電気結線15を介して、IVUSコンピューター9に接続されており、そして遠隔操作ジョイスティック型装置16もまた、電気結線17を介して、コンピューター9に接続されている。
【0033】
IVUSシステムを操作可能にするのに必要な他の全てのユニットは、公知の標準的なX線設備に既に組み込まれている。
【0034】
IVUSシステムで実行されるデータ処理は、パイプラインとして公知のものに配置された一連の別個の操作からなる。このことは、1つのプロセスの出力が次のプロセスの入力になることを意味する。これらのプロセスは、標準的なインターフェイスを介して接続される別個のモジュール(例えば、個々の回路カード)として、配列できる。この一例は、一組の専用カードであり、これは、周辺部品相互接続(PCI)コンピューターバスにプラグインされる。次いで、非IVUS特定処理(例えば、データストレージおよびアーカイブ、ディスプレイドライバおよび電源)の一部を実行するために、市販の標準的なカードまたは部品を利用することが可能になる。この例では、この処理は、標準的なパーソナルコンピューターで実行できる。
【0035】
図4は、IVUS処理モジュールの実施形態を図示している。
【0036】
図4では、図1〜3を参照して既に記載した品目と等価な品目は、同じ参照番号を有する。
【0037】
図4では、パーソナルコンピューター装置全体は、囲み18内で図示している。
【0038】
囲み18内には、このIVUSシステムに特異的なモジュールが含まれ、これらは、これより小さい囲み19内に含まれている。
【0039】
囲み18内にあるが小さい囲み19内にはないモジュールには、多くの公知画像化システム(例えば、外部超音波画像化システム)にある標準的な品目であり得るものがある。
【0040】
これらの通例のユニットには、パーソナルコンピューターバス20、スキャン会話モジュール21、グラフィクスカード22およびデータを保存し媒体を保存するためのユニット23(例えば、CD−ROM)が挙げられる。囲み19内のIVUSシステムに特異的なモジュールは、アナログ−デジタル変換モジュール24(これは、カテーテルインターフェイスモジュール4からアナログ入力25を取得する)を含む。
【0041】
ADC24からの出力は、生のデジタルデータ26であり、これは、集束および光線形成に関係しているデジタル信号処理カード27に入力される。
【0042】
カード27は、データストア28と相互接続されており、データストア28自身もまた、モジュール23と相互接続されている。
【0043】
この配置を使って、1つのモジュール24は、データ獲得操作の全てを実行し、また、カテーテルインターフェースモジュール4とのインターフェイスを行う。
【0044】
第二モジュール27は、受信したデータ信号を集束するのに必要な集中的な数値計算を行う。これは、典型的には、集束およびノイズ低減操作である。
【0045】
出力形態27は、典型的には、デジタルであり、このモジュールへの入力よりもずっ低い帯域幅を有する。この出力は、集束したA−スキャン(これは、ローカルディスク28に一時的に保存できる)およびアーカイブした適当な取り出し可能媒体23からなる。あるいは、モジュール21の出力は、類似の装置を使用して、保存しアーカイブできる。
【0046】
モジュール21は、ラスタースキャン済みディスプレイ装置(例えば、通常のコンピューターモニターまたはビデオスクリーン)でのその表示を可能にするように、このデジタルデータのスキャン変換を実行する。
【0047】
この操作は、多くの画像化様式で見られる補間およびズーム機能と類似している。
【0048】
このIVUS様式は、従って、以下の部品を利用することにより、別の画像化様式に組み込むことができる:
(i)カテーテルインターフェースモジュールおよびディスプレイ4、12
(ii)制御装置13
(iii)データ獲得モジュール24
(iv)デジタル処理モジュール27
(v)スキャン変換カード21を囲み19に組み込むこともまた、必要であり得る。
【0049】
本発明のさらなる局面(特に、この処理ハードウェア)では、このデジタル処理機能は、このIVUSデータ獲得モジュールに組み込むことができる。
【0050】
これは、この処理操作を包埋するASICまたはFPGAを得る、特注デジタルチップ設計技術を使用する。その一例には、合成アパーチャ処理がある。
【0051】
このシステムは、次いで、他の画像化様式(例えば、通常の外部超音波)に組み込むことができる単一モジュールからなり得る。同じ技術はまた、IVUSを提供する標準的なコンピューターシステムで使用できる。
【0052】
図5は、このような配置の1実施形態を図示している。既に記載し図示したものに対応するユニットまたは部品は、同じ参照番号を有する。
【0053】
通常の外部超音波は、トランスデューサー29を有し、その出力信号は、伝達/受信モジュール30に入力し、これは、次に、アナログ−デジタル変換器(ADC)31に入力し、これは、次に、デジタル光線フォーマー32に入力する。並行して、このIVUSシステムは、カテーテル3の遠位末端において、このトランスデューサーからの信号を取り込み、それらを、カテーテルインターフェースモジュール4ならびに組合せADCおよび集束/光線形成モジュール24〜27に通し、その出力は、デジタル光線フォーマー32からの出力と共通しており、それらの両方は、スキャン変換器21に続いてグラフィックスメモリー22およびディスプレイ12に入力する。
【0054】
破線33は、公知の通常の超音波システムに包埋されたIVUSシステムを本質的に含む単一ボードを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図3に示されるIVUSシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−139909(P2011−139909A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−46990(P2011−46990)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【分割の表示】特願2000−591916(P2000−591916)の分割
【原出願日】平成11年12月22日(1999.12.22)
【出願人】(503071772)ボルケーノ コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】